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リリカルなのはクロスSS 18禁ネタ投稿スレ
1
:
名無しさん
:2008/07/01(火) 22:29:29
「リリカルなのは」シリーズの18禁クロスネタを投稿するスレです。
クロスSSスレでは語れないエロSSはもちろん、全年齢には厳しいハードなネタもこちらにどうぞ。
まとめサイト
ttp://www38.atwiki.jp/nanohass/
避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/anime/6053/
2
:
名無しさん
:2008/07/01(火) 23:55:50 ID:???
乙とは言えない
なのはキャラを陵辱する話になりそうだから
3
:
名無しさん
:2008/07/02(水) 00:19:55 ID:???
>>2
それを避難所で出来ないからこっちになったんだろ。
運営スレ嫁
4
:
名無しさん
:2008/07/02(水) 01:28:03 ID:???
>>1
乙
そして
>>2
は帰れ
5
:
名無しさん
:2008/07/02(水) 01:34:41 ID:???
ID開示にした方が良いかも。
変なの湧きそうだし
6
:
◆murBO5fUVo
:2008/07/02(水) 01:46:46 ID:kFTvA3LM
ID表示に設定していたのですが、sage表示で隠れるようになっていましたので修正しました。
7
:
名無しさん
:2008/07/02(水) 01:59:35 ID:OTFiQW7Q
>>6
お疲れ様です!
8
:
名無しさん
:2008/07/02(水) 19:42:02 ID:uFVVd4lg
>>6
乙カレー!
9
:
名無しさん
:2008/07/03(木) 20:57:18 ID:ADLgAGso
一日遅れで気付いた。乙です
10
:
名無しさん
:2008/07/04(金) 00:36:47 ID:nNjLX1O.
乙です。
職人の方々頑張ってください。
11
:
◆murBO5fUVo
:2008/07/04(金) 20:25:06 ID:VzhBcwpc
運営報告スレを立ち上げました。
運営報告・業務要請スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/11570/1215170398/
>>6
のようなご報告は、今後こちらの方に書き込んでいきたいと思います。
読んで字の如く、管理人に作業を要請する場所も兼ねておりますので、ちょっとした御用の場合はこちらをご利用ください。
12
:
名無しさん
:2008/07/06(日) 01:52:38 ID:fSqWAQkU
リリカルナイツを待っているであります
13
:
名無しさん
:2008/07/06(日) 22:37:41 ID:AYPY.X1Q
俺も楽しみだ。家族に裏切られたはやてとかすごい続きが読みたい。
14
:
名無しさん
:2008/07/07(月) 00:23:50 ID:ojGBUMfA
少し前にウロスでさわりだけスイートナイツのクロス投下させてもらった者ですが
「雨塚君」メインで序盤を作ってみたんで
二作目でよければ明日か明後日に投下して構わないでしょうか?
15
:
名無しさん
:2008/07/07(月) 00:33:20 ID:4yLgWzhE
勿論
16
:
14
:2008/07/08(火) 00:41:18 ID:7.WnRnl6
では書きあがったので投下させていただきます。
題名は「Triangle StrikerS」で。
序盤数話は雨塚君メインでいくつもりなんですがとりあえずメッつぁん一派の
紹介からはじめようと思ったらあれよあれよと長くなって
彼の出番は二話からになってしまいましたw
17
:
Triangle StrikerS1話
:2008/07/08(火) 00:44:20 ID:7.WnRnl6
第97管理外世界というとある辺境の次元世界の暦で現すならば
21世紀を迎えてはや十数年。
そして次元世界に君臨するミッドチルダの暦で言えば新暦に入って久しく、
かの「闇の書事件」の発生から7年が経とうという頃。
第97管理外世界は変乱に包まれていた。しかしながらその変乱に気付く者は
その世界には殆んどいなかった。
その変乱の中心地である日本を統括する政府や本来この国に迫る危機を
察知し迅速に対応すべき自衛隊ですらも…。
時空管理局はうすうす気付いてはいたが、自分達に被害が及ぶ危険が
いまのところ薄いとわかると早々に静観を決め込んだ。
その変乱を起こした者こそ、「メッツァー・ハインケル」。第60観測指定世界「ロア」…。
優れた魔法技術を持ちながら技術文明がそれにいかんせん追いついていないことから
管理世界への編入を見送られた
このいっぷう変わった世界出身の奸智に長けた男である。
彼は所属する秘密組織「ゼーロウ」の命により、第97管理外世界に逃げ込んだ
この世界を治めるロアの王女とその力を受けて魔力に目覚めた戦士…スイートナイツを
討伐すべく送り込まれたエージェントであった。
そして奸智以上に野心にも長けた男だったメッツァーは彼女達との戦いの最中
ゼーロウを裏切り、一度は敗北を喫しかけるものの
なんとか踏みとどまり、彼同様野心と知力に長けた悪人達を次々とそそのかして戦乱を激化させていったのだ。
それに呼応して次々と聖なる戦士達も勢力を強化させ、僅か一年足らずの間に
「シンフォニックナイツ」「エリクシルナイツ」といった
戦士達が生まれ、儚いその命…もとい、純潔を戦いの中で散らして行ったのだった。
時に西暦2018年。聖地セイクリッドグラウンドを巡る戦いで傷ついた
諸勢力は沈黙し、戦いは収束へと向かったかに見えた。
18
:
Triangle StrikerS1話
:2008/07/08(火) 00:49:05 ID:7.WnRnl6
しかし、それから2年後…西暦2020年。
ミッドチルダでは新暦75年を向かえ…八神はやてが音頭を取って機動六課が立ち上げられたころ。
再び彼らは人知れず動き出し、お互いに牽制しつつ再び戦端を開こうとしていた…。
奇しくも、ロストロギアの回収の名目で機動六課が海鳴市を訪れたある日のこと…。
第97管理外世界関東地区某所。
とあるペントハウスの地下に作られた広大かつ豪著なアジトでは。
「何、“雨塚君”がか?」
「はい、先ほどドクター・ファルケが例の人造人間を伴って出撃したようです。」
銀髪で鋭い目つきの青年が傍らにかしずく栗色の髪の少女の言葉に眉を吊り上げた。
この青年こそ、件の世界を敵に廻して戦う男、「メッツァー・ハインケル」その人である。
そして傍らの少女が彼の無二の忠臣、「ココノ・アクア」だ。
「奴とて時空管理局の存在を知ってからそう間が経って居ないはずだ。
慎重なあいつがここまで積極的に行動するということは
あのジェイル・スカリエッティとかいう男が何らかの入れ知恵をしているのだろうな…。」
加えて情報だけでなく慎重なあいつに正面切って例の“機動六課”とかいう部隊に戦いを
挑ませるほどの自信を持たせるほどの戦力があるということか。
その考えに行き着くとメッツァーはやや悔しそうな顔をした。
彼の言う雨塚某という人物が一体どういう男なのかは次回ゆっくり語るとしよう。
「いかが致しますメッツァー様?」
「…認めたくは無いが雨塚が取り入ってしまう前にあの男と接触出来なかったのは失策だったかもしれん。」
悔しげな顔をどこか抜けているがひたすら献身的な部下から隠すよう
にそっぽを向いて顎に手を当てつつメッツァーが呟く。
「サキュバスさんが近くで待機している筈ですが。報告自体も彼女からのものですので。」
「うむ。スカリエッティの人造人間…戦闘機人とか言ったか?あれの戦闘力が
下魔程度だったならば奴一人でも分はあるがいくらなんでもその程度ではあるまい。
手出しはさせるな。サキュバスはまだ失うには惜しい人材だ。それと、例の件は?」
ココノの報告を聞いた彼は振り向き様にそう言うと、何やら意味ありげな質問をした。
19
:
Triangle StrikerS1話
:2008/07/08(火) 00:54:50 ID:7.WnRnl6
「もうそろそろ限界でしょう。どんなに時間がかかっても一両日中には。」
かたわらの端末を操作してなにやらパラメーターのようなものが表示された画面を睨みながら言うココノ。
「時間がかかりすぎるな…。出来れば今日中にでも落したいのだが。…よし、ちと様子を見に行ってみよう。
サキュバスには伝えておけ。命が惜しいんなら下手な事はするなとな。」
そう言うとメッツァーは席を立った。
同、海鳴市の街中。
≪…ということです。あなたはそこで待機。よろしいですね?≫
「……。」
通信モニターに映し出されたココノの命令に頬杖をついて露骨に不満そうな顔をしているのは
先ほどメッツァーの話題にのぼった女上魔「サキュバス」である。
紫色の瞳に水色の髪、そして赤いレザーボンテージと何とも過激で扇情的な服装が否が応にも周囲の目を引く。
≪メッツァー様はあなたのためを思ってこの命令を出されたのですよ。≫
彼女が不満を抱いている事を察知したココノの口調が少し厳しくなる。
「はいはい、判ったわよ。手出ししなければいいんでしょう?」
サキュバスをそっぽを向くと、さらに何かを言いかけるココノを無視して通信モニターを切った。
「ちぇっ…。」
つまらなそうに舌打ちをするサキュバス。魔法戦士達との戦乱が一応の終結を見てから
はや二年。すなわちそれだけの間彼女達の体を一度も味わっていない彼女の欲求不満は既に限界だったのだ。
サキュバスのエネルギー源は人間の精気…。ただの人間の精気なぞ魔法戦士のものに比べればとるに足らないものだった。
その時。
「ちょっとあなた!」
「何よ!」
突然背中からかけられた声に不機嫌そうに振り返るサキュバス。しかし一拍おいてへの字だった彼女の口元が
だらりと緩んだ。彼女に声をかけてきたのは婦人警官だったのだ。
ボディラインはなかなかの物で、いかにも清潔な感じの長髪が肩でゆれている。
どうやら彼女に職務質問をかけようとしているらしい。まあいかにも不審で
また不埒ないでたちであるしこの婦警がサキュバスに目をつけるのも不思議な事ではないのだが。
20
:
Triangle StrikerS1話
:2008/07/08(火) 00:58:25 ID:7.WnRnl6
「ここで何をしてるんですか?大体その格好は…。っ!」
非常識な格好をしたサキュバスに気丈に応対する婦警だったがその顔を見るなり
気圧された顔で後ずさった。
彼女の顔ときたらまるでごちそうを与えられた亡者さながらだったのだ。
とても職務質問をかけられたものの態度ではない。
「な、何よあなた…。」
サキュバスは後ずさる婦警ににじり寄り、そして…。
不幸ないけにえの喘ぎ声が夕暮れの街に響き渡った。
空が暗くなった頃…。
「ん〜♪よし。」
先ほどサキュバスと婦警が居た場所にサキュバスの姿は無かった。
婦警だけが乱れた制服を鼻歌を歌いながら直し、なぜかブラウスの上から
自分の胸を揉みしだいてみたり、
青いタイトスカートの裾から股に腕を突っ込んでみたりしている。
なぜ彼女は清楚な見た目に似合わないそんな卑猥な真似をするのか?
さらに言えばなぜ目つきが何故先ほどの柔和な目からサキュバスにそっくりな人間離れした
ツリ目になっているのか?
第一さっきまでここに居たはずのサキュバスは何処に消えたというのだろうか。
ふいに婦警が指を弾いた。
すると婦警の姿が突然黒い靄に覆われてかき消え、その中から先ほどのサキュバスと同じ
レザーボンテージを纏った姿となり、サキュバスと同じ水色の髪と
紫色の瞳と化した婦警が現れたではないか。
消えてしまったのはサキュバスではなかったのだ。婦警の方だったのである。
彼女はあわれサキュバスによってその体を吸収され、散々嬲られた挙句
乗っ取られてしまったのである。
「ちょうど今の体にも飽きてたとこだし新しい体が
手に入ったのはいいけど、つまんないのには変わりないわねえ。」
伸びをしながら言うサキュバス。その時、
「ん…?これって!?」
サキュバスは素早く婦警の姿に戻ると何者かの気配を察知して辺りを見回した。目に留まったのはツインテールの赤毛の
少女。それが何者かは判らなかったが…彼女の本能が察知していた。その赤毛の少女…
海鳴市に出張でやってきており、突然連絡がとれなくなった相棒のスバル・ナカジマを苛立ちつつも
心配して探していた機動六課のメンバー「ティアナ・ランスター」が自分を苛む性欲を満たしてくれると…。
21
:
Triangle StrikerS1話
:2008/07/08(火) 01:06:48 ID:7.WnRnl6
そのころ。
「ふん、まだ堕ちないか…。」
アジトの一角、捕縛した魔法戦士を調教するための特設した部屋にメッツァーは居た。
部屋の壁からは軟体動物のような触手がウネウネと伸びている。その先には
一人の女性が半裸の状態で絡め取られていた。
銀色の短い髪にブルーの瞳。その女性はメッツァーが入ってくるなり
彼を引き裂かんばかりの形相で睨み付ける。彼が口にしていた「例の件」とは
この事だったのだ。
「…性欲、権力欲、野心…。いつ読み取って見てもお前の心はゲスそのものだな。
僕はお前の手下になんか…あぅっ…なったりしない。ううっ…?ッ…。ああああああっ!」
触手に絡め取られながらも口をゆがめて彼を罵る女性だったが、その言葉は長く続かない。
彼女の秘部に潜り込んだ触手が蠕動をはじめたからだ。
ぐしゅぐしゅという音ともに甲高い喘ぎ声が響いた。
「気丈な事だな。まだそんな減らず口を叩く余裕があるとは…。
しかしその読心能力だけとってみてもお前は実に魅力的だ。お前のような奴が何故
こんなのほほんとした世界に生まれたのか…。ロアにもこんな能力を持つ者はまず居ないし
貴様が私に下れば時空管理局との戦いも有利に運ぶだろうな。ますます惚れ込んでしまいそうだよ。」
まんざらでもなさげな顔でそれを見つめるメッツァー。
「あんたに褒められても嬉しくない!僕達HGSの力は…。」
顔を真っ赤にして言う女性を再び触手が襲った。
「戦いに使われるためのものではない、と…?安心しろ。
俺は俺のための新しい世界と秩序とを作るためにお前の力を使いたいのであって
お前を単なる兵器として使いたいのではない。
それにお前ももううすうす判っているのではないか?どれほど
強がっていてももう限界なのだろう。HGSでもなんでもない俺にすら
お前が感じてしまっていると判るのだからな。」
「ふ…ざけるな!うううぅぅぅぅううぅぅぅっ…!?」
乳首を捏ねくりまわし、秘部を抉る触手に悲鳴を挙げる女性。
「その触手は抗えば抗うほど強い媚薬をお前の秘部に送り込む。
しかし決して絶頂には達せない…。お前が俺への忠誠を誓わない限りはな。
まあ、せいぜい我を張るがいい。そのぶんだけ堕ちた時に強い忠誠心が生まれるというものだ…
そうだろう。ミス・リスティ・マキハラ…。」
なおも蠕動を続ける触手に見る間に表情を快楽に染める女性…リスティ・槙原。
HGS…高機能性遺伝子障害の患者として知られ、希代の超能力者でもあり、
何れ開かれる管理局との戦端に際し戦力として投入するつもりで下魔32体と
上魔3体の犠牲を払って一週間前に捕獲し、陵辱を重ねてきた
彼女…リスティの陥落がもう近い事を悟ると
メッツァーはほくそ笑んだ。
22
:
名無しさん
:2008/07/08(火) 01:16:14 ID:7.WnRnl6
投下終了。次回の頭でウロスに投下した分に繋がるので
あれに修正を加えた分と雨塚君ことドクターファルケの紹介編と半々ぐらいにする予定です。
題名のTriangleはスイートナイツを販売してるメーカーさんから拝借したものですが
とらいあんぐるハートともかけていまして 序盤はリスティだけですが少し話が進んだら他のキャラも出す予定です
(今回のリスティのように戦闘要員として使えないメンバーは流石に出し様が無いですがw)
それと噂の新作ことレムティアナイツにwktkが止まらないw
23
:
名無しさん
:2008/07/08(火) 01:31:03 ID:YGXw2oPc
GJでした!
