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【ミ】『いともたやすく行われる〇〇〇ない行為』その3
489
:
『赤犬が追う』
:2015/11/30(月) 23:31:55
>>488
(斉賀さん)
「そう。あなたも眼鏡私も眼鏡。」
「眼鏡同士は惹かれあうんですかね。」
あははと笑っている。
随分とお気楽そうな雰囲気の女性だ。
「ええ京ですよ京。京の都に今日来ていただきたい。」
そう言うと何か思い出したのか、ぽんっと膝を叩く。
「自己紹介が遅れました。私、円山 円(まるやま まどか)。」
「齢22のしがない和菓子職人見習いです。」
以後よろしくと頭を下げる。
腰から体を折り、背筋はまっすぐである。
その動きに緩慢さや無駄はない。
「あ、えーと、どうしますかね?」
「受けてくださいます?バイト。お礼も出しますけど。」
お金で、と付け足した。
490
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/11/30(月) 23:43:49
>>489
「あ、どーもどーも。
うちは斉賀 淡っちゅうもんです」
ちょっと年上やな、まあそんな変わらへんやん。
和菓子職人か。雰囲気あるな。
「そりゃなんもでなかったらバイトやなくてボランティアやんな!
まあ、バイトするのは暇やからええけど、
イエスっちゅうにはもうちょっと詳しい話聞いてからにしたいとこやな
常識的に考えて。
目的地しか聞いてへんし」
たまたまうちに声をかけたにしては、
こんなとこにパイプ椅子まで持ってきて張ってるのもおかしい気するし、
どんなんやろう?
話が長くなるようだったらそこらの喫茶店でも入るか。
491
:
『赤犬が追う』
:2015/11/30(月) 23:56:05
>>490
(斉賀さん)
「どもども。えへへ。」
「ボランティア、それはごもっとも。それと……お暇、いいですねぇ。」
うんうんと頷く。
この女性の中で何か完結しているのかもしれない。
ぶつぶつぶつぶつ「暇はいい。実にいい。」としきりに呟いている。
「あーそうでしたそうでした。」
「いやぁなんというか、『取り返していただきたい品』がございまして。」
「普通だったら盗難って警察に届けるんですけどねぇ。」
えへへと今度は困ったように笑う。
歯は雪のように白い。手入れされている証拠だ。
「どうにもこうにも、ただの人間ではどうにもなりそうになくてですね。」
ただの人間には対処できないこと。
それはよっぽど社会的な権力云々が絡んでいるか
スタンドが絡んでいるか。もしくはその両方か、また別のなにかである。
「人ならざる力っちゅうんですかね。そーゆーのが絡んでるっぽんですよねぇ。」
492
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/01(火) 00:02:45
>>491
あっ、この人、もしかしてちょっと変な人……?
それとも暇が無さ過ぎてちょっとお疲れなんやろうか……
「なんやて!?
で、うちに声かけてきたわけか。
でもただの人間かどうかなんてどうやったらわかるっちゅうねん」
別にバレてもあんま気にせんけど、
なんでうちが『スタンド使い』かわかったかっちゅうのは興味あるな。
さすがに手当たり次第声かけてるわけやないと思うけど。
493
:
『赤犬が追う』
:2015/12/01(火) 00:24:21
>>492
円山は二、三度「あぁ。あぁ。」と嘆くように呟くと、またえへへと笑ってみせる。
外面を取り繕うのがうまいのかもしれない。
「すいませぇん。最近忙しくて……あ、じゃなかった。」
「あなたが普通の方じゃないかどうかを調べることは私には出来ません。」
「ですが、普通じゃない方を呼び寄せた結果、あなたと私が出会ったとしたら?」
円山は座っていたパイプ椅子から立ち上がり、椅子の下に置いてあったらしい鞄を手に取った。
黒い、高級そうな鞄である。
「『だからこそを実現する』」
「それが私が本家から預かった『ハラジュク・ガール』」
「その能力を使い、スタンド使いと、あなたと出会うように仕向けました。」
円山が鞄から取り出したのは一本の筆であった。
習字で使うような筆。筆管と呼ばれる軸には昇り竜が刻まれている筆。
それが『ハラジュク・ガール』であった。
「えへへ。ご理解いただけましたか?」
494
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/01(火) 00:30:31
>>493
「ほーん、なるほど……
しかし見た目と名前がギャップあるな『ハラジュク・ガール』」
筆で昇り竜ってハラジュク要素もガール要素も無いなぁ
うちが知らんだけでなんか繋がりとかあったりするのかもしれんけど。
預かったってことはこの人の能力やなくて、独立した道具ってことやろか。
そういうのもあるんやなぁ
「ま! そういうことやったらええで!
力になったろうやないか! 暇やし!」
495
:
『赤犬が追う』
:2015/12/01(火) 00:42:18
>>494
(斉賀さん)
「元々は別の名前でしたから。『ハラジュク・ガール』はあだ名みたいなモンです。」
けらけらと笑っている。
どうにも適当なところがこの女性にはあるようだ。
「お。いいですね。じゃあ行きましょう。京の都。」
「寒いですし。さっさと家に行きましょう。」
パイプ椅子を畳み、鞄を肩から提げる。
筆を持っていない手で椅子を掴むと女性の準備は完了したようだった。
「はぁ〜お願いしますよぉ。ここに来てへそ曲げないでねぇ。」
筆に向かって一言呟くと
ビュツ
ビュッ
筆を振るい『空中に文字を書いた』
『今から五分で
鈴元家へと着く。』
「よっし。」
文字はしばらくその場で浮遊すると
ぶわっと二つに別れ、斉賀の胸へと向かって飛んできた(スB)。
「痛みとかないんで安心してくださいね〜。」
円山は特に抵抗する様子はない。
496
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/01(火) 00:53:24
>>495
「なんでそんなあだ名にしてもうたんや……」
そんな名前つけられたら、うちが『ハラジュク・ガール』やったらへそ曲げると思うな……
いや別に悪い名前とか言ってるんやないで。ただ、ギャップが……
……ま、うちには関係ないことやしええか!
「え、ちょ
待ってーな。なんかえらい嫌な予感するんやけど」
服に墨がつくとか?
いやその心配はしとらんけど。そもそも墨使ってないし。
これはあれやろ?
能力で移動するやつやろ。内容的に。
でもワープにしては5分ってあたりが気になるとこや。
ドラクエの移動呪文みたいに空飛びませんように!
497
:
『赤犬が追う』
:2015/12/01(火) 01:06:51
>>496
(斉賀さん)
「なんでって……」
「可愛さ、でしょうか。」
『ハラジュク・ガール』という名前が可愛いかどうかは不明である。
いや、そう感じるか否かは人それぞれなのかもしれない。
たとえ世俗とずれていても、だ。
「大丈夫ですよ。」
文字は服に付着するとジワリと沈んでいく。
染み込みそして、服の上からは見えなくなってしまった。
斉賀の胸になにか熱い感覚が宿る。
まるでカイロを胸に仕込んでいるような気分になる……かもしれない。
「じゃあ、ちょっと歩きましょうか。」
「この能力、瞬間移動する能力じゃないので。」
円山はまたえへへと笑うと、斉賀にこっちと促すように歩き出す。
着いていくべきだろうか?
それとも呼び止めて話をするか?それは斉賀の心次第だ。
498
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/01(火) 01:11:49
>>497
「って、歩くんかーい!」
ムネ
円山サンにつっこみを入れる! 胸元にな! 円山サンの戦闘力はどんなもんや!?
話? 話はまあ、歩きながらでもできるやろ。
「そんで、なにを盗られて、なんでそれが普通のやつの仕業やないってわかったんや?」
499
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/01(火) 01:12:55
>>498
んああああズレとる! まあええわ!
500
:
『赤犬が追う』
:2015/12/01(火) 01:28:36
>>498-499
(斉賀さん)
「おっと。」
むにゅっとした感触が斉賀の手に伝わる。
決して豊満ではない。しかし平坦と言う訳ではない。
触れなければ分からないほどの自己主張をする胸である。
言うなればなだらかな坂道のようなバストであった。
「えへへ。歩きましょうねぇ。」
「なにを盗まれた?えっとですね。簪です。カンザシ。二本も持ってかれまして。」
カラカラとパイプ椅子がこすれる。
どうやら依頼主の簪が盗まれたらしい。
「でねぇ、一本目盗まれた次の日に寝ずの番をされてたんですって。」
「そしたら辺りをふわぁ〜っと火の玉みたいなのが浮き出したらしくてですね。」
「とにかく盗まれないようにってなりふり構わず暴れて、気付いたらもう二本目を盗まれてたんですって。」
ふと、円山が立ち止まりきょろきょろと辺りを見回す。
――――気付けば周りの風景が変わっている。
いつもの見知った道ではない。
右を見ても左を見ても後ろを振り返ってもそこに黄金町の見慣れた景色はない。
変わらぬのは抜けるような青空だけだ。
「あら。」
突然後ろから声がした。
女性らしい声である。
501
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/01(火) 01:42:42
>>500
ふ〜むこの感触は……
おっと、これ以上はやめとくで。
さすがのうちも年上にあからさまなセクハラを働く不敬を働く気はないんや。
「ふうん、火の玉。
その寝ずの番してたっちゅう人は『スタンド使い』やないんやな?」
だとしたら火の玉は一般人にも見えるスタンド現象、
ヴィジョンでの盗みっちゅうあたりが一番簡単に想像できる手口ってとこか。
その場合、遠距離操作型……少なくとも近距離型ではなさそうやけど。
「しっかしカンザシか……わざわざ寝ずの番してるとこから盗ってくほどのもんやろか。
もっと簡単に金目のモン盗れそうなもんやけどな……
なんか特別な品だったり……ん?」
いつのまにか周囲の風景が変わっとるな。『ハラジュク・ガール』のアレのせいか。
うーん、不思議なもんやな。
ん? 後ろに誰かおるんか?
502
:
『赤犬が追う』
:2015/12/01(火) 02:00:34
>>501
(斉賀さん)
セクハラの心に打ち勝った斉賀。
歩きながら円山へ言葉を返す。
「あーいえいえ。寝ずの番をしたのは依頼人の方で、その方も一応スタンド使いですよ。」
「そうなんですよねぇ。簪ですからねぇ。盗まれた側は凄く大切にしてらっしゃったみたいですけど。」
円山が知る限りは普通の簪らしい。
特別な簪、というか思い入れのある簪ではあるかもしれない。
しかし、円山は盗まれた本人ではない。
その簪がどういったものであるかを知るのは彼女からは難しいのかもしれない。
「あ、奥様。」
女:「いつの間に帰ってきはったん?」
円山が振り向き、礼をする。
奥様、と呼ばれたことから考えるに円山の知る人物なのかもしれない。
円山:「斉賀さん。こちら、今回の依頼人の方です。」
女:「あぁ、このお人さんがぁ?」
間延びしたような口調で話す女性だった。
彼女の御国言葉と言うものだろう。
女:「どうもぉ。こんにちは。」
振り返ると、そこに声の主が立っている。
癖のある黒髪を肩まで伸ばし、白い肌をしており口元に黒子がある。
女袴を履き、上も和服、靴はなぜか黒い編み上げのブーツを履いていた。
女:「鈴元 波江(すずもと なみえ)言いますぅ。」
「よろしゅうにぃ。」
斉賀は思い出せるかもしれない。以前に湖畔であった少年のことを。
鈴元涼と名乗り、今目の前にいる女性と瓜二つの見た目をしていた和服の少年を。
503
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/01(火) 02:13:17
>>502
うーん、番をしてた人も『スタンド使い』か。
ちゅうと、なんらかの能力によるものか……
「あ、どうも〜斉賀というもんです。よろしく頼みますわ」
お、和服。……に、ブーツか。
うーん、うん。アリやな。和服にブーツ。いいやん。
「ん、鈴元さん……? そういえばあの子も和菓子屋言ってたな」
いやでも京じゃ離れすぎてる……
あ、いや、確か黄金町にあるのは2号店で、本店は京都にあるとか言ってたような気するわ。
お店の名前は確か、スズマナコやったっけか。
504
:
『赤犬が追う』
:2015/12/01(火) 02:35:23
>>503
(斉賀さん)
相手の能力の推理をする。
番人も盗人もスタンド使い。情報が欲しければ円山に聞いたほうがいいかもしれない。
円山が詳しく知っているかは謎ではあるが……
波江:「斉賀さんやねぇ。あんさんは関西の出身?」
使っている言葉からの連想であろうか、波江はそんなことを聞いてくる。
ニコニコと笑い、黒い癖毛がゆれた。
波江:「あの子ぉってどの子ぉ?和菓子屋は鈴眼やと思うんやけど。」
「あ、涼君?あの子ぉって呼ばれる歳なんはあん子ぉくらいやねぇ。」
明るい顔だ。
ぱっと花が咲いたような笑顔になる。
波江:「その子ぉって鈴元涼いうんやない?うちとよお似た顔した子ぉ。」
円山:「まま、寒いし細かいお話は家に戻ってにしましょう。」
波江:「そやねぇ。そこの角曲がってどんつきがうち等の家なんよ。」
波江が指差す。
その方向を見ると確かに角を曲がった突き当たりに家があった。
日本的な大きな家。
門があり、その奥に屋根が見える。
よく見れば蔵らしきものもある。
特に問題がなければこの家に上がることになるだろう。
505
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/01(火) 02:43:34
>>504
「いやぁ、親戚のおじさんが昔関西に住んでたって感じで、
この喋り方は又聞きの又聞きレベルですわ!」
じゃあなんでそんな喋りかたしてんねん、って言われるとなんでやろな……
そこに触れることは死を意味するねん。
「ああ、やっぱり涼君の……親戚? もしかして……姉弟だったりしますやろか」
顔そっくりやし、親戚よりは親子って可能性のが高いと思うけど、
奥様言ってたし……しかしここは姉弟説に賭けるで!
親子言って姉弟だったときのほうが気まずいしな!
「おじゃましま〜す」
特に上がらん理由は無いな。
506
:
『赤犬が追う』
:2015/12/01(火) 23:43:52
>>505
(斉賀さん)
波江:「いや、又聞き?せやったら出身はこっちやないんやろか。」
「でも、似合う(におう)てはりますよぉ。」
お世辞なのか本音なのか分からぬ調子だ。
鈴元波江、常に笑みを浮かべ今にもくすくすと笑い出しそうな表情をしている。
そういう性質なのか、それともそういう風に振舞っているだけなのか。
斉賀と波江の会話は続く。
波江:「うふふ。お世辞がお上手やね。親子よぉ。」
姉弟説は否定され、親子と言う結果が残る。
もちろんそこに気まずさはない。
むしろ波江は嬉しそうにすらしている。
やはり若く見られるのは嬉しいという事か。
他愛もない会話をしながら斉賀、波江、円山は鈴元家へと消えていった。
507
:
『赤犬が追う』
:2015/12/01(火) 23:44:48
>>505
(斉賀さん)
波江:「改めまして、鈴元波江ぇ言います。」
「今回はといといとっからよおお越しくださいましたぁ。」
斉賀が招かれたのは縁側に近い部屋だった。
よくある和室で壁の近くには立派な花が生けてある。
しかし部屋の中は少し異常であった。
壁や畳にへこみのある箇所がある。まるで表面を削ったような状態だ。
波江:「えっと、円山さんからどこまでお聞きになられましたやろか。」
「必要やったら、盗まれた日ぃのこともお話しますけど。」
情報の整理や収集をする機会だ。
気になったことがあったら聞いてみるのもいいかもしれない。
508
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/02(水) 00:31:36
>>506-507
「ってことは盗られたのは……寝ずの番をしていたのは波江さんなん?
もちろん詳しく聞かせてもらいたいとこですわ。
火の玉が出たとか聞きましたけど」
この部屋はなんやろ。犯行現場か?
このへこんでるのをやったのが犯人か、暴れた番をしてた人(波江さん?)か。
「それと……なんで簪を狙われたかとかわかります?
なんや特別な品なんやろか?」
……ノリで受けてもうたけど、
うちのは捜査に使える『能力』やないし、犯人を見つけるって意味では一般人並やねんな……
3つめの簪があってそれも盗りに来るとかやったら話は簡単なんやけど。
509
:
『赤犬が追う』
:2015/12/02(水) 01:09:49
>>508
(斉賀さん)
波江:「そうどすぅ。うちの簪が盗まれて、うちが寝ずの番しとったんよぉ。」
「ほな、ちょっとだけ聞いてもらいましょかぁ。」
最初に盗まれたんは6日前のことやわ。
近所の子ぉに着付け教えるついでに髪結ったろぉ思て簪探したら一本足りんかったんよぉ。
家中探し回ってもあらへんからどないしたんかなぁって。
簪、盗まれてから、しばらく使わんかったから怒ってどこぞへ行ってもうたんかなって思うて
肌身離さず持って簪に謝る気持ちでおったんよ。
二本目が盗まれたんが三日前。
夜……丑三つ時でいかにもって時間やったわ。
また簪を盗もうと思うてるお人さんがおるんやったら捕まえなアカンやろ?
そやから、うちは寝ずの番をしとったんよ。
まぁ、色んな人に探してもらうように声かけとったから、その連絡を待ってるっちゅう意味もあるけど。
でもさすがに眠気が襲ってきて、ちょっとだけ目ぇ閉じたんよ。
ほんならガサって物音がして、気ぃ付いたら周りは火の玉が5つ6つ浮いとるんよ。
次の瞬間、ばあっと火の玉が襲ってきたんよ。
うち面食らってもうて、もうスタンド出して大立ち回りよ。
火の玉と格闘しとったら、さっと足の間をなんかが通りはったんよ。
うちはそれを蹴ろうとしたんやけど、避けられてもうたみたいで……
それが二本目を盗まれた日ぃのこと。
波江は語り終わると、ふぅと息をついた。
波江:「簪は普通の奴やよ。でも、うちにとっては特別なんよ。
旦那さんからの贈りモンやからね。」
「盗まれた理由は分からん。でも、もっぺんくるはず。」
「三日前、二本目が盗まれた日ぃの朝。庭に一本だけ簪が落ちとったんよ。」
波江の目は真剣だった。なにか火がついているようにも見える。
顔は笑っているが腹の底は、そして目の奥には火が宿っていた。
波江:「多分、もっぺん取りに来る。あの日ぃから三日後の今日に。
落とした分を取りに戻ってきはる思います。」
510
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/02(水) 01:34:20
>>509
うーん、さすがに怒ってる(?)みたいやな。
思い出の品か……しかしそれを盗む意味はわからんなぁ。
「ん、ちゅうことは今盗まれてるのは一本ってことか」
庭に落ちてたっちゅうんは、2本目を盗んだつもりが落としてったってことやろか。
まあ落としたのは先に盗んだ1本目でも、どっちでもええけど。
とにかく2本盗られた……と思ったら1本落としてったってことやな。
「その肌身離さずっちゅうのは、手に持ってたりしたのがいつのまにか無くなってたとかいう感じなん?」
足の間を通るとなると、やっぱり小型のスタンドで、火の玉は能力やろか。
動物が本体だったりするかもしれんけど……いや、なんで動物が簪を狙うねん。
犯人は猫で、理由は簪の材質がマタタビの木で出来てたからとか……いや、無いわな。
511
:
『赤犬が追う』
:2015/12/02(水) 02:07:09
>>510
(斉賀さん)
波江:「そう、と言いたいんやけど。」
「盗まれたんは合計で二本よ。確かにあの朝庭に一本落ちとった。」
「でも、一本なくなっとった。」
正座し、膝の上に手を重ねている波江。
その手には力が入り、上に重ねた手の爪が下の手に食い込んでいる。
波江:「いっぺんに二本盗ろうとしたんかもしらん。」
「うちは犯人やないから理由は分からんけど、許されへんことっちゅうんは確かや。」
波江の顔から笑顔が消える。
能面のように変わることのない冷たい顔。
まるで底冷えする京都の冬のようである。
波江がなにか話そうとした時、外から声がした。
円山だ。
波江が入るように促すと円山が急須と器、木でできた箱を持ってきた。
波江:「簪とか風車立てる箱みたいなもんよ。」
円山の持ってきた木の箱のことだ。
よく見ると上面にいくつも穴が空いている。
今は簪が一本だけぽつんと入っていた。
波江:「ココに入れとったんよ。盗られた日ぃは足元に置いとった。」
「足の間ちゅうんは多分簪盗ってうちの足の間を通ったちゅうことや思うわ。」
会話をしている間に円山が茶を注いでくれた。
茶柱が立った緑茶だ。湯気から察するにそこそこ暖かくなっているだろう。
寒さで冷えた体にはうってつけの代物だろう。
波江:「他になんか気ぃんなることは?」
512
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/02(水) 02:22:27
>>511
美人が怒ると怖いなぁ……
「んん!? となると、元々3本あったっちゅうことか」
風車立てる箱……なんやどういう用途なのかようわからん箱やな。観賞用やろか。風流アイテム。
足元に置いといたら盗られた、か。
相手の大きさからしてパワーはそんな強くないと思うし、握っとくか金庫とかに入れといたらそうそう盗られないんやないかな。
金庫に入れたらさすがに相手が諦めてもうて、おびき出せないかもしれんけど。
「あ、おおきに。
あとはぁー、そうやなぁ。
今までの話からして、うちは探偵というより警備って感じになるっちゅうことでええのかな。
波江さんはどないするんですか? やっぱりご自分でも番を……?
せやったら『スタンド能力』とか教えあったほうがええんやろか。
火の玉が出たっちゅうわりに部屋が焦げたあとは無いようやけど、
かわりに所々ヘコこんでますわな。これは波江さんが?」
お礼を言ってお茶を飲むで。うーん暖まる。
波江さんはここでも偉い立場の人やろうけど、結構怒っとるようやし、
自分で犯人を捕まえたいんちゃうかなぁ。
513
:
『赤犬が追う』
:2015/12/02(水) 02:55:26
>>512
(斉賀さん)
波江:「そう。三本で一つ。どれか欠けてもあかんモン。」
「妻っちゅう感じがあるやろ?あれは手ぇで三本の簪を挿す女の人らしいんよ。
ほんでそれは結婚式の正装なんやって。」
「うちの旦那さんが三本目をくれはった時に教えてもろたんよ。」
「結婚してくれって正直に言われへんお人さんやから。」
波江にとっては特別とはそういう意味だった。
三本で一つ、その内の二本が失われている。
大切なものが二つも盗まれ、しかもその盗まれた現場にいたのだ。
だからこそ、波江はたまらなく悔しいのかもしれない。
波江:「……斉賀さんには、今日来るかも知れん犯人を捕まえるか盗られた簪を取り戻してもらいたいんよ。」
「当然うちの番はするよぉ。でも、前にやられとるからねぇ。」
「なんもせんともっぺんで捕まえられるとは思ってへんよ。」
暖かく笑ってみせる。
自嘲というよりは困ったようなそういう笑顔だ。
無理をしている風でもない。自然に出た顔。
波江:「最悪捕まえられんでもエエよぉ。簪が戻ってくればそれで。」
「ああ、部屋のこれはうちがやったんよ。」
「『ディープ・パープル』」
波江がそう呟くと波江の傍らに一体のヴィジョンが現れる。
白無垢を着たような姿をした人型のヴィジョン。
面構えや雰囲気はどことなく狐を思わせる。
波江:「物を脆くする紫陽花を咲かせる。それが能力。」
「よろしゅう頼んますぅ。」
波江は座礼をする。
他に気になることがあれば聞くといいだろう。
514
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/02(水) 17:10:32
>>513
「あ、いやこちらこそ」
あわわ、頭下げさせてもうた。慌てて礼を返すで。
旦那さん……こういう時は普通、旦那さんに頼るもんやないかなぁ。
単にスタンド使いやないだけかもしれんけど……
いや、踏み込むのはやめとこ。
「うちのは『ベティ・ブー』って言うて、
この球をな、こう、握ると対象にとった似たようなものがひと纏まりになるねん。
で、球をリモコンみたいにして、それを動かすっちゅう能力」
『ベティ・ブー』はちょっと見た目が、その、太めやから……なんや恥ずかしいなぁ。
しかし聞いた限りではうちは犯人とはそんなに相性はよくなさそうや。
火の玉がいっぱいあるのに対して集合球は一個しか維持できんし、
精密性もほどほどやから小さい相手を狙うんは得意ってわけやないしな。
「しかし部屋も焦げてないし、波江さんも火傷は……してないようにみえるんやけど、
もしかして熱くはなかったってことやろか?
