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シャワールームはピンク色
100
:
日本と総理大臣(第53回)
:2022/07/30(土) 14:47:18 ID:72i1z69Y0
投稿者:九十九桃美
「総理、口の利き方に気をつけなさいよ。」
また1人、ミアの合図で観覧客が殺された。
「国民の命を守るのが総理の仕事なんじゃないの?」
「私の仕事は日本の国を守る事だ。
そんな要求は呑めない。君たちが何者かは知らんが、
時間の無駄だ。早く私を殺せばいい。」
眉墨総理の立場はよく解る。
イエスでもノーでも結果は同じなんだから。
もしドクロイドがこの国を支配したら、
どのみち逆らう者は皆殺しになるだろう。
「総理を殺したって新しい総理が生まれるだけ。
あなたの命なんて何の価値もないのよ。
大事なのは今のあなたが持ってる権力と影響力。
総理が我々ドクロイドに屈服する姿を
全国民に生放送で見せる事に意義があるの。」
「君がドクロイドとやらのリーダーなのか?」
「わたしは首領さまの使いに過ぎない。
偉大なる首領さまがこんな所に来る必要はないわ。
眉墨総理などとは格が違うお方なのよ。」
「ただの使いの人間に国を譲り渡せる訳がない!」
「あら、そう。」
そしてまた1人、死者が増えた。
銀仮面=ドクロイド兵が数人で死体を運んで
田島さんの死体の上に積み上げる。
総理は目をつむって沈黙している。
「あなたが日本を譲ると宣言するまで、
10分置きに1人ずつ誰かを殺して行くわ。
このテレビ局には芸能人や著名人もいるから、
そのまま黙ってるなら彼らも死ぬ事になる。
テレビを観てる日本国民はどう思うかしらね?」
こんな事をしても、そう簡単に日本が
ドクロイドのものになるとは思えない。
101
:
日本と総理大臣(第53回)
:2022/07/30(土) 14:49:00 ID:72i1z69Y0
これはレーザーロボの時と同じで“宣伝”ね。
ミアみたいな美少女をリーダーにしたのも
宣伝効果やインパクトを考えての事に違いない。
ミアはきっとドクロイドに利用されてるんだ。
アタシが行くしかない!
「電者!」
テレビ画面から目を離して後ろを見ると、
さっきまでそこにいた筈の大電者がいない。
「あれ? 電者・・・・」
大電者はキッチンから何かを持って出て来た。
「桃美、戦いの前には糖分摂取だ。」
あ、“ピンク・ザ・ピーチ”ね♪
アタシは落ち着いてその缶ジュースを飲んだ。
そして大電者から小電者を取り出し、変身。
「ピンク・ザ・ピンチ!」
「OK! 桃美。」
ボクは一瞬でピンク・ザ・ピンチになり、
高速飛行が可能な万能マシーン“ピンチランナー”
の格納庫に直接通じる秘密の穴に飛び込んだ。
これが滑り台みたいでけっこう気持ちイイ。
ピンチランナーに乗り込み、出撃準備開始。
「ピンチランナー発進!」
ボクの指令で正面のゲートが開きトンネルが現われ、
ピンチランナーはレールの上を滑走し始める。
トンネル内の滑走路は裏山の森の中まで続く。
ピンチランナーの発進場所が九十九研究所
ではないように見せかけるための工夫なんだ。
もちろん車体にはレーダーに感知されないような
特殊な仕掛けもしてあるし、ボクの透明化能力で
車体ごと姿を消せば誰かに目撃される事もない。
ピンチランナーは大空に飛び出し、現場に向かう。
テレビ局までなら3分と掛からない。
ピピピピピピピ・・・・・・・・・・・
ピンチシグナルだ!
信号の発信地点はテレビ局。
「万我一刑事、もう現場に着いて大暴れ
してるようだな。ボクが行くまで死ぬなよ。」
102
:
戦闘員と証拠隠滅(第54回)
:2022/07/30(土) 22:56:02 ID:rZlZSuVg0
投稿者:九十九桃美
テレビ局の近くまで来たので透明になって低空飛行し、
周囲の状況をチェックする。
ドクロイド兵が数十人で局の周囲を見張っている。
警察はかなり離れた所で様子をうかがっているが、
すでに何人か死傷者も出ているようだ。
万我一刑事はどこにいるんだろう?
