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【場】『黄金原駅』 その3

236稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/02(月) 23:16:44
>>235

「えひ、別に怒ってるわけじゃないし……」

キリがないので止めよう。
実際、謝られる理由もそんなにないし。

     (……普通にクラスメートとかか。
      消防なら男女でも喋るか……常識的に考えて。)

リア充じゃなくても、ってこと。

「事故か……まじ生きててよかったなそれ……」

(残機、ないもんな……一発で全部抱え落ち……)

正直、他人事だ。
が、今は。そして『事故』は、少し親近感がわく。

「僕は……あ―……」

      ポリ

        「……」

           ポリ

「友達、が。ちょっと……な。
 怪我したらしいから、なんか差し入れようと思って……」

生きていたのはよかった。
だが、冷静に考えて――

「とりあえずメールして、返信待ちなう……えひひ。」

       (重傷……だよな。
        しかも、朱鷺宮まで……)

            ・・・・軽い事態ではない。

237立花『リンネ・ラジオ』『XTC』/灰羽先里『一般人』:2015/11/02(月) 23:30:09
>>236
恋姫の男女感が微妙に露になる中、会話は進む。


「ええ、本当、無事で……いえ、無事ではないけど生きていてよかったです」

「まあ葬式とか面倒だしな」

「お前冗談でもそういうこと言うなよ……マジで」


男の子が小学生らしい散漫さをみせたりもしたが、女の子が注意する。
特に幼いながらもカップルとかそういう雰囲気は無く、ただの友達のようだ。


「そうですか……ええと、それなら一緒にお見舞いの品でも買いに行きます?
 そのメールの内容にもよりますけど……」

「ん? 一緒に行くのか? 別にいいけど」


女の子がそう誘ってきた。
なんとなく恋姫に気を使った様子から社交辞令かもしれないが……

238稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/02(月) 23:40:07
>>237

恋姫には友達が少ない。
男友達など、学校ではまさか、まさか……

          「……」

「…………えひ。
 シャレにならんけど……よかったよな。」

陰気な笑みを浮かべる。
そして。

     スス

       ス

「……なんかロールケーキ?
 駅ナカで売ってるやつ希望か何とか……そういう依頼……」

        「……えひ。
         パーティ組む?」

(なんか気ぃ遣われてんのかこれ……?)

ここでフッておいてまた会うのも気まずい。
行き先が同じで済むなら、まあ一緒にクリアするのも悪くはない。

239立花『リンネ・ラジオ』『XTC』/灰羽先里『一般人』:2015/11/02(月) 23:48:44
>>238
「ちょうど駅にいてラッキーですね」

「俺たちは何買えばいいんだ?」

「う、ん……まあ、お姉さんの買い物先でいいのがあればそれ買おう」


というわけで、3人はパーティを組むことになった。
小学生どもは買うものが決まっていないようなので、とりあえず恋姫についていくようだ。


「お姉さんのお友達は結構怪我、重いんですか?」

「こっちはどうだっけ?」

「1ヶ月と3ヶ月だな……お前、自分の姉の状態くらい覚えとけよ」

240稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/02(月) 23:57:55
>>439

「えひ。タイミングいいよな……
 RPGなら……あちこちたらいまわしされるとこだ。」

    スス

     トン

      「んじゃ、いこ……」

  トコ
     トコ

駅の中へ向かおう。
そっちにはコンビニもあるはずだし。

(しかし朱鷺宮……あいつ意外にスイーツ好きか……)

      ・・・そして。

「……えひ、グレイズだな。
 僕んとこも、ほとんど同じ……
 ほんと……生きててよかった。」

(事故っつーか……アレだけどな……こっちは。)

     トコ

       「あ……ちょい寄らせて。
        雑誌も頼まれてんだよな……」

とりあえずコンビニに寄る。
暇つぶしとか乱数調整ではなく、雑誌を買うためだ。

241立花『リンネ・ラジオ』『XTC』/灰羽先里『一般人』:2015/11/03(火) 00:05:45
>>240
「雑誌ですか。ふむ。食べ物よりも暇つぶしのほうがいいか……?」

「スマホがあればいくらでも暇潰せるだろ。
 少なくともうちの姉ちゃんは心配いらねー」


仔カルガモのように小学生ズが後ろをついてくる。
コンビニに入ると、それぞれ何を買うか探してか、いったんバラバラに離脱したが。


「コンビニによく置いてある総集編っぽい漫画なんてどうだろうか」

「俺はスルメイカにしよう」

「お前のお姉ちゃんスルメイカ好きなの?」

「姉ちゃんがいらなかったら俺が食う」

「ああ、そう……」

242稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/03(火) 00:22:21
>>241

「えひ、僕のはあった……雑誌、と……」

恋姫は週刊誌を買った。
それと、もうひとつ。

       デン!

「ゲームも欲しいらしくてな……
 ハード持ってないなら、始める前からゲーム―オーバーだが……」

       「まあ……持ってるだろ。
        ゲーマー的に考えて……」

(もし持ってなかったら……
 どうするかな……こいつらにやるか……?
 朱鷺宮には僕のゲームでも貸してやるか……)

安価なDL専売パズルゲーム。
まさかハードごとくれ、ってことじゃああるまい。

「……んじゃ、ケーキ屋とやらに行こうぜ。」

      トコ

        トコ

お会計を済まし、向かおう。
駅ナカのケーキ屋。普段はまず行かない店だ……

243立花『リンネ・ラジオ』『XTC』/灰羽先里『一般人』:2015/11/03(火) 00:33:59
>>242
「ハードとか聞いてないで大丈夫なんですか?」

「スマホのアプリでいいんじゃねえ?」

「ま、まあ、わざわざ買ってきてって言ってるんだから、
 アプリはいいのがないんじゃないの? 多分……
 私スマホ持ってないから詳しく知らないけど」


相変わらず好き勝手言いう少年少女。
女の子は結局、総集編な漫画を買ったようだ。
2人ともゲームには興味が薄いらしい。パズルだからかもしれないが。


「ケーキかぁ、うーん、コンビニのやつより高けーよなきっと」

「さあ……私も普段行かないから知らないけど、
 安いのもあるんじゃないのか? とりあえず行ってみよう」

244稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/03(火) 00:45:31
>>243

「……連絡先知ってんだし聞けばよかったか。」

       「凡ミス〜……
        えひ、てへぺろ……」

   ニヤ

口で言うだけ。
舌を出してペロッとはしない。

「まあ……サプライズってことにしとこう……」

    トコ

     トコ

ケーキショップとやらに行こう。
どこにあるのかもしれないが――

       「……ん。」

     フワ
         フワ 

何となく甘い匂いが漂ってきた。
クリームとかそーいう匂いだ。

「えひ……クエストクリア、近いっぽいな。」

        (妙なのにエンカしなきゃだが……
         えひ、フラグ乙……つーか今は洒落ならん……)

子連れ恋姫だ。
絡まれたりはするわけにはいかない。しないだろうが。

245立花『リンネ・ラジオ』『XTC』/灰羽先里『一般人』:2015/11/03(火) 00:54:47
>>244
「もしかしてこの姉ちゃん金持ちなんじゃないか? 美人だし……」

「美人ってことは関係あるのか? 確かに綺麗な人だけど……」


コンビニの安いものであろうと、ゲームを気軽に買うというのは
小学生からしたら大変金持ちに見えるらしい。
さらに2人で話しているせいか、遠慮のない言葉も飛び出す。悪口ではなく褒め言葉だが。
2人は特にフラグなどは感じていないらしい。


「ん? 安心しろ、立花も可愛いぞ」

「えっ、ああ、お、おう……」

「なんか今日は可愛い格好してるな」

「い、いや、この格好は母がな……」


と思ったらなんか男の子が女の子をテレさせている。
やはりリア充なのか?

246稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/03(火) 01:09:17
>>245

「えひ……おだててもサービスとかは……」

     イラ

            「……ないだろ。
             常識的に考えて……」

(急にイチャイチャデレデレしやがって……
 少なくとも男の方は将来チャラ男なの確定的に明らかだなこれ……)

突如始まったリア充ムーヴ。
敵は外ではなく、内にいたとは……

(まああれか……?
 微笑ましいラブコメってやつか……)

          ・・・・とはいえ相手は小学生。
            
「……こっちかなぁ〜?」

    フワ

ちなみにゲームは600円くらいだ。
そして恋姫には、稼ぎがある。

        トコ  トコ


「…………! あれっぽいな。
 リア充……スイーツオーラがプンプンしてる……」

           「えひひ。
            んじゃ、買うか……」

      キラ

             キラ〜
 
ようやっと、ケーキショップを見つけた。
少し客はいるが――並ぶとかはいらなさそうだ。

247立花『リンネ・ラジオ』『XTC』/灰羽先里『一般人』:2015/11/03(火) 01:17:03
>>246
「あれがケーキ屋ですか。いい匂いがしますね」


2人で会話していて少し遅れ気味だったので、
女の子のほうが小走りでテテテと走って恋姫の横に並んだ。
男の子が褒めてくるのが苦手で、逃げてきたのかもしれない。


「スイーツオーラってなんだ!? なんか強そう」

「目には見えないオーラなんだよ……」

「くっ、俺にはオーラを感じ取れないというのか」


遅れて追いついてきた男の子が恋姫の戯言を真に受けて騒いでいる。
彼にとってオーラと言ったら戦闘力が上がりそうな言葉なのかもしれない。漫画脳か。

248稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/03(火) 01:26:28
>>247

「あー……僕はああいう……
 甘いお菓子、あんま好きじゃないんだよな。」

      ヒク

鼻を少しひくつかせつつ言う。
これは、どちらかというと事実だ。

            ・・・・そして。

「えひ、気功術かよ……
 まあ……オーラはともかく買ってくるわ……」

          「ロールケーキ……
           ロールケーキ……」

    トコトコ

店の方に行く恋姫。
ここでケーキを買って、そのままバスで病院だ。

「すいませぇーん……」

買おう。
売り切れではないはずだし。

(そういや……梨はいいのか?
 まあ……あとで聞いてみるか、一応……)
 
               まあ多少の懸念はあるが――

249立花『リンネ・ラジオ』『XTC』/灰羽先里『一般人』:2015/11/03(火) 01:36:43
>>248
ロールケーキは普通に売っていた。
フルーツがたっぷり入っているので、果物はいらないかもしれない。


「私はこういうフルーツがいっぱい入ってるのより、
 なんにも入ってないシンプルなやつが好きだな。
 昔は味の変化がないと飽きたりしたんだが、子供の舌だと単調でもいけるんだよな……」

「立花は幼稚園とか行ってたころのほうが大人の舌だったのか?」

「え?」

「え?」


小学生はなにかよくわからないコントをしている。


「おっクッキーあるじゃん。安いし、買おうぜ」

「またもやお前が食べたいだけだろ……」

250稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/03(火) 01:48:51
>>249

小学生コントを後ろに聞く。
何ともフシギな内容ではあるが――

(大人ぶりたいなら分かるが……
 子供ぶりたい……とかでもないよなこれ?)

             (……えひ、消防トークに深読みもアレか。)

まあ……今はいい。

         アリガトウゴザイマシター

「……」

    トコ

「……? えひ、何か買うのか? スイーツってやつ。」

ロールケーキを買った恋姫。
これで差し入れセットは万全だ。

            ・・・・善は急げ。
               そろそろ行こう。

(RTAじゃないけど……
 ヒマしてるみたいだしな……えひ。)

何か買うならそれを待ち、バス停へ。
病院近くには駅があった――はず。

251立花『リンネ・ラジオ』『XTC』/灰羽先里『一般人』:2015/11/03(火) 02:14:56
>>250
「ほら、行くぞー」

「ちょっ待て、今金を払う!」


女の子が、男の子を急かしている声が後ろから聞こえた。
そして小走りで2人が追いついてきて、3人はバス停へ向かった。

→ ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1439312622/93へ

252牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2015/11/07(土) 23:14:37

 秋というにはまだ寒く、冬というにはまだ温い夜。
 いつもの法被とステテコ姿で、震えながら駅前を行く。

 夏の風物詩が花火であるなら、この時期の風物詩は―――


    「どーもーーっ、空いてる?」


 おでんの屋台だ。

 駅前や飲み屋街によくある一軒の暖簾を潜り、適当に席を選ぶ。


 この手の店は、広くないと相場で決まっている。
 誰かの隣に座ることになるかもしれない。

253高井戸リルカ『アングラガルド』:2015/11/08(日) 00:03:14
>>252
「ねー、おみそ!」
と、隣からこの屋台には似つかわしくないほど幼い声が聞こえてくる。
どうやら先に座っていたらしいぞ。

「もっとおみそー!
 おみそかけてなのー!」
そこには、小学生くらいしかなさそうな少女が、
おでんの串を持って店の人に何やらせがんでいた。
暖かそうなコートを羽織っているものの、少女一人だ

ちなみにその持っているおでんはちくわと卵…
そこに塗りたくられたかのように味噌が塗られている。

「んー…
 もっとほしいのにーなの…」
どうやらその上にあったこんにゃくはもう食べ終えてしまったようだ。
味噌おでんを食べているらしいことはわかるが…

254牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2015/11/08(日) 00:25:54
>>253

「大根とちくわとじゃがいも。
 ……あと日本酒、ぬる燗ね」

 ひとまず注文を済ませ、隣の少女に向く。

 子供が一人で来るような店じゃあない。
 それは入るべきではないという意味ではなく。

「お嬢ちゃん、一人かい? お父さんとかお母さんは?」

 こんな寒い日に、子供をほったらかしにしとくのがあり得ない。
 加えて、この界隈ならもっと、子供が好みそうな店がたくさんある。
 そういう意味だ。

255高井戸リルカ『アングラガルド』:2015/11/08(日) 00:29:59
>>254
「んー…
 おみそおかわりーなのー」
そう言って卵を口の中に放り込んでまた何か要求している。

「…んー?」
自分に対して声をかけられた。
リルカはそう感じたのか、視線を牡丹の方へと向けた。

「おうち、すぐちかくだったからーなのー。」
そう言って白亜荘の方向を指差して微笑んだ。
額にゴーグルを載せている。

「おとーさんとおかーさん?
 えーっと…たしかとーいとーいところ…
 あ、そうだなの。」
そう言って両手をパンと叩いた。

「いまは『じごく』なのー!」
爽やかに答える。
「あ、あたらしーのなのー!」
そう言って次の味噌おでんが現れたのを見てまた微笑んだ。

256牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2015/11/08(日) 00:40:58
>>255

>「いまは『じごく』なのー!」

「そ、そうかい……そりゃ、なんとも……」

 反応に窮する答えが返ってきた。
 『じごく』というのもそうだが、それを嬉々として答えているのもそうだ。
 運ばれてきた燗を猪口に注ぎ、一口飲んで間を置く。

 詳細を確かめる気にはならなかったが、想像はつく。
 ロクでもない親だろう、ということだ。もちろん、それを子供の前で口にしたりはしない。


「……親父さん、この子の勘定、アタシと一緒にしといてね」

 そうカウンター越しに告げ、改めて向き直る。

「今日は好きなだけ食べな」
「アタシ、牡丹っていうの。お嬢ちゃん、名前は?」

257高井戸リルカ『アングラガルド』:2015/11/08(日) 00:45:40
>>256
「でも、すぐにあえないし、
 もどってこれないところっていわれたから…
 ひとりでさみしくないようにしないとなのー。」
少しさみしそうにつぶやきながらまたおでんを食べる。

「おみそー、なのー」
すぐに味噌を要求し始めている。

「んー?すきなだけなのー?
 ありがと!おなかすいてたからなのー!」
嬉しそうにリルカは微笑んで見せる。
そして、なんだかどんどんと注文し始めている。

「…あ、わたしのなまえはー…
 たかいど リルカ っていうなまえなのー。
 しょーがくせい、なのー。」
そう言って軽く頭を下げた。
家に住み始めたおかげか、小綺麗な感じである。

258牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2015/11/08(日) 00:58:49
>>257

 少女に気付かれないように、静かに奥歯を強く噛む。
 どれだけロクデナシでも、この子には唯一無二の親ということだろう。

「……」

 そして、やはり気付かれないように財布の中身を確かめる。
 屋台のおでんは基本的に安い。その分、酒で利益を取るからだ。
 大丈夫だろう。……たぶん。


「小学生ねー…… おでんが好きなの?
 言っちゃあなんだけど、子供が来て楽しい店じゃあないんじゃない?」

 それに、ただ食べるだけならコンビニの方がもっと安い。
 尋ねつつ、箸でじゃがいもを崩す。

259高井戸リルカ『アングラガルド』:2015/11/08(日) 01:10:35
>>258
「んー、いっぱいたべられてしあわせーなのー。」
幸せそうな表情でむしゃむしゃ味噌おでんを食べ続ける…
いかにも何の悩みもなさそうな感じだ。
何も知らないのだろうか。

「んー?おでんは…
 おみそがいっぱいもらえてすきかなーなの。」
そう言って味噌おでんをまた口の中に運んでいく。
「ここねー、おみそいっぱいあるんだよなのー」
そう言ってまたいろいろ食べ終えると…

「おみそーおかわりー」
そう言ってまた店の人に声をかけた。
「それに、えーっと…はくあ…そういうなまえのおうちに
 ちかーいところにあったから、いってみよっかなーっておもってなのー」
そう言って軽く微笑んで見せる。

260牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2015/11/08(日) 01:21:45
>>259

