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903
:
ほしを護るは名無しの使命
:2022/07/04(月) 02:39:20 ID:???0
松本 優聖
@Sei712Yu
904
:
ほしを護るは名無しの使命
:2022/08/16(火) 02:03:31 ID:???0
ある少年は本を読んで、ある少年は空をみた。
ある場所にて。二人がよく行っている図書館で。
空はとても青く。言葉はとても優しく。
少年らはずっと、そうしてきた。
まるいまるい大切な時間をたった五分だけで過ごした。
一人は空を見ている人にこう言った。
これからどうする?
反応なし。
ただ空を見ているだけ。
本を閉じて空を見る。
青く広がっていた。雲が動いていた。
今なら羽根を求められそうな気がしたんだ。
ずっと、見ていたら、時間を忘れてた。
誰かの、足音が聞こえて、お互い顔を見合わせる。
行こう、と藍瀬輝々(男子一番)と葵輝丹(男子三番)は小さく頷いた。
【残り四十人】
905
:
ほしを護るは名無しの使命
:2022/08/16(火) 02:05:14 ID:???0
階段を下って、下駄箱に向かう途中、甘野大和(男子五番)は、川瀬和生(男子七番)と共に走っていた。悲鳴や騒ぎ声が聞こえてくるが、気にしなかった。とにかく今は逃げることだけを一番に考えようとした。余計なことを考えると失敗する。捕まった海原青歌(女子二番)が自分達を逃がした意味がなくなる。大和は急いで出来るだけ早く足を動かす。
靴を履き替えることもなく、そのまま外に出る。既に兵士が運動場を囲んでいた。多分、自分達が外に逃げないようにする為のものかもしれないけれど。大和はとりあえず近くにあった物置の中に入った。和生も続いて入る。二人共、疲れたのか溜息をついた。
「大丈夫か? 和生」
「うん……でもちょっと疲れた」
「そりゃそうだよな」
「ごめんね」
「気にするな。大丈夫だから」
自分でそう言ってても、正直不安があった。和生は元々運動神経が悪いので、こうしていられるのも、少しの間しかないと言い切れる。現に運動会などでリレーなど、最下位に終わったし、いいとすれば、パン食い競争だった。食べ物につられて一位だなんて犬か何かかと大和とその他仲間は呆れたこともあったが、今ではどうしようもなかった。
ましてや、今の状況で和生に「後で奢るから頑張ろう」なんて言っても、暴走しすぎてはい、捕まってしまいましたなんてオチはありえる。こればっかりはふざけていられなかった。
大和は、他の仲間は逃げ切れたのかどうかが気になってしょうがなかった。扉を閉めているので外の様子は分からない。ただ、足音だけが響いているのだけは分かった。
こっちに気付かれてしまうのか、そのまま通り過ぎてしまうのか。またはイコール、捕まるか、そうでないか。どっちにしろ、今はこうするしかなかった。逃げるしか、他に選択はなかった。きっと、そうに違いなかったのかもしれない。でも、昔だってそうだった。
自分は友達の為に、家族を捨てて、青空学園に入ったのだから。
後悔はしていないといえば嘘になってしまう。嘘はつきたくなかった。もし、質問されたら今度はきっと、素直に言おう。後悔はしていると。
「大和、怖い」
和生の声で現実に引き戻された。足音が更に大きくなり、大和は再び焦りを感じた。このままではすぐ見つかる。
「俺の後ろを離れんな!」
そう叫ぶとタイミングもなしに扉を開けた。外に向かって走り続ける。後ろから追いかけてきていることもすぐに分かった。
捕まるもんか。絶対逃げ切ってやる。
ようやく校門の近くまで走っていくことが出来た。後少し走れば、外に出られて、隠れる場所を探しながら逃げ続けるだけ。そう思うと早く成功させたいという、どうしようもない気持ちが大和の身体を束縛させたが、起こってはならないことが起きてしまった。
「大和!」
和生の悲鳴に近い声で振り向いた。そこに和生の姿はなく周りを見ると、丁度右側の方にいた。
兵士達に抱えられてトラックに向かっていたのだ。
「和生!」
何とかしてでも、和生も一緒に逃げなければならなかった。自分だけ逃げるなんてことは絶対したくなかった。
――あの人みたいには絶対、なりたくなかった。
兵士達の方に走った。殴ろうとしたが、避けられて逆に胸倉を掴まれてそのままトラックへ放り出されてしまった。大和はそこでしかもう直後の記憶は覚えていない。
ただ、はっきりと分かったのは、誰かが泣いていたことだけだった。
【残り四十人】
906
:
ほしを護るは名無しの使命
:2022/08/16(火) 02:09:06 ID:???0
田中春奈(女子十番)と香田瀬津奈(女子三番)が戦っている時、前原のどか(女子十八番)は走っていた。
ああ、本当によかったのか。
自分だけ逃げてよかったのか?
