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シンが核鉄を拾った・避難所
22
:
27/武装運命
◆ivYg6fbdiU
:2009/12/24(木) 23:52:59 ID:.fhkTlXE0
瞬間、爆発的に変生し始める核鉄。
数度瞬きする間に、核鉄はカガリに見合った形となって彼女に寄り添っていた。
黄金色に煌く、両肘までを覆う細身の小手。
右側は六角の装甲板が連なる堅牢、左側は装甲板を欠く代わりに漆黒の鞘を生やしている。
鍔元には何故かリボルバー銃の弾倉にも似た短い円筒。
白い柄を握り、ずらりと鞘の中身を抜き放つカガリ。
姿を現したのは、真紅の刀であった。
薄く幅が広い三尺ほどの刀身、切先は諸刃、見ているだけで魂が冷えるような冷たい鋭利さを感じる。
「シン・アスカくん。君にはここで脱落してもらうよ」
微笑みながらキラはそう言って指を蠢かせた。
一瞬遅れて、カガリがすっと刀を構える。
それはまるで、彼女をキラが操っているかのよう。
いや、事実そうであった。
キラの武装錬金<<ONEWAY-LADIO:一通無線>>は、小さな記憶媒体を生成し差し込むことで機械も生物も問わず大概の存在を操る事が出来るのだ。
嘗てミーアがヒルダの章印に種を植え付け操ったのと、イメージでは同じようなものである。
「さぁ、顔見知り相手に何処までやれるかな?」
キラの微笑みに狂気が差した。
「なんて、真似を…………!」
「どうせやるなら割り切った方が楽だって気付いてねぇ! 君の担任も、今頃は寮のお仲間と一緒に核鉄を浚ってるさ!」
「!!」
君の担任も。寮のお仲間。
それを耳にした事で、シンは唇を戦慄かせる。
朝のHRで寮生を対象にどうこうといって面談したのは、この為の布石。
ハイネが先程言っていた『トダカが来る』というのは、この為の実働。
護りたいと思った人が敵であった衝撃。
その人の、余りにも外道な所業。
まるで人形が如くこちらを見据える、一度も勝てなかった強い先輩。
「ア、」
様々な感情がごちゃ混ぜになり、荒れ、そして収斂した。
「アンタ、」
ただひとつの感情、嚇怒に。
「アンタって人はァ――――――――ッ!!」
第25話 了
一応後書き
本スレ規制中のためお借りしました。
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