「味噌ねぇー。味噌も美味いねぇ。
 身体にも良い。……まあ、食べ過ぎると塩分がアレだけど」

 ツボからからしを取り、皿に落とす。
 味噌もウマイが、酒のアテにはこっちの方が良い。

「はくあ? ……ああ、『白亜荘』!
 ってーと、小学生ってことは『秋映学園』かい?」

 寮の管理人は事情を知っているのだろうか。
 ふと気になったが、そこまで首を突っ込むのも野暮だ。
 続く言葉を飲み込んで、今度はちくわにかぶりつく。


「……っと、風が冷たくなってきたね。
 お嬢ちゃん、寒くない? 大丈夫かい?」

261高井戸リルカ『アングラガルド』:2015/11/08(日) 01:25:59
>>260
「うーん、おみそだいすきだからなのー。
 いっぱいあってしあわせなの」
軽く微笑みながらまたもぐもぐとおでんを食べた。

「んー、あ、そうなのー。
 そこにいるのー。
 おうちからちかいがっこなのー。」
どうやらその通りらしい。
一応彼女は管理人と話を通してある。
スタンド使いであるが故だろうか。

「んー、ちょっとまえはあつかったのに
 こんどはさむいのー。
 …でもこれはおいしいのー。」
コートを羽織っているが、やはり少し寒いのかもしれない。
おでんを食べているおかげでまだ暖かいようだが。

「おいしいのがいっぱいあるから、
 ちょっとあったかいかなーなの。」
もうすでにおでんの串は6本くらいは皿の上に転がっている。
結構食べるのだろうか

262牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』:2015/11/08(日) 23:13:54
>>261

「これ掛けときな」

 自分の羽織っていた法被を、少女の膝元に載せる。
 毛布の代わりだ。薄手だが、無いよりはマシだろう。


(なんだか、酔っ払うような気分じゃあないね。)

 最後の大根を口に運び、熱燗を飲み干す。
 カウンターに四、五枚札を置き、

「明日また来るよ。釣りはそん時にちょうだい」

「お嬢ちゃん、アタシ帰るから。食べ終わったら、
 その法被、ここのおじさんに渡しといてもらってもいいかい?」


 そう言って、席を立つ。
 別れ際に、少女の頭を軽く撫で、暖簾の外へ。


「うー、さむさむ……」

263高井戸リルカ『アングラガルド』:2015/11/08(日) 23:17:23
>>262
「ん、ありがとうなの。
 ちょっとあったかくなってきたのー。」
嬉しそうに牡丹に顔を向けた。

「あー、もうかえるなのー?
 じゃあ、これはおじさんにわたしとくからねなのー」
そう言って大きくうなずいてから牡丹に大きく手を振る。

「おねーちゃんまたあおうねなのー!」
そう言って彼女を送ったあと…

「あ、おかわりー!」
またしてもリルカは味噌おでんのおかわりを注文したのであった。

264宝塚『ヴェルサイユ』:2015/11/11(水) 23:01:34
『プオォ――z__ン』
「……随分遠くまで来たもんだ」

列車が走り去る。
『真紅のスーツ』が、改札を抜けて、駅から出てくる。
腕には、鮮やかな赤の『トランク』。
胸には、金に輝く『バラの造花』。

265稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/11(水) 23:08:55
>>264

「……うおっ。」

(なんだあれ……派手なカッコしてんな……)

        ジロ

『宝塚』に反応する少女が一人。
べつに知り合いでも、ない。

(なんかのコスか……?
 えひ、それか『スーパースター』か……?)

桜色の目。黒いロングヘア。
人形の様な顔立ちの、小柄な少女――『稗田 恋姫』。

この町のご当地アイドルだが……まあ、あまり有名でもない。
 
       チリン

            チリーーン

そして。

「……っと。」

走って来た自転車を避けようとして――

       コロッ


「あっ……」

手に持っていた袋から、『ガチャガチャのカプセル』が落ちた。

          コロコロ
 
             コロリ

ちょうど、『宝塚』の前に。

           「あー……」

          (変なフラグ、立たなきゃいいけど……)

拾うために、歩み寄っていく。

266鷲ノ巣『ゴールディー』:2015/11/11(水) 23:12:23
「…………くぁ。……」

「うぅ。……」

あくびが漏れたのを、拳の甲を当てて、塞いだ。

   「町並み、は……変わら、ない。……か」

黒髪黒瞳の少女が歩いている。
眼が大きく、視線の動きは定まらず、落ち着きに欠ける。
退院してしばらくぶりに、町を散策に歩いてきているのだ。

>>264(宝塚)
気づいてはいない。
こちらが気づけば、『知り合い』だったのを思い出すだろう。

267宝塚『ヴェルサイユ』:2015/11/11(水) 23:18:52
>>265
「……ん?」

足元に転がってくる『ガチャガチャのカプセル』を無造作に拾い上げ――
ようとして、寄って来た少女と目を合わせる。

「おいおい、気ィ付けなよ?
――しかし、これ」

気安く声をかけたあと、
足元の『カプセル』を見つめ。

「どっかで見たこと、あるような気がすんなあ……
なんだっけ、『モット君』とか何とかいう――」

遠い記憶を探るように、そう呟いた。

268宝塚『ヴェルサイユ』:2015/11/11(水) 23:22:22
>>266
足元に視線を落としているので、まだ気付いていない。
もし気付けばすぐに思い出す――いや、そもそも、
何年会わずとも、忘れるはずがない。

269稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/11(水) 23:27:52
>>267(宝塚)

「えひ、すいませぇん……」

      ス

陰気な笑み。

しゃがみ、拾う。
カプセルの中身は『空っぽ』だ。

        ・・・・そして。

「……モット君、知ってんのか……えひ。
 そのカプセルだよ……お前もあれに課金したクチか……?」

       「もしそうなら……
        人は見かけによらないな……」

思わぬ共通の知人。
笑みをこぼしつつ、カプセルは袋に納めた。

       (……てことは、こいつも『そう』か。
        バーゲンセール……えひ、いまさらか。)

>>266(鷲ノ巣)

もちろん知らない顔だ。
目線の端に入ってはいるが――

(めっちゃ挙動不審だなあいつ……『キョロ充』か?)

       (僕も……人のことは言えんが。えひ。)

あまり気には留めていない。
鷲ノ巣が一方的に恋姫を知っている可能性は、ないではないが。

270鷲ノ巣『ゴールディー』:2015/11/11(水) 23:36:44
>>269(稗田)

     キロ リ

眼が動く――知った顔、よく知らない顔、記憶を探る。
覚えている……ような? イマイチはっきりとしない。
(当然でもある。タレントがそこらを歩いてるという発想がないからだ。)

(…………級友。……は、ない、ね。……)

穏当な選択肢。『無視』。
視線を外して、歩みを進めようとしたところで、

>>267-268(宝塚)

    「………………え」

  「え、ええ――ッ!?」

声が出た。自分に似合わない大声だ。
咄嗟に来ている服を隠すように両手が胸とスカートのあたりを彷徨う。
ゴシック調のボレロにスカート。退院したばかりと『キメすぎた』。
奇異の眼で見られるのはまだいい。知り合いに見られるのは――

    チリリ

かけている『土星のネックレス』が首元で揺れる。

271宝塚『ヴェルサイユ』:2015/11/11(水) 23:44:31
>>269
「ああ……昔『15万』ほど突っ込んだ。
フィギュアも手に入れたんだが――どこやったかな、あれ」

忘れちまった、と豪快に笑い、
ふと、寂しげな顔を浮かべた。

「そう――そん時は『知り合い』に案内してもらったんだった。
懐かしいな……今、どこで何やってんだろう」

寂寥感をはらんだ風が、駅前を吹き抜ける。
>>270
>  「え、ええ――ッ!?」

「ん――!?」

突然の『叫び声』に、『まさか』って顔であたりを見回す。
今の声は、『まさか』。

「れ」
「――――廉?」

突然現れた『知り合い』に、少し間の抜けた声で呼びかける。

272稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/11(水) 23:58:45
>>270(鷲ノ巣) >>271(宝塚)

「15万か……スマホゲーなら十分廃人だよな、常識的に考えて。」

自分はそれよりも多い。
なんだか金銭感覚がマヒしそうだ。

          ビュ  ォォ

風。そこに込められた意味は、恋姫には推し量れないが――

「あー……その知りあいってのは、僕は知らんけど……」

     「モット君なら……僕、たまに遊ぶよ。
      マフィーもだけど……ゲーム通信プレイで。」

ゲーム仲間だ。ともだちコードも知っている。
ときたま『狩猟ゲーム』で通信協力するのだ。

           ・・・・それを教えたのは、なんとなくだ。

「どこ住みかとかは知らんけど、この辺で――」

と、そこに鷲ノ巣の大声。

(えひっ、声でけえ……)

      「えひ……知りあいか……」

                (気まず〜〜……)

