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【個】『御蔵神社』弐【場】
1
:
『御蔵神社』
:2014/01/01(水) 01:07:15
『DIONモール』よりさらに郊外、『H湖』に臨む古びた神社。
建立はおよそ600年ほど前であり、本殿と随身門、蓮池にかかる橋は重要文化財に指定されている。
代々祭祀を司っているのは、『久々宮家』。
十数年前までは蓮池の橋は渡ることができ、この橋を渡って随身門を潜り、本殿にて参拝するのが正しい作法とされていた。
が、現在はマナーの悪化による劣化、破損から橋を守るため蓮池ごと柵で囲われ、通行は不可能。
参拝客は蓮池を迂回し、随身門を通って本殿に向かうように、立て札に示されている。
しかしそれが原因となったのか、現在では寂れ、参拝客は激減していたようだ、が………?
―┘ ┌┘ ◎DIONモール
―┐ H湖 ┌┘Π ┌┐ 住 宅 街
│ ┌┘ .┌ ..│... ‖
┐ │ ┌ ┌┘ ‖
│ │ ┌ │ ‖
┐ │ ┌ ┌.. 黄金原駅
│ └─┘┌― ┏ ━■■━ ━ ━
━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛ ‖
│ └―┐黄金港.. 繁 華 街
└┐ ┌――┘ 倉庫街
─────┘ └――――――――――――
806
:
『年越しの祓』
:2016/01/06(水) 00:42:27
>>805
「と、とりあえずそれくらいにしましょうか。
リルカさんが大丈夫と思ってても、大丈夫じゃない可能性もありますから…」
紙コップに注いだぬるい白湯を差し出す。
「ううーん、まだまだ研究が足りませんね……………。
本当に大丈夫ですか?足元がふらふらしたりとかは?」
807
:
高井戸リルカ『アングラガルド』
:2016/01/06(水) 00:50:34
>>806
「むー?おいしーんだけどなーなの…」
ちょっと名残惜しそうな顔でしるこを元の場所に戻そうとする。
「…あったかいねーこっちも…なの」
お湯を軽く飲んでから嬉しそうに顔を上げる。
なんだか赤い気がする。
「んー?あしもとはへーきだけどなのー。
なんだかちょっときもちがいーなーっておもってなの…」
楽しげな顔で応える。
お酒が弱いとかそういうふうに見えそうだが、
周囲の人は大丈夫なのだろうか。
808
:
『年越しの祓』
:2016/01/07(木) 23:43:52
>>807
「甘酒抜きの普通のにしましょう。
というか最初からこれにすればよかったですね…。
ちなみにリルカさん、これ、指は何本立ってますか?」
傍らの小さな鍋から、普通のお汁粉をよそって差し出すと、Vサインをしてみせる。
「むむ………どうもいけませんねっ。まさか去年と同じミスをしでかしてしまうとは…」
809
:
高井戸リルカ『アングラガルド』
:2016/01/08(金) 00:05:19
>>808
「むむむ…ゆび…
えーっと」
と、ジーっと縁組の指の形を見ていると…
「おー、5ほん!」
なんか変なのがすぐに分かる返答の返し方であった。
「むむむー…
とってもおいしかったけどなの…」
810
:
『年越しの祓』
:2016/01/10(日) 11:23:34
>>809
大失敗だよ!!
「はい!大丈夫じゃないですね!!
…………はっ!?」
『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』
……何時の間にか、『巫女装束の少女』の後ろに、雪のような白髪をした、長身の女性が立っている。
同じ巫女装束に身を包み、顔立ちもどこかよく似ていた。
「お…おおおおおおお母様…………!
はっはいっ!直ぐに家で休んでもらいますから……!!」
ヒョイ
思い切り動揺しながらリルカを抱えあげると、滑るような歩法で境内を後にする…。
「うう、大変なことになってしまいました………」
811
:
高井戸リルカ『アングラガルド』
:2016/01/10(日) 12:14:36
>>810
「ぬぃー…
あそこの、いかみそって…
なにかなーなのー。」
酔ったふうなしゃべり方でイカ焼きやさんの屋台を指差す。
様子は思わしくない!
