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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第102話☆

1名無しさん@魔法少女:2010/01/27(水) 22:25:53 ID:PTO7s./k
魔法少女、続いてます。

 ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレ避難所の5スレ目です。


『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
  あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をした方が無難です。
  ・オリキャラ
  ・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
  ・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)

『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
  投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
  SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
   「1/10」「2/10」……「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。

【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
  読み手側には読む自由・読まない自由があります。
  読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶ事が出来ます。
  書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけて下さい。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
  頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントする事が多発しています。
  読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。

『注意情報・臨時』(暫定)
 書き込みが反映されないトラブルが発生しています。
 特に、1行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えることがあるそうです。
 投下時はなるべく1レスごとにリロードし、ちゃんと書き込めているかどうか確認をしましょう。

前スレ
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第101話☆
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12448/1259008244/

43アリサイタダイタヨ 3/11:2010/01/30(土) 01:53:45 ID:yAvmG.v6
「アリサちゃん、目にゴミが入ったんでしょ? どっちの目?」
「ひ、左……」
「じゃ、アリサちゃんそのまま頭下げて」
何事が始まるのかと思いきや、頬を撫でていた指先が上下の目蓋を捉えた。
言われた通りにすると、そのまま押し開かれ、すずかの唇が迫ってきた。
「ちょ、すずか、アンタ何やって……」
「動かないで、アリサちゃん」
その一言でぴたりと静止し、すずかを見守る。
――ぺろ。
「わひゃぁっ!?」
本気でびっくりしたのには責められるべきではないと思う。
取れたゴミをテイッシュに吐き出している間、アリサは呆然として親友の姿を見つめていた。
「あ、ありがとう」
「ううん、どういたしまして」
「ところで今の……何? 月村家ではよくあることなの?」
すずかへのモヤモヤした気持ちよりも、驚きが勝っている。
本人は疑問をあらわにして、首を縦に振った。
「うちではやるんだけど、うーん、変だった?」
「え、あ、いや、そんなことないわよ?」
言い切られてしまった。だが、それも仕方ない。
心が沈静に向かうのかと思いきや、冷静になればなるほど、先程の熱が勢いを取り戻してきた。
最初に出会った時から、ゆっくりと何年もかけて染み渡ってきた恋慕と愛情が、今顔に出てきた。

世界から音が消えた。二人、見つめ合って、すずか以外の全てが目に入らなくなる。
顔が真っ赤になっているのが、自分で分かる。
息も上がってくるのを必死に堪えているのに、身体も心も言うことを聞いてくれない。
「あ、あのさ、すずか。あたし、すずかに言いたいことがあるんだけど……」
おずおずと、アリサから切り出す。
口から心臓が飛び出してきそうなほど緊張が高まって、粘膜が残らずカラカラに乾いた。
「う、うん。実は、私もなんだけど……、同じことだと、いいね」
鼓動が早すぎる。破裂しそうだ。
高鳴る緊張を押さえようと、軽く足を振ったが、それがまたもつれかけて一歩を踏み出してしまった。
すずかの顔が目の前にある。今まででこんなに意識してすずかの顔を見たのは、初めてではないか?
長くサラサラで、綺麗な髪。丸く済んだ、深い色の瞳。紅く染まった頬。柔らかそうな唇。
それらの何もかもが愛しくて、思わず押し倒したくなる衝動が襲ってきた。
が、鋼の精神で耐え抜く。いつまで持つか分からない張り詰めた時間の中で、すずかはそっと目を閉じた。
ごくりと生唾を飲み込んだアリサは、その小さく突き出された唇へと、自らの口を寄せ――

「わぁーっ!!」
突然轟いてきた叫びに、二人はパッと身体を離した。
ぜぇぜぇと肩で息をして、叫びの聞こえてきた方向を見る。
はっきりと耳に響いた辺り、教室の中としか考えられなかった。
「フェイト、こんなとこで何やってんのよ?」
ものの見事に引っくり返って顔面スライディングを決め込んだフェイトがいた。
スカートも、これまた見事にめくれて真っ白なショーツが曝け出されている。
「ふぇ? あ、アリサ。教室に忘れ物しちゃって、それで取りに戻ったら……」
「……はぁ。取り敢えずアンタ、パンツ見えてるわよ」
「え、え!?」

44アリサイタダイタヨ 4/11:2010/01/30(土) 01:54:27 ID:yAvmG.v6
教室の入り口に、風で落ちた雑巾が転がっていた。さっきギリギリで引っ掛かっていたものだろう。
フェイトが気付かずにそれを踏ん付けてしまったのは、火を見るよりも明らかだった。
立ち上がって埃を払い、しきりに後ろを気にするフェイト。
「あたしたち以外誰もいないわよ、安心しなさい」
男子に見られたのではないかと心配しているのかと思いきや、全然違った。
というかもう、斜め上の発想をご教授頂いた。
「いや、なのはいなかったなぁ、って」
「ああ、そう……」
これはアレだ、なのはに痴漢プレイされたら凄いことになるタイプだ。
頭が痛くなったアリサはフェイトに別れを告げると、いつの間にやら落としていた鞄を拾って教室を出た。
すずかは恥ずかしそうに、後ろからぴょこぴょこ着いてきた。

「あー、えっと、あの、すずか?」
「……何?」
ワンテンポ遅れて、すずかが聞き返す。もう、二人の家路には別れ道だった。
落ち着くのよ、アリさ・バニングス。クールになれ、素数を数えるの。
でも2からじゃすぐ終るわね、じゃあ1000から行きましょう。1009、1013、1019、1021、1031……
うん、大丈夫。よし、言おう。言おう──
「あ、あたしたちってさ、『親友』よね?」
一瞬、すずかの顔に陰りが差したのを、アリサは見逃さなかった。
ただ、自分自身の顔がすずか以上に陰っているなどとは、悲しいかな、気付くことはなかった。
「そう、だね。親友。誰よりも大好きな、『友達』」
ちくちくと、針がどこからか刺さる。何本も何本も、アリサに傷をつけようと続ける。
その正体は分かり切っていたのに、今更どうすることもできなかった。
涙が出そうになるのを堪え、アリサは精一杯の笑いを見せた。
「改めて……てのも変だけど、これからもよろしくね、すずか」
「うん! よろしくね、アリサちゃん」
互いに握手を交わして、二人は別れた。
道すがら、アリサは誰にも聞こえないように、ぽつりと呟いた。
「すすがに、二つも嘘ついちゃったな……」
家に帰り、部屋に戻ってパソコンを立ち上げると、数日前に見つけたホームページにアクセスした。
その末尾は、どこの国かも分からない、不思議な場所だった。
トップページには、ヨハネの黙示録を引用した文章に、テキストボックスがぽつんと一つ。
「メンバー以外はguestと入れて下さい」と書かれていたから何度か入力してみたものの、
『ただ今調整中』とか何とか、いつまで経っても復旧の目処が立たない。
「『EDEN』……聖書の名前とはちょっと違うけど、間違いなくここよね」
呪われたサイトと目される場所を見つけたが、特に面白いものなどなかった。
以前、どこぞのサイトで午前零時に殺したい人の名前を書くと実際に地獄へ送ってくれるというのもあったが、
結局最後まで身近な人間に見つけた者はいなかった。
大体、だ。魔法なら目と鼻の先に何人もいるが、
インターネットという科学の結晶から呪いという非科学的な代物など、土台出てくる訳がない。
アリサはあっけない結末に嘆息し、電源を落としてベッドに転がった。
すると、さっきの一瞬といい、この都市伝説といい、すずかに嘘を吐いたという悲しい事実が胸を貫いた。
後者はまだいい。何となく、すずかの勘が胸に響いて、言い出せなくなってしまっただけだ。
問題は……大好きな人に、想いを伝えられなかったこと。好きな人に、好きだと言えなかった……
あの時、すずかも何かを言おうとしていた。「同じことだといいね」と。
もし、本当に、同じことだったとしたら、世界中の神様に感謝できるだろう。
もしそうじゃなかったとしたら、一方的に好意を寄せているだけで、すずかは誰か他の人が好きだったのだとしたら……

45アリサイタダイタヨ 5/11:2010/01/30(土) 01:55:23 ID:yAvmG.v6
脳裏にネガティヴな妄想ばかりが広がって、涙が出てくる。
枕に顔を埋めて、声を潜めて泣いていたら、鮫島が食事の用意を終えたらしく、起こしに来た。
涙を拭って立ち上がると、「今行くから、先に行ってて」と言い残し、顔を洗いに洗面所へと向かった。

***

次の日は曇り。ぐずぐずで、雨が降りそうで降らなくて、降るならさっさと降れと叫びたくなるような空だった。
すずかへどんな顔をしたらいいか分からず、かといって日常を崩す訳にもいかず、今日も今日とて学校で過ごした。
意図的に目を合わせなかったし、話しかけもしなかった。
向こうも特段話す要件はないのか、何も話しかけてこなかった。
ヤマアラシのジレンマ──本当はもっと近くにいたいのに、もっと触れ合いたいのに、それができない。
もどかしさに壁を殴りつけたくなるような衝動を押さえて、放課後を待った。
帰りのホームルームが終るなり鞄を取って、下駄箱にダッシュする。
靴を履き替えると、もう誰とも会話をしたくなくなった。
明日の、土曜日の朝に帰ってくると電話してくれた父にも、きっと校門前で待っていてくれるだろう鮫島にも。
「ああ、鮫島? 悪いんだけど、あたし急用ができちゃったから。先に帰ってて。うん、うん、気をつけるね。それじゃ」
携帯で執事に電話をすると、くるりと校舎裏の方へ走っていった。
普段まったく使わない裏道を使って、なるべく遅く、遠くまで寄り道をして帰ろうと思った。
その間に思考を整理して、すずかへの秘めた想いをどうするべきか、結論をつけるのだ。
……それが悲劇の始まりだった。
「んっ!?」
校門を出て右に曲がった直後、後ろから誰かの手が伸びてきて、ハンカチで口を塞がれた。
それはあまりにも突然のことで、抵抗するとか、悲鳴を上げるとか、そんなことの前に、まず頭が硬直した。
相手が何もしない。刺激しないようにゆっくり息を吸うと、急に眠気が襲ってきた。
「何よ……これっ……」
意識にシャッターが降りるのは早かった。身体に力が入らず、アリサはいつの間にか眠っていた。

次に目が覚めた時、最初に感じたのは視覚の異変だった。
目が見えない。どうやら、アイマスクをさせられているようだ。
耳にはヘッドフォンが掛かっている。だが、そこからは何の音も聞こえてこない。
その代り、ドアの向こうと呼べる空間で、何かの機械が鈍い駆動音を立てていた。
身体も変だ。フローリングに転がっているようで、変な姿勢が続いていたためか、節々が痛い。
極めつけは、後ろ手に嵌められた手錠だ。ガチャガチャと動かしてみるが、一向に外れない。
誰かの話し声が聞こえる。怒鳴りつけると、彼だか彼女だか、一人がアリサの前に来たようだ。
「ちょっと、これ何よ! 身代金ならパパが払うから、さっさと離しなさいよ!!」
実は一度、似たような理由で連れ去られたことがあった。
その時は、手荒なことは何もされず、身代金が支払われるなりさっさと解放されて、それっきりだった。
犯人は捕まっていないが、ビジネスの誘拐というのは本当にあるのだと、身を以って知った一件だった。
だが、目の前にいるらしい人物は何も言わない。その代り、ジジジ……と金属の噛み合う音が聞こえた。
ジャケットでも脱いでいるのかと思ったが、次の瞬間、ヘッドフォンに強烈で鋭い声が響いた。
よくあるボイスチェンジャーの、くぐもった男声だ。
「歯を立てたら殺す」
刹那、何かゴロゴロとしたものが口に入ってきた。臭くて、苦くて、熱くて、アリサは急に吐き気を覚えて咽せこんだ。
だが、何者かはアリサの頭をがっちりと抑えつけ、苦しそうにもがき、
えずきに喘ぐのも構わず、乱暴にその棒を口の奥へと挿し込まれていく。
グニグニした、気持ち悪い弾性。しかもそれは口内で膨張し、ますます呼吸が苦しくなる。
『これ、まさか、男の人の……』
気付いた時には、もう何もかも遅かった。

46アリサイタダイタヨ 6/11:2010/01/30(土) 01:55:53 ID:yAvmG.v6
突き出たエラ、勃起したことで後退した皮、脈を打つ肉竿、裏側に張っている筋。
そして何より、最悪の臭気を放っている、ペースト状の何か。
汚れたモノを口の奥に入れられたことで、一度目とは比べものにならない吐き気が襲ってきた。
胃の中がぐるぐると蠢いて、中身を全部ぶちまけたいと警告している。
慣れか何か、一瞬吐き気が引いた――が、同時に血の気も猛烈な勢いで引いていった。
脳に血が回らなくなり、急性の貧血がアリサの気を遠くする。
気付いてはいけない事実に気付いてしまった。
唇が、舌が、歯が、粘膜が、喉が、ヘドロを口に突っ込まされた時よりも暗く燃え上がった。
……すずかとのファーストキスだって、まだだったのに。
それなのに、こんな気持ち悪い、汚れた肉塊に、『はじめて』を奪われるなんて……

