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新アルテミスアナザーストーリー by BiBi

1BiBi ◆8cBPUextJk:2018/05/17(木) 20:09:42
ab.0001.info.01

『はじめに』

 こんにちわ。BiBiといいます。ネット小説『生体実験』のアナザーストーリーを、ここ『したらば掲示板』に投稿していた者です。

ずっと投稿をサボっていましたが、また性懲りもなく再開させていただきます。しかも前回の続きからではなく、無謀にもオリジナルストーリーの設定を大幅に変更するという、アナザーにあるまじき暴挙をともなっての、最初からの再スタートとなります。

なお、この物語は、『SM小説 生体実験 (以降、『生体実験』、またはオリジナルストーリーと呼びます)』のアナザーストーリーです。オリジナルストーリーを既読である事を前提に書かれています。当アナザーの前に、オリジナルストーリーをお読み下さい。

下記の注意事項 >>2->>5 をお読み下さい。

17BiBi ◆8cBPUextJk:2018/05/21(月) 21:54:56
ab.0015.Cyclops1.01

『ロボットバトル1 アナザー』

 『アルテミス』が『鉄の処女』に入れられてから数時間が経過した頃、ネオガイア宇宙軍から『アルテミス』に出撃命令が下った。かつては白兵戦の天才と謳われるほどのエリート士官だった彼女には、さざなみ刑務所の囚人に身を堕とした今でも、しばしば出撃命令が下るのだ。

『アルテミス』は『鉄の処女』から出されると、傷が癒えるのも待たず、さざなみ刑務所からロボット研究所まで転送された。ロボット格納庫で彼女を迎えたのは、ピタゴラス博士とメビウス博士だった。

ピタゴラス博士はネオガイア星人の重鎮で、地球に駐留するネオガイア星人の提督を務めている。メビウス博士はロボット工学の権威で、巨大ロボット兵器キュクロプスの設計者でもある。

2人のネイガイア星人の博士は、『鉄の処女』から出されたばかりで血まみれの『アルテミス』を見て一瞬ギョッとした。しかし、この真性マゾのさざなみ刑務所での暮らしを知っているので、大騒ぎするような事はない。

 今回『アルテミス』に与えられた任務は、巨大ロボット兵器キュクロプス1号機を駆り、ロボット研究所から脱走したキュクロプス2号機を捕獲もしくは抹殺する事だった。

18BiBi ◆8cBPUextJk:2018/05/21(月) 21:55:40
ab.0016.Cyclops1.02

 ここで、キュクロプスと惑星タイタンについて、簡単に説明しておいた方が良いかも知れない。

既述の通り、キュクロプスは地球に駐留するネオガイア宇宙軍のロボット兵器だ。現在キュクロプスは2機製造されていて、稼働中のものが1号機、試作段階のものが2号機だった。

1号機はパイロットが乗り込んで操縦するタイプの有人ロボット兵器で、『アルテミス』がパイロットを務めている。2号機は惑星タイタンの巨人レアの身体をベースに作られた機体で、ロボットというよりはサイボーグに近い。

 惑星タイタンは地球から7000光年の距離にある星で、そこには身長20メートルの巨人が暮らしている。タイタンの巨人とネオガイア星人は敵対関係にあって、以前から武力衝突が絶えなかった。

レアは、惑星タイタンから地球に送られて来た、女の傭兵だ。しかし、『アルテミス』の駆るキュクロプス1号機との戦闘で重傷を負い、ネオガイア宇宙軍に捕らえられた挙句、キュクロプス2号機に改造されてしまった。その後、突発的な事故で元の自我が覚醒し、時空砲という兵器を奪い、ネオガイア星人のロボット研究所から脱走したのだ。

 時空砲というのは、ネオガイア宇宙軍の開発した、物体を別の時空間に転送する装置を応用した兵器だ。これに撃たれたら、文字通り『現世界から』完全に消滅してしまう。しかし作用原理については、不明な点が多い。

19BiBi ◆8cBPUextJk:2018/05/21(月) 21:56:32
ab.0017.Cyclops1.03

 キュクロプス1号機の出撃準備が完了した。キュクロプス1号機の操縦方法は独特だった。コクピットのシートはSMクラブにある三角木馬のような形状をしていて、シートの上にはバイブのような操縦桿が2本生えている。パイロットはこの2本を膣と直腸に挿入して、機体を操るのだ。

『アルテミス』はシートの上に跨ると、2本の操縦桿の先端をオマンコとアナルに当てがった。ゴクリと唾を飲み込むと、一気に腰を落とした。不死身体質によって再生した処女膜が、極太の操縦桿で突き破られる。
「アン……」
おもわず、甘い吐息が漏れた。

『アルテミス』の全身に、感覚を伝達するための電極が取り付けられた。これによって、キュクロプス1号機が受けた損傷を、痛覚として体感できるのだ。

(あぁ、このままオマンコとアナルをズボズボしたら、どんなに良いかしら……)
操縦桿を挿入したまま腰を振りたい欲望がこみ上げてきたが、それをなんとか抑えた。
「アルテミス。『1号機』発進します!」
どこなく上ずった声で叫んだ。

20BiBi ◆8cBPUextJk:2018/05/21(月) 21:57:14
ab.0018.Cyclops1.04

 サイボーグ手術で肉体を強化され、さらに時空砲を手にしたレアは強かった。ネオガイア宇宙軍から出撃した反重力戦車やアンドロイド兵を次々と撃退していく。そんなレアの前に、『アルテミス』の駆るキュクロプス1号機が立ちはだかった。

「貴様! また貴様かぁ!」
レアの精悍な印象を受ける美貌が、怒りに歪んだ。以前キュクロプス1号機との戦いに敗れた時の屈辱は、今でも鮮明に覚えている。

「なにを怒っているのでつか、レアたん?」
そう尋ねるのは、ネオガイア星人から生体実験を受けて透明人間にされてしまった日本人、天野孝だ。

キュクロプス2号機も、キュクロプス1号機のように股間部分にコクピットが取り付けられていて、そのコクピット内には孝が乗っているのだ。

もっとも、現在レアの身体を支配しているのは、コクピット内の孝ではなく、レア自身の意思だ。

「お前には、関係ないっ!」
レアは孝を一喝すると、キュクロプス1号機に向けてレーザーライフルを撃ちまくった。

 レアの発射したレーザーを、『アルテミス』は神技というべき操縦技術で全てかわした。『アルテミス』は宇宙戦闘機のA級ライセンスを持っていて、どのような機体も手足のように操る事ができるのだ。

 もしもレアがサイボーグに改造されていなかったら、この時点で『アルテミス』が勝利をおさめていただろう。しかしキュクロプス2号機に改造されたレアは、コンピューターを脳に埋め込まれていて、敵の動きを予測する事ができた。

21BiBi ◆8cBPUextJk:2018/05/21(月) 21:57:52
ab.0019.Cyclops1.05

「もう以前のあたしじゃないのよっ!」
レアのレーザーサーベルが一閃し、キュクロプス1号機の右腕が肩の部分で切断された。

「ひぎゃああああああ!」
キュクロプス1号機のコクピット内に、『アルテミス』の絶叫が響きわたる。

キュクロプス1号機のパイロットは、全身に取り付けられた電極を通して、機体が被る損傷と同じ感覚を得る。だから『アルテミス』も、右腕を切断される苦痛を味わったのだ。

「き、気持ち良すぎるぅぅぅ」
ただしアルテミスは真性マゾ。腕を切断されたような激痛も、脳内で快感に変換される。操縦桿を挿入されたままのオマンコが、ビュッビュッと小刻みに潮を噴いた。

「とどめだ!」
レアがキュクロプス1号機の股間部分にあるコクピットを貫こうと、レーザーサーベルを構えた。
「アァ……、あれで股間を貫かれたら……」
それを、『アルテミス』がキュクロプス1号機のコクピットの中から見つめながら、ゴクリと唾を飲み込んだ。

 その時、上空から自衛隊のジェット戦闘機の編隊が飛来し、レアに向けてミサイルを発射した。
「何だってんだよ、お前らあ!よってたかって、あたしを攻撃しやがって!」
レアが、自衛隊機に時空砲を発射した。戦闘機の1機が消滅した。どこの時空に飛ばされたのか、時空砲を使ったレア本人にも分からない。

レアが次の標的に時空砲を向けると、自衛隊機の編隊は慌てて空の彼方へ逃げて行った。

「フン。情けない連中だ」
レアがキュクロプス1号機にとどめを刺そうとレーザーサーベルを振り上げた――その時、空中にいくつもの光の玉が出現した。

光の玉は、レアが今まで見たことのない飛行艇に変わった。飛行艇は頭上に編隊を組むと、レアに向けて光線砲の集中砲火を浴びせ始めた。

「あいつらも攻撃してきやがった」
レアは飛行艇に時空砲を発射した。

時空砲が命中し、飛行艇が消滅した。しかしその直後、時空の彼方へ飛ばされたはずの飛行艇が再び現れて、レアへの攻撃を再開した。

「じ、時空砲が効かない!」
愕然とするレア。時空砲が効かない以上、この謎の飛行艇と交戦を続けるのは得策ではない。レアはキュクロプスにとどめを刺すのを断念して、その場から逃走した。

22BiBi ◆8cBPUextJk:2018/05/21(月) 21:59:01
ab.0020.Cyclops1.06

「ま、待ちなさい!」
『アルテミス』がキュクロプス1号機を起こそうと、操縦桿を挿入された腰をグイッと引いた。しかしが淫液で滑って、オマンコから操縦桿が抜けてしまった。
「しまった……」
前方を見ると、すでにレアが走り去ったあとだった。

この時、操縦桿がオマンコから抜けなければ……、『アルテミス』はレアの逃走を一瞬たりとも許す事がなかったかもしれない。そして、この後に起こる怪奇な物語も生まれなかったかも知れない。

 レアは時空砲を撃ちながら海岸に出た。そのレアの前に、片腕を失ったキュクロプス1号機が再び立ちはだかった。
「追いついたわ。ピタゴラス提督から破壊命令が出たわ」
キュクロプス1号機が、左手でレーザーライフルを構えた。

「も逃げ切れない!」
諦め気味になったレアに、
「レアたん、あきらめたら駄目ぼ。一つだけ逃げる方法があるでつ」
と、孝が妙案を提示した。

「なんだ。早く言え!」
「その時空砲で、自分を撃つでつよ」
「自分を撃つ? そうか!」

 暗く沈んでいたレアの表情に、希望の色が広がった。たしかに時空砲で自分を撃てば、別の時空間に脱出する事ができる。どんな世界に行くかはわからないが、この世界よりはマシだ。レアは時空砲を自分に向け、照射スイッチを押した。

虹色の光がレアの身体を包み込み、次の瞬間には身長20メートルの巨人の姿は跡形もなく消えていた。あとに残された『アルテミス』は、今しがたまでレアがいた場所を呆然と見つめるしかなかった。

23BiBi ◆8cBPUextJk:2018/05/21(月) 22:00:41
◆ 目次 ◆
>>1-5 はじめに:ご挨拶と注意事項

>>6-8 プロローグ:プロローグ

>>10-15 監獄にて:さざなみ刑務所の拷問

>>17-21 ロボットバトル1 アナザー:キュクロプスvsレア

24BiBi ◆8cBPUextJk:2018/05/21(月) 22:02:18
◆ 目次 ◆
>>1-5 はじめに:ご挨拶と注意事項

>>6-8 プロローグ:プロローグ

>>10-15 監獄にて:さざなみ刑務所の拷問

>>17-22 ロボットバトル1 アナザー:キュクロプスvsレア

25BiBi ◆8cBPUextJk:2018/05/27(日) 10:52:47
ab.0021.multiverse.01

『並行宇宙』

 アルテミスは薄明るい部屋の中で目を覚ました。
(今日はどんな拷問をしてもらえるのかしら)
上半身を起こそうと、硬い床についたはずの手が、柔らかいベッドに沈んだ。おもわずバランスを崩して、そのまま床に落ちた。

アルテミスが暮らす場所はさざなみ刑務所の独房で、ベッドどころかトイレすらないはずだ。

(なぜベッドで寝ているの)
不思議に思いながら、ベッドから落ちた時に床にぶつけてジンジンと痛む額をさする――、その手の動きが止まった。

指先に触れたのは、硬い超合金の仮面ではなく、柔らかい皮膚だった。慌てて自分の顔を撫でまわした。超合金の仮面をかぶっている月日があまりにも長くて、忘れかけていた自分の額、鼻、頬の感触。

決して外れる事のないはずの仮面は、跡形もなく消えていた。
「…………!?」

露わになった美貌に困惑の表情を浮かべながら、周囲をキョロキョロ見回した。そして、自分がいるのが、さざなみ刑務所の独房でない事に気づいた。

26BiBi ◆8cBPUextJk:2018/05/27(日) 10:53:43
ab.0022.multiverse.02

「ここは! どうして……、どうして私がここにいるのよ!?」
そこは見慣れたさざなみ刑務所の独房ではなかったが、アルテミスには、その場所に見覚えがあった。

「ここは、オリンポスの私の部屋……」
オリンポスとはネオガイア星の大型宇宙船で、アルテミスはそれに乗って地球にやって来たのだ。自分の部屋を見間違えるはずはない。そこはたしかに宇宙船オリンポス内の、アルテミスの居室だった。

訳が分からず、フラフラと立ち上がった。そして、自分が全裸ではなく、黒のネグリジェを着ている事に気づいた。それにも見覚えがあった。友人のアテナからプレゼントされた物だ。

 呆然とするアルテミスの耳に、壁のスピーカーから、聞き覚えのある声が入ってきた。
『白兵戦コマンド隊員は、作戦会議室に集合せよ』
声の主はペルセウスだった。

ペルセウスは、アルテミスが白兵戦コマンド部隊に所属していた時の隊長で、その後、さざなみ市の治安を統括する長官に昇進している。

「作戦会議室……。行かなくちゃ……」
想定外の事態に動揺していたアルテミスは、まるて夢遊病者のようにフラフラと部屋から出ると、作戦会議室に向かった。

27BiBi ◆8cBPUextJk:2018/05/27(日) 10:54:22
ab.0023.multiverse.03

 作戦会議室に入ると、すでに数名の隊員が来ていた。どれも懐かしい顔ばかりだ。想定外の出来事で呆然としていたアルテミスは、かつての戦友達の顔を見て、自分の現在の立場を思い出した。

