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500字くらいでプレレンすうヌレ^p^

110いさらい:2010/12/03(金) 00:42:33
「また乾燥した指で紙を捲っただろう」
らいらいの指先は乾燥した紙で小さな傷が幾つもついていた。冬場の図書委員の仕事は意外なところで辛い。
いささは眉を寄せてらいらいの手を広げさせた。
「どうしてすぐに医務室に来ないの」
「すみません。このくらい舐めておけば治ると思って」
決まり悪そうにへにゃりと笑うらいらいは、悪気は全くないようだった。いささは溜め息をついて、薬棚から軟膏を取る。
そしてらいらいの手を取ると、傷だらけのかさつく指先に丹念に塗り込んで行った。
「これっぽっちの傷でもね、らいらいが怪我したら僕が嫌なんだ。だから、僕に会いに医務室に来てよ」
丁寧に優しく塗り込んでいくいささの指が暖かくて、らいらいは自分の頬も熱くなっていくのを感じる。
「お返事は?」
「…はい。今度からちゃんと来ます」
肩を竦めて答えると、いささは笑ってらいらいの頭を撫でた。
「本当は怪我しないのが一番なんだけどね」
「気をつけます」
そうして二人で顔を見合わせて笑った。


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