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王立図書館

1755「分岐点1/3」:2017/04/01(土) 21:18:54 ID:WksQa8S2
ゼオ・ウッドフィールドは敵ではない。

 木原の助手であるゼオが敵ならば、真っ先に八卦の使用権限を、停止するだろう。
だが、アルス・ストラグルは、八卦型ゴーレム武装が顕現できている。
したがって、彼が敵ではないと予想するのが、当然の帰結だ。
……もしくは、初めから関わっていないか。
そもそも、木原の助手というだけで、獣狩の騒動に関係している、とは限らないのだ。

 浪費するだけの時間が続く、白亜の混沌達は、まともな干渉を見せないし
吸血王の二人は、笑みこそ浮かべているものの、その視線は、皆を見定めている様だ。
沈黙が、どれほど続いただろうか、根を上げたレイヴンが、一声をあげる。

「――――話を整理しよう
 アルス、君の【八卦】とやらが使えているのなら、ゼオは敵ではない…と、言うことは、奴に協力を仰げる可能性があるって事だな。」

  たとえ"騒動"に関係が無くても、ゼオ自身は、敵ではない。
 ゴシップ等では、気難しい人とされているが、彼は人間。
 協力を仰ぐなら、カオスな人外達よりも、安全で、話も通じるだろう。
レイヴンは、そう考えた。

 『それは、ゼオに会いに行くって事でいいのかな?』

 笑みを浮かべていた、エリザベートが口を開く。
顔に浮かべる表情は、しめしめ、と言わんばかりだ。ようするに予想通り。
黒い手袋の上から、細い手を鳴らす。

『――――語り部君、皆に例のものを』
『はい、かしこまりましタ!!』

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1756「分岐点2/3」:2017/04/01(土) 21:19:18 ID:WksQa8S2
『あぁ残念至極、無念千万、残念無念!!白亜の混沌様は、この騒動にご興味がなさらないご様子。』

 嫌味ったらしい、声を響かせる、語り部…もとい贋作。
悪どい商人の様に手を揉みながら、4人の前へ現れる。
仮面の下は、どんな表情をしているのだうか。

『白亜の混沌様の気を引けないのであれば、木原氏のご助手、そしてアルス様のお知り合いでもある
 ゼオ・ウッドフィールド様へ、ご協力をお願いするのは、至極全うでございます。
 その明晰な頭脳、ワタクシ感服いたしております!!いやいや本当ございますよ!?』
「少なくとも、バカにしている事は分かったよ、語り部。
 吸血女も乗り気、加えてお前が出てきたって事は、このルートが当たりって事で、いいんだな?」

 不機嫌そうな目を浮かべるレイヴン。シャキン、ラピュセル・アルスの三人からは
散弾銃のトリガーに、指をかけているのが見える。撃つなよ。

『ホホッ とんでもこざいません!! ささっ、エリザベート様から承った品は、こちらでございます!!』

 懐から取り出された、木製の宝石箱。
ぱかりと蓋をあけると、幾つかの指輪が並んでいる。それらは、アルスが良く知る、八卦によって作られた物。
レプリカではない、正真正銘の、ゼオ・ウッドフィールドがつくりし正規の物に見える。

『こちら、ゼオ・ウッドフィールド氏が作られました、アーティファクトにございます。贋作なんかではございません、正規品ですよ!!
指輪の地図、とでも申し上げましょうか…こちらを身に着けて頂きますと

 『組織』 の 『城』 へ

  ご案内致します!!ええ、はいドクオ様、ジャック様、ネームレス様達がいらっしゃった『組織』の『城』でございますよ!!』
 
『ゼオ氏には、話を通してあるよ…今、彼は"其処"にいる。もし行くのであれば身に着けていくといい…
 もっとも、身につけなくてはいけないんだけどね。なにしろ『組織』の連中は、目的も不明、規模も不明
 ダミールートや偽造の拠点も多くて、とてもじゃないけど『指輪』無しじゃ、見つけられないんだ――』

  …この騒動に繋がるとされた「組織」の「城」
とりわけ例の三人が関わっていたとされる場所だ…実際、規模や目的はまったくの不明。
王都のゴシップでも、その尾ひれすらつかめていない、謎の組織。
そして、その場所にゼオが居る、というのだ。

