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イベント

1名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/07/18(木) 19:30:12

 ■深夜 裏路地。―――曇りまたは局地的に雷雨。


 『……あい、そこの御仁。』


 黒服に身を包んだ大男と陰気な小柄な少女が、視線を泳がせ“標的”を目で追えば、聞いていた特徴に全てに 一致した事により、それは確信へ至る。
 そして、先陣を切る様に大男が志垣の歩みを塞ぐ様に仁王立ちにて槍の矛先を向ける。その刃は呆れるほどに澄んでおり、───だと言うのに鏡の様に映る大男の顔は酷く無表情である。


 『……御初に御目に掛る。
 某、解放師団第四旅団長の御下命により貴殿を招致の任を預かった轟森蟲(トドロキ_シンチュウ)と申す。』
 『いきなり 不躾で悪いが貴殿が例の〝似非関西〟殿で間違いは無いだろうか。
 で、在るならば我々に付いてきては貰えぬだろうか?―――何、抵抗しても構わんが。 ……某、無闇な殺傷は寝覚めが悪い故に。』


 微かに森蟲の、手が揺れる。――それと刻同じくして陰気な少女が狂った様に嗤い出す。然し、それを森蟲が咎める事もせずに。ただ淡々に淡々とした表情で志垣に全てを委ねる。

2名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/07/18(木) 19:31:10

 それは、 束の間であった。
幼い体躯が弧を描き激しい衝突音が、 轟きコンクリート片が毀れ落ちる。それと同時に鈍い音共に、幼い体躯が白目を剥きながら地に伏せる。

 『麻原殿…!
 ……成程、噂に違わぬその実力お見逸れ致した。―――だが、度し難い。 』
 『故に、貴殿の敗因で在ると。』


 『さざめけ…〝森蟲〟 』


 両腕が。体躯が。面貌が―――〝黒〟に覆われていく。それは肥大化していき軈ては、地に侵食していく。最初の標的になったのは、動く事の無い陰気な少女を包み込み。更に、被害は侵食し拡大し続けている。

 そして、遂にその“黒き魔の侵食”は志垣迄も標的に見据えて、進撃し始め―――る矢先に、雰囲気に似合わぬ電子音が鳴り響けば、その侵食は潮が引く様に去っていく。

 『…………故に了承した―――あい、似非関西弁殿。
 第四師団長殿 からの託(ことず)を預かり申した。』
 『これより四半刻後、上矢埠頭の停泊している豪華客船に貴殿を招待致すそうだ。―――尚、遅れる度に一人づつ殺めるそうだ。………故に度し難い。』


 素早く要件を言えば、旧世代の端末機の画面を志垣に見せる。そこに映し出されるのは老若男女問わず、恐怖に染った三十人程の集まり。そしてその景観を損なう刀身を向けた紺色の髪をした青年〝鏑木宗介〟の姿が。
 その表情は画面越しには伺う事も出来ない程に無表情で、それでいて何か覚悟をキメた表情である。―――それと端に写る血痕の跡。

 森蟲は、 興味無さ気に端末機を懐に仕舞いながら、右手を降ろす。一寸の間も無く志垣の目の前を遮るブラインドの如く漆黒の〝黒〟が幕が降ろす


 『某、任を果たした故に御役はこれにて御免。……では、機会が在ればまた。』

 その声は、喧しい“羽音”で途切れ、気付けば“黒”は消え失せて二人の姿は跡形もなく消えた。

3名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/07/18(木) 19:57:44

 ■深夜 豪華客船「希望」内部2F。 天気:豪雨。

 相も変わらず、偽りの天気予報に踊らされ雨が船内の窓を叩く。
その音を聞きながら、“暗闇”の船内をただ無意識に眺め『〝最後の賓客〟』を待ち望んだ。
 出航の気配の無い船内にて、理不尽な睡魔が襲い頭(こうべ)がついつい下がる。

久しく────夢を、見た。


───“それ”は昔の話だ。〝清村渡季也〟という存在に出会った日の夢だ。

 己とは正反対な性格である 彼の口から語る理想は『御伽噺』の様で純粋で滑稽だった。ホントは、“刺激”が欲しかっただけなのかも知れない。―――ただ、それでも良かった。
 気付けば、俺は渡季也に惚れ。その“陽だまり”に手を掴んだ。 ───最初は〝正しい〟だけの“理想”が眩しくて羨ましかった。俺も渡季也の傍に入れば、何か『変われる』気がした。


