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【場】『H“E”Il 2 YOU』【ミ】
1
:
『黄金町へようこそ!』
:2014/01/24(金) 00:27:46
さあさあ、何事にも初めての一歩というモノはあるものです。
勇気を出して踏み出してみましょう。恐れることはございません。
Hail to You
ようこそ、『黄金の日々』へ。あなたに幸有らんことを!
※本スレッドは『スタンド供与直後のPC』の稼働用スレッドです。
初回稼働に限り、本スレッドを使用しても構いません。
スタンドをもらったばかりのPCで親交を深めるもよいですし、
稼働していれば、イベントが起きるかもしれません!
937
:
高井戸リルカ『アングラガルド』
:2015/04/30(木) 00:38:20
>>936
「ふむふむ…
ありがとねなの!
おにーちゃん、なの!」
どうやらしっかり警察署の場所を覚えたようだ。
「す、たんど…『あんぐら』ちゃんのことなの?
…たしかになの。こわしちゃうくらいつよいから、
あのこがおそとにでてるとあぶないよねなの」
…どうやらその説明で納得したらしい。
物を壊したら迷惑。そう判断したようだ!
「じゃあねなの!
しんせつなおにーちゃん!
わたし、なまえは『リルカ』なのー!」
そう言って警察署の方向へ行こうとしたが…
振り返って…
「おかーさんとおとーさんはね、
『じごく』にいるから、もしね、『じごく』にいけるようになったら
みせてあげる、なの!」
そこまで言ってから、ようやく立ち去っていった。
――後日のニュース
=========
先日発生した、殺人事件の続報です。
一緒に暮らしていた10歳の女の子が行方しれずになっていましたが、
夕方、黄金町警察署にて保護したとのことです。
署員が聴取を行ったところ、
「挨拶のつもりで叩いたら動かなくなった。
ごめんなさい。あやまるからおじさんとおばさんを治してあげて」
と答えており、殺人現場を間近で見たことによる
ショックで精神に異常が起こったと見られ――――
938
:
カグチ『アヴァドン』
:2015/04/30(木) 00:54:52
>>937
「僕の名前は三島由紀夫だよ」
あの少女が『自首』しても良し。
自首しなくても、この場から離れるだけでセーフだ。
適当な偽名を名乗ってお茶を濁し、去りゆく少女の背中を見送る。
「全く、警察は何をやっているんだ。
ったく、これだから――――」
「これだから、この町に来てしまう……!」
『殺人』は忌むべき行為だ。
スタンド使いは『恐ろしい』存在だ。
だが、『脅威』や『恐怖』からは『逃げればいい』。
少なくとも、カグチという男はそうやって生きてきた。
「『地獄』に落ちる時は、まだまだ先だよ」
ヒビの入ったラジオを拾い上げ、その場を後にした。
939
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/05/14(木) 22:55:21
時は夕暮れ、場所はS川の河川敷。
犬の散歩をする者、ランニングをする者、ナンパに励む者。
周辺を通りがかる誰もが、鋭くも柔らかいトランペットの音色を聞くだろう。
「(いいぞ……良い感覚だ。新たな力が湧いてくる)」
「(やはり、刺青を入れたのは正解だった……『呼吸』の質が全く違う!)」
音の主は一人の学生。
赤みの強い茶髪をオールバックにした、長身の少年。
なんのことはない、河川敷にトランペットの練習をしに来たのだ。
刺青を丹田に刻んで以来、演奏の調子は絶好調。今ならどんな難しい曲だって演奏できる気がした。
940
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/05/14(木) 23:10:44
>>939
「熱い〜…どうしよう、クソ暑い…」
気だるそうな顔で河川敷を歩き続けている
学生服を着込んだ少女。
そんな中…
「…ん?何なのこの音?」
近くから聞こえてくるのはトランペットの音。
しかもその音は音楽家のそれを思わせる。
「ここで演奏会でもしてるのかな?」
とりあえず音のした方へと歩いてみる。
941
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/05/14(木) 23:28:31
>>940
音の方へ歩いていくと、トランペットを演奏する少年(といっても明らかに君より年上だ)を見つけるだろう。
学生服と背格好から察するに、高校生なのは間違いない。
『楽譜』をあしらった柄の制服……この制服の改造ぶりからすれば、『秋映学園』の生徒ではないだろうか?
音の主はキミに気づく風でもなく、ひたすらに演奏に熱中している。
アップテンポで鋭くリズムを刻む、情熱的な演奏だ。
どのぐらいの時間そうしているのか、玉のような汗を流し、全身を使っての演奏。
特徴的なのは、その『呼吸(ブレス)』だろう。
呼吸の度に腹部は『カエル』か何かのように膨らみ、その空気が全て楽器に送り込まれている。
圧倒的な『肺活量』……演奏のために鍛え上げられたそれを、正しく演奏のために使っているのだ。
演奏は熱量すら孕み、最高潮を迎えようとしている……!
942
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/05/14(木) 23:32:17
>>941
(…学校の生徒…
吹奏楽部かな?)