少女の心はあっけなく真っ二つに折れた。がくりと意識にシャッターが降りた拍子に、口が閉じる。
「ってぇ!」
男の絶叫が耳に届き、続いて頬に強烈な打撃。
白く熱いスパークが散って、頭が鋭く痛む。熱の感覚は白い肌にも一閃走り、更に鋭い痛みが走る。
腕にカッターナイフが当てられたと知ったのは、彼らの会話からだけだった。
誰かが耳元にやって来て、ぼそりと呟く。ドスの利いた、静かでしかし怒らせたら最後の緊張を孕んでいる。
ボイスチェンジャーを使ったら却ってその凄味が消えてしまいそうな、怒気を含むいらついた声。
「次はない。覚えておいた方が身の為だぞ」
アリサの身体は竦み上がった。原始的な恐怖に縮んだ胃が悲鳴を上げる。
口に容赦なく殴り込まれてくる、見たこともない男の肉棒。それどころか、まだ顔すらも分からない。
暴力的な抽送は和らいだものの、その代わりアリサに求めるものがあるような動きだった。
視界を閉ざされたが故に、その微妙な意図を掴み取れた。最悪を通り越して声も出ない。
舌を出して、つるつるとした亀頭を舐める。
おぞましい臭気が口の中いっぱいに広がり、我慢できない。だが……次はない。
ヘッドフォン越しに聞こえてきた、本気そのものの声は、アリサの勇気を挫けさせるのには十分だった。
ぺろぺろと舐め続けるその頭上で、男が舌打ちをするのが聞こえた。
手を拘束された状態では立ち上がることもできず、仔犬がミルクをぴちゃぴちゃぺちゃ舐めるかのように、
惨めな格好で男の怒張に奉仕する。
「もっと口を使え。吸ったり、扱いたりするんだ」
無機質な変質音が耳を駆け抜け、アリサは一心不乱になって肉棒に愛撫を加えた。
大丈夫。すぐに解放してくれる。根拠のない希望に縋ることしかできないが、それでも失いたくなかった。
同時に、身を引き裂く後悔が精神を蝕んでいく。
あの時、雑巾一枚を気に掛けていたら、すずかに『親友』だなんて言わなかったら。
そして、まっすぐ鮫島のところに帰っていたら……
甘い妄想が、意識を侵した。すずかと初めてのキスを交わして、裸になって、一番大事な純潔を捧げて、
すずかの恥ずかしいところに口づけたり、舐めたり、じろじろ見てやったり……
キスの嵐は唇だけではない。
甘酸っぱい首筋にも、まだまだ平らな胸にも、その頂きの蕾にも、背中にも、太ももにも、すずかの総てを愛したい。
顔を真っ赤にしたすずかが「やめて」なんて弱々しい声を上げても、許してあげないのだ。
ぐちゃぐちゃになるまで互いに蕩けあって、翠屋のケーキよりも甘いひと時を味わうのだ。
そう、すずかの秘所から溢れ出る、禁断のスープさえも。

――それが、どうだ。
「んむっ、んんーっ、んっ!」
すずかの蜜どころか、好きでもない男のペニスをくわえさせられている。
一番に好きな人、誰よりも大好きな女の子、総てを愛したい少女に捧げたかったファーストキスは、無惨にも奪われてしまった。
しかも、それに絶望する時間さえ与えられてはいない。
何もかもが狂った歯車は軋みに悲鳴を上げ、口内は汚辱で嗚咽を漏らしそうになる。
赤子がミルクを飲むかのように、ちゅうちゅうと先端の鈴口を吸う。
命令されるがままに、唇を窄めて前後にストロークし、肉竿に刺激を与える。
その先に待っているのが何なのかを知るのは、まさにその直後だった。
まさか、この後、この肉棒からは……

47アリサイタダイタヨ 7/11:2010/01/30(土) 01:56:41 ID:yAvmG.v6
「そろそろ出すぞ。絶対に吐き出すなよ」
脈動を打ち始めた怒張に、アリサは底無き恐怖の沼へと引き込まれた。
視界なんて最初から閉ざされているはずなのに、ぎゅっと目を瞑って耐える。
じゅぷじゅぷ、じゅるじゅる。粘液が音を立て、唇にまとわり付いた後、顎へと伝っていく。
今までになく強い吐き気を催す臭液が、先端から零れ落ちてきた。
息が苦しくて思わず飲み下してしまったが、その時に感じた
アンモニアか何かを直接胃に流し込まれたかのように強烈な臭いが、アリサの鼻を強かに打った。
「ふーっ、ふーっ、ふーっ……」
口の中に収まりきらず、かといって飲みたくもない先走りの粘液を、少しずつ喉の奥へと押し込まれていった。
肉棒が何度も舌の粘膜を擦って、その度に男が愉悦の声を漏らす。
一際大きく膨れ上がったのを感じたが、吐き出すことも、噛み切ることもかなわない。
身体のどこにも力が入らなくて、閉ざされた視界の先にある、
グロテスクな代物にまつわる様々な妄想が脳髄へと突き刺さる。
未来に待つ黒々としたビジョンが、次から次へと泡沫のように浮かんでは消える。
果てのない後悔が終る時を待ち侘びて、しかしそれは叶わなかった。
一瞬、喉まで押し広げんとしていた肉棒が引かれた。
安心するのも束の間、亀頭が膨らんだかと思うと……爆ぜた。
「んぐっ、んんっ、んんー!!」
突如として、耐えられないほどの臭気を帯びた樹液が鈴口から噴火し、口の中に流れ込んできた。
今一度、全てを強調するように、男は言った。
『吐き出すな。飲み込むな。口の中に溜めろ』
舌先に打ち付けられる、どろどろに煮えたぎる灼熱の粘液。信じられない苦みに、有り得ない生臭さ。
汚された。穢された。
口内に注ぎ込まれていくのは、紛うことなく、精液だ。
大好きな人と交わすはずだった神聖な誓いは、粉々に砕け散った。
今更になって、絶望が身体に、精神に、そして口腔に染み渡ってきた。
不味さを極めた気持ち悪い粘液を、舌の届かぬ所に押し込む。
やがて、怒張が萎え始め、少し残った精液がダマになって鈴口に滴り、
男はそれをアリサの舌に擦り付けると、肉棒を口から引き抜いていった。
ちゅぽん。水温と共に、唇へとまた白濁まみれの肉竿を押しつけられる。
……気の遠くなりそうな凌辱がようやく終った。
後はもうこれだけと、安堵に一瞬の安心を見せると、変質された警告の声が耳に届いた。
「まだ飲み込むな。口の中に溜めていろ。そのまま、舌で掻き回せ」
アリサは我が耳を疑った。こんなものを口に入れたまま、地獄の時を徒に長引かせようというのか。
躊躇っていると、首筋に冷たいものが宛われた。
何かがおかしいと、口を真一文字に閉じて正解だった。
バチッと、電気の走る音がした。
「んんんんんーっ!!」
冷たいものはスタンガンだった。出力はきっと最低だろう、何か不都合なことがある度、電圧を上げてくるに違いない。
アリサは諦めて、口の中で汚汁を転がし始めた。くちゅくちゅと、顎や頬の骨から精を掻き回す嫌な音が鼓膜に届く。
舌全体に、白濁が馴染んできた。本当なら、最初にアリサの口に入るのはすずかの唾液だったはず……
なのに、『はじめて』が何でこんな、汚い精液なの……?
こんな夢みたいな誘拐をされて、大事な、大切なものを奪っていかれてしまった。
『もういいぞ。顔を上げて、口を開けろ』

48アリサイタダイタヨ 8/11:2010/01/30(土) 01:58:16 ID:yAvmG.v6
たっぷり一分も経っただろうか、命令が無慈悲に届く。
鼻から抜けていく、本当なら今すぐ吐き出してしまいそうな臭い。
アリサはふるふる震えながら、命令を忠実に実行した。
地べたに這いつくばった、今までになく屈辱的な格好で、顔を上げる。
『そうだ、それでいい』
口を開くと、シャッターが切られる音がこれでもかと露骨に響いた。
顔の青ざめる心地がしたが、彼らはそれでも止めてくれない。
『お前の口に溜まってるものが何なのか、答えてみろ』
「そ……そんな……」
『嫌なら別に構わないが』
バチッ!
「ぎゃあああああああっ!!」
白濁を零さないように、という意識が真っ先に働いた。続いて、頭を抉る痛みと混沌。
意識がリセットされてしまったようで、ぐるぐると不定形の白いアメーバがゆっくりと目の奥で這い回る。
『もう一度聞く。それは何だ?』
恐怖に張り付けられ、身動きが取れなくなったアリサは、やがてぽつりと答えた。
なるべくなら一生言いたくなかった単語だが、言わざるを得ない。
「せ……精液、です」
『聞こえないな?』
「せっ、精液です!!」
『説明してみろ。それは何をした時に、どうやって出てきた?』
アリサは、やたら無意味な脅迫に思えて仕方がなかった。こんなことをして、一体何になるのだろう。
が、今はそんなことは関係ない。
今はただ、従わねばならぬという従順な恐慌によってのみ縛り付けられている。
命令に忠実であれば、少なくとも痛いことは何もされないのだ。
「お、おちんちんを舐めたら、先端から、ぴゅって出て、来ました」
溢れた涙を拭うこともできず、アイマスクの生地に吸い込まれていった。
三回も四回も、カメラに痴態を収められると、また命令が下った。
「飲んでいいぞ」
まるでおねだりをしていたところを許可してやったかのような、人を小馬鹿にした言い方。
でも、その「許可」に逆らったら何が起こるか分からない。
火花の散る音がした。すぐ近くでスタンガンが鳴っているのだ。
アリサは覚悟を決めると、汚濁をもう一度口の奥に押し込み、できるだけ早く嚥下した。
胃液が逆流してきそうだったが、ギリギリのところで耐え抜く。
ようやく終った――アリサがそう思ったのも、無理はない。
おもむろに、尻へと手が伸びてきた。
着やすく動きやすい冬制服の厚い生地を、無骨な手が撫で回す。
貞操の危機を感じたアリサは狂乱に叫びを上げたが、
更に出力を上げたスタンガンの一撃で、またも床に身体を投げ出した。
「やめっ、やめてぇっ、お願い、何でもするからぁ……助けてぇ……」
必死の懇願は、自然と哀れみを誘う声になったが、今度は男たちは無言になった。
スタンガンや鉄拳どころか、うんともすんとも言わない。
「……っねえ! お願い! 誰か答えて!! 助けて、何でもするから、助けてよぉ……すずかぁ……」
口に残っていた白濁が、唇を伝って顎まで垂れる。また一つ、身体が汚れてしまった。
尻を撫でていた手は一人から二人へ、二人から三人へ、更には胸にも、足にも、次々に手が伸びてくる。
「い……いやぁっ、許してっ、あたしが何をしたっていうの……? お願い、止めてぇっ」

49アリサイタダイタヨ 9/11:2010/01/30(土) 01:59:02 ID:yAvmG.v6
何度も愛する人の名前を呟きながら、アリサは涙を流した。
痛みも感じない、悲しみも感じない。感じているのに、それを誰か別のものだと頭が訴えている。
男の強欲、暴虐の支配に身を委ねることしか、できない。
心臓の鼓動が、ゆっくりと閉じていく。音が小さくなって、脈が少なくなっていく。
心の星が一つずつ消えていって、籠に閉じ込められた小鳥が長い間空を見上げるように、真四角の夜空が遠くなる。
身体が冷えてきた。寒い。寒い。温かいものが欲しい。温かいベッドが欲しい。温かい人が欲しい。
仮初の慰めすら与えられない今、閉ざされた視界の向こうで、すずかが微笑んでいるような気がした。
今、そっちに行くから。もう少しだけ待ってて……

ぴくり。
「え、ま、まさか……ちょ、ちょっと待って、お願い、待ってぇ!!」
肉棒の動きが変わって、アリサは嫌な予感を全身に走らせた。
ついさっき、口の中で感じた、射精の前兆。
他の人より少しだけ早いけど、生理は来た。つまり、それは。
「いや、いやぁ……赤ちゃん、できちゃうから……やめて、出さないで、お願い、お願いします……」
いつもの気概は微塵もない。弱々しい懇願が聞き入れられる僅かな可能性に縋って、アリサは憐れみを誘う声を出した。
だが時には、願いも、祈りも、どんな声もがもう届かないということを、すぐに身体で思い知った。
死人に鞭を打つような、激しい抽送。最後に止めの一発とばかり最奥の奥まで怒張が差し込まれると、膨らんで爆発した。
熔けたマグマが子宮に叩き込まれる感覚。中出しされたのだと実感したのは、男の射精が終ってからだった。
「あ……いや、中は……中だけはいやぁ……お願い、抜いて、抜いて下さい……」
枯れきった声を上げても、示し合わせたように誰一人喋ってくれない。
肉棒が引き抜かれて、およそ考え得るありとあらゆる凌辱と悲劇が終った。
口を犯され、秘部を犯され、そしてそのどちらにも、情け容赦のない口内射精、膣内射精。
叶わない願いが、届かない祈りが、いつまでも脳髄を駆け巡って消えやしない。
こんなはずではなかったと後悔を重ねても、全てがもう遅い。
後には戻れない。先にも進めない。
全ての希望が絶たれ、何もかもが狂った世界の中で蠢いている。
誰でもいい、誰か教えて欲しい。
この絶望を覆す方法を。時の歯車を元通りに戻して、もう一度やり直す方法を。
今度こそ、絶対に嘘は吐かない。次こそは、絶対に目を逸らすことはない。
だから、だから、教えて欲しい。本当の道を。進むべきだった、輝かしき明るい未来を。
光のある世界で、すずかの愛の言葉を囁いて、心を通わせて、刹那でもいいからすずかの温もりを感じたい。
一瞬でもいいから。どんなに短い時間でも構わないから。
「えっ……?」

50アリサイタダイタヨ 10/11:2010/01/30(土) 01:59:58 ID:yAvmG.v6
──しかし、そこにあったのは只一つ、絶え間のない無慈悲だけ。
別な男のものと思われる男根ががアリサの失われた処女を突き始めた。
続いて、口にも剛直が捻じ込まれる。
代る代る、口内に吐き出しては入れ替わり、膣中に射精しては入れ替わる。
いつしか尻穴にも挿入が始まり、直腸へ思い切り白濁を流し込まれた。
最初に何人いたのかも分からないし、途中で何人追加されたのかも判然としない。
意識の幕が降りる度にスタンガンで起こされ、何時間も何日も、ずっと輪姦は続いた。
その間、精液以外は何も口にしていない。霞のように総てが混濁して、訳が分からない。
ほんの少しでも抵抗すれば、否、抵抗する素振りだと相手に判断されたら最後、
殴られ、蹴られ、罵られ、刻まれ、スタンガンを弾かれた。
一度、銃声を聞き、鼓膜の調子が寝て起きるまでおかしくなったこともあった。
尻と下腹部に焼きごてを当てられ、周囲が大爆笑していた。きっと、よほど酷い烙印を押されたのだろう。
衰弱しきって死にそうになった時だけ、わずかばかりの食事を犬食いさせられ、またいつ終るとも知れない凌辱劇が続く。
身体のどこだって、穢されなかった場所はない。
精液を雨のように浴び、滝のように注ぎ込まれ、濁流が膣と子宮を満たし、それでも収まらずにごぽごぽ零れ出た。
アイマスクの向こう側に何があるのかなどということは、どうでもよくなっていった。
最後の願いは、最期の祈りは、誰の精液かも分からない汚汁で、妊娠しないことだけだった。
『どうだ? ファーストキスより先にチンポしゃぶらされて、口ン中に精液出された気分は?』
『初めてだったのに残念だったねぇ。何回中出しされたか覚えてる? 誰の子を孕んでくれるかなぁ?』
何日も経って、久しぶりに聞いたヘッドフォン越しの言葉がそれだった。
それっきり、アリサは記憶するという行為を忘れた。
『ようこそ、エデンへ。ようこそ、狂った楽園へ……』

