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千鶴編、下書き

20名無しさん:2008/11/18(火) 10:22:23
1945年7月。アメリカ南部のニューメキシコ州に広大な陸軍の実験場が
開設された。同州ロスアラモス研究所で開発が進められてきた原爆を始めと
する数々の兵器を、テストするためである。ドイツの降伏で、多くの優秀な
科学者がこの地に連行され、ミサイルやジェット機、コンピューターなどの
次世代の科学技術の開発に携わっている。
「この実験が成功すれば、人類の歴史は、新たな一歩を踏み出すだろう」
ロスアラモス研究所所長、オッペンハイマーは、アメリカ陸軍のグローヴス
中将に語った。白い砂の砂漠の真ん中には、巨大な実験塔が建設されている。
その中に世界最初の原子爆弾『ガジェット』が設置されているのだ。
「完成した原子爆弾は、3つか」
「はい。ガジェット、リトルボーイ、ファットマンと命名されています」
「すでにドイツは降伏した。日本が降伏する前に完成させねば、核兵器を実
戦に投入する機会を永遠に失ってしまうぞ」
「敵国に使用すれば、都市が丸ごと灰になるでしょう。数十万人の民間人が
一瞬で焼き尽くされます」
「かまわん。有色人種の日本人などいくら死んでもかまわんのだ。そんな事
よりも、この実験で、近隣の町への影響は本当にないのだろうな?」
「大丈夫です。アラモゴード、ロズウェル、アラバカーキ、サンタフェ・・・
いずれも充分に離れています」
「そうか、ならば、ゴーサインを出そう」
カウントダウンが始まり、1945年7月16日。ホワイトサンズ実験場に
地球上で最初のキノコ雲が立ち上った。恐ろしい衝撃波と熱波が、オッペン
ハイマー達のいるベースキャンプを襲った。
「動いた・・・・我は死なり、世界の破壊者なり・・・・」
遮光ガラス越しに、閃光を感じながらオッペンハイマーは、ぼそぼそと呟い
た。


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