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【場】『湖畔』 その3
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日本有数の汽水湖、『H湖』に臨むロケーション。
H湖は北側は深く、南は遠浅。
ウナギ、カキ、スッポンの養殖が盛んな他、
マリンスポーツのメッカでもある。
『湖畔』は、『H湖県立自然公園』にも指定されている。
―┘ ┌┘ ◎
―┐ H湖 ┌┘ ┌┐ 住 宅 街
│ ┌┘ .┌ ..│... ‖
┐ │ ┌ ┌┘ ‖←メインストリート
│ │ ┌ │ ‖
┐ │ ┌ ┌.. 黄金原駅
│ └─┘┌― ┏ ━■■━ ━ ━
━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛ ‖←ネオンストリート
│ └―┐黄金港.. 繁 華 街
└┐ ┌――┘ 倉庫街
─────┘ └――――――――――――
前スレはこちら
【場】『湖畔』 その2
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1371219014/
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>>670
「えひ、強さを数字にすんのはインフレ一直線だろ……
漫画的に考えて……」
陰気に笑みつつ、集会所へ。
貼ったクエストは――
バ バ ン!
「んじゃ、このクソをひとつ……ウメハラばりに決めたってくれ……」
なんかウィルスで『極限』化した、超攻撃的な猿の化け物だ。
飯、アイテム、弾、万全で出発。
ブォォ ―― ・ ・ ・
勇ましい笛みたいな音とともに、クエスト開始だ。
ヒエダ レンヒメ
「ん……僕は稗田…………恋姫。
一応、黄金町の……ご当地アイドルっての、やってる。
闇商人とコネ出来たのはデカいな……えひ。スキャンダルが心配だが……」
ピコーン ピコーン
「お、GJ……僕のスタンドは箸より重いもん持てないくらい貧弱だからな……
精密なのはいいが、しょうじき僕がやった方がよっぽどましだろ……」
モンスターアイコンへと直行だ。
間違っても不用意に懐に飛び込んだりはしない。クリ距離を保つのだ。
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>>671
「ミー、アイドルと友達になっちゃったネー!
やったネ!『モット君』!」
『YOYO!』
『恋姫』が『モット君』のエリアに入ると、
頭部に『mott』と表示された鎧に身を固めた屈強な黒人が
牛の角を持つ猿人に、的確に攻撃を叩き込んできた。
敵の動きをフレーム単位で避け、直ぐに反撃、を繰り返す。
『蝶のように舞い、蜂のように刺す』――まるで『TAS』だ。
『チョォォレエェェ〜〜YOォ〜ッ! (カチャカチャ)
マフィー君、レンヒメチャン、”ビーム”来るYOォ。 (カタカタカタ)
もぉォ〜チョイで倒せッカラ』
「オッケーネ!箸が持てないなんて大変ネ!
ミーも日本に来たばっかの時、お箸をきちんと持てなくて大変だったネ!ハハハハ!
でも今は湯豆腐だってきちんとお箸で食べれるネ!」
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>>672
「えひひ、そんだけ喜んでくれるなら良かったよ……」
「ッと……」
エリアに入った。
……そこには目を疑う光景が繰り広げられていた。
「なんっ……だそれ……」
(うますぎぃ……
まじで……次元違うだろ、これ……)
半端じゃあない。
999なんて真っ先にチートを疑うランクだが……これは別の意味でチートだ。
「おk、避け……っと。」
カタカタ
流石にここで避けねば名が廃る。ビームを危なげなく回避だ。
「……スタンドにもいろいろいるよな……
ちな、僕はいまだに湯豆腐はボロボロになっちゃう……まあ、あんま食ったことないけど……」
なんだか情けないが、まあそんなものだ。
ともかく、一狩りの方は――そろそろ、収拾がつきそうだ。
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>>673
――ズオォァッ
キィンッ グシャッ
画面狭しと暴れまわる猿人。
しかし『mott』は臆する事なく果敢に飛び込む。
『マフィー君』と『恋姫』も的確にダメージを蓄積させていき、
「ウオォォオォォ――ン…!!」
【クエストを達成しました】
画面の中の猿人が断末魔を挙げ、地に伏せた。
『リベンジ』は果たされた。
「やッたネェェ――――ッ!
流石ネェ―――ッ!イエーーーイッ!!!!」
『YO!YO!チョイロイッスワ!!』
嬉しいし恋姫さんとハイタッチとかしておこう。
やったぜ!!
「次はどのクエストを…って!
ああ!ミーそろそろ『そろばん塾』の時間ネ!!
恋姫!せっかくだしフレコ交換して欲しいネ!
そしたらいつでも皆で『モン』できるネ!そしたらミーもユーもモット君もハッピー!」
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>>674
【クエストを達成しました】
ガタッ!!
「キタコレ!!」
パァン
ハイタッチを交わす恋姫。
そしてお待ちかねの素材タイム(ゴミしか出なかった)を経て。
「じゃあ、次は――
……あ、塾か。大変だなお前も……」
分かれの時間へ。
「……えひ。フレコか……
リアルで交換すんのめちゃ久しぶりだわ……いいよ。やろう……」
だが、現代とはかくも素晴らしいもので、数字さえ教えれば、距離なんて関係ないのだ。
つつがなくフレコ交換を済ませた。
「……んじゃ、また集会場で会おうや……えひ、ハンター的に考えてな。」
そういうと、恋姫は再びベンチに座り、小さく手を振ってからソロプレイに入った。
ハンターの別れに言葉は無粋なのだ……
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>>675
「なんてたって今年は『闇そろばん塾』とのバトルがあるからネ!
それじゃあミーはそろばん塾に行ってくるネ!」
テコテコ テコテコ
駅の方向へダッシュ、ダッシュ。
くるりと振り向いて、
「モンのアレだけじゃなくて、
他にも一緒にいっぱいいっぱいゲームするネー!」
去っていった。
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「………あ、暑い」
予想外の暑さの中、『西』が辿り着いたのは『湖畔』だった。
月末の財布は夜逃げ後のおんぼろ部屋のようにすっからかんであり、
水分補給しようにもジュース一本買えない惨状だ。
そんな『西』にとって『湖畔』の水面はまさにオアシス!
しかし問題は――――
「………飲めるの? これ」
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>>677
プカ
プカ
ふと湖畔を見ると、水面に赤いお皿のようなものが浮かんでいた。
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>>678
「………あれは?」
ゴミか? いや、脱水症状が見せる幻の類か?
『西』は目を凝らしてその正体を確かめようとする。
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>>679
プカ
プカ
皿のようなものは、丸い。丸くて赤い。
円盤ではなく真ん中が凹んでいるあたりが皿の一種っぽい。
大きさは30cmくらいだろうか。
それ以上のことは見た目からはわからない。
ゴポ・・・
波でも立ったのか、皿に水が入っていく。
皿のようなものは、西が手を伸ばしても少し届かない距離にある。
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>>680
「………
………
………あれを使えば、文明的に水が飲める?」
少しずつ朦朧とする思考の中、『西』はあらぬ事を考え出していた。
このまま手を用いて、『湖水』を飲めばただの野蛮人。
しかし『皿』に入れば、それは『飲み物』………いやもはや『スープ』だ。
つまり、あの『皿』さえ手に入れれば、誰にも咎められずに
優雅に『水分補給』が可能になるという事だ。
「………よし」
幸いここは大自然に囲まれた場所。
少し手の届かないくらいならば、適当な『木の枝』を拾って
それを用いて手繰り寄せれば、問題なくあの『皿』をGET出来るだろう。
『西』は無我夢中で上記の行動に移った。
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>>681
ポキッ
周囲の木の枝を折る西。
もし木に精霊が宿っていれば恨めしげな目で見られていたことだろう。
ゴポゴポ
そうこうしているうちに皿にどんどん水が流れ込んでいく。
これはもう沈んでしまうか。と思ったのだが、意外なことに皿が沈む前に枝で手繰り寄せることが出来た。
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>>682
「………へッへッへッ」
一瞬ヒヤリとしたが首尾よく皿を手に入れる事が出来たので、思わず笑みが零れる。
慎重に『皿』を手繰り寄せ、まずは手に取る。
何事もなければ、それで水を掬ってみよう。
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>>683
皿は朱塗りの、結構高級そうな綺麗なものだった。
だが中身は金属製なのか、わりと重い。
水を掬うまでもなく水没寸前だった気がするのだが、
気がつくと皿はカラッポだった。
ザブゥ
それはそれとして水を掬った。
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>>684
「………?」
何か奇妙な感じを受けた。水が―――カラッポ?
