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【場】メインストリート その4
591
:
我堂 蘭『マーチャンダイス』
:2015/07/30(木) 00:39:06
――7月某日、午後。
一人の少女がメインストリートの外れにある公園内の片隅で、
キャリーバッグを空けてゴソゴソと中身を漁っている。
年の頃は10歳ほどだろうか。
頭に三角巾を被り、左の頬に大きな絆創膏を貼り付けている。
「そういえば夏になったから」
「『携帯型プロペラヘッド』がまた使えるようになるわね」
「在庫が余ってるんで早めに売り出そうかしら」
そう言いながら少女は手を覗きこむ。
大半の人間からは、何も持たずに空の手を凝視しているようにしか見えないだろうが、
ある一部の『特別な人間』には、少女の手の中に
小さな『風車』が1つ、握られているのが見えるだろう。
そして、その『風車』が実体の無い『スタンド』であることにも、気がつくに違いない。
592
:
久々宮 縁組『ザ・プレイヤー』
:2015/07/30(木) 01:23:56
>>591
「ふむっ……」
裾の短い水干を着た、ツーサイドアップの少女が、紙切れを片手に周囲を見回す。
(ttp://image01w.seesaawiki.jp/e/4/ebatan4/a238eea1.jpg)
「『方角:東方に吉あり』『探し物:人々の集う場所に行くべし』『色:白色のものを身に着けるとよい』。
……というか神社から東で人が集まるってこれ漠然としすぎですね…」
《のう巫女や……今日はもう帰って涼まぬか………?》
グニャア
ただでさえ冒涜的な像が、陽炎のようにぐねぐねした。
「ここまで来たのに!というか神様でも夏バテするんですね」
《仕方あるまい。『悪霊』や『守護霊』の力は届かずとも、この世のことわりそのものまでは儂にもどうにもならぬ》
593
:
我堂 蘭『マーチャンダイス』
:2015/07/30(木) 01:29:49
>>592
久々宮が周囲を見回していると、
少し離れた方にいた10歳くらいの女の子が、
半開きになったキャリーバッグを引っ張って久々宮の方に近づいてきた。
「…………」
「お姉さんもしかして『スタンド使い』かしら?」
その目は久々宮の背後の『像』にハッキリと向けられている。
594
:
久々宮 縁組『ザ・プレイヤー』
:2015/07/30(木) 01:38:16
>>593
キラッ
「こんにちは!
そうですね…厳密には違いますけど、だいたいそんな感じです」
《こやつもか…実際多いのう、この街には…》
今日は『煌き』も、夏の日差しの前に少し霞がちだった。
ドロォ……
水面に流した墨が渦を巻くみたいに、像が形を変える。
申し訳なさそうに、小声で我堂に耳打ちをした。
「…済みませんお見苦しいところをお見せして………なにせそのお年を召しているものですから…」
595
:
我堂 蘭『マーチャンダイス』
:2015/07/30(木) 01:43:44
>>594
「……なんだかずいぶん変わったスタンドを持ってるわね」
久々宮に耳打ちされた少女は怪訝な目で『ザ・プレイヤー』を一瞥した。
「はじめまして」
「わたしは『我堂 蘭』」
「世にも珍しい『スタンドのアイテム』を売り歩く旅の商人よ」
「お姉さんもよかったら何か買っていかない?」
「安くしておくわよ」
596
:
久々宮 縁組『ザ・プレイヤー』
:2015/07/30(木) 02:09:51
>>595
スタンド
「持ってるんじゃなくて、憑いてるんです。あと『守護霊』じゃなくて、『神様』なんですよ。
まあ、それはそれとして。久々宮縁組です。『ひさびさみやさん』でも『くぐみん』でも『ぐみぐみ』でも、好きな呼び方で呼んで下さい」
座りません?と近くのベンチを示した。
「ドラクエとかFFとか、JRPGっぽい……!!
ふむっ…カタログあったら見せてもらっていいですか?いいものなら高くても買っちゃいますよ」
597
:
我堂 蘭『マーチャンダイス』
:2015/07/30(木) 20:45:07
>>596
「神様?」
「よくわからないけど……まぁスタンドが見えるなら何でも構わないわ」
そう言いながら、久々宮の申し出に応じ近くのベンチに移動し腰掛ける。
「えーとね」
「まず一つ目の商品はこれね」
我堂はキャリーバッグから『風車』を一つ取り出す。
『風車』は実体の無いスタンドで出来ている。
「これは『携帯型プロペラヘッド』」
「見ての通りの『小型扇風機』よ」
「人体やスタンド像につきさすと自動で回って風をはこぶの」
「電気もいらないしどこでも使えるわ」
「それに『スタンド』だから持ち主が自由に出したり消したりできるの」
「ちなみに機能が使えるのは夏の間だけね」
「値段は『7万円』よ」
次に、我堂はキャリーバッグにくくり付けてあった『雨傘』を手に取る。
こちらは『風車』と違って実体があるようだ。
「これは『アメフリヤ・エブリウェア』」
「これをさすと辺り一面に雨が振るという優れものよ」
「水不足に悩まされる心配とはもうおさらばよ」
「降らせた雨は傘を閉じればすぐ止むから」
「今の季節ならちょっとした打ち水とかの代わりにもなるわね」
「こっちは一年中使えるわ」
「値段は『10万円』よ」
「あともう一つ」
「今手持ちの在庫がないけど」
「『ナパーム・ビーチ・ビキニ』という商品があるわね」
「これは水着なんだけど 着用者に『性的興奮』を覚えた相手を」
「『爆発』させるというシロモノよ」
「まぁ爆発って言っても実害はなくて吹っ飛んだ箇所は勝手に治るんだけど」
「ちなみに爆発は一夏ごとに一度ね」
「これはデザインが自由だから希望があればそれに合わせて発注するわ」
「値段は『8万円』よ」
598
:
久々宮 縁組『ザ・プレイヤー』
:2015/07/31(金) 02:57:52
>>597
「ふむふむ…。
あっ、これはいいですね」
『アメフリヤ・エブリウェア』に興味を惹かれたようだ。
デザインは普通の洋傘なんだろうか(番傘とかだといいんだけど)。
そして……。
「ほほう」
ほほう。
「オーダーメイドの水着、という事ですねっ。出来上がるまでどれくらい掛るんですか?」
599
:
我堂 蘭『マーチャンダイス』
:2015/07/31(金) 07:40:27
>>598
久々宮は興味深そうに『アメフリヤ・エブリウェア』を見る。
外見上は何の変哲もない雨傘で、デザイン的には洋傘に近いようである。
「そうねぇ」
「商品の発注から完成までは」
「『業者』の手があいてれば10分くらいでできるわ」
「おそくとも2〜3日あればまちがいないと思うわね」
600
:
久々宮 縁組『ザ・プレイヤー』
:2015/08/01(土) 01:10:20
>>599
「早っ…!
まあ爆発云々は横に置いといても、オーダーメイドのスゴイ水着は欲しかったところです。
『8万円』、即金で支払いましょう」
肩から注連縄で提げた、ハンドバッグより少し大きいくらいの『賽銭箱』の底を開いて支払う。
……ちらりと見えた感じでは、相当溜め込んでいるようだ。
「後はデザインですか…………」
これまた腰から提げた『大福帳』をばさりと広げ、筆ペンで書きつけ始めた。
601
:
我堂 蘭『マーチャンダイス』
:2015/08/01(土) 02:21:01
>>600
「ありがとう」
「気前がいいわね」
「助かるわ」
久々宮から差し出された『8万円』を受け取る。
「あと希望の色と」
「サイズを書いといてちょうだい」
「それに合わせて発注するわ」
デザイン画を描いている久々宮にそう告げる。
602
:
久々宮 縁組『ザ・プレイヤー』
:2015/08/02(日) 00:18:08
>>601
「お金は何時でも稼げますが、稼いだお金を使う時には『機』が重要なんですよ。
…さて、こんな感じでしょうか」
サラサラ
迷いのない筆致で描き上げる。
(ttp://blog-imgs-72.fc2.com/n/i/j/nijigenizumi/1412275005.jpg)
「色はブラが白、それ以外はピンク、この首のネクタイみたいな飾りは赤で。
サイズは上から………こほん、96、60、95です」
603
:
我堂 蘭『マーチャンダイス』
:2015/08/02(日) 00:22:43
>>602
「ふむふむ」
「なるほどね」
「わかったわ」
必要事項を確認し、我堂はベンチから立ち上がった。
「じゃ その内容で発注をかけるとするわ」
「完成品ができたらご自宅に輸送させてもらうわね」
「お姉さん住まいはどちらかしら?」
「見たかんじ神社とかに住んでそうなかっこうだけれど」
604
:
久々宮 縁組『ザ・プレイヤー』
:2015/08/02(日) 00:30:00
>>603
「ええ、町外れの、湖のすぐ近くの神社が実家です。
送り先はその神社………御蔵神社宛で大丈夫ですよ」
605
:
我堂 蘭『マーチャンダイス』
:2015/08/02(日) 00:33:00
>>604
「御蔵神社ね」
「承知したわ」
「到着をお楽しみにね」
そう言って、我堂はキャリーバッグを引いて歩き去っていった。
606
:
久々宮 縁組『ザ・プレイヤー』
:2015/08/02(日) 00:39:55
>>605
「んふふ、楽しみにしてますよっ。
………なるほど確かに、おみくじの効果は抜群でしたね!!」
《ftyふいじょkpl@…》
どろどろに歪んだ『像』を背負って、意気揚々と帰っていった。
607
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2015/08/10(月) 23:08:30
ある夏の日。
和菓子屋『鈴眼』前。
和服に身を包んだ少年がいる。
肩まで伸びた黒い癖毛。男性的とはいえない華奢な体とどこか女性的な雰囲気がある。
夏の暑い太陽の下、彼は和菓子を売っている。
簡易的だがテーブルの上に冷やした状態の和菓子が並べられ、日よけの傘が立てられている。
(あっつぅ。今日何度やろぉ。ちゅうか、もっと従業員雇ってくれたら交代制で出来んのにぃ……)
店員の少なさに憂鬱な気分になるが、顔には出さない。
優しく微笑み、客を呼び込む。
「ひんやり冷たい和菓子はいかがですかー。」
608
:
赤夜『ウインドミル』
:2015/08/10(月) 23:21:47
>>607
「お一つ頂いても構わないかな?」
日傘を差したご令嬢、もとい僕が通る。
何時も通りの宝石のような淡褐色の瞳、陶惑するような
夕陽の色をした長髪を風の悪戯のままに乱れさせながら登場するよ。
「いやはや暑い。この熱気には参るね
羊羹とか、そういったもの以外でお薦めがあるかい?」
そう、聞こうかな。それにしても目の前にいる人物は女性なんだろうか
それとも男性なんだろうか? どちらにしろ『和』が表に出ているね。
609
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2015/08/10(月) 23:37:06
>>608
鈴元は女性が苦手だ。
それは思春期から来るもので、特別なことは無い。
というより、その人生は女性とのつながりが強かった気もする。
だから、赤夜のような女性を見るとほんの一瞬動揺してしまうかもしれない。
ただし、それは鈴元がただの少年だったらの話だ。
今の鈴元は『鈴眼』の店員で、この店の次男坊だ。
だからかは分からないが……
(きれぇなお人さんやねぇ。)
心の中で思うに留めた。
「ホンマに暑いですねぇ。
えっと、羊羹以外やと……こういうんですわ。」
鈴元が取り出したのは
竹の皮に包まれた黒い和菓子。
黄色いミカン。ただし上部に輪切りにした痕跡があり、切れ目がうかがえる。
透明な膜に包まれた黒い球の三つだ。
「店内でお召し上がりやったら他のもありますけどぉ。
どないしましょう?」
変わらず微笑んで聞く。
610
:
赤夜『ウインドミル』
:2015/08/10(月) 23:45:28
>>609
「ほぉ」
まじまじと、黒い和菓子をじーっと見つめる。
「ほぉ……」
世界各国を色々と見てきた身だけど、こう言う和風な品々には
余り身を浸かっていなかったと、こう言う美しい和菓子を見ると改めて思うね。
「この黒い和菓子は、おはぎなのかな?
柑橘……切れ目、これが味を引き立たせる……?
透明なものに包まれたものも興味深い。すまないけどご教授して貰えないだろうか?」
知らない事は恥ずかしい事ではない。むしろ、『未知』とは
恋に焦がれるように、心惹かれ浮き弾むものだ。全知全能の神がいるとすれば
とてもつまらないだろうね。先が知ってしまえば、驚けるような出会いが無いのだからさ。
僕は知らないものに対して心なし心躍らせて、和菓子を指で示しつつ
店員さんへと聞くよ。
611
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2015/08/11(火) 00:12:44
>>610
「じゃあ、1つずつ。」
まず鈴元は竹の皮に包まれた黒い和菓子を指差した。
「蓮根餅。レンコンのでんぷんを使うたお菓子ですぅ。
餅っちゅうよりは、もちもちしてて柔っこい食感です。
ウチは黒糖で味付けしてるから、甘みもそこそこにありますわぁ。」
蓮根餅の食感はワラビ餅などに似るという。
続いて鈴元はミカンを指差し、その上部を取り外した。
中にはミカンの皮のように黄色いゼリーが詰まっている。
「夏みかんの中にゼリーが詰めてあります。
ミカンの果汁と実を使ったゼリーですけど、ちょっとほろ苦うてさっぱりした甘みがありますぅ。」
有名な店では夏柑糖などと呼ばれる商品だ。
そして最後に膜に包まれた黒い球のような和菓子を指差す。
「これが、葛饅頭。
葛を使ったひんやりしてて柔らかい生地に
きれぇに染めた餡子を包んだ和菓子です。」
水晶のような美しさを持つとも言われる和菓子だ。
これで一通りの説明を終えた。
「まぁ、百聞は一見にしかず。食べてもろたら味は分からはるぅ思います。」
「どないやろ。食べるトコもありますから、お1つどないですぅ?」
鈴元が開いた手を伸ばす。
ちょうど売るスペースの少し奥に日よけの傘と椅子と机が置いてある。
飲食スペースだ。
「一応食べるトコは中にもあるんやけど、外で食べるんもエエ思いますよぉ?」
612
:
赤夜『ウインドミル』
:2015/08/11(火) 00:26:50
>>611
どれもこれも魅かれる品々ばかりだ。
「『蓮根餅』『夏甘糖』『葛饅頭』か。
夏甘糖に関しては、聞き覚えがある気がするな。
いやはや、それにしても全部が全部女性にとっては強敵な顔ぶれ。
体重的には頭は制止を上げてるに関わらず
手と口は既にこの三つの品に伸びているんだ」
フフフ、と口元に手を翳して微笑みながら全て美味しそうだと感想唱える。
「それではご好意に沿って外のほうで食べる事にするよ」
日傘を少し置いて飲食スペースのほうに座る。
そして一つ一つ味わいなが含む。
「んんっ……! 餅の食感がありながらも、その実、蓮根独特の甘みと
黒糖特有の甘みが争う事せずに口の中を踊っている。
夏甘糖は、この季節ならではの暑さを優しく拭ってくれる涼風を
喉越しへと通る。これもまた絶品だ
そして最後に葛饅頭。
水晶のようの光沢と合わさって、口に含んだ瞬間見た目とは反した
餡子の和が口の中へと放出して満たしてくれる」
そう、味わい深く感想述べる。
いやはや、この三つの品には感服したね。 御見それしたよ
「これは現金10万で譲って貰っても良い味だ。
それで少し下品な言い方だが。お幾らだい?」
そう、革の財布から諭吉の束を10枚程数えつつ尋ねよう。
613
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2015/08/11(火) 00:46:29
>>612
「うふふ。そう言ってもらえると嬉しいですわ。
『鈴眼』500の歴史の味ですぅ。」
鈴元にとって誇らしいことだ。
自分は次男坊でこの店を継ぐ資格が無いのだとしても。
「いや、どうぞぉ。ゆっくりおあがりやすぅ。」
赤夜を飲食スペースに誘導しその食事を見守る。
満足そうな食事風景を優しい表情で見ている。
ちなみにだが、正式な夏甘糖はゼリーでなく寒天を使っている。
なので鈴眼のこれは夏甘糖もどきではある。
(結構素直なお人さんなんやろか。
なんちゅうか、お上品な感じもしとったけど。)
視界の端で確認するが、他の客は来ていない。
「おおきに。お気に召しましたやろかぁ?」
「へ?……あ。やや、別に十万も出してもらわんでも買うてもらえますからぁ。」
(なんや部長みたいなお人さん?よう分からん……)
頭の中で金満富豪のお嬢様を思い出しつつ赤夜を静止する。
いくらなんでも和菓子三つで十万というのは如何なものか。
(創作和菓子とか上生菓子やったらともかく……)
と言っても今度は三つ十万ではきかない商品ではある。
「三つで……こんだけですぅ。」
鈴元は商品が置いてあったテーブルから紙を取り出し、さらさらと記帳する。
計 二千三百円である。
614
:
赤夜『ウインドミル』
:2015/08/11(火) 01:06:39
>>613
>計 二千三百円である
「あらあら。随分と良心的な値段なんだねぇ」
そう言って諭吉の一枚を出しつつ感心の声を出す。
「だが、僕的には不満だねぇ・・・
あぁ、いや。君と君のお店の出す味の事ではないよ。
こうまで美味しいものを出して頂いたのに関わらず、ただの金銭だけの
やり取りだけで美味しかったよ、と言う感謝を示すのが不満なのさ」
そう、告げて暫し思案する。そして思いつく。
「……あぁ、そうだ! 良ければ僕の『短冊』を受け取ってくれないかい?
これは僕にとってのお守り、そして君にとっての短くも夏空を過る狐の嫁入り
のように摩訶不思議な出来事を君に送ってくれると思うよ?
フフフ、遠慮なく受け取ってくれたまえ。これはほんの感謝の気持ちなんだから。
短冊の使い道は分かるだろう?」
と、店員『鈴元』に対し懐で『ウインドミル』を発現しつつ、それを
諭吉と一緒に差し出そう。早めに使ってくれるべきだね その方が
驚きも一塩、何より僕も見ていて楽しめる。
615
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2015/08/11(火) 01:15:57
>>614
(あんまり高うしたら買うお客さん限られてくるんよなぁ。)
正直本物の夏甘糖を売ってもいいのだが、店頭販売の値段を逸脱しかねない。
全てグレードダウンして売ってこの値段だ。
本来の和菓子の姿、値段で売るとお高い印象が強すぎるのだ。
「短冊?」
赤夜が何を言っているのか分からないようだ。
とりあえず、諭吉と短冊を受け取る。
そしてテーブルに戻り、つり銭の用意をして戻ってきた。
「えっとぉ、お釣りですぅ。後、短冊ってどないしたらエエんやろか?」
「願い事書いたらエエん?」
616
:
赤夜『ウインドミル』
:2015/08/11(火) 22:10:00
>>615
お釣りの7千7百円を受け取る。あれ 縁起が中々よくないかい。
「フフフ。偶然かも知れないけど僕の誕生日と同じ並びだ、いや
良いねぇ」
そう財布の中に入れつつご満悦だ。おっと 店員さんの質問に答えないとね。
「そうだね、願い事。ちょっと店に人をもっと呼びたいな、手が離せないけど
友達に連絡をしたいな。そんな些細だけど君の本心である願い事。
それを叶えてくれるのが、この『短冊』なのさ。
おっと、信じられないかな? ものは試しに何か願い事を書いてみると良い。
『短冊』はきっと君の願いに応えてくれるだろう」
と、手を口元に翳してフフフと微笑みつつ答えるよ。
617
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2015/08/11(火) 23:39:01
>>616
「いや、七夕の生まれなんですかぁ?」
「良かったですねぇ。」
そういう偶然もあるようだ。
今日は運がいいのかもしれない。
もっとも赤夜がそういったことを気にするかは不明だが。
「はぁ。願い事……?」
スタンド能力だろうかとも勘ぐる。
短冊に願い事を書くのは間違いではないとも思うが。
(『部長と遊びたい』……は今度でもエエかな。
あ、『墨彦さんの怪我が早く治りますように』?
それか、『朱鷺宮さんがぽんぽこお腹に物当てんなりますように』?
『灰羽さんがハイカラさんになりますように。』とか『水溜さんのピアノが聞きたい』とか?)
色々思い浮かぶがどれを書いたものかと頭を悩ませる。
(……家内安全とかは心がけ次第やろしぃ。
『桜になりたい』とかは卑怯よなぁ。)
しばらく考えて、筆をとる。
『涼しくなりたい』
無難だが、それは本心だった。
618
:
赤夜『ウインドミル』
:2015/08/11(火) 23:47:18
>>617
『涼しくなりたい』
―グググクン・・・ ピ力ァ――!!
『ウインドミル』の『短冊』は、筆で描かれたその内容が書き終えると
同時に『紙人形』へと変形した!
微妙に、君の姿形に似せられてるように思える。(※以降紙人形の操縦権及び紙人形の
涼しくなろうとする為に働く行動等は鈴本氏に任される)
「おぉ! 君の願いに『ウインドミル』は目覚めた!
はてさて、今や僕の手を離れ『ウインドミル』は君の分身と言って良い。
その願いを叶えるべく飛び立つだろう。僕はその君の願いが
どう結ばれるのか暖かくここで見定めて貰う事にするよ。
……あ、お土産に今食べたものを1点ずつ包んで貰って良いかな?」
ちゃっかりとお土産の品を追加で注文しつつ『ウインドミル』の
動きを見物する。危険な願い事では無いみたいだ さて、この町に来て
初めての『願い事』を記す人間だ。君はどのように『願い』へ向けて動くのかな?
619
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2015/08/12(水) 00:12:05
>>618
「はぁ、『ウインドミル』」
紙人形を見つめて呟く。
もうスタンド能力と思っていいだろう。
ぱっと風に乗るように『ウインドミル』は飛んでいく。
「あぁ、はい。今すぐに。」
そう言って元のテーブルへと向かう。
ちらりと横を見ると『ウインドミル』は鈴元の横を進んでいる。
付いて来ている、と言ってもいい。
ごそごそと三つの和菓子を包んで持っていく。
『ウインドミル』まだ並べられている和菓子の中にいた。
「はい。こちらが商品ですぅ。」
鈴元が戻ってきて商品を渡したころ『ウインドミル』も戻ってきた。
そして、ぴたっと鈴元の額に張り付く。
『ウインドミル』はほんの少し濡れている。
どうやら和菓子を冷やしていた氷や保冷剤から出た水滴を身にまとったようだ。
簡易的な冷えぴたのような状態である。
「いや。涼しい。暑いのマシんなったわぁ。」
「これが、短冊の力なんやろか?」
620
:
赤夜『ウインドミル』
:2015/08/12(水) 01:01:42
>>619
>「これが、短冊の力なんやろか?」
「あぁ、そうだ。
アボリジニ達は、僕の力を精霊の成す力と呼んだ。
マオリ族はこの力を『異端』と彼らの成す語で呼称し
クルド人達はコレを天に近しき振るえるものと指した。
大仰だけれども、僕にとってこの力は『願い』を叶えるもの
ほんのちょっぴり人間の望みを支える。天の川の橋を担う星屑の一つで
あれば良いと願っている。どうかな? この力を気に入ってくれただろうか」
そう、口元に手を翳して尋ねよう。もし、僕に失礼があれば
謝罪をしよう。それが令嬢としての品性、と言うものだよ。
621
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2015/08/12(水) 01:15:37
>>620
「はぁ。なんやいろんなトコに行ってはんのやねぇ。」
なんだか色々な民族と交流しているようだ。
大陸を渡る交流に関心を示す。
「ん。涼しぃなったしエエ力や思うよぉ。」
「おおきにぃ。」
鈴元は彼女の能力に満足と感謝を示した。
文句など、あるはずもない。
「それじゃあ、僕からも聞くんやけどぉ。」
「『鈴眼』の和菓子、その値段と味。満足いただけましたぁ?」
622
:
赤夜『ウインドミル』
:2015/08/12(水) 01:29:44
>>621
「勿論だとも」
手元を口で隠しつつもクスクス笑いは隠さない。
もっとも嘲笑ではない、これは称賛だよ。本心からのね
「『鈴眼』の味、しかと堪能した。また今後もご贔屓させて貰う事にするよ」
『短冊』は願いを果たした。『紙人形』は解かれ何でもない短冊に戻るだろう。
「僕は赤夜 玖赦(しゃくや くしゃ)今後この『鈴眼』の味を
損なわせるような何かがあれば何時でも助力しようではないか。
それではアデュー、店員さん。また近日にでも来ることにするよ」
新たに細かく金銭を支払ってから日傘を差し直して外に出る。
また真夏日ながらも清涼かぐわしき出会いを経たてられたものだ。
「このお店、今度彼にも紹介したいなぁ……フフ」
そう、笑みを押し隠す事なく。僕は意気揚々と流れ歩く。
623
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2015/08/12(水) 01:38:07
>>622
「なら、よかったです。
500年の歴史、またご贔屓にぃ。」
赤夜に頭を下げてた。
同時に短冊が彼の額から落ちる。
効果が切れたのだろう。
「うふふ。またいつでも、ね。」
どこかへ行く彼女の背中にそう呟いて見送る。
鈴元はまた販売にうつるだろう。
しかし今はまだ、この出会いを感じていよう。
「……これ、他の人について書いたらどうなったんやろぉ。」
もしもの話は語りつくせないものだ。
624
:
加須善治『ペイズリー・ドリーム』
:2015/08/13(木) 01:36:21
「へへ、へへへ…これはすごいぞ…すごいペイズリーになる…」
ガリガリガリガリガリガリガリガリガリ
今日も黄金町をペイズリーで染め上げていく、ナワバリバトルだ!
625
:
加須善治『ペイズリー・ドリーム』
:2015/08/14(金) 04:52:27
「………うっ ふぅ…」
アーケードのペイズリー化を成し遂げ、満足げに帰宅した。
626
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/08/15(土) 02:13:10
夏の風に揺れる、大きな黒いリボン。
赤い髪に左の赤目を隠した、黒衣の少女が、道を歩く。
「……」
学園見学の日からしばらく経ったが――
(……制服って、どこで買えばいいんだろう?
そ、それに、そうだ。学費っていうのも、いるらしい……)
トボトボ
いまいち宛てもなく、バイト帰りの道を。
……帰ったら何をしよう。また学校について調べようか。
627
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/08/16(日) 03:37:28
>>626
(それにしても……あ、暑い……
……海、行ってみたいな。)
(でも、あ、遊んでる場合でもないか……)
はぁ〜 ・・・
いろいろ考えることはあるけど、とりあえず、家に着いた。
「……ただいま。」
ギィー
バタン
628
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/08/18(火) 00:07:53
バタム!
……ブロロロロロロロ
バスから降りた。
……退院して、久しぶりのシャバというやつだ。
「……」
キョロ キョロ
昼のメインストリート。
いろいろと買い物に来た。
(……『夏のお祭り』も終わったし……)
服は白レースが配された、水色のワンピース。
眼鏡と帽子は変装のつもりだ。見る人が見れば、わかるだろうけど。
629
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/08/20(木) 14:27:07
>>628
「……あら?」
バスから降りる帽子とワンピースの少女が目に入った。
後姿から見える黒い髪がとっても愛おしい、と真理亜は思った。
……別にそれが白かろうと赤かろうとやはり『愛おしい』と感じるのだろうが。
「さっき『友達を作る方法』と『必ず叶う恋のおまじない』を読んだし……すでに私には二人の『親愛なる友人』がいますわ。
この調子で私の愛(キモチ)をどんどん伝えていきますわ……!」
と、いうわけで、バスから降りた少女についていこう(近づこう)。なお、上記の台詞は独り言である。
後ろを振り返るなら、修道服を着たブロンドの、ニコニコと微笑んでいる少女の姿が見えるはずだ。
身長は恋姫よりも20cmばかり高い。
630
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/08/20(木) 22:32:26
>>629
(……なんか……視線感じるな……
……えひ、僕の後ろに立つな――ってか……)
クル
「うおっ……」
振り返ると、そこに奇妙な少女がいた。
修道服に、笑顔――
(シスター……? コス、か……?
教会ってこの辺だっけ……つーかなんの独り言だよ……)
……独り言。
「こわちかぁ……」
ボソ
かなり怪しいので、『修道服』から、離れる。
見るからに不審なものを見る顔で。
631
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/08/20(木) 22:52:13
「!」
不審者を見るような目で離れられてしまった。
しかし、真理亜にとってそのような反応は慣れたものである。
離れられたのならば近づけばいい。というわけで近づこう。……ストーカーっぽくなっているがまぁ、問題あるまい。
そして、振り返った恋姫を見て真理亜は思った。
(この方……どこかで見たことがある気がしますわ……)
帽子と眼鏡でよく分からないが、見覚えのある顔立ちかもしれない。
まぁ、名前を聞けば分かるだろう。
どちらにしても、近づくことに成功したならば話しかけよう。
こういう時は第一印象が大切だ、とあの本にもあった。(第一印象はもう不審者になっていると思うが)
ファーストコンタクトの台詞はしっかり選ばなければならない。
「こんにちは、私の愛する人。あなたと居ると空が綺麗ですわね……」
真理亜は恋姫にそう声をかける。
こんにちは、いい天気ですね。……と、言いたいのだろうか?
どう考えてもファーストコンタクトの台詞としては失敗だが……。
632
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/08/20(木) 22:52:43
>>631
>>630
633
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/08/20(木) 23:16:15
>>631
近づく分だけ離れる、恋姫。
……だったが。
(……こいつ、僕のファンかな……?
女のファンって珍しい……けど、いるにはいるし……)
唐突な告白(あいさつ)。
ファン特有の『無謀なアプローチ』と、解釈した。
恋姫のファンなら、不審な服装も、言動も、ありえる。
(つってもスルー安定かな……いや、まあ……)
・・・・やや目つきを緩める。
「……ちわ……このご時世に随分……攻めるね。えひ。」
「まさか、アレか……前世が僕の嫁だったりする……?
……えひ。電波ゆんゆん的なやつ……?」
(攻めには……受けだろ。アイドル的に考えて……)
退院したてで気分が良いのもあったかもしれない。
ともかく、陰気な笑みを浮かべて、陰気に対応する恋姫だ。
634
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/08/21(金) 00:26:29
>>633
「まぁ……!」
真理亜の表情が露骨に明るくなる。
大好きな主人の帰りを察知した犬。ずっと欲しかったゲームを買ってもらえた子供。片思いし続けた人と恋人同士になれた少女。
……の、ように。まさにパァアアアアアっと明るくなったという感じだ。
「私、恥ずかしながら前世の記憶はありませんけれど……」
るんるん声になっているのが傍目にも分かるだろう。
「でも、あなたの方には前世の記憶があったのですね……! まさか前世で永遠を誓い合っていただなんて……!
とっても嬉しいですわ! うふふ、私達がここで出会ったのも、こうして愛し合っているのも運命という事ですわね……!」
「ところでつかぬ事をお聞きしますけれど、何年くらい夫婦でいましたの? やっぱりダイヤモンドですの?
プロポーズはどちらからだったかしら? 子供は何人いまして? それからそれから……」
と、大はしゃぎの真理亜だが、よく考えよう。
恋姫は『真理亜が前世で僕の嫁だった』なんて一言も言っていない。『そうだったのか?』と聞いているだけだ。
「……こほん。ごめんなさい、少しはしゃぎ過ぎてしまいましたわ」
ともかく、こんな風に一気にまくしたてるのもよくない。
真理亜は自制し、落ち着くことにした。
そして、落ち着いてみると思い出せた……かもしれないことがあった。
「あの……もし違っていたらごめんなさいですけれど
あなたってもしかして……『稗田こいひめ』ちゃんですの?」
この少女はもしかしたらあのアイドルなのではないか……と、真理亜は思った。
アイドルはテレビ越しとはいえ、みんなに愛嬌を振りまく存在。真理亜の大好きな人間のひとつだ。
……いや、まぁ。真理亜は誰でも大好きなのだが。
635
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/08/21(金) 04:36:29
>>634
「・・・・・・?」
(な、なんの笑顔だこれ……
変なフラグふんじゃったか――)
それで正解らしかった。
「………………は?
いや……ぼ、僕そんなこと言ってないじゃん……」
ジリ
(こ、こいつ……まじ電波か……!?
質問に質問で返すどころか……ま、まじやばい……?)
まさかの事態に呆気にとられる恋姫。
……このままではいかにもまずい気がする。
・・・・と思ったが。
(……え、えひ、自制は効くのか。
……なら、『にげる』のもアレか……?
一応、ファンかもだし……フラグ放置して逃げんのやばそ……)
自制してくれたようだ。
「……前世は……そうなのか? って聞いただけだかんな……?
僕も……前世とか知らないしな……常識的に考えて…………おk?」
なので、説明する。
こういうヤバ気なフラグはへし折っておくに限るのだ。
「えひ、まああれだ、はしゃいだことは気にすんなし……」
フゥ…
「なにせ、あれだ……」
カチャ
眼鏡を外す。その下の桜色の瞳で『修道服』を見上げて――
「みんなのお姫さまの前にいるんだから……
……いつも応援してくれてるなら……ありがとな。……えひ。」
陰気に笑む。
変装は見破られた時点で、意味がない。それならいっそ明かす。
636
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/08/21(金) 23:11:47
>>365
「あっ、確かに……言われてみれば、前世なんて覚えているわけがありませんわよね……。
まあでも、前世で永遠を誓い合っていたもの同士が現世で結ばれるのもロマンチックですけれど、
前世で殺し合った仲が現世で結ばれるっていうのもロマンチックですわよねぇ……」
説明を聞いて納得する真理亜。物分りは良いようだ。
「あ……ありがとうございますわ!」
ああ、なんて優しいんだろう。
あそこまで暴走してしまって、それなのにここまで優しくしてもらえたのは初めてだ。
エリーちゃんも私の愛を受け止めてくれたし、菖蒲ちゃんもそうだったが、
こういうパターンは初めてだった。
……と、許してくれた恋姫に対して、思う真理亜。
「ええ、生まれた時から愛していましたわ……!」
頬を染め、笑顔で返す。
ずっと笑顔だったけど。
誰でも愛するという真理亜の在り方は、厳密にはファンとは違うのだろうが……。
『こいひめが好き』という点においては、ファンと何の違いもないはずだ。
「そうだ。こいひめちゃん。私、少々伺いたいことがあるんですけれど……」
「こいひめちゃんみたいに、皆に真っ直ぐな愛情を向けられる存在になるにはどうすればいいんですの?
こいひめちゃんの場合、女の子にはツンデレられることが多いみたいですけれど……」
全てを愛する真理亜には、嫌悪とか僻みとかいった感情が理解できない。
ゆえに、『こいひめ』の『女ウケの悪さ』を『ツンデレな好意を向けられている』と勘違いしているのだ。
「でも、私は殆どの人にツンデレられてしまうんですの。ツンばっかりですの。ツン10割ですの。
今まで私の愛情を素直に受け止めてくれた人は、こいひめちゃんも含めると3人だけで……。
私も、こいひめちゃんみたいにみんなにデレデレになられたいんですの……」
言葉だけ聞くととんだ自惚れだが、声の調子からして『本気の相談』らしい。
餅は餅屋。『ちやほやされる』ことをアイドルに聞くのは間違っていないはずだ……と、少なくとも真理亜は思っている。
637
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/08/21(金) 23:38:24
>>636
(……僕も受け止めてないんだけどな……
こいつまじ思い込み激しいな……ヤバめなやつか……?
つーか3人って……ぼっちか……? えひ、人のことは言えんが……)
・・・・これを口に出して言うのは、なんとなく憚られた。
なにせ、ファンだし、それに。
「前世の話はもういいじゃん……例え話、みたいなもんだし……」
「……つーか、おまえ僕より年上だろ……?
