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【習作】1レスSS集積所【超短編】
65
:
名無しさん
:2017/02/11(土) 22:26:24 ID:kwvwwV4g0
したいされたいスレ2から保存
359: 名無しさん :2017/02/11(土) 19:54:20 ID:/IPKGM.60
俺はこの現状をどう扱うべきなのだろうか。
現状? 無二の親友からラブホテルに誘われてる。
うん、どうすべきかさっぱり分かんねえや。
「ねえ、キミはボクとあそこに行くの嫌なの?」
「いや……あのな?」
重い額に手を当てる俺の目の前で、この親友であるパンダ娘は黒い耳をピコピコさせながら小首をかしげている。
モフモフな指を差す先には繁華街のラブホがあった。
そう……このパンダ娘、なんとラブホのキラキラお城みたいな外見に、あそこが情欲交わる淫猥な場所でなく、なんだか楽しそうな遊園地的な場所であると勘違いしているのである。
「ねえねえ、早く行ってみようよぉ。すごくキレイで楽しそうだよぉ?」
「あー、うん。あそこは俺らが行く場所じゃないっていうか……」
「? 何で? ねえねえ、何で?」
あーくそ、この時ばかりはこいつの無邪気な性格が恨めしい。
俺もこいつの天真爛漫さが大好きで、ずっと遊び友達として親友してるんだが、こういう現場にぶち当たるとマジで困る。
上手い嘘も思い浮かばないし……仕方ない、(一部)ホントのこと言って納得してもらうのが良いか。
「あそこは恋人とか夫婦が行く場所なの。だから俺らじゃ行っちゃダメ」
「えー、何で夫婦とかじゃないとダメなの?」
「ぐっ……」
好奇心旺盛人熊猫。今現在超々厄介。対処益々困惑。我正直告白彼地優艶地。
思わず思考が中華風言語に変換され、俺はタメ息をつきながら説明を再会した。
「お前的に言うと、あそこは男女のカップルが交尾するところなの。だから俺らは行かない。分かった?」
「……交尾?」
「そう、交尾」
交尾、という言葉をポツリと呟く親友。
それを幾度か繰り返し、俯き……再度俺のことを見上げた。
「交尾!」
わーお、何その超輝いたお目めは。俺やっちまった感に目が涙で輝きそうなんだけど。
「交尾! 行こ、あそこ! ねえねえ、早く! 早く行こ!」
「だーこらっ、その手を離せ! 俺は親友と朝チュンする気はさらさらねーぞ!」
「えー、何で!? キミはボクと交尾するのが嫌なの?」
「嫌じゃないけどこんな展開で初体験とかゴメンだっつの!」
「……うー」
必死の抵抗をする俺に業を煮やしたのか、親友はその場でへたり込む。
こいつがこの仕草をする時、やることは一つである。
……そして、俺がこいつの親友を辞めたくなる唯一の瞬間だ。
パンダ娘は背中からごろんと地面に転がり。
「イヤだいイヤだいボクとあそこに行ってくれなきゃイヤだいボクと交尾してくれなきゃイヤだい!」
両手足を振り回し、みっともなくダダをこね出した。
「い、いくらダダをこねたって俺はお前とは……」
「イヤだいイヤだいイヤだいイヤだいイヤだいイヤだいイヤだいイヤだいイヤだい!」
「ちょっとは聞けよ、俺の話!」
俺の言葉に全く耳を貸すことなく、この駄・パンダは地面を転がり、すりっとの隙間からおみ足を覗かせている。
まったく……どうしたもんかな。
もし友達から先に進むことがあったなら。
その時は男らしく、ちゃんと自分から告白しようって決めてたんだけど。
人の気も知らないで、気軽に言ってくれちゃってさ。
周囲のクスクス笑いが、俺の気持ちを見透かしているようで居心地悪い。
とにかく、この現状をどう扱うべきなのか。
やっぱり解決策が見つからないまま、俺は足元で愛らしく転がるパンダ娘を見つめ続けていた。
「イヤだいイヤだいイヤだいイヤだいイヤだいイヤだいイヤだいイヤだいイヤだい!」
「だーっ! 分かった! 分かったからダダこねんの止めろってば!」
魔物娘との友情って難しそうだね
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