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第4汎用スレ
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ご利用は計画的に!
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>>1765
スルーした訳じゃ無いですよ
【一応な慰め】
中の人の気まぐれで本当に女の子にされるかもしれないですけどね
【中の人言うな】
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>>1766
「にわかに信じがたい、よはっきり言って」
鎖を軽く引っ張り、碇を手元に引き寄せるとフックショットを仕舞い込んだ
つくづくこいつはだとかなんだとか小声でぶつくさ言っていたような
「やろうと思えばバッカスの酒場の酒のみ漁るだけでいつかなれそうな気もするんだよな、なんなら今から試してみるか?」
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>>1767
それが事実なんですよこれが
その鎖 上手く使えば移動が便利になりそうですね
【無駄に百万$の笑顔で言う】
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>>1768
「………」
そっと眼を逸らした青年
言おうか言うまいか、心の中で迷っているようだ
「………前から思ってたんだけど、僕とオリルさんって相性かなり悪いと思うんだ。」
「目を合わせたら殺し合いになるとか、そんなんじゃない。だけど……」
口をモゴモゴと動かすと、押し黙る青年
少しして、顔をオリルに向ける しかし眼は逸らしたまま
「……帰らせて、もらうよ 悪いけど」
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>>1769
相性が悪い、ですかい?
僕はそう感じたこと無いですけど、なんでそう思うんですかい?
【無駄に可愛らしく小首を傾げる】
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>>1770
「……こっちの考えすぎ、かもしれないけど会話してるとどうも苦手意識が……」
「ごめん、考えさせてほしい」
そっと、オリルの横を通り過ぎると王都とは逆の方に去って行った青年
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>>1771
そうですかー、僕はディフさんを嫌いじゃないですから残念です
ま、とりあえずさよならですよー
【手を振り見送った】
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-フルークガストカンパニー王都支店-
王都内に冒険者向けの店がある。
基本的な道具は勿論、質の良い武具、高価な魔道具までもが置いてある。
「…」
店のカウンター内で
ネオベイ風洋服を着た緑短髪眼鏡娘が
一人本を読んでいる。
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「………ふう。どうも。」
ボロボロのコートを羽織った青年が入ってくる。
入ってくるなりカウンターの奥を見ているあたり、メガネ娘に用事はないのだろう。
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>>1774
「いらっしゃい」
店長は相変わらず愛想がなかった。
そして気も利かない…
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>>1775
「ああ、ええと……レラールさんいる?」
とりあえず、ここに来た用事を行うためにそう訪ねてみる
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>>1776
「…彼は基本私塾に居る」
あえて何も言わなかったがレラールは一応私塾勢である。
フルークガストカンパニーとも繋がってはいるけれど。
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>>1777
「………マジで?」
レラールがてっきりここにいるものだと思っていたので、口をあんぐりさせて驚愕している。
「ああ、うん。だったら、なんか動きやすい服とかあるか?
冒険者向けの。」
とりあえず、このまま買えるのも何なので、別の用事、服の買い替えをやろうと
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>>1778
「…」
店主の視線の先には魔力強化されたレザーコートとか普通のレザーアーマーとか。
冒険者向けのオーソドックスな動きやすく丈夫な服は幾らでもある。
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>>1179
「お、ありがとな。
さてと、どれにしようかね………。」
そう言って鎧やら服やらをひと通り見た後、
「……これにしようかね。これいくらです?」
(……なんだかんだで鎧じゃなくて、こういう服を選ぶあたり格闘家なんだろうなぁ……。)
と、冒険者向けの服を選んでそれの値段を聞き。
……、高いもので泣けえれば普通に買えるのだが、それでもこれがどれだけすごいのかわからない分値段もわからないで内心緊張していたりする。
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>>1780
「…」
提示された金額は割と高め。
ビートって金に縁がなさそうな気がするのだが…
上級クエでもやってないと割かし財布に響く値段である。
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>>1781
「………。もっと安いのある?」
値段見て速攻で妥協した模様。
(もしかして、来る店間違えたんじゃ………)
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>>1782
「…」
び、と指差した方向には『大特価!』の文字と共に割りかし似た様な作りの服。
くる店は多分間違えていない。
ピンキリ揃いなだけである。
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>>1783
「……んじゃ、これで。」
さっきよりテンションが下がった様子で似たような感じの服を選び
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>>1784
それでも最近働いてないビートには大きな出費であろう。
考えてみれば全然金を稼いでいないではないか…
因みにムゲンやベル辺りはクエストをソコソコするので金はある。
でも今頃保釈金でスカンピンだ。
「まいど」
淡々と店長。
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>>1785
(………やべぇ。お金稼がないとジリ貧じゃねーか。
でも、まず腕をどうにかしねぇと金稼ごうとして他人を殺っちゃうんじゃ!?)