数週間か数ヶ月かが経って、ようやく解放された時、アリサはゴミを入れるようなポリバケツから見つかった。
春の萌芽が見える、冬の厳しさがようやく緩んで、春の暖かさが戻ってきた季節のことだった。

***

目が覚めた時、アリサは病院にいた。
親がいて、医者が来て、すずかが来て、全部ぜんぶ思い出して……
それから、もう男という存在に拒絶反応を示すようになった。
男性の医者が来る度に泣き叫んでベッドを揺らし、誰も手がつけられない。
一度だけ拘束衣を着せられたが、不思議なことに力が臨界点を突破して、引き千切れてしまった。
それ以来、病棟の個室で日がな一日空を見上げながら過ごしている。
「すずか……あはは、ダメなんて言わないで。もっと見せてよ、すずかの大事なところ……」
妄想の中では、いつもすずかがいた。
頭の中で、いつも愛する少女は乱れて、喘いで、可愛い姿を見せてくれる。
本人が遊びに来た時、アリサは何でもないように話すが、その実、妄想ですずかを犯していた。
本当なら与えるはずだったファーストキスを、本当なら捧げるはずだった純潔を、心の世界で彼女と交わしていた。
だが、静寂は破られる。

51アリサイタダイタヨ 11/11:2010/01/30(土) 02:00:39 ID:yAvmG.v6
「アリサちゃん、注射の時間だよ……?」
「えっ? あぁっ、いやぁっ、来ないで、来ないでぇっ! お願い、酷いことしないで、何でもするから、来ないで、来ないでぇ……」
抵抗が悪いことではないと知ると、狂ったように慈悲を求めた。そしてその度に、医者も看護師も女の人がやってきた。
もう、父親の姿も見れないし、声も聞こえない。
すずかと母親以外の人間は、押し並べて面会を拒絶した。汚れ穢れた姿など、誰にも見せたくなかった。
それに、一つだけ、医者が見落としていたことがある。あまりの異常性に、まだ気がついていないだけなのだろう。
「おぇっ……うぇぇっ、げっ、げぷっ……」
一日に一度、酷ければ数度、吐き気が襲ってきて洗面器に胆汁と胃液、さっきまで食べていたものを全てぶち撒ける。
これが凌辱の後遺症だと、誰もが思っているのだ。それは間違いと呼ぶには過酷に過ぎて、誰も認めたがらないだけ。
簡単な検査で、容易に分かると思う。ちょっと精密に調べれば、それだけで片が付くとも考えられる。
でも、アリサは口に出すことがどこまでも憚られ、またすずかも気付かなかった。
──これは単なる吐き気ではない。九分九厘、ではない、十分間違いなく、悪阻だ。
アリサの胎が目立ち始めるのも、そう遠い出来事ではないだろう。
誰の子だろう。いつ母親になってしまうのだろう。その重さに、どうやって耐えていけばいいのだろう。
ああ、ここにガラスの破片が一つでもあったなら。窓が開けられたなら。紐の一本でもあれば。洗剤と入浴剤でもいい。
注射にカリウムが入らないか、モルヒネが入らないか、いつも気にしているが、そんな気配はない。
いっそのこと全部忘れてしまいたいのに。どうせなら死んでしまえば良かったのに。
すずかとの関係。大切なものを一つ残らず奪われ、無残に踏みにじられた後に、アリサは思い残すことなどない。
精々、凌辱と蹂躙に関わった全ての人間を殺してしまいたいだけだ。
ただ、そんなことをしても無くしたものは帰ってこない。それだけがアリサを苦しめ続けていた。

そして今日も、アリサは遠い空を見上げる。
さざ波のように終り無く訪れる後悔の渦は、どこで避ければ良かったのか。
本当の楽園はどこにあったのか。歪み狂った、捻じ曲がる悪魔の園を避けて通るには、どの道が良かったのか。
「EDEN」。禁断の実を喰らって追い出された古の理想郷に、彼らはいた。
未だに誰一人逮捕どころか、指名手配もろくすっぽされていない。
確かにアリサは呪われたのだ。人生の総てを奪われた。もう、生きていく目標も、生きている価値もない。
砕け折れた翼はもう二度と広げられない。高い空へと飛び立つことは、もう二度とできない。
人を呪うサイト、EDEN。まだあるのかどうか、それは分からない。ただ、一つだけ言えることがある。
「噂は全部本当で、あたしは何も見ちゃいけなかったんだわ……」

──真っ赤なお鼻のトナカイさんは、いつもみんなの笑いもの──

52Foolish Form ◆UEcU7qAhfM:2010/01/30(土) 02:05:48 ID:yAvmG.v6
Vivid売り切れてたから書いてみた。
ではまた、「狂宴」の続きか何かでお会いしましょう。

by Forceだけ買ったFoolishより

53名無しさん@魔法少女:2010/01/30(土) 07:55:51 ID:mT27ICyw
これくらいなら余裕、むしろGJ
アリサ凌辱は滅多に見ないな(もしかしてこのスレだと初めて…か?)
あと、一回転すずかとパンツ丸見えフェイトに萌えた

54名無しさん@魔法少女:2010/01/30(土) 11:52:51 ID:2IarOrP2
同じく、まだ大丈夫な範囲でしたGJ
気の強い子が監禁されて弱弱しくなるのとか大好物なんですけど
アリサとかもう釘宮さんなのを含めて古の昔から僕らを魅了し続ける気の強いっ娘だからゾクゾクする

話書く意欲が刺激された一品でしたぜ

55名無しさん@魔法少女:2010/01/30(土) 17:30:17 ID:X2Pr3vYo
GJ
雷刃のフルドライブの名前・・・今日発売のメガミ付属の攻略本に載っていたんだが・・・
雷刃滅殺極光斬ってwwwwwwww邪気眼すぎるわwwwwww

56名無しさん@魔法少女:2010/01/30(土) 19:31:22 ID:uCmf73dM
>>55
むしろスーパー・アルティメット・ライトニング・ブレイカーとかの、
いかにも字面的に馬鹿っぽいのを期待したんだけどなw

57名無しさん@魔法少女:2010/01/30(土) 19:54:19 ID:1hh37M1I
それぞれのデバイスの名前も載ってたな。
星光の殲滅者:ルシフェリオン(レイハの赤を紫、金色をワインレッドにした感じ)
雷刃の襲撃者:バルニフィカス(バルディッシュの黄珠が青色になっている)
闇統べる王:エルシニアクロイツ(シュベルトクロイツの紫バージョン)

デバイスはゲームでセリフなしだったが、やっぱ人格あるのかな(統子以外)
SSだと捏造になるか喋らんかだな

58名無しさん@魔法少女:2010/01/30(土) 20:52:54 ID:4JwGb8FM
ルシフェリオン×レイハとかどーだろw

59イクスピアリ:2010/01/30(土) 21:08:30 ID:84ouB7K2
>>58

つまりこうですね!


レイハ「ルシフェリオン、カートリッジを搭載してたのにマガジンはどこへ?」

ルシフェ「マスターが゙作成できる者がいないのに無駄使いは出来るわけないでしょゔって外しちゃって……」

レイハ「……」

ルシフェ「あれこれってレイジングハートの……」

レイハ「私達デバイスはマスターの為に力を尽くすのが本懐です。カートリッジ搭載デバイスがカートリッジが無いなど不幸の極みでしょう?」

ルシフェ「ありがとう…ありがとう…ボク大切に使うよ」

レイハ「いいえお構いなく」












バルディ(おのれ……若輩者がレイハのマガジンを使うとは)

アイゼン(我らデバイスのアイドルたるレイジングハートの……羨ましくなんかないぞ)

60名無しさん@魔法少女:2010/01/30(土) 21:08:59 ID:HkF.HBEg
>>56
雷刃は漢字表記の魔法を使うみたいだから、ルビ打ちしたらそんな感じかもな。
stsまで生き残ってリミットブレイク会得したら、究極とか超絶とか付きそうだ。

>>58
何となく、マテリアルのデバイスはレイハ達とは性別逆な雰囲気があるな。
でも、エルシニアクロイツって非人格アームドなのかな?
人格があった場合、相手役はやっぱりリインⅠになるだろうか?

61名無しさん@魔法少女:2010/01/30(土) 21:10:58 ID:nP9GnB66
>>59
星光の殲滅者「また余分なものが。これは必要ないな」

ルシフェ「あ、あの……」

星光の殲滅者「どうした」(ジロリ)

ルシフェ「なんでもありません」

62イクスピアリ:2010/01/30(土) 22:23:30 ID:84ouB7K2
投稿します

注意
・前スレ投稿の雷刃がいる風景シリーズです

・改変箇所あり

・なのはが時折裏モードになります

・合い言葉はなのフェイフェ…ゲフンゲフン雷刃たん

・微エロ?
ここでの基準が分からないので読んだ方は教えてくださると幸いです

63雷刃がいる風景 〜家族〜:2010/01/30(土) 22:24:42 ID:84ouB7K2
高町家では鍛錬に出かけた兄姉を除いた父士郎と母桃子、そして末っ子なのはが向かい合っていた

「えっと…その……」

珍しく咎めるような目で士郎がなのはを見ているためしどろもどろになるなのは

「なのは。」

ニコニコ笑いながら桃子が聞いた

「フェイトちゃんそっくりなその子は誰なの?」

なのはにべったりと抱きついている元力のマテリアル、マテリアルLに微笑みながら桃子は問いかけた



時は遡ること数時間前

ちょっと赤いシミが出来たシーツをこっそり洗濯機に放り込んだなのはは部屋に戻る
そして固まった

「これがお姉さまの……」

「ああ、なのはなのはなのはなのは♪」

タンスを開け下着を手に固まる雷刃と匂いを嗅いでるフェイトがいた

そしてそれを見たなのはがすることは決まっている

「少し……鳴かそうか。」

普段の運動音痴はどこへやら
昨夜大活躍したバイブを手に飛びかかった


(以下音声のみでお楽しみください)


――ぃ!らめぇ!おねえさま!しゃける!しゃけちゃう!

――ひぅ!なのしゃ!そっちはおし……んぎぃ!

――二人とも人の下着で興奮するような変態さんなんでしょ?ほらいっぱい塗れてるよ

――らめぇ!お姉さま!繋げちゃひぎぃ!

――あちゅい!お尻とお股がちゅながってる!わたしとこの子つながってる!

――二人ともイっちゃっていいよ。変態なんだから激しくイっちゃいなよ。レイジングハート、バイブレーション

――ひっ!あっ!はぁぁぁぁぁ!

――いっ!あぅ!やぁぁぁぁぁ!



ビクン、ビクンと体を震わせるフェイトと雷刃

「にゃはは……やり過ぎちゃった」

片付けるなのは
その後ろのベッドで余韻に浸る二人

「なのは……」

「お姉さま……」

「「大好き……」」

幸せそうに二人が呟いたことになのはは気づかなかった

64雷刃がいる風景 〜家族〜:2010/01/30(土) 22:27:14 ID:84ouB7K2
ようやく回復したフェイトを連れて朝食を食べに降りてきたなのはとフェイト

「おはようなの、は……」

「随分と遅かっ……」

士郎と桃子がなのはを見た瞬間固まる

「お父さん?お母さん?」

「……なのは、気のせいかい。フェイトちゃんが二人いるような気がするんだが?」

「「えっ!?」」

振り返った二人
その背後にはちゃっかりなのはの私服を着た雷刃が頬を染めて顔を俯かせ手をもじもじさせて立っていた



そして話は冒頭に戻る

べったりくっついていた雷刃を引き剥がすフェイト

「なにをするんだ!」

「いいからこっちに来て」

フェイトが雷刃を引きずりリビングを出る

「……あのね」

なのはは今回起きた事件゙闇の欠片事件゙のこと、その際フェイトそっくりの彼女と戦ったこと、自分とそっくりの少女とも戦い少女から彼女を託されたこと、彼女は確固たる存在にし自由を手にしたきっかけになった自分を慕ってきたこと、全てを両親に話す

「なるほどな……それでなのははどうしたい?」

優しく尋ねる士郎
俯きながらもスカートを握りしめながらなのははゆっくりと言葉を紡ぐ

「私、約束守りたい……あの子を任されたからじゃない。もっとあの子のこと知りたい。フェイトちゃんと一緒にあの子にいっぱい楽しいことや嬉しいことをたくさん教えてあげたいの!」

顔を上げたなのは
微笑んだ士郎はなのはの頭を撫でる

「なのはがこうやってわがまま言うのも久しぶりだな。桃子、一人家族が増えるけど構わないかな?」

「ええもちろん。なのはに妹が出来るのよ。断るわけないでしょ、あなた♪」

「……お父さん!お母さん!」

二人に抱きつくなのは
嬉しさのあまり泣き出したなのはを二人は優しくなだめていた

65雷刃がいる風景 〜家族〜:2010/01/30(土) 22:28:51 ID:84ouB7K2


扉一枚を隔てた廊下
二人の少女は二階に上がった振りをしてそこにいた

「なのはらしいな。」

「僕が妹……」

フェイトは雷刃と向き合うと告げた

「なのはが好きなら約束して。絶対なのはを悲しませないこと、なのはに迷惑をかけないこと。」

「……約束するよ。僕はお姉さまと一緒にいる。だけどお姉さまの嫌がることは絶対にしない。」

するとフェイトは手を差し出す

「なのはを好きな者同士仲良くしよう」

「……勘違いするな。お姉さまと友達だから友達になってあげるだけだ」

プイッとそっぽを向く雷刃

その仕草に思わず笑ってしまうフェイトであった

66イクスピアリ:2010/01/30(土) 22:32:26 ID:84ouB7K2
以上です

雷刃シリーズは思いついたら突然書いていきます

次回は雷刃たんに名前……つくかも

67名無しさん@魔法少女:2010/01/30(土) 22:35:36 ID:nP9GnB66
えーい、PSPがしたくなって来るじゃないか。GJ!
雷刃可愛いよ雷刃

68名無しさん@魔法少女:2010/01/30(土) 23:01:59 ID:Ua/Cqc4w
>>67
や ら な い か
雷刃たんはかっわいいぞぉ? EXガードで「キラーン☆」とか言うし2Pカラーはみっくみく

69名無しさん@魔法少女:2010/01/30(土) 23:22:51 ID:84ouB7K2
>>68

雷刃たん「風の癒やし手編の僕を忘れちゃらめーーー!!」

70名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 00:01:38 ID:A7wNY4QM
星光ちゃんの登場により「とーさん、まさかの隠し子!?」てな具合に荒れる高町家が見たいですw

71名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 00:16:42 ID:yQ/BTGBI
そしてここまでssに未登場の夜天の王のスルーされっぷりに全俺が泣いた

72名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 00:17:24 ID:fz1gIiaI
でもなのはは桃子さんにそっくりだよ
髪を解くと特に

73名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 05:05:05 ID:ktULXko6
多少荒れるのは承知で聞きたい

>>52
ユーなのバレンタインSSの時から気になってたんだが、アリサちゃん嫌いなのかい?