生まれたときとか……でたらめ乙……」
「……嫌じゃないけどな。えひ……」
ここまでストレートな行為を向けられると、多少は解れるものもある。
そういうのは苦手だが……嫌いじゃ、ない。
「それで、あー……僕、今日はオフ、だから……
恋姫(レンヒメ)でもいい……よ。
親しみとかじゃなくて、オンオフ切り替えでな……」
そして、まず、前置く。
本気の相談という、ファンとアイドルの触れ合い以上を彼女が望むなら。
「んで……僕は、別にみんなからデレられてるわけじゃない……
むしろ、人気度のわりに、アンチ勢多いと思うんだが……男女関係なしにぃ……」
「えひ、自分で言うのもアレだな……そこんとこ、おk?」
そして、そこは、説明しておく。
自分はこの『修道服』のお眼鏡にかなうような人材ではない。
(……こいひめでだって、ありえないんだ。
僕が恋姫なら、もっと……ありえん。)
……そうだ。皆から好かれる。ありえないことだ。
638
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/08/23(日) 21:23:59
>>637
「あっ、そういえば。私が生まれたころはまだこいひめちゃんはいませんでしたわね……。
ま、まぁそこはこいひめちゃんが生まれたときってことで……」
えへへ……と真理亜。そういう事じゃないと思う。
「分かりましたわ。……恋姫ちゃん。恋姫ちゃん。うふふ」
愛おしそうに反芻する真理亜。
「あ、あら? そうなんですの……?」
皆からデレられてるわけじゃない、という発言に戸惑いを隠せない真理亜。
「うーん、恋姫ちゃんのファンには案外ツンデレさんが多いんですのね……」
真理亜の頭の中ではアンチ=ツンデレである。
「まぁ、でも……ツンツンな人たちが多くても、それと同じかそれ以上の人達にデレられているというのも事実ですわ。……憧れ、ますわ。
『こいひめちゃん』にも、『アイドル』という存在にも。『皆』にデレられずとも、『多くの人』にデレられるというだけで。
……私には真似できることではありませんもの。私自身はデレデレなのですけれど」
アイドル『こいひめ』への憧れは消えないようだ。消えるはずもないが。
639
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/08/23(日) 22:32:11
>>638
「……えひ、それでいいよ……
てことは、お前が地上初のファンってわけかぁ……?」
「……笑える……」
エヒヒ
笑みつつ、首肯する恋姫。
呼び名も、それでいい――という意図も含めて。
・・・・そして。
「デレてくれるならいいんだが……」
(……べた褒めじゃん。
こいつ、まじなんだな・・・・)
ファンが夢・憧れを抱いてくれるなら、それを壊すのは野暮だ。
「まあ、アレだ…………ありがとな。
……出来れば、これからも僕の王子様(ファン)でいてくれよな。」
だから、他のファンにそうするのと同じように、対応する。
恋姫は覚めない夢を望んでいる。
「……んで、なんだっけ。
みんなにデレられる方法……か。」
別に、教えない理由もない。
「……魅力のステ上げるのは……まあ、前提として……
ファンサ、じゃないの……? 人を喜ばせるっていうかぁ……」
「あとコミュ力……?
えひ、こりゃブーメランか……」
見た目がよくて優しくてコミュ力があればちやほやはさせるのでは? ということ。
つまり、ふつうだ。それから――
「……あとはまあ、有名になるとかな……えひ。
顔出し配信でもやってみたら……?
ほら、現役シスターがトークする枠とか……うけそう。」
恋姫は相手をシスターと勘違いしているのだ。
640
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/08/23(日) 23:04:32
>>639
「魅力を上げて……ファンサーヴィス……人を悦ばせる……ふむふむ。
ファンサーヴィスかはわかりませんが……『人助け』は趣味ですわ〜〜〜」
相槌を打ちつつ、聞き入る真理亜。
「コミュ力……うっ、確かに私コミュ力は不足気味かもしれませんわ……。
で、でもでも、先ほど借りてきた『実践!友達を作る方法』があれば……」
そういう本に頼っている時点で割と大丈夫ではないのだが……。
真理亜はまぁ、見た目は良い方だ(金髪碧眼のハーフだし)。性格も優しいだろう。(ただし愛が重い)
だが……初対面の相手に求愛をするという性格。コミュ力は残念な方だ。
「有名……顔出し配信……なるほど!
今流行の『ニヤニヤ動画』の『ニヤニヤ生放送』というやつですわね!
ネットアイドル路線ですか!」
ふむふむ、と納得する真理亜。(このスレにおけるニコ動ポジションってこんな名前でよかったのだろうか)
「……ん? 現役シスター?」
と、現秋シスターと言う発言を聞く真理亜。
「あー……誤解させてしまったのならごめんなさいまし。私『シスター』ではないんですの……」
誤解は解かないといけない。
「この服装は私の趣味で……まぁ、言ってしまえば『コスプレ』ですわ。敬虔なキリスト教徒ってわけでもないんですの。
あとは、ほら。『神の遣いである牧師なら強盗も気を許してしまう』という法則がありますから、
似たような『シスター』の格好をしていれば、みんな私にデレてくれるんじゃあないかしら、みたいな……。
……上手くいきませんでしたけれど」
と、自分の服装はあくまで趣味、コスチュームだと伝える真理亜。
名前こそ聖母だが、その実態はどこにでも居る(いない)博愛主義の女子高生である。
641
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/08/23(日) 23:05:34
>>640
現秋→現役
642
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/08/24(月) 02:13:58
>>640-641
「……コミュ力は……地道に鍛えてくしかないわな。がんばれ……えひ。」
恋姫として高い方ではない。
……仮にもアイドルなので、それこそ鍛えられてはいるが。
「……でも、あれだ。
それだと……ニヤ生は……やめといた方がいいかもな。
コミュ力いるし……それに、ほら。人生に残機はないから……えひひ。」
「諸刃の剣ってやつ? ……僕はあんまおすすめしないよ……」
そういうことだ。
炎上でもされたら、後味も悪い。
・・・・そして。
「つーか、趣味人助けとか…………ボランティア……みたいな?
えひ、流石はシスター様……善良なご趣味で――」
「……」
「……お前コスプレかよぉ……」
衝撃的事実だった。
……いや、まあ、どんな服を着ようが、勝手ではある。
ともかく。
「おまっ……先にいえよな……えひ。
つーか…………あれだ。」
(どんだけデレられたいんだよ……
……こいつ、いろいろ『マジ』なやつだな……)
「……見た目から攻めるのはアリだよな、イメージ的に考えて……」
奇しくも、恋姫は本気度を再認識した。
冗談抜き、というやつだ。
「…………でもシスターは……あんま親しみやすくはないしな……何のコスがいいだろな……」
日本では、そう頻繁に見かける存在でもあるまい。
……コフプレにこだわる必要も、あるまい。
--
(*確固たる統一された動画サイト名はなかったはずなので、ノリでいいと思います。)
643
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/08/26(水) 19:01:43
>>642
「ああ、確かに……。生放送はこう……編集とかできませんものね」
うっかり何か口走って特定でもされたら……。
……それはそれで誰か会いに来てくれるかもですし、嬉しいですわね。
「いやぁ、ごめんなさい。聞かれなかったもので……」
と、誤解させてしまったことを謝る真理亜。
「見た目から……ですか。人は見た目が9割って誰かが言っていましたものね」
ふむふむ、と相槌を打ちつつ、
「……参考までに、修道服(これ)以外にも巫女服、僧衣、ターバン、チャドル……宗教関係のコスチュームは一式そろえていますわ。
うーん、でも……巫女服とかはもしかして似合わないのでしょうか……」
真理亜は日本人とイギリス人のハーフだが、金髪碧眼という典型的な西洋風の顔立ちである。
純正の西洋人と比べると若干童顔気味かもしれないが。
644
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/08/26(水) 21:24:26
>>643
「……『素人にはお勧めできない』わな。
まあ、カメラ代とかもいるしな……リアルな話だが……」
特定も怖いが、今時はフリー素材にされるのも怖い。
・・・・ともかく。
「えひ、別に謝る事でもないけどな。
ちょいびっくりしたが……つーかどんだけ衣装持ってんだよ……」
コスプレイヤー、と認識した。
「しかも宗教系ばっかとか……
宗教ネタも諸刃の剣だろ……えひ。」
そもそもコス自体が諸刃の気もする。
日常的に着るものでもあるまい……自由ではあるが。
「……もうちょい媚びたの……とかどうよ?
えひ、男人気は出るんじゃね……メイドとか、ナースとかぁ……?」
「ほら、アレだ、一種のファンサにもなるしな……えひひ。」
陰気な笑み・大げさな身振りで、冗談っぽく言う恋姫。
ろくでもないアドバイスというやつだ。
645
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/08/26(水) 21:56:14
>>644
「えへへ……こういう系統の服、好みなんですの! 一番は修道服ですけれど」
宗教系統の服が好みだと、かなりギリギリの発言をする真理亜。
宗教観は薄く、無自覚だがレイヤー根性があるのかもしれない。
「メイド服……ですか。……いいかもしれませんわ!
ご主人様への愛情を以て忠実に仕える……テーマも私好みですし、西洋の職業ですから似合いそうですわね!
ナースも良いですわね……患者さんたちへの愛。好みですわ……」
と、その『ろくでもないアドバイス』を真に受け、しかも結構気に入ったらしい真理亜。
「しかし……ひと口に『メイド』と言いましても……。
秋葉原の喫茶店にいるような、『短すぎるスカート』に『数割増しにフリフリなエプロン』、『媚びた声で「お帰りなさいませ、ご主人様♪」』って言うような萌え路線のメイドと、
『黒のロングのエプロンドレス』に、『カチューシャではなくキャップ』、『ご主人様に忠実な使用人』というような、本場西洋の正統派なメイド。
……どちらが良いでしょうか?」
『萌え系メイド』と『正統派メイド』。どちらも名前はメイドだが、その需要範囲は大きく異なる。
そういうのに詳しそうな(と、真理亜が判断した)恋姫にアドバイスを求める真理亜。
「それに……ナースにしても、ミニスカートにナースキャップの萌えを追及したナースもあれば、現場で働いている感じの正統派ナースもありますわね。
……最近では戴帽式の時くらいしか被らないとも聞きますし……」
結構真剣に考えているようだ。こう見えて根は真面目なのかもしれない。
あるいは、人に好かれるためだからここまで真剣になっているのか。
「あ、でも『両方やる』っていうのもありなのかしら」
……『お金』という問題が浮上するが。
646
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/08/26(水) 22:20:54
>>645
「そ、そうか……
えひ、まあ好きなコスすんのが一番だよな……」
(まあ、シスターコスも巫女コスもわりとメジャーだよな……
ヘタに突っつくと僕が炎上しそうだ……)
そこまで危なくもない……のか?
いや、この辺にしておこう。
「……でもアレだ、媚びて人気取るなら、アキバっぽいのじゃね……?
ナースの方も……えひ、媚びっ媚びでさ……萌え萌えって感じ?」
「……そういう人気はNG? えひ……」
手段を択ばないなら『ちやほや』はされるだろう。
もっとも――
「……まあ、そういうのでやばい事なったらメシマズだわな。
正統派は正統派で、玄人にウケるって見方もあるし……常識的に考えてもな。」
(……こいつ、ごり押ししたらまじでやりかねん。)
そこまで露骨な真似は、恋姫もあまり好ましく思わない。
なので、冗談はほどほどにしておくのだ。
「……つーか、コスにこだわる必要もないしな。
ありのままの……ってやつ……? 素材の味……」
(……ありのまま。えひ……)
それもアリじゃあないか。と恋姫は思う。
もっとも、誰もがそれを選んでいいわけではないが。
647
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/08/27(木) 00:00:50
>>646
「ありのまま……素材の味」
そういうのもあるのですね……と、真理亜。
「そうなると……やはりこのシスター服に行きつくのかしら」
真理亜にとって修道服は普段着のようなものである。
……修道服をありのままの姿、普段着と言い張るというのも少しアレだが……。
「自分で言うのもなんですけれど、私西洋風の美少女ですし……素材の味を生かすというのはありな気がしてきましたわ」
アイドルの前で美少女を自称するという、大胆不敵な発言をする真理亜。
博愛主義者の真理亜は自身すら深く愛している。
「萌え路線でとにかく媚びる。正統派で玄人の心を鷲掴み。ありのままの姿で素材の味を生かす。どれも捨てがたいですわ……」
全てを愛する真理亜は、同時に全てに愛されていると信じており、ゆえに全てから愛を向けられたいと思っているとても強欲な女である。
だからこそ、どの案も捨てがたいのだ。
「……ん? そういえば……『ありのままの姿』って、突き詰めていけばつまり『全裸』ということでは?
なるほど、確かに裸体というのは芸術の世界においてモチーフにされることが多いですわ……。
そう考えると、逆に『何も着ない』というのも……」
ありなわけがない。だんだん思考が迷走してきている。
それは『ありのままの姿』というか『生まれたままの姿』だ。
……シスター服に手をかけている。まさかそんなことはないだろうが、ここで脱ぎだすつもりなのだろうか。
いくら独特な思考回路をしているとはいえ、まさかその場で服を脱ぎだすはずなどないが……。
648
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/08/27(木) 00:32:36
>>647
「美少女とか……えひっ、まあいいけどさ……
つーか、迷うなら……もうあれだ、全部やればいいんじゃね。」
「日替わりで変えるとかぁ・・・・」
無意識にだが、衣装代はあるのだろう、と判断している。
・・・・そして。
「えひ、何の逆だよ……アウトすぎぃ。
全裸とか……えひひ、アイドルでも捕まるからな……?」
素材の味は『活かす』ものだ。
生の食材をそのまま出すのはやり過ぎなのだ……
「……でも、捕まったらネットでちやほやされるかもな。
美少女露出狂として……えひひ、世界デビューもあるんじゃない……?」
一通り言い終えて――
「……やめとけ、って意味な。」
制止はしておく。
恋姫も、自分の助言でファンが逮捕されるのはいやだ。
649
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/08/27(木) 23:28:42
>>648
「全部……! その手がありましたか! そうですわね、どれか一つだけを選ぶ必要なんてありませんわ!」
お金という問題が出てくるが、アルバイトでもすれば何とかなるだろう……。
「あっ、そっかぁ。ええ、確かに……名高いは名高いでも悪名高いって感じになってしまいますものね……。
全裸はアウトですわね。せめて水着ですわね」
正気を取り戻したようだ。
650
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/08/28(金) 00:02:31
>>649
「選べるなら選んでもいいと思うけどな……
まあ……全部って選択肢もあるってことで一つ。」
「いまどき、ソシャゲのキャラでも衣装差分はあるし……えひ。」
選べないならしょうがあるまい。
人生はゲームじゃないんだし、衣装を固定する必要はない。
「水着もやばいと思うが……
いや、夏だからセーフかな……えひ。」
「……まあ、『Twitter』とかでお前を見ないこと祈るわ。」
炎上はしてほしくないものだ。
……さて、そろそろ。
「んじゃ……相談コーナーはこの辺でおk……?」
買い物に行きたいところだ。
651
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/08/28(金) 20:33:26
>>650
「うふふ、そうですわね〜。集めるのは割と面倒だったりしますけど〜」
真理亜は、ソシャゲはあまり嗜まないタイプである。
一度やってみたことがあるのだが、全部のキャラに愛着がわいてしまい、課金とかが色々と……というわけだ。
「海やプールで水着になる分にはセーフ、ですわね!」
同じような格好でも街中だと通報されるのに、浜辺だと許される……。
「ツイッター? ツイッターでしたら私もアカウントを持っていますわよ」
大方、世界の誰かに対する愛を呟いているのだろう。
「ん、そうですわね……。ありがとうございました、とても参考になりましたわ恋姫ちゃん。愛してますわ」
と、相談に乗ってくれたことへのお礼を言う真理亜。呼吸をするように愛も囁いておく。
「それでその……もしご迷惑でなければ、『メールアドレス』交換してくれませんか?」
と、片思いの相手に告白でもするかのような調子で、尋ねた。
「ちなみに、1日何通までなら大丈夫、とか、この時間帯は返信できない、とかそういうのはありまして?
……夜中や授業中は当たり前として」
652
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/08/28(金) 23:05:27
>>651
「……服と同じくらい、金も要るしな、えひ。
水着カードなんかは、特に……水着より高くなるかも……」
恋姫もソシャゲは大してやっていない。
ゲーム性を求める恋姫と、手軽さが売りのソシャゲはあまり相性が良くない。
「……垢持ってんのか……」
(……知らずに見たらブロックしちまいそうだな……
いや、別にしてもいいよな……)
・・・・ともかく。
「……えひ、愛してるか……よく言われる。
メアドは……まあ、悪用はすんなよな……」
やや目を伏せつつ、浅い笑みを浮かべる恋姫。
そして、スマートフォンを出し、連絡先を交換する。
「……ばらまくのもNGな。
プライスレスなメアドなんだから……えひ。」
プライベートの知りあいだ。
メアドの交換くらいは、してもいい……はずだ。
「一日? ……別に何通ってこともないが……
あんま多いと迷惑フォルダ行き……常識で考えて、な。」
恋姫は浜梨の『規格外』ぶりを知らない。
……いや、常識外の存在ではあるのだろうけど、メールの件数は。
「……返信も、気が向いたらだ。
ゲームしてる時とかは、しない……」
「えひ。いいよな?
ファンレターの返事よりは期待度高いだろ……」
それは、断っておこう。
あくまで知り合い兼、ファンの一人だ。
「イイなら……僕はもう行くぞ。
続きがあるなら……それこそメールしろよな。」
・…そろそろ、この場を去る。
653
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/08/29(土) 00:11:50
>>652
「ありがとうございますわ! うふふ、愛用はしても悪用はしませんわ」
何に愛用する気だ。
「多すぎちゃダメ……心得ましたわ」
10通……くらいまでなら大丈夫よね? エリーちゃんもそうだったし。
「気が向いた時に返信……ということは、返信があったら私に気が向いた、ってこと……うふふ」
うれしそうだ。
「ええ、色々ありがとうございました!
恋姫ちゃんとは、また会える気がしますわ。ここでの出会いが運命なら、再び巡り合うのもまた運命」
「……愛し合うもの同士は引かれ合うのですから」
……と、申し訳程度にジョジョ要素を加えつつ、恋姫に別れの挨拶をした。
「あ、そういえばまだ名乗っていませんでしたわ! 私、浜梨真理亜と申します! よろしくお願いしますわ!」
……真理亜の積極性故に自然に会話が進んでいたが、実はまだ名を名乗っていなかったのだ。
登録された名前をみれば分かるのだろうが、やはり名前は自分の口で名乗るべきである。
……別れ際に名乗るというのもどうかと思うが。
654
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/09/01(火) 02:22:21
大きな黒いリボン。
片目を隠す赤い髪。
そして、マントのような黒い衣装。
キョロ
キョロ
「……」
赤いロードバイクを押し歩く穂風。
何を探しているかというと――
(服屋さんなら、学生服、売ってる……かも。)
そういうことだ。
それに。
(そうじゃなくても、お洋服……
自分で買って、みたいし……
……いや、学生服が優先だ。)
学校に入れるとも限らない。
すこし、気がはやっている。
コロ
コロ
さて、お店が見つかるか、別の何かを見つけるか――
655
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/09/04(金) 23:43:38
>>654
〜しばらく後〜
ガララ
服屋から出てきた穂風。
学生服は、売っていた。
(…………高い。
けど、買おうと思えば、買えそうだ。)
(……来月のお給料で、買おう。
それまでに、もう一回……学校、行かなきゃ。)
今度は、手続きとかそういう難しい話のために。
とりあえず、今日は帰る。
コロ
コロ
656
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/07(月) 00:53:52
メインストリートの一角。
帰宅の途についているのは…朱鷺宮涙音という少女である。
「…眠い…」
…とても眠たい。
目をゴシゴシとこすりながら白亜荘への道を歩く。
(…緊張してるせいで寝付けないのか…な
夜遅くまでゲームするんじゃなかった…)
そう思いながらまたファーとあくびをした。
眠いせいで前方への注意を怠っている。
危ない!
657
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/07(月) 17:18:42
>>656
「うふふ〜……恋姫ちゃんと連絡先を交換しちゃいましたわ〜。
趣味は何かしら。身長、体重、握力、肺活量、好きな動物、愛読書、座右の銘、好きな食べ物、アイドルになったきっかけ……うふふ」
浮かれたオーラを出しつつ歩いているシスター風の少女。名を浜梨真理亜。
「家に遊びに行きたいですわ、できれば一緒に寝たいですわ。でも、まだまだ早すぎますわよね。エリーちゃん曰く、こういうのは順番が大切ですわ……」
涙音が眠気で前方不注意なのに対し、真理亜は頭がお花畑状態で前方不注意、愛は盲目。
……さて、前方不注意なもの同士が曲がり角で出会ったのなら、果たしてどんなことが起こるだろう?
そう、その通り。
「うふふふ……きゃあ!?」
正面衝突。みんなはちゃんと前を向いて歩こうね。
普段ならばこんなことはないのだが、お花畑だったせいで尻餅をついてしまった。
「痛たたた……あの、ごめんなさい、ボーっとしていましたわ。大丈夫かしら、怪我はありませんこと?」
と、同じく尻餅をついたであろう涙音に対し言うが、この状態では締まらないだろう。
658
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/07(月) 17:47:04
>>657
「んー…」
眠たそうな表情で若干うつむいたところで
ごつっ
「あいたっ…!」
見事に正面衝突したおかげで、涙音は尻餅をついて地面に倒れこんでしまった。
「うー…あいたたた…
お腹じゃなかった…」
頭を痛そうに撫でながら、改めて前方を確認すると
「あ…す、すいません…
あの…そちらこそ、怪我をしてないですか?」
とりあえず、起き上がろうとして顔を上げる。
659
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/07(月) 19:38:06
>>658
「いえ、私は大丈夫ですわ。あなたに怪我が無いようでよかったですわ」
真理亜も立ち上がろうとする。
そして、立ち上がることができたなら、
「うふふ、ここで会ったのも運命……ですわ。トーストを咥えていなかったのが心残りですけれど」
そう、曲がり角での正面衝突。
以前本で読んだことがある――――これは、愛し合う前触れ!
「ああ、私の愛しい人。あなたのお名前は何とおっしゃいますの?
私は真理亜。浜梨真理亜。あなたの運命の人ですわ……!」
……そんな状況で出会ってしまったのだから、当然真理亜は大興奮だ。
いつもより求愛が激しくなっている。
……もしかすると、引いてしまうかもしれない。
660
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/07(月) 19:47:55
>>659
「まぁ、その…
頭を打ってしまいましたが…」
ちょっと頭をくらくらさせながら応える。
「まぁ、大丈夫そうでよかったですが……」
と、そこで突如、目の前の女性は妙な話を始める…
「ん…?えーっと…
うんめい…の…?」
あまりに突然の言葉に思考が停止してしまった。
「…あ、その…
もしかして私よりも強く頭を打ってしまったんでしょうか?
す、すいません。」
とりあえず必死で謝る。
(…どうしよう…
頭を打ったんだったら病院に連れてったほうが…)
661
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/07(月) 20:48:41
>>660
「いえいえ、少しぶつけただけですわ。大丈夫ですわ。あなたの方こそ……」
と、真理亜、ここで気づく。
「も、もしかして私、また何かおかしなことを口走ってしまったのかしら……。
ごめんなさい……私、愛しい素敵な人間(ひと)に会うといつも興奮してしまいますの……」
涙音の反応で落ち着きを取り戻したようだ。
「『曲がり角でぶつかった者同士は結ばれる』……って、以前本で読んだことがあるものですから。
ついつい先走ってしまいましたわ……本当にごめんなさい。でも、愛しているのは本当ですわよ?」
662
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/07(月) 20:54:39
>>661
「…まぁ、私は平気です。はい」
とりあえず頭をさすっている。
「素敵な人…愛しいってその…
私達であってもう何秒ってくらいなんですけど…」
落ち着きを取り戻していることはわかるのだが…
やはり突然言い出したことがよくわからなそうだ。
「そ、そんなー。確かにその、漫画とかではよくあるパターンですけど…
私達その…い、異性じゃないというか…」
真理亜の言葉を聞くたびに、なんだか混乱し始めている。
663
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/07(月) 21:20:17
>>622
「まぁ、出会って何秒だなんて。野暮なことをおっしゃるのね?
愛情に、惚れた腫れたに時間は関係なくってよ?」
恋に落ちるのは一瞬。(真理亜の場合は愛だけど)時間の問題ではない、というのは正論だ。
正論なのだが……。
「……? 異性じゃない?
それに何の問題がありますの? 愛に性別は関係なくってよ?」
と、よくわからないというような顔でいう真理亜。
「私は皆を愛していますから。相手が男だとか女だとか、そんなくだらないことで差別なんていたしませんわ。
最近ではiPS細胞というもので女性同士でも子供を作れるようですし、ある大学でマウスの卵子同士による発生に成功したそうですし」
真理亜の愛は老若男女問わず全人類に注がれる。
……ここまで出会った相手をみると百合にしか見えないが……まぁ、それはそれだ。
……なお、この台詞は誤解を生むかもしれないが、何も真理亜は出会ってすぐに涙音の子供を産もう、
とかそんなことを考えているわけではない。安心してほしい。……もちろん、相手は知る由もないのだろうが。
664
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/07(月) 21:20:39
>>663
>>662
665
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/07(月) 21:31:26
>>663
「は、はあ…
そうなんですか…」
と、段々とどうしようと思ってきたが
「愛に性別は関係ない、ですか…
たしかにそれは素晴らしい心がけと思いますが…」
と、その次に行った言葉を聞いて
「あ…そのつまり、
私以外の人にもそういうふうに愛の告白をして居るということでしょうか?」
個々に来て…どうにか何を言いたいのかは理解できた。
「…ふむ…
あんまりそう言い続けると、後で大変なことになるかもしれないですね…
世の中には一人の人間を一途に愛するという人も居ますし…」
彼女がだれにでも呼びかけているというなら、少し心配なものである。
気を使うように声をかけた
666
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/07(月) 21:59:00
>>665
「あら、鋭いですわね。その通りですわ。
私、人はみーんな愛していますの。一人の例外もなく、ですわ。愛の告白はあいさつのようなもの、ですわ。
……まさに愛拶、ですわ」
と、笑顔で言う。面白くないジョークも混ぜているが。
「え? どういうことですの?
相手が私だけを一途に愛し、私は皆を一途に愛す。
それでとても大変なことになるとは思えないのですけれど……」
真理亜は首をかしげる。(さり気なくその『一人』を『真理亜』と解釈している。)
真理亜は全人類を愛する博愛主義者。『自分だけを見てほしい』とか、『嫉妬』とか、そういう気持ちを理解できない。
667
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/07(月) 22:03:28
>>666
「あー、挨拶…ですか。
それならば…えっと、多分…安心…ですね…
挨拶…愛拶?」
とりあえず真理亜の考え方がなんとなくわかってきた。
涙音はおかげである程度落ち着いて様子を見ることができる。
「む…むむむ…
まぁその…個人だけを思う人も居ますから、
そういう人とは相容れないかもしれないですよ。その、いろんな人に愛の言葉を呼びかける人は。」
とにかく心配だ。
彼女の言葉を真に受けて一途に愛した人が
他の人にも愛の言葉をかけているのを見て…
などと昼ドラのような頭脳を涙音は働かせているのであった。
668
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/07(月) 22:27:05
>>667
「そう……なんですの?
相容れない……それは困りますわ。
私がみんなを愛するように、私は皆から愛されたいんですの……。
ど、どうしたらいいんですの?」
相容れないかもしれない、という言葉に焦りを見せる真理亜。
……この考えが既に『相容れない』のだが、たぶん真理亜がその事実に気づくことはない。
669
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/07(月) 22:35:17
>>668
「むむむ…みんなから愛されたいですか…
なかなか難しい命題ですね…
みんなを愛するように愛されたい…」
これは大いに悩める所だ。
正直言って涙音にも出来なそうなことだ。
彼女のように全てを愛せるという人ばかりならば最高なのだが…
「あー…そうですね。
まずは、世のため人のために、
街のためにいいことをしてみるとか…どうでしょうかね?
ほら、ボランティア精神…みたいなことをすれば…」
ひとまず思いついたのはボランティア活動的なことであった。
これで彼女の悩みが解決されるかわからないが、
思いつくのは所詮これくらいだ。
670
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/07(月) 22:58:54
>>669
「世のため人の為に街の為に善いこと……ボランティア活動をする?
あら、そんなことで大丈夫ですの? それならいつもやってますわ。私の趣味ですの」
しかし、その案は既に実行済みだったらしい。
真理亜は変態だが、人類全員に向けられる愛は本物なのだ。慈善活動は趣味である。
「うーん、でも、私いつもこんな風に人を怖がらせてしまいますし……。
善いことをするだけでは足りないということかしら……。逆に敢えて悪いことをしてみる、とか……?」
うーん、と悩み始める。
671
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/07(月) 23:07:28
>>670
「むむ…もう実行済みですか…
困りましたね…
私はそれ以上のことを知らぬのですが…」
涙音からしたら思いつく内容がそれ以上思いつかない。
…どうすればいいのか。
(…悪いことをしてみる…これはいけるかも!)
彼女の言った言葉を確認し、行けるかもしれない!と思った。
「あ、そうですね。好きな人に、あえてそっけなく振る舞ってみたりとかどうですか?
そう、普段思うよりも控えめに接して見るんです。
あえて悪いことをしてみるとしたら…そんな感じでどうでしょう?」
いわゆるちょっとだけ後に退くという行動だ。
恋愛でも割と重要だと、漫画でしか知らない知識で涙音も考えていた。
672
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/07(月) 23:34:41
>>671
「あえてそっけなく振る舞う……なるほど!
私もそういうの読んだことがありますわ。……でも、自身がないので少し試してみてもいいかしら?」
そうか! と納得する真理亜。
「ええと……こんな感じかしら。
『初めまして。浜梨真理亜ですけど、私、貴女のことなんて何とも思ってないんだからね! 勘違いしないでよねっ!』
……あれ? 何か違う?」
マンガで見たことを実践してみるが、なんというかファーストコンタクトには不向きな気がする。
(元々ファーストコンタクトは壊滅的だが)
参考資料が少し異なっているのかもしれない。控え目というかこれではツンデレだし。
673
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/07(月) 23:41:08
>>672
「そう、そうですよ〜。
それならば…試しにですか…どうぞどうぞ。」
ウンウンとうなずいて、
彼女の試しの行動を見守ることにした。
>『初めまして。浜梨真理亜ですけど、私、貴女のことなんて何とも思ってないんだからね! 勘違いしないでよねっ!』
「…う、うーん…」
彼女の試してみたセリフはあからさまに唐突に思えた。
これはいけない…とかとも思ってしまう。
「もっとこう…うーむ、
例えば、はじめまして、よろしくお願いします。
…とかそれくらいに縮めてみたらどうでしょうか?
それならば若干素っ気なさそうに見えますよ!」
なんとか必死になって誘導しようとしている。
674
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/08(火) 00:55:18
>>673
「あっ、やっぱり不自然ですわよね。どうしていいのかしら……。
そっか! わかりましたわ。では、気を取り直して……」
と、涙音の意見を取り入れ、もう一度やってみる。
「初めまして。浜梨真理亜と申しますわ……。よろしくお願いしますわ……」
簡潔になり、先ほどの唐突さ、重さは解消された。
……ひとつ問題点を挙げるとすれば、この台詞を涙音の手を握りつつ熱い視線を送りながら言っているところか。
675
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/08(火) 01:02:29
>>674
「ふむふむ、いい感じで…す…」
彼女のようやく見せた普通なしゃべり方にほっと一息つこうかと思ったところで
「…はぁ…そうですね。
まぁ、後は…
表情をもっと普通な感じにすればいいですけど…」
ちょっと困った表情で答えた。
(…この人にとってはこれが普通なんだろうけど…)
そろそろあきらめムードに入り始めてきたぞ!
676
:
浜梨真理亜浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/08(火) 18:45:01
>>675
「普通な感じ……あっ、そっか。
ごめんなさい、あなたの顔がとても愛らしかったものだからつい……では気を取り直して」
さり気なく口説きつつ、(さり気なくない)もう一度チャレンジする真理亜。
「初めまして――――」
と、先ほどと同じセリフを言う。
今度は……手は相変わらず握っているが、表情は違う。
笑顔――――聖女の微笑だ。少なくとも、何も知らない人間が見れば。
677
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/08(火) 18:52:46
>>676
「おお…」
普通に涙音は感心しているようだ。
「そんな感じですよそんな感じ。
まず控えめに入っていくのが、よろしいと思いますよ!」
どうにか良かったよかったと思い、軽く微笑んで見せる。
今まだ手を握っているのが気になるところだが、
これくらいならば問題無いだろう。
(…とりあえず普通の人っぽく見えてきた。
良かったよかった。)
と、考えているが…
678
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/08(火) 20:54:43
>>677
「なるほど……こんな感じで、控え目に、ですわね! ありがとうございますわ!」
ファーストコンタクトは控え目に。これで真理亜もコミュニケーション能力が上がるだろう。
……興奮しなければ、の話だが。
「こんなに私の為に色々考えてくださるなんて……。やっぱりあなたは私の運命の人だったのね……!
ああ、愛おしいですわ、愛していますわ……」
私の為に色々考えてくれて嬉しい。本当にありがとう、という意味だ。
……そういう意味のはずだ。まぁ、愛も本気だが。
「ところで……そういえばまだ名前を聞いていませんでしたわ。
いつまでも『あなた』と呼ぶのも忍びないですし……もしよろしければ、教えていただけるかしら?
大丈夫。とって食べたり、あなたの苗字と私の名前をくっつけて夫婦ごっこをしたりなんてしませんわ」
と、改めて名前を聞いてみよう。
679
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/08(火) 21:01:36
>>678
「まぁ、その調子で大丈夫だと思いますよ。
私も、なんとなく応援してます。」
とりあえず良かったと考えてはいるが
「そ、それはどうも…
愛おしいですか…」
(た、多分マジの意味じゃない…よね?)
若干不安げな顔だが、ひとまず彼女に悪意はない。
ご厚意として受け取っておく。
「あー、そういえばまだ名前を言ってませんでしたね。」
そう言って軽く咳をすると・・・
「えー、私の名前は朱鷺宮涙音(ときのみや るね)といいます。
秋映学園の中等部2年ですよー。
…えっと、あなたのお名前は…?」
いまさらながら軽く鳩尾の辺りに手を触れさせながら尋ねる。
680
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/08(火) 21:47:47
>>679
「朱鷺宮涙音ちゃん、ですのね。涙音ちゃんって呼んでもいいかしら? 呼びますわね!」
答えを聞かず呼び方が決定した。
「私の名前は浜梨真理亜(はまなすまりあ)ですわ。浜に梨と書いて浜梨……薔薇の一種ですわね。
秋映学園の高等部、2年ですわ―――――」
と、通っている学校についても紹介したところで、はっ、と気づく。
「あら! あらあらあらあら! まぁ! 涙音ちゃんも秋映学園でしたのね!
何という偶然! なんという運命! 涙音ちゃんは私の後輩でしたのね!
お姉さまって呼んでもいいんですのよ? 『タイが曲がっていてよ』ってやつやったりして!」
同じ学園に通っていることを知り、大興奮のようだ。
「……こ、こほん。まぁ、冗談はさておき……」
本当に冗談なのだろうか?
「どうかいたしましたの? お腹が痛いんですの?」
と、鳩尾をさする姿から、心配そうな目で尋ねた。
681
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/08(火) 21:56:20
>>680
「え、まぁ…いいですけど…
て言うかもう呼ぶんですね…」
初対面にもかかわらずかなり仲良しっぽいしゃべり方である。
「真理亜さん、ですね…しかし、先輩だったんですか…
全く顔合わせしてなかった、みたいですね。」
と、軽く驚いた表情で返す。
で、段々と彼女がいつもどおりになり始めているのを見て。
「う、うむ…どうでしょうね。
私はその…まだ姉は居ません…」
ややマジレス気味に困惑しながら返した。
「え、あ…その。」
自分の鳩尾をかばう動作を思い直して確認。
「いえ、なんでもないですよ。
まぁ、クセみたいなものです。
いろいろ、あったもので…」
(…警戒心が湧いてたとか、そんなこと言えないよ絶対に…)
ちょっと冷や汗を垂らしながらなんとか誤魔化すように応える。
682
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/08(火) 22:35:05
>>681
「まだ……?」
姉が居ないのなら、どれだけ待っても姉ができることはないはずだが……妹ならばともかく。
「ああ、なるほど。義姉のことですのね?
でも、私の言うお姉さまというのは姉でも義姉でもなくスールというものでして……。
……こほん。まぁ、この話はまた今度にしましょう」
スール……真理亜様がみてる、というやつだ。
「癖、ですの? いつもお腹を壊しているということかしら……? それは心配ですわ……」
涙音は割とデリカシーに欠ける心配をされてしまったが、真理亜のこれは善意である。
「少々お待ちくださいまし。えーと……ありましたわ!
所謂腹巻、トウガラシ入りですわ。あまり詳しくはないのですけれど、トウガラシって魔除けの効果があるそうですわ。
それに、きっとお腹も暖まりますわよ。……あ、トウガラシを直接肌に当てたりしたら駄目よ?」
と、鞄から手ぬぐいのようなもの……腹巻を取り出す。
女子に腹巻を渡すのはあれだし、真理亜が持っているという時点でアレだが……。
683
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/08(火) 22:46:08
>>682
「うーむ…スールとは…?
なんとも難しい話ですね。」
少し難しそうな顔で応える。
もしかしたら何かのマンガの知識かもしれない…
などとも思ったが、どうにもわからない。
「いえ、お腹はむしろ丈夫な方ですが…
まぁその…ここに色々と何かがぶつかってくるような…」
色々と事情がありそうな表情である。
「ま、魔除け!本当ですか!」
一気に目を輝かせる涙音。
魔除けとなれば放ってはおけないぞ!