「あ、からだがふわってういてきたのー。
へーんなのー。」
抱え上げられたのも酔いどれで気づかないものなのだろうか。
なにはともあれ、特に抵抗もなくリルカは運ばれていく…
『…何かあったのか?』
ちなみにとある屋台では
『焼き肉』の屋台を掲げている肉屋の娘さんが居たようである。
812
:
『年越しの祓』
:2016/01/10(日) 21:42:50
>>811
「何かあったみたいだね」
『カルビ串』をもぐもぐしながら、『黒ギャル巫女』が応える。
「ウチらの『座長』かな……誰か脇に抱えてるけど。
…ありゃ拙いかもね。前にも同じヘマやったみたいだし………これは事と次第によると今年は…」
ごくん
「……『座長』、誰かに料理を振舞うの、禁止されちゃうかも」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
鎮守の森に半ば埋もれるように立つ、古びた平屋建ての一軒家。
抱き上げていたリルカを、座椅子に座らせる。
「そのまま、座椅子は倒さないでいてください。
甘いものを食べた直後に寝ると、胃酸過多から胃を逆流する流動性食道炎が…。
…ええと、とにかく、吐くかも知れませんから、そのままで」
そのまま慌しく、ぱたぱたと部屋を駆け出してく…。
813
:
高井戸リルカ『アングラガルド』
:2016/01/10(日) 21:59:33
>>812
【ツグミさん。】
「んー、ヘマ?
…そいやぁ去年もなんかいろいろとあったって
おふくろからきいてるなぁ…」
代々薙精肉店の娘さんは、そう言いつつもどんどん肉を焼いていく。
「んまぁー、屋台を畳まなきゃいけないみたいなもんじゃなきゃ
ウチは気にならないけどねー。熱中症とかだったら早めに休ませといたほうがいいよ」
と言っておかわりを差し出した。
「その『座長』サンってのは料理が下手なの?」
と言いつつ軽く顔を見ている
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【リルカちゃん。】
「うむー…ん…んん?」
目を白黒させながら周囲の様子を見る。
「むーむー…
ん?なに…かななのー…」
あたりをチラチラと見回している。
まだ頭がくらくらしている。
自分が座椅子に座ってるということは認識できているぞ!
814
:
『年越しの祓』
:2016/01/10(日) 22:17:31
>>813
「ううん、その気になればちょっとしたいいとこの料亭でも即戦力になるくらいの腕はあるよ」
食べ終わった串を捨てつつ、追加を受け取る。
「そんな重症じゃあないとはおもうケド。
曲がりなりにも料理人が出した料理で人が倒れたなんてなったらアウトっしょ、ってこと。
『座長』の場合、単なる料理人じゃなくて、神様の料理人だからさ…ま、色々キビシーんだって、能天気に見えて」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「はい、これをどうぞ」
しばらくして持ってきたのは、緑茶と梅干だった。
「多少はすっきりするはずですよ。
……ごめんなさいリルカさん、まだ小さなあなたには、極わずかとは言え、甘酒入りのを勧めるべきではありませんでした…」
お盆の上の湯のみと小皿をリルカに差し出すと、『巫女装束の少女』は深々と頭を下げた。
815
:
高井戸リルカ『アングラガルド』
:2016/01/10(日) 22:47:58
>>814
【ツグミさん。】
「…あーそっかぁ。
でも料理で人が倒れるって言ったらなぁ。
食い過ぎでぶっ倒れるか、お酒の飲み過ぎくらいじゃァないかな。」
と言ってまたおかわりを差し出す。
「…とりあえずその倒れた人はいたわってやったほうがいいと思うな。
ウチも他人事じゃないからねぇ。
もしうちの肉屋ので食中毒でも起こったら…とか感じてね。」
どうやら先程から気が気でないようである…
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【リルカちゃん。】
「む、ありがとうなの…」
そう言って緑茶を軽くすすってから、
梅干しも軽く食べてみた。
「むむむ…すっぱい…」
ちょっと顔をしかめつつも、虚ろだった意識ははっきりとし始める。
「んーう…あれ、けっこうおいしかったんだけどなのー…
あま、ざけ?っていうの?
へんなかんじになったけどなのー…」
ぼんやりした顔で応える。
彼女は相当な下戸なのかもしれない。
816
:
『年越しの祓』
:2016/01/12(火) 23:17:51
>>815
「にしたって、さ。
過ぎるほど出しちゃうんじゃ未熟者、ってコトじゃね?