知りあい二人、初対面の恋姫。
ここで気さくに話せるほどのコミュ力はない。

そういうわけで。

「あー……僕はお邪魔キャラかなこれ。
 えひ、まあ、後はお若い二人でごゆっくりぃ……」

            ・・・・その場を去ろうとする。

止められれば止まる。
が、まあ、知り合い同士積もる話もあるだろう……
 
(世間ROMって14年は経つんだし……そこんとこは空気読むわ……)

273鷲ノ巣『ゴールディー』:2015/11/12(木) 00:16:55
>>271(宝塚)
久しぶりに会った。宝塚は変わっていない。自分は――自分は?
少なくともあの頃着ていたのは、制服が多かった覚えがある。

(それよりも、挨拶……挨拶……って、なんだっけ)

    グルン  グルン

思考が脳内を駆け巡り、動悸が止まらない。
久しぶりに会うのだからなんと声をかければいいのか。

「…………ぅ……ぁ。……」

                 《ガギ ギ》

声が出ない。いっそ逃げ出してしまいたい。
『自己防衛本能』が生じ……それに『応じる』。

       ズズ  ズ・・・・・

   ギヂ  ギヂヂン

『瑠璃色の像』、『巨眼の怪物』が姿を現し、本体に覆いかぶさる。
大顎を擦り合わせ、噛みしめて、異様な音を立てている。

>>272(稗田)
既に意識から外れている。
スタンドの像は目撃された……、かもしれない。

274宝塚『ヴェルサイユ』:2015/11/12(木) 00:29:15
>>272
「そうか、モット君もマフィーも元気でやってんのか。
いや、最近見てなかったから何かホッとしたぜ……ありがとな」

礼を言うと、立ち去る稗田を見送る。

「あー、ま、そうだな……いや、気を使わせちまったか。
またなーッ」

>>273
「あー、『久しぶり』だな」

稗田を見送った後、鷲ノ巣と正対する。
その落ち着かない様子も、今は懐かしい。
……少しばかり動揺が激しすぎる気もするが。

「こら、廉。アタシ相手に遠慮はいらねえだろ。
『今まで通り』――それで、良いんじゃねえか?
とりあえず、『久しぶり』。だろ?」

鷲ノ巣の発現した懐かしい『それ』に、
何ら躊躇わずに歩み寄る。
影を踏まないように、そっと。
(こんな流れでブン殴られたことも――あったっけか)

275稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/12(木) 00:35:35
>>273 >>274(鷲ノ巣、宝塚)

「えひ……気にスンなし。
 マフィーに会ったらよろしく……」

           「んじゃ……」

     トコ
        トコ

その場を歩き去った。
その目には――

       ズズ  ズ・・・・・

   ギヂ  ギヂヂン

       (……やっぱスタンド使いか。
        ここで帰ったのは……えひ。
        フラグ的に、ミスじゃなさそうだな……)

「……こわちか〜。」

鷲ノ巣のスタンドを捉えていた。
危険そうなヴィジョン。

どうやら、今日の自分は空気を読めていたらしい。

276鷲ノ巣『ゴールディー』:2015/11/12(木) 00:46:19
>>274(宝塚)

      《ギギ ガギィー》

唸り声を上げているが、飛びかかりはしない。
本体はあわあわと口を開いて閉じたりしている。

>「こら、廉。アタシ相手に遠慮はいらねえだろ。
>『今まで通り』――それで、良いんじゃねえか?
>とりあえず、『久しぶり』。だろ?」

「…………………………」

         「……は、はひ。……」

     バッ

気が抜けたような返答しか出来ず、口を抑えて顔を背けた。
みっともない、みっともないが……こんなものかもしれない。

「うれ、しいです。……その、ひさ、しぶり、に、会え、て。……」

「え、えと。……旅行、です、か? 移住、とか?
 もし、そうなら……住むところとか決まって……?」

何を聞いたらいいか判らないので、思いつく質問を聞いた。

277宝塚『ヴェルサイユ』:2015/11/12(木) 00:54:53
>>276
「――ああ、アタシも嬉しいぜ、廉」

ニカッ、と笑う。そうだ、これでいい。

「んー、まあ『引越し』だな。ちょっと『心機一転』したくなってよ。
いらないもん全部処分したら、これしか残んなかった」

手持ちの『トランク』をさして笑う。

「住むとこも決めてねえな。これから探すつもりだけどよ……
廉、いいとこ知らないか?」

278鷲ノ巣『ゴールディー』:2015/11/12(木) 01:08:33
>>277(宝塚)
「…………そ、そうなん、です、……か」

『嬉しい!』 改めてそう思った。
言葉には出さない。表情にも……いや、表情には出るかも。
両手で頬を押さえ、火照っているのを改めて実感した。

「…………いいとこ、いいところ。
 えっと、ええと……アキラさん、いくつ、でした、け」

「あ、あ……でも、大丈夫、か……な?」

スマホを取り出し、マップ検索を開始する。

279宝塚『ヴェルサイユ』:2015/11/12(木) 01:13:05
>>278
「おうよ。廉もこっちにいるなんてなあ……
また会えて良かったよ。本当に」

幾分声のトーンを抑えて、実感の篭った声で言う。
一切偽りの無い本心だった。

「お、どっか紹介してくれるのか?」
「アタシ?『24』だけど」

なにやら検索を始めた鷲ノ巣を、
期待をこめて見守る。

280鷲ノ巣『ゴールディー』:2015/11/12(木) 01:19:56
>>279(宝塚)

「が、学生でなくても……えと、もしかしたら。……」

       ス

スマホの画面を宝塚に向ける。
表示されているのは――『メインストリート』の一角。
『白亜荘』、という場所のようだ。『学生寮』とあるが……

「ここ、オーナーが篤志家? で……ええと、えと。……
 面接みたいなのでOKが出る、と入れる、かも、です」

「あ、一緒に行きますから、大丈夫です。説明しますから。……」

わたわたと手を振って必死な表情で伝える。

281宝塚『ヴェルサイユ』:2015/11/12(木) 01:25:59
>>280
「が、『学生寮』……か」

思わず、自分の服装をまじまじと眺めた。
どっからどう見ても、間違いなく学生には見えなかろう。

「ま、まあ、廉がそう言うなら――(ダメ元で)行ってみる、か」
「入居者の口利きがあれば、多少通りやすくなるかもしれねえし」

自分に言い聞かせるように呟くと、鷲ノ巣の方を向いた。
わたわたする鷲ノ巣を落ち着かせるように、ポン、と頭に手を置く。

「っし、行こうぜ、廉。その『白亜荘』に」

282鷲ノ巣『ゴールディー』:2015/11/12(木) 01:34:17
>>281(宝塚)

「にゅ、入居者じゃないけど伝手ありますッ!
 お知り合いというかなんというかがええと……ッ」

――――どこまで説明したモノか。
あそこの特殊性などは、聞かれると引かれるかもしれない。

「い、いきましょう。大丈夫です、多分」

       カツン  カツン  カツン

大股でぎこちない歩調で歩き出す。
どうなる、どうなる……不安はある。動悸は止まらない。


        「……あ、は、は」

『楽しい』。これこそが出てきた甲斐があったというか。

「ま、また仲良くしてください、ねッ」

背を向けたまま、後ろに続くであろう宝塚に頼む。
正面から出は恥ずかしくて言えないからだ……

283宝塚『ヴェルサイユ』:2015/11/12(木) 01:42:16
>>282
「ふゥん……ま、信じるぜ。
さあ、出発だ」

迷い無く、鷲ノ巣についていく。
『信じる』ことは、ちっとも難しくない。

「あったり前だろ?
これから、『また』よろしくな、廉ッ」

背中越しに、鷲ノ巣に言葉を投げかける。
顔を見られずにすんでよかった、と、少し思った。
きっと、照れ臭そうな顔をしているだろうから。

284鷲ノ巣『ゴールディー』:2015/11/12(木) 01:46:56
>>283(宝塚)

「………………ッ!!」

嬉しさに肩を震わせながら――歩みを進める。
向かうべきは『白亜荘』。しかし大丈夫だろうか。

「(入れられるかもしれなかったんだよ、ね。……)」

「(『スタンド使いばかりの寮』)」

続きは以下のスレにて――
【個】学生寮『白亜荘』 その3
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1408367127/

285立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/11/12(木) 23:14:52

駅前のベンチに小学生くらいの女の子が座っていた。
頬杖をついて、ぼうっと植え込みを眺めている。


「募金詐欺……いやいや、無いな」

286森ノ宮『スカイダンサー』:2015/11/12(木) 23:58:11
>>285
 佇む立花。
目の前の植え込みを眺めている。すると――

「しまった、高度調整ミスッ――」
『ボスッ!』

 ……植え込みに『誰か』突っ込んだぞ。
『顔面』から行ったらしく、ジタバタともがいている。
 しかも『奇妙』なことに、
そいつは『空』から降って来たように見えた。

287立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/11/13(金) 00:02:52
>>286
「……?」


