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【場】『ネオンストリート』 その3

1ようこそ、『黄金町』へ:2015/07/31(金) 01:43:45
歓楽街を南北へ抜ける、『黄金町』の裏舞台。
途中の『弁天橋』はナンパのメッカ。
露天や、怪しい売人もよく見かける。
橋を越えれば、網目のような路地が広がり、
さらに怪しい店の看板が、すし詰めに並ぶ。
海岸付近は無法の『倉庫街』。一般人は『立ち入り禁止』。


―┘          ┌┘   ◎
―┐ H湖     ┌┘   ┌┐   住  宅  街   
  │      ┌┘   .┌ ..│...      ∥
   ┐     │    ┌ ┌┘       ∥←メインストリート
   │    │   ┌  │         ∥
    ┐   │  ┌  ┌..       黄金原駅
     │  └─┘┌―      ┏ ━■■━ ━ ━
  ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛    ∥←ネオンストリート
       │      └―┐黄金港.. 繁 華 街  
       └┐   ┌――┘       倉庫街
 ─────┘   └――――――――――――

     太 平 洋

前スレはこちら

【場】『ネオンストリート』その2
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1393171061/

2ジェイク『一般人』:2015/07/31(金) 03:18:37
前スレ >>999
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1393171061/999

「このランタンは妹の形見だ。」

「そして、元は親の形見だ。」

ランタンに火をともす。
オレンジ色の光がガラスの中で輝きだした。

「さて、このランタンの火。
 この火の中には『吉良』があり、『未来』がある。」

「『自分にとってプラスになるもの』や
 『未来の自分らしきもの』がうつる可能性があるものの、何も見えない者も『いる』。」

ランタンを持ち上げてみせる。
火をじっと男は見つめている。
その中になにかがあるかのように。

「俺はかつて日の丸を見た。」

「さぁ、関東也哉子。お前には『何が見える?』」

3関東 也哉子/ヤーコ『一般人』:2015/07/31(金) 03:46:22
>>2

   「……形見、ですか」

ことさらに反応はしない。
ことさらに反応はしないが、その言葉は深く胸にのしかかる。
親から妹へ。妹から兄へ。
受け継がれてきた、受け継いできた人がいた証だ。

    「『吉良』と、『未来』」

それが炎の中に映ると言う。
『スタンド能力』か? それとも、一種の催眠か?

        (……ううん、ジェイコブさんは、『占い』って言うたがね。
         ほんだで、こりゃあ『占い』なんだわ)

いずれにしても、『未来』と『吉良』が映るというのなら、それはそういうものだ。
それでいい。占いとはそういうものだ。
関東也哉子にとってのそれはなんだろう。
也哉子は今、一つ悩みを抱えている。『スタンド』についての悩みを。
それの答えが、この炎の中にあるのだろうか?
也哉子の黒い瞳が炎を映す。
蒼褪めていた顔は、炎の明かりを受けて紅潮していた。
揺らめく炎。
その中になにがある?
也哉子は腰を折り、ランタンの炎に顔を近づけて―――――――



         「――――――――ごめんなさい」
                          スッ



目を伏せて、ランタンから顔を離した。
背筋を伸ばして、視線はジェイクへ。もう、ランタンは見ていない。

         「せっかくのご好意ですけど……」

    「未来の自分も」

                      「成功へのヒントも」

     「――――全部、ちゃんと自分で手に入れたいから」

この件に関して、也哉子は『占い』に頼りたくないと、そう思った。
自分で考えて道を決めたい。近道を探すのは、親友を裏切るようなことだと思ったから。
苦労して考えて道を選んで進むことこそに、意味があると思ったから。
これが好意で好機なのはわかっていたけれど、申し訳なさそうに苦笑した。

 「だから、ごめんなさい。
  あたしはその炎を見ちゃダメなんです」

4ジェイク『一般人』:2015/08/01(土) 01:45:09
>>3

「そうか。」

也哉子の言葉に対してジェイクは静かに答えた。
怒ることも残念がることもない。
ただ、その顔は面白がっているように笑っていた。

「関東也哉子。お前がそうしたいなら、そうすればいい。」

「自分で考えて行動した結果なら、構わん。」

ホヤを上げてランタンの火を消す。
男は也哉子がどんな気持ちで断ったのかは知らない。
おそらく興味もないだろう。
しかし、なにか強い意志があって断ったであろうことは感じていた。

「所詮は占いだ。」

「スタンドでもなんでもない、ただランタンの中で生きる幻想でしかない。」

ランタンをなでている。
まるで子供でもあやすように。

「関東也哉子。お前に夢や目標はあるか?」

突然、そんなことを聞いた。
薄ら笑いを浮かべ、しかし冷めた目で也哉子を見つめる。
ただ静かに也哉子の答えを待っているようであった。

5関東 也哉子/ヤーコ『一般人』:2015/08/01(土) 02:43:30
>>4

   「はい」「あたしはそれを見たらいけないと、そう思ったので」

三度目の謝罪は、しない。
相手が構わないと言っているのに、謝罪を重ねるのはかえって失礼だから。
所詮は占いで、幻想にすぎないと言いながら、しかしさぞ大事そうにランタンをなでる男を見る。
そうすることで、ジェイコブ・ケイディ・ワイアットという男の本質に思いを馳せる。
不思議な人だ。あるいは不気味な人だ。
その底はまるで知れず、どこまでが本気で、どこまでが冗談なのか、まるで掴めない。
正気なのか狂気なのかの区別すらつかない大男。
酷く近寄りがたいこの男に……也哉子は段々惹き込まれていることを自覚する。
無論、異性としてではない。
この底のしれない男の底を見てみたいと、無謀で狡猾な好奇心が囁くのだ。またしても。

        「――――夢」

急にそんなことを問われて、きょとんと小首を傾げた。

     「……あんまり、そういうのは……まだ、わかりませんね」

也哉子はまだ中学二年生。モラトリアムの真っ最中だ。
この時期に明確な将来のヴィジョンが定まっている人間の方が希少だろう。

                「でも」

 「やらなきゃいけないなと思うことは、あります。
  目標と言っていいのかはわかりませんけど……見つけなきゃいけないと思っている物なら、あります」

それは、父が倒れた時からずっと考えていたこと。
嵐ノ宮暁利に世界の在り方を聞いた時からずっと考えていたこと。
舞台に立つ親友の姿を見た時からずっと考えていたこと。

           「――――あたしは、『スタンド使い』じゃありませんが」

『スタンド』。
ジェイクが先ほど呟いた単語。それを也哉子は知っている。
ジェイクがスタンド使いかどうかは知らないが、世界にそういう物があるということを、ジェイクも知っているのは確かだと考えて。

  「……だからこそ、考えています。
   世界には『スタンド使い』がいて、『スタンド使い』はあたしみたいな『一般人』なんかは相手にもならない。
   そういう次元の違う人たちが世の中にはいて……その人たちがちょっと気まぐれを起こせば、あたしたちは簡単に死んじゃう。
   悪意を持った『スタンド使い』の前で、あたしはどうしようもなく無力です」

        「じゃあ、あたしはどうするべきなんだろう。
         自分も剣を持って戦うしかないって、そう言う人もいました。
         でも、あたしは本当にそうなのかなって思う。本当にそれしかないのかなって」

     「次元を超えたら……もう、『この次元』には帰ってこれない。一方通行の片道切符。
      その前に、本当にあたしは剣を手に取っていいのか、って。他にやれることは、本当にないのかって」
  
              「一時の感情だとか、その場の勢いだとか、流れだとか、そういうのじゃいけないと思うんです。
               考えて考えて、考えて……それで、答えを出さなきゃいけない。
               本当に剣を取るのか。それとも、別の道を選ぶのか」

          「悠長なことかもしれないけれど。
           甘えたことかもしれないけれど。
           それでも――――あたしはこのちょっと歪な世界で、どう生きていくかを、考えなくちゃいけない」

    「それがあたしの、今の『目標』です」

意志の宿った瞳をジェイクに向けて……也哉子はそう言い切った。
迷っていると、堂々と言い切った。迷っているから、答えを出さなきゃいけないと。

       「……ジェイコブさんは、どうですか?
        貴方に夢や目標は、ありますか?」

6ジェイク『一般人』:2015/08/01(土) 23:43:53
>>5

「……生きること、もっと言えば生き方を見つけるのは困難だ。」

男は也哉子の話にそう返した。
静かに、何の感情も抱いていないように話した。

「お前くらいの年頃の人間は自分に迷うときがある。
 だが、お前のその考えは同年代のそれとは違う。」

「関東也哉子。力は心だ。心無きものより力無きものの方がマシだ。
 よく考え、行動し、進み続けろ。自分で選んだ道の困難を乗り越えるのはたやすい。」

相変わらずの態度ではあったが、優しく語るような雰囲気があった。
男もなにか感じたのかもしれない。

「俺か。俺の目標は『スタンドを得ること』だ。そして『シミを抜くこと』。」

「かつて俺は、自分と妹のために生きた。
 そのために危険な道を進み、快楽と不安を消すために薬も酒もやった。」

「結果を語るのならば、俺は狼を放ち妹と養親を失った。
 養親は死んで当然だった。ただ、アイツは違うはずだ。」

顔を下に向ける。
その体は小さく見えるかもしれない。

「俺は此の世に残したシミを抜かねばならない。
 そのためには、『スタンド』が必要だ。」

ふう、と一息をつく。
頭を二、三度横に振る。
男が也哉子の方に顔を向けることは無かった。

7関東 也哉子/ヤーコ『一般人』:2015/08/02(日) 00:54:08
>>6

    「力は、心……」

オウム返しに呟く。
……その言葉は、不思議と胸によく馴染んだ。
力は心。心が力。
心に従って進む限り、心が力になってくれる。

     「……ありがとうございます」

也哉子は深々と頭を下げた。
エールをもらったと、そう思ったからだ。
肯定されたと、そう感じたからだ。

       「………………」

そしてジェイクの『目標』を聞いて……也哉子は少し、寂しそうな顔をする。
彼は過ちを犯したと言う。この世にシミを残したと言う。
そう語る『狼』の姿は、あまりにも痩せ細って見えて。