とにかく今は逃げるしかなかった。瀬津奈から「逃げて」と言われたからには。でもそれより、逃げなければならない。今止まったら――確実に殺される!
商店街に逆戻って、住宅街の方まで走る。かなり遠いので体力は削られるが、この際仕方ない。それなら意地でも死なない。瀬津奈が待ってる。のどかは一緒に生きようと言ったことを忘れてはなかった。
だから生きる。
瀬津奈の為にも、死んではならない。
念の為、カッターを片手に握っている。何故なら相手が金属バットを持っているのでかなり不利なのかもしれないが、ないよりマシだった。何せ、――相手はあの青木はる(男子四番)だから。だから逃げなければならない。とにかく彼に追いつかれてはいけない。何故、こんなことになってしまったのか、それは私にも分からない。
意地でも逃げなければ!
のどかはずっと頭の中、瀬津奈や早乙女亜巳(女子六番)と三人で遊んだ記憶が鮮明に引っ張られていた。
少し前、はるは野球とかでよく使う金属バットをいじりながらも、不安をずっと抱えていた。どうせなら、サッカーボールがよかった。ボールには父親との想い出が沢山つまっているのだから。今、そのボールが手元にない。きっと、学園に置いてきてしまったんだろう。戻ろうかとも考えたが、無理だった。既に禁止エリアに入っている。そんな場所に踏み込んだら間違いなく首輪が爆発して、あの世行きだろう。
それは絶対に許されないこと。
天国のお父さんが呆れるに違いない。
だから何とかして生き残って、夢を叶えるしか他はない。
人殺しとか、プログラムで勝った人は何者になれるのか?
どっちにしろ、無理だろうけど。
静木青(男子十番)を思い出して、はるはハッと覚めたように目を丸くさせた。
せー。せーは大丈夫なのかな。
何かたまに保健室行きになることもあるし、心配だ。
もしかしたら何処かで今もきっと一人で泣いているのかもしれない。
そんなせーを誰かが殺すのかも、いやShirua(男子十一番)ならありえるのかも。
妙に不安になる。もし青が死んだら、はるはきっと壊れるのかもしれなかった。それは、はる自身も思っている所だ。その時、のどかが走っているのを見かけた。思わずバットをぎゅっと握って、歯を鳴らす。ぎゅっと目を瞑った。
そうだ、もっといい方法があったじゃないか。
せーを生き残らせるために、俺がせーの代わりに人を殺すことが。
二人になった時は、俺が自殺して。
今は、これしかない!