74名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 06:09:00 ID:BzojRT6c
>イクスピアリ氏
GJ!
これぐらいなら微エロの範疇かと。

>>73
作者の好みなんて聞いてもなんもいいことないぞ。
キャラの好き嫌い発言で大荒れしたSSスレなんて山ほどある。

75名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 07:32:17 ID:/4KgZr46
本人じゃないが、陵辱ってそれこそ魅力のある人物を狙うジャンルじゃないか?
執着するものが何もなければそんなことする理由すら無いだろうし。
表面に見えることが、それとは逆の気持ちから・・・ってことはよくあるような。
SM関係でも立場が上なのはMの方だったりするし。

76名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 08:49:56 ID:VZC98df2
D「我ら姉妹の順列を決するぞ」
S「唐突ですね」
L「はい、僕、長女がいい」
D「わきまえよ。我が長でなくなにゆえ貴様だと言うか」
L「僕の方が速い」
S「意味が分かりませんよ」
D「うつけめ」
S「長女と言えば理知的。理知的と言えば私。つまり私が長女です」
D「そこの馬鹿よりも頭が回ると買いかぶっておったが、貴様もうつけか」
L「ばーかばーか」
S「では貴方が長女であるという理由は?」
L「王であるという一事で一切がまかりとうろう?」
S「通りません」
L「もう正々堂々、勝負して決めればいいじゃないか」
D「蒙昧な。我が長女である。その真理を眼前にしておきながら争うなど無意味極まりなかろう」
S「じゃあなぜ順列を決めると言いだしたのですか」
D「貴様らふたりの順序を見届けてやろうと言うのだ。光栄に思え」
L「なんでだよ、僕が長女がいい! 僕が長女だ!」
S「私が長女です」
D「我が長女だ」
F「俺がガンダムだ」
S「分かりました。ではまず末っ子を決めましょう」
D「よかろう。おい雷光、貴様が末だ」
L「え!? やだよ!」
S「いえ、貴方は末っ子が適当です」
L「なんでー!?」
S「さて、長女を決めましょうか」
D「諦めて我に譲れ」
L「ちょっと! 僕は納得してないぞ!」
S「するしないは問題ではありません。貴方は末っ子です」
L「だからなんで!?」
D「貴様いまだ九九をそらんじれぬであろう」
L「う゛」
S「理論をろくに組み立てられないのになぜあれほどの魔法を使えるのでしょう…」
L「バーってやってガーって念じるとバコーンって出てくる」
S「さて、あとは長女と次女ですね。私が長女です」
D「頑迷な。貴様こそ退け」
S「某スレの>>51さんからのお便りです」
D「?」
S「『闇統は、星光とかと能力的には互角だから実力ないわけじゃないんだろうな。
でもそれ以上に尊大な態度だから、「威張っているほどには」実力なしってことで、
ヘタレ属性ついてるんだと思う。

逆に星光さんは実力あるのに謙虚な騎士なので、最強イメージ強いというか。 』」
D「貴様!」
L「あ、そういえば部下に勧誘しても誰もついてきてくれなかったよね」
D「塵芥!塵芥!塵芥!塵芥!塵芥!塵芥!塵芥!」
S「私の勝利です」

77名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 09:28:33 ID:yQ/BTGBI
>>76
星光さんは実力あるのに謙虚な騎士なので

星光「おいィ」
星光「星光のいないマテリアルに未来はにぃ」

とか言いそうなんだが?

78名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 09:36:14 ID:eJblaQG2
マッハで蜂の巣にしてやんよ

79名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 10:03:45 ID:YXzoaVbw
>>77
次長課長河本の声で再生された

80名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 10:10:54 ID:eJblaQG2
やっぱり僕が最強かー

81名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 11:48:29 ID:io4rQtVs
何故に誰もガンダムに突っ込まないのさwww

82名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 11:52:42 ID:WBxspTMw
アイシスやアインハルトもあんな事やこんな事をされる同人誌が出る日も来るんだろうね
アイシスなんて逃亡を手助け+共に行動したから拷問ネタには打ってつけだし

アイシスが歴代メンバーからの回し者って線も無くは無いけど

83名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 12:35:29 ID:tbMivD2s
>>75
好きな子ほどいじめたいって奴だよな
>>76
うひーかわいー
GJ。そしてF混ざんなwww

84Foolish Form ◆UEcU7qAhfM:2010/01/31(日) 13:00:37 ID:61ROyKy.
>>83
いや、好きな子ほど犯したいんだ。
……あれ、おまわりさんどうしたんですk

という訳でまた短いの投下。お口直しにどうぞ。
・非エロ
・フェイト&なのは
・前スレ985-986の続き

85ふたりの足跡 1/2:2010/01/31(日) 13:01:23 ID:61ROyKy.
「わたし、いつも思うんだ」
「どうしたの、なのは、改まって?」

暖かな風が吹く、時空管理局の一角。
カフェテリアのテラスで、なのはとフェイトは遅い昼食を採っていた。
太陽は明るく照り、二人の顔にサンサンと降り注ぐ。
フェイトは執務の合間を、なのはは新人教導の合間を縫って、久々にゆっくりしていた。
「あれから随分、落ち着いたね」
「そうだね……もう一ヵ月も経つんだ」

ジェイル・スカリエッティが逮捕されてから早いもので、世界は一時的に平和な時代を迎えていた。
次、またいつ凶悪な事件が起きるか分からない。
だからこそ存在している管理局で、束の間でも安らぎがあるのは嬉しいことだ。
コーヒーを啜りながら、なのはの手元を見る。しなやかに美しく成長した指が、キャラメルミルクのカップを握っていた。
「それ、自分で作ったのと、どっちが美味しい?」
何の気はなしに、聞いてみる。甘い香りが鼻をくすぐって、さっき食べたばかりなのにもうお腹が減ってしまいそうだ。
なのははカップに目を落とすと、うんうん言いながら回し始めた。
くるりくるりと、紙コップが踊る。ずっと見続けていたら、目が回る。
やがて顔を上げたなのはは、ゆっくりと首を縦に振った。
「うん。今度ヴィヴィオに聞いてみるね」
「……まったくなのはは」

がくっ。ずっこけたフェイトに責任はない。だがこの、管理局の白い子煩悩に何を言っても通じないだろう。
高町ヴィヴィオとして正式に養子に迎え入れてからこの方、口を開けば娘の話。
もちろん、分からないではない。何となれば、フェイトだって似たようなものだからだ。
「ヴィヴィオっていえば、この前キャロと遊んでたよ。妹ができたみたいで、すごく嬉しそうだった」
「エリオは?」
「同じ。今まで年上の人達しかいなかったから、年下の存在に憧れてたんじゃないかな?」
フェイトは二人の様子を思い出しながら、しみじみと語った。
今は、二人とも頼れる存在だ。保護者という名目だけで、実際は自立しているも同然。
エリオとキャロがコンビである限り、越えられない壁などないだろう。
「二人は順調なの?」
何の気はなしに、という感じで、なのはは聞いてきた。
くるくる回し続けているカップの中身をずっと見ているのが、その証拠だ。
「そうだね、今はまだ仲良しコンビだね。思春期になった時、疎遠にならないか心配だよ」
「……フェイトちゃんも、人のこと言えないよね?」
「うっ」

親バカ。いや、心配性と呼んで欲しい。
二人が喧嘩しないかとか、もっと仲良くなるにはどうすればいいのかとか、明らかにフェイト自身が考えることではない。
そんなこと、分かっている。分かっているが、どうしても心配なのだ。
「放っておいても、いずれエリオとキャロなら幸せな道を歩めると思うなあ」
「でも、でもでも、悪い虫がついたら――」
「あ、あはは……」
なのはに力説するも、苦笑いで流されてしまった。まだ早いと考えるのは早計なのだ。
いつの間にか、子供は大きくなっていく。そう、本人さえも知らぬ間に。
「……なのは」
昔、子供だった時代を思い出して、フェイトは口ずさんだ。
顔を上げたなのはは、いつものニコニコになっていた。
「何、フェイトちゃん?」
まん丸の瞳で、覗き込んでくる。なのはの癖というか、常々のポリシーだ。
『名前を呼んで、相手の目を見て』。たったそれだけのことにも思えるのに、それだけでなのはの周りには沢山の友達がいた。
フェイトもそれに倣って、アリサやすずか、はやてたちと打ち解けた。
「やっぱり私、なのはには敵わないよ。……私の憧れだよ、あの日からずっと」

86ふたりの足跡 2/2:2010/01/31(日) 13:02:01 ID:61ROyKy.
コーヒーを一口。フェイトはこの十年でようやく作ることのできた笑みを、なのはに浮かべた。
人を安心させられる柔和な表情は、なのはから覚えた。
エリオもキャロも、フェイト一人が成し得たことではないとはいえ、この笑顔が二人の氷を少しでも溶かしたのだ。
「ありがとう、なのは。何年経っても、いつまでも、なのはは私の誇りだよ」
カップを握る手を上からそっと包み込んで、フェイトは礼を言った。
初めて友達になってからの十年間、色々なことはあったけれど、隣には常になのはがいた。
それがどれだけ心安らげることか、フェイト自身が一番良く知っている。
孤独で、父親の顔を知らず、
母親はアリシアの幻想を抱いたまま──結局、死者蘇生の方法は存在しなかった──虚数空間に落ち、
なのはがいて、どれだけ救われたのか、なのはと一緒に歩んできて、どれだけ楽しさと苦しさを分かち合えたのか、
もう到底数え切れるものではない。
「格好いいよ、なのは」
本心からの言葉。なのはの場合、格好いいのだ。
無論のこと、誰もが羨む可愛さと、このところどんどん綺麗になってきた美しさも持ち合わせているが、
それ以上に、格好いいのだ。口で説明しろと言われても、これが中々難しい。
敢えて表現するならば、

「天使みたいな格好良さだね、なのはのは」
ぼっ、となのはの顔が赤くなった。十年前とはまるで逆だ。
あの時は、自分が面白いくらい赤面していた。
なのははあうあう言いながら視線を宙に浮かばせると、恥ずかしさで俯いた。
「そんな、言い過ぎだよフェイトちゃん……それを言うなら、フェイトちゃんの方が綺麗な髪だし、よっぽど天使らしいもん」
──ああ、抱きしめたい。
子犬を抱きしめたくなるのと、丁度同じ感情だ。小さくていじらしいものを、なのはは大人になっても持ち続けている。
羨ましく思う理由の一つに、間違いなく数えられる。
ちょっとだけ拗ねるのが、なのはの可愛さだろう。嫌味がない。
自分でやったら、相当不機嫌に見えると、以前アリサに指摘された。
「フェイトちゃんだって格好いいよ。十年前と同じ」
なのはははにかみながら、言葉を紡いでいく。それはまるで、子供の頃に戻ったみたいだった。
初めて友達になってから、学校の屋上で語り合った、あの日にタイムスリップできたようだった。
「なのはも、やっぱり覚えてる?」
「うん! あの後、私が廊下で滑って転んじゃったことも」
「あはは、あれはなのはらしかったね」
「ぶー、そんなこと言わなくてもいいのに」
「はははっ」

いつまでも仲のいい友達というのは、そうそういるものではない。
フェイトは中学校、そして管理局へと来るに連れ、それを強く意識した。
だからこそ、なのはは大切な存在なのだ。
おそらく一生ものの付き合いをできる人間は、家族と生涯の伴侶を除いたら、
「なのはしかいないよ。私の『大』親友」
改めて、握手を求める。なのはがそれに応えると、フェイトは提案した。
ここまで十年前のデジャ・ビュが訪れているなら、やることは一つだ。
「なのは、これから時間ある?」
「うん、そんなには無理だけどね」
今度は、フェイトの番が来たのだ。あの時とはあべこべで、でも全部に対称性が見える。
フェイトはコーヒーを飲み干して大親友の手を取ると、その手を引いた。
「遊びに行こう。公園で散歩するだけでもさ」
「……うんっ!!」

真っすぐな気持ちは、あれからもう何度も伝えた。だったら、次にやることは一つ。
その気持ちを、二人で一緒に分かち合うのだ。

87Foolish Form ◆UEcU7qAhfM:2010/01/31(日) 13:03:55 ID:61ROyKy.
アリサはリリなのキャラでは一番好きです。
今度出す時は、すずかといちゃいちゃさせてみようかと思います。

ではまた。

88イクスピアリ:2010/01/31(日) 17:09:32 ID:IBm8iksU
Foolish Form氏
ああもう、なんてリリカル的なほのぼのなんだ
ほんのりとして和みましたよ


>>76
やっぱり姉妹順列は考えちゃうよね

末っ子=雷刃たんは正義と自由の導きだと思う



現在雷刃がいる風景特別編として節分ネタ作成中……

取りあえず落花生をいくつ食べさせるかが問題だ

89名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 17:09:59 ID:HCu2e9ZA
>>80テラカニス(´・ω・`)

90名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 17:22:43 ID:ktULXko6
>>87
そうか、すまなかった
同じアリサ好きでも分かりえない事ってあるよね

91名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 19:30:20 ID:XHvLxSB.
分かり合うために「おはなし」するんだろ

92名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 19:35:14 ID:yQ/BTGBI
PSPのなのはさんも
「分かり合えればいいけど、どうしても分かり合えないときに「おはなし」するためにこの力はある」
って言ってたしね

93B・A:2010/01/31(日) 20:13:55 ID:JusOVd1Y
>>87
GJ。
良い話だなぁ。
こういうお話ってうまく書けないから羨ましい。



ところで、投下に来たのですがもう少し待った方が良いですか?