         「ジェイコブさんは…………」

言いかけて、言葉に詰まる。
なんて声をかけたらいい? 彼の『25年』に、かけられる言葉があるのか?
…………違う。違うだろう。そうじゃないはずだ。
嘘をついたり逃げたりしないと、何度言ったらわかるんだ、関東也哉子。言おう、思ったままを。


   「――――ジェイコブさんは、『優しい人』なんですね」


            「気まぐれかもしれないし、怖い人かもしれませんけど」

      「とても、『優しい人』なんですね、貴方は」

8ジェイク『一般人』:2015/08/02(日) 01:37:31
>>7

ユア ウェルカム
「礼はいい。」

男はやっと也哉子の方へと顔を向けた。
満足そうな表情だ。
不気味さは残っているが、そう感じることが出来る。

「そういえば、お前『スタンド』について……」

言いかけて止める。
也哉子が話を始めたからだ。

「……止めろ。」

也哉子に優しい人だといわれ、男は冷たく言い放った。
瞳には強い意思がこもっていた。

「シミを抜き、アイツの墓を参るに値する人間になるまで優しいなどと言うな。
 心に秘めていろ。無邪気な言葉で今の俺を否定してくれるな。」

「24/7/4/12。二十四時間七日四週十二ヶ月。」

「俺は俺の思う俺でしかない。」

まくし立て、黙る。
何度かランタンを撫でた後、帽子を被せた。

「関東也哉子。気にするな。お前は間違ったことをしていない。
 間違っているものがあるのだとしたら俺だ。」

「考えた言葉を好きなように思ったままに話せ。
 考えたように生きろ。それが重要だ。お前が納得し、満足できるように進め。」

9関東 也哉子/ヤーコ『一般人』:2015/08/02(日) 02:23:13
>>8


           「嫌です」


止めろと男は言った。
だから、嫌だと少女は言った。

     「貴方は立派な人じゃないかもしれません」

               「笑えないと、笑ってはいけないと思っているのかもしれません」

少し前、関東也哉子は押し付けた。
貴女は優しい子だと、そんな勝手な空想を人に押し付けた。そうして逃げた。恐怖から。
今もまた、優しいばかりでない人に優しいと也哉子は言う。
でも、今度は違う。押し付けるための言葉じゃない。逃げるための言葉じゃない。

        「でも、人間って、結構複雑な生き物みたいですから」

くすりと微笑む。
瞳は逸らさない。ずっと、ずっとだ。
意志を宿した瞳は、ジェイクから逸らさない。

            「ジェイコブさんにとって、それは譲れないことなんでしょうけど……」

     「あたしだって、譲れません。
      貴方は『優しい人』です。
      『優しいジェイコブさん』でなくたって、『優しいところを持っているジェイコブさん』です」

         「貴方が『優しくないところ』で『ジェイコブ・ケイディ・ワイアット』になるのなら、それでもいいと思います。
          『優しいところ』に蓋をしたって、それとも、放り捨ててしまったって、それでもいいいと思います」

けれど。
ああ、けれど。

       「ジェイコブさん。嘘つきな狼さん。
        あたしは『優しくない貴方』を否定しません」

                 「けれどジェイコブさん。
                  最初から優しくない人は、優しいところを捨てられないんです。
                  だったら今の貴方は、『優しいところに蓋をした貴方』です」

    「あたしはそんな貴方が、少し好きになりました。
     いつか……いつか貴方が、『優しい貴方』になれたらいいなと、そう思います」

ジェイクが自分のことを優しくないと言うのなら、それでいい。
也哉子はジェイクの事を知らない。この短い対話の中で、彼の全てを測り知ることなどできはしない。
もしかしたら、ジェイクは次の瞬間に也哉子のことを頭から食べてしまうかもしれない。開けていない箱の中身は誰も知らない。
だが、それでも――――ジェイクという男の中に、『優しいところ』は確かにあると也哉子は思う。
それだけの男ではないだろう。それすらも残滓に過ぎないのかもしれない。
だが、例えジェイクがどんな人物だろうと……そのことだけは、変わり得ないと思ったから。

       「お言葉に甘えて、考えた言葉を思ったように話しました。
        できればあたしの言葉を、覚えていてくださいますか?」

穏やかに微笑んで、関東也哉子はそう言った。

10ジェイク『一般人』:2015/08/03(月) 00:01:36
>>9

「人を語るか、関東也哉子。」

はぁ、とため息をついた。
困っているわけではない。
呆れているわけでもない。

「お前にそうしろと言ったのは俺だ。
 だからと言うわけでもないが、お前の言葉覚えておこう。」

「次に会うときの俺は狼かも知れないし、もっと恐ろしいなにかかも知れんがね。」

そう言って笑う男は少なくとも狼のような獰猛さは見られなかった。
不気味であり、不思議ではあるが、この男も人間で兄なのだ。

「さて関東也哉子。夜も遅い。そろそろ帰ったほうがいいんじゃあないか。」

「俺が次の瞬間お前を殺さないとも限らないのだから。」

「俺はこれからの時間を妹の黙祷にささげる。その間に帰るんだな。」

男は帽子を胸にあて、静かに俯いた。
本当に黙祷をささげているのかは分からない。
ただ也哉子から視線を外していることだけは確からしかった。

11関東 也哉子/ヤーコ『一般人』:2015/08/03(月) 00:32:28
>>10

    「ふふ」

      「はい、ありがとうございます」

口元に手をやり、くすくすと笑いながら礼を言う。
也哉子の言葉を覚えていてくれるというのなら、それは也哉子にとって嬉しい事だ。

  「でも、例えどんな生き物になったとしても、ジェイコブさんは、『ジェイコブさん』でいてくださいね。
   じゃないとあたし、あれはジェイコブさんだって、ちゃんとわかりませんから」

もしも、狼になろうとも。
もしも、也哉子を食べようとしてきても。
也哉子は死ぬわけには行かないし、そんなことになるのはすごく嫌だし、恐ろしいけど。
それでもその狼が『ジェイコブさん』だとわかったら、きっと也哉子は受け入れて、立ち上がる事が出来ると思うから。

     「はい、それじゃあ、私はここで。
      ……今日は本当にありがとうございました」 ペコッ

もう一度、深々と頭を下げる。
ジェイクはもう見ていないかもしれないが、それでも。

   「さようなら、ジェイコブさん」「次に会う時までお元気で」

顔を上げて、微笑みながらそう言って、也哉子は踵を返す。
あっという間にその姿はネオンストリートの雑踏に消えて行くだろう。




       (……『シミを抜くため』、か)

贖罪か、あるいは清算か。
彼はそのために力を欲していると言う。スタンドという力を。

            (……じゃあ、あたしは?)

――――――答えは出ない。今は、まだ。

12関東 也哉子/ヤーコ『一般人』:2015/08/03(月) 00:33:57
>>11

13ジェイク『一般人』:2015/08/03(月) 00:44:55
>>11-12

「……」

也哉子の言葉に返答は無い。
本当に喪に服しているのかもしれない。

「関東也哉子よ。後ろ暗さなど無い道を進め。
 思うままに生きろ。明るくまばゆい日向の道を行け。」

「『光を追え』ただ、それだけだ。」

也哉子の背中にそう投げかけた。
その瞬間だけ男は青年になった。
ただ次の瞬間にはまた不気味な男の雰囲気をまとう。
彼が望む望まないは関係ない。
周りが彼をそう見るのだ。彼は彼の思う彼でしかないのだが。

「さて、そろそろ行くか。今日は湖畔で寝るか。」

「この国の警察はうるさいからな。」

夜の街を男が行く。雑踏の中で異彩を放ちながら進む。
誰もが彼から目をそらす。
だが彼にとってはそれでいいのだ。
彼にとって、それは些細なことなのだから。

14灰羽『アクエリアス』:2015/08/20(木) 23:14:36

「安全靴、手袋。プロテクター……も、いるかァァ?」


少女がネオンストリートをうろつきながら、買い物をしていた。


「魔除けはやっぱりパワーストーンだなァァ……
 見た目が綺麗だしな。
 護符とか紙じゃん」

15朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2015/08/21(金) 23:32:20
>>14
ジャラガシャジャラガシャジャラガシャ

後ろのほうで何か変な音が聞こえてくる
「えっと…えっと…
 お守り…お守りはこれくらいでいいのかな…
 いや、重すぎるから…いくつか役に立たなそうなものは…」
あちこちにお守りをくっつけた人がうろついている…

「…あああ、もう行けないいけない!
 なんで私はこんな時に神頼みなんて!
 あでも、春祭りのあの神社にお祓いしてもらったほうが
 ご利益が色々とあるかもしれないし、どうしよう」

16灰羽『アクエリアス』:2015/08/21(金) 23:42:01
>>15
「ハァッ!
 この声は……ァッ!」


バッと振り向く少女。
視線の先には同じ年頃の見知った女の子……
そして今回、同じ敵に挑む仲間……
敵は『呪殺屋』……

二人が買い求めていたのはお守り……
同じタイプの思考回路ということなのだろうか。


(そういえばスマホにもなんかジャラジャラつけてたなぁ朱鷺宮さん)