ジロジロと彼の格好を確認する。
自分よりも年上らしい。そして演奏は凄まじく強い
「このまま邪魔するのもどうか(演奏音
しかし結構かっこい(演奏音
うちの学校も結構人多(演奏音
情熱的な彼の演奏音に涙音の言葉も掻き消える
「…んー、とにかく凄い。」
とりあえず演奏が終わるまで近くで聞き入ることにした。
…近くと言ってもトランペット相手なので距離的にはやや離れているが
943
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/05/14(木) 23:42:56
>>942
当たり前と言えば当たり前だが、トランペットの音はとても大きく、よく響く。
河川敷とはいえ、若干の近所迷惑ではある。
ともあれ、演奏は最高潮を迎え――――そして、終わった。
「――――――はぁ、はぁ……ふぅー……」
男は大分消耗しているのか、肩で息をしている。
それでも十二分に満ち足りた表情で、獰猛さと純粋さが同居しているような表情を浮かべ。
例えるならば、全力で試合を楽しんだアスリートの表情。
どこか名残惜しげに、流れ落ちる汗を服の袖でぬぐい……
「……ん」
……君の存在に気づいたようだ。
表情は途端に怪訝そうなものに変わり、今度は逆にキミのことをジロジロと観察。そして口を開く。
「…………聞いていたのか?」
944
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/05/14(木) 23:47:23
>>943
(こういう曲も結構悪くないかも)
とりあえず、彼の情熱的なサウンドに聞き入っており…
少しうるさい気もするが、それでも聞き入って・・・
演奏が終わったのを見計らって
大きく両手を叩く
「素晴らしい音色でした!
けっこう大きかったですけど…
凄いですね!」
手を叩きながら近寄っていく。
「はい、結構大きい音だったので、
あっちの方からでも聞こえてきましたよ」
そう言って河川敷の道の向こうを指さして答える。
迷惑そうな顔ではないようだ。
945
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/05/15(金) 00:05:06
>>944
「そうか」
朱鷺宮の賞賛に、短く返す。
そっけないようだが、その表情は明るく、明らかに喜んでいる。
それで気分を良くしたのか(まぁ元々気分はよさそうだったが)、トランペットを朱鷺宮に見えるように胸の前に掲げた。
「音が大きい……というのは当然だ」
「『トランペット』は、鋭い『高音』を持ち味とする楽器」
「正面を向いたベルから発せられる『高音』は素早く空気を伝わり、他のどの楽器よりも早く観客に届く」
「同時にその『高音』は、遥か遠くまで音色を届けることを可能にする」
労わるように布でマウスピースから唾液をふき取りながら、男は続けた。
結構饒舌だ。よっぽど機嫌がいいのだろうか。
「最もダイレクトに『肺活量』を『音』に変える楽器……それが『トランペット』」
「例えるならば音楽界の『投槍』。その音色が、遠くまで響かないはずがない」
946
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/05/15(金) 00:10:28
>>945
嬉しそうなのがわかる。
演奏を褒められるのはさすがにいい気分になるのだろうか、
なんて考え…
「楽器には詳しくないですが…
なるほど…コンサートで高らかに響くのもそういうふうな…
仕組みによるところが多いんですねー。」
知らなかった。と関心した様子である。
(楽しそうに話してるな…
私がゲームを語るのと同じように…かな?)
「投槍…まさしく破壊力抜群ですね。
心地よく突き刺さる音色、という意味でもまさにといった感じです」
そう言って楽しそうに頷いた。
そこまで言った所で、ふと思い返す
(…今まで聞かなかっただけかな?
これだけの音色、流れてたら学校でも気づきそうだけど…)
迫力抜群のこの音色、前にも聞いていそうだ、と考えるが…
947
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/05/15(金) 00:24:29
>>946
「楽器をやらない? ……もったいないな」
「音楽は良いぞ。何せ、楽しいからな。こんなにも楽しいものはそうそう無い」
「『理解』してやればしてやるほど、音楽もそれに応えてくれる」
「だがそればかりじゃあ不足だ。加えて『感情』も乗せてやって、それで初めて優れた『音楽』が完成する」
「『恋愛』と同じさ。相手を理解し、感情で愛する……大事なことだろう?」
……饒舌だ!
音楽に関しては、並々ならぬこだわりがあるようである。
というよりは単純に、よほど音楽が好きなのか。
「この『鋭さ』はトランペットの最大の武器だが……それだけじゃないぞ」
「時に柔らかく、時にダーティに……」
「『呼吸』がダイレクトに『音』に影響するということは、誤魔化しが効かないことと、多芸であることを同時に意味する」
「……いずれにせよ、俺の演奏に感じ入ってくれたのなら、嬉しい限りだな」
少年のように、また笑う。
朱鷺宮がその音に聞き覚えがないか思い返せば、確かに聞き覚えはあるかもしれない。
彼は秋映学園高等部、『吹奏楽部』に所属するトランぺッターなのだから。
普段の練習や、定期的に行われる演奏会。いつかどこかで、聞いたことがあるかもしれない。
948
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/05/15(金) 00:31:28
>>947
「ははぁ…たしかにゲームの音楽とか…
私がよく聴くのはアイドルの曲とかその辺ばかりですから…
しかし…たしかにそこまで深く知らないのはもったいないのかもしれませんね。
とは言え、今は別の部活に居るので吹奏楽部とは行かないですし…」
彼の強いこだわりを感じさせる言葉に、少しばかり涙音も気圧される。
だが、情熱が伝わるためか、わるい気分ではなさそうだ。
「確かに、トランペット一本で色んな音を聴けましたし…
口で説明するのは難しいですが、とにかく凄いです。」
じっとその楽器を見つめている。
なんだかんだで感心しっぱなしだ。
(…そういえばこれくらいの力強さ…
学校の中でも聞いたことあるかもしれないな…
演奏会をちょっと見たことも…それに、帰りの前に、音楽室からも漏れだしてたような…)
思い返せば色んな所で聞いた音のきがする。
(聞き覚えがあったから興味を惹かれた…のかな?)