「…腹巻きもデザイン次第でなんとかなりそうですが…」
バラのアクセントとかあればオシャレかな?などと考えた。
684
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/09(水) 21:29:15
>>683
「あら、魔除けがお好きなのかしら? 嬉しいですわ……」
目を輝かせた涙音を愛おしそうに見つめる。
「デザインですの? でしたら……」
と、真理亜は自分の荷物を探る。
「えーっと、これとこれなんかどうかしら?」
取り出したものはロザリオを模したバッジと、ハートのシール。
シールは布……つまり、腹巻にも貼り付けられるタイプだ。
真理亜はプレゼントした腹巻を、そのバッジとシールでデコレーションした。
「どうかしら? 何とかなりまして?」
685
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/09(水) 21:39:46
>>684
「まぁ、その…
そういう運勢とか言うのには敏感なんですよ…」
そう言って少し腹巻きを見つめる。
「…あっ、それをつけたらちょっと可愛くなるかもしれませんね。
失礼します。」
そう言って涙音は、とりあえずデコレーションされた腹巻きを手にとって
「装着!」
と、腹巻きをお腹に巻いてみた。
「うーん…どうでしょう?」
色々とデコられた腹巻きは、一応女の子っぽさはなくはない。
元の色が地味なのでちょっと浮いているようにも見えるが…
686
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/10(木) 00:11:15
>>685
「まぁ! とっても可愛らしいですわ! 抱きしめたくなるくらい!」
と、真理亜は絶賛だ。
……しかし、『女子の可愛いはアテにならない』とよく言うが、
真理亜の『可愛い』はそれに輪をかけてアテにならないのでは……? と思うかもしれない。
「元が元ですからおしゃれアイテムとまではいかないかもしれませんが……。
それでも可愛らしくはなったんじゃあないかしら?
しかも、トウガラシにロザリオまで付いて、開運効果もバッチリですわね!
……ロザリオはアルミ製ですけど」
安物のロザリオらしい。
しかし、神聖さは金額ではないはずだ。……たぶん。
687
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/10(木) 00:15:30
>>686
「え、えーっと、かわいい、ですか?
それは良かったです…」
ちょっと自信なさそうだが一先ずはそう応える。
当てになるのかどうかは正直涙音にとっては気になるものだ。
「ふむ…なんだかだんだんお腹も良くなってきた…
気がしますし、このロザリオのおかげで運も急上昇しますよねー!」
と、嬉しそうに応えるが…
ちょうどその直後に
ボゴォン!
「ぬわっ!?」
突如として何処かからサッカーボールが飛び込んでくる!
狙いは一直線に涙音の鳩尾!!
688
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/10(木) 00:44:04
>>687
「うふふ、きっとそうなりますわ〜」
と、こちらも嬉しそうだが……。
何ということだ。サッカーボールが飛んできた!
唐突すぎますわ! とか、いやどこから来たんですの!? とか、
ここ道ですわよ!? しかも夜中! サッカーやる時間じゃありませんわよ!? とか、
……そんなことを考えるよりも早く、真理亜の体は動いていた。
やることはひとつ。自分の体に当ててでも、サッカーボールから涙音を守ること!
……それでも届かなければ、『スタンド』を出してリーチを伸ばそう。
もちろん、ボールは『透過しない』。
689
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/10(木) 00:45:00
>>687
>>689
690
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/10(木) 00:50:07
>>688
「あぶなっ…『フォートレス…」
と、涙音の体の前に勢い良く真理亜が飛び出してきた!!
しかし僅かに距離が足りない…
だが更に真理亜のスタンドが飛び出す!
「あっ…!」
恐らく見事に真理亜のスタンドはボールを弾くことになる。
もちろん割と痛いだろうが…
ボールはあさっての方向へと飛んでいった。
「だ、大丈夫ですか!?真理亜さん!
し、しっかり!」
慌てて、涙音は駆け寄る。
そして、更に続ける
「今のは…もしかして『スタンド』…?」
691
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/10(木) 20:00:06
>>690
「あらあら、心配してくださるのね。嬉しいですわぁ。うふふ……涙音ちゃんの愛を感じますわ!
でも大丈夫ですわ。私、こう見えても体には自信がありますの。
涙音ちゃんこそ大丈夫でした? 怪我はありませんこと?」
勢い余って転倒した真理亜はそう言いつつ立ち上がる。
『体には自信がある』の言葉通り、顔面から転ぶようなことはしなかった。
「え? 涙音ちゃんも知っていますの? 『スタンド』……。
まぁ……! まさに運命! やっぱり私たちは惹かれ合う宿命だったのね!」
と、完全に真理亜の顔が見えるようになったところで、あなたはひとつの違和感を覚えるはずだ。
先ほどボールを弾いた真理亜の『スタンド』……犬のような姿をしていたが、
タイミングの関係上、確か犬の顔面……口のあたりで弾いていたはずだ。
しかも、犬は仰け反ったので、パワー勝ちしたということもないはず。
にも拘らず、真理亜の口元には傷一つついていない。腫れてもいない。
スタンドのダメージは本体に返るはずだが……?
692
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/10(木) 21:13:10
>>691
「あ、いえ…私はなんともないですけど…
でもその…私のせいなんでしょうか…」
何故か涙音は罪悪感を感じているようだ。
「は、はい。
私も『スタンド使い』なんです。
まぁ、普段はあんまり使わないんですけど…
こういうことがあったりした時には使いますね…」
そう言ってまた申し訳無さそうな顔をした。
「…け、ケガがない…?
どうなってるんでしょうか?」
不思議そうな顔をして、真理亜の顔を覗き込んだ。
693
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/10(木) 22:07:57
>>692
「? なぜですの?
勝手に飛んできたのはボールの方ですわよ?」
何故か罪悪感を感じている涙音に首をかしげる真理亜。
「? どうしましたの? 私の顔がそんなに可愛いんですの? キスしますの? ディープ? フレンチ?」
自分で言いやがった。しかもどっちも一緒だ。
「怪我……ああ、ダメージフィードバックのことですのね?」
ああ、と真理亜は納得する。
「それでしたら……私のスタンド、『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』って言うんですけれど……。
この子たちは、最初の一体に限りダメージが私にフィードバックしないんですのよ」
この子『たち』。つまり……
「『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』……全部で『三匹』いますの。三匹の子犬ですわね!」
子犬というには大きい気がするが……。
ともかく、真理亜は自分の『スタンド』を三体発現させて見せた。
694
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/10(木) 22:21:03
>>693
「あ…いえ…
私、毎回こういうことがありますから…
近くにいる人が巻き添えになってしまったんじゃないかと…」
少し申し訳無さそうな顔で真相を明かした。
にわかには信じ難い話であるが…
「いや、怪我が心配だっただけであって…
決してそういうことをするつもりでは…」
慌てて両手を振って答えた。
「『ボンゾ…』ふーむ、なるほど…
あなたのスタンドは犬のスタンドで…
あっ…」
3匹スタンドが現れたのを見ると…
「なるほど…何匹か居るおかげで
怪我しないで済んでるんですね…」
ちょっとかわいいかも、と思った涙音は、
思わずなでに行こうとする
(…スタンドだから直にはさわれないんだったかな…)
695
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/10(木) 22:56:21
>>694
「んー、巻き添えになったなら、それはその人がツイてなかったってだけですわよ。
運の悪さは別に誰のせいでもありませんわ。
……むしろ、涙音ちゃんが引き寄せてくれるおかげで他の人は守られてるかもしれませんわよ?」
と、涙音の言葉を疑うこともなく。真理亜なりに、彼女を気遣った。
というか、初めてまともなことを言った気がする。
「ですわ。今みたいに他の人を守るのに重宝しますわ。……いつも盾代わりにしているわけじゃありませんけどね」
と、答える。
「……? ああ、触りたいんですの?」
涙音の意図を察する。
「……ちょっと待ってください。確かここに首輪と犬耳が……」
と、荷物を探るそぶりを見せる。
涙音がドン引きする様子だったのなら、(そうでなくても)
「Just,Kidding!(冗談ですわ)」
と訂正する。
「えっと……確かスタンドってスタンド以外に『触る』か『触らない』か選べるはずですわね?」
と、涙音に『触れる』……つまり、『干渉』するように念じてみよう。
撫でることはできるだろうか?
696
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/10(木) 23:03:16
>>695
「ああ…そうですか。
なんだかそう言っていただけると…
ちょっとこっちも気が楽になるような気がします…
自分の運が悪い分、誰かが幸せに…か」
ちょっと満足そうにうなずいた。
見た感じ表情が少しほころんだように見える。
「流石にそうそう何度も守れるようなものでもないですよね…
それに、ちょっと可愛そうですし…こう…犬とかの見た目ですと」
そう言いつつ軽くなでてみる。
「ん…触れた…と思います。」
スタンドが相手を殴りつけるのと同じ、干渉したいという意識を持つからこそできることだ。
つまり、触らせたいと思うのもまた鑑賞させるのと同じことだろう。
「うーむ、犬の毛並みって感じですねこれは…
ですが、不思議な感触もします…」
スタンドに生身でじっくり触る機会はさほどない。
こうして触ってみると…なんだか不思議な感触がする…気がする。
とりあえず顎をなでてみたり耳を触ってみたりする。
多分フィードバックなどがある可能性もある。
697
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/12(土) 21:47:14
>>696
『BD3B』は変則的なダメージフィードバックをするスタンドだ。
『一体目』には一切ダメージフィードバックがなく。
『二体目』からは部位相応……二体目がやられれば重傷。
そして、『三体目』がやられれば当然……。
つまり、ここで涙音が撫でたのが『一匹目』だったならその感触が真理亜に伝わることはないのだが……。
「ん……」
涙音が触ったのは別の個体……すなわち、『二匹目』だった。
つまり、撫でられる感触がダイレクトにFBする!
「ひゃぁ……」
顎を撫でられる感触が、耳を触られる感覚が、ダイレクトに真理亜に伝わる。
「……ああ、これが……愛……涙音ちゃんの愛を……肌で感じますわ……」
と、気持ちよさそうな表情をする真理亜。だが台詞は気持ち悪い。
……本体と同じく、撫でられているスタンドも気持ちよさそうに涙音に身を委ねている。
……真理亜が操ってるだけと言われればそれまでだが、まぁ、そこは目を瞑っていただこう。
698
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/12(土) 21:56:40
>>697
「…群体型のスタンドはよくわかりませんが…
こうな出られたらなにか感触が伝わるものでしょうかね…」
なんてことをつぶやきながらとりあえずその犬を愛でてみる。
「おーよしよし、
鳩尾にぶつかってきたりでもしなければ
ペットを飼ってみたいですがねー。」
どうやら動物は好きらしい。
相手はスタンドだが、だんだん夢中になって顔全体をワシャワシャとし始める。
「…あっ、あの、大丈夫ですか…?」
ハッとして、真理亜の顔を見て手を止める。
699
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/12(土) 22:37:00
>>698
「ペット……私でよければ涙音ちゃんのペットになりますわよ?」
ちっともよくない。
元々おかしな発言の多い真理亜だが、輪をかけておかしなことを言った。
撫でられた影響でふわふわしているのだろう。
「うふふふふ……えへへへへへ……涙音ちゃん……うふふ」
顔全体を撫でまわされ、目がとろーんとし始めた。まるで雌犬だ。
雌犬は流石に言い過ぎたが、本体スタンド共々完全に涙音に身を委ねている。
「あ……」
と、ここで見かねた涙音が手を止めてしまった。
残念そうな顔をする真理亜。
「大丈夫ですわ……ところで」
相変わらず目は調教された犬のようだが、本当に大丈夫なのだろうか?
「最近ですと、首に付けても痛くないし痕がつかない、人間用の安全な首輪があるそうですわね……」
大丈夫じゃなかった。主に頭が。
「私……涙音ちゃんになら……首輪をつけられてもいいですわ……」
その台詞はいったい何人に言うのだろう。たぶん、いや絶対誰にでも言う。
700
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/12(土) 22:48:08
>>699
「…いやその…」
ペットだの何だのと急に言い始めたのを見て
やばいとかそういうふうに思っているっぽい
「いやー…
まぁ、犬は可愛いと思いますが
人を飼うとかだとまた…あんまりそういうのは自分には…」
言い方を帰ると、ヒモってことかもしれないし、と考えていたり
「いや、首輪をつけるとかそういう趣味も私にはありませんけど…」
701
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/13(日) 22:58:12
>>700
「……はっ!」
と、雌犬の目をしていた真理亜の目が元に戻る。
「失礼いたしましたわ……涙音ちゃんがテクニシャンだったものだから……つい……」
と、誤解を招きかねない発言をする真理亜。
まぁ、一概に誤解とも言えないわけだが……。
「ま、まぁ……あれですわ。ペット云々は冗談にしても、涙音ちゃんについていきたいのは本当でしてよ」
平静を取り戻しつつ、真理亜は言う。
「ご飯を作ったり、お話ししたり、一緒に寝たり……ああ、なんて幸せなんでしょう……」
……もちろん、真理亜はこの台詞を誰にでも言う。
いや、誰にも彼にも言う。
702
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/13(日) 23:06:03
>>701
「いやその…犬猫は好きですから…結構そういうのを見ると止まらなくなっちゃいまして…
なんというか、そ、その言い方は」
誤解されそうな発言を聞いてひどく顔を赤くする。
でもある意味では同じようなことをやったような気がするので否定しきれない辺りも恥ずかしいところだ。
「付いて行きたいですか…
ですけど、流石にうちに直行して、
共同生活なんてのは自分には、自分にはまだ早いというか」
かなり困った表情である。
友だちと会うことはあるが、流石にお泊り会なんて言うのは小学生くらいに終わらせている。
「そ、それにあなたのご家族の方も
そういうことがあったら困るのでは?」
無理に突っぱねるというのも気を使ってしまうためか、
とりあえずは相手側の事情を聞いてみることにする。
703
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/15(火) 00:04:09
>>702
「まだ早い……ですか。
で、でも同棲は駄目でもせめてお泊りくらいなら……ダメ……でしょうか?
そうでなくとも……そう、合宿とか旅行とか……」
ちなみに真理亜は今まで友達とお泊り会をしたことがない。
……というか、むしろ友達が居なかった。ゴーストをゲンガーに、ゴーリキーをカイリキーにできないような子供時代だったのだ。
……もちろんこれは比喩で、実際には姉妹で何とかしていたわけだが。
「お父様(ダッド)とお母様(マム)……確かに、愛すべき両親に心配をかけるわけにはいきませんわね……。
でも、前もって伝えておけばきっと大丈夫ですわ。お父様とお母様はきっと私の愛を理解してくれますわ……」
まぁ、お泊りくらいなら許可してくれるだろうが、同棲はどうだろう。二つ返事で許可というわけにはいかないだろう。
704
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/15(火) 00:10:21
>>703
「んー、お泊りはともかく…
合宿ならばいいと思いますが…
そういう場合何か部活とかに入ってないとじゃないですかね?」
と、ふと思いついた部活が一つ有るのだった。
最も、誘うべきかどうかは迷いが有るところだ。
「んー、理解してもらうのに時間がかかるかもしれませんね…
友達の家にお泊りに行ってきます、というのとはわけが違いそうですし…」
少し悩み顔で答えた。
(…なんでまじめに答えてるんだろうな自分…
おふざけじゃなくてマジに考えてるからかな…この人が)
先程までは何かの冗談なのかと思っていたが、どうやら彼女は本気らしい。
ふざけては居ないからこそ、なんだか気を使ってしまうのかもしれない。
705
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/16(水) 20:06:23
>>704
「部活動……そうですわね、
部活か何かに所属しないと合宿も何もありませんわね……。
んー、どうしましょう……良い感じの部活を探してみようかしら。
ちなみに涙音ちゃんは何か部活に入ってらっしゃる?」
と、尋ねてみる。
言うまでもないが、真理亜は部活動に所属していない。
「そうでしょうか……そうかもしれません……。
この国は多重婚は認められていませんし……愛するのと結婚するのとじゃあわけが違いますものね。
……同棲は……どうなのかしら。そこまでは私詳しくありませんわ……」
706
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/16(水) 20:35:11
>>705
「いい感じの部活ですか…
そうですね、私が通ってる部活は…」
そう言って少し考えてから口を開く。
「私は、『金言部』というところに属しているんです。
…まぁこれだけじゃよくわからないですよね…
簡単にいえば、楽しく人生のためになる言葉、
『金言』を学んでいきましょうと言う部活です。
…と言っても、やってることはサバゲーだったり、以前やってたミスコンだったりしますけど…」
と、ある程度簡単に説明を行った。
金言部とは、部長の考え次第で様々なことが起こる楽しい部活なのである!
「ふーむ、私にもよくわかりません…
いろいろと世の中は大変ですからね…
住む場所が変わったりするのにもいろいろ事情とかが必要になりますし…
同棲も…相手次第ってことかもしれませんね。」
そう言ってため息を付いた。
なんとも、万人を平等に愛すということは大変なことなのであろう。
707
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/16(水) 21:37:35
>>706
「『金言部』……ですの。
『金言』というと……『汝の隣人を愛せよ』とか、『汝の敵を愛せよ』とか、
『人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい』とか、そういうのかしら?」
『金言』というのは、一般的には『格言』みたいな意味である。
なので、真理亜がそのような勘違いをするのも無理からぬことだろう。
……ちなみに全部聖書やら福音書やらだが、別に真理亜はクリスチャンではない。
服装も知識も単なる趣味である。
「サバゲーに……ミスコン……Oh,私ミスコンは見逃してしまいましたわ……。
見たかったですわ……愛らしい女の子たちが愛を振りまくイベント……。
もっとも、私が審査員になっていたらゲームが成立しないでしょうけどね」
……自覚があるらしい。
「Fmm……同棲は色々と大変なのですね……。
まぁ、同棲が無理でも仕方ありませんわ。別段問題もありません。
だって、愛に距離なんて関係ないんですから。
織姫と彦星なんて15光年も離れた遠距離恋愛で、一年に一度しか会えないのにいつまでも愛し合っているんですもの。
……このくらいの距離、手を繋いでいるようなものですわ」
なんと、真理亜の愛の射程距離はかなり長いらしい。
全てを愛すると豪語するだけあって、そのあたりはたくましいのだ。
708
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/16(水) 21:44:30
>>707
「うーん、お金に関する事のほうが多めですけどねー。
一応それも当てはまるかどうかはわかりませんけど…」
そう言って少し首を傾げた。
(にしても、格言の方も愛あふれるものばっかり。)
これには流石に感心しきりだ。
聖書というのは、愛溢れているものなのだろうか、と涙音も考える。
「ええ、まぁ本当に楽しかったですよ。
金言部単体にとどまらずに、それこそいろんなお店やら何やらもスポンサーになって
これまでにないくらいのビッグイベントになってました。」
そう言ってふと思い出す。
(…そういえば鳩尾に食らっていろいろ大変だったな…ミスコン。)
(…距離は関係ないか…使えるかも)
「そうですかー…ふむ、
遠距離恋愛というのもロマンがあっていいものですよねー。
むしろ、離れてても思いが通じるのが愛というものでは?」
と、さりげないアドバイスのつもりで、遠距離恋愛の良さを解いてみる。
うまく行けば、普通の人に見られるかも?と願ってのことであった。
709
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/16(水) 22:57:07
>>708
「お金に関すること……『愛はお金じゃ買えない』みたいなのですか?」
これは持論ですが、愛はお金で買えるんですよ。
……ただ、払った分しか買えないから、すぐになくなっちゃうだけで。
と、付け加える。
「スポンサー! はぇ〜、とってもすごいんですのね……」
思いがけないほどのビッグイベント。見学できなかったことが悔やまれる。
「そうですわよね。遠距離恋愛はロマンティックですわ〜。
もちろん、私の愛はどれだけ離れていても届きますし、
どれだけ離れていても私は皆を愛し続けますわ☆
……もちろん、反対に重なるほど近くてもね」
しかし、効果はないようだ。
どうやらもともと遠距離の愛情のよさは理解していたようであり、
同時に近距離の愛も愛していた。
遠近両用だったのだ。眼鏡だったらすごく便利だね。
「遠距離……といえば、涙音ちゃん。もしよろしければ……」
「連絡先交換(せきがいせん)、していただけないでしょうか……?」
と、スマートフォンを取り出して尋ねてみる。
710
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/16(水) 23:05:51
>>709
「ふーむ、良くわかりませんけどおそらくそういうのも含まれるんじゃないでしょうかね。
しかし…新しいかもしれませんね、そのお金で変えるという方は。」
どうやら彼女の言葉には少し興味を持ったようだ。
「ええ、自分も驚きましたよ。あそこまで人が集まるなんて思わなかったんですから。」
「…あ、たしかに近いのも…
重なるほどだと結構暑苦しくなるかも知れませんが…」
遠近両用が最もいい。そう考えるとぐうの音も出ない。
これ以上やっても望み薄か…
「え、遠距離…ああ、赤外線通信ですか?
も、もちろん構いませんよ。」
そう言って涙音もスマホ(開運キーホルダーが大量に付いている)を取り出す。
「えーっと、一応
メアド交換とかしておきますね。
それで、まぁ…急な電話とかはなるべくしないほうが…いいですね。」
と、連絡先を真理亜の元へ送った。
711
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/17(木) 23:38:31
>>710
「うふふ……これで私と涙音ちゃんも『友達』ですわね〜〜〜うふふ。
『お友達から始めましょう』ってやつですわ〜〜〜〜」
とても嬉しそうだ。
「これで私のアドレス帳に4つ目の名前が載りましたわ!」
愛おしそうに、嬉しそうに言う。
よく考えると結構悲しい気がするのだが、本人は嬉しそうなので良しとしよう。
「急な電話はNG……ですわね、覚えておきますわ。
他にもNGなことってあるかしら? メールは一日何通までとか、この時間帯は電話やメールはダメとか……」
と、確認をする真理亜。
こう見えて良識はあるようだ。
712
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/17(木) 23:45:32
>>711
「ああ、はい…
まずはお友達からということで…」
(…できればお友達をキープしたい…)
とりあえず表面上は笑いかけながら考える。
嫌っているわけではないのだ。決して。
「4つ目…
以外に少なかったんですね。」
ちょっと驚いた様子だった。
彼女の性格だといっぱい持ってるかもしれないと思っていたのだが。
「んーそうですね〜。
メールはひとまず一日に4通ほどが望ましいです…
それと、ここからここまでの時間帯は授業中なのでなるべくその時には
電話やメールはしないほうが…」
ひとまず条件を提示してみた。
自分が授業を受けている時間帯を述べて、
後は、細かな連絡の条件もつけてみた。
「まぁ、そんなに窮屈なものではないと、
私は考えてます。」
713
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/19(土) 14:17:25
>>712
「こう……積極的にいったら皆さん照れて逃げてしまいまして……」
あれよりも激しい「愛してますわ」をやったということだろうか。
そりゃ逃げるわ。
「1日4通……ですわね。分かりましたわ。
……限られた文字数の中でどれだけ想いを伝えられるか。それもまた、愛……」
メールの本文の文字数限界まで使った長文メールが来そうな気がするが、気のせいだろう。
「時間帯についてもわかりましたわ。私もその時間帯は授業中ですし……問題ありませんわね」
714
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/19(土) 14:35:29
>>713
「あーそれは…」
(確かに、逃げてもしょうがないな…)
先ほどの愛の言葉を思い出してちょっとわかると思った。
「それは、まぁ急に来られてみんなびっくりしてしまうんですよ。
ゆっくりといったほうが、おそらくは好かれるのではないでしょうか。」
と、とりあえずの提案をしてみた。
せめて積極的、という程度にまで抑えて欲しいと考えている。
「んー、はい…
とりあえず、それくらいがちょうどいいですよ。
あと、まとまった文章だと読みやすいと思いますよ」
と、更に一言付け加えてから、連絡先の交換を終わらせた。
715
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/19(土) 16:11:10
>>714
「確かに……急に出てくると何でも吃驚してしまいますわね……。
ええ、次からはねっとり……じゃなくて、じっくり? ん……ちょっと違うかしら? まぁ、ゆったりと行きますわ!」
反省が見られる。次からは上手くやるかもしれない。
……暴走しなければ。
「まとまった文章……ですわね。分かりましたわ。読みやすく読みやすく……」
作文にはあまり自信がありませんが、頑張りますわ! と真理亜。
716
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/19(土) 16:35:01
>>715
「そ、そうですね。ねっとりよりはゆったりのほうがずっといいですよ。
とりあえずそういうふうにしていけばいい感じの関係に慣れると思います。
えっと、いろんな人にですよ。」
そう言って頷く。
とりあえずは落ち着くといいな、と思った。
「うーむ、私も文章の構成は得意な方ではないですけど…
まぁそうですね。作文のようにまとめていくといいと思います。
そしたらきっと、ちゃんとしたぶんしょうになるかと…」
そう言って少しあたりを確認。
「っと、そろそろ帰らなきゃいけない時間かもしれないですね。」
717
:
ようこそ、名無しの世界へ…
:2015/09/19(土) 19:29:42
>>716
「ゆったりじっくり……愛を紡いでいく。先走ってはいけないのですね」
ゆっくり行くことを覚えた真理亜。次からは大丈夫だろう……きっと。
「作文のように……。覚えておきますわ。あ、絵文字とかも使った方がいいのかしら?」
画面がハートだらけになる気がするが、女子は結構メールでハートマークを使うかもしれないので、
そこは特に問題にはならないかもしれない。
「あ、そういえば今は夜中でしたわね」
そうでしたわ、と真理亜。
「思わず時間を忘れてしまいましたわ……涙音ちゃんが太陽みたいだったから」
「……あれ、ここは月の方が正しいのかしら……? いや、星……?」
何故か突然口説いてきたうえに、何とも締まらない。
「こほん。まぁ、とにかく……涙音ちゃんとのお話が楽しくてついつい時間を忘れてしまいましたわ。
また会いましょう、涙音ちゃん。今度は学校で……一緒にお弁当を食べたりとかして」
秋映学園が学食制なのか弁当制なのかは定かではないが、真理亜は弁当を持っていくタイプらしい。
かなり日本人色の強いハーフである。
「それではごきげんよう涙音ちゃん。May god bless you.(あなたに神のご加護があらんことを)」
……真理亜の修道服はあくまでコスプレである。
しかし、結構ノリノリなようで、涙音の無事をロザリオを使って祈るのであった。
718
:
浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』
:2015/09/19(土) 19:30:10
>>717
719
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/09/19(土) 19:33:16
>>717
「えーっと、そんな感じです…」
とりあえず、そういうので問題無いだろうと考える。
「絵文字は…まぁやり過ぎない程度ならば。」
「…私が太陽みたい…ですか。
まぁなんでもいいですよ。時間を忘れてしまうほど楽しい。
というならそれで良しです。」
少し嬉しそうな顔で応える。
「うーん…そうさせてもらいます。
まぁいずれおねがいしますよ。今度はご飯を食べたりしましょう。」
そう言って軽く手を振る。
「…神のご加護ですか…
今の私にとってはありがたい言葉です。
…それじゃまた。」
少し真剣な目をして、
涙音は軽く手を振り、この場から去っていった。
720
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/09/29(火) 00:19:44
チリン
チリン
自転車を押して歩く、赤髪の少女――穂風。
黒いマントのような妙な服に、緑のエプロンという装い。
「…………ふう。」
(最近……ちょっと、涼しいな。
もう、夏、終わっちゃったんだ……)
野菜配達の行きだ。後ろに箱を載せている。
入荷したての秋野菜を、お届けする役目。
ガチャ
とはいえ休憩も必要。
道端に自転車を止め、自販機に向かい合う。
(…………何にしようかな。)
……自販機の前にいるので、邪魔かもしれない。
721
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/09/29(火) 20:27:38
>>720
たまたま、偶然、同じ自動販売機を選んだだけ。
「・・・」
邪魔だなんてとんでもない、前の人の買い物が終わるまで待つのは『当然』のこと。
振り向けば、『秋映学園』の中等部の制服姿、五本垂らした三つ編みに太陽電池の髪留めの、小柄な女子生徒が待っているでしょう。
722
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/09/29(火) 21:05:47
>>721
結局、『ミルクティー』を選んだ。
そこにいたるまでに、一分ほど悩んだが。
チャリン
「……」
ガチャ!
ガコン
「ふう……」
グッ
と、しゃがみ込んでから気づく。
つまるところ、後方の気配に。
チラ
「あっ……」
「す、すみません。
その、あ、待たせてしまいまして……」
(あ、この制服……)
ガチャ
ヒョイ
いそいそとペットボトルを回収する。
これ以上待たせるのは、悪い。
「あ、ええと、どうぞ。」
イソイソ
やはりいそいそと、自販機前を離れる。
……視線は、その女子生徒の制服に。
(あ、じろじろ見すぎかな……)
723
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/09/29(火) 21:27:34
>>722
「いえ、お気になさらずに。先の人を待つのは当然ですので」
鋼を打ったような声色。年相応の、そしてハキハキした口調に、若干の嗄れが混じる。
「ありがとうございます。それでは」
ぺこりと頭を下げ、自動販売機の前に。
迷うこと無く炭酸飲料を購入します。
・・・
「あの、何か?」
「失礼ですが、どこかでお会いしたこと、ありますか?」
じっと見られているので、『顔見知りの相手だが、自分が忘れている可能性』を採用します。
724
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/09/29(火) 22:54:22
>>723
「……あっ、す、すいません。じろじろと。」
「ええと、その。
会うのは、初めてです。」
コク
穂風はうなずいた。
発音に詰る所もあるが、はっきりした声色。
「……」
フイ
やや俯き、目を逸らす。
それから。
「ええと、制服が……
秋映学園の制服が、気になって。」
「……それで、です。」
視線の理由は、言うことにした。
意味もなく見ていたわけでもない。
キュル
キュル
穂風はボトルのキャップを捻り、開ける。
725
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/09/29(火) 23:11:54
>>724
「そうでしたか。初めまして」
ぺこり
いちいちお辞儀をします。
「制服ですか? 私は『甲三耀』。秋映学園の中等部二年生です。
失礼ですが、あなたは私とそんなに歳が離れていないように見えますし・・・別の学校? ああ」
ぺこ
「すみません。最近引っ越しされてきたんですか?」
考え事が先走ってぶつぶつ喋りになりかけたのを謝りながら、推測を述べます。
726
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/09/29(火) 23:33:07
>>725
「あっ、は、はじめまして!
すみません、その、挨拶が遅れて……」
ペコ
頭を下げ返す。
「あ……葉鳥 穂風(はとり ほふり)です。
あ、ええと、その……」
・・・・引っ越し。
少し逡巡する。
自分は確かにこの辺りに最近引っ越した。
「そう、ですね。
そのようなもので……」
「ええと。」
だが、単なる引っ越しではない。
そこには誇りのようなものもある。
「自立……というのがしたくて。
それで……今は、アパートで、一人で。」
なので、言うことにした。
わざわざ言うことでもないな、と、穂風は言ってから思った。
ゴク
ミルクティーを口に含む。
727
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/09/29(火) 23:43:05
>>726
「すみません。気を使わせてしまいました。よろしく。『葉鳥』さん」
軽く一礼。
「自立。一人暮らしですか」
言葉遣いと所作はそれなりに丁寧ですが、根本的に愛想がありません。
「すみません。勝手に同い年くらいかな、と思っていました。そうですか」
「いいなあ。私も進学したら、親と話し合うつもりではいるんです」
それでも、普通に憧れたりうらやましがったりはします。
728
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/09/29(火) 23:55:20
>>727
「あ、い、いえ。
そんなことは……」
「こちらこそ……よろしく、です。甲さん。」
(……しっかりした人、だなあ。
礼儀正しい、っていうのかな……)
穂風はそう思った。
愛想とかは、そんなに気にしてない。
・・・・ともかく。
「あ……ええと。
中学二年生……なら。」
パ
パ
小さく指を折って勘定する。
直で出てくるほどは、詳しくない。
「私の方が年上……ですね。
あんまり離れては、ないですけど……」
コクリ
それが分かっても、偉ぶる理由もない。
年ですべて決まるなんて世界は穂風は知らない。
「えへ……大変な事も、あるけど……
それに、いろいろ、やりたいことはあるけど……」
「でも、楽しい……です。今は、毎日。」
ニコ
穂風は微笑む。
自立を羨まれるのは、嬉しいこと。
クイ
ペットボトルを傾け――
ツルッ
「あっ」
ペットボトルが手から滑り落ちる。
自転車の運転で、手汗でもかいていたか――
729
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/09/30(水) 00:15:52
>>728
ムン
「どうか『ミヨちゃん』と」「そっちのほうが慣れていますから」
苗字で呼ばれるのはなんだか妙な感じだし、友好的に接してくれる相手には、親しみを込めて呼んでもらいたいですからね。
「いいなあ。大変で、色々あって、楽しい毎日。・・・あ。ちょっとはしたなかったですね」
「楽しい」と、そうは言っても、日々の苦労は絶えないし、毎日が本当に佳い日ばかりであるはずもなく。
それを本人ならぬ誰かが、聞いただけの誰かが外から訳知り顔で羨ましがるのは、行儀が悪い。
甲三耀は、そういうふうに考えます。
ぺこり
「すみま――」
> ツルッ
お辞儀をしかけた格好で、足が伸びきっていてすぐに踏み込めません。
手を伸ばしても届くわけも無く、それは最初から分かりきったこと。
そして甲三耀は、使えるものをあえて使わないことに美しさを覚えるタイプではありません。
つまり、
ゥヴッ!
ド ヒュ パシン!
『電光石火』の『ソナタ・アークティカ』によって危なげなくペットボトルをキャッチ。
それから、出来るだけ急いだように甲三耀が直接、足を踏み出し手を伸ばしてペットボトルを確保。
端から見ていれば、多少不自然に『落下物が減速した』とも見えるでしょうが・・・
『スタンド使いでなければ』、黒いセラミックの装甲を纏い、各所に太陽電池を嵌め込んだその姿は視認されない。
「すみません。取り落としましたね。大丈夫ですか?」
「涼しくなったとはいえ、まだまだ日差しも強いですし、『熱中症』だって油断大敵です。自転車で体力も消耗しますから」
「よければこれも飲んでください。糖分は最も手軽なエネルギー補給です。炭酸がお嫌いなら、失礼でしたが」
ミルクティーを返しながら、そして炭酸飲料も差し出しながら、近くで影があって座れる場所があるか探し、あったかどうか思い出します。
730
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/09/30(水) 00:32:41
>>729
呼び名とか、もろもろ、返答すべきことはあったが――
ゥヴッ!
ド ヒュ パシン!
「あっ――」
(……『スタンド能力』だ!)
ハッ
穂風には見えた。
見えたし、それをごまかすほどには演技力もない。
・・・・やや俯く。
「あ、ありがとう……ございます。
ええと、その、だ、大丈夫です。炭酸も……い、いただきます。」
「……ええと。」
以前、スタンド使いであると知られた。
――そして、危険な目に合った。
――そう、危険な目だ、あれは。
(ど、どうしよう。
知らんぷりも出来ないし……)
「ど、どこか……ええと。
座りませんか? お話、するなら……ミヨちゃん。」
「ひ……日差しも、その。
強いですし。今日は……」
とりあえず、立ち話もなんだ。
今すぐ逃げ出すのも、なんだ。
近くに設置されたベンチがあった。そちらを示す穂風。
一応、本来はバス待ちで座るもののようだが……人はいない。
配慮か偶然か、街路樹の影だ。
731
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/09/30(水) 00:47:17
>>730
>「あっ――」
何ごとも無く、『葉鳥』さんのペットボトルと自分のを手渡します。
今思考するべきは、影になっていて座れる場所。そして『ミヨちゃん』と呼ばれたことだけなのです。
「そうですね。そうですよ。あそこ――」「バス停ですが、ちょうど良く日陰です。座りましょう」
「あ、自転車、大丈夫ですか?」
ペットボトルを取り落としたことを『熱中症』の兆候である『手足の震え』と認識しているため、
『休息』が最優先事項。僅かでも負担を減らそうと、もし相手が希望するなら自分で自転車を押す所存。
732
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/09/30(水) 01:02:23
>>731
「あ、は、はい。」
「いえ、大丈夫、です。
その、自分で押せます。」
(親切な人だなあ……)
まさか熱中症疑惑とは思わない。
単に親切な人と受け取る。
・・・・前例もある。
コロ
コロ
自転車を押しつつ、ベンチへ。
ロードバイクと違い、店の自転車は重い。
ガコ
空でもない野菜箱も載っているし。
その意味でも日陰に行くのは重要か。
(配達の時間……は。
まだまだ、あるよね。早く出たし……)
・・・・どうせ飲み終えるまでは、休憩時間だ。
「……それで、ええと。
あの……あれ? なんの、話でしたっけ。」
「……」
影に着いたら、話の続きを切り出す。
いや、切り出す続きを忘れたのだが。
ゴク
ゴク
ペットボトル――自分の物の中身を飲む。
(なりゆきで貰っちゃったけど……
これ、よかったのかな……良かったんだよね?)