資金を稼ごうにも腕に爆弾よりひどいものを抱えている以上、そういうことはできないと悟ってため息を付き。
「ん、この場で装備できるかね?」
ボロボロのコートのまんまじゃあれなので早速着たいと思い、更衣所を探す。
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>>1786
「買ったら装備、基本」
ちゃんと更衣室があった。
装備は持っているだけでは意味がない、という張り紙がしてあった。
鏡は流石になかった…
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>>1787
「ういうい。んじゃあ早速……」
張り紙の言葉のままに更衣所に入ってさっき買った服を着てみる。
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>>1788
防御力がそれなりにあがった。
…いや、それ以外には何も起こらんよ?
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>>1789
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>>1789
「ん、悪くねぇな!」
思った以上に悪くない着心地に満足して更衣室から出て
「いい買い物だったぜ!んじゃな!」
と言って店から出ようと
…会計はしたはずだし。
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>>1791
「またのおこしを」
店長は最後まで淡々としていた。
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>>1792
「……レラールさんに今回のことを報告しようかね…。」
そう言って一人で塾に帰ろうとするが、王都に行く時にジグザルザーっぽいのがいたのを思い出し
「………エルンストどのあたりにいるんだっけ…。」
そう言ってとりあえず協会に戻ろうと
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>>1793
エルンストはビート達三人が教会を出て行ったあと別行動であった。
そして間の悪いことに教会からある神父が出てきていた。
「あ゛?」
グラサン神父、リヒテンであった。
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>>1794
「…………。」
無言で来た方向に戻って逃げようとする
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>>1795
「なんで逃げたああああああ!やっぱりテメェ侵負だなあああああああああ!!」
凄まじい勢いで追いかけてきてヘッドロックかましてきた。
なんて神父だろうか…
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>>1796
「てめぇ!俺が何やろうが侵負って言ってくるだろうがァ!」
ヘッドロックかけられている痛みに堪えながら拘束されたまま腹部を狙ってパンチを繰り出し
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>>1797
「当然だぐふぅ!?手前いい度胸してやがんなあああああああああ!!」
ギリギリとビートを締め上げる。
「おかーさーん、神父さん何してんのー?」
「しっ、見ちゃいけません…」
「何かしらアレ」
「やーねぇ、真昼間から男同士で…」
周囲の人の視線が痛い
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>>1798
「こんなに人がいれば炎の魔法は使えねぇなぁ!
殴りあいなら……いでで!!」
左手で締め上げる腕を出来る限り緩めさせようとして右手で執拗にパンチし続ける。
周囲の人達には気づいていても止める気にはならない。
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>>1799
「馬鹿ま!俺の攻撃法はなあ…格闘主体なんだよ!!」
ずりずり…あ、教会内に引きずり込む気だ!!
