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賎のおだまき・武家の時代の男色
76
:
名無しさん
:2009/11/11(水) 20:50:52
【南方古俗と西郷の乱】
本書の中ではやや長いもので、『翔ぶが如く』を書き終えた頃の随想でしょう。『若衆宿』という南方島嶼の古俗を色濃く残す薩摩・郷中制度が、西郷と云う人格を育み、そのことが西南戦争まで及んでいる、という司馬遼の読者ならお馴染みの論考です。西郷を郷中頭とする若衆=若者の集団が藩組織の枠組みを越えて暴発し、薩摩藩を明治維新という革命運動の中に投げ込み、西郷下野とともに私学校といいう郷中制度(若衆宿)を復活させ、またも暴発の末西南戦争を引き起こした。大久保、大山、東郷と幕末の志士、維新の顕官がぞくぞくと同じ町内から出ている不思議を説明するに、なかなか説得力をもっています。1960年代の末から吹き荒れた学生運動まで、若衆宿で括ってしまう牽強附会があったにせよです
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