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もしも、CCAアムロが種・種死の世界にいたら2
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〝レクイエム〟発射予定時刻が過ぎる。ちらと周囲を見渡し、眼下の〝ダイダロス〟基地にこれ以上何も動きが無いのを確認してラウはふうとため息をついた。
〈みんなは、どうなったの……!?〉
フレイの〝〝インテグラットウィンダム〟が〝ドミニオン〟の甲板に着地し、心配げに視線をちらちらと動かす。
どうして自分は、この女に心を掻き乱されているのだろう。
後ろから撃ってやろうかとも考えた、戯言で惑わせそのまま謀殺してしまおうかとも思っていた。だが、いざ戦闘が始まり、その危なっかしい様子を見せつけられた時、ラウは今までやろうとしていた一切を忘れ、何でこんな子に戦わせているんだ、と毒づいた。即ち、彼女の我侭に振り回されたのだ。
忘れていた、どこか懐かしい感覚。
昔は、私もそうだったのだろうかという拙い思考。あの時君がいたら、私の為に泣いてくれただろうかというわずかな願望に自己嫌悪し、己の憎悪が薄れつつある事にラウは戦慄していた。
この私が、『私自身』というあの男を殺し、誰も守れず、たった一人で『死ぬ為』に生かされていただけのこの私が、たった数刻の邂逅で心変わりなど――。
ふざけるんじゃあない!
心の中でそう怒鳴り、ラウは邪魔になってきたヘルメットを思い切り脱ぎ捨て、汗でじとりと湿った金髪をくしゃりと握る。
不快な気持ちが一層強くなる。
これは、何だ……?
既に勝敗は決した。〝レクイエム〟の各部位が誘爆を起こし、無残に崩れ落ちていく。
悪寒が、消えない。
それどころか……。
誰かが見ている。
否、『誰か』では無いのかもしれない。
もっと強大な、邪悪で、恐ろしい、『何か』。
一個の生命体と許容する事すらできない、多様な存在。集合体。
〈あ、あ……〉
フレイが何かを感じ取り、恐怖に慄く。
ステラ・ルーシェの乗る〝ガイア〟が制御を失い、〝ドミニオン〟のカタパルトに激突しそのまま動きを止める。
〈ステラ!〉
シンという少年が心配げな声をあげ、〝アカツキ〟が慌てて駆け寄る。
ぞわり、と悪寒が走り、純白のどす黒い何かが足元から這い上がる。
同時に、月の反対側――。地球の真正面に位置する〝プトレマイオス〟基地を占拠する三十隻を超える連合の大艦隊が圧倒的な光に呑まれ消滅した。
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