今に至って、はるの思いはまだ変わらなかった。親友を生き残らせて楽にさせてあげたい。ようやくのどかに追いついて、バットを振り下ろすことができた。背中を殴った為のどかはうつ伏せに倒れる。それでもはるは殴ることを止めなかった。
背中に、足に、腕に、頭に。これを何回か繰り返して、生死の確認をする。まだ生きていたら、更に同じことを繰り返す。のどかの身体が跳ねたかと思えば、動かなくなった。はるは足蹴でのどかを仰向けにする。鼻から口からも血が出ていた。もう、死んでいる。口は動いていないのだから。
人生で生まれてはじめて人を殺した。それも、クラスメイトを。これでは、自分の父親の命を奪った犯人と変わりないのではないか。
しかし、その考えもすぐに打ち消して、ディパックを抱え直してその場を去った。一人殺した。思わず笑いをこぼしそうになった。これで、この調子で青の生存率を高く出来るように頑張らなければ。
ねえ、せー。
俺がクラスメイトを殺したって話したら多分「何やってんの、君は」って怒るだろうけど。
でも、せーの為だから。
せーにはもう苦しんでほしくない。
だから、許してね。
女子十八番 前原のどか 死亡 【残り三十人】
序盤戦終了
907
:
ほしを護るは名無しの使命
:2022/08/16(火) 02:10:37 ID:???0
淡本綾唯(女子一番)は、何処に歩いても全く海原青歌(女子二番)が見つからないことに、苛立ちを感じていた。一体何処にいるのか。出席番号はそんなに離れていない。相野輝己(男子二番)の次のはず。なのに、何故。
知っている。
このプログラムでは、誰も信じられないということ。
しかし、青歌は少なくとも、そんなんじゃないはずだ。どんな状況にあっても、決して自分を変えない。それは何度か見かけていた綾唯も知っている。青歌は必ず人を傷つけることは出来ないし、中居螢太(男子十六番)が気に入らないとはいえ、流石に人は殺さない。殺すほど、青歌が嫌っている人間なんて、かつていただろうか?
人を虐める者や、からかう者は基本的に青歌の敵。それと、男女差別が、今の青歌にとっては許せないものであろう。「俺」ということによって、青空町の一部の住民から色々批判を言われるが、此処で挫ける青歌じゃないし、むしろ刃向かうということが正しいのではないか? どんな相手にも、油断や甘えを許さない青歌。綾唯はそんな彼女が親友であることに何となく、誇りを持っていたのかもしれない。それは同じく一緒にいる黄泉泉(女子二十番)も多少は同じこと考えてはいる。
だから、海原青歌という少女は、五年A組の女子の間では多少存在が輝いている。その横に立つ淡本綾唯と黄泉泉という存在はみんな、どう思っているのかまでは分からない。ただの、海原青歌と愉快な仲間達ってことで終わるだろうなと思うけれど。
綾唯に支給された物は、十二色のクレヨンだった。当たりは来ないと思っていたのでほぼ予想通りだが、まさかここまでとは考えられなかった。これでは全然使えない。クレヨンでこの先何か役に立つことがあろうか。それにしてもこのクレヨンを見ていると、嫌なことを思い出す。
あれは、我のせいで。
悪いのは、他の誰でもない自分で。
一体、どれくらい自分を責め続けたんだろう。
青歌にも泉にも見せていないこの傷跡を完全に消せるのだろうか。
死ぬことで今までの想いを消せたら、どんなにいいことか。
立ち上がった途端、綾唯の肩に感触が突然残り、ばっと勢いよく振り向いた。時間を経てなければ、はっきりと誰なのか分からなかった。数秒、ナイフを持っている雪下よう(男子十八番)が驚いたような顔で思わずナイフを落としてしまった。あっと言わせない間に、綾唯はようが持っていたナイフを拾いそれをように向ける。
雪下よう。綾唯は関わったことがないので詳しくは知らないが、確かお金持ちで動物好きらしかった。それは誰とでも関わりを持つ青歌から簡単に聞いただけだけど。月下香介(男子十九番)、涙下伎璃(男子二十番)と、苗字の半分の字が同じなので正直申し訳にくいが、存在は薄かったはず。
その人が今自分を殺そうとした?