リスティですかw全く予想外でした。
作品の相性的に全く勝ち目が無さそうななのは達はどうなるのか。
フェイト堕したいなw楽しみです。
メ様なら管理局だって倒せるはず。
新作はメ様が出るらしいですね。
やっぱり主役はメ様が良いですね。
24
:
名無しさん
:2008/07/10(木) 18:10:45 ID:BMOM68T2
メ様の活躍に期待ですw
25
:
名無しさん
:2008/07/12(土) 01:29:12 ID:BEreosa6
続き期待してますw
更新頑張ってくださいw
26
:
名無しさん
:2008/07/12(土) 02:30:14 ID:bB2DFcjg
快楽の絆聴きながら続き待ってます。
頑張ってください。
27
:
Triangle StrikerSの人
:2008/07/13(日) 00:19:25 ID:ofA2g6o2
よし、なんとか二話も書きあがったんで投下しますぜ。
残念ながらエロシーンはまだですが。
28
:
Triangle StrikerS2話
:2008/07/13(日) 00:22:51 ID:ofA2g6o2
リスティがメッツァーの手に堕ちかかっていた頃。
海鳴市のとある一角。
ゴミゴミしたビルの谷間。
「クッ…こいつら…一体…。」
機動六課のスターズ03、ティアナ・ランスターが戦っていた。
任務の一環で仲間とともに海鳴市にやってきて、
その任務…「ロストロギアの探索」に就いた彼女だったが
そんな彼女を待ち受けていたのは何者かの襲撃だった。
「ガウッ…」
唸り声とともになおもその「敵」の一匹が襲い掛かる。
近頃ミッドチルダを騒がせているガジェットドローンだろうか。
いや違う。
魚の背びれのような物を生やし、筋骨隆々とした腕を持つ
爬虫類じみた怪物だ。
ティアナは知るよしもないが、それは「下魔」と呼ばれる所謂生物兵器のようなものだった。
目ざとく彼女の存在を突き止めたサキュバスが先手を打ってけしかけたのだ。
「くうっ…シュート・パレット!」《Shoot Barret》
「ギエッ!」
彼女の愛用デバイス・クロスミラージュから放たれた一撃が最後の下魔の
喉笛を貫いた。すでにあたりには同じく倒された下魔の死体が散乱している。
「ふう…。」
ため息をついて態勢を立て直すティアナ。
「ダメ…通信が通らない。一体どうなって…。」
しかし、自分が探していたスバルをはじめとする同僚との通信はいぜん通らないままだった。
その時!
「なっ!?」
突然彼女の足を太い何かが浚った。
見ればマンホールから赤黒い触手が伸びているではないか…。
そのままその触手は彼女を空高く持ち上げようと試みた。
「……ッ!」《Shoot Barret》
29
:
名無しさん
:2008/07/13(日) 00:23:04 ID:yEAsW7pA
支援w
30
:
Triangle StrikerS2話
:2008/07/13(日) 00:26:01 ID:ofA2g6o2
すかさず魔力弾が触手を断ち切る。
しかしその時!
「こっちも小手調べのつもりだったとはいえあれだけの数の下魔ちゃんたちがこんな簡単にねえ…
あなた…何処の子なのかしら?」
背後から艶っぽい声が響いた。
「な、なのはさん!?」
驚いて振り向くティアナ。
そこに居たのは…水色の髪に紫の目。大きく裂けた口に長い舌。伸びた耳…そして
ボンテージのような赤い毒々しい服装に身を包んだ卑猥な格好の女性であった。
「あ、あんたは…。」
「んー…ロアの子じゃあ、無いみたいねえ。じゃあやっぱり時空管理局ってところのコなのかしら?
んー…タイプとしては“パッション”ちゃんに似てるかしら。ファルケの相手を
させられるよりよっぽど面白いじゃない。まさかこんな面白い子が捕まるなんて…。くす♪」
訳の判らない単語を呟きながら品定めするように自分に詰め寄るその女性にティアナは恐怖を抱いた。
「……。」
反射的にクロスミラージュの銃口が女性に向けられる。
しかし、女性はそれを確認すると微笑み、ひとつ指を鳴らした。
すると女性の背後から先ほど彼女が倒したのよりふた周りほど大きい下魔が歩み出た。
その腕にはティアナと同じくらいの年の少女が囚われている。
「そのぶっそうなものを降ろしてくれなーい?じゃないと…あの子が怪我しちゃうかも知れないわよ?それとも
民間人ひとりくらいの犠牲は…って奴?」
「……。」
悔し気な顔でクロスミラージュの銃口を下げるティアナ。
いくら管理外世界とはいえ民間人の犠牲などもってのほかだ。
「そのままよぉ…?下手な事すれば、あの子がどうなるか判ってるわよねえ?そう、いい子ね。
私の名前は“サキュバス”さあ…こっちに来なさい。可愛がってあ・げ・る。」
言われるがままに悔しげに歩み寄るティアナの顎をつかみ、引き寄せる。そして…
くちゅ…。
31
:
名無しさん
:2008/07/13(日) 00:26:39 ID:yEAsW7pA
テラ支援w
32
:
Triangle StrikerS2話
:2008/07/13(日) 00:28:22 ID:ofA2g6o2
にちゃっ…。
おおよそボーイフレンドなど居た事も無いティアナにとってはあまりに刺激的な、ファーストキス。
ティアナの口をこじ開けると無理やり舌を挿し込み、なぶるように唾液を吸い、また自分のそれを送り込む。
強力な催淫効果を持つ、悪魔の蜜を…。
「ぷはあっ…うっ…あ、あんた…一体何をっ!はぁ…う…?体…熱っ…。」
10秒近く続いたそれからようやく開放され、
顔を真っ赤にするティアナ。だがサキュバスは動じない。
すぐに自分がたっぷりと送り込んだ催淫効果を持つ唾液が効果を示す事を知っているからだ…。
果たして、ティアナは見る間に頬を紅潮させると悩ましげに喘ぎ出した。
「あらあら、いったいどうしちゃったのかしら?ふふふっ…。」
ちぃぃぃ…。
ティアナのバリアジャケットの赤と黒に塗り分けられたインナーの丸いジッパーを下に降ろしながら
その細い目をさらに細めるサキュバス。
「あら、ブラ付けてないんだ。ふーん…こーんな大きいおっぱいなのにね。
魔法戦士は本質的にはみーんなエッチっていうのが
私の持論だけどあなたも例外じゃないらしいわねえ…。」
桃色に色づいた乳房に唾液の効果で既に自己主張をはじめた乳首を舐めるように見つめながらサキュバスが呟いた。
「な…何訳の判らない事をっ…この変態!人質がいなければあんたなんかっ…。」
「人質ィ…?ああ、リップちゃんご苦労様。もういいわよん♪」
刺すような目で言ったティアナに一瞬表情を曇らせるサキュバス。だがすぐに合点がいったような顔になると
下魔に捕まえられたままの少女に向かって悪戯っぽく呼びかけた。
するとどうだろう。今まで怯え切った表情で捕まえられていた少女が突然嘘のように余裕ありげな表情になり、
強引に下魔を振り払ってみせたではないか。
「あーあっ…ご主人様ぁ。戦闘ならともかくこんな役は出来れば御免
蒙りたいんですけどねえ。私の柄じゃないっていうか…。」
すっかり本性を見せた少女がたいぎそうにコキコキと
首を鳴らしたり、伸びをしたりしながら不満げに言う。
33
:
名無しさん
:2008/07/13(日) 00:29:26 ID:bmbCTJdI
ペタ支援! 私も創作しないとなぁ……
34
:
名無しさん
:2008/07/13(日) 00:31:17 ID:yEAsW7pA
もっとエロスを!!
支援!!
35
:
Triangle StrikerS2話
:2008/07/13(日) 00:31:46 ID:ofA2g6o2
「そう言わないの。ほら、新しく捕まえたこの子…あなたにも苛めさせてあげるから。」
「ほんとですかぁ?くすくす…。ダーク・マジカル・センセーション!」
歌うように何かの呪文めいた言葉を呟く少女。すると彼女が纏っていた衣服が黒い光に包まれて弾け、
彼女の本来の姿へと作り変えていく。
一瞬の後、黒を基調にしていて露出が大きいコスチュームを身に纏った少女はゆっくりと
ティアナにゆっくりと歩み寄った。
「そんな…最初からグルだったなんて…。」
「クスクス…。紹介するわね。この子は“ダークリップ”ちゃん。スイートリップっていう
魔法戦士のクローン体なんだけど…戦闘能力もエッチなところも
オリジナルよりずうっと凄いんだから。」
「ご紹介に預かりました、ダークリップです。以後お見知りおきを。エッチな魔法戦士さん♪。」
水色の瞳を怪しく輝かせながらその少女…ダークリップは淫蕩に微笑んだ。
「こ…のっ!……ひゃうんっ………あっ……あああああんっ!」
クロスミラージュを構えるティアナ。
しかしサキュバスはすかさず先ほどはだけさせた胸を鷲掴みにした。
あられもなく嬌声をあげて悶えるティアナ。
そして前から攻勢に出たサキュバスとサンドイッチにするようにダークリップが
ティアナに後ろから襲い掛かっていった。
「あ、あ、ああああっ!」
ティアナの股間に妖しく伸びるダークリップの細い腕。
くちゅくちゅという水音が漏れ、その度に絶叫をあげて悶えるティアナ。
さらに彼女のなかなかの大きさを誇る桃の果実ような胸にはサキュバスがしゃぶりつき、
サクランボのような乳首を舌でコロコロと転がし、弄んでいく。
「派手に声あげちゃってぇ…。ほーんとエッチな子なのね。」
「私はエッチなんかじゃ…。あんたたちなんかに…。」
「減らず口の多い事。この子をアジトに連れて行くわよリップちゃん。
本番はメッツァーに一度見せてからにしましょう。ふふふっ…」
ちゅくり。
「ひゃうん!」
既に湿り気を帯びた股間をなぞりあげられてあられもない声をあげるティアナ。
闇の中で3人の女性の存在感が徐々に薄れ、やがて消えていき、後に残ったのは
下魔の死骸の山とゴミゴミしたいつもどおりの薄汚い路地だった。
36
:
Triangle StrikerS2話
:2008/07/13(日) 00:37:06 ID:ofA2g6o2
その頃…。
実はこの時正体不明の敵に襲われていたのはティアナだけではなかったのである。
そこから少し離れた海鳴市と隣町を隔てる一級河川の河川敷に展開された封時結界の内部では…。
「くうっ…。」
四方をその敵に囲まれて二人。
背中合わせになって必死に防戦を続けている者達が居た。
一人は今やその貞操は風前の灯火となったティアナ・ランスターの相棒・スバル・ナカジマ。
もう一人は桃色の騎士甲冑に身を包んだ機動六課のライトニングチームの副司令官…烈火の将ことシグナムだ。
そんな彼女らを取り囲むのは紫色のボディスーツに身を包んだ四人の少女…戦闘機人。
8番オットーを筆頭に、9番のノーヴェ、11番のウェンディ。12番のディードである。
また、そこから少し離れた場所に彼女達を遠巻きに眺めている戦闘機人がさらに2人。
4番のクアットロと3番のトーレだ。
妹達とスバル、そしてシグナムの彼我戦力差は歴然としている。
期待以上の能力を見せる妹達の姿に本来厳格な性格のトーレですら口元はやや緩んでいた。
戦闘機人と戦う前にシグナムとスバルはゆうに30体を超えるガジェット3型と下魔の相手をさせられていたのだ。
この上戦闘機人の相手をさせられるのは流石に酷であった。
「喰らえい!デッドリィィィィィナックルッス!」
ウェンディがボディスーツを纏った拳から放った強力な衝撃波の一撃が
既に疲弊していた防御魔法ごとスバルを捻じ伏せる。
スバルの悲鳴が辺りに響く。敵の戦力が自分を大きく上回っているという現実を突きつけられた事に対する
深い絶望を隠さない表情で彼女はよろよろと立ち上がった。
「いーいかんじっス。ライディングボードの完成はまだだけどこれならこいつ捻りつぶすくらい訳ねーっスよ。」
ウェンディが二の腕をぶんぶんと振り回しながら言う。
「くうっ…。紫電…っ!」
シグナムの愛剣、レヴァンティンが炎を纏う。彼女の必殺魔法、「紫電一閃」の溜めに入ったのだ。
しかし…「スカーレットファイア!」の掛け声とともに
4人の戦闘機人の拳から放たれたそれに倍する勢いの炎が彼女を襲った!
