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第三汎用スレッド

1「鍵を持つ者」:2012/09/29(土) 00:27:21 ID:???
第三の眼なんて無かった

1477とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 22:34:36 ID:jP5j7SuY

「了解した。」

【というと、先ほど自分が出てきた廊下の先へと歩いていく。
例によって、特に言葉でアレコレ言わず、さっさと進んでいく。

以前の身寄りのない者を引き取っていると言っていたからなのか
妙に部屋数が多く感じる。】

「……トレアはどうだったかな?
彼女は実に良い子であるから、君の事について伝えておいたのだが。」

【先へと進みながら、不意にそんな事を尋ねる。
ふと、窓の外を見てみると、そこには中庭が見える。……この施設、かなり広い。】

1478とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 22:37:50 ID:dqp21UH2
>>1477

「真っ直ぐな人です。私には眩しく感じました」

自分のように、歪んだ欲求に取りつかれて動いたりはしないのだろう。
彼女に話しかけられて、一寸面食らったのも、そういう理由があった。

「ただ、私とは水は合わないでしょうね。私は上流の川には住めぬ雑魚のようですから」

そう言いながら、中庭を見やる。
ひょっとしたら、あの辺りもトレアという少女がやったのかもしれない。

1479とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 22:51:20 ID:jP5j7SuY

「くく、真っ当な感想だな。
彼女はこの私から見ても実に眩しく、尊い魅力を持っている。

――――まるで〝天使〟の様な、そんな女性だ。」

【背中しか見えないため、表情は窺えないが、その肩は僅かに笑いに震えている。
まるで、何かに対して楽しんでいるかのように。】

「さて、ここだ。ここが君の部屋となる。
ここにはゲストルームが並んでいるが、その内の一つを君に解放しよう。

君の場合、他の者とは事情が異なる。
そのような者たちとの一緒のスペースではやりづらいであろう?」

【と、部屋を指し示しながら。
言うとおり、隣を見ればいくつか同じようなドアが並んでいる。

しかし、他の部屋に気配はない。……ほとんど使われていないようだ。】

1480とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 22:57:11 ID:dqp21UH2
>>1479

「ご厚意には感謝いたしますが」

なるほど、不自由はしなさそうだ。
だけど、特別に扱われるというのは、いきなりでは懸念が残る。

「他の皆さんは、不満に思われませんか」

いきなり不和を作り上げては、のし上がれなくなるかもしれない。

1481とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 23:03:36 ID:jP5j7SuY

「それはあるまい。ここは実に人の出入りが激しいところでな。

まして、身寄りのない者が多く、その日すら生きれるかどうか怪しいものも多かった。
そんな者たちの寄せ集まりなのだから、そう不満も起きん。」

【不満すら起きないほどにここに来る前の生活が酷いものであったのだろう。
また、言うとおり人の出入りが激しいところであるため、あまり気にはしないのだろう。

仮に不満がよく起きるのならば、この男がこうしてマアスーメを簡単に受け入れるはずがない。】

1482とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 23:07:40 ID:dqp21UH2
>>1481

「……わかりました。では、少し荷物を置かせてもらってもよろしいですか?」

部屋の中も確認しておきたいし。
とりあえず、自分がこの部屋で寝起きするから問題が起こる、ということはなさそうなので安心する。
最終目標は彼に認めてもらうことだが、手始めに地盤作りとして周りの人間に認められる必要がある。
水は合わないが、トレアに認めてもらうことがとっかかりになるだろうか。

1483とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 23:14:27 ID:jP5j7SuY

「……構わん。ここで待っておく。」

【そういうとその場に立って、待機の状態に。
部屋に入って見れば、いわゆる客間ということで多少は良いつくりだ。

基本的なものは揃っており、ベッドのほか、クローゼットなども備え付けだ。
使われていなかったようであるが、誰かが掃除に来ているらしく大きく汚れてはいない。】

1484とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 23:25:00 ID:dqp21UH2
>>1483

(私の借部屋よりむしろ環境がいい。喜ぶべきかしら)

だらだら過ごしていた頃の自分よりいい住まいであった。
何も不満はない。鞄をベッドの上に放り投げて、手早くサルデフェクトのところに戻る。

「お待たせしました」

「とても、良い部屋だと思います。ご厚意に重ねて感謝を」

そして、深く礼。

1485とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 23:30:40 ID:jP5j7SuY

「何、偶々、部屋が余っていただけだ。
綺麗にするばかりでも使うものがいなければ、意味も無かろう。」

【振り返りながら、実に淡々と。
感謝に対して、喜んでいる様子もはたまたその逆も何もない。】

「君の部屋をここにしたのは、もう一つ理由がある。
このゲストルームのスペースから、私の部屋は近くてな。

君が私に仕えるということで、ここに来たのなら、都合がよかろう?」

【近いということは、逆に言えばザーから彼女の居る部屋が近いということである。
つまりは〝何かあったときに素早く対処〟が出来る。】

1486とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 23:36:16 ID:dqp21UH2
>>1485

「……重ね重ね、感謝いたします」

これが認められていることなのか、まだわからない。
ミスリードさせるためのものなのかもしれない。いい気にさせて、何かで使い潰すための。
……わかっていても、嬉しいものは嬉しい。

(なるほど……)

自分は、承認欲求が非常に大きい人間だ。
彼女は、それを今自覚した。

「これから先、つまらぬ雑事でも、どうか何なりとお申し付けください」

で、あれば。
尽くすのは、今のところ、何の苦でもなかった。

1487とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 23:45:13 ID:jP5j7SuY

「何とも。働き者が増えたことだ。」

【変わらないその妙な忠誠心にやれやれ、と肩を竦めつつ。】

「ちなみにその部屋には浴室は付いていない。
実に面倒ではあるが、この部屋を出て廊下をこちら側に行けば共同の浴室がある。
そして、生憎だが男女の区別はない。いわゆる混浴になる。

だが、この共同浴室は客人用だから、寺院が引き取った者は入ってこない。安心したまえ。」

【と、自分達が先のほうの廊下を指しながら説明する。
少々、不便ではあるが元々、複数人で利用することが前提で建てられているため仕方がない。】

1488とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 23:50:37 ID:dqp21UH2
>>1487

「……は」

そもそも混浴には特に抵抗はなかったが、まぁそういうことなら別に拒む理由はない。
ただ、そうなると自分ひとりのために湯を張って、浴槽を洗うのだろうか?
……ちょっと経済的でないように感じる。

「その共同浴室は、私以外にも利用する者は、いるのでしょうか」

例えば目の前の人物とか。

1489とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 23:57:28 ID:jP5j7SuY
「客人が来るならば、その客が使っているな。あとは私やトレアが使うくらいだ。
あぁ、君が気にするというのならば、利用の時間帯を定めるがどうかね?」

【わざわざ尋ねるということで、混浴であることを気にしていると思ったようだ。
だが、使う人数が極めて少ないため、タイムテーブルも定めやすい、と。

経済的ではないことに代わりはないのだが。】

1490とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 00:00:31 ID:cuSVCrns
>>1489

「いえ。少数のために湯を張るのは、非経済的だと思ったので」

全員一緒にしたほうがリーズナブルな気もするが。
しかし、サルデフェクトとトレアが以前からそこを使っているということなので、何か理由があるのだろう。

「……いえ。失礼。何でもありませんし、私は混浴に不都合は感じません」

「お望みとあらば、お体を洗う役目も、承りますが」

平然と、眉一つ動かさずそんな事を言う。

1491とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 00:04:02 ID:cuSVCrns
>>1489