炭酸飲料のことだ。
スタンドのことは――言うべきか、迷う。
733
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/10/02(金) 00:28:44
>>732
「そうですか。無理はしないでくださいね」
歩調を合わせ、一緒に木陰のベンチまで歩きます。
不躾ですがちらりと『自転車』と『カゴ』を確認、荷物と服装から『休憩中』と結論。
つまり
「(もうちょっとお喋りをしていても大丈夫)」
手ぬぐいを仕立て直したハンカチを取り出し、ベンチを軽く拭ってから
「座りましょう」
「そう、何の話でしたか・・・」
着座をすすめつつ自分は座ります。続く言葉は少しだけとぼけた調子が入り、
「『スタンド』」「とか」
パ チン
傍らに立つ、厳めしくも華奢なシルエット。黒い甲冑の像――『ソナタ・アークティカ』が、火花混じりに指を弾き。
見えていたのは間違いない(声を出したし、目で追ってもいた筈ですから)けれども、最終的な確認の意味を込めて。
734
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/02(金) 00:51:12
>>733
「は、はい。無理はしません。
その、心配を。させてしまいまして……」
ガコン!
「よいしょ」
(ベンチ、拭いてる。
そういうものなのかな……)
ストン
自転車を停めて、座る。
そして――
「え、ええと、なんの……」
ピクッ
「――! す、スタンド――」
ごまかすべきなのか?
いや、もうそれには遅いだろう――と。
ザ ァ -- ・・・
穂風の傍らにヴィジョンが浮かぶ。
傘――それを人型にした様な、歪なヴィジョン。
「あ……」
「…………」
(頼んでもないのに……)
お節介を感じ、押し黙る穂風。
発現は自分の望みではない。
≪――お初にお目にかかります。
私め、『ヴァンパイア・エヴリウェア』と申します。
……以後、お見知りおきを。≫
ヴィジョンの、蝙蝠の頭骨のような頭部が口を開く。
穂風の意思ではなく、彼自身の意思で。老爺めいた声で。
「…………あ、あの、その。
わ、私も……なんです。」
「その……スタンド、能力を。」
モゴモゴ
もごもごと、言葉を発する穂風。
やや警戒した声色、とも言える。
・・・・悪人ではない、気はするが。
735
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/10/02(金) 23:19:37
>>734
カ!
踵をならして『気をつけ』の姿勢。
甲三耀なりの『敵意が無い』ことを示す姿勢です。
「ご丁寧にありがとうございます」
「『ソナタ・アークティカ』」「私、『甲三耀』の『スタンド』です」
『ヴァンパイア・エヴリフェア』に自己紹介。
『喋るスタンド』に、すこしだけ物珍しげな視線を送ります。
気持ちとしては『こういうこともあって当然、何故ならばスタンドだから』――
「葉鳥さん、『アークティカ』でペットボトルを拾った時、目で追っていましたから」
「多分、そうだろうなと思いました。驚かせてしまってごめんなさい」
黒い甲冑は微動だにせず直立不動。
「喋るんですね」
特に動じてはいないけれど、珍しさからつい不躾な聞き方になります。
736
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/02(金) 23:51:13
>>735
「あ、う……や、やっぱり気づきましたよね。突然だったので、その、驚いて。」
穂風のための、『突然』だ。
人型の傘――『ヴァンパイア・エヴリウェア』は揺らめき、穂風の傍に控える。
「い、いえ。こちらこそ……
その、黙っていようと、してしまって。
ええと……ソナタ・アークティカ。かっこいい、ですね。なんだか……」
ペコ
(謝ることでもない……かな?
でも、向こうも、謝るような事じゃないし……)
スタンド使いという属性は、進んで広めるものでもない……と思う。
・・・・そして。
《私めはお嬢様の従者ですゆえ――
従者には言葉もまた、必要……という、ことでしょう。》
大きく頷く蝙蝠従者。
穂風はそれを横目に見る。
「……半自立、って。
言うみたい、です。」
「…………珍しい、ですよね。
良いものかどうかは、分からないですけど。」
《……》
黙する駒を望むわけではない。
だが――心中は、それなりに複雑だ。
737
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/10/03(土) 00:01:46
>>736
「ありがとうございます」
ムフン
「かっこいい」と言われたのが嬉しくて胸を張ります。
そして『ヴァンパイア・エヴリフェア』に
「『従者』。『スタンド』の新しい解釈ですね。そう考えたことは、ありませんでした」
「半自立」の言葉を頭の中で反芻して、何となくの理解を固めます。
それにしても、
「それにしても、葉鳥さんはあまり『スタンド』に肯定的ではないように見えます。仕舞った方がいいですね」
思ったことを素直に口にしてしまうのです。
そして『アークティカ』は解除。一条の電光とともに掻き消えるヴィジョン。
738
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/03(土) 00:12:08
>>737
「……あっ、い、いえその。
スタンド……に、否定的とかでは、ないんです。私。」
それは事実だ。
事実能力は便利に使っている。
・・・・だが。
《私めが意思を持っている理由――それを考えるに。
私めは……ただ傍らに立つのではなく。仕える存在なのでしょう。》
「……」
(……ヴァンパイア。
私の従者? ただの道具じゃない、けれど……なんなんだろう?)
穂風は己のスタンドとの関係性を、定義しかねている。
それだけだ。
「ただ、その。ええと……
甲さんにとって、あの、スタンドって、どういう……ものですか?」
だから、聞くことにした。
こういう時、従者は何も言わない。
739
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/03(土) 00:23:15
>>738
(訂正)
「ただ、その。ええと……
甲さんにとって、あの、スタンドって、どういう……ものですか?」
↓
「ただ、その。ええと……
ミヨちゃんにとって、あの、スタンドって、どういう……ものですか?」
740
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/10/03(土) 00:45:57
>>738
「そうでしたか。すみません、早合点をして」
だったら、どういうことなのだろう? と甲三耀は考えます。
『スタンド』とは自分自身の精神、その現れであり、例外は幾つもあるけれど、『アークティカ』についていえば間違いなくそう。
彼は彼女の『スタンド』で、でも彼には自立した意識があって、自分を『仕える存在』、と言う。
そういう『スタンド』があっても驚きはないけれども、
「(戸惑い?)」
もし『アークティカ』が同じようなことを言い出したら、どう思うかを考えると、一番しっくりくるのはその言葉でした。
そして
「私にとって、ですか」
答えます。
「『スタンド』とは『武力』。人を傷つけることも、あるいは殺してしまうこともできる『武力』です」
「例えば拳。例えば刀。例えば大砲。例えばドリル。例えば―――挙げればキリがありません」
「そして、だからこそ、そういった『暴力』から誰かを守ることの出来る『武力』。それが私の『ソナタ・アークティカ』」
バチッ
再び発現する『アークティカ』。甲冑に走る電流火花。『太陽のビート』。
「でもそれだけではありません。私の『アークティカ』は重いものを運ぶことも、ちょっとした怪我を治したり、痛みを和らげたりもできるのです」
ムフン
カッコいいのです。
741
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/03(土) 01:03:37
>>740
「あ、いえ、その、お気になさらず……」
コク
穂風は頷く。
・・・・そして。
「武力――」
(スタンドは戦う力……そうだ。
私だって戦える。戦いたいとは、別に思わないけど……)
「です、か。
それも、守る、ための……」
(自分以外の、誰かのため――)
なんだかかっこいいな、と穂風は思った。
人のために力を振るう。
「……」
≪私めも、出来ることは負けておりませんよ。お嬢様。≫
「……どうだろうね。」
利便性は知っている。
雨よりも速く、高く、軽い。
だが、出来る事――用途の幅は例え並べても。
出来る事――目的では。
「私は……
誰かのために、力を使うって――
考えたことなかった、です。」
偶然誰かのためになったことはある。
だが、誰かを守るための力と、意識したことはなかった。
・・・・自分の力の意味は?
自立するためだけの力なのか?
「ミヨちゃんは……
かっこいい、ですね、なんだか……」
「スタンドだけじゃ、なくて。」
穂風はそう思った。
≪……≫
従者は何も言わない。
742
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/10/03(土) 01:29:18
>>741
かつてズタズタに引き裂かれた右手と、ギタギタに打ち据えられた左手と。二つ拳を並べて握り。
「ありがとうございます。まだまだ、道半ばではありますが」
ぺこりとお礼。
「『スタンド使い』には――現実に、『人を傷つけて、殺してしまって、何とも思わない』、そんな人もいます」
目の前で、何の意味も無く、殺された彼を思い。
そして結局のところ、
「結局のところ、私は私が辛い思いをしたくない、っていうだけなんですけれどね。分不相応なのは知っています。力不足なのも分かっています。
けれど、手の届く相手の命を助けられない、そんなことはもう絶対に嫌。夢見が悪いっていう言い方がありますけど、あれって本当なんですからね」
だからこそ、甲三耀は『正義の味方』を志す。
いつかの問いと、その答え。「無敵であること」。
もちろん、今ここでそんなことまで言いませんけれど。
「ところで、葉鳥さん」
ムフン
「ちょっと疲れていたり、肩が凝ったりとか、昨日どこか傷めたとか、ありませんか?」
「もしあれば、言ってください。褒めてもらって嬉しいのでお返しに何かしたいのですが、『治療のビート』が私の出せる最高だと思うので」
よほど嬉しいので、ちょっと顔が近いかもしれません。
743
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/03(土) 01:50:46
>>742
「……悪いスタンド使いがいる。
私も――――聞いたこと、あります。」
「見たこと……も。」
思い浮かべるのは雨の夜。
病たる者を相手取り、咲乱れた、夜。
・・・・甲ほどの『思い』は、ない。
だから実感はできない。
「あの時……私、は……」
(命……あの時、私は私が辛い思いがしたくなかったのかな。
夢見が悪いって、どういう気持ちなんだろう。
あの時私が……走ったのが、そういう気持ちなのかな……)
感情が欠けていたりはしない。
けれど穂風は――感情の名を知らない。
≪……≫
・・・・分からない。
お節介の従者も答えはくれない。
「……えっ、あ、は、はい。
つ、疲れですか……!?」
考えていたら、意表を突かれた。
痛みを和らげる。疲れを取る。
(あ……さっき、言ってた気が……と、というか近い……)
グイ
やや首を引く。
「あ……じゃ、じゃあ……
その、少し、肩こりが……」
荷物を持つことが多い。
仕事を始めてから特に、だろうか。
「あ、あの。治療のビート……って?」
≪……疑うわけではありませんが。
甲様、危険なことではありますまい?≫
聞きなれない単語。
穂風と従者は、それぞれ疑問に思う。
744
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/10/03(土) 02:10:46
>>743
「『ソナタ・アークティカ』は」
もちろん疑問は解消しなければなりません。
「『太陽』の光を、ある種の『エネルギー』に変換します」
「拳に込めれば虎をも沈め、蹴り足に乗せれば百里を駆け、そしてまた傷ついた体や痛みを『癒す』こともできる」
バチチチチチ
「『太陽のビート』。その一端です。ちょっと最初は『ビリッ』!ときますが、そうですね。身近なところでいうと『電気風呂』みたいなものです」
「全然危険じゃないんです」
ちょっと近過ぎたので、すっと身を引き。
「いかがですか?」
相手がどう受け取るかは別としても。
満面に善意の笑顔。
745
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/03(土) 02:21:34
>>744
「太陽の、光……ビートですか。
それが、『ソナタ・アークティカ』――」
(……逆、だ。
私は……雨だし。)
≪…………≫
天気の話は些細な話。
ともかく。
バチチチチチ
ビクッ
「わっ……」
(太陽……電気風呂っていうのは、知らないけど……)
≪――お嬢様。≫
「お、お願いしますっ!
び、びりっと来ても……大丈夫、です!」
ペコ!
やや真剣な顔で勢いよく、頼んだ。
太陽、それは吸血鬼の天敵。
(体験できるんだ。家にいたら絶対、させてくれなかったこと。)
血脈の因習は、太陽にあたることまでは禁じていなかったが――
きっと太陽をこの身で感じる日は、来なかったろう。
746
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/10/04(日) 01:41:38
>>745
「わかりました!」
バチ
バチ バチ バチバチバチッ
若干、テンション上がり気味。
「ではちょっと、後ろに失礼します」
「出力は調整しますが、もし痛かったら言ってください」「もっと出力を下げるので」
立ち上がり、葉鳥さんの後ろに。
『肩もみ』のときにそうするみたいに、葉鳥さんの肩に『アークティカ』の掌をそっと乗せます。
『太陽のビート』。光を、激しく、そして優しい『癒す』ためのパワーに変えて、放出する。
「いきますよ。『治癒のビート』ッ」
ス ゥ
バ チ ン !!
『ソナタ・アークティカ』の能力。その応用。
・『治療』…軽い傷であれば、5分程で完全に治癒。骨折程度なら、『痛み』をほぼ感じない程度まで和らげられる。
『肩こり』がほぐれるのも、5分かかるかかからないか・・・そんなところでしょう。
747
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/04(日) 02:04:33
>>746
バチ
バチ バチ バチバチバチッ
「は、はい。痛かったら……言います!」
(ど、どうなるんだろう……
すごく、ばちばちしてる。電気みたいに――)
ドキ
ドキ
≪……≫
キョロ
キョロ
肩に置かれた手に、思わず左右を見る。
胸が高鳴る穂風。貴重な体験だ。
ドキ
それも、良い体験――
バ チ ン !!
「うわっ、わ……」
≪お嬢様、お嬢様。
大丈夫で御座いますか? 異常など――≫
「う、うん……平気。
なんだか……な、なんだろう?」
スゥーー ・・・
肩が軽い――気がする。
穂風は少しずつ解されているのかな、と思う。
「これが、太陽の……癒しのビート……
えへ、へ。不思議な、いい、感じがする……」
≪それは、何よりに御座います――≫
従者は穂風の傍に控えて、黙った。
穂風も、変に動いたりはせず、時間は経っていく――
・・・・
・・・・
748
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/10/04(日) 02:12:10
>>747
パチ
パチン
「こんなところでしょうか」
パッ
手を離します。
約5分間の『ビート』。体が温まり、凝り固まった筋肉が解れ、血行も良くなっている筈。
「どうでしょうか。上手くいっているといいのですが」
749
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/04(日) 02:22:33
>>748
パッ
と手が離された。
「あ――」
グルン
試すように左の肩を回す。
「あ、あの。
すごく……その、肩が軽く。」
ポカ ポカ
「それに、体も……なんだか、暖かい、です。」
(何だかかゆい……?
お風呂のあと、見たいに……)
ニコ
笑顔を浮かべる穂風。
身体の調子が――良い。すごく。
・・・・これが。
「癒しの……太陽の、ビート。
あの、ええと……凄いですね。」
「う、上手く言えないけど……
その……ありがとう、ございますっ!」
ペコー!
感想はスラスラ出てこないが、礼は言えるものだ。
大きく頭を下げる。
≪私めからも、お礼を。
有難う御座います、甲様。≫
従者も、それに続いて頭を下げた。
・・・・そして。
「あ……わ、私、そろそろ行かなきゃ。
いろいろ、あの、ありがとうございました、ミヨちゃん。」
ベンチから立ち上がる。
仕事の時間は待ってくれない。
行かねばならない。
750
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/10/04(日) 02:36:20
>>749
「それは、何よりです。喜んでもらえたなら、私もうれしい」
「それと、『エヴリフェア』さんもどうか『ミヨちゃん』と」「良ければですが」
笑顔で返答。褒めてくれた人に喜んでもらえるのは、言葉通り他意は無く嬉しいものです。
「良かったです。久しぶりだったから、上手く調整出来たかなって」
もちろん『弱すぎる』ことの心配です。
あんまり効いていない・・・という結果は、締りませんから。
「お仕事中でしたね。すみません、引き止めるようなことになって」
「葉鳥さん、最後に良ければ『連絡先』、交換しませんか?」
携帯を取り出しながら、自分も立ち上がります。
751
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/04(日) 03:13:47
>>750
≪いえ、私めは……
どうか、ミヨ様――でご勘弁願えれば。≫
「……」
従者は妥協した。
穂風はそれを横目に見る。
「調整……は、その。
私には、分からないですけど・……」
「けど、きっと。
上手くいったんだと、思います。」
ペコ
穂風は小さく頭を下げる。
黒いリボンが大きく揺れる。
「いえ、その、こちらこそ……」
ある意味、引き止めたのは穂風だ。
そして。
「――――連絡先、交換。
あの、教えてもらうことは、出来るんですが……ええと。」
「あの、その……
私、携帯は持っていなくて……」
欲しいと思ったことは、ある。
だが、到底手の届く品ではない。
「だから電話番号も……その、なくて……」
アパートに電話があったか……?
あまり覚えていない。使わないのだ。
掛けてくる相手も、掛ける相手もいないから。
・・・・つまり教えられる連絡先がない。
「あ、え、ええと!
私……阿武名荘、ってアパートに住んでます。
だから、その……来て、もらえれば。」
≪……お嬢様、家を教えるというのは――≫
ガコッ
グイ
小言を言いだしそうな従者を他所に、自転車のスタンドを起こす。
そして、穂風はサドルに跨って――
「では、その……また。
ミヨちゃんも、お元気で!」
≪……失礼致します、ミヨ様。≫
キコ
キコ
自転車をこいで、甲から遠ざかっていく……
752
:
甲三耀『ソナタ・アークティカ』
:2015/10/04(日) 11:31:56
>>751
「様」
慣れない呼ばれ方です。
気恥ずかしいというか。でも『エヴリフェア』さんにも一線があって、それは譲れないということなのでしょう。
「そうなんですか。では、私のを」
生徒手帳のメモページを一枚、千切って、携帯電話番号と、一応メールアドレスも記入。
筆記用具は必需品です。多少強引かもしれないけれど、その紙片を手渡し。
「『阿武名荘』、分かりました。いずれ近いうちにお邪魔しますね」
「ありがとうございました。さよなら」
ペコリ
自転車を漕いでいく葉鳥さんにお辞儀をして、鼻歌混じりにその場から立ち去ります。
753
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/10/11(日) 23:24:51
長身の少年が、自販機の前に立っている。
どうやら飲み物を買おうとして、何を買うかで迷っているらしい。
赤茶のオールバックを手で撫でつけながら、しばし思案。
(お茶か、ミネラルウォーターか……)
……非常にどうでもいい二択ではあったが。
(……ミネラルウォーターにするか)
それでもどうにか決めたらしく、財布を取り出した。
財布から小銭を出して、スリットに硬貨を入れようとして……
ツルッ
「あっ」
チャリーン
コロコロォー
……手が滑り、100円硬貨は無慈悲にも自販機の下へ転がっていく。
「…………………」「くそっ!」
たかが100円が惜しいというよりは、物を買おうとした時に金が消えて行ったという事実に腹が立つ……!
754
:
穂村公康『フー・シュニッケンズ』
:2015/10/11(日) 23:37:39
>>753
「あ」
背後から声。
「何。小銭落としたの。
今、チャリーンって聴こえたよな」
755
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/10/11(日) 23:44:06
>>754
声に反応し、クルリと振り返る。
「……ああ、まぁ、そうだ」
忌々しげに深いため息。
「自販機……」「使うなら、お先にどうぞ」
そう言って、横に一歩引いて自販機の前を開けた。
小銭を拾うのは少し時間がかかりそうだし。
「俺は少し、小銭が拾えないか後で試してみる。
まぁ結構奥の方まで転がっていった音はしたが……」
756
:
穂村公康『フー・シュニッケンズ』
:2015/10/11(日) 23:53:34
>>755
『ムムッ!
ソレハ一大事デスネ!』
板踏が振り返ると虎模様のワイシャツの上に
黒のジャケットを羽織った咥えタバコの細身の男と
深紅のカンフー服に身を纏った
弁天髪の屈強な体躯の人型スタンドが立っていた。
「あーあ、勿体ねぇ。
暇だし手伝ってやるよ。
おい、バカ。アレ出せアレ。物干し竿」
『バカデハアリマセンッ!
我ハ”フー・シュニッケンズ”デス!』
屈強なスタンドが、自身が纏っているカンフー服の広袖に手を突っ込み、
何やらごそごそとあさり始めた。
「ちなみに、マジでどうでもいいけどよ。
コカコーラの自販機ってすげー荒らしにくいらしいぜ。
バールが途中で詰まって、速攻ブザーが鳴るから、
自販機荒らしだけはやめておけってダチのヒロシ君が言ってたぜ」
757
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/10/12(月) 00:04:39
>>756
「まぁ大したことじゃ……ッ!?」
いる。
なんかいるぞオイ。
「………………あ、ああ……」
「ああ……?」
なんか、なんかいる。明らかにスタンドがいる。
しかもなんか喋ってるぞ。本体らしき男と喧嘩(?)してるぞ……
思わず口をあんぐりと開けつつ、カンフー服のスタンドの動作を見守る。
「……ほ、本当にどうでもいいなその情報。
というか現代日本で自販機荒らしする奴なんているのか。……いるんだなその口ぶりだと」
……そしてなぜだろう。
ぞわ
ぞわ
この男とスタンドを見ていると、なんとなく背筋に悪寒が走るのは……
758
:
穂村公康『フー・シュニッケンズ』
:2015/10/12(月) 00:16:56
>>757
「けど某社の奴は、
作りが結構ちゃっちぃから割と簡単にイケるらしいッて、
あれ?なんだなんだ。お坊ちゃん、スタンド使いかよ。
俺が脳内のお友達と会話をする、
イタいお兄さんに思われなくて一安心だわ。
オラ、オマエ挨拶しろよ」
『ハッ!』
『我ガ名ハ”フー・シュニッケンズ”
ソコニオラレル”穂村老師”と共に
武ノ道ヲ探求スル武道家デス!
チナミニデスカ、アナタ様ノ
”スタンド”の”流派”ハドコデショウカ!』
本体らしき男に挨拶を促され、
きちんと挨拶をするカンフー服のスタンド。
「探求してねーよ。 『ハイ…』
ホラ、早くしろよ」
ズボオォッ
キィィンッ
『フー・シュニッケンズ』と名乗ったそのスタンドが、
広袖の中から白樺の鞘に収まった『日本刀(?)』を取り出し、
鞘から抜き取り、その刀身を改めた。
『フム、コノヨウナ使い方ハ
正直不満デハアリマスガ
『倭刀』ナラバ問題ナイデショウ!』
759
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/10/12(月) 00:27:41
>>758
「それを危惧するなら人前で話さなければいいんじゃないか」
一般人から見たらかなり痛いお兄さんで間違いないが。
というか露骨に不審者だ。
とりあえず、困惑しつつも名乗り返す。
「あ、ああ……板踏だ。板踏甲賀……」
「……『スタンドの流派』ってなんだ?」
初めて聞いた概念である。
いや、そもそもそんなに多くのスタンド使いに会ったわけでもないのだが。
……そういえばミスコンの時に本体とは別に意志を持ってるっぽいスタンドがいたなぁ、とか思いだしつつ。
「うおっ」「……すごいな。刀が出せるのか」
すらりと出てきた刀に感嘆し……ちょっと距離を取った。
凶器を持っている人間……いや人間じゃなくてスタンドだが、それに対する正常な反応だ。
振り回すつもりはないのだろうということはわかるが、少しビビる。
760
:
穂村公康『フー・シュニッケンズ』
:2015/10/12(月) 00:42:13
>>759
「リュークに取り付かれた夜神月も、
極力人前で話すのは避けてたしな。
ドラマ版のデスノート観た?
あの月役の、名前忘れたけどなんとか君すげーよかったわ」
『窪田正孝殿デス』
「そうそうクボタ君。
スタンドの流派って言われてもよ、
何のこっちゃって感じだよな。
『伊賀』とか『甲賀』とか、そんなノリじゃねーか」
『シュニッケンズ』が腰を下ろし、
『倭刀』を自販機の隙間に突っ込み始める…。
『あッ!
ナンカ感触アリマス!
モウチョイデトレソウデス!』
「おー、そうか。
んじゃあとっとと取れよ。
板踏クンのお父さんが汗水流して働いて稼いだ金だからな」
『ト、トレマシタ!』
自販機の隙間から、
砂埃に塗れた100円玉が出てきた。
761
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/10/12(月) 01:00:37
>>760
「ん、ああ、デスノートは観てたぞ。全部じゃあないが……。
音楽担当の服部隆之はやはり上手いな。次の大河も担当するらしいし、楽しみだ」
明らかに着眼点が違った。
「いやまぁ確かに俺は『甲賀』だが。
……強いて言うなら、『トランペット』が俺の『流派(パート)』ということになるか」
流派というか、剣術とか槍術とかそういうくくりな気もするが。
それでも強いて言うのであれば、それが一番近いだろう。多分。
そうこう言っている内に、『シュニッケンズ』が小銭の回収作業を始めてくれていた。
……『刀』をこんなしょーも無いことに使わせるのは、なんとなく申し訳ない気持ちになった。
「……なんか、悪いな」
(一応俺がバイトで貰った給料なんだが……まぁいいか)
「すまん、恩に着る」
無事に出てきた汚い百円玉を拾い上げ、指で拭う。
……まぁこの後すぐに自販機に投入するのだが、ともかく。
「助かったよ、『フー・シュニッケンズ』と……えーっと、『穗村ローシ』?」
762
:
穂村公康『フー・シュニッケンズ』
:2015/10/12(月) 01:13:45
>>761
スチャンッ
シュニッケンズが刀を広袖に収める。
「何、音楽好きなの。俺も好きだゼ。
ベースならそこそこに弾けるし、『ドラム』もリズム刻む程度ならできるぜ。
あのフェンダー、今じゃ部屋の隅っこでハンガー代わりに使ってるけど」
『確か、アニメノ影響デハジメタ、
ト言ワレ頭ニキタノデスヨネ。
元々左利キナノニ』
「ローシ、じゃねえよ。公康君だよ。
勝手にこの馬鹿が老師とか呼んでんだよ。
最近じゃあ「イイカゲン師父トヨバセテクダサイ」とか、
調子に乗ってっけど」
『ノッテマセン!』
グウゥゥゥ〜〜…
唐突に穂村の腹の虫がなる。
「なァ、
なんか焼肉とか食いたい気分じゃね?」
763
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/10/12(月) 01:39:19
>>762
「おっ、本当か?」
音楽が好き――――そう聞くと、途端に板踏の表情が明るくなった。
が、今はやっていないようで、すぐに残念そうな顔をする。
「なんだ、今はやってないのか。
きっかけなんて何でもいいと思うんだがなぁ、もったいない」
「俺は『トランペット』以外だと、後はまぁピアノが多少弾けるぐらいだが――――」
ゾクッ
「―――――? ま、まぁ、とにかくそんなとこだ」
……また、背筋に冷たいものが走った。
なぜだろう。この男がドラムを叩いているところをイメージすると、悪寒が走る。
いままでそんなことは無かったのに、突然どうしたのか……音楽が好きだというのなら、悪い奴ではないはずなのに(※個人の感想です)。
「ああ、ローシ……老師、か。
……よくわからんが、複雑な関係なんだな」
スタンドは本体を尊敬しているようだが、本体の方はそうでもないらしい。
……板踏のスタンドはトランペットだから、そういう関係はよくわからない。
> グウゥゥゥ〜〜…
「ん」
「……焼肉か。まぁ確かに、そうかもな。
去年のコンクールの打ち上げで行ったっきりだし……」
「…………行くのか?」
764
:
穂村公康『フー・シュニッケンズ』
:2015/10/12(月) 01:51:29
>>763
理由はわからないが不意に背筋に走る悪寒。
そんな事など露知らず、吸い殻を携帯灰皿に入れて火を消す。
「音楽はいいよなァ。
リリンの文化のうんたらかんたらってカヲル君も言ってたわ。
そうそう、今日久しぶりにパチンコ行ったら
エヴァの新台で爆発したのよ。
実にヤクザらしい休日の過ごし方だわ。すげー健全」
ガシィッ
いきなり板踏の肩を掴む。
「なんか知らないけど、俺オマエの事割と気に入ったわ。
派手に勝ったし奢っちゃるよ。
俺がオシボリおろしてる店があるのよ。昼から焼肉とか激熱じゃね。
あッ、つってもどーみても未成年だから流石にアルコールはなしな。
って俺、どっちみち酒一滴ものめねーから。
ハサミで切る分厚いカルビ食わせてやるわ」
765
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/10/12(月) 02:09:27
>>764
「リリン……あー……エヴァンゲリオン、だったか。
一度映画を観たことがあるが、あれは歌の入れ方が面白かったな、うん」
アニメはそんなに見る方ではないが、有名な作品なら知っている。
なお某ロードショーでやっていたのを見ただけである。
「へぇ、パチンコ……よくわからんが、よかったな」
「そういえばこの間俺の親が……」
「えっ、ヤクz」
> ガシィッ
「うぉっ」
……今すごく聞き捨てならないことを聞いた気がする。
聞いた気がするが、補足されてしまったこの状況で今更それを確認するのは正直怖い。
「…………」
ど、どうする。逃げるか?
いや、無理だ……なんとなくこの男からは逃げられない気がする。
なんとなく、逃げようとしたら回り込まれて仁王立ちされる気がする……!
「あ、あー……」
「そ、そうだな……昼飯には、少し重たいが……」
……ハサミで切る分厚いカルビか……
意外と真面目そうだし……大丈夫なんじゃないか?
そもそもこの悪寒自体根拠はない訳で……いやヤクザとか聞こえたような気もするが……
でもこの男、音楽が好きらしいし……
「……それなら、お願いしようか」
…………板踏は、少しだけ恐る恐ると言う様子で了承した。
766
:
穂村公康『フー・シュニッケンズ』
:2015/10/12(月) 10:05:46
>>765
「了解ウォッチ、だぜ」
『老師ッ!!
ソンナ乱暴ナ!!』
板踏の肩から手を放し、
ポケットに手を突っ込む。
「ここからだとちょいと遠いけど割と美味えぜ。
特にワサビカルビは絶品ヨ。
たぁんと食え食え。今度はお母さんも連れてきてな」
ザムッ ザムッ
そうして穂村と板踏は、昼の焼肉屋へと向かい
たらふく肉を喰らったのであった。
767
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/12(月) 23:58:43
学校には、今すぐは入れない。
突破口を探さなくてはならない。
それはそれとして。
――商店街。
かとう青果店。
「い、ぃらっしゃいっ!」
ペチ!
仕事は、しなければ。
手を叩き、声を張る。客寄せだ。
今日はいつもより、人が疎ら。
「かぼちゃ」
「にんじん」
「かぶ」
「ええと……松茸、も!
それにセロリや、トマトも、今が旬です!」
ペチペチ!
旬の野菜は……カンペを見ずとも言えるようになった。
こういうとき穂風は誇りに思うのだ、己の成長というものを。
768
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/14(水) 00:12:13
センセー、サヨーナラー
ブリチャンバイバーイ
「はいはい、バイバイ。
寄り道しないで帰るのよ」
下校途中の生徒達と一緒に歩いていましたが、
途中で別れて晩御飯の食材の調達に来ました。
「セロリ頂けるかしら。
ブリスってば最近貧血気味気で。
えっと、舞茸とブナシメジはある?」
ウェーブがかったクリーム色の髪色に、青色の瞳の
外国の美女が話しかけてきました。
769
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/14(水) 00:36:45
>>768
「あ……いらっしゃいませ!」
(……学校の先生?
いや、今は仕事……)
客に気づいて、声を張る穂風。
大きく頭を下げ、赤い髪と黒いリボンが揺れる。
・・・・それから。
「ええと、ええと……
セロリに舞茸に……
ええと……」
トトト
言われた野菜と菌類を手に取り、小さな籠に入れる。
そして、二つ目の菌類だが――
キョロ
「あれ……」
キョロ
「あ……す、すみません。
ぶなしめじは、その、品切れでして……すみません。」
なかった。
穂風は恐縮そうな声を上げる。
「あの、その……」
「か、代わりではないですが……
あの、しいたけや、えりんぎなら。」
チラ
コク
店の奥にアイコンタクトを送り――頷く穂風。
パッ
すぐさま客の方に向き直る。
ぎこちない笑顔で。
ニコ
「その、お安くしておきます。
あの……ど、どうでしょうっ……?」
「あと、ええと、貧血でしたら……
チンゲン菜とかも、入っていますけど。」
商魂というものも、覚えだした。
目を伏せ気味に、お客の反応をうかがう穂風。
770
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/14(水) 00:48:38
>>769
「あら、そう。ッて
勉強してくれるのッ!
それじゃあせっかくだしエリンギを1パック頂くわ」
にっこり。
「今キノコって高いのに儲け儲け。
それじゃあ舞茸と、エリンギで炊き込みご飯を作って……
(ブツブツ)セロリは刻んで浅漬けにして…」
今日の献立を組み立ててみます。
「あら、そう。それじゃあ青梗菜も頂こうかしらね。
ブリスってば此処の所、貧血が凄いのよねぇ。
あッ、他に何かおすすめはあるかしら?
オミオツケの具に使えそうなお野菜」
771
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/14(水) 01:03:49
>>770
「はいっ。勉強、させていただきます。
ええと、ありがとうございますっ。」
ゴソッ
エリンギもかごに。
ニコ
ニコ
これでお得意様にでもなってくれればもうけもの。
穂風はそう思うのだ。
(今日の晩ごはんかな……)
「……あ、は、はい。
ありがとうございますっ。」
トト
「貧血……ですか。
あの、お大事にしてください。」
ゴソリ
チンゲン菜もかごに。
それから。
「……オミオツケ?
あ、え、ええと……」
困った顔をする穂風。
オミソシルノコトダヨー
すぐに店の奥から助言が飛んだ。
別の人もいるのだろう。
「あっ、す、すみません!
ええと、お味噌汁なら……ええと。」
トト
「ネギ、とか……
あとは……」
トト
「とうがんなんて、その。
どう……でしょうか?」
ねぎと、とうがんを示す。
どちらも味噌汁には合うだろう。
772
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/14(水) 01:14:58
>>771
「あらん…
もしかしてオミオツケって、
ジジババ語だったかしら…いやぁねぇ」
「それじゃあ」
ビニールテープで束になった長ネギと、
半切りでラップ巻きされた冬瓜を見比べます。
「冬瓜を頂こうかしら。
残った分はチンゲン菜と豚肉と一緒にオイスターソースで絡めて、
なんちゃって中華風炒めにするわ」
「お店番なんて偉いわねぇ。
ブリスのお家もお店やさんだけど、
実家いる時一度もお家の手伝いなんてしたことないわよ」
773
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/14(水) 01:26:00
>>772
「あ、う……い、いえ。
その、私が知らなかっただけで。」
ゴソ
「よいしょっ……」
ゴト
とうがんを取る。
かごは、これで満員ってとこだ。
「ありがとうございますっ。
今が旬だから、その、美味しいと思います。」
ニコ
どうにもぎこちない営業の笑顔。
美味しいのは本当のはず。
「あ……ええと、ありがとうございます。
でも、その。これがお仕事……なので。」
褒められて、礼を言う穂風。
それから。
「ええと……ブリス、さんは。
その、何のお店屋さんだったんですか?」
ト
トト
世間話でも一つ、してみようと思う。
かごをレジの方に持って行きつつ、だが。
774
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/14(水) 01:41:32
>>773
「はい、ありがとう。
美味しく頂くわ」
パチンッ
バッグからお財布を取り出します。
1000円札壱枚で足りるわよね…?
「ブリスの家?
ああと、東京の方でずーっと昔から『呉服屋』やってるわよ。
未だに呉服屋って何して生計立ててるか知らないし、
お店やってたお爺ちゃんもお祖母ちゃん、
それにパパもママも商売っ気ゼロだったから、
ブリスは継がないで、今ガッコのセンセやってるけど。
まァ弟が継ぐんじゃないかしら。
アイツ、見た目どうみてもガイジンだけど」
当たり前のように話をします。。
「えっと、おいくらかしら?」
775
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/14(水) 01:55:29
>>774
(学校の――先生!)
ピクッ
気になるワード。
とはいえ、まずはお会計からだ。
「あっ、え、え、ええと……」
カチャ
カチャ
(とうがん、チンゲン菜。
あと、えりんぎ、まいたけ、セロリ……)
チーン
レジを打つ穂風。
「合計で、―――円です。」
1000円で足りた。
それから。
(ゴフク屋……
ふ、服屋さん……?)