ネオガイア宇宙軍の女士官アルテミスは、公式には戦死したという扱いになっている。ここにいるのは、ネオガイア星人の戸籍すら持たない、さざなみ刑務所の囚人なのだ。

「あぁ……、ごめんなさい。私には、ここに来る資格はなかったんだわ」
逃げるように部屋を飛び出そうとするアルテミスを、
「アルテミス!」
ペルセウスが呼び止めた。
「どうした? 資格がないって、何を言ってるんだ?」

「ぺ、ペルセウス長官……、私は……」
「長官? 何を言っている? 私は隊長だぞ。大丈夫か?」
「え……? アナタはさざなみ市の治安を統括する長官に……」
「さざなみ市? オイオイ、大丈夫か? 28歳の若さで認知症を発症したとか、言わんでくれよ?」
「え!? 2……8歳?」

アルテミスは言葉を失った。28歳といえば、アルテミスが宇宙船オリンポスで地球に到着した時の年齢だ。その後、人工冬眠処置をされていた年月などを加算すれば、現在は30歳を回っているはずだ。

28BiBi ◆8cBPUextJk:2018/05/27(日) 10:55:09
ab.0024.multiverse.04

アルテミスは唖然としながら、自分の両手を見下ろした。つやといい張りといい、たしかに二十代の若々しい肌だ。

「とにかく、早く席についてくれ」
ペルセウスは軽く咳払いをしてから、集まった白兵戦コマンド隊員たちを見渡した。
「さて、我々の乗る宇宙船オリンポスも、目的地の地球まで、残すところワープ1回分の距離となった。すでに地球には、ネオガイア星の調査宇宙船が到着している」

(え!? まだ地球に着いていないの?)
ペルセウスの言葉を聞いて、アルテミスは思わず叫びそうになり、慌てて手で口を押さえた。

 そんなアルテミスの顔を、隣に座っている男が心配そうに覗き込んだ。
「アルテミス、さっきから様子が変だぞ。どうしたんだ?」
男の名はテッセウス。白兵戦コマンド部隊の隊員で、アルテミスの同僚だ。

「だ、大丈夫よ。テッセウス」
「もしかして、頭をひどくぶつけて脳震盪でも起こしたのか?」
「え? 頭?」
「だってほら、額に痣ができてるぞ」

アルテミスは額に指を当てた。わずかに痛みを感じる。
(さっきベッドから落ちた時にできた痣だわ。でも、なぜ痣が残っているの?)
アルテミスの不死身体質なら、痣程度なら瞬きをする間に消えているはずだ。

29BiBi ◆8cBPUextJk:2018/05/27(日) 10:55:44
ab.0025.multiverse.05

(まさか……)
アルテミスはテッセウスに気づかれないように、自分の手の甲を爪で引っ掻いた。白磁のような肌に、赤い蚯蚓腫れが刻まれる。

5秒、10秒……。本来なら1秒とかけずに消えるはずの蚯蚓腫れは、1分経っても消えなかった。
(不死身体質でなくなっている!?)
アルテミスは、自分の手の甲を呆然と見つめた。

「船内時間で12時間後、オリンポスは地球に向けて最後のワープを行う。地球に到着後、先遣隊の調査宇宙船と合流する」
ペルセウスの話は続いていたが、その間も、アルテミスは、この異常な状況の分析に集中していた。

(もしも仮面や不死身体質の事が私の妄想でなく、これが誰かの悪戯でないとしたら、この異常な状況の原因は……)
そして、1つの仮説にたどりつき、その仮説の突拍子のなさにゴクリと唾を飲み込んだ。

(私の仮説が正しいかどうかを確かめるには……)
隣に座っている男を、横目でチラリと見た。おそらくアルテミスに特別な好意を寄せているだろうこの男は、後に、アルテミスの後任として白兵戦コマンドの隊長になっているはずだ。

30BiBi ◆8cBPUextJk:2018/05/27(日) 10:56:21
ab.0026.multiverse.06

「テッセウス」
「ん? 何だい?」
「今日は……何日だったかしら? 年号から教えて?」
「年号から? あぁ、えぇと……たしか……」

テッセウスが答えたのは、アルテミスの記憶にあるオリンポスが地球に着く、その日付だった。

(やっぱり……、この異常な状況の原因は……、私がタイムトラベルしたんだわ)
アルテミスは、自分の仮説が正しい事を確信した。

 タイムトラベルやタイムマシンの理論は、アルテミスもアカデミーでも講義を受けた。ただしタイムマシンは、その製造に高度なテクノロジーが必要なので、所有しているのはグレイを筆頭にごく一部の星間種族だけだ。

ネオガイア星人を含む大半の種族にとっては、時間旅行が可能な装置は、SF作品に登場する架空の装置とかわらない。

(これは通常のタイムトラベルではないわ。キュクロプスでレアと戦っていた時点から、肉体を置いて、意識と記憶だけがこの時代に転送されたようなタイムトラベルだわ)
アルテミスは自分の手を見つめながら、考えた。二十代のみずみずしい手の甲には、先ほどの蚯蚓腫れがまだうっすらと残っている。

31BiBi ◆8cBPUextJk:2018/05/27(日) 10:57:05
ab.0027.multiverse.07

 アルテミスがタイムトラベルについて色々思考していると、いつの間にか、ペルセウスの話が終わった。ペルセウスの話が終わると、白兵戦コマンドの隊員たちは、各々の自室に帰って行った。

テッセウスも、
「それにしてもペルセウス隊長の話は、いつも長いなぁ」
などと独り言を呟きながら席を立った。

そしてアルテミスを振り返ると、
「アルテミス。額の痣は、医療アンドロイドにきちんと治してもらえよ。ネオガイア宇宙軍随一の美女の身体に消えない傷ができたら、それこそ軍の損失だからな」
と言い残して、作戦会議室を出て行った。

作戦会議室には、アルテミスだけが1人残った。無言で椅子に座ったまま、自分の手の甲をじっと見つめている。まだ消えずに残っている蚯蚓腫れの痕を、指でそっとなぞった。

「消えない傷……」
テッセウスが別れ際に言い残した言葉を反芻して、細い喉をコクリと上下させた。

32BiBi ◆8cBPUextJk:2018/05/27(日) 11:01:31
◆ 目次 ◆
>>1-5 はじめに:ご挨拶と注意事項

>>6-8 プロローグ:プロローグ

>>10-15 監獄にて:さざなみ刑務所の拷問

>>17-22 ロボットバトル1 アナザー:キュクロプスvsレア

>>25-31 並行宇宙 : アルテミスが目を覚ますと、そこは……

33BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/01(金) 11:42:30
ab.0028.Body Modification.Artemis.1.01

『肉体改造 アルテミス 1』

「室内の掃除を始めてもよろしいでしょうか?」

アルテミスが、作戦会議室で手の甲の蚯蚓腫れを指でなでながら物思いにふけっているところを、声をかけられた。声のした方を見ると、使役用アンドロイドがクリーナーを片手に立っている。周囲を見回すと、白兵戦コマンドの隊員は、誰もいなかった。
「え、ええ、いいわ」
アルテミスは席を立つと、自分の居室に向かった。

途中、何人かの若い男の兵士とすれ違った。兵士たちは皆、アルテミスの姿を見ると、やや緊張ぎみの表情で敬礼をした。

エリート部隊といわれる白兵戦コマンドに所属し、ネオガイア宇宙軍随一の美貌の持ち主と謳われるアルテミスは、若い兵士たちにとって憧れの存在なのだ。しかし兵士たちは、自分が敬礼をした美女の瞳が妖しく潤んでいる事に、誰も気づかなかった。

 アルテミスは自室に着くや否や、身に着けている衣類をはぎ取るように脱ぎ捨てた。
「3Dミラーを起動して」
室内の空調などを管理しているコンピューターに命じた。

『了解しました』
妙に甘ったるい女の声で応答があり、素晴らしい女体の立体映像が空間に現れた。3Dミラーはその名の通り、物体を立体で映す装置だ。一部分だけを拡大したり、録画する事もできる。

3Dミラーに向かって、ブロンドの髪をかき上げた。見ると、額には、先ほど床にぶつけた時にできた痣が、まだうっすらと残っている。

34BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/01(金) 11:43:05
ab.0029.Body Modification.Artemis.1.02

 アルテミスの不死身体質は、単純な切り傷や刺し傷程度なら数秒から数十秒で、身体を真っ二つにされるような傷でも30分ほどで完治させた。

この驚異的な再生能力のおかげでアルテミスが得たものは、パーフェクトソルジャーとしての戦闘力だけではなかった。どのような凌辱や拷問も、際限なく受ける事ができるようになったのだ。重度のマゾにとって、それは非常に都合の良い事だった。

 しかし不死身になったが故に、実現不可能な拷問が1つだけあった。肉体改造である。拡張やタトゥーなどでどんなに卑猥にな姿に肉体を変形させても、不死身の体質のせいで、あっという間に元に戻ってしまうのだ。

ピアスも例外ではなかった。外れないように念入りに装着しても、勝手に抜け落ちて、ピアスが穿っていた穴もあっという間に消えてしまう。

これには、アルテミスもずいぶんと落胆させられた。そして、ネオガイア星人の生体実験によって卑猥な姿に改造させられた地球人を見るたびに、羨望のため息をこぼしたのだった。

その不死身体質が今、失われたのだ。

「ここが過去の私の部屋だとしたら、たしかここに……」
アルテミスはベッドの下を手で探った。
「あったわ」
トランクケースほどのサイズの箱を引っぱり出した。

35BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/01(金) 11:43:39
ab.0030.Body Modification.Artemis.1.03

 アルテミスは生来の真性マゾで、少女の頃から自虐オナニーに目覚めていた。宇宙軍入隊後も自虐オナニーはやめられず、むしろより過激になっていった。白兵戦コマンドの厳しい訓練でどんなに疲れていても、毎日欠かさず、狂ったように自分の肉体を嬲ったものだ。その自虐のための道具が、この箱にしまわれている。

 興奮に震える手で、箱のふたを開けた。中には、ヘラのような形をした鞭、アイスピック、マッチ棒ほどのサイズの金属製のピアスが数本、成人男性の腕をかたどったバイブなどが入っている。

アルテミスは、それらを1つずつ丁寧に取り出して、ベッドの上に並べた。どれも懐かしい物ばかりだ。

 アルテミスは床の上に仰向けになり、両足をベッドの上にのせた。クランチ――台座に足をのせて行う腹筋のトレーニング――に似た体勢だ。そのまま両脚を大きく開いた。3Dミラーに映ったオマンコは、すでに淫液で濡れている。

 鞭を手に取った。最初からオマンコを狙った。渾身の力を込めて、女体の急所に叩きつける。肉を打ちつける音が鳴り響いた。
「う……ぐぅぅぅ」
普通の女ならその場でのたうち回るほどの痛みだが、アルテミスはうめき声を漏らしただけだ。

36BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/01(金) 11:44:14
ab.0031.Body Modification.Artemis.1.04

 さらに大きく両脚を開いて、今度は強烈な連打を叩きこんだ。
「ヒィ! アグ……グゥゥゥ……」
自分の股間を3Dミラーで見ながら、狂ったようにオマンコを滅多打ちにする。

「あおぉ……に、ひぐっ……」
Oの字に開いた口から、切迫したような悲鳴がもれる。見ると、額には汗の粒が滲んでいる。

空いているもう一方の手で、乳房を鷲掴みにした。Gカップの膨らみに爪を食い込ませ、乳首をねじ切らんばかりに捻る。その乳房に、赤い斑点が描かれた。鞭が叩きつけられるたびに、オマンコから血飛沫が降りそそいだのだ。

 すでに十分早かった鞭を振り下ろすペースが、さらに早くなった。乳房や腹の上に、赤い斑点がいくつも描かれる。
「あ、あぁ、イ、イイ、イイ、イイ……」
引きつったような喘ぎ声に変わった。胸元から首すじにかけて血管が浮き上がり、皮膚にサッと朱色がさした。

「い、いく……、い……」
身体が弓なりに反りかえった。大きく開いた左右の太股がブルブルと震え、その間から噴水のように潮が噴き出した。

(不死身ではなくなったけど、絶頂すると潮を噴く体質は以前のままなのね)
自分の噴いた潮を上半身に浴びながら、アルテミスはまだ終わらぬ絶頂の波に身をまかせた。

37BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/01(金) 11:45:40
ab.0032.Body Modification.Artemis.1.05

「はぁ、はぁ、はぁ……」
やがて潮を出し尽くすと、アルテミスは息も絶えだえといった様子で、その場に横たわった。呼吸に合わせて、胸が大きく上下運動をくり返している。

呼吸が落ち着くと、気だるげに上半身を起こした。見ると、床の上が噴出した淫液でベトベトになっている。絶頂のたびに、何度でも大量の潮を噴く体質だった。自虐オナニーの時も、サディストに拷問された時も、よく脱水症状をおこさないものだと自分でも感心したものだ。

 ベッドの上からアイスピックを取った。とがった切っ先が、鈍い光沢を放っている。切っ先を乳房に当てると、皮膚に『メスブタ』とネオガイア語で文字を刻んだ。

不死身の体質ならば数秒で消えるはずの『メスブタ』は、いくら待っても消えなかった。アルテミスの顔に、まるで宝物を発見した子供のような笑みが広がる。

「消えない。消えないわ。消えないのよ」
嬉々として、左右の乳房に、卑猥な単語を次々と刻み始めた。乳房が卑猥な単語で覆いつくされると、今度は腹にアイスピックの先端を突き立てた。

「マゾ……ヘンタイ……インラン……、あぁ、私の身体がいやらしい言葉に包まれいるのね」
嬉しそうに呟きながら、3Dミラーに映る自分の身体を見つめる目には、狂気の色が混じっている。