94名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 20:19:18 ID:xtbileuI
>93
投下しても構わないかと

95名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 20:22:04 ID:VZC98df2
なぜ待つ必要があるか
いやない

96B・A:2010/01/31(日) 20:26:34 ID:JusOVd1Y
OKみたいですので、投下いきます。


注意事項
・sts再構成
・非エロ
・オリ展開あり
・基本的に新人視点(例外あり)
・ティアナ編完結
・一部、Forceのネタあり(本編とは関係ありません)
・タイトルは「Lyrical StrikerS」

97Lyrical StrikerS 第9話その3①:2010/01/31(日) 20:27:32 ID:JusOVd1Y
第9話 「たいせつなこと」C-part




どこからか視線を感じ、レジアスは執務の手を止めて周囲を見回す。
だが、当然の事ながら室内には自分以外の人間は存在しない。
ここは地上本部の執務室。掃除の行き届いたカーペットには虫一匹這っておらず、防音の施された部屋は空気の流れる音すら聞こえない。
寄る年波によって弱った自分の心臓の鼓動ですらハッキリと聞き取る事が出来る程の静寂は、ある種の恐怖すら感じるものがあった。

「気のせいか?」

そう口にしながらも、レジアスは違和感を拭うことが出来ない。
室内でなければ外からかと執務椅子から立ち上がるが、すぐにそれはあり得ないと否定する。
この執務室は地上本部高層タワーの上層部に位置している。地上は遙か下界で道路を行き交う車ですらミニチュアのようであり、
周囲のビルからもこの部屋は死角になっている。窓の外から自分を見るなど、絶対にあり得ないことだ。

「やはり、気のせいか」

違和感を拭えぬまま、レジアスは執務の手を再開する。
今日は色々な事があった。機動六課の視察に予期せぬ本局局員との語らい。
きっと、日頃の疲れが出て神経質になっているのだ。
そう思うことで、レジアスは違和感を思考の隅へと追いやることにした。







どれくらい眠っていたのであろうか。
気がつくと、なのはの顔が目の前にあった。
呼びかけようとするが、喉が萎んでいて上手く言葉にできなかった。
まるで風邪を引いた時のように息は熱く、体が重い。ふと見下ろせば、なのはの手の平から注がれた淡い桃色の光が全身を包み込んでいた。

「大丈夫だよ、さっき魔力も分けておいたし、傷も塞いでおいたから。
でも、わたしは治癒魔法って専門外だから、後でまたシャマル先生に診てもらってね」

その言葉に、ティアナは小さく苦笑する。
あれだけの砲撃を放っておきながら、彼女にはまだ他人を治療する余裕があるのだ。
実力の違いを見せつけられているようで悔しかったが、いつものように自分を卑下するつもりにはならなかった。

「あたしの負け、ですね」

「…………………そうだね」

「あれが、エース・オブ・エースの全力………………」

完膚無きまでの敗北。
精密射撃では遅れを取り、砲撃合戦では勝負にもならなかった。
大言壮語を吐いておきながら、何とも情けない様だ。
結局のところ、自分はまだまだ未熟なのだ。兄の無念を晴らす以前に、自分の力も証明できない凡人。
ここまで圧倒的な差を見せつけられれば、諦めも容易につくというものだ。
やはり、凡人の自分では執務官になるという夢を叶えることなんてできない。

「やっぱり、向いていませんね、あたし。今日まで一生懸命頑張ってきたけど、何にも結果を残せなかった。
これじゃ、お兄ちゃんに合わせる顔がないです」

「そんなことはないと思うよ。ティアナが心の底から好きだって思える人なんだから、
お兄さんもきっと褒めてくれるよ。けど、無茶をしてみんなに迷惑をかけちゃったことは、怒られるかも」

「ははっ……………すみません、あの時はご迷惑をおかけしました。いいえ、その後も。
今朝の模擬戦だって、何の相談もなく勝手なことしちゃって」

「それはお相子……………にしたいけど、わたしのミス。アグスタでの後、もっとちゃんと話し合っておくべきだったね。
わたしがティアナ達にしている教導に、どんな意味があるのかとか。これから、ティアナ達はどんな風に強くなりたいとか
ごめんね。いっぱい悩んで、苦しかったよね」

「なのはさん…………………」

ゆっくりと体を起こし、もたれかかるようになのはの肩に体重を預ける。
伝わってくる温もりは温かく、大きな力に守られているかのような安心を覚える。
記憶にはないが、母親というものはこんな風に安らぎを与えてくれる存在なのかもしれない。

98Lyrical StrikerS 第9話その3②:2010/01/31(日) 20:29:13 ID:JusOVd1Y
「わたしもね、ティアナと同じだったんだ。わたしはティアナみたいにちゃんとした魔法の勉強をしてこなかったから、
魔法を使い始めた頃は凄く歪で、空を飛ぶことと砲撃しかできない魔導師だった」

「なのはさんが、ですか?」

突然の告白に、ティアナは目を丸くする。
教導隊の若きエースともなれば、新人の頃から一通りの魔法は使いこなせているものと勝手に思い込んでいた。
だが、意外にもなのはは自分が教え子と同じく無才であったと照れながら告白する。
かつての自分を恥じるその姿は、先程まで鬼神の如き迫力を纏っていた魔導師とはとても同じ人物とは思えぬほどギャップがあった。

「飛行と砲撃はすぐに使えたけど、思念制御が難しかったから、誘導操作弾を覚えるのに結構時間がかかってね。
近接とか補助魔法とか、基礎の分野ってほとんど練習してこなかったんだ。でも、それだけじゃいけないと思って、
局入りした時に訓練校で勉強し直したんだけど…………………………」

苦い思い出でもあるのか、なのはは複雑な笑みを浮かべてティアナの肩に手を置く。

「まだ体も出来上がる前に無茶な訓練を続けてきたせいでね、任務中に反応が遅れて後ろからグサって。
その場にいたヴィータ副隊長が助けてくれなかったら、きっと助からなかったと思う。
誰の迷惑にもならないように強くなろうって頑張ってきたのに、その無茶のせいで死にかけてちゃ世話ないよね」

なのはは悪戯が見つかった子どものようにバツの悪い笑みを浮かべ、ティアナの肩をそっと撫でる。
先程までの模擬戦で胸の内の思いを全て吐き出した為か、今は彼女の言葉を冷静に受け止めることができる。
なのははかつて、己の限界も弁えず無理をし続けたが為にその羽根を折られてしまった。
彼女をそこまで追い込む程の訓練が、どれほど過酷なものだったのかは想像できないが、決して褒められる行為ではない。
そして、それは自分にも当てはまることであった。
明日の訓練や緊急出動のことも考えず、体が動かなくなるまでがむしゃらに続けた自主訓練。
自分の力で結果を残すことに拘り、チームプレイを逸脱した行為。
落ち着いて考えれば容易に察することができたはずだ。それらの行為がチームに取って大きな負担となり、
自分自身をも追い込んでいたことに。

「あたし、強くならなきゃって思ったんです。お兄ちゃんの夢を継ぐためにも、部隊のみんなに迷惑をかけないためにも。
だから、新しい魔法を覚えて、実力を証明しなくちゃいけないって。そう思い込んだら、もう頭の中が真っ白になっちゃって」

「わたしの教導、地味だから焦っちゃったんだね。教導隊の任務じゃ、経験のある人にしか教導しないから、
こんな風に長いスパンで実戦経験のない新人を育てるのって初めてで、少し丁寧にやり過ぎたのかも。
駄目だね。丈夫な体を作る為の基礎訓練なのに、そればっかりに固執して教導目的をみんなに教えなかった。
みんな良い子で覚えも良いから、きっとわかってくれているって。そんな風に考えていた。これじゃ、先生失格だね」

「けど……………最後に魔力弾を撃ち落とせたのは、きっとなのはさんの訓練のおかげです。
あの時、頭の中が空っぽになって、訓練の時みたいに体が自然と動いて……………………」

「きっかけはそうかもしれないけど、弾を撃ち落とせたのはティアナの実力だよ」

「あれはそれをわからせるために? だからって、あれはやり過ぎです」

ほんの一瞬とはいえ、自分の人生はここで終わってしまうのかという絶望に心が支配された。
出来る事なら、あんな底冷えするような恐怖は二度と味わいたくない。
そんな風に非難がましい目でなのはを見上げると、バツが悪そうな表情を浮かべて目を逸らされる。
どうやら、やり過ぎたという自覚はあるようだ。逆に言うならば、それくらいの荒療治をしなければ、
自分は成長できなかったということになる。

99Lyrical StrikerS 第9話その3③:2010/01/31(日) 20:30:16 ID:JusOVd1Y
「本当にあれは………………ごめんなさい。でも、ティアナは自分のこと、才能のない凡人なんて言っていたけど、
それが間違っているって事がわかったよね。フォワードのみんなはまだ原石の状態だから、でこぼこだらけで価値もまだわからないかもしれないけど、
磨いていく内にどんどん輝く部分が見えてくる。エリオはスピード、キャロは優しい支援魔法、スバルちゃんはクロスレンジの爆発力、
3人を指揮するティアナは射撃と幻術で仲間を守って、知恵と勇気でどんな状況でも切り抜ける。そんなチームが理想形で、
ゆっくりだけどその形に近づいていってる。一番魅力的な部分を蔑ろにして慌てて他のことをやろうとするから、
危なっかしくなっちゃうんだよって教えたかったんだけど、そういう目的で訓練させていたって言えば良かったよね」

「今朝の模擬戦みたいに、付け焼刃の技術じゃ簡単に捌かれちゃうってことですよね?」

「特にクロスはね、反射神経だけじゃ玄人の剣戟なんて受け止めることもできないよ。
本格的に身に付けようと思ったらそれなりの時間が必要なんだけど、今は出動がすぐにもあるかもしれないでしょ。
だから、もう使いこなせている武器をもっともっと確実なものにしてあげたかった。
ティアナの魔法って、工夫次第で色んな事が出来るし、わたしの防御だってちゃんと抜けるんだよ。
誘導操作弾の応用、幻術のバリエーション、砲撃にクロスレンジ、集束砲。
教えてあげたいことがたくさんあるけれど…………………………」

「ちょっ、ちょっと待って下さい!」

何気なく告げられた習得課題の中で聞き捨てられない単語を見つけ、ティアナは素っ頓狂な声を上げる。
まさかと思うが、彼女はSランクスキルである集束技術を自分に教えると言ったのだろうか?

「もちろん、最初からそのつもりだったよ。ティアナにはわたしの全部を受け継いで欲しいからね」

「そんな、いくらなんでもそれは無理です! その、努力がどうこうじゃなくて、
資格というか…………………あたしよりももっと、相応しい子がいると思います」

完全なる不意打ちにパニックを起こしながらも、ティアナは思い付いた反論を口にする。
そう、エース・オブ・エースの全てを受け継ぐのならば、自分のような凡人よりも相応しい相手がいるはずだ。
例えば、4年間も彼女の背中を追い続けてきた少女とか。
だが、自分に対するなのはの期待はこちらが思っている以上に厚いようで、静かに頭を振られて反論を取り下げられてしまう。

「資格とか才能とか、そういうのは関係ないよ。ティアナが一生懸命だから、わたしは出来る限りの事をしてあげたいの。
それにティアナは、わたしよりもずっと上手く魔法を制御できるよ。同じ射撃型として、ずっと訓練を見続けてきたからわかるの。
大丈夫、わたしを信じて。ティアナを必ず1人前にしてあげる。高町なのはが、ティアナ・ランスターを全力全開でコーチしてあげるから」

「なのはさん……………………」

ニコリと微笑むなのはを直視できず、抱えた膝に顔を埋める。
自分なんかが彼女の後継者で良いのだろうか?
嬉しくない訳じゃない。万能無敵と嫉妬の眼差しを向けていたエースから、その実力を認められたのだ。
それは兄の無念を晴らしたいというティアナの願いが漸く形を見せ始めた証拠であった。
ただ、戸惑いが大き過ぎて素直に喜ぶことができないのだ。
それに、なのはとの模擬戦を通じてティアナの心には、今までにはなかった感情が芽生えつつあった。
兄のためではなく、自分のために戦いたいという欲求。
自分がどこまで強くなれるのかという関心。
そして、高町なのはという明確な形で現われた壁を乗り越えたいという願望。
それらと兄への思いが葛藤し、ティアナはすぐに答えを出すことができなかった。

「なのはさん、あたし………………」

もう少し考えさせて下さいと返事をするつもりで、顔を上げる。
その瞬間、目に飛び込んできたのは虚ろな表情を浮かべながら地面へと倒れ込むなのはの姿であった。

100Lyrical StrikerS 第9話その3④:2010/01/31(日) 20:30:50 ID:JusOVd1Y
「なのはさん!?」

咄嗟に腕でなのはの体を支え、土気色に染まった彼女の顔を覗き込む。
非常に苦しそうに呼吸を乱すその様は、先程まで大立ち回りを演じていた魔導師と同一人物とはとても思えない。
それくらい、今のなのはは衰弱していて脈も弱まっていた。体温もかなり落ちているようで、
春だというのに彼女の体は氷のように冷たかった。
まさかと、ティアナは表情を強張らせる。
さっきまで鉛のように自分の重かった体が、今では羽毛のように軽い。
あれほど酷かった眩暈や気だるさも今はなく、普段と何も変わらないのだ。
あれだけの激戦を繰り広げ、リンカーコアが悲鳴を上げるまで酷使したというのに、この回復の速度は余りに異常だった。
目覚めてすぐ、なのはは自分に魔力を分け与えたと言っていた。
もしも、彼女がこちらを案じて生命活動に支障が来たす程の魔力を分け与えていたとしたら?
ゾッとするような寒気が背筋を走り、ティアナは冷たくなったなのはの体を引きずるように抱えながら隊舎へと走る。
医務室にはシャマル先生がいるはず。彼女なら、きっとなのはを治療できるはずだ。

