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ストライクウィッチーズでレズ百合萌え 避難所6
1
:
管理人
◆JvGG5u6wMo
:2010/07/20(火) 23:34:34 ID:Oauox/Ng
ここはストライクウィッチーズ百合スレ避難所本スレです。
●前スレ
ストライクウィッチーズでレズ百合萌え 避難所5
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12483/1267950163/
●Janeで避難所を見る場合
・板一覧を右クリックして「新規カテゴリを追加」をクリック(板一覧が無い場合は「表示」→「板ツリー」→「板全体」で表示できる)
・カテゴリ名を入力してOKをクリックする(例:「したらば」)
・作成したカテゴリにカーソルを合わせて右クリックし、「ここに板を追加」をクリック
・板名を入力してOKをクリックする(例:「百合避難所」)
・URLに「
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/12483/
」を入力してOKをクリックする。
398
:
trick blade II 01/02
:2010/11/03(水) 22:41:19 ID:3eHAdMkY
「とりっく おあ とりーと!」
「そうそう、そんな感じですよ皆さん。そうやって聞いて回るんですよ」
基地の敷地内で子供達に教えて復唱させ、うんうんと頷くジェーン。
絵本に出てくるいかにもな魔女っぽい服を着てやる気十分だ。
この日504では、欧州やリベリオンで風習となっている行事を、住民との親善目的で(かたちだけでも)やろうと言う事になり、
当日、基地の片隅に近隣の子供達を招いていた。
子供担当は、お国柄ハロウィンに詳しいだろう……と言う事でドミニカとジェーンに任されていた。
熱心なジェーンに比べて、ドミニカは普段の格好のまま、ガムを噛んだりぷーと膨らませたりで、それだけでやる気の無さを体現している。
「お姉ちゃん、ガムふくらませるのうまい!」
「ちょっとしたコツが要るんだ。……ほれ、お菓子持ってきな」
話し掛けて来た子供にお菓子をぽいっと寄越すドミニカ。
「わーいありがとー」
えっと驚いたジェーンに、ドミニカは気怠そうに促した。
「さっさとお菓子やらないと」
「大将何言うですか! いきなりハロウィンの核心と言うかお楽しみに迫ってどうしますか!?」
「いいから。ほれ、持ってきな」
ジェーンが持っていた飴玉やらお菓子やらを、手近な子供達にほいほいと与え始めるドミニカ。
「あ、ちょっと大将……」
「わーいありがとーおねーちゃん」
「いい子にするんだぞー」
いつの間にか配給に並ぶ行列に様変わりし、お菓子が全員に配られる。
「あー、ハロウィンが終わる……」
ドミニカは、悲観に暮れるジェーンを気にする事なくお菓子をあっという間に配り終わった。
「さ、気を付けて帰れよー」
「はーい」
子供達は貰うものだけ貰ってさっさと帰ってしまった。これには、傍から様子を見ていた醇子も驚いた顔をする。
「ねえ。ハロウィンって、こんなあっさりした行事なの?」
「違うんです! 違うんです! もっとこう、雰囲気のあるものなんです!」
魔女衣装のジェーンが抗弁する。
「おかしをくれないといたずらするぞ〜、って、練り歩くんです! それで、家々を回ってですね……」
抗弁ついでのジェーンの説明を聞く醇子は、思わず呟いた。
「へえ、面白いわね。扶桑の『なまはげ』みたいなものかしら」
一瞬の間。
ドミニカとジェーンは顔を見合わせた。『ナマハゲ』なる物体については知る筈も無かったが、二人共直感的に
「多分違う」
と口を揃えた。
「まあ、お菓子配るだけってのも、なんかね。来年はもう少し面白くなるといいわね。じゃ、後宜しくね」
醇子はそれだけ言って、現場を後にした。
「ああ……竹井さんまで……。大将どーするんですか! 竹井さんにまで呆れられちゃったじゃないですか!」
「別になあ。無理にやっても」
「そんなあ……」
「じゃ、部屋戻るぞ」
後片付けをさっさと済ませ、部屋に戻るドミニカ。ジェーンは一人おいてけぼりにされ、ぼそぼそと残った飾り物を片付けた。
399
:
trick blade II 02/02
:2010/11/03(水) 22:42:15 ID:3eHAdMkY
一仕事終え、部屋に戻り、扉を閉めるジェーン。何故か虚しさが残る。魔女の帽子を脱ぐ。
「もっと、本当は楽しいんです、ハロウィン」
ぽつりと呟き、所在なさげに、ベッドに腰掛ける。どうしてこんな結果に、と後悔が残る。
「何で、大将はあんな……」
「うぼわぁ!」
「ぎゃーーーーーッ!!!!」
部屋の隅から突然現れ奇声を発した謎の物体を見、思わず悲鳴を上げるジェーン。
口を塞がれ、そのまま部屋のベッドに押し倒される。
「たったすけ……、あれ? この匂い。もしかして、たいし……」
「もうバレたか」
被っていたフードとマスクを外し、何処から持って来たのか、黒のマントをぽいと投げ捨てるドミニカ。
「私の体臭で気付くなんて、ジェーンもなかなか成長したな」
にやりとするドミニカ。
「それは……私達二人して同じ石けんとか使ってるから……って何言わせるんですか恥ずかしい!」
「まあ、それは良いとして」
「良くないです! てか何やってるですか! そう言う事は子供達相手にした方がいいです! 何で私おどかして! ……え?」
「……」
ぼそっと耳元で呟くドミニカ。聞き取れず首を傾げるジェーン。
「大将? 今なんて?」
今度ははっきりと、聞こえた。
「今からお前に、いたずらを、する」
「え、えええええ!? ちょ、ちょっと待って大将、心の準備というか普通お菓子とか色々聞いたりてかも何も、うっ……」
唇を塞がれる。
濃厚なキス。
絡み合う手。抗えない身体。しゅるりと脱がされる服。
「まさか、大将……」
「せっかくのハロウィンなんだ、私達が楽しまないでどうする」
「それで、子供達をさっさと帰して……」
「さあ、続きを」
ジェーンにそっと口付けしたところで、部屋の扉が勢い良く開いた。
「さっきの悲鳴、何……って、あんた達何やってんのよ」
部屋の扉を蹴破って入ってきたのはパティ。ジェーンの悲鳴を聞いて何事かと駆け付けたのだ。
だが、目の前で起きている事と言えば……、控えめに言って“おしどり夫婦”がベッドの上でいちゃついている、それだけ。
パティは眉間に皺を寄せた。改めて問い質す。
「で、これは何の騒ぎ?」
ドミニカはそんなパティに事もなく言った。
「ハロウィンだ」
「はあ? 何そのリベリアンジョーク。笑えな〜い」
しばし唖然としていたパティだが、ベッドの上でそのまま絡み合う二人に見つめられ……
「全く……」
とパティはぶつくさ言いながら部屋から出て、扉を閉めて行ってしまった。
「ちょ、ちょっと大将……」
「何か問題でも?」
「パティさん呆れてましたよ」
「別に、構わないさ」
「そんなあ……」
「さ、続きだ」
結局、その日二人は部屋から出てこなかった。
end
--
以上です。
ちょっと時期はずれましたけど、ハロウィンネタで!
ステキな妄想を提供して下さった某氏には多大なる感謝を!
そしてもろかぶりしてしまってホント申し訳無いです……。
ではまた〜。
400
:
名無しさん
:2010/11/04(木) 20:07:59 ID:gQ5G1C4I
ttp://loveeila.bob.buttobi.net/cgi-bin/file/file289.png
401
:
名無しさん
:2010/11/04(木) 21:49:19 ID:RoV37KoA
一つ質問なんですが、キャラが幼女化する話って
保管庫NO.837と892以外にありますか?