空から降ってきた人間に、
少女は数秒ほど、ぽかんと口を開けて眼をぱちくりさせた。


「……あの、大丈夫ですか?」


とりあえず近寄り、定番の声をかけてみる。
だが頭が埋まっていて聞き取れるのだろうか。
それ以前に呼吸ができるのか。

288森ノ宮『スカイダンサー』:2015/11/13(金) 00:13:28
>>287
「・・・!」
         「・・・・・・!!」

 何か叫んでいるようだが、全く聞き取れない。
どうやら、声は届いているようだ。
 立花の危惧は正しいようで、バタバタする
手足の動きが徐々に弱まっていく。どうも苦しそうだ。

 助けてみますか? Y/N

289立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/11/13(金) 00:21:38
>>288
「大丈夫……ではなさそうですね」


さすがに見殺しにするつもりは無い。
しかしどうやって抜くべきか。
少女は力に自信はなかったし、『超能力』もこの状況で使えるようなものではない。


「と、言ってられる状況でもないか。
 精々踏ん張るしかないな……」


助けてみますか? →Y/N

腰を掴み、ぐいぐい引っ張ってみることにした。

290森ノ宮『スカイダンサー』:2015/11/13(金) 00:31:59
>>289
『グイグイ』
 頑張って腰の辺りを引っ張ってみるが、案外しっかり
植え込みにハマっているのか、中々首が抜けてくれない。

「・・・ぬ!」 「・・・ぬって!」

 何やら、そいつが叫んでいるようだが……
腕で、首の周りの植え込みを指差している。
そちらを先に『どけてくれ』ということだろうか?

291立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/11/13(金) 00:39:29
>>290
「縫って……塗る……?」


言葉の意味はよくわからないが、
ジェスチャーはなんとなく伝わったようだ。


「痛たた」


袖で手を隠しても刺さる枝葉を、
痛がりながらもぐいぐいと掻き分けてみる。

292森ノ宮『スカイダンサー』:2015/11/13(金) 00:44:41
>>291
チクチクする枝を掻き分けると、だいぶ息が楽になったのか、
ジタバタする動きがおさまった。

「ご、ごめん、だいぶ・・・楽になった・・・よ」

 途切れ途切れに、植え込みから声が聞こえてくる。
そのまま、そいつは植え込みに足をかけた。

「呼吸さえできれば・・・っとォ!」
                    『ス ポ』
「あ、うわ、ッ」

 そのまま踏ん張り、首を引っこ抜き――
勢い余って、後ろに倒れこむ。

293立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/11/13(金) 00:53:26
>>292
「にゃあ!?」


少女は森ノ宮のすぐ前に立っていた。
そして森ノ宮が勢い良く頭を引き抜いた動きに、
なんかこう、足が当たったりして巻き込まれて、
具体的にどういった動きが加わったのかはわからないが――

森ノ宮(成人男性)の顔面は、立花(小学生女児)の尻の下敷きになったのだ!!!!!11!

これぞ古来より伝わるラッキー・スケベ・メゾットである。

294森ノ宮『スカイダンサー』:2015/11/13(金) 00:59:59
>>293
『どこのtoloveるだよ!』と突っ込まれそうな状況になった。

「痛ててて・・・って、うわ、ごめん、大丈夫!?」

 『お約束』みたいな反応をしつつ、
身を起こそうとしたが、立花が乗っかっているのに気付いた。

「ごめん、俺がちゃんと確認すれば・・・ええと、立てる?」

 尻の下からなのでカッコはつかないが、
とりあえず気遣った。
 ムリに立ち上がろうとすると状況が悪化しそうだしね!

295立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/11/13(金) 01:08:16
>>294
「えっ? ああっ……すいません、乗ってしまって」


少女の慌てた声と共に森ノ宮の視界が開く。
森ノ宮は、自分の顔の上に乗っていたものが、色は白でクマのプリントであることを確認してもよい。
土に顔を突っ込んでいた森ノ宮に乗ったためか、
彼女の尻も土で少し汚れていることを見抜き、手で土を落としてやるのもいいだろう……


「……ええと、それで、大丈夫ですか?」


少女は再度訪ねてくる。

296森ノ宮『スカイダンサー』:2015/11/13(金) 01:14:27
>>295
地の文でセクハラ方面に誘導されている・・・!?

「あ・・・っ、ああ、大丈夫さ。
息が出来ないんで、少しパニクっちまって。ありがとね」

 チラッと『クマ』を見てしまったからか、
少し『罪悪感』的なものを滲ませつつお礼を述べた。

「こんな小さい子に助けてもらってたとは思わなかったけど・・・
いや、なんか情けないな」
「お礼に何かあげるものも、ちょっと手元に無いし・・・ううん」

 何やら思い悩んでいるようだ。

297立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/11/13(金) 01:19:54
>>296
「いえ、別にお礼は構いません。
 顔、汚れてますよ」


少女は恩に着せるつもりはないようだし、
さらに言えば特に怒っても気にしてもいないようだ。
森ノ宮の顔についた土を優しく取る。


「……ところでなんで空から降ってきたんですか?
 飛び降り自殺では無いと思いますけど」

298森ノ宮『スカイダンサー』:2015/11/13(金) 01:30:01
>>297
「ありがとう・・・」

 優しい子だ。ちょっと和んだ。

「あっ、その・・・『スタンド』、じゃない、『スタント』の練習中でね。
ちょっと『飛びすぎて』、着地に失敗したんだけどさ」

 どう説明したもんか、と悩んでからこう言った。

「人が空を飛べる・・・って言っても信じてくれないかな・・・?」

299立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/11/13(金) 01:41:40
>>298
「スタン……ト。スタントマンの方なんですか。
 空を飛ぶというと、最近ネットで見ましたね。
 ジャングルの王者……というか、ムササビみたいな感じのスーツを着て
 高いところから飛び降りるっていう」


動画を見たい方はウイングスーツで検索だ!


「でも相当危なそうですね。
 あなたは普通の服だから、私がネットで見た空を飛ぶ方法ではないとは思いますが、
 やっぱり落っこちることもあるみたいですし。
 まあ、スタントマンなら危ないのが仕事みたいなものでしょうけど」

300森ノ宮『スカイダンサー』:2015/11/13(金) 01:49:38
>>299
「あれは良いものだ・・・でも高いんだよね、最低でも『10万』はするんだ」

 安月給じゃ買えないよ、と肩を落とした。

「普段は落ちないんだけどね・・・この街で飛ぶのは初めてだから、
ちょっと『風』を捕まえ損ねちゃった」

 そう言って、男は空を見上げた。冬の透き通った青が広がっている。

「・・・っと、なんだか随分話した気がするね。そろそろ行かないと・・・
そうだ、お礼ってほどじゃないけど」

 駅前の『自動販売機』に歩いていく。

「この季節は冷えるでしょ、何か一本奢るよ」

301立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/11/13(金) 01:57:59
>>300

(若手のスタントマン……確かに貧乏そうなイメージはあるな。
 金はなくても夢はありそうだが。じゃなきゃあ好き好んで危険な仕事は選ばないだろう……)

「なんだかよくわからないけどカッコよさげなことを言いますね」


少女は手を後ろに組みながら、森ノ宮についてくる。
自販機を見上げた。


(断るのも悪いしな……暖かくて適当なもの……)

「ありがとうございます。
 ええと、ではお茶で」

302森ノ宮『スカイダンサー』:2015/11/13(金) 02:05:12
>>301
「ははは、男は『カッコつけ』てナンボさ――
まあ、さっきは最高にカッコ悪かったけどね」

 自販機の前でICカードを取り出す。

「お茶だね、了解」

 お茶とミルクコーヒーを買うと、立花にお茶を手渡す。
そうして、男は、駅前に立つ。

「それじゃ、俺はこれで・・・
『テイクオフ』、『スカイダンサー』!」

 タタッ、と駆け出すと――男の足元に、『滑走路』が現れた。
傍らには、空色の『スタンド』。
 男の体に、『グライダー』のような翼が現れ……たちまち風を捕まえる。
その姿はみるみる小さくなり、冬の空にとけるように消えていった。

303森ノ宮『スカイダンサー』:2015/11/13(金) 02:05:58
>>302

304立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/11/13(金) 02:13:36
>>302-303
「ありがとうございます」


再度お礼を言って、
両手でお茶を受け取り、喉を潤す少女。


「ブフッ!
 ケホッ……エホッ……!」


だが次に森ノ宮が取った行動に、お茶を噴出した。
苦しそうにむせる。


「……コホッ
 やっぱりかよ……というか一旦ごまかしたのに普通に発現するのか」


少女のつっこみは誰に聞かれることもなく、冬の寒空に吸い込まれていった。

305穂村公康『フー・シュニッケンズ』:2015/11/18(水) 23:23:59
ビュオォ――ッ

                  『老師ッ!
                   ヤリマシタ!
                   厳シキ修行ノ末ッ
                   トウトウ『奥義』ヲ体得シマシタ!』

  『名ヅケテ”絶招””槍如遊龍”ッ!
   ミテクダサイ!老師ッ!穂村老師!』    ブンッ  ブンッ


 「へー、あっそ。凄いね。
  これ月給22万円ッて書いてっけど、総支給か?
  手取りだといくらくらいなんよ。
  保育園中退に金の計算なんてできねーぞ」
                    『ア、アノ老師?』

後ろで『槍』を振り回すスタンドを無視し、
咥え煙草でベンチに寝ころびながら求人広告雑誌を眺めている。

306稲葉 承路『エンジェルシティ・アウトキャスツ』:2015/11/18(水) 23:50:30
>>305
「・・・・・・『カネ』っつったか、今よォ〜」

何かの『におい』をかぎつけてやって来たぜ。
『アレッシーヘア』に厳つい『グラサン』の『ブ男』がな!

