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大型モンスター討伐スレッド

1「鍵を持つ者」:2013/06/24(月) 01:19:55 ID:???
最大参加人数320人!

64とある世界の冒険者:2013/07/03(水) 00:24:19 ID:8fNk7lg6
「そうだといいんだけどな……あっ。」
そう言いながら猫に手を伸ばそうとした時に偶然かは知らないが猫がうでから降り立ってしまい、声を漏らしてしまい。

「………捨てても狙われるだろうし、素直にあいつらに縄しても口封じという名目で狙われるだろう。
……非常にめんどくさいことなのだが、地道に調べていくしかないな………。」
見覚えがないにしても、もし捨てたとしても狙われることには変わりないと判断して、調査するべきだと提案し

65とある世界の冒険者:2013/07/03(水) 00:29:55 ID:8RAIDu12
「ロール?」
『むぅ〜……ゴロゴロ』
華麗に着地した後、地面の匂いを辿って行く様にして、ロザリーの足元へと辿り着く。
そのまま、耳を畳んでコツンと額を軽く当てて来た。

「だとする、と……。
この子も危ないな。」
『ニュー……ゴロロ。』
「一先ずこれの正体が分かるまでは外に出せない……として。
問題は、これを何処で調べるかだな。……出来そうな場所を知ってはいるけれど……。」
何分、魔道具に関しては素人だ。
下手に調べる所を間違えては命取りに為り得る。

66とある世界の冒険者:2013/07/03(水) 00:40:34 ID:8fNk7lg6
「………ん?」
なにやら自分がやってきた経路から歩いてきて足元に擦り寄ってくる猫を疑問に思い。
……だが、自分がわざわざマレンゴを連れてきたことを考えると原因はあっさりとわかった様子で

「いや、ちょ、馬の匂いはするかもしれないがそれはやめれくれ……!
私だって気にしてるのに……!」
と、慌てた様子で足元に来た猫を軽く手で追い払おうとしている。
なんというか、さっきまでの女性とは思えないほどの慌てようだ。声が裏返ってるし。

「まぁ、ここにいるとはまだわかってないだろうけどな。
……済まないが、それを調べることのできるところ、どこに行けばいいのか全くわからない。」

67とある世界の冒険者:2013/07/03(水) 00:46:42 ID:8RAIDu12
『ムー……♪』
しかし、当の猫はお構いなし。
撫でろ、と言わんばかりにコツコツと頭を擦りつけてくる。
尻尾は上機嫌な鉤型を示しており。
「あ、ほら。止めておくんだ。」
『むー!』
いつ食い下がるのかと思えば、飼い主にひょいと抱き上げられて終わりを迎えた。

「王都には研究機関がいくつかある……。
俺が地図を売っていた所もあってね。そこを当たるべきかどうか……。」
公的機関に任せるのも良いのだが、モノによってはそのまま牢に……なんて話もなくは無い。
それを加味して、ある程度個人でやっている機関に任せよう、と提案した。

68とある世界の冒険者:2013/07/03(水) 00:54:33 ID:8fNk7lg6
「あぁ……すまない、助かったよ。」
追っ払おうとしていた時に猫を抱きかかえてくれたオートバルケに礼を言って。
猫がすよりってきた事自体は嬉しかった反面、人間ではなく動物として懐いているようにも感じられて、複雑な感情を覚えざるを得なかった。

「………そのあたりの判断は君に任せよう。
その機関が何を研究してるのかは気になるがね………。」
コネも何もないロザリーは、下手に口出しするよりも任せたほうがいいかと判断してそういうのであった。

69とある世界の冒険者:2013/07/03(水) 01:01:54 ID:8RAIDu12
「猫の方が鼻は利くんだな、やっぱり。」
自身は特に思う所無い様で、困った表情をする。
『み゙ゅー!』
因みに、身をよじって暴れている猫。

「ああ、そうさせて貰う。研究部門が多いから、何処か一つは引っ掛かると思うんだ。
じゃあ、早速起とうか。まだ開いている筈だ。
それに君の相棒を外で待たせっ放しも気が引けるしね。」

そう言うと、先に出る様に促す。
今ロールを離したら先程と同じ事になるからして。

70とある世界の冒険者:2013/07/03(水) 01:11:25 ID:8fNk7lg6
「……マレンゴとじゃれ合っていたのが裏目に出るとはな……」
本来なら嬉しいはずの猫の懐きっぷりが今回ばかりは残念に思えて

「ああ、それなら大丈夫か。それじゃあ、先に行って待ってるぞ。
それと…………すまない。もっと香水を強くしておくよ。」
猫を抱きかかえたままのバルケにそう言った後、一旦部屋から出る。

71とある世界の冒険者:2013/07/03(水) 01:17:38 ID:8RAIDu12
「でも、どうだろうな。
猫の気持ちは分からないから。何に反応したとも。」
抱き抱えながらも首を傾げて考えつつ、

「はは、誰も余り気にしていないとは思うが……
女の人は大変だな、ロール。」
『ミュー…?』
「何でもない。じゃ、留守番頼んだよ。」

猫に向けて独り言に近い言葉を告げた後、自身も部屋を出て行った。
そして研究所に謎のプレートを持ち込んだ二人が告げられるのは、驚くべき事実……だが、それはまだ先の話。

【フェードアウト】

//でな感じで今日はここまでにっ 乙ありした!

72とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 22:10:11 ID:upyCsGKM
-王都 とある研究機関-

「……と言う訳なんだ、解析を頼めないか?
ルニア。」

『……あんた、二年振りに顔出したと思ったらそれッスか……。
相変わらずウチを便利屋か何かと勘違いしてるんスね………。
……んで? そっちは。』

かくして二人がプレートの手掛かりを得る為にやって来たのは、王都内の研究機関。
嘗ては某大手医療機具販売企業の傘下であったが、紆余曲折あって離脱。
いまは独立して機関運営を行っているそうだ。

そして若くして統括を務める朱鷺色の髪に眼鏡の女性が、二人へと話し掛けた。

73とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 22:16:17 ID:uwG5WNgw
「あぁどうも、ロザリーだ。
まぁ………わけあって同行してる。」
オートバルケが狙われているから同行してる、なんて軽く言うわけにも行かず、ついてきている理由ははぐらかして、自己紹介をする。

ちなみに、マレンゴは研究所の入口近くに待機させている。

74とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 22:25:43 ID:upyCsGKM
『あー……ルニアッス。
……………。』
暫しロザリーを眺めていた後、くるりと背を返す。

『解析に移るッス。
あれだけの面積ならすぐ終わるッスよ……。
10分程そこで茶でも飲んでればね…………。』
そうして不機嫌そうに言い放つと、奥の研究室に引っ込んで行く白衣。

「……根は悪い子じゃないんだ。
ただちょっと、人と話すのが苦手みたいでね。」
その始終を見て、相変わらずだなと思ったオートバルケがソファに腰掛けながら口を開く。

75とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 22:33:28 ID:uwG5WNgw
「……………?
あ、ああ……おとなしくしてるさ。」
話もそこそこに研究室に抜けていった少女を見送ったあとすこし唖然として。

「……まぁ、理由も聞かずに受けてくれてるし、信用されてるのは確かだな。」
と、言いながらオートバルケの対面になるようにソファーに座る。

76とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 22:36:40 ID:upyCsGKM
「それはまぁ……何と言うか、こういう所だと言うのもあるかな。」

と、微妙にぼかした様子で言う。
研究者というのは時としてブラックゾーンにも平気で足を突っ込む物だ。
彼女も統轄になるまでの間、さまざまにそう言う経験はあっただろう。

「……所で、少し聞いて良いかい?」
頭の中でそう思いながらも、ロザリーに声を掛けるオートバルケ。

77とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 22:42:45 ID:uwG5WNgw
「………あぁ、この話は避けたほうがいいかね。」
それとなく事情を察して、あまり踏み込まないほうがいいだろうと結論付ける。

「ん?ああ、別になんだって聞いてくれて構わないぞ。
あまりにプライベートな物は話せないがな。」
と、軽い調子で言葉を返し

78とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 22:51:14 ID:upyCsGKM
「助かる。」
自分も一応馴染みではあるので、余り妙な事に転がっても困る、と思い

「ここに来る前は、何処で旅を?
俺も地図を描いて歩いているから、遠方の情報は欲しい所なんだ。」
と世間話めいた事を切り出す。

79とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 23:01:11 ID:uwG5WNgw
「旅か……ここの近くを除くのであればベルジニアくらいか?
ここのゲートのことを知らないから、馬で行ったんだがな………バカみたいだろ?」
これから行くのであればネオベイには寄りたいな、とだけ言い

「生まれ自体は出身の村だな……遠方の情報がほしいというのであれば、そこしか話せるところまで知ってるのがないんだ。」

80とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 23:06:23 ID:upyCsGKM
「……馬車も列車も使わずに身一つか……
中々、似たり寄ったりな無茶をするな。」
自身とてお世辞にも人の事は言えぬ身。
困った様に苦笑しながら。

「あぁ、じゃあその村の事を教えて貰えると助かる。
次の地図の指標にしたいと思っているから。」

81とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 23:16:07 ID:uwG5WNgw
「その時の私の馬はまだマレンゴじゃなかったがな……。
馬であたりを駆け回れた嬉しさでつい……な。私もまだ若かったし。」
自分でもいい思い出だと思ってないのか肩を透かして

「といいてもなぁ……一体どこから話せばいいのか………。
うーむ、何から聞きたい?」

82とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 23:19:26 ID:upyCsGKM
「誰にでも似た様なことはあるさ。
俺も地図が売れた時は浮足立って、あまり需要の無い物まで地図にしたりしていたからね。」
気持ちは分かる、と言う様な表情で苦笑しつつ

「おおまかな場所だけで良いんだ、後は自分の眼で見たいというのもあるし。」
顎に手を当て、期待する様な表情で。

83とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 23:27:01 ID:uwG5WNgw
「……需要のないものか………よほど変なものを纏めたのだろうな。」
クスクスと、からかうように笑って

「ふむ、それなら……道筋か………
王都の南門から一応直通の馬車があるはずだが……何故か。」

84とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 23:36:55 ID:upyCsGKM
「ははは、その時の俺には凄く重要だと思ったんだよ。」
若気の至りを突かれて擽ったそうにして

「成程、じゃあ一度馬車のルートを調べ……」
『…………イチャイチャしてるとこ申し訳ないんスけど。』
「……そう見えたのなら、君も外に出た方が良いぞ?」
続きを問おうとした所で、不意に現れる研究者。

85とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 23:46:45 ID:uwG5WNgw
「奇遇だな、その時の私も馬とともにかけることこそが全てだと思っててな……。
………まだ名前をつけることすら考えてなくてだな……アイツには本当に酷いことをした……。」
昔を思い出したのか、落ち込んだ様子でため息を付いて

「……男女の友情はありえないと。」
研究者に対し、相手の言葉をさほどきにしていない様子でそう訪ねて

86とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 23:52:51 ID:upyCsGKM
『冗談ッスよ……。
で、さっきのプレートッスけど……。
ただの金属片だったッス。』

「……?
ただの、金属片だって? じゃあ何故そんな物を態々……。」

『そう、モノ自体はただの金属片ッス。
ただ……そこに付着していた魔力の粒子……非常に興味深いッス。』
勿体を付けて話すルニア。
そしてオートバルケは、よく分からないと言った非常に渋い表情をしている。

87とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 23:55:48 ID:uwG5WNgw
「………魔力の粒子……?
つまり、金属片じゃなくてその魔力の粒子が狙われていた可能性があるなのか?」
ルニアの話を興味深そうに聞いている様子

88とある世界の冒険者:2013/07/07(日) 00:08:07 ID:vWRnmYko
『……どうやら、そうらしいッスね。
…………これは蒸気往復動式二重機構……エウロスと言う物を動かした時に出る魔力ッス。
どうやらそれの機構部品っぽいスけど……この金属片の素材からして……割と旧式ッスね。
たぶん、現行でこれが動いてるなんて事は無いと思うッスよ。』
「だが、それなら尚の事分からない。
そんなに古い物をわざわざ人を襲ってまで欲しがる理由は……」