402
:
mxTTnzhm
◆di5X.rG9.c
:2010/11/05(金) 00:11:42 ID:Ta6H77g6
こんばんは、mxTTnzhmでございます。
今回はNo.0450「ring」シリーズ続編となりますのでよしなに。
ではどうぞ。
403
:
saunatonttu 01/04
:2010/11/05(金) 00:13:12 ID:Ta6H77g6
「へー、珍しいじゃないカ、大尉達がサウナに入るなんて」
申し出を受けたエイラは心底びっくりした顔をした。
「おかしいか?」
「いや、いつもは扶桑の風呂に皆してわいわい入ってるからサ〜」
「まあ、たまには異国文化を経験するのも……」
「ぶっちゃけ面白そうだからねー」
真面目そうな言い訳をするトゥルーデを遮り、にやけ顔のエーリカが言った。
「サウナはそんな面白いモンじゃないゾ。風呂よりも暑くて、入りすぎるとのぼせて死んじゃう事も有るンダゾ?」
「でもみんな気持ちよさそうに入ってるじゃん。エイラもサーにゃんも」
「それは、元々私達の国のものダシ、昔から慣れてるからナ」
「へえ、じゃあ教えてよ」
まずかけ湯で汚れを落とし、バスタオルで身体を包んだ四人は、サウナ部屋の前に立った。
トゥルーデとエーリカだけでは勝手が分からないのでエイラがお手本を見せると言う。
何故か三人に交じり、エイラにそっと寄り添うサーニャ。
エイラが先生ぶって説明する。
「入り方その一。サウナには妖精が住んでるんだゾ。だからこの妖精に悪い事をしちゃいけないンダ」
「妖精? 非科学的だな」
「ウィッチの私達が言う事じゃないよトゥルーデ」
「……まあ、それはそうかもな」
エイラが何か言う前に、あっさり問題解決してしまうカールスラントのコンビ。エーリカは続けてエイラに聞いた。
「で、決まり事とか有るの?」
「今からそれを言おうとしたんじゃないカ。サウナの妖精はトントと言って、一番最後にサウナを使うンダ。
だからサウナから出る時はきちんと綺麗にしておかないと駄目なんだゾ。そもそもサウナは神聖な場所で……」
「その妖精は見えるのか。どんな姿をしているんだ」
馬鹿真面目に質問したトゥルーデに、エイラは首を傾げた。
「私は小さい頃見た事有るけど、今は……。姿は、こう、水色の服を着て、帽子を被っテ……って説明するの面倒ダナ。
でもちゃんとスオムスから連れて来てるから安心してクレ」
「連れて来た? どうやって?」
「服のポケットに入れて」
「……タバコか何かかそれは」
「違ウ! サウナの妖精ダ!」
「まあ良いから入ろうよ」
待ちきれないエーリカはサーニャの肩をとんと押した。サーニャはごく自然にサウナの扉を開けた。
「こらーサーニャに触るナー!」
「まあいいじゃん。入ろうサーにゃん」
「え、うん……」
「おい二人共……」
「ちょ、ちょっと待てヨー」
のそのそと狭いサウナに入る四人。
404
:
saunatonttu 02/04
:2010/11/05(金) 00:13:40 ID:Ta6H77g6
スオムスのサウナは色々な特色がある。特定の地域でとれた特別な石を熱し、水を掛ける事で独特の蒸気の流れが発生し、
身体を芯から温めること。そしてサウナの部屋はただ「蒸し暑い」だけでなくきちんと換気を考えているので、
汗臭くなったり蒸れたりする事なく、蒸気の流れを楽しめること。
そして、ある程度汗をかいたら休憩して身体を洗いまたサウナで身体を温めること。
つらつらとサウナの蘊蓄を説明するエイラを前に、カールスラントのコンビは次第に口数が減っていった。
「あつー」
「なんの、これしき……」
エイラはお構いなしに、石に水をじゅわっと掛ける。熱風と化した蒸気が全員を包み込む。
「エイラ、いきなり暑くし過ぎちゃダメ。二人共初めてなんだから」
汗ばむサーニャがエイラをたしなめる。
「ちぇー、分かったヨ。じゃあ、もう一つの楽しみダナ」
エイラは葉っぱのついた白樺の枝を取り出した。
「これはヴィヒタって言って白樺の若枝を束ねたものダゾ。これで身体を軽く叩くと健康に良いんダ」
ふふんと笑うエイラ。
「何故だ、私には拷問に見えるが」
顔をしかめるトゥルーデ。
「ねえトゥルーデ、大丈夫?」
「問題無い」
エーリカの問い掛けに、ぼそっと呟くトゥルーデ。全身から汗が滝の様に落ちている。
「しかし、サーにゃんとエイラはよく平気だね。慣れてるから?」
エーリカの問いに、エイラとサーニャは揃って頷いた。
「私達はせいぜいシャワー程度だけどね。501来て初めて知ったよ。扶桑の風呂に、スオムスのサウナに……」
「扶桑の風呂はナー、少佐が妙に力入れるからナ」
「そうね。坂本少佐、凄いお風呂好き……」
「多分、次に別の基地に移ってモ、絶対に豪華な風呂作るゾあの人は」
エイラはそう言って苦笑した。美緒が無駄に張り切る様子を想像し、苦笑する一同。
「そうダ、サーニャ、今度ここでさ……」
サーニャの耳元で何か囁くエイラ。聞いたサーニャは大丈夫なの? と問いながらも笑顔を見せた。
「どうした二人共。何か有ったのか?」
「いやー、ちょっとね。思い付きダヨ」
「なるほど。しかし暑いな」
「サウナだから暑いに決まってるダロー?」
「ま、まあ……、そうだな」
「トゥルーデ、たまに面白い事言うよね。天然?」
「何でそうなる?」
カールスラントコンビのやり取りで、またサウナに笑顔が広がる。
そうこうしているうちに、数分が過ぎ……。
汗がぽたり、ぽたりと落ち、木の床に染み、うっすらと消えていく。
誰もが皆、等しく汗を流し、じんわりと熱気の中に身を置く。身体から流れる汗を実感しながら。
たまに、慣れた感じでエイラがサウナストーンに軽く水を掛ける。蒸発した水分が熱気となり四人を包む。
405
:
saunatonttu 03/04
:2010/11/05(金) 00:14:28 ID:Ta6H77g6
しばしの無言。
体内から水分がこれでもかと言う程に流れ出る。エイラとサーニャは慣れた様子ですましている。
一方のカールスラントコンビは、我慢比べをしているかの様に、じっと熱に耐え、水分を流している感じだ。
ちらりとエーリカの肌を見るトゥルーデ。
(流れる汗の量は同じ位か……)
変な所で分析してしまう。そして自分の身体を見る。だいぶ水分が失われている様だ。
気付くと、エーリカがトゥルーデを見て、ふふっと笑った。
汗まみれだが、その天真爛漫な笑顔を見て、何故か安堵する事に気付く。
はあ、とトゥルーデは息をついた。
「お、大尉もうギブアップか?」
「あのな、エイラ。サウナとは我慢比べの場なのか? リラックスする場じゃないのか」
「あー、まあ確かにスオムスとかサウナ自慢の国は、我慢大会やったりするけどナ」
「過激だね」
驚くエーリカ。
「踏ん張りすぎて倒れる人も居る位ダヨ。じゃあ今から何か賭けして……」
「エイラ。初めての人に我慢大会とか言っちゃダメ」
「ううっ……分かったよサーニャ」
サーニャに白樺の枝でぴしゃりと軽く肩を叩かれるエイラ。水気と汗が混じり、皮膚の触覚が刺激され、じんわりと赤くなる。
「ふむ。エイラとサーニャは、二人共、さすが肌の色が良いな。白くて美しい」
じっと観察していたトゥルーデは言った。
「な、何見てるんダ大尉」
「あの……」
「ちょっとトゥルーデ?」
恥じらうエイラとサーニャ、たしなめるエーリカ。
「いや、変な意味じゃないぞ? 何か誤解してないか?」
「大尉はナァ、たまにおかしくなるカラ」
「どう言う意味だそれは」
「まあ、とりあえず白樺の枝やってみようよトゥルーデ」
「え? ああ……」
「ほら二人モ」
「ちょっと貸して。トゥルーデ……」
エーリカはエイラから白樺の枝を借りると、ぴしゃぴしゃとトゥルーデの肩を叩いた後、こちょこちょと枝の先で脇をくすぐった。
「こ、こら……そう言う使い方じゃ……ははははは」
「トゥルーデ笑ってるー」
「くすぐられて笑わない奴がどこにいる」
「じゃあやってみてよ。力一杯は無しだからね」
「軽くだろ? そっとやるから……」
ぱしっ、ぱしっとはたかれるエーリカ。
「ちょっと痛いね」
「ああ、すまん。強過ぎたか」
「いやそんなもんダッテ。慣れると気持ち良いんダゾ」
エイラは呑気に言っている。
「しかし、この熱気は扶桑の風呂と全然違って、何と言うか……何て言えば良いんだ?」
「トゥルーデ、私に振らないでよ。……あれ、トゥルーデのぼせてる?」
「そんなんじゃ、ない」
言いながらも、くらっと来たトゥルーデは思わずエーリカの肌に手を置いた。
二人の皮膚の表面温度は高い。
「あつっ」
「熱い! トゥルーデ何するの」
「す、すまん。ちょっと……」
「バルクホルンさん、そろそろ出た方が良いかも……エイラ」
「分かっタ。そろそろ出るカ。妖精の為にも綺麗にして出るんダゾ?」
無言でふらふらと外に出るトゥルーデ、慌ててついて行くエーリカ。サーニャが出たのを確認した後、サウナの設備を点検確認し、
エイラはゆっくりサウナ部屋から出て、そっと扉を閉めた。
406
:
saunatonttu 04/04
:2010/11/05(金) 00:15:01 ID:Ta6H77g6
サウナのすぐ近くにある、川べりで涼む四人。
「サウナの後は水浴びに限るんダ」
「ああ、生き返った気持ちだ」
のぼせ気味だったトゥルーデはすっかり元気を取り戻し、くつろいでいる。
「ダロ? だからサウナは良いンダヨ」
「こうやって、スオムスやオラーシャの人々はくつろいでいると言う訳か。なるほどな」
「まあこう言うのは話で聞くより実際に体験した方が早いからナー」
「確かにな」
川の向こう側では、水に足をつけて何やら話し込むサーニャとエーリカの姿があった。
「なんか、ハルトマン中尉とサーニャって仲良いんだよナ」
頬杖をついて不満そうなエイラ。
「どうした、嫉妬かエイラ?」
「そんなんジャネーヨ……」
「まあ、隊の皆で仲良く出来るならそれで良いじゃないか、こう言う時位はな」
「大尉がそんな呑気な事言うなんて、明日はネウロイが降ってくるナ」
「な、何を言う!? 私だって気持ちの切り替えくらいはだな……」
「いつも訓練だの規律だの言ってるのに、似合わないゾ大尉」
ふふんと笑うエイラ。
「……あのな、エイラ」
ずいと近寄るトゥルーデ、思わず一歩退くエイラ。
「な、なんだヨ」
「いや。有り難う。礼を言う」
「へ?」
「良い経験になったよ」
トゥルーデの礼と感想を聞いたエイラは、ははっと笑った。
「いきなり真面目な顔するから何かと思えば……」
「礼節をわきまえてこそ軍人たるもの……」
「そうだ大尉。少し身体を冷やしたら、もう一度サウナに入るのも良いんダゾ? 何回かやると……」
「いや今回は遠慮しとく」
「ソッカ」
「それに、今はお前の言う妖精とやらが入っているんじゃないのか?」
「あ、あァ……」
何か言いかけたエイラ。その時二人に届いたのは、澄んだ歌声。
儚げで、でも抱きしめたくなる様な、かわいらしい不思議なメロディ。
「サーニャか?」
エーリカの横で、歌うオラーシャの可憐な少女。
「なる程な……」
トゥルーデは足元を流れる川の水に足をぴちょんと浸し、足先で涼しさを感じ、耳で可憐な歌声を感じる。
「彼女こそ、妖精みたいだな。いや、そのものか」
ぽつりと呟いた言葉にエイラが反応した。
「大尉らしくないゾ。いつから詩人になったンダ?」
「なっ……」
「ま……私モ」
エイラは照れ隠しに、腕を後ろ手に組んで、サーニャの歌声を聴いた。
「否定はしないゾ」
夕暮れ時、橙色に周囲が染まり、四人の姿を染めていく。
歌は暫く続き、のんびりとした時間が流れる。
耳を傾ける三人は自然と目を閉じ、聴覚に意識を集中させる。
「サーニャ……」
エイラがふと漏らした小さな声。愛する者への愛情か、慈しみか。サーニャはそんなエイラを見て微笑み、歌を続ける。
トゥルーデは片目を開け、ちらりとエーリカを見る。同じ仕草をしていた彼女は、手を振って、にかっと笑った。
何故か照れてしまい、視線を逸らす。でも手だけは微かに振っている。
二組の、交錯する気持ち。ゆったりと包み込む川の流れは穏やかで、絶える事は無かった。
end
--
以上です。
もしもエイラーニャとエーゲルが一緒にサウナに入ったら……
そんなシチュエーションを想像して書いてみました。
ではまた〜。
407
:
名無しさん
:2010/11/05(金) 14:51:42 ID:qg7jIkYQ
>>406
これは、いいっ!
なんともいえないほんわかな雰囲気……GJです!
408
:
名無しさん
:2010/11/05(金) 18:52:49 ID:7IBTFy0o
501神!
エーゲル神!
409
:
mxTTnzhm
◆di5X.rG9.c
:2010/11/07(日) 19:36:04 ID:Zawo5C3w
こんばんは、mxTTnzhmでございます。
今回は保管庫No.981「music hour」のシリーズです。
ではどうぞ。
410
:
one more set! 01/02
:2010/11/07(日) 19:36:51 ID:Zawo5C3w
ハ〜イ今夜も「STRIKE TALKING RADIO」始まりマシタ〜。
DJ兼MC、パーソナリティのエイラ・イルマタル・ユーティライネンでス。皆聴いてるカナ?