ボクは警察が陣取っている場所のすぐ近くに
ピンチランナーを着陸させた。
透明化を解いてボクが姿を現すと歓声が起こる。
「ピンク・ザ・ピンチが来てくれたぞ!」
「これでもう大丈夫だ!」
指揮官らしき太ったヒゲの男がボクに歩み寄って来る。
「ピンク・ザ・ピンチさん、私がここの責任者の
犬塚(いぬづか)です。」
ボクは軽く握手をした後、犬塚さんから状況を聞く。
万我一刑事はまた独断で動いているらしい。
信号はテレビ局の中をゆっくり移動しているから、
おそらく通風孔か何かを使っているのだろう。
犬塚さんと打ち合わせをし、ボクは再び透明化した。
ドクロイド兵の能力がよく分からないうちは
あまり無茶な事は出来ない。
局内には総理を始め、多くの人質がいるのだから。
ボクはドクロイド兵にバレないように局内に潜入。
眉墨総理大臣のいるスタジオへ向かう。
「GO!GO!わいど」に出演しておいて良かった。
テレビ局内は複雑なので初めてなら迷ったかも?
局内の通路やロビーにも死体がごろごろ転がっている。
みんなツメで突き刺された跡や十字の傷跡がある。
ボクは死体のキズの深さから十字光弾の威力を調べた。
十字光弾は頭がい骨をも貫通しているので、
警察の武装が耐え得るかどうかは微妙なカンジだ。
誰もいない場所に1人でいるドクロイド兵を発見。
アイツを倒して調べてみようか?
ボクは透明化を解いた。
「あっ!」
突然現われたボクに驚くドクロイド兵。
女の声?
そういえば体型も女性っぽい。
103
:
戦闘員と証拠隠滅(第54回)
:2022/07/30(土) 22:57:24 ID:rZlZSuVg0
素早い動きで襲い掛かって来るが、運動能力自体は
ピンピンじゃなくても勝てそうなレベル。
十字光弾を撃って来ても、サイキック・バリヤーで
簡単にはね返す事が出来る。
周囲の壁にいくつもの十字型の穴があいた。
警察の防弾チョッキや盾でも大丈夫かも知れない。
しかし、普通のキックやパンチがまったく効かない。
神経がないのか、アンドロイドなのか?
格闘中、偶然ドクロイド兵の額の黒十字に
ボクの衝撃波=サイキック・ウェーブがヒット!
するとドクロイド兵は急に力が抜けたように倒れた。
最大の武器を放つ場所は最大の弱点という事か?
いや、油断は出来ない。
調べようと近付くと、変なニオイがした。
ドクロイド兵が溶けている!
銀仮面の口から不気味な色の液体が流れ出ている。
マスクやスーツを残して中身は完全に消えた。
ドクロイドお得意の証拠隠滅か・・・。
戦闘員など使い捨ての道具に過ぎないんだ。
バックル内の電者が、外にいる警察に
ドクロイドの情報をどんどん送っている筈。
ドクロイド兵が数人走って来る足音が聞こえたので、
ボクは再び姿を消した。
104
:
超級刑事とスケット(第55回)
:2022/07/30(土) 23:10:29 ID:rZlZSuVg0
投稿者:九十九桃美
ドクロイド兵たちがどんどん集まって来た。
溶けたドクロイド兵が死ぬ前に仲間を呼んだのかも?
透明になってるボクには気付いてないので、
天井にくっついてやり過ごす。
あれ?
何か天井の裏からゴソゴソする音が聞こえる。
次の瞬間、通風口の格子が外れて、
真っ黒い何かがドクロイド兵たちの上に落っこちた。
ガッシャ〜〜〜〜ン!
・・・・・万我一刑事だ。
バトルスーツを着ているので重量が重過ぎたんだ。
「こりゃどうも失礼。」
万我一刑事は拳銃を2丁取り出して、
ドクロイド兵たちに乱射した。
バン!バン!バン!
