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【小説】復讐代行という名の…
10
:
Mクラン
:2008/09/15(月) 00:05:31
因果応報という言葉がある…
個人的な解釈でいくと…まぁ、悪いことをしたら同じことが自分にも返ってくると…そんな感じだ。
そういった意味では、俺がターゲットにされることはまぁ仕方のないことと言えるのかもしれないが…頭めがけて花瓶が落ちてくるようなことまではしてない。
悪運の強さから、さしたる被害はなかったが…ジャストミートしていたら…ケガだけで済んだだろうか…
…相手が俺を狙ってきていると分かってたから…俺は大胆に相手の調査をすることにした。そうすれば、綾や社長に被害が出ることもないだろうし、俺に目を向けさせていれば、綾や社長の調査もやりやすくなるだろうと判断した結果からだ。
調べれば調べるほど、仕掛けてくるいたずら…いや、もうあれはいたずらじゃないな…調査されていることに対しての妨害…それはどんどんエスカレートしてきている。それだけ、俺が確信に近づいているということなんだろうか…最近は、どこにいても何かしら起きる。まぁ…そうしてくれたほうがこっちとしてもありがたいのだが…
ここ数日の間で、自分をつけまわしてる人物はもう特定できたし、その人物を調査していくに連れて、仲間だろうとおぼしき存在も掴めてきている。今日はそれの裏付けのためにとあるところに向かっていたのだが…今日は行くのを止めるべきか?あの人に迷惑をかけるわけにはいかないし…
いや、ここで足を止めるわけにもいかないな…ここはひとつ…
…数分後
「いらっしゃいませ〜」
「…醤油ラーメン…特濃で」
「…はい!少々お待ちください…」
…
「お待たせしました〜醤油で〜す♪」
「…どうも」
「店長からの伝言で、たまにはプライベートで顔出せ!ですって♪」
「もうちょっとしたら…少し暇になるかもしれないから、そのときにって…」
「かしこまりました〜♪」
ここは一見するとただのラーメン屋だが…ちょっとした裏の仕事もしている。特濃は合言葉のようなもの…なんだが、本当に特濃な醤油を用意するあたりは…
いや、そのことは今は気にしなくてもいい。裏の仕事とは…主に情報…人に関してだ。一応大元はマンサーチャーという、人探し専門の仕事だったらしいのだが…今の時代、それだけでは食っていけないということで…情報等も扱うようになったとかで…まぁ、ここの話をしていると長くなりそうだから、とりあえず本題に戻るとしよう…
これで必要な情報も手に入った。あとは…綾たちと合流して、お互いの調べたことを確認して…どうするかを決める…
どうするか…なんて、考えるまでもないんだけどな…さっきも、尾行してたヤツに脅し…というかな感じのことをいっておいたわけだし…
邪魔な尾行を追い払う手段…それは尾行に気づくことだ。そうすれば、その日の間くらいは後をつけたりはしない。それに大きな独り言で…
「人を尾行するってことは、それなりにリスクが伴う…そうじゃないかな?○○君?」
どうせ調べてることなんて気づいているだろう。だが、どこまで〜というのは把握してない。俺は彼らの頻繁に立ち入るところに足を向けたりしてはいたが、それはこちらが調べた情報を利用しただけで、そこを調査しにいったわけではない。そういったところに足を伸ばすことにより、相手に少々の恐怖感を与えるが目的だったのだが、それが予想以上に響いていたようで…ちょっとした一言で相手により強い恐怖を与えることができた。このあと、尾行していた男は早々に立ち去っていった…
これで心置きなく綾たちに会いにいける。さて…本当にどうしてくれようか…
11
:
Mクラン
:2008/10/02(木) 22:18:48
あのあと、社長らと合流して、各々が調べた情報を話し合った。それにより判明したのは…
彼らは自分たちと同じシステムで仕事を請け負ってはいるが、料金はうちの半額。
復讐内容は、最初はうちと同じようなものだったが、徐々にエスカレートしていったような感じらしい。依頼人の意向に沿ってたわけでも、別途料金を貰っていたわけでもないあたり…本人たちがただのいたずらでは満足できなくなったといったところだろうか…
歳は16〜19程度。成績はいいらしい。
元はうちと同じ人数で始めたが、めんどくさくなったのか、興味を持ちそうな人間を呼び寄せたのかは定かではないが、そんな感じで少しずつ増えていったようだ。現在は7人だ。
そして…俺を狙った理由だが…これがまたバカらしい話だった。
俺には特に復讐依頼があったわけではないらしい。彼らはもっと依頼が来るようにするため、復讐サイトなるものを立ち上げようとしていた。そこで、復讐内容のサンプル的動画、画像が必要となり…ということだった。