少し首を傾げてみせる。
949
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/05/15(金) 00:47:23
>>948
「む……他の部活に入っているのか」
「まぁ、吹奏楽じゃなくても、部活じゃなくても音楽はできる」
「楽器は敷居が高いと言うのなら、歌から始めてみるというのもいいんじゃないか」
彼は少しだけ残念そうな顔をした。
まぁ確かに、本腰を入れて音楽をやるというのは金も手間もかかる。
歌なら楽器代はいらないが、真面目に勉強するのならば金と手間がかかるのはどの業界でも同じだろう。
「…………ん?」
「ああ、よく見てみれば、お前も秋映か?」
……この男、明らかに制服を着ていたキミを、(中等部と高等部の違いはあれど)同校だと認識していなかったらしい。
どれだけ音楽以外に興味が無いのか。というか、これは音楽以外に興味が無いの一言で済ませていいのか?
950
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/05/15(金) 00:55:04
>>949
「ええまあ…『金言部』っていうところに…
まぁ、聞いただけじゃわからないですが、そう云う部活に入ってます。」
少し申し訳無さそうに言う
「なるほど…歌を歌ってみるのもいいかもしれませんね…
黄金町からご当地アイドルが出るくらいですし…」
何か期待するかのように軽く笑う。
詩に自信があるのだろうか
「えっと…え?はい…中等部ですが…」
今まで気づいている前提で話していたため、思わずキョトン顔になる。
「改造してる人も多いですけど…
私の場合はまだ原型はしっかりしてると思いますけど…」
自分の格好を見ながら答える。
あちこちから開運とかの効果がありそうなキーホルダーがぶらさがってたり、左胸に開運バッジが貼ってあったりするが
一応制服の原型は残っているようだ。
951
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/05/15(金) 01:14:28
>>950
「『金言部』? ふぅん……」
興味なさげだ。
『金言部』……中等部のこととはいえ、あからさまに珍妙なその部活は高等部でも話題になっていそうなものだが。
……多分、聞いても興味が無かったのですぐに忘れたのだろう。そういう人間だ。
「むしろ、ほぼ無改造のお前は珍しいぐらいだな」
「まぁそれとはあまり関係なく、単純によく見てなかった」
「いや、見てはいたんだが……ウチの制服と結び付けていなかった。悪いな」
どうも、朱鷺宮の服装をただ『そういう服装』だと認識し、『秋映学園の制服』と結び付けて考えていなかったらしい。
しれっと悪びれもせず(いやまぁ謝ってはいるが)、淡々と答える。
「ともあれ……俺は高等部二年、『板踏甲賀』。吹奏楽部だ」
「興味が湧いてきたのなら、歌ってみようじゃないか」
「見たところ、声の通りは悪くなさそうだ。リードだってしてやる。俺と遊ぼうぜ?」
挑戦的に笑い、再びトランペットを構えた。
悪徳商法かナンパのような手口とセリフだが、本人はいたって純粋に……『音楽』を楽しみたいという、ただそれだけである。
952
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/05/15(金) 01:22:34
>>951
「まぁ…今の所サバゲーくらいしかしてませんけど…
いろんなことを学ぶ部活です。」
とりあえず好意的な解釈で彼に伝えた。
…最も今の調子だと興味はわかなそうだが
「動きづらいと色々とやりづらいですからね。
これくらいがちょうどいいんです。」
改めて自分の格好を見る。
「基本的にこの格好ですし。」
動きやすく、と言うのは要するに普段着ということなのだろう。
「あ、はい…私は中等部2年の『朱鷺宮涙音』です。
…確かに、とりあえずカラオケから初めて見るのもいいかも…」
色々と考えていたが、彼の言葉を聞いて。
「リード…アナタも歌を歌ったりするんですか?
…確かに色々教えていただけると嬉しいですけど…
発声方法とか、そういうのがわかれば…」
褒められてわるい気はしないらしい。
(にしても『遊ぼうぜ』か…異性に対して言うとちょっと誤解呼ぶような気がするな…)
彼の言い方に少し変な気分を覚える。
最も裏がないふうには見えたが。
953
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/05/15(金) 01:55:11
>>952
「運動するのはいいことだな。『肺活量』が鍛えられる」
「服装だってグッドだ。無駄な装飾で『呼吸』が妨げられないし、体を冷やすこともない」
「……おっと、『胸元』はもう少し開けた方がいいが。首が窮屈なのは良くないぞ、涙音」
……セクハラだ!
しかもいきなり下の名前で呼んできた!馴れ馴れしい!