「いえ。少数のために湯を張るのは、非経済的だと思ったので」

全員一緒にしたほうがリーズナブルな気もするが。
しかし、サルデフェクトとトレアが以前からそこを使っているということなので、何か理由があるのだろう。

「……いえ。失礼。何でもありませんし、私は混浴に不都合は感じません」

「お望みとあらば、お体を洗う役目も、承りますが」

平然と、眉一つ動かさずそんな事を言う。

1492とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 00:04:33 ID:cuSVCrns
ぎゃあ二重投稿

1493とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 00:07:40 ID:9iZ2C59o
「……おや、そうか。
それにしても、揃いも揃って同じことを言うのだな。

子供でもあるまいし、そのようなことを私にする必要はなかろう。
どうせ、体を洗うというのならば、あちらの浴場で子供の体でも洗ってやるといい。」

【どうやら、トレアも同じようなことを言って、彼の体を洗おうとしたようだ。
尤も、彼の言い方から推測して、それは適わなかった様だが。】

1494とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 00:19:46 ID:cuSVCrns
>>1493

「は。……命令と、あれば」

何か違うが命令ならばそれでも構わない。
子供を相手にするというのは、ちょっと骨が折れるが。

(……夜伽も、命令ならばやりましょうと言っても鼻にもかけてくれないでしょうね)

これまでの反応から、そのあたりの命令はないだろうと踏む。
もし万が一あっても取り乱すつもりはないが。

1495とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 00:29:51 ID:9iZ2C59o
「まぁ、こういう命令をすることはまず無いであろう。
あの手の者達は警戒心が強く、極端に攻撃的であったり防御的であったりする。

おそらくは私でなければ、意味が無い。」

【つまりはマアスーメでは無理だという話である。
とはいえ、腕をどうこうという訳ではなく、単純に向こうの反応なのだろう。】

「とはいえ、何も命令がないと言うのは契約違反だ。
幸い、一つばかりちょうど良い命令があったため、それを命じておくとしよう。」

【これでは命令することが無い、と思いきや用意はしていたらしい。
果たして、どんな命令であろうか。】

1496とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 00:34:06 ID:cuSVCrns
>>1495

「……性的虐待の被害者ですか?」

聞き及んで知っている範疇で予測してみる。

「そうでなくば、育児放棄でしょうかね」

尤も、自分にまわされる仕事になりそうにないということなら、知ったからなんだという話しだが。
それから、命令があると聞くと、即座に姿勢を正す。

「は。何でも拝領いたしましょう」

1497とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 00:40:56 ID:9iZ2C59o
「……事情は様々だ。私も把握はし切れない。
それを私が会話し、相手が同意することによって、彼らはここに居る。

恐らくは私にしか心を開いていない。」

【実はこの寺院に居るものの特長として一つあるのが
この男が無理矢理連れてきたという人物は一人も居ないということである。

マアスーメがそれを知るのはもう少し後になるかもしれないが。】

「私は定期的に夜に外を出歩いている。それのお供を頼むとしよう。
これでも、退魔を主にしていた時期もあってな……そういうものが存在すれば排除している。

無論、そう居るものでもないため、ただの散歩に終わることも多いがね。」

【マアスーメと出会ったときが正にそういう状態だったのだろう。
あの時、確かにこの聖職者は魔物と退治しており、それを撃退・浄化している。】

1498とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 00:46:17 ID:cuSVCrns
>>1497

「なるほど……」

人心掌握術に長けた人物か。彼女はそう彼を分析する。
だからこそ、自分もふらふらとやってきてしまったと考えることもできる。
とりあえず、仕えるに値する人でいつづけてくれるなら、何だって別に不満はない。
清純潔白な聖人でも、極悪非道な大悪党でも、自分を認め、使ってくれるなら何でって良かった。

「は。喜んで承ります」

いきなり付き人になれた。
これは即ち、戦力の一つということであり、護衛ということであり、最悪囮に、殿に、捨て駒ということである。
彼女にとっては、なかなかゾクゾクする立場であった。

1499とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 00:52:49 ID:9iZ2C59o

「君の働きには期待しよう。
と、言いたいがもう一度だけ、確認をしておこう。


――――――未練は無いかね?」


【迎え入れたときと同じ、神託を告げるような口調。
元々、重々しい口調が更に、重くのしかかるようになる。

これが何を意味するのかは分からない。
予想したように囮や捨て駒にされるのかもしれないし、あるいはもう逃げられないという意味かもしれ無い。】

1500とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 00:55:27 ID:cuSVCrns
>>1499

「――未練、ですか?」

何のことやら。
学生としての身分? いいや、あれは仮初のものだった。執着が残るような暮らし方は、していない。
他に、自分にどんな立場があっただろう。神童計画の風神としての自分? 元組織は瓦解し、仲間もどこかへ消えたのに。未練も何も無い。

「いえ。あるのは、私を導く主に仕えられるのだという、喜びと、期待のみです」

どう考えても未練になりそうなものが思いつかないので、そう答えた。

1501とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 01:02:11 ID:9iZ2C59o

「……よろしい。」

【軽く目を閉じて、口元を僅かに笑いに歪ませた。
まるで予想通りの答えが得られて、満足したように。

……もしかすれば、試されたのかもしれない。】

「改めて君を迎え入れよう。マアスーメ・エルハーム・レイラー。」

【彼の発言や口調は一々、聖職者である。
ここに居る人々が彼によって説得させられ、意思が芽生えたというのも頷けるかもしれない。】

1502とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 01:09:46 ID:cuSVCrns
>>1501

「……は。光栄です」

まただ。
彼に認められたと思うたびに、暗い快楽が背に走る。
それを悟られぬように、極めて平然とした様子で答える。

「この身、あなたのために奉仕し、必ずご期待に応えましょう」

それから、そう述べるのであった。

//では限界なので、これにて。

1503とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 01:20:31 ID:9iZ2C59o

「とはいえ、今夜は時間はもう遅い。就寝時間も既に過ぎてしまっている。
今日のところは、体を休めておくが良い。

何かあれば、私の私室に来るといい。
扉に札が掛かってなければ、遠慮なく入りたまえ。」

【命令を下したものの、今日は遅いからか出かけるつもりは無いらしい。
そのため、早速であるが、今日はお休みだ。

そして、軽い連絡を終えると自らも私室のほうへと去っていったとか、FO】

//了解、ありがとうございました!

1504とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 21:22:38 ID:9iZ2C59o
<王都近くの草原>

「…………。」

【草原を歩くは黒の法衣を纏い、ストラを付けた長身の男性である。
手を後ろ手に組むような姿勢で歩く姿は聖職者とは思えぬほどの威圧感を放っている。

ところで、この男性はいつもは一人で出歩くことが多かった。
しかし、今回は……というより今回からは少々、毛色が違う。なぜならば――――。】

1505とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 21:40:47 ID:cuSVCrns
>>1504

――二人に増えたからである。
法衣を身に着けた男の三歩後ろを、祈るような姿勢でついていく修道女が一人追加されたのだ。
楚々とした修道服に、髪が出ぬように几帳面な頭巾を被っている。
最近入門したばかりの、新しい信徒である……というのが建前。

(……腰巾着冥利に尽きるポジション)

