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シンが核鉄を拾った・避難所

1427/武装運命 ◆ivYg6fbdiU:2009/12/24(木) 23:46:34 ID:.fhkTlXE0
 どうもこの男、先も言った通り謙遜が過ぎる。
 ユウナの楽しげな表情に、青年は心底怪訝そうな顔で首を傾げるのだった。



「突然だが、一時間目の授業時間を使って二者面談を行う」
 朝のHRが始まって開口一番トダカの発した言葉に、クラス中の生徒は目を丸くした。
 いきなりにも程がある。
「…………えっと、先生、なんでまた急に」
「俺もよくは分からんが、ウエから要請があってな。対象はここの学生寮に入っている者だ、それ以外は自習をしているように」
 自習、という言葉に勉強嫌いな面々が小さくガッツポーズを取った。
 反対に面談の対象者となった面々の大半はどんより濁った表情を作る。壮年男性の先生と顔を突き合せて2人きりはあまり嬉しいシチュエーションではないのだ。
 すぐ隣の空き教室で面談を行うらしく、名前順で一番最初のクラスメイト(男)が、肩を落としながらトダカと一緒に教室から出て行く。
「面談、ねぇ。この時期で何かあったっけ?」
「まだ受験まで1年は優にあるしなぁ」
「まだ1年、けれどもう1年。時間はどんどん減るのにやる事はどんどん増える」
「ひぎぃぃぃ反比例らめぇぇぇ」
 ヴィーノの静かな脅し文句にヨウランは呻きながら手を震わせた。
 最近成績がガタ落ちしているシンもひっそり震えている。
 基本的に、勉学にやり過ぎは無いのだ。
 震えるダメな方のバカルテット(バカ四人組の意)2人を他所に、良い方と普通な方のバカルテット2人は今回の面談について考え始めた。
「ウエからの要請と先生は言っていたな。それと対象者が学生寮入居者に限られる以上、話の種は大分限られそうだ」
「んー、居住マナーが悪いとか? でもそんな感じは無いよね」
「そこはむしろヴェステンフルス管理人が来てからの方が善転している筈だが」
「それじゃ一層理由が分かんないなぁ。別に変な事は無かったと思う、け、ど…………」
「ふむ」
 ふと、ヴィーノがシンに目線を向けた。
 腕組みしているレイもそれに続き、何となく空気を呼んだヨウランもそちらを向く。
 (゚д゚)(゚д゚)(゚д゚)
「…………こっちみんな」
「サーセンwww」
 薄笑いするヨウランに軽く蹴りをくれ、シンはぐでりと机にもたれた。
 変な事といえば、皆にしてみればシンとハイネが行っている謎の特訓であろう。
 しかし、周囲に迷惑を掛ける真似はしていないと胸を張って言える。言えるだけに、今回の面談の理由が分からなかった。
 何故だか考えている間に、面談はシンの番となったらしい。
 前の順番だった女子から呼ばれ、シンは椅子から立ち上がり教室を辞した。
 すぐ隣の空き部屋、失礼しますと声を飛ばしてから戸を開ける。
 人がいないだけで随分がらんとした印象になる教室の真ん中に、トダカは自分と生徒用の机椅子を用意し座っていた。
「来たか。掛けてくれ」
 返事一つ、シンは素直に椅子へ腰掛ける。
「さて、面談といってもまぁ大したことはしない。聞く事が二、三ほどあるだけだ」
「聞く事ですか?」
「あぁ。国内でここ最近行方不明者が多発しているというのは知っているな?」
 行方不明者の言葉に眉根が揺れた。
 間違いなくホムンクルスの仕業だと思うも、それを表には出せぬと必死に抑える。
「…………新聞とかニュースでも、やってますよね」


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