重ねて言うが、他意は無い。純粋に音楽のためのアドバイスである。
下の名前で呼んでいるのも、その方が呼びやすいからである。他意はない。
まぁそれだけに性質が悪いのだが。
閑話休題。
「歌は専門じゃないが、別にやれないわけじゃない」 ヤ
「ついでに言えば、トランペットだってリードはできるさ。なにが歌いたい? 大抵は奏れるぞ」
言いながら、板踏は自分の腹部……鳩尾の少し下を親指で指し示した。
「とにかく、大事なのは『呼吸』だ。大きく吸って、大きく吐く」
「姿勢は正せ。胸を張れ。横隔膜を意識して、大きく吸うんだ」
「俺は腹の中に『炉』があるイメージで呼吸をしている。『イメージ』が大切だ。腹に空気を入れる『イメージ』を持て」
「そうして腹に空気を入れたら……それを一気に吐き出すッ!」
「そいつに『声』を乗せれば、とりあえずは十分な発生ができるさ」
954
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/05/15(金) 20:57:22
>>953
「確かに…あれは運動になりました。いろいろな意味で…」
サバゲーのことを思い出したのか、ちょっと苦笑いをしている。
「へえ、制服って歌うのに適しているんですねー。
そして胸元を開いて…」
と、指示通りに自分の胸元のボタンに手をかけ…
「…て、人前で出来るわけ無いですよ!」
速攻で顔を赤くして両手をブンブンと振る。
「そうですねー…歌うとしたらまぁ最近のJ-POP系の曲が
よく歌えるような気がします…
と言っても、多すぎますかそれだと…」
どうやら悩んでいるらしい。とりあえず選択肢が多すぎるんだろう。
そして今度は呼吸の仕方を学ぶ。
「…なるほど、腹に空気を…すぅぅぅぅぅ…ふぅぅぅぅ…」
鳩尾の下辺りに手を当て、彼の言うとおりに胸を張り、呼吸を大きくする…
「ふぅぅぅぅ…」
順調に呼吸を繰り返していたが…
「あ、危ない!」
突然河川敷の向こうから声が聞こえたかと思うと
ドギュゥゥゥゥゥ!!!!
かなり強烈な回転のかかったサッカーボールが二人の右横から飛んできた!
しかもそれは一直線に涙音の鳩尾へと迫る!!
955
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/05/15(金) 23:15:01
>>954
「…………?」
顔を赤くする朱鷺宮に、「何を言っているんだろうこいつは」とでも言いたげな視線を向ける。
根本的にズレている……何もわかっていないのだ!
そのうち無意識にセクハラで訴えられたりしそうな男である。
「お前が好きな歌、歌いやすい歌が一番いいさ」
「それとも簡単な歌でも歌うか? 『めだかの学校』だっていいんだぜ」
実際、一番好きな歌を歌うのが一番いい。
娯楽なんだから、好きでもない歌を歌ったってしょうがないのだ。
「そう、いい感じだ」
「頭の上の空間を意識して……空気の上下を感じろ」
「思いっきり吸って、それを全部吐き出して……」
と、レクチャーしていたのだが。
「あ、危ない!」
ドギュゥゥゥゥゥ!!!!
「?……!?」
ところで、板踏は朱鷺宮に呼吸を教えていた。
それはつまり朱鷺宮の方を向いていたということであり、どうしたって反応は一瞬遅れてしまう。
故に彼は飛んでくるサッカーボールに気づくことはできても、それに対応することはできない。ただその軌跡を見守るだけだ。
そしてこっちは板踏には関係ないのだが……人体は衝撃に耐えるために、『柔らかい』という性質を持っている。
クッションのように衝撃を拡散することで、重大なダメージから逃れるという仕組みだ。
――――が、ここに不幸がある。
思いっきり呼吸すると言うことは、肺の肥大によって腹部が『張る』ということであり……受ける衝撃は、ニュートラルな状態の比ではないのだ!
956
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/05/15(金) 23:25:13
>>955
(うげーっ、ガチでわかってねえ…)
恥ずかしいと思っていたが、彼の理解できてないっぽい顔を見て
まだ顔を赤くしてるけど、ちょっと呆れ気味の顔になった
「…めだかの学校…初等部以来ですね、歌うなら…」
軽く笑う、
さてさて…先ほど飛んできたサッカーボールであるが
「ま…た不幸が…!」
このまま彼女にその強烈なサッカーボールが突き刺さ…
『フォートレス・アンダー・シージ!!』
ドゴォン!!
るより前に彼女の目の前にライフルを背負った女性軍人のヴィジョンが発現し
バシィッ!!
見事にサッカーボールをキャッチして、威力を殺してからその場に落とした。
「ふぅー。間一髪セーフ…
今日は災難を振り払ってやりましたよ…」
軽く額の汗を拭いながら大きく息を吐きだした。
「あ、えーっと…
今のはなんでもありませんよ?ただ、運よくボールが目の前で減速を…」
はっとして板踏に対して慌てて弁解をする…
だが、『見えていた』ならばその光景は何ら不思議なものではないだろう…
957
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/05/15(金) 23:51:30
>>956
「うおっ」
眼前に現れる『ヴィジョン』!
力強いパワーと鋭敏なスピード、そして精密な動作を発揮する『傍に立つ者』ッ!
いわゆる『人型』のスタンド(どころか他人のスタンド)を見るのは初めてだが、板踏は本能でその正体を理解したッ!
そして、ここに一つ問題が発生する!
「あー……」
コメントができない……ッ!
彼は普段音楽以外の話をしないので、この遭遇に対してのコメントが咄嗟に浮かばないのだ!