エウロス……蒸気の街として有名なメタ・ヴァプールを支える技術の一つだ。
しかし、そんな所の駆動機関の一部だと思われる物がそんなに重要なのだろうか……。

「そもそも、何故ロールの身に隠す様な事をしたんだ……?」
謎は深まるばかりである。
いまいち、頭の中にあるピースが合わさってくれない。

89とある世界の冒険者:2013/07/07(日) 00:15:52 ID:uUrZ6Um2
「ふむ………まさか、王都でそれが見つかるとはな……。」
はぁ、と驚いた様子で息を吐いて。

「やっぱり、あの猫に何かあるんじゃないのか?
耳の裏だなんて変な位置に金属片があったし、不慮の事故で紛れ込んだ可能性もあるな……。」
とりあえず、どういう可能性で猫にこれがあったのかをかたっぱしから考えてみる……、が、しっくり来るものがない

90とある世界の冒険者:2013/07/07(日) 00:30:35 ID:vWRnmYko
「……どうだろう。
一度調べて貰った方が良いのか……?」
頭を捻らせる二人に、小さく溜め息を吐く研究者。

『……あー……ちょっと良いスか?
二人とも、あんまりメタ・ヴァプールについては知らなさそうッスね……。』

91とある世界の冒険者:2013/07/07(日) 00:37:37 ID:uUrZ6Um2
「猫を調べてもらうのも滑稽だなぁ。
それ以外に手段は思いつかないが……。」
と、あまりいい手段を思いつかない自分に思わずため息を付いて

「ん……よく知らないが、まぁ普通の人間程度には知ってる自信はあるぞ?
それ以上に知ってるのか?」
もしかしたら自分の知らないところかあるのかと思い、ルニアにそう聞いてみる

92とある世界の冒険者:2013/07/07(日) 00:44:01 ID:vWRnmYko
「……確かにな。
見た所、あれ以外に変わった事する風も仕草も無かったし……。」

『いや、普通の情報で良いと思うッスよ……。』
「じゃあ、何を思い出せば良いって言うんだ……?」

『あぁ……分かり易く言うッス。
それ多分、スチームアトラクトで使われてたモノの部品ッスよ……。
あの時期はまだ過渡期だったから……頻繁に機構が挿げ替えられてたッスしね……。』
「……これが?
いやしかし、スチームアトラクトと言うと……」
指で再び、プレートを持ち上げる男性。
新聞を読む習慣がなくとも、大きな事件だったのでロザリーの耳にも届いているだろう。
何人をも巻き込んだ凄惨な事件。

スチームアトラクトの駆動機関暴走事故……その爪痕は深く、今なおその区画は立ち入りを限られた領域になっている。
そこにあったものの名残が、ここにあると言う事になる。

93とある世界の冒険者:2013/07/07(日) 00:56:05 ID:uUrZ6Um2
「スチームアトラクト……ああ、あれか。
……少なくとも、このネコか、これを隠した奴が事件に関係している可能性があると。」
スチームアトラクトと聞いてある程度察し、
オートバルケが指で持ち上げたプレートを目で追って

「………餅は餅屋……だったか、ネオベイに専門家に任せろって意味の言葉もあったな。
そのプレートを本場の人に見せれば何かわかるかもな。」
軽い気持ちでそんなことを言ってみる。

94とある世界の冒険者:2013/07/07(日) 01:00:45 ID:vWRnmYko
「……。」
少し小難しい表情をしていたが、話を聞いて小さく首を振る。

「(……まさかな、そんな事は無いだろう。……と思うが。)」
首を横に振り、自身が浮かべていた一つの可能性を追い出す。

『あそこ出身の技師ならウチにも居るッスけど……』
だがその言葉は、成果への近道を引き出した。
渡りに船とはこの事だ。

95とある世界の冒険者:2013/07/07(日) 01:05:48 ID:uUrZ6Um2
「………どうかしたか?」
難しい顔をしていたオートバルケにそう声をかける。

「ああ、それなら話は早いな!
早速調べてもらうか?」
それは行幸と言わんばかりに調べてもらおうと提案して

96とある世界の冒険者:2013/07/07(日) 01:11:55 ID:vWRnmYko
「いや、何でもない。きっと想い過ごしだ。」
難しい顔を崩し、声に対して朗らかな笑みで言う。

「そうだな、そうしよう。
奴らもいつ体勢が整え終わるかも分からない。」
『…………決まりッスね。
……案内するッス。こっちへ……』
提案を是と返したのを聞き、研究者は更に奥へと促す。

97とある世界の冒険者:2013/07/07(日) 01:17:48 ID:uUrZ6Um2
「……なら、いいんだけどな………」
深く聞くことはせず、話を終わらせて

「……わかった。行こうオートバルケ。」
と言って研究者についていく。

98とある世界の冒険者:2013/07/07(日) 01:26:23 ID:vWRnmYko
-王都 とある研究機関内 大型機関設計整備研究室-

「……長いな。」
『偉いさんは名前が長い程難しい事やってる様に捉えるんスよ……さ、こっちへ。』

毒を吐きながらも、室内へと案内するルニア。
指を指示した先には、白衣に身を纏い、茶髪のショートヘアにゴーグルを掛けている人物が居た。

99とある世界の冒険者:2013/07/07(日) 01:39:36 ID:uUrZ6Um2
「………略称はないのか……」
呆れたように無駄に長い名前が書かれた表板を見た後、中に入っていく。