全身を淫語で覆いつくすと、傷から流れ出た血を顔や乳房に塗りたくった。見ると、滴り落ちた血で、足元に赤い水たまりができている。

38BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/01(金) 11:46:30
ab.0033.Body Modification.Artemis.1.06

 アイスピックの先端を、右の乳首に横から当てた。アイスピックの柄を握りしめる手は血まみれで、興奮のせいでブルブルと震えている。無造作に、突き刺した。アイスピックの刃が乳首を貫通すると、柄をグリグリとねじった。

「あ、あぁあああ……、堪らないわぁ」
敏感な肉突起を襲う苦痛をたっぷりと堪能してから、アイスピックをゆっくりと引き抜いた。そして今度は、同じ乳首を縦に貫いた。

 次いで、ベッドの上からピアスを2本取り、乳首に十字に突き通した。敏感な肉突起の内部で、2本の金属棒が擦れ合う感触が心地よい。

「あぁ……素敵。ピアスをつけられた乳首に、どんなに憧れたかしら」
アルテミスはピアスで十字に貫かれた右乳首を指先で愛しげに転がしながら、欲情に狂った声音で囁いた。不死身体質だった頃は、ピアスを装着しても、押し出されるように自然に取れてしまったのだ。

 今度は左乳首をアイスピックで貫いた。
「あぁ……、これだけでイってしまいそうだわ」
根元近くまでねじ込んで、ギリギリとねじった。乳首が引きちぎれそうだ。

39BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/01(金) 11:47:07
ab.0034.Body Modification.Artemis.1.07

 そのまま両足を大きく開いた。
「コンピューター、私のオマンコの映像をもっと拡大して」
『了解しました』
3Dミラーの股間部分の映像が、さらに拡大された。
「もっとよ。クリトリスの部分を拡大してちょうだい」
『了解しました』
映像が、クリトリスのアップに変わった。

 アルテミスの普段から大ぶりのクリトリスは勃起し、それに先ほどの鞭打ちなどによる炎症が加わって、バケモノのようなサイズに膨れあがっている。

アルテミスは、3Dミラーでクリトリスを見ながら、その根元にアイスピックの切っ先を当てた。細い喉がコクリと上下する。

アイスピックの柄を少しずつ押していった。少しずつ押すのは、怖いからではない。苦痛をゆっくり味わうためだ。金属製の切っ先が、クリトリスの表面にくぼみを作る。その光景を3Dミラーで見ながら、唇をベロリと舐めた。

 プツンという感触があり、アイスピックの切っ先がクリトリスに刺さった。
「はぁ、はぁ、はぁ……。い、いいわぁ」
そのままアイスピックを前進させる。じわじわと刺さっていく。

再びプツンという感触がして、クリトリスの反対側から、アイスピックの先端が突き出た。
「アァ……、アァ……、も、もう我慢できない」
切迫したような声で叫ぶと、そのまま一気にアイスピックの根元まで突き刺した。

40BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/01(金) 11:47:51
ab.0035.Body Modification.Artemis.1.08

 クリトリスを貫通したアイスピックの柄を握る手に力をこめると、そのままドリルのようにグリグリと回転させた。
「あぉおおお……、い、いい! これだけでイキ……そ……ぅ……」
甲高い嬌声をあげた。

アイスピックの回転を、更に激しくする。しかし、クリトリスが千切れそうになっているのを3Dミラーで見て、慌てて手の動きを止めた。

クリトリスは、最大限の苦痛と快感を生んでくれる。不死身体質だった時は、千切れてもすぐに再生したが、今は違う。たった1回のオナニーで、快感の源泉を失うわけにはいかないのだ。

(不死身でなくなると、肉体改造できるのは嬉しいけど、こういう点は不便だわ)

 アルテミスは、クリトリスが千切れてしまわないように注意しながら、ゆっくりとアイスピックを引き抜いていった。敏感な肉突起の中身を金属の棒にこすられる――その恥痛だけで、絶頂に達してしまいそうだ。

 アイスピックを完全に抜き去った。見ると、クリトリスは、萎びた杏の実のようになっている。

41BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/01(金) 11:48:37

ab.0036.Body Modification.Artemis.1.09

 ベッドの上からピアスを取り、ボロボロになったクリトリスに当てた。ゆっくりとピアスの背を押す。最初に少し抵抗があったが、思ったよりもあっけなくピアスは貫通した。

「アン。もう少し時間をかけて通したかったんだけど……。アイスピックで穴を広げすぎたのかしら」

新しいピアスを取って、
「2本めよ」
今ピアスを1本貫通させたばかりのクリトリスに当てた。

今度はなかなか入らなかった。ピアスの背を指で押す。ズキズキするような痛みが心地よい。ピアスを押す指に、さらに力を加えた。ズボッという感触とともに、2本目のピアスがクリトリスを貫通した。

「あぁあああ、イ、イイわ。すごくイイのぉ……」
アルテミスは快感にブルブル身体を震わせながら、新しいピアスを手に取り、今度はそれを尿道口に突っ込んだ。敏感な尿道粘膜を金属棒にこすられる痛みが、堪らない。

42BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/01(金) 11:50:15
ab.0037.Body Modification.Artemis.1.10

 3Dミラーに自分の全身を映した。全身に卑猥な単語を刻まれ、乳首とオマンコはピアスで貫かれている。クリトリスは、腫れあがった陰唇に隠れて見えにくいが、2本のピアスに貫かれている。

「あぁ、素敵だわ。私の身体がこんなに……」
アルテミスは不死身体質が失われた事に感謝した。もし不死身体質のままだったら、今頃、全身の傷は跡形もなく消え去り、装着したピアスも勝手に抜け落ちているだろう。

 2本のバイブを手に取った。形状とサイズは、こぶしを握り締めた成人男性の腕の、肘から先の部分にそっくりだ。膣に腕を挿入されるのを好む変態女の、オナニー用に作られたバイブなのだろうか……。ただ腕と違うのは、こちらは表面がイボイボで覆われている点だ。

 アルテミスは中腰になると、両脚を大きく開いた。2本のバイブの先端を、オマンコと肛門に当てる。そして、そのまま、『突っ込む』というよりも『叩き込む』という表現がピッタリ合いそうな勢いで、根元まで挿入した。

「ひあぁあああああああああ……」
それだけで絶頂を迎えそうになった。膝から力が抜け、そのまま膝から崩れ落ちた。

43BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/01(金) 11:50:51
ab.0038.Body Modification.Artemis.1.11

「はぁ、はぁ、はぁ……。2本同時は、さすがに効くわね」
横たわったまま、3Dミラーに視線を向けた。股間から、長さが成人男性の腕くらいあったはずのバイブが2本、股間から、3センチほど生えている。残りの部分は、膣と腸の中だ。

破瓜の血は流れていない。
「処女膜はもう無かったのよね」
少し残念そうに呟いた。不死身体質だったら、処女膜を破られる痛みも味わう事が出来たのだが、今のアルテミスは不死身ではない。

 再び中腰になると、股間から生えた2本のバイブを指でつかみ、ゆっくりと引き抜き始めた。
「お、おぉおおお……」
唸るような低い声が漏れる。

完全に抜き去る直前で止めた。一呼吸置いて、根元まで一気に突き刺した。
「アヒィイイイ!」
中腰のまま、上半身が後ろに反り返った。

44BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/01(金) 11:51:23
ab.0039.Body Modification.Artemis.1.12

 なんとか体勢を整えた。そして再びバイブをゆっくりと抜き始め、完全に抜き去る手前で止めると、一気に突っ込んだ。

「はぁ、はぁ、はぁ……」
再びバイブをゆっくり抜き、一気に突っ込んだ。ゆっくり引き抜き、一気に突っ込む。ゆっくり引き抜き、一気に突っ込む。それを繰り返した。

バイブを抜き挿しする勢いが少しずつ早くなっていった。早くなる。早くなる。早くなる。
「はぁ、はぁ、は、ハ、ハ、ヒ、ヒ、ヒ……」
そして、ものすごい勢いで、オマンコと肛門を突き始めた。ズブズブと卑猥な音がする。床に淫液がポタポタと落ちた。

 バイブの勢いはさらに早くなっていった。バイブが小陰唇を貫くピアスと擦れて、カリカリと音を立てる。

「あ、あぁ、あひ、あひ、あひ……」
喘ぎ声が切迫したような声に変わった。
「あ、も、もうだめ……。イク、イクわ……」
すでに十分早かったバイブの勢いが、さらに加速した。

「あ、あぁ……、イ、イグゥゥ……」
上下の歯が噛み合わされ、『ゥゥゥ』の部分でギリギリと音を立てた。歯の隙間から顎下まで、ヨダレがスジをひいている。股間から潮が噴き出し、ビチャビチャと音を立てながら床ではじけた。

潮に続いて、オシッコがジョロジョロと漏れた。尿道に挿入されていたピアスが、オシッコで押し出されて、床に転がった。

45BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/01(金) 11:51:57
ab.0040.Body Modification.Artemis.1.13

 アルテミスは、膀胱内の液体を全て出し尽くすと、淫液とオシッコの水たまりの中に崩れ落ちた。
(あぁ、オシッコ温かいわ)
そんな事を考えながら、絶頂の余韻に耽る。

『オリンポスは6時間後に、地球に向けて最後のワープを行なう』
スピーカーから流れる船内放送を、朦朧とした意識で聞いていた。

46BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/01(金) 11:55:29
◆ 目次 ◆
>>1-5 はじめに

>>6-8 プロローグ

>>10-15 監獄にて

>>17-22 ロボットバトル1 アナザー

>>25-31 並行宇宙

>>33-45 肉体改造(アルテミス 1)

47BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/07(木) 11:01:31
ab.0041.Homecoming.01.01

『帰郷 01』

 場所は変わって、地球の衛星軌道上。そこに、小型の宇宙船が停泊していた。宇宙船オリンポスに先発隊として派遣された、ネオガイア星の調査宇宙船だ。

船長のソクラテスは、モニターに映し出された地球に関するデータを見ながら、パイロットのプラトンに尋ねた。
「地球人が我々に気づいている様子はないか?」
「はい。地球人に、我々の宇宙船を発見できる技術はありません」

「フフン、頭上にある宇宙船も探知できないのか。下等生物め……」
「はい、全くです」
2人のネオガイア星人は、侮蔑を込めた笑みを浮かべた。

ネオガイア星の宇宙船には、ステルス機能が標準装備されている。その性能は、グレイなどの高度なテクノロジーを有する種族に対しては無力だが、地球人から身を隠すには十分だった。

48BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/07(木) 11:02:38
ab.0042.Homecoming.01.02

 調査宇宙船に、1隻の宇宙船が接近してきた。拷問研究所のピタゴラス博士の宇宙船だ。拷問研究所というのは、ネオガイア星人の財団の1つだ。名称に『研究所』とついているが、その実態は、研究の名を借りて拷問を楽しむ変態クラブだ。

ピタゴラス博士は、拷問研究所の主要メンバーの1人だった。サディストとしてだけではなく科学者としても有名で、IQ300を超える頭脳の持ち主だった。

「ピタゴラス博士、オリンポスへようこそ」
拷問研究所宇宙船が調査宇宙船にドッキングすると、ソクラテスがピタゴラス博士を丁重に出迎えた。拷問研究所は、所属メンバーに政府高官や大富豪を多く抱えており、ネオガイア政府や軍に強い影響力を持っている。ピタゴラス博士はその拷問研究所の重鎮なのだ。

「あれが地球か。我々は数千年の時を隔てて、故郷へ帰ってきたのだな」
ピタゴラス博士は感慨深げに、窓越しに広がる青い星を眺めながら、
「なかなか美しい星じぁないか。噂では地球は環境の良い住みやすい星だと聞いているが、どうなんだね?」
隣に立つソクラテスに尋ねた。

「はぁ、それなんだが……、地球は、表面の大半が高濃度の塩水に覆われていて、わずかにある陸地も、砂漠や凍土といった居住に適さないした場所が多くを占めているのだよ。しかも不定期に、異常気象や地震が起きるらしい」

「何だそれは? 噂とずいぶんと違うな。それでは地球は、不動産価値の低い二等惑星という事かね?」
感慨深げに故郷の星を見つめていたピタゴラス博士は、拍子抜けしたように首を横に振った。

49BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/07(木) 11:03:28
ab.0043.Homecoming.01.03

 ネオガイア星人のピタゴラス博士が、地球の不動産価値を低いと言うには、それなりの理由があった。

 銀河系には数千億の恒星が存在し、惑星の数はさらにその数倍ある。地表に空気と水があり、生命が存在できる条件を備える星は、割合としては少数派だが、かなり多くある。広大な宇宙から見れば、地球は決して奇跡の創造物ではないのだ。

そして、光年の単位を一瞬で移動できるワープ航法を有する星間種族にとっては、そのような星の探索は、さほど難しい事ではない。

だから、地球人にとってかけがえのない地球も、ネオガイア星にとっては、『居住可能な星の1つ』にすぎないのだ。

「まぁ不動産価値が低いとはいえ、地球が我々の故郷である事には変わりない。なんとしてでも、地球を奪還しなくてはならない」
ピタゴラス博士は、少し面倒くさそうに呟いた。

「うむ。ただそうなると、地球人との戦争は避けられないでしょうな」

「そうだな。で、地球人の軍事力はどの程度なのだ?」

「全く問題にならないよ。もうすぐ宇宙船オリンポスが到着する予定だが、オリンポスに搭乗しているネオガイア宇宙軍だけでも、十分に殲滅可能だよ」

「そうか。まぁ一応念のため、オリンポスに乗っている友人のロボット工学博士に、新兵器の開発を頼んでおこう」

「新兵器? それは心強いですな」
ソクラテスは、そう答えてから、手をポンと叩いた。
「そうそう、新兵器といえば……、アテナ君が新薬を開発したらしいよ。人間のマゾに変える薬品らしくて、それを使えば、交戦しなくても地球人を奴隷にできるだろう」