307穂村公康『フー・シュニッケンズ』:2015/11/19(木) 00:06:20
>>306

「あん?」

           ヒョイッ

『老師ッ!
 ポイ捨テハダメデス!』

求人雑誌を投げ捨て、声の主に向き直る。
ちなみに此方の容貌はトラ模様のYシャツに黒スーツ。

           「よぉ。
            今の仕事飽きたから、
            暇潰しに仕事探してんだけどよ」

           「なんかパッとしねーのな。
            大体、大卒のみ、要エクセル技術てなんよ。
            俺、ランドセルすら背負った事ねーし、
            声変りしてから足し算覚えたんだぜ」

「無理無理。
 やめたやめた。
 んで、オタクは何?
 半グレみてーな見た目してっけど」

308稲葉 承路『エンジェルシティ・アウトキャスツ』:2015/11/19(木) 00:15:00
>>307
向かい合う『どう見てもヤクザ』と『どう見てもチンピラ』――
『駅前』に『あってはならない』風景が展開されている。

「はァ―――?
いやいや、アンタ『小学校』すら行ってねーのかひょっとして」
「そんなもん『肉体労働』くらいしかねーだろ、仕事・・・
ま!おれも『高校中退』だがね」

呆れた。

「俺ァ通りすがりの稲葉こと『オカネスキー』よ。
だがまァ、ちょっとカネのニオイは薄まった気がするぜェ〜」

309穂村公康『フー・シュニッケンズ』:2015/11/19(木) 00:27:36
>>308

「俺?ああ、保育園中退。
 なんかガキの頃捨てられたとかよ。
 高校中退とかすげー高学歴じゃん」

            ギュッ

煙草を踏み消し背後に投げ、
背後で構える偉丈夫のスタンドが慌ててキャッチ。

                バシィッ

『ダカラ老師ッ!        「おめーが拾うの見越して
 ポイ捨テハオヤメクダサイ!』  投げてるに決まってんだろ。察せよ」


「俺、穂村君ね。
 黄金町のマスコットの穂村公康君。
 仕事はアレよ。ヤのつく自由業で三次団体の組長代理とかそんなん」

「オタクは随分『銭ゲバ』な感じだけど、
 仕事何してんの?サッカー選手には見えねーけど」

310稲葉 承路『エンジェルシティ・アウトキャスツ』:2015/11/19(木) 00:37:50
>>309
「・・・サラッと言われたがなかなか『ヘビー』な経歴よのォ〜」

苦労してんのな、というような表情を浮かべた。
グラサンのせいであんまり伝わらないかもしれん。

「フンフン、穂村か――って『ヤ』の字なのかよ!?
見た目通りじゃねーか、おい!」

見た目通りすぎる職業紹介に、「伏せろよ!」って感じで突っ込んだ。

「えぇー・・・今の仕事辞めたい、って、
そりゃ『足抜け』したいってこったろ?
そう簡単に行くモンなのか?」

まあその『ソレ』があれば大丈夫なのかもしれんがね、
という視線をチラッと『シュニッケンズ』に送った。

「あ?俺か?
いやそれが最近こっち越してきたばっかでよォー。
今は『職探し中』よ。ま、貯金はまだあるから当面問題ねーが」

311穂村公康『フー・シュニッケンズ』:2015/11/19(木) 01:10:27
>>310
「いやよ。
 この間ネカフェで『サラリーマン金太郎』読んでよ。
 ふと「サラリーマンやってみてェ」ッて思ったんだわ。
 上司に「屋上へ行こうぜ…久々にキレちまったよ」って」

                    グッ

               「言いてェ〜、と思ってよ。
                ヤバくね?すげー痺れたわ」

「その程度の理由で職探ししてたんだけど、
 やっぱタルイからやめたわ。ヤクザの方が楽だわ」

無表情のまま冗談めいた事を話す穂村。
『シュニッケンズ』は目を合わせて来た稲葉に会釈した。

              「おー、おー。
               アテもなくこっち来た訳な。
               てか、おめーちゃんと挨拶しろよな」

『ハイッ!申シ訳アリマセン!
 我ハ”フー・シュニッケンズ”!
 穂村老師トトモに”武”ヲ極メントスル”スタンド”デス!』

シュビィッ!   
片膝をつき、稲葉に自己紹介をする『シュニッケンズ』。

「はい、よくできました。
 希望の職種とかあるわけ?」

312稲葉 承路『エンジェルシティ・アウトキャスツ』:2015/11/19(木) 01:27:19
>>311
「あー・・・それはマジな話なのか?」

冗談だよな?って顔で穂村を見た。

「おう、よろしくな。『フー・シュニッケンズ』・・・
慣れねーうちは噛みそうな名前だな」
「つーか当たり前のように出てるし普通に喋るのな」
(『モット君』みたいなモンなんかねェ〜)

なんか自己解決してた。

「希望の職種かァ〜・・・とにかく『カネ』だ!
『ドカッと儲ける』可能性がある仕事を探してる」
「そのためなら多少の『無茶』も覚悟よ。
『ヤ』のつく道には、まだ踏み込むつもりはねーけど」

そう言って、グラサンをグイッと持ち上げる。
両瞼に彫られた『¥』と『$』の『刺青』を剥き出しに、ぎらついた目を向けた。

「多少の『お手伝い』ならやれなくもねーぜ」

313穂村公康『フー・シュニッケンズ』:2015/11/19(木) 01:40:03
>>312
「いつだって大マジだっての。
 なァ『バカ』?」       『シュニッケンズデス!』

「そーそー、それそれ。
 おーッてお前、そのスミマジ?
 拝金主義者だから『\』マークって。
 ビックリマンシールを家の柱に張るガキのノリじゃねーか。
 後でお母さんがカンカンに怒んぞ」

稲葉の瞼の刺青に多少驚いた様子を見せる。

「お手伝いねぇ。
 俺ん所、風俗店とかオシボリとか
 そんなんばっかだしハイリスクハイリターンな仕事は…」

               「あ」

「あったわ。
 知り合いの知り合いから回されてきた
 厄介な案件が1つ」

314稲葉 承路『エンジェルシティ・アウトキャスツ』:2015/11/19(木) 02:00:38
>>313
「・・・やっぱどこも『漫才』ぽくなるのかねェ〜」

「大マジだぜェ。
むしろこれ以外に彫る『図柄』が思いつかねー」

瞼をグリグリやりながら笑う。

「・・・だよなー・・・
きょうび『ヤーさん』も安定志向ってやつか」

穂村の言葉に、やっぱりな、って調子でうなずく。
だが続く言葉に、目をギラッと輝かせた。
(金銭欲にまみれた)純粋な輝きだ。

「お?
なんかあんのか! 儲かりそーな仕事か、そいつァ」

315穂村公康『フー・シュニッケンズ』:2015/11/20(金) 00:07:09
>>314


       「あのよ」

「トーキョーに住んでる俺の『兄弟分』。
 その兄さんが頼まれた仕事が俺に回ってきたんだけどよ。
 詳しくは聞いてねーが、あの兄さんの『依頼』なんて、
 『借金取り』とか『占有屋』とかそんなエゲつねーもんばっかだし、
 第一俺ぁこの町から出たくねーし」
                     「なぁ?」

「おめーやってみっか?
 どんなウシジマ君な仕事かはわかんねーけど、
 金払いだけは良いと思うぜ。俺ぁ絶対にやんねーし、
 オタクがやらないっていうならなかった事にすっけど」

316稲葉 承路『エンジェルシティ・アウトキャスツ』:2015/11/20(金) 00:15:45
>>315
「ほォ〜・・・」

『エゲツない』  『カネ払いのいい仕事』
(・・・・・・
十分な『キーワード』じゃねーか、おい)

「おいおい、勝手に話進めんなよ・・・
んなもんお前、『引き受ける』に決まってんだろーが」
「この稲葉 承路さんの『黄金色』の人生にはよォ〜、
『儲け話』に『NO』と言う選択肢は存在しねーからな」

317穂村公康『フー・シュニッケンズ』:2015/11/20(金) 23:45:48
>>316
「へー、やるのな」「オッケー」

液晶にヒビの入った最新スマホを取り出し、
「稲葉』の頭を軽く、ほんとに軽くこつく。

「『樊』の兄さんにはナシつけとくわ。連絡先交換しようぜ。
そん時が来たらこっちから連絡すっからよ」

318稲葉 承路『エンジェルシティ・アウトキャスツ』:2015/11/21(土) 01:51:16
>>317
『コツッ』
「あだッ・・・へッ、まーそういうこった。よろしくなァ」

年季の入った『ガラケー』を取り出す。
(『買い替え』――? 動くんだからまだいらねーだろ。
そう『稲葉』は考えているッ)
そして連絡先を交換する――いや、
『交換する』と思った時には既に交換を終えているッ!
要するに交換『した』。

「おう、頼むわ。『連絡』待ってるぜェ〜」
「じゃ! そうと決まれば長居は無用だぜッ
またな穂村ッ!そしてその厳つい『スタンド』よォ」

そう言うと、待ち受ける『カネの予感』にウキウキ気分で去っていく。

319稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/29(日) 23:17:53

――駅前 ゲームセンター      


           デッ  デデッ デデン!

