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【習作】1レスSS集積所【超短編】

412名無しさん:2017/04/12(水) 12:29:44 ID:FDpBvZm.O
「おはようございます♪」
「ひゃあっ!?」

ひたり、首筋に当たる冷たい感触で、僕は目を覚ました。
目を開けると、美しい銀髪の少女の微笑みが僕の事を見下ろしていた。
首筋に触れた手から伝わる冷たい体温は彼女がゆきおんなという魔物である事を伝えてくれる。

「ふふ。今日は休みですけれど、もうお昼ですよ」
「え。もうそんな時間?」
「昨日はいっぱい頑張りましたからね。お疲れなのかも知れません」
「はは……たしかに」
「ふふ。昨日はとっても気持ち良かったですよ」

しゅるり。
青の着物の衣擦れを聞きながら、彼女の笑う姿を見る。
思わず僕もつられて笑ってしまった。

「今日の朝食は何かな?」
「昼食でもありますから……冷やし中華にいたしましょうか」
「もう、売ってるんだね」
「ええ、もう暖かい頃ですから……冷やし中華、お嫌いですか?」
「いや、好物だよ」

相槌をつくと、窓越しに日の光が目に入る。
昼頃の暖かい太陽の熱が、ぽかぽかと体を温めてくれた。

「今日は、天気もよろしいですし。お買い物に行ってもよろしいですか?」
「ああ、僕もついてくよ。荷物持ち位にはなるかもしれないし」

つるつると冷やし中華をすすりながら、のんびりと話をする。
ちょっと時期が早いけれど、甘酸っぱい自家製のタレのついた彼女の冷やし中華はやっぱり絶品だ。
「帰りに、公園に行こう。きっと桜が見頃だ」
「ええ。楽しみですね」

春うららかなその日。
僕は、彼女と居る幸せを噛みしめていた。


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