「あー…………」
「…………あー……」
板踏はどうにか思考を巡らし、頑張って考えて、絞り出すように答えを出した。
「……知ってるぞ。『スタンド』って奴だろう、それは」
「俺も……ほんの少し前、『刻んで』もらった」
言いながら、制服のボタンを外し、前をはだけさせる。
別に『露出狂』に目覚めたってわけじゃない。
彼が見せたいのは、丹田に刻まれた『炉』の刺青だ。
そしてその右手に発現する、『朝顔』のようなベルを持つ『トランペット』。
「意外といるもんなのか、こういうのは」
「お前のは、随分喧嘩に強そうだが」
958
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/05/16(土) 00:02:18
>>957
「ん…ハッ!」
板踏の驚く様子を見て涙音も理解する。
「な、るほど…アナタも『スタンド使い』…
それに、『刺青』さんの所で…」
そう言って彼の驚いた様子と…
制服をはだけさせる様子を見て
「む…私とそっくりな位置にありますね…」
丹田の位置を少し恥ずかしそうに見つめて…
同時にトランペットのヴィジョンのスタンドも確認する。
「トランペット…まさにピッタリのスタンドですね。」
納得するように頷いた。
「えぇ、そうみたいなんですよ。
この町には結構、こんな風な力を持つ人がいっぱいいるんです。
知り合いの人にもう何人もスタンド使いが居ます。」
「…たしかに私のスタンドはパワーが結構有りますからね。
まぁ、喧嘩は嫌いですけど…」
959
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/05/16(土) 00:32:57
>>958
「ん、『刺青』以外にもルートはあるのか?」
「まぁ俺もスタンドが欲しくて刻んだわけじゃあないし、どうでもいい話だが」
スタンドを解除し、再び制服の前を閉める。
露出狂じゃあないのだし、腹を冷やすのはよくないのだ。
「ほう、お前も腹に刻んでるのか?」
「俺は『呼吸』のイメージを明確に掴むために刻んだ……その結果がトランペットだってのは、当然だな」
「お前は……そういえば、さっき『災難』とか言っていたが」
珍しく、音楽以外のことに興味を示す。
流石にスタンドという非日常にすら無関心ということは無いらしい。
「結構いるのか……なら、他にもこういう楽器のスタンド使いがいるかもしれないな」
「そういう奴を探して、セッションをふっかけてみるのも楽しそうだ」
「なら、『自衛用』ってわけか」
「まぁ強いに越したことはないし、いいんじゃないか」
960
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/05/16(土) 00:52:27
>>959
「まぁ、単なる噂ですけどね。
他にも『目覚め』させてくれる人がいるとか…」
ふう、と一息ついて答える。
とりあえず締めてくれたのはありがたい。
「はい、鳩尾の辺りに…
ちょうどその辺りに色々と飛んでくるんですよ。ここを狙って。」
なんで何でしょうね。と言ってため息を付いた。
「あー、多分いると思いますよ。
アナタのスタンドもそうですし…ピアノとかギターとかあるかもしれないですね」
少し当てずっぽう気味に答える。
「確かに、黄金町は事件も割りとありますし、
護れる力があるのは頼りになると思います。」
スタンドに腕を組ませながら答える。
961
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/05/16(土) 01:27:39
>>960
「鳩尾……」
「……それは、大変だな」
珍しく(と言っていいのかはわからないが)、朱鷺宮を気遣うようなそぶりを見せる。
「そこは鍛えられるような場所じゃない……だからこその『急所』だ」
「そんなんじゃあ……歌や楽器をやるのはさぞ苦労するだろう」
「おちおち深呼吸だってできやしない……」
……心配の方向が微妙にズレている気もするが、一応本心からの気遣いであった。
「ピアノに、ギターか」
「お前の『銃』のように、楽器を持ったスタンドってのもいるかもしれないな。楽しみだ」
「事件は、確かに多いみたいだな。よくそういう話を聞く」
「不運だって自覚があるのなら言うまでもないだろうが、お前も気を付けろよ」
「いくら『自衛』の力があるからって、相手も似たような力を持ってるようならトントンなんだからな」
962
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/05/16(土) 01:34:50
>>961
「いやぁ、その…
なれたつもりではあるんですけどねえ。
さすがに痛いですから、守りたいですよ」
そう言って軽く自分のみぞおちを抑える。
「正直、落ち着いて歌うのも難しいですからね。今の状態だと…
スタンドを手に入れてからだいぶましになったんですけど…」
(…変な人かと思ったけど…結構いい人だな。)
彼の気遣う素振りを見て、ちょっと嬉しそうな顔をした。
どこか安心できる用に思える。
「仲良く慣れるかはまた別ですが…
音楽家同士のフィーリングとかで、何とか出来るかもしれませんね。」
どうやら応援しているらしい。
「テレビでも結構やってますからね。奇妙な事件っていうのを…
きっと最近思ってるテロまがいの出来事も関わりがあるかもしれないです。」
事件の話をする時は、さすがに涙音も真面目な表情になる。
「わかってます。恐ろしい相手に出くわさないように、気をつけます。」
963
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/05/16(土) 01:54:54
>>962
「そりゃあ、誰だって好き好んでダメージを負いたくはないだろうさ」
「……『鳩尾』ってのが厄介だな、本当に。鉄板を仕込むわけにもいかない」
「曲げるところだからな……腹とか胸とか顔とかなら、まだよかったのかもしれないが」
割と真剣に考えてくれているようなので、結構いい人なのかもしれない。
ちょっと音楽が好きすぎるというだけなのだろう。そう考えると大分無害である。
「『音楽性』の違いで、殺し合いになったりしてな?」
冗談めかした物言いで、悪戯っぽく笑った。
……冗談も言える人だ!面白いかどうかはともかくとして!