     パーパパ パー ♪

「…………」

電子音のファンファーレ。
最近では自己ベストの記録。しかし。

(……なんなんだ、この感じ。)

「……えひ。」

        (ダメだ……何しても、アガらない。)

少し無理に笑みを浮かべる。
空しい。筐体から離れる。


(あいつのせいだ……
 あいつが、余計な事、してくれるから……)

・・・・あの日から。

「はぁ〜〜……」

       (馬鹿じゃねえの……くそ、くそ。)

長いため息をつき、ゲーセン内を歩く。

320溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』:2015/11/29(日) 23:42:48
>>319

  チャリンッ♪

「おっと」

紙幣を小銭に両替して、取り出し口から100円硬貨を取り出す時。
ちょっと手が滑っちゃって、一枚の100円硬貨が零れ落ちてコロコロと転がっていく。
まぁたかだか100円、慌てるようなものでもないし、どこまで転がるのか目で追っていくと……

   コツン

おや、誰かの靴にぶつかったようだ。
視界に入るのは小さな靴。多分女の子の靴。
そのまま視線を上に移せば、あれま可愛らしい黒髪のお嬢さんじゃないか。
ちょっと不機嫌そうだけど、ゲームの成果が良くなかったのかな。

「やーごめんねお嬢ちゃん、手が滑っちゃってさぁ」

ともあれ僕はにへらっと覇気のないスマイルを浮かべながら、100円を拾おうとそっちに近づいていくわけだ。

321稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/29(日) 23:53:01
>>320

   コツン


「……」

足に何か当たった。
100円玉――顔を上げる。

(……なにへらへらしてんだ……イラつく……)

          イラ

「……なにじろじろ見てんだよ。事案発生すんぞ……」

視線を感じて、眉を顰める。
人形の様な顔立ちの、眉間にしわ。

「……早く拾えよ。」

不機嫌さを隠せない声。
少し足を引いて、拾わせてやろう。

        ・・・・拾ってやる義理はない。

322溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』:2015/11/30(月) 00:08:31
>>321

「わぁ辛辣ー」
「へいへい拾いますよって」

ただでさえ猫背気味な背をさらに丸め、ひょいとしゃがんで硬貨を拾う。
そのまま小銭入れに投入すれば、無事にミッションコンプリートだ。
それでまぁ、このまま立ち去ってやりたいゲームやってもいいんだけどさ。

「しかしお嬢ちゃん、随分不機嫌だねぇ」
「切れたナイフかよって感じだけど、なんかあったのかい?」
「それとも、大人は無条件で嫌いなお年頃かな。やだなぁ、気づけば僕も立派なオジサンだよ」

すっと立ち上がって、見下ろす形で話しかけてみるわけだ。
相も変わらず覇気のない表情でね。これは素だからしょうがない。
なんでそんなことするのかって、なにせほら、そっちの方が面白そうじゃないか。

323稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/30(月) 00:25:13
>>322

「…………」

      イラ

         イラ

      (くそ、八つ当たりとか……
        DQNもいいとこだろ……常識的に考えて。)

「……別にぃ? 
 何もないってぇの……人をDQNみたいに言うなよ。」

    シッ

         シッ

     「さっさとあっち行けよ……
      あっちで脱衣麻雀でもしてろ……」

手で払うようなジェスチャー。
こういうタイプは着いて来たりしそうだからだ……

           トコ
              トコ

(見下しやがって……保護者気取りかよ……)

           イラ
                イラ

対戦ゲーム台の方へ行こう。
気持ちよく勝てば、気分も晴れる、かも。

324溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』:2015/11/30(月) 00:37:11
>>323

「不機嫌にせよ反抗期にせよ、人類平等に抱える悩みだと思うけどねぇ」
「まっ、そんなに言われちゃオジサンも傷付いちゃったから退散しようかな」

微塵も傷ついてない顔で、僕は踵を返すわけだ。
うん、そりゃ興味はあるけど、こうもにべもなく返されちゃうとね。
というかここでついてっちゃったら最悪不審者扱いでお縄だからね、僕。
元々ガンシューのためにお金崩してたわけだし、そっちに行くのもやぶさかじゃないわけだ。


さて、そんなわけで怪しい男を撒いた恋姫だが、対戦ゲーム台は現在人気が無いようだ。
対戦がしたいなら誰かが入るのを待つか、あるいは先に入って乱入を待つか、だが。

325稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/30(月) 00:58:58
>>324

対戦ゲーム台には人がいない。

         トスッ

恋姫は迷わず腰を下ろす。
しかし、周りにも人はいない。

     イラ
           イラ

(……何でこんなに、イライラするんだ。)

           「……」

        ガタッ

椅子から立ち上がる。
そして、意味もなく店内を歩き回る。

(……もう、帰ろうかな……
 でも、帰っても、お婆ちゃんいないし……)

            グル   グル

「……」

(もうちょっと……遊んで帰ろう……)

        トコ

            トコ

縦シューはもうやりつくした。
今日まだ手をつけていないのは……ガンシュ―ティングだ。

そっちに行こう。

(ゾンビとテロリスト、撃ちまくろう……
 そしたら、イライラもなくなるかも……)

              「……えひ。」

     トコ

         トコ

無理やり陰気な笑みを浮かべ、そっちへ。

326溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』:2015/11/30(月) 01:14:24
>>325

そうしてガンシューの筐体に近づくと……

「あれ、また会ったねぇ」

ガンシューに興じる僕と遭遇する訳だ。
現在テロリストと交戦中。イベントシーン中で微妙に手持ち無沙汰なところだね。

「ああ、ガンシューやるのかい? 悪いね、脱衣麻雀やってなくて」
「始まったばっかだし、なんなら入ってってもいいけど」

「おっとイベント終わった」

ババババと、画面に向けて引き金を引く。
その度に、画面の中のテロリストが胸を抑えて倒れていった。
さて次は右から来るんだったかな。ソロだと対応面倒なんだよね。

327稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/30(月) 01:46:52
>>326

   トコ      トコ

「……うっさい。こっちみんな。」

ガンシューの筐体に歩み寄って。

(何でこんな展開になんだよ……
 あいつが全部の、悪いフラグだったのか……?)

         チャリ
             ン

「……やるよ。
 待つのも、めんどいし……」

(……ここでやらないと、もっと、駄目になりそうだ。)

ポケットから100円玉を出して、入れる。

    ガシ

つまり、2Pでエントリーだ。
銃を握る。画面を見据える。

           ババババババ 

「……脱衣麻雀、気にしてんのか?
  だとしても……スコアは、やんないから……」

       (言いすぎだったか……?
        くそ、何でこんな、上手くいかないんだ……)

             ・・・・右から来る敵を、撃つ。

328溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』:2015/11/30(月) 02:05:04
>>327

「いらっしゃーい」

顔は画面に向けたまま、一瞬だけ視線をそっちに向けて、また画面に戻す。
何があったのかは知らないけど、入って来たからにはゲーム攻略の相方だしね。
細かい事情を聞くとかするより、まずは目の前のテロリストを一掃する方を優先しなきゃ。

「おっ、ナイスカバー。やるねぇ」
「こりゃオジサンも負けてらんないかな、っと」

   ババババババ
       バババババババ

上、左と出てくる敵の出がかりを潰していく。
そこそこやり込んでるから、パターンは覚えてるんだよね。一面だけは。
二面以降も覚えてるけどちょっとうろ覚えだ。まぁ相方の腕次第だけど、なんとかなるでしょ。

「ちなみに脱衣麻雀もたまにやるからそんなに気にしてないよ、僕は」
「最近脱衣麻雀置いてあるゲーセンも減ったんだけどねー。あれはあれで麻雀ゲーとしては癖が強くて面白いんだけど」
「主流はネット対戦の本格麻雀になっちゃったし、割と寂しいんだこれが」

イカサマシステムとか、理不尽難易度とかね。
そもそも二人麻雀って時点で中々。確かアガリ率上げるために配牌偏らせてるんだよね、意図的に。
そんなことを、テロリストの屍の山を築きつつ話すわけだ。ちっちゃい女の子と。あ、これ事案かな? セクハラっぽい?

329稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/30(月) 23:05:01
>>328

「カバーじゃねえよ……
 僕のスコア、稼いでるだけ……勘違い乙。」

     「褒めても何のフラグも立たないぜ……」

           ババババ

        ババババババ!

引き金を引き、銃口の先を動かす。
このゲーセンのゲームは、たいていやった。

           ・・・・それこそ脱衣麻雀とか以外。

(2Pプレイ、捗る……けど……
 やっぱ、もやもやは……無くならない……!)

電子上のテロリストを何人薙ぎ払い、スコアが何点増えようとも――

「聞いてないっての……
 自分語りで建つのはたいてい死亡フラグ……」

脱衣麻雀トークには特に何も思わない。
ゲームの話だし、このくらいは、なんでもない。

      ババババ

(……こいつ、やりこんでるな。)

           「……お前、ゲーマー……?
             ……だから何、ってわけでもないが……」

何となく、聞く。
無言でいるよりは、心に何かしら吹き込む気がして。

330溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』:2015/11/30(月) 23:26:07
>>329

「それツンデレライバルキャラの常套句じゃない?」
「野菜の星の王子様とか」

軽口を叩きながら、バスバスと見えない弾丸を画面に打ち込む。

     キャバァーン!

          ドォォォォォォーン!!

画面の中で爆発音。
ここからステージは地下に移動するんだ。
まず最初に落石を排除するために炸裂弾を撃たなきゃいけないから、今のうちに弾丸を切り替えておく。

「背景語りは勝利のフラグでもあるさ」
「負けられない理由があるんだー、みたいな。脱衣麻雀で負けられない理由も何もないけど」

      ドッパォォン!

で、炸裂弾発射。
これが一番壁壊しが早いんだよ。ガシガシ発射だ。

「んー、ゲーマーって言うか、遊び人?」
「いや定職にはついてるけど。学生時代からよくゲーセン通ってたしね」

「そういうお嬢ちゃんは、ゲーマーなのかな」
「これで初見ですゲームはほとんどやりません、とか言われたら才能の格差に軽く凹むとこだ」

331稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/11/30(月) 23:47:59
>>330

            ガチャン!

弾丸の種類を切り替える。
落石排除のため。

      ドッパォォォーーン!!

――撃つ。

「こんなテンプレ台詞言うツンデレ……
 リアルにはいないっての……アニメの見すぎじゃね……」

       「つーかアニメでも、絶滅危惧種だろ……」

    ドッパォォーン!

もう一発。これで落石はクリア。
画面が移動し、切り替わる。

       ガチャ!

(この後は……
 硬い敵出てくるトコ……)

「負けたら、ハダカが見れねえんじゃねえの……?
 えひ、そんな理由で勝利フラグ立つのは、ギャグキャラくらいだな……」

        ク

少しだけ、口角が上がる。

           ムス

(……こんなしょうもないトークで笑うとか……チョロインかよ……) 

すぐに、またへの字口になる。
気分まで戻るわけじゃあない。

        ガチャ
             ……弾種をまた切り替える。

「遊び人……将来は賢者か、スーパースター……?
 僕は……ゲーム、好きだよ。ここもよく来てる……
 つーか、初見プレイでこれならプロゲーマーに転職不可避だろ……」

    ドバァーーーン!

        ドバァーーン!

         「……常識的に考えて。」

沸いて来た重武装のテロリストを撃つ。
撃ちながらだと、少し、口が軽くなる気がする。

332溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』:2015/12/01(火) 00:06:29
>>331

「次代の流れを感じるね。悲しいなぁ」

    バオッ!
           バオッ!

重武装テロリストを倒していく。
……微妙に撃つタイミング調整して、できるだけトドメを奪えるようにしつつ。
まぁできるだけだけどね。スコア勝負挑まれたんだから、このぐらいは応じとかないと。

「できれば転職先は勇者がいいかなぁ」
「システム上無理ってツッコミは無しの方向で。ダメなら次は盗賊でも始めてみようか」

       バオッ!   ドォォォーン!

最後の一体を倒す。
さぁいよいよボス戦だ。イベントシーンを挟んで出てくるのは……血塗られたダビデ象!
……すごいよねこのゲーム。
ここまでテロリストばっかだったのに、急にナチスの遺産がどうのこうの言い出して動く石像がボスなんだよ。
美しくも力強い、岩石の巨人が立ちはだかってくるわけだ。ジャンル変わり過ぎだろ。そういうとこが好きなんだけど。

    ガチャッ

           ババババババババ

「それを聞いて一安心。残念ながら現実はそう非常識じゃないらしい」

弾種を再び通常のものに切り替え、巨人を撃っていく。
なぜか盾を持っているので、相手が攻撃してくる瞬間が狙い目だ。

「しかし僕もここにはよく来るけど、やっぱゲーセンにいる他人って認識しないもんだねぇ」
「今日まで君のこと全然気にしてなかったや。多分何度かエンカウント自体はしてるんだろーけど」

333稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/12/01(火) 00:33:59
>>332

「おじさんとロリの間には……埋められない溝があるもんだな……」

    ドパァーーン

    バオッ!
           バオッ!

        「あ……」

横取りされた。
思わず声を漏らすが、挑んだのはこっちだ。

「クッソ……盗賊が適職なんじゃねーの……
 まあ……勇者も、人のモン盗んだりはするけど……」

(……プレイヤースキルの差を見せつけてやんよ。)

負ける気はない。

         ガチャ

そして舞台は最終決戦へ。
まさかの動く石造だが、これに驚いたのは初回だけ。

(いつ見てもここ超展開すぎる……
 ひょっとしてギャグでやってんだろうか……)

       ババババババ

            ババババババ

防御の間を縫って撃ちまくる。

「リアルはリアルだから……な。」

     グァァァー!

石像が悲鳴を上げる。
そして、近くにある大きな岩を持ち上げる……そろそろ終幕だ。

            ガチャ

「僕もあんまり……気にしてないし……
 モブキャラか、そうじゃないかなんか、分からないしな……」

     ドッパォォーン!!   

         ・・・・岩に向かって、炸裂弾。

334溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』:2015/12/01(火) 00:49:38
>>333

「うん、オジサンとロリの間には埋められない溝があるらしい」
「年季の違いって奴かな!」

ここぞとばかりに調子に乗って煽る。
まぁほとんどポーズだけどね。実際、スコア的にはどっこいぐらいか。

「箪笥漁りねー」
「人んちに上がり込んで箪笥の中漁っても許されるなんて良いご身分だよアレ」
「たまにめんどくさくなってスルーしちゃうけど」
「ちなみにお嬢ちゃんは賢者狙い? それともスーパースター?」

    ババババババババ
             バババババババババ

「世の中誰もが主人公だぜ?」
「……うわクッサ。自分で言っといてなんだけど引くねこれ」
「というかまぁ、いちいちゲーセンにいる人観察して覚えてるほうがレアだよね」

      ガチャッ

          ドッパォォォン!

弾薬換装。
炸裂弾を大岩にぶち込んで……破壊!
あとはラストスパート、よろけた巨人に残弾全部ぶち込むだけだ。
あんまり時間かかると自爆しちゃうから、早めに倒さないとね。

          ガチャッ!

      バババババババババ

335稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/12/01(火) 01:05:59
>>334

        ガチャ!

「えひ、言ってろ……!
 年季の溝なんて、児ポ法の溝に比べたらベリーイージーだ……」

         バババババ

      ババババ

意味不明な煽りを返す恋姫。
こうして、『スコアを競い合う』のは――久しぶりだ。

          ニヤ

「主人公ね……えひ、今時漫画のキャラでも、そんなこと言わないぜ。」

      「ある意味勇者だな、お前……」

(僕も……主人公なのか? ……鬱展開ばっかで、やになるな。
 えひ、でも、悲劇のヒロインになるには……王子様がいないもんな。)

顔には、陰気な笑み。
心の底の靄は、晴れないけれど。

「んでもって僕は………………スーパースター。」

       「人気漫画の主題歌」

            「歌えるくらいには……!」

    ババババ

         ババババ

石像を撃ちまくり、そして――

     グォォォォオオ ――――!!!

           ガラガラガラガラ
  
                  ドシャァァァーー!!

石像が、轟音と共に、粉々に砕け散った。
最後のイベントシーンが、始まる……スコアは、ほぼ同じ。

                    勝ったのは――――


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