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>>1800
「てんめぇ!ふざけやがって!」
足で踏ん張りつつ、重心をずらして出来る限り引きずれれまいと粘る。
ぶっちゃけ魔法使われたら死ぬ。
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>>1801
「ぐぬぬぬぬ…」
どうやらパワーではビートとトントンらしい。
なんとか踏ん張れている。
「大体何一人でうろついていやがる。とっとと帰れよ…」
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>>1802
「ググググググ…!」
とりあえず、均衡状態を保ち
「一人で帰ったらジグザルザーっていう侵負狩りに殺されるんだよ……!」
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>>1803
「お前やっぱ侵負なんじゃねえか…」
ギリギリと締め上げは続く。
「他のは如何した?薄情な奴らだな」
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>>1804
「腕がそうなってるだけだよ……!」
今度は足に向かって右腕を振り下ろし
「勝手に喧嘩しだしたから
テメェに焼かれたりベルに叩かれたりして疲れてんだよこっちは……!」
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>>1805
「うおっと!?」
よけるもバランスを崩す。
そして変な感じに体重がビートにのしかかる!!
「叩かれるようなことしてんだろうが手前があああああああああああ!?」
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>>1806
「へぼっしゅ!」
ギリギリ均衡を保っていた時に向こうがバランスを崩し、こちらにも体重が掛かればこっちもバランスが崩れるのは必然、
そのまま地面に倒れ込む!
「いや、ちょ、ベル、今大事な時だから。ヘタしたら死ぬから!」
……それを誰がやったかはすでにわかっている様子である。
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>>1807
誰も何もやっちゃあいない…そして倒れこむ二人!
「んが!?」
ガツン、といい音がした。
「ぐぉぉおおお…頭打った」
ゴロゴロと転がる神父。
無論拘束は解かれた。
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>>1808
「……いってえ!!」
自身の気のせいとはつゆ知らず、内心ベルのことを恨みながらぶっ倒れる。
「……あったまイテェ………逃げるしかねぇな……」
顎から地面にぶつかる形だったのでいうほど悶絶せずに済み、
とりあえずこの場から離れようと、ついでに塾に帰ろうとする。
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>>1809
塾に帰るには森の中を行くしかないわけだが…次回に続く。
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>>1810
「………一人で帰るのか……まぁ、大丈夫だよな?
腕の力とか使わなきゃ目立たないだろうし。」
……あの恐ろしいジグザルザーがいる森に突っ込まなければならないのかと恐怖するが、
自分の腕のことを考えると一刻も惜しくて、二人と合流することよりも多少の危険があっても早く変えることを優先して。
「……帰るか…。」
無理やり思考をポディシブに切り替えて、森の中に入っていく。
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>>1811
ちっとも大丈夫じゃあない。
入って数分後、目の前に見知った姿が現れる。
「…」
黒色魔剣を片手に携えたジグザルザーであった…
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>>1812
「…………。」
最も会いたくなかった奴に出会ってしまい、ピタリと足が止まって
(いや、どうしよう!腕の侵負を使えばまだ渡り合えるか!?いや、あの太刀筋を見きれるのか!?
そもそもあれ使えるのか!?暴走するんじゃ!?いや、暴走させないと負けるんじゃ……)
と、完全にパニック状態になる。
無論、致命的な隙を晒している。
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>>1813
ジャ、ギィン!!
ジグザルザーの有無を言わさぬ一閃。
黒刃煌めきビートを袈裟切りにするが…
その一撃は、ぬ、とビートの背後から伸びた腕によって阻まれる。
『!?』
「ヒトを探している…」
それは両端を垂らした紅いマフラーと二本角の鉢金を身に付けたボサボサな黒長髪で長身の男。
傍らには煌めき宙を漂う小さな海月の様な『ぴぎゃあ』と鳴く生き物。
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>>1814
(あっ、やべっ!)
パニック状態になっている以上、その袈裟斬りを避けれるわけがなく、一刀両断されかけるも第三者の手によって阻まれて。
とは言いながらも動揺が心のなかから抜けきっていない。
「……ヒト?」
自身の背後にいる相手にむけて背中を向けたままそう訪ねて。
…さすがにジグザルザー相手に背中を向ける度胸はない。
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@すまぬ、ちょい仕事の電話が…時間かかりそうなので今日は中止だ。ごめんなさい!!