もちろん効かないので、徐々に追い詰められて行く。
防弾性のバトルスーツも十字光弾の連続攻撃で
かなりヤバイ状態になって来た。
ボクはサイコキネシスで万我一刑事の銃口を
1人のドクロイド兵の額に向けさせた。
弾丸が額の黒十字に命中するとやはり倒れる。
「へえ〜、そこがお前らの弱点かぁ♪」
しかし、動きが素早いので射撃の名手である
万我一刑事でもそう簡単には額には当たらない。
ボクはサイコキネシスでドクロイド兵の動きを止め、
的を狙いやすくしたりしてバックアップ。
どんどんドクロイド兵は倒れて溶けて行くが、
次々と援軍がやって来てキリがない。
仕方ないので透明化を解いてボクのほうに
ドクロイド兵を引き付ける事にした。
「ピンク・ザ・ピンチ、登場!」
ちょっとふざけてポージングしてみたりする。
そして大乱戦。
だが、いつまでもバトルが終わらない。
ドクロイド兵は一体何人いるんだ?
万我一刑事もすでに弾がなくなったようだ。
105
:
超級刑事とスケット(第55回)
:2022/07/30(土) 23:11:24 ID:rZlZSuVg0
その時、通路の奥で白い何かが動いた。
白い仮面の女戦士、ナゾナンジャーか!!!
やはり彼女もドクロイドの仲間だったんだ・・・・。
1対1でも強敵なのに、この状態では勝ち目はない。
ナゾナンジャーがこちらに走って来た。
どうする?
どうする???
ズバッ!!!
ナゾナンジャーは光る剣でドクロイド兵の首を斬った。
・・・・・・・・・どういう事だ?
「ピンク・ザ・ピンチ、こいつらは私に任せて。」
「ナゾナンジャー、お前ドクロイドじゃないのか?」
「今日の私の気分は“助っ人”気分なのよ。」
信用していいのかどうか判らないが、助かった。
「そうか・・・・じゃあ、ここは任せるが、
もしボクを騙したらいつか必ずお前を殺すからな。」
「ええ。いつでもその挑戦、受けて立つわ。」
「・・・・・・・ありがとう、ナゾナンジャー。」
ボクは透明化して総理のいるスタジオへ向かった。
待ってろ、ブラック・ザ・キャット!
106
:
子猫ちゃんと遺言(第56回)
:2022/07/30(土) 23:15:01 ID:rZlZSuVg0
投稿者:九十九桃美
結果的にドクロイド兵たちを1箇所に
集中させる事が出来たようだ。
「GO!GO!わいど」のスタジオの前には
たった2人しか見張りがいない。
ボクは見張りを倒し、スタジオ内に入った。
眉墨総理はまだ無事だったが、
死体の山はまた数人増えている。
ボクはスタジオ内のドクロイド兵を
1人ずつ倒し始めた。
ブラック・ザ・キャットが異変に気付いたらしい。
「どうやらピンク・ザ・ピンチが来たようね。」
総理を立たせて首にツメを食い込ませるキャット。
総理は覚悟を決めているのか、意外と冷静だ。
ボクは次々にドクロイド兵を倒して行く。
「ピンク・ザ・ピンチ、すぐに姿を見せないと
眉墨総理を殺すわよ?」
「残念だな、ブラック・ザ・キャット。
ボクは警察でもボディーガードでもない。
総理大臣がどうなろうと知った事じゃない。」
「じゃあ、あなたはここへ何しに来たの?」
「頭のおかしな飼い主に騙されてる、
可哀相な子猫ちゃんを助けに来たのさ。」
「誰の事を言ってるのかしら?」
「・・・・・判ってる筈だ。」
ボクが最後のドクロイド兵を倒し終わると、
観覧客たちは一斉にスタジオから逃げ出した。
だが、カメラマンだけはプロ根性で逃げ出さない。
「さあ子猫ちゃん、クライマックスだ。」
ボクはキャットの正面に立って透明化を解く。
「・・・ピンク・ザ・ピンチ、本当にいいのね?」
キャットの鋭いツメが食い込んで、総理は顔を歪めた。
「多分、今の視聴率は99%だな。
眉墨総理を殺した瞬間にお前を殺す。」
「・・・・・残りの1%は何を観てるのかしら?」
「教育上良くないからママが消したんだろう。」
「面白い冗談ね。・・・あなたにわたしは殺せない。
107
:
子猫ちゃんと遺言(第56回)
:2022/07/30(土) 23:16:37 ID:rZlZSuVg0
わたしの体内には爆弾が埋め込まれてる。
わたしが死んだら爆発してテレビ局は吹っ飛ぶわ。」
「ドクロイドらしい汚いやり方だ。
レーザーロボの時も同じだった。」
「レーザーロボってドクロイドロボ1号の事?