「………まァ、私には関係ない事ね」
しかし『西』は無視した。そんな瑣末事に構っていられる余裕は
今の『西』にはこれっぽちも無いのだ。
「………………」
しかし………流石の『西』もすぐには飲まない。
僅かに残った理性で、『濁り』とかそういうのをよく確認し、
それが『飲めるか』、『飲めないか』を判別してみる(匂いも嗅ごう)。
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>>685
コポ
水を見つめる西。
ごく浅い部分から掬ったためかにごりはそんなにない。
上澄みというべきだろうか。
見知らぬ人間に水道水ですと言って渡せば騙せそうな気さえしてくる。
でもにおいはちょっと臭いような気もする。
コポ コポ
ゴポ……
しかし水は皿の底に穴でも開いているかのうように、西の目の前で消えてしまった。
暑さが見せた蜃気楼だったのだろうか……
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>>686
「………
!?
………」
水が―――
命を繋ぐ生命のスープが―――
消 え た ! ?
『西』は慌ててもう一度、『皿』で『湖水』を掬ってみる。
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>>687
ザブッ
再度、水を掬ってみる。
今度は勢いよく掬ったせいか、ちょっとにごっている。
さらに藻っぽいものがくっついてる。
ゴポポ……
やはり水は消えてしまう。
皿に穴など開いていないのに。
干からびた藻だけが残った。
「んもォ〜。なんだよぉ〜〜」
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>>688
「こっちがなんだよ! だよォ!!」
もう『三点リーダー×3』など、使っている余裕はなかった。
砂漠のように乾く『皿』を前に、『西』はただただ怒りの雄たけびをあげた。
声がした方を反射的に睨む。藻だけ食ってろって言うのか?
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>>689
「えッ、なに……こわい」
『こわ』
西が女性がしてはいけない表情を向けると、
前に会ったことがある者達がいた。
大柄な女性型スタンドは片手に、西の持っている皿と同じものを持っている。
西は能力を知らないからわからないのは当然だが、
画面の前のお友達にはバレバレでしたね?
「えーと」
『にし』
「にしさん。
……ですよね。なにやってるンですかぁ〜?
怒ってるの?」
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>>690
「………ハッ!」
西の顔色が憤怒の赤から、後悔の青に一瞬にして変化する。
灰羽のスタンド『アクエリアス』―――西は彼女が大好きなのだ。
「………はわわわ!
………怒って、怒ってませんよォ、
………おひさしぶり! 『アクエリアス』!」
西はあたふたと自らのショルダーバッグを漁り、『高級海苔』を取り出した。
(しばらく入れ放しだったから賞味期限が切れているかもしれない)。
「………ど、ど、どうぞ」
『アクエリアス』に向かって、海苔を差し出す『西』。
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>>691
『ウ、ウヴァ』
『アクエリアス』も腰を折って両手で妙にうやうやしく海苔を受け取る。
しなしなした海苔を名刺交換のように受け渡す光景を見て、
少女の方は2人を交互に見た。
「えっ、なにこの……なに?」
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>>692
「………しょ、
………『暑中見舞い』?」
飼い主である少女(『灰羽』)にとりあえず思いついた言葉を口にする『西』。
「………ああ、それと、
………お願いがひとつ。
………水を、飲み物を、何か、ください」
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>>693
「そ、そーですか……」
モサ・・・モサ・・・
パリパリしていない海苔を食べる『アクエリアス』は、草食動物めいていた。
困惑している灰羽と違ってどこか満足気なので別にしおしおでも構わないのだろう。
「アッハイ」
そっと差し出されるペットボトル。
ペットボトルホルダーに入ったそれは、冷たさを維持していた。
この少女は能力の関係上、常にペットボトルをいくつか持ち歩いているのだ。
こうして西の水を求める旅は終わったのだった……
(中身はポカリスエットだった)
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>>694
高級海苔を食べる『アクエリアス』を恍惚とした表情で見守る西。
(一方的に)積もる思いもあるが―――
「………どうも……!」
今は水分補給が最優先事項だ。『灰羽』からもぎ取るように
ペットボトルを受け取り、ゴクゴクとこれを飲み干す『西』。
これにて『西』の冒険はついに終幕を迎える―――
この後、『西』は『アクエリアス』にやたらと絡んで、
『灰羽』をドン引きさせる行為を繰り返し、
気が済んだところでおもむろに帰路に着くのだろう。
その描写もしたいところだが、瞼はすでに酷く重い。
今日のところはここで、この場は締められる事になるだろう。
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>>695
「ペットボトルが軽くなったなァ」
『アクエリアス』と遊んで喉が渇いた西は
ペットボトル二本目(カフェオレ)も飲み干したのだった(捏造)
「ところでお前、なんであんなに好かれてるのォォ〜……?」
『ウッガー……?』
なぜ西は湖畔なんかに来てしまったのか、
なにか用事があったのか、暑さで意識が朦朧としてたどり着いただけだったのか。
それは謎のまま、彼女達は別れを告げ、帰路へついたのだった。
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――6月某日、午後。快晴。
一人の少女が湖畔沿いの公園の一角に立っている。
年の頃は10歳ほどだろうか。
頭に三角巾を被り、左の頬に大きな絆創膏を貼り付けている。
「……」
少女は傍らに置かれたキャリーバッグの中から一本の『雨傘』を取り出した。
どういうわけか快晴にもかかわらずその場で傘を開こうとしている。
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>>697
ザ ァァァーーーーーー
「…………」
「ふむふむ」
「なるほど」
「これはなかなか便利そうね」
少女は満足気に呟くと、開いていた『雨傘』を閉じた。
ァァァーーーーーー …… ………………
「うまいつかい方を思いつけば」
「『大儲け』できそうなにおいがするわ」
そして、表面に付着した『雨だれ』を振り払い、
雲ひとつない青空の下を、どこかに歩き去っていった。
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「生えてきた足を馴染ませるために歩いてきたけど」
黄金町、森の奥深くのどこか。
「遠くまで来すぎたな」
「正直遭難したぞ。能力で帰ろう」
スタンドを発現、『ダイヤルを回す』。
※次にレスする人は、詳細を読んで荒咬が『どこに移動するか』をレスの秒数下一桁で決め、URLを指定してください。
1レスのみで構いません。お気軽にどうぞ。
『ザップ』能力詳細
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1311712763/564
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>>699
ギュリリリリリリリリ
『 ZAP!! 』
『フッ』
★次回の荒咬『ザップ』は!★
【ミ】『フリー・ミッションスレッド その3』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1408044499/
「…………えっ、えっ……!?」
「い、今。今、人が……」
《……お嬢様? 如何なさいましたか。》
「……な、何も……」
(き、気のせい……? あっ、は、早く配達しなきゃ。)
タタタッ
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>>700
次なる移動先は――
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1408044499/410-
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「ここが『自然公園』……うーん、いまどこだ、現在地が、ここだろ」
公園の入り口の案内図を見てブツブツ言ってる男がいる。
手には、コンビニだかどこかで買ってきたと思しき街のガイドマップ。
見るからに『この街に初めて来た人』だ。
こいつは初心者臭がプンプンするぜ〜ェ!!
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「さっきから思い出せねェんだけど、これはアレだ、えーと、アレ」
湖畔をブラブラと歩きながら、ぶつぶつと独り言を言っている。
「西遊記の、名前呼ばれて吸い込まれる……なんだったっけかな、ばしょうせん、じゃなくて」
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>>702-703
「ぬわっ…!」
近くから驚いた声が聞こえてきた。
何やらただごとではなさそうな少女の悲鳴だ!
バシッ!
同時に何かを弾く音がそこから響く。
「ふぅー…回避にも慣れてきたもんです…
この調子なら、全部災難を回避できそうです…」
そこには、安堵の表情を浮かべている学校の制服を着た少女の姿がある。
頭頂部に2本の毛が飛び出しており、前髪は赤いメッシュが入っている。スタイルも良さそうだ。
…そして彼女の傍らには…『女性軍人』のような人型のヴィジョンが浮かび上がっているのが視えるだろう
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>>702-703(ヤマ)
クルクル
クルクル〜〜〜 …… ピタァッ
銀髪長身痩躯の男が回転しながら現れた。
「フォッフォッフォッ……そこな地球人、なにやらお困りですかな?」
>>704(朱鷺宮)
「むっ、なにやらどこかで聞いた事のある女性の悲鳴です」
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>>704
「こんなまっぴるまから悲鳴?!」
物音と悲鳴に慌てて、そちらに走り寄り、
「?!!!!」
目をゴシゴシと擦る。もう一回擦る。
女子高生と、なんか横に『居る』?
