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リリカルなのはクロスSS 18禁ネタ投稿スレ

100Triangle StrikerS3話:2008/07/24(木) 22:29:05 ID:gqoLjoDs
シルヴァの胸に泣き伏すライム。

「おいおい何だいきなり!…ってどさくさにまぎれて涙と鼻水を服に擦り付けるなあ!」
「これですもの。私達をあそこまで嬲ったこの男に何故ここまで惹かれてしまったのでしょうか。
確かにあの快楽には筆舌に尽くしがたい物がありましたが愛情という点では…私だって…むぅ…。」
一方それを見つめつつ眉間にしわを寄せてブツブツと愚痴るローズ。

「ずっと心配してたんだよ。シルヴァ。」
「心配なんかされるいわれはもう無いはずだろう…お前に施していた洗脳は解けたんだ。
勿論何れまた手駒に加えてやるつもりだがいまはいかんせん戦力が整ってないんでな。
それまでは好きに暮らしていればいいだろう。それに俺が死ぬのはむしろ好都合じゃないのか?」

ライムを引き離すと乱れた衣服を払って憮然とした顔で言うシルヴァ。

「女の子にあんな事までしておいてそんな事言うんだ。確かにシルヴァは
悪い人だし私にも散々酷い事したよ。でもさ…。」

頬を膨らませてそこまで言うと、言葉を切るライム。

「やっぱり放っておけないじゃない?フィエナさんに頼ってばっかりで生活力低そうだし、
噂じゃメッツァーとかファルケはどんどん強くなってってるって言うし。アメリカ軍には追われてたし。
今は魔法が使えないんでしょ?だから私達でシルヴァを更正させてあげようと思って。」
「こ、更せ…なんだと?」

頬を赤らめて言うライムの口から出た不穏な言葉に後ずさるシルヴァ。

「だから、更正。私と一緒にいい人になろうよ。」
「何を戯けた事を。俺はそんなの冗談じゃないぞ。」

言い返すシルヴァであったが…。

「自分の置かれている状況をご存じないようですね。あなたに拒否権はありません。」

ローズが背後に回って言った。目が据わっている。

「フィ…フィエナ!なんとか…」
「フィエナさんなら先ほど飲み物を買いにいかれましたが。」

辺りを見回すシルヴァだったがローズは全く冷静に審判を下した。

「とりあえずこのまま私の家に連れてっちゃおうか。お父さんもお母さんも旅行に行っちゃってるし。」
「た…助けてくれ〜。」

魔力が消耗している今の彼にローズとライムに対抗する術は無い。

「海鳴まで電車賃結構高いんだよね〜。」
「う、海鳴に住んでいるのかお前?むう…海鳴といえばメッツァーが本拠を構えていると言う町じゃないか。
こんな有様を奴に見られたら俺様の沽券に関わるぞ…。」

線路脇のあぜ道に空しく木霊するシルヴァの断末魔。しかし無論答える者はなかった。
その頃メッツァーとファルケに捕らえられたシグナムとティアナは…。

101Triangle StrikerSの人:2008/07/24(木) 22:34:18 ID:gqoLjoDs
ここまでで。
米軍から戦艦が退役してない(さらに本来建造されてない
モンタナ級戦艦が建造されている。)のは作者が大艦巨砲主義だからでありますっ!
しかしシルヴァとエリクシルナイツの絡みが冗長になってしまったなあ。
おかげでなのは分となにより大事なエロ分がイマイチ薄い…。
リリカルナイツ氏の濃厚なエロ描写は本当に凄いっすね。
自分も見習って次回からは是正しないと。

102名無しさん:2008/07/24(木) 22:48:53 ID:h8PB1z2Q
GJでした!
シルヴァサイドが動き出しましたね。
ローズが出てきたw好きなキャラです。
アメリカが魔法を手に入れたら凄いことになるでしょうね。
持ち前のノウハウから効果的・効率的な運用法を考え出してくるかも。
なのはとか存在を知られたら誘拐されそうだw
リスティも堕ちちゃった。フィリスも・・・?
次回はシグナム・ティアナですね。
楽しみにしてます。頑張ってください。

103名無しさん:2008/07/25(金) 13:51:06 ID:uuIoCrwI
GJ!!
あと絶頂時の台詞があるともう少しエロくなると思うよ^^

104名無しさん:2008/07/27(日) 12:59:23 ID:wp/mmGy.
エリクシルナイツのED見れば判るが
ナイツ系のキャラってデフォで第三世代の戦車殺れるくらい強いからなー
アメリカやら自衛隊といえど一筋縄ではいくまい。

105名無しさん:2008/07/27(日) 19:50:20 ID:fVvWGPag
しかし、そんな奴らとタメとは言わないが、拳でやり合える雨塚くんはすげぇなwwww
いくら強化スキンのおかげとは言え

106名無しさん:2008/07/27(日) 22:03:52 ID:XwnKNYsI
陸の連中も強化スキン採用するべきだな。

107名無しさん:2008/07/27(日) 22:27:06 ID:oDoO5PIM
>>106
そのネタは(若干違うが)すでにもりこんであるZE
もう少しお待ちくださいなの

108名無しさん:2008/07/27(日) 22:34:02 ID:wp/mmGy.
セイクリッドグラウンドには量産型強化スキン部隊とか
量産型エンシェルレナなんてのも出て来てたなあ。
どっちもザコ敵だけど。

109名無しさん:2008/07/29(火) 16:33:06 ID:/T3v4WxE
ちゃんと量産化を考えてるんだな。
ここら辺管理局も見習うべき。

110名無しさん:2008/07/29(火) 22:36:05 ID:zm41ywNQ
18禁で何か良いクロスないかと想像してたら、
巣作りフリードくらいしか思いつかなかった。

111Lyrical knights:2008/07/29(火) 22:36:32 ID:8SQeRbmQ
>>110
つまり、フリード擬人化と

112名無しさん:2008/07/29(火) 22:37:03 ID:8SQeRbmQ
ごめ、コテ付けまんまだった
スマソ

113名無しさん:2008/07/29(火) 22:50:16 ID:zm41ywNQ
あとソフトハウスなら真昼に踊る犯罪者とかも。
ほかのソフトハウスのゲームはよく知らない。

114名無しさん:2008/07/29(火) 22:52:25 ID:8SQeRbmQ
ソフトハウス…グリンスヴァールとかもやり方によってはいけなくも無いかな。
ただ、年単位で動いてたからその辺をどうするか

115名無しさん:2008/07/29(火) 22:58:12 ID:zm41ywNQ
>グリンスヴァール
調べてみた。公式のストーリーだけ見てると、
主人公の立場がレジアスに似てる気がする。
新作でウィザーズクライマーというのがあるらしいです。

116名無しさん:2008/07/29(火) 23:04:40 ID:8SQeRbmQ
>>115
設定的には美味しいな、ウィザーズクライマーw

117名無しさん:2008/07/29(火) 23:08:55 ID:zm41ywNQ
魔力を持たないキャラというと誰がいいんだろう。
なのはが無茶しすぎて魔力がなくなったとか?

118名無しさん:2008/07/29(火) 23:11:57 ID:8SQeRbmQ
>>117
うーん、アリサ?
魔法使いになろうとして、魔力が無いといわれて、諦めかけていたときに現る、みたいな?
……どっかで見たような設定だなwww

119名無しさん:2008/07/29(火) 23:17:29 ID:zm41ywNQ
>>118
アリサ・・・
読んだことはないけど、アリサが主役のSSってあるしいけるかも。

魔力がない陸の魔導士達はこの方法で魔力を貰うなんて思いついた。
本局からこれを餌にして高位の魔導士を引き抜くとかw

120名無しさん:2008/07/29(火) 23:26:17 ID:8SQeRbmQ
>>119
めっちゃ人身御供wwwww

あと、他ブランドでいいな、というか使えるんじゃね? ってのは
借金姉妹かな。
六課の資金ってどこから? と考えると、そういう方面にもいけなくは無いかな、と

121名無しさん:2008/07/29(火) 23:33:24 ID:zm41ywNQ
>>120
六課設立時の借金をなのはとフェイトとはやてが返すのかなw
あとははやてが身体を売って出世する話とか。

122名無しさん:2008/07/29(火) 23:39:46 ID:zm41ywNQ
他ブランドで思いつくのはBrightiaとのクロス。
管理局員の主人公が闇の書の主になってしまい、上から調教を命じられる。
そんなわけで主人公が頑張って騎士たちを奴隷にする話。

ザフィーラは伝説のモレスターを目指す

123名無しさん:2008/07/29(火) 23:41:27 ID:8SQeRbmQ
>>121
借金を肩代わりしたレジおじ様かスカ先生、あるいはゲンヤおじ様とかが、
借金のかたにはやて辺りを飼う、とか妄想

124名無しさん:2008/07/29(火) 23:46:03 ID:zm41ywNQ
グレアムが双子の猫姉妹飼ってるからそういう性癖があるのかもしれない。

125名無しさん:2008/07/29(火) 23:47:46 ID:8SQeRbmQ
>>124
なるほど…足長オジサンやってたし、ありえるなw

126名無しさん:2008/07/29(火) 23:53:17 ID:zm41ywNQ
とらハ3とのクロス。
兄の攻略対象になのはキャラを入れれば・・・

必ずしも18禁のゲームとクロスする必要はないんだよな。
普通のゲームとのクロスでも18禁描写があればいいわけで。
クロス先は思いつかないけど。

127名無しさん:2008/07/29(火) 23:56:35 ID:8SQeRbmQ
けど、そうなると完全にオリジナルでシーンを構築しないといけないしな。
どちらのキャラも。
片方だけでも元ネタがあったほうが書きやすいと思う。

128名無しさん:2008/07/30(水) 00:04:51 ID:KHR6aptQ
そういえば確かに。

なのはとまじかるカナンとか相性良さそう。

129名無しさん:2008/07/30(水) 00:06:58 ID:8Ma/dAWs
そうなのか……まじかるカナンは未プレイだからなんとも言えんのです。
具体的にどんな感じ?

130名無しさん:2008/07/30(水) 00:26:18 ID:KHR6aptQ
確か

魔法世界エヴァ・グリーンから何者かに奪われた突然変異体の “種”を
奪回するため、ナツキという主人公が地球に来る。
種が人間に取り憑けば 欲望を増大させ、狂暴な力を持つ獣へと変化してしまう。
地球に来たナツキは種”に憑かれた人間と戦い痛手を負い、
雨に打たれて倒れていたところをメインヒロインちはやに助けられ、
ちはやの家で傷を治してもらう。
いろいろあってちはやとナツキがキスするとちはやが魔法戦士カーマインに
変身しちゃいます。そんなかんじでちはやが種と戦って回収していく話。
なのはと違ってちはやは変身すると大人になります。
ライバル?にセルリアンブルーとかいうのがいたり。

ナツキはユーノみたいなやつで小動物に変身します。
地球ではあまり力が出せないらしいです。
ちはやの親は喫茶店営業してた気がする。

こんな感じだった気がする。

131名無しさん:2008/07/30(水) 00:32:27 ID:8Ma/dAWs
>>130
相性いいなぁwww
というか、まんまジャマイカwww

132名無しさん:2008/07/30(水) 00:36:23 ID:KHR6aptQ
>>131
はじめてなのはを知った時、まじかるカナンを連想したw

133名無しさん:2008/07/30(水) 22:05:53 ID:5cjNzPsM
>>104
当該シーンを詳しく検証してみました。
・本人曰く「ストレス解消に丁度いい」レベルで74式戦車ないし10式戦車を破壊出来る
(戦いの場所が都心だったので90式という可能性は低い。とすれば74式の可能性が高いが
シンフォニックナイツとエリクシルナイツは近未来という設定なので10式という可能性も有る。
ただし舞台がビルの建て並ぶ都心だった事を考えると74式にせよ10式にせよ
その実力を発揮する事はかなわなかっただろう。)
・ロケット弾を簡単に回避しあまつさえ切り払う(“ロケット弾”あるいは“砲弾”と表現されていたが
これは恐らくカールグスタフかパンツァーファウスト3辺りをさしているのだと思われる。)
・マシンガンの弾(5.56mm弾だと思われる)なら避ける必要すらないほどの耐弾性がある。
・変容魔法で練成された現代兵器による攻撃が効かない城。
(シルヴァは恭順を示した者は殺さないと明言しており、
彼の居城の周辺には民間人が多数居た筈なのでそれほど派手な攻撃は出来なかったはず。恐らく自走榴弾砲や迫撃砲。
あるいは通常爆弾を用いた爆撃などをさしていると思われる。少なくとも燃料気化爆弾や核は投入されていないだろう。
また、シルヴァは基本的に兵器に限らず地上の文化や科学について疎いので
気化爆弾や核のような兵器は存在を把握していなかった可能性もある。
ちなみにこの城はちょっとやそっとの損害ならば周りの瓦礫を変容魔法で作り変えて組み込む事で瞬時に修復可能。)


描写が具体的だと強さが判りやすくていいっすね。
しかし強い。
空飛べないからなのはとかフェイトは無理でもステエキでは単独じゃ相手にならないかな。
エリクシルナイツだけが突出して他のナイツ系に比べて強い訳じゃないし
今まで出て来たナイツ系のキャラは20人(セラフィとそのクローンとか
サキュバスとかフィエナみたいに女の子で戦闘能力持ってる奴全員含めれば)超えるっすからね〜。

134名無しさん:2008/07/31(木) 17:13:04 ID:FmrC.xwc
ミッドというか管理局は腐敗してそうなので、
真昼に踊る犯罪者とのクロスが似合いそうな気がする。
局長格好良い。

135名無しさん:2008/08/03(日) 23:18:03 ID:LFF71gOc
地上の戦力補充対策として、犯罪者を性的に調教して戦力とするのを
ナイツシリーズから連想した。

136名無しさん:2008/08/05(火) 20:50:05 ID:4OMMBDf2
続きまだ〜?

137名無しさん:2008/08/08(金) 19:46:20 ID:fEXBapuA
凡人がらめぇぇぇぇってなるのはまだですかね?

138名無しさん:2008/08/08(金) 20:23:19 ID:WNrx5ojg
リインⅡが愛奴隷でなのはさんが苛められるのはまだですか?

139名無しさん:2008/08/08(金) 23:27:49 ID:Dca87nRc
続き待ってます。

140Triangle StrikerSの人:2008/08/11(月) 00:23:12 ID:K1Ri11iU
なんとか書きあがりましたんでこれより投下させて頂くであります。

141Triangle StrikerS4話:2008/08/11(月) 00:24:43 ID:K1Ri11iU
JR西海鳴駅。JRが3路線。さらに私鉄や地下鉄なども接続された
この駅は、隣の海鳴駅と並んで海鳴市でもかなり大きな駅である。
折りしも時刻は夕方。勿論駅前にはかなりの数の人が集まっている。
その駅前広場の真ん中では。

「ちょ…ちょっと、なんなのよアレ…。」
「すっげーでっけえ胸だなあ、おい。」

眉を潜め、顔を背ける者。
下衆な視線を向ける者。

「うううっ…く…。うぅっ…。」

屈辱に歪められた口元から漏れる呻き。

「ふふふっ…一糸纏わぬ己の体を市井に晒す気分はどうです?」

騎士甲冑の胸元を大胆にはだけられたシグナムが両手を縛られて晒し者にされていた。
脇にはトーレはじめセッテ、ディエチ、ウェンディと4人のナンバーズとファルケが佇んでいる。

「ほら、もっとよく見せてさしあげたらいかがです?皆さん興味がおありのようですよ。

あなたのお美しく淫らな肢体に…。」
胸をもみしだき、赤くしこった乳首を摘む。

「あうぅぅっ!」

顔を真っ赤にして喘ぐ。

「あらら〜。こんなにビショビショにしちゃって…。」

ウェンディが濡れそぼった騎士甲冑の股布をくちゅくちゅとした音とともに弄る。
シグナムの声が一段と大きくなった。

「頃合っぽいね。触手上魔さ〜ん。やっちゃってっス!」

ウェンディの声にしたがって空間を歪ませて現れたのは巨大な触手上魔であった。
かつてメッツァーがスイートナイツを陵辱するのに使っていたのと同じ種類のものだ。

142名無しさん:2008/08/11(月) 00:24:44 ID:ykEU2AFU
待ってましたw

143Triangle StrikerS4話:2008/08/11(月) 00:27:51 ID:K1Ri11iU
「さて、守護騎士って奴はどんな声で鳴くのかな?ジェイルは奴はタダの
プログラムだって言うし案外石の地蔵じゃないのかい?」
「いや…案外判りませんよ?見ての通り前戯に対しての反応は上々ですしね。」

不気味に微笑むファルケにトーレが腕組みをして言った。
触手がシグナムに絡み付いていく。そして騎士甲冑の隙間からはみ出た胸をまず責めだした。
粘液を塗りたくり、ゆっくりと締め付ける。

「触手が絡み付いて…やめろぉ!そ、そこはダメなんだッ!ああぁっ…。」
「へー…。派手に鳴くっスね〜。」

顔を赤くした悶えるシグナム。
続いて上魔は股を責め始めた。

「し、下着の中に…ひゃうんっ!う…あああっ…。入ってきてはダメだっ!」

紅い真珠を擦り上げ、愛液で濡れそぼった秘所を容赦なく擦りあげる。

「よーし、もっと責めあげてやれ。」

ぐちゅっ…ぐぶぶぶっ…。
触手上魔はすっかり抵抗の無くなった秘部に触手を沈めていく。

「ひぃぃいいいいぃっ!」

異物が膣内に入り込んでくる感触に悲鳴を挙げるシグナム。
そんな彼女を尻目に触手は抽送を開始した。
ぐぶぐぶと言う音ともに愛液と触手から分泌される混合液が音を立てて飛び散る。

「ひうっ!あっ!触手が…擦れて…。そっ…そこはあっ…。」

触手はなおも全身に撒きつき、容赦なく攻め立てる。
ヴォルケンリッターとしての誇りの結晶であるその騎士甲冑はもはや
卑猥さを際立てるパーツでしかなかった。

「触手がっ…感じてしまう!私の奥の奥にまで入り込んでっ…く、クリトリス…ダメだぁっ!」

触手を細くしてクリトリスの包皮を剥いてかつ摘みあげる上魔の攻撃に
ひときわ大きな喘ぎ声をあげるシグナム。

144Triangle StrikerS4話:2008/08/11(月) 00:30:01 ID:K1Ri11iU
その頃駅前の入り口に止まっている車の中では。

「莉々菜さん。無茶です!」
「でも、あのまま放って置いたらあの女の人は…。」
「私のエンシェリウムカードもM3システムもクーラちゃんも調整中だし今仕掛けるのは奈々巴ちゃんの言う通り
無茶ですよ。あの人を助けるチャンスだってきっと…。」
青い制服を着た少女「百合瀬莉々菜」が同じ制服をした薄青色の髪の少女「甘樹奈々巴」と
青と白を基調にしたセーラー服を着た少女「朋衛玲奈」と押し問答を繰り広げている。
彼女達こそ勢力拡大著しい(唯一シルヴァのみ語るに忍びない状況だが)メッツァーやファルケに
対抗するために結成されたレジスタンス「白薔薇」のメンバーなのである。

「…何か、何か無いのですか?ハッ…?待ってください。確か
セイクリッドグラウンドの戦いでろ獲した量産型強化スキンがあったはず。あれを使えば…。」

思いついたように後を振り返る莉々菜。そこには先の戦いでファルケ一派から奪い取った強化スキンが畳まれていた。
ファルケはこれを量産し自分がいずれ組織する事になる兵隊に着せようとしていたのだ。
量産型というからには誰にでも装着出来るが勿論能力はファルケが装着しているものに劣る。
いずれにせよ無謀には変わりない。

「そ…それは…私達用の者じゃないし、装着出来るかどうかもまだ試してないし…。」
「だいいち、ファルケが使っていたものなんて私達にそぐわないですよ。」

なお引き止める玲奈と口を尖らせる奈々巴を尻目に躊躇う事無く青いミネルヴァガードの制服を脱ぎ捨て
トリコロールカラーにリペイントされた強化スキンを装着すると

「この状況では四の五の言っていられないわ。それに色だけはとりあえず塗り替えて置いたし…大丈夫。」

言い残すと飛び出す莉々菜。

「そういう問題じゃ…というかそれってどういう理屈なんですか?…あっ…ちょ…ちょっと待って!」

玲奈の声が空しく響く。

145Triangle StrikerS4話:2008/08/11(月) 00:33:41 ID:K1Ri11iU
「ふっ…そろそろイカせてやったらどうだい?」

ファルケの声に応えるように触手上魔が動きを激しくしていく。

「ダメだっ…ひぁんっ!これ以上は…うああっ…子宮の中にっ…」

ぐぶぐぶぐぶ。
結合部からは粘液と愛液の混合液がぴちゃぴちゃと飛びちり、
触手は全身の性感帯を刺激していく。
ファルケの声に従って触手がびくりと硬直し、射精の準備に入った。

「さあ、喘ぎ声とともに醜態をさらしなさい。」
「だ…だ…めぇ…ひゃぁあああああああぁぁぁあああん!」

触手が一斉に震え、シグナムの子宮に邪悪な粘液が注ぎ込まれ、
全身が精液でコーティングされていく。

「よーし。上魔よ。次はそいつの…。ん?」

「やっと見つけたぞ。会いたかったぜ。ファルケよォ!」

その時、くぐもった声が辺りに響いた。
目をやれば、中南米のポンチョのようなボロ布を羽織った仮面の痩せた男が一人立っていた。

「…なんだい君は?君のような知り合いを持った覚えは無いんだけどな。」
「何だと?このオレ様を忘れたってのか?この姿に見覚えは無いというのかァ?」

ボロ布を勢いよく取り払う男。

「貴様は…。へえ、生きていたのか。」
「このディラック様がそうそう死んでたまるかよ!」

その男こそ、やつれてはいるもののかつてメッツァーに付き従い、ファルケの下に居た事もあるサキュバスと並ぶ
上魔の実力者、ディラックであった。セイクリッドグラウンドを巡る戦いで極限まで消耗させられた挙句
ファルケに捨て駒にされた彼は、魔力の殆んどを失って食うに食わない生活をして復活の機会をうかがっていたのだ。

「いい所だったのに邪魔すんじゃねえよ。引っ込めバカ!」

先ほどからニヤニヤと下衆な笑いを浮かべながら陵辱を見物していた不良が野次を飛ばす。

「煩ェ。人間は黙ってな。」
「ギャーーーーーっっ!」

ディラックの手の平から放たれた魔力弾が不良を10メートルほど吹っ飛ばした。
不良は死んではいないようだが鼻やら口など各所から流血している。

146Triangle StrikerS4話:2008/08/11(月) 00:35:54 ID:K1Ri11iU
「雨兄ィ。なんスかこのへんちくりんな仮面男は。」
「一応はかなり高位の上魔で私…というかメッツァーのかつての部下だよ。
といってもジェイルと手を結ぶ前の戦いでヘマをしたものでね。
腹いせに捨て駒にしてやったんだがどうやらあの通り生き延びていたようだな。もっともあの様子じゃ随分と肝を舐めたようだが。」

キタナイ物を見るような目でディラックを見つめながら言うウェンディ。

「とにかく、このオレ様にあんな仕打ちをした礼はその身で償ってもらう。いくぞファルケェ!」

何処からとも無く獲物の長剣を取り出してファルケに迫るディラック。しかしものの
数分と経たずして。

「デッドリィィィィィィナックル!」
「ぐうっ…。小癪な。」

戦闘機人の統制の取れた攻撃に追い詰められるディラック。
やはり、戦力の差は決定的だった。そもそも彼としては今日この日この時間に
戦端を開くつもりなど毛頭なかったのだ。
適当なところにしばらく潜伏して人間の精気を吸収して力を蓄え、磐石の態勢で臨むつもりだったのである。
それが初めて会った時から快く思っていなかったあのファルケという名など
とても相応しくない似非アメコミヒーローがどう見ても不釣合いないい女
(ガキも何人か混じっているが)を引き連れこれまたいい女を陵辱しているところに出くわしたもんだから
ついつい気がはやってしまったのである。

「ふん!」
「うおっ…?か…仮面が!オレ様の仮面を…よくもっ!」

ブーメランブレードを横なぎに払ったセッテの一撃でディラックの仮面が外れて勢いよくすっ飛んだ。
意外に整っていて中性的なその素顔が晒されるのを恐れるように顔を覆うディラック。

「そいつの利用価値はもともと無いし、男を陵辱するなんてぞっとしない。さっさとトドメを刺してしまいたまえ。」
「了解しました。」

ファルケの命令一下ブーメランブレードを構えて蹲るディラックにゆっくりと迫るセッテ。

「クソが〜っ!お前らなんか、万全な状態で戦っていればオレ様の敵では…。」

呻くファルケに見下した視線を向けながらブーメランブレードの刃をセッテが振り下ろそうとしたその時!

147Triangle StrikerS4話:2008/08/11(月) 00:39:59 ID:K1Ri11iU
「ハッハッハッハッハッハッ…けほっ。…ハッハッハッハッハッ!」
「な…なんだ?この無理矢理悪役っぽい声を出そうと努力しているのが伺えるハスキーボイスは?」
「しかもむせてる…。」

どこからか聞こえてきた笑い声にファルケの表情が変わった。ディエチも辺りを見回しながら呟く。

「あ、あそこっス!」

ウェンディが駅ビルのてっぺんを指差した。その先には確かに人影があった。

「ナイツストーム、巻き起これ嵐!ナイツショック、悪を突き刺す!
空を焦がしたあの炎は、正義を燃やす乙女の篝火!」

トリコロールのファルケのそれによく似た強化スキンを纏い、
メットからこぼれた長い髪を揺らし、腰に左手を当てて叫ぶ。
言うまでも無く先ほど飛び出していった莉々菜である。

「だ、誰だ!このファルケ様に何の用だ!名を名乗れ!」
「ナンバーズ3のトーレに何の用だ。誰だ貴様はッ!」

叫ぶトーレとファルケの怒鳴り声にも怯む事なくその何者かは

「…あなたに名乗る名などありません!たぁっ!」

三十メートル近い高さの駅ビルから音も無く着地してみせた。

「…ですがそれでも私の名を呼びたいのなら…そう、えーと…。」

しばらく考えて、大昔に再放送を一瞬だけ見た事があった今の自分と同じような格好をして戦う
ロボットアニメのキャラクターの名前が思い浮かんだ。

「…リ…リリー…リリーストールとでもお呼びなさい!」

指差して言い終わると同時にヘルメットのマスクが閉じられる。

「リリーストールだと?一体何者だと言うんだ…ええい。構うことはない。折角のショーを邪魔されたくないしな。
さっさと片付けてしまうんだ!」
「ガデッサー!じゃなくて、スカデッサ〜!ランキングポイントをあげるチャンスっス!
…でもなんかアイツ、シンフォニックリリーって魔法戦士と名前も声も似てる気がするんスけどね〜。」

頬を掻きながら一瞬考え込む。

「ま、いっか〜♪それじゃ〜いくッスよ〜。」

このとき考え込んでいたのが彼女ではなくせめてディエチだったのならば
この戦いの結果も変わっていたのかも知れないが…。

「デェッドリィィィィ!」
「百合瀬誅心拳!機械人間首砕きっ!」

ウェンディのナックルを交わして首筋に手刀を叩き込む!

148Triangle StrikerS4話:2008/08/11(月) 00:42:46 ID:K1Ri11iU
「厳密には未完成のアタシのデッドポイントを的確に付いて来るなんて…。」
ガックリと膝を付いて呻くウェンディ。
「くっ…。なかなかやるようですね。ISッ!ライドインパルス!」
「高速移動っ…?み、見切った!」

実は全く見切れて居ない。100パーセントただのハッタリである。
しかし神のきまぐれというものは時に凄まじい効果を発揮するものらしい。

「百合瀬誅心拳!フライング十字拳!」
鈍い音が辺りに響き渡り、トーレが宙を舞った。
「見切られた?私の機動が…。」
トーレが蹲って唇を噛み締める。

「動きを止めれば…パレットイメージ…納豆榴弾(なっとうるだん)!」

納豆榴弾とは納豆の成分を元に臭いは除去しその代わりに粘性をアップさせた
捕縛用兵器だ。関西人なら裸足で逃げ出すに違いない。

「突指爆裂!」

ディエチに肉薄し、彼女の専用武装であるイノーメスカノンに指突を食らわす。

「何しようっていうんだ?このイノーメスカノンが突っついたくらいでどうかなると思…。」

イノーメスカノンの砲身はたちまちメキメキと歪み、砲身から光が漏れ始めた。

「なっ…なっちゃったよ…。」

次の瞬間閃光とともに爆発するイノーメスカノン。

「わ…私はコメディリリーフって柄じゃないのに…どうしてこんな…。」

光が収まるとそこには暴発した納豆榴弾に絡め取られてもがくディエチの姿があった。

「おのれ…なんという戦闘能力だ…。スキャンの結果に拠ればセラフィが開発した量産型強化スキンと
とんとんの戦闘力のはずなのに…。セッテ!シグナムを連れてラボへ戻るんだ!こいつは俺が相手をしよう。」

149Triangle StrikerS4話:2008/08/11(月) 00:44:24 ID:K1Ri11iU
「触手が擦れて…らめえ。」

ぐぶぐぶという音をたてて眼前で繰り広げられる戦いもなんのそのといったふうに
シグナムを嬲っている触手上魔。
上魔の粘液で体中を穢されたシグナムはもはや視線すら定まっていない。

「まだやっていたのですか。続きはラボでごゆっくり。」

セッテは触手上魔ごとシグナムをラボに転送すると自分も撤退していった。


拳を白熱化させて身構えるファルケ。

「ファルケ…。今度こそ決着を付けます!…天よ火よ地よ水よスイートナイツよ!我に力を与えたまえ…。」
「な、何だって言うんだ一体?データには何の変化も無いぞ。
…この台詞はハッタリだとでも言うのか?いや、まさかそんなはずは…。」

莉々菜は突然何かの呪文のような言葉を唱え始めた。ファルケは何がなにやらわからず動く事も出来ない。
当たり前の事である。なにしろ莉々菜自身何がなんだかわかってないのだから。
この口上もアニメの台詞を真似たハッタリだと言うのは
あえて言うまでも無いだろう。

「倍々功夫キック!サンダーコークスクリューナイツハンドスマァァァァァァァッシュ!」

繰り出された連続突き。
ハッタリの力と神の見えざる手で何倍にも増幅された突きがファルケの強化スキンに悲鳴を挙げさせた。

「まさか、こんな事が…全く計算出来ない!」

そもそもハッタリを計算出来るコンピューターなんか有る筈もない。

「うぉぉぉおおおおおぉぉぉお!成敗ッ!」
「ば…バカな!シンフォニックナイツさえ打ち破ったこの強化スキンがこんな奴に…。」

猛ラッシュの前にガードが徐々にこじ開けられていく。
呻くファルケが唇を噛んだ瞬間…。
ガードが吹っ飛び、顎に数発のラッシュが叩き込まれた。
数分後。

150Triangle StrikerS4話:2008/08/11(月) 00:49:11 ID:K1Ri11iU
「ファルケは…に、逃げられましたか…。でも陵辱されずに彼を追い払う事が出来たのなんてしばらくぶりだわ…。」

逃げ出したファルケを呆然と見送って大きく息を吐く莉々菜

「正直……ちょっと物足りない気もするのだけれどね。ん?」

ファルケとの戦いの後はいつも陵辱が加えられた。
今回は陵辱を喰らわないですんだのだから喜ぶべきことのはずなのに…。
彼女の頬を紅く染まり、腰の奥からは女の本能が快楽を求めはじめていた。

「オレ様の仮面!オレ様の仮面!オレ様の…。」

ふと見ればよほど自分の顔にコンプレックスがあるのか
片手で顔を抑えて錯乱したように地面をまさぐるディラックがそこに居た。
さらに数分経って。
ミネルヴァガードが前身となって完成したレジスタンス組織「白薔薇」の本拠地。

「莉々菜さん。結果的にファルケを追い払えたのはいいのですが…。無茶は止めて下さい。
心臓がどうかなってしまうかと思いましたよ」
「でも、あの陵辱されていた人を助ける事が出来なかった…。」

胸を撫で下ろしながら言う奈々巴。
傍らの莉々菜は強化スキンを脇にきちんと畳みながらうめいた。

「あの人を助ける機会もまたきっと来ますよ。それはそうと…。」

莉々菜の肩を叩きながら玲奈が言う。そして言い終わるとぶすくれた顔で後ろを振り向く。
奈々巴も軽蔑の視線をたたえて彼女と同じ方向を見つめた。
そこに居たのは。

「茶ぐらい出せねーのかよここはァ!オレ様は魔界最強の上魔・ディラック様だぞ!」
「こんな奴をどうして連れ込んだんですか莉々菜さん?」
「放って置く訳にもいかないでしょう。野放しにしておけば何をするかわからないし。」

紛れも無くディラックの姿であった。

「最強って言うけどあのタイツ着た子達にいいようにやられていたじゃない。」

憮然とした顔で言う玲奈に

「アレはだナ。魔力を激しく消耗していたせいでもしオレ様が本気を出していたら連中如き消し飛んでいたハズなんだよ。」

それが虚勢で無い事はかつて彼と戦った事がある莉々菜と奈々巴ならばよく判る。
確かに彼がその力を充分に発揮出来たならあの状況も打開出来ただろう。

151Triangle StrikerS4話:2008/08/11(月) 00:52:11 ID:K1Ri11iU
「……ところでメシはまだかヨ。魔力を補給するには女を食っちまうのが1番手っ取り早いんだが悲しいかな
今のオレ様じゃてめえら3人敵にまわして戦うのは無理なんでな。普通の飯でも
効率悪いが足しにはなるからお前らが食うのと同じ奴でいいからメシ寄越しな。」

「………。」

無言のままエンシェリウムカードを取り出す玲奈と腰掛けていた机の引き出しに入っていた
緊急用にこのアジトに常備されているイズマッシュ・バイゾン(サブマシンガン)の
セイフティを外す奈々巴。

「丸腰の相手を撃つのは私達の理念に反するわ。確かに彼は私達の敵であり、忌むべき存在…。
でもそれで安易に殺生を働いてしまったら私達はメッツァーやファルケと同じになってしまう。」
「しかし…」
「勿論ただで置いておくつもりは無いわ。それなりに働いてもらわなければね。」

眉間に皺を寄せる奈々巴に飽くまで冷静な意見を述べる莉々菜。

「な…なんだ貴様らその不穏な目つきは?あ、飯喰い終わったら瞬間接着剤も貸せよな。
本来なら魔力で補修したいところだが今は仮面の修理に使う魔力も惜しいのでな。」
「莉々菜さん。さしあたってエネルギーが切れた上魔に対するサブマシンガンの有用性をテストするために
役に立っていただくというのはどうでしょうか?」

奈々巴の悪態もなんのその。
机に足を投げ出して腕を組むディラック。果たして彼は白薔薇にとってどういう存在となり得るのだろうか。

152Triangle StrikerSの人:2008/08/11(月) 01:04:25 ID:K1Ri11iU
ここまでで。
ファルケを最初に見た時からずーーーーーっとやりたかった
「マシンロボ・クロノスの大逆襲」ネタを組み込んでみました。
やってる事は逆でもファルケとロムって格好は似てると思うんですよね。
エロとしては触手プレイで。。
レナに関してですがディネロって何気にエリクシルナイツで語られたところによれば
死んだ事になってるんですよね。
レナはナイツとは別シリーズでかつレナの主人公は読んで字のごとく朋衛玲奈嬢その人とはいえ
ちょっと可哀相かも。それでこの人の代わりにサキュバスと双璧の上魔ディラックを出しました。
こいつもサキュバスと比べるのは酷でも味があるキャラだと思うんですよね。
次回はティアナ陵辱と過去篇。
二期では最強の黒幕だったのにstsではたまに台詞の中に出てくるくらいで
出番が皆無だった人達(隠居したんだから当たり前かも知れませんが)を出す予定です。

153名無しさん:2008/08/11(月) 04:04:30 ID:ykEU2AFU
GJでした!
黒幕の話ですか。猫姉妹調教とか想像しちゃいました。

154名無しさん:2008/08/12(火) 22:48:57 ID:Q8.Ub2WI
おぉう気づかんうちに投下されてたw
今回も良かったです
次回投下待ってます^^
・・・・・・できればお早めにお願いしますです・・・・はぃw

155名無しさん:2008/08/14(木) 23:16:39 ID:QRuvWaHk
なんというエロさだ。
GJ!!!

156Triangle StrikerSの人:2008/08/19(火) 00:22:51 ID:AcVVxlkc
これより5話が書きあがったので
投下させていただくであります。

157Triangle StrikerS5話:2008/08/19(火) 00:26:46 ID:AcVVxlkc
「くうっ、ううっ…。」

メッツァーのアジト。
粗末なベッドだけの部屋でティアナが鎖に繋がれてもがいている。

「ご機嫌如何かな?レディ・ティアナ・ランスターさん。」

トレードマークの白いジャケットを羽織って慇懃な礼とともに部屋に入ってきたのはリスティである。

「…何の用かっていうと…君の調教…今度はボクの担当になったんだよね。
でも、ボクは下魔なんかに犯させるのは好きじゃないんだ。
あれは痛いだけだし心も体も傷つく。はっきり言って趣味じゃないんだ。昔を思い出すしね。」

イスに腰掛けるとねっとりとティアナを見つめながら言うリスティ。

「…それで?」
「だからさ。君自身に君を辱めてもらおうと思うんだ。」
「はあ?な、何言ってるのよ、あんた…。それ・どういう意味よ。」

リスティの表情に気圧されつつも強気を装うティアナ。

「ふふふ…こういう事さ。」

白いジャケットのポケットに突っ込んでいた手をゆっくりと振るリスティ。
すると…。

「えっ…?どうして…手…手が勝手にっ…。」

ティアナの手がひとりでに動き出し、バリアジャケットのインナーの胸元についている
ジッパーを引き下げていく。

「やっ…ああ…。」

白く小ぶりな乳が露になり、ティアナの手は本人の意思に反してそれを揉みしだいていく。

「おやおや…君は随分淫乱なんだなあ。自分からそんな事をするなんてさ…。」

左手を口元に持って行きつつ微笑むリスティ。

158Triangle StrikerS5話:2008/08/19(火) 00:28:21 ID:AcVVxlkc
「わ…私じゃないっ…あなたが私に…な、何をしたのよっ!?」
「あはははは。わかったよ。そう怖い顔で睨むまないでよ。種明かしするとこれもボクのHGSの能力のひとつって訳さ。
もっとも昔のボクなら無理だけど…メッツァー様によって魔力を注ぎ込まれた今のボクなら…」
「!?」

ティアナの左手が股間へ伸びていく。

「君の体を君以上に自由に使えるんだ。どうだい、気持ちいいだろう?」
「気持ちよくなんか無いッ!こんなの気持ち悪いだけ…。」

左手は股間の硬く閉じられた秘唇を、右手は
バリアジャケットのインナーからはだけられた胸を優しく揉みしだく。

「へーえ、そうかい?それにしては顔が赤くなってきたみたいだけど?」
「そんなこと無いッ!」
「ふーん、まあ…そういう事にしておこうか。そうか。感じていないんだ。それは残念だなあ…。それじゃあ…。」

顔を紅くして言い返すティアナに微笑むリスティ。

「意地の張りようも無いくらい感じさせてあげるよ。」

いったん手の動きを止めさせるとパチンと指を弾く。

「ひっ…!?」

体中が撫で回される感覚に身を震わせるティアナ。

「ボクが操れるものには単に体の一部だけではなく、感覚…痛覚や味覚なども含まれる。
君の性的刺激に関する部分にちょっと悪戯をしてあげたのさ…。今度はかなり違うはずだよ。」

言葉とともにオナニーを再開させられるティアナ。
しかし手が乳房に触れた瞬間。

「くふぅうーーーーーッー!!!」

電撃が走ったような声を挙げるティアナ。甘く切ない発情した女の香りが立ち上り、
桃色の乳首がツンと勃起する。続いて秘所に伸びた手が動き出す。

159Triangle StrikerS5話:2008/08/19(火) 00:29:16 ID:AcVVxlkc
くちゅっ…。

「ひぃぃいいいぃぃぃぃぃんーーーーーーーー!」

先ほどまで硬く閉じられていた彼女の秘部はぱっくりと口を開け、
トロトロとした蜜を際限なく垂れ流していた。
まるで女を誘い込む売春婦のそれだ。

「随分な乱れっぷりだな。的の手に堕ちて敵の監視の中…オナニーでそれだけ感じてしまうなんて…。」
「こ…ん…な…の…ち…が…ひゃぁうううう!クリ…トリス…感じる…のっ!。」

包皮を剥いて現れた愛液を撒き散らかしながら悶える。

「おっぱい…おっぱいも、きゅうぅぅぅぅううううう!っ…。」

乳首を摘んでさらに悶え狂う。
だが…。

「はあ…はあ…はあ…はああああうん…。なんでえ…?」

絶頂がいつまで経っても訪れない。

「ふふふ…いくらなんでも私の目の前で絶頂を迎えるのは機動六課のメンバーにあるまじき姿だ。

絶頂が訪れる事は無いようにしてあるのでご安心を。」
リスティの残酷な宣告に泣きそうな顔になるティアナ。

「そんなの…ひどい…。」

くちゅくちゅという音をたてて秘唇をいじる。
しかしそれでも絶頂は訪れないのだ。もはや強烈過ぎる快感に毒されてそれしか頭に無い。

「くぅううぅぅうう…おねがぁい…。」
「なんだい?…どうかした?」

わざとらしく首を傾げるリスティ。

「わ…私を…私をイカせてぇぇぇぇえええ!」
「これはこれは…。ま、お望みとあらば。」
わざと驚いたような態度を見ると笑みを浮かべて指を弾くリスティ。
その瞬間…

160Triangle StrikerS5話:2008/08/19(火) 00:31:09 ID:AcVVxlkc
「ひぃぃぃいいいん!…気持ちいいのおぉぉぉっ!」

凄まじい喘ぎ声を上げてイキ狂う。
ぷしゃっという音ともに秘所から数回に分けて潮を吹く。

「ふふふふ…。」

ぐったりとしたティアナを満足そうに目を細めて見つめると
ジャケットを翻しリスティは部屋を後にした。
それから少し経って。

「…一見デタラメなようですがひとつひとつ的を突いた攻撃ですね。」
「リリー・ストールとは一体何者なのでしょうか。
しかしどんな敵が現れたにせよ、私達はメッツァー様に仕えるのみ。」

リスティとココノがモニターに映し出される
ファルケがリリーストールなる「謎の戦士」にタコ殴りにされる映像を見物していた。

「何者なのでしょうかって…あいつはシンフォニックリリーではないのですか?」

真面目な顔で考え込むココノに少し驚いた顔で突っ込むリスティ。

「え?何を言っているのです。髪型も顔も全然違うではありませんか。」
「いや、ですからマスク被ってる訳でしょう?
マスクからこぼれた髪の色といい推測できる髪型といいいでたちといい
シンフォニックリリーの変装では…。」

「…リリーは・彼女ならたしかほっぺのところにほくろがあったはずですよ。」
「本当にわからなかったんですか?」

飽くまで食い下がるココノを納得させるべくリスティはモニターのコンソールをぱかぱかと弄くって
リリーストールなる謎の怪人とシンフォニックリリーのシルエットを映し出し、重ね合わせて見せた。
議論の余地も無いほどにぴったりと一致。同一人物なのは誰が見ても明らかだ。

「……………。わ、私だって解っていたのです。新入りのあなたを試したんですぅ!」
「はあ…これは失礼しました。」

頬を膨らませるココノと微笑むリスティ。
傍目から見れば姉妹のようにも見える。

161Triangle StrikerS5話:2008/08/19(火) 00:32:55 ID:AcVVxlkc
「ところでメッツァー様は?」
「メッツァー様ならシエスタ(昼寝)のお時間です。いけませんねえ。

メッツァー様にお仕えするならメッツァー様の日課ぐらい把握しておかなければ。」
キョロキョロと辺りを見回しながら言うリスティに得意げな顔をするココノ。
彼女は気を利かせたリスティがわざと話題を逸らした事を知らない。

「サキュバスさんも見当たらないようですが。」
「ああ、彼女なら先ほど…。」

リスティが首を傾げるココノになにごとか申し出た。

「ダークリップちゃん召還!」

サキュバスの言葉に従ってアジトの床に魔法陣が現れた。
そしてその中からスイートリップとほぼ同じだがコスチュームの彩色のみ異なる少女が現れた。

「ただいまご主人様!御用のほどは…ってまさかまた抱き…。」

黒い手袋を付けた細い手を揉みながら笑顔のダークリップ。
しかし待っていた主人のただならぬ視線に思わず後ずさりしてしまう。

「ピンポーン!抱き枕抱き枕〜♪」
「そ、それは契約内容に反するっていうか…いい加減にして下さいよぉ。私は戦闘と陵辱が本分でこういうのは…。」

最近サキュバスは昼寝の度にダークリップを抱き枕にしていたのだった。
満面の笑顔で擦り寄るサキュバスにじたばたと抵抗するダークリップ。だがそんなものを聞き入れるサキュバスでは無論
無い。

「あ〜この適度に膨らみがあってや〜らかいおっぱい最高!最近これじゃないと眠れないのよね〜。」

コスチュームの胸に頬を擦りつけて気持ちよさそうな顔をするサキュバス。

「ちょっとちょっと…胸…だめですよぉ。」
「それじゃ…おやすみなさ〜い。………zzz。」

黄色い声をあげて体をくねらすダークリップを尻目に彼女はさっさと寝息を立て始めた。
ひとつため息をついて苦笑いしながら気まぐれなご主人様の背中を摩る。

162Triangle StrikerS5話:2008/08/19(火) 00:34:19 ID:AcVVxlkc
その頃メッツァーは深い眠りに落ちていた。

(紅く染まった空にあちこち燃えている建物…ここは何処なんだ?…ロア?
なぜ俺がロアに居る…。それもこれは、あの時のロアだ…俺という存在が始まった時の…。)


この辺境の世界…ロアを襲った突然の災害。
津波、地震、火山噴火。世界は打ち震え、人々は逃げ惑う。
そしてそれに乗じて起きた戦争。
空は赤い炎と黒煙で満たされ、地面からは溶岩が噴出し、石造りの
建物は玩具箱を引っ繰り返したように壊れ、そこここで火の手が上がっている。
辺りは子供なのか大人なのか男なのか女なのか
そもそも人間なのかどうかすら判らないような死体が転がっていた。
そんな破滅を迎えた町の一角。
巨大な火柱となった塔の根元では。

「あちらはどうでしたか?」
「ダメだ。生きている奴はもういねえらしい。」

白いマントを羽織ったどうやら騎士階級にあるらしい男が負傷者の男性をかばいながら歩いていく。
年の頃はまだ十代半ばといったところか。顔は中性的…
というか女顔で所謂美男子という部類に入るといっていいだろう。
さらに緑色の髪が肩まで伸びていた。

「くっ…一体なんだっていうんだ。突然のこの災害は。」

忌々しげに赤く染まった空を睨み、呟く。
さらにそこから少し離れた場所では。

「はあ…はあ…はあ…。」

銀髪の粗末な服を着た少年が、煤けた石が敷きつめられた道を走っていた。
わき目も振らずに、涙は先ほど両親と姉が
瓦礫に潰れて無惨な姿と化した際にとうに枯れ果て、
足も手も棒のようになって激痛のシグナルを神経に送っていた

163Triangle StrikerS5話:2008/08/19(火) 00:35:50 ID:AcVVxlkc
だがそれでも少年は走り続けた。なぜなら、生き延びたかったから。姉や両親のような姿になりたくなかったから。
ただそれだけが少年の体を支えていた。

「死ぬのは嫌だ。死にたくない。俺はまだ何もしてないんだぁっ!」

ドン!

「うっ…。」

不意に地面に倒れ伏す少年。
反対側に逃げようとしていた誰かにぶつかったらしい。
顔を上げるととそこには売春婦なのか、露出の多く過度に艶かしさが
強調された服に身を包んだ女性がしりもちをついていた。

「気を付けなさいよ。ドチビ!」

衣装に反して冷酷そうな荒んだ目をした青い長髪の女性は倒れたままの
少年を睨んで毒づくとそのまま一瞥もくれることなく走り去った。

「ぐ、ううっ…。」

少年はゆっくりと起き上がり、また走り出す。
いつしか少年は海岸線にやってきていた。

「待ってくれ!何をするんだ!僕は…。」

聞こえてきた声に従いふと見れば、避難しようとしている者で溢れた
小船から一人の若者が追い出されようとしていた。

「この船は定員オーバーなんだよ!あんたには感謝してるけどよく考えてみりゃ
この災害はお前ら騎士団の怠慢からきた人災だろ。
そういうわけだ…じゃあな。」

よくよく見て見れば、それは先ほどけが人の救助に奔走していた若い騎士ではないか。

「お人良しはバカを見るってんだよ!よく覚えとくんだな!」

鈍い音が響いた。どうやら鈍器かなにかで頭をやられたらしい。
力なく海面に落ちる哀れな騎士。
少年は一部始終を眺めていたが、助けようとはしなかった。
ほどなくして、彼はまた走り始めた。あてどもなく…ただひたすら。

164Triangle StrikerS5話:2008/08/19(火) 00:38:19 ID:AcVVxlkc
たがやがて、力尽きて倒れた。
しかしそんな彼らを見ている物が居たのだ。
次元世界中継モニターを通して…。

「………。」

時空管理局本局。
画面に映し出される世界の破局に苦悶の表情を浮かべて、初老の男性が俯いている。
ギル・グレアム…。不可抗力だったはいえこの破局の原因を作った男である。
ロストロギア・闇の書…。数年おきに再生と転生を繰り返す、数あるロストロギアの中でも
随一の悪質さを誇る代物。輸送中に暴走をはじめ、彼の部下のクライド・ハラオウンが指揮する巡航艦
オスティアの機能を掌握。彼は泣く泣くオスティアを次元砲アルカンシェルで撃沈せしめたのだ。
しかし次元砲の使用によって中規模の次元震を発生させうるエネルギーの波が発生。
それは5年間あまりの時をかけてゆっくりと時空間を広がり、1番近い次元世界・ロアに襲い掛かったのだ。
無論闇の書の暴走を放置すれば恐らくはロアそのものが破壊されるような事態も起こりえていただろう。
しかし、なんという惨状であろうか。

「…災害担当局員の派遣はまもなく行われるそうです。しかし、我々の存在が露見すると問題ですから…。」
「どうか気に病まれないで、父様。」

傍らに控えている使い魔・リーゼロッテとリーゼアリアが
彼を慰める。しかし相手に気付かれないままに行える災害援助などたかが知れている。
彼の故郷の97番管理外世界と違ってロアは魔法技術だけならばミッドチルダにも匹敵するのである。
迂闊な事をすれば管理局の存在がたちまち発見されてしまうのだ。

(僕達はこの程度の事しか出来ないんだろうか…)

映像に映し出される先ほどの少年が倒れている姿を見て使い魔達とともにグレアムの
傍らに控える青い髪の執務官候補生の少年…
クロノ・ハラオウンは心の中で呻いた。しかしそんな彼らが
いかに心痛めようと、ロアを襲う災害はなんら容赦しなかった。

165Triangle StrikerS5話:2008/08/19(火) 00:40:07 ID:AcVVxlkc
「俺は死なない…、死ぬもんか…。」

惨劇から一夜が明けようとしていたころ、既に精魂尽き果てた少年はうわごとのように呟いた。
不意に、まわりにいつくかの気配が現れた。実にまがまがしく、邪悪な気配が。

「…孤児か。まだ生きているようだが…。殺すか?」
「いや…ボスのところへ連れて行こう。こいつ…いい目をしている。」

その気配の中から声が漏れ、少年の体が持ち上げられた。
そして、そこで彼の意識は途絶えたのだった。
その頃。
海岸線とは反対側の廃墟では。

「なんとか生き延びたらしいわね。大枚はたいていい服買ったのに…冗談じゃないわよ。」

先ほど少年にぶつかった売春婦である。彼女のような者にとって
男を誘い込むための重要な小道具である彼女のボディラインを強調した華美な服は煤と破れだらけになっていた。
しかしそれでも命あってのものだねか。そう気を取り直して彼女が不機嫌そうに髪を弄ったその時!