そう考えると呪いとか関係なく普段から結構そういうグッズを買ってるのかもしれないが。

17朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2015/08/21(金) 23:50:10
>>16
「うーむ…
 大体呪い殺すなんてのにこういうのって有効なんでしょうか…」
呪い移しの紙人形まで持ち歩いている…
と、

「ぬっ!?
 その声は…!おっ!?」
顔を上げた先には、ちょうど同じ年頃のみ知った少女が居た。
…今回、同じ敵に挑む仲間…そして敵は『呪殺屋』…

「…あわわ、見られてしまった…
 また出くわすかもと思ってたけど…
 まさか戦う前だなんて…」
よく見れば彼女は開運グッズを大量に持ち歩いていた
ttp://blog-imgs-46.fc2.com/t/o/k/tokutoku35/tokutoku865.jpg
(※画像はイメージです)

18灰羽『アクエリアス』:2015/08/21(金) 23:59:45
>>17
「……」


ここで灰羽は数瞬、知らない人のふりをしようかと迷った。
というか実際、本当に朱鷺宮なのか確信が無かった(イメージ画像的に考えて)


「ど、どうもォ〜」

      ズギャン

『……ウ?』


しかし相手も反応している以上、知り合いには違いない。挨拶しておく。
そして『アクエリアス』を発現する。スタンドが見えていれば朱鷺宮率は高まる。

19朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2015/08/22(土) 00:03:04
>>18
「…あの、気にしないでください。
 私はほらこの通り」
かぶっていたお面を外して、素顔を露わにする。

「へ、変な格好だなんて言わないでくださいね。
 私は非常に真面目なんです…が…」
そう言って軽く頭を下げた

「す、すいません…
 助けに行くぞ!なんて意気込んでたのに…
 いざ戦いを前にすると…すごく心配になりまして…」
ため息を深くついた。落ち込んでるわけではなさそう。

20灰羽『アクエリアス』:2015/08/22(土) 00:12:39
>>19
「い、いえ。変な格好ォだなんて思っていませんとも!」


灰羽は嘘をついた。
優しい嘘なのである。
『アクエリアス』はお面に興味津々だった。


「私は、うーん、心配っていうかァ……ほら、戦うってわかってるんだから準備するのは当たり前だし、
 お守りを用意するのは極めて実利的な行動だと思うですよね。
 まあそりゃ心配が無いっていったらアレですけど」


灰羽も灰羽でなにか言い訳なんだかよくわからないことを言った。
お守り以外にも色々買っているようなので準備というのは嘘ではないだろうが。


「……あの、後悔してるならぁ……やめておきますか?
 もう連絡入れちゃったけど、取り消すのが無理ってわけじゃないと思うし、
 ホントは2人だったのに3人になったっていうのは、それだけ敵がヤベェーのかもしれないですし……」

21朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2015/08/22(土) 00:19:40
>>20
「ふう、ありがとうございます。」
そう言ってお面をしまう。
ちなみに制服なので服装に問題はない。はずである。

「そうですよね…容易は準備してし過ぎることはないです。
 ふう、とりあえずこれはやり過ぎかも、しれませんけど」
色々と衣装を脱いで、白亜荘で見た時とおんなじくらいにまで戻った。

「…いえ、後悔はしていません。」
後悔してるなら、という言葉を聞き
その顔は凛々しい物になる。

「心配なのは確かですけど…
 あとさんを放っておくことは、もっと不安なのです。
 アレクセイさんも一緒ですから…大丈夫ですよ、きっと!」
そう言ってグッと拳を握りしめた。

22灰羽『アクエリアス』:2015/08/22(土) 00:29:03
>>21
「そ、それはぁ……」

(ど、どーいう意味なんだァァ?
 すっごい危なっかしいやつってことなのか?)

「ありがとうございます」


ほっとくと不安、と言われた灰羽はとりあず曖昧な顔で頷いた。


「それはそうと……お守りもいいけどォ、やっぱり普通の(?)装備も必要だと思うんですよね。
 ほら見てくださいコレェ! ジャン! かっこいい〜」


灰羽が話題を変えて見せてきたのは、手袋……それも指貫手袋だ!
中学二年生的に考えればカッコイイに違いない。少なくとも男子学生なら。

23朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2015/08/22(土) 00:35:03
>>22
「いえ、どういたしまして。」
彼女の内心は読めぬまま、涙音はとりあえず頭を下げた。

「それは、手袋ですか…
 たしかにかっこいいですね。」
そう言ってじっと手袋を見つめる

(…一体どんな効果が…?)
「はっ、まさかこの中に何かしこんでるんですか?
 鉄とか…」
興味深そうな表情で答える。

「でも、一応ケガをしないで住むように
 手袋をつけたほうがいいかもしれないですね」

24灰羽『アクエリアス』:2015/08/22(土) 00:46:09
>>23
「そう、この手袋の中には鉄板が入っているのでェす!」


ジャーン、と見せびらかす灰羽。
薄い鉄板が手の甲に張り付いているからといってスタンド戦で役立つかは疑問であるが。


「まあ、実際は『盃』で手が切れないようにって……
 あれ、朱鷺宮さんは『アクエリアス』の能力知ってましたっけ?」


『アクエリアス』の『盃』……ふちが刃物になっているのだが、これを本体が手でもつと手が切れてしまう可能性がある。
なにせ剣や槍ではないのだ。持つところが無い。
持つとなると、親指の付け根あたりが切れそうなのだ。ゆえに手袋なのである。
……ということを説明した。


「あと安全靴も買ったんでけど。プロテクターっていると思います?
 あのローラースケートで使う肘と膝につけるやつ。
 肩パットはさすがにいらねーかなァァって思うんですけど」

25朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2015/08/22(土) 00:54:20
>>24
「おお、それならパンチの威力が上がりそうです…
 けど、生身で殴るよりもスタンドにやらせたほうが速いですね…」
いいアイディアだと涙音は思ったが、
よく考えて見ればスタンドとの戦いではあまり意味がなさそうだ。

「…ある程度能力は聞いてましたが…
 切れ味が鋭いのは多分聞いてなかったと思いますね。
 武器になりますね、それは。」
どうやら涙音にとってもいい情報なのかもしれない。
「たしかにそうなると手の保護は必要ですね。」

「うーん、もしかしたら転んで膝が危なくなるかもしれないですから
プロテクターはあったほうがいいと思いますよ。なるべく柔軟性が高いものが。
 …でも肩パットはちょっと動くのに制限がつきそうですね…」
あまりおすすめできないのかもしれない。

26灰羽『アクエリアス』:2015/08/22(土) 01:01:05
>>25
「あ、やっぱりぃぃ?
 肩パットはなんか、あれですよね。世紀末って感じだし」


世紀末って感じだとなんなのか。
多分、単に好みではないのだろう。
『アクエリアス』はパワーストーンを光に透かして遊んでいる。


「ヘルメットもなぁ〜
 嫌いなんですよね。蒸れるし……
 なんか他によさそうな装備とかってありますかね?」


実利とか言っていたくせにわりと好みで選ぶのだった。

27朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2015/08/22(土) 01:08:01
>>26
「…トゲトゲの肩パッドはさすがに売ってないと思います。」

世紀末な感じということで真っ先にそのことが思いついた。
武器になりそうだが。

「ヘルメットも…
 重たくて支障がありそうですし…
 良さそうな装備…となると…」
涙音は結構悩んでいる。
パワーストーンで遊んでいるアクエリアスを見て、
ちょっと穏やかな気分になりつつも…

「やっぱりあれですね。
 自分のスタンドの力を活かせるようなものが一番です。
 スタンドが最大の武器ですし、それを活かすアイテムこそが一番いいかなと」

アクエリアスを見たためか、スタンドを活かすものを用意しようと提案した。
涙音の場合は、とりあえず家にありそうな物一式を考えているが

28灰羽『アクエリアス』:2015/08/22(土) 01:14:43
>>27
「スタンドの力を活かす……ですかあ」


灰羽は、ちらっと自分のスタンド、『アクエリアス』を見る。
それから自分の服装に目を向ける。
いつも通り腰周りに4本もペットボトルを装備している。


「うーん、これ以上ペットボトルを増やすと重くなりすぎるかなぁ〜。
 アレクセイさんも水を使うから、多いに越したことはないと思うんですけど。
 朱鷺宮さんは物質創造だから何か無いと能力が発動できないってことは無いんですよね」

29朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2015/08/22(土) 01:19:30
>>28
「ペットボトル…は、
 もう十分あるんでしょうかね…
 後はかばんを持ってきてそこに小さいペットボトルをなんてのも、いいかも?」
じっとペットボトルを見る。
さすがに空き缶などでは持ち歩くのに支障がありそうなので答えない。

「まぁ、確かに何かがないとってことはないですが。
 私の場合は相手に的をつけたり、万が一の時は自分に的をつけたり…後はその場にあるもの次第ですね…」

30灰羽『アクエリアス』:2015/08/22(土) 01:29:08
>>29
「うーん、鞄でぇすか……
 あっそうだ。こう、ホルスター(?)みたいな、ホルスターっていうのアレ?
 鞄の紐部分だけみたいなやつ?
 あれに試験管とかさしてたらかっこいいかもしれない」


伝わるのか伝わらないのか微妙な説明を繰り出す灰羽。
ホルスター云々はともかく、試験管から液体を撒くのはかっこいいと思っているらしい。
実用性は微妙そうだ。


「ふう、朱鷺宮さんは買ったのお守りだけですか?」


なにか満足したのか、今度は朱鷺宮の持ち物をちらちら見てくる。

31朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2015/08/22(土) 01:38:33
>>30
「ホルスター?…まぁたしかに弾丸を差し込んでるみたいでかっこいいですけど…
 戦闘の時に相手に投げるとか、そういうのなら行けるかも…」
どうにか実用性を考えてみるが
うまく行かなそうだ。