「ええと、そこの。お嬢ちゃん。大丈夫? なんか悲鳴が聞こえたんだけども」
何が大丈夫かわからんけどつい、少女に声をかけてしまった。
横の『何か』は見なかったことにする、見えてない、見えてない。
>>705
「名前呼ばれると吸い込まれる西遊記のアレってなんだっけ?」
聞かれて返事してから、回転して出てきた銀髪の人をじっくり見た。
「さらに人が増えた!!」
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>>706(ヤマ)
「…あっ、もしかして今のは人に聞かれてしまったのでは…!」
自分に駆け寄ってくる人を見て、驚いた表情で彼の顔を見る。
「だ、大丈夫ですよ!ぎりぎりでかわせたのでこのとおり無傷です、はい。」
そう言って両手を振ってみせる。
ちなみにスタイルでわかりにくいものの、彼女は中学生である。
>>705(ロイドパ)
「…むっ?あの姿は…たしかどこかで…」
そう言って近くにいるロイドに顔を向ける…
「あああ!あなたは!」
そう言ってロイドを失礼にも指差した。
「春にあの神社で首をグルンって回したりしてた
変な人!たしか…名前は…」
そう言って必死で思い出そうとしている。
インパクトのせいで名前をうっかり忘れてしまったのだろうか?
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>>706(ヤマ)
君は男をじっくりと見た。だいたい↓こんな外見の男↓だ。
ttp://goldenrectangle.cswiki.jp/index.php?%E3%83%8C%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%91%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E3%80%8E%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%AD%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%80%8F
「名前呼ばれると吸い込まれる西遊記のアレ・……
ネットワークに接続……検索システム起動」 チュイン チキチキチキ……
仰々しい言葉とともに機械的な動きで、ガラケーを取り出して操作し始める。
ピッポッパッ
「名称:紅葫蘆(べにひさご)……
呼びかけた相手が返事をすると中に吸い込んで溶かしてしまう瓢箪。
西遊記に登場する兄弟魔王、金角・銀角が所有する5つの宝具の1つ。」 チキチキチキチキ……
「……と書いてあります。」 チュィン……ピピッ
>>707(朱鷺宮)
ヤマとともに朱鷺宮に近寄る。
「私の名前は
地球の発音では、『ヌ・ロイドパ・スバルト』と
申し上げるのが正しいでしょうか。
略してロイドと呼ばれる事が多いですね。」 ピピッ……
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>>707
最近の女子中学生は何と育っていることよ…!
申し訳ありません地の文で土下座させていただきますッ(スサッ)
「いや、それじゃなくて! え、何なの、流行ってンのかよ、『これ』。
道端で出会った女の子が連れてるぐらい『普通』って事か?!すげェなこの街……」
>>708
宇宙人だ!
これはもう宇宙人だというしかないほどの宇宙人オーラを感じる!
宇宙人だ!ラピュタは本当にあったんだ!
「それだ!というかそんな名前だったのか!俺はまず金角・銀角の名前すら思い出せなかったぜ!
ありがとう、宇宙人ぽい人!」
ガシっと宇宙人ぽい人の手を握り、ついでに女子中学生の手も握り
「俺はヤマだ、最近引っ越してきたんだよ、よろしくなお二人さん!
……あれ、引っ越してきたんだよな? テンションおかしいまま、何故か刺青屋まで行っちまったしな……?」
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>>708(ロイド)
「あ、そうでしたね…
えーっと、じゃあロイドさんと呼ぶことにします。はい。」
そう言って軽く頭を下げた。
ちなみに涙音はスタンドを出しっぱなしだ。
(しかし…さっきからなんか、変な音が聞こえるような…)
「しかし、地球の発音…ですか。
もしかして出身は…」
そう言ってロイドの顔を見る。
「……月だったりするんですか?」
冗談のつもりなのだろう。恐らく。
>>709(ヤマ)
見間違えるのも恐らく無理は無いだろう。
それくらいスタイルいいからである。
それはともかく。
「流行ってる…これ?」
と、視線を自分のスタンド『フォートレス・アンダー・シージ』に向ける。
「…さっき妙に驚いた表情してると思ってましたけど…
私のが『視える』ということは…アナタも何か『そういう』能力を持っていると?」
スタンドはスタンド使いにしか見えない…ならばと、少し真面目そうな顔で尋ねてみる
と、腕をいきなり握られて戸惑う
「あ、はい…えっと…刺青屋…って私と『同じ』所で力を手に入れたってことですか…?」
-
>>709(ヤマ)
ヤマに手を握られる宇宙人。
その右手の甲に『M45』、左手の甲に『∈M⊃』の刺青が刻まれているのが見えた……。
「フォッフォッフォッ……
我が惑星クレンダスの科学力をもってすればこの程度たやすいものでございます。」 チチチチチチー……
「個体名:ヤマ……登録完了。」 チキチキチキチキ……
>>710(朱鷺宮)
「月、あんな矮小な星と一緒にしないでいただきたいッ!」 ピピッ……
「お二方……その刺青屋とは『TA2 You』……というところではないでしょうか」 ピピキキキキッッ……
「実は私もそこでお世話になっておりまして……」 ピポッ……
男の右手の甲に『M45』、左手の甲に『∈M⊃』の刺青が刻まれているのが見えた。
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>>710
「そうそう、それそれ!多分そこの店!そして俺のは『これ』と!」
何だ、これは『普通』の事なのか。ヤマは盛大な勘違いをしたまま、『猫』を彼女に渡す。
うむ、女学生に猫とか最強の組み合わせだな。
「そーかそーか、なんかわからんうちにえらい事が起こってるかと思ったんだが
いやあ、『普通』か。『普通』なら慌てる事もねえな!!」
>>711
「おっと、あと『これ』だ。確か『酒』が出せるんだよ。
えーと、ヌ?ヌロイド?さん、どうだいお近づきの印に」
宇宙人には『人型』で『ビール管』を渡した。
いえね、他意とかないんですよ、だってまだ自分のスタンド能力とかわかんねえんですよ。
『酒』が無尽蔵に出せるんだなとかふんわり考えているのですよ!
とりあえずなら、ビールだよね?
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>>711(ロイド)
「は、ああすいません…ちょっと、ひどいこと言ってしまったでしょうか?」
怒られたことにちょっとビビる涙音。
「…って、惑星クレンダス…?聞いたことない名前ですね…」
「あ、そう言えばそういう名前だった…と思います。
『TA2 You』…ん?」
普通に答えてみたが、同時にロイドの両手の甲に刻まれた刺青に視線が向く。
「これは…つまりアナタも『スタンド使い』になっているということですか?」
知る人が見ればその刺青は普通の刺青ではないとわかる。
涙音はそれを見て、なんとなくスタンド使いなのだろうと考えたのだ。
>>712(ヤマ)
「刺青を彫ってもらったというわけですか…おっと…?」
少し感心していた彼女に手渡されたのは…『猫』であった。
「結構…可愛らしいですね…
これがアナタの『スタンド』ということですか?」
触れるのはきっとそういうふうにしてあるのだろう。
そう考えながら、彼女のスタンドも猫をなで始める。
「ふ、普通…何でしょうかね。
確かに私の知り合いにもスタンド使いは結構いますけど…」
どうなんだろう…とちょっと悩んだ顔をしているようだ。
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>>712(ヤマ)
「ほほぅ……私、実は栄養価の高いものが大好きでありまして……」 チチチチッ……
「『ビール』……アルコール飲料の一種。
主に大麦を発芽させた麦芽(デンプンが酵素(アミラーゼ)で糖化している)を、
ビール酵母でアルコール発酵させて作る製法が一般的である。」 チキチキチキチキ……
カシュッ……ビール缶を開ける。
「水分のほか、炭水化物、ビタミン、ミネラルが含まれており、その栄養価は……」 ピピピピピッ……
ビール缶に口をつける。
>>713(朱鷺宮)
「スタンド使い……我が惑星における『Sの力』の使い手ですね。」 チチチピピピ……
「厳密には、スタンド使いという呼称は正しくなく
我が船体は我が惑星クレンダスにおける超科学技術の集大成であり……」 ピーコーピピピピ……
滔々と語り始めた。
-
>>713(朱鷺宮)
「へえ?『スタンド使い』っていうのか、お嬢ちゃんは物知りだな」
自分の左腕の『髑髏と酒瓶』の図案をしげしげと見る。
「『これ』が、どうやったら『猫』と『酒』になったんだ?いやあ……世の中わかんないことだらけだな、おい」
あと女子学生と猫の組み合わせになごなごとしているよ。
でもどうなんだろうっていう悩んだ顔に、少し顔を引き締めた。
(楽しい事ばかりでも、ないって感じだなァ……?)
>>714(ロイド)
「水分のほか、炭水化物、ビタミン、ミネラルが含まれており、その栄養価は……」 ピピピピピッ…… ヒュッ
「そうか、よくわかんねェーけど、イケる口だな、よーしどんどん出……あ? わーーー!!!!」
いきなり、景色が変わった。暗い空間の中だった。足元がじっとりと濡れている。
強烈なアルコール臭が、鼻腔いっぱいに広がる。
■ろいと゛は ひ゛ーるかんの なかに いる!