この番組ハ、サーニャのレーダー魔導針を通しテ、全世界の悩めるウィッチに秘密のラジオとしてお伝えしているンダナ。
さてちょっと残念なお知らせがあるんダナ。今夜は事情によりサーニャの夜間哨戒任務がキャンセルされたので……
今夜はここ、基地のサウナ部屋からこっそりお送りするんだナ! 拍手ゥ!
ぱちぱちぱちぱち〜
「エイラ、サウナの暑さと熱気で、機材とかマイクとか、そのうち壊れると思う」
分かってるっテ。だから今夜は早めに終わらせようと思ってるンダ。
「いや、このサウナは狭くて暑いな、イッル」
で、お聞きの通り、何故かニパも居るンダナ。紹介はもうやり飽きたので省略するゾ。拍手も要らないカラナ。
……で、久しぶりのスオムスはどうだったんダ、ニパ?
「な、何だよそのまなざしは! イッルやめてくれないか!」
何を慌てふためてるんだニパ? ウインド大尉となに……
「何も無い! 無いったら無いんだ!」
ホントカヨ? 怪しいナ。あれニパ、首筋のところ……
「ひッッッ!? こここれは単なる傷で、その……」
怪我ならすぐに治るだろニパ? さては……
「エイラ、始めないの?」
ああゴメンナサーニャ。ちょっと気になってサー。じゃあ今日のお便りは一枚デ。
「助かった、サーニャさん」
「いえ、別に……」
ラジオネーム「姉」さん。おッ、またこの人か。
『彼女の所持品の量が凄い事になってきた。私のジークフリート線を超える勢いだ。どうしてあんなにモノだらけで、しかも片付かないんだ?』
「ああ……」
アァー……。確かに難しい問題ダナー、これハ。
「何で? 片付けりゃいいじゃん」
ニパはこの対象の人の事知らないからそう言えるんダヨ。もはやゴミ溜めダゾ、あれ……。
「なにそれ。二人共知ってるの? 誰か名前教え……いたっ、いたっ! 痛い!」
今日はMG42とフリーガーハマーが無いから白樺の枝で我慢するんだニパ。
「ちょ、ちょっと、叩き方が痛い! 痛いってば! サーニャさん目が本気……いたっ!」
サーニャがニパを黙らせてる横で、ズバリ言わせて貰うゾ。
ムリダナ。
「おいイッル、そんななげやりな答えでいいのか?」
良いンダヨ、ニパ。人には得意なモノと不得手なモノがあるダロ?
「うん、まあ……」
その人は他の分野では素晴らしい技術を持ってるけど、まあ生活態度はだらしないからナー。
『姉』さんが引き続きしっかりフォローしてやってクレー。その方が案外円満に行くと思うゾ。
「確かにそれしか言えないよね、エイラ」
「二人共、やっぱりこの人知ってて言って……あははは、今度はくすぐりかっ、地味に痛いしあはははは、いたっ!」
411
:
one more set! 02/02
:2010/11/07(日) 19:37:27 ID:Zawo5C3w
さて、ニパを黙らせてる間に次のコーナー。第三回目ダゾ。「エイラのカップル占い」はい拍手ゥ〜。
ぱちぱちぱちぱち〜
ぱしっばしっばしっ「いたっ痛い!助けて!」
ちょっと叩きすぎな気もするけどニパなら大丈夫ダナ。ほっとけばすぐ回復するからナ。
カップルなら公認自認、自薦他薦を問わズ、私のタロットでズバリ占ってみせるゾ。
さて今回は「ロマーニャのクロヒョー」さんカラ、この人と「音速のリベリアン」さんのお二人について、リクエストを頂きましタ。
早速占ってみせるゾ。
……。
「どうなのエイラ?」
「どうなんだよイッル?」
……まあまあ普通、ダナ。
「普通かよ」
占いによるト、恋人よりも親子とか家族に近いって出てるナ。
「エイラ……」
まあ、二人の年齢がナア……幾ら年下の彼女って言ってもナー。
「だけどそれ言ったらイッルだってサーニャさんとはどうなのよって感じじゃないか?」
ううッ、ニパも痛い所を……
「痛いって、私は何故か痣だらけだけどな。なんでサウナで叩かれっぱなしなんだよ。見ろ、肌がみみず腫れだよ!」
「……ミミズク? 使い魔?」
「ち、違う! それ違うから! それ、ハンナの使い魔だし!」
ホウ。ニパはいつの間にウインド大尉をファーストネームで呼ぶ様に……いたたッ、何故叩く!?
「これ以上言ったらあqwせdrftgy」
ニパが暑さでおかしくなって来たゾ。
「エイラ、マイクもそろそろ限界」
分かった。最後に、「ロマーニャのクロヒョー」達二人のラッキーなキーワードは「昼寝」ダナ。
一緒にゆっくり寝てると良い事あるかも知れないゾ。
ともかく、こんな感じで占ってみるので、占って欲しい方々はどんどんドウゾ。
お待ちしてマ〜ス。
「「まだ続くの?」」
……な、何だヨ。二人して私をそんな目でミンナー!
さテ、ではそろそろお時間となりましタ、今夜はこの辺で。
最後に、「サーニャのうた」をワンフレーズだけ聴きながらお別れデス。
end
412
:
名無しさん
:2010/11/07(日) 19:40:40 ID:Zawo5C3w
以上です。
保管庫No.1436「saunatonttu」でエイラとサーニャがこっそり話していたのが
サウナの中でのラジオ(無謀だけど)、
そしてニパがうろたえるのは保管庫No.1432「old fashioned love song」の結果……
と言う事でよしなに。
ではまた〜。
413
:
名無しさん
:2010/11/09(火) 10:07:27 ID:TKgya7Uw
>>395
501はほのぼの家族って感じでいいですねえ。
しかし公式の映像記録集も良い感じでぶっ飛んでて
燃料になりますな、GJでした。
>>412
とかたくさん
サウナ話美味しく頂きましたGJ
多少かぶってもキニシナイ!
414
:
名無しさん
:2010/11/09(火) 19:56:05 ID:5Ud3fAAE
エイラスレ転
ttp://brunhild.sakura.ne.jp/up/src/up473133.jpg
415
:
5uxL6QIl
◆x.rTSKEoE2
:2010/11/11(木) 00:26:46 ID:3/FYsGhA
>>412
mxTTnzhm様
ラジオシリーズでは毎度ニパが酷い目に遭いますね。
サウナでラジオをやるという発想がとても面白かったです。
こんばんは、伯爵と先生の話が出来たので2レスほど投下していきます。
では、どうぞ
416
:
Embrace 1/2
:2010/11/11(木) 00:27:35 ID:3/FYsGhA
――11月11日、深夜
「ちょ、ちょっと! 下ろしてよ、ニセ伯爵!」
「う〜ん、それはできない相談だね」
足をバタつかせ、必死に抵抗しても私を抱き上げるその腕はびくともしない。
時刻は22時を少し過ぎた頃、私は今自分より一回りも大きいニセ伯爵に、抱えあげられている。
いわゆるお姫様抱っこ状態。
「ねぇ、ちょっと恥ずかしいんだけどっ……」
「恥ずかしがることなんてないよ。ボク達、恋人同士なんだから」
「い、いつから恋人同士になったのよ!」
「あれ? 違ったっけ」
伯爵が少年のような笑みを私に向けてくる。
う、ちょっと格好良いじゃない。
「さ、着いたよ」
お姫様抱っこされた私が連れてこられたのは、伯爵の部屋。
彼女は部屋の扉を開けるや否や、私をベッドに座らせ、私の唇に自分の唇を寄せてきた。
「んっ……は、伯爵……」
重なり合う唇と唇。
私の胸の鼓動が激しく脈を打つ。
なんであなた、こんなにキスが上手いのよ……
「んっ……はぁ」
数分後、私の唇はようやく伯爵から解放された。
「な、なんで……いきなり、こんな事っ」
私は胸をドキドキさせながら、伯爵の顔を覗く。
「君からこんな素敵なプレゼントを貰ったら、ボクだってその気になっちゃうよ」
頬を紅潮させた伯爵が微笑みながらそう言う。
彼女の右手の薬指には私が今日プレゼントした銀色の指輪が光っていた。
「エディータは、エッチなボクのこと嫌いかい?」
伯爵が――ヴァルディが、上目遣いで私に訊いてきた。
普段は見られない彼女の可愛らしい表情を見て、私の胸の鼓動は更に勢いを増す。
その表情、反則よ……
「……馬鹿、嫌いな相手に指輪なんてプレゼントするわけないでしょ」
「そう、良かった」
ヴァルディはほっとしたような表情を浮かべると、白魚のように綺麗な指で私の太ももをそっと撫でてくる。
「ひゃ……っ」
「綺麗だよ、エディータ」
「……その台詞、今まで何人の娘に言ってきたのかしら」
「君が初めてだよ」
ヴァルディがいつもの伯爵スマイルで悪戯っぽく笑う。
その笑顔を見てたら私も思わず吹き出してしまう。
「ふふっ、嘘ばっかり」
私は、さっきの仕返しとばかりにヴァルディの唇に口付けを落とす。
「んっ……エディータもエッチだね」
「……だって、ヴァルディが格好良かったから」
本当、いい加減でだらしがなくて、すぐ女の子を口説いたり、ハルトマンに変なこと教えたり、
おまけに出撃の度にストライカーユニットを壊すどうしようもないヤツなのに、
私のヴァルディへの想いは、日に日に強くなっていくばかりだった。
「本当、馬鹿みたい」
私はヴァルディの顔を見ながら、そっと呟く。
417
:
Embrace 2/2
:2010/11/11(木) 00:28:38 ID:3/FYsGhA
「ボクがかい?」
「ううん、あなたのことをどうしようもないくらい好きになっちゃった私が」
私は今日3度目となるキスをヴァルディと交わす。
「んっ……好きよ、ヴァルディ」
「本当にこんなボクでいいのかい?」
「……あなたじゃないと駄目」
「ありがとう。ボクも大好きだよ、エディータ」
ヴァルディはそう微笑むと、軍服のボタンを一つ一つ外し、服を脱いでいく。
「ちょ、ちょっと! 何で脱いでるの?」
「何でって、エディータを肌で感じていたいから」
服を全部脱ぎ終えたヴァルディが、今度は私のズボンに手をかけ、それを脱がし始めた。
「ば、馬鹿! なんでズボンから脱がすのよ!」
私は軍服の裾を引っ張って恥ずかしい部分を隠そうとするも、ヴァルディにあっさりと払いのけられてしまう。
「こっちのほうがいやらしい感じがするからね。いいね、その恥じらってる表情。可愛いよ」
ヴァルディはそう言うと、私のお尻をゆっくりと撫で始めた。
「ひゃぁんっ……へ、変態」
「その変態さんを好きになっちゃったのはどこの誰だったっけ?」
「そ、それは……ひゃっ」
「ははは、エディータは本当に可愛いな……上も脱がしていいかい?」
ヴァルディは、私の返答を待たずに軍服に手をかけ、それを器用に脱がしていく。
「愛してるよ、エディータ」
私はヴァルディにぎゅっと抱きしめられる。
お互い、何も身に付けてない状態で触れ合う素肌と素肌。
その感触が妙に気持ち良くて……
「……ヴァルディ、暖かい」
私はヴァルディに抱きしめられたまま、深い眠りに落ちていった……
「んっ……」
「やあ、おはようエディータ」
「お、おはよう……」
私が目を覚ますとすでにヴァルディは着替えを済ませていた。
いつもは私のほうが早起きなのに、珍しいこともあるものね。
「君の着替えはそこに畳んであるよ。早く着替えて定ちゃんの朝ごはん、食べにいこ」
「え、ええ……」
私は、ヴァルディが丁寧に畳んでくれた軍服に袖を通し、ズボンを穿いてる途中であることを思い出す。
「ねぇ、あなたに昨日プレゼントした指輪なんだけど」
「ああ、これ? 大丈夫、ちゃんとはめてるよ」
「実はそれ、ペアリングなの。その指輪、これからもずっとはめててほしいの……私もはめるから」
私はポケットの中からヴァルディとお揃いの指輪を取り出し、それを自分の薬指にはめる。
「ははは、これでボクたち、晴れて恋人同士だね」
ヴァルディが伯爵スマイルで悪戯っぽく笑いながら言う。
「……浮気しないでよね」
「しないよ。こんなに素敵な恋人がいるんだから。じゃ、食堂に行こっか」
「うん」
今日の朝食は何だろう――私はそんなことを考えながら、ヴァルディと一緒に部屋を後にした。
〜Fin〜
―――−
以上です。伯爵、誕生日おめでとう!