37
:
Triangle StrikerS2話
:2008/07/13(日) 00:41:16 ID:ofA2g6o2
「…終わり?いや、まだか…。」
炎の中でやっとの事で踏みとどまっているシグナムの姿を認めたオットーが呟く
彼女達戦闘機人が着込んでいるボディスーツは彼女達の創造主たるスカリエッティが
当初デザインしたものとはあきらかに異なっていた。
水着かウェットスーツ然とした以前のものとは異なりスーツの表面に人造筋肉が纏わり付いており、表面が以前のものと
比べてゴツゴツとしている。(それでもナンバーズ達のそれぞれ
個性の強いボディラインの見栄えを損なわない程度のものだが。)
これらは筋力の強化は言うまでもなく、猛烈な熱エネルギーを放射する
「スカーレットファイア」。拳に衝撃波を載せて相手を攻撃する
「デッドリーナックル」などの固定武装が仕込まれている特殊なものだ。
そしてこれはジェイル・スカリエッティが設計したものではない。
彼女達の後ろには…赤と黒に塗り分けられた強化スキンに身を包み、青いバイザーの付いた
ヘルメットを被った男性が立っている。この男こそナンバーズ達が身に着けているこのスーツの
開発者…ドクターファルケこと「雨塚鷹祐」である。
二年前のセイクリッドグラウンドを巡る戦いで傷ついた彼は強化スキンに
取り付けられた次元転送装置の故障により、自分のアジトへと帰還するはずが
とある辺境の次元世界へ飛ばされてしまったのだ。そしてその次元世界でたまたま
トライアルのためにその世界を訪れていたトーレとクアットロに偶然遭遇し、彼女達を通じて
スカリエッティと接触したというわけだ。あっという間に意気投合した
二人の天才科学者はそれから二年間お互いの技術を惜しみなく提供しあい双方の技術力を上昇させ、
二年経って今という時が来るのを手薬煉ひいてまっていたのだ。
「なんとも呆気の無い事ですね。これならじきにケリは付くでしょう。ミスター雨塚…いえ、ファルケ殿。」
「君たちなら本名で呼んでくれても構わんさ。しかし君の妹達とそれを考え付いたジェイルの頭脳がもともと優秀だったからね。
私の強化スキンはその手助けをしてるだけにすぎない。」
妹達から視線を移してファルケを横目で見ながら言うトーレに彼はまんざらでもなさそうに言った。その時。
≪上手く事が運んでるようだね雨塚。ウェンディやディード達の動作データも送られてくる物を見る限りだと順調のようだ。
おまけにタイプゼロの片割れと闇の書の遺産を捕獲出来るとはな…。≫
紫色の髪をはやした金色の瞳がギラつく青年が彼のバイザーに仕込まれた
通信モニターに映し出される画素越しに楽しげに語りかけた。
この男こそ、ナンバーズの生みの親ことジェイル・スカリエッティだ。
「ジェイルか。手はず通りこいつらを捕まえて戻るよ。セラフィにコーヒーを煎れておいて欲しいと伝えてくれ。
しかしなんだね。時空管理局ってそうとうでかい組織で、こいつらはかりにもエース部隊なんだろう?こんな簡単に事が済んでいいのかい?」
≪組織などというものは肥大化すればするほどバカになっていくものさ。我々科学者とはその点対極だがねえ。≫
笑みを浮かべて言ったファルケにスカリエッティは小さな画面越しにもわかるほどのオーバーリアクションで
手をヒラヒラさせこれまた下品な笑みを浮かべて言った。
38
:
名無しさん
:2008/07/13(日) 00:41:46 ID:yEAsW7pA
もっともっとも〜〜〜とエロスを!!!w
テラ支援w
39
:
名無しさん
:2008/07/13(日) 00:42:47 ID:/5oAt12c
支援
40
:
Triangle StrikerS2話
:2008/07/13(日) 00:43:46 ID:ofA2g6o2
「違いない。まあとにかくもうしばらくしたら戻るよ。」
≪ああ、待っているよ、我が友。≫
「さてと…。もうカタが付いたらしいね。」
通信を切ったファルケが視線を戻せば、スバルは既に戦闘不能にされ、ナンバーズ達に羽交い絞めにされていた。
シグナムは頃合を見て素早く一撃を入れたトーレの攻撃をもろに喰らってガックリと膝を突いている。
「アマ兄ぃ。アジトに連れてったらリョージョクってのするんスよね〜?」
ウェンディが好奇心もたっぷりに恐ろしい台詞を吐く。
「ああ、私がシンフォニックナイツと戦っていた時はそれがお約束だったがね。」
「へっへっへっ。楽しみッス〜。」
無邪気に笑うウェンディを見てほくそ笑むファルケ。かつて自分が率いていた上魔は
メッツァーについたサキュバスを除けば
そのほとんどが気色悪い男だった。それに比べれば同じ台詞でもなんと愛らしいのだろう。
彼の副官たるセラフィも魅力的ではあるがややフレッシュさに欠ける。
明るさにはもっと欠ける。しかしこんな事を本人の前で口にすれば翌日から
食事があからさまに不味くなるのでうっかりした事は言えないのだ。
「それでは連れて行くとしようか。面白い事になりそうだねえ。特に…」
満身創痍のシグナムの白く整った顔に手を伸ばそうとするファルケ。
気丈な彼女はすかさずその強化スキンに包まれた悪魔のそれにも似る漆黒の手を払った。
スパァン!
すかさず、平手で一撃。
「君はな。ヴォルケンリッターの長にして烈火の将、シグナム…。」
屈辱的な顔で呻き声を挙げるシグナムの顎を掴むとこれから彼女に施す
恐るべき仕打ちをどのようなものにするか思案しつつ不気味な笑みを漏らした。
41
:
名無しさん
:2008/07/13(日) 00:45:26 ID:bmbCTJdI
エクサ支援
42
:
名無しさん
:2008/07/13(日) 00:45:37 ID:/5oAt12c
支援
43
:
名無しさん
:2008/07/13(日) 00:49:23 ID:yEAsW7pA
神域の支援w
44
:
Triangle StrikerSの人
:2008/07/13(日) 00:49:59 ID:ofA2g6o2
キリが悪い気もしますがこれにて終了。
雨塚君ついに登場。
メ様もいいですが雨塚君も天才科学者でインテリで
ちょっとサイコパス入ってるところとか大好きなんですよね〜。
そして次回はエロ中心ですね〜。
ええ、サキュバスを(名無しとはいえ)オリキャラの婦警と融合させたのも
この時のためですとも。
個人的にエンシェルレナはナイツとは別シリーズだと考えてるんで
ディネロは出さない予定ですがシルヴァは出したいと思ってます。
45
:
名無しさん
:2008/07/13(日) 00:59:34 ID:bmbCTJdI
>>44
Good!
しかし、リップ堕ちした後だったとは
エンシェルレナは確かにナイツとはちょっと違った感じかもしれないですね。
46
:
Triangle StrikerSの人
:2008/07/13(日) 01:05:58 ID:ofA2g6o2
>>45
リップはじめ魔法戦士一派は
一度はそれぞれの主人公に堕とされたけど今は一応正義の心を取り戻した
脱走しているって設定です。
その辺は後で詳しくやりますが。
今回出てきたのはダークリップでしてスイートキッスを堕とすためにメッツァーが
スイートリップのマナから作った偽者で本物とは衣装のデザインと瞳と肌の色が違うんです。
一作目のスイートナイツとシンフォニックナイツにしか出てこない
微妙にマイナーなキャラですけどねw
47
:
名無しさん
:2008/07/13(日) 01:19:15 ID:/5oAt12c
GJ!面白かったです。
次はシグナムですか。楽しみです。
ナンバーズと仲の良い雨塚君が微笑ましかったです。
快楽の絆とは違う形ですけど。
メ様のほうはこれから誰を落とすことになるのか、
またシルヴァの活躍も期待してます。
では頑張ってください。
48
:
名無しさん
:2008/07/13(日) 15:35:43 ID:q/gmwIL2
雨塚君とスカって相性良いんですねw
結構六課の戦力が減ってきましたね。
エリオとか捕まったらどうなるんでしょう?
男に用はないと思いますが。
49
:
名無しさん
:2008/07/16(水) 14:08:28 ID:ZjRag9nQ
>>48
女性化してエリコになんじゃね?ww
50
:
名無しさん
:2008/07/16(水) 20:34:10 ID:T93OmncE
男は性と魔力を搾れるだけ搾るんだよ、きっとw
51
:
名無しさん
:2008/07/17(木) 04:15:08 ID:S0Yug7k.
そういえば一般人をナイツに奉仕させるってのがあった気がする。
似たようなことに使えそうだw
52
:
名無しさん
:2008/07/17(木) 21:35:48 ID:Z8Jmxr1c
セラフィが出てきそうなので期待ですw
53
:
名無しさん
:2008/07/17(木) 22:53:22 ID:13dT7nXE
名前だけならもう出てきてるぜ。
54
:
名無しさん
:2008/07/19(土) 13:36:00 ID:.AzK3gZU
投下マダ〜〜?w
もう続きが気になって気になって仕方が無いw
55
:
名無しさん
:2008/07/19(土) 13:57:26 ID:d9HIcCyQ
では、本日日付が変わる頃か、深夜辺りに投下しますかも
リリナイツを
56
:
名無しさん
:2008/07/19(土) 15:09:57 ID:.AzK3gZU
待ってましたw
支援w
57
:
名無しさん
:2008/07/19(土) 15:48:11 ID:2Oobl1m.
待ってて良かったw
支援
58
:
名無しさん
:2008/07/19(土) 19:47:50 ID:MCVDDfoM
これはwktkせざるを得ない
59
:
名無しさん
:2008/07/19(土) 23:30:58 ID:.AzK3gZU
もうすぐかな?
だめだwktkが止まらない・・・・・!!!
60
:
名無しさん
:2008/07/20(日) 00:57:51 ID:ZcNWNnRw
投下マダーーー??
ヤベェ睡魔に負けそうw
61
:
Lyrical knights
:2008/07/20(日) 01:27:55 ID:ADFIpBBc
お待たせして申し訳ないです
ちょっち遅れてしまった? というわけで投下行きます。
32分くらいから
62
:
名無しさん
:2008/07/20(日) 01:28:16 ID:S22/XeAk
落ち着け、エロスの力を信じるんだ
63
:
名無しさん
:2008/07/20(日) 01:28:53 ID:S22/XeAk
これがエロスの導きか……
64
:
Lyrical knights
:2008/07/20(日) 01:33:18 ID:ADFIpBBc
では逝きます。 今回はエロス少なめ? リインいないしねぇ
Lyrical knights
地上の長、レジアス・ゲイズの指令。
公開陳述時の場内警備は本局武官に専任させ、地上陸士は周辺警護及び市街地での交通整備の任に当たること。
尚、本件は最重要任務とする。
「……これで良い。少なくとも陸士が死ぬ確立は減る」
スカリエッティから齎された地上襲撃の情報。
以前から手を組んでいた相手だけあって、いつかこういった行動を起こすだろうと予想はついていた。
しかし、何ゆえこちらに情報を公開したのかはまでは判らない。
が、スカリエッティはやると言ったらやる男だ。
まず、この情報に偽りはないだろう。
「何とも業の深いことよ……」
黒光りする強化スキンの外骨格を視界に納め、その後地上本部を見下ろす。
数日のち、目の前の光景が火の海になる、そしてそれを黙認している自分。
そんな自分に腸煮えくり返る思いだ。
「しかし、全ては奴等を誅するため。地上、世界の平和のために」
その思いは、果てしなく重かった。
65
:
名無しさん
:2008/07/20(日) 01:33:54 ID:ZcNWNnRw
―――――さぁ、約束の刻限だ―――――
66
:
Lyrical knights
:2008/07/20(日) 01:34:18 ID:ADFIpBBc
機動六課及び地上本部侵略戦
スカリエッティの描く絵図の分岐点となる戦闘。
ナンバーズ11人、ゼスト、アギト、ルーテシア、その他諸々の人員が総出で臨む戦。
「では、始めよう。終わりで始まりの戦を。
各々の思い、野望を成就するために」
本部にクラッキングを仕掛け、情報を遮断。
また、防壁によって退路を遮断させた後、バレットイメージ・エアゾルシェルによって無力化させる。
潜入したチンクが動力を発見。
「IS、ランブルデトネイター発動」
轟音と共に動力源を爆破、破壊に成功。
これによって防壁の出力が低下。
第一段階をクリア。
続いて第二派に、ルーテシアの召喚魔法でガジェットを大量に送り込む。
「……召喚」
AMFを周囲に展開することによって、地上を無力化。
「ウーノ、索敵のほうはどうなっている?」
固有魔力パターンによる識別装置によって、相手の居場所を把握する。
GDに探査機を局内部のあらゆる場所に撃ち込ませることによってその範囲を広げていく。
「反応ありました。データを送信します」
全員の端末にデータが逐一送られてくる。
八神はやて等を隔離することに成功。
「ウフフ♪ あのコみーっけ」
サキュバスがはやてを捕まえに本部上空に分身を多数展開。
前回の比でない、膨大な数のサキュバスが、一人の少女を狙って蜂の大群の如く、進入した。
「騎士ゼスト、君も己の思いを果しに行きたまえ。
そのために、存えてきたのだろう」
「言われるまでもない。アギト、行くぞ」
「了解、ダンナ!」
ゼスト、アギトの2人がレジアスを目指して天空を飛翔する。
ノーヴェ、ウェンディがスバル、ティアナ、エリオ、キャロの新人たちを対処。
そして、機動六課隊舎には
「君達と組むのは久しぶりだねぇ、ロアでの決戦時以来かな」
無限の欲望を飼いならす魔人、ジェイル・スカリエッティ。
「そうなるだろうな。
最も、あの時と逆で今度は俺が貴様に手を貸しているのだがな」
白銀の髪に鋭い眼光の魔王、メッツァー・ハインケル。
「もうそろそろお時間です、メッツァー様」
その魔王の副官、ココノ・アクア。
「さぁ、叛乱の狼煙を上げようではないか!!」
魔導誘導式ミサイルを数発、機動六課に向けて発射し、さらに魔力砲を何発も撃ち込む。
メッツァーも魔法によって爆破させ、上魔や下魔を送り込む。
ろくに戦力の残っていなかった機動六課に、対抗する術は無い。
掌の上で踊っていた駒が、舞台上から降り、自分の意思で踊り始めた時だった。
67
:
Lyrical knights
:2008/07/20(日) 01:34:55 ID:ADFIpBBc
六課残存兵力である若干の本局武官と、シャマル、ザフィーラ相手にスカリエッティとメッツァー、ココノのメンバーにガジェットと下魔が多数。
空中戦力は、量産型ライディングボードを持つスカリエッティとメッツァー、ココノとガジェット。
地上での殴りあいは下魔とガジェット数体に任せ、上空からの遠距離攻撃によって敵殲滅を試みるのが最適であろう。