あれはあなたが破壊したんでしょ?」
「バカな事を言わないでくれ。あのロボットは
ドクロイドの遠隔操作で自爆したんだ。」
「・・・・・・・そんな話は初耳だわ。」
「中に乗ってた男がこれは宣伝だと言ってた。
娘を人質に取られてるから仕方なくやったと。」
「人が乗ってた? ドクロイドロボは
自分で考えて動いてたんじゃないの?」
「そう聞かされてたのか? あれは搭乗型の
操縦ロボットだ。人工知能で動いてた訳じゃない。
どうやらドクロイドは身内も平気で騙すらしいな。」
「・・・・どんな男が乗ってたの?」
「録画した映像がある。」
バックル内の電者がすぐにレーザーロボの
映像を探し出して空中に拡大投影する。
「 あ っ ! 」
キャットは思わず声を上げ、総理から手を離した。
床に座り込んだ総理も目の前の映像に見入っている。
これは九十九博士にしか見せてなかったものなので、
総理大臣でも初めて見る映像の筈だ。
「・・・・・わたしの、お父さんだわ・・・。」
お父さん?
という事は、
ブラック・ザ・キャット=黒部ミアは
この映像の男が死ぬ直前に言っていた、
娘の「ウサミ・トモコ」だったのか!
キャットは父が爆死するまでの映像を見た。
映像が終わると、キャットも床にへたり込んだ。
泣いている。
親子でドクロイドに騙されていたんだ。
結果的に父親の遺言を娘に直接伝えた形になり、
ボクは彼との約束を果たした事となった。
108
:
逮捕と大空(第57回)
:2022/07/30(土) 23:19:21 ID:rZlZSuVg0
投稿者:九十九桃美
「総理大臣!」
スタジオに万我一刑事が入って来た。
バトルスーツはボロボロだが大ケガはしてないようだ。
「総理、ご無事で何よりです。
ドクロイドの戦闘員は我々が全滅させました。
“ナゾナンジャー”と名乗るスーパーヒロインにも
かなり助けてもらいましたが。」
ナゾナンジャー、
悪い奴じゃなかったみたいだな・・・・・。
「ご苦労だった、万我一刑事。」
「えっ? 総理がなぜ私の名前を?」
「この番組に出てたじゃないか。あの放送を観て
私もこの番組に出たくなったんだ。」
「そうだったんですか・・・光栄です。」
万我一刑事は眉墨総理と握手した。
「ピンピンも事件解決に協力してくれてありがとな。
良かったら今度、俺とデートでもどうだい?」
「彼女がいる男性の誘いは受けない。それに、
まだ事件は解決してないだろう? 万我一刑事。」
「ああ、そうだな。」
泣き崩れているキャットのほうを見る万我一刑事。
「黒部ミア、キミが誘拐した人たちは
今どこにいるのか教えてもらえないか?」
キャットは顔を上げてボクと万我一刑事を見た。
「・・・・・その全滅した戦闘員がそうよ。」
「何だって!?」
誘拐された人たちがドクロイド兵だった?
じゃあ、VTOスクールの生徒も・・・・。
「全員ドクロイドによって改造手術されていたのよ。」
「・・・・誘拐は戦闘員の確保が目的だった訳か。
詳しい事は警察のほうで訊く事にしよう。
黒部ミア、誘拐などの容疑で逮捕する。」
万我一刑事は手錠を取り出し、キャットに掛けた。
すると眉墨総理がスーツの上着を脱いで、
ボンテージ姿のキャットに羽織らせた。
キャットは意外そうな目で総理を見る。
109
:
逮捕と大空(第57回)
:2022/07/30(土) 23:22:56 ID:rZlZSuVg0
「君はドクロイドに騙されていたんだろう?