火の玉がばあっと襲ってきたっていうのは具体的にはどんな感じですのん?
こう、火が広がるように襲ってきたとか、火の玉が飛んできたとか?」
もしかしたら服の下に火傷とかあるかもしれへんけど……
でも見たトコ、体に痛みがある様子も見せてないしなぁ。
火の玉は単なる目くらましなんやろか?
ところでこの部屋は和室やけど、上に電灯とかついとるんか?
515
:
『赤犬が追う』
:2015/12/02(水) 22:58:21
>>514
(斉賀さん)
慌てて礼を返す斉賀。
頭には波江の夫のことがよぎるが、口を閉ざす。
世の中には様々な事情がある。
そういうことなのかもしれない。
波江:「球。そう、球を扱う能力なんやねぇ。」
うんうんと頷く。
しばらく興味深そうな顔をしていたが、斉賀の質問にはっとする。
波江:「そうよぉ。あつくなかったわ。手ごたえも無かったし。」
「こう、雪合戦の雪球みたいに火ぃの玉が突っ込んできたんよ。」
「火ぃの玉が眩しいて目ぇ潰されたわぁ。」
難儀なこっちゃとため息を付いている。
どうやら火の玉は目くらましに使われたようだ。
ふと、天井に目をやる。
電灯の類は無いらしい。
516
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/03(木) 00:17:18
>>515
「ほなら、グラサンしといたらええんちゃうかな。
スタンド火やから効かんかもしれんけど……」
前は火を出しただけで、実際は幻ならなんでもって可能性もあるか。
でもグラサンはしてて損はないやろ……いや、待てよ
「くっ、しまった。うちはもう眼鏡をしとるから目の装備枠がいっぱいや!
さすがに眼鏡の上からグラサンはかけられん……!
とりあえず、暗いほど相手の有利に働きそうやから明かりはあったほうがええな。
前も寝ずの番っちゅうことは、真っ暗にしとったわけやないんやろうけど……」
この部屋に電灯あればカチッと簡単に明るくできるんやけどなぁ。
どっか別の部屋に場所を移すべきやろか。
517
:
『赤犬が追う』
:2015/12/03(木) 00:39:05
>>516
(斉賀さん)
波江:「そういう手段もあるんやねぇ。」
どうやら波江の思考にはそういった案は存在しなかったらしい。
感心した様子で手を打っている。
サングラスの使用、しかしそれは斉賀にとって大きな問題をはらんでいる。
波江:「そやねぇ。あんさんもう眼鏡してはるし、色つきのセロハンでも張ってみるぅ?」
「まぁ、それは冗談としてやね。あの晩は灯篭を明かりにしとったわ。」
すでに眼鏡をしている斉賀にとってサングラスの着用は厳しい。
それは本人の思考どおりの事実である。
灯篭、日本古来から伝わる照明道具だ。
電灯の方が範囲や明るさの面から考えても上だろう。
部屋の移動を指定するのも一つの手ではある。
518
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/03(木) 00:55:55
>>517
「灯篭って……石のやつ? あ、石じゃないのもあんねんな」
なんや、灯篭言ったら、石で出来てるやつをイメージしてまうけど、
灯篭流しとか、ああいうのやな多分。
「せやなぁ……簪を狙ってくるんやったら、移動は簡単やし、
もっと明かりのある場所に移動したほうがええかもしれん。
あとは囮の簪の用意とか?
そもそもどうやって簪のありかを嗅ぎつけてるのかもわからんから効果のほどは不明やけど……
簪を狙う理由もわからんし……」
「1本目が盗られて、家中探し回ったっておっしゃってましたやろ。
言いにくいけど……フツーに考えれば、それで波江さんが残りの簪を手元に置くようにした
ってことを知っている人が犯人やろなぁ……」
つまり身内が犯人っちゅうことになるんやけど……
相手が『スタンド能力』で在り処を探っとるとか、
それ以外の想像もつかない方法があるかもしれんからなぁ。
「なんやろなぁ。昼ドラ的に考えれば、旦那さんに横恋慕してた人がいて、
愛の証を奪いたかったとか……うちやとそんなんしか思い浮かばんけど……」
519
:
『赤犬が追う』
:2015/12/03(木) 01:32:51
>>518
(斉賀さん)
波江:「そうよぉ。和紙と木ぃで組んだ奴ねぇ。」
斉賀は簪の移動、また囮の用意を薦める。
波江はそれを聞くと、顎に手をあてなにか考えているようであった。
波江:「エエかもしれんね。向こうが味しめて同じ手ぇつこうてきたら、十分使えるぅ思うわぁ。」
「……身内が犯人っちゅうんはあんまり考えたくないけど。」
「それに旦那さんはうちのモンやで。」
天地がひっくり返ろうと。そう言って波江はからからと笑う。
怒るでもない。ただ笑っている。
その理由は信頼なのか、それとももっと大きななにかなのか。
円山:「すいません。」
話の途中で円山が口を開いた。
えへへ、と笑う。思えばよく笑う家である。
円山:「今、簪探してる人たちから連絡きました。」
円山の手にはスマホが握られており、その画面は明るく光っている。
円山:「正直、参考になるかは分からないんですけど、聞きます?」
円山から情報を聞くのも、波江から情報を聞くのも、また両者から聞くのも斉賀の自由だ。
サングラスなど、必要なものがあるなら注文するのもいいだろう。
520
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/03(木) 01:41:36
>>519
うーん、ここで犯人の目星つけといて、犯人が櫛手に入れて、フフフとか言ってる時に
後ろから「その櫛は偽物や、やはりあんたが犯人か」みたいなこと出来たらかっちょええんやけど
まあ、無理やな。
「ん? 探してる人たちから連絡来たって……
見つかったっちゅうこと? ……や、無いよなぁ」
それなら参考になるかわからんとか、そんな言い方はしないわなぁ。
なんの連絡やろ。
というか探させてるの波江さんやろし、この連絡は波江さんに対する連絡やろから、
波江さんが聞くついでにうちも聞かせてもらう形になると思うけど。
「まあ、聞いて損はないやろ。
うちも聞かせてもろてええかな」
521
:
『赤犬が追う』
:2015/12/03(木) 02:07:04
>>520
(斉賀さん)
情報の共有を申し出る斉賀。円山は当然だがあっさりと承諾してくれた。
円山:「いえ、まぁ、なんというかお仲間が見つかったというか。」
「えっと、ここ最近盗難事件が多発してるみたいなんですよ。」
円山はスマホの画面を斉賀と波江の方へと向ける。
画面にはラインらしきやりとりが映し出されている。
円山:「塩見さん、寺石さん、鉄尾さん他数名。」
「盗まれたものは……詳しいことは分かってないですけど扇子とか羽織とかまちまちみたいです。」
お仲間、とは盗難事件の被害者らしい。
確かに盗まれた仲間ではある。
円山:「中には何も盗られてない人も居るみたいですけど、皆同じこと言ってるんですって。」
「火の玉を見たって。」
「まぁ、その後は妖怪を見ただとか家鳴りがしたとかまちまちですけど。」
火の玉、ちょうど波江も見たものだ。
同一犯、そう考えてもいいのかもしれない。
……火の玉が襲ってきた波江とは少し違うようだが。
円山:「後は、最近やけに野良猫とか野良犬を見かけるってぐらいですかね。」
522
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/03(木) 02:41:25
>>521
「うん? となると別に簪だけを狙って来てるわけやないってことか
なんや和風なもんばっかり狙っとるみたいやけど」
うーん、なんやろな。
どういう犯人なんやろ。野良犬猫も何か関係あるのか……
妖怪とかは単に混乱してて見間違えか?
それとも幻使いで、好んで火の玉と野良犬猫を使うだけで、他のもんも出せるとか……?
「んー、なんか盗られたもんに共通点とかあるんかな?
和風っていうのも共通点やけど……和風だからなんやって話やし。
なんも盗られてない人もいるっちゅうことは、狙ったモンが無かったっちゅうことで……
犯人の調査能力にも限界はあるんやろけど……うーむ
こっそり盗ってくんやないあたり、相手の反応を楽しむ愉快犯やろか……」
「そういえば『ハラジュク・ガール』って捜査とかには使えなさそうな感じなん?」
523
:
『赤犬が追う』
:2015/12/03(木) 03:07:04
>>522
(斉賀さん)
円山:「共通点?うーん。そうですねぇ。」
「うちから簪盗った以外は、扇子、羽織、他にぃ……」
スマホを操作しながらうんうん唸っている。
通知音。円山は目を丸くした。
目を凝らして画面を確認する。
円山:「紋付袴もやられてるみたいですね。杯とか和傘。」
「後、これがなんか引っかかるんですけど角隠し、えっと結婚式で頭に被るアレも。」
どこから引っ張ってきたのかそんな代物までも盗み出している。
円山:「盗まれた日は全部一週間以内のこととかですかね。共通点。」
「手当たり次第って感じなんですかねぇ。」
円山は特に思いつくことが無いらしく頭をかいている。
斉賀の『ハラジュク・ガール』に関する問で思い出したように懐から筆を取り出す。
円山:「これですか?うーん。期待はできませんね。
これは『だからこそを実現する』スタンド。『不可能を可能にする』スタンドって言ってもいいです。」
「今回の盗難を調べることを筆が難しいことだと扱ってくれれば使えるんですけど……」
あまり頼りにはならなさそうである。
試してみるのも手かもしれないが……期待はし過ぎないほうがいだろう。
波江:「円山さん。そのお筆さんに変なあだ名付けんのあんまようないよぉ?」
「……どないやろか斉賀さん?考え、まとまりそうやろか?」
情報の整理などが必要ならしてみるのもいいだろう。
他に必要な情報があれば聞けばいいのだ。
524
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/03(木) 15:23:08
>>523
「やっぱり和風アイテムばっかりな感じやな。
角隠しって、盗品で結婚式でもするんかいなって感じやなぁ」
かぶりは無いみたいやな。
紋付袴と角隠しとなると、男女の区別なく、もしくは両方狙っとるいうことか。
和風アイテムコレクター……にしては犯行が忙しないし、時間制限でもあるんか。
単に『スタンド使い』初心者で調子に乗っ取るだけかもしれんが。
「わかっとったけど、事前に犯人特定は無理やな。
範囲を広げられたらお手上げや。うち的に見知らぬ町やし。
となれば撃退して捕まえるしかないわけやけど……
囮の櫛と、部屋を移す以外でなんかあるかいな?
うちはちょっと準備に買い物行こうと思うんやけど、円山さん案内頼めます?」
『ハラジュク・ガール』はアレやな。小説家が原案やってた漫画のアレみたいな能力やな。
525
:
『赤犬が追う』
:2015/12/03(木) 23:25:38
>>524
(斉賀さん)
波江:「うふふ。まさか、ねぇ。」
もし使用目的で盗んでいるのならその可能性も否めない。
やはりというべきか、現段階で犯人を突き止めるのは難しい。
波江:「うちは一に簪、二に犯人やわ。」
「あちらさんが簪もっとるからその、拠点っちゅうかそういうトコ突き止めなアカンやろ?」
「まぁ、それは囮の簪つこうて、後から付いてったらエエかなぁ?あんさんどない思わはる?」
波江が言う。
波江たちは斉賀の要望には最大限応えてくれるだろう。
円山:「はいはい。構いませんよ。」
「なにがお入用で?」
円山は立ち上がった。
必要なものを頼めば案内してくれるはずだ。
大抵のものは手に入れられるだろう。
526
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/04(金) 00:18:53
>>525
「その場で捕まえられたら楽なんやけど……
尾行は難しそうな気するし。
映画みたいな発信機とかはさすがに手にはいらんやろ?」
大抵のもの言うても限度があるわなぁ。
「せやな……まあ、無難に防犯カラーボールとか買ってこようかと思っとるんやけど。
どこで売ってんやろなあれ。ホームセンターとか?
網……はさすがに人間を捕まえるのは難しいか。犯人が人間かどうかわからんけど。
まあでも一応用意しよか」
夜で、相手が目くらましもするとなると、蛍光塗料と臭いをつけるのは有効やろ。
ただ、室内で使うには戸惑われるもんなんよなぁ。
汚れても大丈夫な部屋があるといいんやけど。
うちの能力的に6個以上は欲しいとこやな。しかし結構でかいんやろかアレ。
527
:
『赤犬が追う』
:2015/12/04(金) 00:56:35
>>526
(斉賀さん)
波江:「発信機は……まぁ、無理やろねぇ。」
円山:「カラーボールと網ですね。多分ホームセンターか、無ければ馴染みのお店に分けてもらいましょう。」
防犯に使用されるカラーボールを知り合いから分けてももらうつもりらしい。
よしんば無くても安心、というわけだろうか。
波江:「えっと、色つきのボール使うんよね?せやったら電灯のある部屋汚れてもエエようにしとくけど、それでかまん?」
「他にこっちでやっとくことあったら言うてねぇ。」
汚れなどの心配はなさそうだ。
円山:「じゃあ、車出しますね。斉賀さん。行きましょうか。」
特に問題が無ければ買い物に行くことになるだろう。
注文はつけたので円山に投げてしまうのも手だが……
528
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/04(金) 01:07:23
>>527
「ありがとございますー。
せっかくやし観光も兼ねて行ってきますわ」
あと用意するのは囮の簪やけど、似たようなんあるんやろか。
無いならこっちも買ってこんとあかんけど、
まあ、円山さんに任せておけば大丈夫やろ。
野良犬猫もいたら観察しとこか。
しかし、野良猫はともかく、野良犬ってそんなおるか? 京都では野良犬歩いてるの普通なんか?
529
:
『赤犬が追う』
:2015/12/04(金) 01:23:25
>>528
(斉賀さん)
円山:「じゃあ行きましょうか。」
スマホを操作して円山がいう。
買い物のリストでもメモしているんだろう。
波江:「事故起こさんようにねぇ。」
波江は二人が部屋から出るまでにこにこ笑って見送ってくれた。
円山の話によると近くの駐車場を借りているらしい。
また少しの間寒空の下を歩くことになりそうだ。
円山:「とりあえず、ホームセンターから行ってきますねぇ。」
そんなことを言って、玄関を出た時
円山:「あ。猫。」
円山が指を差して言った。
確かによく見れば塀の上に猫が居るようであった。
毛並みはバラバラであるが、どの猫もみな家の方を向いている。
円山:「……多すぎません?」
よく見てみれば、いやよく見なくても分かることであった。
見渡す限りの猫猫猫。
電線に雀の群れが止まっているかのように大量の猫が家の方を見て鎮座している。
その数は十を超えているだろう。鳴くことも無くただ静かに猫が居る。
円山:「さっきまでいなかったのに……」
530
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/04(金) 01:42:03
>>529
「多すぎやろ! 怖いわ!」
なんやこれ。
偶然……やあらへんよなぁ。
幻を出す能力で、犬猫に変装して様子でもうかがっとるんかなぁと思っとったが、
動物をそのまんま操れるんか?
となると犯行現場に来るのも動物で、犯人は高みの見物かもしれん。
(火の玉出しとるからヴィジョンはいるかもしれんけど……)
「しかも無言やし……猫集会なら可愛げもあったもんを」
偵察しとるってことは、『スタンド』が見える……ちゅうか、視覚を共有しとるんかなぁ。
それとも猫とお話できるんやろか。
「ここは……ちょっかい出してみるか」
網があったら捕獲できるかもやけど、買いに行ってる間に解散されてまう可能性もあるな。
『ベティ・ブー』を発現して、こっそり胡椒で『集合球』を作ったら、猫の一匹の背後あたりに移動させて、
前方から『ベティ・ブー』を向かわせてみるで。
フツーの猫のふりをするか、素でスタンドが見えへんのやったら簡単に捕まるやろ。
『ベティ・ブー』自体の射程が短いんで、うちも近寄らなあかんからその時点で逃げ出す可能性もあるけど……
とにかく逃げ出したら、胡椒玉をはじけさせて(『球』に回転加えてから『集合球』解除でまきちらすで)
その隙に捕まえたいわ。いっぱいいるし、1匹くらいは捕まるんちゃうかな。
531
:
『赤犬が追う』
:2015/12/04(金) 02:03:19
>>530
(斉賀さん)
円山:「猫カフェいらずですね。」
円山が適当な冗談を言う横で敵の能力を推理する斉賀。
これだけの数の猫は確かに異常だ。
普通ではない。
『ベティ・ブー』を発現、胡椒玉を作り出し移動させる。
胡椒球は猫の後ろへと向かう。
後、もう少しで背後を取れるそれくらいの位置になった瞬間。
ギロッ
数匹の猫が斉賀達の方をにらみ付けた。
鳴くことはない。ただにらみ付けている。
円山:「斉賀さん、あれ。」
にらみ付けてきた猫の背後からなにかが浮かんでくる。
ヘリウムガスを入れた風船のようにゆっくりと、浮かんでくる。
火の玉だ。
青い火の玉が浮かび上がってくる。
なにか来る……
532
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/04(金) 02:17:43
>>531
「円山さん、見えるん?
『ハラジュク・ガール』持っとるけど、円山さんはスタンド使いや無いんよね?」
目くらまし目的なら一般人にも見えて当然かもしれんけど……
火の玉は熱くないってことやけど、危険性はいかがなもんやろ。
雪合戦の雪玉みたいに飛んでくるって話やったな。
「円山さん、手袋でもなんでもええから適当なもんを火の玉に投げてみてや。
うちは猫を確保するで」
小声ですばやく相談や。
火の玉がわざわざ出てきたってことは、猫を捕まえられたくないってことやないか?
ここは多少危険を冒しても猫を捕まえに行くとするで。
見た目に反して『ベティ・ブー』はスピード:B。猫を捕まえるくらい楽勝や!
533
:
『赤犬が追う』
:2015/12/04(金) 02:33:43
>>532
(斉賀さん)
円山:「『ハラジュク・ガール』に『スタンドを見る』っていう不可能を可能にしてもらいました。」
どうやらスタンドが見える一般人らしい。
不可能を可能にし、だからこそを実現するスタンド、それが『ハラジュク・ガール』だ。
円山:「適当なもの……?じゃあ、仕事用の携帯。」
「よいしょっ。」
円山はポケットからガラケーを取り出すと、火の玉に向けてぶん投げる。
猫は動かない。身じろぎ一つしない。
『ベティ・ブー』が猫の一匹に飛び掛る。
その手は問題なく、猫の体へと向かう。
身じろぎ一つしないのだから当然ではある。
が、その時、不思議なことが起こった。
捕らえにかかった猫の隣にもう一匹の猫がいた。
『ベティ・ブー』の手がその猫を貫通したのだ。
ガシッ
『ベティ・ブー』の手が猫を捕まえた。
火の玉は変わらず浮き続けている。
534
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/04(金) 02:43:09
>>533
「んおっ、スカッた!?
あれ? 捕まっとる」
なんや? 火の玉も動かんし……
他の猫も逃げんのか? というか、もしかして猫は全部模様一緒やったりせんやろな。
「なんやこら。全然動かれへんな。猫型の置物か!?
火の玉も動かんし、なんのために出てきたんかわからんで。
……というか円山さん、携帯投げてもうてよかったん? わざわざそんな壊れそうなもんを投げんでも……」
携帯はどうなったんやろ。火の玉が変わらず存在するということは、すり抜けて地面に落ちたか?
動きが無いようなら、他の猫に触ってみたり、手袋を外して、火の玉に近づけてみたりしたいわ。
535
:
『赤犬が追う』
:2015/12/04(金) 02:59:37
>>534
(斉賀さん)
猫の模様はそれぞれ違う。
が、よく見れば似たような模様の猫が何匹か居るようだ。
円山:「いんですいいんです。壊れたら叩けば直る不可能を可能にしてもらいますから。」
ある種たくましい発言であった。
斉賀は猫の調査を開始しようとする。
すると……
バッ バッ
青い火の玉の前に赤い火の玉が現れ、強烈な光を放った。
しかし『ベティ・ブー』に感覚共有はなく、斉賀自身もそこまで近づいていなったため
光による目くらましは失敗に終わったらしい。
円山:「うわ。気持ち悪っ。」
門の外からであった。
円山の携帯が火の玉を透過し、外に出てしまったためそれを取りに行っていた様だ。
門の外になにかあるのかもしれない。
536
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/04(金) 03:04:47
>>535
「わっ、びっくりしたわ」
青い火と赤い火は役割が別なんか?
しかしタイミングが微妙やな。捕まえたあとに驚かせてどうすんねん。
もしかして自動発動だったりするんか?
「どないしたん?」
火の玉も猫も気になるけど、なんや動かんし、先に円山さんの方に行って見るか。
塀の上にいるから外からでも見えるしな。
ところで、捕まえた猫は全然反応せえへんけど、ちゃんとこれ生きとる猫なん?
537
:
『赤犬が追う』
:2015/12/04(金) 23:37:25
>>536
(斉賀さん)
敵に対する疑問。
思い出してみれば発光しているのは赤い火の玉だけだったようだ。
円山の元へと向かうと、円山が険しい顔で筆を手に取っていた。
故障していたときのために『ハラジュク・ガール』をとりだしていたのだろうか。
浮かぶ文字は『スタンドに干 』どうやら書いている途中のようだ。
円山:「斉賀さん、保健所の番号知ってます?」
円山と斉賀の前にいるのはスタンドであった。
同じ顔、同じ体格。まるで塀の上にいる猫のように隙間無く存在するスタンドたち。
その顔や体は斉賀達の方へとむいている。
スタンドの頭上には青い火の玉が浮かんでいる。
戦闘態勢。そう思わせる状態であったが。
スタンドと青い火の玉たちが奥から順に消えていく。
そして同時にスタンドの足元でなにかが動いている。
斉賀は『ベティ・ブー』を確認する。
そこにいたのは猫ではなく、一匹の狐であった。
538
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/05(土) 00:05:26
>>537
ええと、『ベティ・ブー』が捕まえた猫が、いつのまにか狐になっとったっちゅうことでええんかな。
……京都に狐とかいるんか普通?
これちゃんと普通の、生きとる、生物としての狐なんやろうな?
「は? 狐……?」
なんやこの狐……どないしょ……
単に猫じゃなくて狐の幻に切り替えただけか? んなことする意味わからんけど。
一体こいつは何がしたいんや。
こんなあからさまにズラーッと並べて、かと思ったら、今度は数が減っていっとるし……
「うちが京都の保健所の番号知っとるわけないやろ……
円山さん、いったん波江さんとこ戻るで」
考えてみれば、夜を警戒しとるっちゅうのは相手もわかるはずや。
波江さんは『スタンド使い』。犯人も対応を変えて来ても不思議やない。
となれば、昼間に来ることこそ、不意を打つことになる?