「…皆、どうする?あの白亜の混沌に、もう少し頼み込んでみるか?
 俺としては、指輪をもらってさっさと進む方が、得策かと思うんだがな。」

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1757「分岐点3/3」:2017/04/01(土) 21:19:38 ID:WksQa8S2
【IN THE 物陰】

『あのー本当にやるんですか?無駄だと思うんですがねぇ…』

パイを構える白亜の混沌
その横で、せっせとパイをこしらえる贋作。語り部だし、分裂とかできるんでしょう、多分。

『あのおふた方、あなたの知ってる時の二人とは、違うみたいなんですよねぇ
 いくら白亜の大魔王様とはいえ、"パイをあてる"のは、無理かと思うんですが。』

そしてラストのパイを作り終える、いわゆるパイ投げの用なので、紙皿にクリームを盛っただけ。
いつでも準備オッケー、テレキネシスでもテレポートでも使って、1Fの猶予もない、パイマシンガンができる。いまならスレでの査定も不要。

『お言葉ですが、ガンナー様"ご本人"は"駒"として使うつもりは無いとおっしゃっていましたよ
 "中身"の方が、戻ってきてくれるのが一番良いと、いつもぼやいておりました。』

1758「ラピュセル」『?』:2017/04/01(土) 21:54:45 ID:t7J2YxNc
「私は先に進むのがいいと思う」

ふむ、と暫し考え込む乙女はそう結論を出した。
出たとこ勝負が続きそうであるが事前準備など出来る情報もない、ならば進めるところまで進むしかない。

『おう、気張って行くがよい』
「…ええと、一緒に?」
『いんや、ワシにも色々やることがあるでな?とりあえずコレを持っていくとよいぞ』
「ん…?」

そうして一冊の鍵がかかった分厚い本を手渡される乙女。
それに触った瞬間、本が粒子となって散り、乙女へと吸い込まれるようにして消えた。

「…ええと」
『ほっほっほ、まあ、今は未だ理解できんじゃろが…じゃあの』

不意に現れたソレは又不意に去っていった。

1759とある世界の冒険者:2017/04/01(土) 22:02:37 ID:HpWxemK2
>>1756

「……何も頼まない方が良いだろう」

語り部と良い白亜の混沌といい、この手のトリックスターは如何も苦手である
なぜなら何処までが本当でどこまでが嘘か分からないからだ

分からないのならば、最低限の情報だけで行動すればいい

余計に事を考えては、それこそ混沌に浸食されるからだ


――『組織』 の 『城』

――指輪無しではみつからない

馬鹿げた組織だ。
城を所有し運用でき、人員や規模に目的も不明。更にその支援者の名前


そして、それをたったイエローペーパーが流す噂で終わらせる隠蔽率。


小国より――下手をしたら中堅国家並みの力がある組織

やっかいな事だと頭を悩ませる

1760騎士と混沌:2017/04/01(土) 22:12:38 ID:r3RjcaRY


「……。」

――踊らされている感覚がある。

何に? "この場の全てに”だ。
以前混沌の王に聞いた"なるようにしかならないクソみたいな吟遊野郎の筋書き"――要するに運命の収束、それを感じる。

「(けど。)

「行きましょう。」
「ここに居ても何も変わらないなら、俺は動いて少しでも誰かを守る事を選びたい。」

やることは変わらない。
アルス・ストラグルという男がやる事は「騎士」としての。 「人間」としてのあり方を全う事だ。


……ゼオとその仲間達がこんな馬鹿げた事をするとは思えない。
……そもそも前提としておかしいのだ。

だって、【この騒動が起こるとっくの昔にネームレスという名の男は死んでいる】のだから。
だから少なくとも、目の前の怪異二人と狂言回しが言う話は、街を流れる噂は【前提からして狂っている】。

だって、【話しに聞くドクオという男は帝都に住まう人間であり、立場で言えば獣を狩る人間】なのだから。
だから少なくとも、敵であるという事はありえないし――何より聞いた話が本当であるならば、獣以上に獣なのだ。


「カオスさんに頼んでもいいですけど、きっと直接手伝ってはくれないですよ。」
「あの人、自立しない奴が一番嫌いですから。」

1761騎士と混沌:2017/04/01(土) 22:17:50 ID:r3RjcaRY
【IN THE 物陰】

( 混)「要するに確定描写で回避しますよ、ってか? うっわーウッザいわー、イベントの主催ってそういうとこあるよな。」

こしらえるどころか既に山のようなパイ。
本当にやるどころか既に機械仕掛のマシンガンがパイを吸血鬼共にあめあられだ。


( 混)「勝手に戻ってきて勝手にイベント初めて全部僕の手のひらの上ですぅーってか? くっさいわー超くっさいわー。」
    「吟遊GMも大概にしろっつーの、同じ穴の狢かっつーの。」