「ま、普通の人に見えない超能力なんてものを手に入れれば、調子に乗るのもわからんでもない」
「俺はそういうのは心底どうでもいいが」
「だから十分に気を付けて……」
……ふと、西の方に目を向けた。
いつの間にやら、夕日は沈もうとしている。じきに暗くなるだろう。
「…………まずは、暗くなる前に帰るんだな」
964
:
朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』
:2015/05/16(土) 02:02:36
>>963
「まぁ、防ぎようが無いですからねえ…
だからその、鳩尾に『ターゲットスコープ』を刻んで覚悟したつもりだったんですが…」
いざ、食らうのではさすがに覚悟も揺らぐ。そういう風に答えた。
「…フヒヒヒ…
さすがにそんなことには…なら、ないですよね…?」
苦笑いしながら答える。冗談だろうな。と思いつつも
マジであるかも、なんていう思いも密かに抱えている。
「はい…幸い私の住んでる場所にはそういう人は居ないので・・
一応『白亜荘』にいる分には安全なんですがね…」
うんうん、と頷いて答える。
「あ…話し込んでるうちに随分と沈んでましたね。太陽が。」
軽くて出前を覆いながら西日を見つめる。
「はい、今日はそろそろ帰ります。
えっと…板踏さんも気をつけて、なるべく早く帰ったほうがいいですよ〜」
そう言って彼に軽く手を振り、河川敷の向こうへ歩いて行った。
965
:
板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』
:2015/05/16(土) 03:05:22
>>964
「言われなくても、俺も帰るさ」
「じゃあな、涙音。また会おう」
「今日は結局できなかったが……次こそはお前と歌ってみたい」
手を振り返し、朱鷺宮を見送る。
彼は実家通いで、朱鷺宮とは逆の方向に帰るのだ。
朱鷺宮の姿が見えなくなったのを確認して、トランペットをケースにしまう。
「…………スタンド使い、か」
「楽しい奴が多ければいいんだがな。くくく……」
自然と、サメのように笑っていた。
音楽は、楽しい。本当に楽しい。
スタンドが、個人の才能や願いに左右されるものなら……きっと、音楽のスタンドを持つ奴は音楽が大好きな奴だ。
そう考えると、どうしたって笑ってしまう。
そいつらとの出会いが楽しみで仕方ない。
「……ま、今日のところは、帰るか」
「なるべく早く帰ったほうがいい、なんて後輩に言われちまったしな」
…………獰猛な笑顔を崩さずに帰っていく板踏の姿は、さぞ不審がられたことだろう。
966
:
東郷 日向『エイジ・オブ・インパクト』
:2015/05/25(月) 02:39:04
某月某日 18:00
日も落ち、人もまばらになった湖畔公園のベンチに一人座る少女がいた。
上下の半そでから覗く四肢は細身ながら確かに筋肉の存在を感じさせ、短く切った黒髪と合わせて活動的な雰囲気を纏っている。
彼女は右手で直径3cmほどのひび割れてゴツゴツとした小石をもてあそびながら、湖の静かで単調な波にその異国の血を感じさせるエメラルドグリーンの視線をやって物思いにふけっていた。
・ ・ ・ ・
(かくして『力』は手に入ったが、まだ輝くには至っていまい。私程度が得られるような『力』だぜ。きっとこの街はあの店で私と同じように『力』を得た者がたくさんいるはず・・・。)
(私はあくまで『原石』を得たに過ぎない。輝かせるのは私の仕事だが、そのための近道は――)
967
:
薬師丸 幸『レディ・リン』
:2015/05/25(月) 02:44:58
>>966
ス……
と――そこに、一人の小柄な少女がやってきた。
白い髪に、赤い目。
「隣、いい?」
兎――というのが、その少女を形容するのに、一番ふさわしかった。
屈託のない笑みを浮かべ、問いかける。
『リン』
『ヂリィン』
……錆びたような、鈴の音とともに。
968
:
東郷 日向『エイジ・オブ・インパクト』
:2015/05/25(月) 02:56:08
「ん。ああ、構わないよ」
そう言って腰を少し左へずらす。
(――近道はきっと、『力』を持つ人と触れ合うことだ。鈴の音と共に現れたこの小柄な少女がそうだとは限らない。むしろ確率が1%でも高いくらいだろう。でも、貴重な出会いの場だ。試行回数は多いに限る)
「私が言えたことじゃないけど、君はこんな時間に何を?」
969
:
薬師丸 幸『レディ・リン』
:2015/05/25(月) 03:04:12
>>968
「ありがと。」
兎少女――薬師丸は笑みを保ちながら、ベンチにゆっくりと腰かけた。
その服装はあどけない顔立ちに合わず、黒を基調とした華美なものだ。
――夜の世界に溶け込むような。
『ヂリン』
『ヂリ』
「ふぅ……」
「ん、ああ私? お散歩。
……って、言ったら納得してくれる?」
そういうと、笑みの質を変えた。
あまり、詮索されたくない……というのは、あった。
「そーいうあんたは? ランニングとか?」
目線は、東郷の鍛えられた体に向いていた。
970
:
東郷 日向『エイジ・オブ・インパクト』
:2015/05/25(月) 03:11:40
「『お散歩。』だけですませておけばいいものを・・・・・・。まあいいけどね。」
そう言いながら右手で弄んでいた石ころを左手に移動させる。
「私の方は、まあランニングしてたけどそっちはオマケかな。ちょっとこれからの身の振り方を考えないといけなくてね。
ものを考える前には一回運動して頭をからっぽにすると頭がよく回る気がするんだ」
971
:
薬師丸 幸『レディ・リン』
:2015/05/25(月) 03:20:42
>>970
「ああ、そっちのが利口だったかも。
次からはそーするよ。」
あまり理解したような顔ではない。
肩に掛かる右側の髪を指先でいじりながら、頷く。
そして――
「へえ、身の振り方……ねえ。
……なんかへまでも打ったの?」
「ね、相談……乗ってあげようか?