「マゾ化薬だね? 拷問研究会の会員の間でも話題になっているよ。まぁ私としては、拷問して悦ばれるよりも、泣き叫ばれる方が好きなのだが……」

「フフフ。ピタゴラス博士に拷問されたら、どんなマゾでも泣き叫ぶでしょ」

「フハハハ、たしかに」

 2人のネオガイア星人は、窓越しに地球を見下ろしながら、愉快そうに笑った。今や、地球に暮らす人類の運命は、風前の灯火と化してしまった。地球人を遥かに上回るテクノロジーを有する宇宙人の前に、人類に滅亡が隷属しか道はないのだろうか……。

50BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/07(木) 11:08:02
ab.0044.Homecoming.01.04

 ここで、場所は、再び宇宙船オリンポスに戻る。オリンポスは、地球に向けて最後のワープを行なった。地球から見て月の裏側の空間に淡い紫色の光点が生じて、全長1キロメートルの宇宙船が実体化した。オリンポスにはステルス機能が備わっているので、地球人に発見される心配はない。

実体化したオリンポスは、そのまま月の外周を迂回して、ネオガイア星の調査宇宙船にドッキングした。調査宇宙船には、すでに拷問研究所の宇宙船が接合されている。

ドッキング後、オリンポスの上級幹部が調査宇宙船に乗り移った。その中には、メビウス博士や白兵戦コマンド隊長のペルセウスも含まれている。オリンポスと調査宇宙船の幹部を交えて、今後の地球奪還作戦について話し合うのだ。

 自虐オナニーで失神したアルテミスは、オリンポスが月の裏側に実体化した時には、すでに目を覚ましていた。

アルテミスはけだるげに身を起こすと、3Dミラーに自分の全身を映した。ネオガイア宇宙軍随一と謳われる完璧な女体に、卑猥な言葉とピアスが消えずに残っているのを確認すると、
「素敵……」
おもわず甘い吐息をもらした。しかし……。

(この傷とオマンコの炎症は、もしかしたら今後の任務に差し支えるかもしれないわ)
アルテミスは悩み抜いた挙句、医療用アンドロイドを呼んだ。

51BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/07(木) 11:09:03
ab.0045.Homecoming.01.05

 やって来た医療用アンドロイドが、手際よくアルテミスの全身に刻まれた傷を治療していく。全身にせっかく刻んだ卑猥な単語がみるみる小さくなっていくのを、アルテミスは名残惜しそうに見つめていた。

『乳首と性器に、金属製の異物が装着されています。除去しますか?』
自虐オナニーで装着したピアスの事だ。
「それは……、取らなくてもいいわ。気に入ってるの」

 30分ほどで、治療が完了した。全身を覆っていた傷は、目を凝らせばなんとか痕跡が分かる程度にまで快復した。数日もすれば、完全に消えるだろう。オマンコの内出血と腫れも、ほぼ治った。

実際のところ、ネオガイア星の医療技術をもってすれば、パーフェクトソルジャーの不死身性には及ばないものの、たいていの傷は治癒可能なのだ。

 アルテミスは調査宇宙船に移動した。調査宇宙船に乗っている友人、女医のアテナに会うためだ。アテナもアルテミスに会いたがっているだろう。

アルテミスが調査宇宙船に乗り込むと、その素晴らしい美貌に男たちがざわめいた。アルテミスは、男たちの憧れと欲情をブレンドしたような視線をはね返しながら、アテナの待つ部屋に向かった。

歩を進めるたびに、乳首とオマンコのピアスが衣服に擦れて、おもわず喘ぎ声が漏れそうになった。

52BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/07(木) 11:10:03
ab.0046.Homecoming.01.06

 部屋に着いたアルテミスを、アテナの笑顔が迎えた。
「久しぶりね、アルテミス」
「会いたかったわ、アテナ」
2人の美女は抱擁しあって、久々の再会を喜んだ。

アテナが、アルテミスを抱擁しながら、
(相変わらず軍人にしておくには勿体ないほどの美貌だけど……、しばらく見ないうちに少し雰囲気が変わったわね)
と、不思議そうに首を傾げた。

アテナが感じた違和感は、間違っていなかった。今のアルテミスは、肉体的にはアテナのよく知る28歳のネオガイア宇宙軍の女兵士だが、中身はさざなみ刑務所で徹底的に調教された真性マゾだ。その全身からは、『色香』というよりも『淫香』とでも呼ぶべきオーラがにじみ出ていて、それを同性のアテナは本能的に感じ取ったのだ。

53BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/07(木) 11:11:49
ab.0047.Homecoming.01.07

 アルテミスとアテナはテーブルを囲んで談笑を楽しんだ。アテナの執務室は機能的で、ともすれば殺風景な印象を受ける部屋だったが、2人の美女が談笑するその空間だけは、5つ星ホテルのラウンジのような雰囲気が漂っていた。

とりとめのない話が1時間近く続いていた。アルテミスは久々に会った友人の顔を見つめながら、感慨に耽っていた。
(私の未来の記憶では、もうすぐアテナにマゾである事を告白して、真理子様に出会うんだったわ)
真理子というのは、人間をサディストに変えるサド化薬を投与された地球人だ。

アルテミスが居た未来の世界では、アルテミスはアテナに自分の性的嗜好を打ち明け、真理子を紹介してもらったのだ。その後、さざなみ刑務所の囚人となったため、真理と再会する事はなかったが、『地球人にいじめられたい』と願望を初めて叶えてくれた真理子の事は、今でも甘い思い出として残っている。

54BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/07(木) 11:12:42
ab.0048.Homecoming.01.08

「アテナ、訊きたい事があるんだけど……」
「何?」
「タイムトラベルについてなの?」
「タイムトラベル? 随分と唐突ね。私は専門家じゃないけど……、私に分かる事なら何でも聞いて?」

アルテミスは、自分がタイムトラベルをしたかもしれない事は伏せて、タイムマシンなしでタイムトラベルが可能か否かを、アテナに尋ねた。

「そうねぇ。これは私の考えだけど……、タイムマシンやブラックホールを使用しない限り、日常遭遇する自然現象でタイムトラベルする事は不可能だと思うわ」

アテナは理知的な目でアルテミスを見つめながら、話を続けた。

「タイムトラベルが実在して、タイムマシンの製造が可能だってことは、アルテミスもアカデミーで習ったでしょ? でも実際は、質量のある物体がタイムトラベルするには、とてつもないエネルギーが必要なの。だからタイムマシンもブラックホールも利用せずに、自然現象として物体がタイムトラベルする事は、まずあり得ない思うわ」

 このアテナの考えには、アルテミスも全く異論はない。しかし、もしも……。

55BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/07(木) 11:13:34
ab.0049.Homecoming.01.09

「もしも、質量のない物、たとえば記憶や意識だけが、過去の身体にタイムトラベルするのだとしたら、どうかしら?」

「そうねぇ……、記憶や意識だけなら、質量のある物体よりは、タイムトラベルが起こりやすいかも知れないわね。それだけなら……」
アテナは、少し言葉を中断させてから、再び口を開いた。
「もしかしたら、タイムマシンじゃなくても、それに近い装置……、たとえばワープ機関や物質転送装置みたいな作用があれば、タイムトラベルが起こる可能性はあるかもしれないわね」

(ワープ機関や物質転送装置みたいな……)
アルテミスはハッと息をのんだ。
(時空砲? そうよ。私がタイムトラベルする前に戦ったレアは、時空砲を持っていたわ。あの時、時空砲の直撃は受けていないけど……、きっと時空砲がタイムトラベルの原因になったのだわ)

「ありがとう、アテナ。おかげでスッキリしたわ」
「そ……、そう? 役に立てたみたいで良かったわ」

アテナは、なぜアルテミスがタイムトラベルの話を始めたのか見当もつかなかったが、とりあえず友人の満足気な表情を見て、それで良しとした。

「それよりもアルテミス、私が開発を進めていた、ちょっとおもしろい薬の実験をするんだけど、よかったら見に来ない?」
そう言って、いたずらっぽい笑顔を浮かべた。

56BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/07(木) 11:16:10
◆ 目次 ◆
>>1-5 はじめに

>>6-8 プロローグ

>>10-15 監獄にて

>>17-22 ロボットバトル1 アナザー

>>25-31 並行宇宙

>>33-45 肉体改造(アルテミス 1)

>>47-55 帰郷1

57BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/11(月) 19:30:30
ab.0050.Yurika.001.dose.1.01

『梅本由梨香001 マゾ化薬実験1』

 ネオガイア星人のアテナは女医だった。専門は解剖学だ。

ネオガイア星の医学は地球よりも数段進んでいたので、ネオガイア星人自身の解剖学はほぼ完成の域に達していた。アテナの主な仕事は、ネオガイア星人以外の星間種族の解剖学の研究だった。これがけっこう重要な仕事で、例えば敵対関係にある星間種族の身体機能や弱点などの研究は、ネオガイア星人の宇宙戦略に欠かせなかった。

アテナには、解剖医として、もう1つ別の仕事があった。奴隷の洗脳と肉体改造である。ネオガイア星人の大半はサディストなので、この分野のニーズはかなり高かった。

58BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/11(月) 19:31:19
ab.0051.Yurika.001.dose.1.02

 ネオガイア星人のテクノロジーの1つに、X線望遠鏡というものがある。X線望遠鏡は、地球人が所有するいかなる望遠鏡よりも性能が高く、しかも遮蔽物を透視する機能も備えていた。また、名前に『X線』がついているが、鉛を含めたあらゆる金属も透視できる。

テクノロジーのもう1つに、物質転送装置というものがある。これは離れた場所に文字通り物体を転送したり、逆に離れた場所から物体を持ってくる事ができる装置だ。イメージ的には、物体をテレポートさせるような感じだ。

 地球の衛星軌道上に停泊しているネオガイア星の宇宙船にも、このX線望遠鏡と物質転送装置が装備されていて、ネオガイア星人たちはこれらの装置を使って、すでに何人もの地球人を捕獲していた。はるか上空の宇宙船から、透視機能を備えた望遠鏡で狙われて、物質転送装置で捕獲されてしまうのだから、地球人に逃れるすべはなかった。

59BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/11(月) 19:32:03
ab.0052.Yurika.001.dose.1.03

 地球人捕獲の任務に就いているのは、アリストテレスというネオガイア星人の男だった。アリストテレスは、X線望遠鏡を使って好みの地球女を物色する、という歪んだ趣味を持っていた。そして、好みの女を優先的に捕獲していた。アリストテレスの好みのタイプは、おとなしい性格の女だった。

「捕獲するなら、日本人の女がいいな。資料によると、日本の女は大和なでしこと呼ばれていて、大人しくて家庭的、料理や掃除が大好き、結婚するまで処女でいるらしい。まさに俺好みだ」

アリストテレスが何の資料を見たのかは不明だが、この誤解のせいで、捕獲される被害者には日本人が多かった。余談だが、アルテミスがもといた別の時間軸世界でも、アリストテレスは同じような誤解をしていて、育ちのよさそうな日本人の女子大生に恋をしている。

 そんなアリストテレスに、アテナから通信が入った。
「地球人を1人、捕獲してちょうだい。新薬の実験をしたいの。性別は男女どっちでもいいけど、若くて健康なのが良いわ」
「了解です」
アリストテレスはX線望遠鏡の起動スイッチを押した。

60BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/11(月) 19:32:38
ab.0053.Yurika.001.dose.1.04

 場所は変わって、ここは地球の日本の某所。ここでは、今、ゲームショーが開催されていた。広い展示会場の中には、日本をはじめ、世界各国のゲームソフトが一堂に展示され、業者やマスコミ関係者、一般客で賑わっている。

この手のイベントに花を添えるのが、イベントコンパニオンまたはキャンペーンガールと呼ばれる女性たちだ。会場内には、クライアントから配布されたユニフォームに身を包んだコンパニオンたちが、来場客たちに笑顔を振りまいている。

 梅本由梨香も、イベントコンパニオンの1人だった。年齢は23歳。イベントコンパニオンを務めるだけあって、なかなかの美人だ。配布されたユニフォームの、必要以上に丈の短いスカートからのびる脚がみずみずしい。

61BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/11(月) 19:33:11
ab.0054.Yurika.001.dose.1.05

「ユリたん」
「え? 私の事?」
由梨香が声のした方に振り向くと、40代くらいの眼鏡をした男が、スマートフォンを構えていた。この手のイベントには必ずと言っていいほど現れる、コンパニオン目当てのカメラ小僧だ。

「ユリたん、僕の事覚えてるよね?」
「え? えっと……」
「吉岡だよ。吉岡輝夫。3か月前の18日に会ったでしょ?」
「3か月前って、たしか横浜のイベント……。会ったかしら?」
「会ったよ! ユリたんを撮ってあげたでしょ?」

 吉岡は少しいらだったように声を荒げた。コンパニオンがカメラ小僧の事などいちいち覚えているはずないのだが、この男は、自分だけは例外だと思い込んでいるのだ。ストーカーになりそうな典型的なタイプだ。

「今、証拠を見せてあげるよ」
由梨香が戸惑っていると、吉岡は不満げに独り言をこぼしながら、スマホをいじり始めた。スマホに保存してある大量の女子小中学生の盗撮画像や、コンパニオンの画像の中から、由梨香の写真を探しているのだ。

「あった。ほら見て」
そう言って吉岡が顔をあげると、由梨香の姿は跡形もなく消えていた。

62BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/11(月) 19:35:20
◆ 目次 ◆
>>1-5 はじめに

>>6-8 プロローグ

>>10-15 監獄にて

>>17-22 ロボットバトル1 アナザー

>>25-31 並行宇宙

>>33-45 肉体改造(アルテミス 1)

>>47-55 帰郷1

>>57-62 梅本由梨香001 マゾ化薬実験1

63BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/20(水) 07:49:29
ab.0055.Yurika.002.dose.2.01

『梅本由梨香002 マゾ化薬実験2』

 由梨香は見たことのない部屋に実体化した。
(ここはどこ? さっきまでゲームの展示会場で、キモイ男に話しかけられて……)

不安げに室内をキョロキョロ見回した。そして自分以外に、室内に白人の女が2人いる事に気づいた。他には、SF映画に登場するロボットのような物が数体いる。

(もしかして倒れたのかしら。最近、ダイエットしすぎて貧血気味だし)
2人の白人女とロボットを交互に見つめた。
(綺麗な人だわ。どこかのゲームメーカーのコンパニオンね。ロボットみたいなのは、ゲームメーカーのオブジェなんだわ)

