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【習作】1レスSS集積所【超短編】
368
:
名無しさん
:2017/04/01(土) 20:45:08 ID:o4Ak3HKIO
「まだ起きてたの?」
「ああ、仕事が捗らなくてね。ちょっと持ち帰ってたんだ」
夜遅く、パソコンの画面とにらめっこしていた僕の視界の端にぴょこんと、ファミリアである彼女の可愛らしいツインテールが写る。
直後、白い手が僕の目を覆って画面を見えないように妨害してきていた。
「もう、良い時間なんだから。悪い子はとってもカワイクて、わるーい魔物がイタズラしちゃうよ?」
「うう、あと少しだけなんだ」
「少し、と言いながら。どうせ休まないくせに」
なおも画面にかじりつく僕の頭の後ろにふにふにとした、柔らかな膨らみかけの脂肪の感触が当たる。
耳にふう、と甘い息を吹きかけられると全身の力がくにゃくにゃと抜けてしまう。
「それにね。君はボク専用の抱き枕なんだから。カワイイボクを寝不足にする気かな?」
「い、いやそんなつもりじゃ……」
「あーあ。ボクは枕を変えたら眠れない繊細な魔物なのに。イジワルするんだ」
「う、その……」
「ほおら。早く早く♪ボクは6時間は寝る予定なんだから。いつまでも起きてると遅刻しちゃうぞ?」
一方的な理論を展開する彼女になにも言い返せないまま、ベッドまで連行されてしまう。
その過程でチラリと見えたパソコンの画面はいつの間にかしっかりと上書き保存されていた。
「さて、お休み。抱き枕君♪」
小さなベッド。
全身を使ってしっかりと抱きつく彼女の体温に、観念して横になる。
こっそり抜け出せないように、彼女の腕は僕の身体に巻き付いていた。
「……ふにゅう……あのね……?」
数分後、彼女から聞こえてきたのは寝息混じりの小さな声。
きっと寝ぼけているのだろう。
「ちゃんと……休んで、元気になってね……?」
「……」
普段はわかりにくい優しさを、一心に感じながら。
僕は彼女の髪を撫でる。
「えへへ、だいすきだよ……」
その日の夢は、暖かいものだった。
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