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▲2007年▲21参▲東北

1片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/01/22(月) 22:21:17
21回参議院通常選挙東北の話題

611片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 11:17:13
 ■解説

 ◇吹き飛んだ他の課題−−「地域格差」の是正を

 年金問題が巻き起こした風は、県内に山積するその他の課題をも吹き飛ばした。中でも、低迷する県経済、改善しない雇用問題といった「地域格差」の是正は、4月の統一地方選、6月の知事選に続き県内の喫緊の課題だったはずだ。だがこの問題について、各候補者の口から具体的な政策はほとんど聞けなかった。

 平山氏も主張の大半を年金問題での与党批判に費やした。格差問題に関しては「生活者の目線に立った政治」を訴えたが、党本部の主張に沿った発言だけで、県内事情を考慮した具体的な政策はほとんど聞かれなかった。年金問題で急伸した民主への追い風で、自身の知名度不足をカバーするしかなかった平山氏に、政策の独自色を出す余裕はなかったとも言える。

 県内は公共事業に依存し、農林水産業などの第一次産業の比重が高い。国の政策の影響を受けやすい産業構造だ。だが国は財政難で、公共事業への支出が増えることは考えにくい。また、民主は全農家への所得補償制度を掲げたが、日本は世界貿易機関(WTO)の農業交渉で市場開放を求められており、青森の農家も国際化や自由競争の波にさらされる可能性が高い。

 だからこそ各候補は、国の情勢を踏まえたうえで、県の将来を見据えた雇用政策や産業振興策などを県民に示し、格差の解消を訴えなければならなかった。

 選挙初挑戦で国会議員の椅子をつかんだ平山氏だが、政治手腕はまったくの未知数だ。有権者は年金問題で芽生えた政治への関心を維持し、平山氏を青森のために役立つ政治家に育てる役割も担っている。【村松洋】

毎日新聞 2007年7月30日

612片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 11:18:06
選挙:参院選 比例代表 自民→民主、顕著に−−出口調査 /青森
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/aomori/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk02010612000c.html

 ◇支持政党と投票行動に差

 今回の参院選は「民主大勝・自民惨敗」に終わった。比例代表での政党別得票率と、毎日新聞社が投票日の29日に県内各投票所で行った出口調査での政党支持率を比べると、県内でも全国の傾向と同様に、無党派層だけでなく、自民支持層の一部も民主に流れたことが分かる。

 出口調査の支持率トップは自民の48・1%で、2位の民主の23・0%を2倍以上引き離していた。ところが、実際の得票率は自民が33・3%、民主が38・8%で、民主が自民を5・5ポイント引き離してトップに立っていた。

 比例代表で自民に投票した人の全員が自民支持者だったと仮定すると、自民支持層の約3割(投票率と支持率の差14・8ポイント分)が民主を中心とする他党に流れた計算になる。ただ、実際には無党派層で自民に投票した人もいたはずだ。この点を考慮すると、他党に流れた自民支持層は、もっと多かったと推定される。

 民主は支持率よりも得票率の方が15・8ポイント多かった。仮に民主支持層の全員が民主に投票したとすると、実際に民主に投票した人の約4割(15・8ポイント分)が無党派層や、自民をはじめとする他党支持層だったことになる。

 一方、青森選挙区での得票率は、民主の平山幸司氏49%▽自民の山崎力氏40%▽社民の渡辺英彦氏6%▽共産の高柳博明氏5%。民主支持層の全員が平山氏に投票したと仮定すると、平山氏は無党派層のほとんどと、自民支持層の2割近くを取り込んだ計算になる。【村松洋】

     ◇

 出口調査の方法 県内の36投票所を無作為に選び、投票を終えた有権者の中から一定の人数ごとに調査票を渡し、回答を記入してもらった。

毎日新聞 2007年7月31日

613片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 11:18:48
選挙:参院選 青森選挙区の結果を聞く 木村氏/苫米地氏 /青森
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/aomori/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk02010614000c.html

 ◇潜在的政治不信に火…木村氏/感情への訴えに終始…苫米地氏

 民主新人が自民前職に快勝した今回の参院選について、青森中央学院大大学院の木村良一教授(政治学)と、同大の苫米地重亨教授(現代政治論)の2人に話を聞いた。木村教授には「選挙の意義」、苫米地教授には「マニフェスト選挙のあり方」の観点から語ってもらった。【聞き手・喜浦遊】

 ◆木村良一教授

 青森選挙史において、全県選挙でまったくの新人がここまで票を取ったことに驚いている。

 これまで、青森は自民でなければ夜も日も明けない状態で、選挙結果は分かりきっていた。しかし、最低の経済状況の中、県民が潜在的に持っていた政治不信に火をつけたのが、今回の選挙であり平山氏だった。

 投票率が上がらなければ、組織で勝る自民が勝つと思っていた。しかし、前回とほぼ同じ投票率だったもかかわらず平山氏が勝った。自民の組織としての意志が末端まで浸透していない証拠だ。

 当落が決まった時、両陣営の様子を報道で見て「青森の政治の世代交代が始まった」と直感した。平山陣営では、平山氏をはじめ今博県議や横山北斗衆院議員ら若い顔ぶれが中央に並んでいた。一方の山崎陣営は昔からの顔ぶれ。民主が今後、自民に対抗する組織作りができれば、利権や金に頼った従来の津軽選挙が変わる。久しぶりにわくわくした選挙だった。

 ◆苫米地重亨教授

 政党選挙は個人でなく政党を売り込むもの。政党を評価する方法が政策だが、今回の選挙で各党がマニフェスト戦を展開したかというと、大きな疑問が残る。

 今回は年金が最大の争点だと言われたが、宙に浮いた記録問題は、各党が共に責任を負って解決すべき問題で、争点ではありえない。年金を争点にするのなら、破綻(はたん)した年金制度の信頼をどう回復していくか、今後どんな年金制度を構築するかについて、各党が政策として論じられるべきだった。

 しかし、与野党とも年金記録について非難の応酬を繰り返し、納入者の感情に訴えるだけの選挙に終始したのが残念だ。しかも、それが有権者に受け入れられ、有権者の怒りが旋風になった。県民が政治に審判を下すなら、ほかにも地域格差や雇用確保、地域医療の再構築などの論点があったはずだ。

 マニフェスト選挙には各政策を読み比べる有権者の知識も必要だが、今はまだ備わっていない。

毎日新聞 2007年7月31日

614片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 11:19:16
民意の風:07年参院選/上 圧勝した民主 /青森
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/aomori/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk02010610000c.html

 ◇問われる党組織整備

 「このままの政治ではいけないと、良識のある有権者がノーを突きつけた結果です」。参院選初当選から一夜明けた30日早朝。民主の平山幸司氏(37)はさっそく、市場が建ち並ぶ青森市古川の街頭で拡声機のマイクを握った。

 公示前はほぼ毎日、「サンキュー」をもじって午前7時39分に青森市の中心市街地に立ち、通勤途中の市民に語りかけ続けてきた。かつてはほとんどの市民が通り過ぎるだけだったが、この日は違った。平山氏の周囲にはたくさんの市民が集まり、割れんばかりの拍手が起きた。中には自ら平山氏に駆け寄り、握手を求める人もいた。

 年金問題の「追い風」に見事に乗った平山氏。街頭演説後は厳しい表情で「県民の期待を痛いほど感じた」と語った。

     ◇

 自民前職の山崎力氏(60)に5万票以上の大差をつけた平山氏だが、選挙戦に入ってしばらくは、だれもこの結果を予想していなかった。

 6月の知事選では、民主党県連が独自候補を擁立できなかった。もともと名前が知られていなかったうえ、7月12日の参院選公示が近づいた大事な時期に知事選と連動させた選挙活動を展開できなかったため、知名度不足はますます深刻化していった。

 公示後に民主が実施した電話世論調査では、山崎氏に15ポイントのリードを許していた。通常なら致命的な差だ。このころ、平山氏陣営からも「候補の名前がなかなか浸透しない」と落選を覚悟する声が聞かれ始めていた。

 選挙戦の中盤が近づくと、平山氏は知名度不足を克服するために「民主色」を前面に押し出した。党の主張に沿い、年金問題で政府・与党の批判を徹底して山崎氏との対決色を鮮明にした。また、小沢一郎代表が2度来県するなど1人区の勝利を重視する党本部のテコ入れも受けた。

 この作戦が奏功し、平山氏は次第に山崎氏との差を詰めていった。そして、毎日新聞が19〜21日に行った世論調査では、ついに平山氏が山崎氏をリードし、最後は大きく突き放した。ある民主県議は「党幹部の来県が続いて『本気で政権を取る気だ』ということが有権者に伝わり、情勢が変わった」と振り返った。

     ◇

 平山氏が当選したことで、県内の民主と自民の国会議員数は5対4と逆転した。だが、実際の組織力の差は依然として大きい。特に、田名部匡省・党県連代表のおひざ元である八戸市など、県南地方に勢力が偏り、津軽地方への党勢拡大が積年の課題になっている。

 民主の圧勝は、同党県連に喫緊の課題も突きつけた。与党の大惨敗で衆院解散の可能性が取りざたされ始めたが、同党県連は衆院選の公認候補擁立を進めている段階で、まだ弘前市を中心とした4区で擁立に至っていない。党県連幹部は「次(衆院選)も風が吹くとは限らない」と危機感を示す。

 民主は今回の圧勝によって、平山氏の出身地・五所川原市を足掛かりに、これまで組織が未整備だった西北五地域、さらには津軽地方全体へと党勢を拡大する機会を得たことは間違いない。ある県連幹部も「鉄は熱いうちに打てというが、風が吹いているうちに支持者固めをしないといけない。圧勝に浮かれている場合ではない」と警鐘を鳴らしている。

 平山氏の得票は、全投票者のほぼ半数に当たる30万5642票。全有権者の4人に1人が投じた圧倒的な数の票を、今後どのように安定した党組織の整備につなげていくかが、平山氏と党県連に問われている。

  ×  ×  ×

 民主の追い風、自民の逆風の中で行われた参院選青森選挙区(29日投開票)では、政治家としての実績ゼロの民主新人、平山氏が、知名度、組織力、実績ともに勝る自民の山崎氏に逆転勝ちした。この結果で「保守王国・青森」の政治地図がどう変化していくのかを探りつつ、17日間の選挙戦を振り返った。

毎日新聞 2007年7月31日

615片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 11:22:16
民意の風:07年参院選/下 惨敗した自民 /青森
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/aomori/archive/news/2007/08/01/20070801ddlk02010238000c.html

 ◇「改革不信」に衝撃

 選挙戦も終盤にさしかかった23日深夜、冨田重次郎・自民党県連幹事長の携帯電話に見知らぬ番号から電話がかかった。「青森は厳しい選挙だ。組織をしっかりさせて頑張ってくれ」

 声の主は党本部の中川秀直幹事長だった。週末に行った党本部の電話調査結果を踏まえ、中川幹事長は危機感をあらわにした。中川幹事長は口にこそ出さなかったが、この調査で自民公認の山崎力氏(60)が、公示後初めて民主公認の平山幸司氏(37)に逆転を許したのだった。冨田幹事長は「党本部の幹事長から直接連絡があるなんて初めてだった」と振り返った。

 中川幹事長の電話が入った前日、既に山崎氏が危機に直面している事実が浮き彫りになっていた。毎日新聞が19〜21日の世論調査を基に、22日朝刊で「平山氏リード」と報じたのだ。

 同日夕、青森市にある山崎氏の事務所に津島雄二・衆院議員はじめ同市内の県議や市議が緊急に集まった。津島氏は「あと1週間、歩ききれ。足元から固めよう」とハッパをかけた。

     ◇

 「保守王国」の青森で、自民候補が選挙初挑戦の民主候補に5万票以上の大差をつけられて敗れたことに、県連は大きな衝撃を受けている。

 今回の惨敗を年金問題による「風」のせいにするのは簡単だ。しかし、公共事業の削減や小泉改革で疲弊した地方では、これまで自民党が得意としてきた利権誘導に基づく組織選挙は、もはや通用しないとみる関係者も多い。

 今回の選挙では安倍晋三首相が2度も来県するなど、党本部も山崎氏陣営を手厚く支援した。しかし、街頭でマイクを握る安倍首相を見ながら、ある県議は「地方も自民も弱らせておいて、『改革』とは何だ」と毒づいた。県連幹部の一人は「底流には自民への不信感があった。民主が風を起こしたというより、自民が風を起こさせてしまった」と語った。

     ◇

 29日の投開票日。山崎氏の事務所に並べられた約30席の椅子は空席が目立っていた。

 大島理森・県連会長らが厳しい表情でテレビの開票速報を見守る中、午後8時半過ぎに平山氏の当選確実が流れた。終盤になって改めて組織を締め直していただけに、陣営にとって予想以上に早い「敗北通告」だった。山崎氏は肩を落として「風というのはこんなに強いものなのかと実感した」と述べた。

 今回の大敗は、大島県連会長の進退問題にも及んだ。だが、大島氏の地盤の3区以外を見ても、津島氏の1区、木村太郎衆院議員の4区で平山氏に大敗した。自民の金城湯池だった江渡聡徳衆院議員の2区も予想外の接戦を許した。

 全国的な自民惨敗で、早期の衆院解散も予想される。県連が体制を立て直す時間は限られている。(この企画は喜浦遊、村松洋が担当しました)

毎日新聞 2007年8月1日

616片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 11:23:09
選挙:参院選・自民惨敗 「気概を持って」平山氏にエール−−三村知事 /青森
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/aomori/archive/news/2007/08/03/20070803ddlk02010331000c.html

 自民惨敗、民主大勝に終わった7月29日の参院選について、三村申吾知事は2日の定例会見で、今後の国会運営に混乱が生じることへの懸念を示したうえで「(与野党が)協力すべき点は協力し、国民のための政治に着実に取り組んでほしい」と述べた。

 自民惨敗の原因について、三村知事は「格差の問題があったのだろうし、政治とカネの問題など、いろいろな問題が重なった」と分析した。青森選挙区で初当選した民主の平山幸司氏(37)に対しては「国政を担うという気概を持って頑張っていただきたい」とエールを送った。

 三村知事は国会議員時代の01年4月、首相指名選挙で小泉純一郎前首相に投票し、構造改革を支持した。このため、報道陣から「構造改革は地方にとって、格差拡大などマイナス面が大きかったのではないか」と問われると、三村知事は「改革をしないと国が持たないという思いを誰もが感じていた」と語り、当時の判断は正しかったとの見方を示した。【村松洋】

毎日新聞 2007年8月3日

617片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 11:32:12
選挙:参院選/衆院補選 民主の完全勝利 全市町村で最多得票 /岩手
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/iwate/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk03010160000c.html

 参院選岩手選挙区では、県内すべて35市町村で民主が最多得票を集め、完全勝利となった。衆院選の4小選挙区別に結果を分析し、衆院1区補選と合わせて今後の影響を探った。

 【1区】(盛岡市など)

 民主、自民ともに衆院補選と連動した形で戦った1区。平野氏が千田氏の2・6倍、約6万6000票差をつけて圧勝した。自民は閣僚や“大物”国会議員が大票田の盛岡市に相次いで入ったが、民主優位の形勢に影響はなかった。自民の県議を選出している紫波町でも、2倍近くの得票をつけられた。県議時代の地盤だった社民の伊沢氏の支持も広がらなかった。

 【2区】(宮古・久慈・二戸市、八幡平市など)

 小選挙区で唯一、自民が議席を持つ2区。01年参院選では、自民に5万票差をつけられていた民主だが、一転約4万2000票をつけての完全勝利。主浜了参院議員の出身地、滝沢村などで大きく票を伸ばした。

 自民は鈴木俊一衆院議員の出身地の山田町でも、小差とはいえ敗れた。鈴木氏の票を千田氏へスムーズに移行できなかったようだ。共産の若山明夫氏も軽米町で地元の利を生かせなかった。