実際のところ、突然懐いた犬であった。
彼女の特殊な出生がそうさせたのか、環境がそうさせたのか、生まれ持った歪か。

1506とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 21:51:30 ID:9iZ2C59o

「……シスター。別にそこまで装わなくても良いのだぞ、ラクにしたまえ。」

【当の本人が一番、聖職らしくない雰囲気を持って歩いているからである。
とはいえ、その対比が彼女が修道女であるという説得力を逆に持たせるのかもしれないが。】

「装わなくとも、大抵のものならば欺けるであろう。」

【黙って歩いているだけで、大抵は騙せると。
見た目による補正という物は実に大きいのである。

よもや、彼に仕えているいわゆる部下と見抜けるものはそう居ないだろう。】

1507とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 21:56:59 ID:cuSVCrns
>>1506

「は。無難な姿勢を心がけたつもりでしたが」

とりあえず、顔を上げる。
胸元で組んでいた掌も解いた。
着慣れぬ装いではあるが、集団に属していることを示すのにはこの上ない目印となるのが制服だ。
これ以外だと、高校の頃に着ていのが最後か。
あの頃に一度、他の神童計画の人間とも出会ったが、今頃どうしていているだろうか。
……どうしていても、今となっては無関係なことだが。

「……今晩は、何か出そうですか」

ぐるりを見渡すが、彼女には特に異常は見つけられない様子だ。

1508とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 22:06:55 ID:9iZ2C59o

「……心がけは殊勝だな。
だが、露骨過ぎてもそれはそれで疑わしいものだ。分かるであろう?」

【くるりとそちらに振り返って。

シスターだからと言って、それを意識しすぎて振舞うのもよくないと。
ステレオタイプ的なイメージは強力ではあるものの、型に嵌り過ぎても怪しい。

その辺りのさじ加減は実に困難と言えるものだ。】


「さて。あのような魔物など、そう出るものではないのでな。
……君の期待する護衛が出来る可能性は低い。

まぁ、私としては何も出ない方が喜ばしいのだがね。」

【再び、前を向いて進み始める。
くつくつ、と喉の奥の方で低く笑って。】

1509とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 22:12:53 ID:cuSVCrns
>>1508

「は。気をつけます」

素直に頷く。
もとより、彼女に対して何を言っても、彼女は言われた通りにするだろうが。

「……いえ、御身に仇なす存在は、いなければいないに越したことはありません」

「私は、御身の傍にいられるだけで、非常に光栄に思っています」

おべっかでもなんでもなく、彼女の場合本心であった。

1510とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 22:19:59 ID:9iZ2C59o

「いやはや、本当に殊勝な娘だ。
私も実質的に部下を持ったこともあるが、ここまでの者は初めてだ。」

【彼の話の中に聖職は聖職でも荒事……すなわち〝魔を狩る〟ことに従事していた時期のものがあった。
おそらく、部下を持ったというのはそのときの事であろう。

いつぞやの魔物との戦闘を見る限り、この聖職者の戦闘能力は高い。】

「君の様なものが当時、私の下にいれば、さぞ苦心せずに済んだであろうに。」

1511とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 22:24:30 ID:cuSVCrns
>>1510

「……はい。私も、御身のような方に、早く出会いたかったものです」

ぞくり。
欲しいタイミングで、欲しいものを、的確に与えてくる。
彼女は自分の心が読まれているような感覚に、一抹の恐怖を感じた。

だが――。
その恐怖に勝る、どうしようもない快楽が身体を突き抜けるのは抗いがたい事実であった。

「そうすれば、死んだように過ごす日々を迎えずに済んだかと」

仮初の、どうしようもない毎日。
芯がもてないまま、ふらふらとゾンビのように過ごしていた日は、最早遠い日のことに感じる。

1512とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 22:34:38 ID:9iZ2C59o

「本当に――――――ほう。」

【何か言いかけたが、不意に足が止まったかと思うと、
その瞬間には手が白く輝き、そこに杭の様な魔力塊が生成されていた。

見れば、ザーの少し先で獣というには異質な……だが、四足歩行の生き物がこちらに向けて駆けて来る。
よく見れば、先日、彼が打倒していた物と同タイプの魔物のようだ。

以前と違うのは数が少々、多いこと。
自然界では仲間意識が非常に強く、仲間がやられたことを根に持つ獣もいるらしい。
この魔物もそういう手合いなのだろうか。】

1513とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 22:40:43 ID:cuSVCrns
>>1512

「迎え撃ちましょう」

彼女は懐から、蛇が巻きついたデザインの手鏡を取り出す。
それが発光したかと思うと、二人の屈強な褐色の男たちが現れた。それぞれ金と銀の仮面を被り、細く長い槍を手にしている。

「ガド、ゲド。御身に勝利を」

号令を受けた男たちはあっという間に駆け出し、向かってくる魔物に対し槍を突き出しながら突進する。
この素早く、鋭い一撃が彼らの戦法だ。左右に分かれて飛び出し、弧を描くようにして接近、挟撃を取る連携技である。

1514とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 22:51:30 ID:9iZ2C59o

「どうやら、君が来た祝砲を上げて貰えるようだ。
……ほう、召喚か。よろしい。ならば、その力を見せてもらうとしよう。

――――命ずる。打倒しろ。」

【手に宿した魔力塊を解きながら、命令を下す。
初の戦闘ということで、その力を観察するようだ。

加えて、彼の力は〝魔〟に対して効果を発揮するものも多いため
召喚術とは少々、相性の悪い部分もあるためであろう。】


【魔物の集団は不意を突かれたか、一部が早速、その一撃に甘んじてしまう。
だが、それを見るなり足を止め、ガドとゲドそれぞれに飛びかかろうと。

爪や牙には魔力が流れているらしく妖しく輝いている。霊体だとしても対応できるようだ。】

1515とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 22:58:23 ID:cuSVCrns
>>1514

「必ずや」

男たちの戦い方は、未開の蛮族そのままだ。
爪や牙を受けてもなおその存在を維持し、無表情の仮面からは狂気さえ滲む。
魔物を串刺しにしたため、多数に対応できなくなっても構うことなく、槍をその場に捨て、その肉体で戦う。

「――」

また、彼女も強力な術者である。
ガドとゲドが魔物を足止めしているところに、風の魔術による刃で切り裂くのだ。
薄緑の風による刃が、交戦中の魔物を襲う。

1516とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 23:07:40 ID:9iZ2C59o

【マアスーメの風によって、へしゃげた様な声をあげながら魔物が切り刻まれ、飛ばされる。
ガドやゲドに食らいついていた魔物もたまらず、口を離しゴロゴロと転がっていく。

風という広範囲にわたる攻撃の所為か、あっという間に数が減っていく。
残り数匹となったところで、魔物も風の強力さを認識したのか、二手に分かれる。

そして、威嚇するようにグルグルと喉を鳴らすと口を開け、そこから魔弾を打ち出した。
中々に戦闘手段は豊富な魔物のようであるが、もう、手遅れであろう。】

「いやはや、私は運がよかったのかもしれん。」

【そんな、ほとんど蹂躙ともいえる光景を目の当たりにして、くつくつと笑う。】

1517とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 23:11:55 ID:cuSVCrns
>>1516

「――終了」

飛び出した魔弾の軌道に、突風をぶつけることで逸らす。
防いで完全に魔弾の存在を殺すより、見当違いの方向に逸らすほうがコストパフォーマンスがよろしい。
そして、打ち出すために足の止まったそれぞれの魔物には、程なくしてガド、ゲドの拳が振るわれるという寸法だ。

「第二波がなければ、安全かと」

一応、油断無く見回してみる。

1518とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 23:19:02 ID:9iZ2C59o

「……ご苦労。その2人を消しておけ。」

【そう告げると、自ら前に出る。
手には既に魔力塊を持っているが、何やら三角錐状のものである。

そして、それを上空へと放り投げた。
すると、上空でその三角錐が散り、細かい結晶となって魔物たちに降り注ぐ。

その魔力塊に編まれているのは魔を祓う力。聖職に許された神秘である。
突き刺さることで、たちまち浄化され、消えていく。

程なくして、この場がただの草原へと戻った。
つい先ほど、魔物の集団と交戦していたとは思えない。】

1519とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 23:22:36 ID:cuSVCrns
>>1518

「は……」

男たち二人は魔力を切られ、その場で霧散する。
その直後に魔物たちが浄化され、跡形も無く消え去った。

(徹底した証拠隠滅を兼ねている……?)