「誰!」

近くの瓦礫の下から物音と呻き声がした。
その辺りに転がっていた棒きれを拾うとゆっくりと音がした方に向かう。
すると…

「へえ…。」

売春婦は品定めをするように目を細めた。瓦礫に潰されていたのは淫魔だったのだ。
黒い羽が生え、ボンテージ調の衣装に身を包み、尻尾も恐らくは生えているのだろう。
いるだろうというのは下半身は完全に瓦礫に隠れてしまっていて見えなかったのである。

「人間が死に掛けてるのならいろいろと金目の品をくすねられたのにねえ。
でも…こういうのも面白いわね。いい気味よ。」

彼女のような人間の売春婦からしてみれば淫魔は商売の邪魔をする憎むべき相手であった。
淫魔の味を一度知ってしまった男はそれきり人間に興味を失くしてしまうし、たいていはほどなくして
淫魔に精魂吸い尽くされて殺されるのがオチなのだ。彼女としてはこんなのにのさばられた日には全く商売あがったりである。

166Triangle StrikerS5話:2008/08/19(火) 00:41:46 ID:AcVVxlkc
「………。」

その死にかけの淫魔は売春婦をしばし見つめると静かに微笑んだ。
いや…微笑むというにはあまりに不気味な表情であった。まるで自分の同類を見つけたかのようなそんな笑みだった。

「…何よ。いっとくけど助けたりなんかしないわよ。ええそうですとも。誰が商売敵の淫魔なんか助けたりするもんですか。」

後ずさって少しうわずった声をあげる。しかし彼女は気付いていなかったのだ。
瓦礫に隠れていたはずの淫魔の尻尾が蛇のように彼女の足元に
忍び寄ってくるのを…。そして。

「えっ…?きゃぁああああああああああああ!」

尻尾がロングスカートの下から彼女の股に潜り込む!
異物が膣の中に入り込んでくる感触をはっきりと感じた。
辺りにピンク色の光と禍々しい気配が立ち込める。
そしてその光と気配がいつしか治まった時…。
既に死に掛かっていた自分に残る全ての力を注ぎ込んでもはや物言わぬ遺骸と化した淫魔と、売春婦。いや……。
人間という殻を捨て、闇の住人と化した新たな淫魔がそこに居た。

「ん…んん…。体が熱い。一体何が…。。」

先ほどまで自分が着ていた服は何処かに失せ、代わって赤いボンテージがいつのまにか現れていた。
足にはロングブーツと長い尻尾。耳はキツネのように伸びていた。

「これって…。淫魔?私が、淫魔…。」

自分の体に起こった急激な変化に一瞬の戸惑いを見せる。
しかし。

「おい、お前…。そこで何をしてる?」

振り向くと、そこには災害派遣で訪れたのだろう。
若い騎士が3人ほど佇んでいた。
彼女は不意に、股間と腰の奥に疼きを覚えた。頭の中に彼らを犯せと声が響く。
彼女はゆっくりと騎士達に歩み寄って行った。
その頃。

「………。」

海岸に一人の男が流れ着いていた。あの、自分が必死で助けた民に裏切られ、海に突き落とされた哀れな騎士だ。

167Triangle StrikerS5話:2008/08/19(火) 00:43:40 ID:AcVVxlkc
「なんで…私がこんな目に。」

この騎士は里帰りで故郷のこの町を訪れ、今回の災害に巻き込まれたのだ。
そして彼は、親も兄弟も助ける事が出来ずみすみすと目の前で死なせてしまったのである。
それでも彼は被災した人々を救い出した。それが自分の任務だと心得ていたからだ。
しかし見返りはどうだ。この仕打ちはなんだ。なぜ自分はこんなめに遭っているのか…。

「悪の心を感じる。暗く染まりかけた悪の心を…。」

ふと顔を上げれば、不気味な仮面を付けた酷く年老いて居るものの
筋骨隆々とした上魔がそこに佇んでいた。

「悪の心をお前に流し込む。我が同胞に堕ちろ。既に命尽きかけた私に代わり
我が名を受け継ぐのだ。若き騎士よ…。」

首根っこを掴み、高々と持ち上げると瘴気を騎士の体に流し込んでいく。
自分と同じ魔性へと変えてしまうために。仮面の奥の赤い瞳が邪悪に煌く。
騎士には抵抗する気力はもはや残っていなかった。そして彼に流し込まれた瘴気は彼自身気付かぬままに彼の魂を染めていった。
自分は裏切られたのだ。結局自分が助けた奴らは自分に感謝もせずに自分を追い出したではないか。
そんな考えが頭の中に生まれ、そして果てしなく増殖し、彼の脳内を埋め尽くしていった。

「さあ、今こそ我が名を受け継ぐのだ。古より受け継がれてきた呪われし名を。」

呟く上魔。その瞬間騎士の中で何かがはじけた。

「グアアアアアアッ!ば、ばかな…ふふふ。そうか…これほどの力があろうとはな。
う、嬉しいぞ…グフッ!」

上魔の体を引き千切り、手にした剣で魔力を込めた斬撃を繰り出しめったやたらに切り刻む。

「フ…へへへへ…。ヒャハハハハハハ!クケケケケケケ…何が正義だよ。何が人助けだよ。…下らねエ!下らねエぞ!」

叫ぶ姿にもはやかつての騎士の面影は無かった。

「うう…ううぅ…。」

不意にどこからか呻き声が聞こえてきた。
見てみればなんと、それは彼を船からたたき出した男ではないか。
そのうしろにも何人かの見覚えのある顔がよろよろと浜辺をこちらに向かってきている。

168Triangle StrikerS5話:2008/08/19(火) 00:45:05 ID:AcVVxlkc
人を呪わば穴二つと言う奴か。彼らもあれから程なくして船から追い出されてしまったらしかった。

「あ…あんたは、た…助けてくれ!足が折れて動けないんだ…。」

その男は先ほど自分達が行った仕打ちも忘れて砂浜に這い蹲って情けない声を挙げた。
無言のまま騎士…だった存在は傍らに落ちていた、先ほど自分を襲った悪魔(もっとももう彼も
立派な悪魔なのだが)が付けていた仮面を手に取り、ゆっくりと被った。自分が生まれ変わるような感覚が全身を包んでいく。
その仮面こそ彼を襲ったあの老いた悪魔から遡って魔界誕生の時より受け継がれる呪われた悪魔の証。
その名こそ…。

「ケケケケケ…。助けてくれだア?てめえら俺様を誰だと思ってるんだよ。俺様は…。」

何の説明もされなかったがそれでも自分が何者かは判る。

「“嘲笑う死神”ディラック様だぜ!ヒャーーーーーーハハハハハハ!」

騎士…いや、上魔ディラックは呆気に取られる男をひとしきり嘲笑する躊躇う事無く刃を振り下ろしたのだった。
所変わって時空管理局本局。

「災害派遣局員の派遣は予定通り終わったそうです。」
「災害派遣局員のおかげでロアの災害による被害は試算して当初の予定の七割程度に抑えられるそうよ。
管理局の立場としてやれる事はやったわ。あなたが気に病む事はないわよ。」

局員の報告を聞いて項垂れるエメラルドグリーンの長髪を垂らした女性…「リンディ・ハラオウン」の肩に手をやって
薄紫色の髪の女性…「レティ・ロウラン」が励ますように言った。
しかし、彼女達は自分がいましもいずれミッドチルダを震撼させる
魔王を生み出す瞬間に立ち会おうとしている事を知らない。
その頃。

「あんっ…あはぁンっ…ほらほらぁ。もっと私の中に熱くてドロドロしたの、出してぇっ!」

殆んど骨と皮だけになった騎士達を組み伏せて嬌声とともに腰を振る淫魔。しかしいくら腰をくねらせても
いっこうに男からも肉棒からも反応は帰ってこない。

「な〜んだ。もう死んじゃってるの?だらしないわねえ。」
「何かただなら邪気を感じたと思えば、淫魔か…。」

不意にどこからか声がした。見てみるとそこに居たのはゼーロウの構成員である。

169Triangle StrikerS5話:2008/08/19(火) 00:46:42 ID:AcVVxlkc
「淫魔…?それってアタシの事?…その呼び方嫌なのよね。そうね…。私の事は“サキュバス”って呼びなさいよ。
それで何の用?」

精魂吸い尽くされた騎士の遺骸をバックに男に向き直る

「俺はゼーロウの言わばヘッドハンターだ。あんたみたいな行き場の無い魔物を探してるって訳よ。
どうだい。話だけでも聞いてみないか?」
「ふーん…まあ…魔物やってくなら後ろ盾くらい付けるのも悪くないかもねえ…。いいわ。聞くだけ聞いたげる。」

さらに別の場所では。

「脳漿を飛び散らせ!断末魔の叫びをこのオレ様に聞かせやがれ!」

累々と連なる死体の中で先ほどの騎士…いや、ディラックが
吠える。

「見かけない魔物だな。貴様は一体どういう種族だ?」

胡乱な目つきでディラックを睨みつける二人の若者。
同じ頃に別の場所でサキュバスに絡んだ者達と志を同じくするゼーロウのエージェントだ。

「なんだおめえら?オレ様を知らないか?魔界の王にして最強の上魔、ディラック様よ!」
「ディラックだと?」

若者のうち一人が目を剥いた。

「法螺を吹くのならもっと上手くやれよ。ディラックなら一度見た事があるがお前みたいな
貫禄の無い優男とは似ても似つかんかったわい。お前舐めてるのか?」
「いや、ディラックは人間に宿り、魔界誕生の時から脈々とその仮面をシンボルに
悪人から悪人へと受け継がれていく上魔。先代のディラックの寿命が今回の変乱で尽き、彼に宿ったのだろう。」

まくしたてる若者にその若者の上司らしい男が腕組みして言った。

「へえ、しかしだとすれば人選を間違えちゃ居ませんかねえ。こんな騎士くずれに。
これならいっそ俺が選ばれていた方がまだなんぼかマ…。ぐぇ!」

なおも軽口を叩く若者。しかしながら、それが彼の最期の言葉となった。
鮮血を撒き散らして倒れ伏す若者。

170Triangle StrikerS5話:2008/08/19(火) 00:51:14 ID:AcVVxlkc
「ザコが不愉快な思いをさせて申し訳ない。話だけでも聞いてくれないかね?少なくとも退屈はさせない。」
「まあ…暇つぶしにはなりそうだな。」

剣を収めるとマントを翻して男に導かれるまま歩いていくディラック。
そこから少し離れた秘密結社ゼーロウのアジト。


「確かにいい目をしているな…。小僧。名は何と言うのか?」
「閣下が尋ねられておられる。早く答えんか!」

豪著なイスに座った初老の男性…ゼーロウの総帥が羽交い絞めにされた先ほどの少年を見つめている。

「メッツァー・ハインケル…。」
「メッツァーか…。成る程、気に入った…。」

反抗的な目つきで答える少年にゼーロウ総帥は微笑んだ。

「俺は今日から生まれ変わるんだ。俺は強くなってやる。」

そして少年…「メッツァー・ハインケル」は功績を挙げ、またたくまに上また上へと出世していき、
地上制圧軍司令官に任命されたのだ。
そしてスイートナイツやプリンセスティアと戦い、ゼーロウに捨てられ、雨塚やシルヴァをけしかけて利用し…
これまでメッツァーが経験してきた戦いの記憶が走馬灯のように巡る。
そう。これらの熾烈な戦いをくぐりぬけ今彼はここにいるのだ。

「俺は世界の王になってみせるんだ!」

万感の想いを込めて叫んだ瞬間世界は一寸先も見えぬ闇と化した。
「……………。な、なんだここは?俺はどうしてこんなことになっている?」
いつのまにか少年はあたり一面燃え盛る…。
そう、あの時自分が居た廃墟の真ん中で巨大な十字架に磔にされていた。

「メッツァー…メッツァー…。」
「誰だ俺を呼ぶのは?」

不意に自分を呼ぶ声が聞こえる。
磔にされているせいで禄に動かない首をなんとか動かして声のする方を見ると
炎の中に人影が。

171Triangle StrikerS5話:2008/08/19(火) 00:53:55 ID:AcVVxlkc
「スイートリップ…か?」

黒と金色を基調にしたムダの無い、それでいて程よく存在を主張するコスチューム…
現れたのは紛れも無くメッツァーが最初に戦った魔法戦士…スイートリップこと七瀬凛々子であった。
しかし、何故彼女がここにこのタイミングで現れるのか?のみならずその手には平時に
彼女が使う三日月を象った武器ではなく血の滴る大鎌が握られているのであった。

「メッツァー…。私と一緒に死んでええええええええっ!」

微笑んかだと思うと鬼のような、いや…般若そのものの顔と化して
大鎌を磔にされたメッツァーに振るうスイートリップ。
鮮血が飛び散り、腸が引きずり出されるのが解った。
しかし、不思議と痛みは無い。ここまでの傷を受けたのに何故痛みが無いのだろうか?
必死で体をよじり、はみ出した痛々しい自分の腸から目を逸らし、体を捩る。
もはや悪鬼か死神のような姿と化したスイートリップが第二撃を入れるべく振りかぶった。

「うわああああああ!」

叫ぶと同時に体が跳ね上がり、同時に腰に鈍い痛みと絨毯の感触を感じた。

「痛ッ!………ハッ…?」

そこは見慣れたアジトの彼の寝室であった。

「夢か…。」

辺りを見回して呟いた。
背中が冷たい。どうやらひどく寝汗をかいたようだ。
腰の痛みはベッドから転げ落ちたせいらしい。

「なんであんな夢を見たんだ。」

額を拭い脳裏に焼きついた幼い自分と悪鬼のようなスイートリップのイメージを必死で振り払った。

172Triangle StrikerSの人:2008/08/19(火) 01:05:58 ID:AcVVxlkc
ここまでで。
メッツァー&サキュバス&ディラック出生篇&ティアナのMC攻め。
メッツァーの年齢ですがクロノ(StSの時点で20代前半?)とほぼ同じ辺りだと考えてます。
前回はネタに走りすぎた感があるので今回はなるべくシリアスにしてみました。
なのは世界の出来事とナイツ世界のキャラとで何かしら因縁があるって話にしたかったんで。
それならばいっそ彼らが悪へと走る切欠と結びつけてみました。
その結果冗長になってしまったきらいがありますが。

173名無しさん:2008/08/20(水) 07:55:43 ID:TMvZ6BZg
ふむふむ……こうなってくると今後が気になるところです
意味深な悪夢も後の伏線とみたー!
なんいせよGJっス

174名無しさん:2008/08/26(火) 20:43:55 ID:7z/ScqSc
超GJ!!

エリオとキャロのその後が気にかかるぜ

175名無しさん:2008/08/27(水) 02:44:47 ID:oXDaSPwA
新作出てくるしメッツァーには頑張ってもらいたいところ。
レムティアナイツの歌は雰囲気が変わった気がする。

176名無しさん:2008/08/27(水) 02:49:34 ID:Ze.rAhh.
つか、ティアナがクイーンになってたなw

177名無しさん:2008/08/27(水) 02:53:11 ID:oXDaSPwA
なってたw
OHPによるとメッツァーと戦ってるらしい。
こうしてみるとメッツァーって凄いんだなと思う。

178名無しさん:2008/08/27(水) 02:59:18 ID:Ze.rAhh.
>>177
いや、ゼーロウの幹部になったり
アップルナイツのココノを倒したりとその凄さはところどころで出てた。
しかし、ついに戦闘に参加するか・・・ロアの半分を占領したその手腕を期待しているww

179名無しさん:2008/08/27(水) 03:04:36 ID:oXDaSPwA
今気づいたがティアナのサンプルボイスにエロいのがあるな。
またメ様にやられるのか。

180名無しさん:2008/08/27(水) 03:05:04 ID:Ze.rAhh.
>>179
ティアナはメ様のものですからww

181名無しさん:2008/08/27(水) 03:07:34 ID:oXDaSPwA
>>180
女王が所有物とか凄いですw
今度こそ野望を達成できるのかな。

182名無しさん:2008/08/27(水) 03:10:12 ID:Ze.rAhh.
>>181
どうだろうか……もういけるんじゃないかな?
けど、完全に手に入れるにはシルヴァとファルケ、それにエルウィンをどうにかしないとな。
あとアザハイト帝国とパレキシア王国も

183名無しさん:2008/08/27(水) 03:13:05 ID:oXDaSPwA
>>182
シリーズが進むたびに敵が増えてますね。
シンフォニックリリーとシュガーが敵対関係になってますね。
こういう状況って魅力的だw

184名無しさん:2008/08/27(水) 03:15:32 ID:Ze.rAhh.
>>183
しかし、こう歴代のヒロインたちが勢ぞろいしているのに、スイートナイツが一人もいないというのは何かの暗示なのだろうか?
リップもキッスもパッションもルージュもいないし

185名無しさん:2008/08/27(水) 03:18:40 ID:oXDaSPwA
>>184
全くいませんね。ティアナがいるんだから出ても良いのに。
デモムービーにエレニスはいたけど。

186名無しさん:2008/08/27(水) 03:19:42 ID:Ze.rAhh.
>>185
これは全員メ様に・・・とか期待が膨らむw

187名無しさん:2008/08/27(水) 03:25:32 ID:oXDaSPwA
>>186
サンプルボイス全部聴いてみてけど、
メ様、諸悪の根源とか言われてたw
セラフィの台詞は素敵でした。

メ様なら管理局も落とせるかな。

188名無しさん:2008/08/27(水) 03:28:23 ID:Ze.rAhh.
諸悪の根源かw
しかし、そうかも知れんな。
ファルケに力を与えたのはメ様だし、
シルヴァが帝国を脱走して野望に走り出したのもメ様の暗躍のせいだしなw
エンシェルレナだけは違うけど、まぁ、大差ないww

189名無しさん:2008/08/27(水) 03:34:41 ID:oXDaSPwA
ファルケとか落とした魔法戦士と一緒なのが良いな。
取り返そうと頑張ってる連中も健気だし。
快楽の絆が描かれると良いです。

190名無しさん:2008/08/27(水) 03:36:49 ID:Ze.rAhh.
それこそ魔法戦士の醍醐味だなww

191名無しさん:2008/08/27(水) 03:43:23 ID:oXDaSPwA
メ様ってエロゲーの主人公なのに格好良いな。

192名無しさん:2008/08/27(水) 03:44:50 ID:Ze.rAhh.
メ様はカリスマに溢れてますから!
もう最高すぎて涙が出てくる……

193名無しさん:2008/08/27(水) 03:47:13 ID:oXDaSPwA
最近の男キャラに足りてない要素だなw

全く関係ないけど、なのはやフェイトに兄様って言わせるべきだと、
Lost Passageを思い出して思った。

194名無しさん:2008/08/27(水) 03:48:02 ID:Ze.rAhh.
>>193
ロスパかよwwww

195名無しさん:2008/08/27(水) 03:51:29 ID:oXDaSPwA
なんかそれは舞い散る桜のようにの完全版が出るらしい。
かなり昔にこれの小説を読んだことがある。

196名無しさん:2008/08/27(水) 03:53:04 ID:Ze.rAhh.
バジルも今更なんで、って感じだな。
まぁ、それ散るはやったけどさw
趣味は調教、特技は蹂躙は忘れられないwww

197名無しさん:2008/08/27(水) 03:56:44 ID:oXDaSPwA
桜井舞人ですね。
次回作出したら出てきそうな子供のキャラもいたな。
けれど輝く夜空のようながどういう話になったかはわからないけど。

198名無しさん:2008/08/27(水) 03:58:54 ID:Ze.rAhh.
けれ夜はもう計画自体が頓挫してるっぽいしなぁ・・・
けど、バジル復活みたいだし、けれ夜出るかもしれんなw

199名無しさん:2008/08/27(水) 04:03:31 ID:oXDaSPwA
Present for youっていうのもあったな。
最近ではカルタグラの絵風が綺麗だったかな。

200名無しさん:2008/08/27(水) 04:07:53 ID:Ze.rAhh.
>>199
カルタグラは確かに背景がやばかった。

201名無しさん:2008/08/27(水) 04:10:26 ID:oXDaSPwA
>>200
個人的に恋獄が好きです。

202名無しさん:2008/08/27(水) 04:17:10 ID:Ze.rAhh.
なるほど
しかしあそこのブランドは色々と毛色が違う感じだよな。
背景上手いしw

203名無しさん:2008/08/27(水) 04:18:55 ID:oXDaSPwA
確かに他のブランドと雰囲気が違いますね。
OHPも綺麗だし。

204名無しさん:2008/08/27(水) 04:21:45 ID:Ze.rAhh.
さて……なんかなのはと絡めて面白いエロゲあるかな?

205名無しさん:2008/08/27(水) 04:24:42 ID:oXDaSPwA
真昼に踊る犯罪者とのクロスとかどうだろう。
ミッドって犯罪多そうだし、何でも屋の需要があると思う。

206名無しさん:2008/08/27(水) 04:28:32 ID:Ze.rAhh.
なるほど……しかし、俺やったこと無いんだ……スマン。
やったこと無いもので書けない……買ってくるにしても売ってるかわからんのや。

207名無しさん:2008/08/27(水) 04:31:44 ID:oXDaSPwA
あれ古いしな。

なのはって戦闘主体のアニメだから恋愛要素が絡む作品はクロスしづらいかも。
なのは自体恋愛要素がないし。
メ様みたいに陵辱するタイプの主人公が良いかと思う。

208名無しさん:2008/08/27(水) 04:35:52 ID:oXDaSPwA
なのはとかフェイトを子供時から自分好みに育てていく
というのもありかな?

209名無しさん:2008/08/27(水) 04:35:57 ID:Ze.rAhh.
やっぱ陵辱系か・・・なんかあるかな?
冥色の隷姫、とか。
イグナートがミッドを蹂躙する、見たいな。
スカ陣営とも敵対して、ナンバーズも対象。
もちろん六課も対象で
聖王教会陣営も敵対。
……なんかいけそうな気がしてきた。どうおもう?

210名無しさん:2008/08/27(水) 04:37:20 ID:Ze.rAhh.
>>208
立場的にフェイトがやりやすいかもしれんな、それだと

211名無しさん:2008/08/27(水) 04:39:54 ID:oXDaSPwA
>>209
いけそうですね。面白そうだし。

>>210
プレシアの命令でJS集めしてるところを捕まえられそう。
主人公が管理局員だとしたら自分の部下にしたりとか。

212名無しさん:2008/08/27(水) 04:45:36 ID:Ze.rAhh.
となると、洗脳か……
もしくは調教で、とかな展開か

213名無しさん:2008/08/27(水) 04:52:19 ID:oXDaSPwA
そんな感じでいけるんじゃないかな。

母に捨てられて傷心なフェイトなら洗脳しなくても、
ちょっと優しくすれば簡単に懐柔できるかも。
そうしたら純愛物にも持っていける?
フェイトとなのはの接触を無かったことにすれば、
フェイトの頼るものも無くなって、主人公になびき易いしだろうし。

214名無しさん:2008/08/27(水) 04:54:04 ID:Ze.rAhh.
良い感じだ……あとは何とのクロスにするか、だな

215名無しさん:2008/08/27(水) 05:02:08 ID:oXDaSPwA
魔王の娘たちっていう作品があるけど、
これは魔王が子育てをする話。自分好みの女に育てるもの。
マイフェアエンジェルと同じブランドだけど。
他にも育成系はわりとあるかな。

216名無しさん:2008/08/27(水) 05:03:04 ID:Ze.rAhh.
ああ、エゴか。
それはやったわww
勇者が病気で〜なヤツだったな

217名無しさん:2008/08/27(水) 05:09:48 ID:oXDaSPwA
ワンダリング・リペア!という作品の体験版をやったことがある。
ヒロインの姿が子供になったり、大人になったりしてた。
ヴィヴィオがヒロインでいけるかな。なのはの代わりに拾って。
思い出作りをする。

いろいろあるな。

218名無しさん:2008/08/27(水) 05:14:12 ID:Ze.rAhh.
エスクードか……

子育て・・・あんま無いんだよなぁ、やったことが。
陵辱専だったからw

219名無しさん:2008/08/27(水) 05:16:01 ID:oXDaSPwA
フェイトはピカチュウ育てる感じだなw

220名無しさん:2008/08/27(水) 05:18:56 ID:Ze.rAhh.
>>219
wwww
それはひでぇwww

221名無しさん:2008/08/27(水) 05:24:22 ID:oXDaSPwA
ほのぼのした感じのゲームって良いかも。

222名無しさん:2008/08/27(水) 05:26:08 ID:Ze.rAhh.
ほのぼのでエロスか・・・結構きつくない?

223名無しさん:2008/08/27(水) 05:30:19 ID:oXDaSPwA
ちょっときついかもしれないけど、
主人公とヒロインがエロスを深く考えない性格ならいけるかも。
ゲームだったらエロス分があっさりして少なくなるのかもしれないけど。

224名無しさん:2008/08/27(水) 05:31:49 ID:Ze.rAhh.
>>223
しかし・・・このスレ的にねちょが無いのはまずくないか?

225名無しさん:2008/08/27(水) 05:34:22 ID:oXDaSPwA
>>224
短編で全く無かったらまずいかもしれないけど、
長編ならエロが無い話を挟んでも良い気がする。
それも演出だし。

226名無しさん:2008/08/27(水) 05:36:59 ID:Ze.rAhh.
なるほど。
しかし、そうなるとどこで終わりにするかが問題だな。
ほのぼの系は延々と続けることも可能だし…・・・

227名無しさん:2008/08/27(水) 05:40:56 ID:oXDaSPwA
思いついたのは、
朝・昼のパートでお出かけとかしてほのぼの、
家に帰ってきて夜パートでエロとか。
ゲームみたいな感じで考えると少し楽かも。
好感度上げる会話のパートとエロパート。

228名無しさん:2008/08/27(水) 05:42:12 ID:Ze.rAhh.
にゃるほど
良いかもしれない。
が、どこで終わりにするお? にんっしんっ! したら?

229名無しさん:2008/08/27(水) 05:46:21 ID:oXDaSPwA
終わり方はゲームで違うな。
確か妻みぐいだと香苗さんに告白して終わりだったかな。
妊娠したから結婚で終わりというのもあり。
基本的に何か区切りになるイベントがあってENDらしい。
Brightiaは唐突に終わった気がするが。

230名無しさん:2008/08/27(水) 05:48:09 ID:Ze.rAhh.
ということは何かしらのイベントを用意する必要があるわけか。
しかし、このスレにほのぼのネタを求めてきている人間はいるのだろうかww

231名無しさん:2008/08/27(水) 05:49:12 ID:oXDaSPwA
求めて来てる人はいるかどうかわからないが、
あれば歓迎されるんじゃないだろうかw
需要はあるだろうし。

232名無しさん:2008/08/27(水) 05:52:12 ID:Ze.rAhh.
そうなのか・・・
あとはモチベーションとほのぼの適応があるかが問題だな、書く人に

233名無しさん:2008/08/27(水) 15:31:33 ID:iZMOgHGc
ワンダリング・リペア!を少し調べてみたが、
まきいづみって人は凄いらしいな。

234名無しさん:2008/08/28(木) 22:40:09 ID:AXjBUuQ6
戦力増強の為に魔導士に子作りを奨励する話とか。

235名無しさん:2008/08/28(木) 22:49:09 ID:RwjiQ32I
で、具体的に何とのクロスを考えてるんだ?
そういうゲムとか何があるけ?

236名無しさん:2008/08/28(木) 22:59:51 ID:4L7NpUXU
ウィザーズクライマーでどうだ
時間さえかければ管理局の人手不足も補えるw

237名無しさん:2008/08/28(木) 23:11:19 ID:T03VlyJc
あれは子作りじゃなくね?
魔力供給がねちょなだけで

238名無しさん:2008/08/30(土) 21:24:43 ID:olaJwMFI
魔道士自体も遺伝でも確実に受け継ぐわけじゃないんだよなプレシアの娘のアリシアが殆ど魔力ないし。
プロジェクトfのクローンでも魔力資質や利き腕みたいに結構差異があってかなり不確定要素があるんだよな。

239名無しさん:2008/08/30(土) 21:50:08 ID:EQSqAZ.I
数撃ちゃ当たるで、魔法適正のある子供を作ってくしかないのかな。
そのうち高ランク魔導士が現れやすい家系が名家になったりしそうだ。

240名無しさん:2008/08/31(日) 11:20:00 ID:lpQoCq5A
まぶらほみたいだな。
あれも魔法適正の高い主人公の身体を狙って色んな女がきてたなぁ。

241名無しさん:2008/08/31(日) 16:10:29 ID:aSTTRz7o
優性遺伝子と劣性遺伝子の配合結果じゃね?
意外と遺伝子によって魔力って左右されるのかも

242名無しさん:2008/09/02(火) 04:51:31 ID:07KC2Fj2
メ様ってクローン作ったんだよな。
実は頭脳が凄かったりするんだろうか。

243名無しさん:2008/09/03(水) 15:31:43 ID:LFS6/mYs
更新マダー?

244名無しさん:2008/09/07(日) 01:48:14 ID:rnQxFjmc
レムティアの体験版してるのかな。

245名無しさん:2008/09/07(日) 08:59:51 ID:KbHAFBYg
一気に大容量くるのと、ちまっと来るのどっちがいいのかね?
このスレ的に

246名無しさん:2008/09/07(日) 11:11:45 ID:hg3iQ1gg
サキュバスクエスト ―司書長の短い夢

247名無しさん:2008/09/07(日) 11:22:04 ID:/Jp5U/uY
妄想が 爆発 だ
浮気して しまいそうになる 僕を 許して

全く……リインスカがジャスティスだと思ってるが、ヴィータ×レジアスも良くね? とか思い始めてきた

248名無しさん:2008/09/07(日) 16:25:28 ID:2AAbCNlA
>>547
どんなストーリーになるのか想像できないぞw

249248:2008/09/07(日) 18:39:28 ID:WdCqaMTs
間違えてた。
>>247です。

250名無しさん:2008/09/08(月) 08:00:58 ID:NUzyyzu6
妄想が爆発すれば、物語は後からついてくる! それが我がスタンドの力なり!

まぁ、陵辱純愛系になるだろうとある程度の推論は立てられるのだがw

251名無しさん:2008/09/08(月) 21:01:52 ID:M2G.o/bE
はじめは無理矢理、その内仲良くなってくるってところかなw

レジアス以外のキャラ、ヴァイスとかでもいけるかな。
実はヴァイスはかなりの冷酷・鬼畜だったとか。

252名無しさん:2008/09/09(火) 08:48:40 ID:wyPdycFE
マリオネット、というエロゲを知っているかね……
あの賢者の石をレジ様に植えつけてみようかと……

253名無しさん:2008/09/10(水) 05:08:39 ID:cNiE8Xq6
車輪の国、向日葵の少女って知ってるだろうか?
良いBGMがあったな。

254名無しさん:2008/09/10(水) 05:24:49 ID:DxTXDYx.
有葉か
こんぷはした。

255名無しさん:2008/09/10(水) 16:54:54 ID:TGvSWPF2
管理局に特別高等人な制度を作るとか。
管理局のとんでもない制度なら大抵のことは許されそうだ。

256名無しさん:2008/09/12(金) 21:07:27 ID:BhDGhrcA
更新まだ〜?

257名無しさん:2008/09/14(日) 05:44:07 ID:3aE5I.Cg
レムティアナイツのOHPが更新してた。
サテライトリングはファンネルみたいなものかな。

258名無しさん:2008/09/14(日) 21:40:29 ID:xYYfz.UM
投下はまだか・・・いい加減全裸は辛いよ・・・

259名無しさん:2008/09/15(月) 09:08:19 ID:f2HO4X7Q
>>258
君を 救えない 私を 許して
あと少し、あと少しなんだ!

260名無しさん:2008/09/15(月) 10:48:45 ID:xcomVV/g
>>258
風邪ひくなよ・・・

261名無しさん:2008/09/15(月) 20:56:47 ID:WHABN3xw
よし、なんとか書きあがった…。
あと2時間か3時間ほどしたらTriangle StrikerSを投下します。

262名無しさん:2008/09/15(月) 21:06:30 ID:qQF5GNDw
待ってます。

263名無しさん:2008/09/15(月) 21:45:14 ID:LhDqfQz6
待ってました〜〜!!
体をストーブで暖めながら待ってたぜ!!

264Triangle StrikerSの人:2008/09/15(月) 22:20:35 ID:WHABN3xw
準備できたんで投下させてもらいます。

265Triangle StrikerS4話:2008/09/15(月) 22:25:11 ID:WHABN3xw
その頃。海鳴市の某所。機動六課は突然のメンバーの蒸発に
大騒ぎだったがそれをよそにここは平和そのものだった。

「あ、あの〜いつから翠屋はメイドカフェに?」
「え?どうして?」
黒いエプロンをした女性…「高町桃子」に戸惑いがちに声をかける金髪の女性は
「アリサ・バニングス」である。彼女の視線の先には

「ああ、あの新しく入ったハーフのバイトちゃん達ね。あの服物凄く似合ってたからつい…。
特注なのかなあ?外国人のオタクって凝るっていうけどすごいわよねえ。」
二人の視線の先には…。

「エスプレッソとウィンナーコーヒーです。ごゆっくり!」

胸元の黄色いリボンに白い髪飾り。青と黒を基調にしたコスチュームに薄紫色のインナー。
そしてミニスカートと肩と腰には金色のプロテクター。メイド服というよりも
アニメに出てくる変身ヒロインのコスチューム(まあ実際そのものズバリの変身ヒロイン
なのだが)のような服を身に着けた女性…「エレニス・レクシア」
そしてその姉「フェリセス・レクシア」が居た。
彼女達こそ桃子達は知らないがロア女神近衛騎士団の隊長&副隊長。
かつてメッツァーとも戦った豪傑なのである。
もっともそのうち半分くらいの間は今は亡き奸族エルウィン・ヨアキム・トランシルヴェール
に洗脳されて玩具にされていたのだが。

「…ハーフの人なんですか。……アメリカ人っぽくはないしヨーロッパ系かな?」

アリサはストローを加えて場違いなメイドを眺めた。

「うーん。見れば見るほど…いいなあ。二人とも実にいい…。」

その横で翠屋のマスター…高町士郎がエレニスのニーソックスとフェリセスの胸元をジト見して呟く。

「あなた〜。今なんて言ったのかしら?」

すかさず笑顔の裏にアリサが目を見張るような殺気を称えて士郎の耳たぶを掴んで引っ張る桃子。

「うっ…いや…あの…。」

途端にしどろもどろになる士郎。
しかしエレニスとフェリセス本人にはそんなやり取りなど耳に入ってもいなかった。

266Triangle StrikerS4話:2008/09/15(月) 22:31:24 ID:WHABN3xw
「待っていて下さい。今はウェイターの身ですが何れあの憎きメッツアーにも対抗する力を手に入れ、必ずや戻ります。
我が君ティアナ様…。」
彼女達の頭の中にあるのは現在とある場所に身を隠している
ティアナ姫への忠誠。ただそれのみなのである。

「しかしこのコスチュームがこの世界では人気のスタイルになるとは思ってもみなかったですね。
むこれで全く目立たずに行動出来る訳ですよ姉様。」
「しーっ…。誰が聞いてるかわからないからここではそういう話は控えましょう。」

微笑むエレニスとやさしくたしなめるフェリセス。
それは彼女達はたまたま目にした「そのスジ」の雑誌に載っていただけで
実のところ甚だ間違った認識であるのだが。

「おーいメイドさーん。ニューヨークチーズケーキとアメリカンコーヒーね〜。」
「はーい♪かしこまりましたぁ♪」

間延びした声に二人揃って満面の笑顔で応える。

「いいのかなあ。変身したままバイトなんて…」

そんな光景を見やりつつ翠屋がアルバイト店員に支給する
ごく普通のデザインのエプロンと制服を着たツインテールの女性「宮守真由希」が怪訝そうな目で
二人を見つめる。彼女こそスイートナイツ三番目の戦士…スイートパッションである。
そして、

「まあ、人気はあるみたいですしかえってカモフラージュになる、かも…。」

隣の調理室から首だけ出して二人を見つめていた
ウェイターではなく白いコックの服に身を包んで小声で言うボブカットの女性。
彼女こそ「柚木香那葉」。二番目の魔法戦士「スイートキッス」である。
メッツァーとの戦いで彼女達の親愛なる先輩にして最強の魔法戦士こと
スイートリップが行方不明になってしまったが
フェリセス・エレニスの姉妹とキッス、パッションは無事だったのだ。
メッツァーへの復讐を誓う彼女達だったが
魔法戦士といってもこの世界で日々の糧を得るためにはやはり働かなくてはならない。
という訳で彼女四人達が選んだのが偶然喫茶翠屋だったのだ…。
香那葉はパティシエ志望でもあるし間違った選択ではない。エレニス達がこのような行動に出るとは
彼女達も予想していなかったが…。

267Triangle StrikerS4話:2008/09/15(月) 22:34:03 ID:WHABN3xw
その頃、翠屋の隣家では。

「お前の家というのはここか。少し小さいがすぐ隣に喫茶店とは洒落てるじゃないか。」

シルヴァがいかにもごくごく普通な一軒家といった風情の亜梨子の家を見上げて言った。

「そうでしょ?…でもこのまま住むには問題があってさ〜。」

苦笑いする亜梨子。扉を開けるとそこには。
ゴミと家具が散乱していて足の踏み場も無かった。

「ひとつ聞かせてくれ。こんなに散らかってる部屋にどうやって住めと?」

呆れ顔で亜梨子を問い詰めるシルヴァ。

「そこはほら。変容魔法変容魔法。ビルの瓦礫をお城にしちゃうくらいなんだから簡単でしょ?」
「お前はアホか!ホイホイそれが使えるのなら俺がこんなマヌケな姿を晒している訳が無いだろうが。」

対してあっけらかんと言ってのける亜梨子に怒る気力も失くしたようにシルヴァが呻いた。

「あー…。そだっけ。」
「そだっけじゃないだろうが!どうする気だ!足の踏み場も無いぞ。」
「はぁ…エリクシル…リインカーネイション。掃除用具入れは何処です?ゴミは何処に出せばいいんですか?」

炎とともに紅いコスチュームを身に着けるとゴミをかきわけて掃除用具入れを探すエリクシルローズ。
変身した事でパワーも上がっているのでヒョイヒョイと巨大なゴミを脇へ退けて行く。

「掃除と言えば服を洗濯したいんだがな。おい樹。洗面所をさっさと片付けろ。」
「ぶん殴られたくなかったらさっさと手伝って下さい。」

汚れが目立つローブを顔をしかめて睨むとローズの背中ごしに怒鳴った。
その程度の軽口は既に聞きなれているといった調子で背中を向けたまま言い返すローズ。

「チッ…。」

舌打ちして上着のポケットをまさぐると紅と桃色の水晶のようなものが紅いものは一つ。桃色のものは
いくつか転がり出た。

「シルヴァ。何それ」

268Triangle StrikerS4話:2008/09/15(月) 22:37:44 ID:WHABN3xw
「む…ここにあったのか…。これはだな。俺がエリクシルブレスと一緒に
パレキシアから持ち出した特殊な変容魔法の鉱石だ。この紅いのが
人間の遺伝子のある部分に働きかけて吸血鬼に変容させてしまうもので、その名も
吸血鬼の涙と言うんだがな。もっともこの石に反応するのは生まれつき素質を備えている者だけ。
普通の人間を吸血鬼に仕立てあげる事は出来ないのだ。お前のような魔法戦士に劣るといっても
吸血鬼というのはかなりの戦闘能力を秘めているからな。おまけにどんどん人間を襲って
仲間を増やせるんだ。都合よくエリクシルブレスに適応した人間が見つかるとは思ってなかったから
俺は本来こっちでこの世界を侵略しようとしたんだ。」
「それでこっちのは?」
「それは淫魔の装飾具(アクセサリー)といってだな。こっちの方は人間を淫魔へと変容させるんだ。
淫魔というのは…解るだろ?人間の精気を吸い取る魔物の事だ…。
あのメッツァーハインケルも確か…サキュバスとか
いう名のかなり高位の淫魔を配下に加えているらしい。」
「ふーん…。」

興味深げに手にした二つの結晶を見比べる亜梨子。

その時!
ぽかち〜ん。

「いっ!」
「てぇっ!」

鈍い音とともに亜梨子とシルヴァの脳内に火花が散った。

「「さぼってないでさっさと手伝って下さい!」」

箒とチリトリを構えたフィアナとローズの怒鳴り声が当たりに響き渡る。
その頃。

「は〜い喫茶翠屋ですが。」

メガネをかけた女性が突然けたたましく鳴り始めた電話をとった。
彼女こそ当初喫茶翠屋の跡継ぎの最右翼と見られていた高町なのはが人事不詳となった今
翠屋の半分は彼女によって支えられているといっても過言ではない…
高町美由希である。

≪ああ…美由希か?俺だ。≫

そして電話の相手は散々恋人の忍とののろけを見せ付けた挙句ドイツに旅立った
(建前は仕事だが実態は結婚する前だというのに
新婚旅行並みだ。)男。高町恭也である。

269Triangle StrikerS4話:2008/09/15(月) 22:40:38 ID:WHABN3xw
「恭ちゃん?…どうかしたの?」
≪実は仕事先で忍と些細な事で喧嘩して逃げられてしまったんだ。
これ見よがしに成田行きの航空切符の半券がアパートの机の上に置いてあったからそっちに戻ってないかなと…。≫

柄にもなく焦った様子で言う恭也。しかし次の瞬間…。
ガチャッ!

「美由希。今の電話は?」
「間違い電話だってさ。」

桃子の問いかけを背中でいなすと美由希はその場から立ち去った。
…彼女がこんな行動に出たのには訳がある。
実は彼女自身恭也に対して恋愛感情を抱いていたのだ。
今となっては桃子はもちろん恭也だって知らない事ではあったのだが。
その頃。
「ゴミ捨て場はあそこでいいんですの?重い…。」
「うん…。あー。もっとマメに掃除しとくんだった…。」

樹が両手にゴミ袋を引きずりながらゴミ捨て場へ向かっていく。
エリクシルローズに変身していれば指一本で運べるが外に出なければならないのでそうもいかない。

「ふーっ!」

どさりとゴミ袋を下ろして肩をぶんぶんと回す樹。
とその時!

「ああっ…。」

呻き声とともに人が倒れるような音何事かと振り向いてみれば

「これはいけません!あなた、大丈夫ですか?」

そこには紫色の髪の女性が倒れていた。
それこそまさに…。
「月村忍」その人であった。

「こんな奴を連れ込んでどうするつもりだ。」

うざったそうに青い顔で寝込む忍になげやりな視線をやりつつシルヴァが言う。

「何よその言い方は!そのままになんかしておけないでしょ!」
「そうですわ。全くなんて非人間的な!」

亜梨子と樹が同時に口を尖らせた。フィエナは無言で忍の脈をとったり体温をはかったりして言った。

「貧血でしょうね。しばらく寝ていれば問題は無いでしょう。」

270Triangle StrikerS4話:2008/09/15(月) 22:41:59 ID:WHABN3xw
「む…?」

不意にシルヴァが声を挙げた。
彼が脇に置いておいた上着のポケットが紅く光り出したのだ。
あの中に入れていたのは吸血鬼の涙のはずだがそれが反応すると言う事は…。

「こいつの体には吸血鬼の因子があるという事か…。おっ…。」

吸血鬼の涙がポケットから飛び出すと引き寄せられるような忍の左胸…心臓へと吸い込まれていく。
月村忍は基本的にはごく普通の機械が好きなだけの女性である。
しかし彼女の一族には秘密があった。それはかつて彼女の一族が
夜の一族という吸血種族から分派した一族だという点である。
もっとも彼女自身不死身だとか超人的な身体能力を持っているとかそういう事は無かった。
時代が中世から現代へ移る過程で彼女の何代か前の時点で吸血鬼の血は薄まりきった状態になってしまっていたのだ。
しかしそれでもこの“吸血鬼の涙”の眼鏡に適うには充分だったようだ。

「う…ううううっ…ひ…あううっ…うっ…。」

紅い光が忍の体を包み込む。

「ちょっと!この人どうなっちゃうのよ!まさか死んじゃうなんて事は…。」
「驚いてないでなんとかして下さい!」

シルヴァを急かす亜梨子と樹だったが…。

「そう言われてもどうなるか俺にも判らん。何しろまだ試した事が無いからな。
理屈の上では上手くいくし上手くいけばこの女は吸血鬼になるが死にはしないはずだ。」
「そんな無責任な…。」
「少なくとも死にはしなかったようですが…。」

呻く樹をよそに忍を包み込んだ紅い光が収束していくのを見てフィエナが言った。

「むう…本当に吸血鬼になったのか?それにしては変化がな…んっ!?」

忍の体が赤黒い靄に覆われた。
同時に部屋が昼間だというのに重苦しい雰囲気に包まれた。
電気が消え昼間だったはずの周囲も闇に包まれたかのように静まり返る。
具体的に言うとカーテンが閉められているとはいえそこから光が漏れてきてしかるべきなのに
部屋が闇夜のように真っ暗なのだ。

271Triangle StrikerS4話:2008/09/15(月) 22:43:32 ID:WHABN3xw
「にっ…日曜朝8時の特撮の見すぎだよお!」

亜梨子が辺りを見回して突っ込みを入れた。

「これは…不味いぞ…。どうやらあいつが作り出したテリトリーに連れ込まれたらしい。
俺の変容魔法もお前らの変容魔法もここじゃ使えん…。無論変身も出来ない。」

シルヴァが呻いた。

「ッ…!!」

樹が息を飲み体をすくませた。視線の先で忍が瞳を真紅に輝かせて
暗闇の中でゆっくりと起き上がる。
表が紺で裏地が真紅のマントにスーツに元から着込んでいた
シンプルなジャケットとタイトスカートが彼女の魔力を受けて変化したらしい
扇情的な胸元の開いたスーツと白いブラウス。
スリットの入ったタイトスカートと罪なまでに艶かしい雪のように
白い足を覆い隠す黒いストッキング。

「…ここは何処?…あなた達は誰…?私に一体何をしたの…?」

視界にかかった髪を払いながら不機嫌そうに辺りを見回して呟く。

「俺様はイリュージョナリー・アルケミスト(変容魔法の使い手だと言いたいらしい。
それなら解りやすく最初からそう言えばいいものを。)シルヴァ・ラドクリフ。まずお前の名前は?」
「…月村忍。中二病丸出しの名乗りはいいから質問に答えてくれない?」

「ちゅ…っ!?うう…(この状態でやり合っても勝てる相手ではない。ここは抑えねば。)」

一瞬顔を真っ赤にしつつもなんとか堪えて平静を保つ。
そして数分後。

「というわけでお前は吸血鬼になってしまったのだ。決して作為的なものではない。
事故だ。わかったらこの空間を解除して俺たちを外へ出してくれ。」

その後も繰り返された忍の傍若無人な発言にもなんとかキレずに説明を終えた。
しかし依然として忍は頬杖をついて不機嫌そうな顔をしている。

「…わかった。」

ぱちんと忍が指を弾く。すると部屋を覆っていた怪しい気配は消え去った。
彼女が支配していた空間が消滅し、元の部屋に戻ったのだ。

「よし…。」
それを確認するとほくそえむシルヴァ。

272Triangle StrikerS4話:2008/09/15(月) 22:45:17 ID:WHABN3xw
樹が紅茶を振舞ってなにやら世間話をし始めた隙にフィエナを抱き寄せて耳打ちした。

「あいつが油断している今がチャンスだ。再びあの空間を展開されないうちに
ノシてこの服従の指輪を嵌めてやる。そうしてしまえばこっちのものだ。
吸血鬼の涙は貴重なアイテム。それをドブに捨てるような真似が出来るものか。
あいつには俺の手下になってもらう。お前や昔の亜梨子のようにな…。」
「いつもの事ながらあまり賢い作戦とは言えませんね。」

フィエナは乗り気しなさげな顔で片眉を吊り上げて言った。

「そうだったのですか…。お気持ちはお察ししますわ…。」
「そうだよ。それじゃ忍さんが怒るの当たり前だよ!」
「有難う…。ふふっ…何の関係も無いあなた達に愚痴を聞いてもらうなんて、これじゃどっちが年上かわからないね。」

妹か後輩のように忍の話に耳を傾ける樹にまんざらでもなさそうな忍。
その時!

「本意ではありませんが…お覚悟を!」

愛用の魔力で形成された大鎌を構えてフィエナが襲い掛かる。
ところが彼女はあろうことかフィエナ自身威嚇にとどめるはずだった
斬撃の軸線上に自分から飛び込んだのだ。

「なっ…!?」

鎌はふかぶかと忍の胸元を抉った。
飛び散る鮮血。一瞬硬直する体。

「しまっ…。」

しかし…。
忍は平然としていた。まるで自分の事では無いように胸元の傷と自分の血に塗れたフィエナの鎌を見つめる。

「き…傷が…。」

亜梨子が呆然とした震えた声で呟く。
まるでビデオのスローモーションのように真一文字についた切り傷が塞がって行く。
滴る血もまたビデオの早戻しのように傷口へ戻っていく。

「いきなり何のつもりなのかしら?あのシルヴァとかいう中ニ病の男の差し金なのかな…?」

破れたコスチュームまでもが
再生してしまうのを確認するとフィエナに冷たい視線を向ける忍。

「何という殺気…。ぐうっ…。」

気圧されるフィエナを片手で払いのける。

273Triangle StrikerS4話:2008/09/15(月) 22:47:39 ID:WHABN3xw
「再生能力っ…。吸血鬼としてはまだ未熟だと思っていたがこれほどとはな…。」

歯噛みするシルヴァ。その手に眩い光が…魔力の光が灯った。

「はあっ!」

魔法弾が忍を襲う。
忍は慌てもせずにマントを翻して体を覆った。
すると魔法弾はあっさりと跳ね返されてしまったではないか。

「何っ…。ええい…。今の状態ではこれ以上の魔法は。」

フィエナが簡単にあしらわれたのは失策だった。
現在の彼はもはや抵抗出来る状態ではない。
数十分後

「とにかく私はここにこうしてるつもりはないの。絶対恭也にごめんなさいって言わせてやるんだから!
それで、私は吸血鬼になったのよね?そうするとどんな力が付いたわけ?」
「普通の人間なら視線を合わせるだけで操れる。身体能力の高さと再生能力の強さについては今見たとおりだ。
俺ですら今の状態ではお前には適わないのだ。貴様は運がいい。俺がもし潜在能力の
せめて四割でも引き出せていれば…ぐ…えええええ!。」
「自慢をしろとは言ってないわ。」

散々な目に遭わされてすっかりグロッキー状態のシルヴァの首根っこを掴んでいる手に力を込める忍。

「ううっ…。あとは寿命という概念が殆んど無くなる事とその辺の人間をお前と同じ
吸血鬼に変える事が出来る。これくらいだ。わかったら離せ!」
「糞っ…なんてザマだ。これでは道化じゃないか」

尻餅をついて呻くシルヴァ。全ての種を捲いたのが他ならぬ自分である手前怒るに怒れない。

「なるほど…仲間を増やす、ね…。ふ〜ん。どうやって?」
「お前が今思い浮かべてる方法で結構だ。」

げほげほと咳き込みながら言うシルヴァ。

「ふーん…。仲間を増やせる、か…。こっちのも私を吸血鬼にしちゃったのと同じような効果があるのよね?」

桃色の宝石…「淫魔の装飾具」を手に取ってもて遊ぶ忍。

「吸血鬼とは違うけどな。それは吸血鬼の涙とは次元が違うぞ。
大規模な空間変容によって一定の範囲内に居る若い女を強制的に淫魔として覚醒させる俺の自信作だ。
ひとたび発動すれば大規模な空間変容を自動で行って半径数十メートルの空間を覆いその中に居る
任意の目標を淫魔と化していく代物だ。」
「よーし、決めたっ!」

しばらく思案するとはたと膝を叩いて立ち上がる忍。

「お、おい何処へ行く?それをどうする気だ?」

おもむろに家を出て行く忍を追いかけるシルヴァ。
数分後、隣家の喫茶翠屋に嬌声が木霊した。

274Triangle StrikerS4話:2008/09/15(月) 22:49:05 ID:WHABN3xw
同じ頃。

「背中が冷たいな。寝汗をかいてしまったか。ああ、寝癖も酷いな。」

手鏡を覗き込みながら悪夢から目覚めて自我を取り戻しつつあったメッツァーが呻いた。
その時。

「何バカみたいに騒いでんのよ。おかげでこっちまで起こされちゃったじゃない。」

サキュバスとダークリップが目を擦りながら部屋に入ってきた。

「む…お前、いつもは卑猥さを強調しすぎて下品なこと著しいがすっぴんだと
意外に可愛い顔なんだな。」

長く青い髪にはひどい寝癖が付いていて目もパッチリしていないサキュバスをしげしげと眺めて言うメッツァー。

「ご主人様。そのまま…動いちゃダメですよ〜。はい、目ぇ瞑って…。」
すかさずダークリップがどこからかウエットティッシュやら櫛を持ち出してかいがいしく
サキュバスの身嗜みを整えていく。

「なあ、ダークリップ。」
「なんでしょうか?」
「俺のところに戻ってくるか?そいつの身支度させるためにお前を譲ったんじゃないんだぞ。」
「いまさら返せと言われたって返すもんですか。」

すまなそうに言うメッツァーの言葉に頬を膨らませてダークリップを抱き寄せるサキュバス。

「ああ…いえ、でも結構楽しんでますから。」
「そうよね〜っ!んーー…っちゅっちゅっ…。」

頬にキスの雨をくれるサキュバスに苦笑しながら頬を赤らめるダークリップ。

「メッツァー様。なにかお加減でも…。」
「おお、もう起きる時間だったな。心配かけさせてすまん。
汗をかいたから着替えをもってきてくれないか?」

現れたココノに微笑んで言うメッツァー。

「着替えですか。承知しましたメッツァー様。…あれは…?」

部屋の隅のハンガーにかけられた服にココノの目が止まった。
赤と白と黒の三色に彩られたそれはココノが今着ている物に趣が似ているが細部が違う。

「ああ、あれは昔お前が着ていた服だよ。あれはプリンセスティアと戦っていた頃の…!」

言ってから自分の発言の不味さに気付いたように顔色を変えるメッツァー。

275Triangle StrikerS4話:2008/09/15(月) 22:51:11 ID:WHABN3xw
「プリンセスティアと戦っていた、ころ…。わたしはその時何を…ダメ、思い出せない。わ、私は…。」

しかし既に遅い。ココノの目がたちまち虚ろになり、焦点が定まらなくなり、
うわごとのように何かをぶつぶつと呟きはじめた。

「メッツァー様…わ、わたしは…。」
「ココノッ!」

ココノの肩をつかんで叫ぶ。

「…いい。昔の事なんか思い出せなければ思い出せなくていいんだ、ココノ…。」

寝ていた時に掻いていた汗はもう少し乾いていたがさらに別の嫌な汗がどっと吹き出してメッツァーの頬を伝っていった。

「………メッ…ツァー…様。……。ハッ!?あっ…すみませんメッツァー様!なんだかぼうっとしてしまって…。
お着替え持ってきます。」
「…メッツァー。あんたさあ…ココノちゃんにまだ“あの事”話してないの?」
「…そう簡単に打ち明けられる事だと思うのか?」

サキュバスを睨むメッツァー。

「…黙っていていいような事だとも思わないけど?」

そしてじっと彼を見据えて言い返すサキュバス。

「そんな事はお前なんかに言われなくても解っている!クッ…人の苦悩を悪戯に刺激して何が面白い。」
「あんたが言えた義理かしら?」

いつもの人をバカにしたような口調ではなく冷たく突き刺すような口調と瞳でぴしゃりと言うサキュバス。
その瞳に含まれる自分への蔑意を感じ取ったメッツァーはにべもなく視線を落した。

「…ま、あんたの軍団なんだし好きにしなさいな。行くわよダークリップちゃん。」
「は、はい…。」

しばらく彼を睨みつけると身を翻して部屋を出て行くサキュバス。ダークリップが一瞬心配そうな顔でメッツァーの顔を
伺うと付き従って部屋を出て行く。入れ替わって着替えを持ってココノが部屋に戻ってきた。

「メッツァー様。お着替えをお持ちしました。…どうしたんですかメッツァー様?」
「なんでもない…なんでもないんだ。ココノ…。」

ココノの心配そうな瞳を前にしては今の彼にはそう言うしかなかったのだった…。
同刻。



ミッドチルダ山岳地帯に建設されたスカリエッティのアジト。
そのアジトのセラフィとファルケが間借りしているスペースでは。

276Triangle StrikerS4話:2008/09/15(月) 22:54:14 ID:WHABN3xw
「セラフィ活動日誌1192。鹵獲した守護騎士プログラム・烈火の将ことシグナム及び戦闘機人タイプゼロ・セカンドの
調教はきわめて順調なり。このままいけば遠からず屈服する見通し。」
ココノにそっくりな顔でそっくりなコスチュームに身を包んだセラフィが
端末に向かって日誌を付けていた。

「………。」

一通り纏め終わったらしい。
端末を操作し画面を閉じようとする。
しかしその時彼女の手がとまった。何かまだやる事があったらしい。
画面をスクロールさせ、1番上の事細かに記載された
「私の出生についての考察」という項目を開く。
そこには彼女にしかわからないであろう様々な図式やら解説がたくさん載っていた。

「私という成功体を生み出すまでにメッツァーとココノ・アクアが払った労力について。…恐らく私を生み出すためには
少なからず時間がかかったのだと思われる。」

そんな一文とともに長ったらしい考察が何スクロール分か続き…

「失敗作として放棄されたクローン体もあったのだと推測される」

という一文に続いていった。
とその一文を改めて見た時彼女はふと疑問を覚えた。
キーボードになにやら目まぐるしく入力しはじめ、疑問をそのまま
形にした文を書き足していく。

「それら失敗作は本当に廃棄されたのだろうか。下手な方法で廃棄すれば敵方にデータが漏れてしまう。
あるいは廃棄されずになんらかの形で再利用されたのでは?例えばココノと同じ遺伝子を使っているという事は
ココノ自身がダメージを負えば失敗作のパーツを組み込んで修理出来る。加えて…」

書き加えようとして手が止まった。ずっと昔にとらえた情報がふと頭の中をよぎったのだ。
ココノ・アクアが全く公の場に姿を現さなかった時期が在った。
たしかプリンセスティアとの戦いの少し後だった筈だ…。その時は気にも留めなかったが…。
彼女はそれと今回の考察を結びつけてある結論に行き着いた。
それは…

「今のココノ・アクアは何らかの原因で死亡してしまっており、今の彼女はオリジナルではないのではないか?
なるべく手を加えずそっくりに複製したクローンをココノに仕立て上げたのではないか?
姿を現していなかった時期にクローンの製造が行われていたのではないか?