罪を憎んで人を憎まず。いい言葉だね。」
「総理・・・・・。」
キャットの目から大粒の涙がこぼれ落ちた。
さすが日本の総理大臣だけあって器が大きい人だ。
ドクロイドの首領とは格が違う。
ボクらがテレビ局の建物から出ると、
避難した人やマスコミや警察などでごった返していた。
眉墨総理大臣の無事な姿を見て拍手が沸き起こる。
手を振って笑顔で応える総理。
ん?
空から何かが舞い降りて来る。
ブルー・ザ・ナイトだ!
その異様な姿に驚く者はほとんどいない。
彼が悪人でない事はみんなが知ってるから。
ボクの傍に着地したナイトはその翼を畳んだ。
「急いで飛んで来たんですが、
どうやらもう終わってしまったようですね。」
「ブルー・ザ・ナイト、来てくれただけで嬉しい。」
ボクはナイトに抱きついてキスしたい気持ちを抑え、
平静を装って彼と握手した。
ボクとナイトが恋人同士なのを世間に知られたくない。
「あ!」
キャットが突然声を上げた。
「体内の爆弾のスイッチが入ったわ!
20秒後に爆発する!! みんな、逃げて!!!」
レーザーロボの時と同じで遠隔操作か?
しかし、たった20秒ではこれだけの人間を
安全な場所に避難させるのは無理だ。
サイキック・バリヤーで総理や万我一刑事だけなら
守れるかも知れないが・・・・・
ブルー・ザ・ナイトを見てピンと来た!
空だ!!!
ボクはキャットの脇を抱えて上空へ飛んだ。
サイキック・パワー全開!
「・・・・・あと10秒よ。」
爆弾の威力が判らないので、
とにかく最速で上昇するしかない。
「わたし、もうすぐお父さんの所に行くのね。」
「・・・助けてやれなくて済まない。」
「どうせ死刑になるんだから同じ事よ。
ありがとうセンパイ・・・・・・・離れて!!」
ボクはキャットを離した。
・・・・・・・・センパイ?
ミアは「桃美」の事をそう呼んでいた。
グオオオオオ
オオオオオオ
ン!!!!!
レーザーロボの爆発より強力だ。
もし地上で爆発していたら、おそらく
テレビ局から半径500メートル以内の建物は
跡形もなく吹っ飛んでいただろう。
サイキック・バリヤーを張る余力もギリギリだった。
さよなら、ブラック・ザ・キャット。
さよなら、黒部ミア。
さよなら、ウサミ・トモコ。
さよなら・・・・・・・・・・後輩。
110
:
優しさとお節介(最終回)
:2022/07/30(土) 23:27:59 ID:rZlZSuVg0
投稿者:九十九桃美
愛機ピンチランナーで九十九研究所に帰還。
もうクタクタ・・・・。
「ツクモ・モモミ。」
ピンク・ザ・ピンチから桃美に戻る変身解除コールだ。
「お疲れ、桃美。よく頑張ったな。」
電者がアタシをいたわってくれる。
美女アンドロイドのGOLDYとSILVAに
また疲労軽減クリーム塗ってもらお
そして数日後。
アタシはクミと2人で山奥の温泉旅館に来たの♪
部屋の庭に専用の露天風呂があって、
アタシとクミは誰にも気を遣う事なく
昼間っからのんび〜りと湯に浸かってるトコ。
「気持ちイイね〜、モミー。」
「うん♪ でもアタシと一緒で良かったの?クミ。
彼氏と一緒に来たほうが良かったんじゃない?」
「・・・・実は、彼とはもう別れちゃったの。」
「え? 上手く行ってたんじゃなかったの?」
「あたし、二股掛けられてたみたいなのね。」
二股・・・・・ありがちだけどキツイよね。
でもクミの元彼の悪口言っても仕方ないし・・・。
クミって優しいからあんまり他人の事を疑わないの。
「・・・ミアちゃん、アクション女優になりたいって
言ってたね。あれは本当だったのかなあ?」
「ミアの話がどこまで本当だったかは
今となっては判らないよね・・・・。」
ある意味、日本一有名な女優になったのかも?