「汝、何のつもりだ」
「何のつもりって僕はただ声をかけようとしただけで」
「嘘をつくな。何故ナイフを持っている」
綾唯は元々誰も信じなかった。元からの性格で、更に男がどうしても嫌いだ。今も昔もずっと。それのこともあってか、今、疑いの
目をように向けているのかもしれなかった。
しかし、もうなりふり構っていられなかった。
今はただ「敵」を追い出すべき。
「ご存知だとは思うが、我はこの世に存在する男共が大嫌いだ。汝もその対象に入る。悪いことは言わない。今すぐに我の目の前から消え失せろ。そうすれば危害は加えない」
「でも」
「消え失せろ」
綾唯の鋭い目が光り、ようは恐怖に怯えてディパックを担ぎ、前へと走った。ナイフを下げ、一度じっと見眺める。多分、果物ナイフだ。コレは当たりなのか外れなのか微妙に判断し難い。けど、使えるはず。
青歌。泉。待っていろ。
すぐには、死ぬな。
【残り三十三人】
908
:
ほしを護るは名無しの使命
:2022/08/16(火) 02:13:00 ID:???0
男子十八番 雪下よう(ゆきした・よう)
支給武器 果物ナイフ
被害者 なし
加害者 青木はる(男子4番)
死因 殴打によるショック死
登場話 02/28/59/60
死亡話 60話「誰かが助けてくれたら」
最終行動 青木はる(男子4番)の行動を「間違っている」と説得しようとしたがわかってもらえずに撲殺される。
友人関係 --
所属部 オセロクラブ(茶道部)
備考 間違っていることは間違っている、正しいことは正しいと冷静に判断できる。お金持ちの家に生まれたが、それを自慢に思うことはなく普通に人と接する。かなりの動物好き。
909
:
ほしを護るは名無しの使命
:2022/08/16(火) 02:17:45 ID:???0
「はる?」
丁本拓哉(男子十五番)が声をかけた。が、青木はる(男子四番)は反応を見せない。ただ拓哉達を見つめているだけ。雪下よう(男子十八番)も不思議に思った。普段はるは、いつもスポーツしようと誘っていて、誰であろうと巻き込む。実際自分も誘われてやったのだけれども。
しかし、いつものはるなら笑って拓哉に「何だ?」と話を聞こうとするのに、今のはるは人形のように動かないし、口を開かない。一体どうしたのか。
「はる、どうした?」
「……せー……」
「え?」
「せーのために、死んで」
突然バットを振るわれ、拓哉は慌てて避けた。これには、その場にいたようも吃驚する。二人共、目をぱちくりさせてはるを見た。ようはどこかで狂っているのではないかと疑う。これは夢を見ているのだと。あの青木はるがそんなことをするような人ではないと。明るく、スポーツが好きで、このプログラムに乗らないできっと仲間を探すものかと、ようは思っていた。
現実は違う。
確実にこれは夢なんかじゃない。
「はる、どうして! 俺別にゲームに乗ってなんか……」
「ゲームに乗らなくても乗っても、死んでほしい」
「だから何で!」
「せーを生き残らせたい。だから無駄なものは俺が捨てる。これ以上、せーを苦しませたくないんだ」
静木青(男子十番)のことをそう呼ぶのははるしかいない。ほとんどは誰もが延ばさず「青」と言う。仲良し男子組ではない拓哉とようなど、クラスメイトは「静木」だった。女子では君付けであったが、仲良し女子組である海原青歌(女子二番)だけが、呼び捨てだった。この状況も呼び名を変えていないのは、いつものはるであろうか。
「でも落ち着けよ、静木を探せば……」
「探したいけどそれじゃ駄目なんだよ。せーに見せたくない。俺が血だらけになって殺してる所をなんて一番見せたくないんだ! だから少しでも、せめて残りが一桁になるように、努力をしなきゃ」
「お前の夢はどうするんだよ! いつも言ってたじゃないか、俺の夢は叶ったから今度は色んなことやるって! みんなも……藍瀬達を見殺しにするのか!」
「するよ」
はるの即答に、拓哉が絶句する。これ以上は何も言えないようだった。当然だったのかもしれない。