「あ、あの……、ここはどこですか? 日本語は分かりますか?」
由梨香は恐る恐る尋ねた。英語は苦手だった。数学や理科なども苦手だが……。

 2人の美女は、互いに顔を見合わせてクスクスと笑った。そして、年上らしき方が、
「ここはネオガイア星人の宇宙船の中。オマエは、物質転送装置でここに連れてこられたのよ」
と、日本語で答えた。

ネオガイア星人の女医アテナだ。もう1人はアテナの助手ビーナスだ。ちなみにネオガイア製の翻訳機で、日本語を含めた地球人の全ての言語を自在に使う事ができる。

64BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/20(水) 07:50:16
ab.0056.Yurika.002.dose.2.02

 由梨香は、ネオガイア星人、宇宙船、物質転送装置といった回答に実感がわかず、呆然としている。

「フフフ。下等生物の地球人には、説明しても無駄ね。この地球人を押さえて。ついでに服を脱がせて」

アテナが命じると、由梨香がゲームメーカーのオブジェだと思っていたアンドロイドが、由梨香の腕をつかんだ。

「な、何!? 嫌! やめて!」
由梨香は必死に抵抗するが、マシンのパワーに生身の人間が抗えるはずはない。イベントコンパニオンのユニフォームが、紙切れのように破られてしまった。

「随分と貧相な身体ですね」
「仕方ないわ。これがアリストテレスの好みなのよ」
アテナとビーナスは、全裸の由梨香を見下ろしながら、嘲笑を浮かべた。しかし由梨香には、恐怖と混乱で一杯で、怒りや屈辱を感じる余裕などなかった。

65BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/20(水) 07:50:56
ab.0057.Yurika.002.dose.2.03

 アテナが注射器を取り出した。それを見た由梨香が、悲鳴をあげた。注射器は色々な事を想像させるので、銃や刃物とは異質の恐怖を感じさせる。

「これはマゾ化薬よ。これを注射されると、どんな人間もマゾになるのよ」

「マ……ゾ……? 嫌です。そんな注射しないで!」
由梨香の脳裏に、変質者に誘拐された女が媚薬を注射され色情狂になる――という、よくあるポルノ作品が浮かんだ。

「泣き叫んでも無駄よ。アンドロイド、その実験体の腕を……、そうねぇ、腕じゃつまらないわね。両脚を広げて」

アンドロイドが由梨香の両脚を広げた。大きく開いた股間には、陰毛は生えていなかった。正確には、イベントコンパニオンという仕事上ハイレグの衣類を着る機会もあるので、陰毛は剃っているのだ。

「フフフ。せっかくだから、クリトリスに注射してあげるわ」
「クリ……、クリトリス!? い、いやあああああああああ!」
アテナの恐ろしい言葉を聞いて、由梨香が悲鳴をあげながら身をよじった。

66BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/20(水) 07:51:56
ab.0058.Yurika.002.dose.2.04

「うるさい!」
アテナが由梨香の頬を、拳で殴った。
「あ……ぁ……」
平手で叩かれた経験すらない由梨香は、痛みよりも、拳で殴られた事が信じられず、呆然とアテナを見上げた。

「フフフ。そうやってじっとしていればいいのよ。このマゾ化薬を投与されたら、どんなひどい目に遭っても快感を得る事ができるようになるのよ? そんな素敵な身体になれたら、きっとオマエも私に感謝するわ」
そう言って、アテナは、由梨香の陰唇を指で割り開いた。

「小さいクリトリスね。これじゃあ注射できないじゃない。もっと膨らませなさい」
アテナが、由梨香のオマンコを手で乱暴にこすった。

「ヒィィィ、い、いや……やめてぇ!」
しばらくすると、グジュグジュと音がし始め、米粒ほどしかなかったクリトリスがグリーンピースくらいに膨らみ始めた。

「あら、クリトリスが大きくなってきたわよ? こんな状況で感じてるの? マゾ化薬を投与しなくても、オマエはマゾなのかしら?」
アテナが嘲笑する。

由梨香にレズやマゾの嗜好はないし、感じてなどいない。しかし、身体の生理的反応は別だ。ゲイの嗜好のない男でも、男にペニスを弄られると勃起してしまう事があるのと同じだ。もちろん女医のアテナはそれを知っていて、わざと由梨香を侮辱しているのだ。

67BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/20(水) 07:52:55
ab.0059.Yurika.002.dose.2.05

「さぁ、そろそろいいわね。女のオマエに説明するまでもないけど、クリトリスは女体の急所よ。ここに針を刺される苦痛は想像を絶するから、覚悟しておいた方が良いわよ」
アテナがクスクスと笑った。

 由梨香は、なんとかして両脚を閉じようとしたが、アンドロイドに拘束されていて、ビクともしない。アテナの持つ注射器を見つめる両目は、恐怖と絶望を湛えている。

 アテナが、由梨香のクリトリスに注射針を当てた。
「本当は全く痛みのないネオガイア製の注射器があるんだけど、地球の原始的な注射器を使ってあげるわ」
欲情したサディストの声で囁きかけると、生贄の表情を観察しながら、わざとゆっくりと針を刺していった。

今まで恋人の愛撫しか受けた事のない敏感な肉芽に、金属の鋭い針が侵入していく。

「ぎゃあああああああああ!」
悲鳴が室内の空気をビリビリと振動させた。おそらく由梨香は、生まれてから今までで、これほど絶叫した事はないだろう。

哀れなイベントコンパニオンは、両手足をアンドロイドに拘束されて、惨たらしい暴力にさらされる女の急所を庇う事すらできないでいた。両脚を必死に閉じようとするが、マシンのパワーの前に、生身の女は無力だった。見ると、太股がブルブルと震え、血管が浮き上がっている。

ビーナスが、由梨香の苦悶の表情を見ながら、唇を舌で舐めた。アテナと同じくビーナスもサディストで、他人の苦しむ姿に欲情するのだ。

68BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/20(水) 07:53:51
ab.0060.Yurika.002.dose.2.06

 アテナは、注射針をクリトリスに刺すと、注射器の内筒をゆっくりと指で押し始めた。人間をマゾに変えてしまう悪魔の薬が、何の罪もない23歳の女の体内に侵入していく。

「ひぃ!? あひぃぃぃ……」
敏感な部分に液体が侵入してくる異様な感覚に、由梨香の神経が悲鳴をあげた。見ると、口からヨダレが垂れている。

 注射が終わると、由梨香はアンドロイドの拘束から解放された。しかし、恐ろしい苦痛のせいで軽いショック症状を起こしたのか、床の上にうずくまったまま動かない。

 そのまま失神してしまったかに見えた――が、突然立ち上がると、
「誰か、誰か助けてぇ!」
と叫びながら、まるで出口を探すネズミのように、部屋の中を無茶苦茶に走り始めた。

「フフフ。状況が分かっていないのね。ここは宇宙船の中だって、さっき話したでしょ? 外は宇宙なのよ。オマエに逃げ場はないわ」
アテナとビーナスが、楽しそうにそれを見物している。

 由梨香が急に立ち止まった。そして、その場にへたりこんだ。
「あ、え? ハァ、ハァ、ハァ……」
息があらい。

「マゾ化薬が効いてきたみたいね」
アテナが、文字通り実験動物を観察するかのような冷酷な目で、由梨香を見ている。

69BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/20(水) 07:54:31
ab.0061.Yurika.002.dose.2.07

「あ、あぁ……、何これ? クリトリスがジンジンして気持ちいい。それに、なんか嬉しい……」

マゾ化薬が、由梨香の脳と精神を侵し始めた。クリトリスの注射針で刺された傷が、気持ちよくなってきたのだ。そればかりか、誘拐され知らない場所に監禁されている――という、普通ならば恐怖でおかしくなってしまいそうな今の状況が、嬉しいのだ。

今まで感じた事のない被虐の悦びにうっとりとしている由梨香を、アテナとビーナスは嘲りの目で見下ろした。

「フフフ。オマエのように捕獲された奴隷を除けば、この宇宙船に乗っているのは、全員がネオガイア星人よ。ネオガイア星人は、大半がサディストなのよ。この意味、分かる?」

由梨香が、焦点の定まらない目で、アテナを見上げた。

「きっと皆、よってたかってオマエを拷問してくれるわ。これからの毎日は、オマエにとっては天国のような日々になるでしょうね。どう、嬉しい?」

クスクスとおかしそうに笑う2人の女医に、由梨香はひれ伏した。そして、マゾ化薬の影響で精神が退行したのか、やや舌足らずな口調で、
「は、はい。由梨香すごく嬉しいですぅ。ありがとうございますぅ」
と、何度も何度も感謝の言葉をくり返した。

70BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/20(水) 07:56:19
◆ 目次 ◆
>>1-5 はじめに ←初見の方は必ず最初にお読み下さい。

>>6-8 プロローグ

>>10-15 監獄にて

>>17-22 ロボットバトル1 アナザー

>>25-31 並行宇宙

>>33-45 肉体改造(アルテミス 1)

>>47-55 帰郷1

>>57-62 梅本由梨香001 マゾ化薬実験1

>>63-70 梅本由梨香002 マゾ化薬実験2

71BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/26(火) 12:51:25
ab.0062.Yurika.003.dose.3.01

『梅本由梨香003 マゾ化薬実験3』

 アルテミスは自室で、荷物の整理をしていた。正確には、自室にある私物を整理する事で、記憶の整理をしていた。

というのも、今のアルテミスの記憶は、この世界よりも数年後の未来からタイムトラベルしたものだった。

この世界で1日前の出来事は、アルテミスにとっては数年前の体験だから、記憶が曖昧なのだ。昨日の夕食のメニューは覚えていても、数年前のメニューは覚えていない――ようなものだ。

ただでさえ2つの時間軸の間で歴史に食い違いが起きているのに、それに加えて記憶まで曖昧では、色々と支障が生じるというものだ。

だから自室にある所持品を整理する事で、この時間軸、つまり数年前の記憶を再確認しようというのだ。

72BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/26(火) 12:52:16
ab.0063.Yurika.003.dose.3.02

(こんな事なら、日記でもつけておけば良かったわ)

軽く溜息をこぼして、クローゼットの中の整理を始めた。
(あ、これは……)
クローゼットの奥に、見覚えのある紫色のケースを見つけた。

取り出して、ふたを開けた。中には、女性ものの衣類が何枚も収まっている。アダルトグッズ専門の通販で購入した、卑猥なデザインのドレスや下着だった。

 その中から、パンティーを1枚手に取り、広げてみた。シルクのように滑らかな手触りの白い生地だが、クロッチ――股間に当たる部分――だけがボロボロで、茶色いシミが付いている。

(そういえば、このパンティをはいたまま、オマンコを鞭で叩く自虐オナニーをしたんだったわ)

クロッチの部分がボロボロなのは、あまりも激しく叩きすぎたせいだ。シミは、その時に流れ出た血と淫液の跡だ。

 当時を思い出しながら感慨に耽っていると、部屋に備え付けの通信機が呼び出し音を鳴らした。回線を開くと、相手は友人のアテナだった。

『以前アルテミスに話した、新薬の実験なんだけど。良かったら、今から私の実験室に見に来ない?』

耳をすますと、アテナの声に混じって、女の喘ぎ声が聞こえた。

73BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/26(火) 12:53:07

ab.0064.Yurika.003.dose.3.03

 アルテミスが実験室につくと、アテナが笑顔で迎えた。一緒にいるのは、アテナの助手のビーナスだ。アルテミスは、何度か会った事がある。

アルテミスはビーナスの会釈に笑顔で応えてから、室内に入り、ハッと息をのんだ。アテナの足元に、全裸の女が1人跪いているのだ。

「うふふふ。驚いた? これは地球人の女、Yurikaよ。オリンポスが到着する前から、何人もの地球人を実験体として捕獲しているの。Yurikaも、その1人よ」

アテナがクスクス笑いながら、由梨香の頭を踏みつけた。Yurikaと呼ばれた女が、嬉しそうに喘いだ。通信機から聞こえた、例の喘ぎ声だ。

「この女は、私が開発したマゾ化薬の実験体よ」

「マゾ化薬……」
アルテミスは、その薬の事を、未来の記憶で知っていた。そして、その開発の結末も……。

マゾ化薬は、地球人をマゾに変えて支配する目的で開発された薬品だった。たしかに効力は申し分なかった。しかし製造コストがかかりすぎるため、本来の目的に実用化される事はなく、ネオガイア星人の奴隷調教用に使われる事になった。マゾ化薬の開発は失敗に終わったのだ。

しかしアルテミスは、マゾ化薬開発の結末をアテナに話すのはやめた。この世界の出来事は、すでアルテミスの知る未来と微妙に違っている。それならば、この世界ではマゾ化薬が本来の目的に実用化されるかも知れない――、そう考えたからだ。

74BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/26(火) 12:53:58
ab.0065.Yurika.003.dose.3.04

 Yurikaと呼ばれるその地球人は、一心不乱にアテナのブーツの爪先を舐めていた。どれくらいの時間そうしていたのだろうか……。見ると、床の上にヨダレが水たまりを作っている。

 アテナの話によると、梅本由梨香は現在、オリンポス内に作られた奴隷収容所に監禁され、ネオガイア星人たちの慰み者となっているらしい。ただし監禁といっても、真性マゾとなった由梨香が逃亡する可能性はないので、部屋に施錠はされていない。

ネオガイア星人による拷問は激しかったが、由梨香はどんな拷問も嬉々として受け入れているという。

 待遇は、実験体として捕獲された他の地球人たちに比べると、それほど悪くはない。衣類の着用は許されなかったが、必要最小限の食事は与えられ、シャワーを浴びる事も許されていた。もちろんそれは、由梨香のためではない。栄養失調だと拷問に耐えられないし、不潔な身体では犯す気になれないからだ。

全身には拷問の傷が絶えなかったが、それらの傷も定期的に治療された。これも由梨香のためではない。あまりにも傷だらけの身体では、ネオガイア星人が拷問を楽しめないからだ。

