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「法律や政策は、単なる決め事である。いつでも変えられる」第38部
204
:
正樹★
:2015/01/13(火) 00:24:45
社説
中国との関係、難問に向き合うために
国力の増大と共に
経済は、世界史上で稀(まれ)に見る速さで成長し、国内総生産額は日本の2倍になったしかし、政治体制は変わらないばかりか、共産党の一党支配を一層に強めているように見える。
経済の拡大は軍事力の強化を齎(もたら)し、周辺国に心配の種を撒いている。アジアインフラ投資銀行の設立など、これまでの国際秩序に異を唱える外交戦略を進めている。そうした振る舞いにどう対処したらいいのか、難問は多くの国々が共有する。
日本では対中感情の悪化が進む。内閣府の昨年10月の調査では、中国に親近感を持たない人が8割を超えた。中国漁船のサンゴ密漁に憤った人は多いのだろう。ここに歴史認識が絡むと、問題は更に複雑化する。
進むことでの社会の多様化
もっとも、こうして議論に上ることは、言わば中国の一部の話である。実のところ、中国は対外強硬や反日で凝り固まった集団と言うわけではない。
高倉健さん死去の報が流れたときに、中国で湧き起こったことでの追悼の声は、同じ物語に心を動かす人々がいると言うことでの当たり前の事実を知らしめた。北京の書店には村上春樹さんを始め日本の小説が平積みになっている。
中国からの来日観光客が急増していることは、円安のせいだけではない。明らかに日本の風情を楽しもうとしている。
中国の人々は何を考えているのか。知る努力を日本側でもっと深められないのだろうか。
変化の兆しに注目
中国はなお発展途上だ。周辺国の関与次第で発展の経路も変わりうる。何が起きているのか、摑みにくい国ではあっても、冷静に目を凝らし、耳を澄ませなくてはならない。
政府間関係に、つい目を向けがちだが、それにも増して重要なことは民間の交流だ。もちろんに、メディアの責任も重い。一面的な反中論は中国のナショナリズムを刺激して、こちらに跳ね返るだけであり、心ある人々を後押しすることには決して繋がらないのだろう。
===朝日新聞2015年1月11日(日)===
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