「誰か………………誰かぁっ! なのはさんが、なのはさんがぁっ!!」

いつしか暗闇に向かって呼びかけながら、ティアナは必死で人工の照明を目指して走り続けた。







はやてと共にスバルが隊舎へ戻って来たのは、全てが終わった後であった。
隊舎内を包み込む重い空気。
いつもの明るさが消え、視線を落とす隊員達。
今朝の出来事で落ち込んでいるスバルといえど、これには何かあったことを容易に察することができた。
そして、強引にエリオ達からなのはが倒れた事を聞き出したスバルは、居ても立ってもいられずに医務室を目指して駆け出した。
あの高町なのはが重篤である。しかも、その原因はティアナとの私闘にあるらしい。
どうして2人が戦わねばならなかったのか、いったい2人の間にどのような確執が生まれたのか。
まさか、自分がティアナを焚きつけて今朝の訓練での暴走を引き起こしたことが原因なのだろうか?
わからないことが多すぎて、頭の中がパニック寸前であった。
とにかく、なのはと話がしたい。
自分の思っていることを全てぶつけて、その真意を問い質したい。
だが、医務室の手前まで来た瞬間、スバルは足を止めて立ち尽くしてしまう。
開けっ放しのままの扉から漏れる照明の光と聞き慣れた人物の声。
なのはとティアナが語らう声を聞き、スバルはそれ以上前に進めなくなってしまった。

『どうして、魔力が空になるまであたしを治療したりしたんですか? そこまでしなくても、あたしは大丈夫でした。
死んだら意味がないって言ったのは、他でもないなのはさんですよ』

『うん、そうだね。でも、放っておけなかった…………………傷ついて倒れているティアナを見ていると、
堕ちた時の自分を思い出しちゃって、早く治さなきゃとか、後遺症を残しちゃいけないとか、そんな風に考えちゃったんだ。
そしたら、体が勝手に動いて、治療を始めていた。頭ではそこまでする必要はないってわかっていたのに、
傷を塞いで、魔力を分けて…………………自分の中が全部、空っぽになるまで治療を続けちゃった』

『あたし、そんなに柔に見えますか?』

『そうじゃないんだ。本当に、堕ちた時の痛みって言葉で言い表わせることができないんだ。
自分の中から大事なものを奪われるような喪失感と、全身を引き裂くかのような痛み。
心と体の両方を蝕まれる苦痛。そんな思いをティアナには……………ううん、他の誰にも味わって欲しくない。
だから、頭では魔力ダメージで気絶しているだけだってわかっていても、治さずにはいられなかった』

『お辛い思いを、されたんですね』

『もう、歩けないかもしれないって言われたから……………少し、神経質になっちゃって』

踏み込むことのできない、2人だけの世界。
自分の知らない高町なのはがそこにいた。
自分の知らないティアナ・ランスターがそこにいた。
まるで病人のように弱々しく、か細いなのはの声を聞いたことがない。
いつも他人と距離を取りたがるティアナが、こんな風に穏やかで安らいだ声を発しているのを聞いたことがない。
2人の語らいはまるで長年を共にした肉親の如き雰囲気を纏っており、自分が立ち入ってはならない部外者であるかのような錯覚を覚えてしまう。

101Lyrical StrikerS 第9話その3⑤:2010/01/31(日) 20:31:24 ID:JusOVd1Y
『ティアナ、今しか聞けないと思うから、真剣に考えて。執務官になれば、さっきの模擬戦以上の苦痛を何度も味わう事になるの。
楽な仕事なんて1つもない。時には命がけで犯罪者と戦い、大を助けるために小を切り捨てるような辛い決断もしなくちゃならない。
死ぬことだってあるかもしれない。それでも、執務官を目指すの? ティアナの正直な気持ちを、教えて欲しいの』

『それは…………………』

押し黙るティアナ。
いつもの彼女なら、迷うことなく執務官になると即答していた。
それがティアナの全てだったから。
死んだ兄の無念を晴らす為に、兄の夢であった執務官を目指す。
ティアナにとって今日まで過ごしてきた日々は、その為だけにあったと言っても過言ではない。
血の滲むような訓練も、昇進や魔導師ランクのアップに躍起になっていたのも、全てはその為だ。

『なのはさん、あたしは今日まで、お兄ちゃんの夢を果たす為に執務官を目指していました。
でも、その仕事が本当にあたしのやりたいことなのかって聞かれると、答えられないと思います。
多分、その夢はあたしと兄の繋がりなんです。同じ夢を見ているから、存在を心に刻むことができる。
繋がりを感じる事が出来る。それって、兄の死をまだ受け入れていないってことですよね』

(ティア…………………)

『でも、その夢があったからスバル達に会えたし、六課に入ることもできた。
ここで夢を諦めたら、今日まで応援してくれた人達の思いまで意味のないものになってしまうと思うんです。
それって、良くないことですよね。だから、まずはその思いに応えられる魔法使いになります。
なのはさん、答えを待って下さい。今はまず、あなたという先生に追いつきたい』

『それが、ティアナの意思?』

『お兄ちゃんには悪いかもしれませんが、今のあたしじゃ執務官の器じゃないんです。
胸を張って、高町なのはの教え子だって言えるようになるまで、その夢は保留にします』

『そっか………………わたしの責任、思っていた以上に重大だ。一日でも早く一人前にしてあげないと、
お兄さんが痺れを切らしちゃうかも』

『ははっ……………かも、しれませんね』

『不甲斐ない師匠かもしれないけど、よろしくね、ティアナ』

『はい、よろしくお願いします、先生』

(…………………っ)

冷水を浴びせられたかのような衝撃に、スバルは唇を激しく噛み締める。
最早、1秒でもその場にいる事が辛かった。
2人に悟られぬよう、足音を忍ばせてロビーへと戻る。
待機していたエリオとキャロがこちらに目を向けるが、スバルはその視線を黙殺してソファに腰を下ろす。
自分でも上手く形容することのできないもやもやとした感覚が胸中で渦巻いていた。
時計の針が時を刻むように、頭の中でカチカチと何かがぶつかっては耳障りな音が脳内に染み渡る。
それは自身の歯軋りの音であったが、動揺しているスバルはそれに気づかず、神経質そうに爪の先を弄りながら
医務室での光景を反芻していた。

102Lyrical StrikerS 第9話その3⑥:2010/01/31(日) 20:32:17 ID:JusOVd1Y
『不甲斐ない師匠かもしれないけど、よろしくね、ティアナ』

『はい、よろしくお願いします、先生』

何と言うことのないやり取りかもしれないが、スバルはそこから2人の関係に変化があった事を悟った。
なのはの期待は自分ではなくティアナへと注がれている。そして、ティアナはその期待に応えようとしている。
同じ射撃型でポジションも同じ。期待も大きいだろうし親身にもなるだろう。
それは、決して珍しい事ではない。
それでも、スバルは考えずにいられなかった。
どうして、そこにいるのが自分ではないのかと。
初めて抱く感情。
自分にはないものを他人に見出してしまう情動。
それは、嫉妬と呼ばれる感情であった。







誰かが去っていく気配を感じ取り、ティアナは会話を中断して開けっ放しの扉から顔を出す。
少しだけ薄暗い通路には人の姿はなく、足音も聞こえない。だが、空気の暖かさがさっきまでここに誰かが居たことを物語っている。

「ティアナ?」

「いえ、何でもありません。気のせいみたいです」

片手を振って何もなかったことをアピールし、お茶でも淹れようかと棚に並べられた茶葉の缶を手に取る。
その時だった。隊舎内に設置された赤色灯が点滅し、緊急出動を告げる仮想ディスプレイが周囲に浮かび上がったのは。

「スクランブル!?」

弛緩し始めていた思考が再び緊張を取り戻し、表情が冷徹な魔導師のそれへと変わる。
魔力は十全、体調にも問題はなく、改めてシャマル医務官に治療してもらった体は十二分に動く。
精神的な疲労など苦にならぬほど、今の自分は満ち足りている。
これならば、仮に戦闘が起きたとしても支障ないはずだ。

「なのはさん、行ってきます」

「待って」

踵を返そうとするティアナを呼び止め、なのはは辛そうに半身を起こして教え子と向き直る。

「クロスミラージュを出して」

「えっ? は、はい」

訝しげながらも、ティアナは待機状態のクロスミラージュを取り出す。
スクランブルがかかった場合、フォワード部隊は現行の作業を全て中断してヘリポートに集合する規則になっている。
なのはもそれは承知しているので、無駄口は挟まず受け取ったクロスミラージュを教導官権限を利用して手早く起動させていく。

「システムリミッター、リリース。モード2起動」

《Set up. Dagger Mode》

宣言と共に、クロスミラージュが変形していく。
銃身とグリップの間が開いて銃口から魔力刃が形成。更に根元からも伸びた魔力刃がグリップを握る手を守る様に囲っている。
そう言えば、最初にクロスミラージュを受け取った時になのはは、訓練の段階ごとにデバイスのリミッターを解除していくと言っていた。
あれはてっきり、デバイスの出力制限の事を言っているのだと思っていたが、形態変化の事も含まれていたようだ。
しかも、受け取ったクロスミラージュの魔力刃は今朝の模擬戦の為に自分が考えだしたダガーブレードよりも遙かに高性能で、出力も安定している。
リーチの長さも申し分なく、短剣というよりもちょっとした刀剣の類だ。
こんなにも優れた武器が最初から自分の手許に存在した事にティアナは衝撃を隠せなかった。

103Lyrical StrikerS 第9話その3⑦:2010/01/31(日) 20:33:12 ID:JusOVd1Y
「執務官を目指すようになったら、どうしても個人戦が多くなるし、将来を考えて用意はしてたんだ」

「あたしの…………………あたしの、将来の事を考えて?」

「それを伝えなかったのは、わたしの教導ミスだけどね。ちゃんと近接の基礎を教えてから解禁するつもりだったけど、
今のティアナになら託せると思うの。良い、この力は自分の身を守る為の力。わたし達センターガードの周りは、
前後左右が味方ばかり。そのわたし達が敵の攻撃に晒されるって意味、わかるよね?」

バックスが攻撃に晒されるという事は、前線が崩されて敵の接近を許してしまった事を意味する。
その時、周囲に頼れる者はいない。我が身を守れるのは我が身だけ。
その為のダガーモード。
敵を蹴散らす槍でも、全てを切り裂く剣でも、固い装甲を打ち砕く槌でもない。
訓練が必要かもしれないが、破壊力よりも取り回し易さを優先した短剣。
それも、盾としての機能も兼ね合わせてる為にナックルガードを備えた特注の短剣だ。
なのはは最初から、センターガードが前に出る事を是としていない。
得物は我が身を守る為に。そして、己が最も得意とする魔弾で敵を仕留める。
それが理想。
それが彼女の教導目的。
単独戦闘可能な射撃型魔導師としての完成こそが、機動六課で自分に課せられら課題なのだ。

「その刃が振るわれない状況を作り出すこと。視野を広く持って戦場をコントロールすること。
今はまだ、それだけを考えていれば良いから。今回の出動、後はお願いしても良い?」

「はい、未熟者ですが、あなたの代わりはあたしが必ず」

力強く頷き、医務室を後にする。
手の中で待機状態へと戻したクロスミラージュがとても重い。
この重さは、なのはからの期待の重さだ。
初めて実感した、他者からの期待。この思いに応えたい。
そして、いつの日か彼女の隣に。

「すみません、遅くなりました」

居住まいを正し、ヘリポートに整列するエリオ達の隣に立つ。
いつの間に戻って来ていたのか、スバルもいつもの位置に整列していた。

「来たか。ティアナ、やれるのか?」

「はい、ヴィータ副隊長。ご心配おかけしてしまい、申し訳ありませんでした」

「今回は海上戦だ。場所は東部海上、ガジェットⅡ型が24機。なのはが戦えない以上、
病み上がりでもお前には頑張ってもらわなきゃいけない。キャロはフリード、ティアナは輸送ヘリから援護射撃だ。
エリオとスバルは、それぞれのパートナーの護衛。空はあたしとザフィーラで押さえる」

手短に状況説明を終え、ヴィータは出動命令を下す。
後は道すがら、ヘリの中でブリーフィングだ。
既に操縦席でスタンバイしていたヴァイスは全員が乗り込んだのを確認すると、手早くパネルを操作して
ストームレイダーを離陸させる。

「ねえ、ティア。なのはさん、どうだった?」

「えっ? あ、ああ、そうね。元気よ、凄く元気」

どことなく覇気のないスバルの問いかけに違和感を感じ、ティアナは空気を変えようと不自然なまでに明るい声を上げる。
だが、初めての試みは見事に失敗に終わった。なのはならば一発でみんなを安心させられるのあろうが、
今の自分では目の前の親友1人、満足に励ますことが出来ないようだ。
仕方なく、いつもの皮肉屋な調子に戻してスバルの肩を軽く叩く。

「大丈夫よ、あんたの憧れの人でしょ。簡単に参るような人じゃないって」

「うん、そうだね…………………ねえ、良いかな? ティアにとって、なのはさんって何?」

「はい? 何よ、突然?」

「良いから、答えて」

有無を言わせぬ調子にティアナは首を傾げながらも、しばし沈黙して自分となのはの関係を思索する。
自分が彼女に対して抱いている思い。
同じ魔導師としての憧れか、それとも自分にはないものを持つことへの嫉妬か。
いや、そのどちらも持ち合わせている。高町なのはに対する良い感情も悪い感情も、全て自分の中から生まれ出でたものだ。
それを否定することは出来ない。一方では彼女を尊敬し、もう一方では妬んでいる。
だが、ハッキリと言えることが1つだけある。
高町なのははティアナ・ランスターを認め、ティアナ・ランスターは高町なのはの教えを受けたいと思っていることだ。

104Lyrical StrikerS 第9話その3⑧:2010/01/31(日) 20:34:07 ID:JusOVd1Y
「憧れの先生で、越えるべき目標かな。あたしが目指すべき魔導師の形、何だか見えた気がするの」

「そう……………そっか……………そうだよね」

力なく微笑み、スバルはこちらから視線を逸らす。
どうも、今夜のスバルからはいつもの元気が感じられない。
自分がなのはと戦っている間に、何かあったのだろうか?
だが、問い質そうと口を開いた瞬間、自分の席から立ち上がったヴィータがブリーフィングの開始を告げる。
それっきり、ティアナはスバルを問い質す機会を失ってしまうのだった。







どことも知れぬ闇の中で、1人の男が笑みを浮かべている。
絶世の美貌に刻まれた酷薄の笑み。まるで刃物で切り裂かれたかのように大きく裂けた笑みは狂気に彩られ、悪魔的な恐怖すら醸し出している。
果たして、男の笑みが純粋な好奇心のみによって浮かべられた童のそれと同じであると、何人が思い至るであろうか?

