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もしも、CCAアムロが種・種死の世界にいたら2
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モビルスーツが爆発するたびにあがる煌びやかな閃光が無数の照明となってキラたちのモビルスーツを照らし、やがて待ち構えていた〝リジェネレイト〟と再び刃を交えることとなったのはキラ達にとっては不幸な事である。だが今度の〝リジェネレイト〟は以前とは違っていた。以前のような単機でなく、多数の〝ダガー〟部隊を率いていたのだ。その特異な動きから、彼らは連合の部隊なのではなく、ましてやブーステッドマンでもなく、間違いなくザフトのコーディネイターのそれであった。
何者かがこの戦闘を裏で操っている……? とはキラの感じたわずかな疑問であったが、それを今模索したところで意味が無い。今は、〝レクイエム〟を止め、兄の最愛の人を救わねばならない。
それでも〝リジェネレイト〟らの巧みな連携はキラたちの足を止めるのに十分な効果があった。こうしている間にも、いつ〝レクイエム〟が発射されるか……放たれたビームが艦隊をなぎ払うようなことがあったら……!
四本のビームサーベルを鍵詰めのようにして〝リジェネレイト〟が襲い掛かる!
〈先に行け、キラ! お前はカナードと〝レクイエム〟を!〉
〝ソードカラミティ〟が〝フリーダム〟をかばうようにして踊りでる。
「無茶だトール!」
〈俺を信じろ!〉
いつに無く厳しい口調でトールが言った。そのまま〝ソードカラミティ〟はがぎりと〝リジェネレイト〟のビームサーベルをいなし、二機のモビルスーツが衝突した。
〈俺はお前達を信じる。必ず〝レクイエム〟を止めてくれるって信じてる! だから、お前も俺を信じろ! キラ・ヤマト!〉
〈い、つ、ま、で、も、ゴタゴタとぉぉー!〉
〝リジェネレイト〟がビームサーベルを振りかぶると、同時に力強いビームの粒子がその両腕を貫いた。
〈ウォウ!? だが、予備パーツ!〉
即座に虚空からぐらりとゆがんだ景色が〝リジェネレイト〟のパーツとなる。同時に放たれた遥か遠方からのビームが再びそれを貫き、アッシュが情けない声をあげた。
〈どこだー! 変形する主役のロボットを攻撃するような野暮な真似をするやつはぁ!〉
その隙を、キラは見逃さなかった。MA‐M○一ラケルタ・ビームサーベルを構え一気に差し迫る! 〝リジェネレイト〟は慌てて右足側サーベルを盾にしたが、それごと切り裂き、キラは月面へと一気に針路を取る。
「カナード今だ!――トール、信じるよ!」
同時にキラは遠方から共に迫る二つに機影が左右に分かれたのを確認した。その一つが〝ソードカラミティ〟の元へ向かい、もう一つはキラたちの元へと向かい来る。その機影はキラを追いすがる〝ダガー〟隊めがけ嵐のようなビームを加えると、ややあって四つの火球を星屑の戦場に散らした。
〈カナード、キラ、無事か!〉
無線から聞こえる声のなんと頼もしいことか。
「大尉!」
〈アムロ・レイか!〉
キラとカナードが同時に言うと、そのままユニコーンの塗装を施した〝デュエル〟は〝フリーダム〟、〝ハイペリオン〟と併走するように近づいた。尚も追いすがる五機の〝ダガー〟目掛けキラは〝フリーダム〟の全砲門からの一斉射を加えると、〝ダガー〟は慌てて散開したが、同時に〝デュエル〟が全てを撃ち落し更に五つの炎が上がった。
――凄い。
昔のような漠然とした強さではない、こうして幾多の戦場を経験し戦い抜いてきたからこそわかるものがある。この人は、敵の動きの全てを読み取っているのではと思うほど正確な攻撃を容易く繰り出すんだ。
〈このまま一気に本丸をしとめる!〉
「大尉、トールが――!」
〈モーガンを送らせてあるし、トールは強い。彼らならやれる〉
「はい!」
キラ達はスラスターを全開にさせ、そのまま一気に〝ダイダロス〟基地を目指した。
遥か遠方では大西洋連邦の艦隊がユーラシア連邦の艦隊と激戦を繰り広げている。
どちらも、連合の艦……。
その光景は、正に皮肉であり、これはナチュラルとコーディネイターの種族間の争いではなく、もはや人と人が殺しあう『ただの戦争』なのだと思い知らされた。
キラは前を見据える。
それでも、守りたい女性《ヒト》が、そこにいるから。
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