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>>1815
『!!』
「去れ」
轟っ!と音を立て凄まじい圧を持った魔力がジグザルザーに殴り叩きつけられる。
ズガガン!と金属音を響かせジグザルザーが
色々な所にぶつかりバウンドしながら盛大に吹っ飛ぶ。
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>>1817
「……………。」
(綺麗なフォームだけじゃねぇな……純粋な身体能力だけじゃあそこまでは行かねぇ…。
……やっぱり、魔法使えねぇとダメなんかねぇ……。腕の侵負取っ払ったら何も残らないんじゃないのか、俺は!?)
その長身の男の一撃を見て、驚きながらもそんな風里考えを巡らせて
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>>1818
ドンガラグシャガツン!
けたたましい音を立てるも最終的には宙返りを決めて地面に膝立ちするジグザルザー。
しかし戦闘続行とはいかずそのまま上空へと逃走した。
「…」
『ぴぎゃぎゃ』
男はそれを目で追う。
海月は呑気にその場を漂っていた。
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>>1819
「……はぁ、死なないで済んだか………。」
ジグザルザーが逃げたのを見て安心したかのようにため息を吐いて
「えーと……助かった。ありがとう。」
といって、助けてくれた男に頭を下げる。
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>>1820
「ああ」
軽く頷く男。
「…ヒトを探している。これと似たようなマフラーをした背の低い娘を見なかったか?」
そしてぶしつけに。
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>>1821
「……娘?」
(マフラーってんならJDか?それならあの腕力の強さも納得だが、あいつはヒューマンじゃないらしいしなぁ。)
そう言って深く考えこんで
マフラーをした人物は一応思いついたが、かと言って素直に話していいのだろうか……
「………そいつとお前の関係…は聞く必要はねぇか。
……そいつの獲物は?」
とりあえず、思いついた人物を挙げるよりも、ある程度絞ってもらったほうがこっちも絞り込めるかもしれないので、そう訪ねてみて。
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>>1822
「持っていない。徒手空拳の筈だ」
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>>1823
(……、JDの可能性は未だあるか。まぁこれで種族聞いて同じだったらそれでいいか。うん。)
「………それじゃあそいつは徒手空拳の人間?ちょっと待ってろ、思い出す……。」
向こうが探している人間が知り合いかどうか確かめるため、あえて種族を尋ねずに人間だと前提にして考えるふりをする。
(…これで無効が突っ込みを入れてくるなら確定だが……。)
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>>1824
「ヒトではあるが人間ではない」
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>>1825
「………魔法は使うか?」
いよいよ、JDの可能性がありえてきて、冷や汗を書きながらもそう尋ねる。
もしも探しているのがJDだったら―――何を考えてJDを探しているのか、探してどうするのか、関係性は、それを知らない奴に教えてしまうことになるからだ。
なにせ、こいつと戦えば俺は絶対に勝てない。
おまけに脅迫されるだけで簡単に喋ってしまうだろう。そういう情けない自身がビートにはあった。
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>>1826
「…ああ」
頷く。
どうもこの男、口数が少ない。
結果何を考えているのか実に分かりにくく、怪しい。
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>>1827
(………、ここでしらばっくれるか?いや、今の情報じゃあJDだと確定したわけじゃない。
あと少し、質問をしてできるかぎり絞り込む…!)
「………最後の質問だ。魔法を使うのがわかってるのなら、その種類と媒体を教えてくれ。」
覚悟を決めたように一度大きく息を吐くと回答によっては確定できそうな質問をして
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>>1828
「リーベンシュラーゲン、医療魔術…媒体か…血、だろうな。おそらく」
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>>1829
(医療技術……リーベンシュラーゲン?
媒体は血………?ってことはJDじゃないのか?まぁ、JDのようでJDじゃないってことでいいのかね…?)
じっくりと、何を言うのか悩みに悩んだ後、
「……良かった、俺の知り合いに似たような奴はいてもちょくちょく違うところがあるからな。
多分、そいつと俺の知り合いは別人だ。リーベンシュラーゲンとか聞いたことでねぇし。」
と、ほとんど真実、の中に少しの嘘を混ぜてごまかそうとする。
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>>1830
「そうか…森私塾と言うのはコッチ良いか?」
指差す方向は間違いなく。
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>>1831
「」
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>>1831
「……探し人とはそこにいるのか?」
指差す方向を見て、探しびとがJDであることを確信して
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>>1833
「かもしれない」
頷く。
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>>1834
「ん……んじゃ、一緒に行ってもいいか?
