[
板情報
|
R18ランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
白蛇ロワイアル2
1
:
◆Il3y9e1bmo
:2020/06/21(日) 00:28:04 ID:ikhYlBOU0
――持っているものはさらに与えられて豊かになる。
持っていないものは持っているものまでも取り上げられる。
【当企画について】
・スタンド能力をジョジョに登場する以外のキャラが得、バトロワをしたら……という企画です。
・コンペ形式で参加者を募集します。
・初心者から経験者まで誰でも歓迎します。
【コンペについて(終了)】
・コンペ対象作品は締め切りまでに投稿完了された作品となります。
・締め切り期日は募集開始から2ヶ月後を想定していますが、投稿数の増減により多少変動します。
・期日の2週間前までには本スレの方で発表します。
・採用キャラは企画主が選考させていただきます。
・いわゆる、候補話内の『ズガン』については不可とします。
・候補話内での登場スタンドの被りはありです。
【基本ルール】
・全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる。
・生き残った一人だけが、元の世界へ帰ることができ、また主催者権限の範囲内で願望が成就。
・ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
・ゲーム開始時、プレイヤーはスタート地点からテレポートさせられMAP上にバラバラに配置される。
・プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。
・結界が貼ってあり、会場からの脱出は不可。
【スタート時の持ち物】
・参加者があらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収(ただし義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない)。
・武器にならない衣服、帽子は持ち込みを許される。
・ゲーム開始直前に参加者は開催側から以下の物を「デイパック」に入れられ支給される。
「地図」「コンパス」「照明器具」「筆記用具」「水と食料」「名簿」「時計」
「デイパック」→他の荷物を運ぶための小さいリュック。
「地図」→ 大まかな地形の記された地図。禁止エリアを判別するための境界線と座標がひかれている。
「コンパス」→ 安っぽい普通のコンパス。東西南北がわかる。
「照明器具」→ 着火器具+携帯ランタン(油は2〜3日分)。
「筆記用具」→ 普通の鉛筆と紙。A4用紙10枚。
「水と食料」→ 通常の飲料と食料。量数は通常の成人男性で二〜三日分。
「名簿」→全プレイヤーの名前が載っている。顔写真はなし。
「時計」→ 普通の時計。開催者側が指定する時刻はこの時計で確認する。
【スタンド】
・参加者は一人につき一つスタンド能力をDISCを挿入される形で与えられている。
・スタンドの使い方は支給品内のメモに大まかな概要だけ記されている。
・与えられたスタンド能力に必要なものがあれば、それも一緒に支給される(セックス・ピストルズの銃、サーフィスの人形など)。
【放送について】
・放送は六時間ごとに行われる。
・放送毎に、過去六時間の死者の名前、残り人数、次に増える禁止エリアが発表される。
・禁止エリアの増加割合は放送毎に1つ。
【「首輪」と禁止エリアについて】
・このロワに首輪はない。代わりに主催者権限により、脳そのものを爆発できる。
・どのような存在であろうと、爆発されると死亡する。
・爆発すればどのような能力でも修復不可能。
・脳の爆発以外の要因で死亡した場合、以降爆発することはない。誘爆もなし。
・主催者は能力によりプレイヤーの位置を把握可能。ただし会話内容などは把握できない。
・爆発するのは、以下の条件の時である。
●放送で指定した禁止エリア内に、プレイヤーが入った場合(進入後10分経過で爆発)
●24時間で、一人も死者が出なかった場合(全員のものが一斉に爆発)
●参加者が、主催者にとって不利益な行動をとろうとした場合
【制限について】
・全ての参加者はダメージを受け、状況により死亡する(不死の参加者はいない)。
・スタンドは体力・精神力を消費する。
・その他各能力の制限は各自常識の範囲内で。問題があった場合は随時議論を行う。
・全ての登場人物が日本語で思考し、会話し、読み書きすることができる。
まとめwiki:
ttps://wikiwiki.jp/snake_rowa/
120
:
ですの少女とボハハおじさん
◆XksB4AwhxU
:2020/07/03(金) 20:20:52 ID:txPj.knk0
「おわかりいただけましたでしょう?…失礼ながら、これは、TVの台本のように決められた結末へ向かうわけではないですの。あなたが悪い殿方ではないと理解しましたが「ヒーロー」とは、私はとうていおもえませんわ」
黒子の非情だが優しい宣告。
「…わかってはいたさ。うすうすだけどね…」
「え!?」
予想外の観音寺の言葉に驚く黒子。
「いかに、私でも、今のTV界で放送…許される内容ではない…ドッキリではなく本当の「殺し合い」だということは…」
「だ…だとしたら、なおさらッ!!」
黒子の言葉を大きな声で遮るッ!!
「あの少女の霊に応えるためにも私は「ドン・観音寺」でいなくてはいけないんだッ!!!!」
「!?」
「…少女の頭が爆発した後、神父が「殺し合い」の説明をしていたが、私はそれよりも…頭が血だらけで涙を流している少女の霊が気になっていたよ…」
「少年・少女は私が私でいることを支えてくれる「ファン」なんだ…たとえ「ぶら霊」を視ていなくてもね…」
「私はあの少女の命を奪った神父を許すわけにはいかないッ…!かならずや、この儀式を阻止して彼女の霊に謝らせる!!」
「そのためには…私は「ドン・観音寺」でなくてはいけないんだッ!ツインテール・ガール…ッ!」
「…観音寺さん…」
そこにいる男は、いつものようなTVで見せるユーモアあふれるカリスマ霊媒師ではなく、一人の黄金の意志を持っている漢。
「…私、あなたのことを誤解しておりましたわ。ただの胡散臭い殿方ではなく、魅力を持つ殿方でしたのね」
黒子は先ほどまで抱いていたドン・観音寺への評価を白紙にすると…
「たのむ…ツインテール・ガール。私と戦友(とも)として戦ってくれるかい?」
ドン・観音寺の心からの言葉に…
「観音寺さん…ええ。わたくしからも、協力をお願い致しますわッ!」
「ありがとう…」
観音寺は黒子の言葉を聞き、涙を腕で拭うと…
「ユーは、今日から私の…2番弟子だ……!」
「……はぁああ!?、格下げですの―――――!?」
(ツインテール・ガール→2番弟子)
どーーーーーーーーーーーーん!
121
:
ですの少女とボハハおじさん
◆XksB4AwhxU
:2020/07/03(金) 20:21:53 ID:txPj.knk0
「それじゃあ、まずは、灯台そして洋館に謎の施設と探索しようではないかッ!」
「そうですわね…殺し合いを防ぐためには、住宅街よりも特徴的な建物を探索した方がよいですわ」
殺し合いを防ぐために探索する方針を黒子と確認した観音寺。
「さぁ!マイ2番弟子よ!!一緒にボハハハハー♪」
「~~~~~絶対に私はやりませんわよっ!」
「…なァ、オレら、このままついていっテいいノカ?」
「サァな……」
超能力と霊能力。2つの融合が行きつく果ては…ッ!?
【D-1/工場/一日目・未明】
【ドン・観音寺@BLEACH】
[状態]:疲労(小)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品
[スタンド]:セックス・ピストルズ
[思考・状況]基本行動方針:この殺し合いにおいて「ドン・観音寺」であり続ける。
1:黒子と灯台→洋館→謎の施設の順を目指して探索する
2:うむぅ…マイ2番弟子と一緒にボハハハハ――――するにはどうすれば…
3:黒子の知り合い(上条と佐天)と合流できたらする
[備考]
黒子とのやり取りで「ドッキリ」ではないことを理解しました。
黒子のテレポーターを体験して超能力の存在を信じました。
黒子との共闘を結びました。それによって呼び名を変えました。(ツインテール・ガール→マイ2番弟子)
観音寺弾を使用すると体力の消耗をする。
【白井黒子@とあるシリーズ】
[状態]:健康
[装備]:小さな歯車を何個か
[道具]:基本支給品
[スタンド]:ボクのリズムを聴いてくれ
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いを止め、脱出したい。
1:ドン・観音寺と灯台→洋館→謎の施設を目指して探索する
2:上条・佐天と合流できたらしたい
3:2番弟子!?というか1番弟子は誰ですの〜〜〜〜!!
[備考]
ドン・観音寺は自覚のない超能力者ではないかと考察
ドン・観音寺の言うことは「嘘」ではないと思うが、やはり霊能力については半信半疑
ドン・観音寺より「2番弟子」の称号を得た
122
:
ですの少女とボハハおじさん
◆XksB4AwhxU
:2020/07/03(金) 20:22:11 ID:txPj.knk0
投下終了します。
123
:
◆XksB4AwhxU
:2020/07/03(金) 20:38:27 ID:txPj.knk0
感想有難うございます。いただけると励みになります。
既に踏み出している男と踏み出した女
遠野のコンペを読んで参戦名簿に「白井黒子」と、もうやるしかないなと(笑)
「noctchill」のメンバーでマーダーになりそうなのは樋口かな…とスタンドもパープル・ヘイズなので選んじゃいました!
性欲少年とジャングル少女と黒い医者
誠の「アレ」はもう病気じゃないかと前々から思っていまして…(笑)なら医者のブラックジャック。
そしてやっぱり誠なので女の子が必要ということで、「noctchill」の浅倉が最適かな…と
アイドルと中年男改め班長
大槻の扱いをどうするか悩みましたが、漫画好きなら、「ブラックジャック」は知ってるだろうし、触れないと変だなと思ったのでこうしました!
カストロはヒソカからメモリ不足を指摘された念の使い手ですので、大槻流に言うならあれしかないなと(笑)
124
:
◆XksB4AwhxU
:2020/07/03(金) 20:52:27 ID:txPj.knk0
白石由竹と市川雛菜で予約します。
125
:
名無しさん
:2020/07/04(土) 11:45:56 ID:V0BwTjFA0
投下乙です
黒子には災難でしたね
ちなみに風紀委員のルビは「ジャッジメント」だそうです
126
:
柔らかさと固さ
◆XksB4AwhxU
:2020/07/04(土) 21:40:31 ID:V5jgjgRM0
完成したので投下します。
127
:
柔らかさと固さ
◆XksB4AwhxU
:2020/07/04(土) 21:41:00 ID:V5jgjgRM0
完成したので投下します。
128
:
柔らかさと固さ
◆XksB4AwhxU
:2020/07/04(土) 21:42:37 ID:V5jgjgRM0
「よお…俺の名前は白石由竹。脱獄王さ」
「俺を縛り付ける場所なんか存在しねぇ…誰に捕まろうが煙のように逃げてやるのさ」
「…だが、そんな俺でも今回ばかりは脱獄できねぇかも知れねぇ…このおっぱいが大きな女子(おなご)のスウィートからな…」
時は数分遡る…
「へぇ〜、刑務所ってこういう造りをしているんだ〜♡」
刑務所の内部を興味津々そうに歩きながら見学している市川雛菜。
スパイス・ガールと「楽しい〜♡としあわせ〜♡」のために歩いていた雛菜は刑務所に目が留まった。
「あれって、刑務所〜?雛菜、刑務所なんて行ったことないな〜」
「ドウシマスカ?寄ッテミマス?」
スパイス・ガールの提案に…
「う〜ん……うん!楽しそ〜♡行ってましょうか〜♡」
機嫌よく乗った雛菜。
「おっ!手錠に警棒…へへッ!悪いが借りていくぜッ!」
看守部屋の荷物を物色している白石由竹。
「ん!?人の気配がしやがるな…どれ!」
白石は自身のスタンド「リトルフィート」の力で身長を縮めると、人影の正体を探った。
「おお!?こ…これは…!?」
そこにいたのは、刑務所内を笑顔で歩いている市川雛菜だった。
「こりゃあ…!「すすきの」の女郎部屋でもお目にかかれないべっぴんじゃねぇか…!!」
「しかし…こんな服装じゃ、簡単にアソコが丸見えじゃねぇか」
市川雛菜の服装は通っている学校の制服にお気に入りのキャラがプリントされているクリーム色のカーディガンを羽織っている。
明治の人間にはとうてい理解できない文明開化すぎる服装に白石は口元をニヤつく…
「どれどれ、文明女子のアワビは…ッと!」
白石は助平丸出しで雛菜の足元へ移動し、上を眺めるとそこは…ッ!?
「なっ!?ピンクの湯文字だと!?いや、ズロースか…!?」
白石の視界に映ったのはアワビではなく、ピンク色の布…
「くそぉおお…!!だから、そんな短い丈の長さの洋服を着てやがるのかッ!?※違います
「なら!、胸の山頂に行くまでだッ!!」
目的を下から上に変更した白石は雛菜のカーディガンのポケット内へ侵入を試みて成功したのだッ!!
☆彡 ☆彡 ☆彡
129
:
柔らかさと固さ
◆XksB4AwhxU
:2020/07/04(土) 21:43:54 ID:V5jgjgRM0
「と…現在にいたるが…」
「ああ…しかし、なんだ御香か?この女子、いい香りがする…」
白石は雛菜の香水の香りに思考が停止しかけている…
(ッ!?いかん、いかん!いつまでもそこに居ないで、早くこのおっぱい…胸の頂きを覗かなくてはッ!)
我に戻った白石は行動を開始しようとするが…
「ボシュッッ!!」
大きな音と共に、雛菜の来ていたカーディガンの右ポケットが破れ、元の大きさに戻った白石が立っていた…
「あ…あれ?リトルフィート?どういうこと…はっ!?」
静かな怒りの気配を感じて振り向く白石。
「…………」
「…やぁ、お嬢さん。僕の名前は白石由竹。独身で彼女はいません。よかったら、僕と付き合いませんか?」
「…………」
女は素早く、バックステップをすると…スタンドを出し…
「え…え〜と…これは、深い事情がありまして…」
「WAAAAAAAANNABEEEEEEEEEE!!!!!!」
「ぎゃっはああッ〜〜〜〜〜☆」
☆彡 ☆彡 ☆彡
130
:
柔らかさと固さ
◆XksB4AwhxU
:2020/07/04(土) 21:44:50 ID:V5jgjgRM0
「はぁ〜…それで〜「変態」さんは、雛菜の服に潜んでいたのですか〜」
「そそそ…そうなんですッ!ほんの出来心なんですぅ〜〜!ゆるしてくださいぃぃぃぃ!!」
スパイス・ガールにタコ殴りにされ、顔面ボコボコ状態の白石は必死に床に頭を擦りつけて謝罪する。
「雛菜!コノ変態ヲ生カシテモ百害アッテ一利ナシデス!!ココデ始末シマショウ!!!」
スパイス・ガールは両腕を再び握りしめると白石に近づき…
「ヒィィィィ〜〜〜〜!!??」
「…待って!スパイス・ガール!!」
それを制止する雛菜。それは普段の喋り口調からは感じられない強い意思。
「う〜ん…たしかに「変態」さんは許せないけど、「殺し」はダメよ〜。それをしたら、二度と「しあわせ」と「楽しい」を手にすることはできないわ。きっと」
「ねっ!変態さん!!雛菜の良いとこ5個言ってみて〜」
「へっ!?」
突然の雛菜の要望。
期待しているかのような顔で視線を向ける雛菜。
「あ…ああ!まかせろッ!!
1顔が可愛い
2髪が綺麗
3服がお洒落
4いい香りがする
5アワビをピンクのズロースで隠しているッ!!」
「……」
「ッ!?コノ変…」
怒りのスパイス・ガール!!しかし…
「あはは〜、白石さんは本当に面白い変態さんですね〜」
白石が答えた5個目の言葉に腹を抱えながら笑う雛菜。
「ヒ…雛菜!?」
「うん。合格〜特別に許してあげますよ〜でも…今回だけですよ♡」
信頼度Level Up!!
☆彡 ☆彡 ☆彡
131
:
柔らかさと固さ
◆XksB4AwhxU
:2020/07/04(土) 21:46:32 ID:V5jgjgRM0
「それじゃあ…改めてよろしくお願いしますね〜。良いでしょ〜スパイス・ガール?」
「雛菜ガ、良イノデアレバ私ハカマイマセンガ…」
若干、納得がいっていないスパイス・ガールだが雛菜の意見を尊重した。
「まっ!まっ!上手い鍋でも食って仲直りしようぜ☆」
「私ハ食事ノ必要ガアリマセンッ!!!」
白石の言葉にムキになりながら答えるスパイス・ガール!
「あはは〜白石さんとスパイス・ガールはもう、仲直りできたんだね〜」
2人のやり取りを面白そうに眺めている雛菜。
☆彡 ☆彡 ☆彡
132
:
柔らかさと固さ
◆XksB4AwhxU
:2020/07/04(土) 21:47:12 ID:V5jgjgRM0
「それじゃあ、雛菜が次に興味あるのは〜鉄塔に〜あっ!?悪魔の手のひらだって〜おもしろそう〜♡」
地図を広げた雛菜は次の目的地を選んでいた…
「………」
(やれやれ…災難な目に遭った…だが、雛菜の体の動きにスタンドの力…なにより雛菜の目には深い決意を感じられたッ!俺はそれに賭けるぜッ!)
白石由竹は飲む、打つ、買うの3拍子揃った遊び人だが、用意周到な一面も持ち合わせているッ!
由竹は市川雛菜のカーディガンに潜みながら、雛菜の身体能力・スタンドの能力を試していたのだッ!!…ほんの少しのスケベ心もあったが。
もし、雛菜が手を組むに値しなかったら由竹は静かに立ち去っていた。
(俺の目的は「脱獄」…雛菜。お前の力、俺の目的のために使わせてもらうぜッ…!!)
