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千鶴編、下書き

2作者:2008/08/26(火) 21:17:31
1944年7月。イギリス空軍のデヴィット・マーダー少佐(40歳)は、
愛機のスピットファイアMK10を駆ってドイツ本国領空へと侵入した。M
K10は、名機スピットファイアの最新バージョンである。すでに、西部戦
線では、パリ解放が目前に迫り、東部戦線においてもドイツ軍の総崩れが始
まっている。ドイツの敗色は濃厚となり、もはや戦局を逆転することは、誰
の目から見ても不可能に思われた。
(戦争が終わったら、退役して農薬散布の仕事でもするか)
デヴィットは、のんびりそんな事を考えながら、操縦桿を操り、迎撃してく
るドイツ空軍のメッサーシュミットを撃ち落としていく。エースパイロット
としてベテランの域に達したデヴィットは、居眠りしていても空中戦に負け
ることはない。右足の義足の調子も快調で、最近は、義足をつけている事す
ら、ついつい忘れてしまう程だった。
(最近のドイツ人パイロットの腕は、かなり落ちているな。熟練パイロット
は、あらかた戦死してしまったんだろうな)
十数機を撃ち落とし、基地に引き揚げようとした時、上空から奇妙な物体が
急降下してきた。普通のプロペラ機ではない。円盤状の機体が回転しながら
飛行している。迷彩塗装にハーケンクロイツのマークがペイントされている
所を見ると、ナチスの新兵器のようだった。
「なんだ、あれは!あれも、噂に聞く古代技術の産物ってやつか」
デヴィットは、スピットファイアを旋回させ、回避しようとした。しかし、
ナチスの円盤機は、物理法則を無視したような動きで、ぴたりとデヴィット
の愛機を補足してくる。円盤機から正確な機銃掃射が行われ、スピットファ
イアの翼を穴だらけにした。
「くそっ、またやられた。何回目だろう、撃墜されるのは」
デヴィットは、墜落するスピットファイアのコクピットを飛び出し、パラー
シュートを開いた。
(やれやれ、ここは、ドイツ領空だ。連合軍の占領地域まで歩かなきゃなら
ん)
デヴィットはうんざりした。


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