ネオガイア星の医療技術は地球よりも遥かに進んでいるので、ひどい傷も治す事ができた。皮肉にも、拷問用の奴隷になった由梨香が、ネオガイア星の医療技術の恩恵を受けた、最初の地球人となったのだ。

75BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/26(火) 12:54:39
ab.0066.Yurika.003.dose.3.05

「美人ね」
アルテミスが、由梨香の横顔を見て呟いた。
「フフフ。アルテミスが言ったら、イヤミにしか聞こえないわよ?」
そう言って、アテナはアルテミスの完璧な美貌を見つめた。

アルテミスの言う通り、由梨香はイベントコンパニオンを務めるだけあって、十分に美人の範囲に入っていた。しかし、所詮はイベントコンパニオンやグラビアモデル、日本国内でしか通用しない女優やタレント、それとミス〇〇大レベルの『一般的な美人』だ。アルテミスには遠く及ばない。

 アテナがアルテミスに挨拶をするように命令すると、Yurikaはアルテミスに向き直って正座をした。
「マジョ奴隷のゆいかですぅ。どんなごめいえいにも、じぇったい服従しますぅ」
どれくらいの時間、アテナのブーツを舐めていたのだろう。顎に力が入らないのか、呂律が回っていない。見ると、顔の下半分がヨダレでベトベトになっている。

「転送装置で捕まったのね。ここでの生活はどう?」
「ふぁい。毎日ネオガイアしぇい人の皆様にいじめてもらえて、由梨香しゅごく幸せですぅ」
由梨香は至福の表情で答えた。

「地球に帰りたい? 家族や友人に会いたくないの?」
「ここにずっといたいですぅ。家族なんかどうでもいいんですぅ」

「そう……」
アルテミスの顔に一瞬悲しそうな表情が浮かんだのを、アテナもビーナスも気付かなかった。

76BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/26(火) 12:55:23
ab.0067.Yurika.003.dose.3.06

「フフフ。もうすぐ私たちネオガイア星人の、地球奪還作戦が始まるの。もしも戦争になれば、地球人がいっぱい死ぬわ? オマエの家族や友人も死ぬかもね。どう、悲しい?」

ビーナスがクスクス笑いながら、由梨香に残酷な現実を告げた。

「あ、あぁ……、も、もっと由梨香の髪を引っぱって下さいぃ」

しかし由梨香は、残酷な話を聞かされたにもかかわらず、うっとりとした目でアテナを見上げた。

「フフフ。家族や友人の身よりも、虐められる方が大事なの? このマゾ女!」

アテナが由梨香の顔に唾を吐きかけた。由梨香は、顔についたそれを舌で舐め取ると、美味しそうに飲みこんだ。

77BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/26(火) 12:55:56
ab.0068.Yurika.003.dose.3.08

「仰向けになりなさい!」
アテナが命じると、由梨香はその場に仰向けになった。そして命じられる事なく、両脚を大きく開いてオマンコをさらけ出す。

「あぁ、由梨香のオマンコに罰を与……フギャ……」

由梨香が話し終えるのを待たず、アテナがその顔をブーツで踏みつけた。

「フフフ、ダメよ。オマエには罰にならないもの」
アテナは由梨香の顔を踏みにじりながら、冷酷そうな笑みを浮かべた。

「そうねぇ、その代わり、オマエの口を便器代わりに使ってあげるわ。オシッコはたまってないから、ウンチを食べさせてあげる。どう、嬉しい?」

「うえいいえふぅ」
由梨香が顔を踏まれたまま、腰を上下にグラインドさせた。床に淫液がポタポタと零れ落ちる。

78BiBi ◆8cBPUextJk:2018/06/26(火) 12:58:26
◆ 目次 ◆
>>1-5 はじめに ←初見の方は必ず最初にお読み下さい。

>>6-8 プロローグ

>>10-15 監獄にて

>>17-22 ロボットバトル1 アナザー

>>25-31 並行宇宙

>>33-45 肉体改造(アルテミス 1)

>>47-55 帰郷1

>>57-62 梅本由梨香001 マゾ化薬実験1

>>63-70 梅本由梨香002 マゾ化薬実験2

>>71-78 梅本由梨香003 マゾ化薬実験3

79BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/04(水) 03:12:15
ab.0069.Yurika.004.dose.4.01

『梅本由梨香004 マゾ化薬実験4』

 アテナは自分でパンツをずり下ろすと、由梨香の顔の上に跨った。由梨香がアテナの肛門を見つめながら、まるで親鳥に餌をせがむヒナのように口を大きく開いて、舌をのばした。

アテナが腹筋に力をこめた。プスプスと小さな音がして、細めの大便が姿を現した。近くにアルテミスやビーナスがいる事を、気にしている様子はない。ネオガイア星人は性にかなり開放的で、このあたりの感覚は地球人と違うのだ。

 由梨香が、運動会のパン食い競争みたいに、大きく開いた口でアテナの大便を追いかけた。大便を口で受け止めると、ゆっくり味わうようにモグモグと咀嚼(そしゃく)した。そして、アテナの肛門から新しい大便が顔を覗かせると、頬張っていた大便を急いで飲み込み、また口を大きく開いた。

そんな由梨香を、アルテミスは羨ましそうに見つめていた。なかば無意識のうちに、由梨香が咀嚼する動きに合わせて、顎を動かしている。

 やがて、アテナが排泄を終えて、由梨香の顔の上から腰を上げた。豊かさと張りを兼ね備えた尻には、排泄物は全く付着していない。全て由梨香が舐め取ったのだ。

 室内に、大便のニオイは全く漂っていない。空調装置のセンサーが大便のニオイを感知し、あっという間に消臭したのだ。ネオガイア製の空調装置は、地球製のものよりもずっと高性能なのだ。

80BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/04(水) 03:13:11
ab.0070.Yurika.004.dose.4.02

 アテナがすっきりした顔で、アルテミスに振り返った。

「ねぇ、アルテミスも、このマゾ女の口に排泄してみない? Yurikaもアルテミスのウンチを食べたそうにしているわよ?」

アテナの言葉通り、由梨香が、物欲しそうな顔でアルテミスを見つめている。

「私が……?」
アルテミスは戸惑った。

アルテミスのオマンコには、先日の自虐オナニーの際に装着したピアスが今も付いたままだ。ここで由梨香の口に排泄したら、ピアスまみれのオマンコを友人のアテナに見られるかも知れない。

ネオガイア星人はSEXに関して開放的なので、性器にピアスが付いている事を秘密にする必要など全くないのだが……、アルテミスは、少し考えて、
「いいえ、私は遠慮しておくわ」
と答えた。それを聞いて、由梨香が残念そうな嗚咽をもらした。

(残念そうね。でもいいじゃない。だってアテナのウンチを食べられたのよ。私だって食べたいわ)
アルテミスは、由梨香の口の周りにこびりついている大便のカスを見て、コクリと唾を飲み込んだ。そして……。

「ふふふ、ウンチの代わりにいい物をあげるわ。こっちに来て」
由梨香を呼んだ。由梨香は期待に目を輝かせながら、近づいてきた。そしてアルテミスの前に跪いた。

81BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/04(水) 03:13:43
ab.0071.Yurika.004.dose.4.03

「私の唾を飲ませてあげるわ」
アルテミスが、由梨香の顔を自分の方へ引き寄せると、その口に唇を重ねた。

「ちょっと、アルテミス!? 顔か床に唾を吐けば、飲ませる事ができるわよ? その地球人の口は私の大……べ……」
アテナは慌てたが、アルテミスと由梨香の口の間からジュルジュルという音がするのを聞いて、それ以上何も言えなくなった。

 アルテミスは、由梨香に唾を口移しで飲ませるフリをしながら、本当はその口の周囲に付着しているアテナの大便を舐め取っていた。苦味とも渋味とも区別のつかない味が、口腔内に広がる。

綺麗に舐め取ると、今度は由梨香の唇の間に舌をねじ込んで、歯の前面に付着した大便をベロベロと舐めまわした。

 横目でアテナを見ると、戸惑ったようにこちらを見ている。ビーナスも驚いたような表情を浮かべている。
(あぁ、今、アテナのウンチを食べているのね)
友人の排泄物を、下等な地球人から口移しで食べる――その異常な行為に、マゾの脳が蕩けていく。

歯に付着した大便を全て舐め取ると、舌先で、由梨香の閉じた歯をつついた。すぐに由梨香はその意味を理解して、上下の歯を開けた。すかさず歯の間に舌をねじ込んで、口腔内に残ったアテナの大便を舐め取った。

82BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/04(水) 03:14:17

ab.0072.Yurika.004.dose.4.04

 舌同士が絡み合い、唾液と大便を混ぜ合わせた。苦味のある生暖かい粘液が、2人のマゾ女の口の間を往復する。

 その粘液を由梨香が飲もうとした。すかさずアルテミスの指が、由梨香の喉に食い込む。
(ダメよ。これは私の物よ)
アルテミスの殺気にも似た眼光が、由梨香を硬直させた。
(フフフ、いい子ね)
アルテミスの舌が、由梨香の口腔内にたまった粘液を掬い取る。細い喉がゴクリゴクリと上下した。

(アテナのウンチをくれたお礼に、こうしてあげるわ)
アルテミスは指先で、由梨香の乳首をつまんだ。由梨香が少し残念そうに喘いだ。

(あら、マゾのくせに贅沢ね)
乳首をつまむ指先から爪先に変えると、由梨香の瞳が嬉しそうに輝いた。

そのまま指に力を込める。
「ングゥゥゥ……」
さらに爪を食い込ませたまま、ギリギリとねじった。
「ふぎぃぃぃ……」
由梨香が涙をためた瞳で、すがるように、アルテミスの目を見つめた。
「もっとしてほしい?」
アルテミスが目で問うと、由梨香がコクコクと頷いた。

 アルテミスは、由梨香の口腔内を、大便の味がしなくなるまで舐め続けた。その間、由梨香の乳首をねじり続けた。

83BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/04(水) 03:14:51
ab.0073.Yurika.004.dose.4.05

 アテナとビーナスは、アルテミスの予想外の行動にしばらく唖然としていたが、アルテミスがマゾだとは気づく事はなかった。そもそもネオガイア星人の中でマゾの占める割合は極めて低く、よもや自分の身近にマゾがいるなどとは考えもしない。

「ま、とりあえず……」
アテナが軽く咳払いをして、
「マゾ化薬の効果は実証されたわ。次は、効果の強さを数値で計測できればいいんだけど……」
独り言を呟いた。

それを聞いたビーナスが、
「それについては、私に当てがあります」
と答えた。

84BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/04(水) 03:17:19
◆ 目次 ◆
>>1-5 はじめに ←初見の方は必ず最初にお読み下さい。

>>6-8 プロローグ

>>10-15 監獄にて

>>17-22 ロボットバトル1 アナザー

>>25-31 並行宇宙

>>33-45 肉体改造(アルテミス 1)

>>47-55 帰郷1

>>57-84 梅本由梨香001〜004 マゾ化薬実験1〜4

85BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/09(月) 20:09:22
ab.0074.Cyclops-P.01.01

『キュクロプスP 01』

 宇宙船オリンポスは、先遣隊の調査宇宙船と拷問研究所の宇宙船をその巨大な船体に接合させたまま、地球の衛星軌道上に停泊していた。船体はステルス化されて、地球人に発見される事はない。

全長1キロメートルの船体は、それ自体が1つの都市といっても過言ではなかった。実際、船内には都市の機能が全てそろっていた。

オリンポスの一画に、ロボット研究所があった。そこの所長メビウス博士は、ネオガイア星のロボット工学の権威で、ネオガイア宇宙軍の兵器開発にも携わっている。

ある日、メビウス博士は、ネオガイア宇宙軍に、一番優秀なパイロットを派遣するように要請を出した。

86BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/09(月) 20:10:01
ab.0075.Cyclops-P.01.02

 30分ほどしてやって来た宇宙軍兵士を見て、博士は目を丸く見開いた。そして宇宙軍に通信回線を開いた。
「これはどういう事だ? 私は、一番の美女ではなく、一番のパイロットを要請したんだぞ?」

メビウス博士のクレームに対する宇宙軍からの返答は、
「はい。ですから、彼女が一番優秀なパイロットなのです」
だった。メビウス博士は、なかば信じられないといった表情で、ドアの前に立つ美女を見つめた。

「白兵戦コマンドからまいりましたアルテミスです」
意志の強さと艶めかしさを兼ね備えた少しハスキーな声に、メビウス博士はおもわず口元を緩めた。

 2人が会うのは、この時間軸世界では、これが初めてだった。
(メビウス博士、少し若いわね)
アルテミスはメビウス博士を見て、ふと思った。この世界はアルテミスがいた世界よりも数年過去のものなので、2人とも若いのだ。

87BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/09(月) 20:10:42
ab.0076.Cyclops-P.01.03

 メビウス博士はしばらくアルテミスの美貌に見とれていたが、やがて我に返ると、壁に取り付けられたコントローラーに手を触れた。反対側の壁がシャッターのように上にスライドした。その奥には、格納庫が広がっている。

「友人のピタゴラス博士から開発を依頼されていた、新兵器が完成してね。そのテストパイロットを、キミにやってもらいたいのだ」 

 メビウス博士が格納庫の中に入り、アルテミスがそれに続いた。アルテミスは、前の世界ではロボット研究所を訪れた事はあるが、この世界で宇宙船オリンポス内のロボット研究所に足を踏み入れるのはこれが初めてだ。

野球場がすっぽり収まりそうな広い格納庫内には、様々な形状のロボットが並んでいる。中には、アルテミスが初めて目にするロボットもあった。

88BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/09(月) 20:11:12
ab.0077.Cyclops-P.01.04