雛菜のしあわせ♡と楽しさ♡を追い求める「柔らかさ」と由竹の脱獄を追い求める「固さ」両者の望みは果たして…ッ!?
【F-6/刑務所/一日目・未明】
【市川雛菜@アイドルマスターシャイニーカラーズ】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品
[スタンド]:スパイス・ガール
[思考・状況]基本行動方針:自分の「しあわせ」に向かって突き進む
1:白石と面白そうな場所(とりあえず。まずは鉄塔か悪魔の手のひら)を目指して探索する
2:「noctchill」のメンバーと合流できたらしたい
3:変態さ…白石さんは、おもしろいわ〜♡
[備考]
まだ、互いの年代には気づいていない
白石に下着の色を把握されました
名簿を確認して「noctchill」のメンバーがいることを知りました。
【白石由竹@ゴールデンカムイ】
[状態]:負傷(中)※顔面ボコボコ
[装備]:手錠に警棒(刑務所から拝借した)
[道具]:基本支給品
[スタンド]:リトルフィート
[思考・状況]基本行動方針:「脱獄」※手段は問わない
1:とりあえず雛菜と行動を共にする※脱獄への手段の一つ
2:杉元と合流できたらしたい
3:ピンクの布…くっ!おれは、それよりもアワビと胸の頂きが見たい…ッ!
[備考]
まだ、互いの年代には気づいていない
市川雛菜のスカート内を覗き、ズロース(下着)の色を知った
市川雛菜より「変態」の称号を得た
時間がたつと強制的に戻される(縮めた体)のを把握した
133
:
柔らかさと固さ
◆XksB4AwhxU
:2020/07/04(土) 21:47:26 ID:V5jgjgRM0
投下終了します。
134
:
◆XksB4AwhxU
:2020/07/04(土) 21:52:48 ID:V5jgjgRM0
オールマイトと田中摩美々で予約します。
黒子のジャッジメントをジャッチメントとご表記していたご指摘ありがとうございます。
もし、wikiで修正できたら修正いたします。
135
:
名無しさん
:2020/07/04(土) 22:35:58 ID:Ak5CbYp.0
投下乙です。
>柔らかさと固さ
ナット・キング・コールに続き、エロ目的に使用された不名誉なスタンドにリトル・フィートが追加されましたね……。
あの接触からの信頼度Level Up !!は大草原。市川は人間の鏡。
鉄塔に悪魔のてのひらなど、興味を引いてる場所に不安が残るものの、白石も脱獄に関しては有能なので、意外と安定したチームなのかもしれない。
136
:
◆EPyDv9DKJs
:2020/07/05(日) 01:05:14 ID:8VEc7XlQ0
三峰結華、ドクター・キリコ予約します
137
:
名無しさん
:2020/07/07(火) 02:43:39 ID:oZH4VHoY0
>年号が変わっている
時間軸の違い(厳密には世界そのものだが)一番乗り
このことに考察できる人材があまり多くないことを考えると、
ブレインとして結構大事なチームなのではないだろうか
>既に踏み出している男と踏み出した女
よりにもよって彼女が暴走しちまうのは大変危ない
ジョルノが恐れたパープル・ヘイズの暴走が始まるとは…(厳密には違うが)
SKの呪いでまさかの不憫枠を登場せずして味わってる黒子ェ…
犯人で一応サバイバーでアッパーされてるとは言え、
実質生身で戦う遠野の地味ながら恐ろしいことしとる
>守銭奴と白衣の天使と仙女
チームとして成り立ってるのがナイチンゲールの存在ありきで、
チームと言っていいのかさえ分からなくなってしまう不安
ミラグロマンがビジョンが出来上がったりしてたり、
ザ・パロロワと言った雰囲気があって楽しい
>△○□
なんでこの組み合わせでハイレベルな戦い起きているんだ…!
触れることができないタイプならともかく、触れられれば幻想殺しは便利
そして早くも本家と同様にツケが増えるチビ太の悲しさ
>賢い犬
最初の退場ではあるものの、どこか残当に感じてしまう
本家では幸運が重なっただけで、本当の彼は星を掴める人ではなかった
言ってしまうとそれだけ。彼らしいと言えば、らしいのかもしれない
コラッタも同じエリアにいるしで、結構支給品散乱してるね、このエリア…
>死せる生
見た瞬間詰みダイヤと悟ったが、
まさか決着は時飛ばしが原因とは…!
老いてなお足掻く鷲巣の姿は、意地汚さよりも反骨精神に溢れてたが、
今回の彼は、どちらかと言えば前者になってしまったか…
>渡る世間は鬼ばかり
上司と部下で空回り。真面目なんだけどシュールなギャグに見えてしまう
一番鬼なのは仮に鉄塔に着いても「何故念話しなかった?」とパワハラかけそうな上司である
>佐天「時を消し飛ばす能力と老化させる能力かぁ……」
スモールフェイセズ簡略化のおかげで佐天さんも大分戦えるように…
ただ、すれ違いにより少し大変な状態。ノイズにならなければいいけど
と思うものの、北から鬼が迫ってきている地獄絵図。果たして大丈夫か
>Karte:01性欲少年とジャングル少女と黒い医者
こ れ は ひ ど い
この男、こういう時ぐらいはしゃきっとするだろうな
とか思ってたらこれだよ…この男は何処までもこれか
流石アニメルート、綺麗な誠にはなれそうにないなぁこれ!
ナイチンゲールと違ってそれぞれが別方向に絡んで、別の意味で不安要素に
一番怖いのは、天然気味の透では誠のメーターが上昇率やばそうと言うところ…
>アイドルと中年男改め班長
対主催筆頭と化した班長。無敵のスタープラチナでなんとかできそう
ジャンプどころか参加者の半数、しかも比較的新しい鬼滅辺りも把握とは
地味にエアロスミスでは視認ができないのも、視認できるスタプラで戦力的にも大変ありがたい
さり気にディスられるカストロさん…このロワだと純粋な戦闘力は上位だろうから、
このロワで見返せる機会があると良いね…
>怪物のような顔の男と溶けた時計のような頭の女
スタンドバトルでは相手に能力を知られないようにする
しかも初見殺しが非常に強いビタミンCだからこそなだけに、
このままだと勝とうにも勝てない状況に…一方ステイン、まさかの仲間(?)加入
とは言え会話が全然噛み合わない…安心感と程遠いけども、
イヤミや誠と言った爆弾抱えてるチームの中だと、
比較的まともなチームではあるのが怖い
>ですの少女とボハハおじさん
騒がしい人物が非常に少ないのもあって実に賑やか
戦力的には学校側よりは頼りになれるスタンドと戦闘力なんだけど、
激戦区から離れてるのが少しもどかしくもあるこの
「ツイン」テールなだけに「二番」弟子なのかなと思うと笑いがこみ上げる
>柔らかさと固さ
この男もあんまりぶれなかったが、
ぼこられたら反省できるだけ誠よりはまし、なのかな?
脱獄は自分だけを見るに、網走刑務所の騒動以前の頃か
雛菜でよかったね、白石
138
:
◆EPyDv9DKJs
:2020/07/07(火) 05:36:27 ID:oZH4VHoY0
投下します
139
:
◆EPyDv9DKJs
:2020/07/07(火) 05:37:52 ID:oZH4VHoY0
「…」
三峰は頭痛がやまない状態にある。
辛うじて歩みは止めてない。今現在広々とした洋館を歩いており、
薄暗い中足音を気にせず歩く姿は。一見前を向いた信念ある風に見えるが、
内心は違う。普段通りのおどけるなどできやしない、憔悴状態に陥っていた。
今にも壁に寄りかかって頭を抱えたくなるほどに。
それでも歩むのは、
今動かなければならないことは最低限理解してるからだ。
誰かがもしも一緒にいてくれたらどれだけ楽だろうと、一瞬でも考えた。
誰かがもしも参戦していたら、その人の為に殺すだろうと考えもした。
しかし、何故。
「此処までやってくるなんて、思わなかった…」
だからと言って、予想をはるかに上回る地獄のような惨状。
これは何なのか。一体何の恨みがあれば此処までやれるのか。
何故、同じ283プロに所属するアイドルが、こんなに名簿に並ぶのか。
同じ『L’Antica』に所属する田中摩美々の名前さえある。
これだけでも相当堪えるのだが、正直自分の方はまだましなのだと言い聞かせる。
ましだどうだの問題ではない。この状況に招かれたこと自体が最悪だ。
分かっている。けれど、向こうはもっと悲惨としか言えない。
同じ事務所に所属するユニット『noctchill』に至っては四人全員参加。
これが番組や映画なら、さぞ盛り上がっただろう。幼馴染同士の殺し合いは、
幼馴染と言う関係、それに伴った葛藤、対面したとき刃や銃を向けられるか。
実に視聴率を取りたそうな要素だが、それはあくまで番組の趣向である場合。
これは本当の殺し合いだ。喪えば、二度と戻らない命のやり取りをしてくる。
もしも彼女達ではなくL’Anticaだったら…なんてこと、想像したくない。
一人でこんな自分なら、揃って参加してる彼女達はもっと参ってるだろう。
他の参加者にも、そういう人がいるはずだ。
誰かにとっては憧れの存在であり、或いは共に過ごしてきた仲間とか。
自分達だけでなく、誰かのそういう存在すら奪う、悪質極まりない催し。
当然、そんな殺し合いには乗るつもりはなく、神父は絶対に許せない。
『嘘』も『仮面』も存在しない、自分の本心が顔に強張った表情で表に出ていた。
(でも、身を守れるだけの何かないと。)
とは言え、だ。そうは言っても身を守れなければその抵抗も意味をなさない。
恐らくこの殺し合いの醍醐味たるスタンドは、現状においては意味をなさないのだ。
最低限身を守るだけの何かが必要になる。故に洋館から出ず、ある場所を探す。
目的地は台所。使うかどうかは別として、包丁と言った刃物はないよりかはましだし、
まな板とか忍ばせておく方が、現状ましな防具になるのは間違いないからだ。
幸い、体格的にまな板を胸辺りに仕込んでもばれにくいのもある。
(まな板探すって、なんか空しく感じるなぁ。)
体格的に、と言うことはつまるところそういうことだ。
いつか、事務所であった霧子と恋鐘のやり取りを思い出してしまう。
殺し合いの場で思い出すようなことではなく、自嘲気味な笑いがこみ上げる。
洋館は広く、これだけ歩いても全部を網羅したとは言い切れるものではない。
台所はいまだ見つからないものの、妙な場所はいくつか見かけていく。
「…なんで、麻雀?」
大きな扉を開けば、そこにあるのは麻雀の卓。
しっかり四人分の椅子含めた状態で中央に鎮座する。
こんな状況で、誰が麻雀なんてできるのだろうかとは思うが、
こういうことになれば、何か遊びで現実逃避する人もいるのだろう。
西洋らしい洒落た雰囲気のある廊下から一転して、この部屋は無機質。
灰色のプレートに加えて窓もないこの一室は、実に息苦しさが広がってくる。
暖炉があるので密室と言うほどでもないが、此処は他の部屋に続くわけでもない様子。
入る理由は特にないので、扉をそのまま閉じて部屋を後にする。
更に歩いて時間を要し、次に見つけたのは展示室。
広々とした洋館で、そういうのも一つぐらいはあるのだろう。
さぞ資産家が道楽として集めていたに違いなく、通り過ぎようとは思った。
だが、展示されてるものがものであったために、先程と違って少し寄っていく。
ガラスケースの中に鎮座するのは───いくつかの刀だ。
一本一本、鞘から抜かれた状態で揃って展示されており、
ライトが演出してより魅力的な姿に仕上げていた。
中には刀とともに古事記らしき古めかしい書物や、
それらの説明も一緒に展示されている。
「えーっと…日輪刀…」
140
:
◆EPyDv9DKJs
:2020/07/07(火) 05:39:33 ID:oZH4VHoY0
一年中陽の射すという陽光山でとれる鉱物から打たれた刀…だそうだが、
彼女はそういったことに詳しくはないため、ある程度流し読みになる。
鬼を倒すのに用いたらしいが、いやいやどれだけ過激な桃太郎なんだと、
内心ではその説明を余り信じている状態ではなかった。
紛れもない凶器ではあるが、正直これを手にする気は余りない。
単純な話だ。刀なんて、映画の撮影でもない限り握らないからだ。
しかも握ったそれも、展示されてるものほど切れ味も重量もあるはずがなく。
此処では使い慣れないものを振り回して勝てるような、楽な戦いでもないだろう。
刀を握れば才覚を発揮してすぐに達人など、それこそフィクションの世界になる。
…スタンドなんてものあっては、否定しきれないのが現状ではあるが。
ならばスルーしよう、とはならなかった。
あくまでこれは慣れない人間からすればの話。
結局振り回せば凶器であることに変わりはないし、危険なのには変わらないのだ。
放っておいた結果、誰かが手にして振り回すことがあれば、非常に寝覚めが悪い。
摩美々や他のアイドルも巻き添えになってしまうのであれば、なおさら。
人目の届かないところに隠そうと思い、ガラスケースを破れそうなものを探す。
この手の展示室と言えば、近づきすぎないようにロープパーテーションがあるものだが、
残念ながらこの場には一本もなく、代替品もなさそうだ。
「…仮面で割れるとか、ないよね?」
スタンドの仮面を叩きつけたら割れないものだろうか…なんて一瞬思うが、
精神の具現化とプッチが言っていた。なら、傷つくと精神も傷を受けそうな気がしてやめた。
悩むことの多い彼女のメンタルが、こんなことでダメージを余計に負っては今後身が持たない。
素直に何か探そう。薄いガラスケースだから、そこらの棒でも問題はないだろう。
これだけ広いならモップと言った棒だって、一つや二つあってもおかしくはないはず。
別の部屋からそういった類を取りに行こうとするが、
「ヤクザとも無縁そうな人間が、そう言うのはやめておけ。」
部屋の入り口から声がして、強く反応する。
黒スーツに眼帯…堅気の人間とは言い難い姿だ。
長い銀髪の不気味さも相まって、死神と言うべき風貌の男性。
自衛の手段もなく、せめて顔だけでも読み取られないように仮面を被るも、
「安心しな、殺し合いをするつもりはないさ。
するつもりがあったら、スタンドで攻撃していた…違うか?」
その気がないことを示すように、両手を軽く上げつつ展示室へと入る。
スタンドがある以上、武器を持たないと言うその意思表示は意味をなさない。
一方で、態々こうして話しかけてくる道理も、あまり多くはないはず。
と言うより、この状況では自分はどうあがいても下の立場。
逃げるにしても出入口は一つのみ。逃げようもない。
完全にとはいかないが、一先ずは信用するほかなかった。
「もっとも、死なせた経験はかなりの数だが。」
「え?」
一瞬、どういう意味か分かりかねた。
『殺した』ではなく『死なせた』と言う遠回しなワード。
「もしかして、人助けする仕事…?」
救助隊や医者、そういった命を救う仕事。
そういう風に置き換えるなら、その手の人間と言うことになる。
もっとも、この男はそういう明るい職業でもないのだが。
「医者だ。それも安楽死専門のな…ドクター・キリコと呼ばれている。」
「あ、安楽死って…」
この場で安楽死専門の医者。
ブラックジョークきついって、
なんて普段の表向きの彼女なら返したが、
見た目で判断するのは失礼では思うものの、
この見た目ならやりかねないと言う、謎の信頼感がある。
「誤解がないように言っておくが、
助からない人間が、望んだらやっている商売だ。
安易な自殺や助かる見込みのある人間に押し売りするような商売じゃあない。」
「…なんで、そうするようになったとかって、聞いてもいい?」
「俺は元軍医、と言えば少しはわかるだろう。」
その言葉で意味を理解し、少し納得してしまう。
映画ではテレビよりも過激に描写することがあり、
手足を失い、生き地獄を味わう悲惨な兵士の姿。
そういった登場人物だって、出てくることは少なくない。
苦しみ続けて、寧ろ死にたいなんて思う人は少なからずいるはず。
と言うより、一瞬でも死ぬ方がましと考えた自分がいい例と言う皮肉でもあった。
苦しみから解放て生かすのが医者。生かす部分が死に差し変わっただけとも言える。
死こそが救済、とはどっかで聞いた気がするフレーズだ。
こんな形で理解することになるとは、思いもしなかったが。
141
:
◆EPyDv9DKJs
:2020/07/07(火) 05:41:14 ID:oZH4VHoY0
「ここでも、それをするの?」
言ってしまえば此処は戦場。
しかもスタンドと言う未知の領域。
普通の戦場よりも理不尽な負傷があるだろう。
加えて、全員が兵士じゃない。少なくとも六人はただのアイドル。
精神的に限界を迎える人だって、いてもおかしくはない。
「支払いがあって、相手が望めばな。
とは言え、安楽死の為の道具もなければ、
これの存在によって俺の仕事は当分なさそうだが。」
不敵な笑みを浮かべながら、
キリコはおもむろにスタンドを出し、近くのガラスケースを殴りつける。
派手な音とともに硝子は粉々に砕けながら、中の日輪刀と鞘を取り出す。
取り出すと同時に、ビデオの巻き戻しのごとく散り散りになったガラスがひとりでに戻っていく。
「俺のスタンドは『治す』スタンドだ。
バラバラになった肉体も容易に治せるらしい。
一応、冷静さを欠いては修復箇所は歪になるようだが、
これでも医者だ。患者をメスで切開する時のような精密さだ。」
こんな風にな…と言いながら、ガラスケースを叩く。
粉々に砕けたはずのケースは最初の時の姿のままで、
軽く叩いても砕ける様子はどこにも見受けられない。
「本当に元通りだ。」
足が千切れようとも元に戻せる。
これがあれば苦痛から逃れるべく安楽死は望まない。
「もっとも、あくまで外科手術に関するもので、
癌と言った内部まで治せるかは分からないがな…で、これはいるのか?」
刀を鞘にしまいながら、柄の方を三峰の前に差し出す。
その姿で握られると、本当にヤクザか何かなのではと疑いたくなる。
出された日輪刀を前に首を横に振りながら、仮面を取った。
「誰かの手に渡らせない、そう思ってたところ。」
だからここの刀を回収して、何処かにしまう。
それがとりあえず今しておきたいことが、今の方針になる。
「賢明な判断だな。だが、少なくともこの一本は持っていくぞ。」
言葉にしつつ、同じようにケースを砕いては物を回収していく。
姿のせいで強盗そのものに見えてしまい、少しひきつった顔をするも、
「どうして?」
謎の一言に疑問を抱く。
この中の一本ではなくこの一本と、今持ってる奴を主張する。
刀はいくつもあるだろうに、何故その刀に拘るように指定して持っていくつもりなのか。
医者が刀の目利きに優れているのだろうかと思うが、すぐに違うと理解する。
「これを読んでみろ。」
そう言って投げ渡されたのは、展示品の説明。
どうやら、取り出すときについでで持ち出したらしい。
持っていくと宣言した刀の所有者の話が書かれてるようだ。
「…村田?」
他の展示品の日輪刀には、
ある程度の事は書かれているのだが、
手にある説明には、村田の名前以外は目立ったことは書かれてない。
どういう意味かと不思議がっていると、キリコが問いかける。
「名簿、目は通したか?」
「一応…と言っても、知り合いが多すぎて抜けてたかも。」
今思えば変な名前が一杯あったような。
まるで誰かの渾名のような、奇妙なものも多数。
ネットゲームでありそうな名前や、リングネームのようなものまで。
「名簿にも『村田』が入っている。」
「…偶然、ってことは?」
名簿を読み返せば、確かに存在している。
一方で村田なんて苗字、ありふれたものだ。
摩美々も苗字は多く存在する田中でもあるので、
別段珍しいものとも思えなかった。
142
:
◆EPyDv9DKJs
:2020/07/07(火) 05:42:26 ID:oZH4VHoY0
「確かに偶然…と俺も最初は思っていたんだがな。
参加者の名簿は殆どがフルネームか、あだ名の連中だ。
俺はドクター・キリコ…つまり医者としての名前で記載だが、
この村田は大槻や安藤とならんで、名字しか入っていない。
そしてこの展示品の説明も、吾妻善逸と言った名前はフルネームだが、
この村田の説明だけはフルネームじゃあない…ただの偶然やミスとも思えない。」
どっちの村田もフルネームではないことへの疑問。
一理はあるものの、この日輪刀で鬼退治の話は大正時代のもの。
あれから何百年と経過してるのに、今も生きているわけがない。
「でも日輪刀の説明的には大正だし、血縁の方が───あ。」
だったら現代へ続く血縁者がもっともらしい答え。
故にその日輪刀を村田に渡しても使えないと思うものの、
それを否定させる、最も分かりやすい存在が名簿に一人いた。
「ナイチンゲール…」
フローレンス・ナイチンゲール。
衛生管理の改善等によって医療の発展につなげた紛れもない偉人。
歴史に詳しくなくても、その人物の名前は現代でも知れ渡る程。
当然、医者であるキリコならば知ってて当然ともいえる存在だ。
彼女が没したのは三峰からしたら一世紀も前になる。
「そうだ。戦場の天使と呼ばれた偉人が、何故ここにいる?
