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「法律や政策は、単なる決め事である。いつでも変えられる」第43部

591正樹★:2016/08/09(火) 00:01:42
 
[41部-610]
 
 『日航機墜落事故・真実と真相-御巣鷹の悲劇から30年、正義を探し訪ねた遺族の軌跡』
 (文芸社:小田周二)
 -335頁〜336頁-
 情報公開法の成立で、責任回避のために文書破棄に走った公僕たち
 この情報公開法の成立により、官僚や公務員の間に戦々恐々とも言える衝撃が走った。法律に基づく情報開示請求により、自分達の業務内容が明らかになり、責任を問われることを恐れたのである。
 それは何故か?日本の行政は、つまり官僚や公務員の世界は、概して業務を進める場合の計画や結果などの議事録がキチンと作成されていない。例えば、2011年3月11日に発生したことでの、東日本大震災や、その後の福島第一原子力発電所事故に関することでの、対策会議や、官邸での会議などの議事録が極めて杜撰(ずさん)だったことは新聞報道で明らかになった。
 これに対して、外国は、特に中国や米国では記録の重要性が認識されており、譬(たと)え専制君主制の時代でも、それの記録は緻密(ちみつ)に取られている。中国では2千年以上前の記録も、文書や竹書(竹の札に、古代文字で書かれた書簡)などで残されている。
 この情報公開法が正常に機能する前提は、「文書管理保管規則」がキチンと機能しているかどうかに掛かっている。業務の記録を残すことにより、業務の計画から実施や結果までの内容を知ることができて、後でチェックすることもできて、また、誤りがあったとしても再発防止に活用することができるのである。
 しかし、現状の情報公開法は、形こそできたものの、魂まで入れられたかと言うと、決してそうではない。
 まずは業務記録を残すことと、それを文書管理規定で保管を完全に行なうことを総理大臣が自ら大臣や官僚や公務員に順守させることが不可欠である。
 実際に、この情報公開法の成立に伴い、官僚や公務員は一斉に、それまであったことでの文書や資料の大量廃棄処分を行なったと言うことである。
 つまり、彼らは行政結果や歴史を闇に葬り、自分らの責任回避と自己保身に走ったのである。これについて総理大臣が何らかの指示や命令を出して牽制し、是正したとの報道はない。誠に無責任な権力者であり、行政機関である。運輸省(現・国土交通省)においても、この流れに、うまく便乗して日航機事故資料の大量廃棄処分を行なったと考えられる。
 運輸省、及び国土交通省の文書管理規定の変遷は、次のとおりである(肩書きは、全て当時)。
 
1965年・運輸省「文書管理規則」の制定
1999年5月14日・「情報公開法」の制定
 総理大臣:小渕恵三(中曽根康弘・元総理と同じ群馬県吾妻郡中之条町出身)
 総務庁長官:太田誠一(福岡県福岡市出身)
 運輸大臣:川崎二郎(三重県伊賀市出身)
1999年11月・日航機墜落事故資料の廃棄
 総理大臣:小渕恵三
 運輸大臣:二階俊博(事故調の統括責任者)
2001年4月1日・「情報公開法」の施行
2002年4月1日・運輸省「文書管理規則」の廃止
 国土交通省「行政文書規則」の制定
 
 なお、この国土交通省が制定した「行政文書規則」は全部で53条からなることでの膨大な規則である。重要度第1類の物で最高保存期間は30年となっている。しかし、不思議なことに「永久保存」の分類がないことは理解することができない。しかも、保存期間は延長することができるものの、文書担当者の判断に任されている。
 更(さら)に必要な物は国立公文書館に移管されると記載されているが、それの判断は誰が決めるのか。また、秘密や、極秘文書の分類があり、曖昧至極である。
 この「文書管理規則」は2002年から2009年までの7年間に計16回の改正を実施ている。これは年2回以上のペースで、その文書管理規則への取り組みは異常であり、如何(いか)に情報公開に神経を使っているかが分かる。
 しかし、内容は膨大であるが、情報公開法に基づいて開示を要求しても、うまく言い逃れができるように書かれている。これは情報公開法を骨抜きにする国交省幹部官僚の悪知恵で、「仏を作って、魂を入れず」に相当する事態である。
 とにかく、議員と言う存在は法律を作ることが仕事であるが、日本の国会議員は、せっかく作った法律から魂を抜いてしまうことも、また大得意なのである。そして官僚は、その悪知恵を貸して昇進するのである。


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