突っ込みどころが満載すぎて、逆に突っ込む気も起きなくなってしまうような話だ。
「それにしても…事業拡大しても稼げるような業界じゃないってのにねぇ…」
「単に自分たちが暴れたりすることに対しての理由付けがほしかったんじゃないか?ありがちだろ?そういう話は…」
「自分たちがやってることが正しいと思い込んで…なおかつストレス解消ができる…そうなれば、こうなることも不思議じゃないのかもな」
「和哉は…ストレス解消になったの?この仕事…」
「まさか…まぁ…スリルを楽しむ、どうやって偶然を生み出すかを考える、そういったことに少なからず気分の高揚を覚えたりはしたが…スリルがほしいからといって、ギリギリなことをしたことはない」
「そうよね〜。確実に仕事をこなすって感じだったもんね〜」
「まぁ、小僧たちがナニを目的にとかは正直どうでもいいんだ…こんなダサイ仕事でも、うちはあくまで非合法の商売…裏家業なんだ…仕事は荒らすは、知らないとはいえうちに手を出すわ…さすがにこれは許せないよなぁ…」
「じゃあ…殺りますか?」
俺は昔懐かしい首を掻っ切るという動作をしながらいう。
「おいおい…うちは893さんじゃないんだから、そんなことまではしないってwちょっと世間の厳しさと、裏の世界に足突っ込むってことがどんだけのことなのかを思い知らせてやるだけ…」
「それも十分893的なような…」
「まぁ、気にするなって!!警察沙汰にはならないよう努力するw」
「ん〜…努力だけなの〜?」
こんな冗談を飛ばしながら、彼らにお痛をした罰を与える作戦を考える…
話がまとまり、計画に必要なところへ連絡を入れる前に俺は…
「…社長…」
「あいよ?」
「この件が終わったら…」
「あぁ…そうだなぁ…こんなことが起きちまったんじゃ、しょうがないよなぁ…」
「あ〜やっぱりそうなる?」
「まぁ…当然といえば当然だな。あくまで信用商売でもあるわけだし…」
「その話は、この件片付けてからでも遅くはないだろ?よし、とりあえず準備に入るとするか!!」
「いろんなところに貸し作ることになりますね…」
「いいじゃねぇか!!どうせ最後だしよ!!それに…あいつらだってうちに貸しのひとつやふたつはあるんだしよw」
「あんなお子ちゃまにここまでするのも大人気ないような気もするけどね…」
正直俺もそれは思ったが…社長のいう、これが最後という言葉もあり…派手にやってしまえという考えのほうが勝ってしまっていた…
12
:
Mクラン
:2008/10/20(月) 00:43:42
おい、今日どうするよ?もういい加減あいつ狙うのやめね?なんか上手くいかないしさぁ…
サトシの話じゃ俺らのことばれてるっぽいしな…
そうだなぁ…サンプル用のやつなんだし、別に躍起になることなかったよなぁ…
あれ?そういえば他の連中は?
あぁ…なんか今日は用事があるんだってさ
ふ〜ん…まぁ俺も今日は用事あるんだけどな
そっか。じゃあ今日はもういいか。またみんなで集まったときにこの件について話あおう
OK。そんじゃな〜
さぁてと…あいつらには悪いが…今日は合コンだ♪
人に何かいたずらをするのも楽しいけど、やっぱ男として生まれたからには…なぁ?w
にしても…集合場所がちょっと変なのが気がかりだな…
でも嘘ってことはないだろう。何せ付き合いの長いやつからのお誘いだからなw
ヴィー・・・ヴィー・・・
ん?メールか・・・もう集まってるから早くこいよ・・・
なんだもう集まってるのかよw気の早い連中だな。こりゃイロイロと期待できるかもしれないな…グフフ…
さて…そろそろ集合場所だけど…あいつらどこにいるんだ…
おーい、こっちこっち!!
あの人がそうなの?やだ〜結構カッコいいんだけど〜w
ちょっとアンタ!!あの人は私が…
マジ?w俺もてちゃってる?wうはwww
こりゃちょっとダッシュでいったほうがいいな…イケメンはつらいぜ…w
騒ぐなよw今行くからわぁ!!
ナニが起きたのか理解するのには時間がかかった。
俺は確かに目の前のかわいこちゃんたちのところに早足で向かっていた。
そしたらいきなり浮遊感…っていうか、地面が抜けた…そんなことありえるのか?
でも事実として、俺はそのまま落下していった…さすがのイケメンだって空は歩けないさ…
そこはいいとしよう。もう過ぎたことだ…で…なんだあのマイクを持ったおっさんは…それになんでみんな笑ってるんだ?さらにいうなら…なんだあのでっかいカメラ…どう見ても業務用ってやつだよな…
微かに声が聞こえてくる…
いや〜やっぱり男は合コンって言葉に弱いんですね〜wしかも、可愛い子がいると分かると駆け足で向かってくる!もうこれは性としかいいようがない!!