嘘の名簿なら、知り合いで埋めておけば大抵人は動くはずだ。
逆に偉人を入れれば、嘘の名簿と鼻で笑われてしまうのがオチさ。」
殺し合いを進めるなら人を動かす材料を用意する。
キリコの言うように、知り合いを何人か混ぜ込むだけでいい。
事実、彼女は知り合いがいたからこそ急いで動いてたのだから。
だが、これでは人を動かすどころか真に受けず停滞する恐れもあるだろう。
「ちょ、ちょっと待って。それってつまり…」
大正時代の人間、百年も前の偉人の存在。
嘘でももっとましなものを考えてくるのなら、
これは本物の名簿と思っておくべきと言うことは、だ。
導き出される結論はただ一つ。
「俺たちは大正、昭和、平成…少なくとも、
バラバラの時代から呼ばれてるってことになる。」
もうファンタジーじゃん、それ。
飛躍した発想を医者がするのかと思うが、
今の立場が既に十分ファンタジーとも言える。
HBの鉛筆をベキッとへし折るように、できて当然なのかもしれない。
あの神父にとっては。
「本物であればの話だ。本人に会う以外で確証は持てん。
逆にこの説明がお遊びで用意して、嘘にしているだけなのもある。
だが、もしどちらとも本物なら、村田はこの刀がいるわけだ。
人喰い鬼を退治していたなら、この殺し合いに反対の可能性は高い。」
もしかしたら、安全と思い込ませて村田は凶悪な人物だった、
なんてオチが待っている可能性も、一応は想定しておく。
こんな回りくどく、見落としかねないようなものを使うか、
と言われると正直内に等しいが。
「この善逸伝にも何かあるかもしれん。ついでにもっていくか。」
「じゃあ、私が。」
流石医者と言うべきか。
こうして雑談を交わしながらも、
既にほとんどの日輪刀を回収して纏めてある。
村田のだけキリコが持ち、残った複数の刀はスタンドが運ぶ
善逸伝は手持無沙汰なのもあり、三峰が持っていくことにする。
これで展示室に用はなく、二人は洋館を歩き出す。
「それで、お前はどうするつもりだ?」
運ぶ途中、キリコが不意に訪ねてくる。
まずは仲間を探してみようとは、自分でも最初に言った。
神父は許せないし、名簿も本物だと思う以上は動くべきだ。
そう思ってさっきまで行動してきていたわけではあるが、
こうして改めて誰かに尋ねられると、言葉が詰まってくる。
キリコのスタンドは十分に攻撃性能が高いとみていいだろう。
人型だから防御にも攻撃にも、能力も治すと便利なものだ。
こういうスタンドばかりなら、三峰は雨のない今は太刀打ちできない。
言ってしまうと、できることはたかが知れていると言うのが現状だ。
覚悟はあっても、それに伴う能力はない現実を突きつけられている。
143
:
◆EPyDv9DKJs
:2020/07/07(火) 05:45:38 ID:oZH4VHoY0
偶然にも、此処は地図上では端に存在する。
灯台や周辺にでも参加者がいなければ、出会う確率は低い。
また、参加者は大体が身を隠すか、参加者を求めて中心の街に集まるはず。
キリコの目的地も、人が集まる場所である街の方へと向かうつもりだ。
言ってしまえば、此処でやり過ごすことが可能と言えば可能になるだろう。
まだ洋館の一部分しか知らない。籠城できるだけの物資もなくはないはずだ。
禁止エリアの概念がある以上、完全な籠城は不可能でも、低いのは事実。
「キリ…コさんはどうするの?」
「俺は死神とまで呼ばれたが、これでも医者の端くれさ。
医者が必要な場所には行く…こんなスタンドを得たのもあるが。」
確かに、あんな風に治せるのであれば。
世界中の外科医の仕事は御役目御苦労だ。
医者らしく、自分のするべきことに臨む。
自分の医者に対する信念がそこにある。
(…こんな時までだんまりってわけには、いかないよね。)
臆病、ビビり、意気地なし。
普段から晒そうとしなかった、自分の弱さ。
晒せたときがあるとするなら、あの人の前ぐらい。
仮面を被って、自分は何を見るのか。
違う、『見るんじゃない』、『見えなくなる』が正しい。
此処で被る仮面は、普段のとはまるで違う。
普段のは、自覚するほどに面倒な性格を晒すまいとしたもの。
此処ではどうか。同じようにすれば視野が狭まった、仮面らしいもの。
狭まった視界の中では、大事なものを見落としてしまう。
歩くべき道も、その狭さでは覚束ないものになる。
「私も行くよ。雨がない今は、何にもできないスタンドだけど───」
「私にはこれが正解って、思いたいから。」
できることもなければ、最悪足を引っ張ることになる。
それでも、だ。大事な仲間が命の危機に晒される中でも自分に嘘を吐いて、
彼女達に何かあれば、それこそ死んでも死にきれないだろう。
最悪の可能性になるのが怖くて仕方がなかった。
「…先に言っとくが、俺はお前さんを守って行動するつもりはないぞ。
クレイジー・ダイヤモンドで治す能力はある。それで助けはしよう。
だが、優先は怪我だけだ。そっちの主張や行動方針を俺は尊重しないし、
お互いの目的地が違うようになれば、お前についていかずその場で別れる。」
当たり前の話である。
彼は警察のような、人を守る立場ではないのだから、当然と言えば当然だ。
医者だって怪我人が複数出た時、優先順位をどうしても選ぶときがある。
出会って間もない自分を守る理由も、利益もないのだから。
「仲間やチームの関係ではないってことだよね、分かってる。」
あくまで同行するのは、自分のわがままによるもの。
医者を必要とする人へ向かうべきなのは分かっている。
摩美々やnoctchill等、会うべき相手のところへ向かう。
目的は違えど、必要であろう相手と会うべきところは変わらない。
嘗ては、私用で相手に付き合わせるのに後ろ髪が引かれることもあってか、
その提案についてはすんなり受け入れられた。
答えると同時に、キリコが振り向く。
「医者と言うのは、どれだけ優れようと後手に回り、
どれだけの技術を以てしても、救えるのは目の前の人だけだ。
できるのは、それこそナイチンゲールのような発展を遂げた人物ぐらいさ…」
現代で人が医療で助かれば助かる程、彼女は人を救ったことになる。
それだけ医療に関して優れたものを、後世へと残しているのだ。
「本気で助かるつもりがあるのなら、どれか持っていけ。」
言葉と同時に、クレイジー・ダイヤモンドも振り返る。
先の言葉は、要するに『手の届かないところでも生き残れ』と言う意味。
いきなり刀を受け取れと言われると、流石にためらいがちな表情になる。
だが、キリコはこのまま刀を処分なり隠すなりやることを終えれば、
すぐに動くのだから、もう洋館で代替品を散策する時間はない。
此処で受け取らなければ、あるのは今持ってる書物だけだ。
殆ど観念したに近いが、三峰は一振りの日輪刀をその手に取る。
「じゃあ…これで。」
書物をしまって、両手でそれを受け取る
握った感想としては、思ってるよりは重くなかった。
刀と言えど、真ん中を握れば思いのほか重くはない。
重いのは、鬼とは言え誰かを斬る為のものを持つと言う心の重さか。
試しに、刃を少しだけ見ようと、軽く鞘を抜いて刀身を見る。
刃の色は青。水のように静かな色が、川の流れのように続いていく。
悪鬼滅殺と言う物騒な文字はあれど、刀身の色に少しばかり目を奪われる。
見るのもほどほどにして、鞘を抱きかかえる形で先へ行くキリコを追う。
144
:
◆EPyDv9DKJs
:2020/07/07(火) 05:46:12 ID:oZH4VHoY0
日輪刀は、形状が違うものでもなければ、基本的に性能に差はない。
しかし、彼女が選んだ日輪刀は、ある意味彼女らしいともいえるものだ。
技の一つに『雨』の名を冠する、水の呼吸の使い手───富岡義勇の日輪刀なのだから。
館から西の砂浜。
そこに埋めるように多数の日輪刀を隠す。
万が一必要になったときに、回収しやすいように選んだ結果だ。
穴はクレイジー・ダイヤモンドのパワーのおかげですぐに終わった。
「えっと、街へ寄るんだったよねキリ…コさん。」
「…さっきも気になってたんだが。
何故俺の名前を呼ぶときに変な間を置く?」
さっきから『キリコ』さんではなく、
『キリ…コ』さんとなにか変な間がある。
呼び捨てが気になってるならキリコで止まるはずだが、
変なところで止まっていて、気掛かりだ。
「あー、大した話じゃなくてさ…本当に。
同じアイドルのユニットに、霧子って子がいるんだよね。
いつもきりりんって呼んでるもんだから、ちょっと…ね。」
「…なんだ、そんなことか。」
本当に大したことじゃないな。
そう返されて、苦笑で返すほかない。
初対面の相手からすれば、そりゃそうだ。
「目的地は距離から商店街だ。
迷わないように砂浜沿いに歩くぞ。
ペースは合わせないから、気を付けることだな。」
「これでもアイドルなんで、体力はある方だからそこは大丈夫。」
それはありがたいことで、
なんて軽口を叩きながらキリコが歩き出し、続いて三峰も追う。
怖がったりしない…とまでは言いきれない。
ええ、怖いですとも。人が人に殺意を簡単に向けられる可能性がある場所。
日常の比じゃあないぐらいに、命の危機に晒されてる状況ですから。
…なんて、普段みたいにおどけてみるけど、やっぱ難しいなぁ。
正解? 間違い? 今の私にそれを確定させることはできない。
でも、それでも私はこれで正解って、思えるようになりたい。
あの時みたいに。
【A-2/未明 橋の近くの砂浜】
【三峰結華@アイドルマスターシャイニーカラーズ】
[状態]:健康
[装備]:富岡義勇の日輪刀@鬼滅の刃
[道具]:基本支給品、善逸伝@鬼滅の刃
[スタンド]:キャッチ・ザ・レインボー
[思考・状況]基本行動方針:できることをする
1:暫くはキリコさんについていく
2:同じ事務所のアイドルになるべく合流したい
3:暇があれば善逸伝を読む
4:麻雀の部屋、なんだったんだろう…
[備考]
・スタンドの制限は特にないです(元々制限が強いので)
スタンドのフィードバックについて勘で察してます(厳密には違う)
【ドクター・キリコ@ブラック・ジャック】
[状態]:スタンドの連続使用による疲労(小)
[装備]:村田の日輪刀@鬼滅の刃
[道具]:基本支給品
[スタンド]:クレイジー・ダイヤモンド
[思考・状況]基本行動方針:医者としての本分を果たす。死神だが殺し屋ではない
1:海岸沿いから街に(距離的に近い商店街を優先)向かう
2:彼女(三峰)は守る気もないし彼女の行動に合わせるつもりもないが、助けるつもりはある
3:ブラック・ジャックとは別に会わなくとも大丈夫だろう。肝臓の借りは返すが
4:村田の捜索。日輪刀の存在から鬼がいる?
5:ナイチンゲール…会ってみたくはあるな。本物なら
[備考]
・参戦時期…は原作が時間軸ばらばらなので、
少なくとも『99.9パーセントの水』を経験済みです
・スタンド能力のノータイムの連続使用は疲労あり
冷静さを持ってるため、修復の際に歪になりません
死んだ人間を蘇生はできないと、直感で察しています
人体を治す場合の制限等は後続の方にお任せします
・まだ三峰の名前を聞いていません
(現状彼女の知り合いに同じ霧子がいることを知ってる程度)
共通
・名簿を本物と前提して、村田やナイチンゲールが同一人物なら、
プッチはバラバラの時代から人を拉致することができるとの推測
当人どちらかと会うまでは確信が持てず、半信半疑に近い
・日輪刀が鬼を殺せるかどうかは半信半疑
村田が本人であることが確定すれば、確信になる
145
:
◆EPyDv9DKJs
:2020/07/07(火) 05:47:21 ID:oZH4VHoY0
・A-2洋館に鷲巣麻雀@アカギがあります
ギャンブルに使えたり、もしかしたら何かあるかも?
・A-2洋館の刀の展示室から全て展示品がなくなってます
なくなった展示品は『日輪刀@鬼滅の刃』が数点と善逸伝
展示品のほぼ全てが西側の砂浜に埋められています
少なくとも吾妻善逸の日輪刀は存在していますが、
他の日輪刀は誰のがあるかは後続の方にお任せします
善逸伝@鬼滅の刃
善逸の自伝。彼の曾孫の時代にも残ってる
内容は
・無惨を倒したと言う記述(ある程度鬼のことは記されてる?)