はるがこんなにも変わってしまったことに動揺を隠せずにいるのだから。ようも同じだったが、拓哉に続いて話した。
「それなのに静木を生き残らせるのか……優勝した人の気持ち考えて。そこまでしてもらっても、嬉しくないかもしれない。逆に申し訳なくなって自殺までするかもしれないよ? あまり意味がないよ」
「あるよ。せーには強くなってほしいし、生きていてほしい。その為なら俺は何だってする」
何話しても無駄だと分かった。今のはるの夢は、青を生き残らせること。その夢を叶えるために、努力をしている。これ以上何かを話すのは無理だ。逆にはるを怒らせることになる。
こんな時、誰かが助けてくれたらいいのに。
はるを、青を、みんなを、助けて欲しい。
「丁本、走って」
「……は? でも雪下は?」
「説得する。できなかったら逃げるつもりでいるよ」
「……そうか。じゃあ死ぬなよ。死んだら許さないから」
拓哉は渋々ようの言うことに従う為に走って何処かに行こうとしたが、ちら見してようを見つめる。前世亜緒(男子十四番)のことで気になるのだろう。しかし、拓哉は暫くしてように従う為に走り始めた。だんだんと小さくなる足音を聞いて、ようは再び話し出した。
「青木、君のしようとしていることは間違っているんだよ」
「間違ってる?」
「そう、間違ってるんだ。いくら何でも人殺しはいけない。死んだら、元になんて、戻れないんだよ」
「雪下、戻らなくていいんだよ」
はるがバットをように振り下ろして睨み付けた。肩を強打されたようは思わず尻餅をついた。逃げ場のない状況に焦りが出る。はるはもう正気に戻らない。何を言っても、聞いてくれない。全て、手遅れだった。もう一度はるのバットが振り下ろされた瞬間、目の前が真っ暗になったと同時に、誰かの声が聞こえた気がした。
男子十八番 雪下よう 死亡 【残り二十三人】
910
:
ほしを護るは名無しの使命
:2022/08/16(火) 08:25:51 ID:???0
小林祐美(女子13番)は出発してからも、校門に出る前に、立ち止まっていた。
足が竦んでいたのかもしれない。
次に出てくるであろう、少し、ほんの少し、好意をよせていた北斗宗平(男子14番)を、心のどこかで待っているのかもしれない。
しかし、その宗平が、自分を殺さないとも限らない。
考えたくはない。
頭を振り払った。
とりあえず生きよう。
前向きに考えた。
それが私の長所だ。
暗く考え込むなんて信じられない。
いこう。
少し前の所で、高岡基樹(男子12番)が倒れていた。
基樹を起こそうとしたが、さっきの宗平のことと同じ気持ちになって止めた。(たぶん死んではいなかったと思う)
祐美は原因不明の焦燥感に駆り立てられ、校門を出ようとしたその時だった。
出口賢介(男子13番)が手にボウガンを持って、右手にある木々の間から出てきたのだ。(私が入学する前からあった。 春になると奇麗な桜の花をつける。 でも、たぶん、おそらく、もう見れないだろう)
目を見開いて、しかも血走っているように見えた。
天然パーマのかかった髪の毛を揺らしながら、こっちへ近づいてくる。
恐ろしかった。
もうすでに、このゲームに乗っている人がいた。
そいつが今、狂気に満ちた顔をして私へ向かってくる。
私はすぐにそこから逃げた。
校門を出ると、右から左にかけて道路が通っている。
前方には、私の家に続く、細い脇道がある。
右前方には土のままの、駐車場がある……のだが、生徒達に悪用されるのを防ぐためか、今は一台も車がない。
そんなものを呑気に見ている場合じゃなかった。
そうこうしている間に、賢介は桜の木の前にあったフェンスをよじ登っていた。
そして、私の逃げ道の選択肢の一つであった、道路の片方を防いでしまった。
こいつなかなか頭いい。
いや、ただ、馬鹿でフェンスの方が早いと思っただけなんだろうか。
後者だとうれしい。
それだとよっぽど狂っているのだから。
私は自分の家の方の前の道へ、走ろうとしたが、頭にふとした考えが浮かんだ。
相手に対して、平行に逃げるより、垂直に逃げた方が、距離がとれるのではないか?