「あ、私ですか?
 まぁ、願掛けのために色々と購入したんですけど」
ネックレスのようにお守りを下げている。さすがに一つだけだが

「ちょっと気を落ち着かせるために買ったくらいですね。
 相手がわからない以上、あまり重い装備はできないですし。」

32灰羽『アクエリアス』:2015/08/22(土) 01:45:04
>>31
「重さですかー。
 私は綺麗な石が好きなんですけど、
 紙のお守りとかにしたほうがいいんでしょうかねえ」


『アクエリアス』からパワーストーンを取り上げる灰羽。
奪い取られた『アクエリアス』は手を半端にあげた状態で固まっていたが、
ちょっとションボリした様子で手を下げた。


「朱鷺宮さんお守り詳しい感じだったりします=?
 一杯持ってますもんね。
 一緒に買いにいきまそうか?」

33朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2015/08/22(土) 01:53:00
>>32
「まぁ、小さな石だったらさほど重くならないと思いますよ。
 …確かに紙人形とかのお守りのほうが軽いですが…」
どうやら涙音的にはどちらでも良いらしい。
とりあえずアクエリアスに慰めるような顔を見せた。

「もちろん、お守りには詳しいですよ。
 まぁほとんどが、交通安全とか厄除けに偏ってますけどね。
 …それでもよければ一緒に選びましょうか?
 私は大丈夫ですよ。」
どうやら乗り気のようで、涙音は仲良くショッピングを楽しみそうな感じだ。
…おそらくは楽しい物になったと思われる。

34稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/09(水) 00:20:15

     プシュー


  トトト

              ブォォーーーン ・・・・

バスから降りた。

     (……チャラいやつ多いな……)

帽子、眼鏡で変装済み。
昼間とはいえ、治安は気になる。

「……」

    トコ
       トコ

努めて目立たぬよう、目的地まで真っ直ぐ歩く。

35灰羽『アクエリアス』:2015/09/09(水) 21:50:14
>>34
「ふーんふふふーんふふふふふふふー
 いつものんんーんん新しーい↑風」


後ろから微妙に音痴っぽい鼻歌が聞こえる。
しかも移動速度が同じなのか、一定距離を保ったままついてくる。
人によってはイラつきそうなシュチュエーションである。


「ルルルールルールル ルルルールルルルー」

36稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/09(水) 23:29:00
>>35

(誰だよ鼻歌歌ってんの……
  カラオケじゃないんだぞここ……)

       (つーかこの声……)

         イラ

後ろから聞こえる妙な鼻歌。
知らない奴なら良かったのだが……この声。

    イラッ

       イライラ


(何してんだこいつ……
  なんでこんなとこいるんだよ……マジめんどい……)

自分もいるのだが。
それに何だろう、この歌は。

……いや、それより。

      「……」

            トコ

       トコ

無関係、無関心を装って歩く。

37灰羽『アクエリアス』:2015/09/09(水) 23:39:55
>>36
「ふんふーふ……ん?」


聞き覚えのある声……姿も見ずに、知っている者を連想できるとは
さすがの音感というべきだろうか。
一方、後ろの人物も何かに気づいたようだ。


『ルヴァァァ』

「えっ何? 前の人?」


というか気づいたのはその人物ではないようだ。
一般人には聞こえない誰かと話しているような声。
そして少し歩調を速めた背後の人は、一瞬だけ恋姫を追い抜かすとチラ見して、
また歩調を緩め、背後も戻っていった。


「えっ、誰……?」

『グ、グルル……』


変装されていてわからなかったらしい。
ちなみにさすがに独り言なので声を潜めている(だが聞こえるレベル)

38稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/09(水) 23:58:46
>>37

後ろをチラ見くらいはしたのかもしれない……
ともかく。

「……」

    ビクッ

        (うおっ……)

急に加速した灰羽。
抜かされ驚く恋姫。

      ・・・・そして戻っていく灰羽。

(……えひひ、変装が活きたな……
 段ボール箱とか被らなくても『スニーキング』って出来るもんだ……)

聞こえる独り言(二人だが)からバレてないと察する。
髪もくくっているし、なるほど印象はだいぶ違う……

      トコ

         トコ


           ――ビュオォッ

突然、強い風が吹いた。

      バサッ

               「うおあっ……」

恋姫の帽子が風に流され、後ろへ。
キャッチしようとするも、咄嗟で反応しきれない。

39灰羽『アクエリアス』:2015/09/10(木) 00:07:14
>>38

『グァァァ?』

「お前気のせいィじゃね?」


恋姫の変装力が高いのか、この少女の見る目が無いのか。
少なくともこの女性型のヴィジョン……『アクエリアス』は知り合いだとわかっているようだ。


「うーん、仮に知ってる人だとしても、
 リアクションないしあっちも私に気づいてないんじゃ……
 ッ! なんだとォォー! 突風!」

『……』

「わぷ!」


風に吹かれただけで声を上げる少女、
その顔に前から飛んできた帽子が直撃するのを、『アクエリアス』は見送った。

40稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/10(木) 00:26:45
>>39

(さいっ……あく……)

  クル

           「……んンッ。」

喉を鳴らす。
声を変えるためだ。

   「ご、ごめぇん……」

                「エヒ」

……あまり変わっていないが。
変な笑いが漏れそうになるが、こらえる。

(さすがに声と……
 顔、前から見られたら、バレるか……)

覚悟はしておく。

「……あー、ええと……
  ぼ、帽子……返してもらって……いいか?」

とりあえず、帽子を返してもらおう。

41灰羽『アクエリアス』:2015/09/10(木) 00:35:01
>>40
「むおおー?」

『……』
          ヒョイ


帽子を取ればいいだけなのに、腕を空中にさ迷わせる灰羽。
そんな様子を見て、『アクエリアス』が無言で帽子を取る。


「お、おおうー。
 ……あっえっ、ハイ。帽子……?」


声をかける恋姫だが、
灰羽からすれば視界が開けたと思ったら突然現れた人物。
一瞬反応が遅れる。そして不思議そうに自分の手を見、恋姫を見る。
そもそも灰羽は自分の顔に当たったものが帽子だということ自体を把握していない。
さらに、目の前の人物が知っているようななんか違うような微妙な感じで、頭が混乱していた。

一方、『アクエリアス』は帽子をかぶった。

42稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/10(木) 00:55:13
>>41

(何やってんだこいつ……
  まあ目隠しでアクションはむずいだろうが……)

          ヒョイ

             「あっ……」

帽子を被られてしまった。
『パス回し』が頭によぎる。

      (…………わざとやってんじゃないだろうな……)


    イライライラ

もちろんそんなわけない。
ないが、相当イラつく。

      ・・・・とはいえ灰羽に矛先を向ける気にもならない。

「はぁ ぁーーー ・・・・ ……」

        「そう、帽子……
          お前のツレが被ってるやつ……」

『アクエリアス』を示す。
黒くて、丸い感じの帽子だ。

「そんなの装備させた覚えあるか……?
 無いよな……? 限定アイテムだからな……」

もう隠す気も失せる。
バレてなくても、スタンドを見た以上、このまますんなりはいかないはずだし。

43灰羽『アクエリアス』:2015/09/10(木) 01:02:25
>>42
「んっ? ああっ
 お前ぇー、やめろよぉ! 帽子浮いてるみたいに見えるから!」

『ルーン……』


確かに、人型スタンドが帽子を被っていれば一般人には宙に浮いているように見えるだろう。
『アクエリアス』は悲しげに鳴くと、頭を垂らした。
灰羽がすばやく帽子を奪取する。


「いやぁすいません、えへへェ。
 ……なんか、その、怒ってます?
 ごめんなさい」


帽子を差し出しながら半笑いでペコペコする。
恋姫の正体などはとりあえず置いておいて、謝るのに必死だ。

44稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/10(木) 01:16:47
>>43

    パシ

「……っ。」

半ば奪うように受け取り、帽子をかぶる。

       「ふぅー……っ。」

  キュ
      キュ

深く。

「……別に怒ってない。
 気にすんなし……」

         「……僕こそ、悪かったな。
           あー……顔……痛くない?」

風のせいとはいえ、多少の責任は感じる。
それに、なんとなく、八つ当たりのようなことを、してしまった。

「……ごめん。」

あと、無視したっていうのもある。
別に話しかけられたわけでもないが。

           ・・・・さすがにバレたと思っているのだ。

45灰羽『アクエリアス』:2015/09/10(木) 01:29:50
>>44
「そ、そうですかー?
 顔は大丈夫ですよぉ」


灰羽はほっとした様子だ。
よく見ると、恋姫のように変装しているわけではないが、灰羽も以前とは異なる。
前は飾り気無く、チョーカーくらいしか装飾品を身につけていなかったのに、
今はなんだかジャラジャラつけている。ただ、お洒落というよりは、
なんとなくおまじないグッズといった感じのオカルトっぽさのあるものばかりで、
その上、節操無くつけているためセンスは感じられなかった。


『レンヒメ……フク……ナンデ?』

「!」


灰羽がへらへらしていると、『アクエリアス』が話しかけてきた。
大分言葉足らずだが、恋姫がなぜ変装しているのかを聞きたいらしい。
灰羽は『アクエリアス』の言葉で目の前の人物が誰だかやっとわかったのか、小さく驚いている。

46稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/10(木) 01:39:45
>>45

「……まあ、帽子だもんな。
 素材的に考えて……そんなダメージないか……」

       (……??
        こいつなんかよそよそしいな……)

バレたにしては、だ。
まだバレていないのか……?

