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道化師

7会話(戦闘後の日常):2019/10/28(月) 22:21:10

 とある工場跡地。

 ―――花鳥は深淵に堕ち、風が雲を散らした満月の夜の事である。
工場跡地の廃墟の〝屋根の上〟にて、人影の伸ばし興味なさ気に片目を閉じ見下ろす着物の女。それに見上げる気性の荒い男達。数はざっと数十人程度であろう。

 「……塵芥(あくた)の掃除なんて数だけは蔓延した醜悪な人間におあつらい向きの職務だろう。ーーー然し、良い。」
 「蛮勇で傲慢な者達は、嫌いでは無いから、な!」


 突如として燦然たる妖刀の刃が、一人の男の心臓を穿つ。紅き血飛沫が暁の如く、照らせば悲鳴を囀る事も無く重力に従い仰向けで倒れるだろう。暫しの長きの沈黙を得て漸く、仲間達が取った選択は「逃走」であった。

 不満足に瞼を綴じ、右手を上に掲げる。すると怪奇現象の如く先程、男の心臓を穿った刀が意志を持ってるかの如く当たり前の様に持ち主の手元に戻る。

 「ーーーは、はは! 逃げるか。
 オレから逃げられると算段してるなら、不愉快だな。」

 淡い鉄分の匂いが一帯に充満し退屈そうに満月の夜を愛でる。ーーー所詮、暇潰しでしかないのだから。


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