418
:
名無しさん
:2010/11/11(木) 16:30:39 ID:.uhWXdFs
うおおお伯爵×先生キターーー!!!
萌えすぎて禿げる。
伯爵誕生日おめでとー!
419
:
mxTTnzhm
◆di5X.rG9.c
:2010/11/11(木) 19:02:05 ID:HAXGMitU
>>417
5uxL6QIl ◆x.rTSKEoE2様
GJ!大人な関係の伯爵と先生が素敵です!
絶妙なバランスの描写、惚れ惚れします。
こんばんは、mxTTnzhmでございます。
今日は伯爵の誕生日祝いと聞いて(ry
ではどうぞ。
420
:
jelly roll 01/02
:2010/11/11(木) 19:02:45 ID:HAXGMitU
「ねえ、知ってる?」
いつもの戦闘後。
回収班のトラックに揺られながら、クルピンスキーは疲れ切った表情のニパと直枝に声を掛けた。
「知らないし聞きたくもない」
口を揃えるニパと直枝に、クルピンスキーはにじり寄って嬉しそうに言った。
「明日はボクの誕生日なんだよ。お祝い楽しみにして……って何でボクの顔を見てくれないのかな」
「はいはいおめでとおめでと」
「祝いついでに、下原に納豆作って貰うか」
「あのねえ君達……、ボクがこの地に生まれ出たこの偉大にして神聖なる日を、一体何だと思ってるんだい?」
「非番の日」
「そう言えばそうだ。非番だな」
ニパと直枝は顔を見合わせて言った。
「いや、だからボクを楽しませてくれないかな」
「伯爵は言う事がいちいちエロく聞こえるから困るんだよ……あ、もうすぐ基地だ」
三人の会話はそこで終わった。
夕食の席でも、クルピンスキーは自分の誕生日の事を周囲に言って回った。
「はあ。中尉の誕生日ですか。おめでとうございます」
「そう、世界で一番おめでたいんだよ。だからジョゼ、ボクと一緒に……」
「ごめんなさい」
「ははは、えらく素早いストレートだなあ。じゃあ定子ちゃん、ボクに何かお祝いくれるかい?」
「この前作った納豆がそろそろ食べ頃なので、如何でしょう?」
「うっ……扶桑の腐敗した豆はちょっとね。ナオちゃんにプレゼントするよ」
珍しくたじろぐクルピンスキー。
「クルピンスキー中尉」
「はい、なんでしょう熊さん?」
「ちゃんと名前と階級を付けて呼びなさい」
「ああすいませんサーシャ大尉。で、何か?」
「明日は飛行訓練が有りますから、決して無断外出などしない様に」
「あっれぇ? 前に、外出願いの届け、出したよね?」
「却下されました」
「そんなあ。酷いな、みんなして」
クルピンスキーはすました顔で食事を取るロスマンとラルの方を見た。
二人のノーリアクションぶりに、流石の伯爵もやれやれと愚痴をこぼしながら部屋に戻った。
翌日。
司令所がにわかに慌ただしくなった。
「飛行訓練中のクルピンスキー中尉が、失踪?」
「いや、訓練エリアの先で、小型ネウロイと遭遇したらしい。迎撃に向かった現地部隊と合流した可能性も有る。現在情報収集中だ」
ラルにロスマン、サーシャが情報確認に追われる。
「オレ達は出なくて良いのか?」
突然、ひょいと顔を出した直枝。サーシャはほんの少しの微笑を送ったあと、真面目な顔を作って言った。
「ひとまず、別命あるまで待機をお願いします。ニパさんとジョゼさんにも伝えて下さい」
「了解した」
直枝は駆け出した。
「管野も、何だかんだで仲間の事は気になる様だな」
「良い傾向です」
ラルの言葉に、ロスマンは頷いた。
その日の夜遅く、現地部隊からのトラックに揺られ、クルピンスキーは502基地に戻ってきた。
微妙な千鳥足で、トラックから降りるなりクルピンスキーは機関銃の如く喋った。
「いや〜聞いてよ。飛行訓練中に遠くでキラって何か光ったから、まさか『フー・ファイター』かな〜なんて思ったら
ロスマン先生じゃなくて実は現地部隊が交戦しててさ。今日の搭乗割り思い出したらオリガちゃんとナターリアちゃんだったから、
慌てて掩護に行ってね。残りの魔力ギリギリで何とかした後、流石に502(こっち)まで帰って来るのアブナイつうか面倒だったから
向こうの基地に降りたつもりが何かとびっきりの大歓迎受けちゃって。いやーウオツカって原液で一気飲みしちゃいけなかったんだねぇー」
「……」
頭を抱えるサーシャ、もはや何も言えないロスマン。
「良いからまずはシャワーを浴びてこい。詳細な報告はその後だ」
ラルは呆れる様に、クルピンスキーに命令した。
「中尉、息が酒臭いですよ……どうするんですか」
サーシャの問いに、ラルは平然と答えた。
「ま、後で話を聞くさ」
421
:
jelly roll 02/02
:2010/11/11(木) 19:03:09 ID:HAXGMitU
執務室に通される。シャワーを浴びて頭の中もさっぱりしたのか、すました顔で入室する。
部屋にはラルとロスマンが居た。ラルの机の前に立つクルピンスキー。ラルは彼女の顔を見ながら、言葉を掛けた。
「現地部隊からの報告は既に聞いている。救援に感謝する、との事だ。それについては、よくやってくれた」
ラルが机の上で手を組み、話をする。クルピンスキーは何故かリラックスした感じで話を聞き、答えた。
「当然の事をしたまで、ですよ」
「但し。その後の、向こうの基地での乱痴気騒ぎについては……」
「それはこのわたくしめから説明を……」
「要らん」
「あ、はい」
ラルの重い一言で言葉を失う伯爵。
「何度言ったかもう忘れたが……、現地部隊との過度な接触は控える様に」
「いや、ダイレクトに接触したのはそんなに無いけど?」
「このエセ伯爵! また現地の子達にちょっかい出して!」
ロスマンがクルピンスキーの横に立ち、怒る。
「ちょっかいじゃないよ先生。これはちょっとした冒険……じゃなく部隊交流だと思って欲しいね。
部隊同士の交流ってとっても大事な事だと思うよ、502代表のボクとしては」
「勝手に502の代表を名乗らないで頂戴! 話がややこしくなるでしょう!」
「いやーでも久々にどんちゃん騒ぎ……いや、有意義なる時を過ごせたよ。お互いの情報交換も大切ですよね、隊長?」
「……」
「貴方の情報交換って、口説く為の情報ばっかりでしょ!」
「ヤケにボクの事詳しいね、先生」
「あのねえ……」
「向こうも何か凄い乗り気でさ。今日はボクの誕生日だって話したら何だかえらい盛り上がってくれてね、これがまた……」
「分かった、もう良い」
ラルは苦笑して制止した。
「余り皆を困らせるな。分かったな、クルピンスキー」
ラルの言葉を聞いて、クルピンスキーは妙にかしこまり、
「了解です」
とだけ答えた。
「さて、……お説教はここまでだ。まあ座れ。色々と遅くなったが、これはエディータと私からだ」
ラルは後ろの棚に置かれていた皿を取り、椅子に腰掛けたクルピンスキーの前に差し出した。
小ぶりの、小さなロールケーキがふたつ。
スポンジ生地に生クリーム代わりのジャムが巻かれただけの、シンプルなお菓子。もうひとつは簡素なバタークリームが詰まっている。
ラルは片方のロールケーキを指して話した。
「こっちは、部隊の皆で作ったものだ。うちは物資が乏しいのでこれがせいぜいだ、我慢しろ」
「作って貰えるだけ感謝感激。……こっちは、502の皆が?」
「まあ、皆、表立っては余り言わないだろうがな……ともかく誕生日祝いだ。おめでとう」
ラルはそう言って微笑んだ。
「これはまた、どうも有り難う」
クルピンスキーも笑顔を見せる。そっとフォークを入れ、もくもくと食べてみる。
「これは舌で味わうものじゃないね」
クルピンスキーは言った。首を傾げるラルとロスマンに、クルピンスキーはとびきりの笑顔で言った。
「心で味わい、感謝するもの。違うかな」
ロスマンは苦笑した。
「全く、どこでそんな大仰な言葉を……」
「でも、もうちょっとリキュール利いてても良いかな、なんて」
「その一言が余計よ」
ロスマンは呆れた。しかし、照れ隠しである事はラルもロスマンも周知の事だった。
お喋りしながらケーキを食べる伯爵、お茶を淹れてああだこうだ受け答えするロスマン。
ラルはひとり、窓の外から空を見た。月の輪郭がぼんやりしている。ラルはぽつりと呟いた。
「明日は……雪でも降るか?」
もし吹雪いたら訓練や搭乗割りはどうするか、と言った事も頭を過ぎったが……、
目の前で控えめに、かつ楽しくお茶とお菓子を楽しむ同郷のウィッチを見ているうちに、自然と笑みがこぼれた。
end
422
:
名無しさん
:2010/11/11(木) 19:03:24 ID:HAXGMitU
以上です。
一応保管庫No.1307「elder sister」シリーズ関連と言う事で。
さて、なんだかんだで皆から愛されてるのが伯爵だと思います。
どこか憎めないところも、いい加減なところも、
そしてきっちり決めるところも、色々な意味でステキなキャラです。
伯爵誕生日おめ!