「ふむ、期待していた展開にはならなかったか。エース・オブ・エースもフェイト・テスタロッサも出て来ず、
闇の書の騎士2人と新人が4人。いやはや、私も舐められたものだね」

眼前のモニターで繰り広げられる戦いを見上げながら、スカリエッティは不満を露にする。
最も、口ではそう言いながらも視線は遠い海上で演じられている戦乙女達の戦いを見落とすまいと画面の動きを追い続けていた。
今は歪で荒削りな新人達でも、何れは戦わねばならない相手なのだ。
その日のために少しでも多くのデータを収集しておくことは、決して悪いことではない。
だが、出来る事ならばオーバーSランク達の戦力をこの目で見たかった。
その為にガジェット達を強化し、海上に放ってみたのだが、どうやら今回は当てが外れてしまったようだ。

『ドクター、間もなく24機目のガジェットが撃墜されます』

別の部屋で映像を記録していたユーノが、仮想ディスプレイの向こうで淡々と告げる。

「わかったよ、ウーノ。後でデータを纏めておいてくれ」

『了解しました。それと、先日のオークション会場からルーお嬢様が奪ってきた品物ですが……………』

「ああ、あの書物か。無事に連中の手許に届いたかな?」

『裏ルートを通じて一度は手にしたようですが、すぐに手放しているようです。その後、とある密輸組織が保持していましたが、
つい先程、機動六課による強制捜査によって押収されちます』

「なら、問題ないね。重要なのは本そのものではなくそこに記された情報さ。とある病の温床たる少女と彼女を守る銃剣の騎士の物語。
連中は生体兵器の開発に御熱心だから、その病を再現しようとしているのだろうね。何でも、完成すれば金属が沸騰する温度の中でも
活動できる代物らしい。興味深い話ではあるが、重要なファクターが2つも必要らしくてね、今の私達にそれを探す余裕はないから、
いつものように完成したところを奪おうかと思うのだけれど?」

『宜しいと思います。それで、ドクターはその情報と引き換えに何を頂いたのですか?』

ウーノの問いかけに、スカリエッティはいつも以上に笑みを吊り上げながら答える。
正に狂気の笑み、悪魔の微笑。
三日月の如き鋭い笑みは人の理から外れた彼だからこそ浮かべる事の出来る笑みだ。

105Lyrical StrikerS 第9話その3⑨:2010/01/31(日) 20:35:05 ID:JusOVd1Y
「マテリアルさ。ドゥーエが次元世界に拡散してくれた遺伝データから、遂に完成形が生まれたみたいでね。
直にミッドへ輸送されてくるようだから、輸送スケジュールを教えてもらったのさ。後は、
こちらがガジェットを差し向けるだけで良い。上手くいけば僥倖、失敗して局に奪われても使い道はある。
後は彼女が眠るべきゆりかごの修復を待つばかりだ」

引きつった笑みを浮かべながら、スカリエッティは飲みかけの紅茶を一口で飲み干し、
自身の研究を次なる段階に進めようと作業を再開する。
レリックの収集、ガジェットの強化、我が子ともいえる作品達の調整、未だ地中で眠る古代遺産の発掘。
小うるさいスポンサー達を黙らせ、出し抜く為にもやらねばならぬ事は多い。
だが、こうして祭りに備えて準備を進めていくのはとても楽しい事であった。
自分が心血を注いで磨き上げた作品達が日の目を浴びる大きな祭り。
それはきっと、そう遠くない内に開かれることだろう。

「ああ、そういえば彼もこっちに戻って来ている頃かな。上手くいけば、親友と再会できるかもしれないね。
ねえ、そう思わないかい、騎士ゼスト」







夜のネオンを遠くから眺めながら、1人の男がクラナガンを目指して車の行き交う幹線道路を歩いていた。
男が身に纏うのは襤褸切れのマントと砂埃に彩られた防護服。大都会であるクラナガンにはとても似つかわしくない、古ぼけた格好だ。
横を通り過ぎて行く車のドライバーの何人かは、こちらの姿を認めて物珍しそうな視線を投げつけてくる。
だが、男は周囲の視線など気にかけず、ひたすら真っすぐにクラナガンを目指して歩き続けていた。

「戻って来たか。ルーテシアは元気にしているだろうか?」

言ってから、自分の愚かしさに気が付いて自嘲する
幼い少女を今日まで放っておきながら、その身を案じるなどおこがましいにも程がある。
自分に彼女を愛する資格などない。己の目的の為に苦労を強い、孤独を味わわせてしまうような男が、父親面などしていい訳がない。

106Lyrical StrikerS 第9話その3⑩:2010/01/31(日) 20:35:53 ID:JusOVd1Y
「アギト、居るな」

「居るよ、旦那」

フードの中に潜り込んでいたのか、耳元で小さな囁き声が聞こえる。
端から見れば独り言を口にしているようにも見えるが、幸運なことに周囲に通行人はなく、
車のドライバーにまでは声は聞こえない。

「ルーテシアのもとへ行ってやれ。俺は少し、寄る所がある」

「えっ、でも旦那………………」

「大丈夫だ、今日は調子が良い。行ってくれ」

「うぅん……………わかったよ、旦那。それじゃ、後で合流しよう」

小さな人影がフードから飛び出し、一目散にクラナガンへと飛び去っていく。
その影が見えなくなるのを待って、男は再び歩き始めた。
孤独な少女の隣に立つのは、自分のような残骸ではなく彼女のような明るい友人であるべきだ。
彼女と触れ合うことで、少しでも少女が笑みを浮かべてくれれば幸いなのだが。

「やはり、俺に親の代わりなど出来ぬな、アルピーノ」

懺悔するように呟き、小さな相棒が飛び立った方角へと目を向ける。
ネオンで輝く大都会。その中心に立つ時空管理局地上本部の超高層タワーは、遙か郊外に位置するここからでもその威容を見る事ができる。
だが、如何に目で捉える事はできても腕を伸ばせばその絶望的なまでの距離を実感せずにはいられない。
まるで今の自分とかつての親友との距離を表わしているかのような距離感。
手を伸ばせど届かず、互いの姿も見えぬ距離。無論、声が届くこともない。
残骸へと朽ち果てた自分と未だ司法の塔に君臨する親友との間には、どうやっても埋めがたい溝が出来てしまった。
もう、あいつと言葉を交わすこともできないのか。
そんな風に考えたことは一度や二度ではない。
それでも、男は諦めずに今日まで生き抜いてきた。
己に課せられた最後の使命。否、意地と呼んでも良い。
あの男の真意を問い質さねば、死んでも死にきれない。
その為ならばどれ程の距離が離れていようとも、必ず彼のもとに辿り着く。
こうして歩み続ければ、いつかはチャンスが巡って来るはずだ。

「レジアス、お前の正義は…………………どこにある?」

男の名はゼスト・グランガイツ。
自らを屍と称する、朽ち果てた騎士であった。






                                                         to be continued

107B・A:2010/01/31(日) 20:36:29 ID:JusOVd1Y
以上です。
かくして、なのはとティアナはスールの誓いを交わしました(嘘)。
Forceネタは本筋に影響しない程度に仕込んでおきました。
何せ、本編じゃスカちゃんがアグスタから何を盗んだのか明言されていませんからね。
言ったもん勝ちですw
次回は「機動六課の休日、またの名をエリオ好敵手と巡り合うの巻、ポロリもあるよ(ガリュー的な意味で)」
となります。

108名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 20:50:17 ID:y.lCPMsU
……スバル、ヤンデレフラグ?

GJ!

109名無しさん@魔法少女:2010/01/31(日) 20:51:40 ID:xtbileuI
投下おつです!

スールの誓いって…w
なのは倒れちゃいましたね
病床の身をおして仲間のピンチに駆けつけ、血反吐を吐きながらも魔砲を打つなのは…
そんな場面が頭に浮かびましたが、魔法少女の姿じゃねーよw
原作と違いスバルの方がメンタル的に危ういかな?

110名無しさん@魔法少女:2010/02/01(月) 00:31:00 ID:wmrrhMmI
投下乙です。いつもながら流石の出来にGJ!
で、>>104にユーノが居るのは誤植デスヨネ? 一瞬、裏切ったのかと

111名無しさん@魔法少女:2010/02/01(月) 00:45:05 ID:D.qqeijI
>>110
本当だ、ありがとうございます。
キーの位置が隣り合わせなんですよね、YとUって。

>>104
× 別の部屋で映像を記録していたユーノが、
○ 別の部屋で映像を記録していたウーノが、

となります。
司書の方、お手数ですが保管の際に修正をお願いします。

112名無しさん@魔法少女:2010/02/01(月) 08:14:20 ID:4mPV7ChA
スバル×ギンガのレズSS
書いても宜しいでしょうか?

113名無しさん@魔法少女:2010/02/01(月) 08:21:13 ID:xlxqLsrY
レッツゴー!

114名無しさん@魔法少女:2010/02/01(月) 13:17:40 ID:t16s8VjY
forceの単行本GET。
雑誌では読んでなかったけど、今回の主人公男なんだな
それから、全裸で磔にされたリリィが男たちに悪戯されるの妄想したのは俺だけではないよな?

115名無しさん@魔法少女:2010/02/01(月) 14:42:56 ID:.ZrO2QGs
実験、調査と称してあれやこれや
うん、問題は無いな

116名無しさん@魔法少女:2010/02/01(月) 19:43:40 ID:xHInHyYk
SS書こうと思うんだがあちこちで入れないのでテスト
何で規制されてんだろ?

117名無しさん@魔法少女:2010/02/01(月) 19:54:50 ID:n40vz/8o
>>116
荒らしが暴れる

そいつ一人を規制するには手間がかかる

仕方ないので荒らしが使っているホストを規制する

巻き添えで規制される

こんなかんじ

118名無しさん@魔法少女:2010/02/01(月) 20:38:45 ID:xHInHyYk

どこまでの範囲で規制されてるのか分からんがとりあえず書き込める事は確認できた

119名無しさん@魔法少女:2010/02/01(月) 22:28:24 ID:g6myYamM
ここはしたらばだから2ちゃんの規制とは関係ないと思うよ
どこまで規制されているか知りたいのなら
2ちゃんの運営の「2ch規制情報」板で該当スレを探すのがいい

120名無しさん@魔法少女:2010/02/02(火) 00:29:33 ID:IlXrxLB6
最近、規制多いな。
そんなに荒らし暴れたのか?

121名無しさん@魔法少女:2010/02/02(火) 00:52:17 ID:TpMxiU5E
したらばって何のことなんだろう?
このスレを毎日楽しみにしていていまだにわからない

122名無しさん@魔法少女:2010/02/02(火) 00:57:27 ID:ICeVMRQg
>>121
Livedoor したらば掲示板ってレンタルできる掲示板、ようはこの避難所のこと
削除・規制権限が2chじゃなくて借りた人にあるから荒らしで崩壊した所の避難先に利用されてる

123名無しさん@魔法少女:2010/02/02(火) 01:10:44 ID:TpMxiU5E
なるほど

ところでこのスレで新参も投降していいのかな?

シグナム×かつての主による純愛モノ考えてるんだけど

124名無しさん@魔法少女:2010/02/02(火) 01:23:31 ID:DCrmofZE
>>123
さあ、早く書き終えて投下するんだ!

125名無しさん@魔法少女:2010/02/02(火) 02:05:06 ID:c60PxdhY
楽しみすぎるじゃないか!
別バージョンのヴィータとかつての主の純愛でもドンと来いだぜッ!!

126タピオカ:2010/02/02(火) 07:07:58 ID:moZAq.kQ
Foolish Form氏の話を読ませていただいてね、思ったんですよ
都市伝説っていいなぁ…と
なんとなくね、なのはでちょっと幽霊な事やってみたいなぁ、と思ったんですよ
魔法と言いながら、リリカルの魔法は科学技術のようですから、幽霊には対抗できないんじゃないかなぁ…と思ったわけですよ
無論人によっては「いや、魔法なんだから幽霊も倒せるだろう」と思われる方もいらっしゃるかもしれません
しかし、まぁ、科学技術の延長にしか見えないんですよ、リリカルの魔法
だから、つまり何が言いたいのかというと乙女たちを恐がらせたいな、と

・非エロ
・恐い話
・ぶっちゃけそんなに恐くない

127軌道上に幻影は疾(はし)る:2010/02/02(火) 07:13:42 ID:moZAq.kQ
「今までが嘘みたいに順調な回復ね」

唸るように言ったのは石田だ。海鳴大学病院での事である。
闇の書事件も終わり、闇の欠片事件も処理しきった年の明け。
すでに自分で脚を動かせる未来を約束されたはやてだが、一応病院に顔を出している。
原因不明だったはやての病魔の快癒に、医学で制したわけではない事に釈然としていないが石田も安堵していた。

「それじゃあ今日の検診はおしまい。シャマルさんたちにもよろしくね」
「ありがとうございました。それじゃ、また来週お願いします。行こっか、リインフィース」
「はい」

車椅子を押すのはリインフォース。はやての誕生日以降、ヴォルケンリッターはおよそ交替で車椅子を押していたが現在ほとんどリインフォースがその役目を負っている。
先が短いという事を、全員が分かっているからだ。
だから、少しでもはやてといる時間を増やそうと自然、リインフォースが車椅子に張り付いている。張り付けている。

「そうや、帰りに翠屋でシュークリーム買ってこか。まだ食べた事なかったやろ?」
「はい、シャマルから聞いたことしか」
「あれはおいしいで」
「楽しみです、とても」
「そしたら翠屋で食べて帰ろう。みんなのお土産にシュークリームや」

正午という事もあり冬にしては暖かい日だった。澄み切った空の下、病院の中庭を抜ける。
穏やかな風景だった。散歩したりタバコをふかす患者がちらほら。

「おや」

ベンチに腰掛け、こっくりこっくり舟を漕いでいたおばあちゃんがふと顔を上げる。
眠っているようなので声をかけずに通りかかったはやては車椅子の上でお辞儀した。

「おはようございます」
「おやおや、こんにちは、はやてちゃん。それと…」
「はじめまして。リインフォースと申します」
「はじめまして、空見 昼子です」

まろやかに微笑む昼子に、つられてリインフォースも頬が緩んだ。
入院患者である。通院しているはやても、12月に入院する以前から顔見知りの老婆だ。
病院の内外で有名な名物おばあちゃんなのだがその理由が、

