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500字くらいでプレレンすうヌレ^p^

101とらみっき死ネタ:2010/11/21(日) 20:50:09
負け戦、の字が浮かんだ。不敗の佐武鉄砲隊がこんな窮地に陥るなんて、みっきは夢にも思わなかった。
降り注ぐ弾丸が陽光に輝いて、きれいだと場違いにも思った。
ああ、これで最期だ。とらたんは、佐武鉄砲隊を撤退させている。殿を申し出たのは自分で、それを信頼してとらたんは受け入れた。とらたんさえ生き延びれば、みっきの愛した佐武鉄砲隊は再び不敗となる。
弾丸を胸に浴びるのを覚悟した。しかし、それより先に感じたのは土と汗の匂いが混じったぬくもりだった。
陣頭を指揮していたはずのとらたんが、みっきに覆い被さっていた。ごぷ、と口から血が吹き出るのを、みっきはどこか遠くのことのように感じた。
「馬鹿!どうして戻って来た!隊は…いや…お前…は…」
「あはは…まるで…学園にいた頃に戻った…みたいだ…」
みっきを抱いて弾丸を浴びたとらたんは、泣き笑いのような顔をした。
「佐武はもうだめだ、でんそん殿。いや…でんそん先輩」
昔の懐かしい呼び方で、とらたんは笑った。
「違う!そんなの…許さない…」
「最期はあなたと一緒がいいって、決めていたんです」
とらたんの体からは力が抜けていく。みっきはとらたんの体を抱き返した。
「馬鹿だよ…お前…」
「幸せなんですよ、これでも」
最後の一発が、土煙の中の二人を貫く。ゆっくり倒れ込んだ土の上で、二人は睦み合うように抱き合った。最期の瞬間を迎えるまで。
そこに苦悶の跡はない。ただ学園にいた頃のように、穏やかな表情だけを残して逝った。


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