あるいは。

            (……それか、変な宗教はまった……?)

     「……」

お守り、お守り、お守り。なんだか呪いっぽい。
……こんなキャラだったろうか?

「……服? ああ、変装のことか……
  ……まあ、いろいろあんだよ。アイドルだからな、えひ。」

          「……どうしたの?」

驚いている灰羽。

(これ、未バレパターンじゃね……?
 反応的に考えて……)

損した気分だ。

47灰羽『アクエリアス』:2015/09/10(木) 01:48:35
>>46
「いんやぁ……別になんでもぉ……
 なるほどですねー……だろ?」

『ナルホド……』


どうしたの、という問いに誤魔化すように自分のスタンドに同意を求める灰羽。
『アクエリアス』は素直に納得したようだ。
こいつがそもそもアイドルという職業を理解しているのかは不明だが。


「つまりそのお、お忍びでどこか行くところでしたか。
 なんか、あの、お邪魔しちゃいましたね」

48稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/10(木) 02:06:44
>>47

「あ……ちょっと寄ろうぜ……」

       トコトコ

邪魔になるので、道の端に寄りつつ……

  ハァー

          「えひ、あっそぉ……じゃあいいか……」

反応で何となくわかる。
が、まあ、それはいい。

「『アクエリアス』は利口だな……えひ。
 ……まあ、そんな感じ。」

      ・・・・お忍び。まさにそういうことだ。

「いや……邪魔ってほどでもないよ……
 ……別に時間制限、あるとかじゃないし。」

深く詮索してこないなら、別にいい。
分かれた後に、行けばいいからだ。

「んで……聞いていいのかわからんが……」

          「……あー」

お守り類を指し示す。

「……なに、その装備?
 えひ、物欲センサー対策……?」

気になるのだ。
どうせだし、聞いてしまおう。

49灰羽『アクエリアス』:2015/09/10(木) 02:18:53
>>48
「あっ、はーい」


のこのこ着いて行き、道の端っこによった。
恋姫だとすぐにわからなかった事と、それを恋姫に勘づかれていることを薄々察したのか、
反対に褒められた『アクエリアス』を眉根を寄せて見た。
灰羽の言い分としては「だって、あれっ? って思ったけど声もなんか違かったし……」といったところか。


「あっコレ? これはまあ、ホラ、『スタンド』って霊的な、なんか、
 そういう系の存在じゃないですか?
 だからお守りとかあれば、呪いの防御になるんじゃないかなあ〜みたいな
 まあ、直接殴ってきそうなやつだと効きそうなイメージ無いですけど」


指をピロピロさせながら腕を波立たせるという変なジェスチャーをしながら話す。
このジェスチャーは灰羽にしてはわかりやすいほうで、おそらく飛んで来る呪いを表現しているのだろう。

50稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/10(木) 02:44:47
>>49

     とんっ

道の端の壁(シャッターが下りた店だ)を、背もたれにする。
あまり行儀はよくないが、RPGのモブじゃないんだし、立ちっぱは疲れる。

「……?」

       「あー……理屈は分かるが……」

   オォォオ ・ ・ ・・・

『ブルー・サンシャイン』を発現。
黒衣と青い焔が8:2で溶けあうような、呪わしいヴィジョン。

「……何で急にそんな……耐性パズル埋めみたいな……」

「……あれか……?
 やばいスタンド使いに襲われた……とか?」

効果のほどはともかく、だ。
急にスタンド――もとい『呪い』対策とは……?

   ヒソ
            「……例のあれか……?
      ヒソ     ほら、ニュースでやってたやつら……」

恋姫が言わんとしているのは、『ヨハネスブルグ』。

「何それ怖い……って感じだよな。えひ……
 ……どっちかというと、『こわちか』のが良いか……?」

関わりたくない連中だ。
灰羽はそれに関わってしまったのだろうか――?

51灰羽『アクエリアス』:2015/09/10(木) 02:54:28
>>50
「襲われたというかー……逆に襲うというかー……
 多分そっちとは関係ないんですけど、また別口で、うーん」


喋りながらまたもジェスチャーを繰り出すが、今度は完全に意味不明な動きだった。
世の中にはインタビューでろくろを回す社長もいるのだし、元々無意味なジェスチャーなのかもしれないが。


「レンヒメさんってぇどこ経由で『なった』んでしたっけ?
 私は『カフェ』なんですけど、まあ、そこ関係で……
 なんか呪いを使うとかいう人を倒さなくちゃいけないことになりましてェー」

「まあ、なんか、こう、ゲームでいうなら依頼系クエストみたいなァ?」

52稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/10(木) 03:20:10
>>51

「……襲う?」

きな臭い単語だ。目を細める恋姫。

「……僕もカフェだけど……
 …………え、なにお前……鉄砲玉じゃん、それ。」

         「えひ……
          クエストってお前……
          RPGの酒場じゃないんだぞこれ……」

自分も以前、依頼で危険行為をした。
しかしそれは――探索依頼。戦闘は想定外。

(そういやこいつ……
 前のダンジョンでも、死体見て……)

「……その……呪いってやつ、『殺す』……のか?
 依頼達成……のために?」

           ・・・・受け入れがたい。

灰羽のそれは――『討伐』。
スタンドの世界では……RPGの王道がまかり通るのか?

53灰羽『アクエリアス』:2015/09/10(木) 03:37:55
>>52
「いやぁ、別にゲーム気分っていうアレじゃないんですよ。
 レンヒメさんゲーム好きじゃないですか。多分。確か。
 だからそう言う風に例えただけでぇ。
 そもそも私ゲームあんまりやらないんですよねぇ。
 ヘタクソだしクリアできなくて」


ちらっとスタンドに目を向ける灰羽。
話に興味がない『アクエリアス』は『ブルー・サンシャイン』の
青い炎の揺らめきを暇そうに観察している。


「めちゃくちゃズバーっと言いますね。
 まあうん、それは否定できないんですけどぉぉ……
 でも結構、なんていうか、安心しましたね」

「実は1人で行くんじゃなくて一緒に戦ってくれる人探してたんですけど、
 皆結構、ノリ気だったりして、私としてもマジで? みたいな。
 まあ皆って言ってもこの話したの2〜3人なんですけど。
 レンヒメさんみたいな反応がフツーだと思うんですよね」

54稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/10(木) 04:05:40
>>53

「ああ、そういう……アレか。例えか……
 ビックリした……ゲームは好きだよ……えひ。」

       
       ォォォ 

          ゴォ
            ォ

歯切れ悪そうに言葉を紡ぐ恋姫。

        ギョロ ・・・

……『ブルー・サンシャイン』の焔が、少し緩まる。
意志を持たない烏面が、『アクエリアス』を見返す。

「フツーって……そりゃそうじゃん……
 だってお前……これ、リアルなんだぜ……?
 スタンド能力なんて、バトル漫画みたいだけどさぁ……」

スタンドは恋姫の輝きだ。
だが――それがあるからと言って、恋姫は無敵じゃあない。

          「……だってさぁ……」

「だって……殺す、って……殺されるかも、なんだろ……?
 常識的に考えて…………僕らには残機もリセットも…………」

灰羽もそれは、覚悟の上――なのだろう。
それに気づいて、少し目を伏せる。
 
                「……いや、分かってるんだろうけどな……」

死地に飛び込むのを素直に応援できるほど――非情ではない。

55灰羽『アクエリアス』:2015/09/10(木) 19:40:41
>>54
「まったく、残機とかリセットとかが能力だったらよかったのにですねー」

『グルゥ!?』


灰羽の言葉に『アクエリアス』が振り向いて声をあげた。
スタンドからの抗議の視線を手で制する。


「……まあ、ちょっとヤバイ相手だなぁぁ〜と思ってるんですよね実際。
 最初1人仲間連れてっていいよ、1人で行ってもいいけど。とか言ってたのに、
 2人まで仲間連れてっていいよ。に変更したんですよ〜。これ危険度上方修正されてますよね。
 相手プロですしねェェ……」

「まー、私もやらなくていいなら別にやりたくないですよこんなん。
 ……レンヒメさんはいい人ですよね。
 だって肯定しないのに、やめろとかも言わないんですから」

56稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/10(木) 23:12:15
>>55

「なんだそれ……プロって……
 ……なんだよ、それ……殺しのプロ……?」

現実に……いるのか?
いや、いない方が不自然か。

          「つーか……いい人とかじゃないっての……」

真っ直ぐには見られない。

「……やらなきゃいけない理由があるんだろ……?
 流れ的に考えて……そうじゃなかったら……」

            「…………」

        ポリ

頭を掻く。
そして、やや俯きがちに。

「お前には…………死んでほしく、ないから……
 だから、やめられるなら……やらないでほしいけど……」

        「……あー……」

……相手はプロで。
3人ものスタンド使いをぶつけるべき相手。

             「僕……どうすりゃいいんだろ……
              えひ、恥ずかしいこと言ってるのかな……今……」

だが――理由があるなら、きっと、止められないのだろう。

57灰羽『アクエリアス』:2015/09/10(木) 23:27:44
>>56
「うっわー……」


悩み、どうしたらいいかわからなくなっている恋姫にかけられたのは、
意味のある言葉ではなかった。
その声に込められた感情を強いて言うならば驚嘆だろうか。


「いや、私について心配してくださっているというのに、
 流れ的にこんなこと言うのも悪い気しますがぁぁ……
 なんか……こう……私こういうのあんまりわかんないですけど、