こう見えて私、そーいうの得意なの。経験豊富だからさ。」
妖しく――そして信ぴょう性的にも怪しく、微笑む。
純粋な善意から――ではない。
薬師丸にも、思惑がある。……もっとも、善意がないわけでもない。
972
:
東郷 日向『エイジ・オブ・インパクト』
:2015/05/25(月) 03:32:50
(経験豊富・・・・・・。
確かにウサギのような愛らしさと浮世離れした妖しい色気を持つこの子なら多くの男を手玉にとれるだろうな。
・・・・・・それとも、いやまさかね)
「別にへまをしたわけじゃあなくて、むしろ大きく前に進むチャンスを得たんだ。
でもそれはあくまでスタートラインに立ったに過ぎなくて、私よりも早く、速くスタートしているはずの誰かをも心動かす存在になるにはどうすればいいかー・・・・・・みたいなことをね」
973
:
薬師丸 幸『レディ・リン』
:2015/05/25(月) 03:49:04
>>972
「ふぅ―……ん、なんだか難しいね。
『哲学的』……って感じ? よくわかんないけど。」
薬師丸はそう呟いた。
何かのたとえ話――ということは理解できた、のだが。
……あるいは。
そのままの意味に、受け取るとすれば。
「まー、なんだろ。
とりあえず、おめでとう――かな? 立てたってことにさ。」
背中も見えない先を行く人を追うよりは、まずは己を祝うべきだろう。
そのほうがよほど、幸せになれる。
「んでもって、そーね。
……先人の知恵に学ぶってのは、どう?」
先を行った人がいるなら、その人たちの遺したものも、きっとあるだろう。
薬師丸自身、そうして、導いてもらった――
(……ん? もしかして。)
974
:
東郷 日向『エイジ・オブ・インパクト』
:2015/05/25(月) 04:01:40
>>973
「『哲学的』っていうか・・・・・・まあ君の『お散歩』のようなもので。初対面の君に話すようなことじゃーないしね。
まあ、ありがとう」
・・・。
・・・・・・。
というか・・・・・・。
なぜ、今まで気づかなかったのだろう。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
『スタンド』は基本的に『スタンド使い』にしか見えない。
ならば、この子が『スタンド使い』かどうかを確認するのは簡単だ。
控えめに『エイジ・オブ・インパクト』を出し、彼女に軽く手を振ってみた。
975
:
薬師丸 幸『レディ・リン』
:2015/05/25(月) 04:15:29
>>974
「……ああ」
『チリ ィーーン ……』
薬師丸の傍らに現れる『像』――スタンドの像。
白兎のような耳を備え、純白の毛皮に包まれた――しなやかな、女性的な像だ。
「『やっぱり』……かな。
――スタンド使いは、惹かれあう。だったっけ。」
『スゥ……』
薬師丸は小さく笑った。
それから、困ったように、頭を軽く掻いた。スタンドの像は、手を振り返していた。
「ええと。」
「改めて言うけど。おめでとう。
運が良かったのか、あんたが強かったのか――生き残ったわけだ。」
つまり――薬師丸は。目の前の少女は。
東郷にとってまさに……先に、スタートした人の一人なのだった。
「で、私に会えたのは運がいい。
今ならラッキーついで。聴きたいことは教えたげてもいい。無理なことは無理だけど。」
スタンド使いの知り合いは――客になりえるものは、いて損しない。
976
:
東郷 日向『エイジ・オブ・インパクト』
:2015/05/25(月) 04:27:33
(スタンド使いはスタンド使いに引かれあう・・・!