277Triangle StrikerS4話:2008/09/15(月) 22:55:25 ID:WHABN3xw
そう考えると全てのつじつまが…。」

しかし、そこで彼女は思考を打ち切った。
今まで猛スピードで書き足した一文を素早く削除するとひとりごちる。

「…有り得ない事ですね。」

メッツァーはココノと肉体関係を持ちかつ恋愛関係にもあるとの事。
ならばこの推測は的外れ…。

「おや、セラフィ。日誌でも付けてたのかい?」
聞き慣れた声が響いた。
「ご苦労様です。ファルケ様…。」

一礼しつつ笑みをかえすセラフィ。
クローンなんて所詮は作り物…オリジナルと同じ感情を注げる者など居るはずも無い。
だから…。

「…どうかしたのかいセラフィ?何か物悲しげな顔をしているが。何か粗相でもあったかな?」

彼が自分に注いでいるのも優秀な部下に対しての信頼であって恋愛ではないのだろう。
そう考えるとセラフィは少し悲しかった。

同じ頃。

「ココノ…。」

程なくして彼女が持ってきた着替えを抱えたまま何言うでもなくメッツァーは彼女が去っていった扉を
複雑な顔で見つめていた。

278Triangle StrikerSの人:2008/09/15(月) 23:01:08 ID:WHABN3xw
ここまでで…。
プリンセスティアであの壮絶な殉職エンドを迎えたと思いきやスイートナイツ2で
何事もなかったように再登場したみせて以来ココノに関して
まことしやかに囁かれていたあの説を敢えて採用してみました。

あと夜の一族設定に関してはちょっと手を入れました。
吸血鬼として能力は忍自身にはもともと備わっておらず
後天的に身に付くということで。
さらにノエルとファリンも吸血鬼にしたいんで自動人形関連の設定も無しにしてます。
エレニスが最初に登場した時のミニスカメイド服で登場してくれるのが今から待ち遠しいっす…。
ニーソいいよ胸元いいよ青と黒のミニスカートいいよーーー!

279名無しさん:2008/09/16(火) 16:03:06 ID:YWle3hMA
GJでした!
翠屋の近く、凄いことになってるな。

280名無しさん:2008/09/18(木) 00:53:08 ID:an0ot6Ew
シリーズ通して、一番人気なのはメ様かも。

281名無しさん:2008/09/18(木) 10:47:02 ID:GvcLysQ.
>>280
あのシリーズであれだけ主人公を張ってるのメ様だけだしなw
他の連中は一発限りだし

282名無しさん:2008/09/18(木) 20:51:25 ID:2tjRRkxM
メ様が主人公なのはココノの存在が大きい
ココノなくしてここまでの人気は出なかったと思うw

283名無しさん:2008/09/18(木) 21:14:03 ID:89JHyBuE
ココノって凄いなw
副官キャラって良いね。

284名無しさん:2008/09/18(木) 22:11:00 ID:89JHyBuE
そういえば聖王はクイーン・グロリアみたいな感じだったのかな。
ヴィヴィオが聖王になったらクイーン・ヴィヴィオか?

285名無しさん:2008/09/23(火) 01:57:00 ID:LHCBp6QQ
エロゲは良い歌多いな。

286名無しさん:2008/09/24(水) 02:38:55 ID:bmisGiFg
>>285
俺のお勧めは蒼海の皇女たちの主題歌かな。
あれはいい歌だ、流れに乗ってスイスイと進むぜ、色んなものが

287名無しさん:2008/09/24(水) 22:51:37 ID:TUE1b6XU
>>286
マイフェアエンジェルのEDとか、11eyesとか、
R.U.R.U.RのEDとか、インガノックのOPも好きだけど。
エロゲのED曲は感動するのが多いな、泣けてくるというか。

288名無しさん:2008/09/24(水) 23:30:00 ID:tUFjZTt6
天使の二挺拳銃の冷めない熱は最高
なんていい曲なんだ!

289名無しさん:2008/09/26(金) 15:50:46 ID:X7m3tKbc
今日はレムティアの発売日か

290名無しさん:2008/09/26(金) 17:59:07 ID:DHB.pjeE
そうだった! 忘れてたよ…明日買いに行こう。

291名無しさん:2008/09/28(日) 02:21:35 ID:eyfhR9hw
だれかいるかにゃ?

292名無しさん:2008/09/28(日) 14:22:24 ID:S7AcvBCk
いるぜぃww
にしても投下はまだかのぅ・・・

293名無しさん:2008/09/28(日) 20:21:21 ID:Bl60qzXk
レムティアが発売したからいそがしいんじゃないかにゃ〜

294名無しさん:2008/09/29(月) 18:21:02 ID:hDT0nImk
さすがカミやんだにゃー。
土御門元春氏が多いようで。

さて、レムティアが発売してうはうはな方々が居られるであろう今日この頃。
それを記念して、というわけでもないが、とりあえず完成したので投下してみんとす。
日付が変わるくらいから行ってみるのですが……誰もいないよねぇw

295名無しさん:2008/09/29(月) 18:47:35 ID:hWNVGon2
実はいる。
投下待ってますw

296Lyrical knights:2008/09/30(火) 00:29:26 ID:dimF8Fwo
さて、誰かいるのかにゃー
日付変わったので投下してみんとす。
40分くらいから。

一応完結かな、これで。しかし、本編にある程度そってやったので急展開かも?
エロスも少ないのが悩みの種。

297名無しさん:2008/09/30(火) 00:42:14 ID:Xc3AKydM
待ってましたー!

298名無しさん:2008/09/30(火) 00:42:49 ID:kgsPvYwo
待ってましたーーー

299Lyrical knights:2008/09/30(火) 00:43:04 ID:dimF8Fwo
始めるんだぜぃ。

Lyrical knights 
 -スカリエッティの叛乱-

 六課襲撃の数日後、ミッドチルダ地上本部はかつて無い大騒動に見舞われていた。
関係各所の復旧と原因追求。犯人グループの捜査、逮捕。
唯でさえ人の足りない地上にとって、この件は大きい。
しかし、そのような状況であっても、先の戦闘で地上部隊の死傷者が少数であったことは僥倖といえる。
最も、その代わりに本局の魔導師が多数死傷したのだが。
「私は、何かを犠牲にしなければ得られない人間だ」
今回のテロ、スカリエッティ襲撃を事前に知っていたレジアス。
陸士部隊を多数配備したところで、それは彼等を無駄死にさせるだけだった。
今回の襲撃で、スカリエッティは地上の敵ではなかったのだから。
陸士たちは市街地警備等の、危険度の低い場所に配置し、海から派遣されてきた魔導師を本部警備にあてる。
自尊心の高い海の連中は特にその配備を疑問視することも無く、受け入れていた。
その姿を見てレジアスは冷え切った哂いしか浮かばなかった。
自分の功績のみを追い求める俗物たちの行為、本当に平和を願うなら局員よりも市民を護れ。
「自分を責めるのは無意味じゃないか? そうしたところで何かが変わるわけでもない。
重要なのはこれからどうするか、だ。
そうだろ? 中将」
テーブルを挟み、レジアスの対面に座るのはゲンヤ・ナカジマ。
地上のトップとの密会。
それは、事件の中心たる機動六課の面々にすら機密。
彼女等を利用する黒い大人たちの思惑がうごめく場だった。
「目下、スカリエッティと俺たちの敵は共通している。
少なくとも、直接的な敵ではない」
そのために他方に手を伸ばし、あらゆる勢力との協定を結んでいるのだ。
全てはこの日のために。
「損な役回りだよな、俺たちは。事が終えても、感謝されず、ただ批難されるのみ。
なのに一番辛いところを担っている。本当に、損な役回りだ」
背もたれに身体を沈ませ、天井を見ながら呟く。
全く、冗談じゃない。
知り合いを、しかも自分の娘の仲間を売れ。
一歩間違えば命すら危うい橋を渡れ。
とてもじゃないが、まともじゃないと、建前を並べてしまう自分に嘲笑してしまう。
如何考えても、自分が奴らを見逃すなどありえない。
あのときからずっと、それだけを思って管理局にいたのだから。
「だが、やらなくてはならない。
奴らは地上、時空、世界にとっての敵だ」
彼等、管理局最高評議会を壊滅させることが男たちの悲願。
管理局を影から支配していたかつての英雄たちを、誅する。ヤツラはすでに害悪に成り下がった。
「判ってるさ。だが、奴らを壊滅させた後はどうなるか判らねぇ。
ヤツは、妻を殺した実行犯で、娘を誑かした誘拐犯だからな。
ついうっかりぶっ殺してしまうかも知れねぇ」
刀の如く鋭利な瞳をレジアスに向ける。
その色は、黒く深い憎悪と怨に満ちている。
そして、自己に対する哀れみも。
「構わんよ。私も、あの男は友の仇だからな」
そういって、互いに冷笑する。
誰も彼も、何かを狂想している。
目的の為に、犠牲は厭わない。
そんな、黒い大人たちの会合は幕を閉じた。
ここから、時代は加速していく。
時代のひとつの節目。
管理局という組織の転換点となる重要な会合だったと後に語られる。

300Lyrical knights:2008/09/30(火) 00:43:53 ID:dimF8Fwo
 機動六課跡の調査を指揮するフェイト。
(なのは、大丈夫かな。今日もまた魘されてたみたいだけど……)
あの日から、なのはは何かに魘されていた。
皆の協力で、日常生活を送れる位の回復はしていたと思っていたのに、スカリエッティ襲撃後、それが再発した。
再発しただけでなく、状態が悪化していた。
テーブルの上にコーヒーとカフェインタブレット、医療用酸素を並べて眠るのを極端に恐れる。
彼女を変えてしまったのは一人の男。
彼女の口から語られた真実は、想像を超えていた。
腕に填めている腕輪、数年前のあの事件の真相。
思い出しても怒りがこみ上げてくる。
スカリエッティは、自分の回りのあらゆる人を不幸にしていった。
瓦礫と化した壁を殴りつける。
(スカリエッティ……絶対に許さない)
これ以上、野放しにしておくわけにはいかない。
なのはだけじゃない。はやても家族のリインフォースⅡを奪われた。
それだけではない。
今回のテロ事件で六課の仲間たちにも大きな傷を残していった。
六課の防衛を担っていたシャマル、ザフィーラは重症。
ヴァイスは今も意識が戻らなく、チューブにつながれている。
今回の事件での一番の重傷者は彼だろう。
ヴィータも元管理局員、ゼスト・グランガイツとの戦闘によって傷を負った。
彼女が無事なのは相手の手加減のおかげである。
はやては目の前で人間が細切れ、肉片へとなっていく様子を目の当たりにし、その精神に傷を負った。
元々、リインⅡの事で色々と抱え込んでいたはやてにとってそれは大きな傷となる。
シグナムは聖王教会に赴き、今後の方針を話し合っている。
もっとも、聖王教会の騎士カリムもはやてと変わらないほどの衝撃を受けていたが、そこは上に立つものとしての経験の差だろう。
数日で立ち直ったように見せていた。
スバルはその肉体に損傷を負い、姉のギンガを奪われた。
キャロはもう戦闘自体が困難なほどになっている。
皆、スカリエッティの所為で苦しんでいる。
彼女たちの傷は、深い。
フェイトはバルディッシュを握り締めた。
その胸に決意を刻みつけながら。

301Lyrical knights:2008/09/30(火) 00:44:24 ID:dimF8Fwo
木漏れ日を浴びながら、ティアナは一人芝の上で寝転んでいた。
デバイスを構え、空想の目標を打ち抜くベく、狙いをつける。
そこまでは、できる。
だが、自分に引き金を引けるのか。
そのことが延々と頭を廻る。
そしてそこで思い出されるあのときの情景。

「兄……さん、生きてた、のね」
突きつけられた銃口は正確にティアナの眉間を狙っている。
そこから発せられる冷たい殺意に目の前の人物が本当にあの優しかった兄なのか、と問いたくなる。
一体、今までどこにいたのか。
なんで私の前に現れなかったのか。
どうして今出てくるのか。
そして、どうして私を攻撃するのか。
聞きたいことは沢山ある。
けど、何を聞いても自分の望む答えが返ってこないだろうと心のどこかで判ってしまった。
向けられた銃口が、その象徴のように見えた。

目の前の敵を見ていると、様々な考えが浮かんでは消える。
そもそも何故ティアナは管理局に入ることが出来たのだろうか。
確かに、レジアスの庇護下の地上なら入局できなくもないが、評議会が自分とつながりのある人間を新しく入局させるだろうか。
そして、機動六課なんていう部隊に所属できるのだろうか。
「……なるほど、読めてきた。
お前が機動六課に所属するということは、俺の存在もヤツラにばれていたらしい。
そのための機動六課ということか。
腐っても英雄、姦計の知恵は良く回る」
目の前の存在は、最初から敵ではなかった。
何故、地上本部に本局の連中が集まった部隊が設立可能だったのか。
Sランク超え魔導師や、Aランク級魔導師を多数抱えた部隊の建造が何故可能だったのか。
何故、この部隊の存続が認められたのか。
おそらく、この事実はスカリエッティも薄々気がついているだろう。
あの男は恐ろしく切れる。
この程度の策に気がつかないはずが無い。
そしてこれは管理局に所属するなら、特殊な条件がそろわない限り気付くことが出来ない。
(機動六課とは表向きは実験部隊。裏では対スカリエッティの部隊、ということになっているのだろう。
設立者たちもそう思っているに違いない。
しかし、その実はスカリエッティに対する生贄部隊だ。
こうも都合よく、スカリエッティの好みそうな存在が一箇所に集まるなど誰かが仕組まぬ限りありえん。
そして、ティアナがそこに入れたことを考えると、評議会は俺が反逆することも見越していたようだ)
スカリエッティにとって、全く魅力的でないティアナを態々スカリエッティへの生贄に入れる必要性は見出せない。
このカードは、ティーダにしか通用しないエースにしてジョーカー。
そして、この部隊の実体は牽制にして、生贄。
何時でも彼女等を如何にでも出来る、とこちらに表示すると同時に、好きにしていいというエサでもある。
六課はスカリエッティを逮捕するために挑みかかってくるし、降りかかる火の粉を払うためにスカリエッティたちは動かざるを得ない。
そうして、その隙に評議会は着実に最終決戦への準備を進めていくのだ。
自分の思い通りに動かない駒は排除する、という思想の元に。
確実に息の根を止めることが出来る瞬間まで身を潜め、駒同士を闘わせ合い、互いに消耗した時に全てを消滅させる。
これは、管理局が悪であるという考えを出すことの出来ない局員では到底たどり着けない答え。
自身の人生を疑い、否定することなど常人には出来ないのだから。
「なら、ここで止まらせるのもひとつの幸せ……か」
カートリッジが排出され、銃身に魔力が篭る。
肩に狙いを定め、引き金を引く。
ティアナは身体を横に滑らせ、一直線に飛んできた弾を運良く避けられた。
運が良かったこと、身体が臨戦状態にあったことと、これまでの訓練の賜物だった。
もう一度同じ事をやれ、といわれても無理だろう。
「良く訓練している。そこまでして力が欲しかったか」
「私は兄さんの!」
吐き捨てるように言う。
力は全てを捨てさせる。平和も、家族も、思いも、そして命さえも。
それなのに、手に入れられるものは少ない。
自分の都合にしか使えない現象、それが力だ。
どこまでいっても自分という主体でのみしか矛先を決められない。
だというのに、目の前の敵は本当にキレイであろうとする。
力の正の部分を継承し、負の部分を死者に押し付ける。
「自分ひとりで使えないような力で、俺の前に立つな。
誰かを支えにしなければ撃てないのなら撃つな」
狙いを眉間からずらし、発砲。
魔力弾が、ティアナの髪を数本散らした。
「そして撃つのなら相手を押しのける必殺の意思をもって撃て」
次は、外さない。
そういって、ティーダは瓦礫と炎の中へと消えていった。
ティアナに、それを追う気力は無かった。

302Lyrical knights:2008/09/30(火) 00:45:29 ID:dimF8Fwo
 教会の医療棟を慌しく駆け抜ける医師たち。
地上襲撃の負傷者の一時受け入れを行っている故、その多忙さは尋常ではない。
そんな中、一際輝く一人の中年がいた。
「縫合完了、後は治癒魔法をかけておけば時期に完治する。
次の患者は誰だ!?」
眼鏡をかけ、白く肩まである髪を無造作に後ろで束ねた、おっさん。
ミッド中から集まった医師たちの一人だ。
魔法を使わない治療を行うため評価は低いが、技術は高い。
「さぁ、忙しくなるぞ」
汗を拭い、再び治療に臨んでいく。
その姿は、勤労に勤しむ中年そのものだった。

「しかし、それは仮の姿」
「どうかしましたか?」
「いや、なんでもないよ。大変だったなぁ、と思ってさ」
ひと段落した医療棟の一室で、医者のおっさんが呟く。
それを聞き取った看護士に、誤魔化しの一言。
実際に大変だったのだが。
紙コップに注がれた量産品の紅茶を飲み干す。
さほど、美味しくない。
彼女の淹れた紅茶の方が香りも味も上だと思ってしまうのは仕方が無いことだろう。
「けど、おじさんも珍しいっすね。いまどき魔法を使わないで治療するなんて」
一人の看護士が話しかけてくる。
生活に魔法が必須となっている現状で、あえて魔法を使わないで職を立てる者。
周囲からみれば、それは興味引かれるものだろう。
「まぁ、そうだろうね。けど、やってみるとこれが中々奥が深い。
医者、なんて謳っているけど実際は研究者なのさ」
誰もが疑問に思うその質問に、笑いながら答えた。
「ああ、なんとなく判る気がしますよ。
飽くなき知的好奇心、ってやつですね」
「そんなものさ、ハハハ」
ゴミ箱に投げ捨て、その場を立ち去った。

303Lyrical knights:2008/09/30(火) 00:46:08 ID:dimF8Fwo
ここに来た目的は、他にあるのだから。
これから向かう病室にいる患者は、今回の事件で心に大きな傷を負った一人。
リノリウムの床を、靴の叩く音が響く。
それは一定のリズムを刻むように正確で、起爆装置の秒針の様だった。
白衣が揺らめき、微かに風が捲く。
「さて、永劫回帰の心地はどうだね。すこぶる劣悪だろう」
目的の部屋の扉を開け放った。
部屋の主は、充血した目を億劫そうに向ける。
睡眠不足で理解力が低下し、目の前の存在を認識するのに時間がかかった。
「あ、あああああああああああ! 嫌だ、来ないで!」
視覚が像を結び、脳で認識した目の前の男。
医者のおっさん、その正体は。
「随分なご挨拶ですね、お姫様。最も、悪い魔法使いが嫌われるのはストーリー的な観点から見ると正しいのですが」
眼鏡がきらりと光る。
「スカリエッティ……」
高町なのはは、この世の終わりといわんばかりの声色で、洩らした。

「んぶッ! ンッ、ンッ…アがッ…む、んあ…おおきひよぉ…あぐッ! んぐ、ちゅるっ」
大きく口を広げ、スカリエッティの肉棒を咥えさせられ、咽を突かれた。
その痛みから逃れるために、早くスカリエッティを満足させる様に、身体が反応し始める。
肉棒に舌を絡め、亀頭を刺激し、尿道を吸い上げる。
疲労し、弱体化した精神では、彼の放つ狂気に対抗し切れなかった。
全身が弛緩し、されるがままに性玩具として使われる。
何故こんなことをしているのか、もう全てを受け入れて楽になってしまおうと訴える。
腕輪の枷は、なのはの心身を崩壊させていた。
「もう無理だろう。過去に逆らおうとしても、それはすでに起きてしまった事象なのだから。
その身を堕とすことによって今一度輝きを取り戻すのだよ」
姫を誑かす邪悪な魔法使いの言葉が、耳に甘く響く。
妖精のように、地位も身分も関係なく膝を付きたくなる衝動に駆られる。
「恐怖が蝕み、快楽が心を堕とす永劫回帰。その呪いは、正道では抗えない」
魔法のようにこの身を虜にする甘言。
心を折られた時の感覚、支配された時の悦楽が身を焦がす。
夢でも現実でもスカリエッティに攻められる身体は淫らに踊り、女であることを己に意識させる。
「あむ……んっ、ふぁ……られっ、むぅ……むきゅ、んぐっ!」
上目遣いで彼の様子を確認して、もっと気持ちよくなってもらおうと行動している。
金色の瞳が見下ろす、それが服を半脱ぎにされた肢体に突き刺さる。
その刺激に、身体が痙攣した。
「フフ、そのような瞳をしてもいいのかな。
ここで私に隷属するということは、君が管理局に勤めて、これから救うかも知れない人間たちを見捨てる行為だよ。
君に、それが容認できるのかな?」
その言葉に、彼女は動きを止めた。
そんななのはを、愉悦と嗜虐の表情を浮かべて見下す。
なのはの心の中の葛藤をあざ笑い、その上で屈服させることに快感を得る。
その強固だった心を圧し折るために、ここまでのお膳立てをしたのだから。
「さ、どうするんだい? 私はどちらでも構わないよ」
そう言いながら、なのはの髪の毛を弄ぶ。
手を頬に這わせ、頭を撫でる。
それが、どうしようもなくなのはの快楽を刺激して止まない。
スカリエッティの肉棒を咥えながら、そっと目を閉じた。
脳裏に浮かぶ、これまでの人生。
それらは、罅が入り砕け散った。
(もう、戻れないの。私の心はスカリエッティに砕かれちゃったの……)
「もうらめなの……もうむりなの……こわれひゃうよ……」
動きを再開しながら答える。
「はむッ……ん、んっ……あふぁ……むきゅ」
その動きに、もう迷いは無かった。
「なら、私のモノになるのだ。君を、美しく飼ってあげよう……そう、永久に!」
哀願の篭った瞳を見つめ、笑いながら契約を交わす。
姫は魔法使いに飼われる身となり、その誓いの証を立てる。
「んッ! ……んク、ンく…ごく……ふぁ、飲みひれないよ…」
口内に注がれた精液を飲み下す。
全部の飲みきれなくて、口の端から白濁液が流れ顎を伝う。
媚を売るようなその姿は、彼女の様相も相まって酷く淫靡であった。

「強く美しい姫を堕落させ、攫っていく悪い魔法使いは、いつかその身に勇者の剣を受けることになるだろう。
私もその例に漏れずその運命を辿ることになるのだろうが……目的も果せずに倒れるのはご免だね。
魔法使いにも矜持というものがあるのだから」
なのはを横抱きに抱えながら呟くスカリエッティの心は暗闇。
一瞬の閃光のように、スカリエッティはこの刻を生きていた。

この日、聖王教会から高町なのはが姿を消した。

304Lyrical knights:2008/09/30(火) 00:46:43 ID:dimF8Fwo
日が落ち、炎の暁が地上を焼き照らす刻。
天に聳える塔の一層での会話。
「戦闘機人、人造魔導師。いずれも、かつてはレジアス中将が局の戦力として採用しようとした技術です」
暁に染まる廊下を歩くはやてが呟く。
「随分と昔の話です」
その隣をあるくオーリスがそれに答える。
互いに、顔を見合わせない腹の探り合い。
はやてはレジアスが黒であると睨んでいる。これ以上仲間たちに傷を負わせるわけには行かない。
ここで先手を取るべく、何とかしてレジアスを確保したかった。
「安定して数を揃えられる量産可能な力。倫理的な問題を問われず、実現可能な計画。
レジアス中将はその計画を何処かで秘密裏に進めてはいませんでしたか」
オーリスが、立ち止まった。
一気に畳み掛ける好機。
開かれた口からは、言葉が止まらずに出てくる。
その一つ一つがはやてにとっての弾丸。
「スカリエッティは依頼先として理想の存在です。
違法研究者でさえなければ間違いなく歴史に残る天才ですから。
おそらくはスカリエッティとの司法取引が行われ、中将は期が熟するのを待っていた。
スカリエッティが戦闘機人や人造魔導師を大量生産し、それを地上本部が発見、摘発する、という状況を作れるのは。
そうなれば摘発したそれらを試験運用という形に持っていけるでしょうし、その途中掴まれたくない事実に近づいた捜査員を事故死させるのも優秀な人造魔導師素体を得ることも!」
はやての顔が歪む。
正義の管理局がそんな非道を行っている、これは到底許せるものではない。
自分は、そんな組織を作り直す為にここにいる。
「くだらない妄想はいい加減にしていただきたいものです」
オーリスもまた、顔を歪ませる。
互いに譲れない一線。
どちらが有利な立場に立てるかによって今後の展開が大きく変わっていく。
ここで重要な証言を得ることが出来れば、今回の事件は解決に向けて大きく進展できる。
管理局という組織に溜まった膿を一掃できるチャンスだ。
「ご意見を伺いたいだけです」
そのはやての言葉にオーリスが口を開きかけたとき、
「なら、彼女では無く、私に直接聞きに来てはいかがかな」
紅蓮の光の中から歩み寄ってくるレジアスが声をかけた。
「レジアス中将……」
いきなりのボスの登場に、はやては困惑気味の声をあげてしまった。

305Lyrical knights:2008/09/30(火) 00:47:13 ID:dimF8Fwo
地上本部展望室での、はやてとレジアスの秘密会合。
夜闇が暁を侵食して、徐々に薄暗くなっていく。
そんな中、涼しい顔をして腰掛けるレジアスと、様々な理由から顔を強張らせて対峙するはやてがいた。
「それで、聞きたい事は先程の君の推論についての意見、でいいのか」
「はい。中将の口から、事実をお聞きしたいと思います」
「ではその前にひとつ。
君は今、どういった立場でこの場所に立っている?
本局局員としてか?
二等陸佐としてか?
機動六課部隊長としてか?
魔導師としてか?
八神はやて個人としてか?」
虚言は許さぬという突き刺さるような視線を飛ばす。
そこには、地上を守り通してきた守護者が座っていた。
思わずその大きさに竦みそうになるが、何も得られずにこのチャンスをふいにするなどはやてには出来ない。
「機動六課部隊長として、魔導師として、八神はやて個人として、そして、人として、です」
偽らざる自分の気持ちである。
称号や位階など関係なく、ただ人を護りたい。それが八神はやての決意。
レジアスはその答えを聞いて、腕組みをして考える仕草をする。
その姿をじっと見つめるはやて。
「ならば、完結に答えだけを述べよう。
NOだ。私は別に魔導師だけを固有の戦力と認知しているわけではない。
故に、人造で魔導師を作るなど金と時間の無駄だ。そんなことをしても魔導師と非魔導師の溝が深まるだけに過ぎん。
信ずるかどうかは君の判断に委ねよう。
私の言葉が嘘だと思うのなら、君の権限の可能範囲内で調査したまえ。
そして、証拠を見つけた上で私を糾弾しろ。
それが、正義というものだ」
立ち上がり、展望室を出て行く。
「レジアス中将!」
「私はすでに先の質問に答えた。この場に留まらなくては成らない理由はない。
私も存外忙しい身の上でね。失礼させていただく」
もう彼女に話すことはない。これがどのような結果を齎すかは天のみぞ知る。
結果、自分に如何なる災いが降りかかろうが、それを受け止めるのが責任というものだ。
正義とは、平和とは、常に何かを犠牲に成り立っている。
それを他人に被せるか、自分で被るかの違いしかない。
「地位が上がるにつれて、発想が不純になっていくのが理解できる……」
昔の自分は、こうだっただろうか。
それに答えてくれるものは、いない。

306Lyrical knights:2008/09/30(火) 00:47:43 ID:dimF8Fwo
地上本部からの帰路、はやてはその肩を落し、消沈した様子で歩く。
車までの距離がやけに長く感じられた。
否、本当は帰りたくないのかもしれない。
帰れば、リインⅡという娘を奪われ、なのはと言う親友を奪われた現実を目の当たりにさせられるから。
しかし、その歩みを止めない以上、目的地には必ず着く。
車のドアに手を掛け、そこから動かない。
どうしてもその勇気が出せなかった。
「よう、八神。こんな時間にこんなとこにいるなんて珍しいな」
だから、彼が現れたとき正直ホッとした。
「ナカジマ三佐……」
一人で立つには、この思いは重すぎる。
何かに縋りつきたい夜だった。
「話……聞いてもらっていいですか」
「……ま、話くらいならな」
そんなはやての様子を見て、ゲンヤはそう答えた。

缶コーヒー片手に夜空の下に佇む。
連れの少女の手には紅茶。
同じ銘のコーヒーを買おうとする少女に眠れなくなるぞ、と茶化すように言ったときの顔は見物だった。
コーヒーの苦味が口の中に広がる。
「それで、話ってのは何だ?」
何時までたっても話を切り出せないはやてに代わって口を開く。
ある程度は予想がつく。
「その……うちの部隊員のコトなんですが……」
はやてから語られるなのは、リインⅡのこと。
スカリエッティへの怒りと自分の不甲斐なさ。
そんな青臭い思いの数々を、ゲンヤは黙って聞いていた。
彼女に、失ってしまったかつての自分の姿を見た、気がした。
微かな感傷に浸るも、すぐさまそれを諌める。
それに浸る資格を、彼は失っているのだ。
「そうだな……」
懐からタバコを取り出し、ライターで火をつける。
舞上がった紫煙が、風に乗って掻き消えた。
「俺から言えることなんて無いな。
俺が何を言ったってそれはお前の答えじゃない。
参考程度にはなるかもしれないが、所詮その程度のものだ。
こいつは、自分で答えを探し出す問いだ」
そう言って突き放す。
正直、自分自身彼女に何を語ればいいのかが判らない。
「ま、ひとつ助言するとしたら
本当に辛いのなら仲間に、家族に相談するんだな」
だから、その言葉もうそ臭く聞こえた。
そして、そんな言葉に対し感謝を告げてくるはやての姿が眩しかった。
(全く……眩しいもんだ、若さってものは。全力で突っ走っていけるんだからな)
一度保守的に成ってしまえば、全力で走るのは難しいのだ。

307Lyrical knights:2008/09/30(火) 00:48:14 ID:dimF8Fwo
地上襲撃事件の現場検証を行っている本局の局員たち。
「そっちはどうなってる?」
「いや、何もないっす」
再度襲撃の可能性も考え、デバイスとBJを纏ってでの調査だった。
「しかし、たかが犯罪者のテロさえ防げないなんて、地上の連中は何をやってるんだろうな」
思わずぼやくが、それを表立って咎める輩は存在しない。
陸よりも上位に海が存在する、これは本局での常識だからだ。
陸はあくまで補助的機関に過ぎない。
「全く、俺たちも人が良いねぇ……!!」
そこまで言って感じる喪失感。
ふと自分の胸を見下ろすと、テニスボール大の穴が開いていた。
「何してんだよ、お前……」
自分を撃った同僚を見る。
「どうなってんだよ!? 何勝手に!」
同僚も、何が起こったか判らない様だ。
ただ、彼の持つデバイスに何か叫んでいるのだけは判った。
そこで、彼の意識は彼岸へと旅立った。
それを皮切りに、局員たちが次々に仲間を魔法で撃ち殺していく。
必死の顔でそれを止めようとするが、デバイスが自己の判断で魔法を撃ち、殺していく。
デバイスを投げ捨てようとしても、身体が動かない。
顔だけ自由が利くのが、実に残酷だった。
「うわぁ! 死にたくないぃぃぃ!!!」
「やめてくれぇ!!」
阿鼻叫喚、死屍累々。
そういった言葉が実に似合う情景。
数分の後、そこは互いに殺しあったものたちの骸だけになった。


その報告がスカリエッティに齎されたのは数時間後、レジアスからだった。
「ふむ、それで彼等は同士討ちをして死に絶えたと」
『そうだ。貴様の所業ではないだろうな』
レジアスの言葉に、哂いを返す。
「そんな面倒なことをしなければならない理由は私には無い。
殺したいなら、GDを、ナンバーズを投入すれば良いだけのこと」
『ならば、今回の事件……』
「十中八九、彼等の所業だろう。
方法としては……いくつか仮定は出来る」
およそ人道的ではない。
そのような思考を出来る時点で、人として終わっている。
最も、精神的にではなく、肉体的にも彼等は人として終わっているのだが。
そして、スカリエッティはそんなことを懸念するようなモノではない。
「デバイスが独断で魔法を使用した点から見て特定ナノマシンによるクラッキング。
ナノマシンという媒体によって魔力を汚染、その魔力がデバイスに流された時点でクラッキング。
あらかじめインプットされていた命令通りにデバイスと肉体を乗っ取り、同士討ちをさせる。
かつて最高評議会に命じられて私でないスカリエッティが提唱した方法だ」
鈍い顔をするレジアス。
本局だけでなく、地上もそうなっていると想像したのだろう。
そして、その根源たるスカリエッティを睨みつける。
が、そんなことスカリエッティの知ったことではない。
他者がどうなろうが、自分の野望さえ果せればそれでいいのだ。
その意味で言えば、スカリエッティと最高評議会は似通っている。
工程も目的も異なるが、手段という論点において、その手腕は同じ志向性といっても良い。
それゆえに、彼等は互いにその存在を心の奥で許容できないのだ。
「さて、そろそろ私たちも動かないといけないようだ」
『ふん、貴様に言われるまでもない。
我々の準備は万端だ。全ての配置は完了、あとは貴様の行動待ちだ』
スカリエッティの顔が愉悦に染まる。
もう少しで、全てが生まれる。
「それは上々。
では明日の10:00に作戦開始といこうじゃないか。
健闘を、祈っているよ」
心底嫌そうな顔をしたレジアスが目の前のモニターから消えた。
レジアスのように自分以外の対象をかまけることは心底理解できないが、そういうモノも存在するという事を容認する。
自分を生み出すことが出来る存在を消滅させることによって自己を唯一存在に昇華させる。
「聖王の器の調整は終了したかな?」
『はい、ドクター。完璧ですわ』
通信モニターには横たわるヴィヴィオとクアットロが映っている。
「素晴らしい。最も、それさえも囮に過ぎないのだがねぇ」
あの機動六課が保護していたのだ、彼女等は必ず聖王の器を取り戻しにくる。
これほど容易に戦力を分断できるのだから、使わない手は無い。
そもそも、スカリエッティにとって聖王など如何でも良い駒のひとつでしかない。
否、むしろ自分以外の全てが駒である。
目的は、ミッドでも、地上でも、聖王教会でもないのだ。

308Lyrical knights:2008/09/30(火) 00:49:11 ID:dimF8Fwo
自室に戻ったスカリエッティを出迎えたのは、甘い匂い。
その主を求めて視線を廻らすと、テーブルの上に茶菓子が置いてあった。
「あっ、帰ってきたですか。ちょうどお茶をいれたところです」
そう言って奥から出てくるリインⅡ。
簡素なエプロンを掛け、カップに紅茶を注ぐ。
芳醇な茶葉の香りが、空間を魅了する。
その匂いが、スカリエッティを、酔わせた。
リインⅡが笑顔をスカリエッティに向ける。
それを見て、彼の嗜虐心に火がついた。
リインⅡを背後から抱きしめ、エプロンの隙間から手を差し込み、その胸を揉む。
「ふゃッ! もう、いきなりびっくりするですよ」
そう言いつつも、彼女は彼を拒まない。
その顔を赤く染めながら、目を閉じた。
スカリエッティの舌が項を伝い、身体が前傾姿勢になっていく。
その胸に掻き抱くように、リインⅡを包み込む。
太腿からじわじわと手を上らせ、焦らす様にスカートを捲る。
彼女の息が徐々に荒くなっていく。
執拗に舐められていた首筋は唾液で滑り、キラキラと光っていた。
下着が露出し、流れ出た愛液が染みを作り、さらに脚を滑り落ちる。
ずっと開発され続けたリインⅡの肉体は、スカリエッティのどんな行動にも反応するようになっていた。
リインⅡは、それを嬉しく感じる。
スカリエッティは自分を繋ぎ止めていてくれると実感できる。
自分はもう彼がいないと生きていけない、そう思わせてくれる。
それは、なんて幸せなことなんだろうか。
「あン……もう、ぐちょぐちょです……リイン、こんなにえっちになっちゃいました……ふぁ…ひン」
リインⅡは、テーブルに手を突いて、お尻を突き出すような体制になっていた。
スカリエッティは秘裂を指で掻き出す。
膣は彼の指を歓迎するように収縮した。
「あッ、ン、ひゅぁァ! 気持ち、イイ…うンッ、ですっ!!」
激しく出し入れしながら、乳房を揉み倒す。
ズボンの下で、肉棒がいきり立つ。
「君に頼みたいことがあるのだよ。
明後日、私は管理局に対して最終作戦を発動させる。そのとき、君の元主が出てくると思う。
彼女を、君が抑えてくれないかな」
耳元で囁くスカリエッティの声が、耳を犯し、脳髄を揺さぶる。
それだけで愛液が増し、子宮の奥底が締め付けられる感じがした。
「はッ、わかり……うぁ、ました……アん、リインは、貴方の…アアッ! …モノ、ひゃぅッ、ですからぁぁぁぁァァァァ!!!!」
最後のほうは叫び声となっていた。
性器から滝のように愛液が流れ落ちていく。
衣服はボタンを外されて、胸がエプロンの下で曝け出されていた。
下着は膝に引っ掛けられ、外気に触れた性器がヒクヒクを蠢いている。
「いい返事だ。君の活躍に期待しているよ」
そういいながら割れ目から抜いた指をリインⅡの目の前に持ってきて、その糸を引く指を見せ付ける。
光を反射して、それは輝いて見えた。
口元に持ってこられた指を、咥えろ。
不思議な味が口内に広がる。が、決して嫌な感じはしない。
そして、これからの行為への期待が高まっていく。
(後ろから、獣のように犯され、抵抗も出来ずに膣に精液を流し込まれる……。
子宮を彼の精液で埋め尽くされ、行き場を失った精子の群れが私の身体を、膣内を喰らい尽くすんです……)
完全陵辱。
なんども子宮に精液を流し込まされ、もしかしたら妊娠してしまうかもしれない。
子供が出来るのかどうかはリインⅡ自身も判らないが。
「これからされることに期待して身体全体が快楽を貪っているようだ。
でも、そう上手くは行かない。今日は、ここでおしまいだ。
焦らして、焦らして、君が狂うほどに焦らして。
私以外の存在に目をやらないようにしてあげよう。
君を私だけのモノにしよう。
ずっと私の側から逃れないように」
想像していた快楽は訪れなかった。
「……わかり、ました……我慢しますです」
消え入るほどか細い声。
正直、狂いそうなほどの快楽である。
しかし、スカリエッティがそういうのならリインⅡは従う。
彼から与えられるのは全て枷という名の繋がり。
それは、絆。
それを見て満足したのか、スカリエッティは席に着き、リインⅡの淹れた紅茶を頂く。
「やはり、この味が一番美味しいねえ……これを知ってしまった後ではとてもじゃないが、市販の既製品は口に出来ないよ。
朝起きた後や、リラックス時のこれは欠かせないねぇ」
そういって、綺麗な笑みを向ける。
それはなぜか、切なさを彷彿させる笑みで、死に逝く者の笑みに似ていた。
リインフォースⅡ、彼女の中に自分が自分として存在した証を感じとった。
それがスカリエッティの胸に何かを残していった。

309Lyrical knights:2008/09/30(火) 00:49:41 ID:dimF8Fwo
スカリエッティは、欲望とか犯罪とか色々と言っているが、実際は空っぽの存在だ。
彼の中には何も無くて、何かを求めて彷徨っている。
そのためだけに存在している生命体。
だから、求めている何かを手に入れた後のことを考えられない。
それはとても悲しいこと。
だから、彼女は彼に何かをあげようと、彼を埋めてあげようと思っている。
彼が帰ってきたときにキスをしてあげる。
彼が泣いているときに抱きしめてあげる。
彼が寂しがっているときに一緒にいてあげる。
彼に、自分の感じている感情全てをあげたい、共感したい。
「私は貴方を愛しています、ジェイル様」
それが、リインⅡの想い。


 アジトに囚われていたもう一人の少女の処には一人の死者が訪れていた。
ティーダは目の前に繋がれるギンガを感情の篭らぬ瞳で見ていた。
それは観察に近い。
スカリエッティによって肉体を修繕され、ナンバーズとして調整されたギンガ。
スカリエッティの命令は忠実に護るようにされているが、記憶、感情や思いは書き換えられていない。
ギンガという少女の心は変わらずにそこにあるのだ。
自分の意思に反して行動する肉体。
それはギンガの心を陵辱し、砕いていく。
「何しに、来たんですか」
黒く澱んだ瞳がティーダに向けられる。
その視線に篭る感情に親しみを覚える。
これは、ティーダの肉体を構成する上で最も重要な感情だ。
殺意すら超越した憎悪。
胸元から引き裂かれた管理局の制服が無残さを強調している。
そこから覗く白い肌と、赤く奔る傷跡。
それはとても人工のものとは思えない程の艶気を放つ。
髪や顔、身体のあらゆる処に乾いた精液が付着しており、陵辱の跡を示していた。
半開きの口は僅かに糸を引いていて、
性器を掻き出せば、まだ膣内に残留している精液が垂れ流れてくるのだろう。
辺りに飛び散る愛液と精液と、彼女を犯していた下魔の肉片。
翼のように両腕を広げ、左右に発砲。
「キシャー!」
さらに後方と左方、右方に両腕、といったように次々と二挺デバイスで下魔を屠る。
カートリッジが切れたらマガジンを交換。
発生するラグを狙って迫りくる下魔の爪を蹴りで反らす。
コートの裾が、円状に舞う。
そして再び弾が飛び交った。

310Lyrical knights:2008/09/30(火) 00:50:49 ID:dimF8Fwo
「それで、本当に何しに来たんです。まさか私を助けるため、なんて戯言を言いに来たわけではないでしょう?」
もし本当にそんなことを言いにきたのであれば、ギンガは本気で暴れるだろう。
それこそ、自分が傷つくことも厭わずに拘束を抜け出し、目の前のティーダを殺しにかかる。
「やってみろ、小娘。今のお前程度に殺されるほど終ってない」
噛み付かんとするギンガの眉間を銃口が狙う。
指は引き金に掛かっていて、何時でも少女の命を奪うことが可能だった。
脅しでは無い。彼は、少女が噛み付いてくれば躊躇無くその引き金を引く。
自分のために人を殺すことが出来る存在だ。
「なら先程の化物と同じように私を犯しに来たのですか」
自分の声は、震えてなかっただろうか。
憎悪に身体を支配されていようと、恐怖がなくなったわけではない。
先程の光景は、脳裏に焼きついている。
生まれてまだ十数年の少女が、悟りを開きティーダのように振舞えるようになるには、特殊な環境と、それ相応の英才教育が必要である。
生まれは人と違えど、真っ当に生活し、今まで生きてきたギンガにそれを求めるのは少々酷である。
ただ、気丈に振舞う。それだけが彼女に残された抵抗。
しかし、そんな少女の思考など、人間の醜い裏の部分を見続けてきたティーダにとっては清水の如く透けてみえる。
この少女が、一体どこまで耐えられるのか。
そこで気付く。
まだ自分にも、相手のコトを考える、なんていう人間的な感情が残留していたのだ、と。
これは大きな誤算だった。
自分は、標的を撃ち滅ぼす弾丸でいいのだ。
そうでないから、自分はティアナを撃てなかった。
未だに、彼女を妹と思う気持ちが何処かにあったから引き金を引くのをためらってしまった。
そんなものは、邪魔でしかない。
それを完全に洗い流すために、目の前の少女を使う。
スカリエッティのような目的のために全てを見殺しに出来る異端へと成るために。
それは人と成ることを望むスカリエッティとは正反対の衝動。
人であるティーダは人ならざるモノに成ることを望み、人ならざるモノであるスカリエッティは人に成ることを望む。
他者を全て肯定するモノと、徹底的に他者を排するモノ。
こんなところでも、スカリエッティとは相容れないのだと哂う。
「……そうだな。そうすることによって俺はさらに鋭く、敵を抉ることが出来るように成る」
ギンガの顎に手を副え、顔を上げさせ
「だから、お前を利用させてもらおう」
その唇を犯した。
「む……ンッ」
翡翠の瞳を見開き、深蒼の髪を波立たせる。
キスという一種の通過儀礼というべきものを早々に終え、ギンガの背後に回る。
秘裂と尻穴は無残に広がり、精液が流れ落ちていた。
「ッ、貴方も所詮化物と同類ということですか!」
「違うな。俺はこれから異端という名の化物へと成る」
肉棒を曝け出し、前戯すらしていない肉壷へと叩き込み、すぐさま激しい挿入を始める。
「ふぎゃッ! いぎッ! あンッ! この、ケダ、ひギッ、モノぉ!」
荒々しく獣のような性交。
相手のことを全く考えていないそれは、まさしく犯すというに相応しい。
「ぐっ、うぅぅ……がっ、はぁっ……いっ、ひぃぃぃ! 激し、過ぎるぅぅぅぅっ!」
下魔たちの陵辱とは違う感覚。
下魔はギンガを壊さないようにと本能で手加減をしていた。
だが、ティーダにはそれが無い。
別にギンガを子孫を残すための母体として見ていない故の現象。

311Lyrical knights:2008/09/30(火) 00:51:20 ID:dimF8Fwo
下魔にとっては子を宿す母体であっても、ティーダにとっては数多いるただの女の中の一人に過ぎないのだ。
しかし、この懐古を伴う痛みの感情は、一体何から発生しているのか……
「はっ、はっ、はひっ、あぐっ、あひっ、ひぁぁぁぁぁ!」
肉棒が肉膣を抉る。愛液が染み出し、肉棒に絡まる。
肉体を護るための本能が働くが、それでも追いつかない。
脳が、痛みを快楽へと変換していく。
「はぁっ、あっ……なんで、痛いのに……気持ちいいの…くぅんっ!」
自分の感覚に戸惑う。
先程まで処女だった肉体が女として作り変えられていく。
スカリエッティの施術が少女を蝕む。
全身が赤らみ、分泌液を流し始める。
目が潤み、荒い吐息が唾液を招く。
厭らしく、艶やかな肢体は、男を咥え込む魔器へと豹変した。
子種を欲し、精子を絞り取ろうと膣が蠢き、媚るように喘ぎ声を響かせ、誘うように腰を振る。
その姿を見ても、ティーダの顔に性的征服感や満足感は窺えない。
ずっと、観察するような、モノを見るような目で見下ろしている。
肉体は性的感覚を有しているが、それを認識する心が死に絶えている故に、如何反応するのが正常なのかが判断できないのだ。
故の、無表情。
知らない感情を発露することは出来ない。
ただ、肉体のみが機械的に女体を刺激する。
「はっ、あン、ひゃっ、ああっ……もう、だめぇ…くっ、ふぅん……」
肉体も限界を告げてくる。
精液が装填され、子宮に狙いを定める。
「あっ、ひぃん、イく、ああっ、イっちゃうぅぅぅぅっ!!!」
長時間犯されていた身体は快楽に敏感で、瞬く間に絶頂へと追い込まれた。
そして、精液が膣を犯し、子宮を喰らう。
全身の筋肉が硬直し、それを手枷が支える。
「は、あぁ……」
身体を二つ折りにするように弛緩し、肉棒の引き抜かれた女性器から、新たな精液が雪崩のように流れてくる。
それで、最後のピースが嵌った。
スカリエッティの施した洗脳の最後の一押しが今、振り下ろされる。
自分以外の要因、この場合ティーダだ、それが少女を完全に屈服させることによって洗脳を一気に加速させ、完全に傀儡と化す。
(嫌、消えていく。私が私じゃなくなっていく、怖い、怖いよ!)
自分を塗りつぶしていく感覚が知覚できるという恐怖と絶望。
顔が歪み、自分を手放さないように自身を腕で抱く。
しかし、侵攻は止められない。
ギンガがティーダとの性交で絶頂を迎えた時点で結果は決まっていたのだ。
記憶が記録となり、心が裏側へと仕舞い込まれる。
変わりに刷り込まれる命令。
ティーダに尽くし、スカリエッティに尽くす。
そのために自分の全てを投げ捨てる覚悟を持つ。
自分は人形である、と。
(ごめ…んね……スバ、ル……お姉ちゃん、もう、駄目……みたい)
洗脳は完了し、ここに一体の戦闘機人が完成した。