 【3区】(大船渡・遠野・一関・陸前高田・釜石市など)

 5対2という民主と自民の3区内の県議数に比例する得票数となり、2倍以上の得票数だった。一関市で約2万5000票差が反映された。自民は04年参院選でほぼ互角だった遠野市、釜石市でも約5000票、約7000票と広げられた。

 【4区】(北上・花巻・奥州市など)

 平野氏が約9万4000票をつけて圧勝。約13万票は、衆院4区での小沢一郎代表の最多得票を上回る結果となった。奥州市にゆかりのある千田氏は積極的に足を運んで支援を訴えたが、小沢代表の強力な地盤をかえって際立たせる結果となった。

 【衆院補選】

 新人同士の対決となった衆院補選は、階氏が玉沢氏の2倍近い約10万3000票を獲得。大票田の盛岡での4万4000票差が勝敗を決めた。安倍政権への批判票の受け皿になったことや候補者を立てなかった社民の票を取り込んだとみられる。【安田光高】

 ◇平野氏、自民支持3割取り込み 公、共、社の2割も−−出口調査

 毎日新聞が投票を終えた有権者に対して29日に実施した出口調査によると、平野氏は民主支持者の9割を固め、自民の3割弱、公明、共産、社民の約2割の取り込みにも成功した。

 19〜21日の中盤情勢では、自民支持者から平野氏への投票は1割を下回っていたが、本番では支持を大きく伸ばしたようだ。

 一方、千田氏は自民、公明支持者の6割にとどまり、民主支持者をほとんど切り崩せなかった。

 無党派層は全体の約15%。うち平野氏はその7割弱の支持を得た。千田氏は2割弱。

 平野氏は各年代からまんべんなく支持を得たが、30〜50代では6割超。男性の7割近い支持を集めた。

 36歳の若さをアピールした千田氏だが、同年代の30代や40代からの支持は2割に満たなかった。20代男性からは2割弱だった。【安田光高】

 ◇民主の得票数、自民に2.4倍差−−比例代表

 政党の比例代表得票数は、前回の参院選から自民が後退、民主が躍進する形になった。

 民主は前回の33万3947票を大きく上回る37万2322票(得票率55・06%)を獲得。自民に2・4倍の得票差をつけた。

 民主は藤原良信氏が7万8882票を獲得したほか、1人が約4600票、4人が約3000票を集めた。また政党得票のうち、個人名での得票が31%に上った。衆院の小選挙区別に見ると、1、3区で自民の約2・5倍の得票。4区では3・3倍、2区でも1・7倍だった。

 自民は15万5005票(同22・92%)で、個人名の得票は34%だった。注目を集めた「ヤンキー先生」やテレビ番組に出演していた有名弁護士は1000票台と県内で大量得票はならなかった。

 公明は、過去2番目に多かった前回よりも6554票少ない4万9272票(同7・29%)だった。

 共産は3万7859票(同5・6%)と前回より1092票減った。社民は1万1209票減の3万5558票(同5・26%)と大幅に票を失った。2大政党の間に埋没した形となった。【安田光高】

618片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 11:33:23
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 ◇衆院選挙区別にみた民主、自民系候補の得票数◇

   01年参院選  04年参院選 07年参院選

1区 平野達男    主浜了    平野達男

    6万4826 8万3126 10万6942

   玉沢徳一郎   高橋洋介   千田勝一郎

    7万1571 5万9002  4万0933

2区 平野達男    主浜了    平野達男

    5万6106 7万9644  9万7569

   玉沢徳一郎   高橋洋介   千田勝一郎

   10万6597 7万8913  5万5326

3区 平野達男    主浜了    平野達男

    7万4083 8万1625 10万3447

   玉沢徳一郎   高橋洋介   千田勝一郎

    7万2518 6万5114  4万4214

4区 平野達男    主浜了    平野達男

   11万0093 9万5401 12万9856

   玉沢徳一郎   高橋 洋介  千田勝一郎

    4万8290 7万4367  3万5623

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 ◇衆院1区の民主、自民候補の得票数◇

03年衆院選  05年衆院選  07年衆院補選

達増拓也    達増拓也    階猛

 9万1025  9万5109  10万2987

及川敦     及川敦     玉沢正徳

 5万7899  6万5187   5万3125

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 ◇県内比例個人別得票トップ10

 (1)藤原良信 (民主) 7万8882

 (2)渡辺孝男 (公明) 2万5354

 (3)又市征治 (社民)   8730

 (4)山田俊男 (自民)   5283

 (5)吉川沙織 (民主)   4639

 (6)有村治子 (自民)   4077

 (7)今野東  (民主)   3645

 (8)神本美恵子(民主)   3533

 (9)津島恭一 (国民)   3288

(10)相原久美子(民主)   2993

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 ◇注目された候補者の県内得票

義家弘介     (自民) 1894

田中康夫     (日本) 1849

丸山和也     (自民) 1502

横峯良郎     (民主) 1495

アルベルトフジモリ(国民)  393

若尾文子     (共生)  312

毎日新聞 2007年7月31日

619片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 11:34:06
選挙:衆参ダブル選を振り返る/上 民主躍進 /岩手
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/iwate/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk03010154000c.html

 ◇小沢代表地元の面目躍如

 当時の達増拓也衆院議員が獲得した前回の9万5109票を上回る10万2987票を得た階猛氏(40)。参院選の平野達男氏(53)は35市町村すべてで自民新人の千田勝一郎氏(36)を抑えた完全勝利。小沢一郎民主党代表の地元岩手の面目躍如たるものがある。

 階氏の出馬表明は5月5日。課題は知名度不足の解消だった。

 既に1期6年の実績と知名度がある平野氏は、衆院1区内を回る際は階氏を同行。小沢氏の「負ければ政界引退」発言を追い風に、「どちらも勝たなければ意味がない」とダブル選挙での2勝こそが岩手の至上命令であると強調した。

 「政治的には自由にやらせてもらう」と発言していた達増知事も中盤から応援に入った。階氏、平野氏と3人で街頭を練り歩き、「民主の3人組」の印象を広げた。

 一方の自民党。そもそも階氏に敗れた玉沢正徳氏(36)は玉沢徳一郎元農相の長男として知名度で先行。だが結果は盛岡市で2倍の差をつけられ、自民の強い紫波町でも約2600票差の敗北を喫した。

 民主がダブル選挙を連動させるため、二つの選挙事務所と県連事務所も一時的に1カ所に集約したのに対し、自民はすべてバラバラ。当初は参院選の千田氏と共に「36歳コンビ」をうたったが、大票田・盛岡市の玉沢氏総決起大会時に千田氏は奥州市水沢区での個人演説会のため不参加。「全県と1区の地理的な問題」(県連幹部)と言うが、選挙戦最終日には同時間に盛岡市肴町に居合わせたにもかかわらず、別行動を取るなどダブル選挙のうまみを活用しきれたとは言いがたい。

 政権与党に逆風が吹き、得票を伸ばす絶好のチャンスだった共産、社民だが、こちらも期待以上に伸ばせなかった。【念佛明奈、岸本桂司】

毎日新聞 2007年7月31日

620片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 11:35:16
選挙:衆参ダブル選を振り返る/下 自民の苦悩 /岩手
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/iwate/archive/news/2007/08/01/20070801ddlk03010246000c.html

 ◇衆院2区も民主に全敗

 県内に四つある衆院小選挙区の中で、民主が唯一議席を持たない2区は、鈴木善幸元首相の長男鈴木俊一氏(54)が自民の議席を守る。その2区すべての市町村で、平野達男氏(53)票が自民候補を上回ったことの衝撃は大きい。

 「2区で上回らなければ、君は大変なことになる」。2区から立候補を予定する畑浩治氏(43)に、工藤堅太郎民主党県連代表はこう言った。前回の衆院選で落選している畑氏は、2区での平野氏全勝を命ぜられたのだ。

 落選以来、畑氏は毎日のように選挙区内を歩き回っている。「紹介とローラーが効く。街頭演説はお高くみえるらしくて」と畑氏。

 県北や沿岸に拠点を置く議員らに紹介を得て、地域の人と対面して言葉を交わす。ある二戸市議は「畑さんはよく歩く人だ。『何はなくとも善幸さん』という人は別として、かなり浸透しているよ」。

 迎え撃つ自民も必死だ。参院選期間中でも、2区は鈴木俊一衆院議員のポスターが目を引いた。「鈴木先生のいる2区は死守する体制をしっかりしたい」(千葉伝自民党県連幹事長)

 今回参院選で奥州市出身の千田勝一郎氏(36)が主戦場に選んだのは小沢一郎民主党代表のおひざ元、衆院4区だった。しかし、牙城は容易に崩れない。ここでは街頭の握手さえ拒まれることがあった。

 自民内では4区への挑戦が評価される一方、2区を固めるべきだとの意見も根強く、足並みはそろわなかった。03年衆院選で自民と民主の得票差は約4万4000票。だが05年衆院選に約2万2000票までに詰められた。畑氏による追い上げに加え、05年衆院選では社民や共産が候補を擁立しなかった。その分、民主候補に票が流れたという見方がもっぱらだ。

 2大政党制ムードに埋没しないためにも、社民はすべての選挙区に候補者を擁立したい考え。共産も議員団の増員で党勢拡大を狙う−−。とは言うものの、さてどう動くか。文字通り「天下分け目」となる次期衆院選。岩手2区は全国が注目する天王山になる。【念佛明奈、安田光高】

毎日新聞 2007年8月1日

621片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 11:48:42
07参院選:松浦氏が初当選 与党批判票集め(その1) /秋田
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/akita/archive/news/2007/07/30/20070730ddlk05010141000c.html

 ◇知名度武器に支持拡大 自民、議席失う

 第21回参院選は29日、投開票があり、秋田選挙区(改選数1)は民主、社民が推薦する無所属新人の松浦大悟氏(37)が、3選を目指した自民前職の金田勝年氏(57)と、共産新人の鈴木知氏(30)を破り、初当選を果たした。松浦氏は年金記録漏れ問題などに対する厳しい与党批判を追い風に、元アナウンサーの知名度を生かして支持を拡大し、無党派層を中心に県内全域で幅広く票を集めた。前回の04年参院選に続いて民主・社民推薦の無所属候補が自民候補を破った。連敗を喫した自民は、県内の参院全2議席を失った。当日有権者数は94万9602人で、投票率は67・70%だった。【参院選取材班】

 開票開始直後の午後8時すぎ、秋田市広面にある松浦氏の事務所に「当選確実」の一報が伝わると、割れんばかりの拍手と歓声が起こった。松浦氏が同8時15分に事務所に姿を見せると、集まった支持者らが拍手で迎え「よくやった」と声をかけた。松浦氏は上気した表情で民主党県連代表の寺田学衆院議員らと固い握手を交わし、何度も万歳を繰り返した。

 選挙戦は民主・社民両党と、組織票を持つ連合秋田を推薦に加え、元アナウンサーという知名度の高さを武器に、前回参院選で自民現職を破った鈴木陽悦参院議員と同じ「必勝方程式」で臨んだ。寺田衆院議員と二人三脚で公示前から集会を開き、若さを売り物に無党派層への浸透を図った。

 年金記録漏れ問題などで与党への逆風が吹くなか、小沢一郎・民主党代表ら野党幹部が次々駆け付け、政権交代を訴え続けた。松浦氏も「今の政治の流れを変える」と安倍政権を厳しく批判した。報道各社の中盤情勢で優勢が伝えられても、上滑りを警戒して陣営を引き締め、金田、鈴木両氏を振り切った。

 喜びに沸く支持者に囲まれ、松浦氏は「若い人も親の世代も安心して暮らせるよう一生懸命(政治に)取り組みたい」と決意を語った。政党入りについては「推薦団体と協議し、近いうちに私が決める」と述べた。【馬場直子】

 ◇逆風強く、票伸びず 金田氏、中盤以降は劣勢

 テレビが「松浦氏当確」の一報を流すと、秋田市にある金田氏の事務所は重苦しい空気が広がった。金田氏は選挙期間中、副外相などの要職を務めた2期12年間の実績を強調しながら、自らの発言力と実行力の高さを前面に押し出したが、支持は広がらず、知名度と清新なイメージをアピールした松浦氏に及ばなかった。支援者を前に、金田氏は「申し訳ございません」と力なく語り、頭を下げた。

 年金記録漏れ問題の逆風にさらされながらも、公示前後は勢いがあった。連立政権を組む公明党の支援を後ろ盾に、自民党県連や各種業界団体、市町村長をフル回転させる組織戦を展開した。安倍晋三首相や小泉純一郎前首相ら大物政治家が駆け付け、無党派層の掘り起こしも図った。

 しかし、選挙戦中盤からは劣勢を強いられる結果となり、陣営には焦りが広がっていた。票は思ったようには伸びず、松浦氏と競ることもできない結果に終わると、沈痛な空気が金田氏の事務所を包み、涙ぐむ支援者の姿もあった。

 金田氏の県南での支援拡大に力を尽くした自民党の御法川信英衆院議員が壇上で「金田先生の力はこれで終わったわけではありませんが、(われわれの)力不足をおわびしなければならない」と悔しさをにじませると、二田孝治衆院議員や党県連の県議らもうつむいた。【津村豊和】

 ◇鈴木氏、存在示せず 2人競り合いの中、埋没

 松浦氏の当選確実の報が開票直後に伝えられ、鈴木氏は午後8時半ごろ、「こんなに早く結果が出るとは」と驚いた表情で秋田市中通の事務所に駆けつけた。悔しさをにじませながらも「有権者の反応は大きく、党のイメージも変えられたと思う。まだ先があるので、チャンスがあればまたトライしたい」とすがすがしい表情で語った。

 鈴木氏は被選挙権をもつ最年少、30歳の若さで初の国政選挙に挑んだ。「堅苦しい党のイメージを変えたい」と選挙ポスターには愛娘と一緒に収まるなど明るさを前面に押し出し、若者や子育て世代の代弁者として、若者の雇用拡大や子育て支援の拡充などを訴えた。

 金田氏と松浦氏の激しい競り合いの中で存在感を示せなかったが、米田吉正・党県委員長は「有権者がこれほど街頭に出てきてくれたのは初めて。若い青年政治家の未来に期待したい」と手応えを語った。【百武信幸】

622片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 11:50:14
 ◇得票差4万3000票 松浦氏、18市町村で金田氏上回る

 松浦氏と金田氏の得票差は4万2937票で、04年参院選で当選した鈴木陽悦氏と次点の斉藤滋宣氏との4万5438票差から約2500票縮まった。松浦氏が金田氏の得票を上回ったのは18市町村に上り、大票田の秋田市では約1万6000票差がついた。

 金田氏が最多の票を獲得した8市町村は由利本荘市、にかほ市のほか山本郡など一部地域にとどまった。その8市町村でも松浦氏との差は170票以内で、金田氏の市部での劣勢を巻き返すまでの勢いは、保守層の多い郡部にもなかった。

 鈴木氏は前回の04年参院選で落選した共産新人の今川和信氏の得票4万3324票から4930票減らした。【津村豊和】

 ◇松浦氏、無党派の6割獲得 20〜50代幅広く−−出口調査分析

 毎日新聞は29日、県内の36投票所で出口調査を実施し、1386人から回答を得た。その結果によると、松浦氏は無党派層の64%の支持を受け、安倍内閣を「支持しない」層の77%を押さえるなど、安倍政権に批判的な層から広く支持を受け、勝利につなげた。

 松浦氏は20代から50代までの幅広い年齢層で過半数の支持を得、金田氏への支持が松浦氏を上回ったのは70歳以上の年齢層だけだった。

 支持政党別では松浦氏が民主支持層の88%、社民支持層の97%を押さえたほか、公明支持層の27%、共産支持層の24%にも食い込んだ。さらに自民支持層の28%が松浦氏に投票したと回答した。 金田氏は自民支持層、公明支持層のいずれも70%を固めたが、無党派層の支持は28%にとどまった。鈴木氏は共産支持層の74%を固めた。