・無惨を倒した後のページの容量が半分ぐらい(倒した後が彼の物語でもある為か)
以外は殆ど不明なので、具体的な内容は後続にお任せします
村田の日輪刀@鬼滅の刃
村田が所持している日輪刀。鬼の首を断てば再生できず鬼は消滅する、対鬼用の武器
一応日輪刀の仕様で村田が手にしたときに変色してるのだが、色が薄すぎてわからない
富岡義勇の日輪刀@鬼滅の刃
水柱富岡義勇が持っていた日輪刀。刃の色は青色
刃色は違うものの、形状は一部の柱程奇異な構造ではなく、
根本的な日輪刀との性能の違いはないと思われる
146
:
◆EPyDv9DKJs
:2020/07/07(火) 05:47:41 ID:oZH4VHoY0
以上で『答え:現在進行中三峰結華』を投下終了します
少し攻めた部分があるため、問題がありましたら破棄扱いでお願いします
147
:
◆EPyDv9DKJs
:2020/07/07(火) 06:06:26 ID:oZH4VHoY0
後、事後報告になりますが拙作『奇襲の鼠』の誤字脱字等を微修正しました
148
:
名無しさん
:2020/07/07(火) 18:21:08 ID:.1U9JjyY0
投下乙です
キリコさん、冷静だし頭は回るし頼れる大人だなあ
149
:
名無しさん
:2020/07/07(火) 21:59:19 ID:Oy5BMmOA0
投下乙です
キリコのぶれないハードボイルドっぷりと三峰の不安定さが文章から伝わってきますね
とてつもなく対照的でいいなぁと素直にそう思いました
150
:
あつまれジュラシックの森(あつジュラ)
◆XksB4AwhxU
:2020/07/11(土) 03:58:45 ID:7qSWWgTk0
完成したので投下します。
151
:
あつまれジュラシックの森(あつジュラ)
◆XksB4AwhxU
:2020/07/11(土) 03:59:26 ID:7qSWWgTk0
ザッザッザッザッ!!!!!土を鋭い爪で蹴り上げる音が常に鳴り響く-----
「HAHAHAHA♪いやぁ、スリリングな森林浴だ」
言葉とは裏腹にこの状況でも笑顔を絶やさないブリッジ体勢の男。
「ギシャアアアアアアッッッッ!!!!」
鋭い爪が男に振り下ろされる-----
「TEXAS SMASH!!!」
地面に高速のパンチを繰り出す。
そこから発生した衝撃破で襲い掛かってきた生物は気絶して倒れこむ。
-----倒れたのは「ヴェロキラプトル」人類が登場するはるか太古に地球に存在した恐竜。
「それにしても、恐竜なんて昔の映画でしか見たことがなかったが、こうしてみると…案外、可愛いじゃないか!」
普通なら脅威である肉食恐竜を笑顔で可愛いと言える男はオールマイトしかいないだろう……
依然、ブリッジ体勢で森を歩いているオールナイト。
「ねっ?そろそろ疲れてきたでしょ?もう、あきらめなよ?」
それは、労わる目的ではない提案-----するのは、オールマイトに支給されたスタンド「チープ・トリック」
「ふっ、ヴィランに心配されるほど、私は疲れてなどいないッ!」
「殺し合い」が始まり、幾度となく交わされるやり取りはもう夫婦漫才のようになってきている。
(……しかし、早く森を抜けないと------私の活動時間も……むッ!?」
オールマイトは言葉とは裏腹に焦りが少し生じていた。
しかし、彼を追いつける襲撃の音は鳴り響く……
「ウゴォォォォアアア!!!」
「ッ!?……ふぅ。流石に少し危なかった……」
間一髪、ブリッジ体勢を素早く解き、突進してきた恐竜-----トリケラトプスの角を両手で受け止めると……
「フンッ!!!!!」
角を抱きかかえたまま-----
「良い子はお寝んねの時間だぁ〜♪」
ジャーマン・スープレックスをお見舞いする!!!
ズドゥ〜〜〜〜〜ン…………地面に衝撃が行き渡り、トリケラトプスは気絶する……
「さて、この恐竜達を従えているのは君だね?」
背中を見られないようにブリッジ体勢に戻したオールマイトは視線の先…大空高くいる摩美々に問いかける。
☆彡 ☆彡 ☆彡
152
:
あつまれジュラシックの森(あつジュラ)
◆XksB4AwhxU
:2020/07/11(土) 04:00:39 ID:7qSWWgTk0
「さて、この恐竜達を従えているのは君だね?」
その発言の数刻前………
「ほんとーに、神も仏もいないんですねー…」
涙は出つくし、口に出るのは恨み節………
田中摩美々の願いの結果は最悪の形だった。名簿には摩美々が所属するユニット「L'Antica」の三峰結華が載っていた。
そして…同じ238プロに所属している「noctchill」全員の名………
「私だけならよかったのに-----」
もし、自分一人なら元の世界へ帰る方法を探していた。
しかし、他のアイドル……特に同じ「L'Antica」のメンバーである三峰がいる以上、摩美々の決断は決まった。
「とりあえず〜。なんちゃらプッチと交渉するためにも沢山の命を刈らないといけないですかねー」
アイドル達を元の世界へ帰らせる交渉をプッチとするために-----彼女は「血を流す道」を選んだ。
「私は誰にも捕まらない複雑な「パープル」…だから、やり遂げる。他のアイドルを生きて帰らすために」
それが、アイドル「田中摩美々」の魅力である-----
☆彡 ☆彡 ☆彡
153
:
あつまれジュラシックの森(あつジュラ)
◆XksB4AwhxU
:2020/07/11(土) 04:02:10 ID:7qSWWgTk0
「はいー。正解でーす。…というかぁ。オジサン人間ですかぁ?」
「オジ!?……ふッ!当然じゃないか!私は人間…「ヒーロー」さッ!!!」
摩美々の「オジサン」発言に若干ショックな顔を見せたオールマイト。
しかし、直ぐに気を取り戻すと白い歯を見せ人間であると答える。
「へー。ヒーローなんですかぁ〜。じゃあ、この子も大丈夫ですねー」
摩美々の言葉が言い終わると------
グワッシャアアアアアア!!!!!
「ッ!?フンッ!!ハッ!!!ハァアアアア!!!」
オールマイトは自身に襲ってくる何本もの大木をブリッジ体勢のまま、全て避けると、煙の奥に見える恐竜に対峙する。
「まさか…太古の王者に出会うとはね…ッ!」
目の前に顔を覗かせるのは、ティラノサウルス……ッ!!!!!
「ふ〜ん…エンツォの攻撃を避けきるなんて、「ヒーロー」って凄いんですねー」
棒読みに聞こえる摩美々の称賛。
「言葉はそういっていても、信じ切っていないだろう?少女よ」
「そうに決まっているじゃないですかー。そんな体勢で[ヒーロー」を名乗っても、説得力ないですよー」
「私、悪い子なんで〜。悪いけど死んでもらいますよ〜」
摩美々の言葉に答えてティラノサウルスが口を大きく開く-----
「君が悪い子?…HAHAHAHA!!!……嘘はいけないな」
「…どういう意味ですかー?」
オールマイトの言葉に眉間に皺を寄せる摩美々。
「ああッ!なぜなら君は…「助けを求める顔」をしているじゃないかッ!!」
「ッ!!??…エンツォ…遠慮しないでい〜よッ。そこのオジサン喰っていいからー」
オールマイトの指摘が当たり摩美々は怒りを見せる。
「ガァァァァアア!!!!!」
154
:
あつまれジュラシックの森(あつジュラ)
◆XksB4AwhxU
:2020/07/11(土) 04:02:22 ID:7qSWWgTk0
主人の許可を受け、エンツォと名付けられたティラノサウルスはオールマイトに襲い掛かる。
「さすがに、ブリッジではキツイ…なッ!!」
「ねっ?もう無理だよ?この恐竜に食べられちゃお?」
チープ・トリックはこんなときも相変わらずだ。
「アンチの野次よりもファンの応援が私はほしいねッ!!」
一撃を喰らえば、流石にオールマイトでも軽傷では済まない。
オールマイトは再びブリッジ体勢を解くとティラノサウルスの猛攻をさけるが-----
ブンッ!!!!!
「グッ!!??」
ティラノサウルスの尻尾がオールマイトに直撃した。
体は吹っ飛び、大木にぶつかる-----
オールマイトの様子にニヤリとしたエンツォは口を大きく開けると走って来る。
「流石は太古の王者「ティラノサウルス」…だが、今の王者は…「人間」だッ!」
オールマイトもエンツォに負けない笑みを返すと-----
「CAROLINA SMASH!!!」
オールマイトは直進に自らを捕食しようと突進してくるエンツォに両腕を十字に組んで突進し、左右の手刀でクロスチョップを放つ。
危険を察知したエンツォは突進を中断し、避けようと顔を背けるが、一歩遅く-----
「ギャオオオオオオオオ!!!!!」
オールマイトのCAROLINA SMASHを受け、右目を失明したエンツォは雄たけびをあげる!!!
(威力が落ちている……ッ!?神父の仕業だな)
予想外な結果に力の制限をされていることを把握したオールマイト。
「ッ!……退くよ。エンツォ。トリッキー…」
(ここで「エンツォ」を失うのは痛い…私の意識も落ちそうだし…ここは撤退が一番)
エンツォはオールマイトに怒りの形相を見せるが、主人である摩美々の言うことを聞いて、飛んでいった主人についていくためにに森の奥深くへ姿を消した……
「待つんだッ!!…!!??………ぐッ!!??」
逃げる摩美々を追いかけようとするが-----
「ゴホッ……ん――」(Shit)
「ど?どうしたの?早く追いかけて殺そ?ねっ?」
「…だまれ!ヴィラン!!!私は…くぅう!?」
ブシュゥゥゥゥ…オールマイトの体から煙が立ち上り…筋骨隆々な体は見るも無残になくなり、皮と骨だけのような姿へ変わっていた。
「…くそッ!!あのような目をした少女を救えなくて何がヒーローだッ!!!「平和の象徴」だッ!!!!」
「トゥルーフォーム」に戻ったオールマイトは、右手を固く握りしめて木の幹を叩く。
「ねっ?そんな体じゃ誰一人救えないよ?だから、死んじゃっていいんじゃない?ねっ?」
チープ・トリックの言葉をオールマイトは…拒否する。
「……悪いがその提案は受け入れられない…なぜって?それは…私が「ヒーロー」だからだッ…!!」
恐竜が蠢く森を抜け、謎の施設がオールマイトを待ち受ける。
【A-6/???/一日目・未明】
【オールマイト@僕のヒーローアカデミア】
[状態]:疲労(中)負傷(小) トゥルーフォーム
[装備]:なし
[道具]:基本支給品
[スタンド]:チープ・トリック
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いを止める。
1:休憩しつつ「???」内を探索する
2:今日の残り活動限界時間は……
3:あの少女は…「助けを求める目」をしていた…ッ!私が助けなければ……
[備考]
一日の限界活動時間は「3時間」現在(一日目)の残り時間は約2時間。
チープ・トリックに「トゥルーフォーム」の存在を知られました。
プッチ神父により力の制御がされていることを把握しました。
☆彡 ☆彡 ☆彡
155
:
あつまれジュラシックの森(あつジュラ)
◆XksB4AwhxU
:2020/07/11(土) 04:03:04 ID:7qSWWgTk0
「う…やっぱり「スタンド」の力を使いすぎたかな〜…ごめん。トリッキー…私、すこ…し…寝るね………」
そう言い終わると、摩美々はトリッキー・ナイト(ケツァルコアトルス)の翼の上で夢の世界へ堕ちた…
「田中摩美々の蜃気楼」-----誰にも掴まれない、捕まらない。
彼女の行く末は-----
【A-3/森林/一日目・未明】
【田中摩美々@アイドルマスターシャイニーカラーズ】
[状態]:疲労(大) 睡眠中
[装備]:なし
[道具]:基本支給品
[スタンド]:スケアリー・モンスターズ
[思考・状況]基本行動方針:彼女達を生きて帰らせるために、他人を殺害する。
1:体力・精神力を回復させるために睡眠をとる
2:回復したら、また能力で恐竜を生み出し、参加者を殺害する
3:三峰…死んだらゆるさないよ〜
[備考]
ケツァルコアトルス(トリッキー・ナイト)の翼の上で睡眠中。行先はA2の洋館
切り札の「ティラノレックス」(エンツォ)は残り体力約8割。右目は失明。
奥の手「?????」(モンド)はまだ温存中。
名簿を確認して「noctchill」・「L'Antica」のメンバーがいることを知りました。
ABの森林エリアには、摩美々のスタンド「スケアリー・モンスターズ」の能力で多数の恐竜が潜んでいます。(一部、オールマイトにより気絶中)
156
:
あつまれジュラシックの森(あつジュラ)
◆XksB4AwhxU
:2020/07/11(土) 04:06:37 ID:7qSWWgTk0
投下終了します。
摩美々の奥の手の恐竜ですが、
個人的な構想はありますが、後続の方にお任せします。
157
:
◆XksB4AwhxU
:2020/07/11(土) 04:23:35 ID:7qSWWgTk0
感想有難うございます。
ですの少女とボハハおじさん
互いにアクが強いので黒子とドン・観音寺なら凸凹で似合いそうだな〜と出会わせました。
そうなんです!ドン・観音寺なら特徴的なツインテールで「2番」を連想するのではと!
あと、「BLEACH」の主人公「黒崎一護」のことをマイ一番弟子と名付けるので、黒子はマイ2番弟子としました。
柔らかさと固さ
透に誠。雛菜には白石と「noctchill」には申し訳ないです。
ですが、雛菜のゆるさとスパイス・ガールの厳しさなら白石とも相性が良いのでは…
158
:
名無しさん
:2020/07/13(月) 04:52:58 ID:pbruAdXE0
投下乙です。
スタンド使いが現代基準だと恐竜知識も豊富だからレパートリーも増えるか。戦闘経験のないアイドルという点を加味してもマーダーとして強い。
解ってはいたがオールマイトの制限が厳しい。プッチ絶対このスタンドチョイスは悪意がありますね。それでも互角に戦闘できるオールマイトは平和の象徴の鏡。
摩美々は仲間のために覚悟を決めたが、その揺れを見抜いたオールマイト、彼は彼女を救えるのだろうか……
159
:
◆XksB4AwhxU
:2020/07/13(月) 06:47:05 ID:omnI9UtE0
鬼舞辻無惨・カストロ・狛枝凪斗で予約します。
160
:
そして誰もいなくなった
◆XksB4AwhxU
:2020/07/18(土) 09:35:31 ID:8iVltrt.0
完成したので投下します。
161
:
そして誰もいなくなった
◆XksB4AwhxU
:2020/07/18(土) 09:36:15 ID:8iVltrt.0
「…………」
鉄塔で一人佇む男…鬼舞辻無惨。
彼の脳裏に先ほどの少女とのやり取りが想起される。
「ゴンゴンゴンゴンうるさいわね。深夜は寝る時間でしょ、きっちり睡眠をとりなさい。」
「…オノレ」
一言発すると、突如、地面を殴りつけるッ!
「もういいです。嘘をついて他人を罠にかけようとするなんてきっちりしていない人には近づきません。」
「養分としか価値のない生物が私に向かってッ!!!!!」
怒りの力で地面を何度も殴りつける。
鉄塔に攻撃しないのは、無駄だと理解したからだ。
彼は「無駄」を嫌う。しかし、少女への怒りをどこかにぶつけないと気が済まないため、地面を殴っているのだ。
数刻が立ち、怒りが収まる頃には、大きなクレーターが出来上がっていた。
「ふぅ…ふぅ…」
乱れた衣服を整えると、一足飛びで鉄塔の上にたどり着く。
「……『月彦』、ねえ。そんな名前の人は名簿に載ってなかったですけど。」
少女との会話を失敗した、原因である名簿を取り出して確認するためだ。
「!?黒死牟に猗窩座!」
名簿に記載されている上弦の鬼の名に気づく。
無惨はすぐさま【知覚掌握】を行う。
「ッ!?森か…どうやら、虚偽ではなさそうだ…しかし、鉄塔まで距離がある。つかえぬ者ばかりだ…」
無惨は知覚掌握により名簿の情報を確定すると、次の行動に移す。
【黒死牟、猗窩座!!私は今、F5の鉄塔の中に閉じ込められている。癪だが、私だけでは脱出することが出来ない…早く私の元へ駆けつけろッ!!】
無惨は2人に自身の位置情報と置かれている状況を念にして送る。
【ところで、どうして名簿を確認しないのだ?いや、確認をしてあるなら、なぜ私の元へ直ぐに駈けつけぬのだ?猗窩座…猗窩座、猗窩座!!!】
無惨は再び、湧き上がる怒りを猗窩座に念でぶつける。
☆彡 ☆彡 ☆彡
162
:
そして誰もいなくなった
◆XksB4AwhxU
:2020/07/18(土) 09:37:07 ID:8iVltrt.0
「…さて、日の出まであと、数刻…どうする?」
無惨は最大の懸念事項である「太陽の光」にどう対処すべきか、悩む……
(黒死牟、猗窩座には念を送ったが、このままでは、間に合わない…オノレッ!!猗窩座ァァァ)
無惨は追い詰められているこの状況が許せない-----
「…そのような場所で何をしているのかな?」
無惨の前に姿を現した男-----参加者の一人、カストロ。
「…あなたは?」
「ああ。失礼した…私の名はカストロという。神父の殺し合いに参加させられた一人だ」
(しめたッ!この男を利用して、直ぐに日陰のある場所へ向かえば間に合うッ!!)
無惨はカストロとの出会いにほくそ笑む。
(落ち着け…先ほどの失敗を繰り返すわけにはいかぬ)
「そうですか…私は鬼舞辻無惨といいます」
無惨は極めて冷静に話しはじめる-----
「私に支給されたスタンドはこの鉄塔…スーパーフライです。私はここから出ないと死んでしまいます」
「…どうして、鉄塔から出ないと死ぬのだ?」
カストロの至極当然な質問に…
「実は私は、【鬼】です」
「!?!?」
内心、屈辱でいっぱいだが、あえて無惨は正体を明かした-----それは、七三分けの少女との教訓があるからだ。
「鬼…だ…と…?」
カストロは無惨の告白に半信半疑な表情で見つめる。
「はい。病により、医者から治療を受け、体が鬼になってしまったのです。このまま、太陽の光を浴びてしまうと、この身が朽ちてしまいます」
「それで、私が鉄塔内に入ると助かるのか?」
カストロの質問に-----
「はい。私だけではただ抜けることはできず、「人の手」が必要なのです。お願いします。鉄塔内へ入って私を助けて下さい…」
無残は嘘をついていない。そう「嘘」はついていない!!が、一番重要なこと(鉄塔内へ入ると代わりに人が来ないと出てこられない)は伝えていない。
「…いいだろう」
カストロは鉄塔内へ入ると無惨に近づく……
「馬鹿めッ!そこで永遠に引き篭もっていろ!!」
カストロが鉄塔に入り近づいた瞬間、煽りながら鉄塔から出ようとする。だが!!