……過去の例からすると、たぶんどっかに修行に出されるか……お使いか…」
こりゃ冬休みは全滅かな、と呟きつつ、新しい串を受け取る。
「ま、アタシらは何があっても『座長』についてくだけだケドね……その身に、『神のご加護』ってヤツが宿る限りは。
とりあえず『座長』ん家に運んだみたいだし、大丈夫っしょ。
…………さーて、と……そろそろ仕事に戻んないとね、ごっそさん。あ、代金は『座長』に請求しといて」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「……はいリルカさん、立ってる指は何本ですか?」
顔を上げると、『巫女装束の少女』は指を三本立て、もう一度リルカに質問する。
「ええまあ。甘酒…お米を発酵させたものが入っていまして…。
………アルコール分は限界まで抑えたのですが、どうやらリルカさんにはそれでも効いてしまったみたいで…」
うな垂れ、しゅんとしながら説明した。
817
:
高井戸リルカ『アングラガルド』
:2016/01/12(火) 23:34:35
>>816
【ツグミさん。】
「修行…ねぇー。
それってあれ?滝に打たれるとか…
座禅組んで、木の棒でぶっ叩かれるとかそういう奴?」
そう言ってからふぅ、とため息を付いた。
「まぁ、ウチだってせっかくの大学の冬休みを
屋台の仕事に使えとか言われて…
アルバイトってやつだね…」
そう言いながらひとまず次の客をさばく
「そういうのいいと思うよ。
ウチもねぇ、自分のためにやることだからね、
こういうのは…
まいどありー。座長さんによろしく〜」
と言って手を振り見送っていった
(終?)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【リルカちゃん。】
「あーえっと…
さんぼんー」
と、割とすぐにちゃんとした数を言い当てた。
「うー…あるこーる?
うーん…のんだらあぶない…ってことわかったの…
なんだか…へんなきぶんだったのー…」
軽くお茶をすすっている。
しょんぼり顔だ。
「でも、あまいのはだいすきだから
その、あるこーる?ないのだったらいいかななのー」
すぐに嬉しそうな顔に戻って微笑みかける。
818
:
『年越しの祓』
:2016/01/15(金) 00:25:18
>>817
「ふう…だいぶ良くなったみたいで安心ですよっ」
安堵のため息をつく。
装束の袖で、目元を拭った。
「そうですね、今度からは…今度があればですが…子供用と大人用に完全に分けて作りましょう。
…お茶のお代わりは如何ですか?」
819
:
高井戸リルカ『アングラガルド』
:2016/01/15(金) 00:33:10
>>818
「あー、だいじょうぶなのー!
もうこんなにげんき!」
と、その場から立ち上がろうとして
「ううー…」
軽くよろけてまたイスに座り込んだ。
急に立とうとすればこうもなってしまうだろう。
「…んー、もうちょっとおとなしくしてるの…
あまいのはよかったから、そういうのにしたらいいの。
あと、おみそもはいってると、わたしはすきなの!」
どうやら彼女はあのお汁粉を割と気に行っているらしい。
酔っ払う以外には特に問題はなかったらしい。
…最後の提案は避けるべきものだろう。
「…おちゃおかわりなの…
おみそしるも、ないかなーなの」
そう言ってからまた軽く頭を抱える。
まだ少しくらくらしているらしい。
820
:
『年越しの祓』
:2016/01/15(金) 00:53:14
>>819
「いけませんよリルカさん、まだ休んでないと……。
ほらほら………」
足に毛布をかけ、部屋の暖房も入れる。
「本当にすみません私のせいで…。
解りました。少し待っててくださいねっ。お味噌汁、好きな具はなんですか、リルカさん?」
821
:
高井戸リルカ『アングラガルド』
:2016/01/15(金) 00:57:31
>>820
「…うー、ごめんなさいなのー…
げんき、だとおもったんだけどー…なの」
そう言ってふぅ、とため息を付いて頭を押さえる。
もうちょっとゆっくりしてたほうがいいんだろう。
「あー、きにしないでねなのー。
おいしかったから、へーきへーき」
そう言って片方の手を軽く振ってみせる。