「東京……」
黄金町ではない町。
この国で一番人が多い町。
「ごふくや、さん。ごふくやさん……」
モゴ
いまいち耳慣れない言葉。
耳に残って、もごもご復唱してみる穂風。
「ふくや……あの。
服の、お店……とは、違うんですか?」
「なんだか、難しい……ですね。
その、いろんなお仕事があって。」
……先生のことを聞きたい穂風。
とはいえ、客と店だし、今は接客タイム。
776
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/14(水) 02:12:45
>>775
「そッ、呉服屋さん。
着物や振袖を売ったり、レンタルしたりするお店。
日本人ならではの和風のお店。ずーっと昔からやってるんですって。
地元じゃあ「呉服屋なのに店主がイギリス人!」って
ちょっとした有名なお店らしいわよ。
パパったら英語なんて全然喋れないのに。詐欺よ詐欺」
「はい、ありがと」
おつりを受け取り、お財布にしまいます。
「そうねェ。『お金』を稼ぐってのはそりゃあとても楽しい事だけど、
やっぱり凄い大変な事なのよね。
ブリスもガッコのセンセの他にも、
アルバイト、キャバクラ、構成員、大家さん、社長、スパイ…
とにかく色んなお仕事したけどね。
こっち越してから、どーにもお金稼ぎにメリハリがないっていうか。
今はとりあえず昔に取った杵柄で、教師のお仕事してるけど」
777
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/14(水) 02:33:27
>>776
「ああ! 着物……和服、ですか。
教えてくれて、ありがとうございます。」
「……え、えへ。
詐欺とは、違うんじゃ……」
(ずっと、昔から……私の家もそうだけど……
でも、ああいうのじゃ、ないいんだろうな……)
穂風はまたひとつ知恵を得た。
一つ一つ積み重ねて、大きくなる。
コク
コク
自分でお金を稼ぐ大変さと、楽しさに頷いて。
(スパイ……構成員?)
(すごい人……なのかな。)
ツッコミどころを感じつつも。
穂風の目的は――
「ブリスさんって、先生……なんですね。
あの、秋映学園……ですか? この辺でしたら……」
先生という言葉を、拾い上げる。
いきなり上手くは、いかないだろうけれど。
・・・・それに。
「あっ……それと、あの、袋は……いりますか?
お詰めしても、その、大丈夫……でしょうか?」
ゴト
仕事もしっかりせねば。
かごの中のとうがんを持ち上げつつ。
最近は買い物袋持参も多い。
穂風も一応、確認を取っておくのだ。
778
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/14(水) 22:26:12
>>777
「あら、ごめんなさい。
これに入れてくれる?」
カサッ
ミュウミュウのハンドバッグから
丁寧に折りたたんだ唐草模様のエコバッグを取り出して、
穂風さんに差し出します。
「そぉよォ。
ブリスはガッコのセンセー。
秋映学園って所で体育の先生してるけど、
それがどうしたのかしら?」
「あ」
「もしかしてあのガッコの生徒さん?
それで、バイトしてるのを見逃してくれッて事?キャー!」
779
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/14(水) 22:48:40
>>778
「あ、はいっ、ではこちらに……」
カサ
サ
こうして、エコバッグを受け取る穂風。
開いて――
「……よいしょ。」
ゴソゴソ
冬瓜を入れた。
それから、菌類やチンゲン菜を手際よく。
ゴソ
ゴソ
「あ……やっぱり、ですよね。
あ、い、いえ。私はその……違います。生徒じゃない、です。
その、少し……ええと、気になった、だけで。」
流石に、初対面。人柄も知らない大人。
自分の素性を明かすには、早い。
・・・・それにしても。
「あ、あの……見逃す、ってことは……」
「……しゅ、秋映って。
バイト禁止、なんですか?」
(もしそうなら、ど、どうしよう。
学校に入って……バイトがばれたら、まずい……?)
ここに来て、死活問題が浮かび上がって来た。
いや死ぬわけにはいかないし、二択ならバイトを取るしかないのだが。
ゴソ
・・・・セロリを入れて、これで詰め終わり。
780
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/14(水) 23:01:36
>>779
「はい、ありがと。
最近のスーパーって、レジ袋でお金を取るから、
こーゆー所で節約しないとね」
野菜の詰まったエコバッグを受け取ります。
「へ?」
神妙な面持ちで問いかけてくる穂風さんに対し、
素っ頓狂な声を漏らします。
「や〜ね〜っ!もう!
高校のバイト禁止の校則なんて、
あってないようなものよ!皆やってるから安心しなさいって!
ガッコのセンセだから一応注意しなきゃいけないってだけで!
それにブリスなんてお金が好きすぎて、
今だってお小遣い稼ぎしてるんだから!キャハハ!」
手を顔に持っていき、日本人らしいリアクションを取ります。
「で、何?あなた、もしかして
あのガッコに興味があるわけ?」
781
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/14(水) 23:19:31
>>780
「こういうの……ええと。
エコっていうんですよね。」
「どうぞ。」
ズイ
エコバッグを手渡した。
これにて買い物は終了というわけだ。
・・・・だが。
「え、あ……そ、そうでしたか。
それなら、その、良かった……です。」
「えへへ。」
ホッ
(……あってないような、決まり事。
先生がしてるんなら、バレても大丈夫なのかな。)
穂風個人の興味は終わらない。
例の件はともかく、『先生』に会えたから。
「あ……え、ええと。」
(どう、しよう。)
「そう、ですね、興味……あ、あります。
いろいろ……その、知りたくて。学校のこと。」
核心を言うのは憚られるが……
聞いてみたいことは、ある。
782
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/14(水) 23:43:14
>>781
「へぇ…」
(やけに学校の事について聞きたがってるけれど、
何か訳ありなのかしら。
こーいう子はデリケートに、デリケートに)
「そうねぇッ。
あ、ちょっと待って!」
ガサゴソッ
「あったあった」
バッグの中からメモ帳とボールペンを取り出し、
穂風さんに手渡します。
「何かさっきから、
聞きたぁーい!でも聞けなぁーい!って顔してるわよ。
ブリスはアンタのセンセじゃないから深くは突っ込めないけれど、
要するにワケありなんでしょ?
書ける事だけ書きなさい!その範囲の中で聞きたい事だけ聞きなさい!
あらかた書き終わったらブリスにこーっそり渡しなさいな」
「そしたら答えられる範囲で答えるわ!」
783
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/15(木) 00:17:30
>>782
学校は穂風にとって命題だ。
それでいて――想像以上に難題だ。
「え、あ、はい。
ま……待ちます。」
ガサゴソッ
(……なんだろう? 紙とペン?)
よくわからない。
ともかく受け取って――
「え、あ……」
「あ……ありがとう、ございます!
本当に……あの、す、すぐ書きます!」
パァァ
嬉々とした表情。
キョロキョロ
客が今は、誰もいないのを確認して。
サラサラ
(どこまで……言っていいのかな……?
いい人だって、思うけど、信じていいのはどこまでだろう。)
(どう、しよう。)
サラサラ
穂風はメモに、聞きたいことを書きたい。
こんな機会、そうそうない。
「……あの。すみません。」
ピタ
ペンの動きを止めて。
「その、今から聞くこと……
他の人には、出来れば、内緒に……」
モゴ
ややもごもごした口調で、そう切り出す。
メモには、すでに、何かしら書いていた。
784
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/15(木) 00:26:25
>>783
「あらら、
ゆっくりでいいのよん」
嬉々とした表情の穂風さんを観察して、
メモを受け取ります。
「ブリスはお金にならない事なんてしないのよッ!
好きなものはお金で、嫌いなものは犬と外国人!」
「自分で何言ってるか良くわからないけど、
その点は安心して頂戴ッ」
受け取ったメモをゆっくり、
周りに見られないように確認します。
785
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/15(木) 00:47:09
>>784
「あ……す、すみません。嬉しくて……
あの、その……ありがとうございます。」
「どうぞ……!」
スッ
抱いた警戒を間違いとは、思わない。
メモを渡した。
・・・・そして。
――――――――
・学費というのは、どれくらいかかるんですか?
・保ご者の許可がないと、学校にはいけないんですか?
――――――――
穂風は期待をこめて、赤い目をブリジットに向ける。
「あ……は、はいっ。安心……します。
でも、その……すみません。」
「お金は、今はあんまり持っていなくて……」
(お金にならないことは、しない……
でも、そういうものかもしれない。
む、むしろ、お金を払う分、信用できるのかも……?)
そして、少し困惑する。
対価に金を求められていると思ったのだ。
「それで……
ど、どうでしょうか……?」
さておき、質問の答えを待つ。
786
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/15(木) 01:03:48
>>785
「…」
「フゥ、なるほどね。
ブリスってばカンは鈍い方だけど事情は大体わかったわ。
ちょっとその辺に座って頂戴」
「えっと学校に行くのには、勿論保護者が必要で、
あの学校は私立だからお金がかかる訳なんだけども。
ブリスからも質問していいかしら」
今はお客さんもいないようなので、
その辺に座るように促します。
サラサラサラサラ
メモ帳に達筆な字で質問内容を書いて、
穂風さんに渡します。
==========================
・今は何処に住んでるのですか?
・週に何回何時間此処で働いていますか?
・今のお仕事は楽しいですか?
・将来の夢はなんですか?
ざっくりとで良いので教えてください。
==========================
787
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/15(木) 01:26:26
>>786
「……」
ギュ
裾を掴み、俯く穂風。
「……やっぱり、そうですよね。
すみません、分かっては……いるんです。」
「けど――」
サラサラサラサラ
「あ……」
ス
メモ帳を受け取り、目を通す。
それから、顔を上げる。
「あの。お答え、します。
あなたも、その……答えてくれたから。」
コク
頷く。
「まず……今は、アパートに住んでます。
向こうの方にある、阿武名荘……っていう、ところです。」
クイ
指で方角を示す。
ぼろいアパートだ。
家賃は安いし――穂風にとっては大事な城。
「お仕事は、ええと、週に……5回くらい、です。
時間は……ええと、朝から、夕方くらいまで……?
もう少し短い日とか、長い日とか……いろいろ、です。」
あくまで、アルバイト――
とはいえ、貴重な働き手で、一応看板娘の任もある。
穂風自身、働かないと、生きていけない。
・・・・そして。
「夢……」
穂風は、そこで言葉をつかえさせた。
夢。将来自分は、何に――
「わ……分からない……
何になりたいとかは、分からない、です。けど。」
「……いろんな、ことが。いろんなことがしたいです。
皆が楽しいっていうこと、嬉しいっていうこと。
やってみたら、嫌かもしれないけど。でも、少しでも……」
「……」
夢を語れるほど、穂風はまだ世界を知らない。
今はただ、少しでも。多くのことを――知りたかった。
788
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/15(木) 01:39:28
>>787
パタムッ
メモ帳を閉じます。
「週に5日、
随分と働くわねぇ」
チラッ
指さされた方向にあるオンボロのアパートを、
そして真剣な面持ちの穂風さんを見ます。
「働き者だし、お金の価値も知ってる。
『投資』する価値はありそうねぇ――コホンッ!」
咳払いを一つ。
「ねぇ、もしアンタさえ良かったらだけど、
ブリスがアンタの後見人…要するに保護者になったげようか?」
789
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/15(木) 01:58:56
>>788
「その、お金が、いるので。
もう少し少ない週も……あります。
でも、働かなきゃ……学校にも、いけないので。」
「……それに。
楽しいことも、あるので。」
グ
穂風は再び、少しだけ俯く。
労働は素晴らしい――とまでは思わない。
けれど八百屋の仕事は穂風に多くの知識をくれた。
そして、生きていくための、お金をくれた。
・・・・そして。
「……投、資?」
「え――」
今度は――『保護者』をも、くれるのか?
「そ、そんな、こと。そんなこと……
出来るん、ですか……し、しても、いいんですかッ!?」
ガタ
身を乗り出す穂風。
「あ。す……すみません。」
ササ
すぐに居住まいをただす。
後見人……すべてが良くわかるわけじゃあない。
だが。
(学校に……行ける……?)
790
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/15(木) 02:21:24
>>789
「ブリスこう見えても結構な小金持ちなの。
高校行かせるくらいのお金なら捻出できるわ」
ジィィ――
穂風さんの肩を掴んで、
じぃと顔を凝視します。 「あのね」
「学校に行けばやりたい事も見つかるかもしれないし
お友達もできるでしょう。
好きな男の子ができたらセックスもするでしょうし、
皆、そういう事を経験してなんとなく大人になってくの。
そーいう『当たり前』の事を経験できないって可哀想じゃない?」
「高校を卒業するまでは
ブリスがいくらでも面倒見てあげるし、
ケータイだって貸し与えるわ。
好きなだけ青春を謳歌するといいわ。
けどね、ブリスは『お金は問題じゃない』なんて
綺麗事を吐ける程、聖人じゃないの。
最も、アンタは『お金』の大切さが身に染みているだろうけど。
――だから、幾つか条件を出させて貰うわ」
791
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/15(木) 02:44:00
>>790
「え、あ……わ、私、私…………」
ガシ
ジィーーー
「……」
肩を掴まれる。
……凝視されて、見返す。
・・・・言葉を聞く。
「私は……いろんなことが、したいんです……
学校に行って、お勉強して、部活もして、それで、それで……」
「それで……」
「出来るの、なら……」
ガシ!
肩を掴み返す。
髪を振り乱して、感情をあらわにして。
「ブリスさんが……
私に……させてくれるのなら……!」
「きっと、恩返しは……します。
私に……できることだったらっ!」
フゥ
フゥ
息を荒げて。
……落ち着けるように、少し俯く。
「……教えてください。
条件って、どんなこと、ですか?」
・・・・続く言葉を待つ。
792
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/15(木) 02:56:15
>>791
ぐらんぐらん
「あぁっ、ちょっと、ちょっと!
落ち着きなさいって!きゃっ!きゃッ! ああ」
首をぐらんぐらん揺らします。
「はァー、はァー」
「か、簡単な事よッ!
今住んでる所が気に入ってるなら、
そこに居てもいいけど、定期的にブリスの所へ来る事ッ!
よそ様のお嬢様を預かるんだから、それくらいは当然!
それにアンタも言ってる通り、きちんと自立したら
どんな形でもいいからブリスに『恩返し』する事ッ!いい!?
ブリスはあくまでも『お金』の価値を分かってるアンタに『投資』してる訳であって、
捨て犬を拾って飼ってあげる偽善者でもなんでもないのッ!」
「ぜー、はー、ぜー、はー…」
793
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/15(木) 14:36:36
>>792
「あっ、す、すみません……
つい、その、興奮してしまいまして……」
「すみません。」
ぱっ
手を放して、恐縮そうにもごもご謝る穂風。
だが、それもすぐに。
「……は……はい。
週に一度くらいは……
ブリスさんのところに行きます。」
はっきりと宣言する。
事実、それくらいは行くのだろう。
「けど、阿武名荘は、大事なので……」
ぼろいけれど……あの城は、記念碑でもある。
・・・・そして。
「恩返しは……絶対に。
何が出来るかは、その、まだ、分からないです。」
「けど。」
「……絶対に。
くれた分は、返しますから。」
穂風は、そう言った。
賭ける血統はないけど、嘘をつく気もなかった。
髪に隠れた目も、真っ直ぐブリジットに向いていた。
「何だか、夢みたい……」
そう、呟いた。
794
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/15(木) 22:13:22
>>793
「くれた分だけじゃあ駄目よ。
それ以上よ!」
スッ
穂風さんの目に掛った
アシンメトリーの前髪を流します。
「せっかく可愛い女の子に生まれたんだから、
人並みにオシャレもしなさい。お化粧も覚えなさい。
そして立派な大人になって利子を付けて恩を返しなさい。
フフ」
「話はそれだけッ!
おしまい!」
「あ」
「そういえばお名前聞いていなかったわね。
すっごい大事な事聞き忘れてたわ。ブリス反省」
795
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/15(木) 22:46:43
>>794
スッ
「あっ……」
髪の下には隠れていた目。
普通の少女の、赤い目。
「あ…………は、はいっ。
沢山……お洒落も、します。
可愛い服も欲しいし、リボンも。それに……」
部屋のカーテンを裂いて作った黒衣。
そのあまりで作ったリボン。
「……ブリスさん、私、きっと。
きっとすてきな大人になりますから。
たくさん、その、色をつけて……もっとたくさん、返します。」
「きっと……いえっ。
そう、絶対に……です。」
象徴としての、自立。
それを捨てる時が来たのかもしれない。
・・・・今。
「あ、名前……す、すみません。
私も、その。言い忘れていました。」
ペコ
慌てて頭を下げる。
すぐに顔を上げて、そして。
「穂風(ほふり)……
葉鳥 穂風(はとり ほふり)、です。」
「その」
「よろしく……お願いしますっ!」
ペコーッ
ずっと大きく頭を下げた。
これが、今が、穂風にとって、多くの事の始まりだった。
796
:
ブリジット『チープ・セックス』
:2015/10/15(木) 22:59:30
>>795
「そう、ホフリね。
ブリスの名前は、『ブリジット』。
ママでもブリちゃんでもお姉ちゃんでも好きに呼ぶといいわ」
「って」
「店先で随分と話し込んじゃったわね。
ちょっと待ってなさいな」 サラサラ
メモ帳に自分の家の住所と携帯番号を書いて、
ページを千切って穂風さんに渡します。
「まだバイト中だったわね。
終わったら連絡頂戴な。一緒にケータイ買いに行きましょ」
797
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/10/15(木) 23:18:53
>>796
「あ……ブリジット、さん。ですね。
あの、じゃあ、その…………」
「あっ」
ス
差し出されたメモ用紙を受け取る。
ポケットに、大切にしまう。
「は、はいっ。すぐ、連絡します。
ケータイ電話、すごく嬉しいですっ。」
「それで、あの……」
少しだけ俯いて。
「あの……本当に。
本当に、ありがとうございます。」
「……ブリス、さん。」
いきなり呼び方を変えるのは……
なんだか、恥ずかしかった。
それに、姉とも、母とも、違うと思ったから。
「またのご来店を……!!」
「すぐっ、すぐ、連絡しますからっ!」
店先に出て、ブリジットを見送る。
あと何時間か後が、たまらなく、楽しみだと穂風は思った。
・・・・時雨の果てに、虹を見る。
あの日言われた言葉は、少し現実になった。
798
:
百井千夜子『マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン』
:2015/10/18(日) 00:31:17
「ハロウィーンすなあ。
衣装を繕わねばならねェー」
フラ フラァ
褐色の肌の眼鏡女子。片手にはノート。
もう片手に生地を抱え、メインストリートを歩いている。
「今年の流行から行くと……フュリ○サ?
でも被るからいっそワ○ヴスという手もあるす」
799
:
荒咬『ザップ』
:2015/10/18(日) 02:20:56
【場】砂浜
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1420040517/587-588
『異なる時空』より、何かが現れようとしている……
(移動してきました、出現場所を指定してください)
800
:
百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』
:2015/10/18(日) 02:24:49
>>799
「いや、ウェス・ク○イヴン翁に愛を込めてフレディという手」
ブオンッ
「も″ッ」
現れたのは目の前! そのまま突っ込むッ!
ドグシャア!
ドベーン
当たり負けたのでそのまま仰向けにひっくり返るぞ!
さながら死んだカエルだな!
801
:
荒咬『ザップ』
:2015/10/18(日) 02:29:43
>>800
盛大にぶつかった! スッ転ぶ百井!
「あっ大丈夫ですか…… ゲェーあなたはっ! この間会ったばかりの!」
百井の顔を見て荒咬の脳裏に思い出されるのはケツをバーベキューされた上に遭難しかけた苦い記憶だ!
(ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1418487929/298-)
「い、生きてるかな……? 事故だよな〜コレ」
荒咬は自らのケツを両手でカバーして防御しつつ死んだカエルめいた百井の顔を覗き込む。
802
:
百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』
:2015/10/18(日) 02:46:56
>>801
(荒咬) ダミニ
「………………畜生ッ!
なんで急に出てきたん? 尻が痛いす」
鼻を撫でつつ、ゆっくりと立ち上がる。
眼鏡があることを確認。それから相手の顔を見る。
「おんやあ? どちらさん……か。
見た覚えあるぅ? ない? いや、やっぱりあるぅ〜」
「ワリぃすな。知り合いだったら」
鞄を拾い上げて、ノートも拾い上げる。
百井はよく覚えていないようだ。
803
:
荒咬『ザップ』
:2015/10/18(日) 02:54:11
>>802
「君が生きていてくれてよかったよ」
起き上がった百井を見て、ほっとした。
「ついこの前言ったと思うけど、僕は『荒咬』……
ってああ、そうか…… この時間軸だと『まだ』会ってないのか」
荒咬は一人で勝手に関心している。
「いいさ。慣れてるからね」
「けど、これは偶然だとは思えない。
また、似たようなことが起こるかもしれない。
すると、説明しておいた方がいいかな……」
荒咬は何かを考えている。
「『なぜ急に出てきた』って?
実は僕は超能力者で、『異なるチャンネル』に……
異世界に移動できるのさ」
百井が信じるかはわからないが、自分について説明する。
804
:
百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』
:2015/10/18(日) 03:11:29
>>803
(荒咬)
「ほうほうほう。一度会ってるすな」
「で、出てきた理由は――」
首を傾げながら話を聞いていた。
だが、キナ臭い話になってきて、更に首を傾げる。
「…………おぉーう、すげえー。
マジす? 『テレポーター』なんす? 『虎よ、虎よ』?」
「『超能力者』なのかァ。スッゲェなァ。
『守護霊』なら居るすが、『超能力者』は見た時ねェ〜」
片手を顔の横に挙げて、挨拶するようにパクパクと指を動かす。
すると――瞬く間に、その手に一挺の拳銃が現れた。
メ ギャアン
どじゃぁ〜ん
「 Ta Da !」
「『守護霊』す。喋らねえけどォ」
ニヤリと笑う少女。ツイ、と眼鏡のブリッジを押し上げる。
805
:
荒咬『ザップ』
:2015/10/18(日) 03:18:45
>>804
「君もか」
いきなり出現した拳銃を見て、こちらもニヤリと笑う。
「僕のは『ザップ』だ。姿はこんなの」
こちらも、『ザップ』を発現する。
人型のヴィジョンだ。
「僕は自分を超能力者だと思っているが
『生身』の方を『実体』だと解釈し、こっちを『守護霊』と呼ぶ人もいるな」
「証明ってわけでもないけどせっかくだし見てみる? 『テレポート』」
「残念ながら君は『異なるチャンネル』には連れて行けないし、消えるところしか見せられないけど」
スタンドの目の『ダイヤル』に手をかける。
806
:
百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』
:2015/10/18(日) 03:40:53
>>805
(荒咬)
「WOW! そりゃいいすな。
エスピリトゥ エスパー
ンで、『守護霊』憑きと『超能力者』は同じっちゅーことか」
拳銃をくるくると回し、腰のあたりに差し込んだ。
そのままグリップに手を置いて、荒咬を見上げている。
「『テレポート』かー。すぐ戻ってこれるなら観てーかも?
あと、能力見せてくれるなら、『ヴァレンタインの能力』も見せるす。
見せてくれるっていうなら、それが筋でしょ? オモロいしィ」
「あ、でも先に聞きたいことあるンだケドぉ〜。
ハロウィンって最近こっちでもやんでしょう?
ガッツリしたコスプレってダメすかねェー?」
ノートを開き、キラキラした目で質問してきた。
ノートにはいろいろとイラストが描きつけてある。簡単なスケッチだ。
807
:
荒咬『ザップ』
:2015/10/18(日) 03:54:51
>>806
「いや、戻ってはこれないな…… というかもう二度と会えないかも」
「『異なるチャンネル』は、どんな『時間』『世界』に行くか僕にすら制御できないんだ」
肩をすくめる。
「だから見てみたいね。君のその『守護霊』の力」
荒咬は百井の『ヴァレンタイン』を興味深そうに見ている。
百井の出したノートには、様々なイラストが描かれていた。
「ガッツリとしたコスプレ? 『アリ』だと思うよ。今まで見てきた人だとショットガン持った人とか、巫女さんとかいたし」
「僕も病院の中に傘を差して雪まみれで歩いてるとき、股間に角をつけた黒人の人に出会ったことがあるけど、何も言われなかったよ」
どこかズレた意見を返す荒咬。
808
:
百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』
:2015/10/18(日) 04:03:07
>>807
(荒咬)
serious
「マジで? そんなら気負わないでいいかなァー。
ちょっとレベル落とすとか考えねェーほうがいいかも」
「荒咬サンは仮装とかやらないす? 面白ェすよ」
言いつつ、拳銃を取り出し、弾倉のカバーをスライド。
装填孔を露出させると、ポケットに手をやった。
取り出されるのは駄菓子……いわゆるチロルチョコだ。
ビリビリ
シュコ! シュコココ!
チョコの包んだ紙を剥ぐと、弾倉に触れさせている。
次々にチョコが弾倉に抉られて、吸い込まれていく。
「……んーと、何がいいかな。割と『何でも出来る』んで。
あ、『マッチョ』と『美女』のどっちが好きすか?」
コ キン
カバーをスライドして戻すと、撃鉄を起こした。
809
:
百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』
:2015/10/18(日) 04:03:30
>>807
(荒咬)
serious
「マジで? そんなら気負わないでいいかなァー。
ちょっとレベル落とすとか考えねェーほうがいいかも」
「荒咬サンは仮装とかやらないす? 面白ェすよ」
言いつつ、拳銃を取り出し、弾倉のカバーをスライド。
装填孔を露出させると、ポケットに手をやった。
取り出されるのは駄菓子……いわゆるチロルチョコだ。
ビリビリ
シュコ! シュコココ!
チョコの包んだ紙を剥ぐと、弾倉に触れさせている。
次々にチョコが弾倉に抉られて、吸い込まれていく。
「……んーと、何がいいかな。割と『何でも出来る』んで。
あ、『マッチョ』と『美女』のどっちが好きすか?」
コ キン
カバーをスライドして戻すと、撃鉄を起こした。
810
:
荒咬『ザップ』
:2015/10/18(日) 18:45:12
>>809
「仮装か…… あまりやらないな」
「例えば墓場ではゾンビ姿が正装でも、その状態でスーパーという『チャンネル』に出ちゃえば黄金オブザデッドだろ。
僕はいつでも『異邦人』だからね」
「……いや、それ面白いかもしれない。『アリ』だな」
荒咬は何かを考えているようだ
「『マッ…… いや『美女』」
一瞬どもって、そう答えた。
811
:
百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』
:2015/10/18(日) 23:14:47
>>810
(荒咬)
G o t c h a
「承知しましたァン」
ジャキッ
銃口を迷うことなく荒咬に突き付けようとして――
引き金に指を掛けたところで、銃先を上に。
Ammo
「 弾 は撃たれても大丈夫なヤツす。
論より証拠。こっち観ててね」
ガァン ブジュッ
自らの右腕に向けて、撃つ!
着弾した箇所が茶色く弾けた。そう見えた次の瞬間。
パンッ ミキミキ
腕一本が、『筋肉』で弾けんばかりになった。
確認してもらってから、荒咬に銃を向けんとする。
「ホラ大丈夫! というワケで今度こそ」
812
:
荒咬『ザップ』
:2015/10/18(日) 23:17:28
>>811
「撃った!?」
自分を撃った百井に驚いたが、その結果は『マッチョ』だった。
「『美女』って……まさか」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
「よし! いつでも来い!」
仁王立ちで弾丸を受ける!
813
:
百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』
:2015/10/18(日) 23:26:04
>>812
(荒咬) チチン プイプイ
「OK、それじゃいっちょう、Bibbidi-bobbidi-boo!」
ガァン!
額に突き付けられた赤銅の拳銃!
その銃口から銃弾がぶっ放される!
バシイ ン ビチャッ
額に着弾! 弾は軽い衝撃と共に潰れた。
百井はポーチからコンパクトとウェットティッシュを取り出す。
「プリンセス、まずは額を拭いてから覗くことをおススメす」
ドドドド ドドドド
814
:
荒咬『ザップ』
:2015/10/18(日) 23:29:09
>>813
ビシャ! ビシャ!
「…………終わったのか?」
顔を拭いたあと、ドキドキ半分、恐れ半分で『コンパクト』を覗き、自分の顔を見てみる。
815
:
百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』
:2015/10/18(日) 23:39:35
>>814
(荒咬)
ドドドドド ドドド
顔をしっかりと拭き、それからコンパクトを覗き込んだ。
映っているのは『荒咬の顔』! だが、いつもと描画が違うッ!
線が細く繊細な……女性化した風貌に変化しているッ!
「弾一発なら顔一つが限界でェー。
全身なら更に撃つ必要があるんす」
「あ、メイクしてみる?」
スチャ
ポーチからメイクセットを取り出すぞ。
816
:
荒咬『ザップ』
:2015/10/18(日) 23:44:35
>>815
「おおおお! スゲぇ!」
荒咬子はとても嬉しそうだ。
「まだ肉体は男って感じだな…… せっかくだからもっと撃ってくれ!」
百井に頼む
「どう? 美女になったかな?」
メイクセットを借り、口紅を塗ろうとするが……
やり方を知らないのでめちゃくちゃだ。
817
:
百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』
:2015/10/18(日) 23:50:29
>>816
(荒咬)
「ノリがいいすな! 任せてー!」
シュコン
ガァン ガァン ガァン
ガァン ガアンッ
五連発! 両腕! 両脚! 胴体を女体化!
ボンキュッボーンだ! 腕のムダ毛も消える!
「おーッとォ、口紅は筆使ったほうがやりやすいぜ。
ちょいお待ちなんし。すぐやったげんで」
ドシュッ ドシュドシュ
ババァ――ッ
リップ! ほお紅! アイシャドウやラインもキメキメだ!
ちょっとケバいぐらいのほうが顔立ちに合うと考えた!
――シュバゥッ
「ふふ、完了す。我ながらいい出来ぃ」
バァーz_ン
818
:
荒咬『ザップ』
:2015/10/18(日) 23:52:31
>>817
「ヤダ! これがアタシ!?」
ドン!
『美女』になった!
鏡で自分の顔を見る荒咬子は満足げだ。
「完璧だワ! アリガト〜! ねえ、コレってどのくらいの続くの〜?」
クネクネしながら妙な声色を作って聞く。
819
:
百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』
:2015/10/18(日) 23:58:35
>>818
(荒咬)
「えーとォ、タイマーで計ったら『14分』ぐらいだったす。
『水道のおねーさん』もそういってたんで間違いない」
見目形が変わるとノリが変わるのはよく解る。
そう、メイクとは古来は人格のスイッチとして(以下略)。
チャ
そして、スマホを取り出した。
「連絡先教えてほしいー。あとで写メったのを送るんでー」
解除された後も、思い出す材料になるかもしれない。
とりあえず一枚撮影しておこう。自分の顔を寄せて自撮りだ。
820
:
荒咬『ザップ』
:2015/10/19(月) 00:05:02
>>819
「ステキだワ!」
スマホを取り出し、連絡先を交換する。
「ハイ、ニッコリ笑って〜」
そのまま自分の顔を百井ごとパシャパシャと撮影する。
この顔がだいぶ気にいったようだ。
「……そうだ! 『14分』しか持たないなら、『別のチャンネル』のみんなにも自慢しにいこっかな!」
何か思いついたようだ。
821
:
百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』
:2015/10/19(月) 00:08:53
>>820
(荒咬)
いかにもイマドキの女学生らしく撮影しまくった!
ついでに荒咬単独でも撮影はしっかりしておく。
「おー、ハロウィーンを先取りすな。
あ、これ商売になるかもしれねェー」
「他のチャンネルの人? なら、是非宣伝してきてほしいす。
ほかの人にも教えて、やりたい人がいればやったげるす」
ようやく瞬間移動が見れるのか、と期待に目を輝かせる。
「じゃあ、いってらっしゃーい」
822
:
荒咬『ザップ』
:2015/10/19(月) 00:12:25
>>821
「モチロンよ! アナタというアーティストがいること、異世界のチャンネルのみんなにも宣伝しちゃうワ」
「じゃあ、いってきま〜す!」
妙な声を出しながら、『ダイヤルを回す』。
※詳細を読んで荒咬が『どこに移動するか』をレスの秒数下一桁で決め、URLを指定してください。
『ザップ』能力詳細
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1311712763/564
823
:
百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』
:2015/10/19(月) 00:15:39
>>822
(荒咬)
「よろしくす! じゃあ、またねー」
移動する荒咬を見送る――移動先は。
【場】『H“E”Il 2 YOU』 その2【ミ】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1432892057/
824
:
荒咬『ザップ』
:2015/10/19(月) 00:19:13
>>823
『 Z A P 』 !
空間に一瞬『ノイズ』が走ると、まるで幻のように荒咬子は消えていた。
→【場】『H“E”Il 2 YOU』 その2【ミ】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1432892057/258
825
:
百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』
:2015/10/19(月) 01:28:25
>>824
(荒咬)
『 Z A P 』 !
「WOW! ホントだったァー」
驚愕! 消えたことに目を丸くし、居たはずの空間に触れたりする。
勿論手応えはない。『赤銅の拳銃』を後ろ腰に差し込んだ。
スチャ
「スタンドいうのはどエライなァ。なんでもあるのと違う?」
「でも今日は手応えあったなァ。
ハロウィーンでなんかイベントやりてェー」
シュバ シュババッ
「んー、やっぱりオトコもOKなら……」
近場のベンチにでも腰掛け、ノートを開いてデッサンを始めるのだった。
826
:
鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』
:2015/10/29(木) 21:02:16
【代々薙精肉店…】
メインストリートの端っこあたりで経営している肉屋さんである。
立地も良く、販売ルートの優秀さもあってかなり繁盛している店である…
そんな店で、一人の女声が客寄せを行っている。
「…えー、今日はハロウィンキャンペーンとしてー…
肉類前品10パーセント割引で販売しておりまぁ〜す…」
黒いとんがり帽子と、黒いローブのようなものを纏った
…まぁ要するに魔女のコスプレをした状態で人々に販売を呼びかけていた。
「えー…あと、おまけにかぼちゃも付けますのでぜひ買ってねぇ〜。
ウチの野菜はハズレはないよー。」
何故か一緒に野菜も売っているようであった。
827
:
立花『リンネ・ラジオ』『XTC』
:2015/10/30(金) 22:59:16
>>826
「肉屋ですらハロウィンか……大変だよな商売っていうのは」
赤いランドセルを背負った少女が立ち止まって、精肉店に目を向けた。
買い物袋も手に持っている。
学校帰りについでに買い物だろうか。
「ん、あの人はこの間の……そういえば名刺もらったな。
しかし肉屋なのにカボチャなのか」
近寄って、他にどんなものが売っているのか見てみようとする。
何かいつもとは違う珍品が売っているかもしれない。
828
:
鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』
:2015/10/30(金) 23:16:50
>>827
「えーっと、今日は中々手に入らない新鮮な霜降り肉も有るよぉー。
10パーオフでもちょっと高いかもねー。」
立花が精肉店の品揃えを見てみれば…
いかにも美味しそうな霜降りロース肉が置かれている。
豪華に葉っぱの乗った、ぶら下がったカゴの上である。
「…あ、そういえば最近野菜コロッケも売り出し始めたから
それもよろしくぅ〜。」
…傍らには、いかにも揚げたてのコロッケが置かれている。
肉屋さんらしいラインナップだが…どうやら野菜がたっぷりはいったコロッケのようだ。
段々と人が集まってきている。
客寄せに忙しいのか、まだ鶫は立花の様子に気づいていないようだ。
829
:
立花『リンネ・ラジオ』『XTC』
:2015/10/30(金) 23:25:55
>>828
「高いかもねーって普通言うか? まあ個人経営だしな……」
コロッケ。中々いいチョイスである。
別にハロウィンは関係なくいつでも売ってそうな感じではあるが。
「結構繁盛してるな」
(野菜たっぷりのコロッケか。いいかもしれない。
しかしお母さんはあれで、肉が好きだからな……俺もだが……
機嫌取りにもっと肉って感じのものも必要か)
ソーセージとか……もっとこう、肉って感じのものはないだろうか。
830
:
鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』
:2015/10/30(金) 23:33:13
>>829
「…あ、どうもまいどあり〜。
今後ともご贔屓にー。」
ぶっきらぼうな話し方だが、
頭をペコペコ下げながら鶫はお客を見送っていく。
「…ん、そこのお嬢ちゃーん。
何かお困りかなぁ〜?
ウチがぜひとも相談に乗ろうかな?」
どうやら立花に気づいたらしく、
結構馴れ馴れしく声をかけてきた。
ちなみに、近くにはメンチカツやタレにつけてあるお肉などが置いてあるようだ。
831
:
立花『リンネ・ラジオ』『XTC』
:2015/10/30(金) 23:44:48
>>830
「あ、この間はどうも……」
この間の湖畔……恥ずかしい出会いであったが、まあ忘れておくのが大人の対応だ。
こっちが恥ずかしいのだからちょっと間違ってる気もするが。
店の宣伝をされたことでもあるし。
「えーとですね。
私、まだ火を勝手に使うと怒られるんですけど、
調理しないでいいので何かいいのがないかなーと」
とりあえず尋ねられたので希望を伝えてみる。
832
:
鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』
:2015/10/30(金) 23:52:29
>>831
「ん?おぉー、
あの時のお嬢ちゃんじゃないのー。
わかった。まかせな。」
そう言って軽く微笑みかける。
店にいるからなのか、あの時に比べるとしゃべり方は丁寧だ。
「火を使うと怒られるねぇー。
だとしたら生肉はよくないから…」
そう言ってあたりを見回す。
そして一つ目をつける。
「じゃー、こういうのはどう?