 さすがアイドルっていうか。
 めちゃくちゃ可愛いですね。いじらしさ? みたいな……」

58稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/10(木) 23:45:52
>>57

    ムス

         「……人が心配してんのに……
          なんだ、そのリアクション……えひ。」

      「……まあいいけどな。」

眉根を寄せつつ、口元にわずかな笑み。

「はぁー……」

ため息。
 
     コツ

後ろの壁に頭をつける。
……そして、灰羽を見る。

「……入院くらいで済んだら、お見舞い行くから。
 今のうちに欲しいもん言っといてくれよ……えひ。」

     「常識的に考えて、怪我くらいするだろうしな……」

それはある意味、希望的観測だった。
恋姫は、数少ない『親しい相手』には素直に――あるいはけなげに接せる。

59灰羽『アクエリアス』:2015/09/10(木) 23:59:03
>>58
「私メロン嫌いなんですよねぇぇ……
 メロン味は好きなんですけど、なんかメロンって辛くありません?
 喉がひりつくっていうか。
 桃もなんか食感がぐにゃっとしてて好きじゃないですね。
 もしお見舞いで果実持って来てくれる場合は、梨か林檎がいいです」


言ってくれと言われたので、言ったわけだが、
ちょっとずうずうしかったかな? もしかしてこういうの社交辞令?
とチラチラ恋姫の様子をうかがった。
『アクエリアス』は『メロン……』『モモ……』などと呟いている。


「で、まあ、話を戻します(?)っと、
 なんか効きそうなお守りないかなぁ〜ってうろうろしてたんですけど、
 レンヒメさんはそういうの知りませぇん?」

60稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/11(金) 00:10:49
>>59

「…………えひ。
 んじゃ、梨にするか……」

           「……ちゃんと食えよな。」

死んだら食えない。
・・・・ともかく、話は戻った。

       「……お守りな……」

「……あんま僕、そういうの興味ないんだよな。
 血液型占いとかぁ〜……開運グッズとか……
 しかもアレだろ……LUC上昇とかじゃなくて、呪い耐性UPみたいな……」

そんなお守りがその辺に売ってるのだろうか。
かなり疑問だが……

「……あれだ、パワーストーンとか……どうだ?
 装備として効くか分からんけど……アクセにもなるじゃん。」

まあ、無難なところだ。
RPGとかでも多いが、宝石――鉱石には不思議な力があるとかなんとか。

61灰羽『アクエリアス』:2015/09/11(金) 00:27:30
>>60
「パワーストーン……やはりパワーストーンですか。
 私、綺麗な石見るの好きなんですよねぇ。
 おまじないの紙とか原材料安そうでなんか嫌ですしね!」


確かに灰羽が現在つけているものも、石系が多いようだ。
変なトーテムポールとか動物を模したアクセサリーもあるが。
目新しい知見ではなかったが、自分と同じ意見を貰って自信を強めたのだろう。
満足気に頷いた。


「おっとー、結構引き止めてしまいましたね……
 レンヒメさん、どこに行くのかお忍びでしょうし聞きませんが、
 お時間は大丈夫ですかぁ?」

62稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/09/11(金) 00:36:17
>>61

「僕もパワーストーンは何個か持ってるしな……
 紙よりはなんか……ありそうだしぃ……
 つってもあれか、お前、もうけっこう石だらけか……えひひ。」

陰気に笑う恋姫。まあ、気休めはするに限る。
・・・・そして。

「時間……」

       チラ

腕時計を見る。
そして、顔を上げる。

「そうだな……別に急いではないけど……
 まあ、売り切れたりしたら、嫌だしな……えひ。」

そう売り切れるものでもないだろうが――

(また会えるからな……名残惜しいとかは、ない。)


             「……んじゃ、そろそろ行く。
              あー、ええと……また、な……?」

そう言うと、小さく手を振り、その場を去る。
……最後に一度だけ振り返って、今度こそ目的地へ。

63灰羽『アクエリアス』:2015/09/11(金) 00:40:28
>>62
「ええ、ありがとうございましたァ」

『ヴ? サヨナラ……』


灰羽が手を小さく振ると、果実に思いを馳せていた『アクエリアス』も
顔をあげ、恋姫に別れの挨拶をした。


「いやぁなんか……心配されちゃってますね。
 遺書に……レンヒメさんへの割り当てでも書いとくかなぁー」


そして2人は別々の場所へ歩いていくのだった。

64荒咬『ザップ』:2015/09/12(土) 20:50:10
【場】DIONモール その3
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1432052310/240-241より移動


      Z A P !

「ふー、こっちの世界は台風じゃないみたいだな」

虚空より突如現れた少年は
天気に安心すると、そのまま去っていった。

65鬼柳礼音『アスタロト』:2015/09/14(月) 23:12:55

「ああ、クソ。
 終電逃したわ。
 なんでこいつらこんな元気なんだよ」

深夜の歓楽街。
眼鏡をかけたきつめの顔立ちの
ひざ丈のタイトスカートスーツを纏った女が、
弁天橋の欄干に背を持たれ雑踏を眺めている。

66烙『クライムウェイヴ』:2015/09/14(月) 23:48:43
>>65
「退院したからさ」

明らかに酔った青年――黒ずくめ。右目に黒革の眼帯。金の装飾――が寄ってきた。
もちろん好みだからだ。

「何ヶ月かぶりで気分が良いのさ」

笑う前歯は明らかに義歯のギザギザ歯。趣味は良くない。

67鬼柳礼音『アスタロト』:2015/09/15(火) 00:08:45
>>66

「…」

明らかに酔っているであろう、
容貌から素行が悪さを伺えるいかにもな青年。
その三白眼で睨む。

「ああ、クソ。
 やっぱりクソだな。
 私はすげー気分が悪いんだけど、
 お前終電逃したから暇つぶしに
 私をナンパしてるつもり?」

68烙『クライムウェイヴ』:2015/09/15(火) 00:13:56
>>67
「いや全然」

しれっ と。

「気分を害したなら謝るよ。オレは終電とか気にしてないだけ」
「君は終電逃したんだろ?逃したんだよな。ウケる」「ヒマなら詫びも兼ねて一杯奢るよ」「そこで」

ナンパならもうちょっと「らしい」店を選ぶだろうって感じの
朝五時までやってる系の大衆立ち飲み屋を指さす。

69鬼柳礼音『アスタロト』:2015/09/15(火) 00:18:59
>>68

「全然ウケねえよ。
 仕事がスゲートラブったお陰で
 終電逃してヒマってのは、
 紛れもない事実だけどナ」

舌打ちを漏らす。

「あァン?いいよ。
『ヒマ』だから付き合ってやるよ。
 ところでアンタ歳いくつ?」

70烙『クライムウェイヴ』:2015/09/15(火) 00:23:34
>>69
「27さ。未成年に見えた?」

ニカッ

「ヒマだろ? ヒマだと思ったよヒマそうだったからな。オレは君の歳は訊かないことにする」
「仕事帰りか、大変だね。オレ休みだからさ。なんせ入院してたもんだから」

テンション高めで店に向かう。

71鬼柳礼音『アスタロト』:2015/09/15(火) 00:36:09
>>70

「そんなイキった恰好した
 27歳初めて見た。つかダサいわ」

「いくつに見える?
 って聞く女って凄い面倒くせえよな。
 アタシ、あーいうタイプの女駄目。
 25年間生きてきたけど相容れない別の生き物」

男に続き、入店。

「ビール」

72烙『クライムウェイヴ』:2015/09/15(火) 00:40:36
>>71
「そう? 割と評判いいんだけど。生徒には面白がられる」

大体何となくで言ってる。

「25さいかよ。年上かと思ったよ顔キツいから。あ、生大。君も大でいくだろ。いくよな」
「あとからあげ」「つまみ、てきとーに頼めよ」

大ジョッキがきた。特に乾杯とかせず半分ほど飲む。  「ぶハァ」「うまい」

73鬼柳礼音『アスタロト』:2015/09/15(火) 00:51:31
>>72

「生徒。え、アンタ先生なの?
 …マジ?  ギャグだよな?」

眉間に皺を寄せ、
隣の席の洛の顔を眺める。

「この美人なキツネ顔は生まれつきだっての。
 それじゃあ、頂きますッ」
 
          ゴクゴクゴクッ

運ばれてきた大ジョッキを傾け、
同じく半分ほど飲む。

「プハァーッ!!美味い!!
 これだよコレ!この一杯の為に!
 生きてるって感じだよな!」

「ええと、
 石窯焼き風ピザと、
 ホルモン焼き、鳥刺し、
 きゅうりとキャベツの野菜スティック、
 ああと、アボカド。」

74烙『クライムウェイヴ』:2015/09/15(火) 01:00:38
>>73
「いくねェ・・・」

予想外。でも大丈夫。カードがある。

「オレは学校の先生だよ」「これ(目)もこれ(歯)も事故った」

指さしながら。
その二つと服装等を省けば、それなりの顔立ちだ。

「飲むねェ・・・」
「飲みっぷりのいい美人はすきだよオレは」「もう一杯?」

野菜スティックと鳥刺しが運ばれてきた。こっちのジョッキは空いてる。そっちはどうだ?

