FujiSankei Business i. 2007/3/17
米スタンフォード大学とソニーは15日、同社製新ゲーム機「プレイステーション(PS)3」の処理能力を保有者に貸してもらい、同大が難病研究に活用する計画を発表した。ゲーム愛好者による気軽な社会貢献が可能になり、高性能ゲーム機の新活用策として注目される。
計画では、同大研究チームがゲーム不使用時にPS3にネット経由で接続し、解析作業の一部を各PS3に分散処理してもらう。PS3には新半導体「セル」が搭載されており、演算処理速度は通常のパソコンを格段に上回る。
難病のアルツハイマーやパーキンソン、がんなどの原因解明に向けた研究には膨大な解析作業が必要で、スーパーコンピューターでも数十年以上かかる。そこで研究チームは、無数のコンピューターをつなぎ合わせて分散処理する「グリッドコンピューティング」を活用してきた。参加パソコンは世界中から20万台に上る。
研究責任者は「PS3の参加により、以前は手が回らなかった難問にも取り組める」と歓迎。ソニーは今月中に、計画協力に必要なソフトをPS3利用者向けに提供開始する。
対象となる研究プロジェクト「フォールディング@ホーム」のサイトは、http://folding.stanford.edu/。(シリコンバレー 時事)