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70年の伝統!・陸軍幼年学校の夜
13
:
名無しさん
:2011/07/12(火) 14:15:32
明治になっても、男色は珍しくないものでした。陸軍士官学校は開設当時、グラウンドをはさんで陸軍幼年学校と隣り合っていましたが、士官候補生が幼年学校に「稚児狩り」と称して、男の子を襲いに行くのを止めるよう、度々通達が出ています。士官学校内では「ショーネン」という隠語があり、これは美少年の下級生を指す言葉でした。
小学校を卒業して新設の新発田中学校に入学した大杉は、ここで2年間を過ごすことになる。中学校時代は器械体操と野球に熱中し、学校を引けてからも柔道・撃剣:棒術の道場に通って、もっぱら肉体の鍛錬に明け暮れている。
昔の中学校は男だけの世界だったから、彼は小学校時代のように女の子と疑似恋愛をすることはなくなった。その代わり、彼は二年生になると、稚児さん趣味の風習に染まり、下級生の一人を「弟」にして可愛がっている。この男色趣味は陸軍幼年学校に入ってからもつづき、学校から懲罰を受けることになるのである。
陸軍幼年学校も男だけの世界だった。学校は全寮制で、日曜以外の外出は禁じられていた。授業中は手を両膝の上に置いて、微動だにしないで教官の目を睨んでいなければならなかったし、新聞の閲覧も禁じられていた。生徒たちは、外部から完全に隔離された世界で、3年間を過ごさなければならないのである。
こうしたスパルタ式の教育方針は反動を生む。各学年には、一定数の不良グループがうまれ、校則に反してひそかにタバコを吸ったり、男色を目的に下級生の寝室を襲撃したりしていた。入学早々、反逆精神旺盛な大杉は、不良グループの上級生に見込まれて、その仲間に入れて貰うことになる。
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