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「法律や政策は、単なる決め事である。いつでも変えられる」第4部

156正樹 ◆6z10n91cnw:2009/02/05(木) 20:11:09
 
 俳優・仲代達矢さん
 終戦で大人への不信感を持った、14歳にして虚無感を抱く
 私は1932年(昭和7)年生まれですから、太平洋戦争の戦時体制下で
小学校から軍国教育を受けた少年でした。とにかく国のために死ぬ、一億総玉砕
と言う言葉で頭のてっぺんから足のつま先まで軍国主義を叩き込まれ、幼過ぎて
戦争について何かを考えるなどとは思いもしなかったのです。
 だから中学1年生で8月15日の終戦を迎えた時は、大人たちの豹変振りに
ただただ強いショックを受けました。昨日まで厳しい顔で鬼畜米英と言い続けて
いたのに、あの日一日にして民主主義を唱え、親米派を語り平和を標榜する。
私は僅(わず)か14歳にして大人に対して強い不信感を抱くようになります。
そして大人に裏切られた私達昭和一ケタ世代は、戦争について語ることを嫌い、
避けて来てしまいました。
 75歳になった今に、次の世代に自分達なりの戦争観を伝えなかった責任を
痛切に感じます。人間と言うモノはあっと言う間に体制に呑み込まれてしまう
もので、その体制を冷静に批判する力も抵抗する精神も持ち得ないと、戦争の
ように愚かな行為へと突進してしまうことを。
 私は俳優として修業することになった新劇には、既成の物に対してアンチの
精神が息衝(づ)いていて、例えば小説では伏せ字と言う物がありますが、
新劇でも軍国政権下では翻訳劇の『どん底』を演じる際に「自由」と声に出せ
なかったそうです。その言葉を言ったら劇場にいる検閲官に止められ、千田
是也先生を始めそれを敢えてやろうとしたことでの当時の新劇人は、みな牢獄に
叩き込まれ、終戦によって解放されてから、やっと新劇は活躍する時代を迎えます。
 
           ===朝日新聞2008年8月17日(日)===


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