揚げたてのメンチカツとか、
焼きたてのこのソーセージとか。」
そう言ってそれらがおいてあるコーナーを指差してみる。
「あれなら買ったその場で食えるくらいだし、
冷めても電子レンジで温め直せばいいぜ。
まぁー、他にもなにか希望があれば紹介するけど?」
割と親身な様子である。
833
:
立花『リンネ・ラジオ』『XTC』
:2015/10/31(土) 00:01:42
>>832
「うーん、そうですね……」
温め直すとやはり衣が劣化するのはやむをえないだろう。
しかしそれでもあのコロッケは中々魅力的だ。
「じゃあコロッケ2個とソーセージ2個でお願いします。
ああ、そういえばカボチャもつくんでしたっけ」
カボチャが丸ごと来られても困る(腕力的に考えて)し、値段的にもそれは難しそうだが、
ハロウィンといえばカボチャをくりぬいて作るジャックオーランタンだ。
どんなカボチャが来るのだろうか。
立花はカボチャの品種には詳しくないので予想もできないが。
834
:
鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』
:2015/10/31(土) 00:12:07
>>833
「オッケー。
コロッケ二個と、ソーセージが二個っと…」
そう言ってそれぞれ別の袋にコロッケとソーセージを詰め込んで、
「はい、どーぞ」
立花に手渡した。
「あー、そうそう。
おまけでかぼちゃもついてくるんだよー。
…いくつほしい?
ウチは別にまるごとでもカットしたやつでもいいけどねー。」
そう言って、じっとちかくにおいてある、丸ごとのかぼちゃを見せる。
「結構このシーズンだと丸ごとのかぼちゃも人気でね〜。
ほら、ジャック・オ・ランタンを作りたい人向けってねー。」
835
:
立花『リンネ・ラジオ』『XTC』
:2015/10/31(土) 00:27:18
>>834
「あっ普通のカボチャなんですね……」
なんかこう、ミニな感じのカボチャとか来ると思ったのだった。
どういう品種か知らないが。
「う、うーん、丸ごとはちょっと重すぎて困りますね。
家族2人だと持て余しますし……
でも結構あの人、こういうイベント好きなんだよなあ……」
どうやら悩んでいるようだ。
836
:
鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』
:2015/10/31(土) 00:32:34
>>835
「なるほどー。
まぁ確かにかぼちゃ丸ごとだと困るよねー。
あれくらいのサイズは流石に…家族一緒でも食いきれないシロモノだから…
まぁ、そういう人向けのやつも有るよ。」
そう言って普通のかぼちゃ…
の後ろからミニサイズのかぼちゃを取り出してみせた。
「ちょうど手提げランプみたいに使えるくらいの小さいサイズの
かぼちゃもこういう時のために用意しておいたんだよ。
これならちょうどいいサイズなんじゃないかな?どう?」
見れば小ぶりで可愛らしいかぼちゃだ。
かさばるサイズではなさそうである。
837
:
立花『リンネ・ラジオ』『XTC』
:2015/10/31(土) 00:51:38
>>836
「ああ、そういうのもあるんですね。
じゃあそれでお願いします」
ミニなカボチャを見て、ほっと息を吐く立花。
お金を払って品物を受け取るのだ。
「それにしてもお肉屋さんなのにハロウィンイベントなんて……ええと、大変ですね(?)」
流行に乗っからないと取り残されてしまうのは客商売の悲哀か。
いや、普通に繁盛しているようだし商魂逞しいだけかもしれない。
ところで鶫のローブの中は店員の服装だったりするんだろうか……
838
:
鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』
:2015/10/31(土) 00:56:31
>>837
「おーし、まいどあり〜。
まぁー、ちょっとお安くしてあるからねー。」
そう言って軽くお金を受け取った。
割りと楽しそうに商売しているようだ。
「大変?…んー、まぁ、ウチのおカーチャンはねー。
結構こういう時勢を見逃さないからねー。
こうすりゃあお客さん呼び込めるって言うからまぁ、しょうがないな。」
そう言って軽く照れ笑いを浮かべる。
大変そうではあるが…
「現にこうやって客足も多いってわけだ。
手が回るかどうか心配なくらいにはねぇ。」
と言いつつも心配そうな顔ではなかった。
こうやって立花と話している間にもテキパキと仕事をこなしていっている。
「こいつはいわゆる嬉しい悲鳴ってやつだぁね。
ウチにとっちゃありがたいことさ。」
時々ローブのしたの方からズボンが見え隠れして見える。
…どうやら立花の予想通り中身は店員さんの格好なのだろう。
839
:
立花『リンネ・ラジオ』『XTC』
:2015/10/31(土) 01:03:34
>>838
まあ別にローブを被っただけの簡易仮装だからといって何かあるわけではないが……
というか、本格的なコスプレだったらそっちのほうがそぐわないかもしれない。
「そうですね。イベントは楽しんだもの勝ちですか」
まあ、だからといって立花が仮装してお菓子をねだるということもない。
甘いものは実際好きだが、それはちょっと恥ずかしい。
立花としては楽しんでいる人を見ているだけでも、それは楽しいものだった。
彼女は母にミニカボチャを見せることを想像して頬を緩める。
「それじゃ、ありがとうございました」
繁盛しているようなのに、長々と邪魔をしてはいけないだろう。
買い物が終われば立ち去るのみ、だ。
小さくお辞儀して別れの挨拶をする。
840
:
鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』
:2015/10/31(土) 01:23:19
>>839
「そうそう。
一緒に踊るのが一番楽しいんだよこういうのはね。」
そう言って軽く頭を叩いてみせた。
彼女もハロウィンを楽しむ年でもなくなっていたが
それで他の子が楽しんでいるのは見てて嬉しいものなのだ。
だからこそ、こういう仕事はやっていて楽しくなるのだ。
「…ああ、またね。
今後とも、代々薙精肉店をごひーきにー。」
そう言って頭を下げて立花を見送っていった。
「あ、はいはい、すいませんー。
ちょっと待たせちゃいましたねー。」
別れの挨拶の、余韻も引かぬうちに鶫はまた忙しくなった。
まさしくスタンドの手も借りたくなるような状況であるが、
それはそれで鶫も楽しそうであった。
841
:
立花『リンネ・ラジオ』『XTC』
:2015/10/31(土) 01:36:36
>>840
「ではまた」
少し店員と話して、商品を買った。なんでもない買い物だった。
今の出来事はただそれだけ。おまけでカボチャがついてきた程度だ。
ハロウィンという非日常も、日常の一風景だ。
だから「また」なのだ。実際、また買い物に来る機会は多かろう。
「あとは……牛乳も買っていくか……」
立花は軽い足取りで去っていった。
842
:
明寺悟『タウンズ・ヴァン・ザント』
:2015/11/01(日) 01:31:32
ソワソワソワソワ
すごくソワソワしながら歩いている。
背負ったリュックの中にはおかしがいっぱいだ。夢は広がる。
843
:
須磨『ズーマ』
:2015/11/01(日) 01:44:24
>>842
ポンポン
「菓子くれよ!」
麦わら帽子と目の下にマジックで描いたキズ、
後はパーカーにジーンズというコスプレをバカにした格好。
ハロウィンの挨拶さえ忘れ、それでもドヤ顔で片手を差し出している。
844
:
明寺悟『タウンズ・ヴァン・ザント』
:2015/11/01(日) 01:52:11
>>843
「いいとも」
飴玉をひとつ放ってやる。
「ところで君、君のともだちはどこでハロウィンを楽しんでいるんだい?」
クソウザったいクソガキにも丁寧な対応をする、まさに大人の鑑。
845
:
須磨『ズーマ』
:2015/11/01(日) 01:55:42
>>844
「もっとくれよ!」
「“あげたい”って言え!」
飴玉を速攻で口に放り込んだ。
ゴロゴロ
ゴロロロ
「えー、そもそも流行ってないじゃん。
やってるのって『シブヤ』とかあっちでしょ?」
「ボクのママも準備手伝ってくれないし、
タカベーとヨッチンは黒部ダム行っちゃったし、
お兄ちゃんは良く解らないキモいアニメしか知らないから、
ボクはこーやって孤独なハロウィンを送ってるんだ……」
アンニュイな溜息を流し、露骨に同情を誘ってきた。
846
:
明寺悟『タウンズ・ヴァン・ザント』
:2015/11/01(日) 02:06:08
>>845
「渋谷? あんなごみ溜めに何があるっていうんだ? 交尾の鑑賞会でも開こうってのか?」
さらに飴を与える。
「僕も今ちょっと孤独を感じているところだ、孤独とは海原にではなく、街中にこそある」
ガキを粗末に扱うと、その噂が広まり、いつの間にか行動しづらくなることがある。
僕が求める美とは月と下痢糞(※)くらいの差があるが、我慢して付き合ってやろう、有益な情報が得られるかもしれないしな。
※比べる事すらためらわれるさまを表した諺。
847
:
須磨『ズーマ』
:2015/11/01(日) 02:13:28
>>846
「ポテチないの、ポテチ?
ノンフライじゃなくて、ちゃんと油使ってるヤツ」
「そのリュックに食料が入ってるんだろ!?
――――えっ、宝石? オヤジ! クソお世話になりました!」
ゴロゴロ
ボリボリボリ
飴玉を奥歯で砕いていく。
同じエサでは飽きが生じたとアクションでアピールしている。
「なんだなんだ、お兄さんも寂しいのか。
そーだよねー、お菓子背負って歩いてるくらいだし、
ボクみたいなイケメンをハンティングして一時の清涼剤とする、
そーいう刹那的な生き方を望んでするわけないもんねぇー」
「あーあ、ボクも“マヤちゃん”のとこ行こうかなー。
多分、ヒマしてるだろーし、たまには一緒に遊ぶかぁー」
ランドセルをゆさゆさ揺らしながら、明寺の周りをウロチョロしている。
848
:
明寺悟『タウンズ・ヴァン・ザント』
:2015/11/01(日) 02:23:56
>>847
「そら」
ポテトチップスを与える、ガキが健康を損おうが知ったことではないしな、それに今…こいつ…聞き間違いでなければ…?
「ハロウィンを楽しもうとしたらこのザマだ、
このお菓子も使い切らなけりゃあならない、ともだちがいるなら案内してくれないか」
下心などみじんも感じさせない見事な台詞。人生経験がものを言うのだ。
849
:
須磨『ズーマ』
:2015/11/01(日) 02:33:03
>>848
「やったぜ!!
サンキュー、お兄さん!」
バリリッ! バリボリっ!
油と塩の塊とも知らず、ポテチを口に放り込む。
人生経験の乏しさが災いし、確実に寿命を縮めていく。
「うるせえ、行こう! 仲間だろうがッ!」
ど ん !
船長らしい度量の広さをアピールし、明寺を先導していく。
行き先は近所の『小学校』だ。だが、土曜日ならば誰もいないだろう。
850
:
須磨『ズーマ』
:2015/11/01(日) 03:09:59
>>849
ど ん !
851
:
明寺悟『タウンズ・ヴァン・ザント』
:2015/11/01(日) 03:13:07
>>849
「おい君…この道はまさか、『学校』へ向かっているんじゃあないだろうね?」
『学校』なんと素晴らしい響きだろうか、未熟な天使たちが住まう天国のような場所…だが、決して立ち入れはしない聖域だ。
憧れればこそ、遠くにある、またはその逆か…『遥か遠き理想郷』とはこのことだ、理由は各自考える事。
「……すまないが、急用を思い出した、失礼する」
後ろ髪を引かれつつ、その場を去った。
852
:
マフィー『モット・ザ・フープル』
:2015/11/02(月) 00:58:05
「ヘイヘイッ!
わかんないネッ!
Anymore 君の事ッ!
イミシンな言葉で確信に迫らないネ!」
ギュルルルッ
ハロウィンは終わったけど絶賛仮装中だ。
駅前でスタンドごとマイクを持って熱唱してB'zの稲葉浩志のコスプレだ。
ちなみに後ろに立つモット君は
無言でギター演奏して『松本』こと『TAK』のコスプレだ。
853
:
マフィー『モット・ザ・フープル』
:2015/11/02(月) 22:33:09
去
854
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/11/07(土) 23:03:24
稗田恋姫の朝は、たまに早い。
「…………」
ウィーーン
トコ
トコ
欠伸を噛み殺す。
ファーストフード店から出てきた。店内はうるさかった。
とはいえ、これでも客は少ない時間帯――
(客の民度、低すぎぃ……
店内で食ってたら絶対絡まれてたわ……ガクブルだな……)
ウィーーン
恋姫は帽子に眼鏡、マスクで変装済み。
(……我ながら無茶しやがってだが……
けど、えひ……戦利品はばっちり…………)
玩具つきの商品を買って来たのだ。
隣町まで行くことも考えたが、流石にコスト対効果が疑問だ。
・・・・さて、ここからどうしよう。
855
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/11/11(水) 07:22:30
>>854
特に何事もなく、ゲーセンに寄って帰った。
856
:
小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』
:2015/11/22(日) 00:49:34
メインストリートの喫茶店。
黒い髪の女性が一人、本を読んでいる。
(これでいいかしら。)
机にはメモとペン。
それと注文したであろうコーヒーが置かれていた。
二人用の席だが対面して座っているものは居ない。
相席をするものは居ない。
「あ。」
ペンを見ずに取ろうすると、取り損なって机から転がって落ちていった。
(運がないわ。)
ペンの方へと目をやった。
857
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/11/22(日) 16:59:16
>>856
コロコロコロコロ......
ペンは、隣の机に転がっていき、
コツン
そこに座っていた女の足に当たって、止まる。
「……………………ぐぅ」
「むにゃ……」
女は、机に伏せて眠っていた。机の上には、頼んだまま放置されていると思しき
『オレンジティー』と、ぐにょーんと横に伸びた『羊』の『枕』。
それと、枕元に何やら『スケッチブック』が置かれている。
時折、店員が困ったようにちらちらと彼女の方を窺っているが、
目を覚ます気配は一向にない。
『…………メヘェ〜〜〜〜』
女に押し潰されている『机』が、鳴いた。
なんだか、間の抜けた声だ。
858
:
小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』
:2015/11/22(日) 18:01:09
>>857
「……」
(いつからここは熟睡できる快適空間になったのかしら。)
客達は喫茶店での時を思い思いのスタイルで過ごしている。
しかし、眠るという目的で使用している人間は見たことがない。
(あの枕……もしかして。)
普通の枕ではないだろう。
鳴く枕で熟睡できるとは思えない。
この珍妙な枕はただの枕ではないはずだ。
(これは起こしたほうがいいわよね。)
店側からしても眠る客は迷惑になりかねないだろう。
小鍛治は立ち上がり、ペンを拾うと
「ねぇ、あなた。起きて。」
寝ている人物の肩を軽く叩く。
859
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/11/22(日) 18:12:08
>>858
トン トン
女の肩を軽く叩き、目を覚まさせようとする。
「………………うぅ」
「わかってますよぉ、課長……明日までにはぁ」
パチ
「あら?」
なにやらうわ言を口にしながら、女がゆっくり顔を上げる。
目をぱちくりさせると、店内をきょろきょろ見回し、
「あら、あらあらあら?」
不思議そうな顔をしている。
「あのぉ…………たいへん恐縮ですけど」
「ここ、どこだったかしらぁ」
ひどく『のんびり』した調子で、
小鍛冶に問いかける。
机の上では、重量から解放された『枕』が、
まるまるとした形状を取り戻し、ふよんふよんと揺れている。
860
:
小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』
:2015/11/22(日) 18:27:05
>>859
「ここは喫茶店よ。」
にこりと笑いかけながら言う。
不機嫌そうな様子は一切ない。
「あなた、ここで何をしていたの?」
「そしてこれは何かしら?」
優しく寝起きの女に問う。
なぜ寝ていたのだろうか。そして、この枕は何なのか。
聞いておかなければならない。
「寝るのなら、家に帰ってはいかがかしら。」
861
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/11/22(日) 18:40:30
>>860
「きっさてん…………」
そう言われて、あらためて店内に目をやり、
「そうね、そうだったわぁ」
何かに納得したかのように頷いた。
「教えてくれて、ありがとうねぇ」
「ええと、たまのお休みに『リフレッシュ』しようと思って、
『買い物』ついでにここに入ったのよぉ」
「そうしたら、眠くなっちゃって。ここ、とっても落ち着くから」
そう言いながら、また目がトロンとしてきている。
喋りながら、また寝そうだ。
「ふわぁ〜あ……これ、って、この子のこと?
かわいいでしょ、うふふ。なまえは『クラウド・ボーイ』」
ピントのずれた答えを、小鍛冶へと返した。
862
:
小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』
:2015/11/22(日) 22:41:02
>>861
「そうよ、ここは喫茶店。」
「ホテルではないの。」
そう、喫茶店はホテルではない。
食事は出来ても睡眠は出来ない。
そういう場所だ。
「えぇ、ここは落ち着くわ。私も気に入っているもの。」
「買い物って言うのはそのスケッチブックかしら?」
(随分とマイペースな方ね。)
小鍛治も自分のペースで歩いていくような人間ではある。
人のことは言えない立場かもしれない。
「そう、『クラウド・ボーイ』」
そう呟いて小鍛治は拾ったペンを自分の机の上へと置いた。
そしてメモを手に取ると、足元へと投げた。
「私のは『ショットガン・レボルーション』。そういう名前よ。」
メギャァ
小鍛治の手の中に一丁の銃が浮かぶ。
鞘の付いた銃、これが小鍛治明の心であり、精神。
ドズン
小鍛治はメモ帳に銃口を向けると躊躇なく発砲した。
一般人には聞こえない銃声が店内に響く。
逆転するは破壊力、エアガン並みの威力の弾丸が銃弾並みの速さでメモ帳にぶつかる。
ジャコ
排莢。そして
「私は小鍛治明。よろしくね。」
(目は覚めたかしら?)
挨拶だ。
863
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/11/22(日) 23:21:43
>>862
「あらぁ……そうねぇ、ホテルだったらよかったのにね」
「うふふ」
『冗談』と受けとめたのか、柔らかく笑ってみせた。
栗色のロングヘアーが、ふわふわと揺れる。
「それがねぇ……お気に入りの『雑貨屋さん』に
行ったんだけど」
「『アロマキャンドル』が売れ切れてたのよぉ……
あれがないと、わたしぐっすり眠れないのに」
『買い物』の話をされると、ひどくがっかりした顔で
そう答えた。多分、なくても十分熟睡できるだろう。
「え、と、『ショットガン』……『レろ』、『レボリューション』?」
噛んだ。
そして『発射』の様子を見る。
「へぇえ……『銃』よね? そういう『かたち』のは初めて見たわぁ」
「カッコいいわねぇ」
右手の親指と人差し指を伸ばし、残り三本を折る。
『銃』だ。ばーん、とか言っている。
「あ、わたし、人吉佐和子」
「よろしくねぇ、小鍛冶さん」
864
:
小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』
:2015/11/22(日) 23:36:09
>>863
「そうねぇ。」
「うふふ。」
黒い艶やかな髪を揺らす。
「あら、アロマキャンドル?」
「それは大変ね。」
(あなたはなくても大丈夫だと思うけど。)
まぁ本人がそうしたいならそうするべきかもしれない。
小鍛治にとっても馴染みのない代物ではない。
「『レボルーション』よ。舌足らずな子供のように。」
「あなたのは羊の枕、かしら?」
人吉の枕を指差す。
「ええ。よろしくね、人吉さん。」
865
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/11/22(日) 23:48:39
>>864
「そうなのよぉ…………はぁあ〜、いい香りだったのになぁ」
本当に深刻な問題のように、ガックリ肩を落とした。
人にはわからないこだわりがあるようだ。
「レボ『るー』ションね、わかったわぁ」
もう噛まないわよぉ、と力強く頷いた。
どうも舌が短いらしい。さっきから滑舌が少し怪しい。
「そうなのぉ……枕が『羊さん』なんて、
きっととっても『珍しい』わよねぇ」
のんびりと言う。
「とってもふかふかして、いい肌触りなのよぉ…………
触ってるだけで、眠くなっちゃ…………」
『クラウド・ボーイ』をふにふにしながら……
言葉が、途切れた。
「……………………」
「ぐぅ」
866
:
小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』
:2015/11/23(月) 00:00:39
>>865
「そう。なんていう名前かしら。」
「私も見つけたら使ってみたいわ。」
いい睡眠はいい美容を生む。
アロマキャンドルによる癒しはいい美しさを生むのなら小鍛治の興味は十分に引けるだろう。
「そう、ルーションよ。」
綺麗な発音だった。
舌や歯並びに以上はなさそうだ。
「本当に枕なのね。」
「私のはとても眠れるのには使えなさそうよ。」
(永遠の、と付けば十分に使えるけど。)
物騒なことを考えていると、人吉が居眠りを始めてしまった。
小鍛治はそれを見て、ふぅとため息を付いた。
「起きて、人吉さん。」
ドズン
ジャコ
先ほどと同じように発砲と排莢。
相手の目を覚まさそうとする。
867
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/11/23(月) 00:17:19
>>866
ドズン
「ひゃっ」
耳元の『発砲音』に跳ね起きた。
反射的に立ち上がり、あたりをキョロキョロ見回す。
「あっ…………もしかして、寝てたかしらぁ」
「ごめんなさいねぇ」
寝ぼけ眼で、小鍛冶にそう言って謝る。
「この子とってもふわふわだからぁ……」
「うーん、名残惜しいけど、一回しまっちゃうわねぇ」
『クラウド・ボーイ』を解除する。
『実体化』しているから、周りからは『手品』か何かのように
見えるだろう。
「ばいばーい……夜まで、またねぇ」
「あっ」
「それで……なんの話だったかしら?」
868
:
小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』
:2015/11/23(月) 00:25:35
>>867
「……そうするといいわ。」
(話が進まないもの。)
枕を消えるのを見届けると、もう一度話を切り出す。
「あなたのお気に入りのアロマキャンドルの名前。」
「教えてくださらないかしら。」
人吉の目を見つめて言う。
まっすぐな瞳である。
灰の色をした瞳が見つめている。
「私も興味があるわ。」
869
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/11/23(月) 00:48:58
>>868
「あぁ……そうそう、なんて言ったかしらぁ」
「『輸入物』なんだけどぉ」
うーん、と記憶を辿るように考える。
ものの名前を覚えるのは、あまり得意ではないようだ。
「えーっと、そう、『Flourished Rose』っていったわねぇ、
ふんわり『バラ』の香りがして、とっても落ち着くのよぉ」
香りを想像したのか、目を細めて……
立ったまま眠りそうになって、慌てて机に寄りかかる。
「お店にあったら、教えてねぇ……ほんと、オススメだから」
870
:
小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』
:2015/11/23(月) 01:02:22
>>869
「輸入物……難しそうね。」
「取り扱うお店が少なかったらの話だけど。」
どこにでもおいてあるモノ、という訳ではないとは思う。
もしもそうだったなら手に入らない訳がないのだから。
「『Flourished Rose』」
「分かったわ。聞いておきましょう。」
メモ帳を拾い、ペンで名前をメモしておく。
忘れないようにだ。
忘れてしまっては元も子もない。
「……そういえば、もし見つけてもお互いの連絡先を知らないと教えられないわね。」
「交換していただけないかしら?」
871
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/11/23(月) 01:12:06
>>870
「そうねぇ、わたしもその『雑貨屋』でしか見たことないわねぇ」
相当『珍しい』代物らしい。
「『探す』なら、その『雑貨屋』さんが『繁華街』の『裏路地』にあるわぁ。
でも取り扱ってなければ、そうねぇ……」
「『露天』で探してみるのも良いかしらぁ。
そうね、そうしましょ」
勝手に話を進めているが、とにかく手がかりはないようだ。
探すなら、ヒマなときに『繁華街』をあたれ、ということだろうか。
「あら、そうね。『交換』しましょ……うふふ」
『ピンクのマリモ』のキーホルダーのついたスマートフォンを取り出す。
「アドレス交換なんて、なんだか学生みたいねぇ」
872
:
小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』
:2015/11/23(月) 01:17:56
>>871
「『雑貨屋さん』『裏路地』『露天』……」
「そうとう珍しいモノみたいね。」
これは探すのに骨が折れそうだ。
運よく見つけられればいいが、そればかりは個人の技量でどうすることもできない。
「あら、可愛いストラップね。」
そう言った小鍛治が取り出したのはガラケーだ。
ストラップもつけておらず銀の携帯がただあるだけだった。
「うふふ。私は学生よ。」
「じゃあ、交換しましょう。」
873
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/11/23(月) 01:32:49
>>872
「めずらしい、かしらぁ」
いまいち分かってない風に首をかしげた。
「そういえば『雑貨屋さん』に、どこのものか聞いても……
『答えてくれなかった』わねぇ。
ないしょにしたかったのかしら」
「あっ、学生さんだったの?
やだ、わたしよりずーっとシッカリしてるじゃない」
ちょっと驚いた様子だった。
連絡先を『交換』する……
【キャンドルを『探す』つもりになったら、点呼スレにご一報ください。
火急速やかに対応いたします】
874
:
小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』
:2015/11/23(月) 01:53:05
>>873
「珍しいわよ。」
「普通のお店で置いてないんじゃないのかしら?」
(怪しいお薬じゃないわよね?)
あまり考えたくはないが、なくはない気もしてきた。
怪しい薬だったらだったで通報する必要が出てきそうだ。
「えぇ、学生よ。」
「ありがとう。よく言われるわ。」
柔らかく笑い、連絡先を交換した。
「人吉さん、たまには他のアロマキャンドルを使ってみるのはいかがかしら。」
「一つのお気に入りを使い続けるのもいいけれど、たまには他のも試してみるといいわ。」
875
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/11/23(月) 02:09:50
>>874
>「普通のお店で置いてないんじゃないのかしら?」
「そういえば、そうねぇ。どうしてかしら?」
不思議そうな顔をした。どこか、抜けている。
「うふふ、アドバイスありがとねぇ」
「今日は違うの、試してみるわぁ……」
「それじゃ、お休みなさい――じゃなくて、
そろそろ行かなくちゃ……『またね』ぇ」
そう言って、ふらふらと『会計』を済ますと、
店員の怪訝そうな視線を受けながら、店を出て行った。
帰りの道中で、数回立ったまま眠りかけたのは、また別のお話。
876
:
小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』
:2015/11/23(月) 02:21:39
>>875
「それは私にも分からないわ。」
小鍛治明は全知全能の神ではない。
せいぜい寝ている女性を起こすことができるぐらいの力しか持たない。
「えぇ、また今度ね。」
その背中を見送る。
そしてまた自分の席に着く。
全ては最初と同じように。
全てはあの時と同じように。
ただそれだけ。
877
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/11/24(火) 23:20:30
「さがしものはなんですかぁ〜、
みつけにくいものですかぁ〜♪」
若干調子っ外れの歌を口ずさみながら、
冬の影が差してきた町の中を歩いている。
右手には、パンパンになったスーパーのレジ袋。
どうも重たいらしく、さっきから右へフラフラ、左へフラフラと
歩みがいささか危なっかしい。
878
:
ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』
:2015/11/25(水) 23:31:40
>>877
ドン
「っと――」
肩がぶつかった。
少しよそ見していたか。
「すみません。
不注意でした。」
声をかける。
まさに、こちらの不注意だ。
「お怪我は?」
(随分、重そうな荷物。)
とはいえ、そう強い衝突でもないが。
879
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/11/26(木) 00:14:43
>>878
ドン
「あらぁ」
肩がぶつかって、大きくよろける。
もともと、重い荷物を持っていたせいか、
手に持った袋は大きく揺られて、
ポロ
「あら、あら、あらぁ」
その端からいくつか、商品が投げ出された。
「わっ、あ、大丈夫です〜…………
あの、そちらこそ、お怪我ないですかぁ」
ぱたぱたと落ちた品物を拾いながら、返事をする。
慌てているようだが、動作も台詞も『のんびり』だ。
880
:
ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』
:2015/11/26(木) 00:20:10
>>879
ポロ
落ちた商品。
「アッ」
「いえ、私(わたくし)は大丈夫です。」
ス
しゃがむ。
拾うのを手伝う。
(それにしても。)
緩やかな人だ。
そう思った。
……口には出さない。
「どうぞ。」
拾ったものを、差し出す。
それから。
「お買い物帰り、ですか。」
何となく、話題を振る。
黙ると気まずいか? というのもある。
881
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/11/26(木) 00:38:54
>>880
「わ、わ、ありがとうございます〜」
緩慢な動作で落ちた品物を拾っているところに、
救いの舟を出された。
『ゼンチ』から拾ったものを渡され、感謝しながら受け取る。
栗色のロングヘアが、ふわふわ揺れる。
どうも、全体的に緊張感のない雰囲気だ。
「はい〜、なんだかいろいろと切らしてしまってぇ……
一度にいっぱい買ったんですけど、そしたら重くって」
答える。わりと無計画な買い物だったらしい。
こぼれた品物も、統一感のない品々だった。
882
:
ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』
:2015/11/26(木) 00:50:53
>>881
ゼンチの髪は黒い。
顔立ちは中性的だが、女性だ。
涼しい雰囲気。
真面目、とも言える。
「どうかお気になさらず。
ぶつかったのは私です故。」
微笑み。
ス
姿勢を戻す。
それから。
「なるほど。」
「冬はいろいろ、入用ですしね。
私はこれから買い物ですが……」
世間話、というものだ。
今日は寒い。
ゼンチはマフラーなど巻いている。
「今夜は鍋にするそうで。
今から心躍ります。私事ですが。」
フフ
笑みを深める。
寒い日には鍋がよい。
883
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/11/26(木) 01:15:08
>>882
>「冬はいろいろ、入用ですしね。
> 私はこれから買い物ですが……」
「そうなんですよぉ……『カイロ』とか、『お餅』とか……」
こちらも足を止めて、世間話に興じる。
特に急ぐ用事もないし、至極自然ななりゆきだ。
「『お鍋』! 良いですよねぇ…………
あったかくって……食べるとからだの芯からポカポカして……」
『想像』したらしく、うっとりした表情で呟く。
「それにしても……寒いわよねぇ……『目が冴え』ちゃうわぁ。
『寝る』どころじゃないもの」
トロンとした目で、そう言った。
人吉も勿論防寒着は着ているが、さほど重装備という訳でもない。
立ち話は、少しばかり冷えそうだ。
884
:
ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』
:2015/11/26(木) 01:25:04
>>883
「カイロ。」
ハッ
思い出した。
「切らしていました。
ついでに買わなくては。」
頼まれてはいない。
が、買おう。なにせ寒い。
「ええ、寒いですね。
夜は特に、冷えて。」
ビュオ
オオ
「――っ。」
風が冷たい。
立ち話には辛い。
「いやはや、寒い寒い……」
「……」
キョロ
辺りを見渡す。
お使いは、そう急がない。
「これも、何かの縁。
少しお話しませんか?
温かい物でも飲みつつ。」
縁とは大切なもの。
視線は近くの、喫茶店に向ける。
腹に温かい飲み物でも入れていこう。
885
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/11/26(木) 11:40:57
>>884
「喫茶店!
行きましょ、行きましょ。お気に入りなんです〜」
きらーん、と目を輝かせて、喫茶店にウキウキした様子で入っていく。
「〜♪
あっ、店員さ〜ん、『オレンジティー』一つお願いします〜」
「…………あなたは、どれにしますかぁ?」
店の奥手の、落ち着いた雰囲気の席を確保して、
オーダーを確認しにきた店員に注文を伝える。
……人吉を見た店員が、若干『微妙』な表情を浮かべたのに、
ゼンチは気付くかもしれない。
886
:
ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』
:2015/11/26(木) 13:58:11
>>885
「お気に入り!」
「それはそれは。楽しみです。」
ニコ
喜色を浮かべる。
そして、店へ。
ドサ
人吉の向かいに座って。
「そうですね、私は――」
(?)
店員の表情。
感じるが、すぐには言わず。
「レモンティーを。」
(気のせい?)
店員が去ってから――
「このお店は……
よく、来るので?」
聞いてみる。
887
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/11/26(木) 15:03:16
>>886
>「このお店は……
> よく、来るので?」
「はい〜♪
とっても落ち着いてて、雰囲気も良いですからぁ」
頼んだお茶を待っている。
暖房の効いた店内は程よく暖かく、
流れるアンビエントなBGMも相まって、
とても居心地の良いムードを作り出している。
「うふふ……こうやってのんびり座ってると…………
さっきまでの……寒さが、ウソみたいよねぇ…………」
リラックスした様子で話す。
……だんだん、目がトロンとしてきたように見える。
話す言葉も、ちょっとずつ間が空き始めている。
「…………ふわぁあ……ちょっと疲れちゃったかしらぁ」
なんか凄い眠そう。
888
:
ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』
:2015/11/26(木) 16:04:20
>>887
「なるほど。」
「良い店です。
確かに落ち着きますね。
私もお気に入りにします。」
音楽が良い。
客層も騒がしくない。
(それにしても――)
落ち着きすぎでは?
寝そうにすら、見える。
「お疲れですか。」
「暖かいお店ですものね。
私も、少しばかり眠く。」
ファ
口を押さえ、小さく欠伸する。
そうこうしていると――
コト
「あ、どうも。」
注文のお茶が来た。
両者の前に、置かれる。
889
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/11/26(木) 20:23:20
>>888
「あらぁ……アナタも、眠いのかしら?
やっぱりここは…………よく眠れそうねぇ…………」
うつらうつら、眠りに落ちるギリギリのラインを
さまよいながら、お茶を待っている。
コト
「あっ……来たわねぇ」
そこに置かれるお茶、その物音に、
目を覚ましたように身を起こした。
「うふふ……わたし、こういう香りの付いたお茶って好き。
元々の茶葉の香りと混ざって、とっても複雑な香りになるから」
ズズ
オレンジティーを、香りを楽しむように少し飲んで呟く。
890
:
ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』
:2015/11/26(木) 21:26:10
>>889
「はは、確かに。
よく眠れそうで……」
(まさか……
本当に寝るのでは。
それも、常習なのでは。)
それはどうだろう。
法律とかではないが……
(良くない、気が。
しかし、憶測……)
ズズ
「香り――」
「確かに、そんな感じも。
すみません、お茶には明るくなく。」
口に少しずつ含む。
いい香りだ、ということと。
「しかし、美味しい――
ということは、分かります。」
味の良悪は、分かる。
笑んで、頷く。
891
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/11/26(木) 22:26:09
>>890
「うん、うん。
美味しいわよねぇ」
ズズズ
穏やかに微笑んで、もう一口。
静かに、時間が流れていく……
「はふぅ…………暖まるわぁ」
だんだん、目元のトロンとした感じが
増してきたように感じられる。
茶葉に含まれる『カフェイン』の作用で、
多少なりとも『眠気』は軽減されているはずだが――
ポス
唐突に、机の上に『枕』が現れる。
枕――いや、『羊』だ。『羊の枕』だ。
いや、それよりこいつは――『スタンド』だ。
892
:
ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』
:2015/11/26(木) 22:34:58
>>891
「ええ、本当に。
寒い日は暖かい物が効きますね。」
などと言っていると。
目の前でまどろむ、その姿。
「……あの。」
あからさまに眠そうな様子。
先ほどより、さらに。
「杞憂なら、すみませんが。
ここで眠るのは、流石に――」
ポス
「エッ。」
(枕……!?)
どういうことだ。
枕、持参で? 寝るのか?
「枕。いや。」
……いや、これは。
「羊の、スタンド……!
これは一体、どういう――」
「あ……失礼。
私も、『そう』です。」
見えている事は申告する。
隠せる状況でもあるまい。
どういう目的だろう。
まさか……やはり、寝るのか?
893
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/11/26(木) 22:51:01
>>892
「んー………………」
ポフ
枕の上に倒れこむ人吉。これは『寝る』構えか――!?
「あら、『スタンド使い』の人だったのぉ……?」
ポイン
と、ゼンチの反応を見て、
枕に倒れこんだ『反動』を使って体勢を戻した。
『メヘェェェェ』
「う〜ん、ダメねぇ、わたしったらぁ。
街中で出すのは、やめておこうって思うんだけど……寝ちゃうから」
ムニ ムニ
「でもこの子、とってもさわり心地がいいのよ……
ふわふわしてて、よく伸びるし」
押し潰された『枕』が、鳴いた。
894
:
ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』
:2015/11/26(木) 23:16:40
>>893
「はい、スタンド使い――です。」
ポイン
「アラ。」
弾んだ。
高反発なのか?
