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千鶴編、下書き

7作者:2008/09/30(火) 19:50:58
前線を視察中に爆撃を受け、重傷を負ったエルヴィン・ロンメル元帥は、
軍の病院で目を覚ました。一般兵の病棟ではなく、国民的英雄である元帥
にふさわしい特別病棟だった。
「あ・・ここは・・・」
「ベルリンです。元帥閣下は一週間意識不明の状態でした」
主治医が説明した。
「俺は、助かったのか」
「はい、頭蓋骨骨折の重傷でしたが、素晴らしい生命力です。命に別条は
ありません」
ロンメルは、頭に手をあてた。包帯が巻かれている。
「実は、例の古代文明の医療技術を使いました。本当なら救いようのない状
態でしたが、ほとんど傷痕すら残らずに退院出来るでしょう」
主治医は、ニヤリと笑った。
「戦況は?」
「さあ、私には専門外ですから、なんとも。元帥が意識を取り戻された事を、
これから大本営に報告いたしますので、すぐに参謀本部の方が見えられるで
しょう」
ロンメルは、気が気ではなかった。彼がダウンした事で、西部戦線は崩壊し
たかもしれない。数時間後に、親衛隊長官ハインリッヒ・ヒムラーが面会に
訪れた。
「ロンメル元帥。相変わらず悪運の強い男だな」
「ああ・・・運がいいのか、悪いのか・・・戦況はどうだ?」
「最悪だよ。もはや第三帝国に勝ち目はないと、総統はおっしゃられている」
「講和に持ち込むのか?」
「いや、ドイツ第三帝国は、最後まで降伏はしない」
「無駄死にするだけだぞ。我々はともかく、一般の兵士や国民の犠牲者が哀
れだ」
「総統は、決断された。ナチスドイツの中枢部を南極の地下要塞へと脱出さ
せる。もちろん君もだ」
「南極・・・古代文明・・・・噂には聞いているが」
「地下要塞には、農業プラントや、人工太陽の設備もあり、自給自足で半永
久的に潜伏することが可能だ。収容人数は約50万人。すでに、純粋アーリ
ア人の遺伝子を持つ男女や、ヒトラーユーゲント、レーベンスボルン(生命
の泉)の出身者たちが、Uボートで密かに送り込まれている」
「我々が脱出した後、ドイツは降伏するのか?」
「そうだよ。身代わりは、クローンがやってくれる。遺伝子から複製した完
全なコピー人間だ。表向き、君は反逆罪で処刑される事になっている」
「フッ、この私が反逆罪・・・笑えるな」
「もうすぐ、総統へのクーデター計画が実行される。君はその首謀者という
わけだ」
「どうせ茶番なら、もっとリアリティのある筋書きの方が良くないか」
現実主義者のロンメルは文句を言った。
「贅沢を言うな。総統と私なんか、自殺する事になっているんだぞ」
「やれやれ、勝手にしてくれ」
ロンメルとヒムラーは肩をすくめて笑い合った。


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