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千鶴編、下書き

9作者:2008/09/30(火) 19:54:35
デヴィット・マーダーは、特別車両で厳重に警護されベルリンから、バイエ
ルン近郊の秘密基地へと護送された。彼の義足は外され、没収されたため、
逃げ出す事も出来ない。
「どこへ連れて行く気だ?噂に聞くアウシュビッツ収容所か?」
「もっといい所だよ。厳しい拷問が待っているだろうから、楽しみにしてな」
デヴィットを警護しているのは親衛隊の将校だった。
「階級と、認識番号以外は、しゃべらんぞ」
「強がるのも今のうちだな。ドイツで最も美しく残酷な拷問人がお前の到着
を待ちかねているらしい」
デヴィットを乗せた護送車は何時間も走り続け、その間、何度も連合軍の爆
撃のため停車しなくてはならなかった。
「ドイツはもう終わりだな」
デヴィットは嫌味をこめて言った。しかし、親衛隊将校は、ニヤリと笑った
だけだった。
「フフフ・・・果たしてそうかな」
護送車は、山奥にある鉄条網と塀で何重にも囲まれた飛行場のような場所に
到着した。手錠をはめられ、親衛隊将校に引き立てられたデヴィットは、片
足でピョンピョン跳びながらゲーリング空軍元帥の前に連れて行かれた。
「ようこそ、空の英雄マーダー少佐」
「俺に何の用だ?」
「君自身には興味がないよ。私が知りたいのは、君の義足についてだ。どこで
手に入れた?」
「義足・・・ああ、あれか。貰ったんだよ。気前のいい男にね」
「馬鹿を言え。あれは、古代アトランティスの技術の産物だ。そこらの男が
持っている代物じゃない。正直に言いたまえ。そうすれば、痛い目に合わずに
すむ。イギリスは、どこまで古代技術を解明したんだ?」
「古代技術?何の事かさっぱり判らん」
「グレーゼ少尉、この強情な男を可愛がってやりたまえ」
ゲーリングに呼ばれて進み出たのは、親衛隊士官の制服を着た若い女だった。
金色の髪と青い眼を持つ典型的なゲルマン民族の女で、女神のような美貌を
たたえていたが、その猛禽類を思わせる眼が、彼女が真性サディストである
事を物語っていた。イルマ・グレーゼ(21歳)は、手に持った鞭をしなら
せ、デヴィットの顔をいきなり打った。
「何しやがる!」
デヴィットの顔面の左頬からこめかみにかけて、赤い蚯蚓腫れがついた。
「たっぷりと、楽しませてあげるわ」
イルマは、デヴィットの顔面に唾を吐きかけた。


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