 内閣支持の別では、松浦氏は「支持しない」の77%を押さえ、「支持する」の22%にも食い込んだ。金田氏は「支持する」の76%を固めたが、「支持しない」では14%。鈴木氏は「支持しない」で10%にとどまった。

 ■出口調査の方法

 県内の36投票所を無作為に選び、投票を終えた有権者の中から一定の人数ごとに調査票を渡し、回答を記入してもらった。回答者は1386人。

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 ◇参院選開票結果=選管最終発表

当  319,631 松浦大悟  37 無新

▽  276,694 金田勝年  57 自前

    38,394 鈴木知   30 共新

松浦大悟(まつうら・だいご) 37 無新(1)

 [元]秋田放送アナウンサー▽神戸学院大=[民][社]

毎日新聞 2007年7月30日

623片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 11:51:17
ターニングポイント:参院選秋田の余震/上 組織頼みに限界 /秋田
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/akita/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk05010278000c.html

 ◇立て直しは?焦る自民

 結んだ口に、押し殺した無念さが浮んだ。29日夜、金田氏は支援者を握手でねぎらった後、淡々と事務所を後にした。重い空気の中で見送る自民関係者は、思い通りに選挙戦を運べない歯がゆさをかみしめていた。金田氏の多くの街頭演説でマイクを取った二田孝治衆院議員が民主党の躍進を伝えるテレビを見つめ、振り返った。「駅前、市役所で何回も街頭演説をして何千人も集めても、そのつど同じ顔を見るんだもんな。集めて終わり。その人が他の人にどれだけ支援を広げられたのか……」。動員選挙の限界だった。

  □  □  ■

 全県1区の参院選。くまなく回るにはあまりに広く、自民候補にとって郡部を中心とする保守地盤が頼みだ。衆院議員、県議、市町村議の後援会や業界団体をいかに動かすかが勝敗を左右する。今回選挙で選対中枢が感じていたのは、支援の呼びかけが末端まで下りない不測の事態だった。郡部で同一歩調を取れない選挙運動は広がりを欠き、18市町村で松浦氏の票を下回った。金田氏のある選対関係者は選挙手法に限界を感じていた。「上からはよく指示を出すけどあとは電話(勧誘)が中心。やり方が古い。最近の自民は衆院秋田1区に参院、知事選でも負けているのに戦略が全然変わらない」

 公示後、衆院選秋田3区地域の自営業の男性(61)に、金田氏を支援する知人から電話が入った。「あの人(金田氏)を落とすと秋田のために良くない。仕事が来なくなるよ」。男性が所属する業界団体も金田氏を推薦した。しかし男性は金田氏に投票しなかった。数人の従業員にも非自民候補への投票を勧めた。「業界団体から金田さんに入れましょうという連絡が一度あった。でもそれだけ」。自民に票を投じ自民が勝っても見返りは期待できない。逆風で自民党の権威が落ちた時、信任する気にはならなかった。

  □  ■  □

 郡部で金田氏の票が伸び悩んだ背景には、一枚岩になれない保守勢力のきしみもある。選挙戦中盤、党本部の中盤情勢調査が県連に伝えられた。無党派の多い1区だけでなく、金田氏支援を表明した野呂田芳成衆院議員の牙城である衆院秋田2区地域でも劣勢が明らかになった。「野呂田さんは動いていないのではないか」。そんな疑念が自民関係者に広がっていた。野呂田氏は、小泉純一郎前首相が断行した郵政解散衆院選挙の「造反組」。「小泉流」が2年後に金田氏の足かせとなった可能性もある。かつて父親同士が衆院選でコスタリカ方式を組んだ御法川信英衆院議員、村岡敏英氏が支援した衆院秋田3区地域でも、由利本荘、にかほ両市、東成瀬村で松浦氏を上回ったが、3区全体で数えれば約1万2600票及ばなかった。

 二田氏は敗戦後、新たな無党派対策を考え、「郡部で圧勝できなければ自民は到底勝てない。今後は空中戦(メディアを利用した選挙)も意識せざるを得ない」と話す。金田氏の総括責任者を務めた県連の津谷永光会長も報道陣に「有権者がどんな判断で投票したのか今後検証したい。衆院選の対応は今回の結果を踏まえたいが、ショックが大きくて……」と答えた。自民惨敗で早期の衆院解散も取りざたされる中、選挙体制立て直しの道も見えないまま、自民関係者の間に焦りが広がる。【津村豊和】

    ◇

 民主・社民が推薦する元民放アナウンサーの新人、松浦大悟氏(37)が自民前職の金田勝年氏(57)、共産新人の鈴木知氏(30)を破った第21回参院選秋田選挙区。自公の敗北と非自民の躍進は県内政界にどんな転換をもたらすのか。深層を追う。

毎日新聞 2007年7月31日

624片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 11:52:44
ターニングポイント:参院選秋田の余震/下 風向き変われば /秋田
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/akita/archive/news/2007/08/01/20070801ddlk05010341000c.html

 ◇民主、組織は弱いまま

 秋田市の松浦大悟氏(37)の事務所は29日夜、勝利に沸き返った。民主党県連代表の寺田学衆院議員と社民党県連の山本喜代宏代表、松浦氏と同じく元アナウンサーで民主・社民の推薦を受け04年に当選した鈴木陽悦参院議員の姿があった。誰もが笑顔で野党共闘でつかんだ勝利に酔いしれた。しかし、この結果は、小泉ブームの中で金田勝年氏が圧勝した01年参院選の裏返しにすぎないと、冷めた目で分析する陣営関係者もいた。

 松浦氏は社民党や連合秋田の組織票を基に、知名度を生かし、無党派層へ浸透。そこに、年金記録漏れ問題などで自民党への逆風が吹き荒れ、優位に戦いを進めた。だが比例代表の得票では、自民が前回とほぼ同じ22万票を獲得、民主は前回の19万票台から21万票台に得票を伸ばしたものの、自民を上回るには至らなかった。

 無党派層が多いとされる秋田市で比較すると、松浦氏は3年前に鈴木氏が獲得した票とほぼ同数だったが、金田氏は自民現職で鈴木氏に敗れた斉藤滋宣・現能代市長より1万票以上上積みした。同市での投票総数は前回選より今回選は2万票以上多い▽金田氏は出身地の同市を地盤としている−−という要素はあるものの、松浦陣営の選対幹部はこのデータを重視している。自民党県連が組織の弱体化に頭を抱えるのに対し、「自民党の組織力はまだ侮れない」というのが民主側の見方だ。

 民主と社民が共闘に踏みきったのは「勝てる候補を擁立するため」(選対幹部)だった。独自候補での勝利はおぼつかなかったと言い換えることもできる。今回の比例代表得票数は、民主・社民で25万票。自公28万票には及ばない。別の選対幹部も「民主・社民にはきちんとした組織があるわけではない。集会の呼びかけは連合秋田に任せている状態」と組織の脆弱(ぜいじゃく)さを指摘する。

 松浦氏の当選後、寺田代表は「団体の幹部の言いなりで投票する時代じゃない。有権者と直接のパイプを持たないといけない」と組織に縛られないネットワークづくりの大切さを説いた。これに対し民主党県連の幹部は「風向きが逆になれば怖い。確固たる組織がやはり重要」との立場を取る。一方の社民党県連は、比例代表で前回より票を減らしたが「候補者なしで選挙活動しなかったら、もっと落ちた」と共闘の成果に満足げだ。

 安倍晋三首相は30日の記者会見で衆院解散について「任期は2年残っているが、しかるべき時に政権の信を問う」と述べた。無党派層を重視する寺田代表と組織の力不足を危惧する県連はどのように折り合い、どう戦うのか。勝利の次が問われている。【馬場直子】

毎日新聞 2007年8月1日

625片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 11:55:03
選挙:参院選 県三役は留任 自民県連総務会で総括 /秋田
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/akita/archive/news/2007/08/04/20070804ddlk05010157000c.html

 自民党県連は3日の常任総務会で、閣僚の不適切発言や事務所費問題が参院選秋田選挙区でも敗因の一つになったと党本部に指摘することを確認した。また今回選で自民前職の金田勝年氏を破った無所属新人の松浦大悟氏が続けた駅前などの街頭演説「辻(つじ)立ち」を、今後の衆院選、知事選で県連も重視する方針を示した。津谷永光会長は敗北について「責任は重く受け止めている」と述べたが、県連三役は留任する。

 鈴木洋一幹事長は会見で「我々の選挙には旧態依然の部分があった。組織に頼って人を集めるだけでなく、広報宣伝の重要性も認識しなければならない」と話した。事務所費問題と安倍晋三首相の対応については「後ろから鉄砲玉が飛んでくるようなもので、あれでは戦えない」と非難。「首相のけじめのつけ方が悪かった」との批判が出たことを明らかにした。この日は県連人事についての意見はなかったというが、津谷会長は「選挙をきちんと総括してから県連の体制作りを進める」とし、今後の組織の見直しに含みを持たせた。【津村豊和】

毎日新聞 2007年8月4日

626片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 12:02:00
07参院選:振り返って 農村部でも民主が圧倒 自民、揺らぐ基盤にショック /宮城
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/miyagi/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk04010249000c.html

 29日投開票された参院選は県内でも民主党が躍進する結果となった。宮城選挙区(改選数2)では36市町村中33市町村で民主の岡崎トミ子氏(63)が自民の愛知治郎氏(38)の得票を上回り、約19万票の大差を付けて圧勝した。自民の支持基盤とされてきた農村部でも民主が軒並み自民を圧倒。一夜明け、旧来の支持基盤が揺らぐ結果に自民県連にショックが広がった。

 29日午後8時過ぎ、愛知氏の選挙事務所では、万歳の声が響く傍ら、駆けつけた党所属の国会議員らからは、こわ張った表情も見られた。

 郡部でも想像を上回る民主の躍進が伝えられていた。水産都市の気仙沼、米どころの登米市などを抱える衆院宮城6区選出の小野寺五典衆院議員は、「農業だけでなく一次産業全体の生活が苦しく不満がたまっていることを実感した。逆風は年金問題だけによるものではなく、本当に生活を何とかしなくてはいけない」と話し、唇をかんだ。

 平成の大合併前の前回04年参院選では、民主が自民を上回ったのは69市町村中、仙台市を含む9市町のみだった。だが、今回、宮城選挙区は七ケ宿、川崎、南三陸の3町を除く33市町村で民主が自民を上回る結果に。仙台市内の得票差は前回選の2倍以上の9万2305票に拡大。一次産業が盛んな石巻市、登米市、大崎市では1万票以上の差がついた。比例の「自民勝利」自治体はさらに少なく、七ケ宿、南三陸両町のみだった。

 民主の岡崎氏は、党本部の指示を受け重点的に農村部を遊説。17日間の選挙期間のうち9日間は仙台市以外の郡部に選挙カーを走らせ、「自民党は小規模農家を切り捨てようとしている。私たちは個別所得保障を実現し農業を再生させる」と訴えていた。

 自民県連は30日、五役会議を開いて自民支持層を呼び戻すため地方議員らが中心になって地方での活動強化を確認。中村功県連幹事長は「予想以上に郡部で民主に票が流れた。懇切丁寧に説明し、地道にやり直すしかない」と話した。【山寺香】

毎日新聞 2007年7月31日

627片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 12:05:40
07参院選:仙台市長「政治的混迷避けて」 安倍首相の姿勢を強く支持 /宮城
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/miyagi/archive/news/2007/08/01/20070801ddlk04010276000c.html

 参院選での自民党大敗について、仙台市の梅原克彦市長は31日の定例会見で「自民党にとって極めて深刻な結果。思い切った人事の刷新で政権を再構築し、政治的な混迷を避けなければいけない」と述べた。続投を決めた安倍晋三首相には「多くの実績を挙げており、もっと評価されるべき。自らの政治信条を貫き、いばらの道を進もうとする姿勢を強く支持したい」とエールを送った。

 梅原市長は自民の敗因として「年金や格差の問題などで有権者の不安、不満が募っており、それに閣僚の一連の不祥事が重なった」と指摘。躍進した民主党に対しては「いまや政権獲得をうかがう政党になったが、特に外交・安全保障問題で統一した見解を持っていない。党内で議論を深めてほしい」と注文を付けた。【青木純】

毎日新聞 2007年8月1日

628片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 14:24:01
07参院選:民主・舟山氏が初当選 自民・篠原氏、組織力及ばず(その1) /山形
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/yamagata/archive/news/2007/07/30/20070730ddlk06040058000c.html

 ◇13万票差で圧勝 県初、女性参院議員に−−2度目の挑戦実る

 年金記録漏れ問題や「政治とカネ」が争点となった第21回参院選が29日、投開票された。山形選挙区は、民主新人の舟山康江氏(41)=国民新党推薦、社民党県連支持=が、自民の篠原みえ子氏(59)=公明推薦▽共産の佐藤雅之氏(34)の2新人を破り、初当選した。山形選挙区の女性議員は初めてで、民主の議員も初。舟山氏は、年金問題や自民、公明の連立与党の政権運営に対する批判を「追い風」に受け、3年前の参院選で善戦した知名度を生かして逃げ切った。篠原氏は、自民が現職・阿部正俊氏の引退に伴う後継候補として4月下旬に擁立したが、出遅れと与党への逆風で支持に広がりを欠き、及ばなかった。佐藤氏は無党派層に浸透しなかった。投票率は67・29%で前回(61・75%)を上回った。当日有権者数は97万9389人。【参院選取材班】

 自民、民主ともに女性候補を擁立し、女性対決の選挙としても注目を集めた。全国的に年金問題や相次ぐ安倍内閣の閣僚の問題発覚で批判が強まり、自民には大きな逆風となった。舟山氏は、景気回復の波が十分に届いていないという与党の政策運営に対する不満の受け皿となり、3年前に続く2回目の参院選挑戦で勝利を得た。

 舟山陣営には、民主県連会長の近藤洋介衆院議員をはじめ、同党系の県議や市町村議、連合山形や選挙協力した社民党県連などの関係者が公示日には駆けつけ、「野党共闘」をアピールした。

 年金問題や閣僚の不透明な政治資金の利用や失言が続き、安倍政権に対し不信ムードが高まる中、舟山陣営は、小泉・安倍内閣の政権運営で、数字の上で景気回復はしているが、県内にはそうした波が及んでいないなどと格差社会を批判。舟山氏自ら積極的な街頭演説で、支持を呼び掛けた。

 小沢一郎党代表をはじめ、菅直人代表代行、岡田克也副代表、鳩山由紀夫幹事長らの幹部が次々と来県し、「反与党」ムードを盛り上げた。また、舟山氏は、農業が食糧生産や環境保全だけでなく、地域社会を支えている基幹だと主張して、市部だけでなく郡部でも支持を伸ばした。

 一方、篠原陣営は、立候補表明が4月下旬と出遅れたが、衆参合わせ5人の自民党国会議員や、県議会で3分の2を占める県議を中心に分厚い組織を活用する選挙戦術を展開、公明党の推薦も取りつけた。

 衆院小選挙区ごとに地域を割り振り、衆院議員事務所をトップに地域内の県議らが集会や演説会を開き浸透を図った。しかし、年金や「政治とカネ」の問題に対して、与党への不信感をぬぐい去れず、運動に広がりを持たせられなかった。