ではまた〜。
423
:
名無しさん
:2010/11/12(金) 06:35:53 ID:AQYTQuuo
遅れましたが伯爵お誕生日おめでとうございます!
伯爵×ロスマン先生もっと流行ればいいのにな〜
424
:
◆Del8eQRZLk
:2010/11/14(日) 12:41:53 ID:7jQJF0Ng
はじめまして、ストライクウィッチーズの百合SSを書いたので投下してみます。
テキストで80K程度と長いので、下記に上げておきました。パスは「sw」です。
よろしかったら読んでみてください。
http://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/173304
■じゃじゃ馬ならし
・管野×クルピンスキー(メインに+先生、サブに502JFWメンバーなど)
・502結成前、バルバロッサ作戦の妄想ねつ造SSです
・そのため、オリキャラやオリジナルウィッチなどもでます
・伯爵クオリティにより、途中若干寝取られ(?)的な要素があるかもしれません
(でも鬱ではない…と作者は思っています)
425
:
名無しさん
:2010/11/14(日) 22:21:24 ID:Vk6/OSfs
>>424
戦闘も心理描写もおもしろかった。
ひどいたらしな伯爵だけどにくめないw
ナオちゃんかわいいしGJでした
426
:
名無しさん
:2010/11/14(日) 23:27:36 ID:M3hq11lo
どうもご無沙汰しております、Hwd8/SPpです。
前々作「ヘルマの発情」前作「穴があったら入りたい」に続く作品となっています。
それを踏まえて読んで頂ければ…と思います。
【ヘルマの決断前夜】
コンコン...
「はい?」
ここはとある病院の、とある病室の前であります。
…申し遅れました、「夜の」ヘビー級マッチ連戦連敗のヘルマ・レンナルツであります!(ビシッ
ガラガラッ...
「失礼するでありま〜す」
「あ、ヘルマ!」
私の顔を見た瞬間に笑顔が溢れる、この目の前にいる人物。
この娘の名はクリスティアーネ・バルクホルン。
そう、あのバルクホルン大尉の妹さんなのです!!!!
当初、バルクホルン大尉に少しでも近づくために…と接触したのですが、お互い同世代の友人が少なかったせいかすぐに意気投合!今では「友達」になったであります!
「どうしたの?ボーっとして」
「…はっ!これ、お土産」
「わあ!何〜?開けて良い〜?」
イエスを言う前に開けるクリス…
そう、この娘は大尉と違って「おてんば」なのであります。
「わあ!ヨックモックだぁ!」
「甘いものは大丈夫…でありますか?」
「うん!むしろ好き〜!!」
「良かったでありますぅ〜」
あげたお菓子を頬張りながら談話する私とクリス。
すると、こんな話題に。
427
:
名無しさん
:2010/11/14(日) 23:28:10 ID:M3hq11lo
>>426
の続き
「あ、そうだ!ヘルマ、『ハンナ・ユスティーナ・マルセイユ』って知ってる?」
「あぁ…えと、アフリカで活躍してる人でありますか?」
「そう!あのさ………ヘルマの力添えで、会えない…かな?」
「…無理ですね」
「えぇ〜!」
「そもそも、私はまだそんなコネが使える身分じゃありませんっ!」
「そこをなんとか!!ゴリ押しでっ!!!」
「無理ダn…無理でありますっ」
「ヘルマのケチ〜」
少々、不貞腐れながらクリスはお菓子を頬張ったであります。
…と言うか、何袋目でありますか?!さっきまであんなに箱いっぱいお菓子があったのに…
「そもそもですね…私、そのマルセイユ大尉自体あまり…その」
「バカ!カールスラントを代表する人物だよ?!」
「いやあ、いくら同じ軍所属と言ってもまだそんな面識が………今、バカって言ったでありますか?!」
「『アフリカの星』って言われてるのにそんな事も知らないの?!」
「今私のことをバカって…っ」
「まあ実物を見た方が早いか」
「実物?そんな事より、さっき私を…」
「ジャジャーン!」
「うわあ!?」
クリスはいつの間にかベッドの下からどデカいアルバムを出したであります…
「これは…何でありますか?」
「へへ…クリス特製、マルセイユさんの写真を集めたやつ」
「うわあ…宝塚の追っかけでもあるまいし…」
「まあ良いから見てってば!」
【数分後】
なっ…なんてことでありますかっ!!!
ヘルマ・レンナルツ曹長13歳、今まで…この目は何を見て生きてきたのでありますかぁぁぁっ!!!!
「カッ…カッコ良い…」
「でしょ〜っ?!」
「この獲物を狙う鷹のような鋭い眼光、そしてナイスバティ!!ウィッチの憧れでありますね!!」
「良かった〜、わかってくれる人がいて〜」
「こんなカッコ良いお方が先輩だとは…!?」
「…あれ、ヘルマってお姉ちゃん好きなんじゃなかったっけ?」
「うはあっ!!??」
そっ…そうでありますっ!!!!
あくまでは私はゲルトルート・バルクホルン大尉が憧れのウィッチであってで………
でもハンナ・ユスティーナ・マルセイユ大尉も…っ!!
「バッ、バルクホルン大尉はバルクホルン大尉。マルセイユ大尉はマルセイユ大尉であります」
「へぇ〜」
「…何でありますか?!その疑う目は!」
「私もさ…退院出来たら、アフリカに行こうかなって」
「クリス…」
「ほら、退院したら今まで出来なかった事をたっくさんしたいんだ。第一弾として、アフリカへ行って憧れのマルセイユさんに会ってみたい!」
「………そんな事より、さっき私の事をバカって言ったでありますよね?」
***
428
:
名無しさん
:2010/11/14(日) 23:28:48 ID:M3hq11lo
>>427
の続き
「シュナウファー大尉!」
「ちょっ、どうしたのヘルマ?こんな時間に」
「…その前に、何してるのでありますか?」
「美容パック」
シュナウファー大尉の部屋のドアを開けたら、いきなり真っ白な顔の大尉の顔が出てきてビックリしたであります;;
「ヘルマもやる?」
「へ?」
「朝起きたら肌がツルッツルになるわよ?」
「じゃあ是非!」
大尉にパックを貼ってもらって………あれ、部屋に居る2人がパックをするって何かシュールな光景であります…。
「スケキヨさんみたいでありますね;;」
「で、どうしたの?」
「あ…そうであります!!シュナウファー大尉、アフリカの人脈にコネありません?!」
「コネ?」
「はい!マルセイユ大尉に会いたいのであります!!」
「…残念ながら、私はこの部隊にすら知り合いが少ないのよ?」
「そっ、そんなあ〜………無いんですか?同階級会とか?」
「ないわね」
「はああ…」
「どうして?」
「いやあ…その…ずっと入院してた友人が会いまして、ぜひとも会わせてやりたいんです」
「ふうん」
「なんか最近…軍に入ってから私は何をしたいんだろうって思ったんです。実験部隊に居るんで、あまり現場へ行かないでありますよね?なんか…誰のためにここに居るんだろうって。でも彼女と出会ってわかったんです!私はどんなに小さな事でも人々の笑顔を見るためにここに居るんだなって」
「………」
あれ…?
シュナウファー大尉…?
なんか俯いて、肩を震わせてるであります…
429
:
名無しさん
:2010/11/14(日) 23:30:36 ID:M3hq11lo
>>428
の続き
「シュナウファー大尉ぃ…??」
「…ヘルマ、ティッシュ取って」
「あ…はい」
「…っ!何、そのノンフィクション物が好きな人にとって…なんてまあ、どストライクなエピソードは!!」
「いや、だってこの話はノンフィクションであります…」
「コネはないけど…まあないっちゃあ…嘘になるわね」
「あるんでありますか?!」
「ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐に、」
「あぁぁぁぁぁぁぁ…っ!!!!」
「どうしたの?耳を塞いじゃって?」
「わっ、私の前でそのお方の名前は…っ!!」
「ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐」
「あぁぁぁぁぁぁぁ…っ!!!!」
「ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐」
「私で遊ばないでくれますか?」
「あ、流石に3回目はないのね;;話によると、この間501にマルセイユ大尉が来たらしいんだけど」
「へっ?!」
あれっ…?おかしいであります…!
手と足の震えが…止まらないでありますっ!!!!
衛生兵を呼ぶであります!衛生兵を呼ぶであります!
そして、脳内には大音量で戦闘機の飛ぶ音と爆撃の音…そしてワーグナーの「ワルキューレの騎行」が流れるであります!!
「ヴィルケ中佐を介しての派遣だったそうなんだけど…どうしたの?ヘルマ?スゴい汗…」
「ごめんなさい、501だけは…501だけには…っ」
「あら、憧れのバルクホルン大尉がいるじゃない」
「でっ…でも…っ!!」
「ねえ…もしかして…あなたヴィルケ中佐と…?」
あれ…なんか頭の中に、こんな光景が…;;
***
少尉「そっちにどのくらい、弾がある!?」
衛兵「かなりあります!」
ダダダダ!!
ヒューン!!ヒューーーン!!
衛兵「しょっ…少尉ぃぃぃぃぃぃっ!!!!」
***
「ぐわっ!!??」
「どうしたの…?もしかして…図星ね」
***
ズドドドドドーーーン!!!!
ダダダッ!!ダダダダッ!!!!
衛兵「隊長が撃たれましたぁっ!!」
***
「ぐはっ!?」
「ねえ、何があったの?」
「…しょっ、しょうがないじゃありませんか!!あれは…あれは職権乱用であります!!パワハラであります!!」
「って事は、中佐があなたに強要してきた…って事?」
「まあ始めはその…私が…ですけど」
「えっ?!」
「だっ…だってお酒を飲んでて…であります」
「じゃあきっぱりと断れば良いじゃない!!」
「だっ…だってぇ、中佐のあの右手が…こうグイッと私の……」
「呆れた…」
「この前なんてベッドの上で仁王立ちしなさいって言われてですねえ…そして1分間立ったままだったらご褒美あげるって言われて…あへへへへ」
「…なんだ、結局中佐の虜になってるじゃない!」
「…はっ!!とっ、とにかく501には」
「ヘルマ、あなたそろそろ覚悟した方が良いわ。中佐が好きなの?あなたは」
「…中佐が…好き…?」
「好きじゃない人と普通は!そんな事しないわ、普通は。本当に嫌だったら力づくでも嫌がるわよ?」
「まっ…まさか…」
「そろそろ決断の時が来たようだわね」
私に限ってそんな事…!?