「なッ!?何!!!」
出ようとした無惨の体がみるみると機械と化してきたのだッ!!
「…くッ!!」
ズザァァァ!!
なんとか、体を鉄塔内へ戻すと、機械化していた体が元に戻る……
163
:
そして誰もいなくなった
◆XksB4AwhxU
:2020/07/18(土) 09:37:58 ID:8iVltrt.0
キッ!!とカストロに目線を向けると…
「…馬鹿め?どういう意味かな?」
涼し気な顔で無惨を見るカストロ。
「どういうことだ…?」
「さぁ?どういうことなんだろうな?」
「…神父やあの女や貴様といい…この私を怒らせるのが上手だな」
無惨はワナワナと体を震わせる。
「…死ねッッ!!」
片腕が刃物のように鋭く姿を変え、カストロを斃そうと襲い掛かるッ!!
「はッ!!」
カストロは間合いを詰め、鞭のような軌道をする腕に近づくと…
「虎咬拳!!!」
無惨の腕を引きちぎったッ!!!が-----カストロは驚く。
「!?馬鹿なッ!」
引きちぎったかに見えた腕だが、無惨の腕は元からあったかのように存在していた。
「なんだ。この程度か?」
ザシュッッ!!!!
「!!??」
今度は無惨が驚いた-----貫いたかに思えたカストロの姿は消え失せたのだ。
-----ざッ!!
「鬼というのは、再生能力がそうとうに高いのだな」
なんと、鉄塔の外からカストロが姿を現した。
「……どういうことだ?なぜ、貴様は外にいる?」
「それは、初めから私は外にいたからだ」
カストロは説明する。
「深夜、ボクシングジムを出て歩いていた私は、鉄塔内で地面を何度も殴っている貴様の姿を見かけていた。危険だと一目でわかった…だから代わりに」
ふっ…と笑うとカストロは-----
「これが、私の「念」ダブルだ」
なんと、カストロが2人に増えたのだッ!
そう、無惨と会話を交わし鉄塔内へ入り戦闘をしていたのはカストロの分身「ダブル」だった!!
「…「念」だと…?なんだ?それは」
聞いたことがない単語に無惨は質問する。
「ふむ…やはり、知らないようだな…スタンドとは違う能力だ。まぁ…もう、貴様には関係ない話だ」
そう、夜明け-----空が明るくなり始めた。
「くッ!!」
無惨は鉄塔の中心-----クレーターの場所に立つ。
「無駄だ。もうお前は終わりだ…「馬鹿め」は貴様の方だったな」
カストロの宣言通り、太陽が昇りはじめ、朝日が……
164
:
そして誰もいなくなった
◆XksB4AwhxU
:2020/07/18(土) 09:38:32 ID:8iVltrt.0
「害虫どもがぁぁあああ!!!!」
(オノレッ!オノレッ!!オノレッ!!!)
ズドン!!!!ズドン!!!!!ズドン!!!!!!!
クレーターをさらに掘る!掘る!!掘る!!!
(何を…?死を前に狂ったのか?……はッ!?まさか!!)
突如、足元のクレーターに攻撃をしかけた無惨の行動にカストロは一瞬怯むが、直ぐに意図を察する。
「覚えていろッ!!この無惨をコケにした代償は必ず払ってもらう!!」
無惨はそう怒りの呪詛を口にすると太陽の光が届かないほど深い地中の穴の中へ潜っていった……
そう、無惨は誇りを持った侍でもなければ、感情で行動する人間でもない。
無惨は「生きることだけ」に固執している生命体。
夜明けも近く、生命が脅かされば、恥辱を感じるような行動も一切の抵抗がない。
カストロの視界から無惨は霧のように消え失せた……
「なんというやつだ……だが、「生きる」ためには何でもするという執念は学ばせてもらったよ……」
カストロは先ほどまでの無惨の評価を白紙にして敬服する面構えになり礼をした。
「さて…それでは、行くとするか……」
カストロは鉄塔から立ち去る。
鉄塔から人は消え、ただ、太陽の光が照らすのみ-----※無惨、穴の中
「F-5/鉄塔/一日目・明け方】
【カストロ@HUNTER×HUNTER】
[状態]:疲労(小)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品
[スタンド]:キッス
[思考・状況]基本行動方針:ゲームには乗らずに生還。参加者との出会いを通して己の鍛錬に繋げる。
1:さて…次は何処へむかおうか-----
2:鬼か…機会があれば闘ってみたいな
[備考]
鬼の存在を把握し、太陽の光が弱点だと理解した。
鬼の再生能力について考察しました。
鬼舞辻無惨から「執念」を学びました。
キッスとダブルを併用した戦法はまだ訓練中。
☆彡 ☆彡 ☆彡
165
:
そして誰もいなくなった
◆XksB4AwhxU
:2020/07/18(土) 09:38:59 ID:8iVltrt.0
「…え〜と、ここが鉄塔かな?やれやれ、道に迷うだなんてついてないなぁ〜……」
太陽の光が照らす早朝、静寂の鉄塔に辿り着いた狛枝凪斗。
スタンド「トト神」の予言に書かれていた描かれていた内容はこうだ……
【狛枝凪斗は一人寂しい鉄塔の中へ入りましたが、空から恵みを手に入れるのでした】
「どれどれッ…と。空から恵みがふってくる…か」
凪斗は半信半疑ながらも上を見上げる。すると…
ひゅ〜〜〜〜〜ドスンッ!!
「わッ!?」
凪斗のすぐそばにデイバッグが落ちてきたのだ!!
「ははッ…たしかに恵みだ。もらっていいのかな?」
凪斗は改めて鉄塔内の周囲を見渡すが、誰も見当たらない……※無惨、穴の中
「え〜ッと…このデイバッグもらっちゃいますよ―――?」
凪斗は大声で問いかけるが返事が返ってこない……
「じゃ…遠慮なくもらおっかな」
空からの恵みのデイバッグから必要な中身を自身のデイバッグに移す。
「よッ………と。それじゃあ、行こうかな」
荷物が増え、大きくなったデイバッグを背負うと鉄塔を出ようとすると…
特に、凪斗の体に変化が見られない-----
狛枝凪斗は超高校級の幸運の持ち主。
そう、無惨が穴の中におり、外に出られないという幸運がありスーパーフライは能力を発揮しなかった。
「オノレ…………」
背中から何か声が聞こえた。
「ん?誰かいるのかな?」
凪斗は振り返るが、先ほどと変わらず人一人見当たらない…
「…きっと、寂しいから幻聴が聞こえたのかな?ははッ…早く人と出会いたいな〜」
凪斗は立ち去る…そして、誰もいなくなった※無惨、穴の中
「F-5/鉄塔/一日目・早朝】
【鬼舞辻無惨@鬼滅の刃】
[状態]:疲労(小)怒り(激おこ) 地中深い穴の中
[装備]:なし
[道具]:なし
[スタンド]:スーパーフライ
[思考・状況]基本行動方針:鉄塔から脱出して自身をコケにした人物を皆殺し
1:太陽が沈むまで、穴の中で潜伏…(状況が変われば別)
2:無惨怒りのランキング 1位、七三分けの女→2位、カストロ→3位、デイバッグを盗んだ男→4位、神父→5位、猗窩座
3:おのれ!おのれ!!おのれ!!!ッ!!!!
[備考]
太陽の光を避けるため、鉄塔内に掘った穴の中に潜伏中…
カストロとの接触から、スタンドの他に「念」※自身の念とは違う力の存在を把握しました。
名簿から黒死牟、猗窩座が参加していることを把握し、念を送りました。
デイバッグは、狛枝凪斗に回収されました。
【狛枝凪斗@スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品×2
[スタンド]:トト神
[思考・状況]基本行動方針:絶対的な希望を見つける。
1:この殺し合いで希望に出会えるかなぁ〜♪
2:だれか、人に出会いたいな♪
[備考]
トト神の能力は本物だと理解しました。
無惨のデイバッグを手に入れました。
鉄塔内の穴の中から声が聞こえたような気がしましたが、特に気にしませんでした。
超高校級の幸運でスーパーフライから難なく出られました。
166
:
そして誰もいなくなった
◆XksB4AwhxU
:2020/07/18(土) 09:39:12 ID:8iVltrt.0
投下終了します。
167
:
そして誰もいなくなった
◆XksB4AwhxU
:2020/07/18(土) 09:43:59 ID:8iVltrt.0
感想有難うございます。
あつまれジュラシックの森(あつジュラ)
現代っ子の摩美々なら、某映画などで恐竜の知識もあるかなと。
マーダーとはいえ、元はアイドルなので恐竜補正をドン!と強力にしてみました。
自分で書いといてなんですが、オールマイトにはぜひとも摩美々を救ってもらいたいですね…
168
:
名無しさん
:2020/07/18(土) 18:21:51 ID:gEGoNNAE0
理不尽過ぎる怒りをぶつけられる猗窩座殿かわいそうだけど草
169
:
名無しさん
:2020/07/19(日) 01:11:50 ID:xWpVgPYs0
投下乙です。
カストロ君、普通に参加者の中でも強い説。
無惨様は巧く太陽光から逃れたけど、内LINEも制限されてそうだし、この状態じゃ誰にも気づかれずに終わりそう。デイパックもパクられてるし踏んだり蹴ったりですね。しかし一番可哀想なのはどばっちりの猗窩座殿……。
170
:
ヘビによる第一回放送
◆XksB4AwhxU
:2020/07/23(木) 19:29:18 ID:7stONArU0
エンリコ・プッチで予約、投下します。
171
:
ヘビによる第一回放送
◆XksB4AwhxU
:2020/07/23(木) 19:35:55 ID:7stONArU0
すみません。投稿しようとしたら、手違いで消去してしまいました。
少し投稿するのがおくれます…
172
:
ヘビによる第一回放送
◆XksB4AwhxU
:2020/07/23(木) 19:45:13 ID:7stONArU0
ザ-----ザ-----ザ―――――
「やぁ、極罪を犯した螺旋階段を羽ばたく天使…いや、カブト虫の諸君」
「時間になったので、君たちに挿入してある記憶DISCを通して放送を開始させてもらうよ」
参加者達の脳裏に浮かぶのは、エンリコ・プッチ。
「これから死者と禁止エリアを発表する。メモを取っておくといい」
プッチは一呼吸置くと、放送を続ける……
「死者は【佐々木哲平】【鷲巣巌】禁止エリアは【F5】と言いたいが、【E5】とする。
プッチは死者と禁止エリアの発表を終えると、一人の参加者に向けて話しかける。
「ふふふ、安心したかい鬼…いや、モグラ君?私は大変慈悲深いのだ…感謝したまえ」
心底見下したかのような口調。
「それにしても、深夜に開始したのは、間違いだったかな?まだ、たったの2人しか死んでいないじゃないか」
「残りは39・・・はッ!!??」
プッチは重大な事に気づいたかのように突然、大きな声を上げると-----
「39だとッ!!??素数じゃないじゃないかッ!美しくない!美しくないぞぉぉぉぉ!!!」
自身が好む数字…素数ではないことに怒りの表情を見せると-----
参加者の脳裏に文字が浮かび始める。
------ボンッ!!
鬼舞辻無惨【再起不能(死亡)】
オールマイト【再起不能(死亡)】
―――――残り37人
173
:
ヘビによる第一回放送
◆XksB4AwhxU
:2020/07/23(木) 19:47:36 ID:7stONArU0
「と言いたいところだが、それでは、私の悲願が成就できなくなるかもしれない……」
プッチは使い終わったクラッカーを放り棄てると話を続ける。
――――残り39人
174
:
ヘビによる第一回放送
◆XksB4AwhxU
:2020/07/23(木) 19:56:36 ID:7stONArU0
「ジョークさ、ジョーク……」
アルカイックスマイルを浮かべるプッチ。しかし、直ぐに真剣な表情になると……
「ふふふ、安心したかい?モグラ君にヒーロー?だが、余りにもこのような状況ならジョークではなく、「真実」になるかもしれない…そのことを、空っぽな頭に叩き込んでおくことだ」
「さあ、そろそろ放送を終えよう。君たちの健闘を祈るよ…」
「ああ、私かい?私は朝食の「イチジクのタルト」でも食べるとするよ。
ザ-----ザ-----ザ―――
記憶DISCによる放送が終わる……
【???/一日目 早朝】
【エンリコ・プッチ@アイドルマスターシャイニーカラーズ】
[状態]:健康 素数でないことによる苛立ち
[装備]:???
[道具]:???
[スタンド]:ホワイトスネイク
[思考・状況]基本行動方針:?????
1:39…美しくない!美しくないぞぉぉぉぉ!!
2:さて、イチジクのタルトでも食べるとするか……
3:プッチ素数調整ランキング 1位鬼舞辻無惨 2位オールマイト 3位伊藤誠 4位イヤミ 5位猗窩座
[備考]
記憶DISCによる放送を終えました。
今のところ、本気で行うつもりはありませんが、もしもの場合、「素数調整」を行うかもしれません。※行う場合は調整ランキング優先
175
:
ヘビによる第一回放送
◆XksB4AwhxU
:2020/07/23(木) 19:57:51 ID:7stONArU0
「ジョークさ、ジョーク……」
アルカイックスマイルを浮かべるプッチ。しかし、直ぐに真剣な表情になると……
「ふふふ、安心したかい?モグラ君にヒーロー?だが、余りにもこのような状況ならジョークではなく、「真実」になるかもしれない…そのことを、空っぽな頭に叩き込んでおくことだ」
「さあ、そろそろ放送を終えよう。君たちの健闘を祈るよ…」
「ああ、私かい?私は朝食の「イチジクのタルト」でも食べるとするよ」
ザ-----ザ-----ザ―――
記憶DISCによる放送が終わる……
【???/一日目 早朝】
【エンリコ・プッチ@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:健康 素数でないことによる苛立ち
[装備]:???
[道具]:???
[スタンド]:ホワイトスネイク
[思考・状況]基本行動方針:?????
1:39…美しくない!美しくないぞぉぉぉぉ!!