俺も、そこに用事があるからな。」
(んで、JDに会ってどうするか、聞いておかないとなぁ……。)
と言って、一緒に行くことを提案して
(……他の連中が俺に襲ってくるかもしれないし、用心棒となってくれるだろうしなぁ。)
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>>1835
「?…ああ」
不思議そうに男。
そのまま迷わず歩きだす。
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>>1836
「……さっき娘って言ってたけど、子供を探してるのか?」
歩きながら、男の顔を見てJDの面影あるか確認しようと
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>>1837
面影は…ないように見える。
精悍な顔つきだし、そもそも男女差があるから。
「ああ、子供だな。あれはマダマダ子供だ」
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>>1838
「……見つけたらどうするんだ?
なんか、無理やりにでも連れ出しそうにも思えるし、暖かく見守りそうにも見えるし口数が少ないからよくわからないんだよなぁ……。」
性格も顔も似てねぇなと、失礼なことを思いながらそう訪ねて
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>>1839
「…着いた」
質問に答える前に私塾に到着。
つかつかと中へと入っていく男。
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>>1840
「あ、おいちょっと待てって!」
(どうする!?ドゥクスさん呼ぶか!?いや、それより先にJD見つけるか!?
……何かあったら騒ぎになるだろうし、そしたら人来るだろうからあいつについてくか…。)
色々考えた後に、男の後ろを付いて行って、なにか変な行動をすれば止めに入ろうと。
…すぐにやられるだろうが、それでも騒ぎにはなるだろう。
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>>1841
JD「あれ?」
男「…」
数分後、当然のように邂逅するJDと男。
男「帰るぞ」
JD「…いや」
男「何処に行くのも儀を受けてからにしろ、仕来たりだ」
JD「……RRにーちゃん、うっさい!!」
手を、というか足を出したのはJDの方からだった。
閃光と見紛うばかりのハイキック。
ガスン!という重々しい音、周囲の空気を震わす衝撃波。
そして僅かに陥没する地面。
RR「…」
JD「ぐぬぬ…」
ジグザルザーの一撃を止めたように腕でその蹴りを止めている男。
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>>1842
「ん、にーちゃん?娘って言ってたよな……?」
んん、と小声でそういった後に首を傾げて
「こりゃ、ドゥクスさん呼ばないとやばいんじゃ……!」
この一瞬の互いの動きを見て、時間稼ぎすらできないと確信して一旦壮年を呼ぶためにここから離れようと
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>>1843
ガスン!ドカン!
ただの殴り合いでは絶対に出てこない音が周囲に鳴り響く。
ドゥクス「何の騒ぎだい…?」
?「うっさいなー…」
そりゃ壮年も出てくるってもんである。
一緒に短パンで緑髪の背の小さい野生児風褐色少女が出てきた。
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>>1844
「いや、早くこっちに来てくれよ!
JDとそのお兄さんが戦っててヘタしなくてもJDが連れて行かれそうだよ!」
褐色少女には目もくれず、壮年に対してそう伝えて
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>>1845
ドゥクス
「ああ…やっぱり来たのか。
しかしこうも早いなんて…グロース、頼んだ通りだ大丈夫かい?」
グロース
「任せろ!とーちゃんにも頑張れって言われてきた!!」
ててて、と褐色少女が喧騒へと向かっていく。
ドゥクス「これで暫く大丈夫だろう…多分」
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>>1846
「……えーと、これで大丈夫なのか?
あいつがJDの兄だか親に勝てるとは思えないけど。」
走っていく褐色少女を見送って。
「というより、JDって親に言わないでここに来たのか?
連れ返しに来たとしか思えないけど。」
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>>1847
ドゥクス
「と、おもうだろう?」
ガッスン!