312Lyrical knights:2008/09/30(火) 00:52:12 ID:dimF8Fwo
 スカリエッティの戦闘機人によるアインヘリアル襲撃事件発生。
共同捜査を取っていた本局魔導師が多数戦闘不能となる事態となった。
「でも、これ壊しちゃって良かったんスか?」
「ああ、別に構わないさ。アインヘリアルは所詮囮のハリボテに過ぎないのだから」
ウェンディの問いにスカリエッティが答える。
そう、アインヘリアルはハリボテ。外見だけはそれらしく作ってあるが、中身はボロボロのスカスカ。
元々、この計画は資金確保のための策。
本局からの目を誤魔化すために、巨大兵器を製造するという建前を掲げる。
そして、その本来の計画は魔導資質の無い者たちでも戦闘を可能にする強化スキンの製造。
魔力を汚染することによって他者を操作する評議会にとっての天敵を作ることにある。
魔力をもっていなければ操ることはできない。が、魔力が無ければ魔導師には勝てない。
その前提を覆す兵器だ。当然、評議会に発覚したら未来は無い。
故のアインヘリアル。
そのことをウェンディに説明する。
彼女は、訳のわからない顔をしていたが、別に構わない。
理解しようがしまいが、もうすでに止められないところまで来ているのだから。
「フフフ、ハハハ、ハハハハハハハ! さぁ、次の作戦を開始しよう。
そろそろ彼がここに来るはずだからねぇ」
アジトに侵入していたヴェロッサの猟犬をセキュリティが迎撃。
全てはシナリオ通りに進んでいる。

313Lyrical knights:2008/09/30(火) 00:52:44 ID:dimF8Fwo
「さて、もう片方の流れも進めておくとしよう」
コンソールを弾き、ある場所に通信をつなげる。
正規の接続でなく、外部からのハッキングによる強制侵入。
侵入先は、アースラ。
指が軽やかに舞う。実に愉快で悦な心地だ。
「さぁ、君たちもこっちに来るんだ。
その姿を、皆に見せ付けようじゃないか」
奥に控えていたリインⅡとなのはを呼びつける。
彼女たちには、特性の衣装を纏ってもらった。
これを見て、機動六課の面々がどのような反応をするか、それを考えるだけで心が躍る。
まるで自分の宝物を他人に自慢して見せ付ける少年の心地だと思う。
そして、それはおそらく間違ってないのだろう。
スカリエッティは、自慢したいのだ。
自分の力によって開花させた彼女等を。
「こんにちわ、管理局機動六課の諸君。もう、自己紹介はいらないだろう?
今回は君達に見せたいものがあってね。真に失礼だが、強制的に繋がせてもらった」
さぁ、最後の一歩を踏み出そう。全ては彼等を殺し、スカリエッティを消滅させるために。
『スカリエッティ! 今すぐ武装解除して、投降しろ!』
「これはこれは……勇ましいことですね、フェイト・テスタロッサ女史。
しかし、私にはまだやらなくてはならないことが多々あるのですよ。
ですので、捕まることは出来ません、申し訳ない」
言葉では申し訳なさそうだが、顔は全くの正反対。
哂いの表情で、見下す面。
全てが最終楽章への布石。
「今回君達に態々連絡を取ったのは他でもない。
君たちが探しているであろう人物に会わせてあげようと思ったのだよ。
さあご覧あれ! 美しき姫達を!
瞳に焼きつけよ! 悪の魔法使いの所業を!」
下ろした髪を後ろで結い、レースとフリルがふんだんに使われた純白のドレスを纏い、口に真紅のルージュを引いた白き姫、高町なのは。
澄んだ蒼の髪を髪留めで留め、身体にフィットし、真白の生脚をさらけ出すスリットの入ったドレスを纏った蒼き姫、リインフォースⅡ。
美しい姿に不釣合いな物々しい首輪と、それに繋がれた無骨な鎖。
その先端は、二条ともスカリエッティの手に収まっている。
二人の隷姫を引き寄せると、僅かな抵抗もなくスカリエッティの横に跪いた。
頭に手を置き、頂点から顎にかけて何往復も撫でる。
リインⅡの顔を上げ、その幼い唇を貪るように吸った。
なのはの胸に手を回し、胸を救い上げるように弄繰り回した。
頬を赤らめ恥らい、それでいて媚びる様な従順性を示す彼女らは、真に淫靡である。
「ハハハ、どうだい!? 素晴らしいだろう。
これほどに素晴らしい存在は無いと私は思うよ、ああ、本当に素晴らしい!」
感極まったように叫ぶ。
『御託はいらん。私の家族と仲間、返してもらおうか』
はやての、能面のような顔が告げる。
感情が飽和して感情を無へと変化させたのだ。
今彼女を、彼女等の心を占めているのは比類なき怒り。
しかし、それがどうした。
スカリエッティにとってそんなものはどうでもいい外的刺激のひとつに過ぎない。
「なら、君のその腕で取り返してごらんよ。
私の元から、姫を取り返すんだ。なんという英雄譚! 君は騎士だ。
ハハハ、君のその騎士という立場はこの日のためにあったのかもねぇ」
それだけ言って、通信を切断する。
これ以上、話すことなど無い。十分に流れを加速させることが出来た。
これで間違いなく、終幕はスカリエッティの描いた絵図と成る。
「これで、ピースはそろった。
あとは、パズルを組み立てるだけ。ああ、楽しいなぁ、嬉しいなぁ。
ああ、ところでそのドレスの着心地はどうだい? 私の最高傑作だよ! ハハハ!」
感涙咽ぶスカリエッティを、リインⅡとなのはは微妙な瞳で見つめていた。
彼のこういうところは着いていけない、といった感じに。

314Lyrical knights:2008/09/30(火) 00:53:16 ID:dimF8Fwo
廻り変わるモニターを見つめる3つの脳。
空を飛ぶゆりかご。
雲海を進むアースラ。
航空魔導師を指揮する八神はやて。
地上本部に向かうゼスト。
そして、地面すれすれを超スピードで飛んでいくスカリエッティ。
それらを見て、冷ややかに哂う女性。
「では、楽園の福音をかき鳴らそうではないか!」
最高評議会と同一化した元ドゥーエが奏でるように腕を掲げた。
「さあ、第一陣出撃」
指揮者のように腕を振るう。
航空魔導師たちのデバイスを乗っ取り、互いに同士討ちさせて殺しあう。
ちぎれた腕、肉片、焦げた人体などが地上に落下していく。
再び振ると、本局内部の魔導師たちも互いに殺しあう。
魔法の使えない一般局員も殺されていく。
「フハハハ、我々の楽園に必要なのは選ばれた生命のみで良い!
それ以外は駆逐し尽そう。
では、選定にかかってくれ給え」
背後に立っていた女性に命令すると、すぐさま前線へと跳んだ。
クイント・ナカジマ。
オリジナルから摘出された細胞を元に最高評議会が作り出したクローンである。
「あとは余計なものを始末するだけか」
「それは私が行こう」
脳ミソのひとつが声を発する。
ケーブルに紫電が奔り、意識が目標に転移する。
「掌握、完了」
ミッドチルダは今、最高評議会の手の中にあった。


「ナカジマ三佐! 未確認魔導師が本隊に攻撃を仕掛けています! しかしあれは、彼女は!!」
地上防衛線を張っていたゲンヤの元に届いた一報。
「判った、こちらで確認してみる」
彼女、ということは魔導師は女。
もしやスカリエッティの戦闘機人が攻撃を仕掛けてきたのだろうか。
となると、最高評議会の手はそこまで伸びていたことになり、一刻の猶予も無い。
だが、それは違った。
コンソールを打ち、モニターに表示されたその魔導師の姿に、見覚えがあった。
「おいおい……こいつは何の冗談だ」
気の抜けた笑い顔から、徐々に怒りの顔へと豹変していく。
拳を握り、車内の壁を殴りつけると、激しい音を立てた。
「ふざけんなよ、最高評議会」
モニターには、長い蒼髪を靡かせ、見覚えのあるデバイスを装着し、地を疾走するクイントが映っていた。
そして、自分の全身全霊が告げていた。
あのクイントは、偽者だと。
外見と能力だけは同じだが、その根っこの部分で決定的に異なる。
どれだけ外見を模倣しようが、中身は最高評議会だ。
「全陸士に告げる! その相手だけに構うな! 無理だと思ったら撤退し、市民の救助に向かえ!」
それだけを言い、レジアスから渡されていた強化スキンを纏う。
「オオオオオオォォォォォォオ!!!!」
牙狼の雄叫びが戦場に木魂した。

315Lyrical knights:2008/09/30(火) 00:54:30 ID:dimF8Fwo
 レジアスの執務室に現れた一人の局員が、腕に爪を生やし、殺戮の舞踏を繰り広げる。
「レジアス・ゲイズ。残念だけどここで死んでもらうわ」
やはり、ここに来た。
最高評議会が自分をこのまま放置しておくはずが無い。
何らかの手段を講じて、闇に葬り去ろうとするだろう。
(だが、それが命取りだ!)
彼等は自分等が負けるなんて全く考えていない。
ありとあらゆる状況に対応する手段を講じているからだ。
だから、それを上回る絵図を書いた。
敵味方関係なく、全てを利用して、全てを犠牲にして彼等を倒すための絵図を。
(決めの一手を私の手で下せないのが残念だが、それでも結果を求めるためなら仕方が無い)
レジアスは無言で構えを取る。
一瞬で近づき、首を切り裂こうと迫り来る凶爪を、拳で迎撃し、対の拳をドゥーエに叩き込む。
反応が軽い、おそらく当たる直前で後方に自ら跳んだ。
案の定、すぐさま立ち上がり流れるような舞踏を舞う。
その一撃一撃が必殺の威力を秘めていた。
だが、レジアスもそれを甘んじで受けるほど腑抜けではない。
その巨体からは想像できないほど軽いフットワークを駆使し、全てに拳を打ち付ける。
ドゥーエが流れる風なら、レジアスは堅牢な巌。
「その程度でこの私を殺そうなど百年早いわ!」
それでも繰り出してくる爪を、一振りの刃が防いだ。
「相変わらず、その腕は衰えてないようだな、レジアス」
かつて、レジアスと共に闘い、平和への騎士だった親友、ゼスト。
ドゥーエの腕が振り上げられ、多数の魔導師とGDが窓を割って侵入してくる。
「お前に再会したときに見っとも無い姿は見せられんからな」
親友が生きていたからといって、立ち止まるような愚は犯さない。
そんなことしたら、彼が来た意味を無にしてしまう。
しかし、そんなものに怯えるほど、彼等は素人ではない。
背中合わせになり、互いに構える。
今、地上の守護神が蘇る。

316Lyrical knights:2008/09/30(火) 00:55:14 ID:dimF8Fwo
上空から降ってくる魔力弾を避けつつ、スカリエッティは地上本部を目指して飛んでいく。
素早く左右に動きながら、時に飛びあがりと常に前進し続ける。
手にした銃で魔力弾を迎撃、着弾と同時にランブルデトネイター発動。
弾丸が爆弾へと化し、魔力弾もろとも弾け飛ぶ。
「まま成らないものだなッ! 私は科学者だというのに。
これではまるで武官か、執務官といった戦闘職ではないか!」
地上で魔法を打ち込んでくる魔導師に弾丸を撃ち込み、炸裂させて破壊。
魔力糸で細切れにして殺害。
もはや手段は選んでいられない。
彼等はすでに戻れないのだから。
痛みが無く、本当に限界まで戦うことをやめないから、無力化するには殺すしかない。
「美しくないな、本当に!」
そのとき、スカリエッティ目掛けて雷の矢が飛来してくる。
左右に避けることは不可能。上昇しようにも距離が足りない。
だから、ライディングボードを蹴り、自身を飛びあがらせた。
矢を飛び超え、再びボードへと着地。
「10.0!」
両腕を上げて演技終了のポーズ。
「スカリエッティィィィ!!!!」
迅雷の如く飛翔してくる雷帝。
「なんというバットタイミング。やはりあの時逃がしたのは失策だったか!?」
「止まれぇ!」
身体ごとデバイスを振り回す、怒れる雷帝、エリオ・モンディアル。
スカリエッティはライディングボードを左手で掴み、そのままの体制で身体を90度回転させることによってやり過ごす。
顔の横を、魔力刃が通り過ぎていった。
「止まれ、が一体何を意味しての止まれなのか非常に気になるが、今はそんなコトを問答している時間は無い。
私の邪魔をするな、Fの遺産。
君に構っていられるほど、事態は悠長ではない!」
彼の持つデバイス目掛けて発砲するが、着弾する前に斬り払われる。
爆発させようにも、弾丸が小さすぎて爆発の範囲が狭く、エリオの速度なら簡単に範囲外へと退避されてしまう。
怒りが、彼の能力を大幅に強化していた。
こうなると、スカリエッティからの遠距離攻撃はほとんど意味が無い。
牽制程度にはなるだろうが、それも弾が尽きるまでだ。
また、リロードの隙も危険。今の彼ならその程度の隙でも切り裂きにかかってくる。
故に、スカリエッティに出来ることはひとつ。
このまま逃げ切る。
地上本部までたどり着けば何とかできる可能性も出てくる。
移動しながらという状況では万が一の勝ち目すら捻り出せそうに無い。
(それまで持ってくれたまえ、ライディングボード)
再び接近してくるエリオ。
「僕は、貴様を、許さないッ!」
三連で繰り出してくる斬撃を右手のデバイスで弾き反らし、その反動を利用して距離を取る。
その隙に素早くリロード。危険だが、上空の敵を攻撃する手段が銃しかない以上、しないわけにはいかない。
すぐさま上空に向けて撃ち、爆破。
魔力弾を撃っていた魔導師をまた一人撃墜。
肉片と血液が飛び散って振ってくる。
「別に誰かに許しを求めて行動しているわけではないのでね。
そのようなことを言われても、だからどうした、としか言えないな」
迫りくる魔力弾を迎撃射撃。
そして、デバイスを振りかぶってくるエリオを迎え撃つ。
「そんなもので僕を止められると思うなァ!」
本人に飛翔能力が無いので、必然的にそれらに対処するには身体ごとデバイスを動かす必要が出てくる。
そして、それはスカリエッティにとって最も欲した隙となる。
「その程度で止められるとは思っていないさ。だから、こうするのさ」
虚空から飛び出した桃色の物体を、彼に放り投げる。
「きゃああ!」
「キャロ!?」
AMFの拘束によって自身に対する抗魔力が極限にまで低下しているキャロを召喚し、呼び寄せるなど容易なこと。
最も、これは拘束具にプログラムされた一発限りの手段なので、もう一度繰り返せといわれても不可能だが。
「フハハハハ、騎士殿! そのまま麗しき姫君と戯れていてくれたまえ。
戦場での愛というのも中々に乙なものだよ! 生命の危機は人の生殖本能を増大させるとも言われているしね」
そのまま、飛び去っていった。
エリオは魔法が一切行使出来ないキャロを慌てて抱え込み、そのまま一目散に戦場から離脱する。
バリアジャケットを纏っている自分なら上空からの殺傷設定の魔力弾にもある程度対処できるが、それが不可能なキャロに当たってしまえば、それは大きなダメージとなる。
自分のせいで彼女まで危険に巻き込むことは出来ない。
もう二度と、彼女を犠牲にしないと誓ったのだから。
身体に何度も魔力弾が当たるが、気にしない。
痛みに顔をゆがめることもしない。
それは、キャロを不安にさせてしまうから。
身体で包み込むようにキャロを抱えこみながら、エリオは戦場を駆け抜けた。

317Lyrical knights:2008/09/30(火) 00:56:26 ID:dimF8Fwo
戦闘機人との戦闘によってビルに叩き込まれ、粉塵が舞い、咳き込むが戦闘に支障は無かった。
『ティア!』
スバルの念話が響く。
『この状況で個人戦は不味いわ、合流を!』
そこまで言って周囲が青く囲まれる。
結界だ。
戦闘機人がやって来たようだ。
「残念でした。合流はさせねーっス」
やけに感情豊かな機人と
「………」
無言でその後に続くスバルみたいな機人。
これはピンチというやつだろう。
しかし、立ち止まっている余裕はあまり無い。
こうしている間にも事態は刻一刻と変化している。
自分たちをここまで運んでくれたアルトや、前線で戦う隊長たちに申し訳ない。
デバイスのカートリッジを確認する、十分魔力は篭っている。
深く息を吐き、気持ちを落ち着かせる。
焦っては上手くいくものも上手くいかなくなってしまう。
(……よし!)
柱に身を隠し、銃口を敵に向けた。
魔力弾を射出して、すぐさまアンカーによって場所を移動する。
相手は戦闘機人、攻撃に移った瞬間にこちらの位置など把握されてしまうだろう。
それを防ぐためには常に移動し続けるしかない。
階下から新たな粉塵が上がり、柱が砕ける。
その中を、導かれるように昇り、弾丸が煙を穿つ。
それを追う様に追撃を仕掛けてくる、双剣の戦闘機人。
先程まではいなかったタイプだ。
(戦闘機人が3人……これは拙い)
もう片方のデバイスをダガーモードに設定。
アンカーで上りながら、迎撃する。
足場が悪い以上、撃墜することは不可能に近い。
斬り上げてくる力を利用してさらに上昇の速度を上げた。
そこで、居てはいけない者を見てしまった。
変わらない黒い外套に、底の見えない暗い瞳、狂気を刻む口。
ティーダが、ビルの天辺でティアナを待ち構えていた。
二挺拳銃を階下に向けて連射。
計算しつくされた弾道は、あらゆる障害物に弾かれ跳弾しながらビル中を跳びまわる。
そして放たれる一発の銃弾。
それに引き寄せられるかのように全ての弾丸が、的向けて跳んでいく。
それは、幻想的な死の舞踏であった。
ティアナを追っていた戦闘機人の動きを止めさせるほどに冴え冴えするの銃技。魔弾の射手が、舞い降りた。
「セットアップ……」
起動したデバイスがティーダの右腕を侵食し、包み込む。
使用者の肉体と一体化し、形状を保つデバイス。
それは禍々しい雰囲気を放ちながら、一挺の銃と成った。
「撃ち抜け」
魔力の塊が、周囲の大気を巻き込みながら、結界を撃ち抜いた。
『戦闘機人はそのまま担当区域に向かえ。作戦は第二段階に移行した。
ここの押さえは俺が受け持つ』
『了解っス』
念話にて伝令を伝える。
各地にて勃発している戦闘行為。それに対処するだけの人数が、スカリエッティ陣営には無い。
少人数に、これだけの人数を投入する余裕は、無いのだ。

318Lyrical knights:2008/09/30(火) 00:56:56 ID:dimF8Fwo
外でティアナが目の当たりにした光景は、残酷だった。
スバルと、ギンガが戦っていた。
それも、ギンガはスバルを殺す気で攻撃している。
姉妹同士で戦うなんて、残酷だった。
しかし、その気持ちを振り払い、デバイスを握りなおして戦場に向かう。
多分、そこで見るのはティーダとの最後の別れだろうから。
過去との、決別の刻。

全身からの欲求が襲い掛かってくる。
目の前の存在を喰らえ、犯せ、と。
「黙れよ、機械風情が。この身体は、俺の物だ」
スカリエッティの改造によって施されたティーダの全身を駆け巡るナノマシン。
それらが侵蝕型デバイスの使用を可能にし、無尽蔵ともいえる魔力を延々と作り出す。
最もデメリットも存在し、それが性的な飢えと増え続ける魔力である。
魔力が増えすぎて許容量を超えた場合、リンカーコアが破裂し、肉体の内側から爆裂してしまう。
故に、定期的に魔力を抜く必要があるのだが、そもそもティーダには長生きをしたいなどという野望は無かった。
ただ、己の思いを果せればよいのだから。
そのために、彼等に協力している。
そのために、ここに自分は立っている。
(これは、俺の覚悟だ。奴らを殺すための、覚悟だ)
そのために、彼女と戦おう。
だから、邪魔をするな糞蟲。
デバイスを持ち上げ、銃口を定める。
「……兄さん、これが貴方のやりたかったことなの?」
背中を見せたまま問いかけるティアナに、是と答える。
やりたかったことではないが、成さねばならないことではある。
が、そんなことを説明している時間など無い。
ゆっくりと、ティアナがティーダの方に振り向く、その瞳には涙。
デバイスを堂々と構える。
その銃口には、先には無かった闘気が在った。
「なら、貴方を止めるわ。これ以上、犠牲者を増やさないために。
私は、ティーダ・ランスターという過去を、振り切る!」
今、失われた家族が互いに、譲れないものを賭けて戦い合う。

319Lyrical knights:2008/09/30(火) 00:57:27 ID:dimF8Fwo
「スバル! 私が援護に回るから、攻撃は任せた!」
「ティア! でも、良いの? あの人、お兄さんじゃ……」
スバルの言葉に、ティアナは首を横に振って答える。
ティーダ・ランスターはあのときに死んだのだ。
目の前の男は、ティアナの兄ではない。
その決意を感じ取ったのか、スバルも何も言わずに戦闘を開始した。
「全力をだせ……でないと俺には勝てない」
ウイングロードで空を翔るスバルを狙い撃つ雨嵐のような弾幕。
「私たちは絶対に勝つ」
ティアナはそれらを必死に相殺していく。
自分の限界を超えていたが、ここで力を振り絞らなければ何時そうするのだ。
「できるのならやってみろ」
スバルに向けていたデバイスの一挺をティアナに向けて撃ちまくる。
ティアナも同じようなフォームでティーダに向けて撃つ。
迎撃能力が半減したため、ティアナの迎撃を抜けてスバルにたどり着く弾も出てきたが、そこはスバル自身の魔法で防ぐ。
一人で全てをやろうとするのではない、これがティアナとスバルのコンビとしてのあり方だ。
「良いパートナーだ……これなら俺の役目も果せる」
ティーダの呟きは風に紛れて消えた。
その音は、スバルにもティアナにも聞こえず。
ただ、彼女の耳のみに届いた。
しかし、それに答える感情を、彼女は持っていなかった。
故にそれは彼女、ギンガの記録にのみ存在することば。
ギンガは、ただ無言でスバルと対峙する。
触れるだけで破壊を引き起こすスバルの拳をいなし、逸らす。
そのまま胴に蹴りを入れ、ローラーを最大回転させ、肌の上を走らせる。
「あぁぁぁあああぁぁ!!!」
皮膚と肉を抉りながら真っ赤な後を引く。
声をあげるスバルに、遠心力を聞かせた拳を胸に叩き込んだ。
吹き飛ばされたスバルが、ティアナに受け止められる。
その隙を逃さずに、ティーダの追撃がかかる。
BJを削っていくティーダの弾丸。
素肌が露になっていき、防御力も徐々に落ちていく。
「こんなところで私は終われないのよ!」
スバルを抱えたまま、必死に迎撃するティアナ。
それを超えて二人に迫る弾雨をスバルがシールドで防ぐ。
「それじゃ私たちの攻撃は止められない」
上空から急降下し、重力と共にシールドに拳を振り下ろし、砕く。
逸らされた拳がそのまま地面を貫き、四方に皹を走らせ、陥没させる。
マッハキャリバーを逆回転させ、ティアナごと後方に下がり、距離をとるスバル。
上空にギンガ、地上にティーダがデバイスを構えて佇む。
ティーダの魔力弾が双璧の如く迫ってくる。
左右どちらにも逃げることの出来ない状況。
それを、ティアナはダガーモードで魔力弾を一時的に受け止めることによって檻から抜け出した。
すぐさま転身、照準を一瞬で合わせて間髪いれずに発砲。
誘導弾の入れ混じった弾丸が、飛び交う。
「……接続」
そんなものをあざ笑うかの如く、光の矢が全てを一瞬で蒸発させた。
その光景を見て、萎えかける心を叱咤し、動き回って攻撃を続ける。
それと共に駆け抜けてくるスバルの打撃を、遠心力によって加速度を増したデバイスによる打撃で打ち逸らす。
「貴方は以前、一人で撃てないならと言った。
でも、私たちは決して一人で戦ってるわけじゃない!
私は、仲間と、パートナーを信じて、共に戦っている!!」
ティアナが吼える。
その弾丸が、頬を切り裂く。
その感触に、ティーダの唇がつり上がった。
「その覚悟、実に上等だ。
なら、その信念で俺に挑んで来い」
弾雨が、互いに穿ち、穿ち、砕き合う。
その数何十、何百と。
打撃の交差が、互いに鬩ぎ、往なし、鍔迫り合う。
その数、十数と。
この戦、不屈の心を持って渾身の攻撃を繰り広げるティアナ達の力と、
それらを持ってしても尚、倒れないティーダの鬼人の如き巌さ。
そのどちらが勝るかがそのまま勝敗へと変わる。
その交差は幾層にも重なり合い、濃厚な戦いの経験へと昇華させていく。
が、それも終焉を迎えようとしていた。
この戦の勝敗を分けたのは、有限と無限の差である。
すなわち、無尽蔵ともいえる魔力を精製できるティーダに対し、ティアナたちの魔力精製能力が追いつかなくなったのだ。
互いに膝を付き、地に這うティアナとスバルを見下ろすティーダ。
突きつけたデバイスの引き金を引くだけで、目の前の生命はその終焉を迎えるだろう。
だが、彼はその結末を是とはしない。
彼は、待っているのだ。奴らがその姿を現すのを。

320Lyrical knights:2008/09/30(火) 00:58:17 ID:dimF8Fwo
そして、それは後方からやってきた。
「やはり、お前がそうだったか」
彼らを消滅させるための特殊弾頭を何十と撃ち込む。
それは、動きを止めて、地に倒れた。
群青の髪が、無秩序に広がった。
「何故……」
少女に似合わぬ太い声がその咽喉から流れる。
「一度接続した以上、潜伏中の洗浄は不可能。
表層化した瞬間による根絶のみがその身を消滅させる業。
全ては、この時のために俺は戦っていた。
さぁ……死ねよ、最高評議会」
頭蓋に弾頭を撃ち込む。
断末魔の声が響き、別れた電脳の一部が消滅された。

倒れる少女、ギンガの腕を掴み、吊り下げるように持ち上げる。
混濁とした眼が、徐々に意思を灯し、目の前のティーダを認識する。
ギンガに流れ込む洗脳時の記録。
それが、記憶と一体化し、実感を持った経験として蓄積されていく。
全身が痙攣し、許しを求めるように咽が震えた。
絶望と怒りとその他諸々の感情を、現況たるティーダに向ける。
掴まれていない腕ゆっくりと伸ばし、その胸倉を掴む。
徐々に締め付けるそれを、振り払いもせずに、ただギンガを見る。
「貴方を……私は許さない。でも、ここで争っている時間も無い……。
ティーダ・ランスター、貴方を逮捕……します」
絶え絶えに告げるギンガ。
彼女を吊り上げていた腕が離され、そのまま押さえられるように倒れた。
身体の自由が今だ戻らず、その全身をもってティーダを拘束するように押し付けるギンガを、やはりただ見るだけの存在。
「ああ、それは非常に無価値だ。
この身はすでに人に、生者に在らず。
すでに朽ちた身故、後は骸となりて土に還るのみ。
と言いたいが、そう上手くいくものではないのが現実であるのも事実。
おそらくこの身は骸すら残らぬだろう。
故に、逮捕は無意味だ」
身体の崩壊が始まり、四肢の末端から砂状にとなった肉体が風に舞い、そのまま消えていく。
膨大な魔力の反動で、肉体が原子へと還っていっている。
完全な消滅が、彼の末路だ。
その結末は、ギンガの経験の記録に在った。
彼女は、彼がこうなることを記録として知っていた。
だから、これは別に驚くべきことじゃない。
彼は、その存在がこの時あったという痕跡すら残らずに消えていく。
それは、悲しすぎるではないか。
その気持ちは、哀れみであり、悲しみでもあり、愛慕でもあるのかもしれない。
「……君は本当に優しい娘のようだ。
敵の境遇に涙するなど、常識では考えられぬよ。
正義を語りたいのなら、悪は切り捨てて冥府に堕ちる事を切望すべきだ」
「救われない人は、存在しません。
それがたとえどのような人であっても……。私はそう信じています」
その顔を、何処かで見たことある気がした。
(これは……そう、確かあの時だ)
奥底に眠っていた記憶の渦から浮かび上がった過去の光景。
「ああ、なるほど……そういう事か」
あのときの痛み、その原因はこれだ。
彼女は、似ている。
かつて自分の夢を笑わずに、ただ聞いてくれた、肯定してくれた女性に。
恋慕にして、母性を求めた女性に。
だから、ギンガに求めてしまった。
その面影を。
「君は、本当に似ている……クイントさんに……」
結局、人というものを最後まで排しきれなかった。
その言葉を最後に、ティーダの存在はこの世から消滅した。
最後に彼が見た夢は、優しい夢。

321Lyrical knights:2008/09/30(火) 00:58:47 ID:dimF8Fwo
鋭槍が貫き、巌拳が砕く。
ゼストが疾風なら、レジアスは巨岩。
その不動たる戦い方は、見るもの全ての心に訴えかける力が感じられた。
ミッドの平和を構築、維持してきた具現の英霊。
誰もが空を夢見、悠久の海に飛び出していく中で、彼らの忘れていく還るべき大地を彼らの覚えている形で残そうと奮闘した日々が、駆け巡る。
「ゼスト、お前腕が落ちたのではないか?」
GDに回し蹴りを打ち込みながら、言い放つ。
「レジアスこそ迫りくる歳の波には勝てなかったか?」
そんな返しが返ってくることに、かつての自分たちの在り様を思い出させる。
迫る爪襲を、拳で迎え撃つ。
無傷ではすまないが、決して迎撃できないほどではない。
身を翻そうとする一瞬の交差に左を数発その華奢な身体に抉り込んだ。
「戦闘機人の肉体を弄しても、私の歩みは止められんぞ、最高評議会!」
勢いを止めずにコンビネーションを繰り広げる。
それを背後から撃たんとしていたガジェットを、ゼストの石突が砕く。
士官学校時代から続く縁の齎す阿吽の呼吸。
魔力資質が無く、それでも武官を諦めきれずに体を鍛えぬいたレジアス。
そして、そんな彼をあざ笑わずに協力し、その夢に共感したゼスト。
まさにその姿は天下無双の如く。
「貴様、わかっているのか!? 我々が居なければ、我々が導かなければ次元世界の平和は維持できないということを!」
「しかし、そのためにミッドを戦火に包むなど言語道断。
私が目指したのは皆が安心して還ってこれる大地を作り、護ること。
貴様等のように、争いを呼ぶコトを是とはせんのだ!!」
腹部に捻りを加えた強烈な右拳を叩き込んだ。
胃液が逆流し、骨が軋み、外部フレームに甚大な損傷が負荷する。
肉体の損傷が危険域まで達するが、それでも動くことを止める気配は無い。
肉体と精神が一致していない故、肉体が幾ら危険を訴えても、それを操る精神は損傷を受けることは無い。
極めて安全に攻撃できる方法。
しかし、実に非人間的。
そんなコトを思いついてしまうような奴らだから、レジアスは彼らの作る平和を認められないのだ。
刈取る刃が、右上腕に食い込み、そのまますべり込む。
身が凍るほどの鋭利さをもったそれが、肉の壁に鏡の如き断面を作り出した。
だが、それがどうしたと言うのだ。
たかが、右腕ひとつを失っただけ、彼にはまだ左腕がある。
一歩踏み出し、左腕を少女の首筋に突き出す。
手にするのは無針注射器、溶液は彼らを消滅させるための特性液。
「消えろ、過去の栄光に縋った愚者たちよ!」
圧によって射出されたそれは、精神体を蹂躙して一瞬のうちに消滅させた。

322Lyrical knights:2008/09/30(火) 00:59:17 ID:dimF8Fwo
意識を無くし、倒れたドゥーエの身体を床に横たえ、残りの魔導師とGDを掃討する。
指揮系統に乱れの生じた烏合の衆など、物の数ではない。
「ゼスト、お前はナカジマのところへ向かえ。
先程入った情報によると、彼女が現れたらしい」
そう言って、洗浄剤の入ったソケットを投げ渡す。
受け取ったゼストは、アギトとのユニゾンを解く。
「何でだよ、ダンナ!?」
「ここから先は、俺の戦場だ……すまないな、アギト。
お前には俺よりももっと相応しいマスターが見つかるはずだ」
この先のどす黒い争いに、純粋な彼女を巻き込むことなど、できるはずが無かった。
エゴとエゴがぶつかり合い、ヒトと言う生命体の醜い部分を目の当たりにして彼女の心に何らかの影響を与えてしまっては、死んでも死にきれない気持ちになる。
騎士とは、そういうものだとゼストは考える。
飛び去ったゼストを右腕の止血をしながら眺めるレジアスは、ため息をひとつ吐いた。
「人付き合い、というか女性の意を汲み取れないヤツだな、相変わらず。
最も、そういった愚直で硬派なところが魅力、と語る者も少なくなかったが」
かつての光景を思い浮かべて、笑みを零す。
あれで、もう少し緩いところを持ち合わせていたら、今ごろ子を生し、良き父で在っただろう。
そして、そんな男と笑いながら酒を飲み、互いに愚痴り合う。
そんな、美しい幻想。
「とは言え、あいつが此度死ぬ予定は無い。
これをあいつに渡してやってくれ」
ゼストに渡したものとは別のケースをアギトに持たせる。
「それはあいつの崩壊を一時的に止めることのできる薬だ。
この戦いが終わり、肉体の治療を終えるくらいまでの間なら、生きながらえることが出来る」
「つまり、この薬を飲ませればダンナはずっと生きていることが出来るんだな!?」
「さて、そこまでの効果が果たして期待できるのか。
しかし、やらないよりはマシだろう。
そこの娘を連れていってはくれないか、騎士よ」
扉の内側に立っていた烈火の騎士に問う。
「もう、ここはさほど重要な拠点では無い。
全ては終わっている、残りの舞台は空だ。
そして、飛べない私の手は届かない」
だから、君が代わりに終末を見届けて欲しい、と。
騎士と妖精は、空を舞い行った。
それを、また見送るのだった。
「それで、貴様はどうするのだ?」
「私としては、君の持つパスコードを使用して、一足に最高評議会まで行きたいのだが。
いかがだろうか」
また、ため息ひとつ。
自分の幸福はすでになくなっているのではないかと思わせるくらいに深い。
デスクの引き出しから、カードキーを取り出し、ボロボロの白衣とすす汚れたスーツを着た男に差し出す。
「くれぐれもしくじるなよ。このために我々は手を組んでいるのだから」
「その辺は抜かりないよ。仮に私が失敗したとしても、保険はかけてある」
そう言って、転送ポートを目指すスカリエッティ。
ドアを開いたところで、レジアスの方を向き、真面目な顔で告げてくる。
「そうそう、そこで横になっている私の娘だが……君の方で回収、というか保護しておいてもらえないかな」
「何故私がそんなことをしなければならない」
その答えに、暗く哂うスカリエッティの顔。
「何故? 君たちは女性に優しく、民衆に優しい管理局の方々じゃないか。
確かに、彼女は私の娘で、犯罪行為を行っていた“かもしれない”。
だが、それを立証することは現時点では不可能で、今起こったことも、彼女の意思ではない。
故に、彼女は君等が保護すべきミッドチルダの一市民である。現時点では」
「よくそこまで減らず口を叩く。
ああ、判った。元よりそのつもりよ。私は貴様と異なり、できるだけ失われる命を少なくしようとしているのだからな」
「ああ、それは素晴らしい心がけだと思うよ。理解は欠片も出来ないが」
哂い、笑う。暗く、卑しく哂う。
相手をいかにして傷つけることが出来るかを追求した哂い。
心にもないことを平気で語り、相手を苦しめる異常者が、そこにはあった。
いや、彼はそんなことを意識していないのかもしれない。
彼にとって、そんなことは当たり前すぎて。
如何にして主導権を握り、相手より上に立つかということを求められ続けてきた人格は、すでに無意識にそれを行う。
故に、彼は常に一人であった。
そして、それを異常とも思わず、孤独とも思わない。
「さぁ、では逝ってくるかな。物語の終末へと」
カードを通し、幕引きの合図を上げに逝く。

323Lyrical knights:2008/09/30(火) 00:59:47 ID:dimF8Fwo
 剛と剛がぶつかり合い、砂埃が放射線状に舞う。
必殺の右、連射の左。それを入れ混ぜたゲンヤの格闘殺法。
「ゲンヤ・ナカジマ、何ゆえ我等の邪魔をする。
これは管理局にとって、全次元にとって必要な行為なのだ」
彼と対峙するクイントの肉体が声を発する。
それが、酷くイラつかせる。
「関係ねぇ……俺はお前らがアイツの身体を好き勝手使ってるのが気にくわねぇんだよ!」
怒りを拳に乗せても、殴るのはクイントの身体なのだ。
それも、葛藤を生む。
「随分身勝手だな、管理局局員あろう者が。そのような愚かさは捨て去り、世界のために全てを切り捨てるべきだ。
それが管理局の本当のあり方。
戦力によって全世界を統治、それによって平和を齎す。これが管理局の目指す世界」
「それは平和じゃなくて独裁って言うんだよ! そんなご大層なお題目を掲げても俺たちにはどうでもいいんだよ。
ただ、家に帰ったら家族がいて、職場に行ったら同僚がいて、そいつ等と一緒に幸せに笑うことが出来る、そういった世界を本当の平和って言うんだよ!!」
だから、奴らの理想を実現させるわけには行かない。
それは、ゲンヤの理想に反するからだ。
雄叫びを上げて拳を、脚を繰り出し、血を流す心を振り切って攻撃をする。
その一撃一撃に、相手の命を奪う力が込められている。
ヘルメットがはじけ飛び、アーマーに皹が入り、機能が低下していく。
口内に血が流れ、全身傷だらけに成ろうとも、一歩も引かない。
自分のために、そして、彼の理想を理解してくれた彼女のために。
「人間としての心を、肉体を弱さとして捨ててしまったお前らに負けるわけにはいかないんだよ。
人として、男として、父親としてなぁ!」
右を、腹に抉り込んだ。
反動で骨に皹が入る。
そのまま肩、腿、四肢に打撃を撃ち込む。
「これで、終わりだ!」
捻りを加えた蹴りを、ガードした両腕の上から叩き込む。
互いに、骨が折れる音がした。

324Lyrical knights:2008/09/30(火) 01:00:27 ID:dimF8Fwo
管理局本局に、鋭い黄金の瞳が暗く光る。
最高評議会直属の研究機関。本局の暗部。公に出来ない管理局の闇。
全てはここから生まれ、そして死した後戻ってくる場所。
セキュリティは万全で、ミッドの如何なる魔導師でもここに侵入するのは不可能とされていた。
しかし、そんなもの彼にとっては壁にすらならなかった。
元々の魔法文明が異なるのだ、必然的に対処する方法も異なってくる。
ミッド、ベルカやその他レアスキルにのみ対処するよう設定されたセキュリティなど、ロアの魔術師であるメッツァーの前では無意味。
あっさりと侵入し、下魔と上魔、サキュバスなどの魔物を放ち、破壊活動を繰り広げていく。
駆けつける本局武官も、大量の下魔が相手で思うように進攻できず、進退を繰り返している。
ずらりと並んだ培養ケース。
なのはやフェイト、はやてにナンバーズ、カリムといった面々のクローン体がその中に浮かんでいた。
下魔たちは宝箱を破壊して、その中の宝物を蹂躙していく。
正規の手続きで空けられていないので、その命は儚く、数時間後には体組織が崩壊し、塵となって消えていく。
しかし、消えるには数時間かかるのだ。
そして、その間下魔たちがただ見ているはずが無い。
蟻のように群がり、生まれたばかりのその肉体を貪る。
肉体と知識だけは成人並に在る故に、その絶望はさらに深い。
悲鳴と嬌声、怒声と哀願の四重奏が奏でられる。
そんな中、一組の男女があるブロックの前に立っていた。
一際厳重な扉に閉ざされた空間。
「ココノ」
「はい、メッツァー様」
ココノが一歩前に出る。
「アイスウインド!」
両手から生じた冷気が、扉を氷結させ、砕く。
ひんやりとした入り口を抜けると、そこにあったのはある特殊な装置。
ソケットに納められた遺伝子が、厳重に保管されてあった。
これこそメッツァーの目的。
「全く、これに手を出さなければ長生きできたものを。
クルセイダー・ライトニング!」
稲妻が、機械を蹂躙し、遺伝子を破壊する。
あちこちから煙が上がり、炎が生じる。
電子機器は全滅、もう使い物にならないだろう。
「これで俺たちの目的は達成した。
そろそろ地上世界に戻るか。しばらくこちらの世界にいたからな。
ロアから送られた新たな魔法戦士が誕生しているかもしれない」
ゲートの魔法を使い、ココノ、サキュバスなどを連れてミッドチルダから転移する。
その後、大量の下魔が自爆し、研究所は跡形も無く吹き飛んだのだった。

325Lyrical knights:2008/09/30(火) 01:00:58 ID:dimF8Fwo
爆音を聞きながら、スカリエッティは作戦の最終工程が終了したことを理解した。
「さぁ、これで君等も終わりだ」
「貴様……我々を殺したら貴様も死ぬのだぞ!?」
最後に残った一人が喚く。
そんなこと判りきっている。
「残念だが、私も今更生き残る気などさらさら無いのだよ。
目的はひとつ、人間になることだからねぇ。その後のことなんて想像もつかないのさ」
「ふざけるな! 貴様なんぞの命と我々の命には比べるのも愚かなほどの差があるのだ!
死にたいのなら貴様が一人で勝手に死ね」
そんな彼らを見て、スカリエッティは醜さを感じた。
実に生き汚い存在だ。この程度の凡庸では、到底世界を手に入れることなど不可能。
ここで費えることが理なのだろう、もはや何か語ることも無い。
魔力糸で脳ミソをケージごと切断する。
断末魔も無く、長年管理局を支配してきた虚栄の老人たちはその生涯を終えた。
「後は……ああ、あれが残っていたな。
さて、どのように熟したか。楽しみだなぁ」
自分に嘲笑する。
最後のカーテンコールが、待っていた。

崩壊した、アジトに転移したスカリエッティ。
無論、そこには誰もいない。
おそらく、娘たちのほとんどは管理局、機動六課に保護、確保されたのだろう。
ルーテシアは母親共々保護され、ゼストもスカリエッティに従う義理はすでに無い。
なのははフェイトと戦闘し、保護され、リインⅡもはやて相手に奮闘したがその結果も空しく終わったようだ。
極めて順当な結果である。
スカリエッティ自身、端からこちらに勝機があるなど、微塵も思っていなかった。
ただ、最高評議会を潰すことだけを考えていた。
その点で見れば勝ちといってもいいが、全体で見れば立派な負け戦だろう。
「そして、最後の舞台に立つのは魔法使いと、幼き騎士だった。
しかし、その騎士は勇者だったのです。
なんて陳腐な物語だろうか。
私には作家の才能はなかったらしい」
背後から振り下ろされた兇刃を右手で受け止めながら話す。
「如何でもいいよ、お前のことなんか。
僕が望むことは唯一つ、ここで、僕に殺されろ」
赤髪の騎士が、殺意をもって殺しにかかってくる。
「それも悪くは無いが……私はまだ語り足りないらしい。
少なくともまだ私の存在を全て残し終えていない。
だから、君に殺されるわけにはいかないね」
嵐のように、鎌鼬が全身を微かに切り裂く。
血が流れるが、それでも致命傷ではない。
「誰もお前の存在を認めない。お前は生まれてこない方が世界にとって幸せなんだ。
お前は、要らない存在なんだよ!」
エリオの、そんな言葉もスカリエッティにはすでに痛みとして認知されない。
それは、スカリエッティが存在する上での根底にある常識。
人は呼吸をしなければ生きていけない、というのと同じくらい当たり前なのだ。
故に、それは彼を傷つける刃となり得なかった。
「模造品の君が言えたことかね? 確かに君はその存在自体は望まれて生まれてきた。
が、それは君自身に付随する価値ではなく、“エリオ・モンディアル”という固体に付随する価値ではないだろうか。
君がエリオ・モンディアルで在る意味が無くなったら、君は無価値となるだろう」
私と同じように、とスカリエッティは呟く。
破壊されずに残っていたライディングボードに飛び乗り、空中に舞上がる。
その後を、エリオがデバイスで追って来た。
全身を使った体当たりを、回避する。
魔力糸を捲きつけて叩き落そうとするも、その前に引きちぎられた。
勝負は互角だった……誰かが手を出さなければ。

326名無しさん:2008/09/30(火) 01:01:07 ID:kgsPvYwo
意味無いけど支援させてもらうぜwww

327Lyrical knights:2008/09/30(火) 01:02:04 ID:dimF8Fwo
打ち抜かれるライディングボード。
制御を失った鉄の塊は、落下するしかない。
その隙を見逃さず、エリオはスカリエッティの左腕を肘から切り落とした。
血を噴出しながら地上に墜落する。
下を見ると、機動六課の面々が駆けつけている光景が視界に入った。
落下するのも許さぬといわんばかりに追いかけてくるエリオを魔力糸で投げ飛ばす。
地面に墜落する瞬間に魔力を展開、右腕一本で逆立ち後、後方にはね跳ぶ。
切断された左腕が、スカリエッティと彼らの中間地点に落下した。
骨が砕け、軟体のようにへし曲がっている。
それが繋がっていた部位は、流血が激しく、少なくともこのままなら間違いなく死に至る。
「異界の友よ……君には感謝してもし尽くせないな」
転移させた下魔の細胞を、失われた左腕につき込む。
自身の肉体を侵蝕して、左腕を復元させた。
無論、そのようなことをした瞬間下魔の細胞が生き残るために意識レベルでの侵蝕も始まるというデメリットも存在する。
しかし、スカリエッティにその現象が訪れることは無かった。
下魔の細胞は自身が生きるために健常な母体の細胞を侵蝕、汚染していく。
だが、今のスカリエッティの身体にはそもそも“健常な細胞”など存在しない。
スカリエッティの身体は常に崩壊し続け、その歯止めは不可能。
故に、下魔の細胞も自身が生き残るだけで精一杯で、意識を侵蝕するだけの余裕をもてないのだ。
「さぁ、まだ終わっていないよ。続けようじゃないか。
互いの存在理由を賭けた惨めな喧嘩を」
人もどき同士が人であろうと足掻いて争いあうのだから、なんと惨めなことだろう。
如何がんばっても、完全な人には成れないと理解しているのに。
「機動六課の方々も止めてくれるなよ。
人である、確固とした己を持つ君等にはこの舞台に立つ資格すらないのだから。
これは、虚構同士の舞台なのだよ」
互いに飛びかかる。
右のデバイスと、左の下魔の腕。それはエリオのデバイスに打ち負けないほどの力をもつ。
一瞬の均衡、その後互いに反動を利用して距離を取る。
そこに飛来する射撃魔法の数々。それを銃で迎撃するも、これほど多くの魔導師が放ったものを一人で撃ち落せるわけも無く、不様に転がるように避ける。
急造の左腕は、そこで千切れ、崩れた。
「死ね! スカリエッティイイイイイイイイイ!!!」
エリオがデバイスごと、全身をもって突貫。
それはスカリエッティの腹を貫いた。
飛び散る血潮。汗によってすべり抜けたデバイスが、スカリエッティと共に森を削っていく。

328Lyrical knights:2008/09/30(火) 01:02:35 ID:dimF8Fwo
体勢に気を回している余裕など無く、エリオは顔を地面に滑らせた。
そんな彼を、回りの面々は驚きの目で見つめる。
「エリオ……なんで殺傷設定に……」
エリオが非殺傷設定を解除していたことに対する驚き。
それは酷く滑稽だ。少なくとも彼にとっては。
「あれは生きていてはいけない存在です。壊してしまう方が世界にとってよほど良い事。
悩むまでもありません」
そう、当然なのだ。あれは人ではない。唯のモノだ。
殺す殺さないの次元ではなく、壊す壊さないの話なのだ。
そこに、殺傷という概念は成立しない。
モノを壊したときに、殺すという表現を使う人間はいないのだから。
「確かにスカリエッティは悪人だ。でも、生きていてはいけない人なんていないんだよ、エリオ!」
「なら言い換えましょう。
あれは何の罪も無い一人の少女の人生を犯しました。
彼女の人生と、あれの人生。どちらが大切かなんて比べるまでもありません。
これは、断罪なんですよ」
そう言い切るエリオに迷いは微塵も感じられない。
理性を持って、相手を殺傷する。その姿は実に人間だった。
「それを決めるのはエリオ君じゃないよ……」
しかし、そんな彼を見ていられるほど、彼女は無関係な人では無い。
近づいて来る彼女を見て、エリオは驚きを露にする。困惑と言っても良い。
「君みたいな心優しい人があれみたいな存在に関りをもって汚れてしまう必要なんて無いんだ!
だから僕が代わりに」
そこまで言って、目の前まで歩いてきたキャロに頬を打たれた。
「私が何時そんな事をエリオ君に望んだ!?
言ったよね、一緒に進んでいこうって。先に行ったら嫌だよって。
なのにこんなことってないよぉ……」
涙が頬を伝う。
自分が不甲斐ないから少年に負担を背負わせてしまった。
ずっと自分を護ってくれていた騎士を、抱きしめる。
「ごめんね、ごめんねエリオ君。私が何時までも追いつかないから嫌になったんだよね」
「そんなこと無い! キャロは何も悪くないよ!
全部、全部僕が悪いんだ……君を護れなかった不甲斐なさをぶつける相手が欲しかっただけなんだ……」
エリオは自分の心の闇を吐き出した。
スカリエッティを絶対悪とすることで、何も出来なかった自分を肯定する転嫁。
そうしなければ自分はまた捨てられるのではないかと不安な気持ちに踏み潰されそうだったのだ。
でも、そうじゃなかった。
エリオには彼の全てを肯定してくれるかけがえの無い存在がいたのだ。
そのことに、エリオは涙する。
自分を優しく包んでくれる天使に感謝した。

329Lyrical knights:2008/09/30(火) 01:03:11 ID:dimF8Fwo
 その光景を、森から這い出たスカリエッティも目撃した。
手にしたデバイスが、酷く重くて、投げ捨てる。
そして自分を拘束する金色のバインドが、想像以上の力に感じられた。
「これ以上の戦闘行為は無意味だ。ジェイル・スカリエッティ、貴方を逮捕する」
「邪魔しないでくれないかな、フェイト・テスタロッサ。
先も言ったとおりこれは本物が出る幕じゃないのだよ。
これは、スカリエッティとエリオ・モンディアルという名前を受け継ぎ、容姿が酷似しているモノ同士の闘争なのだよ」
彼らがスカリエッティやエリオなのは、単に回りがそうであると認識しているからである。
そうでなければ彼らは彼らであることは出来ない。
共にオリジナルを模倣して、それに近づけるために作られたモノだから。
「その点、君は実に幸せ者だ。
元々はアリシア・テスタロッサを求められて作られたが、その名前を背負わされることは無かった。
アリシア・テスタロッサとは異なるフェイト・テスタロッサという個として君は存在している。
と、ここまで語ったは良いが、実際のところFの遺産がエリオ・モンディアルか否かなど私には関係ないし、判りもしないのだよ。
彼はすでにオリジナルの位置を奪い取り、オリジナルと成っているのかもしれないし、そうでないかもしれない。
所詮は“他人事”だよ。
ああ、他人事か……他人事、なのか。
ハハハ、喜びたまえエリオ・モンディアル。私にとって君は他人事らしい。
他人事、ということは君は人なんだそうだ、私の主観でも。
それに、君には無条件で存在を肯定してくれる人がいるようだしねぇ。
一応、こう言っておくよ。オメデトウ、私は君が実に羨ましい」
判ってしまえば簡単だった。
何故彼を見逃したのか、それはそこに自分では到達できないひとつの結末の兆しを感じたからだ。
表裏ほどの差しか無いにも関わらず、全く別の結末へと到達したエリオは、スカリエッティにとって憧れだったのだ。
(なんということだ……ハハハ、こんなときになって新たな発見があるとは。
素晴らしいねぇ、面白いねぇ)
血が足元に水溜りをつくり始め、目の前が徐々に霞んでいく。
眼球はすでに色を識別できなくなり、モノクロの世界が広がる。
これも、自分が人でないことを意識させる。
自分の見ているものは彼らとは異なる世界なのだ、と。
けれど、そんな世界でも色を持っている物体があった。
澄んだ蒼と、眩い白。これが、この世界に唯一ある色。
「なら、貴方は何なの? 私たちが人と言うのなら、貴方は一体何だというの?」
白い光が話しかけてくる。
彼女の姿は、記録に残っている。
「……スカリエッティとは記号、と言うよりも現象と言うべきだね。
果たして私で何人目のスカリエッティになるのか……境界が曖昧であるために断言は出来ない」
それが、全ての始まりだった。
スカリエッティとは最高評議会の生み出したモノ。
生産力でなく、想像力を生み出すためのパーツ、それが最高評議会の求めたスカリエッティの全て。
そのためには機械ではなく、閃きという心を持つ生命体でなくてはならなかった。
しかし、それは意思を持たせると言うことでもある。
自己意識というのは彼らにとって非常に厄介なものだった。
自己意識のレベルが高まれば、自由意志を求めて叛乱を起こす可能性がある。