2:さて、イチジクのタルトでも食べるとするか……
3:プッチ素数調整ランキング 1位鬼舞辻無惨 2位オールマイト 3位伊藤誠 4位イヤミ 5位猗窩座
[備考]
記憶DISCによる放送を終えました。
今のところ、本気で行うつもりはありませんが、もしもの場合、「素数調整」を行うかもしれません。※行う場合は調整ランキング優先
176
:
ヘビによる第一回放送
◆XksB4AwhxU
:2020/07/23(木) 20:00:09 ID:7stONArU0
投下終了します。
今回の放送ですが、企画主である◆Il3y9e1bmoさんの考えもあると思いますので、
もしもの時は破棄します('◇')ゞ
177
:
◆XksB4AwhxU
:2020/07/23(木) 20:05:29 ID:7stONArU0
感想ありがとうございます。
そして誰もいなくなった
無惨さま生存ルートは地下しかないかな…と思いそうしました。
カストロ君のダブルはスーパーフライを支給された無惨様と合う思い、遭遇させました(笑)
猗窩座殿には申しわないです………
内LINEも制限されてそうだし、この状態じゃ誰にも気づかれずに終わりそう。
↑なるほど!そこまで、考えていなかったのですが実は、念は送られておらず、2人は気づいていないというパターンは面白いですね!!(鬼畜プッチですが(笑))
無惨様の念が届いたかどうかは後続の書き手さんにお任せします。
178
:
◆Il3y9e1bmo
:2020/07/26(日) 11:54:56 ID:IBeKnIcc0
>>176
すみません、第一回放送ですが、他の書き手さんにキャラクターの伏線回収や描写したいことなどがあった場合、置き去りにされてしまうので、予約即投下ではなく、
「放送の投下を○○週間後にします」や「あと○作投下されたらします」などということを事前に告知した後に投下してほしかったです。
最近まともに投下できていない私が言うのもあれですが、こちらに関しては申し訳ありませんが破棄ということにしていただきたいです。よろしくお願いします。
179
:
<削除>
:<削除>
<削除>
180
:
名無しさん
:2020/07/27(月) 10:22:56 ID:GM9ohkG.0
分かってないみたいだから教えてあげよう
この掲示板で行われている企画は「俺ロワ」であり、企画者に強い権限が与えられている
企画者の決定を覆せるとしたら、掲示板の管理人だけ
あなたに企画者の決断を自分一人の判断で無効にする権利はありません
181
:
<削除>
:<削除>
<削除>
182
:
◆Il3y9e1bmo
:2020/07/27(月) 11:08:29 ID:o/svR70w0
>>179
俺ロワ・トキワ荘のルールである「当板内において、各企画における最終決定権はスレ立て人に存在するものとします。」に則り、破棄とさせていただきます。
異議は認めませんので、悪しからずご了承ください。
183
:
<削除>
:<削除>
<削除>
184
:
<削除>
:<削除>
<削除>
185
:
◆Il3y9e1bmo
:2020/07/27(月) 20:15:13 ID:o/svR70w0
◆XksB4AwhxUさん、もしなりすまし被害にあっているようでしたらトリップを変更することをおすすめします。
名前欄の#の後ろの文字を変更することによってトリップの変更は可能ですので、どうぞよろしくお願いします。
186
:
◆Oamxnad08k
:2020/07/27(月) 21:50:21 ID:.yCkgLOw0
◆XksB4AwhxUのトリップで投稿していた者です。
◆Il3y9e1bmo様、180様並びに白蛇ロワに関わる皆さま。
なりすましとはいえ、◆XksB4AwhxUのトリップで非常に御不快を感じさせてしまったこと、申し訳ございません。
今回の放送については、企画主をさしおいて投稿するのは越権行為いかがなものかと悩んだのですが、投稿をしたことで、このような事態を招いてしまいました。
176のコメに書いてある通り、企画主あってのロワであることを重々承知していますので、当然ですが、破棄いたします。
重ね重ねになりますが、本当に申し訳ございません。
◆XksB4AwhxUを使いなりすました方へ
なぜ、なりすまして、多くの方を不快に感じさせたのかわかりませんが、人の気持ちを考えられないのは、よくないことです。
このよう行動は二度としないでください。
187
:
名無しさん
:2020/07/27(月) 22:02:52 ID:koTWkrrI0
◆XksB4AwhxU氏改め、◆Oamxnad08k氏へ
今回はお疲れ様でした。このような事態が起きて、大変だと思いますが今後とも◆Oamxnad08k氏の書く作品を楽しみにしております。
また、遅れながら『そして誰もいなくなった』も読ませて頂きました。カストロの強さが伝わりましたし、これからどんどん成長していくことが楽しみになりましたね。
188
:
◆Oamxnad08k
:2020/07/27(月) 22:16:45 ID:.yCkgLOw0
187様、コメントありがとうございます。
帰宅中に携帯でスレを見たら、とんでもないことが起きている!?と吃驚しました……
恥ずかしながら、小説を書くのは今回が初めてでして……
いつも、他の皆様の作品を読ませていただき、文章力や構成力を学んでおります。
感想ありがとうございます。
そして誰もいなくなった
ヒソカにはメモリ不足とディスられましたが、カストロ君はポテンシャルがあるキャラだと思いますので、このロワで化けるかどうか楽しみでもあります。
189
:
◆Il3y9e1bmo
:2020/08/14(金) 22:46:17 ID:1yPGyQsw0
日にちが空いて申し訳ありませんでした。
げんげん、猗窩座、黒死牟で予約します。
190
:
◆Il3y9e1bmo
:2020/08/14(金) 23:15:52 ID:1yPGyQsw0
投下します。
191
:
鬼よりも怖いもの
◆Il3y9e1bmo
:2020/08/14(金) 23:16:52 ID:1yPGyQsw0
鬼。
鬼という字は、横たえられた遺骸に、怪物の角と私利私欲を表す「ム」が付いてできたという。
鬼は利己的な存在だ。
兄妹で罵り合い。
芸術の名のもとにいたぶり。
目が見えないと嘘をつき。
弱者を忌み嫌い。
勝手に憐れみ。
嫉妬する。
それが鬼だ。
だから、鬼はこの世から一匹も残さずにいなくならなければならない。
◆ ◆ ◆
カメユーデパート。
かつて吉良吉影という『鬼』が勤めていた店だ。
そのカメユーデパート前の、ちょうど駐車場の入り口付近に奇妙な出で立ちをした二人の男が走り込んできた。
しかも明らかに常人には出せない、F1レーサーも真っ青な凄まじいスピードで、だ。
一人は全身に藍色の刺青のような紋様が浮き出し、羽織を着た細身の男。
もう一人は、長髪を後ろで縛り、これまた顔に黒い炎のような痣のある和装の男。この男にはなんと目が六つもあった。
そう、二人は鬼だ。人を殺し、喰らう鬼。
それもただの鬼ではない。
鬼の首領である鬼舞辻無惨直属の配下である、最強の鬼たち。
そのナンバー1とナンバー3である。
「……ここで良いか」
六つ目の鬼、黒死牟が刺青の鬼である猗窩座のほうへ向き直る。
「……猗窩座、私の……言ったことは……覚えているか?」
「馬鹿にするな。お前が東、俺が西だろう」
猗窩座はフン、と鼻を鳴らした。
「……分かっているならいい。何としてでも……無残様に……お会いしろ」
「ああ、分かって――おい、ちょっと待て」
なにやら思う所でもあるのか足早に去ろうとする黒死牟を猗窩座が呼び止める。
「……? どうした」
「この建物から声がする。男のものだ」
「そうか」
「おい! 道中、人間たちを始末すると言ったのはお前ではないか!」
「そうは言った……。だが、『私が』始末するとは言っていない……」
「〜〜〜〜ッッ!」
なかなか腹の底を見せない黒死牟に、猗窩座は激昂する。
「とにかく……そこの人間は猗窩座、お前が始末しろ……」
それだけ言うと、黒死牟は脇目もふらず立ち去って行ってしまった。
「……フン、結局俺が後始末か」
猗窩座は乱暴にデパートの扉を蹴り破ると中へ入っていった。
デパートの中は、外の暗闇が嘘のように明るかった。
店内を照らしているのは日光かと思い、一瞬身を隠した猗窩座だったが、どうやらそうではないらしい。
光が日光でなければ恐れることなど何もない。
中の人間はどうやら一人のようだ。さっさと終わらせて無残様の元へ馳せ参じねば。
猗窩座はそう考えていた。
192
:
鬼よりも怖いもの
◆Il3y9e1bmo
:2020/08/14(金) 23:17:43 ID:1yPGyQsw0
店内をずんずん進むと、店の奥に一人の青年が地べたに座り込んで何やら饅頭のようなものを頬張っているのが見えた。
青年は猗窩座を認めると、人懐っこそうな笑みを浮かべて立ち上がった。
「おっ、来てくれたんや! どうも、ありがとう。もう一度自己紹介させてもらうわ。俺の名はげんげん――あ、『源元気』っちゅうほうが分かりやすいかな?
なんやらけったいな格好しとるけど、どしたん? お兄さんの名前を聞かしてもろうてもええやろか?」
微笑みながら握手を求めてきた青年――げんげんの顎を猗窩座は無言で軽く叩いた。
それだけでげんげんの身体は振ったコーラを逆さにした時のように吹き飛び、天井に激突。絶命した。
【源元気@Gengen Channel】 死亡
「下らん」
猗窩座はきびすを返すと、デパートから去り、鬼舞辻無惨の捜索を続けようとした。
――しかし。
「お兄さん、なんちゅうことしてくれたんや。いきなり殴るのは無しやで。俺は誰も殺すつもりはないんや。
皆で脱出する方法を探してるんや。信用して欲しいです」
先程の男が、目の前に立っていた。
「なっ!?」
猗窩座は面食らった。
どういうことだ? さっき殺したのは幻覚か? いや、確かに感触はあった。では血鬼術に近いようなものか?
わからない。
だが、猗窩座にはそれの正体を理解するよりももっと簡単な解決方法があった。
またも無言でげんげんに近づき、顎を先程よりも少し強めに叩く。
げんげんは天井を突き破り、デパートの屋根に大きな穴を空けて空の彼方に飛んでいった。無論、絶命である。
【源元気@Gengen Channel】 死亡
「……これでいい」
猗窩座は再びきびすを返すと、デパートから去り、鬼舞辻無惨の捜索を続けようとした。
――しかし。
「お兄さん、ええかげんにしてや。俺もだんだん疲れてきたわ」
やはり、先程の男が目の前に立っていた。
わからない。気味が悪い。
こうなれば猗窩座にできることは一つである。
「……『術式展開』」
己の必殺の一撃を以て完全にあの男の肉体を消滅させる。やはり猗窩座にはそれしか思いつかない。
(おそらくは)ただの人間であるげんげんにこの血鬼術を見せるのは癪だが、仕方ない。奴の正体を知らねば危険だ。
猗窩座は武道の構えをとった。
足元に雪の結晶を模した陣が出現する。
これこそが猗窩座の血鬼術にして、相手の闘気を読み取り先手必勝の一撃を叩き込む必殺の術『羅針』である。
「おわっ、なんや妙なもんが出たなあ。お兄さん、ひょっとして手品師かなんかか?」
だが、げんげんは意に介さない。
しかも彼からは闘気が全く読み取れないではないか。
闘気が読み取れなければどう攻撃してくるのかわからない。
わからなければ奴が生き返るカラクリも知りようがない。
「くッ……! 『終式』!!」
猗窩座は破れかぶれに自身が今撃てる最大の技を放った。
全方向に同時に百発の乱れ打ちが放たれ、デパート内の窓ガラスは全て割れ、陳列されていた商品の殆どは砕け散った。
もちろんげんげんの肉体はいくら鍛えているといっても防ぎようも躱しようもなく粉々に砕け散った。絶命である。
【源元気@Gengen Channel】 死亡
193
:
鬼よりも怖いもの
◆Il3y9e1bmo
:2020/08/14(金) 23:18:09 ID:1yPGyQsw0
「……はあ、はあ」
(さすがに終式を撃つのはやりすぎだったか。……だが、これでいい。あの男の肉体は完全に塵となり、この世から消滅した。)
猗窩座は再びきびすを返すと、デパートから去り、鬼舞辻無惨の捜索を続けようとした。
――しかし。
(そんな……! ありえない! 終式だぞ!? 鬼殺隊の柱とてこの技を受けて生き残ったものは一人もいない!!)
猗窩座は恐る恐る振り返った。
「何が起こったん? なんかえらい周りのものが吹き飛んどるけど、お兄さんは大丈夫やったか? 俺は裸足やから、足怪我しそうやで」
男が、いた。
しかも相変わらずのんきそうな笑みを浮かべて。
「…………ッ!!」
猗窩座はもはや平静を保つことができなくなっていた。
鬼殺隊に追い詰められたのならまだわかる。
だが、こんな訳のわからない闘気の欠片すら持たないような男に己の最大の技が効かない?
そんなことがあってはならない。
だが、殺しても殺しても蘇る。
半天狗のように分身が本体なのか? いや、どう見てもただの人間だ。そんな鬼のような能力は使えるわけがない。
ならば、ならば……!
(黒死牟、猗窩座!! 私は今、F5の鉄塔の中に閉じ込められている。癪だが、私だけでは脱出することが出来ない……早く私の元へ駆けつけろッ!!)
混乱と恥辱で気を失いかけた猗窩座の頭に突如念話が届いた。
これは紛れもなく、無惨様からのものだ。
「!!」
猗窩座はあらん限りの力で床を蹴り、その場から離脱した。
それは鬼舞辻無惨からの命を果たすためだったのか、己の自尊心を守るためだったのか、それは本人にもわからない。
【猗窩座@鬼滅の刃】
[状態]:疲労(小)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品
[スタンド]:The Book
[思考・状況]基本行動方針:プッチを殺す
1:げんげんとはもう会いたくない
2:F5の無惨と合流
【黒死牟@鬼滅の刃】
[状態]:健康
[装備]:血鬼術で作った刀
[道具]:基本支給品
[スタンド]:ムーディー・ブルース
[思考・状況]基本行動方針:鬼以外は皆殺し
1:無惨と合流
【源元気@Gengen Channel】
[状態]:疲労(中)
[装備]:拡声器
[道具]:基本支給品、ビデオカメラ
[スタンド]:D4C
[思考・状況]基本行動方針:対主催
1:呼び掛けに応じてくれた人と協力する。説得も続ける
2:なんやけったいなお兄さんやなあ
[備考]
今のげんげんは「原始人げんげん」です。
・げんげん初めての動画投稿ヽ( ´▽)ノ
・謎の怪盗G
・暗黒宇宙帝国のパイロットげんげん
は死亡しました。
194
:
◆Il3y9e1bmo
:2020/08/14(金) 23:18:30 ID:1yPGyQsw0
投下を終了します。
195
:
◆Il3y9e1bmo
:2020/08/14(金) 23:24:39 ID:1yPGyQsw0
>>193
すみません、場所が抜けていました。
>【D-4 住宅街(カメユーデパート)/未明】
を追加したいです。
196
:
名無しさん
:2020/08/14(金) 23:48:33 ID:AiyR0llI0
投下乙です
上司に仕事押しつけられたあげく、相手のスタンドに翻弄されて精神的に消耗するアカザ殿マジ苦労人
やっぱり無惨様一派はブラック企業だね
197
:
◆Oamxnad08k
:2020/08/15(土) 11:53:09 ID:dV76twJ60
投下お疲れ様です。
自分の全力をもってもなぜか生きている人間に無惨様からの指令と…猗窩座の心労がさらに負荷されそうですね…
そんな猗窩座殿の技を受け、何回か殺されても、平然とするげんげん、凄いですね。
◆Il3y9e1bmo
重ね重ねになりますが、色々とご迷惑をかける一端を担ってしましました。申し訳ございません。
今後も白蛇ロワを陰ながら応援させてください。
198
:
◆Oamxnad08k
:2020/08/16(日) 23:21:17 ID:9UQ8cg8Y0
様が抜けており、申し訳ございません。
投下お疲れ様です。
自分の全力をもってもなぜか生きている人間に無惨様からの指令と…猗窩座の心労がさらに負荷されそうですね…
そんな猗窩座殿の技を受け、何回か殺されても、平然とするげんげん、凄いですね。
◆Il3y9e1bmo様
重ね重ねになりますが、色々とご迷惑をかける一端を担ってしましました。申し訳ございません。
今後も白蛇ロワを陰ながら応援させてください。
199
:
◆Il3y9e1bmo
:2020/09/02(水) 22:44:42 ID:SNlhWGKg0
黒死牟、ナイチンゲール、イヤミ、青娥で予約します。
>>198
いえいえ、◆Oamxnad08k様には何の責任もございませんのでお気になさらず。
今後とも白蛇ロワをなにとぞよろしくお願いいたします。
200
:
◆Il3y9e1bmo
:2020/09/03(木) 15:32:24 ID:tItHM8.M0
投下します。
201
:
白き生を賜る
◆Il3y9e1bmo
:2020/09/03(木) 15:33:08 ID:tItHM8.M0
猗窩座と別れた後、黒死牟は闇夜を駆けていた。
砂利一つ無い、やけに丁寧に舗装された道を東に、東に。
数キロ程進んだところで、黒死牟は幾人かの人影を認めた。
一人はいやらしい笑みを浮かべたスーツ姿の出っ歯の男。
もう一人は西洋の看護服を着た女。
最後の一人は青髪に青い目、青い服と全身を青で統一した装いの女である。
黒死牟はずんずんと大股で彼らに近づいていく。鬼の行動原理は、「鬼舞辻無惨のため」ただ一つである。
無惨が殺せというのであれば親でも殺すし、喰らえというのであれば子でも喰らう。
この催しが無惨以外の全員が死ねば終わるというのであれば、参加者はできる限り減らしておくべきだろう。
よって、黒死牟は三人を殺すこととした。
「………………」
無造作に三人の前に突如姿を現した異形の鬼。
夜は闇に慣れている鬼の目が有利だ。
「……お前たちに尋ねたいことが……ある。『鬼舞辻無惨』なるお方を……お見かけしなかったか……?」
有無を言わせず質問をぶつける黒死牟。
このような有象無象はいつでも殺せる。
だが、兎にも角にも無惨と合流するために情報が必要だと考えたのだ。
「な、なんザンスか! いきなり現れて! ビックリさせないで欲しいザンス!
それにチミ、聞きたいことがあるならまず自分の名を名乗るザンス――フガッ!」
「私の名はフローレンス・ナイチンゲールです。こちらはイヤミさんと霍青娥さんです。
……念の為にこちらからもお尋ねしますが、あなたは殺し合いに乗っていますか?」
いきり立つイヤミを制止し、ナイチンゲールが目の前に立ちふさがる。
その首筋には尋常ならざる汗をかいていた。
「……乗っていると言ったら……どうする……?」
「私はこの催しを認めてはいません。どうしても他の人を殺す、というのであれば――」
「私を……排除すると……?」
黒死牟は腰の刀に手を添えた。
これは自身の血鬼術によって作り出したものである。
(ちょ、ちょっと! アイツ、どう見てもヤバいわよ! そんな挑発するようなこと言ってどうするの!)
