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千鶴編、下書き

14作者:2008/11/13(木) 21:38:19
1945年1月。Uボートの大船団が、ドイツ北部の軍港を出発した。20
数隻からなる大型潜水艦には、若い純粋ドイツ人の男女や、食糧、生活必需
品、開発途中の兵器類などが、積載能力の限界まで詰め込まれている。旗艦
には、第三帝国総統アドルフ・ヒトラーやロンメル元帥の姿もあった。
「あとは、我々のクローンがうまくやってくれるだろう」
艦内の執務室で、ワインを傾けながらヒトラーがロンメルに言った。
「表の世界の次期総統には、カール・デーニッツを指名しておくよ。彼も、
事が終わり次第クローンとすり替えて南極に引き揚げさせるがね」
「連合軍のやつら、いよいよドイツ領内に進攻してきます。私の力が足りな
いばかりに・・・」
ロンメルが悔しそうに言った。先月、バルジ作戦が実施され、ドイツにとっ
てはそれが最後の反攻作戦となった。ポーランドはすでにソ連の占領下にあ
り、アウシュビッツ収容所も解放されたと聞く。
「戦後の国際社会は、共産主義のソ連と、資本主義のアメリカの対立となる
だろうな。ユダヤ人のシナリオ通りの世界が実現するわけだ」
「シオン議定書ですか。ですが、彼らにも、計算出来ない要因があります。
我々の存在です」
ロンメルが拳を握り締めた。
「米ソは、いずれ第三次世界大戦を引き起こすだろう。どちらが勝利しても、
世界は、荒廃する。その時、戦力を温存していた我々が介入し、疲弊し切っ
た世界の支配者となるのだ。そしてユダヤの支配は終わりを告げる・・・」
「我々が生きているうちに実現するでしょうか?」
「それは、なんとも言えん。第二世代、第三世代に託さなければならないか
もしれん」
ロンメルは、これから訪れる南極の分厚い氷と、遠い未来の最終戦争を思い
描き、気が遠くなるような思いだった。


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