ボウガンがどれくらい飛ぶのかわからなかったが、
銃なんかと同じで、扱い慣れてない人には狙うのが難しいハズだろう。
その考えに殉じて、右の大通りに逃げた。
走る。
相手の矢が当たらないのを願って、走る。
自分では、全速力なのだが、思うように前に進まない。
けど、いくらなんでも、あの出口賢介だ。
クラスの中では、運動ができない方の部類に入る、あの。
しかしその考えが甘いと理解したのは、
突き当たりのT字路にさしかかって、後ろを向いてからだった。
さっきとほとんど距離が広がっていない。
それどころか、縮まっているような感覚を受けた。
ウソ?
火事場の馬鹿力ってヤツ?
私に対して出さなくてもいいんじゃないの?
そう思った時には、正面の首筋、ちょうど首輪の上辺りに、鋭い衝撃が走った後だった。
祐美の思考は止まっていたはずだったが、奇妙な事に、
「そんな……」
という声を、絞り出すように発していた。
目を見開いて(さっきの賢介に似ていた)、口を半開きにして、祐美の心臓は、止まった。
実に、ゲームが始まってから七分という短い時間で、祐美は初めての死者となったのであった。
【小林祐美、死亡 残り39人】
911
:
ほしを護るは名無しの使命
:2022/08/16(火) 08:27:57 ID:???0
男子1番 相沢操
部活動 バスケ部
交友関係 M‐07川上篤志 M-08菊川智 M-13浜本蒼一郎
F-14近宮暁香 F-16狭田芽衣
支給武器
現在状況 生存中
外見・身体能力 身長は167㎝と低めだが跳躍力がある。
運動神経はいい。まだ表情に幼さが残っている。
性格・特記事項 何事も中途半端でめんどくさがりや。
嫌いな言葉は努力と早起き。成績は中の下。
話術に長けていて、人を惹きつける話をするが、行き過ぎると説教臭いのが難点。
近宮暁香(女子14番)と付き合っている。
母と姉2人の母子家庭。
912
:
ほしを護るは名無しの使命
:2022/08/16(火) 08:28:48 ID:???0
男子2番 浅井謙二
部活動 新聞部
交友関係 M‐06加奈井泰弘 M-09椎名真澄
M-11仙藤康太 M-17森島徹
支給武器
現在状況 生存中
外見・身体能力 笑うと右の頬にえくぼが出来る。視力が悪く、眼鏡をかけている。
身長、運動神経共に標準的。
性格・特記事項 物静かで、読書家。
常に本を持ち歩き、新しい知識や言葉を得ようとする。
ジャーナリストになるのが夢で、常に物事を外側から見ようと心がけている。
頭がいい。
913
:
ほしを護るは名無しの使命
:2022/08/26(金) 14:55:01 ID:???0
小金井はらから
@kogaharahome2
成人済みオタク。
914
:
ほしを護るは名無しの使命
:2022/09/01(木) 11:08:04 ID:???0
樹
@ju_itsuki_ju
成人済オタク|ジャンルごちゃまぜ|落ち着くまでメインはルミナリア|詳細はプロフカード
profcard.info/u/DM7loeazBLQu…
915
:
ほしを護るは名無しの使命
:2022/09/02(金) 14:54:07 ID:???0
セリーナ・ジョセフィーヌ
@namekooooo111
成人済み 狼ゲーム垢 R18垢→
@rinkoukuri111
ツイプロ
https://twpf.jp/namekooooo111
誕生日: 1月11日
916
:
ほしを護るは名無しの使命
:2022/09/21(水) 01:14:22 ID:???0
秋葉貢
917
:
ほしを護るは名無しの使命
:2022/10/20(木) 11:04:08 ID:???0
『じゃ、まずは儚く散ったお友達の名前、時系列順に呼んでくからな。
両手にあふれそうな想い出たちを枯れないように抱き締めてな!