青娥がナイチンゲールの耳元で囁く。
(そうですね。……恐らく私はここで殺されるでしょう。青娥さんとイヤミさんは逃げてください)
言われなくてもそうするわよ、と心の中で毒づきながら青娥は逃走の態勢を整える。
「……失礼。先程の質問ですが、まだ答えていませんでしたね。
私たちは『鬼舞辻無惨という方は一度も見ていません』。これで満足でしょうか?」
「……そうか。月の呼吸、壱ノ型――」
黒死牟は刀身におぞましい瞳が埋め込まれた刃を抜き放たんとする。
『────お労しや、兄上』
すると、黒死牟と三人の間に割って入るように、いきなり剣士姿の老人が現れたではないか。
「……くッ! ……忌々しい。消えろ……!」
六つ目の鬼は胸を押さえ、急に煩悶とし始める。
「なんだかよく分からないけど、今がチャンスってやつかしら!?」
青娥は胸元から大量の折り畳まれた紙を取り出し、広げる。
スタンド『エニグマ』によって紙に封印されていた大量の弾幕が黒死牟を襲った。
「シェー! や、やったザンスか……!?」
「だと良いわね……。さ、逃げるわよ!」
青娥はきびすを返すと、髪に挿していたかんざしで背後の民家の壁に円を描いた。
するとぱかりと壁に穴が空いたではないか。
「はやく!」
「は、はいっ……!」
ナイチンゲールたちも青娥に続き穴の中に入っていく。
穴は全員が通り抜けると自動的に塞がった。
これこそが霍青娥の持つ、『壁をすり抜けられる程度の能力』であった。
202
:
白き生を賜る
◆Il3y9e1bmo
:2020/09/03(木) 15:33:35 ID:tItHM8.M0
「……なるほど。これは……血鬼術ではないな……。
中国の邪術の類か……? なかなかの使い手もいるようだ……」
すぐさま傷を修復して立ち上がる黒死牟。
「月の呼吸、壱ノ型『闇月・宵の宮』」
抜刀時に放った横薙ぎの一撃は、目の前の一軒家を簡単に倒壊させてしまった。
「シェー! 痛いザンス! 痛いザンス! も、もうだめザンスーっ!」
素っ頓狂な悲鳴を上げるイヤミ。見ると足に深い裂傷ができていた。
三人とも壊された家のさらに隣の家まで逃げていたため斬撃には直接当たらなかったが、月輪の先にイヤミが触れたようだ。
「イヤミさん、落ち着いてください。クレイジー・ダイヤモンドッ!」
『ドラァ!』
ナイチンゲールのスタンド『クレイジー・ダイヤモンド』がイヤミに触れると、あっという間に傷は治った。
「なるほど。直接的な斬撃だけじゃなくて、同時に何らかの不可視フィールドも発生させてるってところか」
「そ、そんなのどうするザンスか! 避けるだけでも精一杯なのに、逃げ切るなんて絶対無理ザンス!」
「あらあら、あっちの看護師さんは『逃げる』なんて選択肢、頭に無いみたいだけど?」
青娥が不敵な笑みで指差す先には、断固たる決意で鬼を見据える『ランプの淑女』の姿があった。
「じゃあチミも逃げない気ザンスか!? いやいやいやいや、三人がかりでも到底無理ザンス!
ミーはこんなヘンピなところで死にたくないザンス!!」
「? 私は逃げるわよ? 仙人だから空も飛べるし」
何を当然のことを言っているのだというようにあっけらかんと答える青娥。
「じゃあミーも連れて行ってちょーよ! 諭吉さんもちょっとだけなら分けてあげないこともないザンス」
「嫌です。そもそもこの殺し合いじゃお金なんてなんの役にも立たないし持ってても邪魔なだけだもの」
「お金! そうです! その手があったわ! その方法ならあの見えない攻撃を突破できるかも……!」
ナイチンゲールは何かをひらめいたのかイヤミに駆け寄る。
「イヤミさん! お金、貸してください」
◆ ◆ ◆
数分後。
「わざわざ……私に……斬られに来たか……」
ナイチンゲールは黒死牟と対峙していた。
「あとの……二人は……どうした……。姿が……見えぬが……」
「お二人は逃げました。今はあなたの手の届かないところにいます」
「そうか……。全く……煩わしい……」
黒死牟は居合の構えを取った。
ナイチンゲールもクレイジー・ダイヤモンドを背後に出現させ、臨戦態勢だ。
「……参る。月の呼吸、壱ノ型『闇月・宵の宮』」
異常な速度の抜刀と、それと同時に発生する月輪状の力場がナイチンゲールを襲う。
黒死牟がこれまで見てきた中で『闇月・宵の宮』を目の前にした鬼狩りが取る行動は二つ。
一つは、突っ込んで斬撃を躱したはいいが、不可視の月輪に切り裂かれる。
一つは、月輪を躱そうとして背を見せ、斬撃に切り裂かれる。
どれだけ鍛錬を重ねた強者であろうと、決まってこの二つのどちらかを行い、そして死んでいった。
だが、ナイチンゲールが取った行動はそのどちらでもなかった。
『こちらを向いたまま後ろに下がり』、斬撃を躱したのだ。
「なるほど……。女だと侮っていたが……だてに戦場はくぐってきていないようだ……。
だが、それでは……こちらに近づくことはできないだろう……」
「そうですね。あなたの攻撃の正体がつかめませんから。でも、こうすれば……!」
ナイチンゲールはポケットから折り畳まれた紙を一枚取り出すと、それを広げた。
すると、大量の紙幣が飛び出してきたではないか。
そう、イヤミが最初にエニグマで紙にしまってもらった三十億円以上の現金である。
それがバラバラと広がり宙に舞う。
「これは……!」
宙に舞った紙幣はあちこちに飛び散り、今や黒死牟が放った幾つもの月輪を浮き上がらせていた。
「なるほど。そんな形をしていたのね」
「ッ!」
203
:
白き生を賜る
◆Il3y9e1bmo
:2020/09/03(木) 15:34:28 ID:tItHM8.M0
不味い、と思った時にはもう遅かった。
ナイチンゲールは紙幣によって姿を見せた月輪をかいくぐり、接近していたのだ。
黒死牟の血鬼術は中距離戦において最も効果を発揮する。
だが、これだけでは――。
「私の技が……壱ノ型だけだと思ったか……?」
――これだけでは、黒死牟には勝てない。
「参ノ型『厭忌月・銷り』」
「しかし、クレイジー・ダイアモンド!」
『ドラララララララララララララララ!!』
ナイチンゲールの方が一手早かった。
必殺のラッシュを叩き込む。
「く……!」
黒死牟の顔が苦痛に歪む。
(痛い……苦しい……! このままでは……!)
たまらず全身から刃を発生させ、ナイチンゲールを突き殺さんとする黒死牟。
だが、ナイチンゲールのクレイジー・ダイアモンドはそれすらを『治し』、刃を身体の中に戻してしまう。
「ウオオオオオオオオオオ!」
"上弦の壱"、最強の鬼の絶叫が闇夜にこだました。
◆ ◆ ◆
暫くして物陰から顔を覗かせたのはイヤミと青娥である。
「はあ……はあ……」
ナイチンゲールは息を切らせながら瓦礫の山に座り込んでいた。
「や、やったザンスか……?」
ナイチンゲールは無言で頷いた。
「ウッヒョヒョーイ! やったザンス! ミーのミラグロマンのおかげザンス! 感謝するザンスよ!!」
「いやあ、一時はどうなるかと思ったけど結果オーライってやつかしら?」
「なーにを言っとるザンスか! チミは最後まで隠れてて何もしてないザンスよ!」
イヤミは青娥に舌を出してあっかんべーをする。
「ふうっ、皆さんのおかげです。本当にありがとうございました」
ナイチンゲールは立ち上がるとぺこりとお辞儀をした。
「それで、この方の亡骸なのですが、きちんとお墓を作って埋葬したいので手伝ってもらっても良いですか?
……最期はとても悲しそうな顔をされていました」
「あんまりやりたくはないわね……。まあでも、弔いくらいはしてあげましょっか」
青娥は鬼の顔を覗き込む。
「ってちょっと。この化け物、まだ生きてるわよ――――」
黒死牟が目を見開き、一瞬で起き上がると刀を抜く。
そして、青娥が口から血を吹いた。
「……鬼は……頚を落とすか……日光に当たらなければ死ぬことはない……。
肉体を……破壊しても……いつかは再生する……。覚えておくことだ……」
「く、クレイジー・ダイアモンドッ!」
「……遅い」
ナイチンゲールが胸を貫かれる。
「な、何が起こったザンス……! 青娥さん……? ナイチンゲールさん……?
二人とも、い、いきなり倒れて……。ま、まさか本当に死んだみたいじゃないザンスか……」
「あとは……お前だけだ……何か言い残すことは……あるか……?」
「し、シェー!」
二人の死体と一匹の鬼を前に、イヤミは土下座をした。
それはこれまでしてきたどの土下座よりも誠心誠意を込めたものだった。
ただただ「死にたくない」というイヤミの生き汚さの全てを、その土下座が表していた。
「……なるほど……そこまでして……死にたくないか……」
「……はい」
204
:
白き生を賜る
◆Il3y9e1bmo
:2020/09/03(木) 15:34:43 ID:tItHM8.M0
黒死牟は手をイヤミにかざす。
イヤミが恐る恐る顔を上げると、そこにはどす黒い血が溜まっていた。
「これは……お前を鬼にするための……ものだ……。
一滴たりともこぼすことは……まかりならん……」
こうして、二人の女性がその生命を終え、一人の男が新しく生を得て鬼となった。
全てを捨てた命乞い。その選択が正しかったのか、間違っていたのかを知るものは、まだいない。
【霍青娥@東方Project】 死亡
【フローレンス・ナイチンゲール@黒博物館 ゴースト・アンド・レディ】 死亡
【残り 37/41】
【D-5/住宅街(道路)/一日目・未明】
【イヤミ@おそ松さん】
[状態]:鬼化、苦痛(大)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品
[スタンド]:ミラグロマン
[思考・状況]基本行動方針:優勝して主役に返り咲くザンス!
1:死にたくないザンス!
2:鬼になるのは苦しいザンス!
[備考]
黒死牟に無惨の血を貰い、鬼化しました。
どのような鬼になるのかは後続の書き手にお任せします。
【黒死牟@鬼滅の刃】
[状態]:疲労(大)、打撲(中)、裂傷(中)
[装備]:血鬼術で作った刀
[道具]:基本支給品
[スタンド]:ムーディー・ブルース
[思考・状況]基本行動方針:鬼以外は皆殺し
1:無惨と合流
2:傷を治す
3:イヤミを鬼にする
205
:
◆Il3y9e1bmo
:2020/09/03(木) 15:35:08 ID:tItHM8.M0
投下を終了します。
206
:
名無しさん
:2020/09/03(木) 21:18:53 ID:NyoR/7EU0
投下乙です
ナイチンゲール、善戦むなしくか……
鬼は事前知識がないと厳しいなあ
そしてイヤミが鬼に……
うん、原作でもサイボーグになったりダルシムになったりしてるんであんまり大事に思えないや
207
:
◆Il3y9e1bmo
:2020/11/11(水) 20:41:24 ID:QweFEYqk0
お久しぶりです。そろそろ月イチペースくらいの投下には戻したいと密かに思っています。
福丸小糸、松野おそ松、日之本進、大槻で予約します。
208
:
◆Il3y9e1bmo
:2020/11/11(水) 22:13:34 ID:QweFEYqk0
投下します。
209
:
いしのなかにいる
◆Il3y9e1bmo
:2020/11/11(水) 22:14:32 ID:QweFEYqk0
黒死牟とナイチンゲールたちの死闘から数十分後、住宅街には再び静寂が訪れていた。
しかし、彼らの戦闘によって発生した轟音は、周囲の参加者たちを一箇所に集めるのには十分すぎるほどだった。
「…………おいおい、なんだこりゃ」
「しっ、さっきのバケモノみたいなやつがまだ近くにいるかも知れないだろ! あんまり大きな声出すな!!」
「そっちのほうがデカい声だしてりゃ世話ないよ」
漫才のようなやりとりをしつつ、土管の中からそっと周囲を伺うのは松野おそ松と日之本進の「クズ&クズ同盟」だ。
彼らはパチンコで勝てなくなってきた(何時間も遊んでいればいくら高設定でも還元率の点から負けるのは当然である)ため、気晴らしに散歩がてら住宅街をうろついていたのだ。
すると何やら家が崩れる時のような地響きがするではないか。
これはおそらく周囲で良からぬことが起きていると持ち前の洞察力で判断した進は、おそ松と共に空き地に放置された土管の中に身を隠すことを選んだのであった。
途中で男女の言い争う声や男性のものと思われる奇声などが聞こえてきたが、二人はじっと身を潜めて耐えた。
もう良いだろうと思い、慎重に土管から顔を覗かせる進。
すると一瞬、目が六つもあるバケモノのような出で立ちの男が何やらもがき苦しむ男を小脇に抱えてものすごいスピードで立ち去るのが見えた。
その異形の男の腰には血濡れた刀が一振り携えられており、先程の地響きの原因に一枚噛んでいることは疑いようがなかった。
こうして、話は冒頭に戻る。
進はおそ松を促し(というか無理やり先を歩かせ)、空き地から例の戦場となった場所へと恐る恐る移動する。
そこで彼らが目にしたのは大量の細切れになった札束であった。
先の戦いで、ナイチンゲールが黒死牟の斬撃を見切るためにイヤミから借りたものである。
「うおっ、こりゃあいいぞ! 前にどっかで聞いたことがあるんだが、破れた紙幣でも銀行に持っていけば新品と取り替えてくれるらしい」
先程見た男への恐怖などどこへやら、進は必死になって紙幣を集め始めた。
「……いや、日之本サン、こんだけバラバラになってたら無理でしょ。……っていうかここら辺に銀行とか無さそうだし」
今まで二人してパチンコに興じていた癖に、急に冷静さを取り戻したおそ松は無慈悲な現実を進に突きつける。
「おいおい、そんなこと言うなよ。もしかしたら銀行くらいあるかもしれないだろ……。って、こ、こ、これは……!」
すると、今まで元気に細切れの紙幣を集めていた進が急にぶるぶると震えながら道路の端を指差した。
そこにはナイチンゲールと霍青娥が折り重なるようにして倒れていた。
二人の身体からは血が流れ出し、辺りの紙幣を赤く染めている。
「うえあっ!? 日之本サン、それってもしかして……」
「言うなッ!」
おそ松の言葉を遮り、進は人差し指を口に当てる、いわゆる「しー」のポーズをとった。
「オレたちは何も見てない」
「えっ!?」
「いいか、オレたちは何も見てない。知らない。ここには来てない」
「は?」
「いいから行くぞ」
進は手に持った何枚かの紙幣をポケットに収め、あまりの発言に困惑するおそ松を伴って足早にその場から去ろうとする。
「いやいやいや、日之本サン、さすがに埋めてあげたりしたほうが……」
「馬鹿野郎!!」
急に声を荒げる進におそ松は思わずビクッとしてしまう。
「オレたちには一人ひとつスタンド能力ってものが備わってるってことを忘れたのか!! もしかしたら、自分の姿を死体に見せかけるような能力かもしれないだろ!!
そうじゃなくてもただでさえ参加者には人間かどうか怪しいやつがいるっぽいのに。ここは死体を見ても関わらない方が正解なんだよ。自分が死んだら本末転倒だ。
特にこういう異常事態では心の中で手を合わせりゃ十分だ。そういうのって、やっぱり行動よりも気持ちだろ? 逆に行動をしても気持ちが伴ってなきゃダメなんだ」
進は一見筋が通った、自分にとって都合の良い理屈を並べ立てた。
「う、うーん……?」
首を捻るおそ松。彼は悪知恵と浅知恵は働くが、年長者の詭弁を上手くかわせるほど頭は冴えていなかった。
210
:
いしのなかにいる
◆Il3y9e1bmo
:2020/11/11(水) 22:15:23 ID:QweFEYqk0
「あれ、でもさっきポッケにお金しまってなかったっけ?」
「いや、見間違えだろ。人が死んでるんだぞ? オレがそんなことをするような人間に見えるか?」
進は平然と嘘をついた。
「いや、俺、見たから。絶対しまってたよね? 『いいから行くぞ』って言いながら絶対しまってたよね?」
だがおそ松の追求は止まない。
遂にはおそ松が進のポケットをまさぐり、何枚かの紙幣と紙切れを見つけ出した。
「なんだこれ? ねえ、日之本サン?」
「いや、オレは知らん。勝手にポッケに入ってたっぽいなあ。理由は分からんが」
場にしらーっとした雰囲気が流れる。
「まあいいや。これは没収ね」
「おい、それはオレが見つけた金だぞ!」
進とおそ松は取っ組み合いになった。
するとうっかりして紙幣と紙切れが破れてしまう。
「う、うわっ!?」
突如、巨大な壁がその場に出現し、進を押し潰した。
そう、その紙切れとはもちろん、霍青娥が自身のスタンドであるエニグマで紙にしておいた壁だったのである。
「いてて……。おい、ここから出してくれ! オレのハーヴェストじゃ力が弱くてどうにもならん」
壁に閉じ込められて姿は見えないが、元気そうな声がするところから進はなんとか生きているようだ。
「いや、この壁は俺のクラフトワークでも無理だわ……」
おそ松も一応はスタンドを出して壁を殴ってみるのだが、全く壊れる気配はない。
「おい、スタンドのパンチにイマイチやる気が感じられないぞ。……もしかして、オレをここに残して金を総取りとか考えてないだろうな?」
「ぎくッ!?」
「おい!」
「いや、冗談だって。しかし、どうっすかなあ。俺のスタンドじゃ無理で、日之本サンのスタンドでも無理だとなると……」
「いいこと思いついた。他の参加者に助けてもらおう。この壁をブッ壊せるほどのパワーを持ったヤツ、どっかにいるだろ?」
「いやいや、そんなに都合よく俺たちに友好的なヤツなんかいるわけないじゃん。殺し合いの場だぞ? ここ」
進の意見をあっさり否定するおそ松。これは単に他の参加者を探しに行くのが面倒なのと、探し当てた参加者に危害を加えられたらたまったものじゃないからである。
「いいから行けよ。オレはもう酸欠でやばい。あと、クラッシュシンドロームも心配だ」
そんなこんなでおそ松はしかたなく他の参加者を探して旅立つことになった。
「はあー、気が乗らないなあ。もうあのオッサン放っておいてまたパチンコしに戻ろうかな」
本気でそう思い始めた矢先、公園でのんきそうにブランコを漕ぐ二人組の姿がおそ松の目に飛び込んできた。
一人は風采の上がらない中年男。団子っ鼻が特徴で大したことはできなさそうである。
もう一人はリスのようなどんぐり眼の超絶美少女。アイドルと言っても遜色ないようなそのオーラにおそ松は圧倒された。
そして、気づいたらその少女に話しかけていた。
「あ、あのっ! 俺を助けて――じゃなくて、俺の知り合いを助けてほしいんですがっ!」
「ぴゃ!? ななな、なんですか……!」
驚き、戸惑う少女。
「フフ……へただなあ! へたっぴさ……! コミュニケーションのとり方がへた……!」
すると少女の隣に座っていた中年男が急に話に参加してきた。
ぐでんぐでんな様子から、どうやら酒に酔っているようだ。
「仕方がないから、このワシ、大槻が二人の仲を取り持ってあげよう……!」
「え、あ、結構です。――っていうか忘れてた! 緊急事態なんだって! 俺の知り合いが壁に押し潰されちゃって!