どうも犯人の能力は、姿を映し盗って、増やせるようやな。
赤い火の玉が能力で映し出したもんやなくて、能力の一部だとすると……
あの眩しいのは、もしかしたらカメラのフラッシュみたいなもんかもしれへん。
そうじゃなかったとしても、もううちの姿は盗られとる可能性がある。
うちが出かけた間に、偽者のうちが簪を盗んでいかんとも限らん。
というわけで、いったん戻るで。
ところでスタンド……敵スタンドっちゅうのは、どんな見た目なんや? 人型?
足元で動いてるなんかも出来たら確認したいけど、時間がかかるようならやめとくで。
(まあ、明るいし、何事も無ければ一瞬で確認できると思うんやけど)
狐は……とりあえずそのまま抱えて行こか。
539
:
『赤犬が追う』
:2015/12/05(土) 00:20:05
>>538
(斉賀さん)
狐。『ベティ・ブー』が捕まえていたのは正真正銘生きた狐であった。
苦しそうにもがいている。
円山:「山でもないのに狐がいるなんて気味悪いですね。」
「そういえば奥様も狐顔ですよねぇ。」
敵のスタンドが消えていく。
小柄だが人型だ。その線は細く、貧弱そうではある。
スタンドの足元に目線を落としてみる。
毛の塊。小さい。人間ではない。
足元にいたのは―――狐達の群れだった。
540
:
『赤犬が追う』
:2015/12/05(土) 00:33:03
>>538
(斉賀さん)
波江:「はぁ、お狐さんが。」
波江の元へと戻る途中狐はなにもしなかった。
観念している、のだろうか。
波江:「どういうこっちゃ。」
「このお狐さんらがうちの家じぃっと見てはったんやろ?」
小首を傾げる波江。
狐は円山がどこからか持って来た籠に入れられている。
波江:「斉賀さん、どない思わはる?」
541
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/05(土) 00:48:03
>>539-540
この波江さんは本物なんやろか。
ちゃんと喋っとるし、本物なんやろけど……
「失礼、犯人はやっぱり幻を使うようやから、一応念のため確かめさせていただくで」
波江さんに触っとこ。セクハラやないで?
まあ、腕でええやろ。さすがに胸を触るのは無理あるしな……
ちょっと手をにぎにぎさせてもらお。セクハラやないで?
「正直さっぱりや。この狐が『スタンド使い』なんやろか?
しかし他にも一杯いたし……」
あれは幻やなくて、同じスタンドがいっぱいおったってことか?
うちもスタンドにそんな詳しいわけやないからなぁ……
精神性が似てれば似たようなスタンドを発現しそうやし、群れで生きる動物ならおかしくないんか……?
狐ってそんな群れをなす動物やったかどうかよう知らんけど……
「ただ、この狐が犯人に利用されてるだけとしても、
なんでそこらにいる猫やのうて、狐やねんっちゅう話やし、
なんかしら関係はあるんちゃうかなぁ。
一歩前進したと思いたいところやけど……」
しかしなんでこの狐は猫に化けてた時に動かれへんかったんやろなぁ……
『ベティ・ブー』で狐の鼻先をつついたりしてみて、狐にスタンドが見えてるかどうか確かめてみるで。
542
:
『赤犬が追う』
:2015/12/05(土) 01:01:40
>>541
(斉賀さん)
波江:「へ?」
波江の手をもむ斉賀。
波江は不思議そうに笑っている。
波江:「手ぇ揉んでくれてはんの?そやったらお返しやわぁ。」
波江が斉賀の手を取り揉む。
その指は手のあらゆるツボを刺激する。
ツボ押し独特の痛みが斉賀を襲う。
波江:「お狐さんなぁ。」
狐に群れをなす習慣は無いといわれている。
ただしあの狐達が集団行動をしていた可能性は高いのかもしれない。
『ベティ・ブー』の指が狐の鼻先をつつく。
狐はいやいや、とするように何度も頭を振る。
嫌がってるようだ。『ベティ・ブー』から逃げるように籠の隅へと向かっている。
牙をむいて恨めしそうに警戒している。
543
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/05(土) 01:15:38
>>542
「んん、ああ……おふぅ
波江さんマッサージ師の資格でも持っとるん?」
うへへ役得や……ゴホン
この狐の反応は……やっぱりスタンド見えとるんかなぁ。
「しかし、どないしよか。
気軽に買い物にも出かけれんなぁ。
とりあえず波江さんと円山さん、連絡先交換させてもろてええか?」
今までのことから考えて、姿を偽れるだけで声とか触覚は無理そうやけど、
用心するに越したことはないやろ。電話して確かめるっちゅうのは結構確実な手段やと思う。
「夜まで待ち構えるか、こっちから調査に出るか……
調査に出ても一回顔合わせた以上、もうこれ以上出てこんかもしれんし、
あるいはやっぱり姿を偽って侵入してくる可能性もある。
しかしなんも準備できんで夜まで待つのもな……
悩ましいとこやな。
……そうや、この狐に簪をちょっと見せてみたらどうやろ。
犯人と関係あるんならなんか反応あるんちゃうかな?」
ところで今何時くらいやろ。
前の襲撃があった時間は、寝ずの番ちゅうくらいやから夜遅くだったようやけど。
544
:
『赤犬が追う』
:2015/12/05(土) 01:28:20
>>543
(斉賀さん)
波江:「へ?うちお花のセンセよぉ?」
どうやら素人仕事であったらしい。
波江はなおも手をもみ斉賀の手に痛みを与える。
円山:「連絡先ですねぇ。」
「では、一筆。」
斉賀が筆を取り、宙に文字を描く。
『鈴元波江、円山円の連絡先を知る』
文字は斉賀の頭とスマホへと向かい、染み込む。
斉賀の頭には、文字と数字の羅列が浮かぶ。
おそらくメールアドレスと電話番号だろう。
斉賀は悩んだ結果、波江へ簪を向けるように指示する。
波江はが簪を向けると、狐は鼻を鳴らす。
次の瞬間、部屋の中に一体のスタンドが姿を現す。
小柄で線の細い人型、その体には『七本』の尾が生えている。
先ほど群れて並んでいたスタンドだ。
545
:
『赤犬が追う』
:2015/12/05(土) 01:42:40
>>543
(斉賀さん)
現在の時刻は『17時ちょうど』である。
546
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/05(土) 01:44:39
>>544
痛気持ちええ……って、まだやっとんたかい!
さすがにな、ほら、狐もスタンド出してきたし警戒せなあかんから
手離してもらうで……
あと連絡先交換にわざわざスタンド使わんでも……まあそれはええか
「あ! 出おったで。さっきのやつや。
……尻尾生えとるな。やっぱり狐が本体なんか?
万が一にも盗られんよう、簪を確保しといてえな?」
狐が捕まっとるカゴをどうにかしようとするか、簪を盗ろうとするか……どう動く?
とりあえず警戒して相手の出方をうかがうで。
本体(?)の狐を捕まえてる以上、逃げられる心配は無いはずやし……
547
:
『赤犬が追う』
:2015/12/05(土) 01:58:19
>>546
(斉賀さん)
波江:「『ディープ・パープル』」
波江は自らのスタンドを発現する。
どことなく狐を想起させるスタンドが姿を現した。
円山:「多分、本体はこの狐ですね。」
簪に反応を示した狐がスタンドを出した、その想定で大丈夫だろう。
敵スタンドの尾が一本外れる。それは宙で丸まり青い火の玉となった。
そして、姿勢を低くしている。
548
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/05(土) 13:34:05
>>547
なんや部屋の狐度が高いな……
「ふむー、尻尾が火の玉に……それが九本で、
さらに同じスタンド持ちの狐がぎょうさんおるとなると……めちゃくちゃ火の玉だらけになりそうやな。
しかしなんで狐が簪を狙うんやろ……ほんまわけわからんな。野生動物ちゃうんか。
黒幕は別におるっちゅうことか?」
ヴィジョンは弱そうやし、火の玉から出るのも幻のはずやから危険は無いと思うけど……
一応、真珠風ネックレスを球形をキーワードにくくって集合球にして浮かしとこか。
あとカゴが壊されるとは思わんけど、念のため部屋の出入り口の方に立っとこ。
『狐ちゃ〜ん、もしかして言葉わかったりとか……せえへん?』
スタンド会話……テレパシーみたいなもんやしも、しかしたら通じたりせえへんやろか。
まあ、わからんと思うけど、簪を狙ったりするようなやつらやしな。
話しかけるだけ話しかけてみるで。
549
:
『赤犬が追う』
:2015/12/05(土) 23:26:05
>>548
(斉賀さん)
波江:「うちにお狐さんの気持ちはようわからん。」
円山:「私にも分かりかねます。」
波江:「ただ、群れとったんやったら親玉がおっても不思議やないんとちゃう?」
群れ。たしかにあの狐たちは群れていた。
『ベティ・ブー』で集合球を作り、出入り口に経つ斉賀。
問いかけに返事をするかのように、青い火の玉から虎が現れた。
黄色と黒と白で構成された動物。虎。
斉賀の方を見、牙をむいて威嚇している。
しかし塀の上の猫のように鳴くことはない。
そうこうしている内に敵スタンドが動いた。
クラウチングスタートを思わせる低い姿勢から体を解き放ち、まっすぐに走り出す(スB)。
その先には波江と『ディープ・パープル』がいる。
波江はとっさのことで対応できるか怪しいが……
550
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/06(日) 00:22:07
>>549
「やっぱり言葉は通じんか……
群れのボス……狐と喋れる人間なんやろか?」
ただ、盗むものをちゃんと見分けてる時点で狐自体も相当賢い気するわ。
「おお、虎や。虎」
音は出せへんのかな。
そうなら成り済ましはそんな警戒せえへんでもよさそうやけど。
双方スタンド出してて警戒態勢って、全然とっさやあらへんから別に普通に対応できると思うけど……
まあ、『ディープ・パープル』のスピードとか知らへんしな。
狐のスタンドはわりと早いし、速度的に負けてる可能性はあるかな。援護しとこか。
虎はこけおどしやからスルーしてええとして、本体が可愛い狐やと思うと、殴るのもかわいそうやな……
ブレスレット玉を進行方向に移動して、足ひっかけてコケさしたろ(ス精BC)
万が一、虎がモノホンでも『球体』動かすだけやから対応できるやろ。
551
:
『赤犬が追う』
:2015/12/06(日) 00:36:01
>>550
円山:「ていうかほんとに黒幕、人なんですかねぇ……」
虎は叫ばない。
ただ斉賀をにらみ付けているだけだ。
波江:「なんで虎さんが出てきはるんよぉ。」
どうやら波江は虎のほうに意識が向いていたらしい。
自分に向けられた虎ではないのに難儀な人間だ。
狐に遠慮し、『ベティ・ブー』を操作して足元を狙う。
集合球は敵スタンドにぶつかり、スタンドは速度もあいまってか横転。
波江:「あ、いま。」
隙ありとばかりに『ディープ・パープル』が頭部を叩く(スC)。
斉賀の遠慮などどこ吹く風である。
スタンドの頭部に『青い紫陽花』が咲いた。
なんとも間抜けな絵面である。
552
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/06(日) 00:50:57
>>551
「せやかて人間以外が簪とか羽織とか欲しがらんやろ普通……
それとも宇宙人が地球の和風文化の研究のために盗ませてるとか?」
人間以外で知的生物言ったら宇宙人が出てくるあたり、うちの想像力も我ながら貧困やけど……
そら狐のボスは狐っちゅうのが当然やけど、狐が簪欲しがるのもおかしいしなぁ。
しかも和風アイテムならなんでもええっちゅうわけやなくて、明らかに色々狙って盗んでるし。
「……んん、ちょお待って、その花、下手すると狐ちゃん死ぬんちゃうか?
捕まえるだけでええって」
あ、あれ、幻を出せるって説明してなかったやろか……まあええわ。
名前的に紫色の紫陽花かと思ったら、青いな。
虎はやっぱりこけおどしみたいやから、スルーして狐のスタンドを押さえに行くで。
どのくらい脆くなってるのかわからんから、頭に衝撃を与えんように気つけんとな。
553
:
『赤犬が追う』
:2015/12/06(日) 01:09:05
>>552
(斉賀さん)
円山:「宇宙人かぁ。ありえなくもないですね。」
「ここは権謀術数渦巻く京都。何が起きても不思議ではありません。」
限度は当然ある。
円山もまさか本気にはしていないだろう。
波江:「すんません。えらい手ぇ焼かしてしもうてぇ。」
「いや、大丈夫。死なん死なん。」
「ちょっと痛い目見てもらお、思て。」
『ベティ・ブー』はスタンドを取り押さえる。
観念したのか敵スタンドは動かない。
青い火の玉は消え、虎も消える。
波江:「もうびっくりさせんといて、急に出したらびっくりするやろ。」
波江が意味不明な説教を籠の中の狐にしている。
円山:「斉賀さん、どうします?買い物とか。」
554
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/06(日) 01:22:00
>>553
いつの間に京都はそんな魔都になったんや……
「どないしよか。
一匹なら大して怖くないけど、ぎょうさん出てきたらなぁ。
……まあ、パワーは多分そんな無いやろし、戸締りしっかりしとったら大丈夫か?
波江さんどうや? 留守番大丈夫そう?」
なんや年上の人に留守番できそうか聞くのってなんか失礼やろか……
いや、あからさまに脅威が迫っとるんやからおかしないはずやけど。
「この狐ちゃんはどないするか
……発信機があればホンマ、逃がして本拠地を突き止められそうなんやけどなあ。
携帯のGPS機能とかでそういうの出来たりせんやろか」
うち、そんな機械とか詳しないからなぁ
ひとまず狐のスタンドを離してやるで。パワーはどんくらいやったんやろ?
取り押さえたときにすぐに抵抗をやめて分からなかった感じか?
ところで狐のカゴにはちゃんと鍵かかっとるんか? スタンドが人型やとカゴの入り口くらい開けてきそうや。
あとどんなカゴなんや。木製のカゴとかだったらさすがに壊されて逃げられそうやけど
555
:
『赤犬が追う』
:2015/12/06(日) 02:04:31
>>554
(斉賀さん)
波江:「……多分、大丈夫や思うよ。」
「や、どないやろ。あんさんと一緒におった方が安全なんは事実やわ。」
先ほどの集団が襲ってくれば波江だってひとたまりもないだろう。
同行させるもさせないも斉賀の心次第ではあるが、波江も今回の件で狐についての知恵が付いているだろうし
虎のときのような妙なアクシデントがなければ大丈夫かもしれない。
波江:「大丈夫。さっきみたいな阿呆はせん。やから安心しぃ。」
円山:「GPSですか。うーん。鈴元家ってどうも機械に弱いんですよねぇ。」
「それに、簪とかの盗みたいものを見分けられる狐が携帯くっつけられて気付かないってのも考えにくいんではないでしょうか。」
固定の仕方によってはスタンドで取り外されたり途中で落ちてしまう可能性もあるかもしれない。
実現は少し難しいだろう。
敵スタンドの頭の紫陽花からは霧のようなものが出ていた。
敵スタンドは離されるとすぐに手で紫陽花を払おうとするが、花が揺れるばかりで落ちることが無い。
波江:「こないな花一つ散らされへんの?」
波江の平手一発。花は散ってしまった。どうやらこのスタンド人間以下の力しか持たないようだ。
花が散るとスタンドは消えてしまった。
斉賀は籠を確認する。
ラタン、と呼ばれるものだ。割合丈夫な素材であると思われる。
鍵は存在しないが、入り口のところに針金が巻かれてあり、ぎっちりと固定されている。
敵スタンドのパワーで破壊するのには時間がかかりそうだ。
波江:「さて、どないしよかな。ホンマに。」
「うちかお手伝いさんにでも見張ってもらおかなぁ。」
「それやったら斉賀さんも安心して買いモンいけるんとちゃう?」
円山:「最悪、私ひとりで買ってきますけど。」
556
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/06(日) 02:15:57
>>555
家レベルで機械苦手なん?
まあ、和菓子屋やしな……あれ、波江さんはお花の先生やっけ。
「うん、まあ、このパワーなら滅多なことはあらへんやろ。
しっかり簪握っとけば。
円山さんが一人で襲われるほうが怖いし、一緒に行こか」
円山さんが狙われることはありうるのかどうか、
どーも相手の知能レベルがよくわからんからなぁ。
人間と同じと考えたほうがええんやろか。
「ほな、今度こそ行ってくるで」
そんな絶対必要ってわけでもないんやけどな。買い物。
外行ったらまたなんか進展あるかもしれんし。
557
:
『赤犬が追う』
:2015/12/06(日) 02:27:36
>>556
(斉賀さん)
鈴元波江は花のお花の先生である。
嫁に入った家の仕事と彼女の仕事は別なのかも知れない。
円山:「じゃあちょっと予定ずれちゃいましたけど行きましょうか。」
円山と共に駐車場へと向かう。
塀にもどこにも、狐や猫は居ない。
駐車場に付いた二人は車へと乗り込んだ。
黒い一般的な乗用車であった。
円山:「えっと、ホームセンターでよかったですよね?」
「防犯用のカラーボールと網、だけでしたから。」
他に何か必要は物はあるだろうか。
558
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/06(日) 02:36:26
>>557
「おらんな」
いいや、今度は草花に擬態しとらんとも限らんで。
そういやなんで猫に擬態しとった時は動かんかったんやろ……
「狐って何食べるんやろな。
ドッグフードでええかなぁ。あと首輪はどないしょうか。
野生動物って勝手に飼ったら、やっぱりあかんかなぁ」
ペットショップへ行こ!
559
:
『赤犬が追う』
:2015/12/06(日) 02:58:10
>>558
(斉賀さん)
円山:「いませんねぇ。」
念のため草花も確認する。いる気配は感じ取れない。
幻を出す条件でもあるのだろうか。
円山:「狐って肉食じゃなかったでしたっけ。鼠とかじゃないですか?」
「ていうか、飼うんですか?狐。」
狐の家畜化はなされていないのだろうから狐用のペット用品を探すのは難しいだろう。
犬や猫用のドライフードも与えれば一応食べるだろう。
狐を懐かせるのには苦労するかもしれないが。
円山:「到着です。」
着いた先はペットショップ。
『八隅動物店』と書かれている。
円山:「個人経営ですけどけっこう品揃えいいですよ。」
さて、なにを買おうか。
560
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/06(日) 17:20:22
>>559
「ね、ねずみかぁ〜〜……ちょっとぐろいな」
「可愛いやん狐。
って言うても、あんなにぎょうさんおったらさすがに引き取れへんけどな。
あの一匹だけならいけるけど、群れから引き離すのもどうなん? ってとこやし。
かといって保健所行きもかわいそうやし」
あの狐たちは何食っとるんやろな。
京都は詳しないけど、ここらへんに群れを養えるほどの狩りができる獲物がおるんやろか。
それとも野良犬みたいに残飯漁っとるんか。
あの群れを食いモンでもない簪なんかを盗ませるくらい、生活に余裕を与えるボスか……なにもんなんや。
盗みに来た狐を捕まえてもボスを見つけんことにはなんともならんし、ほんまどないしょ……
「とりあえずドッグフード買おか。
捕虜に飯を与えないのは虐待や。
狐について店員さんにお知恵を拝借したいとこやけど、さすがに取り扱ってない動物には詳しないかな……」
ドッグフード買って、首輪はとりあえずはいらんか……
狐は群れをつくるんか、とか、習性とか、なんか参考になりそうなこと聞きたいとこやな。
あんまり期待はできんけど……
561
:
『赤犬が追う』
:2015/12/06(日) 23:22:50
>>560
(斉賀さん)
円山:「あー。でも私猫派なんですよねぇ。」
円山は狐をあまり好まないようだ。
あまり一般的に見かけるような生物ではないし、愛着をわかせる動物でもないだろう。
「いっらしゃいませー。」
店員は一人だ。
長ったらしく髪を伸ばした男。その耳にはイヤリングが光る。
「はぁ、狐ですか。山から下りてきたんスかね。」
円山が狐を捕まえたと離すと、店員は不思議そうな顔をして言った。
「餌?餌っスか。まぁ、あれですね。ドライフード。」
「本土とかで見るのはホンドギツネっていうんスよ。肉食の傾向がありますけど、雑食だったはずっス。」
「鼠とか鳥とか、火を通したらレバーとかもいくはずっスね。果物も食べますけどぉ。」
店員はごそごそと店の棚からドライフードを持ってくる。
色々な種類があるが、まぁ安いものでいいだろう。
缶詰まで出してきた。そこは商人、色々と売りつける気かもしれない。
「狐ってたしかあんま群れないっスよ。家族単位で行動してるらしいっスけど。
あ、でもグループが大きくなるって可能性はあるっスね。」
「狐、住み場所減ってるんで。色んな狐が寄り集まってるんかも。」
「そういえばそろそろ繁殖期っスねぇ。」
つらつらと狐について説明している。
店員が出してきたのはドライフードや缶詰といった食料類のほかに首輪やケージのカタログまで持ってきた。
商魂たくましい。
562
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/07(月) 00:16:56
>>561
まあ、そら猫は当然可愛いけど。
犬だって狐だってフェレットだってハムスターだって蝙蝠……は種類によるか
蛇とか亀も可愛いんやけど、やつら反応が面白無いからなぁ。
「ここらにも狐おるんか。なんか北海道におるイメージあったわ。
キタキツネってやつかな?
そういえば、狐のお面とか、京都っぽい感じするわなぁ」
なるほどなあ。住処を追われた狐の寄り合い所帯……
なんや、アレやな、平成狸合戦とかいう映画を思い出すわ。
あの狐のスタンドがもっとすごかったら人間のふりして人間に混じって暮らすとか映画みたいなことも出来たかもしれんね。
繁殖期やから人間の真似して結婚式なんかしてみたり……って、食いモンと住処に余裕ないとそんなことせえへんよな。
あの数の狐を養う場所が、犯人の本拠地っちゅうのは頭に入れとくか。
「ああ、いやぁ、まだ一匹保護しただけで、飼うかどうかはわからんねん。
ひとまずドライフードと……せやなぁ、なんかこう、猫にマタタビみたいな感じで、
狐を酔っ払わせるようなもんとかってあったりするん?」
犬を酔わせるってあんまり聞いたことないわな。
あと聞いたことあるんは……蜘蛛にコーヒーで酔っ払うとかやったかな。
563
:
『赤犬が追う』
:2015/12/07(月) 00:37:00
>>562
(斉賀さん)
動物はなにか、人とは違うものを持っているのかもしれない。
「よく知ってますね。そうっス。北海道とかのはキタキツネっスよ。」
「狐のお面は仕入れて無いっスねぇ。」
けらけら笑う店員。
冗談のつもりだろうが、目が笑っていない。
狐達に思いをはせ、狐にきくもの、猫にとってのマタタビを問う。
「あー。なんでしょうねぇ。俺も狐専門って訳じゃあないんス。
犬には乾燥ミミズとか聞きますけど、眉唾ですし。」
「あ、こういう噛む餌とかどうっスか。」
また店の奥からなにか餌を出してきた。
どうやら決定的なものは見当たらなさそうである。
「そういや保護ってなんスか。野良狐でも拾ったんです?」
564
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/07(月) 00:59:43
>>563
「そおかー……残念やな。
保護っちゅうのは、まあ、なんちゅうか……
盗みに入ってきたんを捕まえたって感じ、かな……」
いや、塀の上におったんをふん捕まえたんやけど、
それだけ言うとうちが悪者みたいやん。
盗んだのは先日やけど、まあ間違ってないしええやろ……
「ほな、ありがとなー。
もし飼うことんなったらまた来るかもわからんで、よろしゅうな」
ひとまずペットショップはこれくらいにして、次行こか。
また来るかも言うのはリップサービスやけど。
飼うことになったら地元のペットショップ行くと思うしな。
あとは網とカラーボールか。
網は狐相手やから人間より有効やろ。
カラーボールは……人間の服と違ごうて自前の毛皮やから、ちょっとかわいそうやけど。
本拠地かボスをどうにかせなあかんとなると、やっぱり発信機みたいんは欲しいなぁ。
家電屋になんかそういうの売ってたりせえへんやろか。
565
:
『赤犬が追う』
:2015/12/07(月) 01:25:48
>>564
(斉賀さん)
「盗み?あーあれっスか。食べ物とか。」
「大変っスねぇ。あ、狐、夜行性なんで夜気ぃつけてくださいね。」
「縄張りにおたくの家とか入ってたら大変っスから。」
そう言って店員は頭を下げた。
もはやここに用は無い。
次の目的地へと向かおう。
次に着いたのはホームセンターだった。
発信機について話したら円山が隣に電気屋がある店を選んでくれた。
少し時間はかかったが、まぁ大丈夫だろう。
円山:「網とカラーボールどのくらいいります?」
網とカラーボールはあったようだ。
カラーボールは野球のボール程度の大きさのもの。
網はいくつか種類があり、頼めば1m×1mの正方形がたから売ってくれるらしい。
円山:「発信機なんですけど、あれ試してみます?『ハラジュク・ガール』」
566
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/07(月) 01:47:36
>>565
「う〜ん、よお考えたら6個もいらんかな……でも多いに越したことないし」
カラーボール同士やなくても、丸いものでくくって集合させれば、ええしな。
カラーボールは4個くらいで、スーパーボールとか沢山買っとこ。
いや、ホームセンターにスーパーボールは無いか?