 佐藤氏は、年金問題や政治とカネの問題で与党批判を展開し、「たしかな野党」を主張したが、従来の組織票以上の広がりが得られなかった。

 ◇「大きな勝利」と喜ぶ−−舟山氏

 山形市南栄町3の舟山氏の選挙事務所には、県連幹部や後援会関係者、推薦する連合山形、支持する社民党県連などの幹部や多くの支持者が詰めかけて、開票速報を見守った。

 テレビ画面に「当選確実」の表示が流れると、事務所は支持者の歓声と拍手に包まれ、しばらく鳴りやまなかった。舟山氏は満面の笑みを浮かべて支持者と握手を交わし、「バンザイ」を繰り返した。

 舟山氏は「支援してくれた皆さん全員で勝ち取った大きな大きな勝利だ」と喜びを表した。また「この勝利は決してゴールではなく、スタート地点に立ったにすぎない。この山形を、地域を、日本らしさの残るふるさとを守るために断固として今の政治と戦っていきたい」と抱負を語った。

 舟山氏は、年金問題などへの有権者の不満の高まりに対し政権交代を訴え、安倍政権の閣僚の相次ぐ問題を追い風に、運動に弾みをつけた。

629片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 14:24:23
 ◇逆風、出遅れ響く 「力不足だった」−−篠原氏

 山形市あさひ町の篠原氏の事務所では、国会議員や自民県連幹部、後援会、推薦した公明党県本部の関係者らが集まり、テレビの開票速報を見守った。「舟山氏当選確実」のテロップが流れると、関係者は「残念だ」などと落胆の表情を浮かべた。

 篠原氏は「きちんとした形で訴えができない部分があった。私の力不足であり、準備不足。支援していただいた皆様に感謝します」と敗戦の弁を述べた。

 立候補表明が大きく遅れた篠原氏。自民県連はその1年前から、現職の引退表明を受けて、後継候補の選考作業を進めたが、迷走した。

 擁立当初、分厚い組織を背景に県連幹部は自信を見せた。しかし、6月以降の安倍政権への逆風で、公示後は「衆院選挙と同等以上」の運動を展開したが、「浸透すべき時期に逆風が強まり、運動の足が止まった」(県連幹部)と出遅れが最後まで響いた。

 ◇票伸びず落胆 「2大政党に敗れた」−−佐藤氏

 山形市深町1の佐藤氏の選挙事務所には、党県委員会関係者や支持者らが開票状況を見守った。しかし、期待したほど票が伸びずに、落選が決まると関係者から「批判票が民主に流れた」などと落胆の声が漏れた。比例候補と連動する選挙運動を展開してきたことから、比例の開票状況を引き続き見守った。

 佐藤氏は「党の主張を聞いてもらえたが、2大政党の組織的な力に敗れ、票に結び付かなかった」と述べた。

 佐藤氏は昨年4月に立候補を表明し、県内をくまなく回った。格差是正や憲法改正阻止などに加え、年金問題の解決などを訴えたが、票を伸ばすことはできなかった。

 ◇女性国会議員2人目−−野党参院議席は18年ぶり

 山形選挙区選出の参院議員では初めての女性議員が選出された。

 女性の選挙権は戦後から認められ、県内の女性国会議員としては、戦後直後の1946年4月の衆院選で米山文子氏(諸派)が当選している。衆院ではその後、女性立候補者はいたが当選者はなく、舟山氏が2人目の女性国会議員となった。

 また、参院の選挙区は59年以降、自民が毎回、議席を獲得したが、リクルート事件や消費税の導入などが争点となった89年に「連合の会」に議席を奪われた。その後は再び、自民系の議員が議席を獲得していた。18年ぶりに野党が議席を獲得する歴史的な選挙ともなった。

 ◇遠藤・自民県連会長が辞意表明

 篠原氏の敗北を受け、遠藤利明・自民党県連会長は29日夜、県連幹部の会合で辞意を表明した。会合後、遠藤会長は「結果責任だから、負けたら責任を取ると決めていた。(参院選で)勝つという目的できていたから、すべての責任は私にある」と語った。今後については「(副会長以下の)4役に決めてもらう」と述べるにとどまった。

 同県連は31日に常任総務会を開き、今後の対応を協議する。

630片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 14:26:22
 ■解説

 ◇自民王国が落城−−沈滞続き、変化求めた県民

 三つの衆院小選挙区、参院の2議席のすべてを自民党議員が占めていた「自民王国」が落城した。

 県内では、少子高齢化の進展や若年人口の流出、景気回復の遅れ、農業生産高の減少が続く。自治体も起債残高の削減への着手と、三位一体改革による歳入減で緊縮財政を余儀なくされている。

 4月の県議選では、約半数の9選挙区で無投票、10選挙区で過去最低の立候補者となり、選択の機会が有権者に十分に与えられなかった。その後、年金記録漏れ問題に続き、閣僚の事務所費問題や閣僚交代などが続いた。自公連立内閣に対する批判の声は絶えず、逆風は次第に強くなった。

 舟山氏は、小泉、安倍政権で格差が拡大し、県内を沈滞ムードに追い込んだと批判。政権交代でこうした流れを変えると訴えた。

 一方、篠原氏は、与党との太いパイプで県内の声を政策に反映させることを公約に掲げた。しかし、安倍政権そのものに対する不信感を解消できなかった。

 女性の視点対決になるかとも注目されたが、教育や地域社会の再生といった視点はかすんだ。

 県民の審判は「変化」。舟山氏の活躍への期待はもとより、県内政界で多数派を占める自民党の変化、篠原陣営を全面的に応援した斎藤弘知事の路線にも変化を求めたといえよう。【佐藤薫】

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 ◇選挙区開票結果=選管最終発表

当  371,071 舟山康江  41 民新

▽  238,515 篠原みえ子 59 自新

    38,008 佐藤雅之  34 共新

舟山康江(ふなやま・やすえ) 41 民新(1)

 小国ガスエネルギー専務▽党県会長代行・県参院第1総支部代表[歴]農水省職員▽北大=[国]

 《名鑑の見方》氏名▽年齢(7月29日現在)▽党派▽自民の派閥(囲み文字)▽前元新の別▽当選回数(丸囲み数字)▽職業・肩書([元]は前職を含む、[歴]以下は過去の職業・肩書・学歴)▽末尾の=以下の囲み文字は推薦・支持政党

毎日新聞 2007年7月30日

631片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 14:26:52
07参院選:民主・舟山氏が初当選 自民・篠原氏、組織力及ばず(その2止) /山形
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/yamagata/archive/news/2007/07/30/20070730ddlk06040054000c.html

 ◇投票率67・29%−−前回比5・54ポイント増、低下傾向に歯止め

 県選挙管理委員会がまとめた投票率は67・29%で、前回(61・75%)を5・54ポイント上回り、低下傾向に歯止めがかかった格好だ。

 12年に1度、統一地方選と同じ年に実施された過去の参院選は、投票率が大幅に下がった。さらに今回は投票日が7月の最終日曜日で、夏休みで出かける家庭が多く、投票率が伸び悩むと予想された。

 与党側の自民、野党側の民主、共産とも新人を擁立した今回の参院選では、中央の争点がそのままに反映された。年金問題をはじめ、教育再生や公務員改革などの争点に加えて、安倍内閣の政権運営のあり方も注目され、地方と中央の格差問題にも関心が集まった。

 とりわけ、年金や格差という暮らしに身近な問題についての実感が「選挙疲れ」を押しのけ、有権者の投票行動に結び付いたようだ。

 県選管は3年前から、若年層を標的にした投票率アップ作戦を実施してきた。期日前投票のPRも含め、熱心に投票を呼び掛けた。今回の期日前投票は前回の2倍近い数となり、仕組みが定着したとみられる。しかし、全体としての低下傾向に底が見えてきたと判断するのは難しそうだ。

 ◇内閣批判票大半、舟山氏に−−出口調査

 毎日新聞による参院選山形選挙区の出口調査では、安倍内閣を支持しない人の中で、舟山氏に投票したのは81%と、篠原氏に投票した人(11%)の7倍以上に上り、内閣への批判票が舟山氏に向かった。

 舟山氏に投票した人のうち、75%は支持しない人たちで、批判票をまとめることに成功したといえる。一方、支持すると答えた人のうち、篠原氏に投票したのは72%だった。

 性別では、男性の61%、女性の50%が舟山氏に投票した。年代別では、60歳代以下の各年代で、舟山氏が篠原氏を上回り、年代が上がるごとに、舟山氏と篠原氏との割合の差が小さくなった。

 41歳の舟山氏と59歳の篠原氏の女性同士の争いで、年金や格差などの暮らしの中で実感できる問題に加えて、投票者にとっては、自分と近い世代かどうかも、投票基準の一つになったとみられる。

 支持政党別でみると、舟山氏は民主支持者の90%から投票を受け、民主支持層を固めることに成功した。選挙協力した社民支持者も89%と、「共闘」は成功したと評価できそうだ。

 さらに支持政党なしの無党派層からの投票も76%にのぼった。自民支持者からも34%、共産25%で、安倍政権への批判の声を集めることに成功した。

 一方、篠原氏は、自民支持者の61%にとどまり、推薦を受けた公明支持者からは81%だった。共産支持者では、佐藤氏への投票は67%だった。

 組織が強力とみられた自民、公明、共産で、支持層を固めきれなかったことも明らかになった。

毎日新聞 2007年7月30日

632片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 14:28:06
13万票差の衝撃:07参院選山形/上 露出戦術で「風」受け止め /山形
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/yamagata/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk06040334000c.html

 ◇「舟山知るほど票増える」

 参院選山形選挙区は、13万票以上の大差を付けて民主公認の舟山康江氏(41)が、自民公認で公明推薦の篠原みえ子氏(59)らを突き放して初当選した。1959年以降、自民系以外の候補者が当選したのは1回だけという「自民指定席」が動いた。安倍内閣への批判の風が全国的に吹き荒れたとはいえ、歴代4番目に多い得票数と、篠原氏の地元・天童市以外の34市町村で最多得票を得た民主候補に自民が敗れたことは、県政界にも大きな衝撃を与えた。民主の「歴史的勝利」を検証し、自民を直撃した影響を報告する。【参院選取材班】

 「同志の皆さん、山が動きました」

 参院選投開票日の29日午後9時過ぎ、山形市の舟山氏の選挙事務所。満面の笑みの舟山氏の横で、近藤洋介・民主党県連会長が会場に語りかけると、支援者が詰めかけた選挙事務所は歓声と興奮の渦に巻き込まれた。県連発足から10年、「自民王国」で、民主が初めて参院議席を獲得した歴史的勝利の瞬間だった。

 社民県連の支持も得た選挙戦では、天童市以外すべての市町村で最多得票を得た。しかし、実は約2カ月前の5月下旬、党本部の世論調査では、舟山氏は篠原氏を追う立場だった。

 山形を「最重要区の一つ」と位置づける党本部は、即座に党本部職員と小沢一郎代表の直属秘書を専従要員として舟山陣営に派遣した。選挙対策会議に加わり、秘書は小沢事務所の名刺を手に自民支持の多い建設業界などを回った。

 最も重視したのは、舟山氏本人の「露出を高める」こと。ヒントは苦戦を伝えた世論調査の中にあった。舟山氏を「知っている」と答えた人が予想を大幅に下回る45%。「印象が悪い」は3%。

 「有権者が舟山を知れば知るほど票は増える」。後援会や支持団体回り中心のスケジュールが一変した。演説時間5分という1日30カ所の街頭演説が組まれた。舟山氏がひたむきに演説を繰り返し、県内全域でポスターを1000枚から3000枚に増やした。

 1カ月後の6月下旬、党本部から2回目の調査結果が届いた。舟山氏は支持率で自民候補を逆転した。知名度は20ポイント以上上昇した。「年金記録漏れや閣僚の自殺などの追い風を受けたのも大きい。だがこちらの戦術がばっちりはまったことで、その風を票として受け止めることができた」(近藤会長)。

 無党派層を取り込む一方、従来自民支持層だった票田の切り崩しにも成果を挙げた。中山間地の農村部でミニ集会を開き、農業再生を訴える舟山氏に対し、事務所には「このままじゃ農家は生き残れない。今回は絶対に応援する」といったファクスが寄せられた。

 自民の地盤が根強い最上地域で、ある町議が自民党を離党し、後援会を引き連れ、舟山後援会支部を作った。

 職域団体でも約1万人の会員を抱える団体が初めて非自民系候補につき、支援の輪を広げた。

 最上地域の舟山後援会支部が発足した7月5日、ある陣営幹部は事務所でゆっくりと口を開いた。「うちには自民党のように強力な組織はない。でも『小泉・安倍政権であなたの暮らしは本当に良くなりましたか』。面と向かってそう話せば誰だって心を開いてくれるんだ」

毎日新聞 2007年7月31日

633片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 14:32:01
13万票差の衝撃:07参院選山形/中 「東北一の組織力」粉砕 /山形
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/yamagata/archive/news/2007/08/01/20070801ddlk06010445000c.html

 ◇自民県連、上から下まで大揺れ

 「五役会を開くぞ」。平弘造・自民県連幹事長が周りにいた県連幹部に耳打ちした。

 7月29日夜、自民の篠原みえ子氏(59)の後援会事務所。県連会長の遠藤利明衆院議員が、テレビの開票速報番組中継での質問に「(篠原氏の落選に)責任を感じる。辞職も考えている」と発言した。後ろで聞きつけた平氏は平静を装ってはいたが、実際は慌てていた。

 1時間後、事務所近くの県連事務所で、予定になかった首脳部の五役会が開かれた。遠藤氏が「会長として結果責任を取り、辞任したい」と申し出た。「辞任しないと東京に行って、安倍晋三首相に抗議ができない」という思いでの発言だった。

 県連執行部に激震が走った。会長が辞任すれば、会長の指名で決まった執行部全員も退任となり、執行部が崩壊するからだ。

 出席者は「会長の独り言だ」「会長本人の問題で、話すことはない」と取材に口をつぐんだ。

 選挙戦中盤、報道機関の世論調査結果が出るようになると、それまで連日あった党本部から県連事務所への連絡が絶えた。「党本部も勝てないと判断した」と県連関係者はぼやいた。

 党本部の幹部クラスの応援も17日の中川秀直幹事長が最後だった。19日には県連事務所に所属県議全員を集め、逆転を目指すべく、後援会などによる運動の徹底などを指示した。中央からの応援が先細りとなり、投票日直前の週の後半は、山形入りする国会議員はどんどん減っていた。

 平氏はこうした不利な展開に改めて腹をくくり、7月30日付の辞表を毎日持ち歩く書類カバンに忍ばせた。「選挙運動の徹底を」と運動員を鼓舞し、陣営を引っ張った。「負けたら篠原氏の選出段階からかかわってきた自分が切腹(辞任)して、会長以下の今の執行部を守る」

 結果は13万票差の大敗。想定外の会長の辞任発言で、平氏の思惑は吹っ飛んだ。

 31日、県連事務所で会長の辞任発言を話し合う常任総務会があった。急な開催で、最も都合のいい時間として午前9時開始に設定されたが、都合のつかない5人が欠席した。出席者は常任総務委員や県連幹部十数人、同会は総会に代わる決定機関としての機能を持つ。

 約50分後に終わり、志田英紀総務会長が内容を説明した。「選挙では会長にしっかりと戦ってもらった。県連を立て直すために全力を尽くしていただきたいということで一致した」と語り、翻意を促す説得役に平氏を指名した。1日までに2回遠藤氏と面会して、説得する。

 篠原氏の市町村別の得票は、出身地の天童市以外の34市町村で民主・舟山康江氏(41)を下回った。選挙前に「東北一の組織力」(加藤紘一衆院議員)と自負していたが、中央からの逆風で粉砕された。トップの引責辞任騒動も加わり、自民県連は上から下まで大揺れが続く。

毎日新聞 2007年8月1日

634片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 14:38:34
13万票差の衝撃:07参院選山形/下 「まだ山形に根付いてない」 /山形
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/yamagata/archive/news/2007/08/02/20070802ddlk06010315000c.html