「そういやなんか言われてたああああ、すまんすまんスマーンッ!!!」
ビール缶を慌てて逆さにしたり降ったりした。それはもう激しくシェイク。
-
>>714(ロイド)
「…うーん、何だか神社でもそんなふうなことを言った…気がしますが…
要するにアナタの星にも『スタンド使い』が居るということで…?」
どうも信じがたい話に涙音は感じているようだ。
(…虚言癖…だったら凄いけど…)
でも変な音を発したり、首が変な方向にねじれたりと目撃しているため
冗談とも思えないようだ。
「んん…?スタンド使いじゃなくて…科学技術の集大成?
…つまりあなたはやっぱりロボットか、アンドロイドというわけですか?」
そう言って改めて彼の姿を注意深く見る。
人間にしか見えない…ように見える。
>>715(ロイド)
「まぁ、色々とスタンド使いの先輩の方々に出会いましたので…
ある程度は知識を持ってますよ。」
ちょっと自慢気に答える。
「さぁ…どうしてでしょうねえ。スタンドは自分の分身のようなものと聞いていますが…
きっと何か関係があるんじゃないでしょうかね?」
猫を撫でつつも、自分のスタンドを改めて確認する。
「ちなみに私は鳩尾にターゲットスコープの刺青が彫ってあります。」
さすがに男には見せられないので口頭で説明した。
と、同時にふと、ロイドの方に顔を向けた瞬間
「え!?なんですいまの!?」
突然ロイドがビール缶の中へと吸い込まれた!
「なんで吸い込まれたんですかこれ!?
缶の中にさっきの…え!?あなたのスタンド能力ですか?
それともロイドさんのですか!?」
パニクっている
-
>>715(ヤマ)
「その栄養価は……」 ピピピピピッ……
>■ろいと゛は ひ゛ーるかんの なかに いる!
「その栄養価は……?」 チチチチチッ……
「おや……? ここは……っ!?そして、この匂いはッ……!?」 チキチキチキチキ……
>ビール缶を慌てて逆さにしたり降ったりした。それはもう激しくシェイク。
「重力異常を確認……前後!前後!前後!前後!前後!前後!」 ピピピピピピ……
「おのれ、地球人め!
卑劣な罠を仕掛けるとは!卑怯なり!であえ!であえ!」 チーチキチキチキチキキ……
「『パッケージ・フロム・ホーム』!」 シャコシャコシャコシャコン……
『パッケージ・フロム・ホーム』により、全身をタイル化。とても硬くなってシェイク運動に耐える。
>>716(朱鷺宮)
銀髪の男はビール缶の中に吸い込まれていった!
「タスケテー!」
甲高い声が聞こえるかもしれない。
-
>>716(朱鷺宮)
>>717(ロイド)
「なんで吸い込まれたんですかこれ!?
缶の中にさっきの…え!?あなたのスタンド能力ですか?
それともロイドさんのですか!?」
「タスケテー!」
「あああああワザとじゃないんだマジでスマンーッ!!!
ひらけゴマ、じゃなくて、開けっていうっていうか本当スマンうああああああ」
横から女の子に詰め寄られ、缶の中に宇宙人を吸い込んでしまい、
半ばパニックになりつつも、数秒後にスタンドを解除した。
数秒後、そこには開放された元気なロイドの姿が!!
■ヤマは と゛け゛さを している
ところでこの状況でとても台詞を言ってる余裕がないのですが、鳩尾に、そのゥ…刺青が?
とてもロマンですね(彼は真顔で書き終えた)
-
>>717(ロイド)
「ろ、ロイドさぁぁぁぁん!!」
ビール缶の中から聞こえた声に反応する!
これはまさしく中に人がいる状態!
「えっと、どうなってるんですかこれ!
つーかどうやって出すんですかこれ!」
涙音はしばらくその様子を見守っていた。
>>718(ヤマ)
「ハッ!?飛び出した…
ふう…どうやら…だいじょうぶだったみたいですね…」
ふう、とひと安心した表情でロイドの元気な?様子を確認した。
「と、とりあえず無事なら大丈夫ですよ。
…今のがあなたのスタンド能力ですか…?」
ヤマに視線を向ける。
「…缶の中に人を吸い込む…ですか。」
-
>>718(ヤマ)>>719(朱鷺宮)
>数秒後、そこには開放された元気なロイドの姿が!!
……シュポーン!
開放された。
開放されたロイドの全身は黒色のタイルで覆われている。とっても硬そうだ。
「おのれ忌まわしき地球人!
この太陽系第三惑星!衛星1つしかない星!直径12,700km!」(彼なりの侮蔑の言葉)
「くらえ必殺ロイドパンチ!ロイドアッパー!ロイドキック!」 シュシュシュシュシュ……
出られたことに気付いてないのか、なんかシャドーボクシングをしている。
「フォッフォッフォッ……!」
-
>>720(ロイド)
黒くて硬そうで(酒に)濡れてるんですか?なんて立派な!
「スマンカッタ、スマンカッタ、反省してますこの通り」
ポケットから出したよれよれのハンカチで彼をゴシゴシとこすり、
朱鷺宮の腕にいた『猫』をそっとロイドに押し付けて、ひたすらにぺこぺこと謝り続けた。
肉球で全人類幸せになあれ。マジですいませんでした。
でもちゃっかりビール缶は確保しておいた。
(→ヌ・ロイドパ・スバルト『ザ・ラジエータ・フロム・スペース』入りビール缶ゲット)
>>719(朱鷺宮)
「…缶の中に人を吸い込む…ですか。」
「う、ううん、多分それ、そんな感じ、かな?あと『猫』が出るみたいな?
すまん、初心者なんでよくわかってない、危害を加えるつもりじゃなかったんだよなあ……」
警戒されてしまったような気がして残念だ。
『スタンド使い』にも詳しそうだし、感じのいい女の子だったので少々しょんぼりする。
もうちょっと次回は挽回したいものです。
二人に迷惑をかけてしまったことを詫びていると、ヤマはそろそろ退散の時間なことに気がついた。
「うわ、そういや部屋に引越しの荷物が来るんだ!すまねえ、このお詫びは今度会えた時に返す!
それじゃあ、『またな』!」
→ヤマ『ブラッド・オア・ウイスキー』 退散
-
>>720(ロイド)
「ロイドさん!見事な帰還です!」
そう言って駆け寄ろうとして…
彼の全身が黒いタイルで覆われているのに気づく
「えー、あ、なるほど…
あなたの能力はその固そうな身体…ですか?」
とりあえずシャドーボクシングしているので危なそうだと思い
ちょっと離れた位置から話しかけている。
>>721(ヤマ)
「うーん、まあはじめのうちはそんなものですよ。
能力がわからずに思わず…
でもこれから頑張ればいいんです!」
一応励ましたつもりである。
「わかりました。
じゃあ引っ越し終わったら…またあいましょうか。じゃあ!」
そう言って手を振り見送っていった
「…名前聞いてなかった…かも」
-
>>721(ヤマ)
「自慢のボディがビショビショです……!」 ピコピコピコピー!!
「星をあげての謝罪と賠償を要求します……!」 ピピッピピッ!!
「あっ、待て待て待て……!」 カシャカシャカシャコン
『パッケージ・フロム・ホーム』を解除して追っていくが……全身硬化を解除しながらの動きなので、多分追いつけない。
>>722(朱鷺宮)
「あっ、待て待て待て……!」 カシャカシャカシャコン
男の全身を覆う黒いタイルが反転して、元の身体に戻りながら、ヤマを追っていく……。
追いつけるかは微妙な速度だ。それでも追っていく……。
-
>>723
「…多分あのスピードでは追いつけないかもしれませんが…
まぁ、そのままにしておきますか。」
そうつぶやいて、涙音はまたため息を付いた。
「とりあえず…今日はもう災難はありません…よね?」
その場から去る時に、ちょっと辺りを警戒していたようである。
-
湖畔の側に赤毛の男がいた。
長い髪、長いひげ、ハット、袖のないシャツ、汚れたズボン、ぼろぼろの革靴。
ベルトに紐でくくりつけたランタン、腕の刺青。
不審者。
彼を見た人間はそう考えるかもしれない。
しかし、そんなことは彼にとって些細なことだ。
少なくとも、今の状況に比べれば。
「ここ草は食えるのか…?」
最近、何も食べていない。
-
>>725
「…草はダメだ。」
「今しがた、踏んだからな…」
ぶつぶつといいながらどこかへ消えていった……
-
<ガオンッ>
-
ガサ
ガサ
木陰で何かが動いている。
ヒュー
パサッ
そして何か布のようなものが風に煽られ、少し飛んで地面に落ちた。
-
>>728
「フ」
「フッ」
「ホ」
定期的な吸う、吐くのリズムを脳内に刻みながらランニングを行う。
休日には体力面の機能を損なわない為に普段はよくやってるんだが
随分と久しぶりな気がする…。
> ヒュー
パサッ
「ん?」
布、ビニール袋。何だろうか?