「あれがその人物かね……。」
と言って、どんな人物もわからない以上、無駄に刺激することを避けて

100とある世界の冒険者:2013/07/07(日) 01:46:27 ID:vWRnmYko
『無いッス……じゃ、オレは行くんで……。』
「あぁ、有難う。」

ロザリーの言葉にきっぱり言い放つと、研究者の女性はさっと出て行った。

「みたいだね。
すまない、ちょっと聞きたい事があるんだけど。」
気遣いに相反して、ストレートに声を掛けるオートバルケ。

101とある世界の冒険者:2013/07/07(日) 01:51:46 ID:uUrZ6Um2
「ああ、またな。」
とだけ言ってルニアを見送っていった。

「………まぁ声をかけなければ始まらないか。」
オートバルケが話しかけたのを見て無理に静止させたほうが良くないかと判断してとりあえず話を伺おうと近づいていk。

102とある世界の冒険者:2013/07/07(日) 01:59:36 ID:vWRnmYko
『……んぅ?
ボクに何か用かい?』

まだ年若い少年が、そちらを向いた。
声色からして、人柄が良さそうだ。

頼みごとをするには丁度良い。
そう思った二人はプレートの調査を依頼し……ある可能性に行き当たるのであった。

【フェードアウト】

103とある世界の冒険者:2013/07/07(日) 23:23:52 ID:qy9IrL5E
【王都郊外/森林】

「それでえぇと……ユーノさんは何処まで知っているのです? メノウのこと。」

王都郊外の森林――。
彼女の姉妹であり、ユーノの友人であるメノウ。

混乱し暴走する彼女を止めるためにも、まずは彼女の姉妹を……と言う話になったのだが。
その探索の道すがら、クリスがユーノにそんな事を聞いてきた。

104とある世界の冒険者:2013/07/07(日) 23:26:28 ID:vWRnmYko
「……実を言うと……あんまり知らへんねん……。」
耳が痛む様な、自嘲的な笑みを浮かべて。

「ただ、でも……一緒に色んな事お喋りしたりはしたなぁ……。
……メノウちゃん、いっつもうちの話ニコニコしながら聞いてくれて……。」
胸に手を当て、沈痛な面持ちでユーノが返す。

105とある世界の冒険者:2013/07/07(日) 23:30:15 ID:qy9IrL5E
「……じゃあ、ちゃんと、お話しないといけないのですね。」
くるり、とその場で一回り。
手に――長銃、ライフルを思わせる魔具を取り出して。

「――私達は、ホムンクルスなのですよ。
 メノウ姉から末妹のダイヤまで、全員。」

其れをくるり、と手元で回してそう語る。
なんでもないような事のように。

106とある世界の冒険者:2013/07/07(日) 23:34:26 ID:vWRnmYko
「……ホムン……クルス……?」

師と仰ぐ錬金術師の女性から聞いた事がある。
人の命を憑代に人を作り出す、人ならざる者を作り出す、禁断の秘術……。

「……みんな、そうなん?」
それがまさか、友人たち姉妹だったなどとは夢にも思わなかった。

107とある世界の冒険者:2013/07/07(日) 23:38:25 ID:qy9IrL5E
「ええ、そうなのですよ。 だから、パp……ボブの本当の娘ではないのです、私達。」

くるくると回した神銃と呼ばれる其れをふっ、と消失させる。
恐らくは召喚した場所、へと戻したのだろうが。

「メノウねぇはその第一号。 災杖レーヴァティンの――生体パーツ、なのです。
 私達も、それぞれの魔具の、なのですけどね」

108とある世界の冒険者:2013/07/07(日) 23:45:39 ID:vWRnmYko
「……ッ……!」
己と似た境遇でありながら、掛け離れたものだった。
単に腹違いの兄妹である自分とハリスと違い、この子達は魔具を使役する為だけに作られた……

「……人造兵器……って事なん……?」

109とある世界の冒険者:2013/07/07(日) 23:52:20 ID:qy9IrL5E
「宝石計画《ジュエルプログラム》、ボブの部屋にあった本にはそうあったのですよ。
 開発した伝承魔具の行使に耐え得り、且つ愛玩人形としての機能を持つ人造人間の製造、

 及びそれの軍事利用、などなど。」

ユーノを向き直り、自分の手を握ったり開いたりして。
父親に買って貰ったのであろう水色の涼しげなワンピースの裾を摘んで。

「ですよ。 ……メノウねぇはレーヴァティンを使う為"だけ"に造られて、
 "声が耳につく"のと"呪文詠唱での行使は強力過ぎる"っていう造物主の意志で声帯も壊されちゃったのです。

 振るうだけで、大体は死んじゃうですから。

110とある世界の冒険者:2013/07/08(月) 00:03:54 ID:VkbR3fPM
「……非道い……。」

自身は、魔法は人の為に役立てるべしと思って必死に覚えた。
しかしそれをあまつさえ、兵器や己の欲の為に使おうとは……。

「……っ。
じゃあもしかして……ボブさんがみんなを……?」
声を奪われた事に表情を歪めつつ、一つ予想を立てる。
ボブがそういった事に関わろうとは、どうしても思えなかったからだ。

111とある世界の冒険者:2013/07/08(月) 00:07:01 ID:OYhWil5M
「そんなものなのです。
 実際、私達は軽く魔族戦線に放り込まれた事もありましたし。」

メノウねぇは別ですけど、と付け加える。
……彼女たちは恐らく、メノウより"後"に造られたのだろう。

「最初に――ボブに拾われたのは、メノウねぇなのです。
 "制御不可"と判断されて放棄された研究屋敷のカプセルに、

 ガルムと、ヘイロンと、グリフと、三人で居た時に。」

112とある世界の冒険者:2013/07/08(月) 00:17:14 ID:VkbR3fPM
「……そんな……」

魔族戦線など、阿鼻叫喚の坩堝だ。
膠着状態であるとは言え、この世で最も危険な場所に変わりは無いだろう。

「だから、メノウちゃんはあの子達とあんなに仲ええんや……。」

113とある世界の冒険者:2013/07/08(月) 00:19:04 ID:OYhWil5M
「……それで、放棄された研究所に戻った所を、ボブに保護、なのです。
 研究員は、ボブがおしおきしちゃった、らしいのですよ。」