四方八方から降り注ぐ雨あられ、いやさパイあられ。
シリアスな場面でパイが降ってもイイ、自由とはそういうものだ。


「真面目にやれんのか。」

( 混)「真面目にやろうがバカにしようがオチは変わんねぇもん。
     俺が何しようがふしぎなちからで時が巻き戻ったり無かった事になるしな。」

『……こいつは本当に……。』

1762騎士と混沌:2017/04/01(土) 22:23:20 ID:r3RjcaRY
【IN THE 物陰】

( 混)「――ま、そういうわけだ。」

すっ、と大魔王が物陰から立ち上がる。
なおパイは自動で生産、ロックオン、射出を繰り返してる。インチキ効果も大概にしろ。

( 混)「凡人の顔も満たしこれ以上くだらん舞台に付き合ってやるつもりはない。つーか飽きたし。」
    「メディア、レイ、お前等も好きにしろ。んじゃの。」

そう言って大魔王は空間を捻じ曲げて図書館から退場。
多分後はパイ投げたりかっこいいシーンでアルス助けたりするぐらいの出番だろう。
どっかの草原とか辺りで冷やかしはしてそうだが。


『……だ、そうだけれど、どうする?』
『私は少しだけアルスに肩入れしようと思うけど。』

「ふむ。」
「偶には三流舞台も悪くないか。」

『あらそう。』
『じゃ、こっそり――暴れすぎて筋書きを壊さない程度に、ね。』

魔女と黒衣の二人も同じ様に姿を消す。
――が、こちらの二人はまだこの舞台で踊るようだ。

1763「分岐点1/2」:2017/04/02(日) 22:52:14 ID:Y7IAN/ns

>>1758

「出たこと勝負ばかりだな、苦労かける…」

 本を粒子として、吸い込む乙女を一瞥し、己の得物を背負い直す。
魔法的存在の彼女にも、だいぶ慣れてきた。

「期待させてもらうぜ、ラピュセル」

 おそらくこの面子の中で、もっとも強靭な、精神力を持つ彼女に、期待と信頼の言葉を投げかける。
はじめの頃の、訝しげな感情は、もはや存在しない。
工房の担い手といい、魔力に乏しい、この面子の要なのだ。

>>1759

「…そうだな。」

まともに取り合ってくれないのなら、先へ進むしか、無いのだ。
下手に粘っても、言葉通り"侵食"されてしまう。
外面が、ギャグであろうと、触れているのは混沌なのだ。

「シャーク…"組織"の連中についてどう考える?」

組織についての疑念、レイヴンの瞳を見るに、彼も同じ事を考えていた様だ。

「城を所有し、それを完全に隠蔽、規模も目的も不明となれば
 イエロージャーナルの連中でも、足取りが掴めていないって事になる…そんな組織が、実在できるのか?」

ここ数年は、平穏な世界だったものの
北からはソルビニアが、ベルジニアの国境付近では、魔族達との睨み合いが、続いているのだ。
実際、この大陸はかなり殺伐としているが、この状況下で、そんな運用ができる組織とは…?


----------------------

1764「分岐点1/2」:2017/04/02(日) 22:52:35 ID:Y7IAN/ns
【パイ乱舞】

『そうさ、確定描写さ』
『円滑に進めるためだ、仕方なかろう』

レイヴン達が、話している間に、エリゼとヴラドに、あれよあれよとパイの嵐。
すべて直撃したと、思いきや…まるで初めから、其処に居なかったかの様に、ソファーへ座っている。

