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千鶴編、下書き

25名無しさん:2008/11/18(火) 10:27:58
「そんな・・・現人神である天皇が、白人の手で処刑・・・・」
それは、1945年当時の日本人にとって想像を絶する事だった。上月大佐
は、言葉を続けた。
「いいか、ここから先は、心して聞け。私からの最後の作戦指令だ。中野学
校は終戦と同時に表向きは解散する。しかし、本作戦は、国家解体後も無期
限に継続する。忍法で言う『よもがみの術』・・・かつて、織田信長に侵攻
された伊賀忍者が使った手段だ。各員は、一般人として日本各地に潜伏し、
占領軍の動向を見極めつつ、ゲリラ戦に備えよ。英語の得意な者は、通訳と
して占領軍に潜り込み情報を流せ。金塊と武器も確保して隠す。天皇家廃絶
に備え、皇位継承権のある人間を、各地にかくまうのだ」
諜報部員達は、普通の軍人とは違う。知能指数が高く、柔軟な理解力をもっ
た者ばかりが採用されている。忍者の流れをくむ者も多く、上月大佐自身、
猿飛佐助の子孫だ。その彼らでも、作戦内容を理解するのに、しばらくの時
間が必要だった。
「日本は、なくなるのですか?」
「ああ。だが、日本民族まで消滅させる訳にはいかない。国滅びて山河あり
・・・だ。例え、政府や軍隊が消滅しようとも、我々の手で国体だけは、守
らねばならん」
重苦しい沈黙に包まれた。
「君達の新しい戸籍だ。今なら、いくらでも用意する事が出来る。占領軍の
戦犯狩りを逃れて、表向きは、一般市民として生きてくれ」
上月大佐は、一人一人に別人の経歴と名前が書かれた書類を渡していった。
偽造ではなく、本物の政府機関が発行した戸籍である。占領軍に見破ること
は不可能だろう。
「もう一度言う、作戦期間は無期限。君達が老衰で死ぬまで効力は消えない。
自決も許さない。了解したか?」
「了解です」
「了解しました」
「では、解散!」
諜報部員達は、目に涙を浮かべ、新しい戸籍と、新生活を始めるための資金
を貰って散っていった。


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