おしおき。
どういう事かはまぁ、想像に難くあるまい。

「です。
 ……今はそこにリーヴァも加わって……ですよ。」

114とある世界の冒険者:2013/07/08(月) 00:29:54 ID:VkbR3fPM
「…………。」

当然の末路ながら、あまり良い気分はしない。
言葉を切り……俯くだけに留めた。

「じゃあ……」
しかし、凄惨な過去は確かにある。
だが、彼女らがどれだけ清いかも知っているつもりではある。
だから作られたかそうでないか、何をしようとしていたか。

「余計に、助けんとな。」
そんな事は関係無く、ただ友として助けなければならない。
優しい友人を。

115とある世界の冒険者:2013/07/08(月) 00:33:11 ID:OYhWil5M
「…………です。

 でも、ユーノさんが余り無理する事は、無いのですよ。
 メノウねぇが落ち着いた時に友達を怪我させた、って聞いたら、メノウねぇはまたうるさいですから。」

ふい、とそっぽを向いてクリスは言う。
……彼女も単純に、怪我をして欲しくないのだろう。 メノウのともだちに。

116とある世界の冒険者:2013/07/08(月) 00:39:17 ID:VkbR3fPM
「大丈夫、うちも頑張るよ。
せやないと……何の為に頑張って強くなったか、分かれへんもん。」

申し訳無い様な表情を浮かべ、しかし笑みながら。
彼女もここで多少の無理をせねば、あの子の心を開くのは無理だと分かっているからだ。

117とある世界の冒険者:2013/07/08(月) 00:43:00 ID:OYhWil5M
「…………メノウねぇの友達はバカばっかりなのです。」

言い、少し早足で娘が進む。
そうしてその先に、見知った姿を見付けたようで。

「……アレは――ダイヤ、と……ヒスイ?
 ラーナイお姉ちゃんも……」

118とある世界の冒険者:2013/07/08(月) 00:56:55 ID:VkbR3fPM
「……ごめんな。」

未だ申し訳無さそうな表情をしつつも、ここを譲る気は無い様だ。
歩調を合わせ行く先に、誰かの姿。

「……?
先に出とった二人と……またお姉ちゃん?」

119とある世界の冒険者:2013/07/08(月) 01:00:07 ID:OYhWil5M
「それでメノウねぇを泣かせたら、私だって許さないのですよ。」


ぷい、とそっぽを向いて、
念の為に先程の神銃を取り出しておく。

「です、メノウねぇと良く遊んでくれてる……
 おーいっ、ダイヤーっ、ヒスイーっ!」

そうして、駆け足で駆け寄っていった。
……はて、これからどうなるのか……。

【明日はあっちだ、FO】

120とある世界の冒険者:2013/07/08(月) 01:05:01 ID:VkbR3fPM
「……はぁい。分かってるでございます。」
態と丁寧な口調で言う。
一種の誤魔化しとも言えるが……

「あ、待ってぇ!」
ともかく、今は合流が先。
慌てて後を追う様に駆け出して行った。

【そっちか、フェードアウト】

121とある世界の冒険者:2013/07/20(土) 22:23:22 ID:hdrZr/cg
-王都 某研究機関内-

『ふぅん、成程ねぇ。
これが何に使われてたかとか、そういうのが分かれば良いんだよね?』
「あぁ、頼めるか?」
『まっかせてよ、こーいうのなら得意だし。……多分。』

拾ったネコの耳に付けられていた、謎の金属片。
そしてそれを追うと思われる謎の刺客。

全うに迎え撃つ為、オートバルケは事の成り行きで手を借りる事となったロザリーと行動を共にしていた。
紆余曲折を経て、漸くその謎が解明されようとしているのだった……。

122とある世界の冒険者:2013/07/20(土) 22:30:58 ID:B47/G/6w
「……どんなものにしろ、刺客に狙われる理由がコレとし思えないからな………。
詳しくわかれば刺客の出目もわかるかもしれない。頼んだ。」
なりいきでともに行動することになった赤髪蒼眼の女性。
金属片を詳しく調べてくれるという人物に頭を軽く下げて

123とある世界の冒険者:2013/07/20(土) 22:37:37 ID:hdrZr/cg
『まっかせてよ。
にしてもコレ……随分と古いなぁ。
エウロスの確立は確かに結構前だけど、コレ程までは……ちょーっと待っててねっと。』

言うが早いか、卓上のファイルの一つを手に取って広げ始める。
中には大小様々な金属片があり、「蒸気機構の発展」とファイルの背表紙に書かれている。

「……そんなに古い物なのか?これは。」
『そうだねぇ、ルニアから貰ったデータの含有魔力から見ると、ざっと50って所かなぁ。』
「見ただけで分かる物なのか?」
『カンだよ、カン。オレも結構こういうの長いし、まぁそれなりにね。』

124とある世界の冒険者:2013/07/20(土) 22:41:01 ID:B47/G/6w
「……そこまで古いものに何かしらの価値が有るのか………?」
自身の知らない部門からの話なので様々な疑問が思い浮かんでくるが、
とりあえず、刺客と結びつきそうなところを訪ねてみる。

125とある世界の冒険者:2013/07/20(土) 22:49:01 ID:hdrZr/cg
『あるとも、メタ・ヴァプールの発展に関しては色々とアレな部分も多いからねぇ。
例えば……あったあった、そうだな。』

ページの一つに手が止まり、そこを指差しながらもう片方の手で金属片を翳す。
それらを光の下で何度も見比べ、一つ頷く。

『スチームアイランドで"真っ先に"動作不良を起こした機械の破片……とか。』
「つまり、事故の原因……って事か?」

『そうそう、そーいう事。
しかもこの感じ……大きな声じゃ言えないけど……』
「……?」


『事故じゃなかったかもね、コレ。』
「な……!?」

126とある世界の冒険者:2013/07/20(土) 22:56:17 ID:B47/G/6w
「………真っ先に不良動作を起こして、なおかつ事故じゃなかった……!?
……それじゃあ、事故に見せかけて壊したってことになるじゃないか……!」
金属片からわかったまさかの情報に思わず驚き。
だが、オートバルケを襲ったことを考えるとそこまでおかしいとも思えてこない。