暫くして大きな音が響く。
そのあと数回ガシ、バキとか打撃音が響いて静かになった。
「JDは王都から遠く離れた群島の出でね。そこは王国領なのだけれど…
まあ、昔からの風習で儀式を受け成人しないと外の世界に出てはいけないとされているんだ」
その間、場から動かず語る壮年。
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>>1848
「………マジかよ。」
静かになった様子から、褐色少女がべらぼうに強いことを悟ってそういうことしかできず。
「……、なんでJDはわざわざ儀式しないで外に出たんだ?
要は、儀式受けりゃあ何やったっていいんだろ?」
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>>1849
ドゥクス
「私塾内最強じゃないかな、格闘においては」
あっさりと。
「…その儀式が受け入れ難いものだから、だろうね」
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>>1850
「ああいう、強いやつを見るたびに自信がなくなっていく感覚がするんだよ。
………、やっぱり俺には拳は向いてないのかねぇ…。」
ため息を吐いてうなだれる。
「……受け入れがたい儀式ねぇ…。逃げ出すほどの?」
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>>1851
ドゥクス
「君が今まで見てきた格闘家でニンゲンが何人居たか冷静に数えるといい。
此処には人外で鎧や得物に頼らない、身そのものが武器な子が多い」
「諦める前に拳で戦うための準備をすればいい。正しく冷静で的確な」
何でもないことのように。
「少なくとも彼女にとってはそうだったんだろう。
詳しい内容までは聞いていないからそれが何かは私にもわからないね」
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>>1852
「……人外じゃないとやってられないって聞こえるんだよ。俺じゃあ出来ない手段でみんな対抗してるし。
だから、準備って言われたら俺が人間やめることぐらいしか……はぁ。」
ボリボリと乱暴に自分の頭を掻きむしって
「……んじゃ、俺が聞いてくるわ。」
といってJDのところに戻ろうと
-
>>1853
ドゥクス
「道具には頼っているが人間である続けている男を私は知っているよ。
彼は自身のあり方の為に剣を振るう。
だが、使えるものは何でも使う。剣は手段でしかないからだ。
そういう聞こえ方しかしないなら君はニンゲンという種族の可能性を軽んじているな。
もっとも弱く最も強いのがニンゲンだ。
道端の石ころにコケる者もいれば、小山ほどの竜を屠るのもニンゲンだ」
「……そういうところが君の成長を妨げているようなそうでもないような…すきにしたまえ」
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>>1854
「………俺は、俺の可能性すらもわからないんだ。
そんで、周囲の人間に嫉妬しても越えようと思っても普通の手段じゃ超えられないから変なものに手を出してこのザマだ。
俺を思って言ってくれてるその言葉も拳を捨てて武器を取れって聞こえるくらいどうしようもない人間なんだよ…。」
「……なんで、成長を妨げてるって思うんだ?」
ピタリと足を止めて壮年と向かい合い
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>>1855
ドゥクス
「宙ぶらりんだ、君は。
自身の問題すら解決していない状況で更に厄介事を増やそうとする。
処理できていない、それでいて切実な問題を今いくつ抱えている?