その木陰へと近づき布のようなものが落ちた場所へ近づいていく。
-
>>729
布へ近づいてよく見てみる。
この形……これは、そう、スカートだ……。
ガササ
木陰が揺れた。
よく見ると、そばには靴が揃えて置いてあり、その上に紺色の靴下がだらしなく乗っていた。
-
>>730
「?」
手に取ってよく近づけて見る。 ―スカート?
「一体 何故……」
> ガササ
そして木陰の揺れる音。 一応警戒の為に十歩ほど距離を主原音のする場所と反対に下がる。
「すみません、誰が居るんでしょうか?」
揃えられた靴と紺色の靴下。そして地面に転がったスカート……。
(……?)
疑問に思いつつ声を掛けた反応を待つ。
-
>>731
ガサッ
ガサガサッ
ピタ……
声をかける。
するとひときわ大きく音を立てたかと思うと、少しの間あたりは静寂に包まれる。
そうしてから、警戒する小動物のように、そーっと木陰の向こうの人物が、
巣穴から周囲をうかがうプレーリードッグのように、顔だけを覗かせた。
「ふぁいっ……
あれ? あ、なんだ。誰かと思ったら……ええと、どうかしましたァ?」
知り合いだった。
-
>>732
>「ふぁいっ……
あれ? あ、なんだ。誰かと思ったら……ええと、どうかしましたァ?」
「……灰羽さん?」
木陰から覗かせた顔、そして上る声。
僕はその声を知ってる。灰羽 あと。かつて別の通路で知り合い
ミスコンでも再会をして短い談笑を取り持ったのは記憶に新しい。
……しかし
「……君、本物の灰羽 あとさん?」
軽く体勢を何時でも動かせるように足取りも調整しつつスカートは片手に
握りつつも何時でも投げれるように指先にかけながら尋ねる。
-
>>733
「えっ何?
なんですかァ〜? 急に? ホンモノって?」
『灰羽あと』は驚いたのか、眉根を寄せて不安そうな顔をした。
「……あれ? それ私のスカートォ……
え? どういう状況?」
さらに警戒したのか出した顔をスススっと半分引っ込める。
困惑しているせいもあるだろうが、質問に質問で返すあたりテストでいい点とれるタイプではなかった。
-
>>734
質問を質問で返すな――!!
とは言わない。別に後藤は手フェチの殺人鬼ではない(近い性質は備わっているが)
「僕が僕なりに思考して、本物の灰羽 あとさんなら『アクエリアス』の
スタンドを備えてる。それに関わらず君の備品なのか装飾品であったものか
不明ながらスカートだけが飛んでいる……。つまり最悪
本物の灰羽 あとさんは既に何者かに危害を加えられており
別スタンド使いが灰羽 あとさんに成り替わろうと服装を着替えてる時に
運悪くスカートだけが飛んでいった……」
と、真面目に淡々と推理を述べていき。
「……と、半ば真剣に考えたけど。流石にそれは被害妄想の域だね……
本当にどうしたの灰羽さん?
言うに言えない事情なら別に詳しく聞かないけどさ
着替えるならもっとこう、人の目に付かなくてなるべく安全な
場所でしたほうがいいよ? ランニングしてる人の通路にスカートが
運悪く飛んでくるとか、そう言った事が起きるから、さ」
そう、苦笑をまじえて灰羽に拾った経緯を告げ交えて
スカートを手に掲げ歩み寄る。
先ほどまでの警戒していた空気は消失している。
-
>>735
「え〜、私そんなに『アクエリアス』出してる印象ありますー?」
そんなもんめちゃくちゃあるが、実際、持続:Bなので、
四六時中出してるというわけにもいかない。多分自室とか授業中は出してない。
まあ後藤と会った時は少なくとも毎回出していたわけだし、
セットと思われても仕方ないのかもしれなかった。
「なるほどォ
スカートがそっちに飛んでってしまいましたというわけですか。
いやぁ。他に着替えるとこがなくって」
灰羽はそのまま木陰から出てくる。
まだ上半身は脱いでいないらしく、ボタンがいくつか外れたブラウスを着ている。
下半身は……スカートは当然無い。ブラウスの隙間から覗く紺色のそれは、よく見るとミスコンで着ていた水着だった。
-
>>736
>半身は脱いでいないらしく、ボタンがいくつか外れたブラウスを着ている。
下半身は……スカートは当然無い。ブラウスの隙間から覗く紺色のそれは、よく見るとミスコンで着ていた水着だった。
「……素朴な疑問で、多分別に言わなくてもいい事だと思うんだが」
後藤はその姿に決して色目や下品な事を考える事なく、ただ純粋に疑問に思って聞いた。
「なんでまた湖畔の茂みで着替える事に?
別に近くにある公園でも良かったんじゃないかい?」
そう、そこだけが不思議であった。
ミスコンの水着である事は別に疑問はない。季節は夏だし湖畔で少し
開放的に泳ぎたかったとか、そう言う考えが生じても不思議でないと後藤は
人間観察と現在の時節、総合的な計算で生じる幾つかの回答から水着な事は置いておく。
ただただ着替えを何故この場所でするべきなのかが不思議だった。
そんなに湖畔の湖にすぐ泳ぎたくて仕方がなかったのだろうか? いや、確かに気温は
暑いかも知れないが……。
後藤は疑問いっぱいの顔で灰羽にスカートを渡す。
灰羽あとは確かに一般的に可愛い養子であり、その姿も男性層の何人かには欲情や特殊な性癖に
共感しえるのかも知れないが後藤には何もその姿に対し思う事はなかった。
ただ考えるのは、何故この場所で着替えるのか? その問題点だけだ。
-
>>737
義父さん……?>養子
「えっ」
こちらも公式を忘れた数学問題を前にしたような顔でスカートを受け取った。
「だって……近かったから……」
消え入るような声で少女は言葉を返した。
後藤のような理知的な男性にはわからないかもしれないが、
深く考えないで行動する人間というものはいるものである。
強いて理由を(後付で)考えるならば、少し離れた場所で着替えると
水着で移動するのが恥ずかしいとかそういうことは思いつく。
-
>>738( (´・ω・`) 養子→容姿の間違いです。本当すいません……)
>「だって……近かったから……」
・・・・・・・
何とも言えない気まずい空気が数秒間、独特のスタンド文字が張り付けられた
男と少し乱れた服装の少女の周囲で過った。
「ごほん」
その空気を発散させようと言うようにわざとらしく後藤は咳をする。
「まぁ……暑いからね、段々と異常気象と地球温暖化が進んで困るよね本当。
ところで話は変わるけど、灰羽さんはミスコンにも出てたけど
将来は女優とか目指してたりするの? 僕は一応数学を主題とした教授となるのを
目指して勉強中なんだけどさ……」
と、話を強引に変えた。少なくとも、先ほどまでの空気を残すのは
良くないと後藤の中では1+1が2になるのが当然なのと等しい論証が頭にあった。
-
>>739
「ほへぇー。教授。って大学の先生ですよね?
つまりかなりすごい。すごく……頭いい」
話題は簡単に変わった。
少女の語彙は乏しいらしかった。
「いええ……なんだか『アクエリアス』が興味を持っちゃっテ、
それで出ただけなので。
私は……私は将来は、うーん、吸血鬼とかになりたいですかねェ」
少女はもうパッと見て女優に向いている風には見えなかった。
そもそもミスコンでも演技とかしていない。
これで女優になりたいとか言い出したら、
いつまでも芽が出ないで生活費を稼ぐのにバイトでもしてる未来がありありと予想できた。
吸血鬼になってるほうがまだありえそうではある。
-
>>740
>私は……私は将来は、うーん、
吸血鬼とかになりたいですかねェ
・・・ザァァ
―静寂が その単語を灰羽が響き終えると同時に湖畔へ木霊(こだま)した。
人あたりの良い笑顔を浮かべていた後藤の表情 それは解けるように表情を消えて
能面のような顔、そして僅かに目を見開き灰羽あとを見つめる。
「――『吸血鬼』?」
―この時点で彼女が冗談 妄想 詭弁や比喩的な意味でその単語を使用する確率……
吸血鬼
異能
スタンド 物質化スタンド
「灰羽さん」
「――『吸血鬼になる方法』が……『実在』するのかい?
そんな……人間を超えた、人間の知覚を超えた『生命体』が」
気づけば、後藤は灰羽と同じ目線の位置に移動して、目を輝かせるようにして聞いていた。
その顔にあるのは 人間を超えた生き物になりたい と言う欲望でない。
『探求心』 ―人智を超えた領域の生命体が居るのなら、その『知覚』を『知りたい』
そう、ありありと好奇心を隠さず灰羽に聞いていた。
-
>>741
「ウェェ?