 メビウス博士が、1機のロボットの前で歩を止め、アルテミスに振り返った。アルテミスは、そのロボットの形を見て、
「え? これって……」
と、小さく呟いた。

それは、ヒトのペニスにそっくりだった。勃起状態ではなく萎びた、そして仮性包茎のペニスだ。ただしサイズは、ペニスよりもはるかに巨大だ。

円筒状の本体部分、ペニスにたとえるなら陰茎にあたる部分は、全長が約6メートル、直径が約2メートルある。そして後尾には、直径2メートルほどの球体が2つ付いていて、まさに睾丸のようだ。さらにこの球体の周囲には、何本もの触手が生えていて、それはまるで陰毛のように見える。

「地球奪還のために開発した新兵器、ペニス型巨大ロボット兵器キュクロプスPだ」
メビウス博士が、得意げに新兵器を紹介する。

「キュク……」
アルテミスは、瞳を大きく見開いた。
(ヒト型じゃなくて、ペニス型? どういう事なの? そもそもキュクロプスが製造されるのは、オリンポスが地球に到着した後のはず)
アルテミスは訝しげな表情を浮かべながら、眼前のペニスそっくりなロボットを見つめた。

89BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/09(月) 20:11:52
ab.0078.Cyclops-P.01.05

 そんなアルテミスの疑問などつゆほども知らないメビウス博士は、得意げにキュクロプスPの紹介を続けた。

それによると、キュクロプスPは1人乗りの戦闘ロボットで、宇宙空間の飛行も可能らしい。短距離のワープ機能も備えている。陰毛のような触手を使って、地上や水中の移動も可能だ。ちなみに、この触手はマジックハンドのような機能も備えている。

武装は、先端部分、ペニスにたとえるなら亀頭にあたる部分に、レーザー砲を装備している。さらに後部の2つの球体、睾丸にあたる部分は100メガトン級の核爆弾になっている。

 アルテミスは興味津々といった様子で、このペニスそっくりな機体を観察した。そして、コクピットらしきものが見当たらない事に気づいた。

「博士、キュクロプスPのコクピットはどこですか?」
「本体を覆っている外殻は、伸縮可能な特殊強化ゴムでできている。それを剥けば、コクピットがある」

アルテミスはキュクロプスPに触れてみた。たしかにメビウス博士の言う通り、キュクロプスPの本体部分は、ゴムのような外殻で包まれている。

(この外殻、仮性包茎のペニスの包皮みたいだわ)
少しドキドキしながら、亀頭そっくりの先端部分まで包む外殻に両手をかけた。そして、文字通りペニスの包皮を剥くように、外殻をめくった。

90BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/09(月) 20:14:27
◆ 目次 ◆
>>1-5 はじめに ←初見の方は必ず最初にお読み下さい。

>>6-8 プロローグ

>>10-15 監獄にて

>>17-22 ロボットバトル1 アナザー

>>25-31 並行宇宙

>>33-45 肉体改造(アルテミス 1)

>>47-55 帰郷1

>>57-84 梅本由梨香001〜004 マゾ化薬実験1〜4

>>85-89 キュクロプスP01

91BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/13(金) 17:12:24
ab.0079.Cyclops-P.02.01

『キュクロプスP 02』

 外殻を剥くと、その下にコクピットが現れた。狭いが、ヒトが1人入るくらいのスペースは十分にある。真ん中にパイロット用のシートがあり、それを複数のモニターが囲んでいる。シート正面にあるモニターは、機体の前方を映すメインモニターだ。

 アルテミスがキュクロプスPのシートを見て、訝しげに眉を寄せた。ヒト型ロボット兵器キュクロプスのような三角木馬タイプではなく、通常のシートなのだ。操縦桿も、シートの股間部分ではなく、左右のひじ掛けに取り付けられている。

「メビウス博士。シートの左右に操縦桿があっては、挿入できないのでは?」
「挿入? 何を言っているんだ?」
「え? あの……、操縦桿は、どうやって動かすのですか?」
「手で握って、だが?」

前にいた時間軸では、キュクロプスの操縦桿は腟と肛門に挿入したのだ。操縦桿で敏感な穴を抉られるたびに、アルテミスは快感に身体を震わせたものだ。それなのに、この世界のキュクロプスは……。

92BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/13(金) 17:13:06
ab.0080.Cyclops-P.02.02

(オマンコとアナルに挿入できないの? そんなの……あんまりだわ)
アルテミスは、メビウス博士に気づかれないように小さく溜息をこぼした。

「大丈夫かね?」
「あ、は……はい」
「それならいいが……」
「あの、博士。私は何をすれば?」

「うむ。キミには、キュクロプスPのテスト飛行をやってもらいたい。機動性や加速力などのデータをとりたい」
「はい」
「そして操縦に慣れたら、模擬戦闘もしてほしい」
「操縦に慣れたら……、ですか?」

アルテミスは、キュクロプスPのコクピットの内部をざっと見回した。そして、
「コクピットの構造は、宇宙戦闘機とほぼ同じですね。これなら、すぐにでも模擬戦闘が可能です」
と言って、メビウス博士を驚嘆させた。

93BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/13(金) 17:13:54
ab.0081.Cyclops-P.02.03

 アルテミスは宇宙戦闘機のA級ライセンスを持っている。たしかにキュクロプスPの操縦経験は全くないが、操縦システムが戦闘機とほぼ同じなら、問題なく操縦できるのだ。

「そうか。じゃあ早速、模擬戦闘を行ってもらおう。相手はアレだ」
アルテミスは、メビウス博士が指さした先を見て、息をのんだ。

「戦闘サイボーグ、コードネームASUKAだ」
「戦闘サイボーグ……ですか?」

「うむ。もとは地球人のスチュワーデスだったらしいが、それを捕獲し、サイボーグに改造したのだ。右腕にレーザーサーベル、左腕にレーザー銃を装着している。さらに反重力エンジンで、飛行も可能だ」
「美人ですね」

94BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/13(金) 17:14:31
ab.0082.Cyclops-P.02.04

 ASUKAと呼ばれるそのサイボーグは、アルテミスの美貌には及ばないが、それでも十分に美しいといえた。それだけに、レーザーサーベルとレーザー銃に改造された腕が痛々しい。

アルテミスは、ASUKAが何かブツブツと呟いているのに気づいた。
「博士。ASUKAの様子が変ですが、どうしたのでしょうか?」
「ん? 脳に移植された、戦闘ロボット用の小型端末の影響だろう」

「端末ですか?」
「そうだ。そして、その戦闘用脳内端末の働きによって、ASUKAは熟練パイロットや兵士と同じ動きができるのだ」

 キュクロプスPと戦闘サイボーグASUKAの模擬戦闘が始まる。場所は宇宙空間。使用する兵器は、キュクロプスPは先端部分に装備されたレーザー砲、ASUKAはレーザー銃だ。念のため、機体に大きな損傷を与えないように、出力は抑えられている。

95BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/13(金) 17:15:04
ab.0083.Cyclops-P.02.05

アルテミスはキュクロプスPのコクピットに乗り込んだ。シートに腰を下ろして、左右の操縦桿を握った。
(本当なら、この2本は私のオマンコとアナルに挿っているのね……)
おもわず溜息が出た。

操縦桿は、右が機体の動きを制御するレバーで、左がレーザー砲のコントローラーだ。操縦桿には脳波を捉えるセンサーが内蔵されていて、操縦桿と連動して機体を制御する。

 ネオガイア星の慣例で、宇宙船のメインコンピューターには、その宇宙船と同じ名前を付ける。したがってロボット兵器キュクロプスPのメインコンピューターのコードネームは【Cyclops】となる。この【Cyclops】は非常に優秀で、自動操縦、生命維持、索敵などをやってくれる。

 アルテミスは、モニターの1つに映っているASUKAを、冷ややかな目で見た。
「操縦桿をオマンコとアナルに挿れられない模擬戦闘なんてつまらないわ。悪いけど、すぐに終わらせてもらうわね」
操縦桿を握る指に力を込める。

96BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/13(金) 17:17:01
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>>85-96 キュクロプスP01〜02

97BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/18(水) 20:06:36
ab.0084.Cyclops-P.03.01

『キュクロプスP 03』

「では、模擬戦闘を始める。コンピューター、格納庫の外殻ハッチを開け」
メビウス博士が命じると、格納庫のハッチが開いた。それと同時に、キュクロプスPとASUKAが宇宙空間に飛び出した。

キュクロプスPの加速力は、その外見に似合わず、平均的な宇宙戦闘機を上回る。それに加えて、操縦桿を握っているのはアルテミスだ。あっという間に、キュクロプスPはASUKAの背後を取った。
 
 ASUKAがギョッとした顔で、背後から迫るキュクロプスPを振り返った。ペニスの亀頭そっくりなレーザー砲が狙っている。

ASUKAはジグザクに方向を変え、なんとかキュクロプスPの追撃をかわそうとした。しかしキュクロプスPは、まるで見えない紐か何かで繋がっているかのように、ASUKAの後ろを離れない。

98BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/18(水) 20:07:17
ab.0085.Cyclops-P.03.02

 アルテミスはレーザー砲の発射トリガーに指をかけた。キュクロプスPの亀頭そっくりな先端部分からレーザーが発射され、前方のASUKAに命中した。
「きゃああああああ!」
ASUKAが悲鳴をあげた。

(あの戦闘サイボーグ、苦痛を感じるの?)
アルテミスは、モニターに映るASUKAの苦悶の表情を見て、訝しげな表情を浮かべた。

苦痛は戦意を喪失させる原因になるので、通常は戦闘サイボーグの痛覚は取り除くか最小限に抑えられるのだが、ASUKAにはその処置がされていないのだ。

「残念だわ。アナタが私のようなマゾだったら良かったのに……。気の毒だけど、情けをかけるわけにはいかないの」
アルテミスは、レーザー砲を連射した。

「きゃあああ! やめて! もう許してぇ!」
ASUKAは悲鳴をあげながら必死に逃げ回ったが、キュクロプスPが発射したレーザーは狙いを外さない。もはやASUKAには、腕に取り付けられたレーザー銃で反撃する余裕すらなかった。

99BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/18(水) 20:07:52
ab.0086.Cyclops-P.03.03

 レーザーがASUKAの股間を直撃した。
「うぎゃあああああああああ!」
迸った悲鳴は、今までで一番大きい。見ると、股間からポツポツと氷の粒がこぼれている。苦痛のあまり漏らしてしまったオシッコが、真空の宇宙空間で、一瞬で凍ったのだ。

(あのアルテミスという兵士。キュクロプスPの操縦システムが宇宙戦闘機に似ているとはいえ、初めて乗る機体をここまで巧みに操縦できるとは……)
メビウス博士は、ロボット研究所のモニターでこの様子を見ながら、言葉を失っていた。
『はい。ですから、彼女が一番優秀なパイロットなのです』
先ほどの、ネオガイア宇宙軍の言葉を思い出した。

「おい、コンピューター。キュクロプスPのレーザー砲の命中率はどれくらいだ?」
『100パーセントです』
コンピューターが無機質な声で答えた。

100BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/18(水) 20:08:34
ab.0087.Cyclops-P.03.04

「100パーセントって、全弾命中しているのか!? うぅむ、これでは模擬戦闘にならないな。ASUKAの戦闘用脳内端末の稼働率は、今どれくらいだ?」
『約60パーセントです』

「稼働率を100パーセントに上げろ」
『身体に相当な負担がかかりますが、よろしいのですか?』

「かまわん。壊れたら、新しいサイボーグを作ればいいだけだ」
『了解しました。ASUKA脳内の戦闘用端末の稼働率を100パーセントに上げます』

 その直後、キュクロプスPのコクピットのメインモニターから、ASUKAが消えた。
「え?」
アルテミスはとっさに操縦桿を横に倒した。キュクロプスPが急旋回する。その残像を、レーザー銃の閃光が貫いた。パイロットがアルテミスでなかったら、レーザーの直撃を受けていただろう。

 これが、宇宙戦闘機の操縦システムに、脳波センサーだけでなく手動の操縦桿も併用されている所以だ。たしかに脳波センサーの反応速度は速くて精密だが、アルテミスレベルのベテランになると、脳で思考する前に直感もしくは第六感ともいえるものが身体を反応させる。その速度は、脳波センサーやコンピューターによる自動操縦をも上回る。

(どういう事なの? ASUKAの動きが急に……)
考えるよりも早く、再び操縦桿を倒す。再びキュクロプスPが急旋回、その残像を、ASUKAの放ったレーザーが切り裂く。
(速くなったわ)

 ASUKAの機動力は、脳内に移植された戦闘用端末の稼働率が100パーセントになった事で、ベテランパイロット並みに高められた。本当の模擬戦闘が始まる。

101BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/18(水) 20:09:38
ab.0088.Cyclops-P.03.05

 キュクロプスPがASUKAの背後をとった。それとほぼ同時に、ASUKAがほぼ直角にカーブし、小さな螺旋軌道を描きながら、キュクロプスPの背後にまわった。ASUKAがレーザー銃を構える。構えた時には、すでにキュクロプスPは、レーザー銃の射線上から消えていた。

 この攻防戦を、メビウス博士はロボット研究所のモニターで、唖然としながら見ていた。ただし、キュクロプスPとASUKAの動きがあまりにも速すぎて、メビウス博士の目には、モニター上にチカチカ点滅するレーザーの光しか見えない。

「コンピューター、命中率はどれくらいだ?」

『キュクロプスPの命中率は36パーセント、ASUKAの命中率は0パーセントです』

「36パーセント!? あのパイロット、戦闘用脳内端末の稼働率を100パーセントに引き上げたASUKAに、1/3以上の確率で命中させているのか」
メビウス博士の喉が、ゴクリと上下する。
「いや、それよりも……、ASUKAの命中率がゼロというのはどういう事だ……」

『キュクロプスPが全弾を回避しているという事です』
「そんな事、言われんでも分かっているわい!」
コンピューターのいかにも機械らしい応答に、おもわず怒鳴り返した。

 キュクロプスPとASUKAの攻防が始まって、3分ほど経過した。見ると、キュクロプスPのレーザー砲を回避しながら急旋回するASUKAから、何かの液体が放出されている。