でも………本当に嫌なら断ってるであります、むしろ軍法会議にかけるであります。
何故報告しないのか?…出世が出来なくなるから?憧れのバルクホルン大尉に会えにくい空気になってしまうから?
それとも………?
ヘルマ・レンナルツ曹長13歳、ただいま重大な決断を迫られているであります…。
【つづく…?】
長文失礼しました。
レンすけ…良いキャラしてると思うんですよね(^◇^)
シリーズ化したいと思うんですが、何かシリーズ化にあたっての良いシリーズ名とかってありませんかね?!
430
:
5uxL6QIl
◆x.rTSKEoE2
:2010/11/16(火) 00:21:01 ID:6gtlmdlE
>>419
mxTTnzhm ◆di5X.rG9.c様
GJです。普段はいい加減なのに、決めるところはきっちり決める。
そんなところが伯爵がみんなに愛されている所以なんでしょうね、きっと。
ラル隊長とロスマン先生が良い味出してて良かったです。
>>424
◆Del8eQRZLk様
大作GJです。戦闘シーンが丁寧に描写されていて素晴らしいです。
ナオちゃんも可愛い。
>>426
Hwd8/SPp様
GJです。顔パックをしてるヘルマとマリーを想像したらシュールすぎて噴き出してしまいました。
シリーズ名はそのまんま「ヘルマの発情」シリーズってのはダメでしょうか?
こんばんは、5uxL6QIl ◆x.rTSKEoE2です。
ジョゼの誕生日記念に1本書いてみました。
ラルジョゼおよび502のオールキャラ物です。
フミカネさんTwitterのイラストネタもちょこっと入ってます。ではどうぞ
431
:
誕生会の後に 1/2
:2010/11/16(火) 00:21:48 ID:6gtlmdlE
「ジョゼさん、誕生日」
『おめでとう!』
下原さんの合図でクラッカーが一斉に鳴り響き、目の前には笑顔で祝福してくれるみんなの姿。
そしてテーブルには美味しそうな料理の数々。
――私、ジョーゼット・ルマールは今日で18歳になりました。
『誕生会の後に』
≪午後21時50分、食堂≫
「た、隊長〜、離してください〜」
「まぁいいじゃないか。もう少しだけ……」
楽しかった誕生会もお開きとなり、隊のみんなが就寝前の自由時間を楽しんでいる頃、
私は食堂から一歩も動けない状態でした。
なぜかというと、酔っ払ったラル隊長が私のことを思いっきり抱きしめているから……
「あ、あの隊長……」
「う〜ん、むにゃむにゃ……」
あ、あれ? もしかして寝ちゃってますか?
この体制で寝られると私、すごく困るんですけど……
「おやおや、隊長も大胆だね」
「感心してないで、早くジョゼを助けるわよ」
「は〜い」
数分後、食堂に戻ってきたクルピンスキー中尉とロスマン先生によって、私はラル隊長から解放されました。
「あ、ありがとうございます……」
「本当に離しちゃって良かったのかい? ジョゼちゃんもまんざらでもなさそうな顔してたからボクはてっきり……痛っ、
冗談だよ先生」
「伯爵ったら、まったくもう……隊長、起きてください」
ロスマン先生がゆすっても、ラル隊長は全く起きる気配はありませんでした。
「ん〜、むにゃむにゃ……」
「起きる気配なしね」
「しょうがないね。部屋まで運んであげようよ」
クルピンスキー中尉はそう言うと、ラル隊長をお姫様抱っこで抱えあげました。
「ははは、我らが頼りになる部隊長さんもお酒が入ると一人の少女だね」
隊長の頬を突きながら、そう微笑むクルピンスキー中尉。
「ふふっ、本当ね。じゃあジョゼ、おやすみなさい」
「あっ、はい! あ、あのクルピンスキー中尉にロスマン先生、今日は本当にありがとうございました。
私、みなさんにこうやって誕生日を祝ってもらってとても嬉しかったです」
「ふふっ、どういたしまして」
「礼には及ばないよ。あ、そうだ。なんなら、今度ボクの部屋に来てよ。君をもっと喜ばせてあげられると思うけど……
痛い! だから冗談だって、先生。じゃあね、ジョゼちゃん。おやすみ」
「おやすみなさい」
カールスラントのみなさんがいなくなると、食堂は急に静かになりました。
ついさっきまで、私のことを抱きしめてた隊長がいなくなると、なんだか少し寂しい気もします。
クルピンスキー中尉の言うようにまんざらでもなかったのかな、私。
≪午後22時30分、談話室≫
「……それで、さっきまで隊長に抱きしめられてたんです」
「ええ!? そんなことがあったんですか」
隊長たちと別れた後、私は談話室で下原さんと談笑していました。
就寝前にこうやって下原さんと話すことが最近の私の日課だったりします。
「でも隊長の気持ち、分からなくもないかも」
「え? どうしてですか?」
「だって、ジョゼさんを抱きしめてると暖かくて気持ちいいから」
下原さんはそう言うと、私のことをぎゅっと抱きしめてきました。
「し、下原さん!? はうっ」
「ふふっ、ジョゼさん可愛い」
うわ、今私すごいドキドキしてる……下原さん、すごく良い匂い。
数分後、談話室にナオちゃんがやってきました。
「お〜い定子、なんかお菓子ないか……って、何やってんだよ!」
「あっ、ナオちゃん」
「『あっ』じゃない! ジョゼから離れろよ」
「あれ? ナオちゃん、もしかして嫉妬してくれてるんですか?」
「そうじゃねーよ! ジョゼだって嫌がってるだろ?」
「い、いえ。私は別に……」
「そうだ、ナオちゃんも来てくださいよ。3人で抱き合えばもっと暖かくなると思うから」
「え? い、いきなり何言ってんだよ……」
顔を赤らめながら動揺するナオちゃん。
彼女のその表情があまりにも可愛らしかったので気が付くと私と下原さんは、
「「ナオちゃん、えいっ!」」
「うわっ!」
ナオちゃんのことを思いっきり抱きしめていました。
「うっ、く、苦しい……」
「ナオちゃん、下原さん。今日は本当にありがとうございました。誕生会、とても楽しかったです」
「喜んでもらえてなによりです」
「礼なんかいらねーよ。オレ達仲間なんだから……それより、離してくれないか?」
「ふふっ、いいじゃないですか。もうちょっとだけ」
「……ちょっとだけだぞ」
――それから、しばらくの間私たちは3人で抱き合っていました。
432
:
誕生会の後に 2/2
:2010/11/16(火) 00:22:40 ID:6gtlmdlE
≪午後23時 ニパの部屋前≫
「いけない、もうこんな時間。そろそろ寝ないと」
下原さん達と別れ、自分の部屋に戻ろうとした時、ニパさんの部屋から聞き覚えのある声が聞こえてきました。
「ニ、ニパさん……本当に脱がないと駄目?」
あれ? この声ってサーシャ大尉? なんでニパさんの部屋から……
「脱がないと見えないだろ。ほら、脱がすよ」
「う、うん……」
今度は部屋の主であるニパさんの声。
え、えっと脱がすって、まさかニパさん……!
「え、えっちなことはいけないと思います!」
私は意を決してニパさんの部屋の扉を開けました。
するとそこには……
「ジョゼさん……」
「ジョ、ジョゼ!?」
部屋のベッドで仰向けになっている下着姿のサーシャ大尉と、彼女の上に跨っているニパさんの姿がありました。
しかもニパさんは、サーシャ大尉のズボンに手をかけていました。
「ニ、ニパさん……まさか」
「え、えっとジョゼ……これにはわけがあって」
咄嗟に自分のセーターでサーシャ大尉の大事な部分を隠しながら、慌てふためくニパさん。
「わけ?」
「だ、だから……さっきまでサーシャ大尉とサウナにいたんだけど、大尉がお尻が痒いって言うから私が見てみたら、
大尉のお尻に虫さされの跡があって、それで私の部屋に痒み止めがあるのを思い出して、大尉に痒み止めを塗ってあげようと
思って、そしたらそこにジョゼがやってきて、それで、それで……」
「……ニパさん、そんなに慌ててたら本当のことなのに嘘っぽく聞こえますよ」
「虫さされ?」
「は、はい……いつの間にか刺されたみたいで」
サーシャ大尉がそう言って、うつ伏せになると彼女の白いお尻に真っ赤な虫さされの跡がありました。
……どうやら私の早とちりだったみたい。
うぅ、すごく恥ずかしい。
「す、すみませんでした! 私、とんでもない勘違いを……」
「いや、分かってくれればいいんだ。それより、ジョゼの治癒魔法で大尉の虫さされ、治せないか?」
「あっ、はい! まかせてください」
私はペルシャ猫の耳を生やし、治癒魔法を発動させました。
すると、サーシャ大尉の虫さされの跡は見る見るうちに消えていきました。
「ありがとう、ジョゼさん。もう痒くないです」
「どういたしまして。それじゃ、私もう行きますね。これ以上2人の邪魔をするのも悪いですし」
「ええ!? じゃ、邪魔だなんてそんな……」
「そ、そうですよジョゼさん」
顔を赤らめながらさっきより一層慌てふためくニパさんとサーシャ大尉。
ふふっ、2人とも本当に可愛いな。
「それじゃ、おやすみなさい。今日は本当にありがとうございました。誕生会、とても楽しかったです」
私はそう言って、ニパさんの部屋を後にしました。
「あっ、ジョゼ。丁度いいところに」
「ロスマン先生にクルピンスキー中尉。どうしたんですか?」
「実は、ついさっき隊長が目覚めてね。君に会いたがっているんだ」
「え? 私にですか? 分かりました、隊長室に行ってみますね」
「隊長に食べられないよう気をつけてね〜……痛っ! だから冗談だよ、エディータ」
「……もう、ヴァルディの馬鹿」
≪午後23時15分 隊長室≫
「隊長。私です、ジョーゼットです」
そう言って部屋のドアを叩くと、隊長はすぐに私を招き入れてくれました。
「やあジョゼ。待ってたよ」
隊長はそう言うや否や、いきなり私のことを抱きしめてきました。
「た、隊長……ひゃっ」
今、私の胸の鼓動は、さっき酔っ払った隊長や、下原さんに抱きしめられたときよりも一層激しく鳴っています。
私ったら、なんでこんなにドキドキしてるんだろ。
「おっ、いい感じに暖まってるね。治癒魔法を使ったのかい?」
「は、はい……さっきサーシャ大尉に。あの、隊長」
「何だい?」
「今日は本当にありがとうございました。例年以上に賑やかな誕生会でとても楽しかったです。私、502のみんなが大好きです」
「どういたしまして。みんなもジョゼのこと大好きだよ。もちろん私も」
隊長はそう微笑むと、一層強く私のことを抱きしめてくれました。
格好良すぎますよ、隊長。
「隊長、もうちょっと私をこうやって抱きしめててくれませんか? 隊長の腕の中、すごく気持ちいいから」
「もちろん。ジョゼが望むならいくらでも抱きしめてあげるよ」
「ありがとうございます。大好きです、隊長」
――私、ジョーゼット・ルマールにとって、今日は最高の誕生日になりました。
〜Fin〜
−−−−−
以上です。ジョゼ、誕生日おめでとう!
