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【場】メインストリート その4
986
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/12/29(火) 01:43:09
>>985
「あ、ありがとうございます!」
ニコ‐
「そ、そうですよね。えへ……
嘘つく理由なんて、ないですね。」
トトト
小鍛冶の後ろを、離されないよう着いていく穂風。
スクールバッグは、しっかり握りしめる。
「あ、はい……
実は困ったことに、なって。」
「ゲームの、ソフトだけ、もらってしまって。
ハード……が、ないと、遊べない、から・……」
ト ト ト
後ろを歩きながら、答える穂風。
そもそも望まぬプレゼントだが……まあ、どうせだ。
「それで、ゲーム屋さんを、探してて……」
・・・・そういうことだ。
987
:
小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』
:2015/12/29(火) 01:50:45
>>986
「えぇ、そうよ。」
「嘘は信用も信頼も失うの。軽々しく口にするものでは無いわ。」
「うふふ。重々しく口にしても許さないけど。」
マイペースだ。
自分の理論。自分の哲学。
それを垂れ流しながら歩く。
相手が聞いているかなど気にしていないかのように。
「……お友達かなにかからのプレゼントかしら?」
「家族だったらどういうハード持っているか把握しているものですものね。」
疑問だ。
なぜ?持って無いハードを?
「着いたわよ。」
小鍛治が足を止める。
そこはゲーム屋の前だ。
内側からポスターをべたべたと貼っているせいで中の様子は分からない。
看板や店先に汚れている様子は無い。
きちんと客商売として気を遣っているのだろう。
「ところで何を貰ったのかしら?」
ゲーム屋の扉を開けながら小鍛治が問うた。
988
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/12/29(火) 01:59:41
>>987
「…………は、はい。」
(嘘はいけない……
そう、だよね。悪い事だ。)
コクリ
小鍛冶の言葉は、重く聞こえた。
穂風の首肯も、少しばかり、重々しい。
「あっ、ええと。
あの……サンタさん、からの、プレゼントで。
だから、持ってないって、知らなかったんだと……」
モゴ
穂風は大きい。
サンタを信じる年ごろではない。
・・・・が、サンタなのだ。
「あ――ここ、ですか。」
ゲーム屋の前。
開けてもらったドアをくぐる。
(うわ……ゲーム、たくさん……!)
キョロキョロ
――と、そこで問われた。
ゴソ
「これ、を……」
『わがものガールズおしゃれロード』。
穂風が鞄から取り出したのは、そういうゲームだった。
「お洒落がしたい、って、お願いしたら。
あの、このゲームがプレゼントされて……」
「……せっかく、なので。」
・・・・微妙な顔をする穂風。
穂風の服装はあまり上等ではない。
妙につぎはぎな、黒いマントのような外套。
布を裂いたような、同じく黒いリボン。
スクールバッグだけが、ぴかぴかだ。
989
:
小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』
:2015/12/29(火) 02:12:50
>>988
「うふふ。そう重くなくていいのよ。」
「あなたのゲーム屋に行きたいというのが、嘘じゃなければの話だけど。」
……
……
「サンタ。そう。いいわね。私のトコにはもう来ないのよ。」
「私は悪い子なのかしら?」
口元に手を当ててくすくすと笑っている。
冗談だろう。小鍛治自身、葉鳥が心からサンタを信じているとは思っていない。
「……随分とおかしなサンタさんね。」
「いえ、プレゼントをくれた相手を悪く言うつもりは無いのよ。ええ。
でも……いえ、やめましょう。受け取り方、考え方は人それぞれですもの。」
おしゃれがしたいと言われたらどうするだろうか、と小鍛治は考える。
(服を贈るわね。)
随分と現代的なサンタさんだ。宅配便でプレゼントを配送してきそうなほど。
「それのハードはここよ。」
小鍛治は特に質問をせずハードが並べられたコーナーまで案内する。
黒いロングスカートが揺れる。
小鍛治は白いシャツの上に黒いカーディガンを羽織っていた。アクセサリーの類は見つからない。
「ところであなた、お金は持ってきているわよね?」
「いえ、あなたを疑っているわけじゃないのよ。でも、そういうのあるでしょう?」
「なにさせるついでになあなあで別の欲求を飲ませる人。」
葉鳥の服装からそういう連想をしたわけでは決して無い。
しかし、少し怪しんでいる。
990
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/12/29(火) 02:21:02
>>989
「い、行きたいです。本当に。」
コク
・・・・
・・・・
「あの、ええと……
私も、そんなに、良い子じゃない、ですし。」
モゴ モゴ
(……どうだろう?