そういえば、出会ったときも同じことをしていた。

1520とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 23:32:35 ID:9iZ2C59o

「……こんなものか。」

【周囲を確認し、魔の雰囲気を感じ取ろうと周囲に意識を向ける。
集団であったためか、念を入れ、マアスーメの背後のほうにも自ら歩いて確認を。

が、それはもう無いようだ。懸念されていた第二波も。】

「改めて、ご苦労であったな、マアスーメ。」

【と、マアスーメの方へと歩みながら改めて労いの言葉をかける。

傍まで近づいて頭をなでたり、肩に手を置いたりするかと思いきや、そんなことはなかった。
近づく距離も歩いていたときと同じ一定の距離まで近づくと足を止めた。】

1521とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 23:36:56 ID:cuSVCrns
>>1520

「は。ありがとうございます」

恭しく頭を垂れる。
触られたのなら、どうにかなりそうだと彼女は内心思っていた。
心の準備でもしておかないと、倒れかねない。
そのため、今回のは彼女にしてみれば、理想的に推移したといえる。

「力になれて、光栄です」

1522とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 23:43:57 ID:9iZ2C59o
「あの魔物たちには感謝の一つでもくれてやらねばなるまいな。
これで、君の力を見定めることが出来たのだから。」

【実際、護衛という物は実力が認められているからこそ成り立つものである。
そのため、彼からすればマアスーメの実力を見たかったのは当然だろう。

尤も、ごく僅かだが対峙もしたため、分かっていたつもりではあった。
しかし、まさか召喚まで使うとは考えても居なかったのだろう。護衛として嬉しい誤算だ。】

「また、君も分かったであろう。私が対峙する魔物とはあの程度のものだ。
アレより高位な物は滅多に現れない。」

【とはいえ、彼は今までずっとこれを危なげなく一人で処理をしていたのであろう。】

1523とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 23:48:52 ID:cuSVCrns
>>1522

「……お戯れを。この身は足りぬ若輩者に過ぎません」

言ってしまってはなんだが、彼女の魔法の数々には派手さがない。
派手ならばいいというものでもないが、すなわち必殺の大技がないということだ。
今のような相手ならば、あの程度でも瞬殺は十分可能だが――。

「巨人殺し(ジャイアント・キリング)には、到底届きません」

「ですが、あの程度ならば一蹴しましょう。……しかし、例外は何事にもついて回ります」

「万一の際には、この身、死力を尽くしてでも勝利をもたらしましょう」

先ほどのレベルにとどまらない、何か大きな存在。
例えば竜種なんかが出ても、何をしてでも勝つと、彼女は誓う。

1524とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 23:58:28 ID:9iZ2C59o

「なるほど。だが、安心するが良い。
幸いにも私にも微力ながら戦闘を行える力は持ち合わせている。

何も〝主人〟が戦闘に参加してはならない道理はあるまい?」

【あくまでも自身で討伐すると誓うマアスーメに対して、そんなことを。
手に余るならば、こちらでも十分に対応するということだ。

だからこその2人歩きでもあるのだろう。
仮に自分に戦闘する気がないのならば、彼女だけに行かせれば良いからである。

無論、監視の意味もあるし、魔物の様な〝浄化〟が効果的な相手を想定しているからでもあるが。】

1525とある世界の冒険者:2014/03/04(火) 00:06:43 ID:F9R.odPo
>>1524

「それは……勿論。肩を並べて敵を打倒できるのは、光栄の極みです」

(言葉が上手い。私が単純なのもあるけど、それ以上に……)

一緒に戦う。
それはつまり、傍らにいる人物を”信頼”できるということだ。
この信頼、期待というのが、彼女にとっては殆ど媚薬のような効果がある。もうそれを見抜いているのだと、彼女は直感した。

1526とある世界の冒険者:2014/03/04(火) 00:16:08 ID:mh/LXyRE

「ならば、そういうことだ。
私が君に期待するように、君も私に対して期待するが良い。」

【信頼という言葉は使わない。期待である。
しかし、単純ながらも甘い言葉が積み重ねられていく。

逆に言うのであれば、彼はマアスーメに利用価値を見出しているということだ。
そうでなければ、わざわざこのように振舞うわけも無い。

徐々にであるが、彼女の実力を測り、それを以て価値を見出す。
とはいえ、彼女を雇った時点である程度の見通しはつけていたのだろうが。】

1527とある世界の冒険者:2014/03/04(火) 00:20:27 ID:F9R.odPo
>>1526

「は。……そうさせて、いただきます」

主に権謀術数を張り巡らせるような企み事を。
巨大な陰謀や野望を実現させようとする主君の懐刀になりたいものだ。
……ちょっとそれには不適当な場所にきたような、気はしないでもないが。

1528とある世界の冒険者:2014/03/04(火) 00:31:33 ID:mh/LXyRE

「それでは、戻るとしようか。
あまり寺院を空けすぎても、良いことは無い。

大半のことはトレアでことが足りるであろうが、完全ではないからな。」

【と、寺院に戻ろうとする。

マアスーメの期待する権謀術数であるが、未だにその影は感じられない。
というよりも、この男自体が、まだ彼女に対して底を見せていないのである。

もちろん、入って間もないと言うのもある。
しかし恐らく度々、名前が出てくるトレアもそういうことは知らないだろう。
何より、彼女は印象どおり、その手のことからは無縁に思える。

では、仮に何か野望があるとして、一体どのようにして手段を講じているのであろうか。】

1529とある世界の冒険者:2014/03/04(火) 00:35:37 ID:F9R.odPo
>>1528

「はい。急ぎ、戻りましょう」

その後を、後ろから三歩置いてついていく。
どうも、すでに彼の掌の上に乗ってしまったような感覚が彼女にはあった。
が、えてして腰ぎんちゃくとか、威を借りる狐なんてのはそういうものだ。
掌の上の、一番いいところを独占するのが、狐の矜持といったところか。

(”底が見えない主君”……どこまで、ポイントを突いてくるのか……)

仕えるにあたって、底が露呈しないのも重要な要因である。
彼は現状、彼女の理想におおむね沿った存在だといえたのだった。

1530とある世界の冒険者:2014/03/04(火) 00:45:33 ID:mh/LXyRE

「……無論だ、シスター。」

【そうして、寺院の方面へと戻っていく。
またも、散歩にしては重苦しい無言の時間が続くことになる。

喋るときはよく喋るのだが、基本的には黙っているのがこの男である。
とはいえ、不用意にアレコレ喋るよりは良いのかもしれないが。
このことも底が見えない一つの要因であろう。

いずれ、マアスーメにも語るときが来るのであろうか。
下手をすれば、来ないかもしれない。全く以て、先が見えない少々、不安な道のりである。

夜闇によってほとんど視界が利かない草原を淡々と二人は歩いていたとか、FO】

//キリが良いので今日はこんな感じですね。お疲れ様でした!