ニコニコとちょっとぎこちない笑みを浮かべる。
「…おみそしるは…
えーっと、なんだっけなーなの…
こんなふうな…」
そう言って二枚貝を両手で表現する。
「パカってなるのが、すきかなーなの。」
822
:
『年越しの祓』
:2016/01/17(日) 16:53:25
>>821
「ふむっ…………なら、丁度いいのがありますよっ。
リルカさんは、お味噌は白派ですか?赤派ですか?それとも合わせですかっ?」
巫女装束の袖を捲くり上げ襷がけして留めながら問いかける。
「少し時間がかかりますから、そのままそこでゆっくりしていてくださいねっ」
823
:
高井戸リルカ『アングラガルド』
:2016/01/17(日) 17:19:20
>>822
「ん…んー…
あか、しろよくわからないけど…
じゃあしろいのでいいかなーなの」
そう言って軽く微笑んで頷く
「わかったのー、
ゆっくりしてるー。
…おかしもあるかなーなの…」
ゆっくりする、とは言いつつもリルカは辺りを確認してみる
824
:
『年越しの祓』
:2016/01/18(月) 00:53:42
>>823
「解りました、楽しみにしていてくださいねっ!」
『巫女装束の少女』は、いそいそと駆け出していく。
…パタン
襖が閉まると、リルカは周りを改めて見回した。
六畳ほどの和室。障子窓が一つ。来客用の寝室だろうか。目に付くのは座椅子がしまわれていた押入れくらいだ。
825
:
高井戸リルカ『アングラガルド』
:2016/01/18(月) 01:32:23
>>824
「わかったー、たのしみにしてるからねーなの!」
ニコニコ笑いながら手を振る。
…さて、ひとまず周囲を確認してみると
真新しい物はさほど有るわけではない。
普通の家…みたいな光景だ
「…ふぁー…
これって…たたみ、っていうのかななの…」
改めて地面を確認する…
「…わたしのしってたおうちと、
ちがうなのー…」
周囲の小奇麗さを見て、
改めて白亜荘より更に前の自分の居た場所について考えた
826
:
『年越しの祓』
:2016/01/18(月) 02:06:04
>>825
古びた雰囲気はあるが、汚れたりはしていない。丁寧に掃除されているようだ。
普段使っていない部屋なのか、そういう意味では独特の匂いがするが、不快な程ではない。
障子窓の向こうからは、微かに神社のざわめきが聞こえてくる…。
床は今時珍しい、きちんとした畳のそれだった。
…スーッ
襖が開く。
「ちっス、お、大丈夫そうじゃん」
入ってきたのは、さっきの『黒ギャル』だった。
「いやさ、何か退屈してるんじゃないかって。『くぐみん』に言われたもんで。邪魔だったらどっか行くケド」
827
:
高井戸リルカ『アングラガルド』
:2016/01/18(月) 02:10:22
>>826
「…なんのにおい…
かなー」
そういってくんくんするが、
まぁリルカには理解できないだろう。
「きのゆか、みたいなのじゃないんだなーなの」
珍しいのかまじまじと見つめている…
そんな中
「…あ、さっきのひと!」
黒ギャルをビシっと指差して嬉しそうに応える。
「そーだねなのー。
じっとしてたらなんだかたーいくつなの。
なにか、おもしろいこととか、ないかななの!」
軽く身を乗り出しながら目線をじっと向ける…
828
:
『年越しの祓』
:2016/01/19(火) 00:51:26
>>827
「『花組』おねえちゃんと呼びなさいっての。
木の床?フローリングのこと?」
『黒ギャル』はリルカの傍らに、どかりと胡座をかいて座る。
「そう言うだろうと思ってアタシが来ました。
つってもリルカっちは安静にしてなきゃなんだから、面白いこととか言われてもね…漫画でも読む?」
829
:
高井戸リルカ『アングラガルド』
:2016/01/19(火) 00:58:49
>>828
「んー、ふろー、りんぐっていうのかななのー
はなぐみ…おねーちゃんなのー」
近くに座ってきたその少女に対して、リルカは首を傾げた
「うーん、わたしがすきなのは…
じめんほったり、ぐるぐるまわるのをみたりとかだけど…
まんが?」
不思議そうな顔でじっと見つめてきている…
「どんなまんが、あるの?