それに気づいたアルテミスは、モニターに別画面を開いて映像を拡大した。ASUKAは白目をむいて、嘔吐していた。

既述の通り、ASUKAの脳には戦闘用端末が移植されている。この端末は、ASUKAの動きをサポートしてくれる。稼働率を100パーセントまで高められた端末は、アルテミスの操縦するキュクロプスP相手に互角の空中戦を可能にした。しかし、その負荷に、ASUKA自身の肉体が耐えられないのだ。

102BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/18(水) 20:10:59
◆ 目次 ◆
>>1-5 はじめに ←初見の方は必ず最初にお読み下さい。

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>>33-45 肉体改造(アルテミス 1)

>>47-55 帰郷1

>>57-84 梅本由梨香001〜004 マゾ化薬実験1〜4

>>85-101 キュクロプスP01〜03

103BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/23(月) 17:06:03
ab.0089.Cyclops-P.04.01

『キュクロプスP 04』

アルテミスは、メビウス博士に通信回線をつないだ。
「博士、ASUKAの様子が変です。このまま模擬戦闘を続けますか?」
「ううむ、どうやら失神したらしいな。仕方ない、ある程度のデータはとれたし、模擬戦闘は終了だ」
「了解しました」
キュクロプスPはオリンポスに帰還し、失神したASUKAも回収された。

 ASUKAは回収された後、戦闘用脳内端末の稼働率を30パーセントに下げられた。

30パーセントの理由をアルテミスが尋ねると、メビウス博士は、
「脳内端末は、ネオガイア星人への忠誠心を保つ働きもしているのだ。脳や身体への負担をかけずに、忠誠心を維持するのに最適な稼働率が、30パーセントなのだよ」
と、説明した。

104BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/23(月) 17:06:45
ab.0090.Cyclops-P.04.02

 脳内端末の稼働率を下げたにもかかわらず、ASUKAは失神したままだった。サイボーグに改造された肉体を床に横たえたまま、ピクリとも動かない。見ると、元スチュワーデスらしい美貌が、吐しゃ物で汚れている。

「うぅむ……、これはただ失神しているだけではないな。おそらくキュクロプスPとの空中戦で、エネルギーをほぼ使い果たしたのだろう」
そう判断したメビウス博士は、壁のコントローラーを操作しはじめた。すると、床の一部がスライドして、X字型の装置が出てきた。

SMクラブによくあるX型の磔台に似たそれは、ASUKA専用の充電装置だった。キュクロプスPの動力源は補給の必要がない永久機関だが、ASUKAのそれは充電が必要だった。

その理由を尋ねたアルテミスに、メビウス博士は、
「ネオガイア星人に対するASUKAの忠誠心は、脳内に移植された端末によって強制されたものだ。もしも端末が何かの拍子で機能しなくなった時に、永久機関を備えていると厄介だからね」
と答えた。

105BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/23(月) 17:07:29
ab.0091.Cyclops-P.04.03

 メビウス博士が起動ボタンを押すと、充電装置から触手のような物が4本のびてきてた。触手はASUKAの両手足に1本ずつ巻きついて、その身体を、文字通り大の字に磔にした。

(あぁ……、羨ましい)
磔にされたASUKAを、アルテミスは羨ましそうに見つめた。自分も同じようにされたくて、堪らないのだろう。

 新しい触手が2本出てきた。その2本は、大きく広げられたASUKAの股下で一瞬だけ動きを止めると、そのまま一気にオマンコと肛門に突き刺さった。ASUKAの身体がビクンと震えた。

『充電を開始します。完全に充電されるまでの所要時間は、約27分です』
充電装置が無機質な声で告げた。

106BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/23(月) 17:08:41
ab.0092.Cyclops-P.04.04

次の瞬間、
「ギャォオオオオオオオオオ!」
ASUKAの絶叫が、広い格納庫内に響き渡った。先ほどまでグッタリしていたのが嘘のように、大の字に拘束された身体が、ガクガクと震えている。

「フハハハ。なかなか良い悲鳴をあげるではないか。まぁ充電といっても、本人にとっては、オマンコと肛門に電気ショックを受けているようなものだからな」
悲鳴をあげるASUKAを見ながら、メビウス博士が楽しそうに笑った。

(そう言えば、アルテミス君がさっき変な事を話していたな。たしか……操縦桿を挿入とかなんとか……)
メビウス博士が、触手を挿入されたASUKAの股間を見ながら、何やら考え始めた。

ASUKAはというと、その後30分近く悲鳴をあげ続けた。

107BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/23(月) 17:10:00
◆ 目次 ◆
>>1-5 はじめに ←初見の方は必ず最初にお読み下さい。

>>6-8 プロローグ

>>10-15 監獄にて

>>17-22 ロボットバトル1 アナザー

>>25-31 並行宇宙

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>>47-55 帰郷1

>>57-84 梅本由梨香001〜004 マゾ化薬実験1〜4

>>85-107 キュクロプスP01〜04

108BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/27(金) 19:10:23
ab.0093.Pirate.001.01

『宇宙海賊 01』

 地球を含む銀河系は、直径10万光年。そこには数千億の恒星が存在する。この気が遠くなるほど巨大な銀河系を支配しているのが、爬虫類型の星間種族グレイだ。

グレイは銀河系を、52の区画に分けて支配していた。地球やネオガイア星は第26管区に所属する。26管区を管轄する銀河警察は、約500年前からグレイのヤ・グ・オイが責任者だった。

現在、銀河警察を悩ませているのが、宇宙海賊と宇宙暴走族の存在だった。特に宇宙海賊の一派である百足星人は、グレイに匹敵するテクノロジーを有していて、銀河系の全星間種族にとって最大の脅威だった。

109BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/27(金) 19:11:01
ab.0094.Pirate.001.02

 銀河系の一角にある小さな星が、百足星人に襲撃された。そこには、栗鼠のような大人しい知的生命体が平和に暮らしていた。

「うわああ、助けてくれっ、海賊だああっ!」
「ムカデだ、ムカデが襲ってくるうう!」

ろくな防衛力も持たない栗鼠型星人は、次々と宇宙海賊の餌食になっていった。

「このおっ、悪魔め!よくも母ちゃんを殺したなっ!」
栗鼠型星人の子供が、百足星人に噛みついた。発達した前歯が、平和な彼らにとって唯一の武器なのだ。
「母ちゃんの仇! こんなことでやられるも……ぎゃあああ!」
哀れな子栗鼠は、百足星人の毒針に刺されてあっけなく絶命した。

「SOS、SOS……。こ、こちら栗鼠型星人」
栗鼠型星人の1人が、必死の思いで銀河警察に通報した。
「百足星人の襲撃を受けている! た、助け……ギャアアア!」

 通報はすぐさま、銀河警察のヤ・グ・オイの元に届いた
「百足星人の海賊船が出現しました」

「なにっ、ついに網にかかったか。付近のパトロール船を全て現場に急行させろ!今度こそ逃がすな。殲滅してやる」

「了解!」
銀河警察のパトロール船が次々とワープした。

110BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/27(金) 19:11:36
ab.0095.Pirate.001.03

 銀河警察は、グレイを筆頭に有力な星間種族で構成されている。所有する宇宙船も高性能だ。

パトロール船は、ネオガイア星人の宇宙船ならエネルギーの充填をしながら何度もワープを繰り返さないと行けない栗鼠型星人の星に、あっという間に到着した。

 パトロール船の出現に気づい百足星人は、急いで海賊船に乗り込むと、栗鼠型星人の星から離脱した。

「海賊どもが逃げるぞ。レーザー砲発射!」
パトロール船がレーザー砲を発射した。

海賊船がバリアを張って、レーザーを遮蔽する。バリアで無効化できなかったレーザーエネルギーの一部が海賊船に降り注ぐが、船体はほとんど損傷を受けていない。

海賊船は、まるで銀河警察のパトロール船を嘲笑うかのように、悠々とワープした。

「海賊船が消えたぞ、ワープで逃げるつもりだ。超空間ソナーを作動して追尾しろ」

パトロール船団を指揮するグレイが、スクリーンに映る海賊船の消えた空間を指さした。

「駄目です。やつらの宇宙船には未知の技術が使われているようです。超空間ソナーが反応しません」

「馬鹿な! 取り逃がしたというのか」

指揮官は愕然とした。超ハイテクを誇る銀河警察のソナーが標的を取り逃がしたのは、初めてだった。

111BiBi ◆8cBPUextJk:2018/07/27(金) 19:13:14
◆ 目次 ◆
>>1-5 はじめに ←初見の方は必ず最初にお読み下さい。

>>6-8 プロローグ

>>10-15 監獄にて

>>17-22 ロボットバトル1 アナザー

>>25-31 並行宇宙

>>33-45 肉体改造(アルテミス 1)

>>47-55 帰郷1

>>57-84 梅本由梨香001〜004 マゾ化薬実験1〜4

>>85-107 キュクロプスP01〜04

>>108-111 宇宙海賊

112BiBi ◆8cBPUextJk:2018/08/02(木) 20:21:15
ab.0096.intermission

*これは本編ではありません。

次章の登場人物ラミアーは、オリジナルストーリーには登場しません。

113BiBi ◆8cBPUextJk:2018/08/02(木) 20:21:47
ab.0097.Lamia.birth.01.01

『ラミアー 出産実験01』

 宇宙船オリンポスが太陽系に到着してから随分と日が経つが、本格的な地球奪還作戦は始まっていなかった。

オリンポスは地球の衛星軌道上に停泊したままだ。ただし船体はカモフラージュされているので、地球人に発見される心配はない。

この間も、ネオガイア星人たちは、物質転送装置を使って地球人を拉致していた。しかし、物質転送というもの自体を知らない地球人にとって、人間が突然消えるという現象は都市伝説扱いで、ニュースにすらならなかった。

接近する宇宙船もなかった。オリンポスの管制官を務めるアリストテレスは毎日、X線望遠鏡で地球人の女を物色して、暇つぶしをしていた。
 
そんなある日、接近中の宇宙船が1隻、オリンポスへのドッキングを申請してきた。

「え!? これはクラスLの宇宙クルーザーじゃないか!」
アリストテレスが驚きの声をあげた。

 宇宙クルーザーは、ワープエンジンと居住設備を備えた、長期間の宇宙旅行を想定した宇宙船だ。船体の大きさによって、XS、S、M、L、XLの5つに分類されている。当然、大型になるほど、性能と内装が充実していく。

購入価格も、大きさに比例してはね上がっていく。最大のクラスXLにいたっては、政府や大企業が資産として所有しているケースが大半だ。クラスLだと、個人で所有している者はわずかにいるが、それでも大富豪や大企業のオーナーくらいにならないと手が届かない。

(一体、誰が乗ってるんだ?)
アリストテレスは、やや緊張した面持ちで、宇宙クルーザーに通信回線をつないだ。

「こちらオリンポスです」

『こちらはラミアー。宇宙船の名前はイリオンよ』
女性の声が返ってきた。温和そうな声だ。

114BiBi ◆8cBPUextJk:2018/08/02(木) 20:22:18
ab.0098.Lamia.birth.01.02

(ラミアー? どこかで聞いたような気が……、あ!)
アリストテレスはシートに座ったまま背筋をピンと伸ばした。喉が、ゴクリと上下する。

「ラ、ラミアー博士であらせられますですか!?」
裏返った声で、変な敬語を使う。

 ラミアーはネオガイア星の遺伝学の権威だった。遺伝学はもちろんの事、いくつのも学位を持っている。画期的な研究をいくつも手掛けて、受賞した回数は数え切れず、ネオガイア星の科学アカデミーの委員長を何期も務めている。名誉市民に選ばれ、どこかの星の大使にもなった事もある。

あまり人付き合いを好まない性格らしく、現在はどこの学会にも属していないが、科学者としての地位は、メビウス博士やピタゴラス博士よりもずっと上だ。

(そういえば……)
ラミアーはネオガイア星を統治するゼウスとも親しく、彼女が名誉市民に選ばれたお祝いに、ゼウスからクラスLの宇宙クルーザーを個人的にプレゼントされた――というニュースを昔見たのを、アリストテレスは思い出した。

115BiBi ◆8cBPUextJk:2018/08/02(木) 20:23:02
ab.0099.Lamia.birth.01.03

「ラララ……ラミアー博士。い、今すぐ、ドッキングの準備をいたしますです!」

『あらあらまぁまぁ、そんなに緊張しなくてもいいのよ? それよりビーナスはいるかしら?』

「ビーナスって……、解剖医のビーナスですか? まさか彼女が、ラミアー博士に何か非礼でも……? あわわわ……まことに申し訳あ……」

『あらあらまぁまぁ、違うわよ。ビーナスは私のお友達で、今日は彼女に会いに来たのよ』

「ビ、ビーナス……さん……さまが、ラミアー博士のご友人であらせられましたですか!?」

ラミアーとビーナスの地位は、天と地ほどの差がある。アリストテレスは、今までわりと馴れ馴れしく接してきた一介の解剖医がラミアーの友人だと聞かされ、驚きのあまり気を失いそうだった。

「い、今すぐ手配をさせていただきますです!」
アリストテレスは大急ぎで、宇宙船のドッキングの手続きを始めた。

116BiBi ◆8cBPUextJk:2018/08/02(木) 20:23:40
ab.0100.Lamia.birth.01.04

 研究室でアテナと2人で実験データの解析をしていたビーナスのもとに、ラミアーから通信が入った。

『ビーナス、久しぶりね』
「あら、ラミアー。どうしたの?」

横でアテナが、ギョッとした顔でビーナスを見ている。ラミアーのような高名な科学者と自分の部下が親しげに話しているのだから、その反応も仕方ない。

『今、オリオンに着いたところよ。久しぶりにビーナスに会いに来たの』

「モニター越しというのも愛想がないわ。私の部屋に来て」
ビーナスはアテナの方に振り向いた。
「アテナ、今日は早退していいですか?」

「い、いいわよ。当然じゃない」
ラミアーがわざわざ会いに来た友人を、仕事で拘束する事などできるはずがなかった。返事をするアテナの声が、どことなく上ずっている。

『じゃあビーナスの部屋に行くわね。お土産にアナタの好物もあるわよ?』
そう言って、ラミアーが小さな箱を見せた。

「ゴルゴーン産チョコチップクッキー!?」
ビーナスが叫んだ。


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