男子十一番・田中顕昌君…は知っての通りやな。
男子十八番・横山圭君。
男子八番・宍貝雄大君。
女子四番・如月梨杏さん。
男子十二番・内藤恒祐君。
男子二十番・林崎洋海君。
女子十六番・星崎かれんさん…以上7人。
ちなみに如月さん・内藤君・林崎君・星崎さんの8班は、リーダーの如月さんの
死亡によって残りのメンバーの首輪が爆発したから、皆は気ぃつけなー。
リーダーの皆も、自分の命大切にせなあかんで?
くれぐれも自分から命を絶つとか、そんな馬鹿げた真似はせんように。
リーダーの自殺でもメンバーの首輪は連動して爆発するからな』
918
:
ほしを護るは名無しの使命
:2022/11/09(水) 06:24:50 ID:???0
女子十一番 奈良橋智子(ならはし・ともこ)
身長 155cm
体重 47kg
誕生日 6月13日
血液型 A
部活動 無所属
友人 なし
愛称 智子・トモ・副委員長
出身小 月島東小学校(東京)
親の職業 会社員(父・母)
能力値
知力:★★★★★
体力:★★★☆☆
精神力:★★★☆☆
敏捷性:★☆☆☆☆
攻撃性:★☆☆☆☆
決断力:★★☆☆☆
通常入試で合格し、帝東学院中等部に入学した。
生真面目でとっつきにくいところがある。
非常に大人しく人付き合いが苦手なため、親しい友人をなかなか作れずにいる。
休み時間はいつも自分の席で読書か予習のどちらかをして過ごしている。
副委員長を務めるが、立候補ではなく星崎かれんや湯浅季莉に押し付けられた。
芥川雅哉の病気についてクラスで唯一知っており、常に気に掛けている。
雅哉に恋心を抱いているが、片想いに違いないと思っており、想いを告げるつもりはない。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
チーム: 第2班(リーダー)
支給武器: FNファイブセブン
kill: 芥川雅哉(男子二番)
killed: 榊原賢吾(男子七番)
死亡話数: 第七十話
凶器: 刀
E=02エリアにて潜伏していたが、何者かの襲撃を受ける。芥川雅哉(男子二番)と共に、日比野迅(男子十五番)・水田早稀(女子十七番)に逃がされる。<21話>
↓
雅哉と共にG=02エリアの民家に潜伏。体調が悪く寝ている雅哉の看病をする。<32話>
↓
迅と早稀を探すためにE=02エリアに戻ったが誰もおらず、早稀の好む菓子類が置いてありそうな商店へ向かうことにする。<48話>
↓
E=06エリアにて潜伏していたが、芳野利央(男子十九番)・阪本遼子(女子八番)・蓮井未久(女子十三番)に発見される。利央たちからクラスメイトの情報を貰い、別れた。<57話>
↓
E=05エリアにて、鷹城雪美(女子九番)率いる6班に見つかる。「下剋上ルールを確かめるために、リーダーでない方がリーダーを殺してほしい」という雪美の提案に対し、雅哉が自らがリーダーであると嘘をつく。自分を殺せという雅哉の言葉を何度も拒否したが、迅と早稀の命も掛かっているため、雅哉を射殺。同情した湯浅季莉(女子二十番)に逃げるように言われたが、榊原賢吾(男子七番)に背後から首を刺され死亡した。
みずかねの大好きな不良少年×優等生女子でした。
言っちゃえよもう!といろんな方に言われましたが(笑)、季莉に指摘されても最期まで雅哉の気持ちに気付くことはなく退場。
もしもプログラムがなかったとしても、智子が勇気を出して気持ちを伝えない限りは、雅哉と結ばれることはなかったのかなと個人的には思います。
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