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理系ネタスレッド

24松代@過去の仕事より:2004/12/03(金) 12:11
 体液、中でも血液と人間の気質との間に、密接な関連があるという考え方自体は、非常に古くから存在していました。幾つかの民族の「創世伝説」に於ては、血そのものが重要な意味を持って語られています。また、言語学的に見ても「血」という単語が、人間の精神世界との密接な関連を持っていることが、多くの言語について普遍的に観ることが出来ます。
 古代ギリシャの医学者「ヒポクラテス」は、体液と人間の気質との関連についても大きな関心を寄せていました。ヒポクラテスの著作には、既に彼が体液(特に血液)と個人の気質について、ある程度体系的な理論付けを行っていたであろう事が示唆されています。しかし、当時は血液のタイプを科学的に分別することが不可能だったため、それ以上の研究は進まなかったものと考えられます。
 人の血液には、それぞれ固有の型を持っていることが発見されたのは、1901年のことです。オーストリアの病理学者「ランドシュタイナー」がウィーン大学において、ABO式血液型を発見した事により、血液についても近代科学による研究が本格的に始まったのです。
 当然、この新たに発見された血液型という分別方を用いて、人間の気質や心理を研究する助けにしようと試みる人々が現れました。また当時は、近代心理学が学問として成立し始めたばかりで、その研究の対象も様々な分野に広がっていました。
 しかし、なぜか血液型と近代心理学は、ほとんど結びつくことがありませんでした。その理由として、19世紀末から20世紀にかけて、山師のようなエセ心理学者や偽医者が人々に怪しげな心理療法を施しては、多額の謝礼を要求すると言った詐欺が横行していたため、医学と心理学との結び付きに対する世間の目が厳しかったこと。そして、血液型の発見後しばらくして、第1次世界大戦が勃発してしまったことを挙げられると思います。
 第1次世界大戦が始まると、およそ考えられる全ての「科学」は戦争のために利用されました。血液型も同様で、輸血等のように医療の一環として以外にも、兵士の性質を分類するために利用されたりしています。
 フランス陸軍のある軍医は、兵士の戦場における行動と、彼らの血液型を調査した結果、最も勇敢な兵士はO型の兵士であるとの結論に達しました。そのため、O型の兵士だけを集めて、戦闘部隊を編成する案も真剣に検討されましたが、戦争の激化とともに立ち消えとなりました。その後、昭和の始めになって、日本軍も同様の部隊を編成することを検討しましたが、これも世界情勢の変化とともにうやむやにされてしまいました。
 1930年代に、ナチスがドイツの政権を握ると、優生医学の見地からナチスの政策を「科学的」に裏づけようとの試みがなされました。そしてその一環として、劣等民族の遺伝子を持つ血液型の特定が試みられたり、血液型と人間の行動パターンとの関連を調べて、最も優秀な血液型を割り出す研究がなされたりしました。
 そして、戦争が始めると、収容所の捕虜やユダヤ人、政治犯等を対象に「最も命令に従順な血液型」や「最も過酷な労働に絶える血液型」を特定するための研究がなされたのです。


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