軟球とかならあるかな……
網は……大きさは1m四方で足りるか?
尻尾いれるともうちょっとありそうな気するけど
捕まえた狐はどのくらいの大きさやったやろか?
あと、狐の数やな。さっき見た狐はどんくらい居ったんや?
「あと夜道で追跡する可能性もあるから懐中電灯と……
ん? 『ハラジュク・ガール』?
正直どこまで出来るんかいまいちようわからねんけど……できそうなん?」
捜査は難しい言うてたけど、追跡ならできるっちゅうことか?
逃げられた、だからこそ追いつける。みたいな?
567
:
『赤犬が追う』
:2015/12/07(月) 02:05:49
>>566
(斉賀さん)
円山:「あんまり多すぎると荷物になりますよ。」
「おー。見てください。スーパーボールすくいセットですって。」
細長い箱にはスーパーボールすくいセットの文字。
縁日などで使うものだろう。
一応スーパーボールだ。もちろん、買えば使えるか分からないポイが付いてくるが。
円山:「網って便利なんですねぇ。」
先ほど捕まえた狐は尻尾も含めて80cmぐらいであった。
ちなみにいた数は十数匹。
それぐらいの群れなのかそれとももっと多いのかは未知数だが、1m四方では少し足りないかもしれない。
懐中電灯は一般的な手もちタイプが多い。
LEDのものなどは小さくても明るく闇夜を照らしてくれるだろう。
円山:「『ハラジュク・ガール』って自意識があるんですね。」
「で、筆が許可したことしか能力の対象に出来ないんですけどぉ。」
「査定条件ってのがあって、『不可能性が高いこと』なんですよ。」
犯人について人を使って捜査している段階だったので犯人について知ることが出来る、というお題を『ハラジュク・ガール』は跳ねのけたという。
円山:「狐に逃げられた時に『狐を見つけられる』ってしたらどうです?」
「暗い夜の京都。斉賀さんはこの町の生まれじゃない。狐っていう小動物を追いかける。
しかも、相手は幻でかく乱してくる。敵の本拠地の手がかりは無い。どうです?『不可能性』が高くありません?」
「ハードモードをイージーモードに、それがこのスタンドですよ。」
568
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/07(月) 02:20:52
>>567
へー、ホームセンターってこんなんも売っとるんかぁ
「せやかて、どのくらい狐がおるのかわからん、
ボスがどんなんかわからなんとなると、出来るだけ沢山用意したなるのが人情やん。
大は小を兼ねる言うやん」
確かに荷物が多いと不利な場面もあるかもやなぁ。
リュックでも買って、そこにスーパーボールとか詰めとくか。
なんと背中の防護にもなるで。
狐を全部捕まえる必要は無いやろし、網は……まあ2mくらいのが12個でどうやろ。
集合球にすれば2個分やな。
「なんや努力が否定されたような気持ちなるけど……
そしたら下手にカラーボールとか使わんほうが成功率高なるんかな」
カラーボール当てたら追跡できるってもんでもないやろうけど、
無いほうが難易度は高いと思うし……
「……ところでこれは事件とは全然関係ない雑談やけど、
連絡先交換にも筆使っとったけど、連絡先交換が不可能なレベルの機械音痴なん……?」
569
:
『赤犬が追う』
:2015/12/07(月) 02:42:33
>>568
(斉賀さん)
円山:「おぉ。なるほど。」
リュックサックも一応置いてあった。
割と大きいサイズのものもあるのでキチンと整理すれば中身がぐちゃぐちゃになることも無いだろう。
円山:「そこが難しいんですよねぇ。自意識あるっていったでしょう?楽しすぎって判断してもいう事聞いてくれないんですよ。」
「あんまり使いすぎると人間としてダメになる気もするんですよねぇ……」
その割には色々と便利使いしているようではある。
円山:「まぁでも、斉賀さん。私達は筆じゃなくあなたに問題解決を依頼してます。」
「それに、あなたの努力を踏みにじるような真似を我々は望みません。」
「どうしても、どうしても必要だと感じたら言って下さい。それ以外では私達手出ししませんよ。」
「発信機、代替になるもの探しましょうか。」
努力の上に成り立つ。そういいたいようだ。
信用するもしないも斉賀自身ではある。
円山:「え?えへへ。私は出来ますよぉ。」
「奥様逆パカ常習犯ですしぃ。パソコン電源入んなかったから壊れてるって平手打ちしてホントに壊しかけたりする人なんで。」
かなりの機械オンチらしく、円山達はなるべく波江に機械を触らせたくないらしい。
570
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/07(月) 02:57:59
>>569
「そ、そうなん……」
うちは機械の扱いは普通や。
せやな。ちょっとスマホで発信機について調べてみるか。
ここに売ってるかどうかわからんけど。
「迷子猫発信機、ロケーター
15000円かぁ。う、うーん高っかいな」
ttp://www.oftww.com/www/hanbai/loc8/loc8.htm
あの狐は賢そうやからなぁ。
前に指摘されたとおり、外されてまうかもしれんし……
いや、あのパワーじゃ外せんかもしれへんけど、うまく巣に戻ってくれないかもしれへん。
買ったけどダメでしたじゃ悲しいもんがあるわ。
「足に墨を塗る……めっちゃ長い紐をくっつける……無理あるわな」
571
:
『赤犬が追う』
:2015/12/07(月) 03:26:05
>>570
(斉賀さん)
円山:「まぁお金はうちらで何とかしますよ。失せ物探すのに使えそうですし。」
「ちょっと問い合わせてみましょうかねぇ。」
携帯を取り出して電話をする円山。
小動物の捜索には難しい。
発信機は使えるが、巣に戻らない可能性もまたある。
巣がどこにあるか分からない状況である。
確実に巣に戻るという確証があるのなら十二分に使えるはずだが。
円山:「あー斉賀さん。あるっぽいです。」
「一個だけ。」
「それと、思ったんですけどペットショップの人山から下りてきたって言ってたんですけど。」
「あいつらの巣って山ですよね?目撃情報とか出没注意とか無いんですかね。」
572
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/07(月) 18:49:26
>>571
「あるんか、うーん、買っておく……?」
そうなると発信機をつけるのに首輪もいるやんな。
「山、なんかなぁ。ボス……黒幕が人間やったらどっかで飼ってるかもしれんし
そこはわからんけど、あいつらスタンドで犬猫に偽装できるからなぁ。
犯行現場近くで犬猫がいたっちゅう目撃情報はあったけど……
ちゅうかその目撃証言って簪探してる人達からの連絡やったやろ。
そっちの家のもんがそういう情報集めとるんやないの……って、そっか、犬猫はオマケ情報やったな」
さすがにうち自身が被害に遭った家々回る時間は無いと思っとったから
情報集めるのは諦めとったけど、
探してる人達に犬猫情報聞いたほうがええんかな。
「じゃあ聞いてもらってもええかなぁ。
……犬猫情報をなんで欲しとるんかっちゅう説明はよう思いつかんけど。
もしかして鈴眼ではスタンドは別に秘密でも無くてみんな知っとるん?
せやったら説明は楽なんやけど」
ラインで連絡取り合ってたから、情報流すんはすぐ済みそうやな。
猫に化けとるんはうちに見破られたから、また別のもんに化けとる可能性もあるが……
対象に犬猫を選んどるあたり、あんまり大きさが違うと違和感あるんやないかなぁ。
だって、目立たんちゅうならもっと鼠とか蟻とか小さいもんのふりすればええわけやし。
でも自分の体が消えるわけやないから、自分の体より大きなものにしか化けれんのやろか。
だとすると他の候補は人間くらいやけど……
573
:
『赤犬が追う』
:2015/12/07(月) 23:39:46
>>572
(斉賀さん)
円山:「まぁ、あってこまるものじゃないですよね。」
帰りに先ほどのペットショップに戻れば首輪も買えるだろう。
もちろん、発信機を買うならの話ではあるが。
円山:「犯人探しから動物探しにシフトしていただきましょうかね。」
「スタンドについて知ってる人は一部ですね。」
「……その一部に声かけますか。」
スマホをいじり、仲間へと連絡を送る。
ひと段落ついたらしく、円山は斉賀に笑みを向けた。
円山:「いけましたいけました。上手くいけばそんなに時間かからないです。」
「カラーボール、網、懐中電灯、スーパーボール、リュックサック。ここで買うのはこれだけでしたよね?」
他に買うものがあれば買っていこう。
なければ電気屋に行くかまた別のどこかに向かうか、だ。
574
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/07(月) 23:56:12
>>573
「ん〜、せやね。他か……」
ボスが凶悪な奴やった時に備えて、刃物も用意しといたほうがええやろか……
いや、コソ泥にそこまですんのはなんやし、他のもんと混ぜて使えるとなると玉がええか。
ビー玉でも買っていこか。
あんまり怪我させたない時はスーパーボールで、攻撃力が欲しいときは硬いビー玉でってな。
「おし、OKや」
あとは発信機と首輪か。
……しかし発信機をつけて捕まえた狐を離すとなると、餌はいらんかったか?
ま、まあええわ。
ただ逃がすと怪しまれて巣に向かわんかもしれんし、
むしろ逃がさんようにしておいて、逃げてもうたら発信機が生きるみたいな感じでいくか。
盗むもんを区別してるあたり、賢いのかと思ったけど、あからさまに怪しく猫をズラーッと並べたりもするし、
相手の賢さがようわからんからな。案外、発信機で簡単に巣がわかるかもしれん。
575
:
『赤犬が追う』
:2015/12/08(火) 00:36:47
>>574
(斉賀さん)
網の袋に入ったビー玉も籠に入れる。
太陽などの光にすかしてみれば美しいビー玉だが一度ぶつければ強烈な武器になる。
ものは使いよう、そういうことなのかもしれない。
円山:「よし、じゃあ電気屋さん行きましょう。」
電気屋に移動すると円山は一目散に店員の元へと行った。
なくなってしまわないうちに、というわけか。
円山:「運よかったです。注文があって取り寄せたら先方がキャンセルして在庫になってたんですって。」
円山が発信機を買って帰ってきた。
後は首輪だけ、だろうか。
576
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/08(火) 00:48:03
>>575
「ほう、ツイとるな!」
こっちも助かるし、電気屋も在庫がはけてWINWINやな!
買い物がWINWINなのは別に普通か!
「往復させてもうてすまんな……」
ペットショップへの移動中、波江さんに電話でもしとこか。
今から帰るでーってな。
さすがに電話にでるくらいは出来る……わな?
577
:
『赤犬が追う』
:2015/12/08(火) 01:00:11
>>576
(斉賀さん)
円山:「何のために注文したんですかね、その人。」
取り寄せてもらうほど欲しいものをキャンセルした人物について円山は考えているようだ。
円山:「大丈夫ですよ。その分働いていただくんですから。」
決戦はまだ少し先のことだ。
夜以外の時間は円山達が働いてくれる。
prrrr
prrrr
少し長めの待機音を聞くと、波江は電話に出た。
波江:「はい鈴元ですぅ。どちらさんやろか。あ、斉賀さん?」
「あぁそろそろ戻りはんの?あぁ丁度出前取った所やわ。」
「お風呂の準備も出来とるから帰ってきはったらゆっくりしてってねぇ。」
578
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/08(火) 01:19:39
>>577
「さあ……浮気調査に使お思うたけど、誤解が解けたとか?」
有効範囲がそんなでもないから、浮気調査には使いにくいかもやな。
ペットに使おう思っとったけど、ペットが亡くなったとか……
気が滅入るからあんまり想像するのはやめとこか。
「ありがとございますー。
あとちょっとしたら帰りますわー」
波江さんのほうは襲撃もなく無事そうやな。
やっぱり来るのは夜か。
あとは首輪を買って帰るだけやな。
そういや、結局、京都っぽいもん見とらんなぁ。
車の窓から観光しとこか。
犬とか猫も狐が偽装できるくらい普通におるんやろか。
579
:
『赤犬が追う』
:2015/12/08(火) 01:29:34
>>578
(斉賀さん)
円山:「まぁ、なんにせよ、私達の元に来たのはよかったですね。」
この調子で簪も取り戻したいところだ。
波江:「はぁい。ほなねぇ。」
「天城さん、通話切るんてこれでエエの?」
なにやら近くの人に話しかけているようだが、通話は無事終了した。
終了した、というよりは誰かに終了してもらった、という色が強い気もするが。
円山:「もうちょっとですからねぇ。」
ラジオからはゆったりとした音楽が流れている。
窓の外は落ち着いた町並みが広がる。
いかにも古都、そういう風景ではない。
しかし普段は色鮮やかな店の看板はどれも地味な色合いに変わっている。
景観を壊さないように配慮された人工物は決して街路樹たちの作り出す風景の邪魔はしない。
人通りには何人かの人々が歩いている。平和だ。
円山:「着きましたよ。」
再び『八隅動物店』へ。
580
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/08(火) 01:43:00
>>579
……さて、なんて言って首輪を買うか。
まあ首輪買うんにそんな言い訳とかいらんけど、
普通んやなくて、注文が発信機つけられる首輪やからな。
他の狐も来るんで、巣をつきとめたいって、言っとけばええかな。
嘘やないし、多分おかしないやろ。
別に店員さんに説明する義務とかあらへんけどな。
さっさと買って帰ろか。
581
:
『赤犬が追う』
:2015/12/08(火) 02:10:24
>>580
(斉賀さん)
「狐の巣を見つけるために発信機っスか。」
首輪を買った。太めの首輪だ。
発信機を取り付けることも可能だろう。
「大変っスねぇ。山ん中だったら大変っスよ?」
適当に店員との会話をすまし、店を出る。
これで他に買うものはないだろう。
鈴元家に二人は戻った。
帰ってきた二人を出迎えたのは波江や住み込みのお弟子さん達であった。
みな忙しそうにしていたが、斉賀たちの姿を見えると意地なのか忙しくないように振舞った。
食事は寿司が出され、暖かい風呂も用意されている。
波江:「ゆっくりていってなぁ。夜が本番やからねぇ。」
時計は『19時30分』
特にやることもなければ夜に向けて寝るのもいいだろう。
もちろん、狐達が来るまでにおきてこなければいけないが。
582
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/09(水) 00:29:00
>>581
忙しいやろに、なんや悪いなぁ。
でもうちがなんかすると余計、気遣わせてまうやろから大人しくしとこ。
そしておSUSHI!
バイトとは思えん身分やね!
せやな、今のうちに仮眠とっとべきかもしれへん。
けどその前に、捕まえた狐に餌やって首輪つけんとな。
ほら、野生の狐はやっぱりな。エキノコックスとか怖いからスタンド越しに触れるうちがやらんとな。
583
:
『赤犬が追う』
:2015/12/09(水) 00:59:32
>>582
(斉賀さん)
アロ
波江:「斉賀さんは手ぇ洗うてまっとってねぇ。」
これがおもてなし、というものか。
たかがバイトなどと言わずきっちりと対応することが誇りなのだろうか。
それだけのことが出来るという意地や見栄か。
真意は不明だが料理も扱いも上質のものだ。
円山:「斉賀さん、捜索組に聞いた情報なんですけど。」
狐に餌を与えているときに円山が話しかけてきた。
円山:「ここ最近で犬とか猫の目撃情報は増えてるみたいです。」
「反対に山道とかで狐を見かけた件数はめっきり減ってるみたいです。」
「多分……というか確実に犬猫は狐が姿を隠すためのカモフラージュ的に使っているんだと思うんですけど。」
「行動範囲があるみたいなんですよね。」
そう言って床に紙を広げる。
手書きの地図のようだ。
円山:「盗まれた被害者、あと未遂の家って偏ってるんですよね。」
「お隣とか向かいってほどの近さじゃないんですけど、まぁそんなに遠くない。」
「黒幕と本拠地ってこのへんから案外遠くないのかもしれないですね。」
「まぁ、このぐらいの情報しか集められませんでしたけど……」
さて、狐への首輪の設置も完了した。
円山やここにはいないが波江に確認したいことがあるなら確認しておくべきか。
なにもないなら休んで備えるのがいいだろう。
584
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/09(水) 01:09:44
>>583
「行動範囲が狭いんはグッドニュースやな。
捜索してくれた人達にありがと伝えといてや」
発信機もそんなに射程長いわけやないしな。100mくらいか。
壁とかで阻まれるとさらに短なるしな。
んー、波江さんと、襲撃時にどうするかを、ちと話し合っとくか。
囮の簪をどっちが持つかとか、本物の簪をどう隠すかとか……
一旦寝てからでもええけど、相手がいつ来るかなんて確実なことは言えんし、
ギリギリになるのもなんやしな。
波江さんどこにおるんやろ。忙しいんかな?
585
:
『赤犬が追う』
:2015/12/09(水) 01:31:15
>>584
(斉賀さん)
円山:「奥様ですね。今お部屋に待機してると思いますよ。」
そう言うと円山は部屋に案内してくれるつもりらしく立ち上がった。
この狐はどうしようか。
部屋に入るとその部屋は電灯で明るく照らされている。
さらに部屋中に新聞紙が敷き詰められいつでも汚せる準備が整っているようだ。
ここが襲撃に備える部屋、という訳だろう。
縁側に続く襖がある。
波江:「成功する。せん。する。せん。」
波江は一枚の紙の上にのった紫陽花の花で花占いをしているようであった。
紫陽花の花は赤い。そしてしゅうしゅうと霧のようなものを出している。
側で『ディープ・パープル』が立っている。
波江:「あ、斉賀さん。どうもぉ。何のご用やろか。」
紫陽花の花を消して斉賀に向き合った。
波江:「お狐さんが来はったら?」
「そやねぇ。囮はいつも通りこの風車立て。ホンモンは……斉賀さん。あんさんに預けてもエエやろか?」
586
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/09(水) 01:44:24
>>585
花占いとは……華道の先生やったな。
いや、華道と花占いはあんまり関係ないか?
「え、うちが?
うーん、確かに波江さんが持ってるより意外性あるから、
うちが持っとったほうが安全かもしれんけど、
追跡もする予定やしなぁ……
いや、追跡するときは返せばええか」
なんと喋ってるうちに自己解決してもうた!
本拠地に行くのに簪持ってたら危ないからな。
「あとは発信機をつけた捕まえた狐なんやけど、
襲撃時にわざと逃がそうと思ってん。
あの首輪が発信機ついとるってことまでわかるかどうか知らんけど、
ただ逃がしたんじゃ、素直に巣に帰ってくれへんかもやからな。
仲間が来て、ドサクサまぎれにカゴが開いて、
ラッキーて思ってくれたら素直に巣に帰ってくれる可能性もあがるやろ」
これについては波江さんの協力はべつにいらんけど、雇い主やし報告やな。
狐に言葉がどのくらいわかっとるか知らんけど、聞かせたないし、
この話が終わったらこの部屋に運び込もか。
587
:
『赤犬が追う』
:2015/12/09(水) 01:56:28
>>586
(斉賀さん)
波江:「うちは今ツキがないからねぇ。」
「ふんふん。逃がすやね。かまんかまん。」
狐の件についても波江は了承してくれた。
拒否する理由が彼女の中に無いのだろう。
波江:「お狐さんは斉賀さんが追っかけるとは思うんやけど他にもなんやお手伝い要る?」
「追っかけるときに誰それに付いて来て欲しいとか、お狐さんら来たらこうして欲しいみたいなん。」
なにかあるなら提示しておこう。
なければ狐を連れてきて待機だ。
588
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/10(木) 00:11:55
>>587
「うーん、どやろな……危なないかな……
『ハラジュク・ガール』でスタンドは見えるように出来るんやったっけ
でもスタンドのこと知ってる人達はずっと捜索してて疲れてそうやしねえ」
手分けして探す意味はあんまり無さそうか?
「いや、範囲がわかっとるからな。
街角に立っといてもらって、こっちの方向来ました、こっちの方来てませんっちゅう風に
報告してくれるだけでもかなりありがたいか……
見るだけなら危険は無いやろし……」
ゲームで、話しかけると「〜はあっちに行きました」みたいなこと言ってくれる町人みたいな感じやな。
「ただ、日中も動いとったのに、冬の夜に立っとって、
幻を纏える相手を見逃さないように集中せなあかんし
地味で寒い仕事やから頼むのは気が引けるわな……
それ以外やと、ほんま見失って詰んだ時に
『ハラジュク・ガール』を使うてもらうために円山さんが一緒に着て欲しいくらいか」
しまった……もう仮眠する時間無くなってしもうたか。
しゃあないから準備して待機やな。
簪は服の袖に隠しといて、『集合球』の材料を床に置いとこか。
ビー玉数十個、スーパーボール十数個、カラーボール一個ってとこやな。
網も適当に重ねて置いとこか。
589
:
『赤犬が追う』
:2015/12/10(木) 00:36:39
>>588
(斉賀さん)
円山:「見張り、みたいな感じですね。」
波江:「今手ぇ空いてはるんって天城さんくらい?」
円山:「後は二、三人くらいですね。一応頼んでみますけど、あんまり期待はしないようにお願いしますね。」
円山がスマホを操作して答える。
断られる可能性も高いだろう。
円山が着いていくという件については簡単に承諾してくれた。
波江:「……頼んだで。斉賀さん。ホンマに会うたんがついさっきみたいな仲やのに、ここまでしてもろて。」
斉賀は集合球の材料を床に置く。
その他の荷物はリュックサックに入っている。
時間が経つ。
来るかもわからない相手を待ち続ける。
波江も円山もただ静かに待っている。
静寂だけが部屋を包んでいた。
部屋の電灯は部屋を照らしている。
突然の出来事だった。
部屋の中に火の玉が現れた。
青い色をした火の玉が現れた。
その数は五つほどでふわふわと浮いている。
どれも縁側に続く襖の側で浮いている。
ドンッ!