 切っ掛けは些細な“ズレ”だった。
正確には己が「理想」とする〝清村渡季也〟が神聖視して傾倒し啓蒙し過ぎて「現実」の〝団長〟が掛け離れていく。―――今は、〝間違い〟だけの〝現実〟が鈍く嫉ましかった……。

───泡沫の泡が、弾けた。


 「―――夢、か……。」

 眠気眼(まなこ)で、外の景色を眺める。
豪華客船と謳われた船内には入るには、案外簡単なもので波止場に掛けられた。木の板で直接的に1Fから2Fへ潜入可能である。

 また”力“を使って、甲板からそのまま2Fに行く事も可能である。

4名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/07/18(木) 20:45:54

 ■深夜 豪華客船「希望」内部2F。 天気:豪雨。

 相も変わらず、偽りの天気予報に踊らされ雨が船内の窓を叩く。
その音を聞きながら、“暗闇”の船内をただ無意識に眺め『〝最後の賓客〟』を待ち望んだ。
 出航の気配の無い船内にて、理不尽な睡魔が襲い頭(こうべ)がついつい下がる。

久しく────夢を、見た。


───“それ”は昔の話だ。〝清村渡季也〟という存在に出会った日の夢だ。

 己とは正反対な性格である 彼の口から語る理想は『御伽噺』の様で純粋で滑稽だった。ホントは、“刺激”が欲しかっただけなのかも知れない。―――ただ、それでも良かった。
 気付けば、俺は渡季也に惚れ。その“陽だまり”に手を掴んだ。 ───最初は〝正しい〟だけの“理想”が眩しくて羨ましかった。俺も渡季也の傍に入れば、何か『変われる』気がした。


 切っ掛けは些細な“ズレ”だった。
正確には己が「理想」とする〝清村渡季也〟が神聖視して傾倒し啓蒙し過ぎて「現実」の〝団長〟が掛け離れていく。―――今は、〝間違い〟だけの〝現実〟が鈍く嫉ましかった……。

───泡沫の泡が、弾けた。


 「―――夢、か……。」

 眠気眼(まなこ)で、外の景色を眺める。
豪華客船と謳われた船内には入るには、案外簡単なもので波止場に掛けられた。木の板で直接的に1Fから2Fへ潜入可能である。

 また何かの手段を用いて、甲板からそのまま2Fに行く事も可能である。

5名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/07/18(木) 20:55:58

 ■深夜 豪華客船「希望」内部2F。 天気:豪雨。

 相も変わらず、偽りの天気予報に踊らされ雨が船内の窓を叩く。
その音を聞きながら、“暗闇”の船内をただ無意識に眺め『〝最後の賓客〟』を待ち望んだ。
 出航の気配の無い船内にて、理不尽な睡魔が襲い頭(こうべ)がついつい下がる。

久しく────夢を、見た。


───“それ”は昔の話だ。〝清村渡季也〟という存在に出会った日の夢だ。

 己とは正反対な性格である 彼の口から語る理想は『御伽噺』の様で純粋で滑稽だった。ホントは、“刺激”が欲しかっただけなのかも知れない。―――ただ、それでも良かった。
 気付けば、俺は渡季也に惚れ。その“陽だまり”に手を掴んだ。 ───最初は〝正しい〟だけの“理想”が眩しくて羨ましかった。俺も渡季也の傍に入れば、何か『変われる』気がした。


 切っ掛けは些細な“ズレ”だった。
正確には己が「理想」とする〝清村渡季也〟が神聖視して傾倒し啓蒙し過ぎて「現実」の〝団長〟が掛け離れていく。―――今は、〝間違い〟だけの〝現実〟が鈍く嫉ましかった……。

───泡沫の泡が、弾けた。


 「―――夢、か……。」

 眠気眼(まなこ)で、外の景色を眺める。
豪華客船と謳われた船内には入るには、案外簡単なもので波止場に掛けられた。木の板で直接的に1Fから2Fへ潜入可能である。

 また何らかの手段を用いて、波止場から船内の甲板に行きそのまま2Fに行く事も可能である。

6名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/07/18(木) 21:36:10

 ―――カツン。
      ―――カツン。

 「一度目は偶然で在るならば、二度目は必然で在った。
 ……然し、三度目が運命で在れば―――が。四度目は“無い”。……何故なら、俺の運命の赤い糸は既に別の奴に結ばれてンからな。」


 革靴の音と共に澄んだ声が暗闇の船内に響き渡る。
その声は、何処か気怠げでありながらも、その足は軽々とした足取りである。───そして、その足は意図的に止まる。
 不意に、“光”が船内全体に伝播していけば、その足音の主の正体が表す。