スカリエッティたちは上空にて待機。
「ガジェット、AMF展開。第1,2小隊は下魔と共に地上戦を、残りの部隊は空中より射撃。
味方の損失は問わずに、撃ちつくせ」
地上で戦っている味方もろとも敵を倒す戦法。
下魔は、体力がなくなると自爆して相手をかく乱する。
「エンシェント・ファイアー!」
メッツァーの炎属魔法が陸士数名を飲み込み焼け焦がす。
「ハハハ、俺の行く手を阻むとどうなるか思い知るが良い」
AMF影響下にも関わらず、魔法を撃ってくるメッツァーの姿に恐れ戦く本局武官達。
何故魔法が使えるのか、それはメッツァーの魔法がミッドチルダの魔法を異なるプロセスを経て発現しているからだ。
「メッツァー様の邪魔はさせません、アイス・ウインド!」
メッツァーを背後から撃とうとしている者がココノの魔法によって氷結する。
互いに背中合わせになり、全方位を警戒する。
地上戦力が全滅した後、残存的兵力はシャマル、ザフィーラの2人のみ。
さらにシャマルは魔力の酷使でリタイア寸前。
周りに広がるのは下魔の爆発に巻き込まれ粉微塵になった肉塊や、ガジェットの射撃によって打ち抜かれた血塗れの死体。
「ククク、さすがだねぇ騎士諸君。生き残るだろうとは思っていたが、手傷は負うだろうと思っていたのだが……中々如何して。
君たちを少々過小評価していたようだ。許しておくれ。
お詫びに全力を持って君たちを排除しよう……オットー、頼んだよ」
スカリエッティの呼び声に反応して現れる戦闘機人。
「了解、ドクター。僕のISレイストームで終わらせる」
掲げた掌から放射線状に魔力砲が射出される。
「クラールヴィント、防いで……!」
翠の盾が何枚も展開されるなか、ザフィーラが渾身の一撃を打たんと駆け抜ける。
「どぉぁぁぁァァァ!!」
空中のガジェットを足蹴にし、爆散させながらオットーに迫る。
「クハハハハ、それじゃ駄目じゃないか、ザフィーラ君。
常に相手の先を読んだ戦術を立てないと。
そのような、捨て身の一撃など、下策に過ぎん!」
その様子をスカリエッティは眺め、メッツァーは興味ないといわんばかりに見下ろした。
疾風迅雷の一閃。相手を貫く牙となったザフィーラがオットーに喰らい付く瞬間、突如上空から現れたもう一体に叩き落される。
茶色の長い髪を舞わせ、両手に剣をもった剣姫。ナンバーズNo12、ディード。
「IS、ツインブレイズ」
無感動な様子で呟く様子は機械と変わらない。
ザフィーラが墜落してまもなく、オットーが盾を破壊。
閃光を放ちながら、六課隊舎を爆発させた。
「さよなら」
そして、力なく地に伏すシャマル、ザフィーラにオットーの止めの一撃が放たれたのだった。
68
:
Lyrical knights
:2008/07/20(日) 01:35:50 ID:ADFIpBBc
「では、当初の予定通りに頼んだ。
私は彼女の元へと行ってくるよ」
メッツァーにそう言い残し、
炎に包まれる隊舎の中を、スカリエッティが一人歩く。
通路に倒れる局員を無視して、悠然と歩く。
「ルーテシアが器を確保するために先に乗り込んだと聞いているが、何とまた容赦の無い。
いや、生きているから容赦しているのか」
通路の隅に転がる気絶した局員達の姿。
机の山に叩きつけられているヴァイスは一際怪我が酷いが、それでも死んではいない。
そんなことを考えていたスカリエッティの前に、黒い布で全身を覆った人間大の生物が立っていた。
腕を水平に上げ、手に持った馬鹿みたいに大きい拳銃型デバイスの銃口をつきつける。
スカリエッティもそれに反応してデバイスを構える。
「……反応が遅いな。俺が敵だったら貴様はすでに死体となっている。
それとも、すでに制圧したものと考えて注意を怠ったのか……どちらにせよ、その油断は命取りとなりかねない」
布で隠された奥から告げてくる男の声。
それと同時に下ろされるデバイス。
「このような大場面で君が来ないわけがないじゃないか。
ましてや管理局に反逆する最初の戦だろう。君は来ていると確信していたのさ。
油断じゃなくて、信頼と言ってほしいね、ティーダ・ランスター」
かつて、任務中に殉職した管理局員の名前を呼んだ。
「その名前で呼ぶな。それは生者の名前。死者である俺は唯のティーダだ」
その言葉に肩をすくめる。
「まぁ、君がそういうなら良いさ。
時も差し迫っている、ここで長々と話している余裕は無い。
撤退するというのなら、私に付いて来たまえ」
「貴様の護衛でもしろというのか? 笑い話だな」
そういってクツクツと肩を震わす孤高の復讐者、ティーダ。
彼の憎悪の瞳は、ただ一点のみを見つめる。
身を滅ぼすほどの怨みが、彼に無限の力を与えるのだ。
(似たもの同士、だねぇ……因果なものだ。
本来なら対極にあった存在だろうに)
全ては、あの者たちが仕組んだこと。
「いや何、目的地の前に最大の敵がいるのだよ。
私の知る彼女なら、まず間違いなく現れる。
彼女の相手を一人でするのは少々酷でね、君に手助けしてほしいのだよ」
そう言って、歩み続ける。
昔感じた圧倒的な魔力の波動と、不屈の意思。
彼女の名前は、高町なのは。
かつて、スカリエッティが捕らえ、身体と心を陵辱した少女だった。
69
:
Lyrical knights
:2008/07/20(日) 01:36:44 ID:ADFIpBBc
リインⅡを禁固している部屋の前に広がる廊下。
普通よりも広いと言えるが、それでも動きが制限されることに変わりはない。
しかし、この一直線の通路は高町なのはにとって最適なフィールドだった。
レイジングハートを構え、誘導弾を何十も作り出し、こちらに来るであろうスカリエッティを待ち構える。
誘導弾を操りきる必要はない。ただ、前に飛ばすことさえ出来れば。
あとは数の暴力が敵を蹂躙する。
デバイスを握る手に力が入ると同時に汗が滲む。
頬にも汗が伝い、顎から床に落ちる。
無理をしているのが自覚できる。でも、やめることは出来ない。
(駄目だな、私。冷静にならなきゃいけないのに、ぜんぜん冷静になれない。
スカリエッティがいる、それだけで身体が反応してしまう……)
怒り、恐怖、悦楽、憎しみ。様々な感情が身体を駆け抜ける。
そして思い起こされる忌まわしい記憶。
全て、あの日から始まったことだった。
違法機械による、襲撃事件。
その対処に駆出された高町なのは。
高い魔力資質を持ち、PT事件や闇の書事件などの難事件を解決してきた彼女ならこの程度の事件、余裕で解決できるだろうと言うのが当時の上役たちの考えだった。
だが、その予想は大きく覆されることになる。
事前の報告と異なる大量の違法機械。後にガジェットドローンと呼ばれるそれらが視界を覆い尽くすほど広がる。
アクセルシューターで数機を撃墜しても、その端から湧いて出てくるガジェット。
さらに、攻撃している時に死角となる方向からの攻撃を喰らう。
圧倒的な物量の差。後のエースと言えど、この差を覆すことなど出来なかった。
魔力も底を尽き始め、もはや戦況は絶望的だった。
「でも、私を待っている人達がいるから……!」
一縷の望みをかけて、スターライトブレイカーを撃とうとした時、身体に奔る激痛。
魔力の集束が解け、地面に墜落していく。
痛みで朦朧とする頭、徐々に近づいていく地面。
(ああ……私、死んじゃうのかな)
そんな弱気な思考が頭を掠める。
地面は目の前、もう自力ではどうしようもない距離だった。
このまま墜落し、全身大怪我を負うのだろうと諦めた瞬間の出来事。
落下が止まった。
身体に巻かれている赤いバインドが止めたのだ。
「やれやれ。危うく貴重な存在を永久に失ってしまうところだった。
やはり、まだまだ命令系統に改良の余地があるな」
膝を付き、頭を垂れた格好だったなのはは、その声の主の方へ面を上げる。
そして、その金色の瞳に居竦まれた。
「ようこそ、欲望と狂気の世界へ。
私はジェイル・スカリエッティ。君を歓迎するよ、高町なのは」
欲望の牙が、希望を食い破る。
70
:
Lyrical knights
:2008/07/20(日) 01:37:29 ID:ADFIpBBc
当時のスカリエッティは今ほど余裕が無く、ただ相手にその存在を刻み付けることを求めていた。
そんなスカリエッティの研究所に連れ去られたなのはに待っていたのは狂気の実験の数々。
ありとあらゆる身体データを取られることから始まり、肉体を弄くられ、リンカーコアさえ手を加えられた。
それでも日常、戦闘その他今までの生活に一切の支障をきたさないのはスカリエッティの技術と知識が恐ろしく高い故である。
「この想い、この衝動。すべてを君と共有しよう。私は君の全てを手に入れる」
スカリエッティの尽きない欲望の衝動の吐け口にされるなのは。
性器に電極が取り付けられた。
「ひぎッ!」
初めて感じる痛みに声を上げるなのは。
その声すらも、今のスカリエッティには心地よい。
刹那、流される電流。
「ひぎぁぁァァァァ!!」
四肢が跳ね、のけぞるような体制になり、痙攣を起こす。
けれど、すぐに電流が止められる。
スカリエッティはなのはを亡き者にしたいわけではない。
ただ、知りたいだけなのだ。彼女がどういった存在なのかを。
初めて見たときに感じたあの光の正体を。
刻み付けたいのだ、自分の存在を。
だから、彼女の全てを犯す。
身体も、心も、魔力も。
「さぁ、今日も始めようか。君を染め上げる行為を」
そういって、なのはの手首を拘束し、天井から吊り下げる。
爪先立ちで、やっと体重が支えられるような高さにまで持ち上げられた。
手首に食い込む手枷が、痛い。
スカリエッティの腕が胸に突き込まれ、リンカーコアが抜き取られる。
「セット、アクセス」
リンカーコアの防衛機構を停止させ、全ての魔力に対する抵抗力を0にする。
そしていつものように、スカリエッティはなのはの唇を吸い上げる。
「ンぷ……ム」
そして、唇を割るように舌をねじ込んだ。
唾液に魔力を乗せ、口内の粘膜を染め上げる。
全ての魔力を無条件で受け入れるように設定されてしまったなのはのコアは彼の魔力もそのままの状態で受け入れる。
「つッ……」
他者の魔力を強制的に流し込まれ、身体が軋んだ。
少女の口内を蹂躙しながら、スカリエッティは肉棒を露出させる。
そのことに対して如何こう思う余裕など、なのはには無い。
腰を動かし、亀頭を割れ目にくっつけ、一気に尽きこんだ。
「ふゃァァァァ!」
奪い取るかの如き締め付けが、スカリエッティの性器を襲う。
それに対抗するように、腰を素早く刻みながら。その膣穴を犯す。
先走りが愛液と混ざり、粘膜に吸収される。
そうすることによって、キスよりも多くの魔力で蹂躙できるのだ。
そもそも精とは魔力でもあるのだから。
「ん、む、ハッ、んぅッ、ひゃぁあ!」
何度も何度も性行為を強要されつづけた結果、なのはの身体は快楽を受け入れていた。
心が如何思おうと、肉体は悦楽に堕ちている。
「良いぞ、なんという快楽。君の肉壷は素晴らしい」
挿入を繰り返すスカリエッティ。
「やめて……抜いてください……」
半分諦めの言葉を吐く。一体、何度この台詞を言っただろうか。
でも、スカリエッティが従ってくれたことは一度も無い。
何時も、そのまま蹂躙され、子宮奥深くに彼の精を放たれる。
スカリエッティの動きが速くなってきた。
もうそろそろ、イクのだろう。
「ひゃ、うン、ふぅぅぅん、ぅんんんんんッ……ァんん! んぁああっ!!」
はしたない嬌声を上げ、なのはの身体が絶頂へと押し上げられる。
「くぅッ!」
そして、放たれる精液の奔流。
肉体を染め上げる精液の匂いと感覚。
心を堕とす快楽の波。
そして、コアを侵食し、同化しようとする魔力。
今回の行為で、コアの8割近くがスカリエッティの魔力と同化した。
自分の中に存在が確認できるスカリエッティという悪夢。
これが、刻み付けるという行為。
自分の存在自体が犯されていく恐怖。
なのはの強い心でも、ここが限界だった。
壊れていく想いと意思。
「助けてください、もう弄らないでください、もう犯さないでください……
返して、私を解放して……もう、嫌なの……」
だから、なのははついにそう懇願してしまった。
あの時、彼女の心は折れた。
彼に服従してしまった。
そのときに生じた恐怖は心にしっかりと刻み込まれている。
だから、一人で寝ることに恐怖した。
起きているときは大丈夫だけど、寝るときは駄目だった。
起きたとき、またあの悪夢が待っているのではないかと思うととてもじゃないが一人でいられない。
71
:
Lyrical knights
:2008/07/20(日) 01:38:45 ID:ADFIpBBc
今、こうしてスカリエッティを待ち構えているだけでも膝が震えている。
まだこの身は彼から解放されていない。
「射程に捉えた。アクセルシューター、シュートッ!」
視界に捉えたスカリエッティ目掛けて何十と言うアクセルシューターを一直線に飛ばす。
誘導性を捨てて、速度を重要視したため、速いが曲がれないまさに弾丸となってスカリエッティに迫る。
それは、まさに雨の如く隙間なく降り注ぐ。
「これほどの密度の誘導弾。当たればただではすまないだろう。
しかし……この程度の弾幕、彼にとっては児戯に過ぎない」
ティーダの二挺のデバイスから正確無比に当たるものだけを迎撃する弾丸が射出される。
二丁拳銃での精密射撃。彼が目指した戦闘スタイルの完成形。
瞬時に目標を見定め、指が折れるほどの連射。誘導弾など一切使わない直線のみの射線ではあるが、その速度と計算しつくされた弾道は、あらゆるモノを穿つ魔弾。
しかし、その技は己の身を削る。指から血飛沫が舞い、銃身に血が伝う。
ティーダの手は戦闘機人のパーツで構成されているが、それを持っても耐え切れない絶技である。
「未熟。数撃てば当たると考えるのは二流以下のガンナーの考え方だ。
一流は見極め、当てるべきを中てる。
このように」
弾丸が壁を兆弾し、なのはの持つデバイスに着弾。次々に打ち込まれる弾がレイジングハートを弾き飛ばした。
「所詮、魔導師の撃ち方だな。意思で曲げることを前提とした射線だ」
武器を失った肢体に次々と打ち込まれる弾。
「あギッ! うグ! 痛いッ!!」
間接など、身体の繋ぎ目や柔らかいところを狙って撃たれるため、痛みが脳を貫いてくる。
やっぱり駄目だった。
スカリエッティには勝てない。
いつもの動きが出来なかった。身体が言うことを聞かない。
地面に倒れる。仕方がないことだ、所詮無理だったんだ……そういう後ろ向きな考えが頭を埋め尽くす。
彼女をそのようにした男の姿はすでになかった。
そんななのはを見下ろすスカリエッティ。
(……これは、何だ? あの輝かしい光の欠片すら見当たらないこの抜け殻の人形は)
こんなものに自分は惹かれていたのかと思うと、過去の自分の愚かさを嘆く。
これも、自分の心に余裕ができたから思うことだろうか。
72
:
Lyrical knights
:2008/07/20(日) 01:39:16 ID:ADFIpBBc
「かつての輝きの見る影もないな、高町なのは。エース・オブ・エースの名が泣くぞ。
君のあの不屈の輝きはどこにいったんだい? あの私を魅了した光は?