縁側に続く襖の向こうからなにかぶつかる音がした。
590
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/10(木) 00:50:23
>>589
「ムッ、来おったな」
『ベティ・ブー』を発現。
準備しておいた網の束を『集合球』に変えとくで。
「ストォーップ! 止まるんや。
こっちには人質……狐質がいるんやでぇ〜
この狐ちゃんの身が惜しければ、前に盗ってった簪2本を返すんや」
首輪付狐ちゃんのカゴを揺らして脅すんや。
狐達に言葉はわからんかもしれんけど、ボスならわかるかもしれんし、
ボスが頭良ければ、「なんでこの部屋に捕まえた狐を置いているのか?」疑問に思うかもしれへん。
つまり、狐質はこの部屋にカゴを持ってきたカモフラージュやな。
もちろん、相手側が言葉を理解して、すんなり応じてくれてもいいんやけど……
591
:
『赤犬が追う』
:2015/12/10(木) 00:58:48
>>590
(斉賀さん)
波江:「きはったねぇ。」
スタンドを発現し、網の集合球を作る。
波江も『ディープ・パープル』を発現し準備万端だ。
襖の向こうの存在に言葉を投げかける斉賀。
しかし……
ドンッ! ドンッ!
ドンッ!
ドンッ!
より激しく襖になにかがぶつかる。
襖はたわみ、今にも外れて倒れそうだ。
怒っているのだろうか。それとも、構いやしないということか。
「アーン!」
籠の中の狐が鳴く。
同時に狐がスタンドを発現した。
線の細い人型のスタンドが波江の後ろから囮の簪を狙う。
波江:「あ。またかいな。」
青い火の玉の近くに虎が現れた。黄色と黒と白の柄はまさしく虎のそれである。
592
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/10(木) 01:26:03
>>591
ちっ、やっぱり言葉は通じんか。
しかし……餌ではなく簪を狙わせられるくらい、
ボスは狐達に余裕のある生活をさせてるんやと思っとった。
でもこれは仲間より、自分の身よりボスの命令が優先っちゅうことか?
「あんたは大人しくしとき!」
『集合球:網』を人型スタンドにぶつけたいで(破ス精BBC)
網を丸めたもんやからそんなに怪我せんやろ。
パワーがパワーやから、吹っ飛ばすくらいはわけないけどな。
っちゅうか、『ベティ・ブー』の『球体操作』はただ投げてるんやない。
相手に当たったその瞬間にさらに力を加えられるわけやから、
パワーで勝ってない限りは転ばせられる自信あるで。
とりあえず当たった瞬間に下方向に力かけて地面に押し付けとくか。
次々来るんやったら、ずっと一体を押さえとくわけにもいかんけどなぁ。
これがチンピラやったら、ボコボコにしてまうんやけど、可愛い狐やしな……
「先生質問や!
『ディープ・パープル』って生やした紫陽花、別のとこに絡みつかせたりできへん?」
スタンドやから、縄で拘束もできんけど、スタンド花ならどうやろ。
普通ならあんま意味無いけど、このスタンド、パワーが全然無いようやからな。
可能なら有効やろ。ちなみに先生って呼んだのはノリや。お花の先生やから別に間違っとらんし。
え、虎?
気にしなくてええんやない? 幻やろし。
593
:
『赤犬が追う』
:2015/12/10(木) 23:53:47
>>592
(斉賀さん)
本来は群れを成さぬはずの狐。
その狐が群れとなって今ここに押しかけてきている。
まるで軍隊、とまではいかないがその方針は固まっている。
ゴォッ!
バスゥッ
集合球が人型スタンドめがけて動く。
スピードはほぼ互角、しかし簪にばかり目が向いていたスタンドは集合球への対応が疎かであった。
狙い通り、敵を押さえ込む。
波江:「『ディープ・パープル』は対象の中に根ぇ張っとるだけやから絡ますんは無理やね。」
「足を脆うして壊してまうんやったら出来るけど。」
波江が斉賀の方を見え答える。
その時、虎が動いた。
グルルルルッ
ラウッ!
斉賀達の方へとゆっくりと向かってくる(スC)。
低いうなり声を上げている。獣の匂いが部屋に充満してきた。
この虎の匂いだろうか。
ダンッ
襖がついに倒れた。
縁側に並ぶ十の狐。そして襖の上に陣取るは十のスタンド。
直に来る。次の瞬間にでも雪崩れ込むだろう。
594
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/11(金) 18:57:36
>>593
無理かー。ま、しゃあないな。
そもそもここは偽簪を盗らせて逃がす場面やからな。
ある程度ダメージ与えて、敵の戦力を削いどく程度が適当か。
「ん? 虎の鳴き声? 幻やないんか?
数集まるとリアリティ増すんか?
それになんや獣くさいけど、虎のニオイか狐のニオイかわからんな……」
獣のニオイの区別なんてつかんっちゅうねん。
フラッシュ攻撃には、昼間偶然対応できたように、『ベティ・ブー』を前に立たせるで。
位置としては、背後に偽簪の箱、横並びくらいの距離で波江さん。
うちの手元にカゴ(首輪狐)そして、前に『ベティ・ブー』って感じでいきたいで。
「しっかし虎か。
この国じゃ動物園くらいにしかおらんと思うけど、
見た事無いもんを幻で再現できるんか?」
押し倒した敵スタンドAを『ベティ・ブー』で踏んづけて移動できないようにして、
『集合球:網』を敵スタンド集団と虎に突っ込ませるで(破ス精BBC)
相手は幻使い、せやから狙うのは効果的やない。
透明にはなれんようやし、適当にあたりをつけて右に左に『集合球:網』をぶん回すで。
なに、スピードは互角やけど、こんだけ沢山おったら何体か当たるやろ。
沢山おると避けるスペースも限られるしな。当たらんかったやつも回避行動はせなあかんから邪魔にはなる。
虎にも当ててみたいわ。多分幻やと思うけど……
595
:
『赤犬が追う』
:2015/12/11(金) 23:40:07
>>594
(斉賀さん)
波江:「見たことない……黒幕さんがなんや入れ知恵してるとか?」
敵を警戒し、陣形を組み立てる。
その間にも虎は近づいてきている。
ぐっっと『ベティ・ブー』の足に力を入れスタンドを制する。
とても返せそうに無い。
円山:「こっちに被害来ませんように……」
円山は手を合わせて斉賀の側で小さくなっている。
敵の下へと突っ込む集合球。
斉賀たちの下へと突っ込むスタンド。
タイミングはほぼ同時。いや、完全に同じではない。
何体かのスタンドがタイミングを少しずらして動いていたのだ。
突っ込む際、虎にぶつかったが、するりと貫通した。
どうやら幻のようだ。
ズォッ
集合球を動かすと敵のスタンドは対抗できずに倒れた。
しかし、半数は球をかいくぐり接近する。
倒れたスタンドも這って球から逃れようとしている。
ぽっと『ベティ・ブー』の前に三つほど青い火の玉が浮かぶ。
596
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/12(土) 00:07:48
>>595
円山さんこの部屋にいたんか……
幻が幻のままなら怪我とかはせぇへんと思うけど……
「網スプラーッシュ!」
胡椒玉の時のように……いんや、ありゃ未遂か。
『集合球:網』に回転をかけ、それから解除。網を撒き散らすで。
都合よく這ってるみたいやから、そいつらはより網にかかりやすいやろ。
スタンドは透過するかもしれへんけど、そしたら狐に当たるしな。
数が減れば上々や。
火がこっちゃ来たけど、撒き散らすんならフラッシュで前が見えなくてもいける。
解除後はすぐさま足元においたカラーボール、スーパーボール、ビー玉で『集合球』を作るわ。
597
:
『赤犬が追う』
:2015/12/12(土) 00:40:31
>>596
(斉賀さん)
網スプラッシュが狐達を襲う。
敵スタンドは網にぶつかる。透過するかもしれないが、今の段階では大丈夫だろう。
驚いて退避できなかった狐数匹は網を被る。
他のものは縁の下に退避したらしく。しばらくは姿を隠すつもりだろう。
網から逃れていたスタンドは虎の近くで各々退避行動を取った。
波江:「おぉ。すごいねぇ。」
バシュッ
火の玉の前に幻が現れる。
壁だ。
ベルリンの……とはいかないが、とても大きい。
部屋の端から端に立った大きな壁。
向こうを観察することは出来なさそうだ。
幻なので攻撃は透過するかもしれないが、敵がどこにいるかは不明だ。
集合球はすでに完成している。
波江:「『ディープ・パープル』」
「や、見えへん相手は脆く出来へんな触られへんし。」
グルルルルルルル
円山:「まだ鳴いてる……」
598
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/12(土) 01:02:33
>>597
「ふーむ、壁かぁ。虎も飛び掛って来んし、幻を動かすのは苦手なんかな?」
虎はゆっくりこっち来とったようやけど、今は壁の向こうかな?
ここは……攻めるべきか。
相手の出方を待っとると、網を脱出されて、捕まえたんが無意味んなる。
『集合球』を壁の向こうで動かすで。
やることはさっきと変わらん。適当にぶん回すだけや。
網にかかっとるやつはよう動けんやろから、記憶頼りにそいつらにダメージを与えることを優先やな。
つまり敵の数を減らすっちゅうこっちゃ。
当たる部分をスーパーボールにして、あんまり怪我せんようにはするけどな。
あとはうちがリュックの中からカラーボールを1個取り出しとこか。
『ベティ・ブー』の『球操作』は片腕で出来るから大丈夫やろ。
ところで、今更やけど、狐って何匹くらいおった?
599
:
『赤犬が追う』
:2015/12/12(土) 01:28:34
>>598
(斉賀さん)
虎は壁の向こうだ。
鳴き声からそこにいることは分かる。
スーパーボール集合球を突っ込ませ動かす。
その間にカラーボールを取り出す。
次の瞬間、壁からスタンドが現れた。
その軌道は山なり。
跳躍したのだろう。走り幅跳びのように弧を描いて狐面のスタンドが宙を行く。
『ベティ・ブー』を横切り、波江の前に着地しそうだ。
波江:「あ。」
壁からもう一体スタンドが動く。その動きはタックルのようで、『ディープ・パープル』の足にまとわりつく。
波江:「ちょ、離れぇ。」
『ディープ・パープル』は行動できなさそうだ。
狐は全部で十匹。
うち四匹が網にかかり、残りの六匹が縁の下に隠れていた。
600
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/13(日) 00:16:32
>>599
「落ち着いてぇな。そいつ力は弱いはずやからすぐ引き剥がせるはずや。
っつうても、厳しい状況やなぁ」
数が多いっちゅうのはまあ、ええけど。
相手をなるべく怪我させずにっちゅうんはうちのエゴやからな。
数減らさなあかんし、もうちょっと厳しく行くかぁ?
「そりゃぁっす!」
足で抑えてた狐スタンドAを、掴んでジャンプしてきた狐スタンドBに向かって投げつけるで。
スタンドの重さとかどうなってるか知らんけど、
本体の重さ的にも、スタンドのパワーでの抵抗的にも軽いもんやから問題ないやろ。
狐スタンドBは空中で回避行動がとれんし、大きさ的にも当てるのに苦労はいらんはずや。
もう片腕で『球体』は適当に動かしとこ。
投げるほうを優先するんで、ぶん回したりはせえへんけど、牽制くらいにはなるやろ。
601
:
『赤犬が追う』
:2015/12/13(日) 00:36:59
>>600
(斉賀さん)
波江:「あぁ、そやったね。こら、離さんと酷いことするでぇ?」
そう言って青い紫陽花を腕にを設置する。
狐のスタンドはどんどんとやってくる。
壁の向こう側の様子は窺い知れないが、援軍が来ている可能性も否めない。
しかし部屋に襲撃してきた、少なくとも斉賀と今戦闘している狐集団の戦力は確実に削っていた。
ブンッ
『ベティ・ブー』の投げたスタンドが宙を舞うスタンドにぶつかる。
真正面から衝突、とはいかなかったが投げたスタンドの体の一部がぶつかり撃墜した。
雑賀はなおも『集合球』による攻撃で戦力の分散を狙う。
壁の向こうからまたしても敵だ。
今度は三体。三体ともバラバラに、ジグザグに動いて接近してくる(スB)
いや、スタンドだけではない、狐もだ。
隠れていた狐達がいつの間にか壁を抜けて進んできている。
その数もまた三。それぞれがバラバラに動き、簪を狙う(スB)。
小さく、すばしっこい動きだ。
602
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/13(日) 01:40:36
>>601
狐達が狙っとるんは……箱、つまり囮簪のほうやな?
うちが持っとるんはバレてへんようやな。
「むっ、すばしっこい」
本体(狐)もあんだけすばしっこいとは誤算やったわ。まあよく考えれば野生動物やからなぁ。
今から囮簪のほうに防衛に行ったんじゃ間に合わんか。
最初から簪の近く居ったらよかったかな。
そっちのほうがコントロールしやすかったかもわからん。
せやけど、うちが本物の簪持ってるから、バレてたら危険やったしな。
「(円山さん、簪が盗られたら頃合を見計らって、
この首輪した狐をカゴから出したってや。わざとらしく無いようにな)
チィーッ、うちは出入り口を抑えるで!」
小声で円山さんにお願いして、うちは幻壁の向こうに向かうで。
防衛に間に合わんのなら出入り口を押さえるっちゅう寸法やね。
追いかけるにしても、外に近いほうがいいしな。
追跡は円山さんと一緒に行く言うたけど、円山さんの出番は、うちが追跡失敗してからやし、
一緒に出発せんでも追跡失敗してから合流しても問題ない。
あと問題は、追跡前に本物の簪を返さなあかん点やけど……
簪盗られたら波江さんも外側に移動してくるやろ。
603
:
『赤犬が追う』
:2015/12/13(日) 01:56:56
>>602
(斉賀さん)
囮の簪に向かって狐達が向かう。
本物の簪については勘付かれていないようだ。
円山:「(まかせてください。なにせ私、『和菓子作り以外の才能』はぴか一ですから。)」
円山に指示をし、縁側の方へと向かう。
途中壁があったが、特に問題は無い。
所詮は幻だ。するりと貫通し移動する。
青い火の玉をくぐり、壁の向こうに辿り着くと、そこにいたのはやはりスタンド達。
その数は四。集合球から逃れていたのか縁側の側にいる。
縁側の上には網を被った四匹の狐。
そして幻の虎だ。
円山:「斉賀さん!」
円山が叫ぶ。盗られたのだろう。
敵のスタンドがぽうっと青い火の玉を宙に浮かせる。
604
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/13(日) 02:12:13
>>603
そうやったん!? 謎の事実が明かされてもうたわ。
なんで和菓子屋で働いとるんやろ……。
「早っ」
早いっちゅうねん。まあ、すばしっこい相手にあんだけの数でかかられたらしゃあないか?
あかん、まだやってないことがあるっちゅうねん。
「ボールを相手のゴールに……シュゥーッ!」
外側に向かって移動しつつ、適当な狐にカラーボールを投げるで。
当たらんでも、衝撃ではじけて塗料が飛び散るんで多少は付着するやろ……
と見せかけて、カラーボールを避けようと動いたところを、
『ベティ・ブー』で操作した『集合球』にくっついたカラーボールを直にぶち当ててべったりつけたるわ!
605
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/13(日) 02:15:11
>>604
まあ、その、なんやな。
火の玉出てきたっちゅうことは幻が出現すると思うけど、
現在の対象の位置が変わるわけやないと思うから、そこは注視してれば当てられるはずや。
っちゅうことでガンバッテ当てるでー。っていう心構えを補足しとこうと思うで。
606
:
『赤犬が追う』
:2015/12/13(日) 02:22:17
>>604-605
(斉賀さん)
素早いスタンドと狐だ。
斉賀自身が前に行くより速く簪に辿り着いたのかもしれない。
円山:「やめてー。」
波江:「いやー。」
計画を知る二人だ。
特になにかやることもないだろう。
青い火の玉から狐が飛びだす。
が、所詮は幻、カラーボールに対する盾にはならない。
超エキサイティンな斉賀のムーブメントにより、狐は右往左往する。
縁側の下にまた逃れようとするが不運にも一匹の狐が『ベティ・ブー』の集合球を食らう。
べったりとオレンジ色の塗料が毛皮につく。塗料が匂いを発しているらしく、他の狐から若干嫌がられてしまっている。
ふわりと斉賀の足の間をなにかが通った。
607
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/13(日) 19:19:01
>>606
「この感触……スネコスリかっ!?」
って狐や狐! この状況で狐以外のなんかやったら怖いわ!
なにうちは一人ボケツッコミしとんのか。
女の股の間を通るとはなんちゅうやっちゃ。
でもこいつが首輪狐でも、簪盗った狐でも下手に捕まえると逃がす演技も大変やから見逃そ。
「ちょ、波江さんちょっと来てーな」
囮簪が盗られてもうたんはええとして、本物の簪を渡さんと追跡に行けんわ。
出入り口で『集合球』をぶん回して、出来るだけ狐達が逃げるのを遅らせるで。
608
:
『赤犬が追う』
:2015/12/13(日) 22:59:22
>>607
(斉賀さん)
斉賀の足の間を潜り抜けるもの。
それはスネコスリではない。狐。
首には首輪をしており、その首輪にはしっかり発信機が取り付けられている。
狐の口には囮簪だ。
『集合球』による妨害で狐達の邪魔をする斉賀。
狐もタイミングを見計らって抜けようとするが、『集合球』にぶつかったり避けたりでとても脱出できる雰囲気ではない。
波江は呼びつけるとすぐに着てくれた。
手に一匹の狐を捕まえている。
波江:「はいな、あんさん。」
「(斉賀さん、そろそろ逃がすん?)」
波江が目で問いかける。
609
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/14(月) 00:07:12
>>608
お前かーっ!
首輪付きが囮簪持っとるのは都合エエけどな。
巣に直接行く可能性が高まるし。
そして逃がさんだけなら結構なんとかなるな……
「行くで、波江さ……波江さん、素手で狐触ってエキノコックスとか大丈夫なん?
ま、まあ両手塞がっとるようやし、うちだけでも行くでッ」
エキノコックスのこと気にしすぎやろか……。
うちもそんな詳しいわけやないしなー。
それはともかく、確かにそろそろ逃がさんといかん。
他の狐が逃げるのを妨害するのをやめて、囮簪を持った首輪狐を捕まえる……!
と見せかけて取り逃がすで。
捕まえる以上、手を使わなあかんから『球体操作』も止めることになるしな。
ありえんとは思うけど、万一でもうちがもった本物の簪を盗られんように、うち本体は狐に近づかん。
『ベティ・ブー』を動かすだけや。
610
:
『赤犬が追う』
:2015/12/14(月) 00:21:01
>>609
(斉賀さん)
そう、首輪付きだ。
人間の斉賀のスピードは狐よりも速い。
が、妨害によってその差を埋めることも不可能ではないだろう。
波江:「え?エコノキックス?や、え?」
知らないようだ。
後で病院に行くことを薦めるのもいいだろう。
『ベティ・ブー』による狐の捕獲(演技)を行う。
狐と『ベティ・ブー』の速度はほぼ互角。
いや、若干差があるか?
見事取り逃した。
波江に捕まえられた一匹と網にかかった四匹。
逃げた狐は首輪付きを含めて六匹だ。
波江:「(上手くいったんかな。)」
611
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/14(月) 00:33:16
>>610
差があるって、どっちの……え、うちのが遅いんか?
「くっ、逃げられたわ!
波江さん、これを……!」
と、本物の簪を渡すで。
さすがに持って本拠地に行くんは怖いからな。
ただし念のため、何を渡したか、この場に残った狐に見えへんように気つけないとあかん。
しかし狐相手に意味あるのか無いのかわからん演技するのはなんや微妙な気持ちになるわな。
「うちは狐を追います。
円山さん、先に行ってるで!」
ちゅうわけで追跡開始や。
右手に懐中電灯、左手にあの、発信機の方向とかわかるリモコンのアレを持って、出発!
612
:
『赤犬が追う』
:2015/12/14(月) 00:49:14
>>611
(斉賀さん)
ほんの少し、狐より『ベティ・ブー』の方が素早いようだ。
波江:「お、秘中の秘。」
器用に簪の受け渡しを行う。
狐は波江が『ディープ・パープル』で押さえつけた。
波江:「任したよ。」
円山:「ここの狐をまとめたら行きます!」
二人は了承し、見送る。
右手に懐中電灯。左手に発信機の子機的なもの。
背中にはリュックサック。出発だ。
音を頼りに進んでいくと狐達が塀の上に移動している。
一匹だけ、塀の上に上っていない。
ズォ
狐のスタンドが現れる。
邪魔をするつもりだろう。
613
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/14(月) 01:00:42
>>612
よっしゃ!>うちのほうが早い
「……ん? なんやお前?」
殿っちゅうわけか。
やっぱり知能が高いんか、それとも訓練されとるんか。
カラーボールの効果はあんまり期待できへんかもなぁ。
「はいはい邪魔やで〜」
立ち塞がった狐スタンドは……スルー安定や!
こいつ全然パワー無いからな。襲われても怖ないで。
幻の壁とか道とかに誘導されんようにだけ気つけて、走って横を通り抜けるわ。
一番怖いんは、狐自体が噛み付いてきたりすることやな。さすがにそれは血出るわ。
行き先を阻もうと近寄ってきたら『ベティ・ブー』で掴んで振り回してグロッキーにさせてからポイしよ。
614
:
『赤犬が追う』
:2015/12/14(月) 01:21:05
>>613
(斉賀さん)
心なしか狐の顔がりりしい気がする。
するだけだ。狐に表情とかあるのだろうか。
狐のスタンドが出したのは幻ではない。
いや、手を出してきた。
タックルのような動き、足元にまとわり付くような位置だ。
ズォッ
ブンッ ブンッ
『ベティ・ブー』によって狐のスタンドは振り回される。
弱い、あまりにも弱すぎる。
『ベティ・ブー』のパワーに敵うはずがない。
しかし、その行動によって確実に時間は消費される。
門から出て、狐達を見つけた。
少し離れた場所にいるようだ。
宙には青い火の玉が浮いている。
615
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/14(月) 01:31:39
>>614
へっ、こんな軽いもん振り回すのに足を止める必要もあらへん。
追跡したままでも十分可能っちゅうねん。
さ、目を回したらそこらにポイしとこ。
「ま、そうは言うてもそもそもの移動速度が違すぎるんやけどな」
でもまだ見える位置におるな。結構ボコボコ攻撃したから、疲れてるんかもしれんな。
火の玉っちゅうことはまた幻か。
ここいらの地理なんか知らんから壁や道の幻はやっかいやな。
目の前で出されたらさすがに幻やってわかるが、それ以外やと実際触って確かめるしかないわな。
『ベティ・ブー』を前方に出しておくで。
616
:
『赤犬が追う』
:2015/12/14(月) 01:44:09
>>615
(斉賀さん)
ぺっと狐のスタンドをそのあたりに捨て置き進んでいく。
道の先にいる狐達のスタンドがまた火の玉を生む。
青い火の玉が三つほどふわふわ浮いていた。
ズォ
目の前に現れる壁。
道の先は窺い知れない。
先ほど火の玉を浮かべたことから幻の準備をしているのだろう。
『ベティ・ブー』を前方に出し、前進する。
617
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/14(月) 01:52:35
>>616
「目の前で出してどうすんねん」
そのまま進むで。
それはそうと、スタンドを知ってる捜索班の人らが見張っててくれてるはずなんやけど、
そこらへんにはおらんのやろか。つうても……確か6人くらいやったか?