「あいつらはテロリストとかそういう連中なのか……!?」

127とある世界の冒険者:2013/07/20(土) 23:07:20 ID:hdrZr/cg
『そーいう事になるね。
……かなり凄いね、それが本当だとすると。
だって、街の人でさえまだ事故だと思ってるんだもん。』
メカニックが複雑な表情をして、ファイルを閉じる。

「参ったな、これは……。」
思わぬ事態の大きさにオートバルケは嘆息し、ロザリーへと向く。

「やっぱり、君は手を引くべきだ、ここまで来ると。」

128とある世界の冒険者:2013/07/20(土) 23:17:31 ID:B47/G/6w
「となると、奴らの目的は口封じ……その猫を拾った君がこの真実に気づく前に始末したかったんだろう。」
思案しているようすでそう言って

「……そうだな、ここまで自体が大きいとなると、君"だけ"が狙われてるなんて思わないほうがいい。
君に手を貸した私にも危機が及んでるって考えたほうがいいな。そこまでやる連中なら私にも口封じをするだろうしな。」
「おお怖い怖い。こうなったら手を引くことはできないだろうよ。」
と、意地悪そうな笑顔でそう言い。
あくまで、手を引く気はないようだ。

129とある世界の冒険者:2013/07/20(土) 23:24:07 ID:hdrZr/cg
『そうだよそうだよ、オレだってこれかなり危ないじゃん!』
「う……。」

二人に痛い所を突かれ、閉口する男性。
巻き込みたくは無かったが……と言うのは後の祭りだ。既に迎撃した時には顔を見られてしまったのだから。

「……妙な事に巻き込んでしまって済まなかった。
しかし……これなら打つ手はあるな……最善の手が取れれば、闘わない事が出来る程には。」

ただ、彼の考え……真実を明らかにするには問題が幾つかあった。
金属片だけでは決定的な証拠にはならない。
今探れる情報だけで国へと公に届けられる証拠が揃わなければ、やはり戦わねばならない。

130とある世界の冒険者:2013/07/20(土) 23:32:56 ID:B47/G/6w
「最善の手……か、どんな手かはわからないが、変なことはするなよ?
みんなが信じなければそれは真実にならないんだ。」
最善の手と聞いてまず最初に思い浮かんだ"情報を公表してこちらを潰す理由をなくす"と言った行動をさせないように釘を差しておく。
ちなみに思い浮かんだ最悪の手は"カチコミに言って情報を無理やり入手する"だ。

131とある世界の冒険者:2013/07/20(土) 23:42:28 ID:hdrZr/cg
「ああ、そうだな。
特にあの件は事故として広く浸透しているし……何か掴むまでは動かないさ。」

小さく笑み、刺す釘に納得する様に頷く。
似たり寄ったりなのは、最悪の手段だ。
物理的な証拠が掴めないにしても、あの内の誰かを捕える事が出来れば状況もまた変わろう。

『取り敢えず、オレはこのまま金属片をよく調べるよ。
住み込みだから、また何か掴んだら来てよ。』
そして二人へと人なつっこい笑みを浮かべるメカニック。
まだそれほど歳は重ねていないであろうに、しっかりしている。

132とある世界の冒険者:2013/07/20(土) 23:57:32 ID:B47/G/6w
「ん、わかってるならいいんだ。
とはいってもこの金属片以外に情報はないからまた仕入れる必要があるな。」
んー、と考え込んでいる様子でそう言っている。

(金属片から考えるに次に繋がるとすれば蒸気都市になるだろうな……
奴らの本拠地もそこに構えててもおかしくはないと……。)

「ああ、よろしく。
何かあったらすぐに助けを呼べよ。」
軽く手を振って部屋から出ようと

133とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 00:07:48 ID:LaNX89V.
「ここからメタ・ヴァプールは結構距離が離れている。
動くなら、ここで出来る事はやっておいた方が良さそうだな……。」

手を振って見送るメカニックを背に部屋を出て、一つ呟く。
例の遊園地は不可侵領域に近い程、汚染されていると聞く。故に立ち入り禁止区域だ。
直接赴くのも難しいとなれば、やはりあの連中と関わりを持たない訳にも行かない。

あの金属片からもっと有用な情報が出なければ……だが。

「一先ず、今日の所はこれぐらいみたいだな。」

134とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 00:17:12 ID:.V5SBjbg
「あそこに行くにしてももう一度此処によったほうがいいと。
……急ぐ必要も特にないし構わないがな。」
(さすがに汚染されてる場所まで行く度胸はないぞ、ともなれば当時を知ってる人物に聞くか、それこそカチコミに行くかしかないな……。)
金属片からさらなる情報が出ることを期待しつつ、部屋から出て

「さて、帰るにしても出来る限り別れないほうがいいだろうな。
王都の中で襲ってくるとは思えないが、備えるに越したことはないだろう。」

135とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 00:33:31 ID:LaNX89V.
「そうだな、一先ず帰りだ……。
あれが並の手練れじゃないと分かった以上、行動は極力合わせた方が良いな。
先にロザリーの住む所まで送ろう。俺はそこから馬車で酒場に向かって宿をとる事にするよ。」

情報に関しては急いても仕方ないので、一先ず帰り路へのルートを提案する。
馬車を利用するのも一長一短だが、流石に面倒が増えるとなれば手出しも薄れるだろう。
彼の実力は、相手の方も知っての事であろうし。

136とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 00:41:17 ID:.V5SBjbg
「ああ、別に一緒に泊まっても構わないんだぞ?
オートバルケが手を出してくるとは思えないしな。」
外に出て、マレンゴに跨りつつからかうように笑みながらそんなことを言い出して

137とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 00:51:29 ID:LaNX89V.
「道々どうなっても責任は取れないぞ?」

と、こちらも大仰に手を広げて冗談めく。
無論、そんな事はする筈も無いので最初の提案だったのだが。

「……所でロザリー。
今日の事が全て本当だったとして……気になる事が一つあるんだ。」

138とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 01:02:14 ID:.V5SBjbg
「くっくっく、そっちが手を出してくると思えないほど魅力的じゃないと思っているからな。
……まぁ、冗談だが、少しは慌ててくれてもいいだろうに。」
冗談であることを認めつつ、つまらなさそうにため息を吐いて。