人としての在り方を示してくれた君の存在はどこに?
今の君は……抜け殻だな。諦めと怯えに満ちている」
失望した、と言わんばかりの表情をして見下してくるスカリエッティ。
「貴方が……貴方が私をこんな風にしたくせに!」
渾身の力を振り絞り、必死の抵抗。
たとえ表層だけだとしても、負けたと思いたくないというちっぽけな虚栄心。
けど、そんなハリボテの鎧なんて、彼の前では無意味だ。
「君は、私が“私”として目の前に現れているから、必要以上に恐れているだけだ。
“スカリエッティには勝てない”と思い込むことによって自己を正当化しているだけなんだよ」
その言葉が、心に刺さる。
正しい。なのはの心を正確に突いてくる彼の言葉。
でも、認められない。そうしたら、自分が自分でなくなってしまう気がする。
「いつもの私なんて知らないくせに! 出鱈目ばかりを言わないで!」
それで、止められるはずだった。
少なくとも、なのははそう思った。
しかし、その思いは裏切られる。
「いつもの君、ねぇ。残念だが、私は知っているのだよ。
割と毎日君を見ていたからねえ。
ほら? この顔に見覚えがあるだろう?」
そういって、偽りの仮面を発動させ、変身する。
スカリエッティから、売店のおっちゃんへ。
「あ……ああ……」
言葉にならない。彼は本当にいつもの自分を知っていた。
ずっと、ずっと私を見ていた。
「この通りだよ。私は、君を知っている。
その上で言わせてもらうなら、君はただスカリエッティという存在を免罪符にして自分の心の弱さを正当化しているだけだよ。
そんな偽りの輝きでは駄目だ。
君には君本来の輝きが存在する。今はただ、それがくすんでいるだけ。
そんなことでは、彼等に対抗できない」
その言葉は深く心に突き刺さった。
皹が入り、砕けそうになる。
もう何も出来ない、そう思った。
しかし、なのはの腕は横を通り過ぎるスカリエッティの白衣の裾を掴んでいた。
何時までもあのときの自分とは違う。
自分だけなら良い。それは自分の所為だからだ。
でも、ここから先に進ませたら、自分の所為で他の子を堕としてしまう。
だから、彼を進ませることだけは出来ない。
「駄目、行かせない。ここで行かせたらあの子も私みたいに後悔することになる……。
一度貴方に屈してしまったら、その先にあるのは本当の幸せじゃない。
だから……行かせない……」
スカリエッティの金色の瞳がなのはの瞳と交差する。
彼女の瞳に光るものを見た。
「……そうだ。その輝きだ。良いぞ、徐々に戻りつつある。
君はどうやら自分以外の要因がないと本当を語れないようだ。
なら、ますます彼女の存在は有用だ。
ハ、ハハハ、フハハハハ!! 素晴らしい! 君たちは本当に人間をしているよ!
自由意志をもって行動して生きている。なんと美しいことか!」
白衣から腕輪を取り出し、なのはの右手首に装着する。
内側に備わった無針注射器によって、体内に薬品が打ち込まれる。
「それは、記憶を強制的に回顧させる効果を持つ麻薬を定期的に注射される特性の腕輪さ。
そして、体内残留ドラッグが0になった瞬間、宿主を覚めぬ眠りへと誘う効果を持つナノマシンも同時に君の体内に放出した。
それを破壊したり、外したりしたら、永遠に夢の中。
過去の一部を永遠に繰り返すことになる」
これで、彼女はずっとスカリエッティに拘束されて生きていくことになる。
ずっと、ずっと、スカリエッティを忘れさせない為の、麻薬。
「これは君への発破だ。
それを見て私への怨み、怒り、その他の感情を思い出せ。
私を私と認識したまえ。私を永遠の存在としてその心に刻んでくれ。
そして、再び会敵するときに、その輝きを取り戻しておいてくれ。
でないと、染め甲斐がないからねえ」
心底から笑いながら、スカリエッティは立ち去った。
なのはは、そんなスカリエッティが目に入らないほどに闇へと囚われてしまっていた。
彼女の絶望は、深く暗い。
73
:
Lyrical knights
:2008/07/20(日) 01:39:47 ID:ADFIpBBc
隊舎の隅にある一室にたどり着いた。
外部タッチパネルを操作し、暗証番号を打ち込む。
空気の抜けるような音と共に、ドアがスライドする。
室内にいたのは囚われの姫。
「御機嫌よう、お嬢様。お迎えに上がりました」
台詞だけなら騎士。礼をする姿は執事の如く。
しかし、その中身は蛇だった。
楽園の平穏を脅かす蛇、それがスカリエッティ。
そして、妖精は禁断の果実を口にしてしまった楽園の姫。
一度知ったら戻れなかった。自ら楽園を捨てて、蛇のいる奈落へと身を堕とす。
「魔力リミッター……少々手荒になってしまうな」
魔方陣が展開され、リインⅡの肉体を作り変える。
身体から光りを放ち、身体サイズを大きくしつつ、存在が再構築されていく。
光りが収まった時、そこには13,4歳ほどに成長した少女がその素肌をさらしていた。
それは今までの彼女に在らず。
「セットアップ」
魔力光があたりを照らし、リインⅡがBJを構築した。
元々の白と蒼の清楚なイメージのデザインから一転、金と紫と群青を基調とした全身を拘束するかのような被虐性を前面に押し出したデザインへ。
「金色は貴方の瞳の色、紫は貴方の髪の色。
リインの全てを貴方に差し上げます。
私は祝福の風。貴方だけに祝福をとどける風」
スカリエッティの首に腕を回し、顔を近づけて誓いのキスを交わす。
「ちゅ……む……んッ……」
舌を絡ませ、唾液を交換し合う。
唇を離すと、二人の間に銀の糸が橋を作った。
「そろそろ逃げないと拙いです。
早く行きましょう?」
乙女のように微笑む少女の差し出してきた手を、スカリエッティは離さない様にと硬く握った。
魔界の下魔の集団が阿鼻叫喚の地獄絵図を描き出す。
司令官のメッツァーが自分たち以外の敵を全て攻撃するように命令したため、下魔たちは手当たり次第に破壊を繰り広げる。
戦闘力の無い一般職員は、抵抗する間も無く敗れ去り、男女構わずに陵辱された。
闘える魔導師も、次から次へとやってくる死を恐れぬ化け物集団に徐々に押され始め、味方を見捨てて逃亡するものが出始める。
また一人、倒され引きずられていく。助けを求めて手を伸ばすも、それを取る者はおらず。
泣き叫びながら、下魔の渦へと消えていった。
その末路は、想像に難くない。
74
:
Lyrical knights
:2008/07/20(日) 01:40:41 ID:ADFIpBBc
海から上がったキャロが見た光景。
燃え盛る六課。敵による殲滅宣言。
涙が溢れるなか、ひとつの覚悟を決め、最終手段に出る。
足元に展開される召喚魔方陣。
「竜騎……召喚」
デバイスに奔る魔力。
あとはその真名を呼び、世界に顕現させるだけ。
しかし、そのとき目の前にミッドでもベルカでもない魔法陣が展開され、そこから稲妻が少女に向かって放たれる。
「キャァァァ!!」
全身の筋肉が硬直し、仰け反りそのまま倒れる。
起き上がろうとしても、全身の筋肉が攣ったように動かない。
そんなキャロを見下ろす銀髪の男、メッツァー。
先程の魔法も彼が撃ったものだ。
「なにやら強大な存在を召喚しようとしていた様だが、召喚し終える前に術者を無力化すれば対処は容易。
そもそも、召喚師が前衛無しで力を行使しようとすることが愚かだな」
キャロの右手を踏みつける。
足の下に感じるデバイスの感覚。
さらにそこから放たれる魔力の波動。
「これが、貴様の力の発動体というわけか」
踏みつけていた手を掴み、手を目の前まで持っていく。
グローブ型のデバイスがそこに装着されている。
「いッ!」
指先に魔力を込め、デバイスのコア部分に触れる。
紫電が機械回路を駆け巡り、AI部を蹂躙した。
耐電性が強かったため、完全な破壊は不可能だったが、修復が絶望的なほどの傷を負わせた。
「力なき自分を怨み嘆きながら凍れ…アイス・ウインド」
幼い身体を吊り上げ、無理やりに立たせたところで、魔法を行使する。
先とは異なり、氷属の強大な魔力がメッツァーにあつまり、そこから発動した魔法がキャロの肉体を氷柱に閉じ込めた。
辺りに冷気が漂い、その中央に佇む人間大の氷柱。
その中にいる、氷付けにされた少女。
最も、この程度の魔法で人間を永久に氷結させていることなど不可能。
ほんの2,3日程度だが、それでも相手に与えられるダメージは大きい。
作戦は終了し、当初の目的を完遂した。
あとは、脳ミソ達が持っているというA細胞とM因子の回収、消滅だけだ。
一発の弾丸が少女の行く手を阻んだ。
すぐさま物陰に隠れ、デバイスを構える。
相棒の存在が、やけに頼もしく見えた。
「こんなところで止まってる時間はないって言うのに」
拳銃デバイス、クロスミラージュを構える少女、ティアナ・ランスター。
幻影弾と実弾を混ぜながらの射撃を一定時間行った後、設置型シュートバレットによる遠隔射撃を行う。
その隙に自身はオプティックハイドによって戦線から離脱。
囮だとわかっていても、自身を攻撃してくるシュートバレットに対処しなくてはならない隙をついての行動。
しかし、そんなものは彼の前では無意味だった。
「まだまだ魔法の構成と戦術の組み立て方が甘いな、ティアナ」
その声に、ティアナの身体が震える。
ずっと聞きたくて、ずっと求めていた声。
「あ……そ、んな…うそ」
風がその身を包む黒い布を剥ぎ取ると、そこから現れたのは、あの日と変わらない姿。
「にい……さん」
そこに、銃口を向けるティーダの姿があった。
75
:
Lyrical knights
:2008/07/20(日) 01:41:18 ID:ADFIpBBc
『御機嫌よう、時空管理局の諸君。私が、ジェイル・スカリエッティだ』
燃える六課を背景に、通信を繋いで来たスカリエッティ。
『人は、自由であるべきだ。
人の定義は自由であることだと私は考える。
だが、私はこれまで自由を奪われて生きてきた。つまり、私は人ではなかったのだ。
そして、人は欲を追い求めるモノだ。むしろ欲は人そのものといっても言い。
だから、私は欲しいモノを求め、あらゆる存在を淘汰し、この身を人へと昇華させる。
全ては無限の欲望の元に。
ほら、私は今、人であろうとしている。
素晴らしい、素晴らしい! これが生きているということか! これが私の求めるものか!