よんでみたーいのー」
どうやら漫画を読みたいらしい
830
:
『年越しの祓』
:2016/01/21(木) 00:05:40
>>829
「地面?ぐるぐる回る?」
あからさまに変わった子だと顔に出た。
首をかしげ、数秒考え込み………理解を放棄した。
「まあいいや、ちょっと待ってて」
立ち上がり、そして数分後───
ドサドサ
『波よ聞いてくれ』『目玉焼きの黄身いつつぶす?』『クリスティ・ロンドンマッシブ』『北斗の拳イチゴ味』
『ゴールデンカムイ』『恋は雨上がりのように』『聖☆おにいさん』『翔んで埼玉』……
「色々もってきました。けどよく考えたらリルカっちくらいの子が好きそうなの無くね…?」
831
:
高井戸リルカ『アングラガルド』
:2016/01/21(木) 00:12:14
>>830
「えーっと、じめんをほってたのはー…
おとーさんおかーさんにあいたかったからだし…
ぐるぐるまわるのをみるのは、みててたのしかったから、なのー」
そう言って自分の趣味を説明する。
…説明したところで理解は難しいに違いない。
さて…そんな折、漫画を読もうか、と思ったところで
「…んー?」
それぞれの漫画をジロジロと見る。どうやらどれも知らない漫画のようである。
「じゃー、じゅんばんに、みようかなーなの。」
というわけでまずは『波よ聞いてくれ』から順々に漫画を取っていくことにしたようだ。
内容次第であるが、読んで楽しいかが問題である。
832
:
『年越しの祓』
:2016/01/24(日) 02:24:51
>>831
訳がわからないよ……。
そんなような漫画あったかなあ、という顔になる『黒ギャル』。
「うーん、どれも知らないっぽいし…」
実際のところ──『黒ギャル』が持ってきた漫画はどれも、リルカには早すぎたかも知れない。
『波よ聞いてくれ』はラジオ局が舞台の物語。
酔った勢いでもらした恋愛話をラジオで流された主人公は、放送本番中にスタジオに殴りこみ、そのままぶっちゃけトークをかます。
男もない、金もない、ないない尽くしの主人公に残されていた才能、それは「萎縮せず、台本なしでもトークを成立させれること」だった──
「『座長』、ジャンプとかマガジンとかサンデーとか読むけどあんまり買わないんだよねえ…」
833
:
高井戸リルカ『アングラガルド』
:2016/01/24(日) 02:29:55
>>832
「ふんふんふん…」
ぱらぱらと本をめくっては見たものの…
書かれている内容の理解が出来ずのようである。
「しらないことばがいっぱいあるみたい。
わたしにはむずかしいみたいなの」
そう言って不思議そうな顔をしながら読み続ける。
一応ルビは振られているのだろうが、
それでも彼女では理解が難しい言葉が多いようだ。
「うーん、あれ、ないかなーなの。
ほら、『あん…』ぱん、だったかなーなの。
あのえほんなの」
彼女は少し楽しげな表情で応える。
要するにアンパ○マンの事を言いたいんだろう。
834
:
『年越しの祓』
:2016/01/24(日) 02:54:20
>>833
「だよねー」
そりゃそうだ。
「ああ、あれかー…あったかなぁ…。
昔読んだ記憶はあるけど、その後蔵にしまっちゃった気がするんだよネ…」
困り顔になる『黒ギャル』。
「電子書籍にも…あーなってない。てかこーゆーのむしろ電子化しろよな……。
…なんか他にはない?」
835
:
高井戸リルカ『アングラガルド』
:2016/01/24(日) 03:08:11
>>834
「むー、そうなの?
あれがいちばんすきーなの」
そういいながらもどうにか理解しようと読み続けている…
「さがしてみようかなーとかおもっちゃうけど…
やっぱりだめーかななの」
ちょっと残念そうな顔だが、駄々をこねるほどではなさそう…
836
:
『年越しの祓』
:2016/01/26(火) 00:20:53
>>835
やはりリルカには難しいかも知れない。
(ただ主人公がバイトをしていたスープカレー屋はおいしそうだった)
「う〜〜〜〜ん、それは『くぐみん』に聞いたほうがいいんじゃね…?
基本、安静にしてるように言われてるっしょ?」
『黒ギャル』は『黒ギャル』で、リルカの退屈を上手く紛らわせることができず、済まなそうでもある。
837
:
高井戸リルカ『アングラガルド』
:2016/01/26(火) 00:29:53
>>836
「あーうー…
ごめんなさいねーなのー
じっとしてたらなんだか、おちつかなくてーなの…」
ちょっと残念そうな顔でリルカは応える。
「…おてだまとかどーかなーなの。
わたし、そういうのもだいすきだけどなのー」
どうやらこちらから提案をしてみるつもりのようだ。
838
:
『年越しの祓』
:2016/01/26(火) 01:13:26
>>837
「うん、その気持ちはめっちゃ解る。アタシも、じっとしてるのチョー苦手」
微苦笑する『黒ギャル』。
「お手玉とは渋いねェ〜〜〜〜〜〜リルカっちぃ〜〜〜?