 「……よォ、待ち侘びたぜ。」

 豪華客船に似合いそうな高級な上下シックな黒いスーツを身に包み、二階へ続く階段の頂上にて志垣を見下ろす青年。―――そしてその後ろで、恐怖に顔に歪ませた人質達の集まり。
 二階の様子は正しくパーティー会場と呼べる代物であり、バイキング形式の料理や高級なワイン。更には真っ赤な絨毯に絢爛なシャンデリア。―――かなりの広い面積で行われており、正に“豪華客船”と呼べるだろう。


 「解放師団は現状お前を軽視しているが、俺はそうは思わねェ。 ……何度も何度もぶっ殺しても解放師団の行先を邪魔する行動は後の渡季也の理想を妨げる事にも繋がる……。―――だから此処で芽を“摘む”。」
 「感謝しろよ? ……こんな豪華客船に乗る機会が二度と無いだろうしな。―――ま、折角の“最期”の舞台なんだ。精々、華麗に“踊って”みせろよ?」

 不意に背後の泣き喚く人質の少女の髪を引き摺る様に掴めば、下の階に目掛けて躊躇無く振り落とす。―――その間に鏑木が軽やかに指鳴らせば刹那。突如として少女の肢体が所々と光輝き、血飛沫が飛び散る。

       
 「―――人屑、束ねしの光砲(ダスト・ブレイカー)……。」


 少女の体を媒体に、光のエネルギーが濃縮し“小さな光球”に形を変え―――反撥し、弾ける。
 強烈な眩い光で辺りを包み込み、数秒後、熱量を持った貫通性のある光線が東西南北と無差別に放たれれば。更に周囲に被害を与える。

 もしも、落ち行く少女を光線を“生み出す前”に助けに行こうと目論もうとするならば、その行動に鏑木は嘲笑うだろ。―――何故なら、少女はもう息絶えているのだから。

7名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/07/21(日) 08:37:16

 「……

 余裕綽々と長刀を“ふわり”と上空に放れば、素早く両手を前に突き出し、前方を切り拓く様に両手を横に広げれば―――鏑木の前方に、白銀の文字列が浮かび上がる。
 軈てそれは、鏑木を全身を包み込む膜の様に覆われて『防壁』の様に攻撃を弾き防ぐ。

 然し、そんな出来事にも一切動じず。
ふと横目に目を配らせ、人質の一人である有名なアイドルを発見すれば、躊躇無く肌に触れれば、彼女さ恐怖の顔で引き攣り喋る事も無ければ肩を震わせる姿に、鏑木は無表情で喉笛を小刀で横に引く。
 呆気なく崩れアイドルに見向きもせず、 滴る血溜まりに、これまた興味を示さず。志垣に顔を再度向け告げる。


 「これが〝解放師団〟の本来の在り方だ。―――不必要な無能を間引く『選別』って訳よ。」
 「この女は〝舟〟に乗る必要な、『招待状』を持ってなかった。ただそれだけの話だ。」


 唐突に船内に僅かな揺れが生じた後に、不安定な感覚に襲われるだろう。更には人質も一斉に悲鳴を上げる。 船内の窓の景色が“青”一色と化したのが分かるだろうか? ―――船が〝動き〟出航したのだ。
 豪雨の中で揺れ動く船内にて、一歩、また一歩。優雅にワイン片手に旅行を楽しむ子供の様に片手を広げ、思わず鏑木は三日月型に口角を拡げれる。

 「……あー、言い忘れたな。 乗船部屋に“大量の火薬”が積まれていてよ。……勿論。俺が指鳴らせばこの船丸々〝どかーん〟って訳。」
 「んで、この船の行先はまだ“決まって無い”。 ―――つまり、何処でもいい話よ。
 再び東京、上矢旧校舎。はたまた電子力発電所でも。………なーんて嘘、嘘。 俺の言葉は殆どが嘘さ。」


 「―――だが、勘違いするなよ?
 何れ我々、解放師団は『選別』を終えれば俺の嘘も真(まこと)に為る。」
 「ハッ! 止めれるか俺を…… 解放師団を!
 ……ま、旅団長の中でも“弱い”部類の俺程度を、止められやしないならなら犬死にがオチだろうがな。―――覚悟、魅せてみろよ。」

 その『意味』を示す様に、指を鳴らせば赤い高級な絨毯が燃え広がり炎上網を敷く。火の勢いは留まる事もせず、燃え広がり人質を囲む様にして拡がるも、鏑木は涼しい顔で志垣を見据えれば刀の矛先を向ける。