330Lyrical knights:2008/09/30(火) 01:03:50 ID:dimF8Fwo
故に、彼らはそこに縛りを設けた。
「その縛りが寿命。平均にして5、6年くらいだろうか。
そのくらいで体組織が崩壊し、死ぬ。
その死が確認され次第、最高評議会の判断で次代のスカリエッティが先代の記憶を受け継いで目を覚ます、という現象。
だから、私達が君等に対して何らかの興味を持って接したことがあったとしても、私はそれを記録としか理解できないのだよ。
なぜなら、それは私ではない私が抱いた感情なのだから。
故に、全てに対してデジャヴを感じる。
なぜなら、それは他の数多のスカリエッティの内、すでに誰かが経験したことに過ぎないから。
それは自身とそれ以外の境界を実に曖昧にさせる。
“本当に自分は存在しているのだろうか?”と。
だから、私達は無限に欲望を求める。
それは、自分の存在を残すため。
自分と言うスカリエッティが居た事を証明するために」
「嘘だ! それが可能ならどうして、どうしてプレシア母さんは失敗したんだ!」
フェイトが吼える。
彼が言っていることは死んだスカリエッティをクローンとして蘇らせる方法。
それはかつて、プレシア・テスタロッサがアリシアを蘇らせようとした方法と酷似している。
「それはアリシア・テスタロッサがそういう風に作られてなかったからだろう。
さらにプレシア・テスタロッサの甘さが原因だな。
記憶を転写した時点では君はアリシア・テスタロッサと同一存在だっただろう。
しかし、その時点で誰か他の人間と関りを持ったことによって自我が形成された。
この場合の他者とはプレシア・テスタロッサに他ならない。
それゆえに君はアリシア・テスタロッサではなくフェイト・テスタロッサとという別固体に…否、アリシア・テスタロッサが成りえたかもしれない存在へと成ったのだよ。
完全に同一の人間を作りたいのなら、生まれてから他人と関わらせなければいい。
少なくとも自我を形成し終えるまで。他者という条件が無ければ、クローン体は受け継がれた記憶から、それに最も適した個を作り上げる」
そこまで話たところで、モノクロの風景に目を走らす。
蒼と白。
そのどちらもが実に愉快な顔をしている、その表情は……悲壮、だろうか。
それを見て、僅かにも自分の存在の証を見られた気がした。
「先代のスカリエッティは実に素晴らしい功績を残した。
生まれてすぐだった、ということと長年同じ事を続けていて最高評議会の行動が惰性となっていたという運にも恵まれていたがね。
今まで自分にしか向かっていなかった志向性を、初めて外に向けるということを行ったからだ。
その対象が高町なのは、君だよ。
これは革命だった。自分の世界に他人が始めて認識できると理解できたのだから。
そこに、人となりたいという欲望が生まれた。
そこで、今までのスカリエッティと違うスカリエッティが生まれる種が埋め込まれた。
そして、自分の存在を比較することが可能となり、結果私が最高評議会への叛乱を思いつくことが可能だった。
そういう意味では君は今回の引き金を引いたというのだろうか? まぁ、どうでもいい。
そして、私はその記録を受け継いで、最後のスカリエッティとしてこの場に臨んでいる。
他者に、これでもというくらいジェイル・スカリエッティを刻み込み、現象を人間へと昇華させる。
最後を飾るに相応しい舞台を作り上げた!
次を作り出さないように最高評議会を消滅、現存する全てのスカリエッティの破棄。
もう、遣り残したことは何も無い……数多のスカリエッティの無念を背負い、私は最後のスカリエッティとしての悲願を達成した!
私は“スカリエッティ”から“ジェイル・スカリエッティ”という個と成ったのだ!
ああ、楽しかったなぁ! ああ、興味深かったなぁ!」

331Lyrical knights:2008/09/30(火) 01:04:21 ID:dimF8Fwo
血溜まりが、赤く蒸発する。
二の腕に亀裂が入り、両腕が落下して、ガラスのように砕け散った。
後には、何も残らない。
崩れたところから、徐々に崩壊が浸食し、ボロボロと落ちていく。
髪の毛は砂のように。血液は気体へと。
「私の所業は語り継がれるだろう。
それこそが私の生きた証。人である証明。
ハハハ、悪くない道筋だったよ」
瞳を閉じ、これから訪れる崩壊を待ち受ける。
体験したことは無いが、記録としては何十回と経験した事象。
いまさら、恐怖を抱くことも無かった。
刹那、彼の肉体は氷に包まれる。
身動きもとれず、頭部だけが露出している。
「そんなの私は認めないです!
貴方が何人目のスカリエッティだとか、関係ないです。
リインにとってスカリエッティはジェイル・スカリエッティだけなのです」
スカリエッティに縋るリインⅡ。
その姿は神秘的で、止めるのを憚る何かが確かにあった。
スカリエッティの頬を撫でる優しい手の平。
「貴方は言いましたです、ずっと私の側から逃れないようにと。
だから、こんどは私があなたをにがさないのです。
ずっと、ずっとリインの側にいて下さいぃ……」
最後は涙で流れて、言葉にならなかった。
「私は科学者でね。祈り、願いの力なんて全く信じていないのだよ。
科学的根拠と、これまでの経験から私が死ぬことは必然」
リインⅡがどのように思おうが、スカリエッティには関係ない。
自分は最初から最後まで己のしたい事をして、そして死んでいく。
どんな被害があり、誰が被害を受けるかなんて関係ないのだ。
永遠の孤独を理解できない人として終える。
そしてそれはリインⅡにも判っていたことなのだ。
彼が、結局一人で逝こうとすることは。
乾燥してカサカサな唇に、瑞々しい乙女の唇が重なった。
別れの口付は、血の味がした。
「私もまだ貴方に死なれたら困るかな。
これも外してもらってないし、貴方に言いたいことも沢山あるもの。
それに主様にしなれたらモノである私はどうすればいいのか判らないし」
なのはの手が反対の頬を撫でる。
「管理局の技術なら、数日の解析で破壊するだけの理論を立てられるさ。
私の娘たちも其方側に味方しているようだしねぇ。
その感情は時が解決してくれるだろうね。万能の薬だよ、時間と言うのは」
それだけ言って、口が崩壊した。
顔が崩壊して、連鎖するように肉体が崩れる。
自分の手で堕とし、狂わせた少女と、先代の欲望を継承し、自らが成熟させた少女。
少なくとも、彼女等がスカリエッティの存在の証明となる。
計画は大成功だ、そう思いながら砂のように意識も零れて逝った。

332Lyrical knights:2008/09/30(火) 01:04:56 ID:dimF8Fwo
スカリエッティの死の間際、彼の背後に出現した空間の裂け目から現れた腕が、その胸を貫いた。
手の中に在るのは金色の光の粒子。
どうやって掴んでいるのかも理解できないが、それは中に飛び去ることなく掌の中に留まっている。
空間がひび割れ、大気が啼き、風が吹き荒れる。
無理やり異空間を侵蝕することによってそこに元々あった物質などが消滅。
それによって生じたエネルギーがそのような現象となって現れている。
空間の光が弾け、そこから銀髪の魔王が姿を現した。
「始めまして、となるのか?
俺の名はメッツァー・ハインケル。世界を支配する男だ」
光の粒子をケージに納めながら、彼は威風堂々と言い放った。
それを後ろに控えていたココノに渡す。
「ありがとうございます、メッツァー様。お蔭で準備は万端です」
「奴には未だ貸しがあるからな。それに俺の貴重な時間を浪費してまで加勢したんだ。
この程度の娯楽で死なれたら元が取れん」
メッツァーにとって、スカリエッティがどうなろうと構わないし、それに干渉する気も無かった。
しかし、自分が加勢したからにはそれなりの益が無ければ徒労となってしまう。
それは、実に面白くない。世界の覇者たる者が、顎で使われるなどあってはならないのだ。
そのためなら、相手の意思を無視するなど当然のこと。
ココノが彼らの前に立つ。
各々デバイスを構えたと同時に、光の壁が両者の間に奔る。
メッツァーが、腕を一振りして防護結界を展開した。
「ココノ、舞台は整えてやった。後はお前の演目次第だ」
ココノはメッツァーに礼を言うと、一歩前に出た。
「私たちが先程回収したのはジェイル・スカリエッティさんのマナに残された記憶情報、言うなれば魂とでも言うべき物質です。
幸いなことに彼の素体を確保でき、改修も先程終了しました。
記憶情報も劣化してません。
後はこの記憶情報の転写を行うだけで、彼はクローンとして蘇ります。
すでにやるべきことは終えたので、このまま立ち去ってもいいのですが」
スカリエッティがいた氷の前で膝をついていたリインⅡとなのはの前に立つココノ。
幾度と無く戦ってきた彼女達、そして自分と同じような雰囲気を纏っていた少女等。
尽くす存在を失ってしまう喪失感は、良く知っている。
そして自分に襲い掛かってくる無力感も。
だから、つい助けたくなってしまったのだ。
「貴方達が彼に尽くしていたのは知っています。
だからひとつ提案です。私たちと共に行きませんか?
そして再び彼のモノになる気はありませんか? 今度は永遠に。その命が続く限り」
契約を持ちかける悪魔とはこういった顔をしているのだろうか。
彼女等にとって、その甘言はとても魅力的で、逆らいがたいものだった。
すでにリインⅡの主は八神はやてではなく、ジェイル・スカリエッティ。
ずっと側にいると誓ったのだ。そして、そのチャンスが目の前にある。
なのはにとってもスカリエッティは唯一の存在だ。
永遠に彼のモノであると誓いを立てた。
その約束は、自身を縛り付けて放さない。
彼女等は伸ばされた手を、震える手で掴んだ。
「交渉成立、ですね」
次元の層がずれ、彼らの姿がぼやけ始める。
「リイン! なんで? なんでそっちに行ってしまうん!?
私らは家族やなかったんか!?」
「なのはも如何して!?」
はやてやフェイトの声が、リインⅡとなのはの心に痛く突き刺さる。
これは自身の罪の痛みだと、その罪を背負って生きていくと心に呟く。
「ごめんです、はやてちゃん。でも、リインはあの人をほっておけないですよ……。
あの人はとっても孤独で、寂しい人ですから。
私が幸せにしてあげたいんです。私が祝福を届けてあげたいんです。
私はあの人の祝福の風になってあげたいんです。
だから、ごめんなさいです」
泣きながらも別れを告げるリインⅡに、はやては涙した。
「ほんなら、次会った時は敵同士やな……。
手加減、せぇへんよ?」
涙声だが、確固とした意思の篭った声で告げる。
そんなはやてに、リインⅡは強く肯いて消えていった。
「私もリインと同じ気持ちかな。
あと、もう心が彼無しでは生きていけないんだ……ごめんね、こんな弱虫な私で」
「なのは……なら、私が護る! 私が貴方を護れるくらいに強くなるから! だから……!」
フェイトの言葉に、なのはは微かに微笑んだだけ。
言葉で止まれるなら、そもそもこんなことになりはしない。
誰も彼も、言葉と力で語ってきた。
だから、言葉だけでは届かない。
彼女達が消えた後に、風が一陣奔って消えた。

333Lyrical knights:2008/09/30(火) 01:05:33 ID:dimF8Fwo
その後、地上は一定の秩序と、微かな平和を手に入れた。
地上本部の展望室から、復興され行く街を見下ろすレジアス。
「あのようなことがあっても人の営みは止まることなく続いていく。
しかし、何処かに歪が生まれ、それを是正するために誰かが犠牲になる必要があるなら……君は誰を犠牲にするかね?」
騎士甲冑を纏ったはやてにレジアスは問いかけた。
「私は最高評議会という歪みを消すためにスカリエッティという悪を黙認して、それに連なる者全てを犠牲にして、世界、地上という益を得た。
その結果、君には非常に辛い体験をさせてしまったが、それによって生じる怨みも全て私は受け止める所存である。
といっても慰めにもならんか。実質、これは私が私を納得させるだけの建前でしかないのだから」
シュベルトクロイツの穂先をゆっくりとレジアスに向ける。
それは、振り下ろされる処刑刀の如く。
魔方陣が展開され、魔力が集まる。
それはレジアスを消し去ることが出来るほどの力があった。
しかし、それが放たれることは、なかった。
魔力をバインドに転換。レジアスを拘束した。
「貴方を殺してしまったら、私はもう止まれなくなる。
だから、私は私のために貴方を逮捕します」
泣きそうでいて、憎しみにも彩られた顔がレジアスに突き刺さる。
「なるほど、それが君の達した結論か。
英雄と言うには程遠い凡人の考え方だが、それが正解だ。
君は英雄という名の異常者になるには優しすぎる」
両脇を武官に拘束され、展望室を後にする。
レジアスの顔は、歳相応に老けてみえた。


 ミッドチルダ郊外にある墓地。
そこに、黒いスーツに身を包んだ男がひとり紫煙を一条上げていた。
それは弔いのつもりだろうか。口にした煙草から上る煙は、消えずにまっすぐ天に昇っていた。
「まさか2度もお前の遺体を目の当たりにするとはな。
これは娘を助けなかった俺への当てつけか?」
苦笑いを浮かべて墓石に話しかける彼の姿は寂しげで。
「勘弁してくれよ。これでもがんばった方なんだぜ」
持ってきた花束を、そっと供える。
彼女の好きだった花の花束を。
「じゃあ、また来るぜ。今度は“娘達”を連れてな」
携帯灰皿に、吸殻を捨てる。
紫煙は、すでに風に撒かれて消えていた。


 ある墓の前で、少女2人と、一人の男が立っていた。
壊れたデバイスを墓に納める。
先の事件で、その命を散らした男、ティーダ・ランスターの墓だった。
死体も残っておらず、唯一彼が残した物であるデバイスが、彼の遺骸となった。
「……蘇った兄は、どういう人でしたか?」
その妹、ティアナが後ろの二人に問う。
ゼストは、一時期ルーテシアの護衛をしていたティーダとの僅かな交流を思い出す。
それから導き出されるティーダの人物像。
「そうだな……奴は自分の事を復讐者と言っていたな。
最高評議会に、世界に、そして自分に対して。
だが、それだけがあの男ではない」
ゼストの言葉の続きをもう一人の少女、ギンガが引き継ぐ。
「彼はある意味スカリエッティと一番対極に居た人間です。
スカリエッティが人を求め、他者を必要としたのと逆に、彼は人を排し、孤独に力を求めた人でした。
でも、孤独になりきれなくて、その葛藤に常に苛まれていた人」
彼の本質に触れたギンガの言葉。
ティーダはどちらの存在にもなりきれず、曖昧なまま死んでいった。
どちらかに完全に振り切ることができたのなら、結末は変わっていたのかもしれない。
「そうですか……」
ティアナはそれだけを言って、再び墓石に向かった。
その姿から、心情は読み取れない。

334Lyrical knights:2008/09/30(火) 01:07:13 ID:dimF8Fwo
 管理局の研究部門にて。
「はい、これでおっけーのはず」
キャロに付けられたAMF発生装置の取り外しが行われた。
装置の解析、妨害装置の除去などを経て、ようやくのことだった。
「何か不思議な感じです。自由に魔法が使えるように戻ったのに、別に何も変わってないみたいで」
「ああ、うん……こういうのを言っていいのか判らないけど。
あの装置は言うなれば貴方専用の機械だったのよ。当人の負担にならないように魔法を上手く循環させて、阻害させてあった。
これだけの物をつくるのはよほどの天才じゃないと無理ね」
ばつの悪そうな顔をして呟く。
そんな女性に、キャロはにこやかに微笑む。
「でも、私これに感謝もしてるんですよ?
だって、これが無かったら、私は踏み出すことができなかった。
何時までも勇気が持てず、エリオ君の後を着いていくだけの存在だったかもしれないですから」
だから、感謝してるんです、と。
私に力をくれて。一歩踏み出す勇気を与えてくれて。
キャロは、迎えに来たエリオの横に並んで、歩き出した。
もう、手を引かれることも、無い。
共に、歩き出した。


 暗い世界に、光が差し込む。
それは闇を焼き焦がさずに、暖かく包み込む蒼と白の光。
それに導かれるように、空へと舞上がっていく。

覚醒する意識、岩戸のように閉ざされていた瞼が、徐々に開かれる。
初めに映ったのは澄んだ蒼と、淡い白。
そして、泣き笑顔をした、少女達の姿だった。
一体何があったのか、声を出そうとしたが無理だった。
それを見て、少女達の涙が零れ、自分の顔に落ちる。
「おはようございますです。今、紅茶の準備をしますね」
「ちょうどクッキー焼いてたところだったの。運が良いね」
そう言った彼女達の顔は、笑顔だった。

絆に、鎖に絡め取られたのは果たしてどちら側だったのか。

335Lyrical knights:2008/09/30(火) 01:12:11 ID:dimF8Fwo
はい、これでリリナイツ完結となります。
物語を終局に導くために急展開となってしまったです。申し訳なす
死に終わりも良いけど、おっさんよりも乙女の願いの方が神様も聞き届けます、これ真理。
メ様的にも、ある種ダブらせる光景でもあったのかなー、という考えでこういった結末。
ロアというか、メ様の技術なら完全クローンも可能だと!

と長々と語り、スレ汚し申し訳ない。
ここまで付き合っていただき、ありがとうございます。


 こんどはレジヴィータにドキムネです

336名無しさん:2008/09/30(火) 01:35:49 ID:Xc3AKydM
GJ!なんというか凄い大作でした!
レジアスをはじめとする男達が熱かったです。
最終的にスカ×リインⅡ・なのはだったんですね。
快楽の絆が素敵でした。
この世界、これからの変化が楽しみですね。
魔法によらない技術や評議会の消滅で
権力のバランスも動くでしょうし、海自体戦力が減ってそうです。
最終的にはやて達は評議会というか管理局の実態に気づけたんだろうか。
最後の少し前にスカが一度死んだ時、悲しくなりました。
BADエンド?系は見ないようにしているので。
だから終わりでスカとリインⅡとなのはがくっついたのはとても嬉しかったです。
感動しました。
メ様、流石です。

最後のはレジヴィータは新作の予告でしょうか。
でしたら期待してます。

337名無しさん:2008/10/01(水) 14:55:14 ID:CBR4MOb.
誰かいないかなー?

338名無しさん:2008/10/01(水) 19:44:44 ID:AzOt1622
ポロッと出た妄言がここまで完成された形になる感激を何と表わせばいいのか……そうかGJだ!!
そんな中で印象に残ったのが「ティアナはスカの好みじゃない」ってどうよ自分ww
ともあれ、これからスカはメ様に恩を返しつつ二人の愛奴隷の為に生きると。
家族と親友を奪われ後始末を押し付けられた誰かさん達と違って幸せそうだw



レジヴィータ…そんな、まさか。ねぇ?w

339名無しさん:2008/10/02(木) 05:24:24 ID:NMnsxaDk
スカ×リインⅡの話をしてた頃は
こんな素敵なSSになるとは思いもしなかったな。
スカが売店のおっちゃんなところが個人的に素敵。

340<頭を冷やしてもらったの>:<頭を冷やしてもらったの>
<頭を冷やしてもらったの>

341名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/07(火) 23:04:50 ID:e2Qz2XTk
雑談スレのほうでデバイス擬人化とか
武器のまま愛するなんて話が出てたので、
ユーノ×レイハとか想像してしまった。
どうやったらエロに結びつくかはわからないが・・・。

342名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/08(水) 08:36:27 ID:lJ0ydDfM
そうだな・・・物が擬人化だから
ライクライフあたりがいいかも、クロスネタとしては。

343名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/08(水) 14:11:01 ID:GhEdaqjU
レイハってユーノのこと好きじゃなさそうだから、
その辺苦労するかも。

344名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/08(水) 14:16:14 ID:A3shu6bU
なら、ランスの日光さんみたいに契約方法がアレになるとかどう?

345名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/08(水) 14:27:06 ID:GhEdaqjU
良いかんじがする。

346名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/08(水) 14:58:32 ID:GhEdaqjU
デバイスとの恋が見てみたいなと思ったら、
リインⅡもデバイスだった。でも元々人型だしなぁ。

347名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/08(水) 15:33:39 ID:ImX2FEkE
けど、擬人化するともともとのキャラが無いからオリジナル系になってしまうのが難点。
リインⅡは人格もあって、キャラとして成立してるから動かしやすい、ってのがあると思う。

348名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/08(水) 16:58:56 ID:1baxL6JU
なるほど、確かに。
じゃあ武器の姿のまま愛するべきか。
戦闘妖精雪風みたいな感じでデバイスとの恋愛をするとか。
でもそうしたらエロがないなw
物質的なエロさではなく精神的なエロさを目指せば良いかな。
なんか魔法でも使って精神的に繋がるとか。

349名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/08(水) 18:17:02 ID:qR3gLAl6
それもありといえばありだが……やっぱきついよなw
レイハと精神的に繋がったとして、どういう反応をするのかがやっぱ作者によって違うだろうし。
出来るだけ感情を排してる感じだからなぁ、デバイスって。

しかし、仮にデバとそういう関係になれるとしたら、デバイスファッカーとか言われて、
異常性癖とかにされそうだなww

350名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/08(水) 18:24:06 ID:pjPuBcfk
その分デバイスと相性が良くなって強くなれそうだw
管理局がそういう強化を推し進めていったら面白い組織になる。
でも魔導士の結婚率とか出産率が減ってしまうw

愛の力で強くなるのは王道だねw

351名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/08(水) 21:46:18 ID:nBc6SVUQ
どうやってユーノとレイハが仲良くなるのか
考えてみたが、無印でなのはと出会わず、フェイトと戦って負けて
ユーノ・レイハがフェイトに勝つために協力するようになる、
くらいしか思いつかないな。

352名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/09(木) 14:43:37 ID:EKVseO/I
魔法少女物って性行為で魔力供給ってのが多いな。

353名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/09(木) 15:27:58 ID:Cm/O196Y
それは一種のお約束だからなw
性魔術とかも実際にあったし。
タントリズムから始まってワルプルギスの夜やサバトに至るまで。
生命を誕生させる性行為を膨大なエネルギーと捉えて、それを魔術的に流用、って感じかね。

あるいは自分で生成できる量以上が必要だから、他者から貰う、とか。

354名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/09(木) 16:38:33 ID:3O1q4ZNs
使えそうな設定だなw
魔力供給以外にも性的交感による精神の高揚を利用して、
魔法の威力を高めるとか。
上で言われてるデバイスとの精神リンクもそういう方面なら
考えられそうな気がする。
女デバイス×男魔導士か男デバイス×女魔導士が推奨されるんだよw
だから次第に人間っぽい性格のデバイスが増えていくとか。

355名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/10(金) 01:30:43 ID:dZUphJY6
最近スカが魅力的なキャラに見えてきた。

356名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/10(金) 01:34:32 ID:HtM38Qts
まぁ、スカは魅力を秘めていたからな、ポテンシャル的に。
使い方次第では如何でもいける美味しいキャラだw

357名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/10(金) 01:41:21 ID:dZUphJY6
他の男キャラと違って攻めていけるタイプだしね。

あんまり関係ないが今日、
ヴァイスがゴルゴ13的なキャラになることを想像してしまった。
妹の目の治療費を稼ぐため。
あれってエロも出てくるし、クロスできそうな気がする。

358名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/10(金) 01:51:49 ID:HtM38Qts
>>357
期待している。

個人的に、攻め脅迫陵辱担当がスカ先生とレジ様とグリフィス
純愛担当がゼストの旦那とゲンヤ兄ィ、ティーダさん
痴漢や覗きなどの特殊系がヴァイスとヴェロッサ
波乱万丈担当がユノとクロノ
獣担当がザッフィー

って感じかにゃ〜

359名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/10(金) 01:55:46 ID:dZUphJY6
>>358
やっぱりグリフィスは攻めキャラだと思うよねw
なんというか鬼畜な印象がある。
でも奴が活躍する話はイメージしづらいんだよな。
地味はことやってるキャラだし。
六課キャラを堕落したりするんだろうか。

360名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/10(金) 02:08:32 ID:HtM38Qts
>>359
とりあえず、六課の運営資金とか、裏工作を納めた証拠物をちらつかせてはやてを脅迫、とかは思いつきやすいよな。

「しかし……これを見てもそんな態度で居られますか?」
俯いたグリフィスの眼鏡が、卑しく閃く。
彼が示した物は、六課を設立するために行ってきた様々な行動の記録だった。
唯でさえ地上本部に睨まれている今、これらの証拠が彼らに渡ったら部隊の不利益になることは容易に考え付く。
唇をかみ締め、拳を震わせるも、彼女には彼の提示した条件に従うほか無かった。
部隊の皆に、迷惑は掛けられない。
彼女は、部隊長なのだから。
「大丈夫ですよ……貴女は僕が大切に、大切に壊してあげますから。
僕が居なければ、生きていけないように」
そんな彼女の耳元で、グリフィスは怪しく囁いたのだった……


みたいな?

361名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/10(金) 02:11:28 ID:dZUphJY6
おおwいい感じですなw
このグリフィスならスカ・レジアスとも張り合えそうだ。
巻き込まれる六課が可哀想になるがw
カリムも攻略できるかな。彼女、好きなキャラなので。

362名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/10(金) 02:28:21 ID:HtM38Qts
カリムか……グリフィスじゃなくてヴェロッサの方がいいかもな。
接点もあるし、あの頭の中を覗けるレアスキルはある意味凶悪w

でも、あえてグリフィスでやるとしたら……

目の前に緊縛され転がされている聖女。
胸元から衣を引き裂かれ、肌理細やかな美しい肌が露出される。
教会の人間も、まさか自分たちの膝元で、お仲間が犯されそうになってるなど夢にも思うまい。
「実に、容易でしたよ。六課の関係者ということでこうもセキュリティが甘くなるとは……
やれやれ、本当に貴方たちは人が良いというか、愚かというか」
片手で眼鏡を外しながら、言い放つグリフィス。
彼がはやての次に目をつけたのが、教会の重要人物であるカリム。
その能力から、多くの他者と関わることも無く、間違いなくお嬢様。
そんな彼女を汚すことに、彼は何とも言えぬ恍惚感を感じた。
「僕の腕で、掌で貴女を虜にして見せますよ。
貴女に、信仰と異なる天国、神を見せてあげましょう」
そういって、性器に指をなぞらせた……


こうかね?

363名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/10(金) 02:33:17 ID:dZUphJY6
短時間でここまで書くとは凄いですねw
しかし純愛物とはどんどん遠くなっていくなぁ。
快楽の絆みたいに仲良くなれないだろうか。
ヒロインに尽くされる主人公ってのが良いです。
最後は仲が良いのが素敵ですね。

少し話はずれるけど、スカ×ルーテシアって魅力的かなって思う。

364名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/10(金) 02:38:48 ID:HtM38Qts
ごめww こういう関係って大好きなんだww
スカテシアか……
しかし、そうなると母親関連がどうなるか、だよねぇ。
まぁ、ルーテシアもドクターをそんなにきらいじゃないって言ってるから可能性としてあるのかもなぁ。
でも、純愛でいくと、スカはガチでロリだよなぁw

365名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/10(金) 02:43:06 ID:dZUphJY6
ロリだねぇwでもスカならロリでも不思議じゃないかもw
無論ロリ以外でも何でもいける。
ルーテシアは実はドクターの為に戦ってるとか健気でw
母親にはあまり感情を持ってなくても不思議ではない気がする。
あの年齢では良く覚えてないんじゃないだろうか。
いつスカの元は行ったのかは分らないけど。

366名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/10(金) 02:49:43 ID:HtM38Qts
いいなぁ……スカw
ルーテシアの健気な想いとか。
となると、スカもまとも人間というか、ある程度の常識を持った人間の方がいいかも。

367名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/10(金) 02:55:03 ID:dZUphJY6
スカは偏りすぎた異端の人間だから、
バランスとってくれるようなキャラが似合うのかも。
つまり常識的なキャラ、しっかりした献身的な副官が必要なんだね。
スカ以外の男キャラには副官って似合いそうにない気がする。
独力で自立しているというか。

ルーテシアの健気な思いに、
神が時空を捻じ曲げスカ勝利エンドへ一直線とかw
なんというかああいう子の愛情で勝利するのは王道なのですw

でもキャロでもいけそうだな。
管理局に拾われる前に拾ってしまえばいいわけだし。

368名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/10(金) 02:59:56 ID:HtM38Qts
最終決戦はガリゅー、白天王とのガチバトルですねw
お嬢との仲を認めて欲しければ我等に勝って見せよ!

369名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/10(金) 03:02:00 ID:dZUphJY6
それは戦力的にきついなw

370名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/10(金) 03:10:31 ID:dZUphJY6
いつかレジアスルートの話があったが、
かなりきついルートだった。
これをクリアするには18禁要素が必要かも。
具体的には思いつかないが、魔法と性行為って相性良いみたいだし。

371名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/10(金) 11:26:26 ID:3pS2ci1k
レジ様か……プリマヴェールタイプでいくか、エスカレイヤータイプでいくか、的な感じかねぇ。
あとはなんか能力ぶっつけるか

372名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/10(金) 22:57:21 ID:oNtHRJDs
ウィザーズクライマー方式はどうだろうか
レジ様とにゃんにゃんすると魔力が上がるよ!的な

373名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/11(土) 02:26:09 ID:UN0tAd4.
しかし……幾らなんでも魔力のためにちょめるかね……!!
とここまで考えて突貫娘っ子、ゲボ子様なら行くのかもしれないと夢想。
なのは辺りがやばくなって、はやてもダメダメな状態ならやるやもしれん……
おお! レジヴィータの構想が決まりつつあるぞ!!w

374名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/11(土) 03:09:50 ID:OLqdDRVs
みんなの為にヴィータが頑張る話になるのかな。
健気だw

375名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/11(土) 03:23:36 ID:QBUS.tE.
最初は魔力の為にみんなの為に嫌々の渋々
でも徐々に手段と目的がすり変わっていくんですね解ります

しかしレジ様、バレたらスカと関わってた以上に犯罪者扱いされね?ww

376名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/11(土) 11:02:47 ID:q0FgwnHQ
レジ様は『覚悟』している人だからな……
犠牲の心ではないと『理解』しているからな……
犯罪者として刑に服し、謗りを受ける覚悟もあるだろうよw
もっとも、そうなったとき一番悲惨で、損するのはオーリスだけどなww

377名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/11(土) 16:52:10 ID:z96Xj.K2
個人的にゼストとかよりレジアスやスカのほうが好きだったりする。
良い人ってモテないらしいし、同じような感じだろうか。

378名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/11(土) 20:45:58 ID:NNR77vdk
単純に出番の問題だったりしてw

まぁ、あれだろ。
スカやレジ様に比べれば、ゼストは恵まれてるからではないだろうか?
目的達成も何もなくぬっころされたレジ様と、ホームランで訳判らず捕まったスカに比べれば、
騎士として死ねたゼストはある種幸せだろ。
あと、立ち居地的に、どちらにも容易に着くことが出来る辺りが、物語の主人公的にあまり面白くないw
途中で裏切ったとしても、ああそういうことも出来るよねぇ、で終わりそうだしなw
悪役度が足りないのですよ!

379名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/11(土) 21:40:21 ID:YIKorfJ6
主人公には苦難というかリスクがなければいけない、
ってことかな。

リリカルキャラにメイド服着せてみたいな。

380名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/11(土) 21:43:27 ID:P/viN6XE
メイド……おしえてReメイド……ベルティ!

381名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/11(土) 21:45:03 ID:YIKorfJ6
フェイトとか似合うと思うんだ。
尽くすの好きそうだし。

382名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/11(土) 21:47:01 ID:P/viN6XE
なんかなぁ……
無印と、ASでは尽くす系として妄想は出来るんだ。
でもSTSだと、なんか南斗星みたいなキャラとして妄想してしまう。

383名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/11(土) 21:49:45 ID:YIKorfJ6
なるほど。ならキャロ・ルーテシアとかかな。

カリムもいけるかもしれない。
性格の描写が少ないから。

384名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/11(土) 21:53:18 ID:P/viN6XE
ふむふむ……
朝起きたエリオぼーいの目の前にメイドきゃろとメイドるーてしあ、が居るのか。
そしてそんな彼らを物陰から見るフェイトそん。

カリムは表Sで潜在Mって感じかなぁ……苛めてぇ!

どっちにしてもウマーですねw

385名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/11(土) 22:02:02 ID:YIKorfJ6
資金稼ぎに六課をメイド喫茶にするとか思いついた。

386名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/11(土) 22:11:42 ID:P/viN6XE
それ、間違いなく査察で言われるなww
公務員(?)がバイトしたら不味いだろwww

387名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/11(土) 22:16:31 ID:YIKorfJ6
何らかの理由で経営難に陥ってしまっての苦肉の策なんだよw

388名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/11(土) 22:22:10 ID:P/viN6XE
経営難になってる時点で地上もヤバイなwww
むしろ、翠屋ミッド支店でも作った方がいいかも
んで、裏でメイド喫茶的なものを……

389名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/11(土) 22:23:47 ID:QBUS.tE.
メイド服をバリアジャケットにすれば緊急時の出撃にも対応できるな
経営難ならメイド制服の新調やクリーニング代なんかも惜しいし
何故か派閥争いに疲れた偉いさん方が入り浸る光景が……w

390名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/11(土) 22:29:29 ID:YIKorfJ6
裏で高価格のメイド喫茶やったりw
風俗店でも良いが。
SSにしたら主人公になって六課を運営していく話になるんだろうか。

391名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/11(土) 22:35:37 ID:QBUS.tE.
新人たちの六課入隊理由も変わりそうだな
ティアナは兄が借金を残して蒸発したからとか、キャロは故郷で売られたとかw

392名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/11(土) 22:38:22 ID:YIKorfJ6
キャロ・ティアナはそんな感じだろうな。
スバルは分らないが。
エリオはどうなるんだろう。裏方?

393名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/11(土) 22:45:10 ID:P/viN6XE
ホモしょた狙い……か
もしくは幼ホスト

394名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/11(土) 22:51:06 ID:QBUS.tE.
そっちではザッフィー大活躍しそうだ
ショタ(子犬応用)にアニキ(通常)にバター犬と

395名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/11(土) 22:51:38 ID:YIKorfJ6
なるほど。あるいは主人公の補佐かな。身の回りの世話というか。

Brightiaみたいに一流のメイドに調教とかしてみるとか。
あれはメイドではないが似たようなかんじで。

Brightiaで思ったけど、危険なほどの力を持つ高位魔導士が、
要職についたりできるのは、調教&洗脳されてるから、なんて思いついた。

396名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/11(土) 22:52:22 ID:YIKorfJ6
>>394
ザッフィーは特殊プレイ用かな。

397名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/12(日) 16:01:26 ID:feywCUZg
調教師レジ様だって!!??
なるほど……その手腕で地上のトップに着いたのか。
戦力で悩んでいるのはブラフ、本局の要職についている魔道師はほとんどレジ様の調教済み。
彼の一声で、全てレジ様の配下に!

398名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/12(日) 21:24:22 ID:e2q8QBg2
凄く良い案だなw
本局が引き抜きそうな奴を調教していたのか。

399名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/12(日) 21:49:33 ID:.fIVKE.E
さらに自身が悪であることを理解し、それによって生じる全ての因果を受け入れる覚悟を持って、突っ走る。
全て自分のエゴであると言い切るのです。
カリスマだなぁ……レジ様

400名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/13(月) 01:48:36 ID:5w5f2gL.
凄いカップリングが作れそうだw

401名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/13(月) 20:45:41 ID:tnZV1nZk
調教して自分の部下にするっていうのが素敵だな。
物語にしたら、はじめは嫌がってたのが
次第に服従し始める感じになるんだろうか。
選択肢で愛奴と性奴に関係が分かれる。

402名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/14(火) 21:22:13 ID:K/uOeRYs
快楽の絆ですね、解ります
しかし引き抜かれる数だけ調教するとなると通常業務にも支障が出るんじゃね?w
それこそ分刻みのスケジュールで調教ローテーションを組まないと

403名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/14(火) 21:58:50 ID:4tkmJD4M
レジアスだけで調教してるんじゃなくて、
調教専門の局員がいるのかも。
外部に委託するのもありかもしれない。

勿論レジアスが超人的な能力で
殺人的なスケジュールをしている可能性もあるが。

404名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/14(火) 22:15:46 ID:K/uOeRYs
なるほど、下魔的な感じで低ランク魔導師が反抗的なのを延々と、か
AMFを発生させる首輪とかそんなので拘束してw

405名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/14(火) 23:52:13 ID:sLaPaB0k
そのための陸士学校ですよww
と言ってみる

406名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/14(火) 23:54:39 ID:sLaPaB0k
けど、レジ様の超人的体力と、処理能力、テクニックで殺人的スケジュールを可能にしている!
という設定も美味しいなw

407名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/15(水) 00:00:26 ID:5Ev1yURc
管理局に従順な魔導士も作れるし一石二鳥。
なるほど、犯罪者を雇用しても問題ないのは調教で
洗脳してるためか。

>>405
陸士は調教を受けてるのかw
管理局は調教がデフォルトだと素敵だ。

408名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/15(水) 00:03:24 ID:CsFbj60Y
>>407
そしてそのまま本局へのスパイへとなるのさ……忠誠はレジ様に誓っていて。
管理局、というか本局は調教する必要性がないからなぁ……ほっといても人来るしw
だから、レジ様が禁断の術を無限書庫の禁書庫で発掘。
調教によって内部勢力を構築ですよ!

409名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/15(水) 00:06:34 ID:5Ev1yURc
個人的にレジアスには管理局のあり方を
変えてもらいたいなと思ってる。

本局のエースを調教で落とすのもありだな。
意外な人物がスパイ。

410名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/15(水) 00:18:51 ID:CsFbj60Y
ゲンヤオジサマか……スパイは

411名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/15(水) 00:21:35 ID:5Ev1yURc
調教の過程で愛が目覚めるというのは好きだな。
快楽の絆ってことで。

412名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/15(水) 00:38:05 ID:CsFbj60Y
俺もだw
個人的にジャスティスは
スカリインⅡ、レジヴィータ、ゲンギンガ、ゼスチンク、かなぁ……
大勢をあいてにするんじゃなくて、こう、一人を徹底的に自分のモノにする、って関係が好っきー

413名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/15(水) 00:42:08 ID:5Ev1yURc
ゲンギンガがちょっと異色だなw親子って。
調教後は副官になってもらいたいな。

しかしはやては家族がザフィ以外女ばかりである意味不幸だ。
リインⅠを調教するSSを読んでみたいけど、
流石に難しいだろうか。

414名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/15(水) 00:44:32 ID:CsFbj60Y
>>413
ほら、クイントさんに似てるし、血は繋がってないしw
こう、来るんじゃね!? みたいな。
もしくはギンゲンヤでもいいね。

リインⅠを調教……つっても大人な男が出てこないしなぁ、ASw
グレアムのおやっさんならやれんでもないかも知れんが

415名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/15(水) 00:45:49 ID:5Ev1yURc
クロス先の主人公に任せるしかないかな。

416名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/15(水) 00:51:56 ID:CsFbj60Y
となると、あれだな。
リインⅠは古代の魔法の遺産ということにして、
こう、狂気とかそういった感じの魔法使いが調教で屈服させる感じか。
……ヴォルケンも池そうやな。

クロス先は……エウシュリー作の冥色の主人公、イグナートとかいいかもしれん

417名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/15(水) 02:21:10 ID:B/IGMWs.
レジアス=メッツァー、オーリス=ココノ、ミゼット=クイーンティアナなんてどうだろう。

418名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/15(水) 04:07:43 ID:CsFbj60Y
近親相姦じゃねぇか!www やばいってww

419名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/15(水) 11:02:20 ID:npUUEeOM
>>416
イグナートだったら最終的にはやての身体を乗っ取りそうなんですけど
Asの時に来訪して魔法少女達を――やっべぇ、ロリコン過ぎる

420名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/15(水) 14:15:12 ID:MEsDoMAY
そういえば、ヴィヴィオってまだ話題に上がってないな。

421名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/15(水) 16:29:59 ID:tjhzWXcE
>>419
彼は破戒の魔人だからなw そんなの関係ないのだろう…

>>420
扱い辛いからだと思う

422名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/15(水) 21:58:38 ID:CmzOCytw
ならセオビット(三女)がヴィヴィオを玩具感覚で性的に悪戯すればいいんだよ!w

423名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/16(木) 22:29:18 ID:Xh/TEKqk
なんか管理局には調教師って役職がありそうだな。

424名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/17(金) 02:35:41 ID:Ik9ihj.I
最高評議会がトップで、レジアスが隊長の部隊ですね、流れ的にw

425名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/17(金) 16:25:10 ID:Rk0lSYug
調教された魔導士は通常の魔導士よりも強くなるとか。
無論敵前逃亡などありえない。

レムティアのOP曲はちょっと変な感じだが、
OPに出てくるメ様は格好良いな。

426名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/17(金) 20:54:44 ID:cjsn9.us
基本的に男が攻める話が多いんで、
女が攻める話を探してみたが中々ないな。

427名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/18(土) 01:29:34 ID:s5dJsdsc
つまり、リインスカや、ヴィータレジなどをお望みと!?

428名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/18(土) 05:00:41 ID:Ay7Jjf1A
凄いカップリングだなwフェイトとかなのはは想像したが。

429名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/18(土) 07:11:13 ID:7wWU4KzQ
チンクお姉さまがゼストの旦那を攻めるのもいいよねぇ……萌へ

430名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/18(土) 18:05:16 ID:fOESvvBk
フェイトって依存心強そうだから、
上手くすれば、尽くすキャラになるかもしれない。

431名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/19(日) 00:03:02 ID:PNA0jFZw
レジアスが調教してたらオーリス複雑だろうな。

432名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/19(日) 03:14:37 ID:uyRTbEbI
>422
オセロット(MGS)がヴィヴィオを玩具に、に見えた。

433名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/19(日) 14:29:01 ID:/fbXCaPc
ヴィヴィオがエリオを足コキするのを妄想してしまった。
三回に一回は聖王モードで。

434名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/19(日) 15:08:43 ID:A1bonq8.
ヴィヴィオのテクすげぇなww

435名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/19(日) 16:32:12 ID:/fbXCaPc
高速データ収集の賜物w弾切れになりそうになるとキャロのブースト魔法を使い、
ある部分を活性化で終りなしwww

436名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/19(日) 17:17:57 ID:WHmjcUL.
なんつうか、腹上死しそうだなww

437名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/19(日) 19:43:09 ID:uPdtTPm.
性王だなw

438名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/19(日) 21:19:04 ID:9a3X0XC2
メ様にとってのサキュバスみたいなキャラが、
レジアスやスカにもいたら良いな。

439名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/20(月) 02:58:02 ID:meoojaE6
性交で魔力補充と、調教部隊云々を掛け合わせて妄想。

管理局には秘密裏に性交によって魔力の強化&調教によって洗脳する部隊が存在。
それは地上を拠点に展開していて、一定周期で本陣を転居している。
それの名残が廃棄都市で、調教隊の元締めは最高評議会。
地上のトップのレジアスは元調教隊で、最高評議会にその功績を認められて地上のトップと、調教隊の総隊長に。
洗脳された魔導師、ミッド市民は本局に連れて行かれる設定。
その状況を快く思っていないレジアスは、私兵部隊を作るべく秘密裏に調教を開始。
本局、最高評議会への反抗を企て、ミッドの独立、市民の安全を確保すべく身を切り裂いていくのである……

と妄想と構想したけど、クロスじゃねぇよw
設定だけ借りただけだし……

440名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/20(月) 04:01:14 ID:A8N2q9TU
適当な作品とクロスすれば大丈夫だろうか。
何かあるかな?
文章読んだ感じだと、レジアスが格好良さそうなんだが。

441名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/20(月) 08:30:24 ID:E53ZORZc
>>440
それが目標ですww

442名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/20(月) 13:51:25 ID:Mhs2dxEw
性王ヴィヴィオの三分調教〜♪画面中央の笑顔全開のヴィヴィオの後ろには、ギャグボールと目隠しして、
吊るされた、下着以外つけていないユーノとエリオ、フェイトが。今日のゲストはセッテさんでーす♪
……ごめんなさい、言いたかっただけです。

443名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/20(月) 15:03:53 ID:xuM7k/eg
夜明け前より瑠璃色な の歌が良い感じだなと思った。
エロゲのメーカーって色々あるんですね。

444名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/21(火) 02:15:40 ID:c6gs1fLQ
>>439
なんというかレジアス叛乱ってかんじですね。

445名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/21(火) 17:43:54 ID:FL01dAQs
政府関係者が反政府運動だからな……なんか砂ぼうずみたいな感じ

446名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/22(水) 14:56:57 ID:ldCaKdOs
まあStS自体管理局主導の事件だったから、
別にレジアスがクーデターしたところで問題ない。
しないほうが不思議。

447名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/22(水) 15:05:45 ID:ldCaKdOs
Clover Heart's のキャラにフェイトが似てる気がしてきた。

Clover Heart's って歌が良いなって思う。

448名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/22(水) 22:05:32 ID:hmtj01mo
>>446
まあ管理局というより、最高評議会といった感じだが。

449名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/24(金) 01:29:59 ID:2LMotyZ2
ブサイクの作品とクロスはどうだろう
ゴアだとユカ役のヤンデレをだれにするか?
ヴァガンザだと蟲君のお母さん役がもんだいかな

450名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/24(金) 17:22:01 ID:IGPHToZc
黒サイクか……個人的にはマイブラがすっきー
しかし、ゴアはユカを代役立てたらまずくね?
ゴアが着いてこなくなってしまう。あれはある意味ユカだから共に居るみたいな存在だし。
いっそユカとゴアをぶち込めば……んで、由規的なキャラをぶち込む、みたいな

451名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/24(金) 18:19:49 ID:ylrlvsZg
MinDeadBloodはよく知らないが、
教授というキャラがいるんだとか?

あと主題歌が良いな。

452名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/25(土) 01:32:54 ID:m0kP4ZgE
つまりユカを井戸にとじこめるのをなのはたちにすると?
本格的に死亡フラグだ・・・

453名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/25(土) 14:52:47 ID:RfGIaBmE
井戸…閉じ込める……沙耶。


たまには純愛も良いよね!

454名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/25(土) 15:59:10 ID:eKaaE9d6
おいおい……ここのスレで純愛以外の作品があったか?w
皆“純粋”に“愛”を育んでるじゃないかw

455名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/25(土) 21:35:27 ID:5iIM1aYs
全ては愛のため、か。

そういえばEVE2もエロゲ版が出てたな。

456名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/26(日) 22:51:05 ID:egfwrD0c
エロさを以って管理局に革命を起こす話とか読みたいな。

457名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/27(月) 01:53:07 ID:X2UGz0as
ユーノってエロゲの主人公には向かないキャラなのかな?

458名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/27(月) 02:08:17 ID:QN9ElTX2
漢らしさが足りないからなぁ……出来たとしても姑息な感じや、拘束してとか、変化して弱み握って脅迫するヘタレとしか想像できねぇw

459名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/27(月) 02:44:24 ID:X2UGz0as
確かにエロにも漢らしさが必要だなw
まあヘタレはヘタレで主人公にしたら面白いだろうか?
心理的描写が。なんか主人公を楽しむゲームになりそうだw

460名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/27(月) 03:27:16 ID:5qFtI2uU
けど、なんか誠みたいになりそうなんだよなぁ。

461名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/27(月) 05:18:27 ID:X2UGz0as
個人的にエロゲじゃないがメモオフみたいな話を読んでみたいな。

462名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/27(月) 15:17:26 ID:iLGwviZI
源氏物語とのクロスはできるだろうか。
光源氏計画。

463名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/27(月) 19:10:07 ID:OF8KgPNM
もろグレアム向けのシナリオになりそうだなww

464名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/27(月) 20:16:17 ID:uPJUgv4o
滅多に出番がないグレアムにも
ついに主役になる機会が来たか・・・・・・!

465名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/27(月) 20:20:34 ID:uPJUgv4o
古典作品ってエロい話が多いな。
仄めかす程度の話じゃない。

466名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/27(月) 22:43:42 ID:uPJUgv4o
ツンデレキャラっていないな。

467名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/28(火) 17:34:41 ID:pUtZDLCE
アリサは?

468名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/28(火) 18:05:16 ID:Wme09Jyg
嫌いじゃない
特に髪の長かった頃は嫌いじゃない
だからと言ってロリだとは思わないで欲しい
あくまで髪の長かった頃がだね

469名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/28(火) 19:00:56 ID:pUtZDLCE
良いたいことは良くわかる、安心するんだ

470名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/28(火) 19:20:20 ID:fOvis6W2
そんな貴方に提案を。最新物で触装天使アリサとかどうだろう
エロと魔法に対抗する力の両方が手に入って一石二鳥だと思うんだが

471名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/28(火) 19:25:01 ID:pUtZDLCE
それは友人が新品をかって、インスしたらデータが壊れていたゲームではないか!

そんなにウマーな作品なの?

472名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/28(火) 19:44:27 ID:fOvis6W2
不運な友人に尻神様の幸あれ

ぶっちゃけると未プレイなんで知らん
触手を武器に変化させたり?ともかく戦闘力は高いとのこと
何か力を使う度にエロくなるらしいから一石二鳥と思ったんだ

他に思いついたのは前に誰かが言ってたウィザーズクライマーネタ
目指すは三年でミッドチルダ魔法大会の優勝、打倒白い悪魔

473名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/28(火) 21:17:21 ID:nTlW1W0.
リリカル世界ってエロ分野の魔法はどうなってんだろうな。
技術は進んでるんだろうか。
触手、避妊、年齢変化、擬人化、etc。
色々あるけど。

474名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/30(木) 20:25:07 ID:zOf.Q6rA
ヴォルケンにはじめ管理局って恨みを買ってそうだから、
復讐物が合いそうな気がする。つまり陵辱物だろうか。

475名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/31(金) 03:37:04 ID:BWID4q7E
姫奴隷とか良いかもしれんべ
ウォルド・クロウリーをだすとか。彼、魔法使いだしw
何でも屋だから復讐の依頼を受ける、見たいな。
んで、実は自分もウラミが在ったのだよ的ナ

476名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/31(金) 21:36:11 ID:5hGKtQPo
リリカル勢は男も女も攻めるタイプがいないな。
どこかぬるいというか、受身だ。
保守的で濃度が薄い気がする。
エロで活躍するにはもっと濃くならないと。

477名無しの局員さん@書庫探索中:2008/10/31(金) 23:04:17 ID:BF8cjQtg
毒島音露に弟子入りするしかないw

478名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/01(土) 02:02:58 ID:Ndj0Dcn.
でもグリフィスだけは違う感じがするんだよな。
鬼畜というか最低というか。
動物に例えるなら蛇。

479名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/01(土) 02:06:32 ID:d8VAW0LE
奴は確かに腹に一物抱えてそうだよな。
楽園を滅ぼした蛇みたいに誰かを騙してそう

480名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/01(土) 16:08:42 ID:Bb7yAgTM
六課全員を騙してそうだ。
目的はわからんが。

481名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/02(日) 22:14:18 ID:gvX3cp5E
5人目になるために蝕を起こそうとしているとか

482名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/02(日) 22:42:08 ID:xl0mdqM2
グリフィィィィィィィィィス!

483名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/03(月) 03:25:14 ID:RFx9mDw2
ガッツはだれだwww

484名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/03(月) 11:20:26 ID:olGV4vzM
大剣背負ったフェイトさんに決まってるぜ!




だがそうなるとキャスカは…?

485名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/03(月) 11:42:52 ID:G.0na.ho
グリフィス、フェイトとつながりのあるキャラ……
しかも六課成立前か。
なのはかはやて、リンディとか?

486名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/05(水) 02:58:40 ID:VIY.Imdk
リンディ(未亡人)は落としてみたいな。

487名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/07(金) 12:29:10 ID:vzwIXDcw
ユーノとリンディの性活なんて見てみたいなw

488名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/07(金) 17:13:26 ID:EMFhVq6I
なのはを堕すためにリンディに弟子入り。
妻みぐいルートかw
最後はなのはよりリンディのことが好きになってしまい・・・。

489名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/07(金) 17:34:21 ID:aERR9c9I
そこはなのはよりフェイトの方が良いんじゃね?
親子だし。
なのはとリンディの繋がりは、そこまで無いしさ。
むしろなのはなら桃子さんの方が良いかも知れんぜ

490名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/07(金) 18:51:35 ID:QIPHxFA6
攻略キャラによって変わるとか。

491名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/08(土) 00:03:40 ID:nSl9WbbQ
ぜんぜん投下こないYO☆ww

492名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/09(日) 05:29:43 ID:jGisQHfc
調教の過程を描くのも良いけど、
堕した後のことも気になるな。生活が。

493名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/09(日) 05:37:53 ID:zHWcP1nQ
それは……後日談を書けということかにゃ〜?

494名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/09(日) 09:50:34 ID:i/EGIScA
ほぼ雑談ばかりで投下ないですね

495名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/09(日) 20:58:09 ID:YhVEPues
確かに投下があってほしいな。

496名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/12(水) 01:37:49 ID:XyVbnVI6
過疎になってるのかな?