75鬼柳礼音『アスタロト』:2015/09/15(火) 01:10:11
>>74

  「おぎゃツ。
  マジかよお前…。
  悲惨な奴だわ」

真意は定かではないが、
絶句する。

  「アタシの仕事は、
   って別に興味ねーだろ?
   聞かれりゃあ話すけどさ」
  
  「おっと」  ポリポリ

運ばれた野菜スティックを、
備え付けのマヨネーズでディップし咀嚼。

  「じゃあもう1杯!生!
   ギャハハ」

ジョッキの中身を一気に飲み干す。
先程まで不機嫌そうだった女。
その白い顔色はあれよあれよ赤く染まり、
容貌に似合わない蛮族のような笑い声を発した。

76烙『クライムウェイヴ』:2015/09/15(火) 01:29:49
>>75
「飲むねェ」

「あ、生大おかわりふたつ」

「テンション上がってきたじゃないの。訊いてもいいなら訊くよ。どんな仕事してんの?」

鳥刺しを三枚まとめてパクリ。

ピザとからあげとホルモン焼きとアボカドがきた。無くなるのもあっという間だろう。てきとうに。

77鬼柳礼音『アスタロト』:2015/09/15(火) 01:46:20
>>76

キコキコ  「あぁーん」

出てきたピザをピザカッターで4等分にカットし、
その内の1枚を口に運ぶ。


「んまァ〜…
 美味しいィ。
 こーチーズがトロトロでさァ」

更にジョッキを煽る。

「アタシィ?
 アタシのお仕事ォ〜?ギャ八」

「んッとぉ〜」

数分前の姿は想像もできない猫なで声。
明らかに『酩酊状態』だ。

「『ウェディング・プランナー』。
 毎日のように、
 浮かれたカップルのご機嫌を取る、
 クソみたいなお仕事ォ〜   ヒクッ」

「今日も」「急に」
「新婦が新郎の衣装を変えたいとか言い出して、
 説得にすげえ時間かかってさァー―ッ」

             ド
              ムッ

ジョッキをテーブルに強く。

「正直、
 どぉ〜〜でも良いっつーの!!
 あー、すげえむかつく!!!」

78烙『クライムウェイヴ』:2015/09/15(火) 01:53:24
>>77
「大変なモンだな」
「他人の結婚式? なかなかどうして考えられないね」

ピザをつまむ。唐揚げを口に。ビールで流す。
味はあんまり気にしない。脂っこくてしょっぱくて、ビールに合えばそれで良い。

「君、酒弱いんだな。飲みっぷりはいいのに」

こっちも酔っている。良い感じのが長く続くタイプだ。あまり潰れたりはしないほうだ。
だから何となく考えることはできる。なんで殺人鬼が適当に声かけた25さいの美人が酔いつぶれていくのを見ながらビール飲んでんだろう、とか。

「まアどこの業界でも女の人はちょっとウルサい・・・おっと失礼、君も女の人だった」
「言い出したら聞かないのはどこでも一緒なのかな。『モンスター・ペアレンツ』問題も深刻だよ。孤児が増えたらどう責任とるんだ?」
「あ、生大おかわりひとつ」

79鬼柳礼音『アスタロト』:2015/09/15(火) 02:19:52
>>78

「酒 ヒクッ
 弱いよ」

「酒にも弱いし、
 弱いから酒に逃げる『人でなし』。
 ヘヘヘ」

一瞬、明らかに女の目が据わった。
自嘲気味に笑うが、すぐにただの酔っ払いに戻った。

「アヤネちゃんはよ!
 難しい事はわからなけーどッ!
 とにかくよ、
 知らない人間の幸せな姿見ても、
 腹は膨れないし嬉しくもなんともねーんだよ!」

80烙『クライムウェイヴ』:2015/09/15(火) 22:46:03
>>79
「キッツいなあ。酒に逃げたら人でなしって?」

世の中に人でなしが増えてしょうがない。
人でないなら殺していいかも知れないが、生憎殺意はこの右目にネジ止めだ。
食い込みは深いがネジ穴が緩いので、外すのは簡単。

「(さて――)」

ビールを飲む。ピザをつまむ。ホルモン焼きを口に運び、ビールで流す。その間。
じっと鬼柳の首元を見て考える。まだだ。直接的な思考はそのまま体を縛る。
そうではなく、思考を別に指向せねばならない。要は先に手を出させてケンカになれば良い。幸い、ジョッキで人は殴り殺せる。
彼女は酔っている。それはもうあっという間に酔った。
酔っているということは感情の振れ幅は比較的大きくなっているということだ。
要は怒らせるということだが、なにぶんさっき声をかけたばかりなのでどうすれば怒るのかが分からない。
会話の流れから自然に怒らせる、というのは、見知った仲でも難しいものだ。
人は大抵『もめ事』を嫌うからだ。穏便に済ませるためならば多少のことは笑って許す。

「(まだか?)」

もう少し会話を続けるべきだろうか。いや、却下だ。今だ。彼女はじきに酔いつぶれてしまうだろう。介抱するにしてもそれ以上のことは不可能なのだ。
つまり体が動き言葉を発している今、この時しか無いと判断し、言葉を探す。。
愚痴。不満。現状への。自分が不幸だと感じている。他人の幸せ。嫉妬心。憎悪? そこまででもないか。
選択するのは当然『否定』だが――怒らせるように。他人の幸せ。ここか。否定への苛立ち。他人への苛立ち。
あとは彼女の自制心の問題で、それは彼女のみぞ知る。

「それは、どうなんだろう」

鼻で笑うことはしない。鼻で笑うときの顔をする。

「オレは生徒が嬉しそうにしてたら嬉しいし、楽しそうにしていると楽しい。考え方ひとつってヤツじゃないか?
 そんなくよくよしてても仕方ないだろう。ウエディングプランナー。想像はできないが、素晴らしい仕事じゃあないか」

幸せな他人からの、根拠の無い否定形の励まし。


コマンド?
ニア おこる。(たたかう)
  おこらない。(のむ)

81鬼柳礼音『アスタロト』:2015/09/15(火) 23:47:49
>>80



「…ッ」


絶句。
目の前の洛を汚物でも見るかのような目で睨む。


カタッ


ジョッキを置き、
来店した時に出されて口を付けていなかった、
お冷を喉に流し込む。酔いを覚ますためだ。


    「…ヒクッ」

鬼柳礼音は何も語らない。
明らかに怒りの籠った表情で、
ただ目の前の洛を眺める。

82烙『クライムウェイヴ』:2015/09/16(水) 22:28:32
>>81
「(よし)」

どう転ぶかは一種の賭けで、それには勝った。
ここで「口を滑らせて悪かった」というふうに謝ると、人情として穏便に済まそうという力が働く。
逆にすると逆のことが起こる。

「ん? どうかしたか?怖い顔してるじゃない」

無思慮。無神経。

「ほら、そーいう顔しているから腹もふくれないし嬉しい気持ちにもなれないんだって。笑う門には福来るっていうだろ?」

スマイル。(ニカッ)

目的に段階を付ける。
それが重要だ。怒らせることと煽ることを別に思考して(ケンカを売るという)小目的に向かう。
いかにも鬱陶しい近視眼的な説教と、無遠慮な笑み。別に怒っていなくても、殴りたくなる要素の二つだ。

83鬼柳礼音『アスタロト』:2015/09/16(水) 22:38:21
>>82


    「あ"ァー」

ジュポッ

スーツのポケットからタバコを取り出し、
火を点ける。銘柄はJPSだ。


    「要するに。
     とどのつまり」    ガタッ

その薄い唇で火の点いた煙草を咥えたまま、
椅子を立ち飲みかけのジョッキを手に持ち、

     ボダボダボダ〜…


ニタニタと笑みを浮かべる
洛の頭部にビールをかける。


   「ケンカ売って欲しかったんだろ。
    んだよテメェ回りくどい事しやがって。
    お陰で礼音さんの機嫌は最悪だけどナ」

84烙『クライムウェイヴ』:2015/09/16(水) 22:49:55
>>83
「あれ?」

ビールをかけられた。これじゃあ優勝パーティーだ。もう一つ、押しが足りなかった的なことだろうか。
この程度ではネジ止めは緩まない。ビールをかけられて危険を感じる人間は(そういう病気がひょっとしてあるのかもしれないが)いない。

「違うなァ」

水ならぬビールも滴る良い男と化した殺人鬼の冷笑。

「君のなかでは水やビールの掛け合いが『ケンカ』なのかも知れないから、その可能性を考えられなかったことはオレの無知ではあるけれども」

拭きもせず。笑顔を向けたまま。

「それにしたって、やり様は他に無かったのか? 独自性に欠けるのは仕方がないとしてだ」
「『ケンカを買う』なら、もう少しそれらしく振る舞うなんて幾らでも出来るだろうに、よりにもよって初手がコレか? 君は口先と見かけの割には平和主義者だね」

85鬼柳礼音『アスタロト』:2015/09/16(水) 22:59:49
>>84

  
   「なんだ」「アンタ」

   「哀れな哀れな独りよがりの、
    自分語り大好きなオタクみてーな性分だな」

  ピ
   キィッ

自身の米神に青筋が浮かび上がるのが分かる。
だが、平和主義者だというのは事実だ。

「確かに、
 女の喧嘩なんて、
 違いに手の平を張りあうとか、
 奇声を発しながら髪を引っ張りあうとか、
『児戯』みたいなもんだしよ」  「じゃあ」

  グ
   ォ
    ォ――ッ

空になったジョッキを、
頭をかち割らん勢いで洛の頭部に叩きつけてみる。

86烙『クライムウェイヴ』:2015/09/16(水) 23:24:47
>>85
振り上げられる。ジョッキの底が見える。分厚いガラスだ。硬そうだ。

     ――――キュル

あれで殴られたら、まずは間違いなく痛いだろうし角度によっては出血するだろうし、悪くすると骨まで達する怪我を負うかもしれない。

  ――――――キュル  ルルルルル

こうした手続きは本意ではない。これは呪いだ。殺人鬼たる十板部烙を抑制するための安全装置。
右目の眼帯に隠した、右の眼窩に埋まったボルトは、『十板部烙が危険に曝された時』にしか外れない。
ネジ止めるのは殺意。厄介ではあるが、施工が雑も雑なおかげで外すのは楽だ。

「そういう性分があるのは否定しないよ。それよりケンカを買ってくれてありがとう」     ――――キュルッ

    ガ  シャン  !!!!