いえ、私も実際に『見た』ことは無いんですけど。
『なる』ための道具なら見た事ありますよ。
それがホンモノ、なのかは……私はホンモノと信じてますけど」
少女は迫力に気圧されたのか、後退りしながら答える。
「後藤さんはぁ……『どこ』で『スタンド使い』になりました?」
-
>>742
>後藤さんはぁ……『どこ』で『スタンド使い』になりました?
「うんっ …僕は刺青屋で刺青師に……」
『どこ』で
「……ひょっとして、他の『スタンド使い』にしてくれる場所に
『吸血鬼』になる為の『道具』か『スタンド』を保管または所有してるのかい?」
短い質疑だが、それでも理解出来る事は存在する。
灰羽あとは、ミスコンでも水着でウォーキングで歩行してたが……その時
『刺青』は見る限りなかった。
だからといって彼女が刺青師の場所でスタンドの力を得たわけでは無いと
決定付けてたわけでもなかったが、この様子だとどうやら刺青屋と異なる
経緯で彼女はスタンド使いになり、それによって其処で『吸血鬼』に
なる方法を知ったのだろう。
そして、刺青屋では『刺青』がスタンドの力を得る為の『道具』だった。
ならば『吸血鬼』になる為にも特殊な『道具』または其の『スタンド』が
あっても不思議ではない。
「灰羽さん、君は何を知ったんだ……?
君は……君はそして『吸血鬼』になったらどうするつもりで……」
後藤は灰羽に困惑した顔つきになって聞く。
後藤にとって『吸血鬼』とはついさっきまで空想上の怪物、例え現に目にしても
スタンド能力の産物で出来たものであろうと解釈に至るのが関の山だった。
だが、灰羽との出会いにより、こうして『吸血鬼』と言う自分の狭い視野から
外れた未知なる存在が見え始めている。それに僅かに興奮と驚愕を覚えつつ
灰羽に聞く。『吸血鬼』と言う、本来なら恐ろしいモンスターであり
日を恐れて血を啜る怪物である存在になろうとする目的、そして本心をだ。
-
>>743
「刺青屋さん、ですかー。他の人からも聞いたことあるような、ないような。ドーだったっけ。
私はカフェ……『Slayground』ってところでした。
『矢』みたいな『虫』というか、なんかよくわかんないものに射されて『スタンド使い』になったんですけど〜……
そこでその時見たのが『石で出来た仮面』でした。あれが、吸血鬼になるための道具なんだと思います」
灰羽はジェスチャーを交えて話す。
ジェスチャー自体からは何も伝わらなかったが。
「私が吸血鬼になったら、ですか?
吸血鬼になったらー……日光を浴びても大丈夫になる方法とか、
吸血しなくてもいいような方法とかそういうのを探しますね」
魔法の力を手に入れたら? 魔法の研究をする。
みたいな返答ではあるが、それはある意味、より高みを目指しているとも言えた。
-
>>744
> 吸血鬼になったらー……日光を浴びても大丈夫になる方法とか、
吸血しなくてもいいような方法とかそういうのを探しますね
「……そう、上手くいくかな」
後藤は、微笑む事を失敗したような顔つきで呟く。それは考えた故の
発言ではなく、どちらかと言えば思ったことがついで出たと言う感じのトーンだ。
「っあ、いや。僕なりの考えで、気に障ったら申し訳ないけど。
その『石仮面』……それが仮に吸血鬼になる為の道具だとしてだよ。
吸血鬼と言うのは様々な伝承があるから仮定でしか物を言えないけど。
…つまり、『吸血鬼』になると言う事は『人間を止める』
君の思う通り肉体の年齢も止まる事になるだろうし、普通の人間を超えた
超人的な力は手に入れる。けど、その代わり君は社会的な生き方はほぼ
送る事が不可能になるだろうし、最悪おとぎ話や映画のように吸血衝動に
耐えれず人間を殺害する事もありえる。いや、それ以上に『石仮面』と言う
代物の性質が悪ければ、かぶって吸血鬼になった時点で君と言う今の『灰羽あと』
と言う人格が消失してしまう事もある」
後藤は仮定である事も踏まえた上で最悪の可能性を提示する。
それでも灰羽は『吸血鬼』になろうと考えて生きてるのか? 後藤は
灰羽と言う存在に今、これほど『ダーツ(ザ・パラダイム・シフト)』を
刺したいと言う衝動に駆り立てられた事は以前には無かった。
・・・・
知りたい
彼女が『吸血鬼』になろうとする。その覚悟の『知覚』を。
そして彼女が『吸血鬼』になって、一体どういう『知覚』を芽生えるのかを。
一瞬両手が痙攣するの自分自身の知覚を後藤は感じながら灰羽の返事を待った。
-
>>745
「吸血だとか、そういうのはいつかなんとかする、としても
人格がしょーしつ? したら困りますね……
よく考えたらそこらへん、詳しくは知らなかったし、
聞いてみよっかなぁ〜。『試験』突破したのに後からそういうの判明したら損だし。
でも『皇帝』さんに聞くのはちょっと怖いなぁー……」
灰羽は後藤の言葉に、何か悩み始めた。
『アクエリアス』も出していない今、隙だらけだ。
「別に絶対吸血鬼じゃなきゃ駄目ってわけじゃないんだし、
『珪晶の仮面』が私にも被れたらよかったのにナー」
-
>>746
「……」
―ヒュン
灰羽の呟きを聞きながら、後藤は彼女の知らぬ間に両手の中へと
忍ばせていたダーツを『消失』させた。
…焦る必要はない。
まだ現段階で『灰羽あと』との関係に罅を入れる訳にはいかない。
あの時(※サラダミッションの事)失敗した理由は理論上問題ないと
認識した上でスタンドを行使しようとした事。そして水留ココロの前例もある
後藤は鉛のように冷え切った思考の中でシミュレーションを描いていく。
『ザ・パラダイム・シフト』を 変革を起こすには 機と奇を含む数式が必要である。
後藤 成明は人間を一つの実験的な意味合いで反応テストを確かめるモルモットと
同等の認識しかしてない。冷徹な観測者 そう聞けば最悪な印象しか持たざるをえない。
代わりに、後藤 成明は観測以外に対し危害を加える必要性が限りなく
自身の『利益』に将来的にも不可知な反応が及ぶと知れば行為に赴く事はない。
だからこそ後藤は今の時点で灰羽にダーツは打ち込まない。
いつか いつか。その『いつか』を知る為に彼の中では忙しなく脳内に数式が渦巻いている。
「…『珪晶の仮面』? それも、『石仮面』と同等のものなのかい?」
また新しい単語に後藤は首を傾げた。そして、灰羽の呟きに口を挟む。
「あぁ……仮に、人格に影響が『石仮面』が及ぶと仮定してだよ。
以前、僕のスタンドの事は説明したよね? 僕の『ザ・パラダイム・シフト』
であれば『人格』を保つ事は出来るよ……もし、『石仮面』を被る機会に
恵まれたら僕に連絡してよ……出来る限りの力にはなる」
この言葉は真実。後藤にとって普通の人間か吸血鬼になる。と言う未知の
知覚反応が起きる場をお目に掛かれるなら、それこそ本望だ。
(『吸血鬼』……『ヨハネスブルグ』と、面白くなってきた)
-
>>747
「『珪晶の仮面』はかぶると珪素生命になれるっていうやつです。
こっちはスタンド能力で作られたものですけど……
いや、『石仮面』もスタンド能力で作られたものかもしれないけど。
まあ、未完成だったので、どっちにしろ使えないんですけどォ」
それは人の欲望を叶える能力によって作られた『仮面』だった。
欲望が叶った時に『完成』する。
ということは、叶った後で完成するわけで。
まあ、そもそも本体にしか使えないらしいが。
「へー……後藤さんの……エーと、なんか刺すんでしたっけ〜?
今少し、組織の方が忙しいみたいなので、いつになるかはわからないですけど……
じゃあその時になったらお願いするかもなのでよろしく頼みます」
灰羽はうんうんと頷きながら返事を返した。
-
>>748
「うん、よろしく頼むよ」
返答しつつ二つの異なる『仮面』について想像を巡らす。
珪素生命、石仮面、吸血鬼にさせるスタンド。
どれも現段階では情報が足りない。そして スタンド能力である限り
万能であるものでは無い。損失と利益の相互関係が背後には存在してるだろう。
それでも、後藤は知りたい。『吸血鬼』と言う存在。
20年を経て普通の人間として今まで客観的に自分を 他者を観察してきた
後藤にとって。いま正に願ったりの『観察対象』が近い内に見る事が叶いそうなのだから。
「……そろそろ泳ぎたいよね?