1531とある世界の冒険者:2014/03/17(月) 21:43:36 ID:aDO39r8c
「…………僕の住んでた村まで……あとちょっと、かな。」
村に行くために小型の馬車に揺られつつ、そう話しかける。
目的は両親への挨拶。それと恋人の紹介だ。
馬車はある程度揺れはするが、言うほど乗り心地も悪くはないので乗っている間も話は進むだろう。

その馬車を動かしているのが青い甲冑………ロマノフの執事でもあるフランツでなければの話であるが。

『………………。』
当の本人は何も言わず、ただ無言で馬を走らせている。
後ろの様子は、見向きもしていないがなんか変なオーラがにじみ出ているのはわかるだろう。

1532とある世界の冒険者:2014/03/17(月) 21:48:22 ID:zCH15gfs
「アンナの育った村かぁ、楽しみだな〜。」
少女と共に、少女の故郷へと向かう赤髪の魔法使い。
表面上は楽しげだが、実際の所やや緊張気味。
……彼女の両親に挨拶に行くので、それも当然であるが……

……馬車の御者を務める甲冑の人物が発するオーラが肌を突き刺して来る様で、非常におっかないのであった。

1533とある世界の冒険者:2014/03/17(月) 21:59:31 ID:aDO39r8c
「珍しくも何もない、ただの村だけどね……。」
既に馬車は結構な時間走り続けており、周りの景色も田舎のそれになっている。
まぁ、道はしっかり整備されているようで酔うレベルで揺れたりはしないだろう。
道も開けていて敵の襲来などもないだろう。
……それでも、彼女が怯えざるを得ない対象はいる。丁度目の前の青い鎧とか。

『……………』
……二人が一緒に挨拶に行くと知った時からこんな態度だ。
誰がどう考えても怒っていることは確実だろう!

1534とある世界の冒険者:2014/03/17(月) 22:04:40 ID:zCH15gfs
「風光明媚でいいじゃないか、あはは……。
 ……ところでアンナさん……執事さん、やっぱ怒ってらっしゃいますよね、アレ……。」
と、ちらりと執事の様子を伺いながら声を潜める。

「……門前払いされなかっただけマシだけど……
 ……大丈夫かなぁ……。」

1535とある世界の冒険者:2014/03/17(月) 22:20:55 ID:aDO39r8c
「………怒ったフランツは、僕には止められない……」
ひそひそと声を潜めて、困った様子でフランツを見ている。
……微動だにしていないあたり、聞こえているのか聞こえてないのかわからない。鎧だし。

「その、"僕がフェムトを家族に紹介する"のは筋が通ってるから問題無いと思うよ。
……その後の、付き合いを認めるとかその件はわからないけど……」

1536とある世界の冒険者:2014/03/17(月) 22:27:29 ID:zCH15gfs
「……うーむ、そうですよねぇ……。」
……と、もう一度執事をちらりと。
相変わらず重々しい雰囲気である。

「……なんとか認めてもらえればいいけどなぁ……。
 ……執事さんにも……。」

1537とある世界の冒険者:2014/03/17(月) 22:45:48 ID:aDO39r8c
「……父さん達ならどうにか出来る………と思う。」
明らかに天敵を見てるような目でフランツを見てる。
手も足も出ないのだろうか

「……フェムトならしゃんとすれば認めてもらえると思うよ。
僕だって、フランツとフェムトが仲良くやって欲しいって思ってるから。」

『……そろそろ、村に到着します。準備をお願い致します。』
そんなやりとりをしているうちに景色は変わっていき、民家などが見え始めてくる。
そして、いつものような冷たい声でフランツがそう告げる。
遠目から見た限り敵の襲来があるのかわからないが、見張り塔が見えている以外はごくありふれた村といえるだろう。

1538とある世界の冒険者:2014/03/17(月) 22:48:13 ID:zCH15gfs
「……そうだといいんだけど……。
 ……っと、到着ですね……!」
到着を告げる執事の声に、びくっと背筋を伸ばす。

「……おー、あれがアンナの村かぁ。
 けっこう良い所じゃないか。」

1539とある世界の冒険者:2014/03/17(月) 23:06:57 ID:aDO39r8c
「………ん、緊張するね……」
徐々に速度を落としながら村の中を進んでいく。
時折馬車を見てはよそよそしくする人を見かけるだろう。
……中にはフランツに向かって『俺の愚息によろしく言ってきたか!』なんて声をかけるおっさんもいたが。

「変な人が多いけど………いい村だと思うよ。」
それを聞いて、困ったように笑いながら。
まぁ、声色は嬉しそうだし事実ではあるのだろう。
……ちなみにフランツはさっきの言葉には見向きもしなかった。

1540とある世界の冒険者:2014/03/17(月) 23:18:18 ID:zCH15gfs
「……なんだか村人は……よそよそしいなぁ……?
 ……執事さんに言ったあれ、どういう意味なんだ……?」
若干違和感を感じるも、田舎の村人だしこういうものだろうか、などと思ったり。

「ま、それはともかく、そろそろだねぇ……。
 ……失礼が無い様にしないとな……。」
面会が近くなってくると、流石に青年も緊張した様子を露に>>1825


1541とある世界の冒険者:2014/03/17(月) 23:33:18 ID:aDO39r8c
「………フランツは僕との連絡のためにたまに帰ってきてた。
……王都に住んでる人に連絡する人がたまにいる。変な人だけど。」
過去形、というのはフェムトと居合わせないように来る回数が減ったんだろうか。

やがて馬車はその村の奥にあるそこそこ大きな屋敷の前で止まる。
ここが、実家なのだろう。

『………どうぞ。』
「…………うん。」
そしてフランツがそう言うと、緊張した顔で馬車から降りる。

1542とある世界の冒険者:2014/03/17(月) 23:36:15 ID:zCH15gfs
「ああ、なるほどね……っと、到着か。
 ……えーっと、どうも有難う御座いマシタ……。」
ぎこちなく執事に礼を言いながら、少女に続いて馬車を降りる。

「……さてと……それじゃ、行きましょうか……?
 ……ええっと、お邪魔します……。」
緊張した面持ちで、屋敷の門へと……。

1543とある世界の冒険者:2014/03/17(月) 23:50:37 ID:aDO39r8c
『それが執事の勤めです、お気になさらず。』
「あはは……」
なんか厄いオーラを出しつつ一礼を返す。

『………それでは、どうぞ』
そう言いつつそっと屋敷の扉を開ける。
そして中に招き入れるのだが………。

『……5世様?婦人様?』
「……………?」
屋敷の中は真っ暗。窓にはカーテンすらしている徹底ぶり。
おまけに魔術まで行って真っ暗にしているようで、扉の先が全く見えない。

……はっきり言って、怪しすぎる。

1544とある世界の冒険者:2014/03/17(月) 23:52:57 ID:zCH15gfs
「………。
 ……あれ、留守……だったり……?」
屋敷の中を覗き込むと不自然なほど真っ暗。

「(……この闇に乗じて俺を亡き者にしよう……
 ……とかいう執事の罠じゃないだろうね……?)」
とかなんとか、最悪のケースが頭をよぎったり……。

//すみません、風呂入ってくるので次遅れます!