俺たちのスタンドじゃその壁が壊せないからパワーを持ったスタンド使いが必要なの!」
おそ松はイマイチ要領を得ない説明で助けを求める。
その必死さに突き動かされたのかは不明だが、二人はなんとかついて来てくれた。
三人が例の壁が倒れているところに到着した頃には既に空が白んできていた。
「ねえ、ねえ!? 日之本サン!? 助けを連れてきたけど?」
進からの返事はない。
「ぴゃ! た、大変です……!」
小糸があわあわと壁の周りを心配そうに見回す。
211
:
いしのなかにいる
◆Il3y9e1bmo
:2020/11/11(水) 22:16:13 ID:QweFEYqk0
「っていうか、小糸ちゃん、大槻さん、先に確認しておくべきだったと今更ながらに思ってるんだけど、二人のスタンドってこの壁壊せるパワーある?」
「い、いえ、わたしのエアロスミスは、こう、大きさが小さいのできっと無理です……!」
「え、無理なの!? ……ごめん、日之本サン、あんたのこと助けられそうにないわ……」
「ゴホン……! んー、ゴホン……!」
すると大槻がわざとらしく咳払いをし始めた。
「ワシのスタンドは、『星の白金(スタープラチナ)』! その程度の壁なら拳で粉砕するのはわけない」
「えっ、ほんとですか……! 班長さん、すごいです〜!」
(いや、これどう見ても失敗する流れじゃん。スタンドへのダメージって本体へフィードバックされるんだよね?
手を挫かないでくれよー。頼むから)
嬉しそうにガッツポーズを決める小糸をよそに、おそ松は白けていた。
――だが。
「オラッ!」
壁は大槻のスタンド、スタープラチナの一撃で見事に砕け散ってしまった。
本来の力を発揮できないとはいえ、腐っても最強・最速のスタンドである。
「えええええええ!! いやいやいや、なんでこんなしょっぱいオッサンがこんな強いスタンド持ってるの!? いやそれより今は日之本サンの救助が先か……!」
壁の瓦礫をどかし、進を探すおそ松。
「ぐががが……! すぴー、すぴー!」
しかし、おそ松たちの心配なぞどこ吹く風。進はパチンコで疲れた頭を今まさに睡眠によって癒やしているところだった。
「こんのクズが〜〜〜〜ッ!!!!」
激昂したおそ松の操るクラフトワークの渾身の一撃が、進の頭にたんこぶを作った。
212
:
いしのなかにいる
◆Il3y9e1bmo
:2020/11/11(水) 22:16:40 ID:QweFEYqk0
【D-5/住宅街(道路)/一日目・早朝】
【松野おそ松@おそ松さん】
[状態]:疲労(中)、全身に殴打(軽傷)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品
[スタンド]:クラフト・ワーク
[思考・状況]
基本行動方針:とりあえず死にたくない。
1:今は進と共闘。こいつ気に入らない、つーかオッサンより女の子がいい。
2:あのナントカッチ神父誰かなんとかしろよ。
3:日之本進、クズすぎる……。
4:小糸ちゃんがかわいい。
【日之本進@連ちゃんパパ】
[状態]:疲労(中)、頭に打撲(小)
[装備]:エニグマで紙にした壁や弾幕
[道具]:基本支給品
[スタンド]:ハーヴェスト
[思考・状況]
基本行動方針:浩司のために生き残って優勝する。
1:眠い。
2:今はおそ松と共闘。気に入らないけど、家族絡みで思うところはある。
3:せっかく稼いだのに……。
[備考]
エニグマによって紙にしたものの使い方を理解しました。
【福丸小糸@アイドルマスター シャイニーカラーズ】
[状態]:健康、満腹
[装備]:なし
[道具]:基本支給品
[スタンド]:エアロスミス
[思考・状況]基本行動方針:生きて帰る。(noctchillのメンバー全員を含めて)
1:班長たちと行動を共にする。
2:noctchillの皆と合流したい。
3:班長さん……私、変わりますッ!
[備考]
大槻のスタンド講話からエアロスミスの戦闘方法について理解を深めました。
名簿を確認してnoctchill全員がいることを知りました。
大槻への信頼度がLevel upしたため、呼び名が「班長」に変わりました。
【大槻@1日外出録ハンチョウ】
[状態]:疲労(小)、満腹、酩酊
[装備]:なし
[道具]:基本支給品
[スタンド]:スタープラチナ
[思考・状況]基本行動方針:生きて帰る。
1:小糸と「noctchill」のメンバーを探す。
2:スタープラチナ……くッ…なぜ、ワシなんかに……ッ!!
[備考]
大槻自身の精神(ワシにスタープラチナは不相応)とスタープラチナの大槻への信頼度がないため、現在は本来の力を発揮できません。
名簿を確認して「カストロ」「ブラック・ジャック」など漫画好きにとって有名な漫画のキャラの名前を確認しました。
参加者のナイチンゲールが実在の人物かどうかは疑い中。
213
:
◆Il3y9e1bmo
:2020/11/11(水) 22:16:56 ID:QweFEYqk0
投下を終了します。
214
:
名無しさん
:2020/11/11(水) 22:26:49 ID:HDlO0IKQ0
投下乙です
クズ3人に囲まれた小糸ちゃんの明日はどっちだ
215
:
◆Il3y9e1bmo
:2020/11/13(金) 22:28:41 ID:ejleChZE0
猗窩座、黒死牟、鬼舞辻無惨、イヤミで予約します。
216
:
◆Il3y9e1bmo
:2020/11/13(金) 23:12:44 ID:ejleChZE0
投下します。
217
:
獄中鬼
◆Il3y9e1bmo
:2020/11/13(金) 23:13:25 ID:ejleChZE0
カメユーデパートから屈辱の敗走を果たした猗窩座が鬼舞辻無惨の命を受け、鉄塔までたどり着いたのは既に空が白み始めた早朝であった。
(……無惨様!)
息を切らせながら猗窩座は無惨を探す。
だが、己が主である無惨の姿は見当たらない。
指定された場所であるF5にも古びた鉄塔がぽつんと立っているだけである。
「そういえば仰っていたな……。『鉄塔の中に閉じ込められている』と」
猗窩座は鬼の視力で鉄塔を注視した。まだ辺りは暗かったが、問題なく見える。
よく見ると、鉄塔内部の地面に穴を掘ったような形跡があるのではないか。
「……申し」
猗窩座は恐る恐る鉄塔へと近づき、そっと呼びかけた。
これは賭けである。
もし、この穴の中にいるのが無惨ではなく別の自分に敵意を持つ何者かであった場合、自分の存在を知らせてしまったことになる。
また、穴の中に誰もいない、という可能性もある。その場合は特に身体には問題はないが、少々の気恥ずかしさを背負うこととなるだろう。
「その声は猗窩座か」
すると、穴がボコリと盛り上がり、その中から無惨が顔を覗かせたではないか。
「……っ! 無惨様!」
猗窩座は思わず無惨に駆け寄り、彼が穴から這い出すのを見守った。
なおこれは猗窩座の名誉のために断言するが、彼に無惨を見下したり、ましてや嘲笑する意図など全く無かった。
――というより、主である無惨がモグラのように穴から顔だけを出して現れるなど、これまでに見たこともなかったためとっさに身体が動かなかったのだ。
だが、これが無惨の無駄に数多く存在する逆鱗に触れた。
無惨は穴から出るなり猗窩座の頬を思いっきり張った。
猗窩座の頚椎がめきょりという音を鳴らしあらぬ方向へ曲がる。
「猗窩座、私が念話を飛ばしてからここに来るまでにやたらと時間を食ったな? 早く駆けつけろと言ったはずだぞ?
しかも主である私がここから出るのを助けずに阿呆のように見ているとは、何時からお前はそこまで偉くなったのだ?」
「も、申し訳ありません!」
猗窩座は即座に土下座をし、平身低頭、詫びに詫びた。
無惨は鬼の思考を読み取る能力を持っている。
こういう時は何も余計なことは考えず、ひたすら謝罪を繰り返したほうが良いというのを猗窩座は長年の経験から知っていた。
それから数十分間もネチネチとなじられ続けたが、猗窩座はあることに気づいて地面に擦り付けていた頭を上げた。
「無惨様、申し訳ありません。大変言いにくいのですがそろそろ太陽が……」
「ふん、お前が気づくことで私が気づかないことなどあると思うか? 太陽がもうすぐ上ることなど見れば分かる」
無惨はそう言いつつ、猗窩座を中に残したまま鉄塔から一歩踏み出した。
「ふむ、やはり出られるな……。猗窩座、お前はそこにいろ」
「……は?」
猗窩座は己の耳を疑った。
「聞こえなかったのか? このままその鉄塔の中にいろ、と言ったのだ」
「お、お待ち下さい! 私もお供させて下さい!」
猗窩座は思わず無惨に駆け寄ろうとした。――だが、鉄塔から出た指先がどんどん鉄くずのように変化していくではないか。
びっくりして指を鉄塔の内部に引っ込めると身体は一瞬で元に戻った。
「これは……」
「それは私に支給された『スーパーフライ』というスタンド――らしい。鉄塔内にいる一人を閉じ込めて絶対に外に逃さないという能力を持っている。
このままだと太陽が上りきってしまうからな。お前か黒死牟のどちらかに入ってもらうつもりだったが――」
「では、私にここに残れと」
「そうだ。何度も言わせるな」
「ですが――」
「お前は私が言うことを否定するのか? この穴に入っていれば太陽に焼かれて死にはしないだろう」
猗窩座は押し黙った。
確かに無惨のためであれば己の命をも差し出す覚悟はできていた。
だが、まさかこんな目に遭うとは思っていなかった。
鬼殺隊の柱と戦って死ぬわけでも何でもなく、ひたすら穴の中で待ち続ける。
それは武人である猗窩座にとって、耐え難いことであったのだ。
218
:
獄中鬼
◆Il3y9e1bmo
:2020/11/13(金) 23:14:50 ID:ejleChZE0
「私はこれからこの殺し合いを終わらせてくる。だが、その前に――お前のスタンドを出してみろ。
有用な能力であれば、お前の代わりに黒死牟を残すという選択肢も無くはない」
「わ、私のスタンドですか……。かしこまりました」
猗窩座は一縷の望みをかけて自身のスタンド『The Book』を呼び出した。
程なくして猗窩座の手に一冊の本が現れる。
「大変申し訳ありません、私は読み書きができぬため、どのような能力が備わっているのか――――」
「書物のスタンドか。構わん。見せてみろ」
無惨は猗窩座が鉄塔から万が一にも脱出できないように慎重に本を受け取り、無造作にページを開いた。
The Book、それは本の形をした物質型スタンドである。
猗窩座には読むことができないが、彼の経験した事象、感情、思考は全てこの本に記述されている。
そしてその能力は――――。
「ごはッ!」
ページを開き、内容を読み込んでいた無惨は、急にカッと目を見開くと吐血した。
よく見るとその頸には刀傷が走っていた。
「この傷は杏寿郎の……!」
猗窩座が思わず口走る。
そう、その能力とは、The Bookに書かれた内容を自分、もしくは相手に読ませることでその記述内容を追体験させることができる、というものである。
たとえば、テストで間違えたという記述を読めば悔しさを。
たとえば、美味しいランチを食べたという記述を読めばその味を。
たとえば、交通事故に遭ったという記述を読めば車にぶつかるほどの苦痛を。
そしてたとえば、頸を斬られかけたという記述を読めば――――。
「猗窩座。お前、私に何をしたのか分かっているのか?」
傷はすぐさま塞いだものの、無惨の怒りは治まらない。
だが、意外にも無惨はここで猗窩座をむやみに傷つけたり、ましてや殺してしまうわけにはいかないと考えた。
なぜなら、『中に誰もいない状況』になった場合、スーパーフライがどのような挙動を取るのか分からないためだ。
今は猗窩座が内部にいるとはいえ、一応元々の本体は無惨自身である。
もし何らかの理由で猗窩座が死亡した場合、また本体が自分に戻ってくるのではないか、と考えたのだ。
「とにかく、お前は置いていく。せいぜい陽光を浴びないように気をつけるんだな」
無惨は冷酷に言い放った。
――しかし、ここで思わぬ助け舟が猗窩座を救うこととなる。
「……お待ち……下さい……」
遅れて駆けつけた黒死牟である。
「黒死牟か。猗窩座よりも遅れてやって来て、どういうつもりだ?」
「……それに……ついては……申し開きのしようもなく……。……ただ……猗窩座を……その鉄塔から出す……方法がございます……」
「なんだと?」
無惨は眉を吊り上げた。
それが本当なのであれば、無駄に戦力を減らさず、また自身が動くことなく人間たちを狩れる、という考えているのだろう。
「……この者を……鉄塔に残せば……猗窩座は外に出られるでしょう……」
黒死牟は小脇に抱えていた出っ歯の男――イヤミを鉄塔内に投げ入れた。
「これは誰だ?」
無惨は鬼化の苦痛に身をよじるイヤミを見やる。
「……先程の……戦いの際……鬼にした……男です……。……何かの役に立つかと思い……連れてきましたが……」
「なるほど。黒死牟、でかした」
先んじて無惨を発見した際は八つ当たりで頬を張られ、自身のスタンドを見せた際は思いもよらぬ刀傷を与えてしまった猗窩座。
対して、遅れて現れたにも関わらず鉄塔から脱出する解決策を示し、有事の際の追加戦力まで用意していた黒死牟。
上弦の壱と参、その差は上司への実務対応においても歴然であった。
「おい、そこの。聞こえるか。絶対にこの鉄塔から出ることは許さん。さらに太陽の陽に当たって死ぬことも許さん。分かったら返事をしろ」
「し、シェー……」
イヤミは蚊の鳴くような声で答えた。
「もうすぐ日が昇る、か。とりあえず北東に森林地帯があったな。さしあたってはそこを目指す。行くぞ」
無惨は存在してはいけない生き物である。
傲慢で、臆病。
短慮で自己中心的。
軽挙妄動が過ぎ、癇癪持ち。
しかし、恐ろしく強い。
そんな存在が今、二匹のともがらと共に野に放たれた。
これから巻き起こるのは死の旋風かはたまた虚無の砂塵か。それは地獄に住む本当の鬼のみぞ知る。
219
:
獄中鬼
◆Il3y9e1bmo
:2020/11/13(金) 23:15:10 ID:ejleChZE0
【F-5/鉄塔/一日目・早朝】
【鬼舞辻無惨@鬼滅の刃】
[状態]:疲労(小)、怒り(中)、首に裂傷(小)
[装備]:なし
[道具]:なし
[スタンド]:スーパーフライ
[思考・状況]基本行動方針:皆殺し。
1:北東の森を目指す。
2:道中の人間は皆殺し。
[備考]
カストロとの接触から、スタンドの他に念を把握しました。
デイバッグは、狛枝凪斗に回収されました。
【猗窩座@鬼滅の刃】
[状態]:疲労(小)、頚椎損傷(中)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品
[スタンド]:The Book
[思考・状況]基本行動方針:プッチを殺す。
1:無惨と共に北東の森を目指す。
2:道中の人間は皆殺し。
3:げんげんとはもう会いたくない。
[備考]
自身のスタンド能力を大まかに把握しました。
【黒死牟@鬼滅の刃】
[状態]:疲労(中)、打撲(小)、裂傷(小)
[装備]:血鬼術で作った刀
[道具]:基本支給品
[スタンド]:ムーディー・ブルース
[思考・状況]基本行動方針:鬼以外は皆殺し。
1:無惨と共に北東の森を目指す。
2:道中の人間は皆殺し。
【イヤミ@おそ松さん】
[状態]:鬼化、苦痛(大)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品
[スタンド]:ミラグロマン
[思考・状況]基本行動方針:優勝して主役に返り咲くザンス!
1:死にたくないザンス!
2:鬼になるのは苦しいザンス!
3:鉄塔からは出れないザンス!
[備考]
黒死牟に無惨の血を貰い、鬼化しました。
どのような鬼になるのかは後続の書き手にお任せします。
鬼舞辻無惨の代わりに鉄塔の中に入りました。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板