好奇心旺盛なのは結構、行動力があるのも評価しよう。
失礼なのは百も承知だが君は関わる事柄に真摯に向き合っているように見えない。
流れの結果や理不尽に巻き込まれた状況もあるだろうが…」
「JDは馬鹿じゃあない。
それなりの理由を抱えて此処にいる。
半端な気持ちで関わるならそれは誰の為にもならない」
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>>1856
「………、俺は、俺は……。」
何か言葉を絞りだろうとするが、何も浮かばず、下を向いて。
「俺は、どうすればいいのか、わからないんだよ。全然。
腕の侵負をどうにかしたいんだけど、これがなくなったら俺は何もできない無能になっちまう。
どれをすればいいのか、何が正しいのか、何もかもがわからないんだ……。」
と、頭を抱えながら言う。
「………とりあえず、JDに事情を聞くのはやめよう。うん。」
まぁ、少しは話しもわかっていた様子ではあるが。
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>>1857
ドゥクス「…そりゃあ分からないだろう」
当然だ、と壮年は言う。
ドゥクス
「だから仲間がいるし我々教員がいる。
聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥。
三人寄れば文殊の知恵。
そもそもニンゲンなんて弱い生き物だ。
ひとりでやって行けるなんて思い上がりも甚だしい。
私なら先ず使えるものを片っ端から思い浮かべて聞くね、拳で戦うためのものを」
「さ、JDの事情は置いて考えてみ―
JD「ドゥクスー!にーちゃんが私の心臓、ドラゴンに渡すって言ってきかないよー!!」
ドゥクス「成程、これがなし崩しというやつかい!!」
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>>1858
「……わかった。このままじゃ、俺は永遠に変われないよな。
だったら、とりあえず適当に挙げて……」
とりあえず何がいいんだろうかと考えようとした所で、JDの声が聞こえ
「なる程、そりゃあ出て行くわな……。」
そういったあとにハッと何かに気づいたかのような表情になって
「お、俺は関わらないぞ!さっきの話聞いといてそれはできんし!」
と言って
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>>1859
JD「このヒトデナシぃ!困ってるんだから助けておくれよぅ!!」
ドゥクス「まいったな…しかし何故、竜に心臓……」
?「何かそれが一族と竜の間で交わした契約なんだってさ、マジすげくない?」
RR「…」
ホットパンツに臍出しルックな少し小さめな服を着た緑長髪褐色肌の女がやってきた。
ドゥクス「グロース、詳しくきかせてくれないか?」
グロース「だから言ってるっしょ?JDとRRの一族って竜に関わりがあるんだって、マジいけてる」
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>>1860
「………いや、腕のこれどうにかしないといけねぇし…。
……お前らはまだ知らないから言うけどな、コレ、一度暴走したんだぞ?」
右腕を軽く何度か叩いて
「竜か……竜!?えーと、つまり、力を与える代わりに生贄を渡すと?」
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>>1861
グロース「いや、暴走したのはアンタっしょ?話聞いた限りじゃ」
ずずい、と女がビートに近付く。
グロース
「その腕はあくまでチカラ。問題はアンタの心のほうっしょ?
半端な覚悟でチカラ使うからそういうことになるんだって、マジダサい」
ドゥクス
「…言いすぎだと思うんだが」
グロース
「んなことないっしょ?JDなんか儀式受けてないのに儀式受けたRRと渡り合ったし。
魔法使えるからビートとは状況違うけど。でも覚悟あるから行けるって話じゃん?」
「あ、それと生贄なんて前時代的なことしないし、あくまで心臓預かるだけだし。
それでチカラつくんだし、お得じゃねって思う?
まあ、乙女のやわ肌に傷がつくのは勘弁して欲しいよね〜」
よく喋る女である…風呂飯後続くかもしれぬ
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>>1862
「………そうだな。こうやって関わったのはたしかに軽い気持ちだった。
おまけに、俺の心が弱いってのも自覚してる。どうやっても鍛えられなかったんだ。」
(覚悟……か、生きるために戦うってのじゃ足りないだろうしな…。
こういう時、誰かを守るとか、そういう覚悟に目覚めるんだろうが……俺にはそういうもんもねぇしなぁ。)
こうやって関わった時にはそこまで考えていなかったことを思い出しつつ。
「……そんな簡単に強くなれるならいいじゃねーか、なんで拒否するんだよ?」
グロース同様、JDが儀式を拒否する理由がわからない様子である。
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>>1863
JD「…」
だんまりを決め込むJD。
RR「兎も角理由は直接言え、行くぞ」
ドゥクス「ちょ、ちょっと待った。今から群島に帰るのか?確かあそこは今…」
グロース「キュウリュウサイの真っただ中ジャン!マジ半端ない、やばいって」
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>>1864
「……だんまりかよ。言わなきゃ誰も擁護してくれねぇぞ?」
はぁ、と呆れたように息を吐いて
「…キュウリュウサイ?なんじゃそりゃ?」
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