1545とある世界の冒険者:2014/03/18(火) 00:10:43 ID:n2xPax1k
「…………留守、じゃないと思うけど。」
『私が存じている限り、留守になるということはありえないはずなんですが……。
……とにかく、私が中の様子を確認します。お二人はお待ちください。私は夜目が効くので。』
そう言いつつフランツが屋敷の中に入っていく。
……三人で突入するという選択肢はあったのだろうか。

「……えっと、どうしよう。」
そして、取り残される二人。

1546とある世界の冒険者:2014/03/18(火) 00:29:34 ID:JtzmJFww
ぽかーんとしながら、屋敷に入っていく執事の背を見送り……。

「ど、どうしようね……?
 ……俺達も、入ってみる……?」
と、少女に提案してみる。

1547とある世界の冒険者:2014/03/18(火) 00:57:42 ID:n2xPax1k
「………でも、何かあったら……」
と、悩んでいると突如バッという音と共に真っ暗な部屋に一筋の光が指す。
そう、まるで光の柱のごとく一部が照らされた。
光源は……予め仕込まれていたであろう明かりだ。

そして目の前には黒ずくめの服を着た大男がいた。
髑髏を禍々しくして模しているかのような、威圧することを目的とした仮面をかぶっている。

『………恋とは、いわば深い溜息とともに立ち上る煙。
清められては恋人の瞳に閃く火ともなれば、乱されては恋人の瞳に溢れる大海ともなる。』
そう、照らされた仮面の男は重々しく口を開く。
……この言葉は、有名な劇、それの元になった小説の引用だったか。

『問う。汝、大海を生み出す存在なりや?』

1548とある世界の冒険者:2014/03/18(火) 01:08:03 ID:JtzmJFww
「………!?」
突如まぶしい明かりに照らされて、目を晦ませる。
うっすらと眼を明けてみると、
そこには異様な格好の男の姿……。

「え……ええっ……?」
急に詩的な問いを投げかけられて戸惑う青年。

「……い、いえ……
 どちらかと言えば、閃く火でありたい……と、思います。」
どうやら試されている様子。
気の利いた返しも思いつけばいいのだが、そうもいかず……。
緊張した面持ちで、思ったままの事を口にする。

1549とある世界の冒険者:2014/03/18(火) 01:24:14 ID:n2xPax1k
『…………火は近づけば温いだけだが近づきすぎると害をなすもの。』
「その……えっと………」
なにやら言葉を続けようとしていた仮面の男の言葉に割り込む形で戸惑った様子で口を開く少女。
……戸惑いの理由は知らぬ人物が家にいるという理由ではない。逆に知っているからだ。

「何やってるの?
………父さん。」
そう言いながらスタスタと部屋の中に入っていく。
……右手で頭を抑えながら。

『アンナ、ネタバレが早すぎるよ。
いや、全く知らん人からこんなん言われたら戸惑うのも仕方ないと思うけどねぇ!
なんかウィットに冨んだ返しとか期待しちゃうじゃん!』
………と、正体がバレたなりいきなりフランクな口調でしゃべりだす仮面。
見た目の禍々しさとのギャップが、シュールだ。
そしてそんな砕けた口調で喋りだすとともに激が終わったかのように部屋が明るく照らされていく。
……一体何だったのか。

1550とある世界の冒険者:2014/03/18(火) 01:29:09 ID:JtzmJFww
「………。
 ……え、えーっと……。」
なにやら急にキャラが変わる男性に、さらに戸惑う青年。
……そして、この男性の正体は……
……まぁ、うすうす……というか結構気づいていたが、少女の父上の様である。

「あ、あのー……初めまして、フェムト=ヴァーミリオンです……。」
おずおずと自己紹介。
……それにしても、想像していた人物像とはかなりかけ離れている様で驚くばかり。
なんとなく、もっと厳格な人かと思っていたが……。

1551とある世界の冒険者:2014/03/18(火) 01:41:26 ID:n2xPax1k
『……あぁ、こっちが素だ。安心してくれ。
戸惑ってると思うけどさ、なんかかっこいい問いとか一度くらいやってみたくなんない?』
そう言いつつ仮面に手をかけて外すと、人の良さそうなロマノフと同じ灰色の髪を持った壮年の顔を表す。
ところどころ、ロマノフと似たような顔つきだ。

『ヴィクトロ・イヴァーノビッチ・ロマノフだ。
この衣装は、先祖様からの物でね。
結構いいものだから……君を試すなんて名目のもと、着てみただけさ。』
そう言ってフランクに笑っている。
はっきり言って、なんでこんなのからロマノフが生まれたのか分からないくらい友好的だ。

『話は着替えてからにしようか。
応接室で少し待ってほしい……フランツがこっち見てるからな。』
そう言いつつ無言でフランツが部屋の一室から出てきて、スッと招く動作をする。
……来い、ということだろうか。

1552とある世界の冒険者:2014/03/18(火) 01:49:17 ID:4xMDD0F.
「……あはは……。
えーっと、なんとなく分かります、はい……。
ヴィクトロさん、ですね、よろしくおねがいします。」
少し苦笑しながら、なんとなくこの人とはウマが合いそうな気がする……と思う青年。

「……あ、はい……。
失礼します……。」
案内された通り、応接室へと。
突き刺す様な執事の視線は極力意識しないことに……。

1553とある世界の冒険者:2014/03/18(火) 02:01:13 ID:n2xPax1k
「……えっと………変わってるけど、頼りになる父さんだから。
本当に……変わり者だけど。」
応接室に入りながらそう言う少女。
フランツの目が気になりながらもとやかく言ってこないから大丈夫だと考えたのだろう。
ちなみに当のフランツは一言も発していない。

「………うん。さっきの問答にはあんまり意味がなかったと思うから……。
裏があるかどうかはわかんないけど、ああいう悪戯が好きな人って母さんから聞いてるし……。」

【眠気が……続きは後日お願いします!】

1554とある世界の冒険者:2014/03/19(水) 21:51:01 ID:WMESjg9o
「うん、確かに変わり者っぽいけど……
 ……悪い人じゃなさそうで良かったよ。」
と、声を潜めて答える。

「……このまま和やかに済んでくれるといいんだけどなぁ……。」

1555とある世界の冒険者:2014/03/19(水) 22:07:20 ID:3xVw523w
「うん、穏便に終わってくれるといいなぁ………。」
家族はともかく、フランツのことが気になる少女なのであった。

父『ははは、お待たせしたね!』
「父さん……と、母さん。
えっと……お手柔らかに。」
扉が開き、そこから二人の人物が入ってくる。
一人はフォーマルな姿でやってきた少女の父親、もう一人は……

母『……どうも、君がフェムト君かな?
うちの娘とよろしくやっているというのは。』
明るめの銀髪を腰元まで伸ばした、長身の女性であった。
妙齢の女性でありながら美しさは色あせていない穏やかそうな見た目であった。

1556とある世界の冒険者:2014/03/19(水) 22:10:06 ID:WMESjg9o
(……美人!!)
少女と同じ銀髪の女性の姿に、思わず背筋を伸ばす。

「あ、はい、一応よろしくやらせて頂いております……。
 フェムト=ヴァーミリオンと申します、よろしくお願いします。」
席を立つと、できる限り礼儀正しくぺこりと頭を下げる。

1557とある世界の冒険者:2014/03/19(水) 22:34:31 ID:3xVw523w
母『そんなかしこまらなくてもいいさ。肩の力を抜いてくれると助かる。
先程は、ヴァーミリオン家の御曹司相手に失礼な態度をとって済まないね。』
父『いやいや、ユニークだっただろう?』

並んでいる夫婦の髪色ははそれぞれ灰色と銀髪であるが、ロマノフの髪色はちょうど足して二で割ったような感じだ。

母『タマーラ・ゲルマノヴナ・ロマノフだ、よろしく。
できれば、行き着くところまで行ってくれればこちらとしても助かるところなんだが。』
そう言いながらフェムトに近づいて手を差し出す。
……さり気なく交際容認どころか結婚まで容認しているようなことを言って。