僕も水着があれば泳ぎたいけどランニングの途中なんだ。それじゃあ、また」
片手をあげて、走り去る。灰羽との会話は小休憩に適した。ランニングの
走行も最初に走り始めたのと同じくスピードは淀みない。
( dz = dx + i dy
z1, z2 ∈ H
Ⅽ=ⅭU{∞} ・・・)
欲望は後藤にもある。酷く それは歪つで共感しえない後藤はソレを
『人間』を演じながら誰にも悟れぬように生き続ける。人間の定理を 考えながら
-
>>749
「おお、そぉういえば着替えの途中でした。
では、頑張ってくださいー」
話していてすっかり忘れていたららしい。
少女は、後藤を見送ったのち、服を脱いで湖に入った。
そして、数時間後、タオルを持ってきていなかったので、
仕方なく濡れたまま服を着て、奇異の目で見られながら家に帰ったのだった。
-
湖畔公園。湖のそばに座り込み、何をするでもなく、ただ湖面を眺める――
そんな彼女の称号は、『黄金小町』。
「……こがね、こまち……」
「…………黄金小町なのよね。私。」
ミスコンを終えて、わけがわからなくて、ひとしきり泣いた。
観客席で自分の名前を叫んでくれた人がいた。
……ありがとう、って言いたいけれど、喉がつかえて叫び返せなかった。
メールアドレスは知ってるけれど、なんだか、此方から連絡するのも……
こんど、テレビ撮影に呼ばれるらしい。
審査員の一人と語り明かすらしい。
(……ど、ど、ど、ど…………どう、しましょう……私、どうしたらいいのかしら……)
(な……ナンパとか……されるんじゃないかしら?
お、襲われたり……ひ、ひぃ……しゅ、集団に……だ、だって夕飯になってしまったわ。その上テレビにも……)
(ね、狙われたりすんじゃあ……人身売買とか……………そ、そこまでは、無いわよね、ええ……)
…………多くの人に『好意』を抱かれている、という事実は、少なからずココロの精神を楽にした。
が、その代わりに、あらぬ魔の手を妄想してしまう。
キョロキョロ
意味もなく辺りを見渡す……
-
>>751
周囲を見渡す『ココロ』。
「プッはぁぁ〜〜〜ッ。
キっまるぅぅぅぅぅぅ!!」
眼鏡を掛けたOL風の容貌の女が芝の上に胡座をかき、
甲類焼酎を瓶ごと煽っていた。
「…?」
目があった。
-
>>752
キョロ
キョロ
……ピタ
目が合った。
「……あっ、ど、どうも……」
ペコ
軽く挨拶と、会釈だけしておく。
……目が合っただけだし。
(ふ、不審な女だと、思われたかしら……??)
(それにしても……お、お酒よね、あれ。
こ、こんな、真昼間から……い、いいえ、別に自由だわ、ええ。)
(……か、か、絡まれたり、しないわよね……
し、しないわよ、そんなこと、きっと……
お、お酒を飲んでるだけなのに失礼だわ……)
内心、心配事の種は増えていく。
まあ、この手の想像はたいてい杞憂に終わるものだ……
「……」
(で、でも……こちらから話しかけたようなものだわ。
な、なにか、話題を……お、お天気とか?
……い、いいえ、考え過ぎだわ。きっと何事もないわ……)
-
>>753
「ヒクッ」
酒気を帯びているせいで分かりづらいが、
黒髪眼鏡の女はキツメだが美人といえる顔立ちをしていた。
「おぉす。こんちは」
ゆらぁと立ち上がり、
安物の甲類焼酎の酒瓶片手にココロへと近づく。
「… あるぇ?
お前、どっかで見たことあるんらけどぉ。
何処よ?直接会ったワケじゃねえんらけど、
どーっかでみたことあるような。もしかして芸能人?」
-
>>754
現実とは悪い方向へ行きがちなものだ。
ビクッ
(ち、近づいてくるわ……ど、どうしましょう。
に、に、逃げるなんてのは、し……失礼、よね、ええ。)
「あ、え、ええ……うふふ。
こ、こんにちは。今日はいい天気ね、ええ。」
無意味に天気に言及したのは焦りから。
ちなみに……何とも言えない空模様だ。
(……ど、どうしましょう……)
「げ、芸能人、とかじゃあ……ないわ。
た、ただ、テレビは、その、何度か……」
これはウソではない。
チャンネルGというローカル局の番組に、二度ほど出た。
一度目は『川下り』。
そして――
「だ、だから、そこで、見たのかもしれないわ……
語、語、ごめんなさい、なんだか自慢みたいだけれど……」
ごく最近の、ミスコン。
どっかの部活が主催だったやつで、チャンネルGが放送していた(はず。)
-
>>755
「天気?」
「ギャハハハハッ。
曇りじゃねーか!!何言ってんの!!」
グビィィッ
豪快に笑い、更に酒を煽る。
その様はまるで『山賊』だ。
「やっぱりィィ、テレビ出てたよなァ ヒクッ
それもつい最近のォ ヒクッ
ああッ!
『ココロ』!あの、なんとかって所の『ミスコン』出て、
優勝掻っ攫っていた『水溜ココロ』!それよ!そうそうそれっ!」
「あぁ〜〜〜、スッキリした」
「私寝転びながらアレみてたけど、
オタク、なんつぅかさァーすげぇロックだったぜ!!!
弾いてたのはピアノだったけど!!
いやァ〜、本当良いもの見せてもらったぜ!!ギャハハハハ!!
んで、そっちはこんな所で何してんの?」
-
>>756
「そ、そうね、曇りだわ……ご、ごめんなさい。」
シオ……
(ご、豪快だわ……
く、曇りだって、悪い天気じゃあないわよ、ええ。)
まあ言うほどいい天気ではないのは確かだ。
豪快な相手に反比例するように、ココロは縮こまる。
・ ・ ・さらに。
「あ、え、ええ、そ……そう、よ。
私が、その、み、水溜……水溜ココロ、だわ。」
「し、知っていてくれてありがとう……
ろ、ロック、かは、分からないけれど……」
(ど、どう、どうしましょう……!
な、なん……なんだか、む、むず痒いわ……!!)
ほめそやされるのは不慣れだ。
……ともかく。
「わ、私は……別に、なにも……
ただ、ここにいるだけだわ。ご、ごめんなさい、つまらなくて……」
「……あ、貴女はなんで、こんなところでお酒を……?」
(き、聞いちゃまずいことだったかしら……)
なんとなく気になった。
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>>757
「バァカ!
人の存在に詰まるもつまらねえもねえッての、
んなくだらねェ事で ヒクッ 謝ってたら損だぜ損!」
「よッと」
膝下のスーツスカートを履いているにも関わらず、
芝の上に腰を下ろし胡座をかいた。
「アタシ?
アタシがなんでこんな所で酒煽ってるかって? ヒクッ
そりゃあオメー、アタシが『ヒトデナシ』だからよ。
さっきからアタシ態度悪ィけど、これ全部酒の力だからな。
社会生活の中で抑制された自我を? オエッ
アルコールの力を借りて、解き放っているっていうの?
自分で言ってて情けなくなるなッギャハッ!」
ごろん
「あー!どーよ?最高にダサくね?どう思うよ水溜ココロさん?」
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>>758
「そ、損……?
そういうもの、かしら……そ、そういうもの、なのかも……」
(わ、私だって存在がつまらないとまでは、思っていないもの。
……な、なんて。こんなこと思ってるだけじゃダメってことよね、ええ。)
(そ、それにしたって豪快だわ。
わ、私しかいないとはいえ……)
大丈夫なのだろうか……?
ココロはあえて見たりはしないが……
「ひ、人でなしだなんて、そんな……
だ、誰だって、抑制とかは、あると思うわ……」
(ね、寝転がった……)
「わ、私なんかが、言うのは、だけれど……
だ、ダサいとか、じゃあ……ないと思うわ……」
(け、けれど、少し……だ、だらしない?
こんな風に思うのってし、失礼だとは、思うけれど……)
やや言葉を選ぶ。
ひとでなしとか、ダサいとかは思わない、が……
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>>759
「へェーッ」
「こんな酔っぱらいの相手もしてくれる上に、
自分の考えを面と向かって言うなんざ、
気弱なナリしてるくせにやるじゃん。
流石は『あの』水溜ココロだわなギャハッ!(パンパン)」
何がおかしいのかわからないが、手を叩き戯けてみせる。
手に持っていた安物の焼酎瓶はとうに空っぽだ。
「あの水溜ココロをさ、
アタシみてーなバカ女のキャッチボールの壁代わりに使うなんざ
烏滸がましいなんて、重々承知之助だけどよ。まあ聞いてくれよ」
ごろん
寝転んだまま肩肘を付き、
長身の少女に対し酒気を帯びた笑みを向ける。
頭を支えるその右手の甲には『★』の刺青が掘られている。
「なあんもねえんだよ、アタシ。
テメーを誇れるモンが何一つねえ。
今の仕事だって嫌いじゃねーけど、何となくでこなしてる。
心の底から男を愛した事もねえし、多分これからも無い。
それに、こぉんなくだらねえ悩みを相談できる深い仲のダチもいねえ。
空っぽよ。空っぽ。凡夫だわ。
アタシみてーな『空っぽ』この世の中には腐る程居るんだろーが、
アイツらこの残酷な世界でどーやって生きてるんだろうな?