497名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/14(金) 04:31:16 ID:Psq.3uWc
だれかレムティア攻略し終えた人いるだろうか。
もう時間が経ったし。

498名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/15(土) 18:12:35 ID:mlR2oCdc
気長に待つか。何かを。

499名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/16(日) 19:12:08 ID:vsruC57U
ううむ…投下、ですか。
あえてコテは明らかにしませんが、白状するとここに投下しようかどうか悩んでたり。
コメントで「不完全燃焼」って意見があったから、IFルートって事でこっちに投下し
ようかな、と思ってたりしたんですが。
しかしエロ描写はあんまり経験ないし、その他諸々色々思うことがあって躊躇してる。
誰かチキンな俺を笑ってくれ(ぉ

500名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/16(日) 19:16:59 ID:8mFTZn96
>>499
大丈夫。
あえてコテは明らかにしませんが、私もエロは初めてでした。
パッションとパトス! そしてエロスがあれば描写はあとからついてきます!

501名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/16(日) 19:52:04 ID:IetQKWCM
>>499
もしストーリーがメインの話だったりするんでしたら、
エロはおまけ的な物としても捉えることができます。
商業作品でもエロがおまけな物もありますし、大丈夫です。
また逆にエロが主な内容であっても、大丈夫ですよ。
行動すること・情熱こそが重要だって赤木しげるも言ってます。
頑張ってください。

502名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/19(水) 21:08:15 ID:b2.oDYfo
スレを見ている人自体はいるようなので少し安心。

503<頭を冷やしてもらったの>:<頭を冷やしてもらったの>
<頭を冷やしてもらったの>

504<頭を冷やしてもらったの>:<頭を冷やしてもらったの>
<頭を冷やしてもらったの>

505<頭を冷やしてもらったの>:<頭を冷やしてもらったの>
<頭を冷やしてもらったの>

506<頭を冷やしてもらったの>:<頭を冷やしてもらったの>
<頭を冷やしてもらったの>

507<頭を冷やしてもらったの>:<頭を冷やしてもらったの>
<頭を冷やしてもらったの>

508<頭を冷やしてもらったの>:<頭を冷やしてもらったの>
<頭を冷やしてもらったの>

509<頭を冷やしてもらったの>:<頭を冷やしてもらったの>
<頭を冷やしてもらったの>

510<頭を冷やしてもらったの>:<頭を冷やしてもらったの>
<頭を冷やしてもらったの>

511<頭を冷やしてもらったの>:<頭を冷やしてもらったの>
<頭を冷やしてもらったの>

512<頭を冷やしてもらったの>:<頭を冷やしてもらったの>
<頭を冷やしてもらったの>

513<頭を冷やしてもらったの>:<頭を冷やしてもらったの>
<頭を冷やしてもらったの>

514名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/23(日) 14:41:54 ID:.j6goO7U
GJ!!
続きを期待してしまう内容でした

515名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/23(日) 21:40:17 ID:UQiUY0Hg
GJ!やはり予想通りの人だったw

>なのはのフラグ回収
立てたフラグは回収しないとねw

516名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/24(月) 20:34:28 ID:ID7QL4QE
SSが投下されると嬉しいですね。
職人さんに感謝。

517名無しの相撲人:2008/11/25(火) 00:11:03 ID:UVdyQERo
うはっついに遣りやがったぜGJw
あれほど⑱禁には手を出すなとい宇和何をするヤメ・・・
しかしメビウス1帰ってきてくれー!!

518名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/25(火) 00:45:51 ID:8Vs1xxKg
>>517
IDがERoいw

519名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/27(木) 03:36:12 ID:dde.1KO.
滅多にSSがこないので、
SSが来て少し感動しました。

520名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/27(木) 10:50:06 ID:VuXEMpRI
ここはIDが色々と凄いなぁw
>>519なんて1KOだよw

521名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/27(木) 13:52:19 ID:lqNdxCvs
>>513
GJ!!
まさかこんな良い話が投下されるとは。
次のIFルートも期待してしまう。

522Z:2008/11/27(木) 23:19:13 ID:Nhb51k/2
期待ですw

523名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/29(土) 22:12:31 ID:JkccGIZE
SSが読めるって事は幸せなことだな。それを今再び実感した。
今さっきSS読んでたら、なぜかインターネットの接続が切れて、
LANケーブルが接続されてないとか、書いてあったりして、
でも実際は接続されてて。
とりあえず一度抜いて隣の接続口に挿しといたら、
ネットに接続できた。
ほとんどPC関係の知識がない人間なのでどうしようかと思った。
当分使えないかなって。
そんなわけでSSが読めて嬉しかったのでした。

524ビスケット・シューター ◆CPytksUTvk:2008/11/30(日) 00:07:03 ID:lk6uwvFY
突然こんばんは。
IFというかクロス作品の18禁(いろんな意味で)として、こちらにビスケットシューターのアナザー話を投下させていただきます。
今回はその1ですね。

525ビスケット・シューター ◆CPytksUTvk:2008/11/30(日) 00:08:23 ID:lk6uwvFY

 花なんていつか枯れ果てる。
 命なんていつか砕け散る。
 だから、執着なんていらないと思っていた。
 親友があの日空から落ちたあの日からどこか乾いて。
 妹をこの手で撃ち抜いたあの日から、渇ききった。
 痛みしかない。
 悲しみすらも枯れ果てた。
 この腕が何をなせるのか、誰かのために使い果たせるならばそれでいいと思っていた。
 けれど、アイツは告げた。

「花は枯れないわ」

 嘘だと思う。

「嘘じゃない。花は枯れないの」

 花のような女は、花弁を開くかのように美しい笑みを浮かべて告げた。


「――だから」

 その言葉だけがいつまでも耳に残っている。




【UnrimitedEndLine】

 外伝 『Biscuit・Shooter』

 ノーリターン・エピソード/1 枯れない華〜出会い〜




 ……煙草を吸う。
 二年前からの習慣、ようやくマトモに吸えるようになった紫煙、ほろ苦く肺を蝕む毒の味。

「……」

 彼は息を吐く、紫煙を吐く、大気を汚す。
 自堕落に首を傾げて、気分は下らなく息を緩やかに吐き出しつくし、吐き気が込み上げるが、我慢して煙草の味をする唾を飲み込む。
 ――不味い。
 何度吸っても慣れることのない煙草の味、体質的に受け付けないのだろう、何度もむせながら吸う、馬鹿みたいな自分。
 それが相応しい。

「っ、くそ。天気わりぃな」

 彼は悪態を付きながら、空を見上げた。
 クラナガンの高層ビル群、その中で見上げる空は牢獄の檻から差し込むようで狭い空しか見えない。
 そして、その空は今にも雨が降りそうなほどに黒い雲で覆われて、昼間にも関わらず薄暗かった。
 どうせ平気だろうと傘を持ってこなかった自分に腹が立つ。いや、バイクに乗る時点で意味がないから、レインコートを用意するべきだったか。

526ビスケット・シューター ◆CPytksUTvk:2008/11/30(日) 00:08:55 ID:lk6uwvFY

「……くそ」

 やることもなく頭を掻くと、彼は傍にかけたままの自分のバイクに体重を預けた。
 しっかりとサイドスタンドで固定したバイクに腰を下ろしたまま、腕時計を見る。
 待ち合わせ時間までは五分を切っている。
 しかし、周囲に見える雑踏や傍を歩く人々の中に待ち合わせの人物らしき姿はなく、今回の連絡員の様相はどのようなものすらも聞いていない。
 ……考える。

(大将は俺に何をさせるつもりなのだろうか?)

 懐に入れたストームレイダーと脇のホルスターに入れた鉄の塊の重みに熱を覚えそうだった。
 火傷しそうなぐらいに緊張をしている。
 武装隊資格を返上し、起動状態に出来ないはずのストームレイダーは渡された機器によってプロテクトを解除している。
 そして、脇のホルスターに入れたのは今ではロクに使われず、さらに言えばあの事件……二年前の【ミッドチルダ封鎖事件】で完全摘発を受けた実弾銃。
 その二つを渡された俺は考える。
 戦う可能性があると、再び手を汚す必要があると。
 そう考えた瞬間、俺は自分の手の異常に気付いた。

「……しっかりしろよ、ヴァイス・グランセニック」

 手が震えていた。
 情けないほどに手が震えて、膝が笑っていた。
 震えるなよ、怯えるなよ。
 何度手を汚してきたんだ、既にこの手で殺した数はたくさんあるのに、今更新兵のようにびびる自分が情けなかった。
 だから、彼は震える手で仕舞いこんだ煙草の箱をポケットから取り出すと、それを口で挟んで、その先端に安物の使い捨てライターで付けた火を灯そうとした。

「あー、煙草なんて吸ってる〜」

 けれども、ヴァイスの行為は突如かけられた声に遮られた。

「あ?」

 声の方角に目を向ける。
 前には誰もいない。
 いや、下の方に黄色く広げられた傘があった。

「なんだ、嬢ちゃん?」

 黄色い傘、水色のワンピース、革靴を履いた金髪の少女がそこにいた。
 にっこりと嬉しそうに傘を肩にかけて、彼女は肩下まで艶やかに流した髪を掻き上げる。
 浮かぶのは笑み。

「貴方がヴァイス・グランセニック?」

「……あ?」

 微笑み。
 呆気に取られたような顔を浮かべるヴァイスを楽しげに笑い、その少女は歳には似合わぬ妖艶な笑みを唇に浮かべて告げた。

「初めまして、お兄さん。連絡員にして今回のパートナー、ドゥーエです」

 クルリと、黄色い傘が可愛く舞った。

527ビスケット・シューター ◆CPytksUTvk:2008/11/30(日) 00:09:46 ID:lk6uwvFY

 俺は馬鹿にされているのだろうか?
 ヴァイスは疑念を隠さずにはいられなかった。
 その表情が表に出たのか、ドゥーエと名乗った少女はクスクスと笑った。

「顔に出てるわよ? 信頼出来ない、なんだこの餓鬼、本物か? ってところね」

「……そんなに分かりやすいか?」

「結構ね。それに私に隠し事は出来ないわよ」

 くるりと傘の柄を廻し、黄色い傘が回る。まるで花が咲き誇るように、華麗に舞い踊り、雨の降らぬ空に傘が存在を主張する。
 そうして、傘の中から少女は少し顔を出して、ヴァイスの顔を見上げた。
 視線がぶつかり、彼女の琥珀色の瞳の中で自分の顔が映った――と思った瞬間、その瞳が“不自然に縮小した”。
 耳を澄まさねば分からぬほどの小さな物音、同時に機械的に動く眼球、それを見て彼は理解した。

「……戦闘機人?」

 小声で呟く。
 彼女はコクリと頷く。

「イエス。これで見かけどおりだと思われなくなったかしら?」

 表向きは研究することも中止になった人と機械の融合体。
 サイボーグと言われる類の存在、それが彼女なのだろうか?
 レジアスから渡された資料などでその戦闘機人の存在を知っていたヴァイスだったが、見かけは十代初めの少女にしか見えないドゥーエに呆然としていた。

「まあいいわ、少し移動しましょうか」

 そういうと、ドゥーエはおもむろに傘を折り畳んだ。
 たおやかな動作で傘を仕舞いこむと、どこへ行くのかと言葉を待っていたヴァイスの目の前を横切ってぴょこんとバイクに飛び乗った。

「ほら、行くわよ」

「あ? どこにだ?」

 ショックから立ち直り、馬鹿のように問い返すヴァイスに、ドゥーエはクスリと微笑む。

「前準備は既に私が済ませておいたから、大人しく指示に従いなさい。ほら、ここまで連れて行って」

 ドゥーエはヴァイスの動揺など気にも留めていないようにすらすらと言葉を紡ぎ、ワンピースのポケットから取り出した折り畳まれた紙片をヴァイスに渡した。
 それを受け取り、開いてみるとそこには廃棄都市三番という名前とそこから始まる地区ブロック名。
 ここにいけという意味か。

「いきなりかよ」

「文句ある? 中将から依頼されているけど、本来は私だけでも事足りる任務だからやめてもいいわよ」

「冗談、だな」

 やめるなんて選択肢はない。
 大将に声をかけてもらったときから、選択した時から既にやめるなんて行為とは無縁だった。
 例えこの手を真っ赤に染め上げてでも成し遂げたいことが、やらなければいけないことがあった。
 だから。

「いいぜ、どこにでも連れて行ってやるよ」

 ドゥーエを乗せたままサイドスタンドを外すと、俺は跨ろうとして……一瞬戸惑った。

528ビスケット・シューター ◆CPytksUTvk:2008/11/30(日) 00:10:54 ID:lk6uwvFY

「お前、そのまま乗るつもりか?」

「別にいいでしょう? あら、もしかして欲情でもするつもりかしら」

「冗談。餓鬼に手を出す趣味はねえよ。ともかく、転げ落ちたらまずいからな。少し後ろに下がれ」

 そういってドゥーエの脇下に手を入れて後ろに下がらせると、その手に持っていた傘を奪ってバイクの脇に縛り付ける。
 紳士的じゃないわね、と唇を突き出す彼女の態度を無視して俺は座席に跨った。
 ヘルメットを彼女に被せる。

「予備のヘルメットなんて用意してないが、まあいいか」

「あら、いい加減ね」

 ヘルメットをかぶったままくぐもった声を出されても、その声音に篭るからかうような印象は消えない。
 子供のようにしか見えないが、どこか大人びた印象を感じる。
 錯覚か、それとも単なる買い被りか。
 いずれにしても、俺の考えることではなかった。

「不良局員だからな。飛ばすぜ、しっかりしがみ付けよ」

「はいはい」

 ガシリと俺の胴体に、少女の腕がしがみ付く。
 錯覚。
 かつてラグナをバイクに乗せたときの記憶が蘇り――吐き気が込み上げた。
 一瞬、息が止まる、呼吸が出来なくなる、ごぅえと咳き込んだような声を洩らした。

「どうしたの?」

「き、気にするな」

 俺は落ち着いている、俺は落ちついている。
 繰り返し空言を呟いて、心を落ち着ける。
 処方されている鎮静剤を飲みたいところだったが、あれは眠気を呼ぶ、運転前に飲めば事故る可能性がある。
 だから、今日の俺は飲んでいない。その反動が来ていた。
 内臓が蝕まれるような激痛を感じながら、俺はペダルを踏み込み、アクセルを吹かして走り出した。

 風を切る感覚だけが痛みを麻痺させてくれた。

529ビスケット・シューター ◆CPytksUTvk:2008/11/30(日) 00:11:40 ID:lk6uwvFY

 疾る、走る、奔る。
 水媒体駆動のエンジンは排気ガスを排出しないが、それでもガソリン駆動と変わらない熱と駆動音をバイクは吐き散らして道路という道筋を荒々しく駆けていく。
 ゴムによるコーティング、鋼鉄の車輪がグルグルと渦巻くように回転し、摩擦と回転力によって大地を噛んで、前に進む力と変えていく。
 ヴァイスはバイクが好きだった。
 今は亡き親友も好きだった。
 ヴァイスは思う。まるで己が弾丸になったような気分、ただ走るだけでは感じることの出来ない風を切り裂く感覚がある。
 鋼鉄の車輪、熱滾る金属の車体、それらに乗って突き進むのは誰にも逆らえない力だと思えるから。
 親友は告げていた。
 飛行魔法で空を飛ぶほうが早いけど、バイクもいい。
 孤独でただ頭で計算し続けて、空を舞うのは支配感があるけれどどこか疲れてしまう、己が迷子になったような気分になると。
 ヴァイスは力に酔いしれて、親友は孤独からの解放を願って、バイクに憧れていた。

「ぁぁあ」

 小さな声で、風に掻き消される程度に唸り声をヴァイスは洩らす。
 鬱屈した気持ちが削り飛ばされて、押し込めていた本性が削り出されるような感覚。
 彼は犬歯をむき出しに笑っていた、ただ楽しそうに笑っていた。

『楽しそうね』

 ヴァイスの声は聞こえなかったはず。
 けれど、後ろでしがみ付く少女は彼の背中に自分を押し付けるように密着しながら、加速する時速数十キロの世界で彼にだけ聞こえる言葉を洩らした。

『楽しい?』

「まあな」

 風が顔を打つ、体に叩きつける風圧に、髪を撫でられながらヴァイスは即答。
 執着心が無ければ、今すぐにでも自殺したいぐらいに気持ちがよかった。

『ふぅん。少しはいい顔をするじゃない』

 少女の声。どこか興味深そうに声音が深みを増していた。

「?」

『そういえば、そろそろ今回の任務の話をしておくわね』

 少女はぴったりとヴァイスの背に、膨らんでもいない乳房を押し付ける。
 誰にも聞こえないだろう風圧の壁の中で、確かに彼に聞こえるように喋った。

『貴方と私はある人物を殺すことになるわ』

「殺す?」

 ハンドルを操る。
 横をすれ違う並走車両を追い抜きながら、ヴァイスは疑問を発した。

『そう。それはとある人物、危険な因子、この首都を狂わせた一因』

「……誰だ」


『二年前、この世界を閉鎖にまで追い込んだ一級テロリストの一人――活動家【トレディア・グラーゼ】よ』

530ビスケット・シューター ◆CPytksUTvk:2008/11/30(日) 00:12:18 ID:lk6uwvFY

 闇に嗤う人物が一人。
 それは老人。
 それは狡猾な悪魔。

 彼は一人の女を弄んでいた。

 いや、それは女なのだろうか?
 醜悪な肉の塊、辛うじて形状こそ女性、だがしかしそれは出来の悪い木偶。
 皮膚は無く、肉しかなく、骨すらも出来損ないにまるで茨のように全身からねじくれて露出した醜悪な物体。
 だがしかし、それは生きていた。
 口らしくものからは呼吸を繰り返し、元は眼窩だったのであろう場所から泣き叫ぶように涙を流し続けて、歌声のような悲鳴を上げ続けている。

「この程度か」

 常人が見れば目を背けるだろう悲痛と醜悪の塊に、彼は唾を吐き捨てて侮蔑するだけだった。
 彼はおぉおと泣き叫ぶように声を洩らすその肉塊の頭部に足を乗せた。
 ぐちゃりと露出した神経に脚の重みが伝わり、激痛と共に肉塊が泣き叫ぶように震えだす。

「ぁぁ、ぁああ!」

 それは正しく絶叫だった。
 人間の形を失ってもなお命を、痛みを、感覚を残し続ける哀れな声。

「失敗作が」

 靴底に体重をかける。
 メリメリと骨がひび割れるような音が聞こえる、バタバタと木偶人形が断末魔のように手足を震わせて、股間と口元から黄色く濁った体液を吐き出しながら、ぐしゃりと潰された。
 柘榴が弾けたように壊れる。
 かつては人間だったそれを壊してもなお、その老人は顔を歪める事無く、ただ自分の足が汚れたことにだけ不愉快に思った。

「祝福は不完全、か」

 彼は仰ぐ。
 祈りを捧げるかのように。
 誰に?
 何に?
 彼は祈りを捧げるのか。
 それは神か。
 それは悪魔か。
 いや、何者でもないのかもしれない。

「イクスは今は無く、だがしかし冥王を取り戻す必要がある」

 彼は歌う。
 彼は嗤う。
 己こそが正しいと狂人の瞳で歌い上げる。

「王の遺産よ、我が道を照らし出せ」

 彼は手を伸ばす。
 その傍には無数の異形があった。
 すべからず命の呪詛を受けた悪夢の存在がある。

「我こそが世界を正す。正しき指導者たちの祝福を受けた私こそが」

 産声が上がった。

 赤子がくびり殺されたかのような断末魔の産声が。

531ビスケット・シューター ◆CPytksUTvk:2008/11/30(日) 00:13:58 ID:lk6uwvFY
投下完了です。
エンドライン本編より四年前、ヴァイス20歳の若気の至りの頃のお話です。
ドゥーエが完全にヒロインなのは完全に自分の趣味(え?)
SSXネタが大いに含まれるのでご注意下さい。

それではまた続きが書けたら投下させていただきます。

532名無しの局員さん@書庫探索中:2008/11/30(日) 00:43:59 ID:I.5vhdvM
GJ!ドゥーエがヒロインしてますね。
続きが楽しみです。

533名無しさん:2008/11/30(日) 22:18:21 ID:XGsWJ6Cw
GJ
ロリドゥーエだ!!
このままヴァイスが頂いてしまうのですか!?

534名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 21:03:50 ID:PuU6BXq2
エロゲープレイヤーの話とか読んでみたいな。

535名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 21:07:40 ID:nNy8wsEg
>>534
エロゲープレイヤーってなんぞ? どこのブランド作品?

536名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 21:12:58 ID:PuU6BXq2
>>535
いやいや。そのままエロゲーのプレイヤーの事。
リリカルキャラがエロゲーに嵌るとか、
エロゲーに情熱を燃やすとか少し考えてたのでした。
つまりリリカルキャラがエロゲーに魅せられる話。
内容は想像もつかないが。

537名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 21:15:10 ID:nNy8wsEg
つまり、スカやゼスト、クロノ坊ややユーノきゅんとかがPC前でハァハァする、と

538名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 21:20:10 ID:PuU6BXq2
そうそう。そんな感じでエロゲーに生きる話。
もともと連射王でシューターがゲームと
本気で付き合ってるのを見て面白いなと思ったので、
エロゲーでも見てみたいなと。
まあエロゲーでなくても、萌えでも美少女でも良いけど。
とりあえずそういうのと真剣に付き合うスカとかレジアスとかが見たい。
生活から余分な物をできるだけ切り離していってストイックに生きる。

539名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 21:22:34 ID:nNy8wsEg
なんか、妄想戦士ヤマモトの渡辺みたいな感じ?
生身の女はノーサンキュー、とかいってフィギュアを愛する戦士

540名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 21:27:04 ID:PuU6BXq2
妄想戦士ヤマモトは名前くらいしか知らないので。
生身の女はどっちでも良いかな。
例え彼女がいてもエロゲーは続けるって事で。
そんなわけでなのは・フェイトとかにエロゲーを認めさせる。
あるいは男キャラは理解を求めないけど、フェイトとかは男キャラが
好きなのでエロゲーも認めてくれるとか。

541名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 21:30:20 ID:nNy8wsEg
ほむほむ……つまり
「ああ、私は確かに君を愛しているよ。
でも、それとこれは別問題なのだよ。
所謂BETUBARAさ! 私は、エロゲーというゲームを愛しているのだよ!!」


542名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 21:35:41 ID:PuU6BXq2
そんな感じかな。
エロゲーに嵌ってクリアしてもう二度と初プレイの興奮が得られない、
喪失感。エロゲーから何かを得たという証明ができないこと。
そういうのを埋めたくてひたすらエロゲーを続けるとか。

今思ったけど別にエロ主体じゃなくてもストーリー性とかゲーム性が
高いので気に入ってるという理由で、
リリカルキャラがエロゲー好きというのもありかな。
そういうエロだけじゃないけどエロがあったほうが素敵なゲームってあるし。
でも周りの人間はそれを理解してくれない。
そんな人間関係の話とかもあり。
いつか理解してくれるといいな。

543名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 21:42:44 ID:nNy8wsEg
スカがエリオにエロゲーを勧める。
それをフェイトそんが怒ってスカに抗議。
スカ、コレまでに無いほどの熱意と行動力でフェイトそんの説得にかかる、と
「これの見所はエロではないのだよ……シナリオ担当の熱意の感じられるストーリー!
そして他には無い斬新なシステム!」
ということかにゃ〜。

スカなのは個人的趣味

544名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 21:47:26 ID:PuU6BXq2
おお、良い感じですね。
スカが情熱を持ってフェイトを説得するのがまたなんとも。
個人的にフェイトがスカの熱意に圧倒されてるところを見てみたい。
エリオもそうして一流のエロゲプレイヤーになっていく・・・。
師匠はスカかな。
エロゲーの歴史とかエロゲーというジャンルそのものを調べていったりして。
良いな、そういう話。
キャロとルーなら理解してくれるかも。
幼いから。

545名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 22:10:01 ID:nNy8wsEg
今日も優雅な午後のひと時をエロゲーと共に過ごしていた時、彼女はやってきた。
顔を真赤に染め上げ、その手には先日彼に渡したメモリースティック。
ああ、大体予想はついた。おそらく彼女も“そういった考え”の人間なのだろう。
「貴方ですか! エリオにこんなものを渡したのは!」
詰め寄る彼女の気迫は、以前の比ではない。どこの教育ママだ、と言いたくなる。
「それは確かに私が渡したものだが、何か問題でもあるのかな?
彼が興味深げに問うてきたので、ためしにと渡したものだが」
悠々と反す。その間も、ディスプレイから目を離すことは無い。
ディスプレイには多少幼げな少女のバストアップが表示されていた。
「大有りです! こ、子供にこんなものを渡すなんて」
なるほど、顔が真赤なのはその為か。
「ふむ。子供か大人か、なんて問題ではないと思うが。
しかし、そのような言い方をするということは、君はコレが“そういったゲーム”だと知っている訳だ。
さて、一体どこまでプレイしたのだろうね?」
笑みが隠し切れない。そのときの彼女のうろたえ具合が手に取るように判る。
「こんなえっちなゲームを!」
だが、その言葉は到底許容できない。
このゲームの真価はエロスには無いだ!
「これの見所はエロではないのだよ……シナリオ担当の熱意の感じられるストーリー!
そして他には無い斬新なシステム!
さらに言うのなら、キャラの内面まで把握した適切な声優チョイスも素晴らしい。
スタッフが一丸となって製作しなければこの完成度はありえない。
ああ、実に素晴らしい! 彼がこの作品に心惹かれてしまうのも当然だ。
これほどの完成度を誇る作品は他にないからね。
ただ、ひとつだけ危惧してしまうのは、スタートからこのような名作に出会ってしまっては、
今後の彼のロードに満足する、という言葉は縁遠いものと成ってしまったことだよ。
いつかは通る道だが、出だしからそうなるのは、一同士として実に嘆かわしい事実だ。
故に、私は彼にこの作品を」
そういって取り出した瞬間、彼女に頭を叩かれた。
はて、一体何がいけなかったのだろうか……

 こんな感じか。

ルーはスカがエロゲに勤しんでるのを見てきたからエロゲに対しての抵抗はナッシングという感じがするんだお。

546名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 22:16:46 ID:PuU6BXq2
GJ!
スカが良いキャラしてますね。
こういう話って好きです。

ルーはそんな感じですね。
良い子。
キャロはゲーム自体良く知らないんじゃないかな。
出身地的に。

547名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 22:24:22 ID:nNy8wsEg
>>546
ああ、ありえそうw
逆にはやてやなのはは結構知ってそうな感じ。
出身世界的に

548名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 22:29:18 ID:PuU6BXq2
キャロって案外ゲームに嵌るかも。
はやてとなのははそうだろうね。
ミッドのほうだと誰だろう。
意外とクロノがエロゲー好きかも。
仕事ばっかで女性と付き合い少なそうだし。
エイミィとか除いて。

549名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 22:33:31 ID:nNy8wsEg
グリフィィィィィィィィス! がやってそう。
ヴァイスはリアル信奉者で、エロゲを否定しそうな感じ。
緑ろんげ(名前がでてこない……)は両方いけそうな感じ

550名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 22:39:22 ID:PuU6BXq2
ああ、グリフィスは確かにやってそうだ。
かなりの鬼畜のはず。
ろんげは私も名前が思い出せなかったw

551名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 22:48:37 ID:nNy8wsEg
あ、何かキタ

エロゲやってるのを目撃してショーック! をうける少女が、
よしと意気込んで夜這いをかける……
んで、Xったあとに問うて、その熱意溢れる返答にずっこける、と

552名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 22:51:34 ID:PuU6BXq2
やっぱエロゲは彼女がいても続けるのが
エロゲプレイヤーの王道の在り方かな。

553名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 23:03:02 ID:nNy8wsEg
まっこと業の深き路よな……

554名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 23:06:47 ID:PuU6BXq2
エリオ辺りにエロゲプレイヤー目指してほしいな。
クロスするなら何とクロスするんだろう。
ゲームでプレイヤーについて語った作品なんて無さそうだし。
SS読んでみたくなってきた。

555名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 23:13:10 ID:nNy8wsEg
おたくまっしぐら、とか?

556名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 23:17:28 ID:PuU6BXq2
>おたくまっしぐら
軽く調べてきた。良いかも。

557名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 23:24:23 ID:nNy8wsEg
ミッドチルダにもアキバみたいな街はあるのかね、しかし

558名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 23:27:44 ID:PuU6BXq2
ミッドの廃棄都市が特殊な発展を経てアキバっぽくなったとか?
レジアスがなんとか廃棄都市を復興させようとした結果とか。

559名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 23:30:14 ID:nNy8wsEg
なるほど……ということはレジアスが都市の長で、地下に基地を作ってるのか。お宅まっしぐら的に言えば。
アホみたいに強い警備ロボも。
これは……スカも一枚噛んでるなw そうか、その点でスカとレジは繋がっていたのか!

560名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 23:33:04 ID:PuU6BXq2
廃棄都市はレジアスが頑張ったおかげで独特の発展を遂げたのでした。
地上本部自体変わっちゃうかも。

561名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 23:36:55 ID:nNy8wsEg
地上本部は財源が確保できてウマーだなw

なるほど……だから聖王教会とも仲が悪いんだな。
戒律を是とする宗教とは相反する様式だから

562名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 23:38:38 ID:PuU6BXq2
でもたぶん若い教徒は嵌ったりしてるんだよw
普段は隠れてる。
そんな感じで地味に本局、教会などを侵食していってるとか。

563名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 23:40:48 ID:nNy8wsEg
それを危惧した教会が忍び込ませた部隊が機動六課、というわけか!
なるほど……彼女等の真の目的はスカでも地上の壊滅を防ぐのでもなく……ミッドアキバの監視にあったのか!

564名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 23:43:45 ID:PuU6BXq2
ちょっと考えてみたが、実際そうなったほうが良いかも。
魔導士ランクとかを超えて理解し合える。

>機動六課
たぶんフェイトとかは理解のない人たちw
でのエリオはエロゲに本気になっていき・・・。

565名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 23:46:26 ID:nNy8wsEg
「魔導師ランク? そんなもの飾りさ……
本当に競うべきは創作ランク! 俺の同人誌は、すごいぜ……?」
ということかw

エリオはあれだな。
敵地に潜入して、相手の気持ちとかその他諸々があって、
味方が助けに来たときに敵の味方をするんですね。
コレナンテヨヨ

566名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 23:51:31 ID:PuU6BXq2
>魔導士ランク云々
古い世代と若い世代では確執があったりするんじゃないだろうか。
リンディとかおっさんは良く理解できないが、
若い人は・・・。

本スレのほうのUCATクロスがこんな感じになってるが、
こっちは地上本部だけでなく、ミッド全体だからなw
そういう産業で成り立ってる。
他世界にミッド文化を輸出してみたりも?
ちょっとした文明破壊ですw

>バハムートドラグーン
このゲームはwかなり頑張ったなぁ。
この頃スクウェアはまだ良かった気がするけど、
FFはどんどん悪くなっていって、途中で止めました。
ムービーが綺麗でも・・・。
ゲームの本質から離れていってる気がする。
なんか竜をブラックドラゴンにしてた気がする。

567名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/01(月) 23:58:10 ID:nNy8wsEg
レジアスの目的はミッドアキバを本局のお堅い連中に認めさせることだなw
そのために伝説のエロゲーマー兼造形師スカリエッティと手を組む、と。
「ふはは、今度のフィギュアの出来は素晴らしいぞ!」
とかいってナンバーズのフィギュアを製作するスカ。
「今だ腕は衰えず、か。私も業が深いものよ」
とかいって六課や聖王教会の面々のフィギュアを作るレジアス。

そして、それを喜んで買う局員や教会司祭や信者

バハラグは子供では判らない表現があったりと、中々に標的年齢が高いw

568名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/02(火) 00:03:39 ID:g2RSt6pQ
たぶんレジアスの若い頃は凄いかった。今もだが。
彼の生き様を見て新たな若者がその道に。
奥さんはたぶん初めはそういうのに理解がなかったけど、
途中から何故か理解してレジアスの生き方を支えてくれるようになったり。
割とまともな恋愛をしたとか。
しかし皆が二次元に没頭すると女が心配だな。
腐女子にならなければ良いが・・。

>バハラグ
ヒロインが独特すぎw
思い出の教会だったかな、
まさかヒロインを敵に取られるとは思わなかった。
ストックホルム症候群ってやつだろうか。

569名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/02(火) 00:09:14 ID:K8JHktBY
まぁ、なっても住み分けが出来ていれば良いような気がせんでもないw
自分の法だけみとめろ、おまいは認めんぜ、的な考えはいかんぜよ、とレジアスさまが言っておられました。

570名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/02(火) 00:14:46 ID:g2RSt6pQ
今気づいたけど、なのは世界って騎士とか王という言葉は出てるのに
姫がいないね。

571名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/02(火) 00:15:25 ID:K8JHktBY
確かに居ないなw
ヴィヴィオも王だし……もしかして、そういった概念が存在しない?

572名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/02(火) 00:18:30 ID:g2RSt6pQ
バハラグのこと考えてて
なんかおかしいと思ったら・・・。
これじゃ女王も怪しい。なんでも漢らしくすれば良いってもんじゃないだろうに。
女性の社会進出を進めるためお姫様という概念を消したのだと想像。

573名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/02(火) 00:22:40 ID:K8JHktBY
ああ、なんかありそうな感じだな。
なるほど、だからバルディッシュもサーと言うのか

574名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/02(火) 00:25:55 ID:g2RSt6pQ
女らしくあることが認められてないのかw
全くそうではないだろうけど、多少はそういう傾向はありそうだ。
六課とかほとんど女ばっかりだし魔導士って女性のほうが強くなりやすいのかも。
管理局で働いてたら婚期が遅れるんじゃ・・。

ヴィヴィオの中の人の意識が浮上してロリ婆誕生とか考えた。
ナイトウィザードには良くいます。

575名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/02(火) 00:29:07 ID:K8JHktBY
>>574
婚期か……どうなんだろうか。
出てくる女性キャラって、子供居るしねぇ。
リンディもレティもプレシアもエイミィも

ああ、あのなぜかロリ化したおぜうさまですね。

576名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/02(火) 00:31:26 ID:g2RSt6pQ
カリムをロリキャラにしてもいいかなって思う。
他のキャラをロリにしても微妙だし。

577名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/02(火) 00:35:16 ID:K8JHktBY
ロリ化、か・・・
アポトキシンとか赤と蒼のキャンデーとか

578名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/02(火) 00:47:22 ID:g2RSt6pQ
ロリキャラにゴスロリ着せたりね。

579名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/02(火) 00:49:13 ID:K8JHktBY
なるほど。
そしてこれから私のする質問に〜か。
でも、あれは微妙にゴスではないか。

580名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/02(火) 00:51:20 ID:g2RSt6pQ
たしかに微妙に違うか。
でもあの服良い感じがする。上品で
アンゼロットはナイトウィザードの中でベル・リオンと並んで好きなキャラ。

581名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/08(月) 23:18:32 ID:vPl0MBEk
さってさて、誰かいるのか、いないのかにゃ〜。
何かエロくないけどちょっち出来たので、保守ついでに投下してみんとす。
……微妙にクロスっぽくないw
0時くらいから行ってみんとす。

582名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/09(火) 00:02:29 ID:ZGjZwbFY
期待w

583レジヴィータ:2008/12/09(火) 00:03:51 ID:XYUaHxRI
ではいってみんとす。
でも、タイトル決まってねぇw
というわけで、仮初で今回の目標をタイトルにと
レジヴィータですにゃ〜

584レジヴィータ:2008/12/09(火) 00:04:31 ID:XYUaHxRI
 一体どこから来たのか。そして、どこへ行ったのか。
その男が何者なのか誰も知らず、そして誰も知ろうとしない。
相手に己が思考を読ませない、終始にこやかな笑顔。そして知性を感じさせる瞳。
その黒人男性は、かつてこう語った。
『ア、レールャ! ようこそ神の門の入り口へ!
しかして潜るは如何なる相貌を持つ神への門戸なりや?
……まぁ、神の貌なんて忘れてしまいましたがね』
男、MMはそう語る。
『人造魔導師、戦闘機人。実にナンセンス。確かに、同存在で同士討ちを狙うは定石ですが、君らが目指すものはそこではないしょう。
魔導師以外の戦力での、魔導師の殲滅戦の可。これこそが本懐です。
故に、私はひとつの打開策を示しに来たのですよ。
R-T-425、通称ロト6。
ヒトをヒトでなしに、ヒトでなしをトラペゾの向こうへ押し上げる夢の薬。
この薬は掛金も莫大、懸賞も莫大。なんと言ったって、正真正銘のフリークスへと変わることが出来るのですから』
神の門徒は、そう言って悪魔の契約書を差し出したのだった……

 結果、魔導師の多くが、その肉体の変化に耐えられず死に。
成功例として残ったのは1体だった。
その成功例を見て、科学者たちはひとつの結論に至る。
魔導師ではあの薬に適合できないのではないだろうか、と。
渡された薬の全てを魔導師に投入し、全滅。
最後の戯れと、一人の非魔導師に投与したところ、適合してフリークスへと身を変えた。
彼の名は、レジアス・ゲイズ。夢と希望に溢れ、管理局に志願した若き局員だった。

 急激な肉体の変化。
全身の神経と筋肉に焼き鏝を差し込まれるような痛覚。
眼球が破裂し、咽を何かが突き破る感覚。
そして、彼は死に孵った。
身体の表層は急激に老い、左目を失い、声帯を失った。
首輪の付けられた継ぎ接ぎのフリークスの誕生。

585レジヴィータ:2008/12/09(火) 00:05:01 ID:XYUaHxRI
 外見的変化を失い、日光を極端に嫌うようになった肉体を何時ものように動かす。
死のカウントダウンを解除し、自由を手に入れたと言っても、今更なこと。
かつての夢は穢れ、共に理想を語った友は真実を知ろうとしたが故に抹消された。
所詮、正義の組織と謳っていようが、そんなものだったのか。
幾ら多くの人間が世界の平穏を願っていようが、それを纏める意思決定部がそれを願っていないのなら、意味は無いらしい。
彼らが求めるものは支配。それを手っ取り早くするのは、武力を背景にした交渉と言う名の強制。
なら、それに反抗しようとしている自分は義勇軍なのか?
そんなはずは無い。
少なくとも大地の民は、“今の状況”を望んでいる。自分たちの生活圏が平穏だからだ。
万人はその程度の平和で良い。何処かが戦争をしていようと、それは新聞の紙面を華々しく飾るだけで、いずれ記憶の隅に追いやられるだけの情報に過ぎない。
誰もが、何時までもそれが続くと無意識に認識している。
だが、それは過ちだ。
少なくとも、彼らはそれを望んでいないのだから。
地上が平和なのは、ただ単に時期が来ていないからだ。
と、そこまで考えて頭を振る。
悩みすぎることは精神衛生上よろしくない。
時間と言う制限を失った自分は、何時までも悩み続けることが出来てしまう。
なのに、中身はヒトというカテゴリのままなのだ。
精神と肉体は危うい均衡の上に成り立っている。
それを崩壊させることは、恐ろしい。自分が自分で無くなる感じだ。
精神安定剤を齧る。
肉体に引きずられる精神を、ヒトにとどめる為に永久的に摂取しなくてはならない。
これも、肉体変化における弊害だ。
おかげで一時期、麻薬中毒だと疑われたことがあり、保安課に連行される破目になったことがある。
ぽりぽりと齧りながら、過去を振り返る。
これも、精神の均衡上必要なこと。
完全記憶能力者ではないので、覚えたら何かを忘れている。
過去の事、どうでも良いこと、様々な事柄が頭から消えていく。
「全く、難儀なことだ。化け物と言いつつ、その実は人よりも生き難い」
人工声帯の合成声が口から流れる。
日光が直接入り込まない特殊なフィルムの施された室内窓から、街を見下ろす。
太陽に嫌われた自分には、一番似つかわしくないところだ。
いっそ地下深くにもぐりこむことが出来れば楽なのだろうが、それも出来ない。
地位という鎖が、それを阻む。
放棄して逃げることは容易だが、それによって困るのは部下、そして市民。
それは駄目だ。地上の永久平和は、自分に残された最後の夢の欠片なのだから。

586レジヴィータ:2008/12/09(火) 00:05:53 ID:XYUaHxRI
 吸血鬼、と呼ばれる存在が、ある世界にいる。
蠅声の王、それは吸血鬼の血族にして、穢れた存在。
そして、それらを狩る存在もまた、いる。
Es、日の元に存在できる狩人。
そして、それらにすら成れない存在。
グール、非童貞、非処女が吸血鬼の抱擁を受けた場合に変化する化物。
そんな世界が、どこかにあった。
それらは侵蝕して、世界を侵す闇。
それらは食い尽くして、滅ぼす蠅。
それは、サバエノオウである!!
ああ、悲しき人間よ。
哀れなる狩人よ。
誇り高き血族よ。
世界はこんなにも暗く、闇に満ちている。
しかし、それを悲観することはない。
明けない夜はなく、沈まない太陽はない。
全てには終わりが存在するのです。
そして、その終わりが存在しない存在を……我々は神と、悪魔と、そう呼ぶのでしょう。

燕尾服に白の仮面を纏った導き手が、腕を前にまわして礼をする。
下ろされるカーテン。響く拍手。
何十年前、ミッドチルダで流行った今もなお人々に愛される劇
タイトル、蠅声の王。
ハッピーエンドではない、誰が悪で、誰が善なのかという結末すら存在しない、観客に対して問いかけるシナリオ。
人を喰らう存在にも、存在する意思がある。
ありがちな勧善懲悪でなく、全てを不透明なままに終わらせることによって、客の心に訴えかけるのだ。
―幻想は、幻想のままで良い。人に堕ちた幻想などに、価値は無い―
血はそう謳う。

587レジヴィータ:2008/12/09(火) 00:07:09 ID:XYUaHxRI
 リンカーコア、それは人間の進化の証明。
人という己の牙を持たぬ種族が、牙を持ったコトの証明。
知恵のみならず、魔力という牙をもった人類は、まさに生態系の頂点へと駆け上った。
知恵で効率的な魔力運用を思索し、デバイスを作り上げた。
それは、人を支配者、神だと錯覚させる。
だが、世界はそれを肯定しない。
残 念 だ っ た な !
人が神の代になるのは不可能。世界を下すことすら出来ぬ人類に、幻想は超えられない。
牙を狩る牙の出現はある意味必然の現象だった。
人を下す魔導師、魔導師を下す血の牙。血の牙を下す人。
このじゃんけんのような三角関係が、成立したのだ。
人である以上、魔導師には敵わない。
魔導師である以上、血の牙には敵わない。
そして、血の牙を倒すことのできるのは魔力を持たない人のみ。
血の牙を魔力で下すことは不可能。彼らはそれらを喰らう。
そして、リンカーコアがある以上、魔導師はヒトデナシには成れない。
彼らは、人ではないのだから。
ヒトデナシに成れるのは正しく人であった者だけ。
魔力と言う牙の代わりに、バケモノという牙を得るのだ。
多くの対価を支払って。
血の牙とは至死者、不死者、眷属、生り損ない、屍生者、様々な呼び名がある。
所謂、ファンタジーで言うところのグール。
吸血鬼に抱擁された、非童貞処女の成れの果て。

 ミッドチルダの裏の勢力図は、数十年前のそれらの出現によって、大きく変化していた。
他次元の平和を維持する時空管理局本局と、ミッドチルダの平和を維持する時空管理局地上本部。
本局が盾をもった平和の使者であるのなら、地上本部は矛をもった平定の死者であろう。
前者が武力と調停であるのに対し、後者は殲滅と隠滅である。
屍生者の存在を、一般市民に漏らすわけにはいかないのだ、仮初の平和を守るためには。
地上本部の保有魔導師のレベルは低い。
本局とは比べ物にならない弱さだが、それは相手にする存在が異なるから。
救援活動が出来る程度の魔導師だけでいいのだ。彼らは屍生者に対して無力。
地上の主力部隊は表に出ず、只管闇の中で殺しあう。
質量兵器を駆使し、古時代の武器を使い、撃ち斬り合う。
魔法を否定した生き物との戦いとは、そういうものなのである故に……

588レジヴィータ:2008/12/09(火) 00:07:46 ID:XYUaHxRI
 眼下の雪原を金色の左眼が見下ろす。
夜闇を輸送ヘリが紛れるように飛んでいた。
その降下口から、一人の親仁が強風に逆らって立っていた。
上下漆黒の軍服と、肩に描かれた一部の人間のみに通じる部隊章。

 ガジェットと呼ばれる協力者の製作した対魔導師兵器が出現したとの報を受け、魔導師が現場に向った。
しかし、その反応が消え、代わりに出現した彼らの反応。
救出に出ると言い張る本局執務官その他の高官を一瞥して、地上の頭は出撃の命を下す。
「何故だ! 彼女ほどの魔導師を救出しないのは管理局にとっても大きな損出だろう!? ここは早急に救出部隊を出すべきだ!」
親友に対し、このような言い方をするのは心が痛むが、それが組織と言うもの。
個人的な感情など、意味が無い。
常に組織としての利益を見て、そこに自分の我を沿わせる。
それがクロノ・ハラオウンの組織での処世術だった。
その顔を、視線が貫く。
「この件はすでに貴官の手の中に存在しない。
ヤツラの反応が出現した以上、本件はすでに我々の管轄である。
魔導師は邪魔であるので、手を出さないでいただきたい」
隻眼の男、レジアスは静かに言った。
「消息を絶ったのは本局の魔導師だ! 彼女を無事に救出する義務が我々にはある」
クロノも身を引くことは出来ない。彼女等の為に。
そんな彼の気持ちがレジアスには痛いほど判った。
任務だから、そんな理由で友を失う気持ちは、かつて感じた感情だ。
そして、自分はその傷を今だ癒せていない。その傷口からは未だ血が流れているのだ。
「……なら、現場魔導師の保護は我々が行おう。
最大限の譲歩だ、これ以上は認められぬ」
「ッ……!」
思わず口を開きかけるクロノは、その意思で無理やり噤んだ。
彼にもわかっているのだ。
その場に魔導師が赴くことが結果、彼女等の救出の妨げになると言うことを。
「……ご協力、感謝します」
その言葉が、彼に最大の無力感を感じさせた。

 「これより我等は屍生者との交戦に入る。
我等に課せられた任務は2つ、敵の排除と、現場魔導師の救出。
前者は我々の存在理由で、後者は本局からの依頼だ。
諸君、では戦場へと逝こうではないか」
銃器で武装した十数名の隊員は、静かに殺気を滾らせた。
戦場は、眼下にあり。
「降下」
武装集団が、静かに雪原へと飛び降りた。
迫り来る白と、それを染める赤。
破壊された機械の残骸の中、赤い2人の少女が居る。
横を通り過ぎていく星と黒煙。風を切り裂く音が、やけに大きく響く。
そして眼球に映る肉の塊達。数は十数。決して悲観すべき数ではない。
掴まれた腕を、振り払うように殴り離す。
良い判断だと言えよう。魔力ではそれらに毛ほども傷をつけられないのだから。
しかし、それでも数に押されて、呑込まれていく少女。
その瑞々しい肉体を貪る刹那、
上空から打ち出されたモノで冥府へと堕とされた。
音を立てて降り立つ男達。
そして光る金色の瞳。
それを、赤髪の少女は悪魔だと思った……

589レジヴィータ:2008/12/09(火) 00:08:17 ID:XYUaHxRI
 機械の瞳が目標への距離を計る。
製作者の狂気を疑うほどの口径をもつ拳銃から、死の杭が打ち出される。
対の腕にもった刀剣で、潰し裂く。
片手に拳銃を所持している以上、槍の類は勝手が悪く、必然的に片手で扱える刀剣の類を所持することになったが、これが存外勝手が良い。
所詮物語の中での格好付けかとも思ったが、それを扱うことが出来るのならある程度は理にかなっていると言えよう。
遠くを拳銃で、近くを刀剣で。実に単純な論理。適材適所というところだろう。
刀剣で遠距離を狙う術を模索するなら、遠距離に適した武具を使う方が安易且つ安定だ。
結果、彼らは血に濡れる。
血濡れ鴉、彼らのあだ名。

 各々刀剣の血糊を拭い、納める。負傷した隊員には治療を施し、手遅れな隊員には引導を下す。
引火性の燃料を撒き、遠方より着火。肉と死兵を焼き払い、全てを隠蔽する。
それらは瞬時に炭化し、風にさらわれて闇空に散った。
そんな作業を淡々と行う彼らは悪魔じみていて。
人に幻想を抱く少女にはそれを許容できなかった。
だから、一歩前に踏み出した。
瞬間振り下ろされた刀剣が柵のように眼前で突き刺さった。
「君が何を言わんとしているかはおおよそ予測がつく。
故に、黙っていてもらおう。この件の管轄は本局ではなく、地上である」
金色の悪魔が言う。
「人を、平和を守るのに、命を救うのに地上も空も関係ねぇ。
まだそんな事を言っているのか、お前らは」
赤髪の少女が答える。
「無論。ことこの件においては空、延いては魔導師、君らは蚊帳の外に在るといって良い。
古から続く生存戦争で、君たち魔導師はプレイヤーとして認識されていない。
精々アイテム程度の扱いだ。しかも回復量は少量。安価な回復アイテムに過ぎんよ」
刹那、少女は魔槌を振り下ろす。
自分たちを道具と断言する目の前の存在を、彼女は肯定できない。
相手の意思を尊重する必要はなく、その意思も己は持っていない。
力によって相手の意思をねじ伏せるべく行動した。
叩き潰す感覚が手に伝わり、しかし非殺傷設定によって死には至らない一撃を確信した。
それが、真っ当な人間であったのなら有効であっただろう。
しかし、この空間に真っ当な生き物など、どこにも存在しない。
「魔力、魔法。進化した力にバケモノを拒絶する能力は無い。
だからプレイヤーでは無いと言ったのだ、魔導師は。
さて、何か質問があるのなら後日私を訊ねてくるといい。
答えられる範囲内で答えよう」
額に指を当て、少女の意識を落す。
目の前に暗幕が落ち、少女の身体は前のめりに倒れる。
その身体を支えながら、金色の瞳を持つ悪魔―レジアスはそっとため息をついた。
少女の持つ穢れない真実が眩しくて、失ったモノを再認識して、そして少女が眩しくて。
「何事にも縛られず、自由に飛びまわるコトのできる蝶は美しく、羨ましい。
太陽の眩しさに潰される事もなく、光を浴びて輝ける存在はそれだけで羨望の対象だ、私にとっては」
そして、それと同時に蝶の羽をもぎ取り、虫ピンで貫いて己のもとで留めて置きたいと感じる、
闇の一面も持っている自分の心を酷く怨むのだった。

590レジヴィータ:2008/12/09(火) 00:08:54 ID:XYUaHxRI
 ほの暗い空間。周囲には何も無い。足元には流体する砂。
そこでふと思う。
ああ、これは何時もの夢だ、と。
顔の見えぬ誰かを食い破る夢。
顔の見えぬ誰かの血を啜る夢。
顔の見えぬ誰かの肢体を貪る夢。
大凡真っ当とは言えぬ行為を、ここで観客のように見る。
相手は誰かで、行為者は自分。そして観者も自分。
酷く醜い行為だ。自分は誰かを虐げなければ精神的安定を得られない存在だと嫌でも目視させられる。
しかし、そんな思考も慣れと諦観の砂に埋もれていった。
今更目の当たりにしても、大した感動も無い。
なのに、それを見た瞬間心臓が大きく鼓動したのには我が事ながら驚いた。
何故、何故、何故……それが視界を埋め尽くす。
今まで顔の無い人間モドキだったが故に許容できた所業に、明確な他者が生まれた。
だからと言って、何故あの少女なのか。
黒い思考をしてしまったのがいけなかったのか。
眩しさに焼かれたのがいけなかったのか。
それは判らない。
だから、夢は止まらない。
無垢な少女を、黒い闇となった自分が貪る。
声の上げられない少女の服を首から引き千切り、首筋から胸元を露出させる。
首筋に舌を這わせ、赤髪を纏めるリボンを解く。
解け、広がる美しき赤。
右指を少女の口内に指し込み、指を舐めることを強要する。
霧状となった左腕で下半身を覆い、中と外両方から刺激を加える。
指先から唾液が掌へと伝い落ち、少女の口からも雫が零れ落ちる。
水音が無音の世界に響いた。
秘所と尻穴のいたるところを無形の存在が蹂躙し、少女を中から染め上げる。
粘膜から吸収された霧は血管へと流れ込み、全身を回り少女の官能を刺激した。
首筋を舐めていた口は、その動きをやめて大きく開き。
その牙を現した。
首筋を抉る牙。皮膚を突き破る感覚。血を啜る音。全身を痙攣させる少女。
その身体から力を奪い去り、捕食者の意のままに曝け出す。
頬を染め、指を咥えた口からは甘く荒い吐息が零れる。
眼を細め、涙で潤ませ、全身をもってその官能、その快感を現す少女。
もう、彼女は闇の抱擁から逃れられない。
そして、闇はこちらの方を見て、哂ったのだ。
やりたいのに出来ない、やりたくないと思い込む彼を哂う。
ニンゲンであろうとするその心を哂ったのだ。
その視線を振り払って、彼は目覚めようと意識する。
一秒でも、この闇に居たくなかった。
闇に感化される前に、光の裁きを受けよう。
そして眼が覚めた。指を舐める音が、響いていた……

 薄暗い夜明け前の部屋。
無理やり覚醒したレジアスはシャワールームへと赴き、微温湯を頭から浴びる。
熱をもった肉体を冷やすように、頭を冷やすように。
そうしながら、精神安定剤を齧る。一刻も早く安寧が訪れるように。
だが、黒い考えは消えてはくれず、肉体は欲を求めてやまない。
早く、夜が明けて太陽が上がるコトを切望する。
自分を押さえきれなくなる前に早く。
何時の間にか、左手で右腕を抉るほど掴んでいた。
その血は赤く、それが彼女を思い出させてしまった……

591レジヴィータ:2008/12/09(火) 00:12:44 ID:XYUaHxRI
とりあえずここまでにゃ〜。
エロスないにゃ〜。レジアスがまだ迷ってるんだにゃ〜、と。
さて、今回のクロスはちょっとマイナーです?
LOST SCRIPTさんから発売されている蠅声の王というゲムです。
ちょっとした世界観とアイテムその他をお借りしてクロスやらせてもらいましたの。

今後はエロエロになっていくといいにゃ〜、です。

592名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/09(火) 23:56:21 ID:nDhsTEk.
定期的にチェックしてるつもりがサラリと更新されているので困るw
レジアスさんが速いところ理性ぶっちぎる展開を期待してますぜ、旦那w

593名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/10(水) 22:40:03 ID:XmcGMbAE
ルーテシアでエクストラヴァガンザとか言う妄想を抱いた俺は駄目でしょうか

594レジヴィータ:2008/12/10(水) 23:01:07 ID:NtAMwvZo
>>593
ありかもしれんが……他のキャストは誰がやるんだw
特に煉獄

595名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/10(水) 23:01:37 ID:NtAMwvZo
くそ、またコテ消し忘れた
すいませんです

596名無しの局員さん@書庫探索中:2008/12/31(水) 15:15:15 ID:6r2TeFEM
今年は今日で終わり。来年はもっとSSが来ますように。

597名無しの局員さん@書庫探索中:2009/01/01(木) 00:20:11 ID:5Vt8pyow
明けましておめでとうございます。
旧年度は色々とお世話になり誠にありがとうございました。
本年度もなにとぞよろしくお願い申し上げます。

来年 は がんばる ぞ

598リリカル! 夢境学園 ◆XQrKF.nCNM:2009/01/01(木) 14:21:32 ID:YpFJDoos
明けましておめでとうございます!
とりあえず誰もなっていないでしょうが、チマチマとビスケット・シューターの番外編を投下させていただきます。
グロ注意。

599ビスケット・シューター ◆XQrKF.nCNM:2009/01/01(木) 14:22:56 ID:YpFJDoos



 華よ、華よ、華よ。
 咲き誇れ。
 狂い咲け。
 嗤えるほどに咲き乱れるがいい。

「祝福しよう」

 パチンと金属音が響く。
 赤く、蒼く、揺らめく火が灯されたガスの揺らめきにそって燃え上がる。
 それに添えられたのは一本の煙草。
 ジリジリと焦がれる煙草の先端から白い煙が揺らめき踊り、紫煙が立ち上る。
 その瞳は光のない漆黒。
 爛々と燃え盛る焔に照らされても反射することのない瞳はどこまでも暗く、吸い込まれそうなほどに暗黒。
 その身は老骨だ。
 皺が全身を覆い、腕は細く、脚も細い、だがしかし、背筋は伸びている。
 揺らめく紫煙を吐き出す吐息に乱れはなく、光を嫌う者共が蠢く闇の中においても感情の乱れは無い。
 老人は戦士であり、悪魔であり、救世主であり、英雄であり、虐殺者だった。
 纏う雰囲気は刃の如く、銃身の如く、鋼の如く、死体の如く、冷たく硬く乾いている。
 それが見下ろすのは何か?
 それが語りかけるのは何か?
 それを答えたのは彼の加える煙草の焦げる音を打ち消す呻き声だった。

 ――殺シテ。

 ――タスケテ。

 ――イヤダ、イヤダ、イヤダ、イヤダ。

 ――怖イヨ、明ルイノハイヤダ、イタイイタイイタイ、イタイィイイイイ!!!