フフフ、フハハハハハ!』
スカリエッティの通信が、管理局に響き渡る。
命輝く限り精一杯人にあろうとする生命体の必死の叫び。
彼の通信はそれを訴えていた。
「予言は、覆らなかった……」
自分の力なさを歎く騎士カリムに
「まだや。機動六課は、私たちは、まだ終わってない」
いまだ闘志の絶えぬ八神はやて。
不屈の意思をもった彼女に
「残念、少なくともアナタはここでお・わ・り」
部屋を覆いつくすほどのサキュバスたちが襲い掛かった。
周囲にいた管理局員たちを爪で切り裂き、血が沼となり、肉片が沈みいく。
容赦なき力の奔流。対抗する時間すらなく、多くの人間がその命を散らして逝った。
「ぐッ……」
はやての腹部に拳を叩き込んだ。
倒れるはやてを決死の覚悟で守る局員の群れ。
しかし、それはまさしく肉の壁。打ち寄せる大いなる流れの前に、次々と削られていく。
悲鳴、嘆き、呪い、涙。
それらがあたりに途切れなく響く。
「やるわねぇ、自らの身体を盾にして肉の壁を作るなんて。
腐った脳ミソに踊らされてる連中にしては、随分とお頭が回るのね。
でも、む〜だよ♪」
振りぬかれる爪の切り裂きはまた肉片を作り出した。
封鎖された空間内に、血肉の臭いが充満する。
音無き嘆き。自分のために数多の命が犠牲になっていく光景は、はやてにとって地獄でしかなかった。
外で爆発音がした。
「あら残念、時間切れのようね。また会いましょう」
殺戮を巻き起こした嵐が去っていった。
残ったのは、僅かな生き残りと、大量の肉。
はやてはその場で膝を付いた。
膝が血で汚れる。
血の沼から肉片を掬い上げる。もはや、それが誰だかわからない。
だが、彼あるいは彼女ははやての為に死んだのだ。
「なんで? なんでやの? 何でこんなことになったん?」
いくら悩んでも答えの出ない問い。
そんなはやての肩を抱くことしか、カリムには出来なかった。
管理局の一室、そこは最高評議会と呼ばれる連中が集まる部屋。
「スカリエッティ、あの愚か者は何を考えてこのような暴挙にでたのか」
そこにあるのは3つの脳ミソが入ったケース。
彼等こそが管理局を創立したメンバー。
容器の中に気泡が浮かぶ。
「それは判らぬ。が、造物主に逆らう愚者には身の程を判らせる必要がある」
「そのための布石も打ってある。あやつが我等を監視するために使わしたのだろうが、その程度の策は読んでいた」
スポットライトが当てられる。
そこには禍々しいイスに座り眠っている少女がいた。
76
:
Lyrical knights
:2008/07/20(日) 01:41:59 ID:ADFIpBBc
少年が目覚めたとき、目の前には残酷な現実があった。
「う……アぁ……アアアアアアアァァァァァァ!!!!」
痛む身体を引き摺りながらそれに近づき、変わらない現実に絶叫した。
キャロの封じられた氷柱に縋りつきながら。
「何で、何で、何でだァァァァァァ!!!」
その慟哭に答えるかのように次々と湧いてくるガジェットや下魔。
烈火の意思を秘めた瞳でそれらを睨みつける。
手に持ったデバイスがそれに反応したように紫電を発する。
ゆっくりと、ストラーダを構えた。
「お前等が……お前等がやったのか!!!」
全身に雷を纏いながらの特攻。後先を考えずにただ目の前の敵を皆殺しにする。
縦横無尽に駆け巡り、自己の限界すらも超えた攻撃はエリオの身体を傷つけた。
無理な方向転換で脚の骨が折れ、ストラーダのスピードに付いていけずに肩が外れる。
それらの痛みを無視して、全身で敵を討つ。
「死ねぇエエエ!!!」
振り下ろしたストラーダの動きを殺さずに石突でもう一体を殴り殺す。
下魔の頭を叩き潰し、返り血を浴びるが顔を拭うだけで、後は気にしない。
下魔の爪が二の腕、脹脛を引き裂き、激痛が走るが、気にせずに武器を振る。
何かが切れる音、筋肉が断裂したようだった。
でも、まだ闘えると心は訴えた。
円の動きで槍特有の連続攻撃を仕掛ける。
刃で斬り裂き、石突で殴り屠る。
白いバリアジャケットが真っ赤に染まる。
それでも、エリオは雄叫びを上げながら攻撃を止めはしなかった。
数十分後には辺りに動くものは無く、血まみれの少年が氷柱に寄りかかって座り込んでいる姿だけがあった。
その回りに夥しい殺傷跡を残しながら。
エリオの魔力は枯渇しかけ、肉体も瀕死に近い。
ここで死ぬのか、と漠然に思う。
それなら、護ると誓った少女の下で死にたい、そう思った。
「ごめんキャロ……僕は、君を護れなかったよ……」
背中のキャロに語りかけるが、返事は当然無い。
瞳に涙が浮かぶ。
「僕は所詮、見習い騎士だったみたい……大切な人も護れなかったんだから」
頬を伝う涙。
途切れ逝く意識の中で、誰かの呼び声を聴いた気がした……。
77
:
Lyrical knights
:2008/07/20(日) 01:42:30 ID:ADFIpBBc
『エ……オ、ん。エリ……く……』
誰かの呼び声。最後に聞いた声とは違う、求めて止まない人の声。
その声に引かれるように、エリオの意識は浮上していった。
「エリオ君!!!」
声と同時に全身に感じる温もりと確かな重み。
優しい桃色の髪が眼前をゆれる。
目の前の光景が信じられなくて、でも夢であって欲しくは無くて。
その人を、思いっきり抱きしめ、顔を埋める。
「無事だったんだね、キャロ!」
思わず涙声になってしまうのは仕方が無かった。
もう、あえないと思っていた少女と再び見えることが出来た、この幸せに感謝する。
降り注ぐ朝日が目に沁みるようだ。
だというのに、
「やぁ、目が覚めたようだね」
それをぶち壊しにする声が、聞こえた。
デバイス状態のままだったストラーダを声のするほうに向ける。
その動きは澱みなく、まさに獲物を狩る獣の牙の如く。
「スカリエッティ、貴様ァ!!」
怒気に反応して魔力が勝手に紫電を発し始める。
コンクリートの壁床に当たり、焦げ後を幾つも作った。
「やれやれ、少し落ち着きたまえ」
そう言って、指を弾く。
瞬間、エリオの纏っていた魔力の結合が綻び、霧散していった。
AMFが展開されたのだ。
しかし、辺りにガジェットの姿は見えない。
(一体どこに……?)
エリオはAMFの発生源を探す。
それは、難なく見つけることができた。
隠れてもいない、初めからエリオの目の前にあった。
キャロの両手足と首に付けられている紫色の拘束輪。
良く見ると、ガジェットに似た造形をしているのがわかる。
「キ、キャロ……それは、一体……?」
そう訊ねると、彼女は悲しげに笑った。
「エリオ君を助けるためにね……」
その先が語られることはなかった。
しかし、エリオにはその先が理解できる。
自分を助けるために彼女が犠牲になったのだ、ということを。
「何故彼女にこんなことを!」
スカリエッティを睨みつける。
その烈火の視線を受けても、スカリエッティはその涼しげな笑みを崩しはしなかった。
むしろ、一層笑みを深める。
「何故? その問いはあまりにも愚かだ。私は君の友達か? 仲間か?
違うだろう。私と君たちは“敵”なんだよ。
その敵を気遣う必要がどこにある? 君も彼女も、戦場に立ったのだから、それを自覚したまえ。
捕虜を無力化するのは“アタリマエ”の行為だよ」
そう言って嘲笑する。
「最も、私もそうする必要があるのか迷ったのだがね。
先にも言ったように、君と私は敵だ。故に、敵を助ける必要性はあるのか?
むしろ、止めを刺した方が後々有利になるのでは?
だが、君等を助けるのもまた面白い結果を齎すかも知れない。
私の存在をその心に刻むことが出来るかもしれない。
判るかね? 君たちは“かも知れない”という仮定に命を救われたのだ」
その場から立ち去ったスカリエッティ。
エリオはその姿を見て、拳を床に叩き付けた。
「クソッ、クソッ!!!」
自分の不甲斐なさを呪いながら、何度も何度も。
「エリオ君、もうやめて!」
自分を止めるキャロの声も耳に入らない。
(見逃されたんだ。哀れみをかけられたんだ)
騎士以前の話だ。相手にすら敵と見られていない。
血が流れても、叩きつけるのをやめない。
「アアァァァァァ!」
涙が流れる。
自分の存在が、惨めだった。
闇に転がり落ちていく心を
「大丈夫だよ、大丈夫。次は上手くできるよ」
その温もりが拾い上げてくれた。
「きゃろ……?」
少年の目の前に少女の顔があった。
優しく、全てを包み込むように抱きしめられていた。
「完璧に出来なくてもいいんだよ。私たちはまだこれからなんだから。
次に失敗しなきゃいいんだよ。
一人で先に行っちゃ嫌だよ。私を置いて行かないで。
私と一緒に一歩ずつ、前に進んでいこう?」
その言葉は、すんなりと心に沁み込んでいく。
「あ……あああああァァァァ!」
涙が流れ落ちる。
声にならない音が口から零れる。
その日、少年は少女の胸の中で、思い切り啼いた。
少女はそんな少年の身体をずっと抱きしめていた。
78
:
Lyrical knights
:2008/07/20(日) 01:43:01 ID:ADFIpBBc
岩壁がむき出しの薄暗い穴倉に一際彩を放つ一輪の華。
闇に見初められ、光から影へと身を堕とし、自ら首輪を嵌めた少女がそこにいた。
大画面で浮かぶモニタを眺めつつ、乙女の体を抱きしめる。
小柄な身体を暖かな温もりに抱きしめられ、顔を赤らめつつ幸せそうに笑うリインⅡ。
背中に回した手を、衣服の中に進入させ、その肌理細やかな肌の感触を楽しむスカリエッティ。
「そういえば、何故私をあの時助けた?」
あれは、予測可能の範囲内ではあったが、恐ろしく確立の低い未来だ。
何が彼女にそのような行動を取らせたのか、それが気になった。
「私が助けを求めているときに助けてくれたから。
護って欲しいときに護ってくれたから。
例えそれが貴方のつけた傷であっても、あの時救われた気持ちになったのは本当だからです」
だから、あの時スカリエッティを護るのに、ためらいは無かった。
自分でも、それが愚かなことだと判っている。
全てスカリエッティが仕組んだことで、彼女は嵌められただけ。
でも、心はそれに逆らって動いていたのだ。
彼を思わない日は無く、毎日用も無く彼の元に通った。
彼の優しい視線が好き。彼の鋭い視線が好き。彼の全てが好き。
リインⅡにとって、スカリエッティも売店のおっちゃんも同じ好きな人。
スカリエッティの唇に可愛く口付ける。
これまでの舌を絡ませるようなキスでなく、ただ唇を重ねるだけのキス。
初々しい恋人同士がするようなそれは、これまでとはまた違った味わいがあった。
「あ……こういうキスは初めて、です」
してから思ったのか、若干うつむき加減で口にする。
「リインを貴方の所有物にしてください。
奴隷でもいいです。
貴方の思うように、犯し、汚し、辱めてください。
私を離さないで。閉じ込めて、跳びたてないようにしてください」
たとえ彼から愛されなくても良い。ただ、彼とのつながりが欲しいだけ。
それが、どのようなモノでも構わなかった。自分を縛り付けておいて欲しい。
それが、彼女の愛の形。
歪んでいても、純粋な思いの形だった。
「当然だ。私が君を手放す訳が無い。
君は、ずっと私のモノだ」
79
:
Lyrical knights
:2008/07/20(日) 01:43:34 ID:ADFIpBBc
スカリエッティの答えは愛から生じるものではない。
ただ、欲しいという欲望から生まれ出たもの。
それは、リインⅡも判っている。スカリエッティがそういう人間だと理解している。
けど、彼女にとってはそれでも良かったのだ。
互いに純粋な思いの交差故の絆が、そこにはあった。
スカリエッティがリインⅡを押し倒し、覆い被さる。
少女の性器に触れると、溢れんばかりの愛液が流れ出ていた。
そのまま中で捏ね繰り回す。
「もうこんなになっていたのか。
やっぱり、君は厭らしいな」
「ひゃッ……うン、あ……ン。
貴方のことを……思うと、あン…止められなくて…」
胸を露出させ、その柔らかな乳房に指が食い込み、手の平で歪ませる。
蕩けた瞳で、蹂躙される己の柔肌を視界に納めながら、淫らに身体をくねらせた。
秘裂からの水音が、さらに大きくなった。
そのようすを見て、海綿体が充血する。
酷く興奮を感じる、性交運動をしたいと訴えかけてくる。
「ン…ふぁッ、ぐちょぐちょって……言ってるです……ひゃン…ンむ……
もっと、リインを支配して…んぅッ……ください、ですッ」
リインⅡの頬に手を伸ばし、壊れ物を扱うかのように、丁寧に撫でる。
口元に指を持っていくと、そのままリインⅡの口の中に指が吸い込まれた。
「ん、んむ……ちゅぱ…むちゅ……れらっ、れろろっ……んむぅ」
巻きつくように伸びる舌で、マッサージされる。
指を動かすと、それを追う様に伸びてくる。
口内を弄りながら、乳房を揉むのを再開する。
無骨な指の隙間から、勃った乳首と淡い色の乳輪が覗いた。
さらに、遠慮無しに揉みしだく。
口の隙間から漏れる呼吸の感覚が短くなっていき、顔が赤く染まっていった。
「ぅむぅっ……んっ……ふぅ…んんんっ……あふぅ……ふぁあっ」
指を口から引き抜くと、そこには唾液が糸を引いていた。
唾液でとろとろになった指を、口に咥えるスカリエッティ。
その味は甘美で、麻薬の如く脳内に駆け巡った。
その感覚を感じたのか、リインⅡは腰をくねらせる。
「あの、もう限界なんです。私を目茶苦茶にしてください、犯してくださいです」
赤かった顔をさらに赤くしての告白。
堕ちても、自分からおねだりすることは恥ずかしいようだ。
その顔をジッと見つめるスカリエッティ。
これは罠じゃないか? という疑問が頭をよぎる。
(だが、罠に嵌められるのもまた一興。君の心に私を刻み込めるのなら、それも良し)
しかし、それでも用心は忘れない。
座標を把握し、手首にバインドを施し、片腕を頭上で押さえつける。
「目茶苦茶に犯してあげよう、君の願ったように。泣き叫び、私を忘れられなくなるように」
80
:
Lyrical knights
:2008/07/20(日) 01:44:05 ID:ADFIpBBc
BJのスカートをたくし上げ、現れた下着を破る。
晒された秘裂は幾度と無く肉棒に犯されたはずなのに、処女の時と変わらぬ姿だった。
存在としての特性かと思う一方、目の前の少女だからこそだと思う気持ちもあった。
少女の方を見ると、目を閉じながらも期待している様子が見て取れる。
(このまま思惑通りにやってしまっては意味がない)
蜜が垂れそうなほど潤んだ秘裂をあえて無視し、胸を服の上から軽く弄る。
腹から腰に手を下ろしていき、あと少しで性器、というところで反転。
しっとりと汗ばむ桜色の肌が、艶かしく吸い付く。
いつまでも触れていたいと思わせる触感は実に魅力的だ。
それと共に発せられる嬌声。
少女の身体は楽器で、彼は奏者。奏でる旋律は淫らに踊る。
「はぅ……あン……もう少し、なのに……ン」
男を誘うように腰をくねらせ、全身からその誘い香を漂わせながら熱い吐息を吐くリインⅡ。
それでも、直接言葉に出して催促はしてこない。
自分が相手よりも下の存在であると、認識しているから。
その反応をみて、スカリエッティはリインⅡを支配したことを認めた。
ここまできたのなら、些細なことでは裏切りはしないだろう。
腹部をなぞっていた指を、秘裂に突き込む。
「ひゃぁぁッ!」
一際大きな嬌声が響いた。
間髪入れずに手を淫水を掻き出すように激しく出し入れする。
指先がふやけそうなほどに濡れる。
強張った筋肉が弛緩し、身体を支えるだけの力すら入らなくなった少女の蜜壷にその肉棒を荒々しく削り込んだ。
蕩けるほどに潤んだリインⅡの性器が、スカリエッティの肉棒を優しく包み込む。
淫らに腰を振り、全身をつかってスカリエッティを悦ばせようとするリインⅡ。
スカリエッティに全てをもって尽くす、鎖につながれた天使。
「はッ……気持ち、イイ……ですかッ?」
涙を流し、唾液を伝わらせながら、舌足らずな声で囁く。
度を過ぎた快楽によって頭痛がするが、そんなの問題ないと言わんばかりの献身。
スカリエッティはその返答に、リインⅡの蜜壷を思い切り突き上げた。
「ふぁああああああっ!!!!」
突然の不意打ちに、ずっと焦らされていたリインⅡが耐え切れるはずも無い。
全身の痙攣、膣壁が収縮し、スカリエッティの肉棒を締め上げる。
「はぁ……はぁ……はぁ」
荒い吐息を繰り返しながら、リインⅡはスカリエッティの胸に寄りかかっていた。
もう限界だったが、スカリエッティの動きが止まる気配は無い。
人形のようにガクガクと身体を揺さぶられる。
口から漏れるのは反射的な艶声。
「さて、私の精で君の膣を染め上げようじゃないか」
ラストスパートの突き込みと、感じる精液の熱さ。
もはやリインⅡになす術はなく、ただ精人形のようにその肉体を使われるしか無かった。
(でも、これで良いんです。私はただこの人の側に居れればそれだけで……)
81
:
Lyrical knights
:2008/07/20(日) 01:50:12 ID:ADFIpBBc
ここまでです。
スカ陣営がオラオラしてます。
次回辺りから地上と六課の盛り返しとメ様の暗躍、脳ミソの野望とリインⅡの想い炸裂
の4本立てで……
他のキャラも書かないといけないと書いて見たんですが、どうなんでしょうねぇ……
82
:
名無しさん
:2008/07/20(日) 02:01:33 ID:S22/XeAk
メ様が前線で戦ってるのって何気に珍しい
いや強い事に違和感はないけどゲームではおさわり担当だったんでw
なのはさんやエリオ達が乙女なリインのインパクトに……リイン可愛いよリイン
フェイトそんのスカに対する殺意はクライマックスと推測
次回予告に兄貴が入ってないのは盛り返しで妹に、とか不安になる(´・ω・`)
83
:
名無しさん
:2008/07/20(日) 02:09:20 ID:5EmmCq.k
GJでした!
