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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第115話☆

198闇と時と本の旅人 ◆UKXyqFnokA:2013/01/21(月) 19:43:41 ID:SZUvMGR6
 闇の書の意志は装備していた触手型デバイスを停止させ、騎士甲冑を解除する。原始的な無地の黒い一枚布からなる騎士服の姿に戻り、クライドをそっと抱きすくめる。
 もはやクライドには抵抗する力は残っていない。

「艦長──」

「僕は君を……止めなければ、ならない……使命、なんだ」

「どうしてですか!?それは、いったい誰があなたに強制しているんですか!あなたが、どうして、あなたの命を懸けなければならないほど」

「もう戻れないんだよ……!僕は、もう、戻れない」

「なぜ、ですか……私は、やっと……艦長、あなたが私の主になってくれると願っていて──クライド艦長、私はあなたのために尽くしたいと思っていて、今までも、これからもその思いは変わりません!
リンディさんや、クロノくんにも、会いたいです!私と、共に生きていきましょう!」

 艦内の配管やダクトなどを伝って伸びる闇の書の防衛プログラムが、エスティアの艦のフロア全体を細かく震動させている。
 防衛プログラムとエスティアをリンクさせ、もともと特定の姿を持っていない防衛プログラムに、次元航行艦の肉体を与える。
 この鋼鉄の巨体をもってすれば、内部に管制人格や守護騎士、闇の書の主を乗せたまま、次元の海を旅することができる。

「だめ、だよ……アインス、僕は、人間のころの記憶を持っている……このまま、じゃ、たくさんの、ひとを、悲しませる……」

「艦長……わが、あるじ……」

 クライドを、抱きしめる。抱いても、抱いても、どれだけ抱かれても、彼を自分のものにできない。
 どれだけ愛しても、愛されても、彼の心は手に入らない。
 騎士服を脱ぎ、裸になって、翼をいっしょに使って、クライドを抱く。
 結ばれたい。限りなく結ばれたい、ひとつになりたい。クライドは、自分の理性で、希望を抑え込んでいる。
 アインスとひとつになる、闇の書の主として闇の書とひとつになることを、ぎりぎりで抑え込んでいる。

 力に飲み込まれる、強い力があるからといって何をしてもいいわけではない、必ず周囲の人間たちとの折り合いがある。
 それを無視して自分たちだけいいというのではいけない、とクライドは考えていた。

 しかし、もはやそれをアインスに説得するには時間も、体力も気力も足りない。
 もうまもなく、アルカンシェルによって自分たちは跡形もなく、原子も残さず消滅する。

 だから、せめて。
 クライドは、倒れた自分の上で、大粒の涙を流しながら腰を振るアインスの──闇の書の意志の──姿を見た。
 叶わない想いを、命を捨てても何をしても成就することのない恋を、愛を、狂ったように求める闇の書。
 理性では、これを受け容れてはならないと考えている。受け容れることは許されないと考えている。
 しかしクライドの感情は、心は、アインスを今でも愛している。愛の表現の仕方はそれぞれ、クライドは、アインスを、愛していた。彼女と共に添い遂げたいと思った。
 だから、彼女に、自分の気持ちを託す。

 吹き荒れる魔力素の奔流と、増大していく重力の中で、肉体が潰れていく感覚が伝わる。
 もはや今のクライドの肉体は常人をはるかに超える生命力と耐久力をそなえ、それこそ守護騎士たちのように、手足がちぎれても、胴体に風穴があいても機能を損なわず、痛みによって動けなくなることもなく、意識を覚醒させ続ける。

 自分の肉体が、男として、オスとして、闇の書の意志と結合しているのがわかる。
もはや五体満足ではなく手足がちぎれてしまったのに、ペニスはますます硬さを増して闇の所の意志の膣に食い込み、舞い落ちる黒い羽根が、自分の意志で動かせ、闇の書の意志の、腕や肩や乳房をさすり愛撫している。白い肌に、紅潮した乳首が舞っている。
 彼女の姿は、美しい。怜悧に強く、しかしどこか儚く、冷たい、そして熱い、闇の書の意志の裸身。
 ふわふわと熱に浮かされたように、天国にいるかのように心地よく、痛みもなく、心がすうっと澄んでいくかのようだ。

 しかし今、すでにエスティアはアルカンシェルの照準に捕捉され、攻撃準備をされている。
 生きていくことは叶わない。




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