それならアタシも得意だヨ?」
ちょっと待ってて、と立ち上がると、『黒ギャル』は六畳間を出て行った。
839
:
高井戸リルカ『アングラガルド』
:2016/01/26(火) 01:21:02
>>838
「だからねー、はしったりとんだりがいいけど
…やっぱりちょっときぶんわるいかななの」
ちょっと残念そうな顔である。
やっぱりすぐにとは行かなそうだ。
「あ、おねーちゃんもとくいなんだなの!
じゃあじゃあもしかして」
そう言って出て行った背中を見てから
「…うふふー、
おてだま、くるかなーなの」
その顔はとても楽しみそうな顔になった
840
:
『年越しの祓』
:2016/01/29(金) 01:05:11
>>839
「ほい、お待たせ〜」
2分もしないうちに、襖を開けて『黒ギャル』が戻ってくる。
手には色とりどりのお手玉があった。
…手縫いなのか、少し大きさが不ぞろいだ。
「後こんなのもあります」
ジャラジャラ
指先に摘んだ、巾着袋を揺らして見せた。
841
:
高井戸リルカ『アングラガルド』
:2016/01/29(金) 16:12:03
>>840
「わーい!きれーなおてだまがいっぱいある!
どれもきれーきれーなの!」
どうやらお手玉のことはそれなりに気に入っているようだ
「うーん、でもちょっとおもさちがうのかなーなの。」
少し不思議そうな顔でそれぞれのお手玉の姿を確認してみる。
「…あ、それっておっきなおとがするやつなのかなー、なの。」
興味深そうに巾着袋を確認する。
「ちっちゃいやつなのかなーなの。
…それもやってみたいかなーなの…」
お暇な感じは伝わってくる。
どうやらやりたいなと思ってしょうがないようだ。
842
:
『年越しの祓』
:2016/02/03(水) 01:05:29
>>841
端切れを縫い合わせてつくったお手玉は、市販のものと違って形もあまりよくない。
途中で中身が足りなくなったのか、明らかに大きさが違うものもあった。
「『くぐみん』がちっさい頃に自分で作ったやつだからね、仕方ないっしょ。
後これはねえ…」
巾着の口をあけて逆さにする。
ザラザラ
中身は色とりどりの………『おはじき』だった。
「これもちっさい頃遊んでたやつ。
まあ、これは最近も使うみたいだけど」
843
:
高井戸リルカ『アングラガルド』
:2016/02/03(水) 17:55:08
>>842
「へー、これぜんぶてづくりなんだーなの。
でも、どれもきれーだよなの。」
大きさが異なっていたりしても、色々な端切れをつなぎあわせたお手玉のデザインは
リルカには綺麗なものに見えているようだ。
そしてもう一つ、巾着の中身から出てきたのは
「うわー、おいしそうなの!」
何と勘違いしたのか、おはじきを見て妙な感想を漏らすのであった。
「これ、どーやってあそぶのかなーなの。
いろいろあってたのしいなーなの。」
そう言ってお手玉を幾つかもって、軽く手の上で弄くってみる。
それから少し片手でポーンと放ってみたりしている。
「あ、ちょっとやってなかったから、
ちょっとむずかしの」
どうやらタイミングがつかめないらしい。
844
:
『年越しの祓』
:2016/02/09(火) 00:08:07
>>848
「昔から『何か作る』事に関しては熱中するタイプなんだよネ。
って違う違う、これはお菓子とかじゃないから。食べるものじゃないから」
慌てて、リルカが口に入れないように遠ざける。
「よし、じゃアタシとやってみよっか。いくよー」
まずは三つ、順々に投げ上げては受け止める───早い。
「まだまだイケるかな、リルカっち、一個こっちに投げてきて」
845
:
高井戸リルカ『アングラガルド』
:2016/02/09(火) 00:13:20
>>844
「…あめじゃないの?」
昔のなんかの映画みたいなシチュエーションである。
彼女の目はキョトンとしている。そもそも匂いしないのだが
「よーし…」
リルカは段々と勢いが上がってきたようだ。
お手玉をどうにかうまくやっている。
「いーち、にー、さん…ん?