433
:
名無しさん
:2010/11/16(火) 20:15:41 ID:b8ZOwhW2
>>432
これはGJ! 素晴らしい502をありがとうございます。
しっかりフミカネ先生のアレ熊さん絵をフォローしている辺り完璧ですね!
434
:
名無しさん
:2010/11/17(水) 04:52:08 ID:mydKbLfM
>>432
まさにジョゼ暖房!
ニヤニヤが止まりません。酔ってても酔ってなくても(?)積極的な隊長もいいですね。
GJ!
435
:
名無しさん
:2010/11/17(水) 12:53:31 ID:24o7savs
>>432
GJ!ジョゼ誕おめでと!
隊長かっけーw伯爵と先生のやりとりも大変おいしいです(^^)www
436
:
mxTTnzhm
◆di5X.rG9.c
:2010/11/18(木) 21:38:24 ID:szvgKsXM
職人様の皆様GJです!
やっぱりSSたくさんで賑わうと活気付きますね!
こんばんは、mxTTnzhmでございます。
今更ながら、保管庫の「シチュ題四十八手」の第23手を考えました。
色々混ざり過ぎ&適当ですいませんがどうぞ。
437
:
第23手 キス・頬に 01/02
:2010/11/18(木) 21:38:50 ID:szvgKsXM
「一番強いのを頼む」
開口一番、ドミニカは醇子に告げた。
先日の戦闘で破損したドミニカのストライカーユニット。代替品の希望を聞かれ、ドミニカが出した結論は至極単純だった。
「そ、そう言われてもねぇ……一応リベリオンの軍連絡所に問い合わせてみるわ」
醇子は少々困った顔をすると手短にメモを取り、食堂から出て行った。
「しっかしドミニカはいつもその辺テキトーよね〜。羨ましいわその性格」
フェルの冷やかしにもドミニカは何処吹く風と言った感じでガムをぷう、と膨らませ、さらっと答える。
「ロマーニャ人程じゃないさ」
「ありゃま、ドミニカって面白い事言うわね〜」
「大将、フェルさんに何て事言うですか!」
「だって事実だし」
「事実……まあ、確かに否定は出来ませんね」
ルチアナがフェルの横で残念そうな顔を作る。
「何だよそれ〜」
マルチナが少しむくれたのを見て、ジェーンは更に慌てた。
「ちょっと大将、同じ部隊なんですし、もっとこう仲良くですね……」
「仲良く、か。……ガムでもどうよ?」
ドミニカがガムを数枚勧める。
「気持ちだけ受け取っとくわ。とりあえず私達用事有るから、またね」
フェルは髪をふぁさっとかき上げると、ドミニカ達に軽く手を振り、すたすたと食堂から出て行く。
「え、用事って?」
「待ってよルチアナ〜」
どたばたと赤ズボンのロマーニャ娘三人が去り、食堂に静けさが戻る。
アンジーもパティも既に食事を終え、任務や用事で既に食堂を離れている。
残っているのは、気怠そうに椅子に座ってガムを噛むドミニカ、そして横に居るジェーンだけ。
「大将、何から言って良いのかわからないですけど」
「なら何も言うな」
「ちょっと大将!」
ジェーンは机をばーんと叩いた。味のしなくなって久しいガムを口から出し平然と紙に包むドミニカ。
「まず、竹井さんに希望はちゃんと伝えるべきですよ! 前と同じP-51Dとか、他にもストライカーユニットは色々有るじゃないですか」
ジェーンの忠告……というよりお説教をぼやーっと聞き流すドミニカは、食堂の隅に置かれたごみ箱に向けてぽいっとガムの包みを飛ばした。
見事な孤を描いて、ごみ箱にガムの包みが投げ入れられた。ドミニカはそれを見てふむ、と頷いたあとジェーンに向き直った。
「良いんじゃないか? 竹井もよくやってくれているし。良いのをくれるさ。性能が良くて飛べばそれでいい」
「そう言う単純な問題じゃないです! 何でもかんでも竹井さんに任せっきりは良くないです!」
「じゃあジェーン、頼んだ」
「ええー!?」
「何だ、嫌なのか」
「だって……色々と手続きが。それに」
「それに、何?」
一瞬言葉を躊躇い、黙り込んだジェーンの顔をじっと見るドミニカ。
やがてジェーンは堪えきれなくなったのか、口を開いた。
「た、大将と一緒に居る時間が減るじゃないですかって言わせないでくださいよはずかしい!」
顔を真っ赤にして腕をぶんぶんと振って怒るジェーン。そんな彼女を見てドミニカは、ほほう、と口の端を歪めた。
「まあ、ジェーンの頼みは断れないな。お前は私のだからな」
「えっ?」
動きが止まるジェーン。
「竹井の所に行くか」
「なんで竹井さんの所に?」
「私なりの役目を果たそうと……」
438
:
第23手 キス・頬に 02/02
:2010/11/18(木) 21:39:16 ID:szvgKsXM
「あら、二人共、呼んだかしら?」
偶然か必然か、醇子が二人の近くに来ていた。いつからここに? と言う顔をした二人に、醇子は微笑んだ。
「ちょうど通り掛かったら私の名前が聞こえたから。で、用事って?」
ドミニカは人差し指で宙に何かを描く様なジェスチャー付きで醇子に説明する。
「いや。私のストライカーの話だ。供給の問題も有るだろうから、性能と信頼性が同じ品質なら、前のと同じで構わない」
「なる程、合理的な判断ね、ドミニカさん」
「さん付けはやめてくれって」
ドミニカの言葉を聞いて、ふふっと笑う醇子。
「良いんですか大将? 他にもストライカーは……」
「今言った通りだ」
「分かったわドミニカ。後で連絡してみる。多分数日中に届くと思うから」
それじゃ、と言うと醇子は改めて退室した。
「何か呆気なく用事が済んだな」
ドミニカはやる事が無くなったといわんばかりの表情。一方のジェーンは呆れ顔だ。
「結局竹井さんに任せてるじゃないですか……」
「それぞれの役割をこなせばそれで良い。竹井は面倒な事務手続きをやってくれる。そして私は面倒な敵を倒す。お前と一緒に。それで良いじゃないか」
「ま、まあ……」
「それに……」
ドミニカはジェーンの傍らに立つと、不意に、頬にキスをした。
びっくりするジェーンの至近距離で、ドミニカは囁いた。
「今は何となくこう言う気分なんだ」
「こう言うって……」
「ジェーン、お前が言ったからだぞ」
「え、私何か言いました?」
「一緒に居る時間が云々って辺りだ」
「あ……」
思い出してまた顔が真っ赤になるジェーン。ドミニカはふっと微笑んだ。
「よし、行こうか。今日も楽しくなりそうだ」
ドミニカはジェーンを軽々とお姫様抱っこする。
「何処行くんですか大将?」
「私の部屋とお前の部屋、どっちが良い?」
「そ、それは……」
腕の中で戸惑うジェーン。お姫様抱っこに困惑しているのか、それとも部屋の選択で迷っているのか。
いずれにせよ、ドミニカはどっちでも良かった。ジェーンの可愛い姿が、己の手中にある。
昂ぶる感情を抑えきれずもう一度頬にキスすると、ひゃうっと小さな声を出したっきり答えの出せないジェーンを連れて、食堂を出た。
行き先は……。
end
--
以上です。
501メンバーはもはや定番・鉄板ですが、
504もなかなか良いと思うんですよね。
あと某ネタが紛れ込んでいるのはキニシナイ!
ではまた〜。
439
:
名無しさん
:2010/11/20(土) 11:17:44 ID:9zVVnEEY
>>424
遅レスだけど読みました
伯爵×管野が一番好きなので最高に萌えました!
穏やかそうに見えて少し冷徹な雰囲気の伯爵がかなり理想的です
戦闘も格好良いのでまた読みたいです
440
:
名無しさん
:2010/11/20(土) 22:40:46 ID:vVHtTP1s
どうもこんばんは、パラレルの学園設定モノの小説が書きたいHwd8/SPpでございます。
作品を投稿する前に、
>>430
5uxL6QIl ◆x.rTSKEoE2さま。
シリーズ名を名付けてくださってありがとうございます!「ヘルマの発情」シリーズ…この名でシリーズ展開していきたいと思います!!
本当にありがとうございます!
では投下していきたいと思います。
【ウルスラは見た!そして、見られた!】
私は部屋の自室の電気も付けづ、ただボーッとしているであります…
『ヘルマ、あなたそろそろ覚悟した方が良いわ。中佐が好きなの?あなたは』
『そろそろ決断の時が来たようだわね』
何だろうこの気持ち…胸騒ぎが止まらないであります…このまま寝るまでずっと、ドキドキしなくちゃいけないのでありますか?
「決断…でありますか」
コンコン...
闇夜の来訪者…と言ってもまだ12時前でありますね;;
誰かが部屋をノックしているであります。急いで電気を付け、ドアを開けると…
「ヘルマ・レンナルツ曹長!曹長宛てに荷物が届いております!」
「はっ!確かに受け取るであります!!」
部屋に来た通信兵に敬礼し、荷物を受け取る私。
はて、誰から…?
「アッ、アマゾン…?!」
まっ…まさかっ??!!
ビリビリビリッ!!!!
まるで何に取り憑かれたかのように、一心不乱に包装紙を破る私。
中から出てきたのは…!?
「ゲッ、ゲルトルート・バルクホルン抱き枕カバー(ゴクリ」
生唾ものです…っ!!!
何だろう、イラストを見た瞬間に体が火照ってきたであります…!!
「けっ、けしからんでありますっ!!大尉であろうべきお方にこんな恰好をさせて…っ!!」
はだけた軍服から見える双丘が…ジュルリ
「あへへへ………はっ!!??」
説明書きでは、
『イラストはすべて抱き枕用に描き下ろされており、ヒロインの魅力が満載された、ちょっとHな絵柄となっています。』
ちょっとどころじゃないであります!!これはまず製造元に苦情の電話を入れ、軍本部にも販売停止の………ん?!それを承知して、私は買ったんでありますよね?!
「落ち着けヘルマ、落ち着けヘルマ…」
まずは息を整えるであります…。
「シャワーを浴びよう!」
まずは身を清めてから!
…と言う事で全身をくまなく洗い、上がってからは手足の爪を切って…清潔な身で、そして何故か正座してバルクホルン大尉と向き合います。
「本日は…よろしくお願いします」
「ゴホン…ヘルマ曹長ではないか。今夜はよろしく頼むぞ」
似てない大尉のモノマネをして、バルクホルン大尉とベッドにin!