 絶叫である。
 嘆きの声が聞こえる。
 グシャグシャと湿った音が鳴り響き、壁を掻き毟る音が聞こえて、浅ましい恐悦の声も入り混じる。
 肉がある。
 血がある。
 骨がある。
 だがしかし、それは生物か?
 一つ息をする度に肺が爛れそうなほどの腐臭、鼻腔が腐りそうなほどの甘い香り、血潮の臭いと腐臭が入り混じり、刺激臭とさえなっている地獄。
 だが、それを見ても老人は顔色一つ変えない。

「祝福による進化は痛みを伴う」

 煙草を吸う。
 吸い終わった灰が舞い、足元にまで伸びていた骨の露出した手に落下し、その痛みに悲鳴が上がる。
 声を上げるなと誰かが叫んだ。
 火を付けるなど誰かが懇願した。
 刺激が強い。
 それは生まれたての赤子のように繊細で、瀕死の重傷人たちのように脆く死に易い。
 けれど、老人は気にせずに新しい煙草を咥えると。

600ビスケット・シューター ◆XQrKF.nCNM:2009/01/01(木) 14:23:45 ID:YpFJDoos
 
「喜べとは言わん。ただ嘆いて、足掻け――そう、お前のようにな」

 老人が目を向ける先には一つの影があった。
 暗闇の奥に揺ら揺らと立ち上がる影、それは女だった。
 奇妙に歪んだ異形の女。右手が二つ、左手が一つ、左右非対称。
 元は美しかったのだろう美貌は涙に、痛みに、嘆きの彩りに染まり、唇は変色して乾いた青色となっている。
 その皮膚は重度の火傷を負ったように爛れて、神経が露出し、風が渦巻くたびに激痛に堪えるように打ち震える。
 それは何故立ち上がったのか?
 それは怒りだ。
 それは憎悪だ。

「ァア」

 嗚咽が上がる。
 異形の女の声が上がり、鳴り響く悲鳴が輪唱のように声を重ねる。

「ァアアアアアアアア!!」

 どこまでも切ない、心を引き裂くような悲鳴と共に異形の女が疾る。
 仲間であろう、同胞であろう、同じ犠牲者の肉体を踏み砕き、老人に迫る――だが。

「元気がいいな」

 一つの破裂音がその足を吹き飛ばした。
 血が迸り、絶叫と共に女が転がる。

「しかし」

 硝煙が立ち上る。
 それは銃撃の証拠。老人は手に一つの拳銃を握っていた。
 老人は手元を閃かせた瞬間、その袖から滑り出したサブアームズ。
 ロクに狙いも付けずに、だが必中の一撃。

「執念が足りん」

 銃撃、銃撃、銃撃。
 発砲音が室内に響き渡る、骨が砕ける、血が砕ける、絶叫が鳴り響いて。
 その轟音に苦しむものたちの声が嬌声のように鳴り響く。

「憎いか? 苦しいか? ならば憎め、もっと憎め、わしだけではなく、わしを生み出した世界すらも憎悪しろ」

 異形の女は痙攣する。
 抱いていた憎悪すらも打ち砕かれるほどに熾烈な銃撃に、手足が吹き飛び、仲間の血肉を啜って作り出した体液を流し出して、壊れかけていた。
 ピクリとも反撃してこないそれにどこかため息を吐き出して、老人はその首に足を掛けて。

「憎みきれんか。失敗作が」

 ゴキリとその首をへし折った。
 折れた首は脆く、千切れ落ちる。
 ゴロゴロと転がった美しいはずだった頭部は喚く者共の中に戻るよりも早く、まるで血に溶けたように形を失った。
 その末路に恐れを上げる気配を感じる。
 蠢く泥のような腐肉の塊を見つめて、老人は二本目の煙草を吸いきり、紫煙をゆるりと吐き出し始める。
 美味そうに、不味そうに、痛みを孕むように吐き出した。
 誰が知るだろうか。
 彼の名を。
 二年前、この世界を隔離閉鎖処置にまで追い込んだ悪霊たちの助力者。
 一級テロリスト。
 世界の憎悪を浴びる人物。
 その名をトレディア・グラーゼといった。

601ビスケット・シューター ◆XQrKF.nCNM:2009/01/01(木) 14:24:27 ID:YpFJDoos

【UnrimitedEndLine】

 外伝 『Biscuit・Shooter』

 ノーリターン・エピソード/2 枯れない華〜命の価値亡き者たち〜




 一人の少女と一人の青年が歩いていた。
 寒く、どこか乾いた風のする場所。
 それは廃棄都市の一つ。
 二年前、レギオンと名乗るテロリストたちが使用したとされる化学兵器によって廃棄処分を受けた隔離都市。
 そこに住むことは許されない。
 そこにはもう誰もいないはず……というのが建前だった。

「ここかよ」

 青年――ヴァイスはどこか嫌気の差した目つきで廃棄都市内を睨んだ。
 古傷が疼きそうだった。
 かつての戦場の一つ、吐き気がするほどに駆けずり回り、大地にぶちまけた血肉の色を思い出しそうなほどに記憶は鮮明だ。
 眩暈がする。
 地上本部の公式発表によれば使用された化学兵器による残留汚染濃度は人体には支障の無い段階まで軽減されているはずだが、今だなお復旧の見越しはない。
 復興するにしても予算が足りず、調査も終わっていない。
 人手を廻して、調査と計画を立てようとしても常に地上本部は過重労働にも近い人手不足できりきり舞いだ。
 無駄とは言えないが、優先事項に差がある調査などには人を廻すことは難しい。
 なんとかギリギリの範囲で治安を保っている今の現状で、調査や復興計画などを発表すれば、市民の不満が高まるだろう。
 未だに傷は癒えていない。
 未だに人の心には恐怖が残る。
 そう、今この瞬間にも咽ながら煙草を吸うヴァイスの心のように。

「ごふ、げふ……っ」

「……吸えないなら無理に吸わないほうがいいんじゃない?」

 咽ながらも煙草を吸い続けるヴァイスを見てドゥーエと名乗る少女は声を掛ける。

「うるせえ。さっさと話の続きをしろ」

「了解。とりあえずトレディア・グラーゼのことは貴方知ってるわよね?」

「一応、な。二年前の【ミッドチルダ封鎖事件】で、片棒を担いでいた奴だ。うちの上司が追い詰めたらしいが、死んでなかったのは知ってる」

 トレディア・グラーゼ。
 管理外世界の一つ、オルセアにて活動していたらしい活動家。
 南部諸国における内戦で名前の知れ渡っていたらしいテロリストらしいが、何故彼がこの世界に来て、活動をしているのかは不明。
 魔力素養はなく、質量兵器での戦闘を得意とすると――とここまではヴァイスの頭の中に叩き込まれている。
 だが、それが何故いまさら出てくる?

602ビスケット・シューター ◆XQrKF.nCNM:2009/01/01(木) 14:24:59 ID:YpFJDoos

「何故、俺たちが今更追わないといけない? って顔をしているわね」

「……分かりやすいか?」

 顔色を読まれたと思って、ヴァイスは少しだけ目つきを鋭くするが、ドゥーエはクスクスと笑うだけで答えない。

「まあ貴方の疑問ももっともだわ。単なるテロリストを追うならそれ専門の追跡チームが追えばいいもの、わざわざ汚れ役の私たちが出る幕もないわ」

「だろうな。たった二人で追うにはでかすぎる山だ」

「でもね、ちょーとこれは表に出せない案件なのよ――ここ最近の連続遺体消失事件は知ってる?」

 ドゥーエが歩きながら、後ろに振り向いてヴァイスの顔を見上げた。
 深く吸い込まれそうな水面色の瞳がこちらを見る。

「一応な。部署が違うからニュース程度しか知らねえが」

「それで十分だわ」

 連続遺体消失事件。
 地方新聞に載る程度の事件だったが、その数の多さから段々ニュースに取り上げられている案件である。
 ミッドチルダ各所の墓所で墓穴が掘り起こされるという事件が多発しているのだ。
 ミッドチルダの埋葬法方は土葬であり、その墓穴の中にあるのは遺品であり、その弔うべき対象――遺体。それが消失している。
 それも調査の結果、数年単位の古い死体ではなく、最低半年以内の新しい死体ばかりだ。
 ゴシップ記事ではカルト教団による仕業だとか、組織的な人体売買活動だとか、根も葉もない言葉ばかり記載されている。
 けれど、遺体を失い、嘆き悲しむ遺族の苦しさは誰も触れない。
 その安息を祈るべき対象を失ったものはどうすれば救われるのだろうか。
 親友の死から既に二年、その忘れ形見が大切に思っている親友の遺体は被害に遭っていない事を既に確認済みのヴァイスはどこか他人事のような気分でそのニュースに目を通していたが。

「それと、関係があるのか?」

「関係がなかったら話しなんてしないわ」

 ドゥーエはどこか怒ったような口ぶりで告げた。

「まったく鈍いわね。ドクターから“マリアージュ”の話は聞いてないの?」

「? マリアージュ?」

 聞き覚えの無い単語だった。
 ヴァイスが首を捻ると、ドゥーエはぷぅっと子供らしく頬を膨らませた。

「……呆れた。貴方何も知らないのね」

「忙しい日々を送ってるからな、色々と取りこぼしがあるんだよ」

「言い訳はかっこ悪いわよ?」

 どこか小馬鹿にするような態度でドゥーエは前に向きなおすと、その手に持っていた黄色い傘をバッと開いた。
 明るい晴天にも関わらず傘を開く。
 日傘のつもりか。どうみても雨傘なのに。
 どこか常識とは違う行動を起こす少女を見ながら、ヴァイスは淡々と廃棄都市の中へと進んでいく。
 剥き出しのコンクリートブロックで覆われたビル、もはや車の走ることの無いひび割れた道路、緑もなくただ乾いたコンクリートジャングル。
 異様に寂しかった。
 熱が無い、コンクリートの冷たさでどこまでも冷やされていきそうな世界。
 静寂が満ちている。
 けれど、ヴァイスは気配を感じていた。
 息を潜めて生きている何かの気配を感じていた。

603ビスケット・シューター ◆XQrKF.nCNM:2009/01/01(木) 14:25:32 ID:YpFJDoos

「……相変わらずだな」

 人の気配。
 それの正体にヴァイスは心当たりがあった。
 廃棄都市に住む不法滞在者、戸籍もなく、両親も重なるテロや事件で失った孤児たちの逃げ場。
 或いは治外法権を利用して寝床と変えた犯罪者たちの住処であり、それにつれて来られた難民同然の人間たち。
 かつてと比べればこの世界もずっと住み易くなった。
 けれど、まだ幾つも病巣がある。嘆きがある。悲劇は終わらない。御伽噺のように魔法では解決しない闇がある。

「……消したいな」

 なんとかしたいという思いがある。
 だからこそ、あの人について行こうと決めたのだ。
 何人もの人が、少しでもこの世界を変えていこうと動いている。
 それは祈りであり、願いであり、努力であり、力であり、支えだった。
 いつかこれらを全て砕くことが出来るのだろうか。
 そう考えながら、ヴァイスが静かに手を握り締めた時だった。

「居たわ」

「ん?」

 ドゥーエの発言に、ヴァイスが前に目を向けた。
 どこまでも続く廃棄都市の荒れ果てた道、その路地裏の隠れるように一人の男が立っている。
 灰色のコート、目立たなく刈り上げた髪型、どこか小物を思わせる太った腹の男がそこにいた。
 格好と体格だけならば普通なのに、キョロキョロと警戒しているように視線を動かしている姿がどこか不気味で滑稽だった。

「ん? ひっ!」

 こちらを認識した途端、男が数歩後ろに後ずさり、警戒したように逃げ腰になった。
 けれど、ドゥーエは微笑んだままに手を上げて。

「ハイッ。元気かしら、約束どおりにやってきたわよ?」

「あ? お、おまえか?」

 ドゥーエとヴァイスを見比べて、男がどこか戸惑ったように声を震わせる。

(こいつは?)

(情報提供者。この場所を指定したのもこの人。私としては洒落た喫茶店ででも行きたかったのだけれど、センスないわ)

 ヴァイスが小声で訊ねると、ドゥーエはどこかため息混じりに答えた。

(ま、私が質問するから貴方は大人しく聞いてて)

 と、そこまで告げると、ドゥーエはニコリと微笑んで、甘く蕩けるような声を紡いだ。

「そうよ。打ち合わせパスはシルクフラワー、聞き覚えはあるでしょう?」

「……ッ。てことはアンタが取引相手か」

 男が息を飲んだ。
 やってきたのはこんな子供だったとは予想すらしてなかったに違いない。
 キョロキョロとドゥーエとヴァイスを見比べて、戸惑ったように目を動かすが。

604ビスケット・シューター ◆XQrKF.nCNM:2009/01/01(木) 14:26:12 ID:YpFJDoos

「ああ、後ろの彼はただの護衛だから気にしてなくていいわ」

「そ、そうか。で、約束は……」

「疑い深いのね? とりあえず報酬よ」

 そう告げると、ドゥーエは水色のワンピースの中に手を突っ込むと、魔法のように札束を取り出した。
 ぽいっと投げつけると、男が慌ててそれを受け取る。

「はは。ありがとうございやす」

 慌てて枚数を確認し、男が歯を剥き出しに笑う。
 金だけで落ちる奴はこんなにも脆い。
 醜いとヴァイスは吐き捨てたくなったが、何も言わないでおく。

「で、それで満足したかしら? 情報が正しい分かれば、残りの報酬もそちらの口座に振り込んであげる」

「は、はい。それで、えーと……何を話せば?」

「貴方の協力相手。貴方が死体を売り飛ばしたトレディア・グラーゼの居場所及び死体を運んだ先を教えなさい」

「なに?」

 一瞬ヴァイスが声を漏らすが、ギンッとドゥーエが睨みつけてその言葉を封殺した。
 黙っていろ、という意味なのだろうか。

「トレディアですか? ああ、トレディアの居場所なら知ってますぜ」

 男は嬉しげに札束をコートのポケットに入れると、ジロジロとどこか好色じみた目でドゥーエを見た。

「どこ?」

「いやいや、ちょっと待ってください」

 ハハハと男が楽しげに笑うと、頬を掻いて告げた。

「その前に死体を運んだ場所なんですがね……」

「場所は?」



「――ここなんだわ」



 その発言と同時に一瞬空が暗くなったような気がした。

「は?」

 ドゥーエが一瞬首を傾げた瞬間、ヴァイスはその身体を掴んでいた。
 背筋に走る本能、警告予告に従って抱きしめ、後ろに跳び下がる。

「えっ!?」

 ヴァイスとドゥーエが下がった瞬間、そこを叩き潰すように何かが着地していた。
 ズシンと地響きが、さらにいえば肉の潰れる音が響き渡る。

605ビスケット・シューター ◆XQrKF.nCNM:2009/01/01(木) 14:27:06 ID:YpFJDoos

「こいつは!?」

 それは異形だった。
 それはおそらく女……だろうか?
 若い少女がいた、若い女がいた、けれどその全ては苦悶の顔で、なおかつ裸だった。そして同化していた。
 無数の女の裸体、それが巨大な犬の肉体に癒着するようにくっ付いていた。
 癒着しているだろう下半身からはまるで愛液のように、或いは血のように、体液を流し零し、その白蝋じみた肌はどこまでも淫猥に満ちている。
 しかし、その姿に少しでも情欲が湧くものか。
 それは死体だ。それは屍だ。
 皮膚の剥がれ落ちた肉体はところどころで赤味を出して、涙のような腐汁を零している目には白濁している。
 歌うように、喘ぐように漏れ流れる嬌声のような旋律は、不自然に蠢く肺の活動によって喉から零れる音の雑音に過ぎない。
 認識すればその腐臭に気が付く。
 それは死体だった。それは亡骸だった。それは化け物だった。
 吐き気がしそうな香りがして、背筋が震えるほどにおぞましい。

「どういうこと!?」

「悪いねぇ、悪いねぇ、オレは怖くて怖くてトレディアが裏切れねえんだ! お金はありがたく頂くぜ!!」

 男が嗤う。
 ニタニタと、罪悪の欠片もなさそうに笑って。

「ひ、ひひひ! どうだ、美しいだろう!? 俺が手ずから選んで犯し殺した女ばかりだ! アイツと組めばこんなにいい思いが出来る!」

 笑い声が鳴り響く。

「可愛い嬢ちゃん! お前も死んだら犯してやるよ!!」

 死姦趣味の変態か。
 狂ってる。
 おぞましすぎて、ヴァイスは怒りが込み上げる。

「――むかつくぜ」

「同感ね。ここまで馬鹿な真似をするとはさすがに予測外よ」

 ヴァイスの発言に、ドゥーエは傘を折り畳んで告げた。

「戦える? あいつは生かして、情報を聞き出す必要があるから」

「問題ねえよ。距離は取りたいけどな」

 ヴァイスは懐に手を当てる。
 重い感触があった。
 ポケットにはストームレイダーもある。なんとか、距離を取れば始末できる自信がある。

606ビスケット・シューター ◆XQrKF.nCNM:2009/01/01(木) 14:27:38 ID:YpFJDoos

「そう、なら――私がひきつけるからよろしく」

 少女が踏み出す。
 恐れを知らないように。

「な!?」

「じゃあ、ね」

 そして、ドゥーエは踏み出した。
 腐った魔獣に、嘆きを上げる者たちに。

「後悔させてあげる」

 手を閃かし、おぞましき屍獣に走り出す。
 その声はどこまでも冷徹でありながら、苛烈だった。
 怒りを燃やしていた。
 外道の所業に、ただ憤怒していた。

「祝福あれ! 祝福あれ! 全てぶちころしてやれよ、マリアージュ!!」

 男の狂笑が響き渡る中、少女が舞う。
 ブロンドの髪をたなびかせて、その指に鋭い刃が伸びた。
 獣のように、風のように、舞踏のように、女神のように、少女は舞い踊る。


 そして、戦いは始まる。

 命の価値を亡くされたものへの追悼が。

607ビスケット・シューター ◆XQrKF.nCNM:2009/01/01(木) 14:28:33 ID:YpFJDoos
投下終了です。
だらだら進行ですが、少しでも楽しんでくれると幸いです。

608名無しの局員さん@書庫探索中:2009/01/01(木) 14:32:57 ID:AAUH3DRc
GJ
シリアスと鮮血風味がエンドライン以上ですね。さすがは無限書庫、本スレではできないことがやれますね、そこにしびれてあこがれます
ルネとヴァイスの因縁が出来、エンドラインSSX編に繋がるのかが気になります。
次の話の戦闘やヴァイス×ドゥーエのシーンなど続きを楽しみにしてます

609名無しの局員さん@書庫探索中:2009/01/05(月) 13:19:58 ID:KcNRDMxg
GJ!!
ああ、そっちの意味でも18禁てわけね。グロ表現での。
しかしなのはよりもブギーよりもメガテンのよーな。
レギオンの語感に引っ張られているからだろうか。

610名無しの局員さん@書庫探索中:2009/01/05(月) 17:38:01 ID:V5NX8tVQ
遅くなりながらもGJ。

SSXの話と絡むという時点で興味深いのに、ヴァイスとドゥーエの二人が出合って間もない時というのも実に興味を惹かれます。
次回もお待ちしております。

611名無しの局員さん@書庫探索中:2009/01/06(火) 23:50:19 ID:FMD1AIlM
GJ!!です。
死体を兵器にか。
ただ、未完成な感じがあるので戦力としては微妙そうですね。

612リリカル! 夢境学園 ◆XQrKF.nCNM:2009/01/18(日) 01:05:12 ID:eH4J.knI
続きが出来たので投下しますね。
ちょっとエログロ注意です!

613ビスケット・シューター ◆XQrKF.nCNM:2009/01/18(日) 01:05:54 ID:eH4J.knI

 命は美しい。
 誰かがそう告げた。
 否定はしない。
 ただし、肯定もしない。
 美しく輝くのは命そのものじゃないから。
 肝心なのは加工方法。
 ダイヤモンドの原石は正しいカットで煌めき輝くように、命は燃やし尽くされ、或いは穢されて、その有り様を無限に変容させる。
 ならば、ならば、ならば。

「この使い方はもっとも醜いわねっ!」

 地面を蹴る、迫る腐臭の塊。
 悲鳴が聞こえる、怨嗟の声が。
 わらわらわら、怒涛の津波の如き腐敗した白蝋手の雨が降り注ぎ、彼女は怒声を張り上げた。
 人体限界を超えて迫る疾風怒濤、その動きを強化された視神経で捉えきったドゥーエは僅かに頭を屈めて、踊るように踏み込んだ。
 回る、旋転する、踏み踊る。
 ワンピースの裾を靡かせて、まるでロンドを踊るように、絶望の怨嗟を上げる怨霊の如き群れに入り込む。

「っ、ドゥーエ!?」

 爆音が轟く。
 アスファルトの大地を、コンクリートの壁を粉砕した屍肉の惨状に、ヴァイスが声を上げた。
 同時に笑い声が轟く。

「ひははははは!! 魔導師かと思えば単なる自殺志願者かよ! 悲しいねぇ、下半身だけでも残ってればいいが!」

「テメエ!」

 ヴァイスが気炎を上げて、そのポケットから待機状態のストームレイダーを取り出す。
 その光景に、集合体マリアージュの背後に隠れていた男が慌てて影に引っ込むと。

「ひ、ひひひ、怖い怖い! けど、テメエもさっさとぶちころされて――」


「うるさいわね」


 声が響いた。
 少女の声が。

「あ?」

 次の刹那、腐肉が迸った。
 バラバラと、チリチリと、タールのように融けた腐汁が地面に落ちて滴り撥ねる。
 集合体マリアージュと癒着させられた女の死体、その数本の手が千切れ飛び、首が跳ねられて、内臓を撒き散らしながら落下した。

614ビスケット・シューター ◆XQrKF.nCNM:2009/01/18(日) 01:07:27 ID:eH4J.knI

「ごめんなさいね。綺麗に殺せなくて」

 声は上から降り注ぐ。
 二人の男が上を見上げた。
 少女が其処に居た。
 彼女は“垂直に壁へと立っていた”。
 重力を無視するようにその裸足になった両足が壁に立てられて、その左手には脱いだブーツを指にひっかけて、その右手には薄く鋭く伸ばされた刃鉄の爪がある。
 見るがいい。
 魅せられるがいい。
 その手に閃かせし魔爪の輝きを。
 その指に伸ばした爪――ピアッシングネイル。
 一部の管理外世界で発掘されるレアメタルを加工し、特定電流により、その形状を自由意志により伸縮可能とした金属により構成。その爪先には最先端技術による単分子結合と超低摩擦コーディング技術を施し、理論上あらゆる物質の切断を可能としている魔爪。
 彼女は腐汁に染まった爪を軽く振るい、真っ赤な唇から紅い妖艶とさえ言える舌を突き出して、唇を舐める。

「ヴァイス、さっさと離れなさい」

「あ?」

「私がこいつとしばらく遊んでいるから、巻き込まれたくなかったら離れなさい。それとも――」

 唯一重力に従い、垂れ下がるその裾を伸びた鋼鉄の爪で摘まみながら。

「私の裸体でも見たいのかしら?」

 妖艶なる顔つき。

「んなっ!?」

 ヴァイスは絶句。
 そして、ドゥーエという少女は回りだす。
 ランランと、ステップでも踏むかのように、踊りながら、その“つま先で壁を突き刺しながら”、加速、疾走、跳躍。
 呆然と見上げる男の表情を嘲笑うように、微笑み。

「お気に入りのワンピースなの。汚れないように、綺麗に刻んで上げるわ」

 戦闘機人ナンバーズ Ⅱの製造番号を抱いた“理想動作体躯”は慈悲なき女神の壮絶さで告げた。





【UnrimitedEndLine】

 外伝 『Biscuit・Shooter』

 ノーリターン・エピソード/3 枯れない華〜屍客たちの舞踏会〜

615ビスケット・シューター ◆XQrKF.nCNM:2009/01/18(日) 01:08:36 ID:eH4J.knI


 ギチギチと体の内部で歯車が噛み合うような音が響いてくる。

 ――ギアを変える。一つ、二つと組み変える。

 ドゥーエの足の中で複数の構築足骨が形を変えて、組み直されるのを自覚。
 加速しながら、ドゥーエは己の内部で、人工筋繊維を、骨を、血管を、パーツを最適化していく。
 人間の身体は豹よりも遅く、猫のようにしやなかではなく、馬ほどにも持久力があるわけではなく、熊ほどに腕力があるわけでもなく、ゴリラほどに握力があるわけでもない。
 非力なのだ。
 その専門分野の生物の最高傑作であるものたちと競うには肉体的に向いているとは言えない、無駄が多いのだ。
 ならば、それを最適化してやれば?
 骨格を組み替えて、筋繊維を相応しい形で張り巡らせて、血管の位置を整えて、決して破れることの無い皮膚で覆ってやればどうなる?
 条件だけならば互角だ。
 故に開発者である狂人はこう名付けた。

 ――理想動作体躯。

 あらゆる環境化においてもっとも理想的な動作を実現し続けるものだと。
 科学技術で調整された強靭な人工筋肉の稼働に、高速伝達ファイバーによる神経伝達速度の上昇は弾丸をも視認して躱すだけの高速反応を約束する。
 その身は戦闘機人。
 人工物にて身体を構築した生体サイボーグ。
 少女の外見をした理想動作体躯は日本刀での一閃の如く無駄なく風のように、複合マリアージュの真横を駆け抜けて。

「遅いわ」

 両断。
 足を断ち切る。
 獣の前足の一本を、手ごたえすらも感じない鋭すぎる刃で分割した。

『LIイイイイイイイイ!!!』

 絶頂の嬌声にも似た苦痛の呻き声。
 撒き散らされる腐汁の血潮を避けるようにドゥーエは地面を蹴り飛ばす。
 ふわりとスプリングで弾んだかのような重力を無視した跳躍。膝を曲げた瞬間、関節を組み直し、内部に仕込まれた人工筋繊維を折り畳んでバネのように配置した結果だった。
 空中に浮かび上がっている瞬間に再び関節を組み立て直すと、ドゥーエは壁を蹴り、さらに上へと舞い上がっていく。
 三角飛びを繰り返し、ふわりとドゥーエはビルの屋上縁に降り立った。

「来なさい」

 それは確信だった。
 ドゥーエの知識にはこうある。
 マリアージュ。言語能力と思考能力はあるものの、知能は虫レベルの奇妙な死人兵器。
 本来ある程度の判断能力はあるが、先ほどのを見た限り、おそらく未完成。
 本来必要な“イクス”のコアの欠如が原因だと断定。
 故に本能的な一面が大きく露出していることを計算に入れて――下から響いてくる影に彼女は微笑んだ。
 激震。咆哮。
 激昂の表情を浮かべて、複合マリアージュが壁に身体を叩きつけると、その上半身に癒着した無数の女性裸体が腕ごと壁に突き刺して、足がかりにして登って来る。
 おぞましい光景だった。

「ひひひ、逃がさないぜ!」

 そして、その背部に張り付き、もっとも損傷が少ない女性の裸体にしがみついているのは先ほどの男だった。
 どうやら別行動をすれば即座にやられることぐらいは分かる程度に頭は回るらしい。

616ビスケット・シューター ◆XQrKF.nCNM:2009/01/18(日) 01:11:05 ID:eH4J.knI

「……当てが外れたわね」

 分断させれば、ヴァイスが男を捕らえると踏んだのだが、この分だとヴァイスは役立たずだろう。
 チラリと下を見てみれば、ヴァイスは既にいなかった。
 逃げたのか? それとも階段でも駆け上っているのか。まあどちらでもいい。
 どうせ当てにはしていない、外見的な問題からドゥーエ単独では舐められるということと、連絡要員が欲しかったぐらいだ。
 問題はない。

「その程度の兵器で私を片付けるつもりとは舐められたわね」

 ドゥーエは手に下げたお気に入りの靴を邪魔にならないところにそっと置くと、再び跳ねた。
 彼女が飛び上がった足の下を、腐臭を撒き散らした胴体が通過する。
 ボキリと振り抜かれた胴体の一つがその首の骨を破損させて、ブラブラと揺れているが、誰も気にしない。
 ただドゥーエは哀れに思っただけだった。
 しかし、それは手加減する理由にはならない。
 死者は死者だ、殺し尽くすことだけが慈悲だろう。
 ドゥーエはターンをするように柔らかく着地すると、ワンピースの裾をふわりと浮かび上がらせながら、構えた。
 集合体マリアージュは鼓膜を汚すような鳴き声を上げながら、屋上にまで辿り付いていた。無数に癒着させられた死体たちが、眼球の縁から腐汁を流し、腕を斬られたものも、斬られていないものも、己の乳房を掻き毟るように掴んで、声にならない喘ぎ声を上げていた。
 淫靡な光景だろう。
 淫猥な景色だろう。
 だが、哀れだった。激痛を快楽で軽減しようと言うのか、それほどまでに救われない。その本体である、まるで茸の根元のような巨大な猟犬魔獣が牙を剥き出しに口を開いて、ごぼごぼとその口内から消化液を吐き散らした。
 その背後にしがみついた男は降り立ち、ニヤニヤと笑いながら叫ぶ。

「さあお嬢ちゃん、改めて鬼ごっこの開始だ!」

 男は床を踏み締めて、唇を吹いた。下品なポーズ。
 それと共に調教された犬のような従順さで、マリアージュが吼えた。

「汚いわね」

 不快そうにドゥーエは顔をしかめる。
 そして、集合体マリアージュはその喉を鳴らして、涎と消化液の混じった腐汁を吐き散らしながら、残った三つの脚でアスファルトの床を蹴り飛ばした。
 ドンッ、と空気が爆ぜる音。

「っ!?」

 迅い。
 重量のある無数の死体を背負い、さらには一つの足が欠けているというのにその速度は素早かった。
 牙を剥き出しに、一口にドゥーエを噛み砕こうと顎が大きく開かれて――バチンと噛み合わされる直前に斜め前に避難した。
 舐めるな、この身は弾丸だって躱してみせる。
 そう思って捌いたのだが、その思考は頭部にめり込んだ衝撃に吹き飛んだ。

「くっ!!?」

 躱した瞬間、マリアージュの犬頭部が横に振られて、弾き飛ばされたのだと気付くのに一瞬遅れた。
 見かけどおりの体重しかないドゥーエの身体は威勢よく弾き飛ばされて、屋上の隅に残っていたフェンスに叩きつけられた。

「い、たいわね!」

 ワンピースが傷ついた。
 そんな怒りにドゥーエが気炎を上げて、めり込んだフェンスの鉄線から身体を起こそうとした瞬間だった。

『ァアアアアアアアアアアアアアア!!!』

「え?」

 絶叫が上がっていた。

617ビスケット・シューター ◆XQrKF.nCNM:2009/01/18(日) 01:12:03 ID:eH4J.knI

 ドゥーエの目に飛び込んできたのは、信じられない光景だった。
 人体が引き千切られている。
 それも無数の女性の手によって、その胴から引き千切られている。腹が、脇腹が、腰が無数の魍魎の如き死者の手の爪に突き刺さられて、腸を引きずり出されて、ドロリとした腐った血を吹き出しながら、骨を砕かれていた。
 淡々と続けられるのは“切断作業”
 切り裂かれる女の死人は悲鳴を上げながら、舌を伸ばして、苦しみ悶えながら絶叫を上げて、ごぶりと腐汁を吐き出して再び死んだ。

「どういう、つもり?」

 訳が分からなかった。
 ドゥーエが一瞬思考を混乱で満たしながらも、引き千切られた上半身だけの死体が、同胞である女死人たちの手によって掲げられて。

「まさか!?」

 意図を理解した瞬間、“それは投げ放たれた”。
 切り離された女の死体がもはや肌の色を取り戻さない乳房を震わせながら、ゴミクズのように空中を舞って――膨れ上がる。醜く、妊婦のように腹が、風船のように腹が膨れ上がって、裂けた。みちりと。

 ――轟音爆破。

 全てを爆炎が呑み込んだ。







 走る、走る、走る。
 彼は移動をしていた。

「ったく、こういうことばかりだよなぁ」

 ドゥーエが壁を蹴りながら、上へと飛び上がり、それをマリアージュと呼ばれた存在が追いかけて、それに捕らえるべき密告者の男が付いていったのを確認したと同時にヴァイスはその場を離れた。
 彼は役目を理解している。
 共に追いかけようにもベクトル制御の魔法制御は彼の力量外、途中で墜落するのが目に見えている。
 保持すべきはポジション。
 そして、場所。
 ここに来るまでの間に見当を付けて置いた廃ビルの一つ、非常階段への柵を慣れた仕草で乗り越えて、ヴァイスは階段を登り始める。
 グルグルと螺旋状になっている階段を登りながら、ヴァイスは目を向ける。
 それは屋上で踊るように飛び跳ねるドゥーエの姿とおどろおどろしく咆哮を上げる化け物じみたマリアージュの光景。

「たくっ、趣味が悪いぜ」

 ため息。
 あの咆哮はどこまで響いているのだろうか。
 ヴァイスはさらに数階層を登ると、非常階段に隣接したドアに手を掛ける。
 だが、開いていない。まあ予測済みだった。
 腰ベルトに手を伸ばし、ライダーグローブの皮に覆われた指で隠しておいたナイフを取り出す。
 見え難い箇所に仕込まれたボタンを押し込み、スイッチをオンにした。
 それと同時にナイフの刀身が火花を散らした。荷電磁ナイフ、どんな鍵をもぶち開ける万能キー。
 扉の間に差し込んで、上から下に振り下ろす。冷たいバターを熱したナイフで切り分けるような手ごたえ、溶解と共に切断終了。
 単純なロックの扉は支えるものを失って、乱暴な侵入者を歓迎した。
 中に押し入り、即座に間取りを確認。
 どうやら事務用のフロアだったらしい。目的となる窓の位置には邪魔するように棚があった。

618ビスケット・シューター ◆XQrKF.nCNM:2009/01/18(日) 01:13:04 ID:eH4J.knI

「邪魔だ」

 荷電磁ナイフのスイッチを切って、冷却を待つ暇もなく耐熱繊維のナイフホルダーに仕舞った。
 それと同時に棚に手をかけて、思いっきり引き降ろす。
 僅かに習得している身体強化、数秒だけならば常人を越えた身体能力をヴァイス程度の魔力素養でも発揮できる。
 大の大人数人掛かりで運ばなければならないようなものだが、引き倒す程度なら可能。
 轟音を立てて崩れるそれに、さらに残された埃だらけの机などを蹴り飛ばし、スペースを広げた。
 段差確保、広さ確保。

「ストームレイダー」

 そして、懐から頼れる相棒を起動状態にしようとした時だった。
 爆音が聞こえたのは。

「っ!」

 窓から外を見た。
 紅い景色が目に飛び込んでくる。
 爆風が窓ガラスをビリビリと震えさせた。

「魔法!? 違う、爆薬か?」

 爆風に覆われた窓の向こうの屋上を見る。
 そこには引き千切った死体をぶらされた集合体マリアージュがいた。
 腐臭を撒き散らしながら、さらに他の女屍たちが他の死体の腕を引き千切り、泣き叫ぶ声に乗せて投げた。

「どういうことだ?」

 その疑問は数瞬後に判明した。
 爆煙から飛び出したドゥーエ、怒りを露にした表情で駆ける彼女に引き千切られた腕が投擲される。

「舐めるな!」

 眼にも見えない速度で手が閃いた、そう思った瞬間、投げられた手が途中で四散し――どろりと溶けながら床に撥ねて散って、爆散した。
 まるでニトログリセリンで出来ていたかのような爆砕。
 化学反応による光爆と爆音。
 それを受け流すように躱し、少女が飛翔する。重力の束縛を振り払うように、爆炎の魔の手を無粋だと撥ね退ける貴婦人のような優雅さで。
 ヴァイスは目元に手を翳し、爆風でひび割れた窓ガラスを見つめながら、静かに呟いた。

「あれは、まさか――あの時の“爆弾ゾンビ”か?」

 二年前の記憶が蘇る。
 レギオンとの交戦時に、同じような異形が襲ってきたことがあったのだ。
 破壊すれば爆発する、そして生命反応がなく死人のような“女たち”――故に爆弾ゾンビと呼称された連中。
 性質は同じだった。
 ガチンと脳内で歯車が噛み合うような気がした。

619ビスケット・シューター ◆XQrKF.nCNM:2009/01/18(日) 01:14:12 ID:eH4J.knI

「――そうかよ」

 ヴァイスは表情を変えた。
 息を吐き出すのをやめながら、懐から一つの銃火器を取り出した。
 くの字をした鉄の塊、大型の銃火器、気が狂ったような長身。
 ブルーフィニッシュに塗装された鮮やかなる殺人凶器。
 全長352mm、14Kgの大型とさえ言える銃器。
 44マグナム。
 44口径の回転式拳銃、大型の獣すらも射殺する暴虐の化身。魔導師を殺すための殺傷力を求めたが故の破壊力を内包した鉄塊。
 その銃底で窓ガラスを打ち砕き、ヴァイスはグローブを嵌めた手でさらにガラスを払いながら、息を吐き出す。
 射撃ポジションを確保。
 息を吸う。
 左手を窓枠にかけて、その指で銃身を支えながら、窓ガラスからストームレイダーの銃口を突き出しながら、深呼吸を続ける。
 銃眼というわりには剥き出しだが、贅沢は言えない。
 銃身からの銃星を見て、大まかに方角に合わせる。
 化け物が蠢いている、泣き叫ぶように暴れている。
 狙いはどこだ? 決まっている、効果的な箇所に撃ち込む。
 深く埃まみれの室内の空気を吸い込んで――息を止めた。
 ブレスコントロール、体の震えを停止させるための八秒から十秒の照準時間。
 酸素中に血液が回る、震えが止まる。ストームレイダーのストックを肩に当てて、固定。パッドでも挟んでおきたいが、用意していない。ジャケット肩内部のアーマーで代用、ぴくりとも動かない照準器を覗き込む。
 世界が切り抜かれるような感覚。
 拡大された視界の中、狭い世界の中に映し出されたのは泣き叫び、肉汁を撒き散らしながら暴れ狂うマリアージュと――それを切り刻む少女の舞踊。
 少女が回る、爪を振り下ろし、切り裂く。
 少女が廻る、端正な顔を感情に染めて、詠うように叱咤する。
 少女が転る、ただどこまでも華麗に異形と戦う。
 それを美しいと思った。
 照準器越しの光景、現実感の無い薄皮一枚先の領域。
 さあ、それを砕こう。
 照準器の中の十字線が、目標物を捉える。
 皮膚を掻き毟られるような焦れた感覚、緩やかな窒息の中でヴァイスはただ真っ直ぐに――引き金を引いた。





 爆炎が舞う。
 燃える、燃える、燃える。
 めらめらと、陽炎のように、視界が歪む、赤い色彩が埋め尽くして、ドゥーエの赤外線でのセンサーを潰す。
 高感度に調整された聴覚は麻痺し、ドゥーエは己の経験予測と視界の中で揺らめく僅かな挙動を持って、回避する。

「うっとうしいわねっ!」

 飛び出したのは無数の手腕だった。
 助けてと、死ねと、苦しめと、同じになれと、手が伸びる。わらわらと懇願するように迫るそれをドゥーエは冷たく切り払う。
 髪を掴もうとしたその指を跳ね上げた肘で叩き折り、ワンピースを掴もうとする三本の手の平を強靭な足の蹴打で破砕する。体液が漏れる、紅い腐った血が飛び散りながらも、彼女は付着するよりも早く逃れている。
 前へ、後ろへ、横へ、斜めへ、踊るように、落下するように、飛び上がるように移動し続ける。
 その度に指を動かす、その指先に付けた凶爪が彼女の全身を流れる生体電流を受けて0,0253コンマの間だけ五メートルもの長さに達し、切断の魔風となった。
 首が飛ぶ、手がもげる、切り開いたその先にはまだ無数の死体があり、嘆いている。悲鳴を漏らしていた。

「ひゃはっ!」

 笑い声が漏れて、ブルリと死者たちを載せた魔獣が身体を震わせる。
 刻んだ肉片が床に落ちて、ゴボリと蕩けて――発火。

「っ!!」

 ドゥーエはその一瞬前に距離を取りながら、膨れ上がる光爆の閃光に呑まれた。
 ビルの床壁が破砕する、衝撃波が迸り、彼女の小さな体を吹き飛ばす。
 着地、ビル屋上の床を蹴り、距離を取りながら彼女は罵る。

620ビスケット・シューター ◆XQrKF.nCNM:2009/01/18(日) 01:15:02 ID:eH4J.knI

「くそったれ!」

 ドゥーエが口汚い言葉を吐き出す。
 既にワンピースは幾つもの爆風を浴びて、煤だらけに、刻まれていた。
 怪我こそほぼ皆無だが、彼女は怒りを露にしていた。許さないとばかりに、ほぼ自滅した爆炎の中に目を向けるが。

『GAAAA!!』

 飛び出すのは全身から肉汁を流した魔獣だった。
 メラメラと死者たちの肌に火を灯し、まるで劫火を纏ったかのような恐ろしい加速度。
 だが、突撃ならば躱す。ドゥーエは膝を曲げて、滑るように斜めに移動した。
 そして、その動きを追順するように魔獣は前足を叩き付けて、翻るように加速しようとした刹那――血肉が砕けた。

『GYRU!?』

 視界が一変した。
 魔獣が転んだ。轟音を立てて。

「え?」

「なっ!?」

 ドゥーエの目の前に、無様にその巨大な頭部が叩きつけられる。突き刺さる。
 それは予測だにしない結果だった。
 その光景に男は喚き散らすかのように叫んだ。

「なにやってやがる! さっさと、食い殺せ!」

 だが、動けない。何故ならば“魔獣の両足が無いからだ”。
 先ほどドゥーエに斬り飛ばされた片足に加えて、もう片方の足もまた“砕かれたのだから”。
 その理由を理解する早く、彼女は右手を振り上げて。

「眠りなさい」

 その無防備な額に、三本の爪を突き刺した。
 伸ばしたピアッシングネイル、その刀身が逝ける死者であるマリアージュの脳を抉り――捻りを持って掻き混ぜられて、破壊された。
 あっけなく魔獣は震えて、その鼓動を止めた。メラメラと燃え盛りながら、肌を燃やし、声すらも上げられない火達磨の死体たちの動きもまた止まる。
 肉の焦げる音がする。
 吐き気を催すような光景。
 それを見ながら、ドゥーエは爪を引き抜き、滴る腐汁を振り払った。
 僅かに様子を伺うが、爆発する気配が無い。
 オリジナルとは違う様子、脳を破壊されたことによる不活性化? いや、もしかしたらこの魔獣は単なる肉体持続のための苗床だったのか。
 ドゥーエは推測し、想像しながらも、より重要なことに目を向ける。

「片付いたわね」

 ジロリと屋上の隅で見物していた男を睨み付けた。

「ひ、ひぃ――がっ!?」

 泡を食って逃げ出した男が踏み出した瞬間、その右膝が吹き飛んだ。

「が、がぁああ!!!??」

 無様に転んで、その顔面を強かにひび割れた床に叩きつける。鼻血が漏れ、歯が折れたようだった。
 狙撃。
 それも魔力弾での傷跡、純粋なる魔力での破壊ではなく、焼き切れたような弾痕。
 抉られた膝からは出血が無く、焼けたように骨と肉が露出していた。

621ビスケット・シューター ◆XQrKF.nCNM:2009/01/18(日) 01:15:48 ID:eH4J.knI

「――ふぅん?」

 泣き叫ぶ男から目を離し、ドゥーエはその銃撃の射線を辿って見た。
 割れた窓ガラスから露出した銃身、その向こうにいるだろう男に少しだけ笑みを浮かべる。
 彼女は理解する。
 今の狙撃と、先ほどの魔獣の足を吹き飛ばしたのは彼の狙撃だった。
 しかし、見事というしかない。
 今の男の足を吹き飛ばしたのはともかく、魔獣の脚、方向転換のための一瞬の停滞を狙ってそれを撃ち抜いたのだ。
 尋常ならざる狙撃の名手だった。

「思ったより使えるようね」

 ニコリと微笑み、その先で見ているのだろうヴァイスに投げキスを送ってからドゥーエは視線を戻した。
 テクテクと倒れて泣き叫ぶ男の下に近づくと、彼女は微笑みながら囁く。

「さあ、どうしましょうか?」

「び? ひぃい!!」

 笑いながら声をかけたというのに、男は無様に転げた。
 逃げるように、後ずさりする。
 けれど、ここは屋上。すぐに逃げ場がなくなる。マリアージュの侵入によってフェンスを破壊された屋上の隅にまで男は追い詰められた。

「やめろ! やめてくれ! 命だけは! 命だけ勘弁してくれ!!」

「無様ね。さっきまでの威勢のよさはどうしたの?」

 あまりの態度の一変に、ドゥーエは呆れたように声を漏らした。

「そ、それは……」

 己の頼みの綱を失ったのだろう。
 後ろに広がる遥か下の地上を見て、怯えるようにこちらを見上げる男。
 少女の外見をしたドゥーエを見上げるのは、失った足で転げているからか、それとも男の卑小さ故にか。

「まあいいわ。それよりもさっさと情報を話しなさい。トレディア・グラーゼの居場所、知ってるんでしょう?」

 その手に嵌めた三本の爪を輝かせながら、ドゥーエは告げる。

「さもなければ」

「――言う! 分かった、言う! トレディアはクラナガンだ! そこにいる! く、詳しい場所はここだ!」

「クラナガン?」

 ミッドチルダの主要首都にいると告げられてドゥーエが眉を寄せるが、男は慌ててさらに詳しい住所アドレスを叫んだ。
 それは彼女でも知っている、ある“テーマパーク”の場所だった。

「嘘じゃないわね?」

 聞き終えたドゥーエは静かに質問した。
 “じろりと男の顔を凝視して”。

「あ、ああ!」

「……そう、それならいいわ」

 男が必死に首を縦に振るうのを見て、ドゥーエは静かに笑みを浮かべた。
 優しく安心させるような笑み。

622ビスケット・シューター ◆XQrKF.nCNM:2009/01/18(日) 01:16:38 ID:eH4J.knI

「そ、それじゃもういいだろ! オレはこれで――」

 男が懇願するように叫ぶ。
 その時だった。

「どうだ?」

 遅れてやってきたヴァイスがその場に到着したのは。
 手にはストームレイダー、下種を見るような目で男を一瞥し、ドゥーエに目を向ける彼。
 その目には何も浮かんでいなかった。ただの質問のように。
 そんな彼の視線にドゥーエは微笑んで。

「大体必要なことは聞き終ったわ。あ、そういえば私の傘持ってる?」

「ん? これか」

 ヴァイスはいつの間にか押し付けられていた傘、手の平サイズの折り畳み傘をポケットから取り出し、ドゥーエに返した。
 彼女はそれを受け取り、カシャンと音を立てて伸ばした。

「ねえ、ヴァイス」

「あ?」

「傘を差すのは何のためだと思う?」

 なんでって――。
 そうヴァイスが声を上げようとした時だった。
 少女は他愛なく前に踏み出して、呆然とこちらを見ていた男の首を――刎ねた。

「え?」

 首が飛ぶ。何も分かってなさそうな顔で、男の頭部が屋上から落下した。
 小枝をへし折るように、花を摘み取るように、呆気なく斬り飛ばし――

「正解は雨が降るからよ」

 一拍遅れて噴き出した鮮血の雨を、ドゥーエは開いた傘で受け止めていた。
 男の体が既に落下した頭部に遅れて屋上から落ちる。
 鮮血を撒き散らしながら、命を亡くしたそれは数十メートル下に落下して――真っ赤な花になった。
 血に汚れた傘を彼女は投げ捨てる。まるで花に花を捧げるように。

「お前っ!?」

 その凶行にヴァイスは声を上げようとして、息を呑んだ。

「綺麗ね。死んだ方がマシな華を咲かすわ」

 少女の顔には罪悪感などなかった。
 少女の顔にはただ悲痛なまでの笑みがあった。


 それは心凍るほどに美しい美貌を讃えたナニカだった。

623ビスケット・シューター ◆XQrKF.nCNM:2009/01/18(日) 01:18:04 ID:eH4J.knI
投下完了です。
18禁部屋なのに、エロがなくてすみません ORZ
エンドライン本編とかなり密接な関係のあるお話なので、どうか楽しんでくださると嬉しいです。

エロくなるまで、もう少しかかります。

624名無しの局員さん@書庫探索中:2009/01/18(日) 11:54:55 ID:hDsiihrU
うひゃあ、GJじゃあ。

いやぁ、実にバイオレンス、しかも『エロくなる』というお言葉から察するにそっち方面も出てくるご様子。
これは期待せずにはいられませんぜ。
エロも戦闘も、どっちも楽しみにまってます。

625THE OPERATION LYRICAL:2009/01/18(日) 16:16:45 ID:yfBYVpo.
>>623
GJでした! いや、私はクロス元の方はよく知らないんですけども、それでも
読んでいけますね。ドゥーエさん、その…美しいんですが、怖いです(汗)

んで、私の方もちょっと投下します。

626<頭を冷やしてもらったの>:<頭を冷やしてもらったの>
<頭を冷やしてもらったの>

627<頭を冷やしてもらったの>:<頭を冷やしてもらったの>
<頭を冷やしてもらったの>

628<頭を冷やしてもらったの>:<頭を冷やしてもらったの>
<頭を冷やしてもらったの>

629<頭を冷やしてもらったの>:<頭を冷やしてもらったの>
<頭を冷やしてもらったの>

630名無しの局員さん@書庫探索中:2009/01/18(日) 21:48:17 ID:eH4J.knI
エローいw
GJでしたー!!