(なんとも……)
「可愛らしい――
『スタンド』ですね。」
見た目、様子。
害のなさそうな像。
「まるで『ゆるキャラ』のような。
鳴き声も、なんともまあ…………」
目線を落とす。
『枕の羊』を眺める。
「外で寝るのはともかく……
確かにこれは、気が緩みそうで。」
ソロ
「あの」
伸ばしかけた手。
止めて、顔を上げる。
「不躾ながら……
触れても、よろしいですか?」
恐る恐る、聞いてみる。
触り心地の主張が、効いた。
895
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/11/26(木) 23:22:46
>>894
「うふふ、かわいいでしょう」
ウリウリウリウリ
何故か自慢げに、『枕』の背中を撫で回している。
枕は、目を細めている。猫なら喉をゴロゴロ言わせているだろう。
「いいわよぉ、ね?」
『メヘェェェ』
触ってもいいか、という問いに、気さくに返す。
枕も(意思があるかはよく分からないが)まんざらでもないようだ。
「どうぞぉ〜」
ズズイ
差し出された。
896
:
ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』
:2015/11/26(木) 23:47:58
>>895
「おおお……」
「本当に。
可愛らしい。」
何とも癒される。
平和なスタンド。
(これで物騒な能力なら……)
それは怖い。
まあ、妄想だ。
ズズイ
差し出された。
ゴクリ
「感謝します。
では失礼して……」
ソロ〜
ムニ
「!」
触れた。
なんともいい触り心地だ。
「なんと柔らかな……」
思わずうなる。
レモンティーを、飲む。
897
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/11/26(木) 23:56:36
>>896
ムニ
触れた指が、枕の『反発力』で、軽く押し返される。
まるで『マシュマロ』かなにかのように柔らかく、
それでいて確かな『感触』を指に伝えてくる。
表面も、実に『ふわふわ』している……指が幸せになるかもしれない。
「どうかしらぁ……?気持ちいいと、良いんだけどぉ」
人吉は、楽しそうに笑っている。
それにしても、手触りのいい『枕』だ。
人にもよるが、ずっと触っていても飽きない代物かもしれない。
898
:
ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』
:2015/11/27(金) 00:06:37
>>897
「……」
ムニ
もう一度。
これは、すごい。
「凄いです。」
コクリ
頷く。
衝撃的、だ。
「外で出すと寝てしまう……
その言葉、指先をもって実感しました。」
「これほどとは。」
ウウム
流石はスタンド。
常識を超えるさわりごこち。
「改めて――
感謝します。」
ペコ
小さく、お辞儀する。
それから。
「私のスタンドは――
ここではお見せできませんが……」
「もしよければ。
次に会った時にでも。」
チラ
枕羊を見て。
「触り心地は。
ざらざらしていますが……」
ここで出すには愛銃は物騒すぎる。
見せて楽しい物かも微妙だ……
ズズ
レモンティーを啜る。
そろそろ底が見えてきた。
899
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/11/27(金) 00:14:38
>>898
「ねっ、ねっ、凄いでしょ!
ほんと、触ってるだけで気持ちよくなれるのよぉ」
うんうんと頷き、ゼンチの感想に同調する。
「特にこの『背中』のラインが…………ふぁあ……
…………あらっ、いけないいけない」
撫でながら眠りかけ、はたと気付いて
『スタンド』を一旦解除する。
「また寝ちゃうところだったわぁ……
あの子は『クラウド・ボーイ』っていうのよぉ」
クイィ――z__ッ
少しぬるくなったオレンジティーを飲み干す。
「うふふ、そういうことなら、あなたの『スタンド』も、
今度見せてちょうだいね?」
900
:
ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』
:2015/11/27(金) 00:28:02
>>899
「ええ、本当に。
驚きました……」
「『クラウド・ボーイ』。
きっと、忘れません。」
クイ
ゴク ゴク
「……ふぅ。」
レモンティーを飲み終えた。
そして、時計を見る。
「ええ、これも何かの縁。
きっとまた、お会いした時に。」
(願わくばそれが……
戦場で、なければ。)
スタンド使いは惹かれあう。
いずれまた、会う日は来るだろう。
・・・・そして。
「――では。
私はそろそろ。」
「急がないとはいえ……
あまり遅すぎると、叱られますので。」
ニコ
笑みを浮かべる。
「まだ残りますか?
でしたら、お代は置いていきますが――」
財布を出しつつ、聞いてみる。
901
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/11/27(金) 00:35:44
>>900
「うふふ、『きっと』ね」
『きっと』は『きっと』だ。
そのときは来るのかもしれないし、来ないのかもしれない。
もっとも、目の前の『寝ぼけ眼』の女は、およそ『戦場』と対極にいるようではあるが。
「叱られる……だれか、待ってる人がいるのかしらぁ」
ちょっと興味がありそうな顔。
だが、急いでいるようなので踏み込むのはやめておくことにした。
「そうねぇ、このまま長居しても……
って、それじゃあ寝ちゃうわねぇ」
「わたしも出るわぁ、急ぐなら、お勘定はしておくわよぉ」
そう言って、少し名残惜しそうに席から立ち上がる。
902
:
ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』
:2015/11/27(金) 00:49:26
>>901
「ええ、きっと。」
スタンド使いは惹かれあう。
この町には、危険な使い手も多い。
・・・・願わくば。
「? ああ、両親です。
これが中々、厳しく。」
ニコ
頭を小さく掻き、笑む。
ゼンチこと、善知鳥雷。17歳だ。
ゴト
席を立つ。
「あ、いえ。
それほど急ぐわけでも。」
「外までは共に。
寝てしまわれては――
何だか後味も悪いですし。」
あまり長居は出来ないだけ。
お会計までは、一緒にしよう。
903
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/11/27(金) 01:03:00
>>902
「『約束』ね♪」
スタンドの『危険さ』――それを、まったく感じさせない、
軽い調子で、彼女は笑う。
「あら、ご両親――そうなのぉ。
わたしは一人暮らしだから、ちょっと懐かしいわねぇ、そういうの」
とてもそうは見えないが、人吉 佐和子21歳、社会人である。
>「外までは共に。
> 寝てしまわれては――
> 何だか後味も悪いですし。」
「うふふ、そうねぇ。それなら、ご一緒しましょ」
……ややあって会計を済ませ、
連れ立って店の出入り口へと歩いていく。
「今日はお話できて楽しかったわぁ、ええと……
わたし、人吉 佐和子。また会えたら、遊びましょ」
そう言って、店のレシートにさらさらと何か書き込み、
ゼンチに手渡す。『連絡先』のメモだ。
「良かったら、連絡ちょうだいねぇ」
ひらひらと手を振り、重たい荷物を揺すりながら
家路についた。
さすがに重くて眠るどころじゃなかったそうな。
904
:
ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』
:2015/11/27(金) 01:08:28
>>903
「――ええ!」
ニコ
笑み返す。
「ああ、お一人暮らしで。
なんだか少し、憧れます。」
自分にないものに憧れる。
会計を済ませて、店外へ。
「私こそ、楽しかったです。
あ――ええと、善知鳥 雷と申します。」
「『ゼンチ』とお呼びを。
それで、もしよければ――」
自己紹介をして。
それから。
「……はい! ぜひ。
あとでメールさせて頂きます。」
連絡先は、願ったり。
「それでは、また。
またお会いしましょう!」
ヒラ
手を振り返す。
これもまた、一つの縁。
「……ふふ。」
温まった心と体。
買い物道を、歩いていく。
905
:
関東 也哉子/ヤーコ『一般人』
:2015/12/05(土) 03:09:58
「うーん……」
メインストリートの、ある一角。
ある露店を前に、ロングスカートの少女が屈みこんで唸っている。
「こっち……いや、こっちかなぁ……でもこっちも……」
どうもアクセサリー屋の前で、どれを買うか悩んでいるらしい。
……結構長いこと悩んでいる。そろそろ20分は経過しそうだ。
店主の方も、いい加減苦笑いである。
906
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/12/05(土) 03:29:32
>>905
気分的には、ノーマルだった。
心の奥底に生じた熱はあれ、フラグがない。そんな一日。
「…………」
トコ
トコ
(……ん? なんだあれ、露店……?)
恋姫は足を止めた。
カラスのような黒いマフラーが冬風にたなびく。
トコ
(えひ、アクセサリーか……
レアアイテムはこういう店にあるもんだよな……)
ヒョイ
何となく、覗き込む。
恋姫にも少女的な興味は少なからずある。
『ロングスカートの先客』には、特に目は向けない。
(こいつ、悩みまくってんな……
クリスマスに向けて自分磨きか……? えひ。)
・・・・そういう邪推はあるが。
907
:
関東 也哉子/ヤーコ『一般人』
:2015/12/05(土) 03:40:12
>>906
「あっ……」
入ってきた新しい客をチラと見て、遠慮するように少し横にずれる。
置いてあるアクセサリーは、ネックレスや髪留めなど、オーソドックスなもの。
しかし、一つ一つに色のついた石……いわゆる『パワーストーン』がついているようだ。
各アクセサリーの下には、それぞれどういった意味の石が使われているのか、簡易的に書かれている。
「…………ん?」
と、ふと気づく。
先ほどチラと見た顔は、どこかで見たことがあるような。
再び視線を横に。ジロジロ見すぎない程度に気をつけて。
さて、どこで見たのだったか…………
「…………………………」「あっ!」
(そ、そうだ、この子、『こいひめちゃん』だわさ!?
ミスコンの時に見かけた、アイドルの子だがね!)
思わず声をあげる。
誤魔化すように口を手で押さえるが、まぁ声は既に出てるので遅いだろう。
908
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/12/05(土) 04:02:32
>>907
(えひ、パワーストーンか……
そういや、灰羽はもう退院したんだっけ……)
ス
(……魅力に補正入りそうなやつがいいな。)
手を伸ばす。
ちょうどその時。
ビクッ
声に驚く。
「なんだよ…………
僕の顔に、死亡フラグでも見えたぁ……?」
などと言いつつ。
視線はアクセサリーに戻す。
「えひ、『あぶれメタル』1か……
色違い『ハッピー』2でも見たみたいな目してるぜ……」
(この感じ……僕のファンか…………あ?
待てよ、こいつ……誰だっけ。どっかでエンカした……)
知っている顔だ。
それはそうだ、見たことは、ある。
・・・・学校で、だ。
―――――――――――――――――――――――
*1『あぶれメタル』……国民的RPGのザコ。レアで、すぐ逃げる。
*2『ハッピー』……モンスターを捕まえるRPGのキャラ。珍しい。
909
:
関東 也哉子/ヤーコ『一般人』
:2015/12/05(土) 04:25:02
>>908
「あっ、いやっ、えっと……!」
(ど、どうしよ、あんまり騒いじゃーあかんがね。
その、『オフ』っちゅう奴だで……)
あたふたと意味も無く手を動かしつつ。
ところで。関東也哉子は――――『転校生』である。
去年にこの街に引っ越してきて、秋映学園に転校してきた。
小中高と一貫の秋映としては、新顔の部類。もっとも、ある少女のおかげで孤立するようなことは無かったが。
友達はそこそこ多いが、主張をあまりしないのでクラスの中心からは一歩離れた位置にいるタイプ。
言ってしまえば、『モブ』のようにそこにいるタイプ。それが、関東也哉子だ。
そのこともあって、去年に転校してきた也哉子と、引き籠りがちの恋姫の接点はほとんどない。
恋姫の顔を見たことは――――あるだろう。
恋姫に顔を見られたことも―――あるだろう。
だが、言葉を交わしたことは、まずないだろう。その程度の距離感。
事実也哉子の中での恋姫の扱いは、『同級生でアイドルをやっているすごい子』である。その程度でしかない。
「そ、その、な、なんにも見てないです!
見てないって言うか、えっと……あ、会ってないっていうか……!」
だから、こんなにも動揺する。
彼女の中で、『稗田恋姫』は同級生ではなく、雲の上の人なのだ。
910
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/12/05(土) 05:05:06
>>909
関東也哉子を、稗田恋姫はほとんど知らない。
なぜなら、同学年になったのは今年で――ほぼ通わず、また引きこもったから。
「……何、その手の動き……乱数調整?
TAS導入してるの……? えひ、冗談……」
ニタ・・・
意味のない手の動き。
ダウナーな笑みを浮かべる恋姫。
あの日の舞台の上の輝きとは、また違う毛色の笑み。
「まあ……何もないならいいんだが……」
(……何テンパってんだ、こいつ?
コミュ障なのか……それか、やっぱファンか……)
(……だとしたら物好きなやつ。)
スト
その場に屈む。
パワーストーンのアクセを物色する。
カチャ
「えひ……パワーストーン……
いろいろあるよな、効くのか分からないけど……」
カチャ
欲しいのは『ネックレス』だ。
効能としては、『魅力』辺りを攻めたいが……
カチャ
「お前は……あれか……?
サミシマスにならないように……恋愛運向上?」
ジャラ
(あ、これ良いな……)
などと言いつつ、ネックレスをひとつ手に取る。
「どうせ今年もリア充は爆発しないし……
えひ、中止のお知らせも……ガセだかんな。」
『キラ』
青い石――『アイオライト』のネックレスだ。
911
:
関東 也哉子/ヤーコ『一般人』
:2015/12/05(土) 05:20:46
>>910
「うっ」
「……おほん。大丈夫です。落ち着きます」
手の動きを指摘されて、ぐさりと何かが突き刺さったような感覚。
頬を僅かに赤らめながら咳をして、深呼吸をして、一度落ち着く。
流石に今の自分は、変な人だった。恥ずかしい。
(……うん。変に気を回し過ぎるほうがあかんわぁ)
気を取り直して、アクセサリーの物色だ。
そろそろ決めないと、お店の人に迷惑だし。
「そうですね。色々あって……ふふ、効き目については言いっこなしですよ」
くすくすと笑う。
……店主の目がちょっと冷たく光った気がする。
「れ、恋愛なんて、ち、違います!
あたしはその、友達のクリスマスプレゼントに、なにかいいのがないかなぁって」
思わず顔を赤くしつつ。
もちろん気分を害したというわけではない。単純に恥ずかしがっているだけだ。
……洒落が通じないと言う意味では、大概か。
「あ、いいですね、それ。綺麗で深い青……」
「えーっと、効果が書いてありますね。
『不安や感情の高ぶりを取り除き、精神を安定させる石。
持ち主に平常心を与え、正しい未来へ導く』……ですか」
912
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/12/05(土) 22:30:37
>>911
「まあ……混乱するのは分かるけどな。
なんせ僕は……みんなのお姫さまだから……」
「あんま気にすんなし。えひ。」
冗談っぽく笑う。
恋姫はまだ、『自分のファン』だと思っているのだ。
・・・・ともかく。
「友達……サミシマスに中止のお知らせ来たか。えひ。
まあ……無難に友情運アップのやつでも買っとけば……?」
(……僕も何か買ってやるか?
えひ、あいつはゲームの方が喜ぶか……)
頭に浮かぶのは、入院している『友達』の顔。
もっとも、クリスマスはライブがあるのだが……
ジャラ
ネックレスを自分の首元に当てて。
少し俯き加減に、隣の少女に見せて。
「……これ、似合う?
あんま……こういうの、着けないからな……」
・・・・そう、聞いてみる。
913
:
関東 也哉子/ヤーコ『一般人』
:2015/12/05(土) 23:10:56
>>912
「えへへ、すみません……」
(『みんなのお姫さま』、かぁ。
どえらいなぁ……分かっとったけど、本物のアイドルなんだわぁ)
本当に、『雲の上の人』だ。
例えるのなら、彼女は『白雪姫』。自分は『その他大勢』。
立っているステージが違うのだ、と。そう感じる。
「ふふ、そうですね。幸いにして、一人でクリスマスってことにはならなさそうです」
と、首にネックレスをあてた恋姫の姿を見て。
「おおー、お似合いですよ!
深い青がすごく合ってて、落ち着いた感じがするっていうか……素敵です!」
ニコリと笑って、まるでショップの店員か何かのような褒め方をする。
社交辞令っぽく聞こえるかもしれない言葉だが、本心だ。
微妙にボキャ貧なのである。それはまぁ、まだまだ中学生の少女に過ぎないので仕方ないことだが。
「……そうだ、石がどうとかじゃなくて、贈る相手に似合うかどうかで考えた方がいいかな。
友情とか、夢とか、『そんなものに頼るものじゃない』って言いそうだし……」
ともあれ何かヒントを得たのか、改めてアクセサリーを物色する。
あれでもないこれでもないと手に取って、どれが似合うか考えながら、ぽつぽつと独り言のようにこぼし。
「どんなのが似合うかなぁ――――『暁利ちゃん』」
914
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/12/05(土) 23:39:15
>>913
「まあ、もしサミシマスに予定変更したら……
クリスマスは、ライブやるから……見に来たらいいよ……」
恋姫/こいひめはアイドルだ。
オフであっても、アイドルなのだ。
「……えひ、じゃあこれにしよ。
すいませぇん……これ買います……」
ジャララ
『アイオライト』の首飾りを店主に渡す。
そして――
「……」
ピク
僅かに肩を震わせる。
「……さあ……?
僕、そいつのこと……知らないし……」
(……キラリ。)
顔を伏せる。
……その姿に重なる、見えない焔。
「……じゃ、僕、行くから。
お友達……のプレゼント選び、ごゆっくり……」
ジャラ
支払いを済ませて、立ち上がる。
……アイオライトを、握りしめて。
915
:
関東 也哉子/ヤーコ『一般人』
:2015/12/06(日) 00:08:13
>>914
「ふふ、もしかしたら友達を誘って行くかも、です」
也哉子は、知らない。
恋姫のことも、暁利のことも。二人の間のことも、何も知らない。
「…………?」
顔を伏せる恋姫に、僅かな違和感を感じながらも。
「はい、それじゃあ、お元気で。
あんまりごゆっくりしちゃいけないんですけどね、えへへ……」
些細なことかと違和感を飲み込んで、はにかんで見送る。
也哉子はしばらくそうして悩んで、適当なアクセサリーを買っていくだろう。
『友達』の、ために。
916
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/12/06(日) 00:29:11
>>915
「……誰でも誘えばいい。
僕はみんなの……お姫さまだから。」
そう言い残して、去る。
・・・・
・・・・
≪オォォォォオオオオ―――――!!!≫
≪オォォォ≫
≪オォォォ……≫
メラ
メラ
「……こんな石、何の効果もないんだ……」
「……キラリ。」
お互い、何も知らないまま。
冬の帰り道を、『焔』とともに、歩いていく・・・・
917
:
藤堂虎鈴『オリンポス』
:2015/12/09(水) 01:18:30
【戦】『無限軌道』 その3 ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1420214957/ より
「よし、ここに隠れればもォええじゃろ!!」
息を弾ませながら、椅子に座る。
『オリンポス』で抱えた目黒も、隣に座らせる。
そう、ここは…………牛丼家だ、例のチェーン店の。
「そーゆーわけで味噌汁つき大盛りじゃ。
………もちろんお前の奢りでの」
さも当然のように目黒に払わす気でオーダーした。
918
:
目黒真実『ディバイン・ゼロ』
:2015/12/09(水) 01:42:45
>>917
「い… …分かりましたよ…当方が敗けたのですから…」
「追加オーダーは勘弁、半額弁当で暮らす身なので」
しぶしぶ了承する。手持ちの金はあったよね、あるよね。多分。
自分はお新香で我慢しとこう。
「そういえば何だ、貴方は学生なのですか」
「『クラスの女子』がどうと言っていた」
(見た目は、なんというか…『一般的なそれ』からは離れて)
(これといった女々しい飾りすらせず、腹はデカい)
「女の顔したおっさんといった印象ですが?(……着飾るのはお嫌いなので?)」
「あ…しまった!」
口に出てしまった。
919
:
藤堂虎鈴『オリンポス』
:2015/12/09(水) 02:14:01
>>918
「そう言えばそうじゃったのォ。
まあこれも社会勉強と思っとけ」
大盛りの牛丼に一味をふりかけながら、目黒の方を向く。
「おう。花も恥らう15歳よ。見れば解るじゃろ、制服着とるし」
青島コートの下に着た、秋映学園の制服を見せ…次の言葉に固まった。
ビキッ
「そっ……それは…仕方ないじゃろが………そんな経済的余裕がないンじゃうちは」
……ざくざくと一味たっぷり牛丼をかき混ぜながら俯いた。
どうやら、家計的には半額弁当狙いの目黒とそう変わらないようだ………。
920
:
目黒真実『ディバイン・ゼロ』
:2015/12/09(水) 03:00:55
>>919
「通りで」
フードコートで一人で水を啜りながらバイト誌に折り目をつけていた訳だ。
「若いうちは苦労しろって言われますが」
「ご両親は何してるンですか。過剰な苦労してるんじゃないですかね、あ、えエと」
ポリポリポリ
「名前…」
この少女のスタンドの銘なら分かるのだが…
921
:
藤堂虎鈴『オリンポス』
:2015/12/10(木) 00:40:11
>>920
「どうかのォ……。
せンでいい苦労はせンに越したこたないとうちは思うがの…………。
………なンじゃあお前さっきから、人生相談の係員かなンかかァ?」
モグモグ
面倒くさそうに目黒を一瞥すると、真っ赤な牛丼をパクつき始める。
「そんなァはもう5年も前に死ンだわ。うちの家族で今生きとるンはうちだけじゃ。飯食うときくらい大人しゅう黙っとれ」
922
:
目黒真実『ディバイン・ゼロ』
:2015/12/10(木) 01:07:16
ポポリ ゴックン
「喋るなとおっしゃっても、もう食べ終えてしまったもんで」
お新香の量の少なさナメんなよ…
「おっと失礼……五年前ですか」
「当方もちょうど15歳…いや、16歳の頃でしたかな」
「そのくらいだと、女性といえど食い盛りでしたねェ 」
「当方の場合、喰えども喰えども、タッパだけでなく腹も胸もさして大きくなりませんでしたが」
「はっはっは……」
…七味でも舐めるか。ベロベロベロベロ
「ッ辛っ」
「かッッッッらいッ !」
「げほげほボェ――ッ 水ッ」
923
:
藤堂虎鈴『オリンポス』
:2015/12/11(金) 00:29:13
>>922
女だったんかワレ!?
「……………………」
スッ
何だかもう突っ込むのも苛立つのも面倒くさくなり、黙って水の入ったグラスを差し出した。
924
:
目黒真実『ディバイン・ゼロ』
:2015/12/13(日) 00:16:55
>>923
外見と性格からあまり感じる事は無いが、目黒はいちおう成人女性である。いちおう。
ゴクッ ゴクッ ゴクッ ゴクッ ゴクッ ゴクッ
ゴクッ ゴクッ ゴクッ ゴクッ
「ブッヘぇ〜〜〜ッ」
「す、済まない」
空のコップに水を注ぐ…
「しかしさっきの…喧嘩」
「『一方的な戦い』は、貴方の担当となってしまいましたな」
「貴方、戦いは慣れて?鋭い判断が多かったが」
925
:
藤堂虎鈴『オリンポス』
:2015/12/13(日) 01:14:24
>>924
す、すまん。
…し…………仕方なかろォがァ、記録スレにも載っとらんし、明確な描写もなかったけぇ………。
「……いや」
頭を振る。
「あれはうちがどうこう言うよりお前のほうじゃろ。
ライフル銃手に殴り合いしてきたようなもンじゃけぇ…お前がお前を、一番生かせないやりかたで仕掛けてきただけじゃ。
普通に遠くから狙い撃ちにされとったら手も足も出んかった。ま、それにしてもろくに防御できンゆうのは問題じゃろォがの…」
熱いお茶のお代わりを店員に貰うと、ふーふーと吹いた。
「…逆に言えば、時間稼ぎと防御が得意のやつとお前が組んだら、手ぇつけられんことになるんと思うがの」
926
:
目黒真実『ディバイン・ゼロ』
:2015/12/13(日) 02:30:12
>>925
「ですねェ」
「貴方から距離がなかった時点で、だいぶ不利でしたな」
「喧嘩じゃなければ、真っ先に貴方の目を潰しに行ってたでしょうが (強がり)」
ゴクゴクゴクゴク プエー
トポポポポポ
「でも貴方、血の気が多すぎるんじゃ」
「こっちがただ『悪いスタンド使いなら殺す』って言っただけで、」
「喜々として椅子なんか投げてェ」
「当方に明確な攻撃意思はなかったんですよ…」
「まあ逆に……それこそ貴方みたいなスタンド使いと組めれば私も楽でしょうかね」
ゴクゴクゴクゴク
水で腹膨らませながら話をしよう。
927
:
藤堂虎鈴『オリンポス』
:2015/12/13(日) 09:23:24
>>926
「あほかァお前〜〜〜!最初に散々煽って………」
そこまで言いかけて慄然とする。
もしや…天然か?煽ってるつもりは全然なくてあの言動だったのか?
「…お前今までよォ生きとったのォ………。
うちの地元じゃったらとォにセメント靴はいて牡蠣の養殖場にドボンじゃ」
どうやら血の気が多いのは地元の気風らしい。
「喧嘩ァゆうのはのォ、お前に無くても相手が『ある』ゆう風に感じたら起きてまうもンじゃ、今度から気ぃつけぇよ。
それにお前なら組まンでもまァまず勝てるじゃろ。
そうじゃの………最初にまず足を潰せ。ほォしたらまァ大概のやつは逃げるお前を追えンわ。それでほぼ8割確定じゃ」
928
:
目黒真実『ディバイン・ゼロ』
:2015/12/13(日) 14:02:53
>>927
げええ、と顔をしかめる
「地元はヒロシマか何かですか…」
「まず潰す」「アシを」「参考になります」
「蹴るかモノ投げるか、しときゃいいでしょうか」
ゴクゴクゴクゴク
トポポポポポポポ
ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク
「…腹が冷えて来た」
氷水を何杯もガブガブ飲んでたのだからそりゃそうなる
「牛丼、残ってます?」
覗き込む。残り汁でもあれば頂こうという魂胆。
929
:
藤堂虎鈴『オリンポス』
:2015/12/13(日) 21:06:48
>>928
「当たりィ。
正確には岡山と広島の県境じゃがのォ。おかげで喋りがチャンポンじゃァ」
ギザっ歯を剥いて笑う。
「そがァなことせんでも、お前のあの『戦闘機』で十分足殺せるじゃろが。
特に足は防御しにくい、基本跳ぶか下がるか……避けるしかないけェの。じゃがお前のなら、避けるより速く『透り抜けれる』じゃろ」
水をガブ飲みする目黒を、微妙に嫌そうな顔で見る。
覗き込むが…残念ながら丼の中はきれいに空っぽだ。
バチン
……目黒の前のカウンターに、500円玉を将棋の駒のように叩きつける。
「………うちの負けじゃァ、それで何か食え」
930
:
目黒真実『ディバイン・ゼロ』
:2015/12/14(月) 00:47:38
>>929
「いやいやいやいやいや」
「それはそれはそれはそれはそれはそれは」
500円を財布にしまいこみ、千円札をツッ返す。
「当方にくださるくらいなら、自身でもう一杯くらい食っててくださいよ」
「年下に金なぞ出させませんよ」
「大丈夫、小生、雑穀と水…あと醤油で生きていける体質です」
そう言いながら席から立ち上がる。
「会計はそちらでお願いします」
931
:
藤堂虎鈴『オリンポス』
:2015/12/14(月) 01:39:50
>>930
「あほォ。隣でそんな辛気臭いことされて、飯をうまく消化できるほどうちは図太くないンじゃ」
頬杖を突きながら、『オリンポス』に突き出された札を突き返させる。人に抵抗できるパワーではない。
「おン前のォ〜〜〜〜〜〜〜。
さっきもゆうたが、お前に『そのつもり』が無くても相手は『そう思う』し『そう感じる』ことはよォけあるンじゃ。
本当に『その気が無い』ンなら、もォ少し気ィつけえ」
「……まァ喧嘩に関しては、確かにうちは他より沸点低いがの」
尚チケット式のためすでに会計は済んでいるようだ。
932
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/12/18(金) 02:42:50
「…………」
トコ
トコ
恋姫はクリスマスシーズンの町を歩く。
その近く(隣?)には
>>933
がいる。
偶然か? それとも理由あってか?
ただ通りすがっただけか?
約束して、会っているのか?
・・・・ともかく、二人は同じ道を歩いていた。
933
:
溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』
:2015/12/18(金) 03:19:06
>>932
隣を歩く。
ダウンジャケットを羽織った、細身の男。
「………………」
…………うん、沈黙が痛いね!
いやね。別に仲たがいしてるとか、なんか気まずいことがあったわけじゃないんだよ。
ただちょっと街を歩いてたら顔見知りの子がいて、まぁ軽く挨拶して別れるかな、と思ったら行く方向が一緒でさぁ。
で、こうなるとなんかいきなり離れて歩くのも変じゃない?
かといって仲良く談笑しながら歩くほど仲良しこよしかっていうと、そういうわけでもないんだよね。
だって僕ら、会ったの一回こっきりだし。
「(……でもまぁ、沈黙保つのもちょっとアレだよねぇ。面白くないし)」
「……しかし、流石に冷えるねぇ。例年よりは暖かいって聞くけどさ」
「ぼちぼち雪も降るかなって感じだけど」
そういうわけで、無難な話題を出してみるよ。
934
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/12/18(金) 03:58:33
>>933
トコ
トコ
横にいるのは見知った顔。
とはいえ本当に……『見知った』くらいだ。
「……まあ、寒いな……
『ホットドリンク』は、いらないくらいだけど……」
「……」
チラ
空を見る。なるほど寒い。
もっともたった今は、太陽の機嫌が良いらしかったが……
(……)
クル クル
マフラーの先を指でもてあそびつつ……
「……あー」
「……どこ行くの……お前?」
トコ
トコ
無難な話題を返す。
不毛な会話だが、まあ足は進んでいる。
無駄では無かろう……たぶん。
935
:
溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』
:2015/12/18(金) 04:10:03
>>934
「(無難な話題に無難な話題が返ってきたね。永久循環システムかな?)」
まぁ、黙ってるよりはよほどマシだ。
時間つぶしだと思えば、まぁ、うん。
猫背でサクサク歩きながら、会話に興じよう。
「んー、僕はほら、ちょっと魔王を倒すために隣町の魔王城まで」
「……ってことはまったくなくて、まぁお買い物だね」
「食料とか、あとお酒とか。近々友達と忘年会と称した宅飲みする予定だからさ」
年末付近は、大体いっつもそんな感じだ。
独身の友達で集まってお酒飲んだりする。この歳になると、流石に既婚者も増えてくるんだけどさ。
「で、お嬢ちゃんの方は?」
そんでもって無難な話題をそのままパス。
というか、そういえばお互いの名前すら知らないんだよね、僕たち。
936
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/12/18(金) 04:24:33
>>935
「えひ……ゲーム脳乙……」
「……」
「つーかリア充かよ……」
トコ
トコ
年末の予定などない。
首都まで行って、祭典に参加するか、しないか――
ワイ ワイ
今しもこれこそ『リア充』であろう、という集団が、横を通った。
恋姫はそれから少し目を逸らす。
「僕は……」
「…………本、買いに行くんだ。
今度新刊が出るから……今のうちに、過去作をな……」
そういうと、また沈黙になってしまって――
トコ
トコ
今この町で一番、このSEを聞いているかもしれない――
「あ……ゲームっぽく言うなら……
……あれだ。アイテムコンプ狙い。」
「……えひ、ちょっと違うか。
本だから……魔導書……えひ、思いつかない。」
ニヤ
笑みを作り、そう付け加えた。
ゲームが、なんの接点も無い二人を唯一繋ぐ。
937
:
溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』
:2015/12/18(金) 04:41:10
>>936
「あっはっは、オジサンぐらいの歳にもなると、疎遠になる奴も多いけどねぇ」
「その分今まで付き合いが続いてる友達ともなると、今更分かちがたいもんさ」
別に友達が多い方じゃないけどさ。
ま、少ないなりに仲のいい奴ってのはいるもんだよね。
残念ながら、恋人とかはいないけどさ。……うん、今の子たちみたいにはいかないさ。
「本かー」
まぁ、マンガかラノベだろうけど(もちろんそのことになんか含むものがあるわけじゃあないとも)。
……うん、会話が続かないね!
そんなに会話が下手ってわけでもないはずなんだけどね、僕!
「あー、あれじゃない? 新ジョブ出るから前提ジョブ修めとくか、みたいな感じでしょ?」
「それもちょっと違うかな。例えようとすると難しいなぁ、これ」
僕らの縁はゲームで繋がった縁だ。
話題を持っていくなら、それが適当だよね。あるいは――――
「というか、今の子ってどんな本読むんだい?」
「売れ筋はなんとなくわかるっちゃわかるんだけど、世代ごとってなるとまた違うからねぇ」
……話題を膨らませるか、だ。
938
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/12/18(金) 05:09:28
>>937
「…………あっそ。」
トコ
トコ
歩く恋姫。
「あー、前提ジョブか……
近いかもな……状況的に考えて。」
「新作買う時に、前作もプレイしとく……
……ってのは直球すぎか? えひ。」
トコ
トコ
ゲームは恋姫の最大の趣味だ。
だから、ゲームの話が出来るなら、それは楽しいことだ。
・・・・そして。
「本……まあ……漫画とかだな……
一応ラノベとか……あと、小説も読むけどぉ……」
チラ
「あー……『白紙』
……ってやつなんだけど……」
『白紙』は――ドラマ化が決定した、いわゆる話題作ってやつだ。
溝呂木が知っているかは知らないが……学生が主軸となる、短編集。
「……おじさんはどんなの読むの……?
えひ……アレか……? ここでは言えないような奴……?」
「……それか、もう、純文学みたいな……?