『残念だが、我々は何処にでもいるし』
『何処にも居ないのだ』

そしてわけの分からない事を、のたまいながらワインを一口。
ホーミングパイは、対象を失って以内にもかかわらず、ひょろひょろとした、軌道を描いて散乱。

『後片付け、誰がやると思ってるんですかねぇ…機械も止めておきましたよ。』
『ご苦労』

そして、モップと木製のバケツを持って、ひょっこりあらわれる贋作

----------------------

「…アイツらは放っておこう。」

連中の一連の流れを、見てそうつぶやいたレイヴン
どこからともなくパイが飛び交う、これは悪い夢だ、この獣狩りの夜も、飛び交うパイも。

「…だったら、良かったんだけどな。
 アルス、お前はどうするんだ?騎士団に入ってるんだろ?持ち場とか平気なのか?」

指輪を身につけながら、アルスに問いかけるレイヴン。
実際、持ち場を離れて此処に来たわけで、一旦戻るかは君次第だ。

1765「ラピュセル」:2017/04/04(火) 22:11:20 ID:wZWVzLWE
>>1763
「出たとこ勝負なのは初めからな気もするから今更だ、期待に応えるよう努力する」

暫く消えた本を持っていた側の手を閉じたり開いたりを繰り返す乙女。
レイヴンに語りかけられ我に返ったようにそちらへと振り向き笑みを浮かべる。

1766とある世界の冒険者:2017/04/06(木) 21:07:47 ID:GsU/wvZQ
>>1763>>1765
――「シャーク…"組織"の連中についてどう考える?」

――「城を所有し、それを完全に隠蔽、規模も目的も不明となれば
 イエロージャーナルの連中でも、足取りが掴めていないって事になる…そんな組織が、実在できるのか?」

「……無理だ」

一言そういう

「まず、城を保有した段階で確実に何処かの諜報機関に目は付けられる。其れがたとえどんな廃城だったとしてもだ」

城とは元来戦略的意味合いが強く、どんな場所にどの様な方式の築城でどのような能力を求められているか

それはどの様な時代でも共通している戦略的位置エネルギーが其処に存在しているのだ。

廃城がモンスターの寝床になっていても、犯罪者組織の拠点にされ辛いのは其処にある
いわばどんなに腐っていても城は城がある場所は、重要な駒なのだ

「そこに、規模も目的も不明。足取りもつかめない巨大組織……はっきり言っておとぎ話か或いは、後ろ盾が余りに強大かの二択だ」

「それこそ王国以上の国力がある後ろ盾だ」

そんな物が存在するかどうかは分からんがなとシャキンは言う

現行の世界の秩序は奇妙な力関係でなりあっている。そこのプレイヤーの一人である王国相手にこれ程の組織を作れる後ろ盾はあるのだろうか?

1767「1/1」:2017/04/08(土) 22:18:41 ID:5gxhkEWA
>>1765
>>1766

「…しかし、実際に存在していて、其処に行くための手段があるわけだ。」

 指輪をはめると、皆の視界に、青白い魔法のパス(線)が映る。
おそらく「城」までの道筋なのだろう…これを辿っていけば良いわけだ。

「早速、出発したいが…貴様ら二人に聞きたいことがある。」
『ほう』
『何かな?』

 扉へ向けて、歩きだした所で、思い出したかのように振り向く。

「"混沌の血"ってのは、一体何だ?」

 ラピュセルとバッカスで出会った時、レイヴンが話していた"混沌の血"という単語
手紙には、意味深に書いてあったが、それが何を意味するか未だわからない。
言い出しっぺである、エリザベートとヴラドミアに問うが…

『鴉羽の狩人よ…残念だが、今の貴様でその意味を理解するのは、叶わぬ。』
「何?」
『"文字"が読めない人間に、魔法を理解しろというのは、無理だろう?
 それと一緒さ、今の君たちには、私達が話した所で、理解は出来ないだろうね。』

 ワイングラスを傾ける二人。
様子を見るに、確実に何かを知っていそうなものの、話す気は無いようだ。
もしくは、彼らの勝手な演出か…

「…行こう、時間の無駄だったようだ。」

 これ以上、有益な物は得られないと判断し、出入り口へと歩きだすレイヴン。

『あ…そうそう―――――』

 その後姿を見て、エリザベートが何かを言いかけるが、彼の耳には届かなかったようで…

1768「ラピュセル」:2017/04/08(土) 22:26:01 ID:.cFc8afo
>>1767
顎に指あて暫し物思いにふける乙女。
成程確かに組織の強大さの割に出てくる情報が余りにも少なすぎる。
どんな形であれ悪目立ちは確実にしそうなものであるが…
それとも余りに大き過ぎる故にソレと気が付いていないだけ、という可能性はないだろうか?