わ、かったの…」
こっちに投げて、と言われてリルカは一つを軽く持って。
「えーい、うけとめてなの!」
ちょっと元気そうにポーンと放り投げる。
お手玉は放物線を描いて、縁組の手のひらに飛んで行く。
勢い良く投げたりしないようである。ひとまず安心だろう。
846
:
『年越しの祓』
:2016/02/09(火) 00:41:39
>>845
「飴じゃなーい、ガラスだよガラス、っと。おはじき、知ンないの?
お、リルカっちも結構うまいじゃん」
スチャッ
リルカの投げたお手玉を加え、三つが四つに増える。
が、『黒ギャル』の手さばきにはいささかの乱れもない。
「まだあと一個くらいはイケるかな、っと、よろしくリルカっち!」
847
:
高井戸リルカ『アングラガルド』
:2016/02/09(火) 00:44:08
>>846
「むー…みたこと…あるきがするし、ないかもなの…
ぴーんって、とんできたのあったかなーなの…」
悩み顔でおはじきを見る。
「こっちはどやってあそぶのかなー…」
お手玉しながらおはじきを見ている。
少し慣れてきたんだろうか。
「…あといっこ。
じゃあ、もっかい」
そう言って今度は反対側の手の方へ
「…よっとなの!」
今度はちょっと低い軌道で投げ込んで見る。
さっきよりもキャッチまでの時間が短い!
848
:
『年越しの祓』
:2016/02/10(水) 21:44:44
>>847
「ぴーんと?ああ、まあ、そうかもね、指で弾いて遊ぶものだから。
指で弾いて、ほかのおはじきに当てて、おはじきの取り合いしたりすんの……っと!」
スパッ
低い軌道で飛んできた五つ目を、後ろに飛び退りながら……足の甲で掬うようにして蹴上げる!
(いわゆるサッカーのリフティングというやつだ)
四つ玉でお手玉をしながらである。スゴイ(精密動作性:B)。
「リルカっち今さァ〜〜〜〜わざと低く投げたっしょ!」
と言いつつ、蹴上げた分を加えて五つ玉でお手玉をしてみせる。
849
:
高井戸リルカ『アングラガルド』
:2016/02/10(水) 21:51:13
>>848
「ゆびで……
『あんぐら』ちゃんをつかうのはだめなのかなーなの…」
軽くおはじきに目をやる…
と…彼女は中々の精密さを持って低い軌道のおてだまをキャッチしたのを見て…
「わー!すごいすごいなの!!」
楽しそうに手を叩きながらその様子を見る。
「うーん、だって…
あんまりうまくやってるから…
ちょっとびっくりさせたくなっちゃってなの…」
どうやら、ちょっとしたいたずらごころのようである。
「…ほんとにうまくやってるのー…
それくらいのことは…『あんぐら』ちゃんにはできないからなの…」
ちょっと羨ましそうだ。彼女は手の上でお手玉をキャッチする。
850
:
『年越しの祓』
:2016/02/10(水) 22:20:31
>>849
「ああ…リルカっちのやつはかなりパワーあるからね。
あれでおはじき勝負に来られたら勝てないかも………………ってかあのパワーだとおはじき砕いちゃわない?」
しかし自分も『使って』いるわけだし…と悩む。
「ふふふ伊達に常人越えてないし!
まあねえ、でもそれはさ、なんつうか、持ち味が別みたいな?
足が速い人もいれば絵がうまい人もいるし、力持ちな人もいれば勉強できる人もいるじゃん。
アタシの場合は器用ですばしっこいけど、力は並以下だし。
もしアタシとリルカっちの『あんぐらちゃん』が腕相撲したら、絶対勝てない自信あるよ」
五つ玉を両手でキャッチして、畳の上に座り込む。
と、そのタイミングで襖が開いた。お盆を手にした『巫女装束の少女』が二人を見遣る。
「…………何してるんですか、花組さん。あっそれ私が小さいころに作ったやつじゃないですか恥ずかしい…」
「いいじゃん別に減るもんじゃなし。ほんじゃ後はよろしく、必要になったら呼んでね。ほいリルカっち」
ヒュッ
突然、『黒ギャル』は手にしていた五つのお手玉をひょいひょいと軽くリルカに向かって放ってきた。
851
:
高井戸リルカ『アングラガルド』
:2016/02/10(水) 22:39:05
>>850
「…うん、そうなんだよなの…
『あんぐら』ちゃんは『ぶきよう』だから」
精密性の悪さのせいで、お手玉どころか、形を崩さずに持てるかも怪しいようだ。
「うらやましーかなーなの…
ちからつよくても、ぶきようだから
こう、どんってやるしかできないかんじなの…」
いろいろと思うところがあるのだろうか。
彼女のスタンドは、力が強いが…不器用なのだ。
「おねーちゃんは、かっこいいなーなの…
おてだまとってもうまい…」
そういったところで、巫女さんが現れたのを見て
「あ、あっと…」
リルカは放り込まれたお手玉を急いでキャッチする。
…二個くらい取りこぼしてしまった。
「……あそんでくれてありがとうねなのー。
またねー!」
と、立ち去る彼女を見送る。
「…たのしかったよーなの!