 ◇民主県連、組織作りへの出発点

 「ゴールではなく、スタート地点に立ったに過ぎない」。勝利の歓喜に沸く7月29日夜の山形市の舟山康江選挙事務所で、自らの今後の政治活動について決意表明する舟山氏の言葉に、民主県連幹部らから「そうだ」「これからだ」と熱っぽい声が飛び交った。

 三つの衆院小選挙区と参院の選挙区2人は自民が独占していた。今回の参院選はその一角を崩し、民主にとって大きな勝利だった。

 現在、民主は衆院1区で県連最高顧問の鹿野道彦氏、同2区で比例復活の衆院議員、近藤洋介県連会長が公認候補だ。しかし庄内・最上地方の同3区は空席のまま。組織力が如実に反映される衆院選で社民との選挙協力は不透明だ。今回と同じような戦い方が通用する可能性は低い。

 県連幹部は言う。「まだ山形に民主は根付いていない。勝利を機に全県的に組織を作らなければ、あっという間に巻き返される」

   ◇   ◇

 衆院の小選挙区別に民主の舟山氏と自民の篠原みえ子氏の得票率を見ると、1区で舟山58・5%、篠原36・6%▽2区で舟山57・7%、篠原37・6%▽3区で舟山55・7%、篠原36・1%−−と、各区とも19〜22ポイント差で舟山氏は篠原氏に差をつけた。

 県全体でも舟山57・3%、篠原36・8%で20・5ポイント差だった。

 県全体と各区で同じ傾向の大差が付いた。市町村ごとにみれば、舟山氏は地元の小国町で79・3%を獲得するなど34市町村で、篠原氏を上回った。

 一方、篠原氏は地元の天童市で49・4%と、舟山氏の47・4%をわずかにかわすにとどまった。得票傾向からは、候補者への支持以上に、年金記録漏れや政治とカネをめぐる問題など全国で吹き荒れた「風」が民主に集まったとみられる。

   ◇   ◇

 選挙戦最終盤の夜。篠原氏の個人演説会で応援演説した後に、遠藤利明・自民県連会長は「有権者が格差社会を強く意識しているとは思わなかった。認識が甘かった」とつぶやいた。自民県連幹部は「参院選では、これまでにないくらい国会議員や県議は運動して、個人演説会なども行い、人も集まったのに浸透しなかった」とぶぜんとした。

 31日の常任総務会でも「敗北は会長の責任ではない」という認識で一致。辞意を表明した遠藤会長に平弘造幹事長が1日、面談して翻意を促した。

 面談後、遠藤会長は「参院選後のあいさつ回りをしながら、いろいろな人と相談して考えたい」と語り、「臨時国会が召集される7日までには決めたい」と述べるにとどまった。

 衝撃の波紋はこれからも広がる。【参院選取材班】

毎日新聞 2007年8月2日

635片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 14:44:04
07参院選:民主・金子氏、50万票圧勝 自民・森氏、議席確保(その1) /福島
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/fukushima/archive/news/2007/07/30/20070730ddlk07010083000c.html

 参院選は29日投開票され、新人4人が改選2議席を争った福島選挙区は、民主の専門学校講師、金子恵美氏(42)と自民の弁護士、森雅子氏(42)=公明推薦=が、共産の党県委員、宮本しづえ氏(55)と社民の党県副代表、小川右善氏(57)を破り初当選した。政権与党への批判票を吸収した金子氏が、通常選で過去2番目に多い50万票を超える得票で、2位の森氏にも大差をつけてトップ当選。「民主王国」へ県内基盤を着実に固めた。自民は議席を確保したが、野党候補の得票を上回れなかった。当日有権者数は167万3447人、投票率は61・57%(04年参院選は60・34%)。【参院選取材班】

 ◇与党への批判票吸収−−県内基盤、着実に固める

 改選2議席を分け合っていた民主、自民がそろって2人目の候補者擁立を見送ったことで、金子、森の両氏の当選は当初から確実視されていた。党本部の幹部がほとんど福島入りせず「無風」と言われた選挙戦で、両陣営が至上命題としたのはトップ当選だった。

 全国的に民主が躍進する中、福島選挙区でも金子氏がトップ当選を果たした。民主候補が自民候補の得票を上回るのは前回の04年に続き2回連続。民主は、衆院1区を地盤とする国会議員を誕生させるという悲願を達成し、次期衆院選に弾みをつけた。

 金子氏は立候補表明が6月と出遅れ、知名度不足の課題もあった。元衆院議員の父・金子徳之介氏の後援者らの人脈を活用し、地元伊達市や周辺市町村から着実に地盤固めした。自民への逆風が吹く中、「民主公認候補」を前面に押し出し、無党派層にも浸透した。

 森氏は立候補を決めた3月以降、公示前までに県内を8周するなど支援者や支援組織へのあいさつ回りを精力的に行った。選挙戦では年金改革や「ふるさと納税」導入による地方財政の立て直しを訴えた。ただ、党への逆風は陣営が想像した以上に大きく、森氏は「働く母親」というキャラクターでイメージアップを図ったが、得票は伸び悩んだ。

 宮本氏は年金問題を最大の争点に掲げ、憲法改正阻止や党の掲げた生活困窮者救済の政策を訴えたが、無党派層への食い込みを図れず、補選に続き涙をのんだ。12年ぶりの社民候補として出馬した小川氏も、護憲と農政改革などで支持拡大を狙ったが、2大政党の争いに埋没してしまった。

 ◇親子2代で国政へ−−民主・金子氏「全力で臨む」

 「新人で知名度もなく不利な選挙戦だったが、後援会をはじめ万全の体制で勝利をつかむことができた。全力で国政に臨んでいく」

 午後8時過ぎに当選確実が伝わると、金子氏は福島市天神町の事務所で拍手と歓声に包まれ、声を詰まらせて語った。

 出馬表明の遅れや知名度不足、社民の候補者擁立など陣営は当初、劣勢を予想した。後援会を次々と組織し、街頭演説や個人演説会を精力的にこなし、無党派層に支持を広げた。党への追い風に乗り一躍トップ当選へ駆け上がり、元衆院議員の父徳之介さん(75)も駆けつけ、親子2代の国会議員誕生を喜んだ。

 総合選対本部の増子輝彦本部長は「国民の怒りが福島を含め全国的にあった。我々はチーム一丸の戦いで勝利した」と満面の笑みだった。

636片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 14:44:26
 ◇激しかった逆風 県連幹部、複雑な表情−−自民・森氏

 福島市南沢又の事務所で、当選確実の報を受けた森氏は「逆風につぐ逆風で厳しい選挙だった。県民の期待に応えるため一生懸命働く」と語り、花束を手に目を潤ませた。ただ、金子氏に比べ得票は伸び悩み、岩城光英会長ら県連幹部は、複雑な表情も見せた。

 年金記録漏れや事務所費問題などが次々と明らかになり、逆風が日に日に強まった。県連は「自民党」色をあまり出さず、森氏の清新なキャラクターを押し出す戦略で戦った。知事選で浸透した知名度も生かし、遊説先では一人一人と握手を交わし、親しみやすさもアピールした。

 ただ、県連の橋本克也幹事長は「年金問題を有権者一人一人に説明し、理解を得る時間がなかった」と語り、政府与党への不信感までは払しょくできなかった。

 ◇護憲の訴え届かず−−社民・小川氏、12年ぶりも低調

 福島市天神町の社民党県連本部では、小川氏が「格差や憲法の問題はこれからも大きな問題になってくる。今後もこの問題を強く訴えていく」と厳しい表情で語った。

 12年ぶりに選挙区へ候補者を擁立したのは、比例票の底上げが狙いだった。比例代表の県内得票目標を15万票に設定。「護憲」「年金」で与党批判を展開した。しかし思惑通りには票は伸びず、事務所内は重苦しい空気に包まれた。それでも、小川氏が深々と頭を下げると、支持者からねぎらいの拍手が起きた。

 ◇主張浸透せず 自民批判票、民主へ−−共産・宮本氏

 宮本氏は4月の参院補選に続いて立候補したが、思うように票を伸ばせず、補選を下回った。落選が確実になると、宮本氏は福島市南矢野目の事務所で「私たちの訴えは有権者に届いたと思う。今後も暮らしと憲法を守るための戦いを続ける」と述べた。

 選挙中は県内をほぼ3巡。福島、郡山、いわきなどの大票田を中心に遊説した。20日には志位和夫・党委員長も応援に駆けつけ「自公政権ストップ」を訴えたが、自民批判票が民主に流れ、護憲や格差是正の訴えも有権者に浸透しなかった。

 ◇目標2時間以内、達成はならず−−相馬・開票作業

 開票事務効率化に取り組んでいる相馬市は、開票作業のスピードアップを目指したが、前回参院選とほぼ同じ3時間14分かかり、目標の2時間以内は達成できなかった。

 開票は職員80人が従事し、午後8時45分から同市中村の「スポーツアリーナそうま」で行われた。集計が複雑な比例代表で政党や候補者ごとの票の束にバーコードの紙を張り、瞬時に票数を入力するなど工夫した。

 同市は昨年11月の知事選から、早大マニフェスト研究所が提唱する開票事務効率化策を導入し、開票時間の短縮につなげてきた。【塚本弘毅】

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 ◇開票結果=選管最終発表

当  503,423 金子恵美  42 民新

当  372,857 森雅子   42 自新

    78,237 宮本しづえ 55 共新

    54,466 小川右善  57 社新

 ◇当選者略歴

金子恵美(かねこ・えみ) 42 民新(1)

 専門学校講師[歴]高校教諭▽ソーシャルワーカー▽英会話学校講師▽旧保原町議▽伊達市議▽米カリフォルニア州立大院

森雅子(もり・まさこ) 42 自新(1)

 弁護士▽森雅子法律事務所長▽日弁連消費者問題対策委員会幹事[歴]金融庁総務企画局企画課信用制度参事官室課長補佐▽内閣府国民生活センター保育調査委員会委員▽金融庁検査局総務課金融証券検査官▽東北大=[公]

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 《名鑑の見方》氏名▽年齢(7月29日現在)▽党派▽自民の派閥(囲み文字)▽前元新の別▽当選回数(丸囲み数字)▽職業・肩書([元]は前職を含む、[歴]以下は過去の職業・肩書・学歴)▽末尾の=以下の囲み文字は推薦・支持政党

毎日新聞 2007年7月30日

637片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 14:45:18
07参院選:民主・金子氏、50万票圧勝 自民・森氏、議席確保(その2止) /福島
 ◇投票率は61・57%−−前回、前々回上回る

 01年から2回連続で下落していた投票率は61・57%(男性62・18%、女性61・01%)と、前回04年(60・34%)、前々回01年(60・88%)をいずれも上回った。政府与党への批判が高まる中、これまで政治に関心のなかった層が投票し、底上げしたものとみられる。

 参院選は当初、5日公示の22日投開票と想定されていた。しかし国会の会期延長でスケジュールが1週間ずれ込んだことから、投票日が夏休み期間中と重なり、投票率の下落が指摘されていた。

 しかし、今回は「年金問題」が最大の争点に。生活に直結するテーマだったことから、有権者の関心が高まった。また閣僚の不透明な事務所費経費問題などで、政府への不満が投票行動につながったとみられる。

 期日前投票制度も有権者に浸透し、今回は過去最高の19万5592人(投票率11・68%)を記録。投票日が終日ぐずついた天候で、行楽日和ではなかったことも投票率アップの一因となった。

 過去の参院選は衆参同日選となった80年に80・85%、86年に78・42%と高い投票率を記録した。

 ◆有権者の声

 ◇国民との信頼関係構築が不可欠−−福島市野田町、無職、平秀夫さん(74)

 十分な説明のないまま医療費や保険料が上がり、政府は信頼できない。年金も政府に管理を任せていたら、このような事態になった。国民にもっと政府の取り組みを分かりやすく説明し、信頼関係を築くことが不可欠だ。

 ◇年金の高齢者が住み良い社会を−−福島市本内、主婦、志田八重子さん(67)

 年金暮らしの高齢者が住みやすい社会を作ってほしい。高齢者への安否確認や介護サービスを広げ、高齢者のみの世帯でも万一の時に頼れるようにしてほしい。年金では介護施設の入居費も足りず、老老介護が広がるばかり。給付額をこれ以上下げないでもらいたい。

 ◇経済不安減らし景気の底上げを−−福島市矢剣町、会社員、宮川博雄さん(57)

 地方では景気回復を実感できず、特に中小企業は依然厳しい。中央と地方の経済格差の是正に真っ先に取り組んでほしい。憲法改正より、生活に密着した問題の解決が先。経済への不安を減らし、消費を促して景気底上げを図ってほしい。

 ◇専門性を持ち役所チェックを−−白河市北堀切、主婦、鈴木香里さん(43)

 議員が単に、地元の要望を国に上げるだけの存在になっている。「私はこの分野が得意だ」という専門性を持ち、年金問題のような「お役所仕事」のチェック機能を果たすべきだ。

 ◇所得格差是正し文化施設充実を−−会津若松市一箕町、会社員、小野木正英さん(34)

 会津地方では、毎日の生活さえ大変な低所得の人がたくさんいると感じる。都市部と地方の所得格差を必ず是正してほしい。地元には大規模な文化施設がほとんどなく、蔵書数の多い図書館など教養をはぐくむ施設も作ってほしい。

 ◇子育てに配慮し幅広い支援期待−−いわき市平泉崎、主婦、鈴木千賀子さん(31)

 主婦が子育てしながら仕事をしたいと思っても、女性を雇い入れる企業は少ない。女性が積極的に子育てと仕事を両立できる企業を増やしてほしい。子供を育てる女性に配慮した、幅広い支援を期待したい。

 ◇年金問題などで具体的な改善を−−南相馬市鹿島区、団体職員、泉川泰尊さん(25)

 選挙までが政治家の仕事という不信感がある。年金記録漏れ問題も1年間で解消すると言うが、選挙目当ての口約束の気がする。自分たちの世代が年金を給付されるか不安もある。年金問題などで具体的な改善に取り組むことを望む。

638片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 14:46:24
 ◇都市部に集中の医療を地方にも−−田村市船引町船引、公務員、松崎美和さん(24)

 市内には医院しかなく、大きな病気の場合は郡山まで通院しなければならず、不測の事態を考えると不安だ。中核病院をはじめ医療機関が都市部に集中している現状を改善してほしい。また、強盗など凶悪犯罪が増えているのが気になる。地域に安心して住める政策をお願いしたい。

 ◇政治への願い込め一票投じ−−投票所で有権者

 県内の各投票所には、朝から多くの有権者が訪れ、政治への願いを込め、一票を投じていた。福島市三河南町の三河台小に投票に訪れた女性(77)は「朝からこんなに人が多いのは珍しい」と話していた。午後に強い雨が降ると出足が一時鈍ったものの、今回の参院選への関心の高さをうかがわせた。

 ◇参院選警告件数は文書掲示14件14人−−県警がまとめ

 県警捜査2課は29日、参院選の警告状況を発表した。28日現在の警告は、いずれも文書掲示で14件14人だった。04年の参院選に比べ31件32人、4月の参院補選比で1件1人、減少した。内訳は、選挙区が11件11人、比例が3件3人だった。

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 ■解説

 ◇現状は民主党“ブーム”

 民主と自民が議席を分け合うことは、当初から確実視されたものの、無名に近かった金子氏が、昨年11月の知事選で40万票近く集めた森氏を抑え大勝したのは、年金問題や閣僚の事務所費問題など、自民の敵失によるところが大きかった。

 金子氏は伊達市議などの経歴を挙げ、「地方の実情を最も理解している」とPRした。しかし、訴えは与党批判と政権交代が中心で、具体的政策は乏しかった。陣営はあえて「民主候補」を前面に押し出す作戦を展開し、これが奏功した。