「…ん?」

等と色々と考えることもあり動きがやや緩慢だった乙女。
エリザベートの声に反応し、其方を見やる。

1769とある世界の冒険者:2017/04/08(土) 22:40:36 ID:mJCcC6gM
>>1767>>1768

「……」
様々な単語が増えていく

混沌の血それに文字

彼ら語り部が言いたいことの本質を考える

混沌の血に対する答えが"文字"が読めない人間に、魔法を理解するのは無理

つまり、我々は今だ文字という前段階すらたどり着いていないという事になる。

ではこの場合の文字はなんだ?

獣の病か、あるいは木原教授への知識か

一体なんなのだろうか


――「…行こう、時間の無駄だったようだ。」

「あぁ」

頷き同じく付いて行く

エリザベートの言葉はシャキンの耳にも届かなかった

――「…ん?」
しかし、乙女の反応には気が付いたようだ

「どうしたラピュセル?」

1770「分岐点/終」:2017/04/08(土) 23:17:17 ID:5gxhkEWA
>>1768
>>1769

 巨大な、両開きのドアの魔法陣に手をかざすと
ギギギギギ…と大きな音を立てて、ゆっくりと扉が開きはじめる
この音を聞くと、王都がきらびやかだった頃、何度も冒険をした記憶が蘇る。
夜通し本を漁り続けた後、この扉を開けると、眩しい朝日が目に染みたのだ。

「とりあえず、工房にでも戻るか…シャーク、ラピュセル、何か食いたい物は?」

そんな記憶も今や昔、太陽の代わりに、蕩けた瞳のような形をした物が浮いていて
どんよりとした光が、皆を照らす事だろう。



―――――だが、そこに蕩けた瞳はなかった



あ…そうそう―――――

1771「分岐点/終」:2017/04/08(土) 23:19:13 ID:5gxhkEWA

『――――ここからが"本当の獣狩の夜"だ』


――月だ

――不気味なまでに巨大な月が、鈍く輝いている。

――どんよりとした空は、星空に染まりきっている。

――いままで、昼夜の概念を意識したことはあったか?

――常に薄暗い、曇り空の様だった。寝る前、寝起きもそうだった…狩りをしている最中も。

――ここで三人は思い出す。

――夜を越した覚えが無い…と。

――月夜にしては、明るすぎる光が、図書館の中を照らす。

《…ギョアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア》

一瞬の静寂の後、獣たちの雄叫びが街中から響き出す。
散発的に響く、人の悲鳴…男女含め、赤子の泣き声も聞こえる。

『では"狩人諸君"』
『"狩りを全う"したまえよ』
『"良き狩り"を』

 放心する最中、3つの声が響くと同時に
背後の扉が閉まった――

1772「ラピュセル」:2017/04/08(土) 23:36:50 ID:.cFc8afo
悪い夢なんじゃないだろうか

ところがどっこい・・・・・・・・夢じゃありません・・・・・・・・!現実です・・・・・・!これが現実・・!

…!?

「っ…どういう事だ、コレはっ!!」

一瞬意識を手放しそうになった最中、何かが自身の中で蠢いた。
内と外の異様な気配に大声を出さずにはいられない。
知らずの内に手に携えた槍を強く握り、歯を食いしばる。
冷汗は止まらなかった。

1773とある世界の冒険者:2017/04/08(土) 23:40:18 ID:mJCcC6gM
>>1770>>1771

――「とりあえず、工房にでも戻るか…シャーク、ラピュセル、何か食いたい物は?」

「いや、無いな。胃に入ればそれでいい」


そして、気が付く
月。そして、それらの事象と夜を越したことの無い事柄に

「…………」
これに気が付いて、果たして正気が保てるのだろうか?

何かが、何かがシャキンの中で削れた。それはあの時の戦争で削れ、離婚という事柄に削れた

シャキンの中で正気を保つ心の何かが削れたのであった

――『では"狩人諸君"』
――『"狩りを全う"したまえよ』
――『"良き狩り"を』


「………知るか……馬鹿野郎……」
狩り。それは何だ?
分からない。誰かの声であろうが知ったことではない

ただただ、今は仲間を護る事を考えるだけであった

1774とある世界の冒険者:2017/04/08(土) 23:42:31 ID:mJCcC6gM

>>1772

「!?」
ラピュセルの状態以上に気が付き体を支える

「おい、大丈夫か!?ラピュセル!?」
意識を飛ばない様に声を掛けるのであった

1775うさぎ:2017/11/06(月) 03:23:16 ID:a0l8AeZg
tp://ssks.jp/url/?id=1451


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