刺青を彫ったその日のうちにさっそく出会えてしまった。
スタンドを見せたのは軽率だったかもとも思ったけれど、少なくともこちらに悪意は持っていなさそうだ)
「そうだなあ・・・・・・。聞きたいことはいろいろあるけど、とりあえず――
――とりあえず名前を」
トウゴウ ヒムカ
「私は東郷 日向。近くの高校に通ってる2年生だよ」
977
:
薬師丸 幸『レディ・リン』
:2015/05/25(月) 04:42:37
>>976
「おっけー。名前ね。
……私は薬師丸 幸(やくしまる さち)。 職業は――幸運を売ること。」
「スタンドの名前は『レディ・リン』……私の女神様。」
親しげに微笑み、『レディ・リン』を解除する。
……長く見せ合いっこする必要はない。最近は、きなくさい。
「好きに呼んでくれていーよ。
あんたは、なんて呼ばれたいとかある?」
自己紹介を、互いに行う。
なるほど、初対面同士としてはごく、あたりまえだ。
「んで……近くの高校――秋映?」
「ま、それはいいや。ま、ともかく、よろしくね。」
まあ、この辺で高校といえば、そうなる。
……あそこは、きわめてスタンド使いが多い……ように、思える。
978
:
東郷 日向『エイジ・オブ・インパクト』
:2015/05/25(月) 04:54:04
>>977
「幸ちゃんか。私も呼称に特にこだわりは無いかな。・・・・・・ゴルゴは、一瞬呼ばれてるって気付けないからやめてほしいけど」
幸に習ってエイジ・オブ・インパクトをしまう。
気付けば先ほどまで弄んでいた石ころはどこかへやってしまっていた。
「幸運を売るってあからさまに胡散臭いけどそういう『力』なのか?」
979
:
薬師丸 幸『レディ・リン』
:2015/05/25(月) 05:01:05
>>978
「ふふ、そんな変なあだ名つけないって。
……そーね、ふつうにヒムカちゃんでいいや。」
ニコリと笑みを浮かべる。
あだ名をつけるのは好きだが――強制ではない。
……そして。
「まー、半分くらい正解。
私の力は運命をあれこれするの。だから――幸せだって商品にできる。」
「金で買えない幸せもいいけど」
「買える幸せが、あってもいい……私なら、買ってでも欲しい。」
流石に――初対面で、能力の全貌は見せない。
それは最低限の自衛だし、実際、全貌を明かした相手は、まだそうそういない……
「んで。失礼じゃなきゃ、だけどさ。
あんたの力は? 人型ってことはわかったけど。」
ここは問い返すことにした。
980
:
東郷 日向『エイジ・オブ・インパクト』
:2015/05/25(月) 05:19:54
「私もまだよくわかってないけど――」
AOIで足元の石を幸に当たらないように蹴り上げ、空中で一旦『静止』させる。
「――結構器用なことができるらしいな」
「まあ、いまいち使いどころに困るんだけどさ・・・」
981
:
薬師丸 幸『レディ・リン』
:2015/05/25(月) 12:55:11
>>980
コツ ン
「ん」
『ピタ』
「お、止まった――」
と、石を見上げていた視線を日向に向けなおす。
「……物を止めちゃう能力?
まあ、早いうちに理解はしといた方がいいよ。」
「『スタンド使いは惹かれあう』」
「……いいやつも、わるいやつもね。」
悪のスタンド使い。
特に最近は――件の『組織』のこともある。 この町は、危険だ。
「私はいいやつなの。だから、運がいい……ってわけ。」
冗談っぽく、微笑む。
982
:
東郷 日向『エイジ・オブ・インパクト』
:2015/05/25(月) 14:17:35
>>981
(やっぱり『力』を得て悪いことをする人もいるんだなァ・・・・・・。
確かに、普通の人には見えない手足が使えるってだけでいくらでも悪用はできそうだ)
「まあ、自分で『俺はぁ…至極悪いぞぉお』とか言う人もいないとは思うけどさ。
でもきっと幸ちゃんは本当にいいやつだ。
『自分なら買ってでも欲しい』 ・ ・ ・
だから
『幸せを商品にする』
この二つを結びつけられる幸ちゃんは、きっと本当にいいやつなんだね」
気付けばあたりは完全に夜になり、天を仰げば満天の星空だ。
汗で湿った肌には夜風は少し肌寒い。
日が沈めば星が出る。
誰がそうするでもなく、しかし誰かがそう決めたかのように。
それはきっとごくごく自然で、当然で、当たり前で、そしてそれが美しいからだ。
「メアド、聞いてもいい?」
983
:
薬師丸 幸『レディ・リン』
:2015/05/25(月) 14:37:33
>>982
「ふふ、そーいうのじゃないよ。
私は……できることをするだけ。」
「生きるために、ね。」
ヒュオ ォォ
「さっむ。」
――夜風に身を震わせる。
(……あ、そろそろ、『約束』の時間だ。)
薬師丸 幸は幸運売りだ。
それは……『レディ・リン』の力だけを、売り物にしているのではない。
「ん……いいよ。
困った時のためにも、ね。あんたのも教えてよ。」
スマートフォンを取り出す。兎型のカバーを付けている。
……そして、連絡先を交換する。
「あそびのお誘いでもいーよ。
……OK出せるかは別だけどね。」
そう言って、微笑む。
984
:
東郷 日向『エイジ・オブ・インパクト』
:2015/05/25(月) 14:56:17
初めてのスタンド使いの知り合い(一応、刺青師も顔を知ったスタンド使いではあるが)、薬師丸幸と連絡先を交換し、
カバーもつけず傷だらけなスマートフォンに新たに「幸ちゃん」の連絡先が追加される。
「よし、オーケー。幸ちゃんも暇ならお茶でも誘ってよ」
「さて、そろそろ寒くなってきたし私は帰るよ。幸ちゃんも風邪ひかないようにね」
(スタンド使いは引かれあう・・・・・・。それだけでも、この力を得た甲斐はあった、かな)
985
:
薬師丸 幸『レディ・リン』
:2015/05/25(月) 15:16:55
>>984
「ん、そーね。暇なときに。
……じゃ、またねヒムカちゃん。」
小さく手を振り、去っていくその背中を見送る。
『チリ イィーー ン』
「……」
「『スタンド使い』は惹かれあう――か。」
「私には祈るくらいしかできないけど……
……あいつの道に、『幸』があるといーね。」
ヒュオ ォォ ……
コツ コツ コツ
「あ」 「や。寒いね、今日。」
「んーん、今来たとこ。
それじゃ、いこっか――お客様。めいっぱい幸せにしたげるからね。」
その場には、降り切った夜の帳以外――何も、残らない。
986
:
次スレ
:2015/05/31(日) 22:16:36
次スレはこちら→
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1432892057/
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