1558とある世界の冒険者:2014/03/19(水) 22:42:07 ID:WMESjg9o
「タマーラさんですね、よろしくです……。
 ……い、行き着くところ、ですか……ははは。
 ……僕としても、そうなれたら嬉しいですね、はい……。」
(なんていうか……こんなにすんなり認めてくれそうな気配とは思わなかったなぁ……。)
と、すこし気が楽になってきた青年。
……しかし……どことなく、執事の気配を感じずにはいられないが……。

1559とある世界の冒険者:2014/03/19(水) 22:57:31 ID:3xVw523w
「え、えっと……母さん?いいの?そんなあっさり」
母『……実際、交際を認めるだけでパイプが繋がると考えれば悪く無い話だからね。
もちろん、不埒者であるのであれば眉間に弾丸でも打ち込もうとは考えたけど。』
父『少なくとも僕の問には正直に答えたみたいだし、いいと思うけど?』
物騒なことになりかねなかったとしても、家族は問題なさそうである。
……ただ………。

鎧『……ですが、五世様の茶番程度では信用しきれないですね。
それ以外にも、信用できるという証がほしいところですが。』
父『茶番って言わなくてもいいじゃないか、フランツ……。』
まぁ、フェムトといざこざがあるフランツは認めていなさそうな様子であった。

1560とある世界の冒険者:2014/03/19(水) 23:06:45 ID:WMESjg9o
「な、なんだか、わりと認めてくださるみたいで……
 ……私としても嬉しいですね、ハイ……あははは……。」
こうもとんとん拍子に話が進んでいいのだろうか……
と、戸惑うやら嬉しいやら。

……しかし、やっぱりそんなに簡単な話では無いようだ。
執事の介入に、緊張が走る……。

「……え、えーっと、執事さん……。
 ……例えば、どうすれな信用して頂けますでしょうか……?」

1561とある世界の冒険者:2014/03/19(水) 23:19:40 ID:3xVw523w
鎧『………五世夫妻はああ見えても結婚までに一波乱ありましてね。
今も、こうやって五体満足でいられるのは単に五世様の実力の賜物と言えます。』
「……フランツ、それは。」
重々しく口を開いたフランツ。
夫妻が当主なのは実力で勝ち取ったと言わんばかりの口調で………。

父『……………と、するとアレか。』
鎧『ええ、実力を示してもらいましょうか。』
わかっていたかのように父親が言い、フランツがそれに頷く。
……フェムトが武具を持ってきているのかを全く聞いていないのに。

1562とある世界の冒険者:2014/03/19(水) 23:23:42 ID:WMESjg9o
「え、あー……そうなんですか?
 ……はは、それはなんていうか意外ですね……?」
一体どんな波乱だったのか……
……もしやこの夫妻、執事と一戦交えていたりとかしたのだろうか?
などと思っていると……

「え、アレ?
 ……あのー、そのアレ、というのは一体……。」
なにやら、実力を示さねばいけない流れ。
……果たしてその方法とは……?

1563とある世界の冒険者:2014/03/19(水) 23:38:37 ID:3xVw523w
鎧『鈍い方ですね、私が納得行っていないのはあなたにお嬢様を守れるかどうかということ。
つまり、あなたに実力があればいいわけです。』
「フランツ、そういうことをするために来たわけじゃないんだから……!」
母『少なくとも、私個人としては親と殴りあってでも娘を勝ち取るようなガッツがある奴がほしいところだな。
というわけだ。許可する。』
父『まぁ、僕もやったしねぇ。どんな奴が結婚申し込んでもああなるのは確実だろうし、それでイイんじゃない?』
感情がこもっていなさそうな平坦な声で、フランツがそう言っている。
……両親はGOサインを出しているのだが、ふたりとも面白がっているようにも見える。

鎧『私に、力を示してもらいますよ。決闘です。』
そう言って、どこからともなく取り出した白い手袋をフェムトに投げる。
明らかにフランツの手……というよりガントレットにサイズがあっていないあたり、これのために用意したのだろうか。

1564とある世界の冒険者:2014/03/19(水) 23:43:37 ID:WMESjg9o
なんだか勝手に盛り上がっている御両親と執事……。

「……ははぁ……
 ……まぁ、いつかはこういうことになるんだろうなぁとは思ってましたが……。」
しかし、執事の言うことももっとも……。
執事の力がどの程度のものかは知らないが、
これくらいの障壁も乗り越えられない様では少女と添い遂げられなくても仕方あるまい。

それに、こういう展開は実はそんなに嫌いでもない。

「……いいでしょう!
 ……やってやりましょうとも……!!」
投げつけられた手袋を勢い良く拾い上げる!

1565とある世界の冒険者:2014/03/19(水) 23:55:53 ID:3xVw523w
鎧『ふむ、ともなれば話は早いですね。
それでは、ついてきてください。』
そう言いながら部屋から出ていき、中央のエントランスを経由、外に出ていく。

「え、えっと………ふたりとも……怪我はないようにね?」
そして、少女は完全取り残されていた。
彼女からしたらふたりとも仲良くやって欲しいのになんでこうなっているのだろうかと考えているところである。

1566とある世界の冒険者:2014/03/20(木) 00:08:09 ID:NxsXIeY6
「……へへへ……お手柔らかに、お願いしますよ……。」
執事の後について、外へと。

「……どうかな……執事さん本気っぽいし……。
 ……加減して、勝てる相手じゃないと思うんだよねー……?」
少女の心配を他所に、わりとガチなテンションな青年だったり……。


//すみません、今日はこのあたりで……また後日よろしくです!

1567とある世界の冒険者:2014/03/20(木) 23:47:29 ID:P1bN5egU
「………わかった。止めはしないよ。
その代わりに、フランツに僕達のことを……認めさせて。」
フランツとは一度決着を付けたほうがいいと思ったのか、そうフェムトに声をかける。
ただ、勝てるか怪しいと思ってるのか、怪我が怖いなのか、心配そうな表情であった。

鎧『………こっちです。』
そのまま屋敷の裏側に。
そこには丸い中央に赤い点のある的、木人形などがある簡易的な訓練用設備があった。
弾痕やら使い込まれた用具やらがあり、年季が入っている。

その中にある円状に柵で囲んだ簡単な広場の中に入っていく。
……大きさ的に言えば魔術師からすればやや狭めとも言える大きさであるが……。

1568とある世界の冒険者:2014/03/20(木) 23:54:26 ID:Bj3AMbeE
「ん、任せときな……!」
と、少女に笑いかけると、執事の後に着いていく。
少女の期待を裏切らないためにも、なんとしても実力を認めさせたい……。

「……ここで一戦……って事か。
 ……へへ……いっちょ頑張りますかね……。」
ぐるりと訓練場を見回し、飄々と笑みを浮かべて執事に対峙する。
……実のところ、相手は恐らく接近戦で、その上この訓練場の広さ、
一対一の戦いで、前衛は無し……と、純粋な魔導師である青年にとっては苦手な状況である。
なんともなさげな表情とは裏腹に、どう打開したものか、と内心緊張を感じずにはいられない。

1569とある世界の冒険者:2014/03/21(金) 00:11:58 ID:zMUawUJ6
鎧『……意外ですね。あからさまに不利な場で戦うことになっても文句の一つも言わないとは。
もっとも、ここ以外では戦闘できない故、目を瞑ってもらうしかないのですが。
私も、本来の適正戦闘距離と合っていないのですからご容赦を。』
驚いた様子で、そう言いながらそこらにあった盾を拾い上げる。
そしてホルスターからリボルバーを抜き、右手にリボルバー、左手に盾と奇天烈な武装を構える。
柵の近くには無造作に武具が突き刺さっており、その中にはフェムトに合うであろう杖や剣なども見つかるかもしれない。