どのくらいの範囲に散っとるのかわからんし。うちからは連絡先も無いし。
会わんのもしゃあないかもしれんけど。
618
:
『赤犬が追う』
:2015/12/14(月) 02:04:20
>>617
(斉賀さん)
幻であると看破している斉賀である。
目の前で幻を行使することも無意味は狐達も気付いている……いや、いないのか。
前進し、壁を突き抜ける。
そこに広がっていたのは闇であった。
このあたりだけ異常に闇が深くなっている。
異常なまでに。光が届く範囲が狭い。
足元を照らせば道が分かれているらしい。
prrrrrrr
円山からの着信だ。
619
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/14(月) 02:11:30
>>618
「うわ、暗っ」
なんやもう、こんなことも出来るんかいな。
発信機があれば方向はわかるはずや。
しかし足元がよう見えんから、移動速度は落ちざるをえんな……
「ん? 円山さんか。
もしもす? うちやでうち」
発信機の反応を頼りに転ばんように進みつつ、電話に出るで。
620
:
『赤犬が追う』
:2015/12/14(月) 02:27:52
>>619
(斉賀さん)
暗闇の中を進んでいく。
発信機の音を頼りにしているため、幻の道を見せられても対処できそうだ。
円山:「あ、斉賀さん。」
「見回り隊が少なくて難儀してるんじゃないかなって。」
「まぁ、実際少ないんですけど。」
円山の間の抜けたような声が聞こえる。
色々情報を集めているようだ。
円山:「狐はなんか川に今集まってきてるらしいです。」
「理由はわかんないんですけど。だから、その、見失いそうになったら川を探してください。」
「そこが本拠地の可能性が高いです。」
突然闇の中から現れる物体があった。
スタンドだ。
敵のスタンドが四体突進している。
621
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/14(月) 02:49:24
>>620
狐は首輪付きを入れて11匹。5匹が鈴眼で脱落。1匹がさきほど脱落。
「集まっとる……?」
そして今4体突進してきたから、残りは1匹だけのはずやな。
今追っている狐とは違うやつらっちゅうことか。
せやったらもっと大勢で盗りに来てもおかしないはずやけど……
川に集まっとるやつらは女子供で留守番とか。あるいはスタンドが使えへんのかもな。
「あいわかったわ。ありがとなー」
川言うても、ここらの地理とか知らんけど……スマホの地図情報でも呼び出せばええか。
これこそ人間の力、文明の利器や!
さて4体も来たとなると、最後の足止めか。
暗闇を発生させてるのもこいつらやろから、倒したほうが早いか。
……いや、待てよ。実は1体で、残りは幻ってこともありえるか?
今まで幻はそんな激しく動いたりはせえへんかったように思うけど……
……とりあえず進んで、相手側から触れてきたら捕まえて頭をシェイクする方針で行こか。
相手側から触れて来なければ幻と判断して進むことを優先や。
622
:
『赤犬が追う』
:2015/12/14(月) 23:40:54
>>621
(斉賀さん)
円山:「はい。もしかしたら最初に来た狐達が失敗したときのための予備かもしれないですね。」
念には念。
失敗したときのための予備か。
いや、そうではないのかもしれないが、真実は不明だ。
円山:「はーい。」
電話が切れる。
狐のスタンド達が迫る。
俊敏な動き。幻か現実か。
狐のスタンドは斉賀に『ベティ・ブー』に触れることはなかった。
まずは二体が先行し、『ベティ・ブー』の前で停止。
それから後続の二体が詰めてくる。
623
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/15(火) 00:52:46
>>622
「せやったらまた来る可能性もあるな……用心したってや。
ほなな」
囮簪に気づかれると巣にもたどり着けない、波江さんが一人のところを襲われるっちゅう困った事態になるわけや。
狐達が自力で気づくっちゅうことは無さそうやし、気づくとしたらボスやろから、
巣に辿りつけないってことはないか。
さて、それは置いといて、目の前の狐をどうするかやな。
突進で跳ね飛ばしてくのもええけど、暗すぎてコケそうや。
無難にリュックの中のスーパーボールで『集合球』作って、それを投げつけながら進もか。
回避されたらそれはそれでどくから邪魔やなくなるし、
回避しても邪魔な場所にいるんやったら、それはもう攻撃が届く距離やろから、蹴り食らわせたればええ。
発信機の反応はまだちゃんとあるんか?
624
:
『赤犬が追う』
:2015/12/15(火) 01:25:25
>>623
(斉賀さん)
狐がまた襲ってくる可能性を考えながら、斉賀は進む。
狐達のボス、川に狐を集めているのもボスか?
いや、今対処すべきなのは目の前のことだ。
周囲の暗闇を注意し、スーパーボール『集合球』を作成、前に投擲しつつ進む。
この狐達がそれを跳ね返すほどの力がないことはもう分かっている。
狐のスタンド、その先行隊である二体は両腕を交差して身を固める。
防御の姿勢だ。しかし悲しいかなその防御は『集合球』の前では紙同然。
ゴシャっと吹っ飛ばされ、後続の二体にぶつかる。
発信機は反応している。
しかしその反応は先ほどまでより弱く、首輪付きが遠ざかっていることを証明している。
625
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/15(火) 01:43:29
>>624
「むっ、やっぱり幻やなくて本物か」
そして発信機の反応が弱い。
ホントは暗闇を解除するために接近して直接気絶とかさせていきたかったとこやけど、
発信機の反応を見失ったらおしまいや。移動を優先しよ。
狐スタンドを『集合球』でボコボコ殴って飛ばしながら、
転ばんように、それでいて急いで移動や。
あとは狐スタンドの射程距離を知っとくんも悪くない。
出来るだけ距離が離れるようにぶっ飛ばすように当てていくで。
ちなみに『集合球』の操作射程は20mほどやな。
626
:
『赤犬が追う』
:2015/12/15(火) 01:59:30
>>625
(斉賀さん)
スタンド達はなおも『ベティ・ブー』や斉賀の行く手を阻もうと接近する。
近づきたい敵スタンド。それを吹き飛ばす『集合球』。
何度も何度も何度も何度も何度も。
ある時、ふっと敵のスタンドが消えた。
周りの闇が晴れる。
気付けば足元に四匹の狐がいた。
スタンドを行使し続けたせいか疲労しているように見える。
『集合球』の距離から考えるに敵の射程距離は『15m』ほどだろう。
見れば開けた場所に出ている。
ピピピと発信機が強く示す方向は右らしい。
右を向けば、そこに首輪付きがいた。
627
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/15(火) 02:13:28
>>626
「お、暗闇がなくなったわ」
強制解除は痛いし、敵対した以上しゃあないけど、狐ちゃんたちに嫌わそうやなぁ。
「……むっ! おったな!」
にしても、案外近くにおったな。……近すぎるような気するわ。
だって足止めもされてたし、そもそもうちより狐のが足速いんやで。
なんでわりと追いつける位置におんねん。
もしかしてここが目的地? 開けた場所ってどこやここ?
首輪付きは囮簪をちゃんと咥えとんのか?
とりあえず両手を小さく広げて、フッフッフと笑いながらじりじりとにじり寄ってみつつ、
周囲を観察するで。ボスっぽいやつとかそこらに隠れてたりせえへん?
628
:
『赤犬が追う』
:2015/12/15(火) 02:28:14
>>627
(斉賀さん)
街灯は少ないが、月明かりがほんの少し道を行く手伝いをしてくれる。
それに手に持った懐中電灯も道を明るく照らす。
用心しつつ囮簪を加える首輪付きへと接近する斉賀。
現在地は道路の上。
左手側は土手になっており、下りれば川辺に着く。
よく見てみると首輪付きの横、といっても土手の下のところに狐が寄り集まっている。
周りには青い火の玉。そして先ほどのように異常なまでの闇が広がる。
そして、川に出来た三角州。そこに二人組みの人がいる。
片方は袴着用の和装。もう片方は白無垢を着ている。
そして、傍らには人型のスタンド。
それは狐達のスタンドと似ているが、少し違う。
二人と斉賀の目線が合う。
遠さと暗さから二人の顔は窺い知れない。
スタンドが、川に手を突っ込んだ。
なにかしかけるつもりだ。
629
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/15(火) 15:37:48
>>628
「!!」
あいつらは……!?
あの袴着と白無垢は、盗られた代物やないか?
ってことは……あれ汚したりしたらまずいんちゃう?
しかしけったいな場所におるな。どうやって濡れんであそこに行けばええんや。
「んん? なんや、お前ら何モンや? そこで何しとる?」
声かけてみよか。
なんかしかけてくるみたいやし、ここは防御体勢に入っとこか。
『集合球』を2人組みとうちの間に転がしとくで。
狐のスタンドに似てるし、能力も似たような感じなんかな?
眩しい光とかやられないように腕で目を防御できるようにしとこ。
ところで、2人組のどっちがスタンド出してるんや? 2人ともか?
それと、距離的には何mくらいや?
630
:
『赤犬が追う』
:2015/12/16(水) 00:00:16
>>629
(斉賀さん)
暗くて川の様子は窺い知れない。
氾濫している様子はないので一応渡る事は可能だろうが、狐達がいる。
もしもあれらがスタンドを行使できるなら渡ることを邪魔する可能性は高いだろう。
「なにってねぇ?」
「結婚式?」
男女の声。
……男のほうは聞き覚えがある。
確か……そう、件のペットショップの店員だ。
『集合球(スーパーボール)』を移動させ、腕で目を庇う。
庇う瞬間、敵のスタンドの動きを目が捉える。
なにか投げた。それはまっすぐに斉賀の下へと飛んでいく(スC程度)
スタンドは一体のみ。
どちらが出しているかは不明。
距離は大体『50m』ほど。
631
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/16(水) 17:18:37
>>630
腕で目を防御できるようにしておくだけで、
先んじて目を覆ってくつもりはなかったんや……
まあ、とにかく目を覆うのはやめて、何が飛んで来たか確認するわ。
「盗品で結婚式は縁起悪すぎやろ……」
ペットショップの店員……? マジに本人なんか?
結構距離あんな。速度的にも十分避けられそうや。
川に手を突っ込んで、なんか投げてきたってことは、魚か?
んなもん投げる意味が分からんけど。
横に移動して回避や(スC)
方向は、首輪付きのおるほう。っちゅうか、回避ついでに首輪付きに接近して、そのまま『ベティ・ブー』で捕まえたいで。
囮簪のことがバレてないなら、駆け引き材料として使えるしな。
誘い込まれた感じもあるし、バレとる可能性もあるけど……
もしも飛んで来たもんがめっちゃでかくて避けられん場合は『集合球』をぶつけて軌道を逸らしたいわ。
632
:
『赤犬が追う』
:2015/12/16(水) 23:51:26
>>631
(斉賀さん)
「縁起悪い?」
「それは人間の話では?」
笑いあう二人。
仲睦まじい様子。しかし今の状況では憎たらしさすら感じる。
ペットショップの店員がいることに違和感を覚えながら斉賀は動く。
カツンと音がする。
先ほど投擲されたものがなにかに当たったんだろう。
「外れっスよ。」
「石は山ほどあるわ。次は当てる。」
回避、それは攻撃を避けるためだけではない。
首輪つきの確保。そのための移動も兼ねる。
「アーン!」
女の方が甲高い声を上げると首輪付きが首を振って簪を宙に放る。
囮簪が宙を舞う。
「欲しかったらとってみれば?」
「もう一発石を投げられる覚悟があるならね。」
633
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/17(木) 00:26:38
>>632
「人間じゃないんかあんたら?
ちゅうか結婚式は人間の儀式やん」
人間の儀式はするけど、人間じゃないから縁起は無視するって、
都合のいいとこだけツマミ食いっちゅうか、形だけの真似事っちゅうか……
「石て。石が当たったからなんやっちゅうねん」
当たった音もカツン言うて軽い感じやし、全然怖ないんやけど。
なんか当たると能力が発動したりするんやろか。
例えば狐になるとか。……こんなにスタンド使える狐がぎょうさんおるのも不自然やしな。
「じゃあ取りに行かせてもらうわ。
その前にこいつは返すで!」
首輪付きを2人組に向かって放り投げて、その隙に囮簪をキャッチしに行くで。
ちょっとかわいそうやけど、首輪付きもスタンド出せるし、大怪我にはならんやろ……
あいつらがうまいこと受け止めてくれる優しいボスであることを祈っとこ……(破ス精BBC)
634
:
『赤犬が追う』
:2015/12/17(木) 00:45:23
>>633
(斉賀さん)
「あら?」
「なんスか。結婚式が人間だけの物だけだと?」
「知らないのかしら。ここは京都よ?なにがあっても不思議じゃあない。」
世間知らず、恥知らず。小馬鹿にしたような物言いで二人は話す。
「石って痛いのよ?汚れるし。」
そしてしたり顔で馬鹿みたいなことを言う。
馬鹿なのかもしれない。それとも本当に人間としての常識がないのか?
「八隅さん。」
「はいよ。」
男が動き、首輪付きのキャッチへと向かう。
その隙に囮簪の回収に向かう。
狐の力で投げ上げたそれは低空飛行であった。
首輪付きを投げるという動作をした流れでキャッチを試す。
囮簪を掴むことには成功した。
が、前につんのめる体勢になってしまっている。
「『サマンサ・フォックス』」
女が言うとスタンドは口からなにか火の玉を吐き出し
そこに向かってもう一度、なにかを投げつけた。
火の玉は消え、投擲物が斉賀本人の下へと飛ぶ(スC)。
……投擲物が懐中電灯の光を受けてきらりと光る。
光を反射しているのか?
635
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/17(木) 01:09:22
>>634
「うーん、まあ、鳥の求愛行動とか凝ってるのもおるし、人間以外でもするのもおるかもなぁ。結婚式。
でも普通、白無垢とか着て結婚式するんは人間だけやない?
うちは余所者やから、京都には詳しないけど……京都ってそんなファンタジーワールドなん?」
八隅……ペットショップの店名が確かそんな名前だった気するわ。
あの男がホンマにペットショップのあの店員なら居場所がわかっとるんやから逆に話は楽なんやけど。
しかし男のほうはスタンド出しとらんけど、
結構距離があるとはいえ『ベティ・ブー』で投げた狐を生身でキャッチできるんかな。
少なくとも衝撃吸収にはなるか。
「む、なんや?」
避けらん速度やない……普通なら。今のうちの体勢やと避け切れん可能性があるか。
『集合球』をこっちに動かす。けど、さすがに投擲物にぶつける器用さは無いんで、
ある程度狙いが定まったら途中で『集合球』を『解除』。
空中でスーパーボールがバラバラに散らばって散弾みたいになるはずや。
一個でも当たれば軌道を逸らせるやろ。
636
:
『赤犬が追う』
:2015/12/17(木) 01:38:28
>>635
(斉賀さん)
「まぁ、この世は人の世スから。」
「権謀術数の京都。事実は小説より奇なり。」
「ファンタジーかもしんないスね。」
男がヘッドスライディングの要領で飛び込み、その周りを下に待機していた狐達が囲む。
首輪つきは男の手の中……より手前、狐の群れの中に落ちる。
衝撃は吸収出来たが、何匹かの狐は衝撃を受けている。
「あーごめんなさい。」
男は狐に頭を下げた。紋付袴はすれている。
男はスタンド使いではないのだろうか。
迫り来る投擲物。
斉賀は『集合球』を操作させ、そして解除する。
『集合球』からただの球となったスーパーボール。
下手な鉄砲数うちゃ当たるの言葉の通り、無数のスーパーボールによって投擲物は弾かれる。
投擲物が視界に入る。
やはり懐中電灯の光を受けて光っている。まるでパチンコ玉のように光る銀の玉。
こんなものが川に流れているのか?
そう思っていると、銀の玉はただの石ころに変わった。
まるで電気が着いたり消えたりするうな一瞬の出来事だった。
「……正直、近付きたくないのだけど。」
女は三角州に流れついていた長い木の棒を拾い上げる。
「どうしようかしら。」
また『サマンサ・フォックス』と呼ばれたスタンドが口から火の玉を吐き出す。
637
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/17(木) 01:55:36
>>636
「なにやってんねん……」
袴が……うちのせいやないよね?
下手なこと言うて盗られた道具が人質(物質?)にとられると困るんで、つっこまんけど……
「なんやこの、銀色の玉?」
物質を変化させる能力なんか?
しかし銀の玉? うーん、まだわからんな。
「ところで結婚式が終わったら、盗んだモン返すとかそういう予定あったりするんか?」
接近しつつ、リュックの中のビー玉で『集合球』を作成や。
ところで男は三角州、狐たちは土手にいたと思うんやけど、
首輪付きキャッチに狐が協力したってことは狐達は三角州に移動したんかな?
638
:
『赤犬が追う』
:2015/12/17(木) 02:14:33
>>637
(斉賀さん)
「おーよしよし。恐かったねぇ。こんな首輪までつけられて。」
そう言って首輪を外す。
首輪を手でもてあそんでいる。
敵の能力を推理しながら接近。
「あなたの能力はどんなものなのかしら。」
女が『サマンサ・フォックス』に、いや火の玉に近寄り
手に持った木の棒を火の玉にふれさせる。
すると引火するように火は木の棒の上を広がり、やがて消えた。
「玉を動かしていたわよね?そういうのが能力?」
『サマンサ・フォックス』は火が消えたばかりの棒を掴んだ。
おかしい。『サマンサ・フォックス』が掴んだ棒は木で出来ているという感じがしない。
鈍く銀に光る。まるで鉄棒だ。
「八隅さんは下がって。あなた達、『ザ・フォックス』を。」
三角州のふちにいた男が慌てた様子で女の下へと移動する。
狐たちは三角州の上にいるものや川の中にいるものもいる。
川はかなり浅いらしく、狐の足が着く程度の深さらしい。
639
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/17(木) 02:30:33
>>638
「こんな首輪て、あんたんとこで買ったんやないか……」
材質を鉄っぽくする能力?
いや、さすがにもっと他になんかあるやろ……
「質問はシカトかいな」
囮の簪を(偽モンだとバレんよう飾り部分とか微妙に隠しながら)胸の前に持ってくで。
簪を傷つける可能性のある攻撃はしにくくなるやろ。
こっちも、盗品を傷つけるような攻撃はしにくいんやけどな……
さらに接近するで。
まだ遠いやろか?
640
:
『赤犬が追う』
:2015/12/17(木) 02:42:51
>>639
(斉賀さん)
「あ、それもそうっスね。まぁ俺、動物に首輪つけるの嫌いなんスけど。」
あっけらかん。
かなり動物を優先する思考なのか?
それとも単純に自分の仕事が嫌いなのか。
「シカト?いえ、優先順位が違うの。えっと、これを返すかってこと?」
「どうする?返さなくてもいいんじゃないスか。」
「そうね。返さず相手が右往左往するのを見るのは楽しい。」
「返して恩を売るのもいいっス。」
「どちらに転んでもいい結果。どうしましょう。そこのあなた、どうすればいいと思う?」
問いかけられながら斉賀は簪を胸の前に持って行く。
斉賀の接近を阻むように、狐のスタンドが現れる。
先ほどまで相手をしていたスタンド。これが『ザ・フォックス』なのだろう。
「行って。」
五体の『ザ・フォックス』が斉賀ににじり寄る。
二人組みとの距離は『20m』狐の群れとの距離は『15m』ほどだ。
「さっさとあなたからその簪をいただいて式を挙げましょう。」
「まだ準備完了してないっスもんね。」
「そうね、天気とかね。」
二人は談笑している。
が、その癖目線はしっかりと斉賀を見据えている。
641
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/17(木) 15:26:43
>>640
20mっちゅうことは、もう、うち、川原あたりまで来とる感じ?
「あんたらが盗ったもんやから、返して恩が売れるとは思えんな……
返さなかったらうちみたいのがまた来るんちゃう?
うちみたいんと遊ぶんが好きなら、まーそっちに悪いことは無いかもやけど」
うちは正直ものなんや。返す方向に説得とか出来ないんや。
ま、まあ、うちが今この場で勝てばそれで解決するんやからOKやな。
「やっぱ天気雨とか狙ってたりするんか?」
こちらもにじりよる……と見せかけてダッシュ!
『ベティ・ブー』で手頃な一体を捕まえるで。
642
:
『赤犬が追う』
:2015/12/17(木) 22:23:45
>>641
(斉賀さん)
斉賀は河原まで着ている。
後少し進めば川に入るだろう。
「ですって。」
「どうするんス?」
「……全部この人のせいにする?」
「無理じゃ無いっスかね。」
「また後で考えましょう。この人で遊んだ後に。」
説得はしない。
この二人が本気でそれに応じるかも分からないし、説得できるような人間が盗みをするのだろうか?
「天気雨?故意には出来無いっスね。」
「お祈りするしかないわね。」
『ベティ・ブー』の急接近。
近くの『ザ・フォックス』を掴む。
すると『ザ・フォックス』達が青い火の玉を生み出した。
斉賀と『ベティ・ブー』の回りに配置された。
「見えない攻撃ってどう対処するのかしら?」
女がほくそ笑む。
643
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/18(金) 00:30:21
>>642
そもそも人間かどうか怪しいわな……
「幻を見せる能力やなくて、幻を出現させる能力やろ?
うちから見えんっちゅうことは、うちのことも見えないんちゃう?」
例えば真っ暗にしたらあっちからも真っ暗にしか見えないんやないかな。
それともあっちからは見えるんやろか?
なんか微妙に馬鹿っぽいから、推理が間違ってたら素直に訂正してくれる気するわ。
まあ、そんなことは関係なく片手に掴んだ『ザ・フォックス』を盾に女に接近や。
『サマンサ・フォックス』以外の攻撃は正直怖ないんでな。女に注意しとったらええ。
掴んだ『ザ・フォックス』が暴れそうやったら、ちょっと握る手に力を込めて脅しとくで。
イメージ的には首掴んでる感じや。掴みにくいなら、片手チョークスリーパーみたいんでもOKや。
ところで結構接近したけど女の顔とかは見えへんかな?