「バッ…バルクホルン大尉ぃ…」
「なんだ、水臭いではないか…『お姉ちゃん』と呼びなさい」
「でっ、でもぉ…」
「『お姉ちゃん』と呼ばなければ私は部屋に、戻っても良いんだぞ?」
「…おっ、お姉ちゃん…」
「ヘッ…ヘルマーーーーーッ!!!!」
「お姉ちゃーーーーーーんっ!!!!」
私の右手が下着の中へ…
「キャッ…お姉ちゃんどこ触って…」
「ヘルマもこれを期待しにここへ来たんだろう?」
「でっ、でも早すぎるよぉ…」
「私はもうヘルマに触れたくて触れたくて我慢できないんだ!」
「お姉ちゃんのエッチ…」
ベッドの上にて、ヘルマ妄想劇場が絶賛上演中!
シチュエーションとしては「密会しに来たお姉ちゃん(バルクホルン大尉)にベッドでイタズラされる私」。
欲求不満を爆発させます!
***
441
:
名無しさん
:2010/11/20(土) 22:41:56 ID:vVHtTP1s
>>440
の続き。
「はあはあはあ…お姉ちゃん、激しすぎるよぉ…」
これにて妄想劇場終了。
ちょっと落ち着いたら、処理をして歯を磨いて、そしてトイレへ行ってから寝るとするでありますかぁ…。
まずはパジャマを着るであります…
「あれ、パジャマどこに脱いだっけ?」
「…ベッドの下にある」
「そうでありますね………えっ??!!」
この部屋には私しか居なかった…はず!!??
でも今、ここに居るはずのない人の声が…!?
「ハハハハハルトマン中尉!?」
「打ち合わせしに来たんだけど…また明日にする」
「ちょっ…いつからいらっしゃってたんでありますか?!」
「………意味不明な事を叫ぶ辺りから」
「そっ…そんなぁ〜!!」
まさか…一部始終を見られてたでありますか?!
「あの〜ぅ…まさか、一部始終を…?」
「見てた」
「はあぁぁぁぁぁ!!!!」
「人間、誰でも欲求は溜まるもの」
「そんな事、淡々と言わないでくださいぃ…」
「大丈夫、口は堅いから」
「………」
「自分を慰めるのは当たり前」
「あぁぁぁぁぁ…っ!!」
「…バルクホルン大尉が好きなの?」
「…はい、そうであります」
いまさらここで否定してもしょうがない!
正直に話すであります…。
「でも、シュナウファー大尉はマルセイユ大尉が好きだと」
「何故それを?!あのおっぱい眼鏡大尉…!!許さんでありますっ!!!」
「…今日のこと黙っててあげる」
「はい、助かるであります(泣)」
「…でも条件がある」
「…はいぃ?」
「これ、買ってきて」
と一枚のメモを渡された私。
「…え?」
「何も言わないで。口外したらさっき自分を慰めてたのを」
「はい!喜んでぇ!!!(泣)」
***
【翌日】
私はオフであったのです…が、昨日の一件もありハルトマン中尉にある「お使い」を頼まれた私…。
休日なのになぜ軍服?という質問がありそうですが、軍服を着てとあるお店へ向かいます………。
442
:
名無しさん
:2010/11/20(土) 22:42:25 ID:vVHtTP1s
>>441
の続き。
帰ってきて早々、私はハルトマン中尉の研究室にお呼ばれされたであります。
「例の物…買ってきた?」
「あの…」
「…何?」
「あの、本当に…」
「何も言わないで」
「はっ…はいであります…」
スッ…と紙袋を渡すと、ものすごい勢いでそれを奪うハルトマン中尉。
「えと…あの…?」
「………」
わっ、私の事なんか一切無視でありますか??!!
「…いつまでそこに居るの?」
「えっ!?」
「お使いありがとう。これ、あげる…」
何故メントス!?
ハルトマン中尉からメントスのグレープ味をもらったであります!!
言われた通り部屋から出る私。
…でもなんか悔しいので、そっと部屋のドアを開けて見るでありますかぁ!
「………♪」
珍しく歌を口ずさみながら…そしてかつてない程の笑顔で、お人形さんの髪の手入れをしているウルスラ・ハルトマン中尉。
え…えと、若干私の思考回路が…;;
ちなみに本日買ってきたのは、「お人形ハウス」。失礼ながらハルトマン中尉には似合わなそうな、感じがしますよね…皆さん?!
人間の趣味って…つくづくわからないなあと実感した一日であります!!(ビシッ
「…ヘルマ、いつまで見てるの?」
「ギクッ!!??」
【つづく】
443
:
名無しさん
:2010/11/21(日) 19:00:28 ID:TI3OYXeo
アニメ2板本スレ464から今日のレポ載ってる
貴重な情報満載なので是非ご覧あれ。
ズボンとか胸の張りとか色々。
エイラーニャとエーゲル、シャーゲルが人気らしい。凄いな。
445
:
5uxL6QIl
◆x.rTSKEoE2
:2010/11/22(月) 01:25:39 ID:khwhw3cM
>>436
mxTTnzhm ◆di5X.rG9.c様
GJです、これはいいドミジェン。
504も502に負けず劣らず百合の宝庫ですよね。
>>440
Hwd8/SPp様
GJです、ウルスラにそんな趣味があったとは……
あと、シリーズ名を採用してくださってありがとうございました。
>>443
拝見してきました。エーゲルの人気が凄くてちょっとびっくりしてます。
「エーリカがネウロイに誘拐されてトゥルーデが助けに行く話」と、
「偽伯爵とロスマン先生がひたすらいちゃいちゃするだけの話」はぜひ公式で観てみたいですね。
こんばんは、アメリーの誕生日ということでペリーヌ×アメリーで一本書いてみました。
1レスお借りします。ではどうぞ
446
:
花畑 1/1
:2010/11/22(月) 01:26:31 ID:khwhw3cM
「アメリー、ちょっといいかしら」
「は、はい! なんですか?」
昼食を終え、自分の部屋に戻ろうとしたところをペリーヌさんに呼び止められました。
なんだか気難しそうな表情で私のほうを見つめています。
私、何かペリーヌさんの機嫌を損ねるようなことしちゃったかな?
「その……あなた、今日何か予定はあるかしら?」
「へ? な、何もないですけど」
「そう、良かった。ちょっとこれから付き合ってくださらない? あなたに見せたいものがあるの」
「見せたいもの……ですか?」
「ええ。ちょっと歩くことになりますけど」
ペリーヌさんのその言葉を聞いて私は、ほっと胸を撫で下ろす。
良かった、少なくともペリーヌさんは不機嫌ではないみたい。
それどころか、私を外出に誘ってくれた。
もちろん、大好きなペリーヌさんからのお誘いを断る理由などどこにもない。
「はい、どこへでもお供します! ところでペリーヌさん、なんだか顔が赤いですけど、大丈夫ですか?」
「……な、なんでもありませんわ! とにかく、行きますわよ」
「は、はいっ!」
こうしてその日の午後、私はペリーヌさんと一緒に出かけることになりました。
「さ、着きましたわよ」
「わぁ、すごく綺麗……」
基地から歩いて十数分ほど、辿り着いたその場所には、一面のお花畑が広がっていました。
私がお花畑の美しさに目を奪われていると、ペリーヌさんが後ろからそっと抱きついてきました。
「ふぇ!? ペ、ペリーヌさん!?」
ペリーヌさんにいきなり抱きしめられて、私の胸の鼓動は激しく脈を打ち始めました。
こ、困りますペリーヌさん。人の心臓が一生のうちに鼓動する回数って決まってるっていうじゃないですか。
「アメリー、誕生日おめでとう」
胸の鼓動が鳴りやまない私に、耳元でそう囁くペリーヌさん。
「え? ペリーヌさん、私の誕生日、覚えててくれたんですか?」
「私が僚機の誕生日を忘れるわけないでしょう? 特に、あなたは私にとって大切な存在なんだから」
『大切な存在』――ペリーヌさんが私のことをそう言ってくれたのが嬉しくて、気が付けば私は涙を流していた。
「ペリーヌさん、あ、ありがとうございますっ……ぐすっ」
「もう、すぐ泣かないの。ほら、これで涙を拭きなさい。せっかくの可愛い顔が台無しですわよ?」
ペリーヌさんはそう言って、私にハンカチを差し出してくれました。
「は、はいっ、ありがとうございます」
私はそのハンカチを受け取って、涙を拭きとりました。
「ねぇアメリー。ちょっと目を瞑っててくださらない?」
涙を拭きとり終わった私に、ペリーヌさんがそう言いました。
「え? は、はい……」
私はペリーヌさんの言う通りに目を瞑りました。
その直後、私の唇に柔らかいものが触れました。
……こ、これってもしかしてペリーヌさんの唇!?
「ペ、ペリーヌさん!?」
落ち着いていた私の胸の鼓動が、再び激しく脈を打ち始めました。
ペリーヌさんが私にキ、キスを……!
「ふふっ、アメリーの唇ってすごく柔らかいのね」
そう言って悪戯っぽく笑うペリーヌさん。
「もう、ペリーヌさんばっかりずるいです……んっ」
今度は私がペリーヌさんの唇に口付けを落としました。
ふふっ、顔を赤らめてるペリーヌさん、すごく可愛いです。
「ペリーヌさん、顔真っ赤ですよ」
「……あなただって」
「ふふっ、おんなじですね、私たち」
「ええ、おんなじね、私たち」
お互いに顔を真っ赤にした私たちは、なんだか可笑しくなってしばらくの間笑いあいました。
「はい、これでいいかしら?」
「わぁ、ありがとうございます」
数分後、ペリーヌさんがお花畑の花で作った花飾りを私の首にかけてくれました。
この花飾り、ペリーヌさんのように暖かいです。
「ペリーヌさん、今日は本当にありがとうございました。私、大好きなペリーヌさんに誕生日を祝ってもらって、
とても嬉しかったです……ぐすっ」
「もう、何度も泣かないの。誕生日なら来年も再来年もその先もずっと祝ってあげるから」
「え? ペリーヌさん、私とずっと一緒にいてくれるんですか?」
「当然でしょう? その代わり、あなたも私の誕生日をこれから先、ずっと祝ってくれる?」
「はい、もちろんです! ペリーヌさん、大好きです」
「私も大好きよ、アメリー。じゃ、帰りましょう」
「はいっ!」
私は笑顔でそう応え、ペリーヌさんと一緒に、夕日が染めるお花畑を後にしました。
〜Fin〜
−−−−−
以上です。アメリー、誕生日おめでとう!
447
:
管理人
◆h6U6vDPq/A
:2010/11/22(月) 01:39:37 ID:gSDUXmjI
皆様乙です
500KBに達しましたので次スレを立てました
ストライクウィッチーズでレズ百合萌え 避難所7
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12483/1290357324/
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