皆良かったです。スカもなのはもリインも。
メ様もw
何気にキャロが目立ってるwまるでヒロインだw
そしてとうとう現れたランスター兄。
彼のこれからに期待です。
84
:
名無しさん
:2008/07/20(日) 14:29:43 ID:Xca7h8jM
なのはにもっと絶望をww
次回投下待ってますw
85
:
名無しさん
:2008/07/21(月) 20:07:34 ID:XZ/gV6q6
面白かったです。
敗北が素晴らしく思えるのが、ナイツの素敵なところ。
フェイトの出番もいつかあるかと思ってます。
ナイツシリーズの新作が出るみたいですね。
これで更に活気付いてくれれば嬉しいです。
86
:
名無しさん
:2008/07/22(火) 16:52:00 ID:TKYCwZKE
GJ!なにやら企んでるレジアス。
スカは管理局より能力が高そうです。
直接的な戦闘以外の。
87
:
名無しさん
:2008/07/24(木) 20:52:33 ID:gqoLjoDs
Triangle StrikerSを9時半〜10時ぐらいに投下したいと思うっス。
88
:
名無しさん
:2008/07/24(木) 21:30:25 ID:h8PB1z2Q
待ってました。支援
89
:
Triangle StrikerSの人
:2008/07/24(木) 21:54:40 ID:gqoLjoDs
よし、それでは投下いきます。
最初のほうに少しだけふたなり描写があるので苦手な方はご注意を。
90
:
Triangle StrikerS3話
:2008/07/24(木) 21:57:27 ID:gqoLjoDs
メッツァーのアジトでは。
「こ、ここは…。」
「お前がサキュバスの言っていた面白い女か…。」
薄暗い光に目を覚ますティアナ。するとそこには…。
「俺の名はメッツァー・ハインケル。」
赤いジャケットを纏った銀髪の青年…。
メッツァー・ハインケルだ。
「女、名前を言って見ろ。」
「…。ティアナ。ティアナ・ランスター。」
両脇に立った下魔にいなされもごもごと名前を述べるティアナ。
「ほう。ティアナか。これはこれは。あのプリンセスティアと同じ名とはな。しかし同じ名前だとややこしい。
奴も遠からず我が性奴隷になるのだからな。よし、貴様の事はランスターと呼ぶとしよう。」
メッツァーはほくそ笑みながら言った。
「何勝手な事言ってんのよ!」
「私は邪悪なる者に絶対に屈しはしない、か…?ククク…。面白い物を見せてやろう。」
指を弾くメッツァー。すると頭上のモニターに映像が映し出された。
そこに映っていたのは…。
「なっ…!」
銀髪の女性…リスティが自分をここに連れてきたサキュバスによって責められている姿であった。
サキュバスは先ほど融合した警察官の姿をとっているため服装こそ婦警のものだが、胸元ははだけられていて
タイトスカートが捲られた股間には本来ありうべからざる器官…ペニスが生え、
それがリスティの股間をぐちゅぐちゅとした音を立てて
貫き、抉っている。
「ああっ!ああぁっ…はぁぁぁぁぁあぁぁぁぁん!」
自慢のHGSを封じられたリスティにもはや抗う術はなく、ただ髪を振り乱し、快楽に喘ぐ。
「さあ、もう堕ちちゃいなさいな。そうすれば…フフ。たっぷり注ぎ込んで気持ちよくしてあげるわよ♪」
耳元でねっとりと囁く。
「ああ…あああっ…ダメだ…。お、堕ちる…ボク…堕ちて…あああっ…でも…それだけはっ!」
「ほら、どうしたの?このまま抜いてしまって後はまたの機会って事にしたいのかしら?
この状態で放置されたらあなた、本当に狂っちゃうかもしれないわよ。だとすれば見上げた忍耐力だこと…。」
言いながらいっそう深くペニスをリスティの秘所に突き入れる。
91
:
Triangle StrikerS3話
:2008/07/24(木) 21:59:16 ID:gqoLjoDs
ぐぶりという音ともに飛沫が飛び散り、突き入れられたペニスが子宮口を突付く。
限界だった。
「ああああっ!誓う…誓う…。僕はメッツァーのしもべになる!
だから…イカせてぇぇぇぇぇえええええ!」
「よく言えたわね…それじゃ、たっぷりヨガりなさい…はぁぁぁぁぁん…。」
ぐぶっ…どくっどくっどくっ…。
サキュバスのペニスから放たれた精液がリスティの胎内に注ぎ込まれる。
この瞬間感じた凄まじい快楽の中の一抹の悲しみ。それは彼女の人間らしい最期の思考であった。
「う…あ…。」
数分ほどののち。
魔族の穢れた精をたっぷりと注ぎ込まれ、
ゆっくりと顔を上げたリスティのうつろな瞳にもはや光は無かった。
「この通り。もはやあの女は髪の毛からつま先に至るまで俺の物というわけだ。あの女も
最初はお前のように正義だのなんだのとお題目を唱えていたがな。」
「なんてことを…。」
「おい、サキュバス。リスティを」
ここへ連れて来い、とメッツァーが言いかけた瞬間。
空間から抜け出すようなリスティが彼の面前に現れた。
HGSのテレポート能力だ。そして彼の指令を聞き遂げる事なくそれを実行してみせたのは…。
「読心術か。フフフ…実に素晴らしいな。」
「はい。メッツァー様…。元の姿に戻っても?」
ほくそえむメッツァーに少し遠慮がちに言うリスティ。
彼女の服は半分近くが無くなってしまっていたのだ。
半裸になってしまっている上に体も精液まみれになってしまっている。
「うむ、その姿では居づらかろう。貴様にはこれからココノ
と並ぶ右腕として働いてもらうつもりだしな。」
メッツアーの言葉に微笑むと指を弾く。
92
:
Triangle StrikerS3話
:2008/07/24(木) 22:02:59 ID:gqoLjoDs
するとリスティの体を光が覆い、それが収まるとそこにはメッツァーに捕まる前の彼女となんら代わりのない
姿になって立っていた。白いジャケットに黒い手袋。変化した所といえばその瞳に宿る物が正義ではなく
メッツァーへの忠誠心と肉欲という点である事か。
「リスティ・槙原…。いや、レディ・リスティ。貴様の主人は一体誰だ?」
「それは…あなたです。あなたをおいて他のマスターなど僕には考えられません…。メッツァー様。」
瞳を淫蕩な色に染めて答えるリスティ。
「…フフフ。俺だけがお前の主人か。実に結構…。では、俺に奉仕してもらおう。」
「かしこまりました。」
赤いズボンのジッパーを下ろすと既に勃起しかけていた肉棒を躊躇無く口に含むリスティ。
「よし、なかなか具合がいいぞ。しかしもっとメリハリをつけろ。
そこのランスターに見せ付けてやれ、お前の忠誠を存分にな…。」
「んっ、んっ…ふむぅん…」
好蕩とした表情を見せながらペニスの先端を舌でなぞり上げる。
ピンク色に染め上げられた瞳をさまよわせ、まるで何か高級な食べ物でも
味わうかのようにペニスを舌で愛撫しそうかと思えばきゅうっと吸い上げる
リスティのやや不慣れだが確実に快感を主人の肉棒に与えるフェラチオが
メッツァーをようしゃなく追い詰めた。
「うううっ…そうだリスティ。受け止めるがいい。この俺に従う悦びをな」
彼はリスティの後頭部に手を掛け、自分の剛直に押しつけた。
ドクッ!