まあ、声に聞き覚えないんで、顔見ても普通に初対面やと思うけど。
644
:
『赤犬が追う』
:2015/12/18(金) 00:54:35
>>643
(斉賀さん)
「葛葉さん。」
「八隅さん、バレていても、読まれていても攻撃できればそれでいいのです。」
しまったという顔の男。
ため息を付く女。
女の顔は辺りが暗いのと角隠しが微妙に目深なため分かりにくいが知った顔ではない。
当然のことともいえる。
斉賀が接近を開始すると辺りに闇が生まれる。
幻の闇だ。先ほどの二人の言を信じるなら向こう側からも見えていないはずだが。
懐中電灯の光があるため、かろうじてではあるが前は確認できる。
アーン
アーン
狐の鳴き声。
斉賀たちの周りから聞こえてくる。
そして斉賀の足にはなにかが触れている感覚。
それは先ほど鈴元邸で味わったものと似ている。
足の間を狐が通ったのと同じ。
斉賀の足の周り、自分の足の周りから狐の鳴き声が聞こえる。
まるで発信機の音のように。
「そこ、ですね。」
「八隅さん、これでダメなら刃物を用意しますから、木の棒拾ってきてもらえます?」
「はいよ。」
「では、まずは一撃。」
空を切る音。懐中電灯の光がその正体を暴く。
先ほどの鉄棒もどきだ。『ベティ・ブー』が『ザ・フォックス』を掴んでいる手に向かって振られている(スB)
645
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/18(金) 01:39:26
>>644
「こうきたかぁ」
しかし、なんやろな。さっきの様子を見てるに、それなりに狐を大切にしとるようなんやけど、
こうやって狐を使いもするか。無駄に犠牲にする気はないけど、戦ってやられるならOKって考えか
もしくは、うちが狐に大怪我させる気は無いって見切られとるんやろか。
そしてうちが『ザ・フォックス』を盾にしとるっちゅうのに、鉄棒もどきの攻撃。
『ザ・フォックス』に当たってもそれはしゃあないと考えているのか、
それとも、『ザ・フォックス』に当たっても問題ない攻撃なんか。
どうやら攻撃を躊躇させる盾にはならんらしい。
しかし投げてきたとかやなくて、振ってきたっちゅうことは、『サマンサ・フォックス』はもう目の前におるってことやな。
掴んでいた『ザ・フォックス』を前方に突き飛ばして、『サマンサ・フォックス』にぶつけて、体勢を崩させ
鉄棒もどきの攻撃の軌道を逸らして回避するつもりや。
どうしても当たってまいそうなら、もう片腕で防御するわ。できれば触れたくないねんけど。
646
:
『赤犬が追う』
:2015/12/18(金) 01:57:46
>>645
(斉賀さん)
「こう行くの。」
「まずは一手っスね。」
狐の発信機。
暗闇の中で視界が潰され、ならばと聴覚で行動する。
狐達の人海戦術だ。
『ザ・フォックス』を突き飛ばす。
暗闇の中の敵であったが、『ザ・フォックス』は前方に突き飛ばされ闇の中に吸い込まれる。
「ちょっと。」
「葛葉さん以上っスか。」
敵の攻撃がブレる。
頭上スレスレで空振り、空を切る音がする。
どうやら『ベティ・ブー』以下のパワーらしい。
「『ザ・フォックス』!」
先ほどのあまりだろうか、『ザ・フォックス』が『ベティ・ブー』の足にまとわりつく。
「次!」
暗闇の中に鉄棒もどきが消える。
次の一撃が来る……!
647
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/19(土) 15:45:15
>>646
「目の前におるんで間違いないようやな」
次は宣言通り刃物が来るんか?
いいや、それなら準備として火の玉が見えるはずや。男の方もまだ戻って来とらん。
次も同じ鉄棒もどきやろ。
どっちにしろ食らう気は無いがな。
「ええい、今度はこっちの番や!
うちの位置はわかっても、この暗闇で飛んで来る散弾を防げるかァ〜!?」
うちのほうがリーチ長いんで、下がろうかと思ったけど、足元の『ザ・フォックス』がちょい邪魔やな。
パワーが無いからホントに邪魔なだけやけど、この場面では確かに有効。
一応後ろに下がりたいけど、転ばんように気つけなあかんし、回避としては心もとないか。
となれば、攻撃させないためには、相手に防御に回らせるしかない。
宣言しつつ、『集合球:ビー玉』を投擲や。
目の前にいる言うても暗闇やからここは『解除』による散弾化で命中力を上げる。
リュックの中から出すから、弧を描くように動いて、ビー玉が上から降り注ぐ感じになるはずや。
相手がすでに振りかぶってて攻撃を選んでたとしても、パワーではうちの方が勝っとるようやし、
この近距離なら腕か鉄棒もどきにビー玉がまったく当たらんいう事もないやろ。軌道を逸らせるはずや。
あと気になるんは白無垢やけど、速度的に鉄棒もどきを振るってるんは『サマンサ・フォックス』やろから、
そっちに当たるはずや。ビー玉が解除して通常物質になるとはいえ、透過して本体がわざわざ食らうってこともないやろ……
648
:
『赤犬が追う』
:2015/12/20(日) 00:01:44
>>647
(斉賀さん)
「さて、どうっスかね。」
少し遠い男の声。
じきに戻ってくるかもしれない。
しかし声から感じる距離的に女と合流できていない可能性がある。
「散弾?」
「え?」
暗闇から鉄棒もどきの先端部分が見えた。
しかし『集合球(ビー玉)』の散弾攻撃がそれを阻む。
無数のビー玉が散弾と化し『サマンサ・フォックス』にそして鉄棒もどきに降り注ぐ。
「いたたたたた!」
「葛葉さん!」
「なにこれ。すごく痛いんだけど。」
どうやらビー玉は敵にぶつかったらしい。
そして攻撃によるダメージか集中力の切れか
軌道のぶれた鉄棒もどきの突きは地面を抉る結果に終わった。
鉄棒もどきは地面に刺ささっている。
これを使っての攻撃はこれを引き抜かない限り不可能そうだ。
649
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/20(日) 00:54:13
>>648
「のんきやな……」
対処するために暗闇を解除してくれるかもと思ったんやけど、フツーに食らったな。
今のうちに、『球』を握って『集合球』を作成や。
対象は、足元にあるいくらでもある石ころや! そのまま『球』をグッと持ち上げて、『集合球』を上に移動。
その『集合球:石』の上に立ってるうちも一緒に上昇っちゅう寸法やな。
暗闇は実は結構範囲狭いんやないかな?
相手からしたら上方向に展開する意味はあんまり無いし、
男の方も暗闇の範囲やったら、棒なんて探せないやろ。あいつら明かりなんて持っとったか? 持っとらんかったはずやろ。
つまり上空に飛び出せば、暗闇からも脱出できるんちゃうかなぁって思うわけや。
650
:
『赤犬が追う』
:2015/12/20(日) 01:22:29
>>649
(斉賀さん)
「人間にのんきって言われたくないわ。」
敵方に半ばあきれる斉賀。
それに対して女は反論した。
フワッ
足元に『集合球(石)』を作り上昇する。
狐たちは斉賀の足元にいることが出来ず、『ザ・フォックス』もまた斉賀に追従し浮き上がる『ベティ・ブー』にしがみつけない。
狐の発信機も拘束具も解除された。
青い火の玉が足元に見えるほどの上空になると暗闇は晴れた。
暗闇は三角洲の一部や川を覆っている。
女と男の姿が見える。二人は上空を見あげている。
男は女から遠い位置におり、手には木の棒を持っている。
「な。」
「叩き落せば終わりっス。」
「さ、『サマンサ・フォックス』!」
「空に逃げ場はないんスよ!」
女が暗闇からなにかを引っ張り出す。
それは鉄棒もどきではなかった。
引っ張ってきたものはおそらく鉄棒もどきになっていたであろう木の棒だ。
『サマンサ・フォックス』は口から火の玉を吐き、木の棒を受け取る。
受け取る時に木の棒が火の玉に触れる。
木の棒は焼けるように燃え上がるように燃え上がり
一本の槍となった。
「もう一度ビー玉でもやってみる?」
651
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/20(日) 02:02:07
>>650
結構、上に移動したんがバレバレやった。まあ、懐中電灯つけとるしな……
「せやな、もう一度や」
ビー玉をやるっていう言い回しがようわからんが、ビー玉みたいに散弾にすると受け取っとこ。
そして、その通り。今度は『集合球:石』を下に振り下ろして、『解除』。石の雨を降らせるで(破スBB)
今度は相手が見えないわけでもないのに、散弾にした理由。
それは即時『集合球』を再度作るためや。
『ベティ・ブー』は離れた場所に『集合球』を作ることが出来る。射程は10m。
……まさか10m以上地上から離れてへんよね? そんなんビルの3階以上やで。怖いわ。
両手は『球』を掴んだまま。材料の石はいくらでもある。いけるはずや。
そして『集合球』をシュート!
つまり上空から振る石の雨に、地面から来る『集合球』の挟み撃ちっちゅうか。
ダブルラリアットみたいな。なんかそんな感じの攻撃なんや。
狙いは『サマンサ・フォックス』やな。
ちなみにうちは乗ってた『集合球:石』を振り下ろす前にジャンプで脱出や。
スタンドがあるとはいえ、足だけで着地するんはきついかな……
いやいや、空中で『集合球』作ってまえば、操るんは片手でいけるから腕一本使えるし、
なんとか着地できると思うわ……多分。
流れとしては、うちジャンプ→『集合球:石』振り下ろし&『解除』
→空中で『握りなおし』で『集合球:石2』作成→『石の雨』+『集合球:石2』のダブルコンボ
→うち、華麗に着地
という計画やな。
問題は『サマンサ・フォックス』が何をしてくるかやな。
速度的には同等やし、うちが動く分、相手も動いてくるはずや。
防御に回ってくれるんやったらいいんやけどな。
槍っぽいのを投げてくるんやったら『石の雨』にぶつかるはずやけど、
相手の台詞的に、散弾は見越してるかもしれんからな……
とりあえず行動してみて想定外のことが起こったらその場で対処するしかないわな。
想定外の出来事は想定できないから想定外なんや!
652
:
『赤犬が追う』
:2015/12/20(日) 02:39:26
>>651
(斉賀さん)
「もっかいですって。」
「盾はないわ。」
『サマンサ・フォックス』が防御体勢に入った。
身を固める『サマンサ・フォックス』に大量の石が降り注ぐ
そして……
ゴォッ
第二の『集合球(石)』が『サマンサ・フォックス』にぶつかる。
二つの攻撃に『サマンサ・フォックス』はただ身を固めて耐えるのみだ。
しかしさすがの攻撃にぐらりとよろめく。
「……人間に負けてたまるか。」
女がそう呟いた。
「葛葉さん。」
「八隅さん。」
『サマンサ・フォックス』が動く。
まっすぐに斉賀に向かってその槍で突きにかかる(スB)
「いくらスタンドが強くても、人間はそのスタンド以下の力と速さでしょう?」
653
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/20(日) 02:57:47
>>652
質問なんやけど、うちってもう着地しとるんかな?
それともまだ空中やろか?
654
:
『赤犬が追う』
:2015/12/20(日) 03:00:22
>>653
(斉賀さん)
着地は完了しています。
655
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/20(日) 15:52:22
>>654
おおきに〜。
>>652
意外にも特に妨害もなく攻撃は通った、が、
「なんやこいつ、硬い?」
さっきのビー玉と合わせて、3連発と言っていいはずや。
よろめきはしたけどその程度……あの棒のように、自分の体を鉄のようにしとるんか?
そうは見えへん。……意思の力やろか? 人間には負けへんっちゅう、凄みか?
まあ、うちもそんなに暴力の経験あるわけやないし、石やらもそこまでの威力やなかったんかもしれんが……
「そらそうやけど、うちは『ベティ・ブー』で、『ベティ・ブー』はうちやろが!
『スタンド』は自分自身や、分けて考える必要あるか!」
『ベティ・ブー』……外見的にはちょっとアレやけど。いや、それでもうちの分身や。
そら、槍が刺さったらあかんのは当然やけど、
なんで『ベティ・ブー』を抜かして、うちが生身で対処する必要があんねん。
別に遠距離型でうちと離れとるわけでもないのに。
「ふっ、もう遅い、あんたは詰みに入ったんや!」
『集合球』は使いきりの武器やない。何度でも操作可能。
それがぶち当たったという意味を分かっていないようやな。
要するに、『集合球』がふところにあるっちゅうんは、『ベティ・ブー』に拳を突きつけられとるも同然!
槍が当たる前に『集合球』をぶち当てて、相手の体勢を崩すくらい楽勝やっちゅうことや!
対抗するには『集合球』を押さえつけるか、破壊する必要があるけど、こいつにはそのパワーは無い。
……いや、うちが手を振るう余裕無くすとかもあるけどな。
あれ、あんまり詰みに入ってないか……?
とにかく、『集合球』で妨害や。足狙ってコケさしたろ(破ス精BBC)
それでも槍が当たりそうならもう片手でガードや。
槍いうことは側面は刃物やないんやろ? 横から叩く感じでガードすれば大丈夫のはずや。
いや、先端に刃物がついた槍かもしれんけど、そうなら出来れば刃の腹を叩いてガードしたいわな。
まあ、そこは本題やない。
うちは空中ジャンプしたとき男……八隅の方へ移動したんや
(
>>651
メール欄にて、男んとこ行く……ってこれ、別に丸見えやし、メール欄にする必要なかったかもしれんな……)
……地面に降りてすぐに女に攻撃されてるあたり、あんまり移動できてへんけど。
それでもこの女よりも男に近いはずや。
男は戦闘力無し、そして狐と違って重要人物や。あれを人質にとれば勝てる!
そんなわけで『集合球』で女を妨害しつつ、男の方へ向かうで。
656
:
『赤犬が追う』
:2015/12/20(日) 23:45:22
>>655
(斉賀さん)
浴びせた攻撃は確かに利いているはずだ。
女も『サマンサ・フォックス』も疲労困憊の様子である。
「『スタンド』は『スタンド』で私は私。」
「私にとってはそうなの。スタンドがなくても、私は私!」
にやりと笑う女は先ほどまでののんきな様子を取り戻そうとしていた。
迫る穂先。振るわれる『集合球』
ぶっ叩かれる足、揺らぐ『サマンサ・フォックス』
倒れる女、倒れる『サマンサ・フォックス』、進む斉賀、進む『ベティ・ブー』
『サマンサ・フォックス』の槍は斉賀に届くことはなかった。
『集合球』による攻撃で体勢を崩し、倒れ攻撃は失敗。
斉賀の男への接近を許してしまう。
「なんスか。」
「俺だって敵なんスけど。」
そう言って男は木の棒を構える。
が、その足は震えている。
戦闘力なし、そんな男は斉賀や『ベティ・ブー』に恐怖でも抱いているのだろうか。
「あなた、八隅さんになにするつもり。」
女の声、その位置は低い。
まだ這っているのだろう。
657
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/21(月) 01:01:04
>>656
『スタンド』は『スタンド』。スタンドがなくても、自分は自分。
……単に思想の違いにも思えるけど、
『ザ・フォックス』みたいに複数の狐が同じスタンドを持っとるとかいう事情と関係あるんやろか?
「敵だから利用できるんやろぉ〜?
戦闘力は無い。それでいて狐達より上の立場。
つまり人質にとるにはうってつけっちゅうことや」
可愛い狐ちゃんと違って、成人男性なら遠慮なくボコれるしな!
しかし……問題がひとつある。こいつは本当に無力な存在なんか?
狐達もスタンド使いなのに、こいつは一般人? なんで一般人がこんなとこに?
自分が人間じゃないような物言いやし、なんかあると違うか?
『ベティ・ブー』で襲い掛かる……と見せかけて、そのまま背後に回りこむで。
うちも一緒に動くから、男にスタンドが見えないなら、単にうちが回り込んだように見えるはず。
スタンドが見えるなら何か反応があるやろ。
うちも一緒に動くのは、立ち止まってると女に攻撃される可能性あるからな。
『サマンサ・フォックス』の速さからすると、動いてても攻撃はされそうやけど、そんときはリュックでも盾にしたろ。
というわけでリュックは半脱ぎや。
658
:
『赤犬が追う』
:2015/12/21(月) 01:24:25
>>657
(斉賀さん)
「人質?ホントっスか?」
「俺、空手有段者っスよ?」
ばっと、構えを取るがその体は震えている。
何も持たぬから空手、そうであったはずなのに男は手に木の棒を持っている。
「八隅さん!」
女が叫ぶ、男は回りこむ斉賀に不思議そうな視線を送る。
男の目の前に槍の穂先が止まる。
もはや立っているのも精一杯なのか、『サマンサ・フォックス』はふらふらと槍を向ける。
女は倒れたままだ。
「あなた、何するつもり?」
「葛葉さん、チャンスっスよ。ほら、俺ごとぐさーって。」
憎らしそうににらみあげる女。
訳が分かっていないのか、無駄口を叩く男。
「でもいいアイディアね。」
「あなた、選びなさい。ここで帰るか、それとも八隅さんごと刺されるか。」
女の目が少し、泳ぐ。
男の体は震えている。
怯えているのだろうか、お互いに。
現状に。
『サマンサ・フォックス』が槍を引く、刺すための準備だ。
突く準備は出来ている。
659
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/21(月) 01:52:26
>>658
やっぱり、男はスタンド使いや無いんか。
でもそこそこ根性はあるようやな。
しっかし、ううん、どうしたもんか。
位置取りからして、『ベティ・ブー』は男をすぐに掴める位置。
一方『サマンサ・フォックス』は槍を突く構え。膠着状態か。
と言いたいとこやけど、正直『サマンサ・フォックス』のパワーじゃ、人間一人貫くんも結構大変やろ。
『ベティ・ブー』やったら普通に槍で攻撃されても防御できる。
やから、実際は膠着状態とはあんまり言えへんわな。
でも都合がいいから、ここで情報収集と和解を目指してみるか。
あの鉄っぽくする能力の詳細が不明やし、油断はできへんけど……
「……なんやて!? ちょっと待ってぇーな。
刺されるのは勘弁やな。
うちは二度とこんなことが起こらんようにしろ言われただけの雇われで、
命まで賭けるほどやないしなぁ」
いや、これは嘘やけどな。
簪だけ取り返してもらってもええんやけど、できれば盗み自体を止めたいしな……
「でもそっちも結婚式の道具とか、そんなんに命賭けるほどの価値あるんか?
結婚のお相手が死んでもうたら意味無いやろ。
……あ、もしかして結婚てあんたら2人がするんとは違うんか?
そんな服着とったからそうなんやなーって思いこんでたけど。
ペットショップの店員やもんなぁ。動物的には……ペットショップってあんまり印象よくなさそうやし?」
多分、今まで見てきた様子から見てこの二人が結婚するんで間違いないとは思うけどな。
狐は狡猾、騙す側。ってイメージあるけど、結構こいつら純朴みたいやし、
こう言っておけば何かしら情報を得られるんやないかな?
そもそも男がペットショップの店員っちゅうのも怪しいしな。
660
:
『赤犬が追う』
:2015/12/21(月) 02:27:42
>>659
(斉賀さん)
情報収集と和解に切り替える斉賀。
それに気付かず男と女は斉賀と話をする。
「人間ってそう、雇われればなんだってするの?」
「別にこんな道具じゃなくてもいいわよ。」
「どうせ結婚できないし。人間の道具を使って私達が幸せになれればいいのよ。」
にらみ付けた女は憎憎しげに吐き捨てる。
「あんた達を困らせて、私達が幸せになって、その方法がこれってだけ。」
うんうん、と男が頷く。
相変わらず震えているが。
「俺だって親の仕事じゃなけりゃペットショップなんてやんないスよ。」
「餌の補給にはことかかねーけど。」
661
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/21(月) 02:46:16
>>660
人間とは違う動物の純粋な愛とかちょっと期待してたけど、
なんや微妙な内実っぽくて嫌やな。
「なんだってはせんわい。泥棒を捕まえるんは正義側やろが。
というかなんや、困らせるのが目的だったんか?
相手を困らせたら、そらそれなりの対処されるわ」
盗んだものをどうする気かって聞いた時、ふざけとる様子やったんは
単にこっちを舐め腐ってるんかと思ってたけど、そもそも困らせるんが目的か……
『相手を困らせたら、そらそれなりの対処される』って、そもそも、
最初に人間側が狐達を追い詰めたとかいう話になりそうやな……
そんな話されてもうち地元の人間やないから困るけど。
「結婚できないんか?
まあ、そら、人間的な意味で役所に届出とかは出せんかもしれんけど……
いや、葛葉サンは知らんけど、八隅サンは戸籍とかあるんちゃうか?
店やっとるくらいやし」
八隅サンはマジでペットショップの店員みたいやな。姿と名前借りてるだけかと思ってたわ。
うーん、どうしても結婚式したいっちゅうんなら、波江さん達に事情を話して、
適当に小さな結婚式でもしたればええかなと思ったけど、
犯行の動機が人間への恨みなんか? そんなん、どうすればええんやろ。
ボコって波江さん達に引き渡して後を任せるしかないんか……?
662
:
『赤犬が追う』
:2015/12/21(月) 03:06:58
>>661
(斉賀さん)
「巣を追われた動物からすれば人間なんて悪でしかないわ。」
「この町はまだそこまでみたいだけど。」
這いつくばっていた女が無理やり立ち上がる。
ふらふらと足元はおぼつかない。
狐達が女の周りに集まる。
「後から来た人間の子孫が偉そうにしてるのは気に食わないわ。」
「狐に化かされたことも忘れてのんきに生活してるのは腹が立つわ。」
「狐の恐さを忘れたなんて、許せないわ。」
何度も倒れそうになる。
やはりダメージは受けていた。
「忘れさせない、化かしを。昔を忘れた人間が上に立つなんて」
「自然に動物に妖に恐れも敬意もない人間に支配されるなんて生きてる甲斐がないの。」
それを聞き届けると、男が口を開いた。
「……俺は人間っスよ。まぁ、もう分かってると思うっスけど、葛葉さんは人間じゃ無いっス。」
「あの人は、俺が拾った人を化かしたくて、昔の化け狐になりたくてたまらない狐なんスから。」
「動物と人間は結婚できないんスよ。」
男は女の方へ木の棒を投げた。
女はそれを杖代わりに立つ。
よろめきながらもしっかりと両の足で立つ。
「あんた、えっと……名前知らなかったスわ。」
「俺らが起こしたこと、馬鹿らしい話って思うっスか。」
663
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/21(月) 15:40:26
>>662
「うちは斉賀や。
ちなみにこんな喋り方やけど、全然関西の出身でもなんでもないからな」
「進化論とか赤の女王仮説とかっちゅうもんがあるわな。
生物は皆、競争してて、走り続けない限り、同じところにとどまることすら出来んっちゅう話。
変化せえへんもんはおらん……ま、確かに人間のここ最近の変化は著しいもんがあるけどなホンマ。
人を化かして物を盗んでも、大して怖がってくれへん時代になってもうたいうことやな」
まあ、まだまだ超能力(妖術?)に対する理解は浅いから、
今回の件は人間側も混乱しとると思うけど、昔みたいに畏れるほどではないわなぁ。
「何に価値を置くかなんて、そいつ次第や。
馬鹿らしいとは思わへんよ。迷惑な話やと思うけど。
相手と手段はもうちっと選んだほうがええな。
でも、ま、別に昔も妖怪の天下だったわけやない。昔から妖怪も騒ぎを起こしては退治されてたやろ。
なんや、今現在の構図と大して変わらへんやん。
うちが退治屋で、あんたが悪さした妖怪。付き合ったるわ」
和解はやめや。
八隅サンから離れて葛葉サンと対峙するわ。
「ところで結婚は内縁の妻とかでええんちゃう?
法的なこととかは置いといて」
結局、八隅サンは葛葉サンに調子を合わせてただけっちゅうことか。
人間の常識もあるなら、自分のやってることの意味もわかるやろ。
それでもそれに付き合うくらい好きなんやないか?
好きっちゅうのが男女の恋愛的な意味かまではわからんけど、恋愛的な意味でなら結婚してもええんちゃう。
664
:
『赤犬が追う』
:2015/12/22(火) 00:14:30
>>663
(斉賀さん)
「はぁ、なるほど。」
「俺、バカだから分かんねーってことは分かったっス。」
「でも、人間が霊的なものを信じなくなってるような気はするんス。」
「なにが赤の女王よ。私たちは山の主になるのよ。」
あっけらかんとして答える男。
歯を食いしばる女。
どこか、温度差を感じる。
見ている方向は同じ、いやそれも同じなのだろうか。
「言うじゃない。斉賀。」
「葛葉さん。」
「いいのよ。この女は人質を捨てたの。覚悟、出来てるんでしょう?」
べぇと赤い舌を出す。
同時に狐達が『ザ・フォックス』を展開し、そして青い火の玉を生む。
火の玉が幻を生み出す。
それは、『サマンサ・フォックス』。槍を持った『サマンサ・フォックス』であった。
「来い!斉賀!化かして茶化して馬鹿にして、話の種にしてあげる!」
「そこから八隅さんと幸せな逆襲が始まるの!」
『サマンサ・フォックス』達がいっせいに槍を突き出す(スB)
本物は一人だけ。他は全て幻だ。
665
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/22(火) 01:17:20
>>664
「種の割れとるもんが怖いわけあるかい!