「気になったこと………?」
馬を歩かせながら総言葉を返して
自分だけ馬に乗っているのも理不尽かもしれないが、敵襲に備えるともなれば馬を引っ張っていくわけにも行かないし二人乗りをすれば馬が潰れてしまうので仕方ないのだ。

139とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 01:12:58 ID:LaNX89V.
「おいおい、これでも内心動揺してるんだぞ?
冗談と言えども、女性の"それ"は結構驚くんだ。」

小さく苦笑いして、歩幅を合わせる。
馬に追いつく歩幅なので、少し小走りだが彼も元々自分の足で旅して来た男。
故にこの程度は苦にもならないだろう。

「ああ、その偽装事故の事だ。
何故そうまで手の込んだ事をして……何故彼らは証拠を撒く様な真似をしたんだ?」

140とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 01:25:40 ID:.V5SBjbg
「……動揺を表にしないのがつまらないんだ。
まぁ、お前の言う"それ"なんて女性のジョークの鉄板ではあるし、実際慣れてるんじゃないのか?」
馬の歩きについてくれているオートバルケに感謝しつつ、少しでも遅れたら馬を止めようと心の隅において
……これ以上ゆっくりさせるとマレンゴ自体にもストレスを与えかねないし

「……相手がただの間抜けだから………だったらいいんだがなぁ……。
誰かが意図的に猫に仕込んだのか、事故で猫に引っかかったのを誰かが見たのかのどっちかとしか言えないが………」
はぁ、と大きくため息を付いてマレンゴを軽く撫でる。

141とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 01:35:42 ID:LaNX89V.
「実の所、あまり慣れていない。
10年以上一人旅をしているから、そもそも深く人と関わる機会が無いんだ。」
言う横顔は、少し人恋しそうにも見える。
ただ以前話した様に、地図を描くという目的の方が今は大きいのだろう。

「あの隠し方は意図的だと思うが……
だとすれば、偽装を良しとしなかった人物が居る事になるな。
……生きているかは、さておき。」

思考が加速すると同時に、足も早まる。
軽いジョギングの様な姿勢で前へ出ると、往来を駆けて行く。
……が、その足が不意に止まり、手で制す仕草を見せた。

その理由は乗馬しているロザリーならばはっきりと分かるだろう。
目の前に、不審な人影が佇んでいたからだ。

142とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 01:45:38 ID:.V5SBjbg
「………一緒に旅する相手、見つかればいいな。」
ここで自分が一緒に旅をすると言えるほど感情的な人間でもない。
だが、その寂しそうな横顔を見ると少しはどうにかなってもいいのではないかともおもってしまうのであった。

「猫を拾っただけで襲われるのであればキッチリとどこに隠したかまで吐かされたんだろうよ。
………おっとっと。」
馬の前を走っていく姿を見て元気だな、とも思っていたが、手で制されれば慌てて馬を止める。
そして目の前にいる不審な人影をじっと見て

「……向こうもこっちに気付いているだろうな。どうするんだ?
………まぁ、杞憂であってくれれば嬉しいんだが……。」

143とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 01:52:12 ID:LaNX89V.
「一期一会も、面白いものさ。」

一つ言うと、表情を変える。
目の前の相手……殺意は無いが、敵意はある。
黒ずくめに狐の面……以前会ったうちの一人だ。

「……様子を見よう。ここで手出しはしないだろう。」
『………………。』

そして影は、無言で佇んでいる。

144とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 02:00:57 ID:.V5SBjbg
「それだけじゃつまらないという話さ。」
同じく、憩いの時間は終わったと言わんばかりに表情を引き締める。


「と言っても、真横を通らせてくれるとは思えないがな……。」
そして見覚えのある人物をみながら小声で相談していく
先に手を出すわけにも行かず、結果的に様子を見る形になっている。

145とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 02:05:23 ID:LaNX89V.
「そうだな……。」

『…………。』
依然として、立ったままで動かぬ様子だったが……
不意に、その腕がゆらりと伸び……二人の間に人差し指を向けた。

『……警告……。』
「……何?」

『…………闇は闇。
………真実に近付けば……待つのは、死……。』
仮面の下から、不気味な声が響く。

146とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 02:11:36 ID:.V5SBjbg
「………警告してくれてありがとう……とだけ言っておこう。」
ある種の宣戦布告とも思える言葉に、それだけ言って
と言うよりどんなことを言ったとしても向こうはさほど堪えないだろう。

こんな所で事を構えるのも避けたい。
協力者との帰り道である以上、騒ぎになればそちらに目が行くかもしれないから。

147とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 02:17:59 ID:LaNX89V.
「生憎と、一度死に掛けてるんだ。もう退けないな。」
『…………警告は、した。』

ロザリーの懸念をいとも簡単に拭う様に、その姿は夜の闇へと瞬く間に消えた。
態々警告する事に何の意味があるかは存じ得ぬ所だが……とにかく、今は無事が約束されただろう。

「……行ったか。何だったんだ?」
辺りを見渡し、気配を探りながら独り言の様に呟く。

148とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 02:26:56 ID:.V5SBjbg
「………ふぅ、行ってくれたか。
……ああ、そんなに張り切らなくても良かったんだぞマレンゴ、敵はもういなくなった。」
警告をした後にさっさと消えていく姿を見て、安心したように息を吐いて。
ブルンブルンと鼻を鳴らしているマレンゴの首を優しく撫でる。

「……さぁな、向こうもこっちとやりあったら被害が出るって思ってるんじゃないのか?」

149とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 02:35:20 ID:LaNX89V.
「……益々、只のゴロツキと見ない方が良さそうだな……。
あの狐面……目立たないが、多分一番強い。」

渋い表情をして、呻く様に言う男性。
警戒が終わると再び掛け出し……程なくして宿へと到着する。

150とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 02:44:35 ID:.V5SBjbg
「自分の実力を過大評価しない奴は搦手で来る可能性があるからな……。
尚更単独行動が危うく思えてくるな。」
そんなことを言いながら宿に到着する。
王都の大通りの裏にある『ムーンライト』と書かれた看板が立てかけられているレンガ製の小さな宿屋。
古い雰囲気はあっても決して汚さを感じさせない古き良き宿屋といったところか。