あのひととのおてだま!なの!」
お手玉を交互に見ながら答える。どうやらお手玉を満足してやっていたようである。
852
:
『年越しの祓』
:2016/02/13(土) 21:38:33
>>851
慌ててキャッチするリルカが顔を上げると、もう『黒ギャル』は居なくなっていた。
何時の間に出て行ったのだろうか…。
「その『どんってやる』のが役立つときがきっと来ますよ。
そうですね…じゃあこうしましょうか」
正座をすると、お盆に載ったお椀をリルカに渡しながら、その手を包むようにして握った。
「もし私が『どんってやる』ことが出来なくて困ってる時、リルカさんが助けてください。
逆にリルカさんが『どんってやる』事しか出来なくて困ってる時に、私が助けてあげますから。
さて、お待たせしましたリルカさん」
ほわっ…
お椀の中身は『味噌汁』だ。
白味噌の汁に、白い豆腐に、エメラルド色の海苔がたっぷり浮いている。
「『しじみと新海苔と豆腐のお味噌汁』です。
しじみのお味噌汁は酔い覚ましによく効くんですよ。アルコールは対外にミネラルを出してしまうので、新海苔を合わせました。
しじみは一度殻ごと身をあげて、身だけはずした後ミキサーですり潰して加えたので、殻をはずす手間なく全部食べれますよっ」
853
:
高井戸リルカ『アングラガルド』
:2016/02/13(土) 22:02:51
>>852
「あー、もういなくなっちゃった…」
あっという間にいなくなった『黒ギャル』を見て、
不思議そうな表情で首を傾げる
「うーん、そう?
こわすことばっかりに…なりそなの…」
ちょっと困った顔である。
「わかったの!くぐみん、いっしょにがんばろーなの!」
どうやら納得したようで、嬉しそうにうなずいた。
さて、いよいよメインといえるお味噌汁がやってきた。
『しじみと新のりと豆腐の味噌汁』…
「うわー!おいしそー!!」
その味噌汁から浮き上がってくるいい匂いに鼻をくすぐられる。
「しじみー…これってどんなあじがするのかなーなの!
まずは、これはたべてみよーなの!」
そう言って軽く味噌汁をすすり始める。
子供にも飲みやすい程よい味わい…
彼女の顔は即座に綻んでいった。
「ふはぁー…すごくおいしいのー」
彼女の顔はまるでSDキャラみたいにのほほんとした表情になっている。
854
:
『年越しの祓』
:2016/02/15(月) 00:47:23
>>853
「『守護霊(スタンド)使い』は助け合いですよっ!」
親指を立てると、小指も立てて指きりした。
味噌汁は新のりの香りが芳醇に漂い、しじみのコクのある味わいが汁に溶け出し、啜ると熱々の豆腐が喉を降りていく。
「喜んでもらえて幸いです!
多少覚ましてはありますけど、やけどしないように、気をつけて飲んでくださいねっ。
…今日はここで休んでいってもいいですよ?」
855
:
高井戸リルカ『アングラガルド』
:2016/02/15(月) 01:06:38
>>854
「んー、たすけあい、たすけあい!
『すたんどつかい』どーしだから…ねなの!」
ゆびきりげんまんしながら、ゆっくりと味噌汁を飲み干していく。
「ふー…まだあついところあるの…」
そう言ってゆっくり飲み干していき…
「…ん、いいよーなの!
ここも、なんだかあんしんなところだから…
いっしょにおふとんでねよなの!」
ニッコリ微笑んで、リルカは答えた。
小動物っぽい可愛さである。
彼女は無邪気に、言いながら、味噌汁を堪能し続けるのであった。
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