私、良い子なのかな……?)
胸は張れない。
けれど、自分が悪い事は、穂風は思わない。
「お金、高かった、から……
良い子じゃなくても、くれるんだと思います。」
コク
金で買ったサンタクロース。夢が無ければ、こんなものか。
ト ト ト
(良いな、お洋服……)
ハードの前へ。
「高っ……」
思ったより、高かった。
件の靴下で、穂風のお金はそんなにない。
「……あの、諦め、ます。
お金、足りないみたい、だから。」
お金が足りないのだ。
そこまでしてほしいものでもないし、諦めは早い。
借りる――そんなことはしない。
††† ††† ††† ††† ††† ††† ††† ††† †††
あッ!でも他人にお金を貸すとかはダメよ!
††† ††† ††† ††† ††† ††† ††† ††† †††
・・・・借りるのもダメだろう。
従僕ではない、だが、助言は聞き入れる。
991
:
小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』
:2015/12/29(火) 02:34:22
>>990
「お金?変な事を言うのね。」
「まぁ、いいわ。そういうこともあるわよね。」
噛みあっているのかいないのか分からないが、少なくとも小鍛治の中では会話になっているらしい。
「ええ高いわよ。今時のゲームなんてね。」
「私、あまりこういうのはしないけれど。」
ちらりと横目でハードたちを見るが、小鍛治はそこに価値を感じられない。
興味をあまり持てないでいた。
「そう。残念ね。」
「あれだけ楽しみにしていたのに可愛そう……だから私が―――なんて思わないわ。」
「私とあなたはついさっき会ったばかりだし。」
「いえ、たとえあなたが私の妹だったっとしても、お金で甘やかしたくは無いの。」
小鍛治は淡々と告げる。
もとより金を貸そうなどと言う思考は無い。
それは小鍛治にとって堕落の証明であるからだ。
「お金を貸すときはお金をあげると思って貸しなさい、そう言われたわ。」
「あげられないわ。あなたにも誰にも。」
少なくともそこまで信用できる相手が今の小鍛治にはいない。
「お金を稼ぐか親御さんにねだるかしなさい。」
「厳しいかもしれないけど、私が言えるのはそれだけよ。」
992
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/12/29(火) 02:44:13
>>991
穂風は元より、借りる気などない。
自立を是とする穂風には、そもそも金借りは気に合わない。
キョトン
「……え、あ、は、はい。
そう、ですよね。お金を貸すのは良くない、って。」
淡々とした釘刺しに、少しきょとんとして。
「教えて、もらいました。
だから、厳しくないと思います。
……あの。案内、ありがとうございました。」
ペコリ
それから、小さく頭を下げる穂風。
そして――
「では、また。」
「……」
(素直に、お洋服ってお願いしてればなぁ……)
トボ
トボ
一つ穂風は失敗した。
けれど、これからまだ、時間はいくらでもある。
・・・・背中をやや丸めて、店を去る。
993
:
小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』
:2015/12/29(火) 02:52:13
>>992
「ふうん。教えてもらったの。」
「いいじゃない。教えてくれた人を大切にするのよ。」
葉鳥を見送る小鍛治。
帰るのは小鍛治も同じだが、一緒に店を出ようとは思わなかった。
(……あの子、なんでスクールバッグだったのかしら。)
(聞きそびれたわ。)
別に何を買うわけでもない。
何の用も自分はこの店に無いのだ。
ぐるりと一周して見て回り、やはりここが自分の興味を引かない場所だと感じ、小鍛治は店を出る。
(……いたずらじゃなかったのよね。)
(少し、悪いことしたかしら。)
(今度会ったら謝ろうかしら。いえ……どんな言葉をかけるというの?)
(……)
心にもやがかかったような気分だ。
不思議な心持で小鍛治は帰っていった。
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