男の人って、みんないつでも狼なんですね〜w
普段はおとなしいってか…クールなやつなんですけどね〜…
どんな人でも女の子の前じゃ素直に欲望むき出しってことですねwある意味正しい行動とは思えますが…日本の未来がちょっと心配…
なんだこれは?なんでこんな和やかムードで話してんだ?俺はなんか知らないけど落下したんだぞ?普通ならケガしてるとこだぞ?
てか…なにあいつは嬉しそうに俺のこと語ってるんだ?
え〜と、彼はまだ状況が理解できてない模様ですね〜wちょっと可哀想な気がしてきたぞ〜w同じ男として〜w
確かに、ちょっと可哀想ですね…実験のこと、伝えてないですし…
そりゃあ伝えたら実験にならないですからねw
実験?何のことだ?とりあえず…
「なにこれ…俺…騙されたの?」
13
:
Mクラン
:2008/10/20(月) 00:44:16
「いや〜上手くいってよかったね〜w」
「まぁ…そうなるようにしてもらったからな」
「番組的にはモザイク入れるってのが…惜しいけどなぁ…」
「てか…アレ放送する気なの?w」
「まぁ…人動かしてる以上、金にしないといけないからな…でも、そこは俺らには関係ないさw」
「そうですね…」
今回はかなり他の人を巻き込んだ仕掛けとなった。
内容を見てればおおまかに分かるとは思うが…うちはあくまでいたずらのレベルで何かをする。だから、大掛かりなことをしても、いたずらの範囲で済ませないといけない。
そう考えた結果が…アレだった。
まず、地方TVの方に連絡を入れる。ここには以前まとまったズッコケ映像を買ってもらったことがあり、イロイロと面倒なことを省くことができた。計画を伝えたらそくOKがもらえた。
次に前につけていたやつを、一人になったところで捕まえた。別に何かやばいことをしようってわけじゃない。彼らの親しい人間の連絡先を聞いただけだ。おおまかには調べていたので必要もないことともいえるのだが、全員に同じことをしても面白くないので、彼にはちょっとした背徳感を味わってもらおうと…
そして、主だった連絡先を押さえたら、それをTV局の方に渡し、連絡をつけてもらう…
あとはもうほとんどおまかせ状態だ。綾にはエキストラ…というかサクラの子として動いてもらったが…
「にしても…人にあれだけいろんなことしておいて、自分に降りかかることは疑わないとか…やっぱ子供だよね〜w」
「まぁ…親しい人間を使ったからな。それに、若い奴ってのは、自意識やらが過剰にあるんだ。天変地異が起きても、自分だけ助かるとか思ってたりな…w」
「でもよぉ…全員同じ手口で引っかかるってのもバカな話だよなぁ…」
「まさか、狙われた人間に関連性があるなんて思わないでしょう…俺が問い詰めた彼以外はねw」
「そうだね〜w」
「でも…これって仕返しになるんか?」
「大丈夫ですよ。その辺は…」
「もう手打ってあるのか?w相変わらずだなぁ…和哉…」
「さすがマイダーリン!!」
「ダーリン…ねぇ…」
「おほん!!とりあえず、一段落ついたんだ。これからしばらくは…本業一本だなw」
「…ですね…w」
「そういえば…例の人は納得してくれたの?ほら定期的にいたずら動画買い取ってた人…」
「あぁ…そっちは問題ないw事情話したらすぐに納得してくれたよw」
「それなら何も問題ないですね…」
「でも…私、事務だけじゃ暇だよ〜w」
「…仕事覚えればいいじゃないか…俺は事務だけしかしない女を妻にする気はないぞ?」
「マジ!?じゃあ頑張る!!」
「和哉…」
「安心してください、簡単に仕事覚えられると思ってませんから…w」
世の中にいくつもある偶然…中には誰かが引き起こした必然もあるが…
こうして普通の生活に戻るってことも…必然だったのか?
いや…これから綾に仕事を教える…これは普通の生活じゃないな…
まだまだ…スリルと無縁の生活ってわけにはいかないな…やれやれ…
14
:
Mクラン
:2008/10/20(月) 00:49:19
簡単なあとがき
復讐代行…まぁそこまで珍しいお題ではなかったんですが、スケールを下げることで、他所にありそうなものとはちょっと違ったものができたかな〜なんて考えてますw
一話完結を目指して始めた割に、全くもってそれができなかったっていうのは…ちょっと悔しいですが、掲示板の文字数的な部分も少々含まれていますので…その辺はご勘弁をw
よくよく考えると、強引な手法を使ったとはいえ、しっかり完結させたのは久しぶりな気がしますw
ブログやらナニやらでイロイロちょこちょこ書いてたときもあったんですが、どうしても完結までいかないという…なんとも物悲しい結果ばっかりw
なので久しぶりに完結できて嬉しいですw
こんな大して面白くもないモノですが、少しの暇つぶしにでもなったのであれば幸いですw
次回作は…特に何も考えてませんが…ここでないとこでやる可能性のが強いかも…w
そのときはちゃんと書く場所を記載致しますw
最後に…
こんな駄文に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました〜♪
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