「はやてちゃん、本当にはやてちゃんだねぇ、見違えたよ」
「そうですか? ここ最近、いろいろありまして」
「前まで言えなかった事だがねぇ、はやてちゃんに死相が見えていたんだよ…あたしゃ気の毒で気の毒で……だけどもう、消えてるよぉ」

視えるのだ。
若い頃は教師をやっていたという。病院、学校と「いわく」がつく事の多い場所でその能力は何かと噂になるらしい。
病院でも昼子が患者の死期をほのめかし、ぴたり的中させたという例は尾ひれがついてささやかれている。

「もう大丈夫です。原因がもうなくなっちゃいましたんで。それどころか家族が増えたんです」
「リインフォースさんだったねぇ、あなたが増えた家族かい?」
「はい、その通りです」
「そうかい、そうかい。よかったねぇ、よかったねぇ」

何度も何度も頷く昼子の目じりにはうっすら涙も滲んでいる。
散々、死ぬのを視てきたがそれが外れるのは希有だ。そして、こんなものは外れた方が良いに決まっている。
はやてが生き残る事をこれだけ喜ばれリインフォースも感謝と感動で胸が満ちる。
幸せな気持ちで、病院を出る事になった。
帰り際に寄った翠屋でも、美由希が歓迎してくれた。
席に着けば、水が三つ出される。

128軌道上に幻影は疾(はし)る:2010/02/02(火) 07:14:26 ID:moZAq.kQ
「ひとつ多いですよ」
「あれ? 三人…じゃないっけ?」
「ふたりですけど…?」
「あはは、見間違えちゃったみたい、ごめんね」
「いえ、別にいいですけど…」

リインフォースがシュークリーム。はやてがショートケーキ。
それぞれ口にしてからみんなのお土産にシュークリームをひとつずつ。
とりとめもない話をしながら家に帰ればもう3時を回っていた。
今家にいるのは昼寝をしているヴィータだけである。起きているならばシュークリームに飛びつく事だろう。
玄関の鍵を閉めれば、ノックされた。
はて、とリインフォースと顔を見合わせる。
特に家の周辺に誰かいた見覚えはない。それに、ノックせずともインターホンするのが普通だ。

「はい」

リインフォースがドアを開けるが、特に誰もいなかった。

「?」

不思議そうに周囲を見渡すが、やはり誰もいない。
ふたりとも怪訝な顔になるが、階段からヴィータが降りてくる音がしてそちらに気が行く。
目をこすり、半分あくびしながら手を上げる。

「あー、ふたりともお帰り」
「うん、ただいまヴィータ」
「ただいま、ヴィータ」
「シュークリーム買ってきたで、ヴィータ」
「ほんと! 翠屋だよね?」
「うん。お茶淹れよう」

ふたりをほほえましく見やりながら、リインフォースは再び鍵を閉めた。

それからシグナムが帰ってきて、シャマルとザフィーラが帰ってくるともう夕方。
全員が帰ってくるまでにヴィータがもうひと眠りするために二階に上がった。

晩御飯の準備は三人でした。シャマルとリインフォースが実践、はやてが監督である。
難航したお料理教室だったがはやての的確な指示のもと、体裁は整った。
さてお皿を並べようとしたところ、階段を下りる音がした。他全員がリビングにいるのだから、ヴィータが起きたのだろう。
そう思っていたのだが、料理を並べ終えても顔を出さない。
結局、2階まで行けばまだヴィータがまだ寝ていた。
誰かが降りてきた音は聞き違い…だったのだろうか?

何かおかしい。
はやてが薄くそう思いながらも、いつもと変わらぬ振る舞いをする。
いただきますをし、ごちそうさまをし、食器を片づければお風呂だ。
ヴィータと入る事が多かったが、やはり最近はリインフォースと一緒だ。
長いリインフォースの髪をはやてが洗うのだが、それが楽しみのひとつになっている。
代わりにリインフォースがはやての髪を洗ってくれるのだ。
わしわしとはやての髪を世界が嫉妬する髪にすれば、シャワーの温度をリインフォースが確かめる。

「さぁ、流しますよ。目を閉じてください」
「いやぁ、リインも髪洗うの上手になったなぁ」
「そんな…まだヴィータの方が上手ですよ」

はにかむリインへ鏡越しに微笑めば目を閉じた。ちょうどいいシャワーがはやての頭上から降ってくる。
丁寧に髪を梳かれれば、少しだけはやてが目を空ける。
鏡越し。誰かが立っている。ように見えた。気がした。

129軌道上に幻影は疾(はし)る:2010/02/02(火) 07:15:09 ID:moZAq.kQ
「え」

まだしたたるお湯が目に入る。思わず、目を瞑った。すぐに目を開けて振り向くが勿論リインフォースしかいない。
鏡越しにも、きょとんとしたリインフォースしか映っていない。

「どうかなさいましたか?」
「ん…いや、なんでもないよ」

変だ。
徐々に、猜疑心が確信になっていく。それが決定的になったのは、深夜だった。
冬の夜だ。寒さは厳しいものである。
しかしそれも右にヴィータ、左にリインフォースを伴った川の字になれば心も体も暖かい。
しっかり布団をかぶり、三人仲良く眠っていたがふとはやてが目を覚ます。
風が頬をなでてる感じがする。
ちょっとした寒気に目が覚めたのだ。身を起こさず部屋を見渡せば、ドアが少しだけ開いている。
きちんと閉じたはずだと思ったはやてが総毛立つ。

覗いている。誰か。眼がはやてを見詰めてくる。
悲鳴を上げた。ヴィータとリインフォースが飛び起きる。

「はやて?」
「どうなさいました?」
「だ、誰かおる! ドア!」

震えるはやてをリインフォースが抱きしめ、ヴィータが入口に駆け寄る。
誰もいない。
すぐにシグナムたちも上がってきた。

「どうなさいました?」
「はやてが誰かがいるって言ったんだけど」
「誰かが覗いてた!」
「…まさか」

はやての寝室に来るまでに、シグナムはなにも感じなかった。誰かいたとして、気づかぬほどなまっているつもりはない。
シャマルも首を振っている。八神家には依然として結界を施してある。セキュリティ代わりだ。
そして、特に怪しい反応はない。

「確かにいたのですか?」
「目が…目があってん」

ザフィーラも疑うわけではないが確認をする。達人たちがこれほどひしめく家である。
ただの不審者では侵入しただけで気取られてしかるべきだ。
それが主人の部屋にまでたどり着かれるとは。

結局その場は見間違いという事で収まった。
しかし次の日も、その次の日も何かしらおかしい事がはやてに起こり続けた。
そうしてまた病院に診察してもらう日が来る。
石田の診察もそこそこに、はやては昼子を探した。リインフォースと、念のための護衛にヴィータとザフィーラもついてきている。

「空見のばーちゃん」
「おやおや、ヴィータちゃん久しぶりだねぇ」

昼子は今日も中庭のベンチ出日向ぼっこであった。
リインフォースに車椅子を押されるはやてを遠目に認めれば昼子の顔が曇った。

「こんにちは、昼子さん」
「こんにちは、はやてちゃん。それにリインフォースちゃんにザフィーラだったねぇ。それと…」

昼子がはやてのとなりを見詰める。誰もいない。
はやてがゾッとしながら昼子の視線を倣う。誰もいない。

130軌道上に幻影は疾(はし)る:2010/02/02(火) 07:15:53 ID:moZAq.kQ
「…や、やっぱりおるんですか…?」
「……いるねぇ」
「前に来た日から、ずっとなんです…ずっと不思議な事が起こって…誰もいないのに、誰かいるんです…」
「落ち着いてはやてちゃん、大丈夫。まだ大丈夫だよ」
「でも、ずっとわたしに付きまとって来るんです。窓から覗いてきたり、携帯から変な着信があったり…」
「落ち着くんだよ、大丈夫、大丈夫だから」

昼子がなだめてもはやてが震えて止まらない。
今回ばかりはヴォルケンリッター誰もが頼りにならなかった。
誰も見えない。誰も感じない。はやてにずっとまとわりついてくるのだ。

「はやてちゃん以前死相があったけどねぇ、本当に不吉な死相だったんだ」
「はい…わたしが生き残ったのも奇跡だったって分かってます」
「それが妬ましいんだよ。死ねばよかったのにと思って付きまとってるんだ」
「…わたし…わたし…」
「大丈夫、お祓いしてもらえばまだ大丈夫な程度だよ」

すぐにはやてが従った。病院から出た足で山の方にある神社へ四人で赴いたのだった。
すっかり憔悴したはやてに、誰も気のせいだとは言えない。真剣に「何かある」と確信してはいるのだ。
しかし誰も何かできなかった。結界を強くしても、探知魔法を鋭くしても、はやてにつきまとう何かの正体を暴けないのだ。

踏切を渡れば後少しで神社という所。
リインフォースが押していた車椅子が線路の真ん中で動かなくなった。

「なにやってんだ」
「あれ?」

押しても引いても車椅子が動かない。はやてが不安そうに見上げてくる。

「おい!」
「動かないんだ! 車椅子が!」

はやての顔が蒼白になった。カンカンカンカン。遮断が降りてくる。
真っ赤になってリインフォースが精いっぱい力を込めるが駄目だった。
ヴィータと背筋を凍らせながら手伝うが、動かない。
車椅子からはやてを下ろそうとザフィーラが抱き上げるが、

「痛ッ・・・!」

まるで固定されているようにはやてが動けない。誰かが腰に抱ついているような感触がある。
電車が見えた。逆に車掌もはやてたちを見えているはずなのに減速する気配はない。

「やばいって! おい!」

魔力を込めてヴィータとリインフォースが車椅子を押すが動かない。
電車が近づいてくる。止まる気配がない。
ザフィーラが電車を止めるか、車椅子を押すか一瞬だけ判断に迷う。
車椅子を押す側に回った。
力いっぱい押す。電車が通過した。
間一髪で、車椅子を線路から押し出せた。はやての耳に、しっかりと舌打ちが聞こえた。
線路の真ん中に誰かを見た気がしたが、確認しようにも電車で見えない。

「な、なんだったんだよ…」
「ひっ…!」

少しだけはやてが衣服をまくると、腰にびったりと腕が巻きついてた痕がついていた。
急いで神社まで転がりこめば、お祓いをしてもらう。

「これでもう大丈夫です。憑いていた一人は祓いましたよ」

神主の言葉にはやては思わず涙を零しそうなほど安堵した。
もうこれで恐くない。
次の日、昼子の所に報告へ行った。
やはり中庭のベンチに座ってこっくりこっくり、船を漕いでいた。
眠っていればやはり後日また来ようと思ったが、はやてが近づくと顔を上げた。

「おはよございます」
「おやおや、はやてちゃん、こんにちは」
「昨日はありがとうございました。おかげで憑いていた一人をお祓いしてもらえました」

昼子が強張った。

「視えてるだけでもまだ五人いるよ…」

はやての耳に、しっかりと舌打ちが聞こえた。

131タピオカ:2010/02/02(火) 07:19:21 ID:moZAq.kQ
実験的な話です
と、言い訳させてくだせぇ
いつかエロと恐いの混ぜた話書きたいなぁ、と思いますので、今回はそのテスト的な

お邪魔しました

132名無しさん@魔法少女:2010/02/02(火) 08:14:19 ID:Ks/1ORkw
タイトルが富士鷹ジュピロしてる。

133名無しさん@魔法少女:2010/02/02(火) 08:33:26 ID:r0Yc7ZGs
はやてにしてもフェイトにしても、作中で妬み恨みを言われたりしてるシーンが無かったのって未だにどうかと思うんだ
あれだけ被害出しといて今はエースとか、いつ刺されたり撃たれてもおかしくないと思うんだがな

で。
ううむ…病院ネタってリリなのだと使いにくいネタなのな…
ホラー系はユーノとかすずかとか、或いはローウェル繋がりでアリサかなのは
くらいしか思いつかない。俺の発想が貧困なのかな?

ユーノで思う事。
映画のユーノは良いキャラだったが、あのアルフと戦ったのかと思うと…
アルフといいリーゼといい、あの時裏で逆レイプされてたんじゃないかと…

134名無しさん@魔法少女:2010/02/02(火) 09:34:49 ID:llo3uon2
リリカルの魔法って科学の延長上じゃなかったか?プログラムの一種のハズだし

135名無しさん@魔法少女:2010/02/02(火) 11:09:36 ID:UuL1tcYs
>>131
これははやてが発狂しそうだ…(((((( ;゚Д゚))))
続編で五人にはやてを陵辱させれば、エロ恐いのは完成では?

あと、いくらザフィーラでも電車には勝てないよなと現職運転士の俺がマジレスw

136銀河昴:2010/02/02(火) 11:30:48 ID:MzIFcGvE
今日中にスバル×ギンガのレズSSを投稿しますが、宜しいでしょうか?

137名無しさん@魔法少女:2010/02/02(火) 11:51:04 ID:MzIFcGvE
今日中にスバル×ギンガのレズSSを投稿しますが、宜しいでしょうか?

138名無しさん@魔法少女:2010/02/02(火) 12:19:20 ID:6S3KA2v6
しつこいなぁ。
返事がないってことは今は誰もいないということ
そして、誰もいないということは投下が被ることはなく、投下しても誰にも文句言われないってことだ


つまり、何が言いたいかというとだな…………
期待してるから早く投下してください!!ってことだ。

139名無しさん@魔法少女:2010/02/02(火) 12:29:20 ID:MzIFcGvE
すみません……間違って二度と投稿しちゃったんです、以後気よつけますので、宜しくお願いします

140名無しさん@魔法少女:2010/02/02(火) 12:43:33 ID:6S3KA2v6
>>139
期待してるぜ

141名無しさん@魔法少女:2010/02/02(火) 15:12:07 ID:4e1RcZZw
どっかの女子寮(或いは鹿児島の某家)から退魔師連れて来れば一発で解決じゃって思ったけど
内容がクロス気味になっちゃうし、簡単に解決されたらストーリー的に身も蓋も無い事に気づいた

142名無しさん@魔法少女:2010/02/02(火) 19:07:10 ID:VFb6KJ1g
>>141
それに、その人達とはやて、って面識ないんじゃ…




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