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きな

49名前なんか必要ねぇんだよ!:2019/07/18(木) 21:30:52

 ―――カツン。
      ―――カツン。

 「一度目は偶然で在るならば、二度目は必然で在った。
 ……然し、三度目が運命で在れば―――が。四度目は“無い”。……何故なら、俺の運命の赤い糸は既に別の奴に結ばれてンからな。」


 革靴の音と共に澄んだ声が暗闇の船内に響き渡る。
その声は、何処か気怠げでありながらも、その足は軽々とした足取りである。───そして、その足は意図的に止まる。
 不意に、“光”が船内全体に伝播していけば、その足音の主の正体が表す。


 「……よォ、待ち侘びたぜ。」

 豪華客船に似合いそうな高級な上下シックな黒いスーツを身に包み、二階へ続く階段の頂上にて志垣を見下ろす青年。―――そしてその後ろで、恐怖に顔に歪ませた人質達の集まり。
 二階の様子は正しくパーティー会場と呼べる代物であり、バイキング形式の料理や高級なワイン。更には真っ赤な絨毯に絢爛なシャンデリア。―――かなりの広い面積で行われており、正に“豪華客船”と呼べるだろう。


 「解放師団は現状お前を軽視しているが、俺はそうは思わねェ。 ……何度も何度もぶっ殺しても解放師団を邪魔しやがる行為は後の渡季也の理想を妨げる事にも繋がる……。―――だから此処で“摘む”。」
 「感謝しろよ? ……こんな豪華客船に乗る機会が二度と無いだろうしな。―――ま、折角の“最期”の舞台なんだ。精々、華麗に“踊って”みせろよ?」

 背後の泣き喚く人質の少女の髪を引き摺る様に掴めば、下の階に目掛けて躊躇無く振り落とす。―――その間に鏑木が軽やかに指鳴らせば刹那。突如として少女の肢体が所々と光輝き、血飛沫が飛び散る。

       
 「―――人屑、束ねしの光砲(ダスト・ブレイカー)……。」


 少女の体を媒体に、光のエネルギーが濃縮し“小さな光球”に形を変え―――反撥し、弾ける。
 強烈な眩い光で辺りを包み込み、数秒後、熱量を持った貫通性のある光線が東西南北と無差別に放たれれば。更に周囲に被害を与える。

 もしも、落ち行く少年を助けに行こうと目論んだ者が存在するならば、その行動はまさに鏑木が言う「正義の味方気取り」と嘲笑うだろ。―――何故なら、もう息絶えているのだから。


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