『人の頭にジョッキが当たった』のではない。
『鋼鉄の兜にジョッキをブチ当てた』のだ。自身と同じ姿勢で、少しだけ前方に、『クライムウェイヴ(鎧)』を発現。単純に鉄板の防御力を発揮する。
ジョッキは粉々にはならないだろうが、それでも大きく罅はいくだろう。
勿論見えるかどうかは問題ではない。問題は『彼女は攻撃した』ことだ。

「さて」

「じゃあ、表に出ようか」


【戦】『ハイ・ヴォルテージ』 その2
(ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1395527022/)への移動を提案します。

87鬼柳礼音『アスタロト』:2015/09/16(水) 23:54:37
>>86

        「…」

目の前に唐突に表れた得体の知れない何か、
特に反応を示す様子もなく、
ジョッキをその辺に投げ捨てる。

   「あいよ」

88烙『クライムウェイヴ』:2015/09/16(水) 23:58:20
>>87
さてこの反応、どう見るべきか。
まあ、すぐわかることを考えなくても良い。

きっとドン引きだろう店内を気にもせず、淡々と勘定をすませ、店を出る―――



→【戦】『ハイ・ヴォルテージ』 その2
(ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1395527022/)へ移動

89ジェイク『一般人』:2015/10/04(日) 00:18:24
「……どこかで騒ぎがあったか。」

ある日の夜である。

「俺に関係はないがな。」

一人の男がいた。

「この国も安全と言うだけではないな。」

ただ静かに地面へ胡坐をかいていた。

「俺の村よりはマシだがな。」

ただ静かに夜の街の人達を見ていた。

90タタラ『インスタント・カルマ』:2015/10/06(火) 23:03:12
>>89

「アラ――」

すわ、浮浪者か?
タタラは思った。

(見た感じ外人? モロに厄ネタっぽいわね。)

それとなく視線を走らせる。
乞食なら空き缶でも置いてるはずだが――

       (一善がまだなのよね。
        コンビニ募金でもいいけど。)

そういえば、ジェイクの目にはタタラの姿は奇異に映るかもしれない。
なにせ、驚くほど古典的な、メイド服だから。

91ジェイク『一般人』:2015/10/06(火) 23:56:47
>>90

男は半袖の上着をまとい、裾がボロボロになったズボンを履いていた。
黒いハットを被り、それを乗せいている頭からは肩甲骨に至るであろう長さの赤毛が生えていた。
また口の周りやあごから赤いひげが生えている。
男は見た目通りの浮浪者である。

しかし男の前に缶はない。
あるものと言えば、ネームプレートの付いたランタンだけであった。

「今日は静かな日だ。」

なにかを探しているかのようにぐるりと辺りを見回す。
そうしていると、ぴたりと動きが止まる。

「……クイーン・ビクトリアの亡霊が蘇ったか?」

じっとメイド服の人物を見つめている。

92タタラ『インスタント・カルマ』:2015/10/07(水) 00:07:36
>>91

(缶はないわね……
 乞食じゃなくて宿がないだけ?)

(宿代払う気はしないわね……
 そこまで行くと一善とかそういうのじゃないでしょ。)

一日一善がモットーのタタラ。
しかし掛けられる金は多くはない。

           ・・・・と。

「アラ――」

目が合った。

「滅相も。私は在りし日のような、苛烈な労働環境は知らない。」

          「現代っ子ですワ。」

     ペコ

やや大きめに頭を下げる。
無視するわけにもいくまい。

「そういう貴方こそ、天下の往来で何を?
 ここはイーストエンドじゃなくて、日本の黄金町ですワ。」

タタラなりに洒脱な会話をしたつもりだ。
あまり上手くもないが――

           (イギリス人なのかしら?)

93ジェイク『一般人』:2015/10/07(水) 00:22:09
>>92

「そうか。それは残念だ。クイーンは切り裂き魔に興味が合ったらしい。」

「俺も興味がある。」

男は帽子を取り、胸に当てる。
そしてまた被りなおす。
礼の代わりのつもりだろうか。

「そうだな。しかし俺は自分の生まれた村しか知らんのでな。
 ここがどこであろうと、俺は俺だ。」

「……人を見ていた。」

しばらく怪しくニヤニヤと笑った後、そう言った。
星でも泥でもなく人を見ていた。
男の目は全く笑っていない。
夜風が彼のヒゲを髪を揺らす。

94タタラ『インスタント・カルマ』:2015/10/07(水) 00:28:55
>>93

「それはそれは。
 生憎、私は娼婦じゃないけれど。」

        (危ないやつ?
         まあ、遅れは取らないわよ。)

笑みを浮かべて、すぐに元の表情に戻す。
つまり、真顔に。

「人を。」

オウム返しして、周囲を見渡す。
なるほど、人種は多様だ。

「良いご趣味ですワ。
 私には向いていないみたいだけれど。」

大して良い趣味だと思ってはないが、言った。

「マア――貴方が誰であれ、ここは黄金町。
 腐敗した警察にとって、貴方は格好の餌じゃあないかしら?」

         (この忠告は一善よね。)

小さく頷いて、タタラは言う。
幸いか、今は警官も見当たらいが。

95ジェイク『一般人』:2015/10/07(水) 00:46:23
>>94

「生憎、俺はじゃあない。」

「切り裂きたくても切り裂く爪がない。」

相変わらずその目は笑っていない。

「そう人だ。」

「そしてお前も人だな。」

呟いてランタンを掴んだ。
異常なまでにその肌は白い。
ランタンを何度か撫でて、男は次の言葉を吐く。

「警察?」

「たまに来るな。だが、俺はここにいる。」

「あいつらは目の前に餌をぶら下げられても、それを食べられない。」

そう言うとゆっくりと立ち上がった。
大きい。190cmはあるだろう。

「お前こそ、ここで何をしている。」

一歩踏み出した。
その足はタタラに向いている。

96タタラ『インスタント・カルマ』:2015/10/07(水) 01:11:23
>>95

「……? ええ。
 けれど、爪がない?」

「その割には、随分屈強に見えますワ。
 爪は無くても、拳はあるんじゃあなくて?」

        「――いえ、失礼。
         心の話かしら。」

立ち上がった男を見上げて、言う。
タタラの目は水のように、渦巻いて見える。

「餌を食べない犬は、死んでる犬くらいだと思っていたけど――」

(……腐敗しすぎも考えものね。)

「――ええ、私も人で、メイドですワ。
 ここにいるのは、買い物帰り。」

見れば、後ろ手に布の手提げ。
 
     トン

       トン

    「これ以上は企業秘密ですワ。」

後ろに、少しだけ下がる。

97ジェイク『一般人』:2015/10/07(水) 20:42:40
>>96

「あぁ。今の俺は狼ではないからな。牙も爪もない。」

「獣にならなれるがね。」

意味不明だ。
言葉の答えであって答えでない。
男の青い目はタタラをじっと見つめていた。

「噛まない犬など足の折れた馬と同じだ。」

男は歩みを進める。

「ほう、メイドか。」

「そして、お前もか。
この町のものはよほど買うものを知られたくないらしい。」

一歩一歩確実に踏み出していく。
それは男が前に進んでいることの証明であった。

「今の時代、この国にメイドがいるとはな。」

98タタラ『インスタント・カルマ』:2015/10/07(水) 22:03:47
>>97

     「獣。」

(いい返しも思いつかなくなってきたわね……
 ……この辺で流しときましょ。)

タタラの感性は常識の範囲を出ない。
男の世界に着いていくにも、限界がある。

        トタ

     トタ 

「ええ、いますワ。
 いつの時代でも、メイドには需要がある。
 特に、秘密を守れるメイドには――ね。」

      「少なくとも、予後不良の駄馬よりは――と。」 

近づいてくる男。
それに合わせて、二歩ほど、下がる。

     ピ!

そして、足元を指さす。

「それ以上。
 近づくことは許可しませんワ。
 何か、理由があって?」

明確に、線を引く声だった。
もっとも、そこに突如湧き上がる奇妙な迫力とかはない。

        ・・・・ただ、毅然としていた。

99ジェイク『一般人』:2015/10/07(水) 22:41:49
>>98

「そう。獣だ。」

にやりと笑う。
その目は笑っていた。

「なるほど。俺には縁遠いな。それこそクイーン・ビクトリアのように。」

ぴたり、と歩みを止めた。
その表情は無そのもので、疑問も何も抱いていないように見える。

「ほう。使用人が女王陛下か。」

「言ったはずだ。人を見ていたと。」

「お前に近付かなければ、お前をよく見れないからな。」

悪びれる様子はない。
いついかなるときでも、この男はこの男のままなのかもしれない。

「さて、女王陛下。近付けないなら聞こうか。
お前刺青を入れているか?」

100タタラ『インスタント・カルマ』:2015/10/07(水) 22:52:47
>>99

「……ナルホド。
 理由はあるようですワね。」

      「けれど承服はしかねますワ。
       話すなら、この距離のまま。」

・・・・指した指を戻す。

「獣ならなおさらね。」

浮浪者に近づかれたらいやだ。
タタラはそれくらいの俗物だ。

「その呼び名。
 あまり気に入らないけれど――」

       「……刺青?」

この町でその単語を口に出す――つまり。
そういうこと、なのか?

「いいえ。入れていませんワ。
 それに、件の事情には、詳しくもない。」

     「……刺青屋をお探しかしら?」

道を教えるのは――それこそ、一善だ。
それによってもたらされる結果は、地獄行きだとしても。


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