しかし、メビウス1への殺意がむらむらと湧いてきますね。
おのれ! ティアナIFルートを楽しみにしてます! 頑張ってください!

631名無しの局員さん@書庫探索中:2009/02/01(日) 13:45:29 ID:lZfaGF1o
このスレ、少しずつ更新されてて楽しいですねw
たまに来てSSが増えてると嬉しい。

632名無しの局員さん@書庫探索中:2009/02/06(金) 18:51:02 ID:/bMQ562E
今気づいたけど、来てね!魔法戦士の学園祭ってのがあるんだね。

633名無しの局員さん@書庫探索中:2009/04/06(月) 16:52:38 ID:G1VUIBWs
書き込みがないなぁ。

634名無しの局員さん@書庫探索中:2009/05/23(土) 22:39:30 ID:0KUr5/Cg
なのは拷問が読みたい

635名無しの局員さん@書庫探索中:2009/05/26(火) 11:43:27 ID:f//oWWis
あばしり一家のあばしり五右衛門がミッドに飛来して
なのはとか相手に痴漢行為をしまくるってのを考えたw

636名無しの局員さん@書庫探索中:2009/05/26(火) 20:10:52 ID:xpsZ1bns
痴漢とくれば、トーマスが思い浮かぶ。

637名無しの局員さん@書庫探索中:2009/05/28(木) 19:01:25 ID:UzAFTNc.
トーマスといえばザッフィー……そしてCVの一条さんは北都さんの旦那……つまり、なのは×ザッフィー!?

638名無しの局員さん@書庫探索中:2009/05/29(金) 20:41:44 ID:uCAZ9GIU
新しいなw

639名無しの局員さん@書庫探索中:2009/06/02(火) 19:12:33 ID:6SuD3F.Y
鬼畜ユーノとか想像した。

640名無しの局員さん@書庫探索中:2009/06/28(日) 12:57:08 ID:glB5O6Z.
男塾で有名な宮下あきら先生がプレイボーイで連載した作品に
「天より高く」ってのがあるんだけど、それとクロスしたら
既存の男性陣が涙目になるからやめた方が良いかもな

天より高くとは…
魔界の大魔王の息子のソラが、時期大魔王継承の為の試験として父である大魔王の
求める理想の女性を求めて人間界に下りて、教師やったり相撲取りやったりオリンピック選手やったり
麻薬捜査官やったり会社員やったりしながら色んな女性と出会ってくって内容(勿論やったりするシーンもあり)

魁!!男塾の後日談的要素もあるけど、現在宮下あきら先生がやってる暁!!男塾とは
完全にパラレルの扱い。

641名無しの局員さん@書庫探索中:2009/06/28(日) 17:17:18 ID:9x2GpOS2
>>640
ソラが大魔王になって、その息子が既存の男性陣のだれか、にすれば涙目じゃないぞ!

642名無しの局員さん@書庫探索中:2009/06/28(日) 21:42:47 ID:glB5O6Z.
>>641
いや、天より高く本編の最終回と組み合わせた場合、
ソラは兄のヨミに勝利しながらも、大魔王継承権を譲って
ミッドで暮らす事を選ぶけど、そのミッドチルダに巨大隕石が
迫っている事を父から知らされて(この場合、管理局の全艦隊の
アルカンシェルを発射しても消しきれない位巨大にしないとダメだろうな〜)
その隕石を食い止める為に父が用意したペガサスに乗ってソラがヨミと共に
天へ昇って行くってENDになるとオモタ

どう見ても打ち切り満々な結末だったんだけど、個人的には隕石食い止める為に
宇宙へ飛んでいくシーンがかなりホロリと来たんだわ

643名無しの局員さん@書庫探索中:2009/07/07(火) 12:50:31 ID:EIY3jrmA
バイオレンスジャックに登場した魔王ダンテ
(ハレンチ学園のヒゲゴジラのセルフパロディーキャラ、吉永団鉄が
悪魔に憑かれて変異した物で、同作者が別に描いてる魔王ダンテとは別物)
みたいな、「物凄く実力のある女の敵」はなのは達の天敵となり得るだろうな

644名無しの局員さん@書庫探索中:2009/07/19(日) 02:26:23 ID:StO5sEwU
エロ・・・なのはたちの育成ゲームとかどうだろ

645名無しの局員さん@書庫探索中:2009/10/13(火) 21:08:24 ID:d7bTx5jg
刃鳴散らすというのを知ったんだが、
これを見てると、メインがエロでなくても
いいかなと思えた。
エロは添え物程度とか。

646名無しの局員さん@書庫探索中:2009/10/13(火) 21:53:20 ID:QfNqhRhA
>>645
あれは戒厳聖都と一セットだと思う。
最後までやると赤音の欲望がパネェ。

添え物程度なら本スレで本編書いて、こっちでエロルートを書く、見たいな風になるんでね?
実際そういった作者はいたわけだし

647名無しの局員さん@書庫探索中:2009/10/14(水) 12:31:01 ID:5sPuvKNU
>戒厳聖都
そっちはよく知らないんだよな。
話の流れと石馬戒厳のことは知ってるんだが。
>赤音の欲望
石馬戒厳が犯されたりするんだっけ?

648名無しの局員さん@書庫探索中:2009/10/14(水) 17:26:40 ID:QgzpRPVE
>>647
赤音が殺しながら愛する等等
戒厳の野望もプレイして、戒厳と赤音を戦わせるとそれを仄めかす発言があったりする。

649名無しの局員さん@書庫探索中:2009/10/14(水) 17:34:17 ID:dseUkpFg
>>648
赤音×戒厳なのか。
なんとなく戒厳好きになってきたかも。

650名無しの局員さん@書庫探索中:2009/10/14(水) 22:14:59 ID:QgzpRPVE
>>649
サバトの最後で戒厳がわが夫君たる君 とか赤音のこといってたしね

651名無しの局員さん@書庫探索中:2009/10/15(木) 00:25:02 ID:ia0NLmDQ
>>650
おお、なんか素敵だね。
刃鳴散らすみたいに、刀オンリーな
魔法世界が見てみたいな。
戴天流とか、あるいは刀じゃないが、
九鬼先生みたいな。
遠距離攻撃無しで。

652名無しの局員さん@書庫探索中:2009/10/15(木) 01:02:32 ID:b1DzVJTE
>>651
焔螺子を撃つのか……

653名無しの局員さん@書庫探索中:2009/10/15(木) 01:20:39 ID:ia0NLmDQ
>>652
魔法を捌いたりとか。
砲撃だけどDBを螺旋にしてみたりとか。
九鬼先生は強いな。

ベルカの連中をイシマ主義にもしたら
面白いことになるかな。

654名無しの局員さん@書庫探索中:2009/10/15(木) 01:45:49 ID:b1DzVJTE
うーん、イシマ主義に啓蒙するには領土とられて刀持って大帝復活を掲げんといかん希ガス。
その大帝も結局は象徴だった、ってのだからなぁ……で、ベルカの騎士が全員核で死んでから不死になるんですね

655名無しの局員さん@書庫探索中:2009/10/15(木) 05:40:27 ID:ia0NLmDQ
騎士ではなく不死だね。
管理局よりはベルカのほうがイシマ主義が似合うかなと思う。
それともリリカルの日本を刃鳴散らす化するかw
なのはが接近戦しかしなくなるかもしれないが。

656名無しの局員さん@書庫探索中:2009/10/15(木) 18:17:33 ID:b1DzVJTE
>>655
管理局はイシマ主義の象徴たる大帝にはまる奴が現れればいけるかも知れないけど、いかんせん3脳が肉体捨てても生き残ってるからなぁ

無印〜AS時代のなのはは運動能力に少々難が……
日本、というか海鳴は割と刃鳴散らチックな街な気がw
銃火器より刀やら拳やら太刀やら霊力やら超能力やらが闊歩する街ですけんの〜

657名無しの局員さん@書庫探索中:2009/10/15(木) 20:41:57 ID:sRhgYdQc
>>656
確かに海鳴は、変わった街だねw
もっと日本文化を集結させてもいいかもしれない。
そしたらフィアッセとかはいられないだろうが。

3脳は殺してなのはは魔改造。
正直3脳はいらないと思う。
黒幕は出てこないから映えるのだし。
MGSの愛国者みたいに。

658名無しの局員さん@書庫探索中:2009/10/15(木) 21:22:21 ID:b1DzVJTE
3脳のさらに上に彼らを統括する存在がいればおkな気がしないでもない。
今こそ出番だ石馬戒厳ビックボディ!

659名無しの局員さん@書庫探索中:2009/10/15(木) 21:52:44 ID:sRhgYdQc
今、気づいた。

とらハのほうのなのはの声優と
石馬戒厳の声優は同じだ。
つまり北都南。

660名無しの局員さん@書庫探索中:2009/10/17(土) 03:36:33 ID:mGSPLrmQ
管理局の質量兵器廃止&魔法主義
は石馬戒厳的キャラがいれば
説明がつきそうだ。

661名無しの局員さん@書庫探索中:2009/10/24(土) 22:12:31 ID:gncuGAiM
王賊というのを知った。
ソフトハウスは面白いな。
こういうのを見ると、ジンがリリカル世界に
存在したら、とか考えてしまう。

662名無しの局員さん@書庫探索中:2009/10/25(日) 02:09:18 ID:JIIXGMRI
ジンを雇うとしたらスカ先生側か、地上本部か……
少なくとも本局や機動六課ではジンが復讐しようとする相手がいない希ガス。
それに戦法的にも空飛んでる奴を指揮するよりも地上を進んでる味方を指揮するのがあってるかも。ジン自体侍か騎兵だし。
敵が空飛んでる場合は竜騎兵の応用で

663名無しの局員さん@書庫探索中:2009/10/25(日) 03:23:07 ID:O08/o6NQ
そうだね。
機動六課とかを戦闘で倒して、
捕獲、調教なんて考えてしまう。
カリム攻略したいけど、戦場に出てこないしなぁ。

664名無しの局員さん@書庫探索中:2009/10/30(金) 22:32:05 ID:GITulQRY
今、なのはとフェイトってヴィヴィオという
子供がいるのだから、母親もの属性が
あるのか?と思ったり。
まあ、母性があるかどうかは知らないが。

665名無しの局員さん@書庫探索中:2009/11/02(月) 02:09:08 ID:7O033OTo
よくある憑依系の内政型SSのような
感じのエロSSが見てみたいな。

666名無しの局員さん@書庫探索中:2009/11/08(日) 20:10:03 ID:1/1.jyNA
とらハ3の恭也を主人公にすれば、
普通になのはとかフェイトを攻略対象に
できそうだなー。

667名無しの局員さん@書庫探索中:2009/11/08(日) 22:19:33 ID:eEi9ST.I
>>666
STSならまだしも、Asとかその時期なら恭也よりもさざなみのロリジャイの方がよくないか

668名無しの局員さん@書庫探索中:2009/11/09(月) 01:07:01 ID:W1/r3fd.
>>666
なるほど、そうかも。
基本的にどちらも全年齢対象な感じだが。
そういえば、フィリス先生って、中身幼いよね。

669名無しの局員さん@書庫探索中:2009/11/09(月) 18:47:27 ID:jrwNEoik
>>668
まぁ、生い立ちがあれだしな。
まぁ、フィリス先生いける恭也さんならフェイト、はやてとかいけるかも
とらハ世界の恭也でくるならなのは=クロノの意識があったり、別世界とは言え妹とか意識があったりで厳しいかも

670名無しの局員さん@書庫探索中:2009/11/09(月) 21:55:19 ID:83jtLIQ2
妹は難しいか…。
一般的なエロゲ風に改造すれば、
あるいは。

確かにフェイトとか攻略できそうだ。
あっさりと。

671名無しの局員さん@書庫探索中:2009/11/10(火) 05:12:51 ID:VpafBf..
曲芸商法のところとか最近知ったんだが、
エロゲーって言っても色々あるね。
ストーリー重視のとエロ重視のというか。
混ざってるのもありそうだけど。

672名無しの局員さん@書庫探索中:2009/11/15(日) 02:04:16 ID:NvdFumjY
ウィキの大悪司の記事を読んでたら、
絶対女性上位国家ウィミィとか書いてあって、
割となのはと相性良いかなって思った。

673名無しの局員さん@書庫探索中:2009/11/15(日) 06:21:51 ID:4Ru6A60s
>>672
あそこはガチで絶対女性上位国だぞ……男は要職には就けないし、ウィミィ人でなければ家畜並みの扱い。

674名無しの局員さん@書庫探索中:2009/11/15(日) 17:20:04 ID:FmJn0obA
>>673
ミッドをウィミィ化したところを想像したのだけど、
だめかな。クロノとか可哀想なことになりそうだし。
StSでの女性人厚遇と、男性人の扱いの悪さを
考えれば、いけるかなと思ったんだが。

675名無しの局員さん@書庫探索中:2009/11/15(日) 17:44:52 ID:4Ru6A60s
>>674
もしそうなったら、クロノ、グレアム、レジアスはいなくなってミゼット以外の3提督がいなくなってしまうw
無印とSTSはいけるかもだが、ASは黒幕自体が消滅してまうぜ

676名無しの局員さん@書庫探索中:2009/11/15(日) 23:24:59 ID:miUR/2HY
>>675
AS後になぜか、女性上位思想が台頭してくるとかはどうだろ。

677名無しの局員さん@書庫探索中:2009/11/18(水) 17:53:22 ID:fWswhHxc
>>676
もういっそ、ウィミィが侵略戦争しかけてきて、ミッドを勢力下に置いた、とかでおkな気がするなw

678名無しの局員さん@書庫探索中:2009/11/19(木) 21:20:01 ID:7EaKCmXU
>>677
で、ミッドの男が頑張るか、
他所から来たやつが、ミッド人を率いて、
頑張るか。
誰が主役になれそうだろ?

679名無しの局員さん@書庫探索中:2009/11/19(木) 23:51:47 ID:jsg93rxA
>>678
身近に主役を支えるような女性がいないほうがいいかもな……じゃないと最後の最後で説得で和解とかしそう。
それでもいいといえばいいんだが、仮にもリーダーが説得で志変えちゃったら仲間にぬっころされかねんw
自分の為に行動できる奴……レジアスとかスカリエッティとかグレアムとかかなぁ……
でも、グレアムはクロノとかウィミィ側に付きそうな男連中に説得されそうだし、スカは男とか女とかそんなのどうでもよさそうだしなぁ……
ここはレジアスかね。男の〜とかそういうのじゃなくて、地上の平和は私が〜的な志しで、台頭して周りが男の〜といった感じで加わってくる幹事で

680名無しの局員さん@書庫探索中:2009/11/20(金) 16:24:34 ID:eZXQyCIY
>>679
やっぱりレジアスは可能性のあるキャラだな。
ほかのキャラは…、ゲンヤとか?
実は腹の中に色々ためこんでるんじゃないだろうか。

681名無しの局員さん@書庫探索中:2009/11/21(土) 17:41:23 ID:kRP9lvhU
>>680
ゲンヤか……ありえるかもな。ただ、ゲンヤだと権力、力共に不足してるから、闇にまぎれて忍び込み、一撃の下に〜という必殺シリーズばりの戦いになりそうだw

682名無しの局員さん@書庫探索中:2009/11/21(土) 18:25:13 ID:J..c/ons
>>681
体術重視で、決着は一瞬でってかんじかな。
普段は、ニコニコ、一般人的な感じで、殺すときは
冷酷な感じ。
DTBの黒みたいな。

683名無しの局員さん@書庫探索中:2009/11/21(土) 21:55:34 ID:kRP9lvhU
>>682
ニコニコ笑いながら……田上様ですねw

684名無しの局員さん@書庫探索中:2009/11/22(日) 19:57:36 ID:J.8qK7HU
>>683
だれかなーと思ったら、あのゲームのキャラかw
あれのキャラは麻由くらいしか印象にない。

最近は、村正に興味を持ってる。
善悪相殺とかやってみる?

685名無しの局員さん@書庫探索中:2009/11/22(日) 23:00:47 ID:4TBOyL1c
>>684
村正はまだプレイしてないからなんとも言えんが、善悪相殺か……なのははぶっちゃけ最終的には主人公勢がいいとこ取りしてってるから
ありなのかも

686名無しの局員さん@書庫探索中:2009/11/22(日) 23:56:25 ID:J.8qK7HU
>>685
調べてるけど、色々すごい。
人をかなり選ぶけどw

最近は、エロゲって奥が深いと思う。
D.C.とかそれは舞い散る桜のようにとか、
たくさんあって知らないのばっかりだ。

687名無しの局員さん@書庫探索中:2009/11/29(日) 22:16:55 ID:3b4aTuno
刃鳴散らす風なのはが見てみたいな。
ヒロインはレイハ。
ライバルはフェイトで。
スカとかレジアスが刀振ってるのも面白いが。

688名無しの局員さん@書庫探索中:2009/12/03(木) 18:29:26 ID:KtSLRyT.
>>687
ハナチラでヒロ・・・イン・・・?

レイハさんの契約の儀で、なのはとフェイトが争って、レイハさんがデバイスに仕掛けをして
なのはさんが勝って握手。
持ち帰ったデバイスを調べてみるとなにやら弄くった後が。
「一体どういうことなんですか!?」と問い詰めるとごめんなさいと言い出すレイハ。
『ああああああああああ!!!!!!」といいながらデバイスを振りかざし、袈裟に斬りつけるフェイト。


弓は誰だ・・・…エリオ?

689名無しの局員さん@書庫探索中:2009/12/03(木) 21:14:30 ID:GoQ1Th6o
>>688
そのフェイトは悪くなりそうだねw
派手な技より、我流魔剣・鍔眼返しなんかのほうが
好き。

弓はエリオかキャロかなー。
でも従者キャラがいるしな。
カリムとかルーテシアでもいけるかも。

690名無しの局員さん@書庫探索中:2009/12/04(金) 19:37:23 ID:0aWH6w5o
>>689
まぁ、非殺傷で、魔力刃である以上、鍔を返して斬り上げる必要性はないんだけどねw

691名無しの局員さん@書庫探索中:2009/12/05(土) 00:05:43 ID:UwVETBKQ
>>690
仲悪くして殺傷設定にしてもらうんだよw

>魔力刃である以上、鍔を返して斬り上げる必要性
でもまあ、鍔眼返しってどうやら、反射神経と見切りと、
刀の独特の握りとかによって、普通、一撃にかかる時間の
間に二回連撃する技らしいよ。
だから、鍔を返すというか、即応能力が重要らしい。
赤音にしかできないんだとか。

フェイトには最近流行の電磁抜刀も似合いそう。

692名無しの局員さん@書庫探索中:2009/12/05(土) 02:02:40 ID:SdsRxPmY
>>691
フェイトなら魔剣もどき“夜の月”が限界じゃないかな。
飛び上がって抜刀術。
さすがに昼の月を撃てるほど熟練してるとは思えん。

そういえば渡はだれかねぇ……なのは(伊烏)の魔剣を模倣するわけだから……スバル?


しかし、中悪くなるとして、なのはは伊烏的ポジなら……

「なのは、 なのは、 ああ、なのは!
最高だ、きみは最高だ!
たかがデバイス一機のことで、 夜も眠れないほど怒り狂って、
仕方ないから寝ないで魔法の修行して、 それをずっとずっと繰り返して
とうとう有り得ない技を手に入れたのか!
そんなことが出来るのはきみしかいない。
最高だよ。 ああ、きみに出会えて良かった、 きみに憎まれて良かった、 レイジングハートを壊して良かった!」

「黙れ、畜生。
私の思いはまさしく逆。
なぜ、私はは……あの子は、 貴女などに出会ったの!」

693名無しの局員さん@書庫探索中:2009/12/05(土) 02:57:27 ID:7pffCHi2
レイハ愛すごいな。説得力がある。
ヒロインがデバイスでも良いかも。

スバルでいいんじゃないかな。
劣化DB使ってるし。

694名無しの局員さん@書庫探索中:2009/12/10(木) 23:06:35 ID:6BRsDT9w
こうやって見るとニトロネタ多いな。
友永和樹君をスカリエッティはどう見るのだろうか。

695名無しの局員さん@書庫探索中:2009/12/11(金) 01:27:57 ID:BgTZwPYw
知らないキャラだったので調べてみたけど、
雪風とか攻殻機動隊みたいな感じなんだろうか。
ゴーストができていく話?
読んでみたいな、リリカルはそこら辺扱ってないし。

696名無しの局員さん@書庫探索中:2009/12/11(金) 18:47:42 ID:uIuGV8eM
完璧なマシーンならあんまり興味なさそうだなぁ。
ガジェットにも興味ないっぽだったし。
やっぱり、意思とか野望とかがスカにとって重要なのかも?

697名無しの局員さん@書庫探索中:2009/12/11(金) 23:42:20 ID:sSO9bzwE
>>696
ロボットが感情を覚えて人間になっていく話ですよ。

698名無しの局員さん@書庫探索中:2009/12/12(土) 00:32:27 ID:9eUx4iNo
>>697
ならどうなんだろうな……
まぁ、興味ありそうだけどスカって結局自分よければそれでよし的思考もありそうだしな。
研究対象としてはアリ、ってレベルじゃない?

699名無しの局員さん@書庫探索中:2009/12/12(土) 19:55:12 ID:QhqkhV8.
スカ博士がどんなことに興味をもつのかが問題かな。

スカがナンバーズ育てる話とか。
はじめから彼女たちは魂あったんだろうか(あると仮定してだけど)。
成長する過程で魂(自我、ゴースト)ができたんじゃないかと。
そんなわけでスカが子育てする話とかいけそうな気が。
そういえばKIDにそんなゲームがあったような。

700名無しの局員さん@書庫探索中:2009/12/21(月) 14:49:25 ID:4qUvraUM
少女セクトって漫画を知ったんだが、
女子校時代のなのは、フェイトとかの
話もありなのかなと思った。
(この二人女子高だよね?)

701名無しの局員さん@書庫探索中:2009/12/21(月) 19:32:23 ID:bwmqY3yY
Asラストで私立聖祥大附属中学に通ってるから、そのまま順当に高等部に上がったんだろうと推測できるが……
中卒でそのまま管理局、ミッドチルダに行ったとも考えられる・・・か?
もしくはミッドチルダの魔導師育成学校? 的なところに中学校出てから行ったとか。

702名無しの局員さん@書庫探索中:2010/01/02(土) 00:41:03 ID:kohvKa.I
ザフィーラ主人公で月光のカルネヴァーレという妄想が湧いた。
あとなのはさん一条ポジで村正。

703名無しの局員さん@書庫探索中:2010/01/16(土) 03:48:31 ID:T4vp67hU
刃鳴散らすで思ったけど、剣術をちゃんと?描写してる
のは良いことだなと思う。ラノベで美少女に刀が使われてるのが嫌なので。
リリカルでも先の先とか、後の先って概念を入れると面白いかもしれない
と考えてみた。

姫を調教するジャンルがあったので考えてたんだけど、
なのはで姫になれそうなのはカリムくらいかな。立場的に。

704名無しの局員さん@書庫探索中:2010/01/17(日) 11:17:10 ID:.ey.cnjk
>>703
ミッド式魔法に後の先とか意味あるか?
あの世界の魔法は遠距離から全力でぶっ放す が主流っぽいのに。
結局先に撃てば勝ち的な…
ベルカならまだ意味があるのかも知れんけど

705名無しの局員さん@書庫探索中:2010/01/28(木) 03:13:26 ID:viw/G1Ic
刃鳴散らすで思い出したけど、ニトロには戴天流ってのが
あったな。
ベルカとかシューティングアーツと絡めてみると面白いかもしれない。

706名無しの局員さん@書庫探索中:2010/02/02(火) 06:13:28 ID:r0I0pSlg
刃鳴散らすとかの主人公って良いなと思う。
流行ってるらしいエロゲの主人公って皆同じようなやつばかりなので。
しかも積極的ではないというか。
メッツァーみたいにもっとエロを求めればいいのに。
それとやたらとチートな能力が多いのが気になった。
強い力はあってもいいんだけど、チートなのはどうかと思う。
ある2作品を見てそう思った。

それとヒロインになるのが期待されてるのに、ヒロインにならない
キャラって結構いるんだね。思わずSSを探してしまう。

707名無しの局員さん@書庫探索中:2010/02/09(火) 02:27:02 ID:pyOBkud2
戴天流は描写がチートだしなぁ。と言いつつここまで塵骸魔京について誰も
何も言っていない不思議、はやてと管理人さん組み合わせたら結構いい話になる気がするんだ。

708名無しの局員さん@書庫探索中:2010/02/11(木) 09:29:20 ID:lHcfPtu.
風歩以外異常にチートじゃねえか

709名無しの局員さん@書庫探索中:2010/02/17(水) 18:31:05 ID:qVmY/SEY
シュタインズゲートとかChaos;HEAD
ってどんな内容なんだろう。
調べてみたんだが、よく分からない。
独特なのはわかるんだが。

710名無しの局員さん@書庫探索中:2010/02/21(日) 22:08:02 ID:gE8HrLlo
>>709
一番良いのはプレイすることだね。独特の雰囲気に耐えれれば凄くいい作品だよ。
とりあえずChaos;HEADのほうを一言でまとめれば妄想力で世界を化かす、ってな話。

711名無しの局員さん@書庫探索中:2010/02/22(月) 01:02:50 ID:s67ejTMc
>>710
なるほど。ありがとうございます。
世界を化かすってあたりに興味が出てきました。

712名無しの局員さん@書庫探索中:2010/03/02(火) 04:30:48 ID:0smCGOas
エロゲってクリアすると悲しくなる。
寂しいというか。昔のゲームとかは続きがないんだなって。

713名無しの局員さん@書庫探索中:2010/03/09(火) 03:22:43 ID:Ua5RXc8M
FARGOがミッドチルダに教団支部を作ったようです。

714名無しの局員さん@書庫探索中:2010/03/16(火) 03:48:09 ID:4i9ZgcxE
それは舞い散る桜のようにを思い出して、
ストーリーを調べてきた。なのはとは全く合わないが。
やはりなのはとクロスするのは戦闘系じゃないとだめなのかな?

715名無しの局員さん@書庫探索中:2010/03/16(火) 06:56:19 ID:CQgvA7oM
>>714
そんなことは無いだろうが、それ散るをクロスするとなると、舞人を主人公に抑えるのは難しいかも。
朝陽とか山彦の方が良いかも。
舞人はどうやってもあの桜に引っ張られてしまうし。
戦闘系じゃなくてもやりようはあるだろうが、やっぱり主人公は厳しいかも。
脇役、準主役レベルのキャラなら動かせるかもしれんが。

716名無しの局員さん@書庫探索中:2010/03/16(火) 14:49:48 ID:CB9/xyE6
>>715
そっかこういうエロゲの場合は、サブキャラを主役にした方が
うまく行くのかもね。

桜つながりでD.C.2思い出して、少し泣きそうになった。
さくらさん好きなんだよなー。

717名無しの局員さん@書庫探索中:2010/03/30(火) 09:23:09 ID:di0QGxbM
本編で影が薄いが、美由希辺りを凌辱、調教するのがあっても良いと思ったり。

718名無しの局員さん@書庫探索中:2010/03/30(火) 12:45:53 ID:76JmAk7A
>>717
そげなことしたら恭也、士郎、美沙斗さんから総攻撃くらいかねないか・・・
下手したら香港警防も動きかねん・・・よほどの強者かつ、情報操作もピカイチでなくては

719名無しの局員さん@書庫探索中:2010/03/30(火) 17:27:13 ID:di0QGxbM
>>718
次元犯罪者と龍が組む設定ならどうだろうか?
次元犯罪者の裏にメッツァー様なんてのも良いかな。

720名無しの局員さん@書庫探索中:2010/04/05(月) 11:45:01 ID:VwB.rAPU
そう言えば、「とらハ」と「なのは」とはクロスの範疇に入るのだろうか?

721名無しの局員さん@書庫探索中:2010/04/05(月) 16:49:44 ID:yieJQqa.
入るんじゃないかな。
ぶっちゃけとらハとなのはは別モンだと思うし。
士郎生存とか亀サル排除的な意味で

722名無しの局員さん@書庫探索中:2010/04/06(火) 14:19:55 ID:Adu1lkU6
それなら>>719な設定は生きる訳だ。
面白いかも知れんね。

723名無しの局員さん@書庫探索中:2010/04/08(木) 21:03:59 ID:iwaZJLI2
なのは側の設定を少し変えればクロス出来る
作品が増えるかな。
なのはキャラで学園ものをするとか。

724638:2010/04/09(金) 01:22:25 ID:F3hKSKsc
>>723
魔法戦士の学園?

725名無しの局員さん@書庫探索中:2010/04/09(金) 01:38:20 ID:BIuzxhr.
>>724
そんな感じ。魔法とか関係なく、普通の学園物でもいいけど。

726名無しの局員さん@書庫探索中:2010/04/16(金) 15:18:21 ID:vRoBEg7s
ほんとSSこねぇな

727638:2010/04/21(水) 00:18:58 ID:l1rVOxPQ
>>726
お前さんひとつどうだい、ssを書いてみないかい。
まぁ俺も人のことは言えんが。とりあえずネタ振りだけはしよう。
というわけで、ライディなんてどうだい。

728名無しの局員さん@書庫探索中:2010/04/23(金) 12:28:35 ID:qCNx3h42
>>727
ライディって雷の戦士のことかい?

729638:2010/04/25(日) 21:31:07 ID:FLUuA.a.
>>728
はい、そうです。そういや挙げられていないなと思い挙げてみたんですが。

730名無しの局員さん@書庫探索中:2010/05/10(月) 09:09:28 ID:XBThVIzo
ライディだったら向こうの世界に行かないと無理だな。

731名無しの局員さん@書庫探索中:2010/06/12(土) 23:30:33 ID:/umHwpRg
過疎っているので投コメ。BISHOP作品とのクロスは可能性としていけるか。

732名無しの局員さん@書庫探索中:2010/06/13(日) 02:32:31 ID:8JV6VFHA
姫奴隷の主人公ならクロスしても違和感ナイな。
やり方次第だが可能だろう。

733名無しの局員さん@書庫探索中:2010/06/19(土) 07:23:34 ID:8ZPj1YqI
「Triangle StrikerS」や「Lyrical knights」に触発されて魔法戦士シリーズのクロスを書いてみよう思った次第。
話が被ったりしないよに気をつけつつ、投下したいと思います。
タイトルは「Dr.メッツァーの野望」で。
クロスは勿論Triangle様の魔法戦士シリーズで、主人公はメッツァー。
時系列的にはメッツァー側はレムティアのバッドエンド(封印エンド)からでリリなのはストライカーズ開始のあたりからです。

734Dr.メッツァーの野望:2010/06/19(土) 07:25:26 ID:8ZPj1YqI
新暦0075年、ミッドチルダのとある山間部の奥深く。
人目に触れられないようにひっそりと建設された研究所の一室。
薄暗い部屋の中、ただひとつの光源となっているモニターの前には一人の男がいた。

「機動六課……か」

ギィ、と椅子を軋ませながら男はポツリと呟く。
彼は他人からはジェイル・スカリエッティと呼ばれている存在だった。
「Dr.」の通り名を有する、生体改造や人造生命体の開発に異常な執念を抱く科学者。
そしてその目的のために過去幾つもの次元犯罪を起こし、広域指名手配がかかっている次元犯罪者である。
しかし、今の彼は手配書に記されている容貌をしてはいない。
肩にかかるほどだった紫の髪はボブカット気味にスッパリと切られ、銀色に染め上げられている。
普段着といってよいほどの頻度で着ていた白衣も今はなく、動き易さを優先した黒を基調とした軽装を身に包んでいた。
一見すれば、余程親しい知り合いでもない限り彼をスカリエッティと判断するのは難しいほどの外見の変化。
その理由は自身を追う管理局の目を眩ますため。
という理由も含まれていないわけではないが、もっと別の大きな理由があった。
そう、「元の自分の姿」に近づけたかったという理由が。

「この高揚感。思い出すな、魔法戦士どもとメッツァー・ハインケルとして戦っていた頃のことを……」

メッツァー・ハインケル。
それはここではないある世界で、地上征服をもくろみ、そしてその野望を果たせず散っていった男の名前。
そしてジェイル・スカリエッティの身体を乗っ取った男の名前だった。

「まさか正真正銘の異世界に来て、しかも別人の身体を使ってまでまた同じことを繰り返すことになるとはな」

自嘲ともいえる笑みを零しながら、彼はここに至るまでの出来事を回想する。
地球とロア。
その二つの世界を奸智と力によって征服するべく邁進していたメッツァーの野望は最後の最後で潰えることとなった。
敵対していた女神近衛団のトップ、クイーンティアナ主導の罠。
戦乱の元凶たるメッツァーの強制召喚による積層魔方陣への封印に彼は抗うことも出来なかったのだ。
この封印術は外部からの干渉はできず、その維持もメッツァー自身の魔力を使用する。
そのため、実質的に一度捕えられれば二度と逃れることは出来ない。
それは銀髪の魔王と呼ばれたメッツァーといえども例外ではなく。
悲しげな表情で自分を封印するクイーンティアナの表情を最後の記憶に、彼はその存在を封印された。
―――そのはずだった。

735Dr.メッツァーの野望:2010/06/19(土) 07:27:02 ID:8ZPj1YqI
彼が目を覚ました時、目に飛び込んできたのは無機質な部屋だった。
周囲には一目でわかるほど高性能そうなコンピューターが並び、自身はその中央に置かれている椅子に座っている。
目を落としてみれば、明らかに自分とは違う貧弱な肉体がそこにはあった。
ここはどこなのか? この肉体はどういうことなのか? 自分は封印されて二度と目を覚まさないはずではなかったのか?
数々の疑問が浮かび、混乱する中、タイミングをはかったかのように背後のドアが開いた。
入ってきたのはウェーブがかった薄紫の長髪をした女性だった。
彼女は自分のことを「ドクター」と呼び、怪訝さと心配の入り混じった表情を向けてくる。
瞬間、メッツァーの中に多量の情報が流れ込んできた。
それはジェイル・スカリエッティと呼ばれた男の、この身体の持ち主だった男の記憶と知識だった。
そう、封印されたはずのメッツァーの精神は、ジェイル・スカリエッティの肉体に移っていたのだ。
それも二重人格のように共存という形ではない。
一方的にスカリエッティの精神を取り込む形、つまり、メッツァーが一方的に肉体を乗っ取る形でだ。

(精神のみの憑依か。そういった研究はなかったわけではないのだがな)

様子のおかしい主人に、いよいよ困惑を浮かべる女性。
脳裏に浮かび上がる名前、ウーノに心配ないと退室を命じたメッツァーは状況を整理し、そして現状を把握した。
すなわち、自分がジェイル・スカリエッティになってしまったということを。
そして、ここがロアでもなく、地球でもなく、ミッドチルダと呼ばれる異世界だということを。

(何故こうなってしまったのか。理由は今でもわからんが……)

封印されたはずの自分が、何故精神のみスカリエッティの肉体に入り込んでしまったのか。
その理由を知る術はなかった。
勿論、すぐさま自身とスカリエッティの知識を総動員して元の世界に帰る事を試みた。
だが、結果は芳しくはなかった。
時空間移動が当たり前のものとして存在しているこの世界だが、ロアも地球も存在していなかったのだ。
否、厳密に言えば地球は存在していた。
第97管理外世界と呼称されるその世界は、確かにメッツァーの記憶にある地球と同じものだったのだから。
だが、そこに彼の知る人物や組織はなかった。
国内有数の財団である百合瀬財団も、雨塚鷹佑が所属していた大企業インペリオも。
魔法戦士として戦っていたはずの少女たちの名も。
そもそも、異世界からの侵略者という存在も、影も形も存在していなかったのだ。
それはつまり、この世界が元の世界とは全く違う次元の世界だということに他ならない。
おそらくは平行世界、その可能性に思い当たった時、彼の脳裏に去来したのは自分にもっとも忠実だった部下の姿だった。

736Dr.メッツァーの野望:2010/06/19(土) 07:30:13 ID:8ZPj1YqI
(ココノ……)

自分を慕い、健気に支えてきてくれた存在は今どうしているのだろうか。
ティアナの保護を受け、平穏に暮らしているのか。
それとも、ディラックやサキュバスらと共に自分を奪還するべく動いているのだろうか。
今となっては知る由もないが、幸せでいてくれればと思う。
無論、元の世界への帰還を諦めたわけではない。
時空間移動技術が存在している以上、帰還の可能性はゼロではないのだ。
それに、ココノたちが封印を解き、自身の精神を元の肉体に引き戻す可能性もある。
どちらも限りなく低い可能性ではあったが、メッツァーにとっては生きる目的として十分な目標だった。
そして、目標を定めた彼が最初に行ったのは言うまでもなく自身の安全の確保と今後のことについてであった。
安全についてはそれほど気にする必要はなかった。
犯罪者と認定された身の上とはいえ、現在地を知る者は少ない。
戦力も豊富であり、資金もそれなりにある。
懸念であった直属の部下であるナンバーズと呼ばれる戦闘機人たちに対しても、スカリエッティの記憶を使えば問題はなかった。
精々が少し性格が変わったかな? と思われる程度であり。
仮に疑念を抱かれても基本的に彼女たちは自分に絶対服従だったからだ。
そして前述の通り、管理局の目を眩ますと言う名目で外見と名前を変えれば完璧。
後は己の邪魔となる存在、つまり管理局最高評議会を始末すればそれで終了だった。

(しかしスカリエッティも存外に甘い。あんな老害どもを放置しておく理由などなかっただろうに)

脳髄のみの姿で生命維持ポット内に漂っている三人を処分するのは容易だった。
彼らの元に侵入しているナンバーズの一人、ドゥーエに命ずればそれで事足りたのだから。
更に言えば、彼らはその醜い姿のために管理局では声だけの存在。
よって、彼らを処分し、電子機器を制圧してしまえば簡単に成り代わることも可能だったのだ。

(時空管理局、か。大層な名前の割にはもろすぎる組織だ)

たった三つの脳髄が実質的なトップの位置にいることもそうだが、入れ替わりにまるで気が付かないなど無能にもほどがある。
勿論最高評議会とはいえ、管理局の全権を有しているわけではないが、それでもその存在は局内では絶対に近い。
上層部を操ることは容易だし、地上のトップであるレジアス中将は己の手駒。
対抗できる存在といえば精々が伝説の三提督と呼ばれる老人たちくらいのもの。
その彼らにしたところでメッツァーの頭脳と手に入れた権限を使えば発言権を奪うことなど容易にすぎる。
つまり、現時点で管理局はメッツァーの支配下に置かれたといっても過言ではなかったのだ。

737Dr.メッツァーの野望:2010/06/19(土) 07:31:14 ID:8ZPj1YqI
(簡単に行き過ぎてつまらんが、これは必要なことだからな……)

仮の話だが、もしも管理局がロアを見つけたらどうなるか。
かの世界は形態がかなり異なるとはいえ、魔法の存在する世界だ。
管理世界にしようと動きかけることは想像に難くない。
その時、クイーンティアナが、あるいは雨塚やシルヴァたちがどういった対応をするか。
いくつかの可能性が考えられるが、どれも面白い結果にはなりそうにない。
あの世界を支配するのは自分であり、百歩譲ってもあの世界の者ではならない。
断じて管理局なる集団が手を出していいものではないのだ。
だが、管理局の力は想像を絶するものがあるのも事実。
真正面から戦いを挑めば、女神近衛団だろうと白薔薇だろうとファルケやシルヴァだろうと蹴散らされるのがオチである。
質では劣っているとは思わないが、絶対的な物量に差がありすぎるのだ。
何よりも性質が悪いのは戦艦やそれに搭載されている魔法兵器。
アルカンシェルなど使われた日には、一撃で勝敗が決してしまいかねない。
となれば、ロアを、そして元の世界の地球を守るためには管理局そのものを手に入れるしかない。
そう結論を下したメッツァーは、前述のように最高評議会を乗っ取ったのである。

さて、こうして絶大な権力を手にしたメッツァーが次に考えたのは今後のことについてだった。
最優先は元の世界への帰還ではあるが、時間がかかることは間違いない。
となれば、今なすべきことは帰還が叶った時に引き連れていくべき戦力の確保である。
当然、管理局は使えない。
いかに最高評議会といえども、意味もなく侵略などできるはずもなく。
仮に出来ても手柄は管理局のものでありメッツァー自身は表に出ることが出来ない。
管理局がロアを管理世界にするのではなく、メッツァーが征服しなければ意味がないのだ。
結局のところ、管理局に関してはあくまでロアへの干渉をさせないという結論にしか落ち着かないのである。
そうなると、次善の策は限られてくる―――というよりもひとつしかない。
元の世界で魔法戦士たちを引き入れたようにメッツァー個人の私兵を作る、これである。
ナンバーズを量産するという手もあるが、それはいかんせんコストと時間がかかりすぎる。
幸いにして支配下にある管理局には有能な魔法戦士(魔導師)が多い。
彼ら彼女らを引き入れることが出来れば、きたるべく再侵略に多大な貢献をしてくれることは間違いない。
そこまで考えたメッツァーが冒頭に戻り、目をつけたのが「古代遺物管理部機動六課」だった。

738Dr.メッツァーの野望:2010/06/19(土) 07:33:38 ID:8ZPj1YqI
この機動六課とは八神はやてが創設した部隊であり、表向きはロストロギア「レリック」の回収の専任。
そのほかにも独立性の高い少数精鋭の部隊の実験のため、といった設立理由が存在する部隊である。
後見人にリンディ・ハラオウンやカリム・グラシアといった本局や教会の実力者を揃えている部隊であり
地上に存在しながらも、本局の独立部隊の色が濃い。
当然、地上からの受けは悪く、レジアス中将などは最高評議会(メッツァー)に対して声高らかに苦情を言う始末だった。
しかし、この部隊の設立された本当の理由は違う。
それは、カリム・グラシアによるレアスキルによって知らされた『いずれ起こりうるであろう陸士部隊の全滅と管理局システムの崩壊』
その予言を防ぐため、というのが真実なのだ。
ちなみに、この予言は既に起こりえない。
それは言うまでもなく、この予言の主犯とも言える存在であるスカリエッティが既にこの世に存在しないからだ。
メッツァーの知る知識の中には、勿論スカリエッティの企んでいた計画はある。
だが、彼にはその計画を遂行するつもりは全くなかった。
リスクが大きい、成功した後のプランがずさん、そもそも成功率が低すぎる。
―――と、どう考えても実行に移す理由が見当たらなかったからだった。
しかし予言が出たのはメッツァーがスカリエッティに憑依する前のことであり、はやて達にそれを知る術はない。
ではメッツァーについての予言が出るのかといえばそれもない。
こういってはなんだが、メッツァーの企んでいることはあくまで彼個人の話であり、ミッドチルダや世界にはなんら影響はない。
精々が「異界の者」や「正義を司りし愚者の死」といったそれらしい単語が出てくる程度なのだ。
その単語の関連するところに世界の危機があるわけではない以上、カリムらもそこに必要以上の注視はしないのだから。

閑話休題。
そんな機動六課にメッツァーが目をつけた理由は至極単純であった。
局内でもトップクラスの魔導師、しかも美女美少女たちが揃っている部隊。
これを逃す手など存在しない。
特に隊長陣など、贔屓目をなしにしても元の世界の魔法戦士を上回る戦力を保持しているものばかりだった。
新人達であれば互角くらいには持ち込めるかもしれないが、隊長クラスになると桁が違う。
特に高町なのはや八神はやてといった遠距離系の魔導師は、メッツァーからしても畏怖を覚えるほどである。
だが、彼の心情の中に、失敗の恐れなどは欠片も存在してはいなかった。
確かに相手は強い、しかし所詮は女子供の群れに過ぎない。
正義を信じ、己の信念に従い戦う清らかな戦乙女。
彼女らは強大な敵の前にも怯まないのだろう。
敗北をしたとしても、再び立ち上がり、それを糧に勝利を目指すのだろう。
肉体をいくら傷つけられようとも、心までは決して折られたりしないのだろう。
しかし、それでもメッツァーの自信は揺らぐことはない。
そのような相手など、彼は腐るほど目にし、そしてそのことごとくを屈服させてきたのだ。
気高い瞳を、凛々しい声音を、清らかな肢体を。
愛欲に潤んだ瞳に、卑猥な単語を発する声に、淫乱な肢体に変えてきたのだ。

739Dr.メッツァーの野望:2010/06/19(土) 07:35:44 ID:8ZPj1YqI
そしてそれはモニターに映る乙女たちといえども例外ではない。
高町なのは、八神はやて、フェイト・T・ハラオウン。
若くして最強の座を手に入れた少女達、そしてその部下達。
彼女達はどのような顔で己に屈するのか。
どのような声で喘ぎ鳴くのか。
そして、どう自分を楽しませてくれるのか。

―――どれほどの力を自分に捧げてくれるのか。

「ク……ククク……」

新たなる魔法戦士との戦いの予感にメッツァーは一人笑う。
今、予言から外れた物語は、一人の男の欲望によって変貌を遂げ。
乙女たちはありえなかったはずの危機を迎えようとしていた。

740名無しの局員さん@書庫探索中:2010/06/19(土) 07:39:43 ID:8ZPj1YqI
というわけでプロローグという名の前フリ話でした。
クロスだとどうしてもこういう前フリが必要なわけで、エロもないのに読むの面倒くせーよという方は
「悪巧み知識チートな男がなのはたちをエロいことして服従させようとする話」とだけ理解していただければOKです。
あと、ナイツ達は出ません、ココノはおろか下魔や上魔も出ません、全部リリなの世界のもので代用します、魔法以外。
魔法戦士サイドからの出演はメッツァーだけです、ぶっちゃけ魔法戦士サイドまでキャラ動かせないというのが本音ですが。

741名無しの局員さん@書庫探索中:2010/06/20(日) 04:14:06 ID:a.y/xBwU
これは、封印されたメッツァーの方にスカ先生の精神が行ってたりしてw

742名無しの局員さん@書庫探索中:2010/06/27(日) 21:40:34 ID:M527Hlrg
中々イイ感じのスタートですな。
楽しみにしておりまする。

743名無しの局員さん@書庫探索中:2010/06/27(日) 23:23:49 ID:mOqi74wM
久々にここにssが来ましたよ。続くといいな。しかし魔法戦士とリリなのは親和率高いね。
魔法少女ネタで他には何がいけるかな。

744名無しの局員さん@書庫探索中:2010/08/04(水) 13:07:07 ID:ZyhPLMV.
おお、まさかここに投下があるとは。

しかし凌辱物か。リリカルは凌辱かレズ物ばかりな印象しかない。

745名無しの局員さん@書庫探索中:2010/08/30(月) 00:19:04 ID:xa9tUVeo
クロスで和姦は荒れる元でしょ。

746名無しの局員さん@書庫探索中:2011/05/01(日) 18:07:22 ID:qXyk7EW.
はい! 続かなかったーーー!

747名無しの局員さん@書庫探索中:2011/11/01(火) 13:40:23 ID:86wlIG7Q
スピンアウト元のクロス物は考え付くんだけどなぁ。

748名無しの局員さん@書庫探索中:2012/02/06(月) 13:01:52 ID:2wuXswuw
対魔忍のシリーズとかどうかな?

749名無しの局員さん@書庫探索中:2012/02/13(月) 16:09:18 ID:q4TvvQik
>>748
いいのよ
つメモ帳

750名無しの局員さん@書庫探索中:2012/02/21(火) 14:30:49 ID:IrQq8pdM
じゃあ書いてみるかな。
尤も設定やら時系列やらぐちゃぐちゃになりそうだけど。

751Triangle Despair:2012/03/03(土) 13:26:35 ID:eTVxn336
次元震。
次元世界そのものを震わせるそれは大規模なモノとなれば次元断層を生じ、複数の次元を崩壊に導く。
つまり今見ている世界そのものが全て崩壊するのだと考えればその途方も無さが分かると言える。
それもひとつだけではない、複数だ。
それ故に意図的に次元震を起こす者は重罪に問われる。
PT事件と称される事件は中規模のモノだったから、世界が崩壊する事は無かった。
だが、それは確実に何かを変えていた……誰も気付かないうちに。
世界の成り立ちが、時空が変化していても、同時に自分たちが変化していても、その当人が気付く事にはならない。
地球が自転しているからといって、誰が実感としてその回転を自覚するだろうか。


魔界という存在が世に現れたのが何時からかはわからない。
一説には古来より存在し、この世と互いに非干渉であるとしていたという。
だが、人の堕落によって魔界との境界は失われ、結果として魔界の住人が人界にも流れ出る事となった。
それは時空管理局が第97管理外世界と呼ぶ地も、そして彼らが重視し、主たる拠点であるミッドチルダに於いても同様だった。
管理局側は自らの技術、魔法で以て彼らに対処し、地球ではまた別な存在が彼らに当たる事となった。
「対魔忍」
古に言う、忍と同義でありながら、その能力は魔界の者とも渡り合え、それ故にカウンターパワーとしての働きをする事となる。
政府は彼らを組織して魔界の者たちに対抗していた。

海鳴市――喫茶翠屋

「それじゃ、行ってくる」

年齢は40前後だろうか、そうした年輪を感じさせない風貌の男がバッグ片手に店内に向けて声を掛けた。
高町士郎、翠屋の店主にして凄腕の護衛として鳴らした過去を持つ男だ。
彼はこれからロンドンに向かって発つ事となっている。
香港警防、彼の実妹である御神美沙斗が所属する組織に呼ばれているためだ。
元々その名の通り香港に居を構えていたが、中国への返還後次第に活動に支障を来たした為に移転したのだった。
すでに引退した身ではあったが、恭也、美由希を指導しておりその力量は怪我の影響を考慮しても未だ健在。
魔界、そして人間社会に於ける裏世界、それらが巧みに協調し、または混じり合った犯罪への対処は急がれる。
対魔忍の存在があっても、彼らも有限の存在であるが為にその手に守れる範囲は限られる。
力ある者がその力量を発揮するのはある意味義務と言えた。

「美由希、後を頼んだぞ」

そう言い残して、扉が閉まる。
頷きを返した本人――高町美由希は店内の置かれたテレビに目を向ける。
そこには魔都と化した東京が映っていた。
魔界の者の進出は全世界的な出来事であり、それはすでに東京だけに留まらなかった。
既存の犯罪組織と繋がるなどしてその勢力を広げようとしている。
その中でも「ノマド」と呼ばれる組織は急速に力を付けていた。
ノマドの首領はエドウィン・ブラックという男で吸血鬼であるとの話もある。
ブラックは人界の者と組み、巧みに操ってはその組織を強めていた。
美由希自身も香港警防と関わりがある為、ノマドについては知識があった。
龍という組織と最近は繋がりを深めている為に要注意の相手という認識だったのだ。
テレビから目線を切るとカウンターに入る。
客商売という都合上、外から見える所には置けないがカウンター内には彼女が使う武器――小太刀が置いてある。
香港警防との話次第では自分もそれを手に取って前線に行かなければならないだろう。
本来、戦いそのものを好む訳ではない美由希には憂鬱な事であった。


海鳴市で高町士郎が出立した頃。
ミッドチルダの山中にある隠された研究施設にふたりの男がいた。
エドウィン・ブラックとその部下である。
この施設はつい先日大規模騒乱を起こし逮捕されたジェイル・スカリエッティがかつて使用し、隠匿されていたものである。
高性能であろう数々の機器を操作する部下を横目で見るとブラックはそこに置かれた4機の生体ポッドを見上げた。
これを上手く使えば、魔法とやらで地球ほどの浸食が出来ていないミッドチルダも魔都と変えられるだろう。
願わくばそれでも尚敵対する管理局の者が自らを脅かしてくれれば、それに勝る興奮はない。
虚無に沈む男は自らを喜ばせる者を求めていた。
スカリエッティを倒した者達がそれを可能にするのかはわからないが、永遠を生きるブラックに取っては無駄な時間はない。
操作が終わったのかポッドから容液が抜けていくのを見ながら、その口元には笑みが浮かんでいた。

752Triangle Despair:2012/03/03(土) 13:27:35 ID:eTVxn336
取り敢えず序章な感じ。
文章変だけど、笑い飛ばして頂ければ。
時系列など狂ってます。

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