 「―――そうそう、もう一つ言い忘れた。……実は俺は、戦闘には入念に仕込みをする主義なんでね。
 そして、圏内(テリトリー)に誘い込んだのなら俺の異能は真価を発揮する。……俺の範囲は全範囲(オールレンジ)だ。」

 床を強く踏み込めば、志垣の足元に一瞬強き閃光が迸れば、―――間合いを詰める様に刀を薙ぎ払うだほう

8名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/07/21(日) 14:35:13

 鏑木の肢体に目掛け 止まない攻撃の群れ達。軈て黒煙が舞い、辺りに硝煙の匂いが包まれる。
 静寂に包まれた黒煙の中で薄く人影が浮かびその中で狂気の嗤い声が響く。 それは徐々に遠くからも見える程に、くっきりと人型に視認されていく。


 「……何、今の本気? ……俺様を余りガッカリさせてくれるなよ。 泣きたくなるぜ、ホント。
  ───何が〝後に続くヤツが笑えるだろう〟だ。そのザマじゃ誰も笑えやしねェだろがよ……! 」

 黒煙が晴れ、破れ裂け摧破した 服を鬱陶しく破り捨てれば―――〝掠り傷一無い〟鍛え上げられた上半身の肉体が顕となった鏑木が濁った瞳で“超人達”を見据える。
 然し、怒濤の攻撃にも関わらず“傷一つ”無い身体に対する妙な 違和感は直ぐに証明される。

 ―――〝成長のルーン〟
 

  よく、目を凝らせば身体の節々に文字が刻まれていて、緑色に蛍光し始める。―――細胞を無理やり成長させ、『活性化』させたのである。すると体内の細胞達は異常な速度で“増殖”と“死滅”を繰り返し常軌を超えた“新陳代謝促進”させ怪我すら一瞬で完治する程の『自己治癒力』を得たのである。
 だが、無理矢理に成長させた代償は余りにも大き過ぎるモノであると。
 悟られぬ様に。気取られぬ様に。口元を拭えば、掌に残る“血痕”を握る。

 「俺様のとっておきだ、堪能しな。
 ――― grand nova,!」

 重々しい指が鳴る音がこの場に伝播すれば、二階全体に赤く稲光し激しい轟音と共に船が揺れる。―――瞬間、『火の海』と化した辺り一面が“焔の火柱”に囲まれている。
 火柱が宛ら畝り曲り、〝人質達を喰らい〟その勢いは部屋一面で抑えきれない程に膨張していき、窓ガラスの破片が飛び散る。

 「鬼?外道? ……人すら救えない奴が大口叩くんじゃねーよ。
 お前は〝無価値〟だ。……故に裁かれる。」

9名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/07/21(日) 19:01:17

 「本当は分かってンだよ。
 ……俺達がやってる事は誰にも望まれて無い事だって。―――本当は解放師団は弱いだ。……傷の舐め合いしないと立てない程度には……。」
 「……解放師団は、頭(トップ)含めて録でも無い奴等ばっ、…かだ。………―――けど、その“居場所”に依存しなきゃ、駄目な……奴も居る。………全員が、……わる、い、……やつ、じゃ、、ねーんだ。」


 「―――だから、……こそ、解放師団を、、渡季也を〝止めて欲しい〟 ……アイツは子供の様に正し過ぎただ……。」


 焼き爛れる喉を必死に紡ぎながら、声を掠り出せば出て来るのは、命乞いで無ければ虚勢でも無い。紡ぐのは彼の所属していた解放師団に今後についてである。
 浅い呼吸が激しくなり、遂には力抜けて膝から崩れ落ちれば、力無く指を痙攣させながらも志垣を方を見据える。

「俺は、……馬鹿、だから……分かっても止められなか…った。―――渡季也を見捨てたら何時か一人になっちまうだろ。……傍に居てやらないと、、なーんて、、う…、……う、そ。 」


 煙草を吸おうと思いスボンのポケットを探れば、戦闘で落としたのか。無い事に気付けば自嘲気味に笑い出す。―――天を仰げば、その言葉は本心だか定かでは無い。然し、鏑木は満足気に“眠る”様に瞳を閉じる。
 〝バタン〟───ゆっくりと上半身が地面に密接すれば、ざれ言の様に呟く。

 「………行けよ。甲板の奥に緊命ボートが1隻ある。―――……あぁ、…さいごに、、なま、え、きかせろよ……。」

10名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/07/23(火) 18:31:59
>>9
あまえみたいにぜんいんただしくない

11名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/30(金) 06:31:23
幾人の嬰児を屠り、我が手は赤に染めた。

12名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/08/30(金) 06:32:08
そなたは傾奇者か粗忽者


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