アタシは『空っぽ』な自分がダセェと思うし、たまらなく辛いわ。
だからこーやって真昼間から酒を煽って、逃げてるワケ」
「なァ」
「ワケわかんねえ事言ってるのは酔っぱらいでもわかるけど、
アタシみてえなのが、この残酷な世界で生きていくにはどうすればいいと思う?」
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>>760
「そ、そんな……」
(私なんて大したものじゃあ……な、なんて。
そんなこと言ったらかえって失礼になるのかしら……?)
「……!」
(い、刺青……っ。
と、ということは、この人も……なの?)
「わ、私……私でよければ、は、話は、聞けるわ。」
考えることはある。
けれど、今は話を聞くことにした。
・ ・ ・壁を任されたなら、せめて壁らしく、返さなくては。
「……」
「………」
だが、聞いてみて。
それは――難しいことだと思った。それでも、答えなくては。
「ご……ごめん、なさい……
それは、分からない……わ。け、けど。けれど……」
「……わ、わ……私にはピアノがある。
それと同じように、だ、誰でも……打ち込めるものは、あるだろうから……」
「それを、探すのが……いい、と、思うわ。
……ごっ、ごめんなさい、上から目線のアドバイスで……」
しかし、本心だった。
何事も誇れないなら、誇れるものを作るしかないのだ。
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>>761
「……」
ココロなりに考えに考えぬいて表に出した言葉。
茶化したり相槌を入れたりする事もなく、ただ黙って聞く。
「……」
「『それがあれば』ッてやつ、だな。
『それがあれば』何とだって戦える、ってゆー。
オーケー、オーケー。言いたいことわかった。
おめーは『ピアノ』があるからこの世界にしがみつけている、だよな?
頭ウーンウーン捻って出してくれた答えだ。
きっと、そーいう事なんだろうなぁ…。
いや他の人間は頭ごなしに否定するかもしんねーけど、
少なくともアンタ、それにアタシにとっちゃあ正解だな。
こぉんな酔っぱらい相手に真摯に対応してくれたんだ。間違っててたまるかよ。なぁ?」
ゾ
ォ
ォ
――z___
寝転んだまま、自らの分身である『異能』を発現する。
『異能』はデッサン用の人形を連想させる女性的な細身のフォルムで、
目・鼻などの顔面を構成するパーツは一切存在せず、
何重にも折り重なる『星形多角形』の模様が施された四肢と、
肩まで掛かる艶やかな毛髪以外、これといった特徴はない。
良く言えば『シンプル』、悪く言えば『無個性』な容貌のスタンドだった――。
「『打ち込む』なァ。
ああ、いや『そーゆー』意味じゃねえってのはわかってるんだが、
ボクシングでも始めようかなァ。
スポーツジムの『サンドバッグ』に打ち込むってのはどうよ?」
勿論、『ココロ』が『スタンド使い』である事など知る由もない。
この場で『アスタロト』を発現した事にさしたる意味はない。
ただ自らが持つ数少ない『個性』を改めて確認しておきたかった、それだけだ。
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>>762
「え、ええ……」
(わ、私にできることは、ピアノくらいしかない……
けれど、ピアノは……皆に認めてもらえているもの。)
「友達が、いてくれることも……あるかもしれないわ。
けれど、それも、ピ、ピアノのおかげ……なことが、多いし……」
(で、でも……でも、本当に正解なのかしら……
な、なにも、何もないままでも、生きていく方法……)
結局のところ――今のココロは『持てる者』だ。
自分には自信がないし、ピアノくらいしかないというのも本心だが……
本当に何もない者の気持ちは、分からない。
ゾ
ォ
ォ
――z___
「……ひっ……」
(や、やっぱり……スタンド使いだわ。
け、け、けど、なんで? なんで今……!?)
(な、殴られる……とか、そういう雰囲気ではないわね……
あ、あたりまえよ、いきなり殴るなんてするわけないじゃない……どれだけ失礼なの私……)
「あ、そ、そ、そう……ね。
か、かっ……身体を動かすのは、け、健康にもいいし……」
焦りながら回答するが、視線はあからさまにスタンドへ。
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>>763
「あぁぁ?」
何故か狼狽えるココロ、
その視線が明らかに自らの幻像に向けられている事に気付いた。
「えっ、あァ嘘だろお前ェ
ギャハハッ!
『コレ』見えてんのかよォ。
ウッソだろォ、なァおい。
他の連中に言っても気違いみたいに扱われたから、
アタシの気が狂ってるだけかと思ったけど」
「見えてるのか!」
「すっげー。
これ何なんだろうな?」
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>>764
(ご、ごまかしても仕方ないわよね、ええ……
……こ、怖い人ってわけじゃあ、ないみたいだし……)
「え、ええ。
見えている……わ。」
「ちゃ、ちゃんと。本当によ。嘘じゃあないわ。」
やはりこの町にはスタンド使いが多い。
ココロも数十人は知っている……善悪問わず……
それにしても。
「えっ……」
(こ、この人……スタンドを、知らないの?
な、な、なんで……? 刺青を入れていたわ、それなら……)
「な、何って……す、スタンド能力じゃないの……?」
「ご、ごめんなさい、も、もっと深い話……かしら……
わ、私も、スタンドが一体何なのか、とかは……む、難しいわ……」
「せ、精神の表れとか……聞いたことはあるけれど……」
ココロも、正解は知らない。
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>>765
「スタンド?」
聞き覚えのない単語に思わず眉を顰める。
そして値踏みするような目を自身の幻影に向ける。
「スタンド…ねぇぇ。
はァ〜…『スタンド』ぉ…
確かに【立ち阻む者(stand)】ッて感じだがヨ」
スゥン
『アスタロト』を解除。
「そーだよな。
もう既に面倒くせー話振っちまったもんな。
アタシとおめー初対面だってのにな。
今日はもうこれ以上、面倒臭い話はなしッ!売り切れッ!完売ッ!
――おしまいっ!」
「けどさ」
「アタシの頭がイカれてたワケじゃなかったのなぁ。
はぁぁぁ〜〜…!!ホッとしたわマジ!!」
芝から立ち上がり、
「それじゃあそろそろ帰るわ。
今日はなんか悪ィな『水溜ココロ』」
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>>766
「そ、そう……スタンド。スタンド能力。
……い、言ってくれないこともあるのかしら……??」
(た、立ちふさがる……?
い、いいえ、彼女はそう思ったんだし、それであってるわ。)
疑問は残る。
が……まあ、これ以上踏み込むのもあれだ。
「あっ、い、いいえ、面倒だなんて、そんなこと……
と、とても、大切な話だったと思うわ……」
(め、面倒がってる顔してたかしら、私……)
立ち上がったのを目で追う。
そして。
「あ……さ、さようなら。
わ、悪くなんてないわ。気にしないでちょうだい……」
ココロは、ここに残る。
……人と話して、少しは被害妄想も治まった。
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>>767
「【鬼柳礼音(キリューアヤネ】。
アタシの名前、忘れてもいいぜ。
所詮、路肩の石だからな」
ヒラヒラ
手を振り、去っていった。
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ガタガタガタ
部屋から持ってきた折りたたみの小さなパイプ椅子とガタガタのテーブルを道端に置いて、
その上に紙コップやつまみ等を置いている。
横でなぜか肩に猫を載せたスタンドが、バーテンダーよろしく酒瓶を振っている。
「『蟻酒』……ダメだこりゃ。人間より小さい物は無理だな」
卓を用意したあと、スタンドの隣で別な酒瓶をしげしげと見ていた男は、中身を地面に開けた。
近くで見ていれば酒がこぼれるより前に、小さな蟻がそこから落ちたのがわかるだろう。
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>>769
試行錯誤するヤマの隣に折り畳み椅子を設置して平然と声をかける者が現れた。
支子色のショートヘアを首元まで伸ばした和服姿の男性だ。
金貨時計のネックレスをしており、琥珀色の瞳が肩に猫を乗せたスタンドに視線を送っている。
「こんにちは。もしかして、スタンドを使える方ですか?」
特にスタンドが肩に乗せた黒猫に視線を向けている。
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