「私も宿暮らしでな、君の宿屋に移り住んでもいいんだが……。
荷物を動かさないといけないから少々時間がかかる。おまけに目立つだろうし避けるべきなんだろうな。」
そう言いながら軽くマレンゴの胴体を撫でる。
何が目立つかと言われればもちろんマレンゴのことであろう。

151とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 02:52:03 ID:LaNX89V.
「だが、これで確信した。
俺達の見立ては間違っていない……やはり、あの事件は……。」

意図は知れぬが、正解ですと言いに来てくれた様な物だ。
宿の看板を見上げながら、思索する様子で呟いた。

「それに、ここの方が風情のある宿で良いじゃないか。
何れにせよ、遠くなく蒸気街へと繰り出さなければいけないだろうしな。」
な、と同意を求める様に撫でられるマレンゴにも笑み掛ける。

152とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 02:59:29 ID:.V5SBjbg
「まぁ、不鮮明なところが多い分、細かく調べていく必要があるだろうがな。」
そう言い、よいしょと声を漏らしながら馬を降りて

「……隣の芝生が青く見えただけなのかもしれないな。
まぁ、遠出の時は頼んだぞ、マレンゴ。」
オートバルケの言葉に反応したのかそれとも飼い主の言葉に反応したのか、はたまた双方か。
ともかく、返事をするように鼻を鳴らしたマレンゴであった。

153とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 03:05:11 ID:LaNX89V.
「態々警告までくれたんだ、探って行けばいずれ当たるだろう。」
半歩ほどずれながらもそう言い

「確かに俺はバッカスの上だから、それもそれで風情はある……か。
……凄いな、君は。ここまで馬と寄り添う事が出来るなんて。」
息の合った様子に素直な感想を漏らし

「じゃあ、俺はここで馬車を待つよ。
便りがあったらまた連絡する。」
1人と1頭へと見える様に手を上げる。

154とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 03:14:36 ID:.V5SBjbg
「だとすればある程度備える必要があるな。
……楽に勝てない、それどころかイレギュラーがあれば負けるかもしれない相手である以上は。」
正面から当たれば負けはしないがな、と付け加えながらも

「ふふ、わかるか?マレンゴとは通じ合っているからな。
ここまで親しみがなければ命をかけることはできないよ。」
嬉しそうな様子で愛馬の胴体を撫でている。

「ああわかった。こっちまで来てくれてもいいし手紙を寄越してくれてもいいぞ。
では、またな……!」
長話してもマレンゴが邪魔になるだろうと思い、宿屋に付いている馬小屋まで歩いて行くのであった……。

155とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 03:20:00 ID:LaNX89V.
「ああ、負けてやる訳には行かないからな。」
手勢の数で言っても中々不利な状況だ。
わざわざ1vs1の状況を用意してくれる程、相手も手温くは無いだろう。

「人馬一体とはこの事だな、ああ。
便りにしてるよ、ロザリー。マレンゴ。」
今一度手を上げると見送り、馬車を取って無事帰路に就いた男性であった。

【フェードアウト】

156とある世界の冒険者:2013/08/18(日) 15:08:25 ID:SmlqhQ6Y
-森-

バキメリメリィッ!と静かな筈の森の奥で大木のへし折れる音がする。
次いで響く、ガスンガスンという何かがぶつかり合う重々しい音。
戦いの音が森の奥から響いて行く…

157とある世界の冒険者:2013/09/03(火) 21:24:05 ID:BowlixNI
-あらすじ-

巨大な斧槍を携え、赤いマントを纏い、一角の龍を模した兜を有す、
身長は2mを超える黒重装鎧。鎧の隙間からは白い骨が見え隠れしている。
それは唐突に現れ、唐突に消え去り…はしない。
何か知らんが此の世界にとどまり続けている。
竜牙兵といえば一般的に使い捨てボーンゴーレムのようなものなのであるが…
この疑問に答えてくれるものは既に周囲にはいない。
館の扉は閉ざされ、どうもこれ以上手助けしてくれる気配はない。

158とある世界の冒険者:2013/09/03(火) 21:46:12 ID:L6JSssB2
>>157
【その場に立ち尽くす黒髪金目の少女。空を仰いで大きく深呼吸する。
そして、重鎧へと向き直った】

「……ええと、こんにちは」
【まずは挨拶だ!】

159とある世界の冒険者:2013/09/03(火) 21:47:49 ID:BowlixNI
>>158
「…」

ガチャ、と音を立てて軽く手を挙げる。
喋らねえ…いや、喋れないのだろう。
だって骨だし。

160とある世界の冒険者:2013/09/03(火) 22:05:30 ID:L6JSssB2
>>159
【喋れなくても意志の疎通はできそうだ。
そのことにまずは安堵し、質問しようとしたところで動きが止まる】

「(……答えられるかな?)
ええと……君は一体何者なんだ?」

161とある世界の冒険者:2013/09/03(火) 22:12:57 ID:BowlixNI
>>160
「…」

ガリガリと地に石突で何かを書く…
何語か分からないがでたらめを書いているわけではなさそうだ。
でも何語か分からないので出鱈目を書いているのと何も変わらない。

162とある世界の冒険者:2013/09/03(火) 22:26:36 ID:L6JSssB2
>>161
「め、メモメモ……あ」【つい癖で学生カバンを探してしまう学生、もう学生じゃないのだど思い直す。
ポケットの中からメモとナイフ型のペンを取り出し、鎧が書いた文字(?)を写していく】

「(うーん、私には難しそうだ……となると、YesNoで答えられる質問…………)」
【顎に手を当て、考え込む】

「……君は、さっきの瘴気の竜と戦ったことがあるのか?」

163とある世界の冒険者:2013/09/03(火) 22:34:19 ID:BowlixNI
>>162
「…」

首を横に振る。
No、と言う事だろう。
つまりは初めてということだ。


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