総理大臣やピンク・ザ・ピンチと共演したんだから。
「何かみんなあたしの前から消えて行っちゃうなあ。
リカもミアちゃんも彼も・・・・。」
「アタシは絶対消えないから安心して、クミ。」
「あ、うん。モミーの事は信じてるよ。」
「そう言えば、彩葉ちゃんも突然消えちゃったけど、
今頃どうしてるんだろうね?」
「・・・・モミー、彩葉の事なんだけど、
実はそんなコは最初からいないの。」
111
:
優しさとお節介(最終回)
:2022/07/30(土) 23:32:15 ID:rZlZSuVg0
・・・・・・・・・・・・・いない?
「だってクミ、あんなに楽しそうにしてたのに。」
「・・・ごめん。あたしの独り芝居だったの。
日記サイトにコメントくれる人が少ないから、
ちょっと寂しくて自作自演しちゃったんだ。
でも虚しいからもうやめようと思ってたら
モミーが彩葉に話し掛けて来て、返事したら
だんだんややこしくなって来て突然消えたの。」
「・・・・・・・そうだったんだ・・・。」
「ずっとウソついててごめんね、モミー。」
「ううん、クミは悪気があった訳じゃないんだから
気にしなくてもいいよ。アタシだってクミに
隠してる事あるし・・・・・・・。」
アタシがピンク・ザ・ピンチだとは告白してない。
でもクミはもう気付いてるかも知れないな・・・。
この際だから、教えちゃおうか?
「クミ、実はね・・・・・」
「モミー、言わないで。あたし、モミーにどんな
秘密があったとしても全然構わないから。きっと
あたしの事を思ってそうしてくれてるんだよね?」
「・・・・・・ありがとう、クミ。」
こんないい友達がいて、アタシって幸せ者だネ♪
八代先生にオジサマが再びファイトを申し込んだ。
VTOスクールで深夜に行なわれたこの対決。
お互いにベストコンディションでの戦いだ☆
ジャッジはまたアタシ。
オジサマが勝ったら八代先生とデート
先生が勝った場合の条件は何と、オジサマが今
付き合ってる女性たち全員と別れるという事。
かなり厳しい条件だけど、オジサマは承諾した。
でも結果はオジサマの勝利。
アタシには先生がわざと負けたように見えたけどネ。
デート当日、ボクはピンク・ザ・ピンチになり
透明化して2人の様子をずっとうかがっていた。
悪趣味かも知れないが、気になるものは気になる。
八代先生がスカートを穿いてる姿を初めて見た。
だが、相変わらず万我一刑事の前では笑顔を見せない。
2人は車で海へ向かった。
ボクもピンチランナーで空から追跡する。
電者がいろいろボクに説教してるが関係ない。
海辺の公園で車を降りた2人。
ほとんど人はいないので、なかなかいい感じだ。
2人は海が見渡せるベンチに座った。
1時間経過。
そして2時間経過。
太陽の位置もかなり低くなって来た。
会話も全く盛り上がってない。
万我一刑事が明るく話し掛けても
八代先生があまり喋らないからだ。
ボクはだんだんイライラして来て、
ある作戦を思い付いた。
さっきからボクの周りを飛んでるハチがいる。
ボクはハチをサイコキネシスで
2人のほうへ向かわせた。
ハチに驚いて立ち上がる2人。
ボクはさらに、2人が重なって倒れるように
上手く2人の足を滑らせた。
ハチは遠くへ逃がす。
夕方の公園で芝生の上に重なっている男女。
万我一刑事が下で八代先生が上。
慌てて起き上がろうとする八代先生を
万我一刑事が両腕で引き止めた。
「しばらくこうしていたいな、先生。」
「・・・・しばらくって、どれくらい?」
「そうだな、キスするまでっていうのはどうだい?」
「私とキスしたいんですか?」
「したいからデートに誘ったんだ。まだ早いか。」
「・・・・・・そうでもないわ。」
八代先生は自分から万我一刑事に唇を重ねた。
さて、ボクはそろそろ帰るとしようか。
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