行くでェェ――!」
複数の『サマンサ・フォックス』。どれが本物かわからんとなると、防御も回避も不可能。
いや、目の前で分身なんて作られても、目を逸らさんかったら本物がどれかわかると思うけど、
同じのがズラーッと並ぶと、やっぱり、ホンマにコレが本物で間違いないんかなぁって不安になるわな。
防御も攻撃もダメとなれば、ワンパでスマンが、こっちも攻撃して相手の攻撃を潰す。迎撃や!
人質とって話を挟んだせいか、ヤツめ、自分の足元に『集合球』があるのを忘れとったな?
それともこの気迫……当たってもあと1撃くらいなら耐えられると踏んだか?
だがそれは無いッ
うちの『集合球』は対象となった同種なら後から追加もできる。
今の『集合球』の材料は石、そしてそれはそこらに無数に転がっとる。
つまり、『集合球』は、すでにッ巨大化(
>>663
)させといたんやでーッ
これを食らってはさすがに耐え切ることは出来へんやろ!
葛葉サン本体も分身してたらちょーっとヤバかったが、幸い、分身は『サマンサ・フォックス』だけや。
こっちから本体に攻撃を当てる分にはなんの問題もあらへん!
そしてすでに懐に入っとる『集合球』の方が早い! 多分早い! 早いんと違うかな!?
ま、ちょっとは覚悟しとこ……!
確実なるトドメを刺す(殺すつもりはないけど)んやから、これで戦闘終了。
となれば相手の攻撃を潰せなかったとしても、一撃くらいなら食らってもなんとかなるやろ。
『集合球』がデカい分、パワーがいるから両手は塞がるし、ガードは難しい。
となれば後ろに下がって威力を殺しつつ、体裁きで受けるしかないか。
こうも分身が多いと体裁きで当たる部分を制御っちゅうんも難儀やけど……
さすがに急所には当たらんようにしたいわな!
666
:
『赤犬が追う』
:2015/12/22(火) 01:31:48
>>665
(斉賀さん)
「来いやァ!うちらは京の山のごんたくれ!人間風情が後入りして偉い顔すんな!」
叫ぶ葛葉。もはや野生そのもののような雰囲気がある。
しかし、しかしすでに斉賀は手を打っている。
『集合球』は膨れるように巨大化している。
熱くなっていたせいか、会話の中で忘れていたのか、葛葉はそれに気付いていなかった。
しかし『サマンサ・フォックス』達の槍が『ベティ・ブー』に迫る。
どんどんと穂先はその距離を詰める。
後15cm……10cm……4……3……2…………
すんでのところで穂先は止まる。
それ以上、近づかない。近づかない。
当然だ。
「がっ」
「あ あああああ」
「あ」
杖代わりの枝は折れ、葛葉は力なくその場に倒れ伏す。
『サマンサ・フォックス』は崩れ、消える。
そして残された『サマンサ・フォックス』の幻も『ザ・フォックス』も消える。
もはや敵側にこれ以上斉賀に反抗しようという気はない。
大将が倒れ、後は戦力としてあまりにも心許ないモノ達が残っただけなのだ。
「終わりっスね。」
「……葛葉さんに代わって降伏を宣言するっス。」
葛葉の姿が揺らめく。
陽炎のように頼りなく揺れるそれはやがて風に飛ばされるように失われ
最後には白無垢に寝転がる一匹の狐がいるのみだ。
667
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/22(火) 01:55:44
>>666
「……」
ホンマに狐やったな。人間に化けとったのは『サマンサ・フォックス』の能力やろか。
そのわりには、石やら木の枝を鉄っぽくするくらいしかしてなかったのが疑問やけど……
形も大きく変わってへんかったし。
「とりあえず、うちの雇い主に連絡するわ。
盗ったモンとか全部揃ってるんかな?」
……あかん。途中から、すっかり忘れて普通に攻撃してたなうち。
もう白無垢とかボロボロちゃう? 簪は無事やろか……
波江さん……いや、円山さんに電話しよ。
668
:
『赤犬が追う』
:2015/12/22(火) 02:03:20
>>667
(斉賀さん)
「葛葉さん。よかった。生きてる。」
狐に駆け寄るとほっとしたような様子の男。
心配だったのだろう。
「全部っスよ。俺がこの服脱いだら完璧っス。」
「ほら、あんた達、欲しいのこれでしょ。」
男は簪を持ってくる。
傷一つ無い。奇跡的な偶然だった。
残念ながら白無垢のほうは攻撃によってボロボロになってしまっている。
「はぁ。俺捕まんのかなぁ。」
ぼやく男を尻目に斉賀は電話をかける。
prrrrrr
prrrrrr
「はい、こちら円山。」
「斉賀さん、どうされました?」
「あ、もしかして終わりました?」
669
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/22(火) 02:20:24
>>668
奇跡的なんかい! つまり超危なかったやってことやないか。
いやいや、葛葉サン、スタンドで防御してたし、本体に当てた攻撃も頭には当ててへんし……な?
……ま、まあ無事だったんならええわ。
「あ、ああうん。犯人は気絶中やで。
えーっと、ひとまずそっちに連れてくんでええかな?」
八隅サンは……
狐は逮捕されへんから、そうなると八隅サンが犯人扱いされそうやけど……
っちゅうか、実際共犯っちゅうか、責任者みたいなもんやし犯人で間違ってないけど。
八隅サンいなくなると『スタンド使い』の狐大勢が野放しやし、葛葉サンも黙ってなさそうやし、
そっちのが面倒くさいって気もするわな……
670
:
『赤犬が追う』
:2015/12/22(火) 02:30:08
>>669
(斉賀さん)
円山:「あー。はいはい。」
「寒いの我慢出来るんでしたらそこで待っていただいて構いませんよ。」
「車で迎えに行きますし。」
円山と会話をしつつ八隅のことなどを考える斉賀。
狐の親玉である葛葉と親密にあるようであったし、いなくなればパニックになる可能性はある。
そもそも人間を快く思っていない葛葉である。
また今回のようなことをしないとも限らないが……?
電話の向こう側で誰かが話している。
どうやら話す相手が代わったようだ。
波江:「斉賀さん、こんばんはぁ。鈴元ですぅ。」
「円山さんから解決したぁって聞いたで。」
波江だ。その声は高く、嬉しそうである。
波江:「で、どないな不届きモンが犯人やったん?」
「悪人面?」
671
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/22(火) 02:51:07
>>670
「いや、狐いっぱいおるから、車には乗せられんかなさすがに。
歩いていくわ」
狐を連れてかんのなら車でもええけど。
狐ぞろぞろ引き連れて移動ってなんか楽しそうやん。
傍目から見たらなんやアレって感じかもしれんけどな。
そんなに遠ないしな。
ところで言われて気づいたけど、浅瀬に入ったせいで靴がグショ濡れで足の寒さがやばいわ。
冬の川やしな……
「うーん、そうやな。
まあ、目は細めかな……鼻が高くて、口がでかい。
あと毛深くて耳が尖ってて毛色が黄色と黒って感じや」
要するに狐や。
「八隅サン、一緒に来てもらってええかな? 狐も一緒に」
と言っても拒否権はないんやけど。
波江さんとは歩きながら話すか。
672
:
『赤犬が追う』
:2015/12/22(火) 23:27:56
>>671
(斉賀さん)
波江:「お狐さん……あぁ、そやね。」
「まぁ、そないに遠ないとこやて聞いてるから、うちらは待っとくわ。」
おおきに、と感謝の言葉を述べる波江。
濡れた靴を履いたまま、斉賀は鈴元家へ向かうこととなった。
波江:「……なにそれ化けモンやん。」
犯人について聞いた波江はただそうとだけ呟いた。
狐だと気付いていないのだろう。
「いいっスよ。どーせ拒否権ねーですし。」
「ほら、俺ら負けたんスから葛葉さん気絶してるし、今は俺がリーダーっスよ。」
八隅がそう言うと狐達は嫌がる様子もなく着いていく。
八隅は白無垢を拾い上げると、先ほどまで葛葉であった狐をそれで包んだ。
波江:「あ、簪無事やったやんね?」
「後、ざっとでエエからなにあったか教えてくれたらありがたいんやけど。」
そうやって話している間に鈴元家が見えてきた。
後ろを振り向けば八隅と狐達はキチンとついてきている。
673
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/22(火) 23:58:13
>>672
「ああ、うん、簪は(奇跡的に)無事でしたわ……
真相は犯人を交えて直接話しますわ」
カッコの中はとても言えんね……。
波江さん結構怒っとったからなぁ。
簪が無事に戻ってきたことで、優しくなってくれるとええんやけど……
八隅サンや葛葉サンにとってもいい終わりになってくれると嬉しいしな。
ボコったうちが言うことやないかもしれんけど。
それにしても賢い狐達やな。
『スタンド使い』やから、そこらの動物より賢いんやろか。
別に人間の『スタンド使い』が、一般人より賢いってことは無いんやけどな。
ヴィジョンも人型やし、精神が人間に近いんかもしれん。
「帰りましたでー」
鈴元家に着いたら、
狐達は外……はさすがに近所に噂されそうやから、庭とかで待機してもらって、
八隅サンと葛葉サンにだけ、一緒に波江さんのとこ来てもらおか。
674
:
『赤犬が追う』
:2015/12/23(水) 00:14:47
>>673
(斉賀さん)
波江:「はいはい。そらどうも。」
「ほな、後は家でねぇ。」
鈴元家に上がる斉賀と八隅。
葛葉は白無垢にくるまれたまま、八隅が抱えている。
他の狐達は庭で待機だ。
斉賀達は事件があった……襲撃を迎え撃った部屋に通される。
襖は開けられ、縁側の向こうには一本の木と狐達が見える。
部屋には波江と円山。
それと火鉢が置いてある。
波江:「じゃあ、話聞こか……の前にや。」
「八隅さん、やんね?スタンドの事件って立件出来んのよねぇ。」
「法で裁けん人間はどう裁くか……ここが課題なんやけど。」
にこり、と笑っている。
簪が手元に戻ってきた嬉しさからなのか晴れやかに笑っている。
ずるり。
火箸だ。波江は火箸を火鉢から取り出した。
そして傍らに『ディープ・パープル』を発現させている。
波江:「あんさんらをどうするか、あんさんらがどうなる、この場ぁで決めんとアカン。」
「どうしよかなぁ?」
「斉賀さん、どないに思わはる?」
675
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/23(水) 00:31:41
>>674
「せやなぁ……」
盗品を八隅サンが持ってた状況証拠だけでも逮捕できへんこともないと思うんやけど、
うちも逮捕は反対やし、余計なことは言わんとこ。
「んーまあ、そら、罪を犯したなら、償いやな。損失補填て言うてもええ。
こんだけ『スタンド使い』の狐がおったら色々やれることあるやろ。
ペットショップだけでこの狐達を養うんも大変やろし、
金儲けのノウハウが学べれば狐達にとってもええことやと思うで」
人間社会では金があれば土地も買える! ってどっかのインディアンも言っとった。
人間の流儀ィィに乗っかることになるんで、それ自体が葛葉サン的には不満かもしれへんけど。
っていうか狐の住処になるほどの土地を買うんはさすがに大金が必要やから難しいやろうけどな。
別に金儲けやなくてもいいけどな。双方納得するなら。
「反省とか、そういう精神的なことに関しては、
そもそも人間やない相手に言うてもしょうがない気するしなぁ。
犯行を繰り返させないためには必要かもしれんけど」
676
:
『赤犬が追う』
:2015/12/23(水) 00:43:55
>>675
(斉賀さん)
波江:「ふむ。」
「まぁ簪は戻ってきたし、うち的にはもうこのお人さんらをどう処分するんか、それだけなんよねぇ。」
ちんちんと火箸で火鉢のふちを叩く。
しばらく斉賀と八隅と交互に見比べ
波江:「八隅さん、監督責任。」
「これからは迷惑欠けたお人さんらに詫びいれて、それから狐の教育でもしっかししてもらおか。」
波江の顔から笑みが消える。
鋭い。まるで手に持った火箸のように鋭く、その奥には冷たい粘ついた炎が宿っていそうでもあった。
波江:「あんさんらに拒否権を与える気ぃはあらへん。」
「今この場ぁで私刑におうても不思議やないんやしね。」
「斉賀さん、それでかまん?」
677
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/23(水) 01:06:06
>>676
「問題ないで。
というか、うちは雇われやし、被害に遭ったわけでもないしな」
それでも納得できへんことになるなら口挟ませてもらうけど。
処分としては軽いくらいやしな。
しかし詫びいれるって、他の被害者にはどう説明するんやろ。
狐が悪戯で持ってったとかか?
火の玉とかはなんも言わなければ見間違えで終わるやろしなぁ。
っていうかうちも詫びっちゅうか、弁償とかしたほうがええんかな……白無垢……
いくらぐらいするんやろアレ……
678
:
『赤犬が追う』
:2015/12/23(水) 01:26:00
>>677
(斉賀さん)
波江:「さて、ほんなら夜も遅いし、そろそろ寝てまわんとねぇ。」
「あんさんらは今晩、うちの人らで監視させてもらうで。」
「逃げられたらかなんかなん。」
ぐっと伸びをする波江。
円山はまたスマホを操作し、仲間と連絡を取り合う。
「あの。」
八隅が口を開いた。
「今回の件、寛容な処分に感謝、するっス。斉賀さん、それと、波江さん?」
「葛葉さん、はその……話し合って分かってもらうんで。その、それについては頑張りますんで。」
「俺、稼ぎ少ないっスけど、弁償とかするんで、あの……ありがとうございます。」
頭を下げる八隅。
「罪も罰も全部おっかぶります。なんで、その虫のいい話なんスけど……忘れないであげてください。」
「こういうのがいたってこと。」
679
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/23(水) 01:48:06
>>678
「……あー、波江さん。
あの白無垢なぁ。あれはまあ、なんというか、その……うちがボロボロにしてまったんよ。
こう、捕まえるときの戦いでな。
で、今回のバイト代、白無垢の弁償の足しにしてもらってええかな。
足りるかどうかわからんけど」
白無垢って何十万とかしそうやん。
足りへんよな正直。
そもそもバイト代いくら貰えるのかとかすら聞いてなかったんやけどね。
「別にえーけど……
なんや、もういなくなるみたいな言い方やなぁ。
これからも妖怪の恐怖を知らしめていけばええやん。
前も言ったけどやり方次第やろ。
悪さすると妖怪がやってきて祟りに遭う、みたいの正義の味方みたいでカッコよくない?
……それやと、なんか妖怪っちゅうより神みたいな感じか!?
まあ、狐は神の使いっちゅうイメージもあるしな……?」
「あ、あと、結婚式には呼んでや。
これうちの連絡先な」
680
:
『赤犬が追う』
:2015/12/23(水) 02:05:24
>>679
(斉賀さん)
波江:「ん。斉賀さんがそないに言いはるんやったら、そないさしてもらおか。」
「まぁ全額弁償やとマイナスになりそうやから色々やるけどねぇ。」
指を空で躍らせる。
計算しているのだろうか。
にへらと笑っているので冗談なのかもしれない。
「あ……あはは。葛葉さんにもそう伝えとくっス。」
「なんか、いいっスね。そーゆー化け物のあり方も。今時で。」
「お稲荷さんの使者って顔しますわ。」
困ったように笑ってみせる八隅。
それはどこにでもいる平凡な青年の表情であった。
「え?あ、あ、え?あぁ……」
波江:「なに照れてはるん。」
赤くなって斉賀の連絡先を受け取る八隅。
それを見て欠伸交じりに声をかける波江。
そこにぴりぴりとした緊張感はなく、被害者と加害者の関係は変わらないが
二人からはそれを感じることはなかった。
波江:「さて、斉賀さん寝よか。」
「明日の朝には円山さんとうちで町までお送りしますわ。」
「会いたい子ぉらもおるしね。」
681
:
斉賀『ベティ・ブー』
:2015/12/23(水) 02:27:08
>>680
なんやっけな。
安倍晴明の母親が葛の葉っちゅう狐やったんやなかったかな。
妖怪と人間が結ばれるとか昔からあるしな?
妖怪っちゅうか、『スタンド使い』の狐やし、実際子供が生まれるかどうかは知らんけど……
意思疎通もできて人間に変身するならそんなに変態って感じでもないしなぁ
「はいはーい」
涼君に会いに行くんかな?
よっしゃ、明日の朝御飯を楽しみにお泊りするとするわ!
682
:
『赤犬が追う』
:2015/12/23(水) 02:35:30
>>681
(斉賀さん)
波江:「斉賀さん、ほんまにおおきに。」
「ありがとうございました。」
二人からの礼。
それkらしばらくして、斉賀は寝室に通された。
長時間動き回ったせいか、ぐっすりと眠ることが出来た。
朗らかな朝の日差しが京の町を照らし出す。
豪華な朝食を出され全ての準備が済むと、斉賀は波江と円山を連れ町へと帰った。
当然と言うべきか、『ハラジュク・ガール』を使って。
この町での日常が斉賀の元へと帰ってくる。
スタンド使いの狐、狐顔のスタンド使い。
なにもかもが過去になる。
しかし、少なくとも今の斉賀の頭にはあの時の事が記憶されている。
683
:
『赤犬が追う』
:2015/12/23(水) 02:46:31
>>681
(斉賀さん)
それからしばらくして、斉賀の下へ二つの荷物がやって来た。
一つは鈴元家からのもの。
中には封筒と小包。
封筒には『報酬』小包には『饅頭』が入っていた。
もう片方は八隅からのものだ。
手紙が入っており、そこにはこうある。
斉賀さんへ。
お疲れ様です。あれから色々頑張ってます。
葛葉さんも気持ちが落ち着いたみたいで、いじめられてる子の力になってあげたりしてるみたいです。
なんでも、いじめられてる子が狐を尊敬して、いじめる子は恐怖に怯えて、一石二鳥だといっています。
鈴元さんには全部償いが終わったら、結婚式をあげてもらえる約束になりました。
いつになるかは分かりませんが、頑張ります。
呼びます。
八隅 駿
そして、手紙の下のほうには慣れていないのかミミズのような下手な文字。
斉賀。今度は負けない。
かずらば そうたん
ただ、それだけであった。
斉賀『ベティ・ブー』→『10万』獲得
『高級饅頭』獲得
野狐『ザ・フォックス』→『更正』
葛葉 宗旦『サマンサ・フォックス』→『全身打撲』
『再起可能』
『更正』
684
:
『赤犬が追う』
:2015/12/23(水) 02:49:32
★氏名―葛葉 宗旦(かずらば そうたん)
★スタンド―『サマンサ・フォックス』
★性別―メス ★年齢―? ★血液型―?
★京都生まれ ★髪の色―一般的な狐の毛色/黒(人間) ★瞳の色―黒
★趣味―化かす 悪口を言う ★身長―?
★好きな映画―平成狸合戦ぽんぽこ ★好きな色―なし
★性格―傲慢。山の狐であり、動物的な感覚で思考をしている可能性がある。
★外見―黒く腰まで届きそうな長髪。
服は基本的に用意がなく、どこかから勝手に盗んでくる。
★備考―人間を嫌い、いつかは人間を脅かす大妖怪になろうと思っている。
685
:
『赤犬が追う』
:2015/12/23(水) 02:50:01
【京の山のごんたくれ】葛葉 宗旦のスタンド。
白面金毛の狐を模した人型ヴィジョン。
その姿は『ザ・フォックス』に似るが、尾は一本しか持たない。
口から生み出す火の玉を物体の中に入れることで別の物体に『変化』させる能力を持つ。
『変化』は生物と不定形物質とスタンドは対象外。
『変化』すると変化した物体の特性を一つ再現し行使することが出来る。
ただし、複雑な機能や物体の変化を伴う動き(爆発など)の再現は不可能。
『変化』後の物体の大きさは対象の大きさに依存する。
一度に『変化』させられる物体は四つまで。
『サマンサ・フォックス』
破壊力:C スピード:B 射程距離:C
持続力:A 精密動作性:B 成長性:C
686
:
『赤犬が追う』
:2015/12/23(水) 02:52:27
【京の山のアパッチ】野狐の持つスタンド。
白面金毛九尾の狐を模した人型ヴィジョン。
尻尾を消費して相手を『化かす』『火の玉』を生み出すことが出来る。
『火の玉』
お狐さんの尻尾を1つ消費して生み出す。
宙に浮かぶ青い光る毛玉。
発光しており、その光によって相手を『化かす』
使用した尻尾は『火の玉』解除後『3日』で復活する。
『火の玉』に触れると『火の玉』は消える。
『化かす』
『火の玉』の光が当たる空間には『幻』が出現する。
『幻』はまるで映写機から映し出される映像のような状態である。
『幻』の規模によって使わなければならない尻尾の量は変わる。
『幻』自体で誰かを傷つけることは出来ない。
出現させられる幻は本体が観察してみたことがあるモノに限る。
『ザ・フォックス』
破壊力:D スピード:B 射程距離:C
持続力:A 精密動作性:B 成長性:C
687
:
『赤犬が追う』
:2015/12/23(水) 02:54:49
筆のスタンド。実体化している。本体はすでに死亡している。
不可能を実現可能にする。
筆で書いた文字が浮かび上がり、対象内に沈み込むと
対象は筆で書いた事柄を不可能なまま実現可能になる。
スタンド自身に意思があるようで機嫌が悪いと筆が載らず能力が使えない。
まだ『成長途中』であり、なんでも可能に出来るわけではない。
『ハラジュク・ガール(通称)』
破壊力:なし スピード:なし 射程距離:A
持続力:A 精密動作性:なし 成長性:D
688
:
『手に汗握る』
:2016/01/17(日) 22:59:07
財産は滅び、身内の者は死に絶え、自分もやがては死ぬ。だが決して滅びぬのが、自らの得た名声だ。
―――――――――――『オーディンの箴言』より
689
:
『手に汗握る』
:2016/01/17(日) 23:12:58
ある日のことである。
キミは……『牡丹』は、とある喫茶店で穏やかな午後を過ごしていた。
個人経営の小さな、しかし良い店だ。
シックな雰囲気、暗めの照明。
主張しすぎない小さめのBGM……
『牡丹』はこの喫茶店でおよそ『1000円ほど』の注文をした(何を頼んだかは、当然キミの自由だ)。
客の数はまばらだ。
『牡丹』を含めても右手で数えられる程度。
特筆するのであれば、カウンター席に座る『牡丹』の隣に『神経質そうな眼鏡の男』が座っているというぐらいか。
とはいえ、さほど広くも無い店内だ。そこまで違和感に感じることでもないだろう…………
(『外見』『所持品』『能力』などの提示とレスの開始をお願いします)
690
:
『手に汗握る』
:2016/02/02(火) 01:08:31
当ミッションは参加PLとの相談の結果、『移行』と相成りました。
長らくの占有失礼しました。以下、ご自由にお使いください。
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