 民主の参院議員だった佐藤雄平知事が誕生して以来、県内は民主への傾倒が強まっている。表だった動きこそ見られないが、長く自民を支えてきた建設、農水、商工などの業界も自民へのこだわりが薄れてきたようだ。

 加えて今回の「風」だった。金子氏の陣営幹部は「ガチガチの自民支持者だった人が初めて党のマニフェストを聞いてくれた」と振り返る。森氏陣営が組織票の切り崩しを防ぐ、守りの選挙に入ったのと対照的だった。

 民主は昨年の知事選から全県選挙で4連勝を収めたが、ブームに乗った感が強く、「民主王国」と呼べるほどの足腰の強さはまだない。1議席を争う次期衆院選小選挙区で両党の実力が問われるが、金子氏、森氏が選挙で訴えた政策の実現度が、有権者の判断材料になっていくだろう。【菊谷隆】

毎日新聞 2007年7月30日

639片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 14:46:39
50万票の衝撃:検証・07参院選/上 敵陣でも互角の勝負 /福島
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/fukushima/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk07010389000c.html

 ◇次期衆院選に手応えも

 29日に投開票された参院選の福島選挙区(改選数2)は、民主の金子恵美氏(42)と自民の森雅子氏(42)が議席を分け合った。民主の全国的な躍進を反映し、金子氏の得票は「50万票」の大台に乗り、知名度に勝る森氏に13万票の大差をつけた。不利との予想を覆しての圧勝にわき立つ民主と、ショックを隠しきれない自民を中心に、今回の選挙戦を検証する。【参院選取材班】

 ◇民主、追い風で4連勝

 「金子恵美の事務所ですが、今度の参院選はぜひとも投票お願いします」。金子氏の選対幹部は、事務所内の電話機を指さしながら「わが家にも間違えて2、3回電話がかかってきたよ。それだけ一生懸命に電話攻勢をかけたってこと」と笑った。

 全国で自民への逆風が吹いたとはいえ、金子氏と森氏の大差は、両党関係者にも予想以上だった。県内60市町村で森氏が金子氏の得票を上回ったのは、地元・いわきを含め4市村だけ。そのいわき市ですら、5000票余りの差しかなかった。

 支援団体の連合福島、和合正義顧問は「風が吹いていても、火が付かなければ燃え広がらない。選挙に必要なのはイロハのイ」と陣営にはっぱをかけていた。電話攻勢をはじめ、無党派層が多い集合住宅へのチラシ配布など、「地上戦」が追い風効果を票に結実した。

 さらに、毎日新聞社が投票日当日に実施した出口調査では、意外な結果も表れた。金子氏は無党派層の6割近くから支持を受けたが、それに匹敵する支持を、保守層からも集めていた。厚い自民支持層の約4分の1が金子氏に投票しており、森氏の足元を切り崩したかたち。年代別でも、70歳以上を除くすべての年代で金子氏が上回り、保守が強いと言われてきた県内で、流動化が加速していることをうかがわせた。

 陣営は当初、苦戦を予想していた。金子氏は伊達市議の実績はあるが地元以外では無名で、出馬表明も大幅に遅れた。それでも、6月14日の総合選対初会合で初めて、「トップ当選」を目標に掲げ、増子輝彦本部長は「1票差でも勝ちは勝ち。何とか上にいきたい」と意気込んだ。

 その狙いは、次期衆院選。中村秀樹・県連幹事長は「トップ当選は自民に重圧をかけることができる。今回の得票差が大きいほど、衆院選での主導権を握れる」と語る。

 衆院選で民主は、自民の厚い壁に阻まれてきた。96年の小選挙区制導入以来、自民が県内5小選挙区中3選挙区を確保。一方、民主は03年も1議席にとどまり、05年に渡部恒三氏を公認し、ようやく2議席目を獲得した。

 今回、森氏の地元・いわき市を抱える5区でも、互角の勝負を展開したことで民主は自信を深めた。既に4月の県議選で、双葉郡に初めて民主の県議が誕生するなど、弱かった地盤でも着実に力をつけている。

 29日に福島市内の金子氏の事務所で、県連の玄葉光一郎代表は「知事選以来の4連勝で一定の基盤ができた。この結束力を衆院選でも発揮し、弱い選挙区でも一致団結しよう」と気勢を上げた。一方、和合顧問は「圧勝に万歳、とは全然思っていない。風がやめば別のところに流れるかもしれない。組織確立のため、しっかり総括しなければ」と気を引き締めていた。

640片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 14:47:07
 ◇家族と笑顔交わす−−民主・金子氏

 大差でトップ当選を果たした民主の金子氏は一夜明けた30日朝、伊達市内の自宅で、「当選の実感はまだわかないが、改めて50万を超える票の重みを感じている」と語った。父親の元衆院議員、徳之介さん(75)ら家族と笑顔を交わし、喜びをかみしめていた。

 選挙戦を振り返り、金子氏は「知名度は低かったが、民主への期待が大きく、街頭での訴えがある程度届いたのだと思う」と述べ、「これからが正念場。国政の場では県民、国民のために全力を尽くしたい」と意気込みを語った。

 民主の圧勝については、「年金問題や相次ぐ不祥事などで、自民への怒りがただただ大きくなっていた時期で、民主への期待感が強まっていた。生活者の生の声で訴えてきたことで(有権者の)理解を得られたのだと思う」と分析した。その上で「弱い立場にある人のために何かをするのが政治。地域の一人一人の声を伝えていく姿勢を大事にしたい」と語った。

 ◇責任の重さ、ひしひし−−自民・森氏

 一方、同じく初当選を果たした自民の森氏は29日深夜のうちに郡山、いわき両市内の事務所を回り、支援者に当選を報告。30日は早朝にいわき市の自宅を出て、福島市の自民党県連や会津若松、白河の両市の事務所や後援会を訪れるなど、あいさつ回りに追われた。

 県連では幹部たちと握手を交わし、「がんばれ」と激励されると、笑顔で応えた。そのまま役員会に出席し、冒頭で「当選のうれしさよりも、責任の重さをひしひしと感じる。支援してくれた皆様のご恩に報いるために、国会の場で一生懸命働く」と述べた。さらに「今回の選挙では、政府の地方切り捨てへの国民のお叱(しか)りがあったと思う。地方選挙区から選出された者として、発言の重みをしっかりと認識していきたい。今後もご指導をお願いしたい」と、頭を下げた。

毎日新聞 2007年7月31日

641片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/05(日) 14:47:31
50万票の衝撃:検証・07参院選/下 頼みの組織票が流出 /福島
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/fukushima/archive/news/2007/08/01/20070801ddlk07010490000c.html

 ◇自民議席守るも大差−−支部連携強め巻き返しへ

 「町村部は、本来なら逆転していなければおかしい。年金をもらっている高齢者が多いからなのか……」

 29日夜、自民県連で福島選挙区の開票結果を見守っていた橋本克也・県連幹事長は、選管が発表する各市町村の得票数リストを手に、大きくため息をついた。

 自民の森雅子氏(42)は37万票余りを得て初当選したが、民主の金子恵美氏(42)に約13万票の大差をつけられての2位。県連は投票率を52%と予想し、40万票を目標に掲げていたが、実際の投票率は予想を9ポイント以上も上回り、逆に得票は目標を3万票下回った。

 知名度に勝る森氏のトップ当選を楽観していた県連は、記録的大敗にがく然とした。「逆風」で無党派層が民主に流れたとはいえ、「トップ当選することで県連を立て直す」と宣言していた橋本幹事長の思惑は外れた。

 これまでの参院選で、自民候補はコンスタントに40万票以上を獲得し、68年、86年には改選2議席を独占した。しかし今回、自民支持層の多い町村部ですら金子氏の得票を下回り、組織の弱体化が浮き彫りに。小泉純一郎前首相の構造改革により、自民を下支えしてきた農村や特定郵便局が打撃を受け、建設業界の離反も指摘されている。

 投票日5日前に福島市内で、県連幹部と建設関連業界の懇談会が開かれた。業界幹部は県の制度改革で入札条件が厳しくなった状況を挙げ、「受注が減る一方で、経営難に陥る業者がたくさん出て来る」とこぼした。「この状態で、各業者に自民党に投票しろとは言いにくい」と、県建設業協会の鈴木長九郎副会長は渋い顔だった。

 与党内からも不満が漏れている。共闘する公明は逆風に巻き込まれ、比例代表の票を前回04年から約1万票減らした。党県本部の甚野源次郎代表は「自民の公明党に対する選挙協力は、十分なものだったとは言えない」とし、「今後は党の独自色をアピールし、選挙協力の在り方を見直す必要もある」と厳しい。

 「次期衆院選への影響は必至」と、ある県連幹部は危機感を強める。県連は投票日翌日に役員会を開き、3カ月に1回、全支部を集めて会合を開き組織の連携を高めることや、次期衆院選は各選挙区で10万票獲得を最低目標とすることを検討課題とした。また、民主が議席を持つ衆院3区の候補予定者をできるだけ早く選出し、臨戦態勢を整えることで一致した。

 「逆風で結束がより強まった」と森氏が振り返るように、獲得した37万票は自民の真の基礎票とも言える。橋本幹事長は「逆風の中でも離れなかった支持層を基盤に、今後は党本部に地方の窮状をより強く訴え、変革を促していく」と巻き返しを誓った。【参院選取材班】

毎日新聞 2007年8月1日

642片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/07(火) 08:05:46
参院選、自民県連が総括
「地方重視」要請へ
 自民党県連は6日、福島市の県連会館で支部長・幹事長会議を開き、参院選について「極めて厳しいものとなった」と総括した。出席者からは次期衆院選に向け、格差問題や農政などで政策転換が欠かせないという声が相次ぎ、橋本克也幹事長は改めて「改革一辺倒」から「地方重視」への切り替えを党本部に要請していく考えを表明した。

 会議後、橋本幹事長は全国から公募する方針を決めている衆院3区(白河、須賀川、田村市、岩瀬、西白河、東白川、石川、田村郡)の候補者について「9月には作業を始め、11月中には決めたい」と準備を急ぐ方針を明らかにした。

(2007年8月7日 読売新聞)

643片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/08(水) 09:42:23
2007年08月07日
自民党本部に批判集中 県連支部長・幹事長会議 福島民報
http://www.fukushima-minpo.co.jp/news/kennai/20070807/kennai-200708071112260.html

党本部などへの批判が相次いだ会議
 自民党福島県連支部長・幹事長会議は6日、福島市の県連会館で開き、参院選を総括した。目標だった公認候補者のトップ当選を果たせず、出席者からは地方の実情を把握していない党本部への批判が集中。次期衆院選の必勝に向け、県連として党本部に地方重視の政策を要望することを決めた。
 橋本克也幹事長が「厳しい結果だったが、逆風、逆境の中、立ち向かってもらった」とあいさつ。当選者を出した選挙としては異例の選挙総括として「改革の流れの中で苦痛に満ちた地方の現実を政府と党本部に強く訴え、地方の存在に十分に配慮した政策推進を求める」とまとめた。
 これを受け出席者からは「農業政策など党本部は地方の現状を知らない」「事務所問題や失言など国会議員や党本部の反省が足りなすぎる」「改革を進めるあまり、かつての友好団体が離れ、組織が弱体化している」などの意見が相次いだ。

644片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/08(水) 11:32:41
「票の重さを実感」 本県選出の松浦氏が参院初登院 秋田魁
http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20070807m

初登院し、自分のネームプレートを点灯させる松浦氏=7日、参院玄関
 参院選後初の臨時国会が召集された7日、参院本県選挙区で初当選した松浦大悟氏(37)=無所属=が初登院し、民主党会派入りと入党にあらためて意欲を示した。常任委員会では法務委員会に所属することが決まった。

 松浦氏はこの日、午前7時40分ごろに国会近くの参院議員会館の自室に入り、8時前に正門へ。先の参院選で民主党の推薦、公認を受けた議員たちと記念撮影した後、参院玄関にある自分のネームプレートを点灯させた。

 松浦氏は「国会議員の仲間入りをして気の引き締まる思い。県民からいただいた票の重さを実感している。選挙で訴えた格差問題の是正や雇用、農業の問題に取り組みたい。本県は自殺率が高く、自殺予防にも積極的に取り組みたい」と抱負を語った。

 所属については「国会でしっかり仕事するには無所属は考えられない。秋の臨時国会までには(院内会派の)民主党・新緑風会に入り、ゆくゆくは党のお世話になりたい」と述べた。

(2007/08/07 18:22 更新)

645片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/08(水) 18:15:39
参院選・定点観測 岩木山のふもとから
2007年08月02日 朝日青森
http://mytown.asahi.com/aomori/news.php?k_id=02000000708020004

 参院選の投開票が行われた29日夜、岩木山のふもと、弘前市新岡地区のリンゴ農家修さん(61)と妻の利美さん(57)は自宅で、テレビが伝える開票速報に見入っていた。


 今回、夫婦は青森選挙区で別々の政党に投票した。修さんは民主党新顔の平山幸司氏に、最後まで迷っていた利美さんは自民党前職の山崎力氏に。開票が始まって早々と平山氏の当選確実が報じられ、修さんは驚いた。「私と同じ思いの人々がこんなにいたのか」


 今の政権は、地方や農家の窮状に振り向かず不祥事ばかり噴出する。ならば若い平山氏にかけてみよう――。修さんはそんな気持ちで初めて民主党に1票を投じた。


 結果は青森だけでなく全国で民主が躍進し自民は惨敗した。「有権者の声に耳を傾けなかったからだ。これで政治の流れが変わるかも」と期待する。


 一方、利美さんは「経験豊かな山崎さんがいいと思ったのに」と残念がる。安倍首相は続投を宣言したが、「周りの閣僚に問題が多すぎた。入れ替えて続ければいい」と政治の安定を望む。


 元リンゴ農家の和彦さん(70)と長男で建設会社に勤める昌一さん(45)は、ともに平山氏に投票した。
 和彦さんは「問題閣僚を替えない安倍首相の決断力のなさに愛想を尽かしたね」。選挙結果には満足しているという。
    ◇
 新岡地区は約150世帯の大半をリンゴ農家が占める自民党の地盤。今回の定点観測では、ここで2年前の衆院選で自民党に投票した4人を中心に、1票への思いを追ってきた。


 結果は、選挙区で3人が民主に、1人が自民に投票した。


 「変動」は、これだけではない。集落内やリンゴ畑で話を聞いた人々の中でも、「今回は自民に入れない」という声が少なくなかった。


 農家の票が流動化し、そこに安倍内閣の不祥事が加わり、無党派農家が目立って増えた。そんな印象だ。


 背景には、集落の共同体としての結びつきが弱まったことがある。


 集落の中心部に「冠婚葬祭簡素化の町・新岡町会」と書かれた看板がある。前町会長で木村太郎衆院議員後援会幹部の勇治さん(78)が振り返る。「10年以上前までは、冠婚葬祭など何かにつけて町会の人々が集まり酒を酌み交わすのが習慣だった」。それは集落の一員としての一体感を確認する場でもあった。


 こうした集まりの延長線上に選挙もあり、後援会が組織された。「選挙はただ酒が飲める機会だと思っていた」と話す高齢者も多い。旧岩木町の指導で冠婚葬祭の簡素化に集落が取り組み始めると、酒宴で人々が集まる機会も減った。


 「昔は自民支持でまとまっていたが、今は近所でさえも、どの候補を支持しているのかはっきりしない」と勇治さん。


 家族の中でも価値観は違う。旧岩木町長で新岡地区在住の弘前市議、田中元さん(59)は、「昔は一家の世帯主の支持を取り付ければ家族全体が投票してくれた。今は世代や夫婦の間でも投票行動はばらばら」と言う。