ここにも埋められない差がある予感……えひ。」
・・・・悪態をつきつつ、聞き返す。
939
:
溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』
:2015/12/18(金) 23:19:12
>>938
「いやぁ、その例えはまんますぎないかなぁ」
へらへら笑いながら歩く。
世代は違えど共通の話題。ある意味一番無難な話題の一つだよね。
ま、その観点で言うと……
「あー、『白紙』ねー。やっぱ若い子にも人気あるんだねぇアレ」
「今度ドラマ化するんだっけね。おかげというかなんというか、在庫全然足りないんだよねぇ」
あ、ちなみに僕はその本あんまり好きじゃなかったりするんだ。
出来はいいと思うよ? 僕はまぁ、リアルな話よりもパンチの効いた話が好きって話。
「僕かい?」
「僕はそれこそなんでも読むよー。純文学も、ミステリも、ラノベもマンガも学術書もね。それも仕事だし」
「一番好きなのは『戦記モノ』とか『叙事詩』だけど。大学時代それで単位稼いでたからさ」
それで、『その観点』の話だけど……
「オジサン、これで一応K市で司書やってるからね」
「蔵書の内容抑えとくのも仕事の内なんだ。形は違えどこれも『溝』かな?」
そういう観点で言うと、僕は本職なんだよね、『本』の話は。
好き嫌いはともかくとしても、話題作は一通り目を通してるし。
940
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/12/18(金) 23:39:52
>>939
「……えひ、やっぱり?」
トコ
いささか雑な例えだった。
「ドラマは知らんし……
僕も、布教されて買ってみただけ……」
「……仕事?」
好きな本――という話題より、そこが気になった。
ゲーセンにいる連中にも、仕事はある。
「好きなことして生きていく……みたいな――――
あ、司書か……
えひ、なんか、賢いジョブってイメージ……」
分かっちゃいるが、やや驚く恋姫。
司書。決して近い職業じゃあないのだ。
「司書ってまじで……
図書館ではお静かに、とかいうの?」
フィクションの図書委員のようなセリフだ。
「溝……あるな……えひ。」
・・・・ダウナーな笑み。
941
:
溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』
:2015/12/18(金) 23:54:58
>>940
「ひどいなぁ、おじさん結構インテリ系だよ?」
一般的な職業じゃないし、驚くのはわかるけどね。
誰しも見たことはあるし知ってはいるけど、実際の就職先としては考えづらい職業だ。
「といっても、実際不良職員だけどねぇ」
「大学で司書課程取っててさ。たまたまK市の図書館に空きがあったから応募して、そしたら受かっちゃったってだけの話」
「司書って、資格取るのは簡単なんだよ。ただ、滅多なことじゃ席が空かないだけでね」
「楽な仕事だからねー。人員が要る仕事でもないし、退職する人が滅多にいないんだ」
「だからまぁ、インテリってよりはラッキーガイだよ、僕は」
おかげで毎日ゆるーく暮らさせて頂いてますけどね。
大した仕事があるわけでもなし、退屈だけがネックな仕事さ。
「ははは、マジマジ。本の返却はお早目に、とか言うさ」
「お嬢ちゃんは、『スーパースター』になるんだっけ?」
「僕、テレビはそんなに見ないからねぇ。溝だよ、溝。ははは」
そう言って、僕はにへらっと笑うのさ。
942
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/12/19(土) 23:31:09
>>941
「……まあ……そういうならそうなのかもな……
……体育会系とか……DQN系には見えないしな。」
「……悪のテンプレ司書だ。えひひ。」
言われてみれば知性を感じる。
属性わけしたら、インテリ側に入りそうだ。
・・・・まっとうかどうかは知らない。
「……まあ、運がいいのは……僕は……ズルいとは思わないけど。」
「僕も……スカウトされたのは……
運もあるし。えひ。実力も……あるけどな。」
実力。生まれ持った顔。体。瞳。
スカウトされて、祖母に薦められて――
「……自分語りは……
チラシの裏でするものかもだが……」
「一応……僕、アイドル……
えひ……もう、ジョブチェンジ済みだ。」
・・・・えひ、と陰気に笑む恋姫。
943
:
溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』
:2015/12/20(日) 00:02:05
>>942
「あっはっは、悪の司書ってまた斬新なジャンルだなぁ」
魔導書とか地下にため込んでるんだろうか。
それで地下室でいたいけな子供を生贄に悪魔を呼んだりするんだ。わぁ邪悪。
「ん、スカウトって―――――」
「……………わお。ほんとに?」
……今度はこっちが驚く番だね。
司書だってレアな職業だけど……流石にアイドルほどじゃない。
文字通り、『立ってるステージが違う』って奴だね、こりゃ。
「そりゃ驚いたなぁ……」
「ははは、溝だ溝。まさかのお姫さまかい」
まぁ、すぐにまた覇気のないへらへらした表情に戻るんだけどさ。
これでもびっくりしてるけど。いやメチャクチャにビックリしてるけど。
でもまぁ、逆説それだけの話ではあるんだよね。だってほら、僕この子のアイドルとしての姿知らないし。
そっちを知ってたらまたなんか反応も変わったかもしれないけど、『珍しい職業についてる子』ぐらいのもんなんだよね、現状。
「あ、でもそうするとアレか」
「こうして並んで歩いてると危ないのかな?」
だから特に深刻なふうでもなく、冗談っぽく笑いながら、僕はそんなことを言うわけだ。
「まーそうでなくても絵面は犯罪的なんだけどサ」
944
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/12/20(日) 00:20:24
>>943
「えひ――だろ? 溝だ。溝……」
恋姫は少しだけ、目を細めて。
「僕はみんなの、お姫さま。」
フ
「……みんなが僕の、王子様。」
小さな笑みを浮かべ、囁いた。
ト ト
「えひひ。」
少しだけ、溝呂木から距離を置く足。
ダウナーに笑って、溝呂木を見上げて。
「……スキャンダルになっちゃうかもだぜ。
……悪徳司書、アイドルを篭絡……いや逆か……」
「司書とお姫さまのラブロマンスは……新ジャンルかな……えひ、ないわー……」
ニマー
あまり深刻でもなさそうに、笑った。
恋姫のスキャンダルなど、地元ローカルの舞台でしかない。
945
:
溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』
:2015/12/20(日) 00:49:18
>>944
「おー、洒落たこと言うねぇ」
みんなのお姫さまで、みんなが王子様、か。
なるほど、そりゃあいい。そういう世界に足を踏み入れるのは、さぞ楽しいことだろう。
ちょっとだけ、アイドルって世界に興味が湧いてきた。
「どっちかと言うと、『幼いアイドルと共に歩く謎の男。アイドル業界の闇に迫る!』かな」
「僕もほら、一応公務員の端くれだから、宮廷司書とお姫さまのロマンスだと思えば結構アリだと思うけど」
私立図書館勤めだから、一応地方公務員の端くれではあるんだよね。
宮廷司書って言うにはあれだけど、まぁ文官とかだと思えば字面としてはアリなんじゃないかな。
なんつって、もちろん本気で言ってるわけじゃないけどさ。
「まぁ、ともあれ、どの道この辺でお別れかな」
僕は足を止めて、ちょっとだけ距離を取ったお嬢ちゃんに向き直る。
うん、ここで僕は道を左に曲がるんだよ。だから本屋に行くお嬢ちゃんとはここでお別れなのさ。
相変わらずにへらっと笑いながら、うやうやしく胸に手を当てて一礼するよ。
「それでは、姫」
「此度は姫の道行きに同道できたこと、誠に光栄に思います」
「またいずれお目通り願えれば幸い。その時を心待ちにしております……」
「……なんて、ね」
946
:
稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』
:2015/12/20(日) 01:13:50
>>945
ニ
陰気な笑みで、返す。
みんなのお姫さま。白馬の王子さまは、未だどこにも。
・・・・舞踏会はいつまで続く?
「……明日の一面に、なっちゃうかもな。」
冗談っぽくそういって、立ち止まった溝呂木に向き直り。
お姫さまらしく、笑みを作って。
「……えひ。宮廷司書ってより、きざな騎士だ。
……此度の護衛、大義であった。褒めて遣わす――って感じ?」
フリ
手を小さく振る。
すぐ、元の顔に戻った。
「……んじゃ。またな。」
トコ
トコ
――エンディングは、未だ。
947
:
溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』
:2015/12/20(日) 01:37:39
>>946
「ははは、ばいばーい」
ひらひら手を振って、道を曲がる。
ちなみに私立図書館と言ったがあれは嘘だ。というか誤字だ。
市立が正しいね。じゃなきゃ公務員じゃないし。
「…………アイドル、ねぇ」
僕からすれば、非日常。
彼女からしてみれば、きっと日常。
羨ましいような、そうでもないような。
名前も知らないお姫さま。みんなのかわいいお姫さま。
「……ま、なんでもいいか」
それでもやっぱり、僕にとっては『ゲームが好きなお嬢ちゃん』だし。
僕もまぁ、『図書館の不良職員』ってポジションに不満があるわけで無し。
お互いの間に『溝』があっても、対岸からボール投げてキャッチボールはできるしさ。
そんなことを考えながら、僕は商店街を歩くのでした、なんてね。
948
:
鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』
:2015/12/22(火) 23:44:30
代々薙精肉店。
店の隣にクリスマスツリーが置かれている。
そして…
店の前にはサンタコスをした女性がメガホンを持って宣伝している。
「えー、本日クリスマスキャンペーンを実施していまーす。
チキンまるごとを格安の値段でお買い上げ頂けますよー。」
ちょっとやる気のなさそうな声である。
「えー、あと…
本格派じゃなくていい人は手羽先の照り焼きのセットも付いてますよー。
えー、皆さんお買い上げくださいー。」
と、声がメインストリートの商店街に響く。
949
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/12/23(水) 18:50:03
>>948
「あら……………………『安売り』?」
通りがかりの女が、『鶫』の声に足を止めた。
栗色のふわふわしたロングヘアーが特徴的で、
クリーム色のコートに身を包んでいる。
寒がりなのか、毛糸のマフラーと手袋、ニット帽で『完全武装』したその姿は、
どこか『雪だるま』を思わせる。
「チキン……そうね、鶏肉も良いわねえ……
ごめんなさい、これ、おいくらかしら?」
『チキンまるごと』一羽を指し示し、店先の『鶫』に尋ねる。
950
:
鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』
:2015/12/23(水) 20:52:41
>>949
「あ、いらっしゃーい。
今日はとことん寒いですがぁ〜
頑張ってうちも商売しますよ〜
この時期はかなりお客さんが来るのでねー。」
と、軽く頭を下げながら人吉佐和子に目線を向けた。
サンタの衣装はミニスカ仕様のものであるため、どこか寒そうだ。
「えーっと…チキンマルごとでお買い上げいたします場合はー
大きい奴は1200円、こっちの少し小さい方は1000円位になりますよー。」
指差した大きい鳥は中々まるまる太った奴のようだ。
サイズ的に見れば中々の安売りのようである。
「あ、ちなみに手羽は出来立てのやつが大体400円位のパックになってますー。」
951
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/12/23(水) 22:02:32
>>950
「わあ…………この季節にそれは寒そうねえ」
鶫の足元に目をやり、思わず呟く。
「わたしも高校時代はそんな格好してたかしら…………
さすがにタイツは履いてたわね………………うう」
ブルルッ
「思い出したら寒くなってきちゃった」
「ええと……『一羽まるごと』で1000から1200円で……
大きい方は、ちょっと食べ切れなさそうねえ。
立派過ぎるわぁ……一緒に食べる人もいないし」
割と真剣に悩み始めた。
「手羽先なら400円…………あっ、これ、味付けはどうなってるのかしら。
照り焼きなら、甘さが強めだと良いんだけれど」
952
:
鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』
:2015/12/23(水) 22:19:48
>>951
「まぁ、ウチもできれば家の中のこたつでゴロゴロしてぇところだけど…
あ、したいところですがねぇー…
シーズン的にこういうのは集客になるんですよー」
サンタコスは確かに好評なようだ。
…写真に収めようとする奴も居るっぽいが
「まぁ、とりあえずこれをすぐに終わらせればなんとかなるはずなので…
お客さんもっと来てほしいなぁー。」
と周囲を見る。
どうやら周囲に居るのはお母さんらしきひとが多いようだ。
「まぁ、こういう丸鶏はご家族向けって感じですので…
あ、手羽先の方をお求めですかぁー?」
そう言って手羽先のパックを手に取る
「あー、特にこの時期には甘辛いあじつけがこのまれてるから
甘辛ダレを絡めた奴になってますよー。
まぁ、塩もあるけど…買いますぅ?」
953
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/12/23(水) 22:39:27
>>952
「『かきいれどき』だものねえ…………お店も大変ねえ」
意味が分かっているのか微妙なセリフを吐いた。
「でも『サンタさん』の格好、似合ってるわぁ……わたしが着たら、そうねえ」
「――サンタさんじゃなくて、『だるまさん』になっちゃう。うふふ」
冬に備え、若干『蓄え』を増した自分の身体を見て、言った。
「家族で焼き鳥……じゃない、ローストチキン、素敵ねえ。
わたしもいつか――今のところ、アテは無いけど」
「うん、そうね、『手羽先』にしようかしら。甘辛タレ……………」
ジュルリ
「あ、塩も一パック頂戴ねえ」
954
:
鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』
:2015/12/23(水) 22:45:45
>>953
「まぁねー、
忙しいのも大変なわけだし…
人ではだいたい自分だし
働かないと小遣い手に入らないし」
ちょっと小声でぐちぐちと言っている。
「この格好だと寒さもある程度我慢しなきゃいけないしねー。
そのカッコだとどっちかというとひげの生えたサンタさんのほうが似合いそうだ。」
と、ジロジロと彼女の姿をよく見回す。
「まぁこっちとしてはローストチキンでも何でも、
買っていただけると嬉しいですがねー」
と言いつつも手羽先のパックを2つ持った。
「まいどあり〜、
えーっと塩と甘辛ダレ一パックずつでお買い上げですねー。」
955
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/12/23(水) 23:17:39
>>954
「うんうん」
「分かるわあ……まあ、わたしはこの時期は
そんなに忙しくは無いけどねぇ」
愚痴に対して、何故か頷いている。
「うふふふ…………『おひげ』は『おひげ』でも、
わたしがつけるのは『泡のヒゲ』だけよ、なんちゃって」
そう言うと、『ジョッキ』を飲み干すジェスチャーを示した。
……今夜は(そしてきっと明日も)『独り酒』なのだろう。
「はぁ〜い……えっと、800円よねえ」
そう言うとゆっくりサイフを取り出し……
100円玉ばかり8枚、もたもたと出して差し出す。
相当に『マイペース』なしぐさだ。
956
:
鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』
:2015/12/23(水) 23:24:07
>>955
「繁忙期ってやつかなぁ?
こういう時期に暇なのは羨ましいもんだよ」
と、ウンウン頷きながら返す
「へぇー、つまり…
アナタもこっちがイケル口ってわけ?
フフフ、やっぱりクリスマスはそういう日じゃあないとねー。」
と言いつつ鶫も同じジェスチャーで応える。
彼女もまたお酒がいける口らしい。
「はぁーい、どうもどうも。
まいどあり〜。」
そう言ってゆっくりと100円玉を八枚手に取る。
こっちはこっちで少し呪い動作で紙袋に
パック詰めの手羽先を詰め込んだ。
「ちょーどいただきました〜。」
そう言って営業スマイルで差し出した。
957
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/12/23(水) 23:41:10
>>956
「そうかしらぁ……まあ、そうねぇ。
でも春先は大忙しよぉ……だから『お花見』とは無縁ねぇ」
「あらぁ、あなたも?
うふふ、今度一緒にどうかしら、なんて」
「……わたしはすぐ潰れちゃうけどねぇ」
冗談めかして言って、朗らかに笑う。
「ありがとぉ…………ほんと、美味しそうな香りよねぇ」
紙袋を受け取り、はみ出した『照り焼き』の香りに目を細める。
そそくさと手に提げ、ルンルン気分で歩き出す……
パサッ
何か、コートのポケットから落ちた。『手帳』のようだ。
人吉は、気付いていない。
958
:
鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』
:2015/12/23(水) 23:46:27
>>957
「春にお仕事かぁ〜。
いろんな仕事があるけど、
お花見でお酒が飲めないのはちょっと寂しいかもねー」
と、のんきに返事を返す。
「あー、ウチは割と飲める方だから
結構やれるんだけどねー。
…まぁそのせいで迷惑かけてないか心配だけどねー、他の人に。」
と、軽く微笑みながら返す。
「どうもどうもー、今後ともご贔屓に…ん?」
そのまま彼女を見送ろうとした矢先…
何か手帳が落ちたように見えた
「あ、ちょっと待って、
何か落としてるよー。」
と、手帳を手にとって軽く振りながら呼びかけてみる。
959
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/12/24(木) 00:05:27
>>958
手帳には、手書きの崩れた文字で『Dream Diary』と書かれていた。
ファンシーな『羊』の落書きが、表紙に添えられている。
「あらっ」
背後からの声に、のんびりと振り返り、
「あら、あら」
そして鶫が手にした手帳を見て、慌てて歩み寄る。
「ごめんなさい、落としちゃったのねぇ。
うっかりしてたわぁ」
「拾ってくれて、ありがとう」
960
:
鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』
:2015/12/24(木) 00:14:12
>>959
(…何の手帳だろう?
メルヘンだなぁ)
と、表紙を見て少し首を傾げる。
「あ、どうもどうも。
落し物には気をつけたほうがいいと思うよぉ〜。」
と言って手渡そうとする。
「…一体何が書いてあるのかな…」
思わず声に出た。
961
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/12/24(木) 00:28:38
>>960
「は、はい〜。どうもすみませぇん」
妙に慌てた風で、手帳を受け取る。
>「…一体何が書いてあるのかな…」
「あらっ、ええと、その」
「うう、言えないわぁ、『21』にもなっていまだに
『夢日記』付け続けてるなんて……!」
などと口に出してから、うっかり言っちゃったことに気付いた。
「あっ、やっ、何でもないのぉ」
慌てながら、ばたばたと歩み去っていく。……動きはせわしなくても、歩くのは遅いが。
……その肩口から、『羊』のスタンドが『鶫』を見ていた。
962
:
鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』
:2015/12/24(木) 00:33:27
>>961
「夢日記…?
悪く無いと思うけどなぁ、
ウチは今朝の夢とか直ぐ様忘れちゃうけど」
と、頭を掻きながら応える。
「いや、別に問題ないよー。
それじゃ改めてうちの肉屋をご贔屓に‥ん?」
手を振って見送った辺りで…
「スタンド…
はぁ、ほんと多いんだなぁこの辺りは。」
と、スタンドに目線を向けてちょっと感慨深そうに答えた。
963
:
人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』
:2015/12/24(木) 00:45:19
>>962
『メヘェェェ』
目が合う。『羊』が鳴いた。
それに気付いたか、人吉が振り返る。
「そ、そうかしらぁ〜、悪くない……
そうね、おかしくないわよね、うんっ」
少し気恥ずかしそうに答え……
すぐにその表情が笑みに変わる。
『悪くない』という言葉が、よほど嬉しかったようだ。
「あのぉ、えっと……
また来るわ、お肉屋さん、またねぇ」
そう言って、はにかみながらひらひらと手を振り、
アーケードの中を歩いていった。
964
:
ようこそ、名無しの世界へ…
:2015/12/25(金) 00:19:13
ドヒュゥ
ダンッ
荷物を背負った赤いコートの影が、屋根や壁の上を駆け抜けていく。
965
:
立花『リンネ・ラジオ』『XTC』
:2015/12/25(金) 00:50:33
>>964
「……サンタ?」
買い物帰りだろうか、
ウサギとクマの絵が描かれたマイバック持った女の子が、
ふと、上を見上げ、小さく呟いた。
「サンタなんていない、と気づいたのは、さて、何歳頃だったか……」
と言いつつも、影の去っていったほうへ足を向ける。
966
:
ようこそ、名無しの世界へ…
:2015/12/25(金) 01:12:01
>>965
キョロキョロ
ダンッ
ズサー
時折足を止めて、周囲を見回しているようだ。
そして赤いコートの影は一軒の住宅の前に下り、チャイムを鳴らすと、その家の母親と思しき女性に背負っていた荷物の一つを手渡した。
ペコリ
頭を下げると、再び駆け出していく…速い。そしてジャンプ力も凄い。
時々足を止めて道を確認しているのと、住宅街の中を行ったり来たりしていなければ簡単に引き離されてしまいそうなほどだ。
シャランラ…
再び足を止めて、周囲を見回す…赤いコート、太い金髪の三つ編み、何より目を引くのが、ピカピカに光る『ブーツ』だ。
967
:
立花『リンネ・ラジオ』『XTC』
:2015/12/25(金) 01:26:05
>>966
「……あれは!? 見間違いではなかったか」
この女の子――少なくとも外見は小学生の少女――は、
妖怪や木の精霊などというものがいることを知っている。
で、あるのならば、サンタもいるのではないか?
「いやいや、サンタが赤いのは某企業の宣伝戦略によるものに過ぎない。
フィンランドだったかには公認サンタも存在するが、
世界中の子供達にプレゼントを配るなどといった超常的な存在ではない。
あの赤いコートの人物も、トナカイもいなければソリもない。直接親にプレゼントを渡しているしな……
確かに都会は入り組んでいるからソリじゃやりにくいだろうし、家に煙突のある家なんて数少ないが……」
そう思いつつも、なおもブツブツと否定しつつ、
赤コートの人物の方へ寄っていく。
その目的は、あれはサンタではない、という確信を得るためだ。
968
:
ようこそ、名無しの世界へ…
:2015/12/25(金) 01:55:39
>>967
いくつかの家を回り、背中の荷物がかなり減った頃…。
『赤コート』は住宅街の公園に。
カシュッ
「フー………」
ベンチに座ると、自販機で購入したホットココアで一息つき始めた。
赤いもこもこのコートの下は白いニットのセーター、ショートパンツに焦げ茶のストッキングを履いている。
…こうして見ると、(いわゆる一般的共通認識上の)サンタとは違う感じだ。
969
:
立花『リンネ・ラジオ』『XTC』
:2015/12/25(金) 02:08:17
>>968
「結構経ってしまったな……なにやってんだ俺は……」
女の子は、子供用携帯で時間を確認し溜息を吐いた。
しかしここまで来てしまった以上、引き返すのも癪である。
というのは損切り出来ない人間の思考か。
「ふう……やっと地上に降りてきたか。
あの格好……女か? それにそんなにサンタって感じでもないような……」
本人は別にサンタのつもりなどなかったのではないか?
少女が勝手にサンタ……の真似だと思って追いかけていただけなのかもしれない。
だとすると少女の独り相撲なのだろうか。いや、一方的に追いかけているのでその通りかも。
「おっと、隠れなければ……あっ」
よくよく考えれば別に隠れる必要も無い気がするが、追い掛け回していたことが後ろめたいのだろうか。
しかし買い物の荷物を持ったまま、空中を飛び回るサンタ(?)を追い掛け回したため、疲労していたようだ。
少女は特に何もない地面だというのに転んでしまう。
「ううっ……」
970
:
ようこそ、名無しの世界へ…
:2015/12/25(金) 02:48:34
>>969
「ダイジョブ、デスカ?」
転んだ立花に、ベンチから立ち上がり、駆け寄った『赤コート』が声をかける。
ややイントネーションは怪しいが、日本語だった。
「立てマスか?」
手を差し出した。赤いセルフレームの眼鏡にそばかす、やぼったい三つ編みのせいもあるが、地味な顔立ち。
ただ………ニットセーターを内側から突き上げる膨らみだけが、むやみやたらとセクシーだ。
971
:
立花『リンネ・ラジオ』『XTC』
:2015/12/25(金) 02:58:43
>>970
「……」
転んだ少女は地面に伏せたまま電池の切れた玩具みたいに沈黙した。
動かないことで痛みを堪える策である。
しかしその隙に赤コートの女性が接近していたことに少女は気づかない。
「!」
声をかけられた少女は、後ろからいきなり撫でられた猫みたいに素早く顔をあげた。
ぱっちりとした目が、さらにまんまるに見開かれている。驚いているようだ。
「ああ。あ、ありがとうサンタさん……あ、いや……違くて、その」
少女は迷いつつも差し出された手をとるが、
心の中でサンタサンタ言っていたせいで、ついサンタと呼んでしまう。
慌てて否定しようとするが、言葉が出てこなかった。
972
:
ニコラ・エバーホワイト『プリティ・メイズ』
:2015/12/25(金) 03:29:50
>>971
「フフ。そう呼ばれるの、なんだか嬉しいデスネ。
ワタシの故郷、フィンランドの隣デスし」
助け起こすと、服の汚れを払ってあげる。
「荷物、ダイジョブデスカ?ケーキとか、入っていなければイイのデスが………」
ちらりとマイバッグに視線を移した。
973
:
立花『リンネ・ラジオ』『XTC』
:2015/12/25(金) 03:40:32
>>972
「う……すいません」
素直に助け起こされると、
恥ずかしさからか顔を赤くした少女は、一言だけ小さく謝った。
学校で先生をお母さんと呼んでしまったような……という気持ちが近いだろうか?
……ちょっと違うかもしれない。
「あっ、そうだ」
その言葉に、ハッとバッグに目を向ける。
慌ててしゃがみ、中を覗いて数秒硬直した。
「だ、大丈夫……」
少し声が震えているが、大丈夫の範疇らしい。
974
:
ニコラ・エバーホワイト『プリティ・メイズ』
:2015/12/26(土) 00:54:11
>>973
「オゥ……………」
思わず同情的な声が出た。
少し考えてから、ぽんと手を叩いた。
「チョト崩れたくらいなら、生クリームを買って、ナイフで一度崩れたクリームの部分を削いで、盛りなおす、いいデスよ。
家の人に手伝ってもらうと、一緒に作ってるみたいで、楽しいデス」
975
:
立花『リンネ・ラジオ』『XTC』
:2015/12/26(土) 01:13:05
>>974
「なるほど、あ、でもイチゴが……いや、これならまあ
……うん、大丈夫です」
少女は振り向き、そう繰り返した。
ニコラの助言に何か考えたようだが、やはり大丈夫だという結論に達したようだ。
「ええと、配達(?)の途中でしたよね。邪魔してしまってすいません」
少女は自分の膝を撫でながらそう言った。
冬ゆえの厚着で、肌が露出していないので擦り剥いてはいないが、ちょっと痛かったらしい。
それはそうと、その言葉は、建物の上を跳びまわる様子を見ていた。という告白も同義なのだが。
976
:
ニコラ・エバーホワイト『プリティ・メイズ』
:2015/12/26(土) 02:59:09
>>975
「ダイジョブ、デスヨ。もうほとんど終わって、休憩していたところ、デスから。
それに、ケーキほどデリケートなものじゃないデスし……。
足、怪我ない、デス?あるけるマスか?」
病院まで連れて行った方がいいだろうか…。
心配しつつ、人差し指を立てて口元にやる。
「それでその…ナイショでお願いシマス。ワタシ、臨時の先生してるデスが、今日はそれとは別にアルバイトで…」
977
:
立花『リンネ・ラジオ』『XTC』
:2015/12/26(土) 03:13:56
>>976
(あ、見てたことを言ってしまった、が……気にしてないみたいだしいいか。
『スタンド使い』だよな、多分)
「あ、ちょっと打っただけだから大丈夫ですよ」
少女はパッと膝から手を放すと、足の元気さをアピールするように
軽いキックを2〜3回繰り出した。
「先生なんですか……ええと、英語教師とか?
公務員はバイト禁止っていうのは聞きますけど、臨時でもそうなんですね。
別に誰にも言いませんよ」
978
:
ニコラ・エバーホワイト『プリティ・メイズ』
:2015/12/26(土) 03:38:48
>>977
「それなら、よかったデス」
子供らしい元気アピールに笑顔になる。
…跳ね回っていたことよりも、むしろ『アルバイト』のほうを気にしているあたり、天然なのかも知れない。
「ありがとうデス。
秋映で……近くの学校で、美術の講師をしてるデス。臨時講師は常勤講師なので………アルバイトがOKなのは、非常勤講師のほう、デスね。
あ……」
ふと、何かに気づいて空を見上げる。ちらり、と、ひとひらの白いものが舞い、立花の肩に落ちて溶ける。
「…降ってきたデスね。早く帰って、ケーキを待ってる人、安心させてあげるいいデス。
遅くなりマシたけど…………メリークリスマス」
コートのポケットに押し込んでいた三角帽子を、むぎゅっと立花の頭に被せた…深く被せすぎて、前が見えないくらいに。
「ホー、ホー!!」
取ろうと四苦八苦して、やっと取れたころには…『赤コート』の影は、もう遠くの屋根の上、だった。
979
:
立花『リンネ・ラジオ』『XTC』
:2015/12/26(土) 03:53:34
>>978
「美術の先生でしたか」
(確かに。美術とか音楽とかって臨時ってイメージあるな……
俺が中学高校の頃は普通に常勤の教師だったが……)
「ん? 雪か……」
落ちてくる雪に合わせて、てのひらを伸ばす。
手の中に落ちてきた雪は、かすかな冷たさと共に、一瞬で水に変わる。
(あの人はまだ帰ってないだろうけど……
確かにそろそろ帰らなくてはな)
「あ、はい、メリークリスマぷっ!?」
返事を返そうとしたところに、視界をさえぎられる。
ここまで深く被せられるとなると、おそらく大人用の帽子なのだろう。
小学生の頭には大きすぎた。
「やっと取れた……ってもう行ってしまったか。
この帽子は貰っていいのかな?」
赤い影を見送った少女は、白い息を吐いて帰路についた。
980
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/12/27(日) 04:09:40
新学期から高校生、葉鳥 穂風(はとりほふり)15歳。
そんな彼女は今何をしているのかというと。
キョロ ・・・
キョロ ・・・
(ゲーム屋さん……どこだろう。
そもそもこの町にあるのかな……
ゲームセンターとは、また違うんだよね。)
ゲーム屋を探しているのだ。
はた目にはキョロキョロしながら歩いているだけに見えるが。
・・・・片手には、スクールバッグ。
981
:
小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』
:2015/12/29(火) 01:12:49
>>980
(……なにかしら彼女。)
遠くから葉鳥を眺めるものがいる。
(スクールバッグ……学生?学校で見た覚えは無いけど。)
一応図書委員。
カウンター業務中に見かけた顔から該当者を探す。
次に今までの学校生活。
いない。見た覚えが無い。
いや、全学年の生徒を記憶しているわけではない。
そういうこともあるだろう。
(あんまり挙動不審だと補導とかされかねないわね。)
(私には関係ないことだけど、困っていそうな人を見捨てると)
(どこかの誰かと同じになりそう。)
そう思い、小鍛治は葉鳥に近づく。
「あなた、なにしてるのかしら。」
982
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/12/29(火) 01:22:05
>>981
「えっ、あ……」
「あの、私……ですか?」
キョトン
(な、なんだろう。
何か怪しい事、してたかな……)
穂風には声を掛けられる心当たりが無かった。
穂風にとっては、しっかりした目的がある行動だから。
・・・・ともかく。
「あ、あの。
ゲーム屋さんを、探してて。」
「この辺りに会ったような、気がするんです、けど……」
隠す事でもないし、穂風は聞いてみることにした。
983
:
小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』
:2015/12/29(火) 01:27:11
>>982
「えぇ、あなた以外に私が声をかけている相手はいないわ。」
艶やかな黒髪を揺らす。
「ゲーム屋、そう。」
「……多分、知ってるわ場所を。」
あごに手をあて、しばらく思案した後小鍛治はそう言った。
心当たりがある。ここからそう遠くないところだ。
「案内しましょうか?」
984
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/12/29(火) 01:32:01
>>983
「は、はい。そう、ですよね。」
コク
(なんだかクールな人、だな……)
頷く穂風。
実際、他にらしい人もいないのだ。
「あっ、ほ、本当ですかっ。
あの、案内……お願いしても、その、いいですか?」
穂風は喜色を浮かべて、お願いする。
(・・・・良い人、みたい。よかった。)
少なくとも時間を割いてくれる程度には。
985
:
小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』
:2015/12/29(火) 01:37:38
>>984
「嘘ついてどうするのよ。」
「いいわ。案内してあげる。私も散歩のついでだったし。」
そっけなく答える小鍛治。
さっさと歩き出した。着いて来るようにと態度が表している。
「あなた、随分嬉しそうだけど。」
「そんなに行きたかったのかしら。」
ゲーム屋へと至る道で小鍛治はそう質問した。
986
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/12/29(火) 01:43:09
>>985
「あ、ありがとうございます!」
ニコ‐
「そ、そうですよね。えへ……
嘘つく理由なんて、ないですね。」
トトト
小鍛冶の後ろを、離されないよう着いていく穂風。
スクールバッグは、しっかり握りしめる。
「あ、はい……
実は困ったことに、なって。」
「ゲームの、ソフトだけ、もらってしまって。
ハード……が、ないと、遊べない、から・……」
ト ト ト
後ろを歩きながら、答える穂風。
そもそも望まぬプレゼントだが……まあ、どうせだ。
「それで、ゲーム屋さんを、探してて……」
・・・・そういうことだ。
987
:
小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』
:2015/12/29(火) 01:50:45
>>986
「えぇ、そうよ。」
「嘘は信用も信頼も失うの。軽々しく口にするものでは無いわ。」
「うふふ。重々しく口にしても許さないけど。」
マイペースだ。
自分の理論。自分の哲学。
それを垂れ流しながら歩く。
相手が聞いているかなど気にしていないかのように。
「……お友達かなにかからのプレゼントかしら?」
「家族だったらどういうハード持っているか把握しているものですものね。」
疑問だ。
なぜ?持って無いハードを?
「着いたわよ。」
小鍛治が足を止める。
そこはゲーム屋の前だ。
内側からポスターをべたべたと貼っているせいで中の様子は分からない。
看板や店先に汚れている様子は無い。
きちんと客商売として気を遣っているのだろう。
「ところで何を貰ったのかしら?」
ゲーム屋の扉を開けながら小鍛治が問うた。
988
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/12/29(火) 01:59:41
>>987
「…………は、はい。」
(嘘はいけない……
そう、だよね。悪い事だ。)
コクリ
小鍛冶の言葉は、重く聞こえた。
穂風の首肯も、少しばかり、重々しい。
「あっ、ええと。
あの……サンタさん、からの、プレゼントで。
だから、持ってないって、知らなかったんだと……」
モゴ
穂風は大きい。
サンタを信じる年ごろではない。
・・・・が、サンタなのだ。
「あ――ここ、ですか。」
ゲーム屋の前。
開けてもらったドアをくぐる。
(うわ……ゲーム、たくさん……!)
キョロキョロ
――と、そこで問われた。
ゴソ
「これ、を……」
『わがものガールズおしゃれロード』。
穂風が鞄から取り出したのは、そういうゲームだった。
「お洒落がしたい、って、お願いしたら。
あの、このゲームがプレゼントされて……」
「……せっかく、なので。」
・・・・微妙な顔をする穂風。
穂風の服装はあまり上等ではない。
妙につぎはぎな、黒いマントのような外套。
布を裂いたような、同じく黒いリボン。
スクールバッグだけが、ぴかぴかだ。
989
:
小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』
:2015/12/29(火) 02:12:50
>>988
「うふふ。そう重くなくていいのよ。」
「あなたのゲーム屋に行きたいというのが、嘘じゃなければの話だけど。」
……
……
「サンタ。そう。いいわね。私のトコにはもう来ないのよ。」
「私は悪い子なのかしら?」
口元に手を当ててくすくすと笑っている。
冗談だろう。小鍛治自身、葉鳥が心からサンタを信じているとは思っていない。
「……随分とおかしなサンタさんね。」
「いえ、プレゼントをくれた相手を悪く言うつもりは無いのよ。ええ。
でも……いえ、やめましょう。受け取り方、考え方は人それぞれですもの。」
おしゃれがしたいと言われたらどうするだろうか、と小鍛治は考える。
(服を贈るわね。)
随分と現代的なサンタさんだ。宅配便でプレゼントを配送してきそうなほど。
「それのハードはここよ。」
小鍛治は特に質問をせずハードが並べられたコーナーまで案内する。
黒いロングスカートが揺れる。
小鍛治は白いシャツの上に黒いカーディガンを羽織っていた。アクセサリーの類は見つからない。
「ところであなた、お金は持ってきているわよね?」
「いえ、あなたを疑っているわけじゃないのよ。でも、そういうのあるでしょう?」
「なにさせるついでになあなあで別の欲求を飲ませる人。」
葉鳥の服装からそういう連想をしたわけでは決して無い。
しかし、少し怪しんでいる。
990
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/12/29(火) 02:21:02
>>989
「い、行きたいです。本当に。」
コク
・・・・
・・・・
「あの、ええと……
私も、そんなに、良い子じゃない、ですし。」
モゴ モゴ
(……どうだろう?
私、良い子なのかな……?)
胸は張れない。
けれど、自分が悪い事は、穂風は思わない。
「お金、高かった、から……
良い子じゃなくても、くれるんだと思います。」
コク
金で買ったサンタクロース。夢が無ければ、こんなものか。
ト ト ト
(良いな、お洋服……)
ハードの前へ。
「高っ……」
思ったより、高かった。
件の靴下で、穂風のお金はそんなにない。
「……あの、諦め、ます。
お金、足りないみたい、だから。」
お金が足りないのだ。
そこまでしてほしいものでもないし、諦めは早い。
借りる――そんなことはしない。
††† ††† ††† ††† ††† ††† ††† ††† †††
あッ!でも他人にお金を貸すとかはダメよ!
††† ††† ††† ††† ††† ††† ††† ††† †††
・・・・借りるのもダメだろう。
従僕ではない、だが、助言は聞き入れる。
991
:
小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』
:2015/12/29(火) 02:34:22
>>990
「お金?変な事を言うのね。」
「まぁ、いいわ。そういうこともあるわよね。」
噛みあっているのかいないのか分からないが、少なくとも小鍛治の中では会話になっているらしい。
「ええ高いわよ。今時のゲームなんてね。」
「私、あまりこういうのはしないけれど。」
ちらりと横目でハードたちを見るが、小鍛治はそこに価値を感じられない。
興味をあまり持てないでいた。
「そう。残念ね。」
「あれだけ楽しみにしていたのに可愛そう……だから私が―――なんて思わないわ。」
「私とあなたはついさっき会ったばかりだし。」
「いえ、たとえあなたが私の妹だったっとしても、お金で甘やかしたくは無いの。」
小鍛治は淡々と告げる。
もとより金を貸そうなどと言う思考は無い。
それは小鍛治にとって堕落の証明であるからだ。
「お金を貸すときはお金をあげると思って貸しなさい、そう言われたわ。」
「あげられないわ。あなたにも誰にも。」
少なくともそこまで信用できる相手が今の小鍛治にはいない。
「お金を稼ぐか親御さんにねだるかしなさい。」
「厳しいかもしれないけど、私が言えるのはそれだけよ。」
992
:
葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』
:2015/12/29(火) 02:44:13
>>991
穂風は元より、借りる気などない。
自立を是とする穂風には、そもそも金借りは気に合わない。
キョトン
「……え、あ、は、はい。
そう、ですよね。お金を貸すのは良くない、って。」
淡々とした釘刺しに、少しきょとんとして。
「教えて、もらいました。
だから、厳しくないと思います。
……あの。案内、ありがとうございました。」
ペコリ
それから、小さく頭を下げる穂風。
そして――
「では、また。」
「……」
(素直に、お洋服ってお願いしてればなぁ……)
トボ
トボ
一つ穂風は失敗した。
けれど、これからまだ、時間はいくらでもある。
・・・・背中をやや丸めて、店を去る。
993
:
小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』
:2015/12/29(火) 02:52:13
>>992
「ふうん。教えてもらったの。」
「いいじゃない。教えてくれた人を大切にするのよ。」
葉鳥を見送る小鍛治。
帰るのは小鍛治も同じだが、一緒に店を出ようとは思わなかった。
(……あの子、なんでスクールバッグだったのかしら。)
(聞きそびれたわ。)
別に何を買うわけでもない。
何の用も自分はこの店に無いのだ。
ぐるりと一周して見て回り、やはりここが自分の興味を引かない場所だと感じ、小鍛治は店を出る。
(……いたずらじゃなかったのよね。)
(少し、悪いことしたかしら。)
(今度会ったら謝ろうかしら。いえ……どんな言葉をかけるというの?)
(……)
心にもやがかかったような気分だ。
不思議な心持で小鍛治は帰っていった。
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