したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

「法律や政策は、単なる決め事である。いつでも変えられる」第43部

778正樹★:2016/09/26(月) 02:15:13
 
 では、日本で「国籍は一つ」と言う考えが、今なお根強い訳はなぜなのか。
 「戦後に台頭して来たことでの『日本は、単一民族からなる国だ』と言う神話が背景にあるのかもしれません。欧州と違って東アジアでは冷戦対立の構造がまだ残っていることも、『他国籍の人間は敵だ』とのイメージを強めているのでしょう」
 11月に本選を迎える米大統領選。共和党の指名を争ったテッド・クルーズ氏はカナダ国籍(市民権)を持つことが問題視され、2014年に、それを放棄した。
 「米国で二重国籍は法的に認められているが、大統領ともなれば、合衆国への忠誠心を疑われる理由になりかねなかった」と西崎文子・東京大学教授(米国政治外交史)は分析する。
 また、オバマ大統領はハワイ生まれだが、過去2度の選挙で「米国生まれでない」との説を流され、出生証明書を公表する事態になった。「黒人だ、異質だ、と言うことでの人種差別的な偏見を広めようとする運動でした」
 両氏のケースとも、攻撃する運動の中心にはドナルド・トランプ氏がいた。
 米国では国籍(市民権)には、生来の基本的人権が奪われないように国が保障する、と言う意味合いがある。そして建国の原点には「誰でも米国人になれると言う包容力のあるフィクション」(西崎さん)が息づき、異質な新参者と共存しようとする力と、排除しようとする力の両方が働く。「『誰が米国人になれるか』を巡(めぐ)る議論を繰り返し、絶えず原点を確認しようとして来た。それが米国の歴史です」
 日本でも、複数の国籍を持ち国境を越えて活躍する人が増えた一方で、政治でも経済でも「国」の存在は依然として大きい。五輪やパラリンピックでは、多くの人が日本人選手を応援する。「国のリーダーが、他国の国民でもある事態などあり得ないと感じることが普通なのかもしれない」と、日米両国籍を持つ佐々木てるさんは語り、こう付け加えた。
 「両方の国を大事に思えばこそ、両国が戦争にならないように平和な関係を築こうとする可能性もある。これからの国際社会を考えれば、重国籍と言うだけでリーダーとして不適格だと見做(みな)すことはそぐわない。多様なルーツを持つ人材として活用する選択もあり得るのではないか」
 
        ===朝日新聞2016年9月20日(火)===


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板