 特に選挙区が広く、候補者と有権者の結びつきが他の選挙と比べて弱い参院選は、「風」の影響を受けやすい。


 山崎氏の選挙活動を応援した田中さんは、「組織の締め付けも少ない中で、台風並みの逆風にもっていかれた」と、敗因を分析する。


 新岡地区在住のもう1人の市議で国民新党の候補者を応援した佐藤哲さん(54)は、農家票の流動化を歓迎している。


 「しがらみから離れて一人ひとりが自分の判断で投票する。当たり前の投票行動が農村部にもやっと現れてきた」


 しかしこうした傾向が定着したとは言い切れない。今回民主に投票した昌一さんは、「次の衆院選でも与党は議席を減らしてほしい」と望む。ただ、地元の木村太郎衆院議員は個人的には応援している。「もしも総選挙になったら小選挙区は自民に入れるかもしれない」。完全に自民党と決別したわけではないという。
 =文中、名前だけの人は仮名です。

(米沢信義)

646片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/09(木) 10:12:40
【特報 追う・参院選】秋田選挙区 「無党派」新人と「組織票」自民現職 互いに漂う「不安感」 産経東北
http://www.sankei.co.jp/chiho/tohoku/070716/thk070716000.htm

 自民王国に君臨し、盤石な地盤を誇る自民現職と、激しい政府批判を追い風に支持を広げる新人−。参院選1人区に特徴的な構図だが、秋田選挙区には、やや違う空気が漂い始めた。候補者の優劣とは別に「微妙な不安感」が両陣営に広がりつつあるからだ。(宮原啓彰)

 3年前、自民現職が無所属で民主、社民が推す新人に敗れたことから「その再来か」とうわさされる秋田。3選を目指す自民現職、金田勝年氏(57)は、セオリー通りに徹底した組織戦。対する松浦大悟氏(37)は空中戦で応じる。

 公示日の12日。両陣営の選挙戦術は、第一声の場所の違いに現れた。

 通勤客の多いJR秋田駅前に直行して、できるだけ多くの有権者に声を発したのが松浦氏。これに対して、金田氏は秋田市のJAビルを選択。農業団体の本拠地の前で、農業政策の重要性をアピールしてみせた。

 金田陣営幹部はいう。

 「危機感は強い。業界の本部だけでなく、下部組織まで細かく推薦を取り付けてきた。基礎票の30万票を固めて、さらに2万票は上積みしたい」

 秋田の自民票は22〜23万票といわれる。そこに連立を組む公明の7万票を加えると「30万票」。これが胸算用だ。

 推薦を取り付けた業界団体は500。再選を果たした6年前の3倍以上に達している。組織は押さえているはずだ。

 だが、そこに奇妙な不安感が広がる。




 農業関連団体関係者がいう。「組織としては一貫して金田氏を推す」

 だがこう付け加えた。

 「この逆風だと、農家一軒一軒がどう動くか予測できなくなった。民主党の公約『戸別所得補償制度』も耳障りがいい。PRも確かにうまい。これまでのようにはいかないかもしれない」

 固めたはずの組織票が機能するのかどうか。推薦状には、団体トップの名前がズラリと並ぶが、一人一人への浸透が読めない。組織は足元から崩れつつあるのか。

 民主、社民が勝利した3年前の参院選を、自民党関係者が振り返る。

 「比例代表で自民と公明に投票してくれた有権者のうち、4万票が選挙区では無所属候補に流れたんだ」。無党派層の怖さを痛感した選挙戦だった。

 民主の動きが自民の不安感を増幅させる。

 6月以降、民主党は菅直人代表代行や鳩山由紀夫幹事長ら大物が続々と秋田入りした。

 「まさか、民主は本当に勝てるとでも思っているのか。金田を相手にそんな考えは甘すぎる」。金田陣営幹部はこういうが、不安は消えない。




 対する松浦陣営が「追い風いっぱい」なのか、というとそうでもない。

 一つの発言がその不安感を表面化させた。

 「当選後は速やかに、どこかの政党に所属したい」−。松浦氏が公示直前に放ったこの発言が、追い上げムードに水を差した。

 民放アナウンサーの経歴で知名度はあり、「無所属」だから無党派票はがっちり、と描いていた選挙戦の構図。これが崩れた発言だった。

 民主とともに松浦氏を推す社民党県連幹部は「極めて遺憾で軽率な発言だ。改めて、当選しても当面は無所属でいるよう再確認し了承を得た」と批判。選挙協力を求められていた国民新党県支部も「有権者に対する信義が疑われる。松浦氏を支持できない。選挙区選挙は白票を投ずる」とそっぽを向いた。

 頼みの知名度にも「?」マークが出る。

 3年前に自民現職を破った、公募の無所属候補と比べると、松浦氏の擁立劇は民主主導で、さらに同じアナウンサーでも知名度、実績で劣るのではないか、という指摘だ。「投票率が下がれば、どうなるか分からない」と松浦陣営も話す。春の統一地方選後、自民が過半数を回復したこともマイナス材料だ。

 自民、民主双方が抱える「奇妙な不安感」。選挙戦はいよいよ佳境に入っていく。




 秋田選挙区にはこのほか、共産党新人の鈴木知氏(30)が立候補している。

(2007/07/16 02:08)

647片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/09(木) 10:16:06
【特報 追う】参院選・青森 勝敗左右、重点1人区  産経東北
http://www.sankei.co.jp/chiho/tohoku/070719/thk070719000.htm

 参院選公示後早々に、安倍晋三首相と民主党の小沢一郎代表が選挙区入りした青森。自民と民主の両党が29ある1人区でもここを重点区に位置付けている構図が浮かび上がった。自民現職の山崎力氏(60)が3期目を目指しているのに対し、民主新人の平山幸司氏(37)=国民新推薦=の知名度は今ひとつ。「青森を落として勝ちはない」(鳩山由紀夫幹事長)という青森の戦いを追った。(米沢文)

 「年金が消えるなんて誰も思っていない。それを『信じてください』と発言する首相は何なのか。怒りの声をみなさん、挙げてください!そこまで青森県民はなめられていいんですか!」

 13日、4000人の聴衆(自民党県連発表)を集めた安倍首相街頭演説の余韻が残る弘前市の街角で、平山氏は絶叫した。

 約20分間の演説の内容は「消えた年金問題」に終始。田名部匡代衆院議員は「年金問題は政治すべての体質を表している。民主党は去年からこの問題を追及してきた。平山候補は37歳と若く、若い世代にも訴えたい」と話す。

 年金、政治とカネ、閣僚の失言−。いくら野党に追い風が吹いているとはいえ、選挙初挑戦の平山氏にとって、簡単な選挙ではない。「民主3、自民7」と票読みをする選対幹部もいる。

 平山氏の選対本部長、横山北斗衆院議員は「青森では、民主党への追い風はまだまだ。山崎さんとは知名度に差があるが全精力を傾け、最後はひっくり返したい。特に、県都・青森市では絶対に勝たなければならない」と強気だ。

 「野党で過半数を獲得することで7月以降の政治を変える。それには1人区が勝敗を決定する」と主張する小沢代表は2月、3月と続けて青森入り。支援団体の連合青森、山本信悦会長との連携も密にしてきた。直近の1カ月だけでも、菅直人代表代行、岡田克也副代表、鳩山幹事長ら幹部が続々と応援に訪れている。

 13日の小沢代表の青森入りは当初行く予定だった西日本に台風4号が接近したためのサプライズだった。街頭にこそ立たなかったが、青森市の選挙事務所を訪れ、スタッフや支持者約50人を激励した。

 青森入りは“裏方”でも起きていた。6月上旬、小沢代表の秘書2人が小沢氏の地元、盛岡市から送り込まれてきたのだ。投開票日まで、青森市と弘前市の事務所にそれぞれ常駐し、小沢流の選挙戦術を伝達する。

 一方で、党本部の思い通りにいかなかったこともあった。6月の知事選への対応だ。自公は現職、三村申吾知事の推薦を早々と決定。対抗馬擁立が期待されていた民主党県連は不戦敗をする代わりに、「参院選に全精力を結集する」ことを決定した。

 ところが実際には、民主は知事選期間中、公職選挙法によって表だった選挙活動を一切行うことができなかった。「不戦敗はなんのプラスにもならなかった」と漏らす国会議員もいる。

 迎え撃つ山崎氏は、祖父が衆院議員と県知事、父親が参院議員を経験した政治家一家。山崎氏自身、総務副大臣を務めた経験もある。

 民主側の動きを自民はどのようにみているのだろうか。

 県連の冨田重次郎幹事長は「今までにない厳しい選挙だが、年金問題は争点にならなくなっている。むしろわが方は、首相として安倍がふさわしいのか、小沢がふさわしいのかを訴えていく」としている。

                   ◇

 青森選挙区にはこのほか、社民新人の渡辺英彦氏(66)と、共産新人の高柳博明氏(37)が立候補している。

(2007/07/19 03:04)

648片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/09(木) 10:17:29
【特報 追う】参院選・山形 「自民王国」黄信号  産経東北
http://www.sankei.co.jp/chiho/tohoku/070721/thk070721000.htm

 自民公認、篠原みえ子氏(59)と民主公認、舟山康江氏(41)の女性候補対決に火花が散る山形選挙区。勢いで勝る民主に対して、自民は、全県に張り巡らされた県連支部や自民系議員の後援会から成る組織力で牙城死守を図る。しかし、吹き荒れる逆風に”自民王国”自慢の集票マシンに黄信号が点灯している。(松本健吾)

 「大変な人気。聴衆1人1人が家に帰って話してくれればずいぶん広がる」。この選挙戦では珍しく自民関係者の顔がほころんだ。

 16日、山形県の置賜地区のスーパー前。黒山の人だかりに囲まれ、安倍晋三首相の妻、昭恵夫人がマイクを握っていた。「今、主人はかつてない逆風の中で、もがいています。もう一度、自民党を信じてください」と、おなじみの”アッキースマイル”に悲壮感を滲ませながら、篠原氏の支持を訴える。

 昭恵夫人はこの日、置賜地区一円で会合や街頭演説をこなし、行く先々で数百人が集まる人気ぶりを披露。平弘造県連幹事長の地元、長井市で行われた篠原氏の個人演説会では、約800人が出席、この選挙戦が始まって以来最大の盛り上がりを見せた。

 自民山形県連はこれまで、参院選は5連勝中で、3年前の接戦を除き10万〜20万票もの大差をつけて勝ち続けてきた。

 その強さを支えてきたのが、地域によっては”かかしでも票が取れる”と表現される強固な組織力だ。選挙の度に、県内に張り巡らされた44の県連支部や自民党系議員の後援会が網のように票をかき集めてきた。それが、候補者擁立が遅れても県連幹部が口をそろえて「十分間に合う」と確信できる根拠になっていた。

 しかし、県連幹部の強弁に置賜地区のある市議は、無言で首を振った。

 「毎日のように招集されて選挙活動をやっていますが、支援者からも今回ばかりは自民党さんを支持するのは無理だよという反発もあります。説得するにも、なんせ時間が足りないのです」

 遅れた候補者擁立、新人候補の知名度不足。閣僚の不祥事、そして年金問題。選挙戦も中盤を迎え、政党色の薄い新人候補を擁立し、万全の支援体制を期待する上層部と逆風をもろに受ける現場の温度差がじわじわと色濃くなっている。

 昭恵夫人の街頭演説を見守っていた公明党系議員は、聴衆の半数以上の150〜200人が公明の動員と打ち明けた。「今回、自民は上層部の勢いに比べて、現場の動きが低調。自分の選挙でしか汗をかかない党の悪い体質が出ている。公明党頼りといわれても仕方ない」と、語気を強めた。

 19日、自民山形県連は県選出の国会議員、県議が集まり、終盤戦に向けた選挙戦略を協議、ネジを巻き直した。

 遠藤利明県連会長は「なかなか大変な選挙。支持者の6割くらいしかまだまとまっていない」として、選挙戦終盤までに勝利の目安となる自民支持者の7割の票固めを目指すと語った。

 一方、勢いに乗る民主は、小沢一郎代表や菅直人代表代行、前原誠司前代表ら党幹部が、次々と来県。追い風と社民党の支持を武器に、万全の体制で”自民王国”転覆を目指す。

 舟山陣営関係者は「手応えはあるが、今回自民は、個人の戦いではなく新人を担いだ党を上げての選挙戦を仕掛けてきている。そこには、怖さを感じている。油断はできない」と引き締めている。

                ◇

 この選挙には共産党公認の佐藤雅之氏(34)も立候補している。与党批判を中心に「確かな野党」の必要性を訴えている。

(2007/07/21 03:04)

649片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/09(木) 10:22:55
参院選 自民王国に誤算の嵐 1人区全敗 2人区は民主と分ける 産経東北
http://www.sankei.co.jp/chiho/tohoku/070730/thk070730000.htm

 29日投票が行われた参院選。東北地方では、改選数1の「1人区」を民主と無所属候補が勝利して、自民が議席を失うという大きな変化を生んだ。改選数2の「2人区」の福島、宮城は自民、民主が分け合った。また同日投開票された衆院岩手1区補選も民主が勝利した。「逆風」が吹き荒れた参院選。その裏では、さまざまな「誤算」が交錯していた。(敬称略)

 ≪戦術の差≫

 選挙戦に入るとすぐ、強い「逆風」を理解したはずの自民だったが、小沢民主党が、風をさらに強める「戦術」を持っていたとは知らなかった。おそらくこれは自民の最大の「誤算」だろう。

 当初、自民は逆風は「無党派層」に強く影響を及ぼす、と考えた。だからこそ、自民党を支持する組織を生かして陣営をまとめる。その戦術を選んだ。

 だが現場は違った。

 「何十年も続いてきた自民党支持者から、今回だけは自民党は応援できません、と言われてしまった」

 「街頭で手を振っても、支持者たちが目をそらしたり、握手を拒んだりした」。

 選挙区からは悲鳴が相次いだ。

 29日、自民山形県連の会長は記者団を前に悔やんでみせた。

 「会合には人は集まった。だが、その先に結びつかなかった」

 頼みの自民支持者が次々と離反する選挙戦。県連会長は何度も「突風」「お灸」という言葉を使ってみせた。

 青森の民主・平山陣営の選対本部長は、青森で展開した小沢流選挙戦術の秘密をこう語った。

 「党幹部や大物が青森入りしててこ入れしたのが大きい。今まで青森には大物が来ることが少なかったから、民主党が本気だということをしっかり支持者に伝えることができた。これで一気に支持を伸ばした」

 秋田の自民・金田陣営幹部は「小沢民主党がここまでうまい選挙をするとは思わなかった」と話して肩を落とした。

 ≪次はあるか≫

 「次は定数減で1人区になる」と危機感を抱き、2人区ながらトップ当選にこだわった福島の民主県連。だが「風」ばかりが優先され、「次」につながる強い支持組織をつくるところまではたどり着かなかった。

 「風があっただけ。基礎票は不明」。29日、福島市内で民主県連の幹事長はそう話した。これだけの票を集めても、次につながる基礎票にはならない可能性もある。

 「次」を強く意識していたのは、ほかならぬ民主党代表の小沢一郎だ。小沢は青森に自身の秘書を投入して徹底したどぶ板選挙を展開。こまめに組織に顔を出して、終盤でも「緩むな」とげきを飛ばした。

 小沢の地元岩手は、この選挙戦を続け、強固な組織を作り上げた。その版図を東北全域に広げようと試みたのが、今回の参院選だった。

 だが、それを理解していた民主党陣営は少なかった。

 「空中戦」の勝利は「空中戦」で敗北する。その怖さをよく知っているのは小沢自身なのだろう。

 ≪候補者選考≫

 「ベテランの60歳と、新人の36歳。わかりやすい対決構図が民主には有利に働いた」。民主青森県連の幹事長は29日、平山当選の興奮もさめやらぬ青森市内の選挙事務所でこう語った。