父『いつ見ても、それ変だよなぁフランツ。
盾以外に持つものとかなかったの?』
鎧『……私にとってはこれが合理的なだけです。
私の使命は魔弾争点中の当主を守る盾になることが故に。』

鎧『そうそう、杖が必要というの出逢えばそこから抜き取ってください。
性能は保証しますが、どうしても自身のを使いたいというのであれば今からでもいいですから取りに行っても構いませんよ?』
傍目から見てもリラックスしている様子でフェムトにそう声をかける。
皮肉まで言っている始末だ。明らかに舐めている。

1570とある世界の冒険者:2014/03/21(金) 00:21:52 ID:F6mEq3SA
「どんな状況だろうと、打開してみせるのが真の魔導師なのさ……。」
と、父親の受け売りを口にしながら、執事の装備をじっと観察。
構えられた盾に、リボルバー……見たことの無い組み合わせだ。

「……あれ、銃を使うのか。
 意外だなぁ、バリバリの剣士かと思ったけど……。」
そういいながら右手を前に突き出すと、
渦巻く魔力が開かれた手のひらに集まっていく……。

「心配御無用、杖なら間に合ってるさ……!」
集まってきた魔力が一瞬光を放ったかと思うと、
古びた魔法の長杖が虚空から現れその手に握られる。

相手は銃使い。
……ことによると、そっちの方が戦いやすいかもしれない。
剣士に距離を詰められ、魔法を詠唱する間もなく切り伏せられるよりは勝機がありそうだが……。

1571とある世界の冒険者:2014/03/21(金) 00:34:48 ID:zMUawUJ6
鎧『ロマノフの秘術は弾丸にあり。
魔弾を巧みに使いこなすロマノフ家に長らく仕える私は魔弾を有効に使う術を知っております』
そう言いながら右手で軽くリボルバーを回転させる。
鎧であるフランツにカスタマイズされているであろうそれは長く使われているにしてもきっちり整備されているのがわかる。

『……杖は用意出来ていると。
それなら問題はないですね。それでは………行きます!』
相手が用意出来たとわかるとその掛け声とともに盾を構えてそのまま真っすぐ突撃。
シールドチャージを仕掛けてくる!

……少なくとも、初手では銃は使わないみたいだ!

1572とある世界の冒険者:2014/03/21(金) 00:43:34 ID:F6mEq3SA
「……それじゃ、よろしく……!」
そして戦いが始まる……。
杖を構えて、執事に対峙。

盾を構えた執事が突撃を仕掛けてくる……
距離を詰めて戦われると魔導師としてはつらい展開。
しかし、一応銃以外の攻撃も視野に入れていたため、意表をつかれたという訳でもない。

『……マウアー・フラム!!』
青年が短く詠唱した呪文に呼応して、
目の前に炎の壁が燃え盛り、執事の行く手を阻む。
……簡易詠唱ゆえに火力は控えめだが、執事の足を一瞬止めるくらいにはなるか……?

1573とある世界の冒険者:2014/03/21(金) 01:01:25 ID:zMUawUJ6
「フェムト、頑張って………!」
父『がんばれよ〜!主にアンナのためにな!』
母『これでダメだったら付き合うこともできんぞ!』
柵の外から少し離れたところから家族揃って応援している。
……少女以外は応援というよりヤジと言うべきか。

鎧『……初手は、そうでしょうね。』
こちらも迎撃のための魔法を使ってくるのはわかっていた。
火球などの直接的な攻撃なら無視して突っ切るつもりであったのだが、時間稼ぎに徹されると面倒だ。
一度攻撃を許すとそこからの攻撃で更に時間を稼がれるという悪循環になりかねないからだ。

『魔弾――――』
故に、こちらは徹底的に攻撃を続ける。
壁に突っ込まないように足を止めつつ拳銃を炎の壁に向ける。
相手の狙いは時間稼ぎ、この壁で視界を防ぎつつ退避するつもりなのだろう。
ならば逃げる前に壁ごと攻撃するのが一番だ。
魔力を拳銃に込める。呼応するのは水色の光。
放つのは魔力で劣る分、相性的に有利な水属性の魔弾を予め詰めておいたお手製の魔弾。

『――ウェーブランス!』
その言葉とともに引き金を引く。
そうすればまず薬莢のみが排出されてフランツの周囲に水で作られた槍が5本ほど生成。
炎の壁の中にかたっぱしから突っ込ませていく。
威力は炎の壁を通過する前に落ちるだろうが、目的はフェムトへの牽制。
当たるかどうかは分からないにしても小細工は通用しないと思わせることができれば、それでいい。

1574とある世界の冒険者:2014/03/21(金) 01:22:40 ID:F6mEq3SA
放たれた水の槍は、炎の壁と相殺し合う。
弱弱しい残り火のみを残した炎の壁の向こうには、

執事の読み通り距離をとった青年の姿、
そして青年は次の魔法の詠唱へと入る。

≪……古き竜、我が一族の血の契約に従いてここへ来たれ≫
≪その身に秘めし焔、我に貸し与えて力と為せ……≫

詠唱の呪文を紡ぐたびに青年の構える杖へと、
太古のエルダードラゴンより与えられし竜の火の魔力が集中していく。
正式な詠唱により紡がれる魔法は、
先ほどの簡易魔法とは比較にならない高火力を秘めている事は容易に察せられる事だろう。

1575とある世界の冒険者:2014/03/21(金) 01:39:37 ID:zMUawUJ6
鎧『………!
火力が足りなかったか……!』
予想以上に相手の魔法が強力だったようで、相殺した程度であった。
……マズイ、そんな思いが頭をよぎる

だが、ここで守りに入るか?
否。ここで守ってはフランツの防御力を明らかに上回る攻撃が飛んでくることだろう。
ならば、ここでも攻撃の手を緩めるべきではない。

鎧『魔弾、ダイヤモンドフォール!』
間に合わなかった時のためにより高い威力が必要だ。
多くの魔力を注ぎ入れるために魔力を複数の魔弾を用いて無理やり補う。
引き金を三回引いて溢れ出る魔力を一束にする。
そして生まれるは魔力を帯びた氷の刃、それが大量に。
それを詠唱を妨害するがために飛ばし、自らも突撃を敢行する!

1576とある世界の冒険者:2014/05/04(日) 23:49:19 ID:irYhBiQA
――テヴェレ市 テヴェレ学園敷地内 

「――よし、今日の分は終わりだ。
 各自日課に課したトレーニングは忘れないように。
 次回の教練以降は実施で獣竜種狩りに赴く、回復薬とモドリ玉忘れるな。

 以上、解散。」


学園敷地内。――ハンター科の学徒と、新しく入った新任の教師――
ハンター科では主に「教官」と呼ばれる――教師が学園敷地の広場の一角で疲れた様子の生徒達に簡単な話を終えていた。

疲れた、キツい、ふるふる可愛い、等と言いながら散り散りに散っていく生徒達。
何人かは「教官」に幾つか質問をしていたようだが、それも終わりまたばらばらと散っていく……。

「……よし、次の実施講義の準備をしておくか。」

人が散って見えるのは金リオ装備に片手剣を装備した男。
誰あろう、つい先日試験にストレート合格した新任教官なのだが、知り合いは彼を見たら「誰だお前」トイウだろう。


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