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アニメーター生活向上委員会

313。・゜*ヽ(´ー`)/。・゜*:2010/07/06(火) 17:59:49 ID:R/tCYB7E
――アニメーターの作業内容については

動画の描画作業には二種類ある。個人作業と集団作業。
個人作業はある意味楽だ。制作がレベルにあわせて動画に作業を割り振り、動画マンはノルマが終われば終わり。
集団作業は何をするか。制作スケジュールがタイトになり、
元請け下請けから原画が回ってくる。
制作が言う。「この山を片づけてくれ」。
チーム、たいていはその会社の全員なんだけど、総出でひとつずつ原画袋(原画が入っている)を取ってきて、
山が崩れるまで不眠不休で絵を描き続ける。
つらい作業になる。大抵依頼は急なので、能動的なスケジュール管理は一介のスタジオには不可能だ。
つまり、雇用の形態として動画マンは流動的になる。
それを把握しているから、会社は動画マンを入れ替え可能な人材として扱うし、実際そうだ。
入社時でも、「どうせ辞めていくんだろ」という風に志望者を扱っている。さっき言った、業界のネガティブな雰囲気というのは
たとえばここから立ち上ってくるものだ。
またこれは、元請けが孫請けを入れ替え可能な会社として扱うのと似ている。
ジブリの映画をコマ送りして観てみると、原画はもちろん腕が良いが、その間に挟まれる動画は、そうたいしたものではない。
多かれ少なかれ、動画スタジオの状況は似通ったものだ。
脱線するが、逆に元請けが盤石というわけではない。
たとえば元請けのシャフトは、放映日当日まで作業している。



――原画マンは

即戦力の原画マンは制作会社が喉から手が出るほど欲しがっている。
しかし動画マンが流動的であるため、原画マンは少なくなる一方だ。
制作会社から老いた原画マンが一人いなくなるだけで、会社自体が機能しなくなるような事態もある。
じゃあ若い原画マンは何をするか。
大抵がフリーになってしまう。会社は安定して仕事を提供してくれるとはいっても、デスマーチに巻き込まれれば体がもたない。
自らの価値を高め、また資本としての自分を維持するために、会社に残るメリットは非常に少なくなる。
フリーになれば自分で仕事の量をコントロールできる上、仕事の内容もある程度選べるようになる。仲の良い制作をマネージャーのように仲介し、良い仕事を探していくこともできる。
制作会社が上のような状態だから、フリーの原画マンはいつでも貴重な戦力だ。
新劇場版エヴァをつくっているスタジオカラー。
あれはフリーの原画マンを集めて臨時につくっているスタジオだ。特に劇場版のようなアニメ作品をつくるとき、
フリーの原画マンのメンツは固定されていくようになる。
動画マン、原画マン、彼らは各々が違う理由で流動的になるから、動画スタジオは画一的な仕事を行うしかなくなっていく。
業界自体が消耗していく。


――待遇を見直す動きはないのか

賃上げの団体もあるが、それが当初想定されていた機能を果たしていない。
原因はなにか。
まず業界内が閉じこもることで、横の連携がとれていないこと。
動画・原画はたとえば横のブースで作業しているデジタル班の動きを把握していない。これが規模が大きくなってスタジオ間の話になっても同じだ。
これは工場で、横のセクションの動きを各々は全く把握していないことに類比される。
既にアニメは工業製品だ。
多分これが原因のひとつで、だから足並みをそろえて賃上げ交渉をしようという動きにはならない。
業界の経済音痴は、こういう足元からきているのかもしれない。
京都アニメーションや富山のある制作スタジオのように、社内で管理した動画スタジオを持っているようなところ、社の寮を持っているところは強い。
全体のクオリティを把握しながら作業できるからだ。未来、生き残っていくのはこういうところだろう。


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