 秋田でも候補者の重要性を指摘する声が出た。民主秋田県連の代表は「見ず知らずの人が出てくるより、知名度のある松浦が受け入れられた」と強調した。

 候補者の違いは、選挙戦の行方に大きな力を発揮した。

 自民山形県連の幹事長は29日、すでに「辞表」を用意していた。そこには「候補者擁立の遅れが敗因」の文字。「私にはその責任がある」。候補者選考の難しさを誰よりも痛感した一人だ。

 山形では「自民党は候補者のイメージが薄く、中央での党のイメージの浮き沈みに影響されやすかった」という反省の弁が何度も聞かれた。

 県連前会長の加藤紘一が2度も公募したが候補者が決められなかったのは最大の「誤算」だ。勝てる候補を発掘できない。自民の「人材発掘力」も疑問符が付いた。

 同日行われた衆院岩手1区補選で、自民が擁立したのが「2世」だったのは、自民の限界を示しているかもしれない。

(2007/07/30 05:24)

650片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/09(木) 11:27:01
参院選敗北の山崎氏「活動継続」 青森東奥
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2007/20070807085501.asp

 三選を目指した七月の参院選本県選挙区で落選した自民党の山崎力氏(60)が六日、青森市内の自宅で本紙の取材に応じ、今後も政治活動を継続していくとの考えを明らかにした。具体的な目標については、現段階で未定としながらも「チャンスがあれば再起を目指したい」と選挙再挑戦への意欲を強調した。敗因については、年金記録不備問題だけではなく、格差、農業、政治とカネをめぐる問題などが重なった結果−との見方を示した。

 年金記録不備問題が大きな争点となった参院選を振り返って山崎氏は「年金問題の説明に追われ、最初から受け身の選挙を強いられた」と総括。都市部だけでなく町村部でも苦戦したことについては「われわれが『民主党の農業政策はおかしい』と言っても、農家の人たちが(自民党の農政に)展望が見いだせなかったのだろう。これがボディーブローのように効いた」と分析した。

 敗戦の可能性が具体的に頭をかすめたのは「選挙戦最終週の(七月)二十五、二十六日あたりから」で、「都市部で有権者の反応が鈍くなった」と感じたという。

 参院選では安倍首相ら党幹部が連日、来県してテコ入れを図ったものの、山崎氏は民主党の平山幸司氏に五万七千票の“大差”で敗北した。自民党挙げての総力戦が通用しなかったことについて山崎氏は「(党国会議員らの)努力、限界を超えたアゲンストの風(逆風)が吹いた」と語った。

 一方、今後の自らの身の振り方について山崎氏は「引退はない。最低限の政治活動を続ける態勢はとっておく。後援会を再構築したい。明確なもの(目標)はないが、(政治)状況の変化を見ながら具体的な対応を決める」と強調。

 続投を決めた安倍首相に対しては「地方を見捨てない政策を本気になって打ち出してほしい」と注文。当選した平山氏には「選挙で約束したことを実行して、県民のために真摯(しんし)に働いてほしい」とエールを送った。

651片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/12(日) 10:03:36
四者の主張、平行線 松浦議員の民主会派希望めぐり協議 秋田魁
http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20070811d

 参院選本県選挙区で初当選した無所属の松浦大悟参院議員(37)を推薦した民主、社民両党、連合秋田と、鈴木陽悦参院議員による四者の初協議が10日、秋田市の秋田キャッスルホテルで行われた。

 松浦氏の院内会派「民主党・新緑風会」入りの希望について、民主が賛成、社民が反対、連合と鈴木氏は「十分な説明が必要」と慎重姿勢を示すなど四者の主張は平行線をたどり、今後も協議を重ねることにした。

 松浦氏は民主入党を視野に9月までの会派入りを望んでいるが、社民、連合、鈴木氏は期限を設定せずに話し合うべきだとした。協議には、民主党県連の寺田学代表、社民党県連の山本喜代宏代表、連合秋田の工藤雅志会長、鈴木氏、松浦氏が出席した。

(2007/08/11 10:24 更新)

652片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/12(日) 10:25:19
松浦氏民主入り巡り、反自民受け皿にひび 
2007年08月11日 朝日秋田
http://mytown.asahi.com/akita/news.php?k_id=05000000708110001

7月の参院選で初当選した松浦大悟氏の民主系会派入りを巡り、選挙で共闘した民主と社民、連合秋田、鈴木陽悦参院議員の4者の間に深刻な亀裂が生じている。10日夕、秋田市内のホテルで参院選後初の4者協議があり、松浦氏が民主入りの意向を伝えたが、社民、連合と鈴木氏が了承せず、「反自民」の受け皿となった4者の間にひびが入った形となっている。


 4者協議には、松浦氏本人と4者の代表となる寺田学・民主党県連代表、山本喜代宏・社民党県連代表、工藤雅志・連合秋田会長、鈴木氏らが出席した。


 協議後、報道各社の取材に対し、松浦氏は「私自身の考えがマスコミを通じてしか伝わっておらず、説明不足だった」と述べた。だが、「先輩にもまれ成長していくためにも、問題山積の秋田のためにも立ち止まっている余裕はない」として、これまで通り9月の臨時国会前に、民主党・新緑風会会派入りについての理解を4者に求めていくという。


 寺田代表は「4者の調和も必要なので、松浦さんが誠心誠意、説明を尽くして決めることだ」と述べた。


 山本代表は「反自民の受け皿として今後、解散総選挙、与野党逆転を果たすためにも、共闘の枠組みを維持していく必要があるので、無所属でがんばってもらいたい」と主張した。


 一方、3年前に民主、社民の両党と連合の推薦する無所属候補というまったく同じ構図で自民前職を破った鈴木氏も「3年間無所属でやっていて野党側の一員としてがんばってきた。松浦氏には自分の下支えとなった共闘の和を忘れないで欲しい、と申し上げた」という。


 工藤会長は「反自民の受け皿としてこの枠組みを維持したい。会派入りは今後の課題だ」と述べるにとどめた。


 松浦氏は地元民放局の元アナウンサー。昨年末、民主、社民の両党と連合、無所属の鈴木陽悦参院議員の4者による統一候補として立候補を表明。先月、自民前職の金田勝年氏(57)を破って初当選を果たした。


 松浦氏は選挙前にも「国会は政党政治。無所属では活動に限界があるので当選後は速やかにどこかの政党に所属したい」と話していた。


 選挙期間中は、小沢一郎代表や鳩山由紀夫幹事長、菅直人代表代行ら民主党幹部が続々と応援に訪れ、松浦氏は当選後、「民主党会派入りをして、ゆくゆくは民主党に入党したい」と話していた。


 ある連合関係者は「今後の総選挙や知事選など大型選挙で4者の協力態勢が崩れれば、結局は自民党を利するだけだ」と指摘している。

653片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/13(月) 10:14:27
「無所属」継続要請を確認、社民党県連 松浦議員の民主会派希望で 秋田魁
http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20070812c

 社民党県連(山本喜代宏代表)は11日、秋田市で常任幹事会を開いた。参院選本県選挙区で民主、社民両党が推薦し初当選した無所属の松浦大悟参院議員(37)が民主党入党も視野に院内会派「民主党・新緑風会」入りを希望していることについて、無所属での活動を要請し続けていく方針を、あらためて確認した。

 山本代表によると、幹事会では松浦氏の会派入り希望の表明について「軽率な行動」「『駄目なものは駄目』と党として主張していくべき」など支持者からの意見が報告された。共闘した両党、連合秋田、鈴木陽悦参院議員の四者の信頼関係を重視し、党として今後も無所属を継続するよう求めることで合意した。

(2007/08/12 10:05 更新)

654片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/13(月) 10:42:31
首相続投に冷ややか/本社・県内首長アンケート 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/0812/news1.html

 政府の財政改革路線で厳しい自治体運営を迫られている県内の市町村長の多くが、参院選で歴史的惨敗を喫した安倍晋三首相の続投を冷ややかに受け止めていることが11日、福島民友新聞社が行った緊急アンケート調査で分かった。60市町村の首長のうち55人が、小泉内閣、安倍内閣で続いた改革路線に「地方への配慮が足りない」と考え、53人はこれが参院選の勝敗に大きく影響したとみている。政府の今後の地方政策では、財政問題の改善が最重要課題とみており、政権が地方の支持を取り戻せるか否かの鍵を握る見通し。
 安倍首相の続投が今後の市町村行政にどう作用するかを尋ねた設問では、「プラスに作用する」と積極的に評価したのは1人だけ。24人は「マイナスに作用する」と回答した。
 「どちらともいえない」とした32人の中では、「地方軽視が敗因と分かり修正が図られる」などと今後の方針変更に期待感を示したのが5人にすぎず、政権の求心力や政策転換の可能性に疑問を示す意見が多い。ただし、民主党の政策についても道州制推進や道路特定財源への対応面で懐疑的な意見があった。
(2007年8月12日 福島民友ニュース)

655片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/19(日) 16:08:31
選挙:参院選・自民敗北 遠藤会長が辞意撤回 県連幹部も留任 /山形
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/yamagata/archive/news/2007/08/07/20070807ddlk06010243000c.html

 参院選山形選挙区の敗北の責任を取るとして、自民県連会長の辞意を表明していた遠藤利明副文科相は6日、県連幹部らの慰留を受けて、辞意を撤回し、幹事長以下の県連幹部も留任することを決めた。

 遠藤会長は同日、今井栄喜・県連副会長、平弘造幹事長と会い、辞意表明の件や県連の今後について話し合った。

 会合後、遠藤会長は「いろいろ考えて、厳しい仕事ではあるが、辞任ということではなく、再度、(会長の)仕事を務めて、県連の再建と再結集に努めたい」と話した。

 また、常任総務委員や県議や各小選挙区の責任者らが出席する参院選を総括する会合を近いうちに開き、遠藤会長の辞意撤回に関する経緯などの説明や、組織再建などについて話し合う。【佐藤薫】

毎日新聞 2007年8月7日

656片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/19(日) 16:09:52
自民県連:「支持者の批判把握しきれず」−−参院選総括 /山形
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/yamagata/archive/news/2007/08/15/20070815ddlk06010120000c.html

 自民党県連は、議席を失った7月の参院選を総括する会合を山形市内で開いた。遠藤利明・党県連会長は会合の冒頭で「候補者擁立の問題や都市と地域の格差、自民党支持層による党批判などの風を把握しきれなかった」と反省の弁を述べた。

 遠藤会長は今後の対応について会合後の会見で「自民党支持層の党批判は、党への不支持を決めたわけでない。そうした声への対応をしっかりしたい」と述べた。「(安倍晋三)総裁は責任を取って辞任してほしいという意見もあった」とも話し、協議内容は「整理して自民党本部に伝える」という。【釣田祐喜】

毎日新聞 2007年8月15日

657片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/19(日) 18:30:45
知事発言を鈴木参院議員が批判
2007年08月14日 朝日秋田
http://mytown.asahi.com/akita/news.php?k_id=05000000708140001

 寺田典城知事が先月30日に「国会議員は無所属では何の役にも立たない」と発言したことを受け、鈴木陽悦参院議員(無所属)が自身のホームページ(HP)で、「知事発言にあぜん」と強く反論している。


 鈴木氏はHPの日記で「公人がこんなことを公式の場で発言するとは怒りを超えました。無所属議員は私のほかにもいて見過ごすことは出来ない」と批判。


 「多くの無所属議員が党議拘束に縛られず、自由に意見を主張し合うのが参議院の本来の姿で、衆議院のカーボンコピーであってはならない」と主張している。正式に抗議するかどうかを検討しているという。


 寺田知事は先月30日、参院選で初当選した無所属の松浦大悟氏が鈴木氏とともにあいさつに訪れた際に、「無所属では何の役にも立たない。国会は政党政治なので、その辺もしっかり考えて欲しい」と伝えた。寺田知事はこのやりとりを記者会見でも明らかにした。

658片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/26(日) 18:23:21
勝因は非自民勢力の結集 民主党県連が参院選総括
2007年8月26日(日) 11:34 山形
http://yamagata-np.jp/newhp/kiji_2/200708/26/news20070826_0379.php

 民主党県連(近藤洋介会長)は25日、山形市の山形国際ホテルで常任幹事会を開き、7月29日投開票の参院県選挙区について総括した。

 終了後に記者会見した近藤会長は、自民候補に圧勝した要因として▽非自民勢力の結集で強固な選挙態勢▽街宣活動と並行した、支援企業などのあいさつ回り▽投票率の大幅なアップ−などを挙げた。課題として「根の張った組織」「衆院選で空白区の解消」を示した。

 さらに、舟山康江参院議員の選対本部を同日付で解散したとし、「衆院選3区の候補者擁立を急ぐべきだという意見で一致した」と説明。「見通しは立っていないが、個人的には不戦敗を避けるためだけの擁立を進めるつもりはない」と語った。

659片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/09/02(日) 23:54:36
参院秋田・松浦氏 民主会派入りの意向「気持ち変わらず」
http://jyoho.kahoku.co.jp/member/news/2007/09/20070901t41013.htm

 今夏の参院選秋田選挙区で、民主、社民両党の推薦を得て初当選した無所属の松浦大悟議員(37)は31日、河北新報社の取材に応じ、10日に開会する臨時国会前の会派「民主党・新緑風会」入りの意向について、「最終決断はこれからだが、気持ちに変わりはない」との考えを示した。

 松浦議員の会派入りには、社民党が「今後の総選挙で与野党逆転を果たすため、民主、社民両党の共闘は維持すべきだ」などとして、反対姿勢を打ち出しているが、松浦議員は「会派入りで、共闘の枠組みが崩れるとは思えない」と強調した。

 無所属での国会活動については、「情報収集や議員立法などの面で限界がある」と指摘。会派入りの最終決断は「(支持)組織の論理ではなく、県民全体のことを考えて判断する」と述べた。松浦議員は社民党の支持者らと会い、会派入りを説明しているが、「理解してくれる人は多い。将来的には民主党にも入りたい」と話した。両党や連合秋田などとの再協議を求めているが、「最後は自分で決める」と、支持組織の反対を押し切る可能性も示唆した。
 会派入りの届け出は5日に締め切られる。

2007年08月31日金曜日

660片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/10/18(木) 10:23:45
「参院選の反省から企画」自民県連、農家と懇談 讀賣山形

 自民党県連は17日、県内の農業者との懇談会を山形市内で開き、農業政策についての意見を聞いた。同党県議団もすでに農協関係団体と意見交換会を行っており、いずれも初めての取り組みという。7月の参院選で、農家への「戸別所得補償制度」を掲げた民主党が大勝し、従来自民の強固な支持基盤とされた農村部が広がる各地の1人区で、山形を含め自民候補が相次いで落選したことから、改めて農業関係者の声をくみ上げようと開かれた。

 懇談会には、県連から今井栄喜副会長(県議)、平弘造幹事長(同)ら4役が出席。農業従事者は鶴岡、米沢、新庄市など県内各地から計21人が参加した。

 平氏が「参院選の反省から企画した。国は全国一律の農業政策を行っているが、県ごとの特色を生かした施策を講じる必要がある」と述べて意見を求めたのに対し、参加者からは「稲作に適した東北・北陸と、条件の悪い九州などが同じ生産調整を課せられているのはおかしい」など、現状への不満が相次いだ。

 「米価が下落した現在、生産調整や転作といった稲作中心の政策は立ち行かない。庄内では、『だだちゃ豆の連作障害を防ぐために稲作している』という農家までいる」など、農政の転換を求める声も多く出されたほか、「こうした懇談会を毎年開いていれば、参院選で(自民が)負けることはなかったかもしれない」との発言が飛び出し、県連幹部らが苦笑する場面もあった。

 県連はこうした意見を取りまとめ、今井氏らが24日に上京して党本部に伝え、政府・与党の政策に反映させるよう求める。

(2007年10月18日 読売新聞)


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