「ふむう!」
口腔に注ぎ込まれる白濁液を嚥下していくリスティ。
ティアナは見ている事しか出来ない。
そしていつのまにか婦警の制服に身を包んだサキュバスが彼女の背後に立ちすくんでいた。
「フフフ…どうしたの?あの姿を見て興奮してしまったのかしら?そんなコには、取調べが必要ね…。」
宴はまだ始まったばかりなのである…。
93
:
Triangle StrikerS3話
:2008/07/24(木) 22:05:57 ID:gqoLjoDs
その頃ミッドチルダのはずれでは。
「お帰りなさいませ、ファルケ様。」
ここはスカリエッティの研究所である。ベルカ領の奥深くに作られたここには
ガジェットの生産設備や数々の戦闘機人に関する調整・実験施設。
そして今はファルケこと雨塚鷹祐の研究所も併設されていた。
ファルケに傅いたのはメッツァーの部下であるココノ・アクアの
クローンにしてファルケの忠実なる下僕
「セラフィ」だ。オリジナルのたれ目なのに対し
凛々しげなツリ目の有能な副官であった。
「…ただいまセルフィ。」
「…どうも。」
手を控えめに振って歩み寄るオットーと会釈をするディード。
類は友を呼ぶのか、彼女はナンバーズの中でもオットーとディードとはすこぶる仲がよかった。
そういえば容姿も背格好もどこか似ている。
さらに…。
「セラフィ。私のブーメランブレードの調整を見て欲しいのですが、よろしいでしょうか?」
ピンク色の長髪にナンバーズの中でも頭一つ背が高い長身の七番目…。
セッテともなかなか良好な関係を築けているようだ。
「やはりタイプが似てるのかもな。」
にこやかに微笑みあう3人の少女を見てひとりごちるファルケ。
「やあ、我が友よ。」
そんな彼をスカリエッティが出迎えた。
「捕らえたあの二人の様子はどうだい?」
「タイプゼロの方は眠らせてある。守護騎士の方はそろそろ取り掛かろうと思っているのだが。」
眼前のモニターに拘束具を取り付けられて昏睡状態に陥らされた
スバルが投影される。
94
:
Triangle StrikerS3話
:2008/07/24(木) 22:07:27 ID:gqoLjoDs
「陵辱か…。思い出すな。シンフォニックナイツと戦っていた頃を…。
で、誰にやらせるつもりなんだ?君かい?」
「直接手を下すのは趣味じゃないんでね。まあ、愉しむのは陥落させてからにさせてもらうよ。」
尋ねるファルケにローラー付きの座椅子に座ったまま言うスカリエッティ。
「彼女の調教は私に一任される事になりました。」
そんな彼の脇から歩み出てきたのはいつのまに控えていたのか、ナンバーズの3番ことトーレであった。
「ほう…。これはこれは。」
顎に手をやるファルケ。トーレがこういう役を引き受けるとは意外だ。
こういう仕事はどっちかといえばクアットロの方が適任に思える…。
と、思っていたらどうも勘付かれたらしい。
「…彼女と私は性格が似ていますから。私ならば迅速に陥落へと導く自信があります。」
トーレが自信ありげに言った。先ほどスバルが映し出されていたモニターには…。
「くうっ…離せ、下衆がっ!」
「うっせー!おら、大人しくするッスよ!…にしてもケシカラン胸ッスねー。」
「そんな目で見なくたっていいじゃん。長い付き合いになるんだしさあ。」
スバルに代わってウェンディとセインがシグナムを引っ張っていく光景が映し出されていた。
その頃。第97管理外世界、日本・茨城県日立沖。
いかにこの第97管理外世界が魔法に関して言えばまだまだ幼い世界とはいっても無辜の死者まで出して
二年に渡り繰り広げられた抗争が察知されない道理は流石にない。
ただしそれら異世界からの侵略者に対し最もアクティブに反応してみせたのは
本来そうあるべき日本国ではなかった。
いかに突飛なものであっても自国に対して脅威となるならば戦争だろと紛争だろうと痴話喧嘩だろうと
鬼にでも悪魔にでもなる勢いで
首を突っ込みたがる国がある。名実ともに第97管理外世界で最強の軍隊を有する国…アメリカである。
「糞っ!もう追っ手がかかったのか!」
一台のホバークラフトが波間を疾走していた。
95
:
Triangle StrikerS3話
:2008/07/24(木) 22:11:54 ID:gqoLjoDs
ボブカットの少女「フィエナ(苗字は不詳)」…にホバークラフトの操作を任せ
忌々しげな顔で後ろを睨みながら中世の軍服のような
青いコートを着た金髪の青年…「シルヴァ・ラドクリフ」が
見かけに似合わぬやや高い声で呟く。彼は一連の抗争で言って見れば
ババを引かされた男である。なにしろセイクリッドグラウンドを巡る戦いでは
ある契約でもって縛り付けているフィエナを残してせっかく仲間にしたエリクシルナイツには逃げられ
(もっともこの点に限って言えばファルケはシンフォニックナイツに逃げられたし
メッツァーもスイートナイツに逃げられているのだが。)、アジトを失って放浪生活を余儀なくされ、
おまけに当局に侵略者たる自分の存在がバレてしまい、この
あまりにも痛手なヘマをしたのが彼だけだったために
一連の事件の首謀者はなりゆき上すべて彼によるものとされてしまいと
貧乏神にでも憑かれたような勢いだ。
彼の目に映るのは地獄から来た死神とその居城か。
いや。もしそうなら爆音とともにこちらに追いすがってくるはずはない。
しかし彼にとって地獄からきた死神こと米軍海兵隊の攻撃ヘリコプターAH1Z「ヴァイパー」
はまさに地獄の悪魔と言うべき存在であった。
さらにそこからやや沖合い側に離れた海上では。
ステルス駆逐艦「ズムウォルト」、そして
強襲揚陸艦「エセックス」など数隻からなる米軍第7艦隊が停泊していた。
その中に周りの艦とは大きく雰囲気が違う一見古めかしい巨大な艦が二隻。
1隻目はアイオワ級戦艦(基準排水量45000トン。満載排水量57540トン。
3連装50口径40.6cm砲前甲板に2門。後甲板に1門。2連装38口径12.7cm砲船体各所に計6門)の7番艦、
「ニューハンプシャー」そして米海軍が誇る
最大最強の艦艇、モンタナ級戦艦(基準排水量60500トン。満載排水量70500トン。
3連装50口径40.6cm砲が前甲板と後甲板に各2門。2連装38口径12.7cm砲が船体各所に計8門)の2番艦「オハイオ」
である。双方とも艦齢80年を数えようかという艦であるが
数え切れない改良を施されたこれらの巨大戦艦は
はいまだ米軍の象徴として扱われていた。
これほどまでの艦隊がシルヴァ一人のためだけに出動したというのだから米軍、ひいては
米国がいかに異世界の魔法技術に衝撃を受けたかは推して知るべきだろう。
96
:
Triangle StrikerS3話
:2008/07/24(木) 22:16:06 ID:gqoLjoDs
その戦艦オハイオのブリッジでは。
「先行した海兵隊のAH1Z攻撃ヘリ部隊より連絡。目標を発見したと。」
「結構…。だが決して傷物にさせるなよ。奴を無傷で手に入れて魔術と
やらが解析できれば我々にとっても有益となる。異世界から迫るものどもを一掃し、
わがステイツの権勢はより堅固なものとなるだろう。」
面長の副官からの報告に初老の艦長は満足げに頷いた。
「魔法が使えればこんな奴らに…。うおっ!」
そんな軍人の思惑をよそに歯噛みするシルヴァ。
ホバークラフトの進路上の水面が爆ぜた。
ヘリから放たれた20ミリ機関砲だ。
「よーし、このまま追い込め!」
ヘリのパイロットがホバークラフトを包囲にかかった。
「こ、ここまでなのかよ…。」
嗚呼、アザハイド帝国軍人という
地位を捨ててこの魔法戦士戦争に参加した彼もここまでなのか…。
いや、そうはならなかった。
突然ヴァイパーとは少し違った爆音が辺りにこだまし、
彼らがやってきたのと反対側の方向から細身のヴァイパーとは
明らかに違った角ばった形のゴツゴツした迷彩色も物々しい
戦闘ヘリが飛来したではないか。木更津駐屯地からおっとり刀で駆けつけた
陸上自衛隊の攻撃ヘリ・AH64D「ロングボウ・アパッチ」の編隊だ。
「ジャップが手柄を横取りする気かよ!」
先頭を行くヴァイパーのパイロットが予期せぬ闖入者を睨みつける
「この先には東海村第二原発がある。こんな場所でかような装備を持ち出し、あまつさえ
発砲するなどもってのほかだ。だいいちあなたがたはどんな許可を得てこのような暴挙に及ぶのか?
これは明らかに日本国に対する主権の侵害だ。即時退去を要求する。」
気色ばむ海兵隊員に冷静に応対するアパッチのパイロット。
「なんだか判らないがこの隙に逃げよう。まだ動くよな、これ?」
「燃料が殆んどありませんが。…全く何の因果でこんな目に。」
突然膠着状態に陥った追っ手からこの気に乗じて逃げるべくモーターボートを突っ走らせるシルヴァ。
フィエナが滲み出る汗を拭って吐き捨てるように言った。
97
:
Triangle StrikerS3話
:2008/07/24(木) 22:18:00 ID:gqoLjoDs
「逃がすか!」
すかさず、ヴァイパーが動いた。
「ジャップなんかに構うな!どうせ何も出来やしないんだ。平和憲法とかってよ!」
先頭を行く一機のコクピットで双眼鏡に似たヘルメット照準システムを覗き込みながらガンナーが叫ぶ。
実際アパッチはホバリングしたまま手出しできないで居た。
「もっとスピード出せないのかよ!」
「ご不満ならあなたが漕いだらどうですか?」
英語でマムシを意味する名を持つ戦闘ヘリは、
そのマムシさながらの勢いでシルヴァに追いすがった。
その時!
「何が起きた!」
辺りを眩い光が包み込んだ。
そしてそれがおさまった時、ボートを残してシルヴァ・ラドクリフと
フィエナの姿はこつぜんと消えていたのである。
「ど、何処へ消えた?」
「糞、奴らが邪魔しなければ捕まえられた物を。忌々しい奴らめ…。」
「言っとくが、このままじゃ済まさんからな!」
ヴァイパーのパイロット達はしばらく辺りを探したがシルヴァ達は見つからず、
口々に自衛隊を罵ると洋上に待機する艦隊ともども程なくして去っていった。
「行きましたか…しかし奴らが追っていたのは一体何者だったんでしょうか。」
「さあな、しかしなんだな。日本もキナ臭くなってきたよな。」
ヴァイパーの後ろ姿を見つめながら
編隊の先頭を飛行するアパッチのパイロットとガンナーが囁きあう。
そしてその頃
「……ここは何処だ…?俺は死んだのか?」
薄れる意識の中でシルヴァは呟いた。しかし、答える者はいない。
(どうやら俺は死んだらしい。ああ、こんなことなら
逃げられる前にあいつをもう一度抱いておくんだった。
奴隷にしてすぐにセイクリッドグラウンドを巡る戦いが始まったからあまり構ってやらなかったもんなあ。)
98
:
Triangle StrikerS3話
:2008/07/24(木) 22:19:38 ID:gqoLjoDs
今は行方知れずのエリクシルライムこと立花亜梨子の向日葵の如き笑顔と
彼女を一度だけまともに抱いてやった時の
快感を思い浮かべてそんな事を考えたら涙が出そうになった。
「しかし地獄のベットという奴は寝心地最悪だな。」
徐々に頭が回るようになってきたシルヴァは横たわったまま考えた。
足や手にはまるで石でもしきつめられているようにところどころ軽い痛みを感じる。
そして尻と後頭部には何か金属の棒でも敷いてあるかのような感触を感じた。
その時。
フォォォォォォォーーーン!
「何の音だ。」
何か機械的で耳障りな音が辺りに響いた。さらに自分が寝そべっている辺りに振動を感じる。
「ここは何処だ!俺は死んで…。」
ようやく我に還ってハネ起きるシルヴァ。彼の目に映ったのは…。
「うぉぉぉぉおおおおおおお!?」
青と銀とに彩られた死神ならぬJR常磐線日立発上野行の快速電車が驀進してくる姿であった。
なんと彼が手足に感じていた感触は線路の砂利で尻と後頭部に感じていた感触は線路だったのである。
無論地獄にこんな光景が広がっているなどと聞いた事も無い。
飛びのくのがもう少し遅ければミンチになっていただろう。
猛然と通り過ぎる電車を呆気に取られて見送るシルヴァ。
「チッ。」
「惜しい…。」
電車が通り過ぎて再び辺りに静けさが戻ったころ、不意に舌打ちと呟きの声が聞こえた。
ハッとして振り向いて見れば線路脇の茂みの中に
二人の女性が佇んでいた。一人は先ほどまで一緒だったフィエナである。
そしてもう一人は…。アサギ色の長髪に燃えるような赤いコスチューム、スリット入りのロングスカート。
それは紛れも無く…
「エリクシル…ローズ…?何故お前がここに…、お前の洗脳はセイクリッドグラウンドの戦いで
メッツアーに負けた時に解けている筈。お前が助けてくれたのだとすれば何故助けた?」
紛れも無くエリクシルナイツの一人…。エリクシルローズであった。
99
:
Triangle StrikerS3話
:2008/07/24(木) 22:26:28 ID:gqoLjoDs
「エリクシルナイツは人々の命を守るのが使命。真に遺憾ながら
ベンジョコオロギ以下のあなたにも一応は命がありますから
見殺しにするのも心が痛むので助けただけですが。」
「こんなとこに置き去りにしやがって。おまけにさっき舌打ちしたろ?」
「したうち?きのせいではないでしょうか?」
目を細めて不審な笑みを浮かべながら台詞を棒読みするエリクシルローズ。
「お前も惜しいとか言わなかったか?」
「なにをごむたいな。わたしはあなたがいなくなってはそんざいするかちすらもちません。」
ローズに負けないほどの棒読みと死んだ魚の目をして怪訝そうな顔をするシルヴァに反論するフィエナ。
「…まあいい。そう言うことにしておくとする。
ローズが俺を助けたんだな?しかし洗脳が解けたお前には俺を助ける理由が無い。
するとお前をたきつけた奴が居るってわけだがやはりそいつは…」
あまり突っ込むとヤブヘビになりそうだと思ったらしい。
その時…
「ローズ…シルヴァは、シルヴァは見つかっ…あ…?」
シルヴァにとっては忘れ難いよく通る美しい声が辺りに響いた。
濃紺を基調としたコスチュームにミニスカート。
黄色いリボンを除けばスイートナイツらと違って地味な趣のコスチュームに身を包み、
長髪をポニーテールに纏め上げた少女がそこに居た。そうとも、忘れもするものか。
エリクシルライムこと立花亜梨子だ!
「やっぱりお前か…。エリクシルライム…いや、亜梨子。」
しばらくの沈黙。ややあって。
しぱぁぁぁぁぁぁん!
「な、何をするキサマ!変身してる時の力の使い方には気をつけろとあれ程…うっ…?」
駆け寄るなり彼の顔面を平手で一撃。憮然とした顔で頬を抑えるシルヴァだったが…。
(戦っていた頃からそう思ってはいたもののこの顔は
反則だよなあ。しかし何故このタイミングでこの顔なのだ?)
子犬の如き今にも涙が零れ落ちそうな潤んだ目に見つめられれば怒るに怒れず。
「うわぁぁぁぁああああぁん!シルヴァーーーーー!」
100
:
Triangle StrikerS3話
:2008/07/24(木) 22:29:05 ID:gqoLjoDs
シルヴァの胸に泣き伏すライム。
「おいおい何だいきなり!…ってどさくさにまぎれて涙と鼻水を服に擦り付けるなあ!」
「これですもの。私達をあそこまで嬲ったこの男に何故ここまで惹かれてしまったのでしょうか。
確かにあの快楽には筆舌に尽くしがたい物がありましたが愛情という点では…私だって…むぅ…。」
一方それを見つめつつ眉間にしわを寄せてブツブツと愚痴るローズ。
「ずっと心配してたんだよ。シルヴァ。」
「心配なんかされるいわれはもう無いはずだろう…お前に施していた洗脳は解けたんだ。
勿論何れまた手駒に加えてやるつもりだがいまはいかんせん戦力が整ってないんでな。
それまでは好きに暮らしていればいいだろう。それに俺が死ぬのはむしろ好都合じゃないのか?」
ライムを引き離すと乱れた衣服を払って憮然とした顔で言うシルヴァ。
「女の子にあんな事までしておいてそんな事言うんだ。確かにシルヴァは
悪い人だし私にも散々酷い事したよ。でもさ…。」
頬を膨らませてそこまで言うと、言葉を切るライム。
「やっぱり放っておけないじゃない?フィエナさんに頼ってばっかりで生活力低そうだし、
噂じゃメッツァーとかファルケはどんどん強くなってってるって言うし。アメリカ軍には追われてたし。
今は魔法が使えないんでしょ?だから私達でシルヴァを更正させてあげようと思って。」
「こ、更せ…なんだと?」
頬を赤らめて言うライムの口から出た不穏な言葉に後ずさるシルヴァ。
「だから、更正。私と一緒にいい人になろうよ。」
「何を戯けた事を。俺はそんなの冗談じゃないぞ。」
言い返すシルヴァであったが…。
「自分の置かれている状況をご存じないようですね。あなたに拒否権はありません。」
ローズが背後に回って言った。目が据わっている。
「フィ…フィエナ!なんとか…」
「フィエナさんなら先ほど飲み物を買いにいかれましたが。」
辺りを見回すシルヴァだったがローズは全く冷静に審判を下した。
「とりあえずこのまま私の家に連れてっちゃおうか。お父さんもお母さんも旅行に行っちゃってるし。」
「た…助けてくれ〜。」
魔力が消耗している今の彼にローズとライムに対抗する術は無い。
「海鳴まで電車賃結構高いんだよね〜。」
「う、海鳴に住んでいるのかお前?むう…海鳴といえばメッツァーが本拠を構えていると言う町じゃないか。
こんな有様を奴に見られたら俺様の沽券に関わるぞ…。」
線路脇のあぜ道に空しく木霊するシルヴァの断末魔。しかし無論答える者はなかった。
その頃メッツァーとファルケに捕らえられたシグナムとティアナは…。
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